鷹取山ハイキングコースガイド 絶景と採石場跡を巡る初心者向け里山ハイク
神奈川県横須賀市と逗子市の境に位置する「鷹取山(たかとりやま・標高139m)」は、初心者でも登りやすく、山頂からのパノラマ風景を気軽に楽しめる里山です。かつて採石場として利用された山中には、垂直に切り立った岩壁や巨大な仏像など、他では見られない景色が広がります。
今回は、京急本線の追浜(おっぱま)駅から神武寺(じんむじ)までを歩く、初心者向けコースをご紹介。実際の歩行記録をもとに、鷹取山ハイキングコースの特徴や見どころ、安全な装備、下山後のおすすめスポットをまとめました。
目次
鷹取山ハイキングコースの魅力 絶景・岩壁・古刹を一度に楽しめる

明治から昭和初期まで採石が行われた鷹取山は、垂直に切り立った岩壁が群馬の「妙義山(みょうぎさん・標高1104m)」に似ていることから、「湘南妙義」とも呼ばれています。人工的に作られた岩や、山頂手前にある巨大な仏像の「磨崖仏(まがいぶつ)」など、独特な景観が見どころです。
山頂の展望台からは、富士山や相模湾、房総半島まで見渡せる360度の大パノラマが広がります。また、山頂からアクセスできる古刹「神武寺」の境内には、重要文化財などの名所が点在。ハイキングコースを通じてたっぷり観光を楽しめます。
鷹取山ハイキングコースへのアクセス方法

今回ご紹介するコースの起点は、京急本線の追浜駅。横浜駅から約20分、東京都心からは約1時間でアクセスできます。
※鷹取山ハイキングコースへは、京急本線「京急田浦駅」、京急逗子線「神武寺駅」、横須賀線「東逗子駅」からもアクセス可能です。
車でのアクセス
横浜横須賀道路の堀口能見台ICまたは逗子ICを降りた後、国道16号線(横須賀街道)で追浜駅にアクセスします。駐車場は追浜駅東口側に点在するコインパーキングを利用しましょう。
駅周辺は混みやすいため、時間に余裕をもって訪れるのがおすすめです。
鷹取山ハイキングコース詳細 追浜駅から神武寺まで多彩な見どころを巡る往復ルート

今回は、京急本線の追浜駅から神武寺を往復する、初心者向けのハイキングコース。追浜駅東口から住宅街を抜け、首斬観音(くびきりかんのん)を経由して山頂の展望台へ。その後は鷹取山公園と磨崖仏を巡り、神武寺山と神武寺に足を延ばします。帰路はコースを折り返して追浜駅に戻ります。
鷹取山ハイキングコースはよく整備されていて歩きやすく、休憩所やトイレも多いため、初心者でも気軽に登れるのがポイント。ただし、山頂から神武寺の間は岩場や急こう配、鎖場があるため、登山装備は万全にしておきましょう。
タイムスケジュール
コースデータ
・難易度:やさしい ※鎖場あり
・歩行距離:8.0km
・所要時間:3時間35分(休憩含む)
・最大高低差:130m
・トイレ:追浜駅、湘南鷹取2丁目第3公園、鷹取山公園、神武寺
・登山客の数:ふつう
※磨崖仏〜水道配水池の区間は、落石により令和7年6月から当面の間通行止めとなっています。
登山記録メモ(3月中旬)
・時期:3月中旬
・天候:晴れ
・気温:最高15℃/最低5℃
・体感メモ:早朝は肌寒さを感じる。山を登っていると気温が上がり、日中は少し暑い
追浜駅から山頂展望台へ 最初は分岐の多い住宅街を抜ける

追浜駅から鷹取山を目指して出発です。登山口まで住宅街を歩いていきますが、細かい分岐が多いため、地図を確認しながら進んでください。
追浜駅の東口を出て右に曲がり、しばらくアーケード街の屋根のある通りを進みます。

アーケードが終わると右手に京急本線の線路が現れるので、踏切を渡りましょう。前方には鷹取山の山容が見え、ハイキングコースへの期待が高まります。

すぐ正面にある「良心寺」の手前で左へ曲がり、真っすぐ進みます。

この分岐では左奥の道へ。線路沿いの静かな道を歩いていきます。

右にカーブする道を抜けると、突き当たり正面に小さなお堂が見えてきます。

横須賀の名所、「首斬観音」に到着です。大正末期、国道建設時に発見された頭がい骨を供養するために建てられたもので、石塔や地蔵が祀られていました。

首斬観音前で右に曲がり、すぐに現れる分岐で右の細い道へ。ここからは細い路地を抜けていくため、道を間違えないように注意してください。

細い道を進み、「湯屋の下橋」と書かれた小さな橋を越えたら、次の交差点で左へ。しばらく広い道路を道なりに進んでいきます。

徐々に草木が豊かになり、緩やかに標高が上がっていきます。坂道の途中には「湘南鷹取2丁目第3公園」があり、ここでトイレを利用することも可能です。
分岐に注意して進み、鷹取山公園の入口を目指す

やがてY字路に突き当たるので、右の道に進みます。

交差点で右へ曲がり、緩やかな坂道を登っていきます。

突き当たりで右へ、左手に草木を見ながら直進します。

交差点の手前、左手側に階段と「鷹取山公園・磨崖仏」と書かれた看板を発見しました。ここも鷹取山ハイキングコースの入口の一つ。

現在は落石による通行止めで、立ち入り禁止の張り紙がかかっています。今回はさらに住宅街を進んだ先、「鷹取山公園の入口」から山頂を目指します。

横断歩道を渡り、左奥に見える道路へ向かいましょう。

二つ目の横断歩道で左へ。しばらく道なりに真っすぐ進みます。

突き当りで右に曲がり、そのまま直進します。

突き当りを左へ、すぐ先の角を右に曲がります。
鷹取山公園の入口に到着 ここからハイキングコーススタート

「鷹取山公園」と書かれた看板が見えてきたら、公園入口に到着です。ここから先が、今回の鷹取山ハイキングコース。山頂にある展望台を目指しましょう。

アスファルトの坂道を登っていきます。鷹取山ハイキングコースは山頂までよく整備されていて、歩きやすい道が続きます。

木々の隙間から展望が開け、眼下には横須賀の市街地が広がります。遠方にはわずかに東京湾の姿も望め、穏やかな景色に癒されました。

道の途中、右手側に現れる階段を登ります。階段の周囲は藪に包まれ分かりにくいため、見逃さないよう注意してください。

やや傾斜のある階段を上がっていきます。

階段を上りきると広場に到着。正面には切り立った岩壁が姿を見せています。人の手によって削られた巨大な岩石が、独特な景観を生み出していました。
これらの岩は、鷹取山で採取できる「鷹取石」。耐火性に優れ、建築用材や家庭用のかまど、東京湾の海堡(かいほ)建設などに利用されたそうです。

さらに進むと、山頂展望台へと続く階段が現れました。山頂に広がる絶景を励みに、一歩ずつ登っていきます。
この階段は傾斜がきつく、足に負担がかかります。手すりを利用するなど、無理せず自分のペースで上がりましょう。

前方の視界が開け、展望台の姿が見えました。山頂はすぐ目の前です。
鷹取山山頂で360度のパノラマと迫力の岩壁を満喫 鷹取山公園を経由して磨崖仏へ

追浜駅から約1時間、鷹取山山頂に到着しました。岩山の上にある展望台からは、標高139mとは思えない360度の大パノラマが広がります。

東側には横須賀道路や横須賀軍港、東京湾が広がり、西側には二子山など三浦アルプスの山々。よく晴れた日は、丹沢山地や富士山などの名峰も望めます。
わずか1時間で山頂に着くことができ、岩壁と絶景を気軽に楽しめる鷹取山は、関東屈指の初心者向け穴場スポットだと感じました。

絶景を存分に堪能したら、次の目的地である「鷹取山公園」へ。再び広場へと戻り、右手に岩壁を見ながら道なりに進みます。やや道が分かりにくいため、地図を広げて方向を確認しておくとよいでしょう。

山頂周辺の岩壁はロッククライミングの練習場で、岩を登る人の姿が見られることも。垂直にそり立つ巨大な岩肌には打ち込まれたハーケンの跡が残り、その迫力を一層引き立てます。
※山頂の岩壁へ許可なく登ることは禁止されています。利用する場合、鷹取山安全登山協議会への届け出が必要です。

山頂からおよそ5分で鷹取山公園に到着しました。見晴らしのよい公園内には東屋や自販機が設置されていて、休憩にぴったりのスポット。

標高115mに位置する公園からは、眼下に鷹取小学校や横須賀市・金沢区の街並みを一望できます。この日はよく晴れていて、みなとみらいや太平洋まで見渡せました。

ここから先は休憩所がないため、公園内で水分補給やトイレを済ませておきましょう。身支度を整えた後、次のスポット「磨崖仏」を目指します。

道標に従い、緩やかな階段を上がっていきましょう。前方には切り立った大きな岩壁がそびえ立ち、迫力満点の景観が続きます。

歩きやすい階段が続く磨崖仏までの道のり。アップダウンを繰り返しながら進みます。

鷹取山の名所、磨崖仏に到着しました。岩壁に彫られた高さ約8m、幅約4mの巨大な弥勒菩薩尊像は、昭和35年からおよそ1年かけて彫刻家が制作したもの。実物を目の前にすると、その存在感に圧倒されます。
神武寺山と神武寺へ ゴツゴツとした岩場を歩く

磨崖仏を出発し、次の目的地である「神武寺山」と「神武寺」へ。道標に従って進んでいきます。

ゴツゴツとした岩が目立ちはじめ、ハイキングコースから登山道らしい景観へと変化します。山頂から先は本格的な登山道になるため、気を引き締めていきましょう。

急斜面の岩場に鎖場が現れます。登山に慣れていない人は苦戦しやすい場所で、鎖場の周辺には人の列ができていました。

鎖をしっかりと握り、切り立った岩壁を慎重に歩きましょう。ほどよいスリルが味わえる鷹取山の鎖場は、山歩きの練習場所としても最適なスポットです。

展望が開けた場所に出ると、「神武寺山(じんむじやま・標高134m)」に到着。岩山からは三浦アルプス方面の展望が広がり、住宅街と穏やかな稜線が望めます。

山頂周辺はあまり整備されていない印象。山頂標識などは見当たらず、足元に三角点を見つけました。展望スポットには柵がないため、景色を楽しむ際は十分に注意してください。

神武寺山から緩やかな山道を下っていくと、眼下にお寺が見えてきます。
神武寺に到着 鷹取山公園まで戻り追浜駅へ下山

こちらも鷹取山の名所、神武寺に到着です。令和6年に開創1,300年を迎えた歴史あるお寺で、境内で最も古い建築の重要文化財「薬師堂」には、秘仏本尊の薬師三尊像と十二神将像が祀られています。

その他にも、逗子八景のひとつに数えられる「鐘楼堂」や、神奈川県の名木100選に選ばれた「なんじゃもんじゃの木」など、数々の名所が点在します。荘厳な空気を味わいながら、じっくりと散策を楽しみましょう。

神武寺の見どころを満喫したら、下山を開始。歩いてきたコースを引き返し、鷹取山方面に戻ります。

鷹取山公園まで戻ってきました。住宅街が見えると、里山の空気を改めて実感します。山頂の絶景や磨崖仏、神武寺などの美しい景観を振り返りながら下っていきましょう。

鷹取山公園の入口に着くとハイキングコースが終了。住宅街を最短ルートで歩き、追浜駅を目指します。

追浜駅に到着したら、鷹取山ハイキング終了です。短時間ながら、岩場の迫力や絶景、数々の見どころがある大満足のハイキングコースでした。
鷹取山ハイキングコースにおすすめの服装・持ち物まとめ あると便利な携帯品を紹介

山頂まで気軽に登れる鷹取山ですが、歩きにくい岩場や鎖場もあるため、装備を万全にしておくことが大切です。特に初心者の場合、怪我や転倒などに備えたグッズは欠かせません。
ここでは、鷹取山でおすすめの服装と持ち物をご紹介します。
鷹取山ハイキングコースの基本的な服装イメージ

冬〜春の晴天時の日帰り登山であれば、以下の服装が目安です。
・ベースレイヤー(インナー)
・速乾性のある長袖シャツ(速乾ロンT)
・登山パンツ
・薄手のフリース(山頂付近は雨風で体感温度が下がりやすいため、1枚あると快適)
・登山用ソックス
・足元はトレッキングシューズ、またはソールのしっかりした運動靴
・アウター
岩場の多い鷹取山では、長袖・長ズボンが安全です。服の素材は体を動かしやすい伸縮性・耐久性の高いものを選ぶのがおすすめ。
鷹取山ハイキングコースに持っていきたいアイテムリスト

以下は日帰り登山における基本装備の一例です。怪我や体調不良、悪天候に備えて必要なものはしっかり準備しましょう。
必携アイテム
・飲み物(500ml~1L以上、夏は多めに)
・軽食・行動食(チョコやナッツなど手軽に食べられるもの。夏は塩分補給タブレットなども便利)
・タオル、手ぬぐい
・日焼け止め、帽子(つば付きが便利)
・レインウェア(急な雨に備えて必ず携行)
・スマートフォン+モバイルバッテリー
・地図アプリまたは紙地図(オフラインでも確認できるもの)
あると便利な装備品
・トレッキングポール
・登山用グローブ
・サングラス
・虫除けスプレー
・クマ鈴、ホイッスル
・携帯トイレ、ティッシュ、ゴミ袋
・エマージェンシーシート
・救急セット(絆創膏、常備薬など)
・テーピング
鷹取山は岩場が目立つため、怪我防止グッズや救急セットは余裕をもって携帯しておきましょう。鎖場では滑り止めのグローブがあると安心です。
鷹取山下山後に立ち寄りたいグルメスポットまとめ
今回の鷹取山ハイキングコースのスタート/ゴール地点でもある追浜駅周辺には、老舗店から新店まで注目のグルメスポットが点在。横須賀観光の記念やお土産にぴったりの味が揃います。
ここでは、下山後にアクセスしやすいおすすめの3店をご紹介します。
横須賀コロッケのマルシン 追浜店

「横須賀コロッケのマルシン」は、名物「横須賀コロッケ」を販売する惣菜店です。揚げたてのコロッケは、外はサクサクで中はトロリと溶ける絶品。熱々の肉汁があふれ出る極上の味わいで、横須賀を訪れたらぜひ食べておきたい逸品です。
Mam’s Kitchen

2025年3月にオープンした「Mam’s Kitchen」では、家庭的な味がおいしい週替わり弁当を販売中。栄養もボリュームも満点で、唐揚げやハンバーグなどの定番メニューも充実しています。週替わりや季節限定のメニューは、公式サイトやSNSを要チェック。
掛田商店

和風モダンな外観が目を引く「掛田商店」は、「つくる人の心を伝える店」として、日本酒やワインなどの酒類と伝統食品を取り扱っています。地酒ブームの先駆け的存在で、店内には約160蔵の熟成酒がずらりと並びます。お土産や自分へのご褒美にもおすすめ。
鷹取山ハイキングコースのよくある質問

Q. 鷹取山ハイキングコースは初心者でも楽しめますか?
A. 低山の里山ハイキングコースで、ビギナーや初心者でも気軽に登れます。一方、岩場や鎖場など歩きにくい箇所もあるため、万全の装備で安全にハイキングを楽しみましょう。
Q. 鷹取山ハイキングコースの展望スポットはどこにありますか?
A. 山頂展望台からは360度の大パノラマが広がり、横須賀市街地をはじめ、よく晴れた日には富士山や伊豆、房総半島まで見渡せます。また、山頂近くの鷹取山公園、神武寺山からの雄大な景色も必見です。
Q. 鷹取山ハイキングコースはどの季節に登るのがおすすめですか?
A. 四季折々の景観があり、通年で楽しむことができます。ただし、標高が低く暑さの影響を受けやすいため、熱中症の恐れがある真夏は避けるのが無難です。
Q. 鷹取山ハイキングコースの最寄り駅はどこですか?
A. 京急本線の「追浜駅」と「京急田浦駅」、京急逗子線の「神武寺駅」、横須賀線の「東逗子駅」から徒歩でアクセスできます。出発駅を変えて多彩なコースを楽しむのもおすすめですよ。
鷹取山ハイキングコースで絶景と歴史を気軽に満喫

鷹取山ハイキングコースは、短時間で登頂できる手軽さが魅力。展望台からの絶景、採石場跡ならではの岩壁や磨崖仏、神武寺といった歴史スポットなど、他の低山や里山にはない多彩な景観が広がります。
初心者でも登りやすい一方、岩場や急斜面ではほどよい緊張感があり、十分な登りごたえを感じられます。山歩きに必要な装備をしっかり整えて、鷹取山ハイキングコースを存分に楽しんでください。
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