ハイキングの服装はどう選ぶ?登山との違いと失敗しない基本を解説
ハイキングの服装は「速乾素材のトップス+動きやすいパンツ+軽い羽織」が基本です。登山ほどの重装備は必要ありませんが、「防風」と「体温調整」は意識しておきましょう。
里山や標高差の小さい山を歩くハイキングは気軽なアウトドアです。ただし、山の環境は平地とは異なります。歩いていると暑く、立ち止まると冷える。この温度差に対応できる服装かどうかが、快適さを左右します。
この基本を押さえておけば、初めてのハイキングでも大きな失敗は避けられます。
目次
ハイキングの服装はどこまで必要?

まず整理しておきたいのは、ハイキングは「軽さ」を前提に考える活動だということです。
標高差が小さく、整備された道を歩くことが多いハイキングでは、本格的なレイヤリングを前提とする登山ほどの装備は、必ずしも必要ではありません。動きやすく、調整しやすい服装であることが優先されます。
基本は次の3点です。
・速乾性のトップス
・ストレッチ性のあるパンツ
・防風できる軽い羽織
この3点があれば、多くの低山ハイキングには対応できます。そこに帽子やサングラスなどの日差し対策を加えるイメージです。
一方で、標高差が大きいコース、行動時間が長いルート、天候が不安定な日などは、装備の考え方も少し変わります。その場合は、登山に近いレイヤリングを意識し、段階的に備えを厚くしていきましょう。
ハイキングと登山の服装の違い

「どこまでがハイキングで、どこからが登山なのか」。この線引きが曖昧だと、服装選びも迷いやすくなります。
目安としては、行動時間や標高差の大きさがひとつの判断材料になります。整理すると、違いは次のようになります。
| 項目 | ハイキング | 登山 |
| 標高差 | 小さい | 大きい |
| 防寒 | 軽めで対応 | 必須 |
| レインウェア | 天候次第 | 基本携行 |
| 靴 | スニーカー可の場合あり | 登山靴推奨 |
| レイヤリング | 簡易でOK | 構造的に必要 |
ハイキングは、気温変化に対応できる軽装が基本です。一方、登山では長時間行動や急な天候悪化を前提とし、装備を計画的に重ねていく必要があります。
目安として、標高差が300〜500mを超え、行動時間が5時間以上になる場合は、登山装備を前提に考えるほうが安心です。コースタイムや地形を事前に確認し、服装のレベルを判断しましょう。
登山向けの服装については、別記事で詳しく整理しています。
ハイキングの服装は標高と気温差を基準に考える

ハイキングでも、標高による気温差は意識しておきたいポイントです。
一般に、気温は標高が100m上がるごとに約0.6℃下がるといわれています。平地が25℃の場合を目安にすると、次のようになります。
| 標高 | 予想気温 |
| 500m | 約22℃ |
| 1000m | 約19℃ |
| 1500m | 約16℃ |
標高1,000mでは、平地より6℃ほど低くなる計算です。さらに風が加わると、体感温度はそれよりも下がります。
そのため、服装は「出発地点の気温」ではなく、「山頂付近の予想気温」を基準に考えるのが基本です。とくに春や秋は、日差しのある時間帯と日陰、休憩時で体感が大きく変わります。
軽い羽織や防風できるアイテムを一枚持っておくだけでも、安心感は大きく変わります。
ハイキングの服装を整えるレイヤー構成

ハイキングは登山ほど厳密なレイヤリングを前提としません。ただし、「汗を処理する」「体温を保つ」「風を防ぐ」という役割の考え方は共通しています。
難しく考える必要はありませんが、役割ごとに整理しておくと服装選びが安定します。重ね着の基本を押さえておくだけでも、快適さは大きく変わります。
汗を乾かすインナー選び「ベースレイヤー」
肌に直接触れる一枚目です。汗を吸い、素早く乾かす役割があります。この部分がうまく機能しないと、汗冷えにつながることがあります。
素材の違いを整理すると、次のようになります。
| 素材 | 特徴 | 向いている季節 |
| ポリエステル | 速乾性が高い | 夏中心 |
| メリノウール | 保温性があり汗冷えしにくい | 春・秋 |
価格帯は数千円台が中心です。特別な機能を求めるよりも、速乾性と着心地を基準に選ぶと失敗が少なくなります。
寒暖差に対応する中間着「ミドルレイヤー」
春や秋のハイキングでは、薄手のフリースや軽量スウェットが使いやすい選択肢になります。
行動中は体が温まり暑く感じても、休憩で立ち止まると一気に冷えを感じることがあります。とくに風のある尾根や日陰では体感温度が下がりやすく、一枚あるだけで体温管理がしやすくなります。
ミドルレイヤーは「強く保温するための一枚」というより、「寒暖差に対応するための一枚」と考えると選びやすくなります。厚みよりも脱ぎ着のしやすさを優先し、ジッパー付きなど体温調整しやすい仕様を選ぶと扱いやすくなります。
関連する記事
風を防ぐ軽い「アウター」
レインウェアほどの防水性が不要な場合でも、風を止める軽量のウインドシェルは心強い存在です。
山では、風があるだけで体感温度が大きく下がります。とくに尾根や開けた場所では影響を受けやすく、薄手でも一枚あると対応しやすくなります。
軽量でコンパクトに収納できるタイプであれば、ザックの中でもかさばりません。過剰なスペックを求めるよりも、携行しやすさと扱いやすさを重視すると、ハイキングには取り入れやすくなります。
春・夏・秋・冬で考えるハイキングの服装例

同じコースでも、季節が変われば選ぶ服装は変わります。ここでは低山ハイキングを前提に、過不足のない目安と具体的な服装例を紹介します。
迷ったときは、暑さよりも寒さへの備えを優先するのが基本です。気温差に対応できる服装かどうかを基準に考えてみましょう。
春(10〜20℃)の服装例

朝晩の冷えを考え、長袖を基本にします。日中は暖かく感じても、日陰や休憩時には体温が下がりやすい季節です。脱ぎ着で調整できる服装を意識すると安心です。
服装例
・速乾長袖Tシャツ
・ストレッチパンツ
・軽量ウインドシェル
・トレッキングシューズ
夏(20〜30℃)の服装例

速乾Tシャツと軽量パンツが中心です。汗処理と日差し対策を意識します。標高が上がると冷えることもあるため、薄手の羽織は一枚あると安心です。
服装例
・速乾半袖Tシャツ
・薄手パンツ
・通気性のある帽子
・トレッキングシューズ
秋(10〜20℃)の服装例

寒暖差が大きい季節です。重ね着で調整する前提で考えます。行動中は暑く感じても、夕方や風のある場所では冷えやすいため、脱ぎ着のしやすさを重視します。
服装例
・メリノウールまたは速乾長袖
・薄手フリース
・防風シェル
・トレッキングシューズ
冬(0〜10℃/低山)の服装例

雪のない低山であれば、防寒着を追加することで対応できます。凍結や積雪がある場合は、装備の考え方も変わります。事前に登山道の状況を確認し、無理のない範囲で計画を立てることが大切です。
服装例
・吸湿速乾インナー
・保温性のあるミドルレイヤー
・防風アウター
・防寒グローブ
・トレッキングシューズ
ハイキングの服装まとめ

ハイキングの服装は、軽さと調整のしやすさのバランスが基本です。ポイントは「乾きやすい素材」「風を止める一枚」「脱ぎ着で体温を調整できる構成」。この3点を押さえるだけで、多くの低山ハイキングには対応できます。
判断の基準は、平地の気温ではなく山頂付近の環境です。標高差や行動時間が大きくなる場合は、装備の考え方も見直します。
過不足なく整えることが、ハイキングを快適に楽しむための服装選びにつながります。
ハイキングの服装に関するよくある質問

服装の基本を押さえても、細かな疑問は残りやすいものです。ここでは、服装選びでよく迷うポイントを整理します。
ハイキングの服装は初心者でも特別な装備が必要ですか?
標高差が小さく、整備された低山であれば、手持ちの速乾素材から始めることも可能です。ただし、綿素材は汗冷えにつながることがあるため、できるだけ避けたほうが安心です。
まずは「乾きやすいトップス」と「羽織を1枚持つこと」を意識します。この2点を押さえるだけでも、体温管理がしやすくなります。
ハイキングの服装は気温何度を基準に考えればよいですか?
平地の気温ではなく、山頂付近の予想気温を基準に考えます。気温は標高が100m上がるごとに約0.6℃下がるといわれています。さらに風がある日は体感温度が下がりやすいため、防風できる一枚があると対応しやすくなります。
スニーカーでもハイキングはできますか?
整備された遊歩道や舗装路が中心のコースであれば、可能な場合もあります。ただし、濡れた土や岩場では滑りやすくなるため注意が必要です。
靴底に十分なグリップがあるかどうかを確認し、不安がある場合はトレッキングシューズを選択肢に入れると安心です。
ジーンズは避けた方がいいですか?
ジーンズは濡れると乾きにくく、重くなりやすい素材です。短時間の散策であれば問題ない場合もありますが、汗をかくと動きにくさや冷えにつながることがあります。
速乾性のあるパンツを選ぶと、水分が残りにくく、行動中も休憩中も扱いやすくなります。
春や秋のハイキングで失敗しやすい服装は?
朝晩の冷えを想定していない服装です。日中が暖かくても、休憩や風のある場所では体温が下がりやすくなります。
薄手でもよいので、防風できる羽織を一枚持っておくと対応しやすくなります。
ハイキングの服装はどのブランドを選べばよいですか?
軽量で扱いやすいモデルを展開しているブランドは、初めてでも選びやすい傾向があります。たとえば、モンベル、コロンビア、ザ・ノース・フェイスなどは、ハイキング向けの軽量ラインがそろっています。
本格的な登山向けモデルよりも、軽量でシンプルなシリーズから検討すると、扱いやすくなります。
ハイキングとトレッキングの服装は違いますか?
トレッキングは、ハイキングより行動時間や距離が長くなる傾向があります。その分、気温変化や天候の影響も受けやすくなります。
標高差や難易度が上がる場合は、レイヤリングを基本にした登山に近い装備を視野に入れて考えます。コース条件に合わせて、段階的に備えを整えることが大切です。
子どものハイキング服装はどう考えればよいですか?
基本的な考え方は大人と同じです。速乾素材を選び、体温調整しやすい羽織を用意します。子どもは体温変化が大きいため、脱ぎ着しやすい服装を意識すると対応しやすくなります。

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