山形の登山スポットおすすめ6選 初心者も楽しめる信仰と自然の名峰をめぐる

四季折々の自然が美しい山形県には、信仰の対象として親しまれてきた名山や、展望の良い里山、静かな森に癒される登山ルートなど、多彩な魅力の山々がそろっています。
登山道がよく整備されていてアクセスもしやすく、日帰りで登れる初心者向けの山も豊富。観光とセットで楽しめるコースも多く、気軽にリフレッシュしたい方にもぴったりです。
この記事では、山形で初心者におすすめの登山スポットを6座厳選してご紹介します。低山から百名山まで、それぞれの個性や見どころを丁寧にまとめているので、登山計画の参考にしてみてください。
目次
羽黒山(414m) 杉並木と五重塔に出会う、静寂のパワースポット

山形県を代表する信仰の山・羽黒山(はぐろさん)は、出羽三山のひとつ。標高は414mと控えめながらも、荘厳な雰囲気に包まれた特別な登山体験が味わえます。
参道入口の随神門から始まるルートは、まず下り坂。石段を降りていくと、樹齢300年以上の杉並木が広がり、静寂の中に国宝・羽黒山五重塔が佇みます。その神秘的な姿は、まるで時が止まったかのようです。
道中は「下ってから登る」という特徴的な構成ですが、整備された石段ルートなので、登山初心者でも安心して歩けます。谷あいの清らかな空気と森の静けさに包まれ、自然と心が整うような感覚が得られるでしょう。
“歩く参拝”とも言える羽黒山は、体力に不安がある方でも訪れやすく、パワースポット巡りとしても人気の場所です。
蔵王山〈熊野岳〉(1,841m、百名山) 御釜を望む、東北屈指の観光・登山スポット

東北を代表する名峰・蔵王山の主峰、熊野岳(くまのだけ)は、標高1,841mながら登山初心者でも訪れやすい百名山です。蔵王ロープウェイや刈田岳駐車場を利用すれば、体力に不安がある方でも無理なくアクセスできます。
火口湖「御釜(おかま)」の鮮やかなエメラルドグリーンを眼下に望む展望地としても知られ、観光と登山を組み合わせて楽しめるのが魅力です。
山頂周辺では、夏になるとコマクサやイワギキョウなどの高山植物が咲き、高原らしい開放的な風景が広がります。岩礫帯の荒涼とした景観とあいまって、スケール感のある景色が広がり、稜線に沿って歩くルートでは、天気が良ければ遠く太平洋まで見渡せる日もあります。
杢蔵山(1,026m) 展望とやさしさに包まれる、新庄のふるさと名峰

杢蔵山(もくぞうさん)は神室連峰の南端に位置し、新庄市街地からも近く、“ふるさとの山”として地元の人々に親しまれてきました。標高は1,026mと適度で、登山道はよく整備されており、登山初心者にも歩きやすい山です。
登山口からは渓流沿いの道を進み、鳥のさえずりや水音に包まれながら、穏やかな山歩きを楽しめます。途中には避難小屋もあり、万が一の際にも安心。山頂に立つと、最上地方の山々が広がる開放的な眺めが出迎えてくれます。
自然に癒されながら、気負わずに登れる杢蔵山は、登山を始めたばかりの方にもおすすめの一座です。静かな山頂で、心も身体もリセットできるような時間が過ごせるでしょう。
白鷹山(994m)歴史と信仰にふれる、静かな丘陵の展望スポット

白鷹山(しらたかやま)は、朝日連峰と蔵王連峰の間、最上川沿いに南北へ伸びる白鷹丘陵の最高峰です。標高994mと登りやすく、山形の里山らしい穏やかな風景と、古くからの信仰が息づく静かな山歩きが楽しめます。
山頂には虚空藏尊(こくうぞうそん)が祀られ、地元では農業の神としても信仰されてきました。冬には雪に覆われた山容が、白い鷹が羽を広げた姿に見えることから、その名がついたとされています。
登山口は6か所あり、いずれも短時間で登れるコースが中心。整備された登山道が多く、初めての登山でも無理なく歩けるルートが揃っています。コースによっては、山麓に点在する湧水や、火山の名残をとどめる湖沼なども見られ、自然観察を兼ねた散策としても楽しめます。
アクセスしやすく、穏やかな環境で自分のペースで歩ける白鷹山は、山形県内で気軽に登れる山として幅広い層に親しまれています。
摩耶山(1,020m、三百名山) 信仰の歴史を感じる、ブナの森と連峰の主峰

山形県北部、朝日連峰の北西端に位置する摩耶山(まやさん)は、特徴的な三つの峰をもつ静かな名峰。標高1,020mと手ごろながら、三百名山や山形百景にも選ばれ、神秘的な雰囲気とともに歴史ある山容が印象的です。
西側ルートでは、緩やかなブナ林をのんびり歩くことができ、鳥のさえずりや木漏れ日に癒されます。一方、東側はかつて修験道として使われた険しい道が残り、山岳信仰の歴史を感じながら歩けるのも魅力です。体力や経験に応じてコースを選べる点も、摩耶山ならではの特徴といえます。
登山口のひとつ「木野俣熊野神社」では、苔むした巨木や趣ある社殿が迎えてくれ、登山前後の立ち寄りにも適しています。山頂には一等三角点が設置され、朝日連峰の山並みを望みながら、静かな達成感を味わえます。
人の少ない山で、自分のペースで歩きたい初心者にもおすすめ。ブナの森に癒され、信仰の歴史にふれながら、穏やかな時間を楽しめる一座です。
船形山(1,500m) 個性的なコースが魅力、深く静かな360度パノラマの名峰

船形山(ふながたやま)は、山形と宮城の県境に広がる船形連峰の主峰で、山形側では「御所山(ごしょやま)」の名でも親しまれています。標高1,500mとやや高めですが、登山道は整備されており、計画次第で初心者にも歩きやすいルートが選べます。
コースは複数あり、登る道によってまったく異なる表情を見せてくれるのも船形山の魅力。ブナ林を抜ける静かな道や、沢沿いの爽やかなルートなど、どれも自然に包まれた豊かな環境を歩けます。
山頂では、朝日連峰や月山、蔵王連峰まで見渡せる360度の展望が待ち受けています。人が少なく、山深く静かな時間が流れる中で、心が自然と整っていくような感覚を味わえるでしょう。
落ち着いた環境のなかで、自分のペースで登山を楽しみたい人にも適した山です。複数のコースを通して、山形の自然の奥行きをじっくりと味わえます。
山形の登山を楽しむなら、事前準備とルート確認を忘れずに

山形県には、信仰の歴史を感じる参道歩きから、静けさに包まれた本格的な登山まで、さまざまなスタイルの山歩きが楽しめる山々が揃っています。羽黒山のように観光を兼ねて訪れやすい山や、倉手山・船形山のように展望の達成感を味わえる山、ブナ林に癒される杢蔵山・摩耶山など、登山初心者にも選びやすい選択肢が豊富です。
ただし、標高や登山道の整備状況は山ごとに異なるため、安全に楽しむには事前の情報収集とルート確認が欠かせません。そんなときに頼りになるのが、登山地図アプリ「山と高原地図ホーダイ」です。オフラインでも現在地やルートを確認でき、分岐が多い登山道でも安心して行動できます。紙地図とあわせて使えば、より確実です。
初夏には高山植物が咲き、秋には紅葉、冬には雪景色と、季節ごとに異なる表情が楽しめるのも山形の山の魅力。装備を整え、準備ができたら、自分のペースで静かな山歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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