扇沢から鹿島槍ヶ岳へ

コース難易度
中級
  • 2泊3日
  • 16時間35分
  • 23.6km

コースガイド

柏原新道同様よく整備されており、歩きやすいコースです。ただし南峰、北峰間の吊尾根は足元に注意が必要となります。
テクニック度
岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要
難易度の目安
難易度の目安
テクニック度
    岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける
    岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要
    岩場やクサリ場などがあって、中級以上の技術と経験が必要
山行日数
2泊3日
歩行時間
16時間35分
歩行距離
23.6km
最大高低差
1,539m
水場
扇沢等
トイレ
扇沢
 鹿島槍ヶ岳に登る一番人気のコースです。最短は赤岩尾根を登る道ですが、歩きやすさ、眺めのよさで本コースに軍配があがるでしょう。道中、種池山荘、冷池山荘、2軒の小屋があるので、いざという時に安心です。また、ゆったりした日程を立てることも可能となります。
 扇沢から爺ヶ岳中峰までは扇沢から爺ヶ岳へ(コースガイド)を参照。
 爺ヶ岳中峰からペンキ印に導かれて稜線沿いに下り、北峰を巻いて進んでゆくと、石の標識が建つ冷乗越に至ります。ここで赤岩尾根の道を右に分け、稜線沿いにわずかに登ると冷池山荘に到着です。山荘の横には名前の由来となった冷池があります。山荘をあとにし、キャンプ場を過ぎて、稜線に沿って登ります。付近はお花畑。大きな単一群落こそありませんが、多種の花が見られます。ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイなど、黄色の花が多く咲き誇ります。見頃は7月中旬から下旬です。
 登るにつれて視界が開け、やがて布引山に至ります。標識がなければ過ぎてしまうような小さい峰ですが、ここは眺めがすばらしいです。鹿島槍ヶ岳の南峰、北峰が突き上げるように並ぶ姿を眼前にできます。また見渡せば、一帯の地形に特徴があることに気づくでしょう。東の長野県側は絶壁を成し、西の富山県側にはなだらかな斜面が続きます。非対称山稜と呼ばれる地形です。
 ハイマツなどの緑は徐々に少なくなります。傾斜を増した砂礫の道を登れば、鹿島槍ヶ岳南峰に到着です。山頂は意外に広く、大人数でも休憩できます。となりの北峰をはじめ、北アルプス一帯を見渡して過ごせます。
 ここから先は気が抜けません。北峰に至る吊尾根は要注意です。特に下りだしは急坂で滑りやすく危険です。スリップすると自分がケガをするだけでなく、落石を起こして他の登山者にも危険を及ぼしてしまいます。慎重に砂礫の道を下り鞍部に至ると、分岐に出ます。左は八峰キレットを経て五竜岳に向かう道。右が北峰を往復する道です。標識を目印にひと登りすれば、北峰山頂に着きます。こちらも南峰同様、好展望が広がります。とくに尖った南峰の向こうに後立山の峰が続く景色は印象的です。
 帰路は往路を戻ります。滑りやすいので、北峰山頂からの下りだしは注意しましょう。
 赤岩尾根を下山する場合、赤岩尾根から鹿島槍ヶ岳へ(コースガイド)を参照。
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