日帰りで楽しむ山梨の登山スポット8選 富士山の絶景から静かな名峰まで

富士山を望む雄大な風景、美しい森林と澄んだ空気。都心からのアクセスも良く、日帰りで登れる魅力的な山が揃う山梨県は、登山初心者にもやさしいエリアです。

今回は、標高や体力度、アクセスのしやすさをふまえ、安心して歩けるルートを厳選。富士山を間近に感じられる展望の山や、のんびり歩ける静かな森のコースまで、季節ごとに訪れたくなる8座を紹介します。

2025年7月27日 更新

竜ヶ岳(1485m) 本栖湖と富士山を望む絶景 「ダイヤモンド富士」で知られる人気の展望峰


竜ヶ岳(右)と富士

富士五湖のひとつ、本栖湖の南岸にそびえる竜ヶ岳は、富士山の展望台として親しまれている山です。毎年1月初頭、山頂から朝日が富士山頂と重なる「ダイヤモンド富士」が見られることで知られ、多くの登山者や写真愛好家が訪れます。

登山道はよく整備されており、ゆるやかな傾斜が続く本栖湖キャンプ場からのルートなら、登山初心者でも無理なく日帰りで楽しめます。ブナ林や開けた草原を通り抜けるコースは歩いていて心地よく、秋にはカラマツの黄葉が足元を彩ります。

アクセスは、富士急行線・河口湖駅からバスで「本栖湖」バス停へ向かい、登山口まで徒歩圏内。マイカー利用の場合は本栖湖キャンプ場周辺の駐車場が便利です。

山頂からは南アルプスの稜線や富士山の全容が見渡せ、晴れた日の眺望は格別。登山後は本栖湖畔でのんびり過ごすのもおすすめです。絶景と安心感を兼ね備えた、登山初心者にも自信をもって紹介できる一座です。

高川山(975m) 駅から登れる富士展望の名所 初心者にも人気のハイキングルート


高川山から南アルプス

標高975mの高川山は、JR中央本線・初狩駅から歩いて登れるアクセスの良さと、山頂からの圧巻の富士山ビューで知られる人気の山です。距離も手ごろで、登山デビュー後の「次の一歩」として選ばれることも多く、日帰りで自然と展望を楽しみたい人にぴったりです。

登山道はよく整備され、往復のコースタイムは約3時間。序盤は里山の穏やかな雰囲気があり、やがて明るい雑木林に包まれた登山道に。山頂直下ではやや急登になりますが、滑りにくい土の道で安心感があります。

頂上にたどり着くと、目の前に広がるのは遮るもののない富士山の大パノラマ。空気の澄んだ日には南アルプスの峰々まで望めます。広めの休憩スペースで、お弁当を楽しみながらゆっくり過ごすのもおすすめです。

アクセスは、JR中央本線・初狩駅から登山口まで徒歩すぐ。電車で気軽に行けるため、公共交通での登山にも最適です。

開運山<三ッ峠山>(二百名山・1785m) 花と信仰の名峰 富士山を望む静かな展望台へ

三ッ峠山は、開運山・御巣鷹山・木無山からなる連山で、主峰の開運山は富士山を正面に望む展望地として知られています。河口湖の北東に位置し、古くから信仰の山としても親しまれてきました。

登山の拠点となるのは「三ッ峠登山口」。ここから開運山の山頂までは、片道およそ2時間半。登山道はよく整備されており、途中には三ッ峠グリーンセンターなどの休憩施設もあります。春のミツバツツジや夏のヤマユリなど、季節の花も見どころです。

山頂からは、富士山をはじめ南アルプスや八ヶ岳まで一望。とくに朝の澄んだ空気の中での展望は印象的で、静かな山頂でゆっくり過ごす時間も魅力のひとつです。

アクセスは、富士急行線・三つ峠駅や河口湖駅から登山口までバス利用が可能。車でのアクセスも便利で、駐車場も整っています。

奈良倉山(1349m) 森の癒しと富士山の展望を両立 巨樹と温泉に出会える静かな山


奈良倉山から望む富士山

奈良倉山は、大月市と小菅村の境界に位置する穏やかな山で、ブナやミズナラの森に包まれた登山道と山頂からの富士山展望が魅力です。比較的なだらかな尾根歩きが中心で、初心者でも安心して歩けます。

小菅の湯方面からの登山道では、樹齢数百年とされる巨樹に出会える場面も。緑に包まれた静かな道を進み、木々の間からときおり姿を見せる富士山が、日常の喧騒を忘れさせてくれます。秋の紅葉も美しく、落ち着いた雰囲気を求める人にぴったりです。

山頂は木々に囲まれながらも富士山方向の視界が開け、落ち着いた展望が楽しめます。

アクセスは、JR中央本線の猿橋駅または上野原駅からバスで「小菅の湯」方面へ向かい、終点付近で下車して登山口へ。バス停から歩いてそのまま登山を始められます。下山後にはそのまま温泉に立ち寄れるのも魅力です。

岩殿山(634m) 大月駅から歩いて行ける歴史の山 岩壁の迫力と展望を楽しむショートハイク


丸山公園から岩殿山

標高634mと控えめながら、巨大な岩壁と山城跡の存在感で登山者を引きつける岩殿山。JR中央本線・大月駅から徒歩圏内で登山口にアクセスでき、手軽に自然と歴史に触れられる山として親しまれています。

登山道はよく整備され、序盤は樹林帯、山頂直下で視界が開け、富士山方面の展望も。山頂付近には戦国時代の山城「岩殿城」の跡が残っており、歴史好きにはたまらないスポットです。

岩場の多い区間もありますが、難所を避けるルートも選べるため、初心者でも安心。短時間で歩ける点も魅力です。

アクセスは、JR中央本線・大月駅から登山口まで徒歩約15分。下山後は駅前のカフェや飲食店に立ち寄るのもおすすめです。

九鬼山(970m) 静けさの中に富士を望む 達成感ある変化に富んだ低山ハイク

富士急行線・禾生駅や田野倉駅から登れる九鬼山は、標高969.9mながら展望と変化に富んだコースが楽しめる、静かな低山です。

登山道は、雑木林から岩の露出する急登まで変化に富み、歩きごたえがあります。体力度はやや高めですが、時間をかけて登れば初心者でも十分に登頂可能です。

山頂からは、条件が整えば富士山の眺望も期待でき、達成感はひとしお。縦走ルートや周回コースも選べるため、少し登山に慣れてきた人にも好まれています。

アクセスは、富士急行線・禾生(かせい)駅または田野倉駅からスタートし、駅から直接登山道へ。人の少ない山で静かに過ごしたい人にぴったりの一座です。

長者ヶ岳(1336m) 田貫湖と富士山を望む 物語の残る静かな展望の山


長者ヶ岳山頂から間近に仰ぐ初冬の富士

富士山の西側、田貫湖の背後にそびえる長者ヶ岳は、富士山を正面に望める静かな展望の山。信仰や伝説が色濃く残り、落ち着いた雰囲気を持っています。

山名は、かつてこの地に住んでいた炭焼きの長者にまつわる伝説に由来。田貫湖からのルートは整備が行き届いており、やがて山頂直下の広い斜面に出ます。

山頂からは、大沢崩れを抱く富士山西面の雄大な姿と、南アルプス方面の展望が広がります。幻想的な朝夕の景色も魅力です。

アクセスは、JR身延線・富士宮駅からバスで田貫湖方面へ。車の場合も周辺に駐車場が整っています。

天子ヶ岳(1330m) 富士山を正面に望む静かな稜線 伝説と展望が彩る穏やかな山歩き

長者ヶ岳の南に位置する天子ヶ岳は、田貫湖を挟んで富士山を望む穏やかな稜線の山。広葉樹の森に包まれた登山道を進むと、やがて富士山の大展望が広がります。

この山もまた「長者ヶ池伝説」の舞台のひとつとされ、歴史や信仰の趣を感じられる雰囲気が魅力。登山道はアップダウンも控えめで、歩きやすいルートです。

田貫湖越しに見る富士山の姿や、南アルプス方面の眺望も楽しめます。長者ヶ岳との縦走ルートをとれば、満足度の高い山行に。

アクセスは、JR身延線・富士宮駅から田貫湖方面行きのバスを利用。車の場合も湖畔に駐車場があり、登山後のリラックスにも便利です。

安心して楽しめる「山梨の日帰り登山」へ 自然を感じる一歩を

富士山の絶景や歴史を感じる里山、静かなブナの森など、山梨には日帰りで充実した登山が楽しめる山が数多くあります。今回紹介した8座は、アクセスのしやすさや道の整備状況、展望の魅力などをふまえ、登山初心者にも安心しておすすめできる山ばかりです。

安全に登山を楽しむには、事前の情報収集と地図の携行が重要です。紙の地図やアプリを活用し、ルートや所要時間、万が一のエスケープルートまで確認しておきましょう。

「山と高原地図ホーダイ」アプリなら、登山専用の詳細地図をスマートフォンで手軽に確認でき、電波が届かない場所でもGPSで現在地を把握。安心して登山計画を立てることができます。

自然の中で気分をリフレッシュしたくなったら、まずは山梨の日帰り登山へ。自分のペースで登れる山から始めて、少しずつフィールドを広げてみてください。

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