【宮崎県】の登山コースガイド
宮崎県
検索結果25件中
1-20件
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池めぐり自然探勝路から白鳥山へ
- 日帰り
- 1時間55分
- 4.2km
池めぐり自然探勝路から白鳥山へ
- 日帰り
- 1時間55分
- 4.2km
えびのエコミュージアムセンターから、池めぐり自然探勝路を進みます。橋を渡り三叉路を右折、整備された石段の同探勝路をしばらく登るとえびの展望台です。韓国岳から裾野に広がるえびの高原の全容が見渡せます。さらに石段を登り、アカマツ林を超えるとやがて平らな道になり白鳥山南登山口分岐に着きます。直進すると5分ほどで白紫池ですが、分岐を左に折れ山頂へ進みます。約15分ほど登ると白紫池や六観音御池、韓国岳を望める二湖パノラマ展望台に到着です。さらに樹林帯を進みガレ場となり視界が開けるとやがて白鳥山山頂で、目の前には韓国岳を望む絶景が広がります。ここからほぼ平坦な道となり白鳥山北展望台を過ぎ、下っていくと白鳥山北登山口の分岐に着きます。 帰りはえびのエコミュージアムセンターへ戻りますが、白鳥山北登山口から池めぐり深勝路を進み、六観音御池へ足を伸ばすのもおすすめです。えびのエコミュージアムセンターから、池めぐり自然探勝路を進みます。橋を渡り三叉路を右折、整備された石段の同探勝路をしばらく登るとえびの展望台です。韓国岳から裾野に広がるえびの高原の全容が見渡せます。さらに石段を登り、アカマツ林を超えるとやがて平らな道になり白鳥山南登山口分岐に着きます。直進すると5分ほどで白紫池ですが、分岐を左に折れ山頂へ進みます。約15分ほど登ると白紫池や六観音御池、韓国岳を望める二湖パノラマ展望台に到着です。さらに樹林帯を進みガレ場となり視界が開けるとやがて白鳥山山頂で、目の前には韓国岳を望む絶景が広がります。ここからほぼ平坦な道となり白鳥山北展望台を過ぎ、下っていくと白鳥山北登山口の分岐に着きます。 帰りはえびのエコミュージアムセンターへ戻りますが、白鳥山北登山口から池めぐり深勝路を進み、六観音御池へ足を伸ばすのもおすすめです。 -
甑岳周回コース
- 日帰り
- 2時間30分
- 3.6km
甑岳周回コース
- 日帰り
- 2時間30分
- 3.6km
甑岳登山口(露天風呂跡地側)からの案内板に従い自然林の中を進みます。池めぐり自然探勝路からのコースと出会ったら、坂道を下って木橋を渡り、郷土の森入口の道標を直進します。付近はいくつもの尾根が重なり合う平地のため、ガスがかかると迷いやすいので要注意です。 やがて登りにさしかかると甑岳への取り付きです。ここからは獣道など多数あるので登山用目印の赤テープを見失わないように高度を稼ぎます。急坂を登りガレ場を抜けると甑岳山頂です。韓国岳が迫り、風向きによっては硫黄山の白煙や硫黄の匂いもします。 時間があれば火口縁(直径約600m)を周回してみましょう。初夏にはミヤマキリシマ、ミツバツツジ、ヤマツツジ。秋の木々の紅葉は登山客の目を楽しませてくれます。火口内はススキの草原で池塘と呼ばれる湿原があり、高山植物に加え、湿地帯特有の食虫植物のモウセンゴケなどを見る事が出来ます。帰りは往路を辿り甑岳登山口へ戻ります。甑岳登山口(露天風呂跡地側)からの案内板に従い自然林の中を進みます。池めぐり自然探勝路からのコースと出会ったら、坂道を下って木橋を渡り、郷土の森入口の道標を直進します。付近はいくつもの尾根が重なり合う平地のため、ガスがかかると迷いやすいので要注意です。 やがて登りにさしかかると甑岳への取り付きです。ここからは獣道など多数あるので登山用目印の赤テープを見失わないように高度を稼ぎます。急坂を登りガレ場を抜けると甑岳山頂です。韓国岳が迫り、風向きによっては硫黄山の白煙や硫黄の匂いもします。 時間があれば火口縁(直径約600m)を周回してみましょう。初夏にはミヤマキリシマ、ミツバツツジ、ヤマツツジ。秋の木々の紅葉は登山客の目を楽しませてくれます。火口内はススキの草原で池塘と呼ばれる湿原があり、高山植物に加え、湿地帯特有の食虫植物のモウセンゴケなどを見る事が出来ます。帰りは往路を辿り甑岳登山口へ戻ります。 -
えびのエコミュージアムセンターから韓国岳へ
- 日帰り
- 4時間10分
- 6.8km
えびのエコミュージアムセンターから韓国岳へ
- 日帰り
- 4時間10分
- 6.8km
えびのエコミュージアムセンターから遊歩道を伝って歩き出します。硫黄山から噴き出る硫黄の匂いや、噴気の轟音を聞きながら歩くと、3合目下分岐にて従来の硫黄山からの登山ルートに合流します。展望所からは硫黄山の噴気がはっきり確認でき、さらに進んでいくとやがて樹木も低くなり視界がひろがります。 緩やかな登りですが、ガレ場が多く足を取られるため、浮石には要注意です。眼下にえびの高原の建物やえびの岳、白鳥山、硫黄山の白煙、不動池などが見え始めると、やがて広々とした5合目に到着です。韓国岳登山道休憩所もあるので休憩をして体調を整えましょう。 6合目から先は石も小さくなり歩きやすくなるため、周囲の展望を楽しみながら進みます。登山道は火口側に柵、谷側にも柵やロープが張られ迷うことはありませんが、風が強いときは帽子など飛ばされないよう気を付けましょう。韓国岳山頂は広々とした岩稜で、左側が大きく口を開けた噴火口です。連山最高峰からの展望は素晴らしく、韓国岳から霧島山系の全山の風景とともに、眼下には大浪池が望めます。南東側には獅子戸岳や白煙を上げる新燃岳、ぽっかり口を開けた御鉢の火口や天を突きさすような高千穂峰、その先には志布志湾も見ることができます。南側には桜島や開聞岳、北側には宮崎県の市房山や石堂山、北西には長崎県の普賢岳も確認できます。 帰路は大浪池を目指します。ゴロゴロしたガレ場から木道の階段を一気に下ります。階段を下るとやがて大浪池周回コースとえびの高原への分岐点である韓国岳避難小屋に着きます。大浪池口へと向かいつつ大浪池外輪沿いを進んでいきます。えびの高原への分岐点から一時間弱歩くと大浪池口に出るので、そこから大浪池登山口バス停へ向かいます。 時間と体力に余裕があれば、韓国岳から東へ琵琶池を通って獅子戸岳まで行ってみましょう。韓国岳から琵琶池方面へ下るルートは2015年に整備され、ブナやミズナラの樹林帯を通るコースになっており歩きやすいです。また獅子戸岳山頂からの新燃岳は、火口を埋め尽くした溶岩や流れ出た噴出物が見られ、幾筋も立ち上る白煙を目前にすると自然の驚異に言葉を失います。以降は大幡山を経由してひなもり台へ下ります。なお新燃岳への登山道は立入規制がされています。えびのエコミュージアムセンターから遊歩道を伝って歩き出します。硫黄山から噴き出る硫黄の匂いや、噴気の轟音を聞きながら歩くと、3合目下分岐にて従来の硫黄山からの登山ルートに合流します。展望所からは硫黄山の噴気がはっきり確認でき、さらに進んでいくとやがて樹木も低くなり視界がひろがります。 緩やかな登りですが、ガレ場が多く足を取られるため、浮石には要注意です。眼下にえびの高原の建物やえびの岳、白鳥山、硫黄山の白煙、不動池などが見え始めると、やがて広々とした5合目に到着です。韓国岳登山道休憩所もあるので休憩をして体調を整えましょう。 6合目から先は石も小さくなり歩きやすくなるため、周囲の展望を楽しみながら進みます。登山道は火口側に柵、谷側にも柵やロープが張られ迷うことはありませんが、風が強いときは帽子など飛ばされないよう気を付けましょう。韓国岳山頂は広々とした岩稜で、左側が大きく口を開けた噴火口です。連山最高峰からの展望は素晴らしく、韓国岳から霧島山系の全山の風景とともに、眼下には大浪池が望めます。南東側には獅子戸岳や白煙を上げる新燃岳、ぽっかり口を開けた御鉢の火口や天を突きさすような高千穂峰、その先には志布志湾も見ることができます。南側には桜島や開聞岳、北側には宮崎県の市房山や石堂山、北西には長崎県の普賢岳も確認できます。 帰路は大浪池を目指します。ゴロゴロしたガレ場から木道の階段を一気に下ります。階段を下るとやがて大浪池周回コースとえびの高原への分岐点である韓国岳避難小屋に着きます。大浪池口へと向かいつつ大浪池外輪沿いを進んでいきます。えびの高原への分岐点から一時間弱歩くと大浪池口に出るので、そこから大浪池登山口バス停へ向かいます。 時間と体力に余裕があれば、韓国岳から東へ琵琶池を通って獅子戸岳まで行ってみましょう。韓国岳から琵琶池方面へ下るルートは2015年に整備され、ブナやミズナラの樹林帯を通るコースになっており歩きやすいです。また獅子戸岳山頂からの新燃岳は、火口を埋め尽くした溶岩や流れ出た噴出物が見られ、幾筋も立ち上る白煙を目前にすると自然の驚異に言葉を失います。以降は大幡山を経由してひなもり台へ下ります。なお新燃岳への登山道は立入規制がされています。 -
高千穂河原から中岳へ
- 日帰り
- 2時間20分
- 4.4km
高千穂河原から中岳へ
- 日帰り
- 2時間20分
- 4.4km
中岳山頂は、2011年1月に新燃岳が300年ぶりのマグマ噴火をして以来、2017年まで繰り返し噴煙を上げており登山規制が続いています。しかし中岳の中腹の約1230m地点あたりまで立入可能となっており(以降は立入禁止の看板が登山道に設置)、ミヤマキリシマなどの草花や景色は楽しめるようになりました。なお新燃岳が噴火する前は、ミヤマキリシマと言えば中岳山頂登山が代名詞で多くの登山客で賑わっていました。しかし今は火山灰に覆われ草木の姿すら見ることができません。一日も早い新燃岳の鎮静化と、緑多き中岳の勇姿がみられることを願うばかりです。 中岳中腹探勝路へは高千穂河原ビジターセンターからスタートします。高千穂河原ビジターセンター横の橋を渡り、石段が積み重ねられ比較的整備された登山道を登っていきます。およそ20分でつつじコースとの分岐となるもみじコース分岐にさしかかります。春はハルリンドウやクサボケ、初夏になるとミヤマキリシマ、秋はコミネカエデやウリハダカエデ、コハウチワカエデなどの紅葉が登山者の目を楽しませてくれます。 歩いていく中で探勝路の脇にくぼ地がありますが、これは2011年1月の新燃岳マグマ噴火で火山弾が衝突して出来たクレーターです。また、高千穂峰を目指す登山者たちが、御鉢を登っているのが肉眼で確認することもできます。コンクリートでできた椅子やテーブルなどの休憩場所もたくさん設置されているので、存分に散策を楽しみましょう。 帰りは往路を戻ります。 また一方で、高千穂河原にはビジターセンターや火山噴火時の避難壕があるので、時間に余裕があればそちらにも足を伸ばしてみましょう。ビジターセンターで得た、神宮の森散策路の草花の情報を持って歩くと一段と楽しいはず。初夏はミヤマキリシマが咲きセッコクやキリシマテンナンショウ、コガクウツギや野鳥の観察も可能です。秋は多くのカエデ類やツタ類が紅葉します。このように季節に合わせた森林浴を楽しみましょう。 二つのコースとも約1~2時間あれば軽装で楽しむことが出来ます。高千穂河原近くには、新燃岳の噴火による置き土産として20分ほどで行ける鹿ヶ原(2018年のNHK大河ドラマ「西郷どん」のオープニングで放映、撮影された場所)があり、春のミヤマキリシマの季節には多くの観光客が訪れ花々を満喫しています。中岳山頂は、2011年1月に新燃岳が300年ぶりのマグマ噴火をして以来、2017年まで繰り返し噴煙を上げており登山規制が続いています。しかし中岳の中腹の約1230m地点あたりまで立入可能となっており(以降は立入禁止の看板が登山道に設置)、ミヤマキリシマなどの草花や景色は楽しめるようになりました。なお新燃岳が噴火する前は、ミヤマキリシマと言えば中岳山頂登山が代名詞で多くの登山客で賑わっていました。しかし今は火山灰に覆われ草木の姿すら見ることができません。一日も早い新燃岳の鎮静化と、緑多き中岳の勇姿がみられることを願うばかりです。 中岳中腹探勝路へは高千穂河原ビジターセンターからスタートします。高千穂河原ビジターセンター横の橋を渡り、石段が積み重ねられ比較的整備された登山道を登っていきます。およそ20分でつつじコースとの分岐となるもみじコース分岐にさしかかります。春はハルリンドウやクサボケ、初夏になるとミヤマキリシマ、秋はコミネカエデやウリハダカエデ、コハウチワカエデなどの紅葉が登山者の目を楽しませてくれます。 歩いていく中で探勝路の脇にくぼ地がありますが、これは2011年1月の新燃岳マグマ噴火で火山弾が衝突して出来たクレーターです。また、高千穂峰を目指す登山者たちが、御鉢を登っているのが肉眼で確認することもできます。コンクリートでできた椅子やテーブルなどの休憩場所もたくさん設置されているので、存分に散策を楽しみましょう。 帰りは往路を戻ります。 また一方で、高千穂河原にはビジターセンターや火山噴火時の避難壕があるので、時間に余裕があればそちらにも足を伸ばしてみましょう。ビジターセンターで得た、神宮の森散策路の草花の情報を持って歩くと一段と楽しいはず。初夏はミヤマキリシマが咲きセッコクやキリシマテンナンショウ、コガクウツギや野鳥の観察も可能です。秋は多くのカエデ類やツタ類が紅葉します。このように季節に合わせた森林浴を楽しみましょう。 二つのコースとも約1~2時間あれば軽装で楽しむことが出来ます。高千穂河原近くには、新燃岳の噴火による置き土産として20分ほどで行ける鹿ヶ原(2018年のNHK大河ドラマ「西郷どん」のオープニングで放映、撮影された場所)があり、春のミヤマキリシマの季節には多くの観光客が訪れ花々を満喫しています。 -
枕木登山口から栗野岳へ
- 日帰り
- 3時間25分
- 4.5km
枕木登山口から栗野岳へ
- 日帰り
- 3時間25分
- 4.5km
1988年に廃止された旧国鉄山野線の枕木で作られた枕木登山口から歩き始めます。駐車場も広く、トイレも設置されていますが水場はありません。枕木階段を登りつくと大きな木製の枕木展望台があり桜島、鹿児島空港、紫尾山、開聞岳や湧水町の町並み、冬場は川内川に沿って立ち上がる川霧を見る事が出来ます。 ここから登山道に入りゆっくりとした登りが続きます。秋のアケボノソウやマツカゼソウ、霧島に多いフモトスミレなどが登山者を迎え入れてくれます。しばらく歩くと麓の周遊ルートにぶつかるので分岐を山頂に向かいます。登山道はジグザグに蛇行はしているものの、もみじ群生地あたりまでほぼ直登で急斜面が続くのでゆっくり登りましょう。ピーク1029mの岩場あたりまで春はシキミやハイノキなどの白い花が咲き誇ります。秋は赤や黄色の色に染まったコシアブラ、シロモジやカエデの紅葉は実に美しく、登山者を包み込んでくれます。 もみじ群生地は霧島山系に多いコミネカエデ、イロハカエデ、コハウチワカエデなどのカエデの群生地。ここまで登ると後は平らで歩きやすい常緑樹の原生林に入ります。 周りの木々が低くなると、見晴台は目前です。山頂への分岐を直進するとほどなく視界が開け360度の展望がある見晴台に到着です。東に韓国岳、白煙を上げる硫黄山、えびの岳、白鳥山、遠く北東に市房山。南に桜島や開聞岳などが確認できます。ここからさらに山頂を目指し温泉側登山口への周回コースを辿ってみましょう。 見晴台から往路を下り始めると、ほどなく山頂への分岐に着きます。ここを右に折れ、しばらく歩いて鞍部を経由し、ここから急坂を登ると栗野岳第2峰に到着です。ここは見晴台より狭いものの標高が高いため、展望は最高です。 2峰からは視界のない常緑樹の中を進みますが、周りにはミヤマシキミ(春は白い花、秋は赤い実)や夏から秋はミカエリソウやフモトスミレ、ツルリンドウなどの花や実を見ることができます。約20分も歩くと、栗野岳山頂との分岐点。10分程度で栗野岳山頂に到着ですが、樹林帯の中で展望はありません。この分岐から西方向に延びる尾根を下り、第一展望台を過ぎると周りには赤褐色した木肌のヒメシャラの大木が目に飛び込んできます。急勾配で木の根が張った道をぐんぐん下ると雑木林からやがてヒノキ林に変わり、栗野岳八幡地獄から噴き出す硫黄の臭いがしてきます。さらに木の根に注意しながら高度を下げるとやがて県道が見え、温泉側登山口の車道に到着です。1988年に廃止された旧国鉄山野線の枕木で作られた枕木登山口から歩き始めます。駐車場も広く、トイレも設置されていますが水場はありません。枕木階段を登りつくと大きな木製の枕木展望台があり桜島、鹿児島空港、紫尾山、開聞岳や湧水町の町並み、冬場は川内川に沿って立ち上がる川霧を見る事が出来ます。 ここから登山道に入りゆっくりとした登りが続きます。秋のアケボノソウやマツカゼソウ、霧島に多いフモトスミレなどが登山者を迎え入れてくれます。しばらく歩くと麓の周遊ルートにぶつかるので分岐を山頂に向かいます。登山道はジグザグに蛇行はしているものの、もみじ群生地あたりまでほぼ直登で急斜面が続くのでゆっくり登りましょう。ピーク1029mの岩場あたりまで春はシキミやハイノキなどの白い花が咲き誇ります。秋は赤や黄色の色に染まったコシアブラ、シロモジやカエデの紅葉は実に美しく、登山者を包み込んでくれます。 もみじ群生地は霧島山系に多いコミネカエデ、イロハカエデ、コハウチワカエデなどのカエデの群生地。ここまで登ると後は平らで歩きやすい常緑樹の原生林に入ります。 周りの木々が低くなると、見晴台は目前です。山頂への分岐を直進するとほどなく視界が開け360度の展望がある見晴台に到着です。東に韓国岳、白煙を上げる硫黄山、えびの岳、白鳥山、遠く北東に市房山。南に桜島や開聞岳などが確認できます。ここからさらに山頂を目指し温泉側登山口への周回コースを辿ってみましょう。 見晴台から往路を下り始めると、ほどなく山頂への分岐に着きます。ここを右に折れ、しばらく歩いて鞍部を経由し、ここから急坂を登ると栗野岳第2峰に到着です。ここは見晴台より狭いものの標高が高いため、展望は最高です。 2峰からは視界のない常緑樹の中を進みますが、周りにはミヤマシキミ(春は白い花、秋は赤い実)や夏から秋はミカエリソウやフモトスミレ、ツルリンドウなどの花や実を見ることができます。約20分も歩くと、栗野岳山頂との分岐点。10分程度で栗野岳山頂に到着ですが、樹林帯の中で展望はありません。この分岐から西方向に延びる尾根を下り、第一展望台を過ぎると周りには赤褐色した木肌のヒメシャラの大木が目に飛び込んできます。急勾配で木の根が張った道をぐんぐん下ると雑木林からやがてヒノキ林に変わり、栗野岳八幡地獄から噴き出す硫黄の臭いがしてきます。さらに木の根に注意しながら高度を下げるとやがて県道が見え、温泉側登山口の車道に到着です。 -
登山口から市房山へ
- 日帰り
- 5時間45分
- 6.4km
登山口から市房山へ
- 日帰り
- 5時間45分
- 6.4km
市房山キャンプ場前から川沿いに車道を歩き、祓川橋(令和2年豪雨により被災。現在は仮設道が設けられています。)を渡ると鳥居があり、市房神社参道を進むことになります。登山口には登山届用の箱が設置されているので、必ず記入してから出発しましょう。出発してから約10分ほどで沢に架けられた橋を渡り、緩やかな傾斜の道を進むと市房神社駐車場からの道と合流します。ここから杉の大木を見ながら進むと3合目(八丁坂登り口)です。大きな石段と木の根が階段状になった参道を約15分ほど登れば4合目の市房神社に到着です。市房神社の拝殿内部は避難小屋も兼ねています。神社の横に水場がありますが、雨量の少ない時期は涸れることもあるので、水はあらかじめ持参していきましょう。 市房神社の裏手を登っていくと、急傾斜道で丸太の階段と岩と木の根がむき出しになった歩きにくい道となり、梯子や残地ロープを使いながらの苦しい登りが延々と続きます。5合目の仏岩から6合目の馬ノ背の間はヤセ尾根で、道の両側とも崖なので十分気を付けて歩きましょう。市房神社から約1時間で6合目(馬ノ背展望台)です。巨岩があり眺めがいいので休憩には最適です。先へ進むとやがて傾斜は緩やかになり、ヒメシャラやブナの木がひときわ目立つ7合目を過ぎると道は歩きやすく見通しも良くなります。鹿の防御ネットも張られていますが、年々枯れ木が多く見られるようになりました。9合目を過ぎると展望も良くなり、山頂が近づくにつれこれまでの疲労が一気に吹き飛ぶはずです。いよいよ眼前に山頂が見えはじめると1等三角点の広大な市房山山頂です。眼下には湯山から市房ダム、東側に石堂山、南側に霧島山、北に九州山地の雄大な山容を眺めることができます。山頂からの下山は往路を戻ります。 なお心見ノ橋経由での二ツ岩への縦走路については、崩壊し危険のため立入禁止です。今にも崩壊しそうな岩稜を慎重に進むと、約3分ほどでチョックストーンが山肌に挟まった「心見ノ橋」と呼ばれる場所に行き着きますが、そこから先は登山道にロープが張られています。市房山キャンプ場前から川沿いに車道を歩き、祓川橋(令和2年豪雨により被災。現在は仮設道が設けられています。)を渡ると鳥居があり、市房神社参道を進むことになります。登山口には登山届用の箱が設置されているので、必ず記入してから出発しましょう。出発してから約10分ほどで沢に架けられた橋を渡り、緩やかな傾斜の道を進むと市房神社駐車場からの道と合流します。ここから杉の大木を見ながら進むと3合目(八丁坂登り口)です。大きな石段と木の根が階段状になった参道を約15分ほど登れば4合目の市房神社に到着です。市房神社の拝殿内部は避難小屋も兼ねています。神社の横に水場がありますが、雨量の少ない時期は涸れることもあるので、水はあらかじめ持参していきましょう。 市房神社の裏手を登っていくと、急傾斜道で丸太の階段と岩と木の根がむき出しになった歩きにくい道となり、梯子や残地ロープを使いながらの苦しい登りが延々と続きます。5合目の仏岩から6合目の馬ノ背の間はヤセ尾根で、道の両側とも崖なので十分気を付けて歩きましょう。市房神社から約1時間で6合目(馬ノ背展望台)です。巨岩があり眺めがいいので休憩には最適です。先へ進むとやがて傾斜は緩やかになり、ヒメシャラやブナの木がひときわ目立つ7合目を過ぎると道は歩きやすく見通しも良くなります。鹿の防御ネットも張られていますが、年々枯れ木が多く見られるようになりました。9合目を過ぎると展望も良くなり、山頂が近づくにつれこれまでの疲労が一気に吹き飛ぶはずです。いよいよ眼前に山頂が見えはじめると1等三角点の広大な市房山山頂です。眼下には湯山から市房ダム、東側に石堂山、南側に霧島山、北に九州山地の雄大な山容を眺めることができます。山頂からの下山は往路を戻ります。 なお心見ノ橋経由での二ツ岩への縦走路については、崩壊し危険のため立入禁止です。今にも崩壊しそうな岩稜を慎重に進むと、約3分ほどでチョックストーンが山肌に挟まった「心見ノ橋」と呼ばれる場所に行き着きますが、そこから先は登山道にロープが張られています。 -
神原コース
- 日帰り
- 4時間55分
神原コース
- 日帰り
- 4時間55分
鉄道のアクセスが良いため、最もよく利用されているコースです。城下町の竹田からは玉来を経由し、南郊の緒方川(門田川)流域へ出て、神原川の渓谷美を楽しみながら神原へと向かいます。神原には民宿や夏季に営業するキャンプ場があります。 道を西へ進み、舗装路を進むと、右手に健男霜凝日子社の下宮があります。余裕があれば、長い石段を登って参拝するのもよいでしょう。道は林道へと変わり、歩き始めて1時間ほどで、一合目の滝の下に到着します。自家用車の場合は、滝を迂回して上に出ることができ、林道終点近くの登山道入り口付近には駐車場も整備されています。一合目の滝の高さは約20mで、林道から少し右へ入ったところにあります。これから始まる本格的な登りに備え、水しぶきを浴びながらひと息入れるのもよいでしょう。 滝の左手にある急坂を少し登ると、再び林道に合流しますが、すぐに登山道へと移ります。旧道もありますが、九州自然歩道として整備された新道の方が歩きやすくなっています。しばらくは杉の造林地を進みますが、やがて原生林の中へと入っていきます。ヒメシャラの赤黄色の木肌が目を引きます。二の滝、三の滝など、いくつかの滝を眺めながら進みます。御社の滝は、かつて山に入る人々が禊を行った場所です。道がやや平坦になると、五合目小屋に到着します。この小屋は40人ほど収容可能で、裏手には渓流が流れており、疲れを癒すのに最適な場所です。 五合目からは、このコースの中で最大の難所となります。最初は造林地ですが、次第に原生林へと変わり、ブナ、ミズナラ、ヒメシャラ、カエデ、トガなどの大木が立ち並ぶ心地よい道となります。しかし、道の方は次第に険しくなり、初めは丸太で土止めされた自然歩道らしい道ですが、次第に本来の登山道となり、急坂が続きます。小さなクサリ場もあり、場所によっては歩くというより、よじ登るような場面もあります。 苦しい登りを続けると、国観峠に到着します。「ぽっかり」という表現がぴったりの、明るく開けた草原です。五ヶ所からのコースが合流する地点で、祖母山の肩にあたる場所に位置しています。名前のとおり展望が開けており、ここでしばし休憩し、急登の疲れを癒すのもよいでしょう。また、ここは遭難救助用の臨時ヘリポートにもなっています。 山頂までは、灌木の中を登る道となります。多くの登山者が利用するため、道がV字形にえぐられており、歩きづらくなっています。特に雨の際やその直後は、足を取られやすいため注意が必要です。途中に九合目小屋への分岐点があり、小屋まではおよそ200mです。この小屋は立派な造りですが、無人小屋となっています。小屋から少し下ったところには水場があり、近くには小広場もあります。分岐点から山頂まではおよそ10分です。 祖母山の山群の中でひときわ高いため、山頂からの展望は見事です。山群はもちろんのこと、遠く九重や阿蘇、さらには九州山地の山々の重なりまで見渡すことができます。山頂には三角点標石とともに石の祠があり、健男霜凝日子社の上宮となっています。 神原からは、このほかに白水を経由して登るコースもあります。このルートには、メンノツラ谷を詰めるルートと、八丁越を経由するルートの2つがありますが、登頂には5〜6時間を要します。メインルートではないため登山者は少なく、尾根筋に出るまでの道がかなり荒れているため、あまりおすすめはできません。鉄道のアクセスが良いため、最もよく利用されているコースです。城下町の竹田からは玉来を経由し、南郊の緒方川(門田川)流域へ出て、神原川の渓谷美を楽しみながら神原へと向かいます。神原には民宿や夏季に営業するキャンプ場があります。 道を西へ進み、舗装路を進むと、右手に健男霜凝日子社の下宮があります。余裕があれば、長い石段を登って参拝するのもよいでしょう。道は林道へと変わり、歩き始めて1時間ほどで、一合目の滝の下に到着します。自家用車の場合は、滝を迂回して上に出ることができ、林道終点近くの登山道入り口付近には駐車場も整備されています。一合目の滝の高さは約20mで、林道から少し右へ入ったところにあります。これから始まる本格的な登りに備え、水しぶきを浴びながらひと息入れるのもよいでしょう。 滝の左手にある急坂を少し登ると、再び林道に合流しますが、すぐに登山道へと移ります。旧道もありますが、九州自然歩道として整備された新道の方が歩きやすくなっています。しばらくは杉の造林地を進みますが、やがて原生林の中へと入っていきます。ヒメシャラの赤黄色の木肌が目を引きます。二の滝、三の滝など、いくつかの滝を眺めながら進みます。御社の滝は、かつて山に入る人々が禊を行った場所です。道がやや平坦になると、五合目小屋に到着します。この小屋は40人ほど収容可能で、裏手には渓流が流れており、疲れを癒すのに最適な場所です。 五合目からは、このコースの中で最大の難所となります。最初は造林地ですが、次第に原生林へと変わり、ブナ、ミズナラ、ヒメシャラ、カエデ、トガなどの大木が立ち並ぶ心地よい道となります。しかし、道の方は次第に険しくなり、初めは丸太で土止めされた自然歩道らしい道ですが、次第に本来の登山道となり、急坂が続きます。小さなクサリ場もあり、場所によっては歩くというより、よじ登るような場面もあります。 苦しい登りを続けると、国観峠に到着します。「ぽっかり」という表現がぴったりの、明るく開けた草原です。五ヶ所からのコースが合流する地点で、祖母山の肩にあたる場所に位置しています。名前のとおり展望が開けており、ここでしばし休憩し、急登の疲れを癒すのもよいでしょう。また、ここは遭難救助用の臨時ヘリポートにもなっています。 山頂までは、灌木の中を登る道となります。多くの登山者が利用するため、道がV字形にえぐられており、歩きづらくなっています。特に雨の際やその直後は、足を取られやすいため注意が必要です。途中に九合目小屋への分岐点があり、小屋まではおよそ200mです。この小屋は立派な造りですが、無人小屋となっています。小屋から少し下ったところには水場があり、近くには小広場もあります。分岐点から山頂まではおよそ10分です。 祖母山の山群の中でひときわ高いため、山頂からの展望は見事です。山群はもちろんのこと、遠く九重や阿蘇、さらには九州山地の山々の重なりまで見渡すことができます。山頂には三角点標石とともに石の祠があり、健男霜凝日子社の上宮となっています。 神原からは、このほかに白水を経由して登るコースもあります。このルートには、メンノツラ谷を詰めるルートと、八丁越を経由するルートの2つがありますが、登頂には5〜6時間を要します。メインルートではないため登山者は少なく、尾根筋に出るまでの道がかなり荒れているため、あまりおすすめはできません。 -
五ヶ所コース
- 日帰り
- 5時間15分
五ヶ所コース
- 日帰り
- 5時間15分
五ヶ所登山口は、すでに標高800m近くに位置しています。他の登山口に比べて祖母山への最も楽なコースであり、古くから親しまれている道です。イギリスの登山家ウェストンもこのルートを選んだことで知られています。ただし、アプローチにやや時間がかかります。最も便利なのは高千穂からですが、ほかにも豊肥本線の豊後竹田駅や南阿蘇鉄道の高森駅からもアクセスが可能です。 五ヶ所は、宮崎県の代表的な民謡のひとつ「刈り干し切り唄」のふるさとともいわれる場所で、牧歌的な雰囲気が漂っています。時間に余裕があれば、登山口から約1kmの三秀台に立ち寄るのもよいでしょう。ここにはウェストン碑があり、祖母山、九重山、阿蘇山の三山を一望できます。地名の由来は、この三つの秀峰が見えることからきているとも、かつて日向、豊後、肥後の三州を望めたことから「三州台」と呼ばれていたともいわれています。 本村の五ヶ所小学校跡の下で県道と分かれ、大谷川右岸の町道へと進みます。途中から右へ入り、未舗装のなだらかな林道を登ると、ほどなく一の鳥居に到着します。 一の鳥居という名が示すように、山を神として崇めていた時代には、ここが本来の登山口でした。そのため、かつては山小屋もありましたが、現在は倒壊しています。また、登山道にはワナバのダキ(猟師が罠を仕掛ける岩場)など、展望に恵まれた場所があるものの、近年は荒れ気味であり、尾根に出るまでのルートが分かりにくくなっています。このため、近年では大谷川支谷の北谷を経由する新道が多く利用されるようになっています。林道をさらに奥へ進むと北谷登山口があり、駐車場やトイレが整備されています。 登山道は造林地をジグザグに登り、主尾根に達すると間もなく千間平に到着します。ススキに灌木が混じる草原が広がっており、開放的な雰囲気を楽しめます。 展望も開け、九重山や阿蘇山、五ヶ所や椎葉方面の山々を望みながら、少し登ると茶屋場に到着します。ここは、かつて延岡藩の内藤氏が登山した際に茶を点てたといわれる場所です。また、宮崎、熊本、大分の三県が交わる地点でもあります。 ここから草原を下り、緩やかに登った先が国観峠で、神原からの登山道と合流します。 このほか、五ヶ所から風穴を経由する登山コースもあります。北谷登山口を過ぎ、祖母山を目指して谷を渡るルートです。途中から尾根道になりますが、小さな岩場やヤブが多く、山頂までかなりの時間を要します。そのため、往路として一般にはあまりおすすめできません。五ヶ所登山口は、すでに標高800m近くに位置しています。他の登山口に比べて祖母山への最も楽なコースであり、古くから親しまれている道です。イギリスの登山家ウェストンもこのルートを選んだことで知られています。ただし、アプローチにやや時間がかかります。最も便利なのは高千穂からですが、ほかにも豊肥本線の豊後竹田駅や南阿蘇鉄道の高森駅からもアクセスが可能です。 五ヶ所は、宮崎県の代表的な民謡のひとつ「刈り干し切り唄」のふるさとともいわれる場所で、牧歌的な雰囲気が漂っています。時間に余裕があれば、登山口から約1kmの三秀台に立ち寄るのもよいでしょう。ここにはウェストン碑があり、祖母山、九重山、阿蘇山の三山を一望できます。地名の由来は、この三つの秀峰が見えることからきているとも、かつて日向、豊後、肥後の三州を望めたことから「三州台」と呼ばれていたともいわれています。 本村の五ヶ所小学校跡の下で県道と分かれ、大谷川右岸の町道へと進みます。途中から右へ入り、未舗装のなだらかな林道を登ると、ほどなく一の鳥居に到着します。 一の鳥居という名が示すように、山を神として崇めていた時代には、ここが本来の登山口でした。そのため、かつては山小屋もありましたが、現在は倒壊しています。また、登山道にはワナバのダキ(猟師が罠を仕掛ける岩場)など、展望に恵まれた場所があるものの、近年は荒れ気味であり、尾根に出るまでのルートが分かりにくくなっています。このため、近年では大谷川支谷の北谷を経由する新道が多く利用されるようになっています。林道をさらに奥へ進むと北谷登山口があり、駐車場やトイレが整備されています。 登山道は造林地をジグザグに登り、主尾根に達すると間もなく千間平に到着します。ススキに灌木が混じる草原が広がっており、開放的な雰囲気を楽しめます。 展望も開け、九重山や阿蘇山、五ヶ所や椎葉方面の山々を望みながら、少し登ると茶屋場に到着します。ここは、かつて延岡藩の内藤氏が登山した際に茶を点てたといわれる場所です。また、宮崎、熊本、大分の三県が交わる地点でもあります。 ここから草原を下り、緩やかに登った先が国観峠で、神原からの登山道と合流します。 このほか、五ヶ所から風穴を経由する登山コースもあります。北谷登山口を過ぎ、祖母山を目指して谷を渡るルートです。途中から尾根道になりますが、小さな岩場やヤブが多く、山頂までかなりの時間を要します。そのため、往路として一般にはあまりおすすめできません。 -
黒金山尾根コース
- 日帰り
- 5時間0分
黒金山尾根コース
- 日帰り
- 5時間0分
岩峰と渓谷、そして原生林。祖母山の自然景観を存分に満喫できるコースですが、残念ながらアプローチの便があまりよくありません。緒方駅から豊後大野市のコミュニティバスに乗車し、尾平までの直行便がありますが、便数が少ないため、事前に確認しておく必要があります。 尾平は、祖母山の「内院」ともいえる場所です。かつては鉱山として栄え、最盛期には約3,000人が暮らしていました(出典:緒方町誌 P908)。しかし現在では、社宅の姿も消え、住む人もわずかとなっています。学校も廃止され、旧校舎は近年改築されて「LAMP豊後大野」として利用されています。ここから見上げると、原生林の奥に天へ祈るようにそびえ立つ祖母山や天狗岩、烏帽子岳、障子岳などの岩峰群が目に入ります。これらの景観は、祖母山系の中でも第一級の眺めといえるでしょう。渓谷の探勝も楽しめるため、春から秋にかけては貸切バスや自家用車で訪れる登山者も多くなっています。 「LAMP豊後大野」の下から、「川上渓谷遊歩道」の標識に従って進みます。途中、おびただしい鉱滓(こうさい)が捨てられ、大きな斜面となっている場所を横切ります。すぐに渓谷の右岸へ下り、ほどなく小さな吊橋に出合います。この吊橋を渡ると、後述する宮原経由の登山道となります。渓谷へは、遊歩道をそのまま進みます。 最近造られたばかりの新しい第二の吊橋を渡り、左岸へ移動して造林地を進むと、川上谷本谷とウルシワ谷の合流点に到着します。パイプ橋を渡って本谷の右岸へ移動すると、原生林が始まります。さらにもう一度渡渉すると、道が分岐するので、右手のルートを選んで黒金山尾根に取り付きます。 ここまでの道は比較的緩やかで、渡渉も飛び石伝いに行けるため、靴を濡らすことはありません。ただし、大雨の後などは増水して渡れなくなることがあるため注意が必要です。また、遊歩道はここから尾根を登らず、さらに奥へ谷沿いに続いています。そこから沢登りをし、川上本谷を経て障子岳や烏帽子岳へ突き上げることも可能ですが、その場合はザイルが必要になります。 黒金山尾根に取り付くと、いよいよ急登が始まります。道は比較的よく踏まれており、ところどころに樹間から展望の良い岩角があります。林相はツガからブナへと変化し、ブナ林に入るとスズタケが生い茂り、見通しが悪くなります。この区間は登りが厳しくなりますが、一歩一歩確実に高度を稼いでいる実感を得られるでしょう。 縦走路の尾根に近づくと、左側に水場があるため、ここで水筒を満たしておくと安心です。そのすぐ上には「天狗の岩屋」と呼ばれる岩穴があり、10人ほどならビバークも可能です。さらに15分ほど登ると縦走路に合流します。 天狗岩は、下から見上げると非常に険しく見えますが、縦走路からは草付きの斜面をひと登りする程度です。ここでひと息入れるのもよいでしょう。断崖の上にはヒメコマツが生えています。かつて地元の若者たちの間では、自分と恋人の名前を書いた紙を細くこより状にし、後ろ手でこの松に結びつけることができれば結婚が許される、という言い伝えがあり、試みる人が多かったそうです。これは、肝試しを伴う一種の成人行事でもあったのかもしれません。登山者の皆さんも挑戦してみてもよいかもしれませんが、十分に注意してください。 天狗岩から祖母山の山頂までは、地図で見る以上に時間がかかります。小さなコブをいくつも登ったりトラバースしたりしながら、約1時間かかります。最後に、灌木の中の岩場をハシゴなどを使って50mほど急登すると、視界が一気に開け、祖母山の山頂に到着します。岩峰と渓谷、そして原生林。祖母山の自然景観を存分に満喫できるコースですが、残念ながらアプローチの便があまりよくありません。緒方駅から豊後大野市のコミュニティバスに乗車し、尾平までの直行便がありますが、便数が少ないため、事前に確認しておく必要があります。 尾平は、祖母山の「内院」ともいえる場所です。かつては鉱山として栄え、最盛期には約3,000人が暮らしていました(出典:緒方町誌 P908)。しかし現在では、社宅の姿も消え、住む人もわずかとなっています。学校も廃止され、旧校舎は近年改築されて「LAMP豊後大野」として利用されています。ここから見上げると、原生林の奥に天へ祈るようにそびえ立つ祖母山や天狗岩、烏帽子岳、障子岳などの岩峰群が目に入ります。これらの景観は、祖母山系の中でも第一級の眺めといえるでしょう。渓谷の探勝も楽しめるため、春から秋にかけては貸切バスや自家用車で訪れる登山者も多くなっています。 「LAMP豊後大野」の下から、「川上渓谷遊歩道」の標識に従って進みます。途中、おびただしい鉱滓(こうさい)が捨てられ、大きな斜面となっている場所を横切ります。すぐに渓谷の右岸へ下り、ほどなく小さな吊橋に出合います。この吊橋を渡ると、後述する宮原経由の登山道となります。渓谷へは、遊歩道をそのまま進みます。 最近造られたばかりの新しい第二の吊橋を渡り、左岸へ移動して造林地を進むと、川上谷本谷とウルシワ谷の合流点に到着します。パイプ橋を渡って本谷の右岸へ移動すると、原生林が始まります。さらにもう一度渡渉すると、道が分岐するので、右手のルートを選んで黒金山尾根に取り付きます。 ここまでの道は比較的緩やかで、渡渉も飛び石伝いに行けるため、靴を濡らすことはありません。ただし、大雨の後などは増水して渡れなくなることがあるため注意が必要です。また、遊歩道はここから尾根を登らず、さらに奥へ谷沿いに続いています。そこから沢登りをし、川上本谷を経て障子岳や烏帽子岳へ突き上げることも可能ですが、その場合はザイルが必要になります。 黒金山尾根に取り付くと、いよいよ急登が始まります。道は比較的よく踏まれており、ところどころに樹間から展望の良い岩角があります。林相はツガからブナへと変化し、ブナ林に入るとスズタケが生い茂り、見通しが悪くなります。この区間は登りが厳しくなりますが、一歩一歩確実に高度を稼いでいる実感を得られるでしょう。 縦走路の尾根に近づくと、左側に水場があるため、ここで水筒を満たしておくと安心です。そのすぐ上には「天狗の岩屋」と呼ばれる岩穴があり、10人ほどならビバークも可能です。さらに15分ほど登ると縦走路に合流します。 天狗岩は、下から見上げると非常に険しく見えますが、縦走路からは草付きの斜面をひと登りする程度です。ここでひと息入れるのもよいでしょう。断崖の上にはヒメコマツが生えています。かつて地元の若者たちの間では、自分と恋人の名前を書いた紙を細くこより状にし、後ろ手でこの松に結びつけることができれば結婚が許される、という言い伝えがあり、試みる人が多かったそうです。これは、肝試しを伴う一種の成人行事でもあったのかもしれません。登山者の皆さんも挑戦してみてもよいかもしれませんが、十分に注意してください。 天狗岩から祖母山の山頂までは、地図で見る以上に時間がかかります。小さなコブをいくつも登ったりトラバースしたりしながら、約1時間かかります。最後に、灌木の中の岩場をハシゴなどを使って50mほど急登すると、視界が一気に開け、祖母山の山頂に到着します。 -
宮原コース
- 日帰り
- 4時間40分
宮原コース
- 日帰り
- 4時間40分
アプローチおよび尾平から吊り橋までは、黒金山尾根コースと同じルートになります。自家用車で尾平まで入り、山頂を往復する場合は、このコースの方が黒金山尾根コースよりも比較的歩きやすいです。 吊り橋を渡ると、道は二手に分かれます。どちらを選んでも標高950m付近で合流しますが、右手の道を登ると林道に出ます。そのまま西へ進み、約10分ほど歩くと林道が途切れ、サマン谷を渡る地点に到着します。ここでは水を汲むことができます。少し進むと右手に標識があり、再び登山道へと入ると、本格的な登りが始まります。 この区間はかなりの急坂が続き、やがて原生林の中へと入っていきます。道沿いにはモミ、ツガ、ヒメシャラ、ブナなどの巨木が立ち並び、スズタケが増えてくると、稜線が近づいてきた証拠です。ジグザグに登りながら進むと、やがて平らな尾根筋に出ます。ここが「宮原」と呼ばれる地点です。 ここで、障子岩や八丁越からの登山道と合流し、狭い尾根を西へと進んでいきます。しばらくすると、屏風岩や馬の背と呼ばれる岩稜地帯に入ります。ここは景観が素晴らしく、アケボノツツジをはじめ、ドウダンツツジ、ホツツジ、ミヤマキリシマツツジ、ヒメコマツ、マンサク、ノリウツギ、ナナカマドなどの植物が登山者を迎えてくれます。 これまでの稜線までの厳しい登りをすっかり忘れてしまうほどの美しい景色が広がります。さらに進むと、メンノツラ谷からの登山道と合流し、九合目の避難小屋が近づいてきます。山頂まではあともうひと息です。アプローチおよび尾平から吊り橋までは、黒金山尾根コースと同じルートになります。自家用車で尾平まで入り、山頂を往復する場合は、このコースの方が黒金山尾根コースよりも比較的歩きやすいです。 吊り橋を渡ると、道は二手に分かれます。どちらを選んでも標高950m付近で合流しますが、右手の道を登ると林道に出ます。そのまま西へ進み、約10分ほど歩くと林道が途切れ、サマン谷を渡る地点に到着します。ここでは水を汲むことができます。少し進むと右手に標識があり、再び登山道へと入ると、本格的な登りが始まります。 この区間はかなりの急坂が続き、やがて原生林の中へと入っていきます。道沿いにはモミ、ツガ、ヒメシャラ、ブナなどの巨木が立ち並び、スズタケが増えてくると、稜線が近づいてきた証拠です。ジグザグに登りながら進むと、やがて平らな尾根筋に出ます。ここが「宮原」と呼ばれる地点です。 ここで、障子岩や八丁越からの登山道と合流し、狭い尾根を西へと進んでいきます。しばらくすると、屏風岩や馬の背と呼ばれる岩稜地帯に入ります。ここは景観が素晴らしく、アケボノツツジをはじめ、ドウダンツツジ、ホツツジ、ミヤマキリシマツツジ、ヒメコマツ、マンサク、ノリウツギ、ナナカマドなどの植物が登山者を迎えてくれます。 これまでの稜線までの厳しい登りをすっかり忘れてしまうほどの美しい景色が広がります。さらに進むと、メンノツラ谷からの登山道と合流し、九合目の避難小屋が近づいてきます。山頂まではあともうひと息です。 -
上畑コース
- 日帰り
- 10時間15分
上畑コース
- 日帰り
- 10時間15分
障子岩尾根は、祖母山から東に延び、北側から見ると山群の前についたてのように連なっています。大障子岩と前障子の岩峰があり、展望に優れていますが、祖母山〜傾山の縦走路の人気に比べると訪れる人は少なめです。しかし、その分静かな登山を楽しむことができ、まさに山を深く知る「通」の方におすすめのコースといえるでしょう。 上畑までのバス便については、黒金山尾根コースの案内を参照してください。このエリアにも「健男霜凝日子社」があり、時間があれば登山の安全を祈願して参拝するのもよいでしょう。参道の両側には樹齢400〜500年の大杉が連なり、神聖な雰囲気を醸し出しています。その光景は、市房神社の参道を思わせるほどです。 参道の下手から登山道に入ると、前障子への急登が始まります。谷沿いから尾根道へと進むこの登りは、非常に長く感じられます。前障子を越えると、いくつかの小さなピークを上下しながら大障子岩へと向かいます。途中、一部岩場が崩壊している箇所があるため、注意が必要です。 大障子岩は三つの岩峰からなっており、祖母山や傾山を一望できる素晴らしい展望が広がります。さらに、ヒメコマツなどの植生が美しく、登山の疲れを忘れさせてくれます。 八丁越は、尾平鉱山が盛んだった時代に神原とを結んだ主要な峠です。一方、池の原はなだらかな地形をした隆起地で、山頂から南へ少し下ると湧水が見られます。「池の原」という名前は、もともとこの場所にあった水場を中心に、イノシシの「ニタ場」(泥浴び場)があったことに由来しています。 宮原からは、狭い尾根を西へと進みます。しばらくすると、屏風岩や馬の背と呼ばれる岩稜地帯に入ります。ここは景観が素晴らしく、アケボノツツジをはじめ、ドウダンツツジ、ホツツジ、ミヤマキリシマツツジ、ヒメコマツ、マンサク、ノリウツギ、ナナカマドなど、多彩な植物が登山者を迎えてくれます。 厳しい登りを乗り越えた先には、美しい景色が広がります。さらに進むとメンノツラ谷からの登山道と合流し、九合目の避難小屋が近づいてきます。山頂まではあともうひと息です。障子岩尾根は、祖母山から東に延び、北側から見ると山群の前についたてのように連なっています。大障子岩と前障子の岩峰があり、展望に優れていますが、祖母山〜傾山の縦走路の人気に比べると訪れる人は少なめです。しかし、その分静かな登山を楽しむことができ、まさに山を深く知る「通」の方におすすめのコースといえるでしょう。 上畑までのバス便については、黒金山尾根コースの案内を参照してください。このエリアにも「健男霜凝日子社」があり、時間があれば登山の安全を祈願して参拝するのもよいでしょう。参道の両側には樹齢400〜500年の大杉が連なり、神聖な雰囲気を醸し出しています。その光景は、市房神社の参道を思わせるほどです。 参道の下手から登山道に入ると、前障子への急登が始まります。谷沿いから尾根道へと進むこの登りは、非常に長く感じられます。前障子を越えると、いくつかの小さなピークを上下しながら大障子岩へと向かいます。途中、一部岩場が崩壊している箇所があるため、注意が必要です。 大障子岩は三つの岩峰からなっており、祖母山や傾山を一望できる素晴らしい展望が広がります。さらに、ヒメコマツなどの植生が美しく、登山の疲れを忘れさせてくれます。 八丁越は、尾平鉱山が盛んだった時代に神原とを結んだ主要な峠です。一方、池の原はなだらかな地形をした隆起地で、山頂から南へ少し下ると湧水が見られます。「池の原」という名前は、もともとこの場所にあった水場を中心に、イノシシの「ニタ場」(泥浴び場)があったことに由来しています。 宮原からは、狭い尾根を西へと進みます。しばらくすると、屏風岩や馬の背と呼ばれる岩稜地帯に入ります。ここは景観が素晴らしく、アケボノツツジをはじめ、ドウダンツツジ、ホツツジ、ミヤマキリシマツツジ、ヒメコマツ、マンサク、ノリウツギ、ナナカマドなど、多彩な植物が登山者を迎えてくれます。 厳しい登りを乗り越えた先には、美しい景色が広がります。さらに進むとメンノツラ谷からの登山道と合流し、九合目の避難小屋が近づいてきます。山頂まではあともうひと息です。 -
上畑コース
- 日帰り
- 6時間0分
上畑コース
- 日帰り
- 6時間0分
このコースは、各登山ルートの中でも比較的アプローチが良く、しかも歩きやすいため、最も多くの登山者に利用されるポピュラールートです。上畑のひとつ手前にある「傾山登山口」バス停で下車すると、南東には傾山の本峰から前傾の岩峰群が群れ立つ姿を望めます。岩壁は午前中は影になりますが、午後になると陽光を受けて輝き、とくに夕映えの美しさは格別です。 車道を下り終えたところが奥岳川の本流で、橋を渡ると道はほぼ平坦になり、九折(つづらおれ)まで続きます。自家用車でのアクセスも可能で、九折まで車を入れることができます。林道が分かれていますが、そのまま車道を進み、鉱業所の跡を通って突き当たりまで行くと、九折越(つづらおれごえ)コースと三つ尾コースが分岐します。 右手の道を進むとケイセイ谷を越えます。鉱山が稼働していた時代に使われたトロッコの鉄網張りの橋があり、渡ることができます。さらに、軌道跡の平坦な道をしばらく行くと、指道標があり、ここで右手の山道へと移ります。登山道は森林の中を進み、山手谷の左岸に沿って歩きます。水の流れる音を聞きながら進みますが、それほど急な登りはありません。50分ほど歩くと、左下から激しい水音が聞こえ、樹間から芥神(けがみ)の滝を見下ろすことができます。さらに進むとカンカケ谷に出ます。この先、九折越まで水場がないため、ここで水筒を満たしておくことをおすすめします。 ここからはいよいよ本格的な登りとなります。斜面は急で足場も悪く、時には木の根につかまりながら登ることになるでしょう。30分ほど登ると林道に出ます。この林道は九折から山腹を大きく巻くように続いていますが、途中が柵で遮断されており、一般車両は通行できないようになっています。 林道を横切ると、再び樹林帯に入ります。六合目付近には熊野社の石祠(せきし)があり、ここは捕獲されたクマを供養するために建てられた「熊墓」です。(出典:緒方町誌 P608〜P609)この熊墓付近からは樹間が開け、谷の向こうに連なる傾山の岩壁を望むことができるようになります。ジグザグの登りを進んでいくと、わずかではありますが草原が開けた九折越に到着します。水場は峠から南側の見立コースを少し下ったところにあり、山小屋は西へ笠松山方面に50メートルほど進んだ場所にあります。 祖母・傾山系や大崩山系のように原生林に覆われた地域では、ヘリコプターによるホイスト救出が難しく、これまではほとんど救助隊員の人力による救助に頼ってきました。祖母山と同様、近年は傾山でも遭難事故が多発しているため、九折越には救難用の臨時ヘリポートが設置されました。 峠からは県境の尾根道を進みます。ゆるやかなアップダウンを繰り返してセンゲンに到着すると、目の前には本傾(ほんぎょう)・後傾(こうぎょう)の双耳峰がそびえ立ち、圧倒的な迫力を感じさせます。峠から約40分で後傾の直下に到達し、ここから急な登りが始まります。傾斜は次第に増していき、途中には「杖落とし」と呼ばれる岩場がありますが、岩はしっかりとしており、現在は迂回路も設けられています。岩場をよじ登り、木の根につかまりながら進むと、後傾の頂上に到達します。ここからは、大崩山群を一望する素晴らしい展望が広がります。 一度鞍部に下り、再び急登を進むと、本傾の頂上に到着します。山頂には大きな岩が折り重なるように並び、ヒメコマツの美しい枝ぶりが見られます。また、立ち枯れた木の白い肌も、この場所ならではの風景です。展望は祖母山に次ぐ素晴らしさで、遠くには九重山群や由布岳、鶴見岳などを望むことができます。中でも特に印象的なのは、足元に広がる奥岳川源流部の向こうに堂々とそびえ立つ祖母山の姿です。このコースは、各登山ルートの中でも比較的アプローチが良く、しかも歩きやすいため、最も多くの登山者に利用されるポピュラールートです。上畑のひとつ手前にある「傾山登山口」バス停で下車すると、南東には傾山の本峰から前傾の岩峰群が群れ立つ姿を望めます。岩壁は午前中は影になりますが、午後になると陽光を受けて輝き、とくに夕映えの美しさは格別です。 車道を下り終えたところが奥岳川の本流で、橋を渡ると道はほぼ平坦になり、九折(つづらおれ)まで続きます。自家用車でのアクセスも可能で、九折まで車を入れることができます。林道が分かれていますが、そのまま車道を進み、鉱業所の跡を通って突き当たりまで行くと、九折越(つづらおれごえ)コースと三つ尾コースが分岐します。 右手の道を進むとケイセイ谷を越えます。鉱山が稼働していた時代に使われたトロッコの鉄網張りの橋があり、渡ることができます。さらに、軌道跡の平坦な道をしばらく行くと、指道標があり、ここで右手の山道へと移ります。登山道は森林の中を進み、山手谷の左岸に沿って歩きます。水の流れる音を聞きながら進みますが、それほど急な登りはありません。50分ほど歩くと、左下から激しい水音が聞こえ、樹間から芥神(けがみ)の滝を見下ろすことができます。さらに進むとカンカケ谷に出ます。この先、九折越まで水場がないため、ここで水筒を満たしておくことをおすすめします。 ここからはいよいよ本格的な登りとなります。斜面は急で足場も悪く、時には木の根につかまりながら登ることになるでしょう。30分ほど登ると林道に出ます。この林道は九折から山腹を大きく巻くように続いていますが、途中が柵で遮断されており、一般車両は通行できないようになっています。 林道を横切ると、再び樹林帯に入ります。六合目付近には熊野社の石祠(せきし)があり、ここは捕獲されたクマを供養するために建てられた「熊墓」です。(出典:緒方町誌 P608〜P609)この熊墓付近からは樹間が開け、谷の向こうに連なる傾山の岩壁を望むことができるようになります。ジグザグの登りを進んでいくと、わずかではありますが草原が開けた九折越に到着します。水場は峠から南側の見立コースを少し下ったところにあり、山小屋は西へ笠松山方面に50メートルほど進んだ場所にあります。 祖母・傾山系や大崩山系のように原生林に覆われた地域では、ヘリコプターによるホイスト救出が難しく、これまではほとんど救助隊員の人力による救助に頼ってきました。祖母山と同様、近年は傾山でも遭難事故が多発しているため、九折越には救難用の臨時ヘリポートが設置されました。 峠からは県境の尾根道を進みます。ゆるやかなアップダウンを繰り返してセンゲンに到着すると、目の前には本傾(ほんぎょう)・後傾(こうぎょう)の双耳峰がそびえ立ち、圧倒的な迫力を感じさせます。峠から約40分で後傾の直下に到達し、ここから急な登りが始まります。傾斜は次第に増していき、途中には「杖落とし」と呼ばれる岩場がありますが、岩はしっかりとしており、現在は迂回路も設けられています。岩場をよじ登り、木の根につかまりながら進むと、後傾の頂上に到達します。ここからは、大崩山群を一望する素晴らしい展望が広がります。 一度鞍部に下り、再び急登を進むと、本傾の頂上に到着します。山頂には大きな岩が折り重なるように並び、ヒメコマツの美しい枝ぶりが見られます。また、立ち枯れた木の白い肌も、この場所ならではの風景です。展望は祖母山に次ぐ素晴らしさで、遠くには九重山群や由布岳、鶴見岳などを望むことができます。中でも特に印象的なのは、足元に広がる奥岳川源流部の向こうに堂々とそびえ立つ祖母山の姿です。 -
三ッ尾コース
- 日帰り
- 5時間50分
三ッ尾コース
- 日帰り
- 5時間50分
上畑のひとつ手前にある「傾山登山口」バス停で下車すると、南東には傾山の本峰から前傾の岩峰群が群れ立つ姿を望むことができます。岩壁は午前中は影になりますが、午後になると陽光を受けて輝き、とくに夕映えの美しさは格別です。 車道を下り終えたところが奥岳川の本流で、橋を渡ると道はほぼ平坦になり、九折(つづらおれ)まで続きます。自家用車でのアクセスも可能で、九折まで車を入れることができます。林道が分かれていますが、そのまま車道を進み、鉱業所の跡を通って突き当たりまで行くと、九折越(つづらおれごえ)コースと三つ尾コースが分岐します。 九折越への道と分かれ、トロッコ道を進むと、山手谷の本流を渡ります。谷沿いの道からは左手にサカオケの滝を望むことができます。ここから谷を離れ、急坂を20分ほど登ると、ドウカイ谷にかかる観音滝が現れます。この滝は落差およそ75mあり、山群の中でも名瀑のひとつとされています。かつては修験者がここで修行をしていたとも伝えられています。滝の上で渡渉し、さらにひと登りすると林道に出ます。この林道は、九折越コースで述べた九折からの林道であり、付近には通行止めの柵が設置されています。そのため、ここまでは自家用車で来ることも可能ですが、観音滝はぜひ一見しておきたい場所です。急坂ではありますが、本来の登山道を歩くほうが登山の醍醐味を味わえるでしょう。 林道をほんの少し左へ進むと、尾根に取り付く登山道があります。右手の頭上には前傾の岩峰群を仰ぎながら、ひたすら登り続けます。左手の森林は、以前は原生林でしたが、現在は伐採跡に桧の植林が広がっています。急登を我慢しながら登っていくと、再び原生林に入り、やがて三ッ尾に到着します。三ッ尾は名前の通り、尾根が三方向に分かれている地点であり、大白谷からの登山道と合流する場所でもあります。 三ッ尾からの尾根道は比較的明るく開けており、気持ちよく歩くことができます。ゆるやかな登りを15分ほど続けると、道が二手に分かれています。左は尾根の東側、アオスズ谷の源頭を巻くルートで、右は尾根通しに前傾の岩峰群を登る急峻なルートです。 アオスズ谷のルートは、小さな谷をいくつか越えながら、ブナやヒメシャラの目立つスズタケの茂る道を進み、五葉塚と呼ばれる小岩峰の近くに出ます。途中には水場もあります。一方、岩峰ルートは、三ッ坊主・二ッ坊主と呼ばれる前傾の岩場を登ったりへつったりしながら進むコースです。このルートを登る場合も下る場合も、かなりの体力と岩場での経験が求められます。冬季の積雪や結氷時にはザイルの携行が望ましく、また、荷物が多い場合や初心者がいる場合には避けたほうが無難です。しかし、山に慣れた登山者にとっては、傾山の本来の魅力を存分に味わえるルートといえるでしょう。上畑のひとつ手前にある「傾山登山口」バス停で下車すると、南東には傾山の本峰から前傾の岩峰群が群れ立つ姿を望むことができます。岩壁は午前中は影になりますが、午後になると陽光を受けて輝き、とくに夕映えの美しさは格別です。 車道を下り終えたところが奥岳川の本流で、橋を渡ると道はほぼ平坦になり、九折(つづらおれ)まで続きます。自家用車でのアクセスも可能で、九折まで車を入れることができます。林道が分かれていますが、そのまま車道を進み、鉱業所の跡を通って突き当たりまで行くと、九折越(つづらおれごえ)コースと三つ尾コースが分岐します。 九折越への道と分かれ、トロッコ道を進むと、山手谷の本流を渡ります。谷沿いの道からは左手にサカオケの滝を望むことができます。ここから谷を離れ、急坂を20分ほど登ると、ドウカイ谷にかかる観音滝が現れます。この滝は落差およそ75mあり、山群の中でも名瀑のひとつとされています。かつては修験者がここで修行をしていたとも伝えられています。滝の上で渡渉し、さらにひと登りすると林道に出ます。この林道は、九折越コースで述べた九折からの林道であり、付近には通行止めの柵が設置されています。そのため、ここまでは自家用車で来ることも可能ですが、観音滝はぜひ一見しておきたい場所です。急坂ではありますが、本来の登山道を歩くほうが登山の醍醐味を味わえるでしょう。 林道をほんの少し左へ進むと、尾根に取り付く登山道があります。右手の頭上には前傾の岩峰群を仰ぎながら、ひたすら登り続けます。左手の森林は、以前は原生林でしたが、現在は伐採跡に桧の植林が広がっています。急登を我慢しながら登っていくと、再び原生林に入り、やがて三ッ尾に到着します。三ッ尾は名前の通り、尾根が三方向に分かれている地点であり、大白谷からの登山道と合流する場所でもあります。 三ッ尾からの尾根道は比較的明るく開けており、気持ちよく歩くことができます。ゆるやかな登りを15分ほど続けると、道が二手に分かれています。左は尾根の東側、アオスズ谷の源頭を巻くルートで、右は尾根通しに前傾の岩峰群を登る急峻なルートです。 アオスズ谷のルートは、小さな谷をいくつか越えながら、ブナやヒメシャラの目立つスズタケの茂る道を進み、五葉塚と呼ばれる小岩峰の近くに出ます。途中には水場もあります。一方、岩峰ルートは、三ッ坊主・二ッ坊主と呼ばれる前傾の岩場を登ったりへつったりしながら進むコースです。このルートを登る場合も下る場合も、かなりの体力と岩場での経験が求められます。冬季の積雪や結氷時にはザイルの携行が望ましく、また、荷物が多い場合や初心者がいる場合には避けたほうが無難です。しかし、山に慣れた登山者にとっては、傾山の本来の魅力を存分に味わえるルートといえるでしょう。 -
大白谷コース
- 日帰り
- 5時間10分
大白谷コース
- 日帰り
- 5時間10分
アプローチにやや難があることや、登山道が厳しいことから、上畑からのコースに比べると利用者は少ないようです。三重町駅からのバス便は廃止されています。途中には、ホタルや石橋群で知られる白山渓谷や、近年開発された鍾乳洞があります。特に、稲積水中鍾乳洞は一躍注目を集めた観光地となっており、立ち寄ってみるのもよいでしょう。 バスの終点跡から車道をそのまま100mほど進むと、左手に分かれ道があります。そこから10分ほど歩くと、大理石の石切場跡に到着します。この大理石は石灰岩が変成作用を受けたもので、この地域の特産品でもあります。「白山」や「白谷」という地名も、これに由来しているそうです。 谷沿いの八丁坂をしばらく登ると、やがて林道に出ます。この林道を進むこと約30分で、官行事業所跡に到着します。自家用車でのアクセスも可能で、中山峠を経由してここまで入ることができます。 そこから、急な登りの思案坂を登り切ると、軌道跡に出ます。途中には造林小屋がありますが、現在は利用できません。さらに軌道跡をたどるとアオスズ谷の沢が現れます。三ッ尾へのコースは、この沢を左右に渡りながら奥へと進みます。水のなくなった急な沢を登り切ると、九折からの登山道と合流する三ッ尾に到着します。三ッ尾は名前の通り、尾根が三方向に分かれている地点であり、大白谷からの登山道と合流する場所でもあります。 三ッ尾からの尾根道は比較的明るく開けており、気持ちよく歩くことができます。ゆるやかな登りを15分ほど続けると、道が二手に分かれています。左は尾根の東側、アオスズ谷の源頭を巻くルートで、右は尾根通しに前傾の岩峰群を登る急峻なルートです。 アオスズ谷のルートは、小さな谷をいくつか越えながら、ブナやヒメシャラの目立つスズタケの茂る道を進み、五葉塚と呼ばれる小岩峰の近くに出ます。途中には水場もあります。一方、岩峰ルートは、三ッ坊主・二ッ坊主と呼ばれる前傾の岩場を登ったりへつったりしながら進むコースです。このルートを登る場合も下る場合も、かなりの体力と岩場での経験が求められます。冬季の積雪や結氷時にはザイルの携行が望ましく、また、荷物が多い場合や初心者がいる場合には避けたほうが無難です。しかし、山に慣れた登山者にとっては、傾山の本来の魅力を存分に味わえるルートといえるでしょう。アプローチにやや難があることや、登山道が厳しいことから、上畑からのコースに比べると利用者は少ないようです。三重町駅からのバス便は廃止されています。途中には、ホタルや石橋群で知られる白山渓谷や、近年開発された鍾乳洞があります。特に、稲積水中鍾乳洞は一躍注目を集めた観光地となっており、立ち寄ってみるのもよいでしょう。 バスの終点跡から車道をそのまま100mほど進むと、左手に分かれ道があります。そこから10分ほど歩くと、大理石の石切場跡に到着します。この大理石は石灰岩が変成作用を受けたもので、この地域の特産品でもあります。「白山」や「白谷」という地名も、これに由来しているそうです。 谷沿いの八丁坂をしばらく登ると、やがて林道に出ます。この林道を進むこと約30分で、官行事業所跡に到着します。自家用車でのアクセスも可能で、中山峠を経由してここまで入ることができます。 そこから、急な登りの思案坂を登り切ると、軌道跡に出ます。途中には造林小屋がありますが、現在は利用できません。さらに軌道跡をたどるとアオスズ谷の沢が現れます。三ッ尾へのコースは、この沢を左右に渡りながら奥へと進みます。水のなくなった急な沢を登り切ると、九折からの登山道と合流する三ッ尾に到着します。三ッ尾は名前の通り、尾根が三方向に分かれている地点であり、大白谷からの登山道と合流する場所でもあります。 三ッ尾からの尾根道は比較的明るく開けており、気持ちよく歩くことができます。ゆるやかな登りを15分ほど続けると、道が二手に分かれています。左は尾根の東側、アオスズ谷の源頭を巻くルートで、右は尾根通しに前傾の岩峰群を登る急峻なルートです。 アオスズ谷のルートは、小さな谷をいくつか越えながら、ブナやヒメシャラの目立つスズタケの茂る道を進み、五葉塚と呼ばれる小岩峰の近くに出ます。途中には水場もあります。一方、岩峰ルートは、三ッ坊主・二ッ坊主と呼ばれる前傾の岩場を登ったりへつったりしながら進むコースです。このルートを登る場合も下る場合も、かなりの体力と岩場での経験が求められます。冬季の積雪や結氷時にはザイルの携行が望ましく、また、荷物が多い場合や初心者がいる場合には避けたほうが無難です。しかし、山に慣れた登山者にとっては、傾山の本来の魅力を存分に味わえるルートといえるでしょう。 -
九折越コース
- 日帰り
- 5時間25分
九折越コース
- 日帰り
- 5時間25分
日之影から見立方面へのバス便が廃止され、現在はマイカーを利用するか、日之影町中心部からタクシーを利用するしかなくなっています。しかし、マイカーを利用する方にとっては、後述するように林道を奥まで進むことができ、傾山に最短距離で登れるコースとなっています。 見立橋のそばにある鉱山の選鉱所跡を左に見ながら、見立本谷の右岸を登っていきます。道はやや広く、杉林の中を曲折しながら進みますが、やがて谷が開けて水田や畑が見えてきます。ここがユウガツルです。再び造林地に入り、急な坂を20分ほど登ると軌道跡に出ます。これはかつて黒仁田官行が材木の搬出に使用していたもので、ここからは比較的ゆるやかな道を進むことになります。途中、本谷山から流れる黒岩谷を越えると、対岸に林道が延びているのが見え、やがてその林道に合流します。林道を約1km進むと、造林地の中に登山道の入口があり、最近では黒仁田登山口または見立登山口と呼ばれています。林道を利用すれば、この少し手前まで車で入ることができますが、上部は路面が非常に悪いため、合流点近くに駐車するのが無難です。 この林道は、県道(主要地方道日之影宇目線)から水無平で分岐し、奥村を経由してクワヅル谷、タカハタ谷を巻きながら見立谷に至るものです。そのため、九折越までの距離が短縮されましたが、同時に樹林が失われたともいえます。駐車は林道のかたわらを利用してください。 伐採跡の道をたどっていくと、やがて原生林へと入り、水場に到達します。九折越まではあとわずかです。峠からは県境の尾根道を進みます。ゆるやかなアップダウンを繰り返しながらセンゲンに到着すると、目の前には本傾(ほんぎょう)・後傾(こうぎょう)の双耳峰がそびえ立ち、圧倒的な迫力を感じることでしょう。峠から約40分で後傾の直下に到達し、ここから急な登りが始まります。傾斜は次第に増していき、途中には「杖落とし」と呼ばれる岩場がありますが、岩はしっかりとしており、現在は迂回路も設けられています。岩場をよじ登り、木の根につかまりながら進むと、後傾の頂上に到達します。ここからは、大崩山群を一望する素晴らしい展望が広がります。 このほか、水無平から県道をさらに登っていくと、宮崎・大分県境の杉ヶ越のトンネルに至ります。大分県側からは、佐伯市小野市から木浦鉱山を経由してここに至るルートがあります。峠は傾山と新百姓山との鞍部に位置しており、ここから尾根伝いに後傾とセンゲンの間へと登るコースもあります。所要時間は約3時間30分です。一時は利用者が少ないルートでしたが、現在は道も整備され、県道の開通によって利用者が増えてきています。また、払鳥屋まで自家用車で入り、そこからソデ尾・ホトクリ原を経由するルートもあります。日之影から見立方面へのバス便が廃止され、現在はマイカーを利用するか、日之影町中心部からタクシーを利用するしかなくなっています。しかし、マイカーを利用する方にとっては、後述するように林道を奥まで進むことができ、傾山に最短距離で登れるコースとなっています。 見立橋のそばにある鉱山の選鉱所跡を左に見ながら、見立本谷の右岸を登っていきます。道はやや広く、杉林の中を曲折しながら進みますが、やがて谷が開けて水田や畑が見えてきます。ここがユウガツルです。再び造林地に入り、急な坂を20分ほど登ると軌道跡に出ます。これはかつて黒仁田官行が材木の搬出に使用していたもので、ここからは比較的ゆるやかな道を進むことになります。途中、本谷山から流れる黒岩谷を越えると、対岸に林道が延びているのが見え、やがてその林道に合流します。林道を約1km進むと、造林地の中に登山道の入口があり、最近では黒仁田登山口または見立登山口と呼ばれています。林道を利用すれば、この少し手前まで車で入ることができますが、上部は路面が非常に悪いため、合流点近くに駐車するのが無難です。 この林道は、県道(主要地方道日之影宇目線)から水無平で分岐し、奥村を経由してクワヅル谷、タカハタ谷を巻きながら見立谷に至るものです。そのため、九折越までの距離が短縮されましたが、同時に樹林が失われたともいえます。駐車は林道のかたわらを利用してください。 伐採跡の道をたどっていくと、やがて原生林へと入り、水場に到達します。九折越まではあとわずかです。峠からは県境の尾根道を進みます。ゆるやかなアップダウンを繰り返しながらセンゲンに到着すると、目の前には本傾(ほんぎょう)・後傾(こうぎょう)の双耳峰がそびえ立ち、圧倒的な迫力を感じることでしょう。峠から約40分で後傾の直下に到達し、ここから急な登りが始まります。傾斜は次第に増していき、途中には「杖落とし」と呼ばれる岩場がありますが、岩はしっかりとしており、現在は迂回路も設けられています。岩場をよじ登り、木の根につかまりながら進むと、後傾の頂上に到達します。ここからは、大崩山群を一望する素晴らしい展望が広がります。 このほか、水無平から県道をさらに登っていくと、宮崎・大分県境の杉ヶ越のトンネルに至ります。大分県側からは、佐伯市小野市から木浦鉱山を経由してここに至るルートがあります。峠は傾山と新百姓山との鞍部に位置しており、ここから尾根伝いに後傾とセンゲンの間へと登るコースもあります。所要時間は約3時間30分です。一時は利用者が少ないルートでしたが、現在は道も整備され、県道の開通によって利用者が増えてきています。また、払鳥屋まで自家用車で入り、そこからソデ尾・ホトクリ原を経由するルートもあります。 -
縦走コース
- 1泊2日
- 10時間35分
縦走コース
- 1泊2日
- 10時間35分
主稜線を忠実にたどるコースで、景観や起伏に変化が豊富であり、山群の真価を十二分に味わえる約18kmの行程です。それは九州第一の縦走路と言っても良いでしょう。「奥祖母新道」という名で戦後間もなく開発・整備されて以来、九州の岳人なら一度は歩かねばならないルートとも言われ、多くの人が訪れています。とはいえ、たっぷり一日かかるコースであり、祖母山九合目小屋や九折越小屋、またはビバーク地なども考慮に入れてスケジュールを立てていただきたいと思います。さらに、ルートの手入れが必ずしも十分ではない上、悪天候などのその時々の条件によって所要時間もかなり変わることにも留意しておきたいところです。 祖母山頂の石祠から南へ進みます。すぐに急斜面が待っており、ハシゴや岩角、灌木などを手がかりに下ると、スズタケの切り分け道となります。小さな起伏をいくつか越えると、黒金山尾根からのルートが登ってきます。天狗岩の背後の草付きのピークは、ウバダケニンジン、イワカガミ、マンネンスギなどの群落で、天狗岩の頭への踏み分け道があります。再びスズタケの中に入り、烏帽子岩の後ろを巻いてひと登りすれば障子岳です。この間、東の大分側が急斜、西の宮崎側が緩斜という山群の特色を感じることができるでしょう。 障子岳の最高点は縦走路から南西に少し外れた場所にあり、熊野社が立っています。親父岳への切り分け道も見られます。縦走路は障子岳から南東に方向を変えているので、迷わないように注意が必要です。特に傾山方面から来た場合、視界が悪い時などに最高点から親父岳に入り込んでしまうことがあるので気をつけましょう。小さな岩場を下ると、ほどなく土呂久方面への道が右に分かれ、樹林の中のほとんど上下のない道を進むと古祖母山に到着します。あまり苦労せずに山頂に到達できるでしょう。山頂は比較的平らで、南北の2峰から成り、三角点は南峰にあります。 尾平越へは長い下りが続きます。北峰から東にスズタケの急斜面を下り、原生林の中にアケボノツツジが目立ちます。ほどなく左手に視界が開け、祖母山が手に取るように見えるようになります。さらに、うんざりするような下降が続き、鞍部に出てほっとするものの、尾平越まではさらにふたつの小ピークを越える必要があります。このあたり、右手の中野内側の谷間に水場があり、狭いが小広場もあります。また、左手には水場を経て西ショウドウ谷から尾平へ下れる道もあります。水はこのあたりで補給しておきたいところです。なお、祖母山からこれまでの間の水場は、天狗岩の直下および障子岩の下から土呂久側へ少し下ったところにもあります。 小さいながら急なピークを越すと尾平越に到着します。これは縦走路中の最低鞍部で、直下にトンネルが通っています。車道に下る場合は、北の大分県側、または南の宮崎県側のトンネル北口に向かいます。先の西ショウドウ谷の道と合わせて、尾平または中野内方面へのエスケープルートとして頭に入れておきましょう。ここが縦走の中間点となりますので、コンディションを確かめておくことが大切です。 本谷山へは原生林とスズタケの中をゆるやかに登りますが、とにかく長く、展望もあまりききません。祖母山からスタートする場合、この登りが苦しいと感じるでしょう。峠から10分くらい進むと、宮崎県側に水場があり、小広場もあります。ブナ、カエデ、ミズナラ、ヒメシャラなどの大木の下を進み、昔の野の跡に出て、スズタケ密生の急坂にかかるとすぐに三国岩に到着します。ここは展望の良い露岩で、両翼をぐっと張った祖母山を見ながらひと息入れることができます。本谷山へはあと20分ほど進むと、灌木帯となり、ヒメコマツも現れ、倒木などをまたいでいくと本谷山の山頂に到着します。木々に遮られて展望はあまりよろしくありません。 山頂から東に少し進んだところに池ノ原と呼ばれる水場がありますが、水量は少なく、渇水期には無くなることもあるので、あまりあてにできません。ここを過ぎると樹木は小さくなり、何度も小さな隆起を越えて進むことになります。高度が次第に下がり、木々が大きくなると笠松山が近づいてきます。縦走路は山頂の南側を巻いています。頂上に立ちたい場合は、西側からの踏み跡を伝って進むと良いでしょう。 九折越までは小さな起伏を繰り返しての下りですが、疲れた体には相当に長く感じるかもしれません。最初は急な下りですが、しばらくしてゆるやかな道に変わります。途中、昭和44年3月に雪の中で疲労死した2人の碑を見ることができます。松の姿が現れると、間もなくスズタケのないナラ林の丘を越えると、目の前に九折越の山小屋が見えます。傾山の雄大な岩峰の連なりが印象的です。 九折越から傾山については、傾山コースを参照してください。祖母山または傾山からの縦走の場合、必ず早朝に出発することをお勧めします。九折越小屋で時間と体力に余裕があれば、荷物をデポして傾山まで軽装で往復することもできます。 なお、祖母山〜九折越間の縦走路は、長年スズタケにより荒れ放題でしたが、現在は切り開き整備され、これまでに比べて快適で安全な縦走が可能になっています。主稜線を忠実にたどるコースで、景観や起伏に変化が豊富であり、山群の真価を十二分に味わえる約18kmの行程です。それは九州第一の縦走路と言っても良いでしょう。「奥祖母新道」という名で戦後間もなく開発・整備されて以来、九州の岳人なら一度は歩かねばならないルートとも言われ、多くの人が訪れています。とはいえ、たっぷり一日かかるコースであり、祖母山九合目小屋や九折越小屋、またはビバーク地なども考慮に入れてスケジュールを立てていただきたいと思います。さらに、ルートの手入れが必ずしも十分ではない上、悪天候などのその時々の条件によって所要時間もかなり変わることにも留意しておきたいところです。 祖母山頂の石祠から南へ進みます。すぐに急斜面が待っており、ハシゴや岩角、灌木などを手がかりに下ると、スズタケの切り分け道となります。小さな起伏をいくつか越えると、黒金山尾根からのルートが登ってきます。天狗岩の背後の草付きのピークは、ウバダケニンジン、イワカガミ、マンネンスギなどの群落で、天狗岩の頭への踏み分け道があります。再びスズタケの中に入り、烏帽子岩の後ろを巻いてひと登りすれば障子岳です。この間、東の大分側が急斜、西の宮崎側が緩斜という山群の特色を感じることができるでしょう。 障子岳の最高点は縦走路から南西に少し外れた場所にあり、熊野社が立っています。親父岳への切り分け道も見られます。縦走路は障子岳から南東に方向を変えているので、迷わないように注意が必要です。特に傾山方面から来た場合、視界が悪い時などに最高点から親父岳に入り込んでしまうことがあるので気をつけましょう。小さな岩場を下ると、ほどなく土呂久方面への道が右に分かれ、樹林の中のほとんど上下のない道を進むと古祖母山に到着します。あまり苦労せずに山頂に到達できるでしょう。山頂は比較的平らで、南北の2峰から成り、三角点は南峰にあります。 尾平越へは長い下りが続きます。北峰から東にスズタケの急斜面を下り、原生林の中にアケボノツツジが目立ちます。ほどなく左手に視界が開け、祖母山が手に取るように見えるようになります。さらに、うんざりするような下降が続き、鞍部に出てほっとするものの、尾平越まではさらにふたつの小ピークを越える必要があります。このあたり、右手の中野内側の谷間に水場があり、狭いが小広場もあります。また、左手には水場を経て西ショウドウ谷から尾平へ下れる道もあります。水はこのあたりで補給しておきたいところです。なお、祖母山からこれまでの間の水場は、天狗岩の直下および障子岩の下から土呂久側へ少し下ったところにもあります。 小さいながら急なピークを越すと尾平越に到着します。これは縦走路中の最低鞍部で、直下にトンネルが通っています。車道に下る場合は、北の大分県側、または南の宮崎県側のトンネル北口に向かいます。先の西ショウドウ谷の道と合わせて、尾平または中野内方面へのエスケープルートとして頭に入れておきましょう。ここが縦走の中間点となりますので、コンディションを確かめておくことが大切です。 本谷山へは原生林とスズタケの中をゆるやかに登りますが、とにかく長く、展望もあまりききません。祖母山からスタートする場合、この登りが苦しいと感じるでしょう。峠から10分くらい進むと、宮崎県側に水場があり、小広場もあります。ブナ、カエデ、ミズナラ、ヒメシャラなどの大木の下を進み、昔の野の跡に出て、スズタケ密生の急坂にかかるとすぐに三国岩に到着します。ここは展望の良い露岩で、両翼をぐっと張った祖母山を見ながらひと息入れることができます。本谷山へはあと20分ほど進むと、灌木帯となり、ヒメコマツも現れ、倒木などをまたいでいくと本谷山の山頂に到着します。木々に遮られて展望はあまりよろしくありません。 山頂から東に少し進んだところに池ノ原と呼ばれる水場がありますが、水量は少なく、渇水期には無くなることもあるので、あまりあてにできません。ここを過ぎると樹木は小さくなり、何度も小さな隆起を越えて進むことになります。高度が次第に下がり、木々が大きくなると笠松山が近づいてきます。縦走路は山頂の南側を巻いています。頂上に立ちたい場合は、西側からの踏み跡を伝って進むと良いでしょう。 九折越までは小さな起伏を繰り返しての下りですが、疲れた体には相当に長く感じるかもしれません。最初は急な下りですが、しばらくしてゆるやかな道に変わります。途中、昭和44年3月に雪の中で疲労死した2人の碑を見ることができます。松の姿が現れると、間もなくスズタケのないナラ林の丘を越えると、目の前に九折越の山小屋が見えます。傾山の雄大な岩峰の連なりが印象的です。 九折越から傾山については、傾山コースを参照してください。祖母山または傾山からの縦走の場合、必ず早朝に出発することをお勧めします。九折越小屋で時間と体力に余裕があれば、荷物をデポして傾山まで軽装で往復することもできます。 なお、祖母山〜九折越間の縦走路は、長年スズタケにより荒れ放題でしたが、現在は切り開き整備され、これまでに比べて快適で安全な縦走が可能になっています。 -
モチダ谷コース
- 日帰り
- 6時間25分
モチダ谷コース
- 日帰り
- 6時間25分
このコースは、祝子川の源流部から登るものであり、その渓谷美を代表するルートです。延岡から祝子川をさかのぼる途中、車窓からも渓谷の美しさを垣間見ることができますが、原生林の中を流れる源流部の素晴らしさには到底及ばないでしょう。 登山口のある上祝子には立派な橋が架かっており、橋の上からは二枚ダキを中心とした大崩山の東面を一望できます。また、橋の下には美しい千貫淵の景色が広がっています。登山口へ向かうには、橋を渡らずに本流左岸の舗装路を進んでください。道沿いには点々と民家があり、30分ほど歩くと森ノ家(現在は使用不可)のある養魚場に到着します。 舗装道路はカーブを繰り返しながら山腹を巻くように続いており、本谷を見下ろしながら歩くことになります。途中、右手にクロスケオテ谷にかかる広タキを見ることができ、本谷が足元に近づいてくると登山口に到着です。登山口周辺の車道には、多くの登山者の自家用車が駐車されていることがよくあります。ここから登山道に入り、小径を進みながら山中へと向かいます。 登山を始める前に、靴のひもを締め直し、ジャリ道とは異なる登山道の感触を楽しみながら大崩山荘へ向かいましょう。この山荘は昭和30年代に建てられ、多くの登山者に利用されてきましたが、昭和54年の台風で倒壊しました。その後、地元の山岳団体の尽力により近年ようやく再建されたものです。大切に利用したいですね。山荘からさらに左岸を20分ほど歩くと、左に湧塚コースの分岐があります。 本流沿いの道は次第に急になり、崖沿いや小谷を越えながら進みます。途中、対岸には小積岩の大岩峰や湧塚岩峰群の見事な景観が広がり、圧倒されるような迫力を感じるでしょう。さらに進むと、水量の多い喜平越谷を渡り、岩屋を過ぎ、五葉の尾ダキの岩壁にたどり着きます。ここからは、渓谷をはるか下方に見下ろしながら丸木の桟道を進み、樹林帯を抜けると吐野に到着します。吐野は瀬戸口谷が合流する場所にある小広場で、お姫山や五葉岳への分岐点にもなっています。 河原へ降り、対岸へ渡ると、荒々しかった谷の様子が一変し、滑らかな河床が続く三里河原に入ります。この河原は三里も続くといわれ、両岸には鬱蒼とした原生林が広がり、さらさらと流れる清流とともに、まさに別天地と呼ぶにふさわしい景色が楽しめます。ケルンを目印にしながら遡ると、やがて左手からモチダ谷が合流してきます。 スズタケを切り分けながらモチダ谷へ入り、谷沿いを歩きます。本流とは異なり、転石が多い谷ですが、歩きやすいルートを選びながら登りましょう。30分ほど進むと、高さ約30メートルの広い滝にたどり着きます。滝の少し手前から左岸の灌木の中に登る道があり、そこを登ると滝の上に出られます。さらに進むと、小さな滝が二つ続き、最近では上流から一の滝、二の滝、三の滝と呼ばれるようになりました。 谷が次第に浅くなってくると、右手に横岩屋が見えてきます。大きな岩が傾いてのしかかるような形をしており、多くの登山者が利用する場所です。七日廻りの岩峰もこのあたりから見えます。かつては一周するのに1週間かかったことが名前の由来ですが、三里河原にしろ七日廻りにしろ、こうした大きな数字は、人と大自然との関わりの中で生まれたものなので、違和感なく受け入れられるでしょう。 岩屋を過ぎると谷はさらに小さくなり、急斜面が続きます。やがて谷が二手に分かれる地点に到達します。水の補給が必要な場合は、ここまでの間に済ませておく必要があります。 ここから右の谷を進むと、水は枯れ、谷も枝分かれしながら次第に姿を変えていきます。青いコケが付いた岩の上を踏み跡に沿って登ると、昭和35年に空中測量中の飛行機が墜落した場所に建てられた航空機の遭難碑にたどり着きます。 その後、登山道はスズタケの茂る中に入り、ひと登りすると尾根に出ます。そこから10分ほど歩くと石塚に到着します。大崩山の山頂までは、そこからわずか5分の距離です。 石塚周辺はヒメコマツやツツジが多く、展望も素晴らしい場所です。大崩山群の山々を間近に眺めることができ、祖母・傾の連山、その背後には遠く九重山群や由布・鶴見山群、さらには阿蘇の山々が広がっています。南には九州山地の壮大な稜線が連なり、天候が良ければ霧島山まで見渡せるでしょう。一方で、大崩山の山頂は展望が限られるため、景色を楽しむなら石塚でゆっくりと眺めておくのがおすすめです。このコースは、祝子川の源流部から登るものであり、その渓谷美を代表するルートです。延岡から祝子川をさかのぼる途中、車窓からも渓谷の美しさを垣間見ることができますが、原生林の中を流れる源流部の素晴らしさには到底及ばないでしょう。 登山口のある上祝子には立派な橋が架かっており、橋の上からは二枚ダキを中心とした大崩山の東面を一望できます。また、橋の下には美しい千貫淵の景色が広がっています。登山口へ向かうには、橋を渡らずに本流左岸の舗装路を進んでください。道沿いには点々と民家があり、30分ほど歩くと森ノ家(現在は使用不可)のある養魚場に到着します。 舗装道路はカーブを繰り返しながら山腹を巻くように続いており、本谷を見下ろしながら歩くことになります。途中、右手にクロスケオテ谷にかかる広タキを見ることができ、本谷が足元に近づいてくると登山口に到着です。登山口周辺の車道には、多くの登山者の自家用車が駐車されていることがよくあります。ここから登山道に入り、小径を進みながら山中へと向かいます。 登山を始める前に、靴のひもを締め直し、ジャリ道とは異なる登山道の感触を楽しみながら大崩山荘へ向かいましょう。この山荘は昭和30年代に建てられ、多くの登山者に利用されてきましたが、昭和54年の台風で倒壊しました。その後、地元の山岳団体の尽力により近年ようやく再建されたものです。大切に利用したいですね。山荘からさらに左岸を20分ほど歩くと、左に湧塚コースの分岐があります。 本流沿いの道は次第に急になり、崖沿いや小谷を越えながら進みます。途中、対岸には小積岩の大岩峰や湧塚岩峰群の見事な景観が広がり、圧倒されるような迫力を感じるでしょう。さらに進むと、水量の多い喜平越谷を渡り、岩屋を過ぎ、五葉の尾ダキの岩壁にたどり着きます。ここからは、渓谷をはるか下方に見下ろしながら丸木の桟道を進み、樹林帯を抜けると吐野に到着します。吐野は瀬戸口谷が合流する場所にある小広場で、お姫山や五葉岳への分岐点にもなっています。 河原へ降り、対岸へ渡ると、荒々しかった谷の様子が一変し、滑らかな河床が続く三里河原に入ります。この河原は三里も続くといわれ、両岸には鬱蒼とした原生林が広がり、さらさらと流れる清流とともに、まさに別天地と呼ぶにふさわしい景色が楽しめます。ケルンを目印にしながら遡ると、やがて左手からモチダ谷が合流してきます。 スズタケを切り分けながらモチダ谷へ入り、谷沿いを歩きます。本流とは異なり、転石が多い谷ですが、歩きやすいルートを選びながら登りましょう。30分ほど進むと、高さ約30メートルの広い滝にたどり着きます。滝の少し手前から左岸の灌木の中に登る道があり、そこを登ると滝の上に出られます。さらに進むと、小さな滝が二つ続き、最近では上流から一の滝、二の滝、三の滝と呼ばれるようになりました。 谷が次第に浅くなってくると、右手に横岩屋が見えてきます。大きな岩が傾いてのしかかるような形をしており、多くの登山者が利用する場所です。七日廻りの岩峰もこのあたりから見えます。かつては一周するのに1週間かかったことが名前の由来ですが、三里河原にしろ七日廻りにしろ、こうした大きな数字は、人と大自然との関わりの中で生まれたものなので、違和感なく受け入れられるでしょう。 岩屋を過ぎると谷はさらに小さくなり、急斜面が続きます。やがて谷が二手に分かれる地点に到達します。水の補給が必要な場合は、ここまでの間に済ませておく必要があります。 ここから右の谷を進むと、水は枯れ、谷も枝分かれしながら次第に姿を変えていきます。青いコケが付いた岩の上を踏み跡に沿って登ると、昭和35年に空中測量中の飛行機が墜落した場所に建てられた航空機の遭難碑にたどり着きます。 その後、登山道はスズタケの茂る中に入り、ひと登りすると尾根に出ます。そこから10分ほど歩くと石塚に到着します。大崩山の山頂までは、そこからわずか5分の距離です。 石塚周辺はヒメコマツやツツジが多く、展望も素晴らしい場所です。大崩山群の山々を間近に眺めることができ、祖母・傾の連山、その背後には遠く九重山群や由布・鶴見山群、さらには阿蘇の山々が広がっています。南には九州山地の壮大な稜線が連なり、天候が良ければ霧島山まで見渡せるでしょう。一方で、大崩山の山頂は展望が限られるため、景色を楽しむなら石塚でゆっくりと眺めておくのがおすすめです。 -
湧塚コース
- 日帰り
- 7時間5分
湧塚コース
- 日帰り
- 7時間5分
大崩山の岩の素晴らしさを存分に味わえる代表的なコースです。湧塚は和久塚などとも記されており、数多い大崩山の岩峰や岩壁の中でも、特に見事な岩峰群が広がっています。山に慣れた健脚向きのコースで、途中にロープが張られている箇所もありますが、念のため数メートルのロープを持参した方が良いでしょう。 登山口がある上祝子には立派な橋が架かっており、橋の上からは二枚ダキを中心に、大崩山の東面を一望することができます。また、橋の下には美しい千貫淵の景色も広がっています。登山口へ向かうには、橋を渡らずに本流左岸の舗装道路を進んでください。道沿いには点々と民家があり、30分ほど歩くと森ノ家(現在は使用不可)のある養魚場に到着します。 舗装道路はカーブを繰り返しながら山腹を巻くように続いており、本谷を見下ろしながら歩くことができます。途中、右手にクロスケオテ谷にかかる広タキを見ることができ、本谷が足元に近づいてくると登山口に到着します。登山口周辺の車道には多くの登山者の自家用車が駐車されていることがよくあります。ここから登山道に入り、小径を進みながら山中へと向かいます。 登山を始める前に、靴のひもを締め直し、ジャリ道とは異なる登山道の感触を楽しみながら大崩山荘へ向かいましょう。この山荘は昭和30年代に建てられ、多くの登山者に利用されてきましたが、昭和54年の台風で倒壊しました。その後、地元の山岳団体の尽力により近年ようやく再建されたものです。大切に利用したいですね。山荘からさらに左岸を20分ほど歩くと、左に湧塚コースの分岐があります。分岐点から指道標に従って谷に下り、ケルンを頼りに飛び石伝いに右岸に渡ります。増水時には渡れないこともあるので注意が必要です。スズタケの中に入ると、間もなく大岩の陰に岩屋に出会います。5人くらいは楽に泊まれるでしょう。さらに小道を進むとまた大きな岩屋があり、若狭岩屋というものです。祝子川には、若狭守という人が最初に住みついて開発したという伝説があり、この岩屋もそれに関連していると思われます。 しばらくは小積谷の流れに沿って登り、途中に小さい岩屋などを見ながら進みます。道が急になり、谷と別れて尾根道に変わります。急坂はさらに続き、木の根にすがったり岩角をつかんだりして進みます。ロープをフィックスした急崖があり、これを抜けるとルートはトラバース気味になり、岩稜の端をからんで通ります。その後、小さな谷状の部分を登りきると小さな鞍部となり、右に遠見の岩、左に袖ダキがあります。小道が通じており、どちらも見晴らしが良いですが、遠見はその名の通り、北に祝子川渓谷と対岸の県境稜線の山々、南には岩峰や岩壁の絶景を楽しむことができます。 さらにスズタケの道を進みます。真っすぐ行けば下湧塚、中湧塚を通らずに進めますが、せっかくなら岩を楽しみたいところです。そこで、途中から左に道を取って、まず下湧塚へ向かいます。遠見からおよそ45分ほどで到着します。次に中湧塚へは25分ほどで行けるでしょう。花崗岩の感触を心ゆくまで味わえる場所で、断崖絶壁ではありますが、近年金属製のハシゴが設置され、比較的安全に登れるようになっています。中湧塚は基部を右に巻きますが、岩峰の上に出てみるとその展望は圧巻です。岩峰群で最も高い上湧塚や駒次郎ダキの岩塔が立ち並んでおり、壮観な景色が広がります。 上湧塚も岩を登って比較的簡単に登れる場所です。道は基部の右を巻いて通じており、ここを過ぎるとスズタケの密生する中、道は次第にゆるやかになり、モチダ谷コースと合流して石塚に着きます。頂上はもうすぐです。 大崩山系は秋の紅葉も見事ですが、春の5月連休頃に咲くアケボノツツジは絶賛に値します。ツツジのピンクと松やツガの緑が重なり合い溶け合って、その中に岩峰が浮かぶ独特な景観を作り出してくれます。大崩山の岩の素晴らしさを存分に味わえる代表的なコースです。湧塚は和久塚などとも記されており、数多い大崩山の岩峰や岩壁の中でも、特に見事な岩峰群が広がっています。山に慣れた健脚向きのコースで、途中にロープが張られている箇所もありますが、念のため数メートルのロープを持参した方が良いでしょう。 登山口がある上祝子には立派な橋が架かっており、橋の上からは二枚ダキを中心に、大崩山の東面を一望することができます。また、橋の下には美しい千貫淵の景色も広がっています。登山口へ向かうには、橋を渡らずに本流左岸の舗装道路を進んでください。道沿いには点々と民家があり、30分ほど歩くと森ノ家(現在は使用不可)のある養魚場に到着します。 舗装道路はカーブを繰り返しながら山腹を巻くように続いており、本谷を見下ろしながら歩くことができます。途中、右手にクロスケオテ谷にかかる広タキを見ることができ、本谷が足元に近づいてくると登山口に到着します。登山口周辺の車道には多くの登山者の自家用車が駐車されていることがよくあります。ここから登山道に入り、小径を進みながら山中へと向かいます。 登山を始める前に、靴のひもを締め直し、ジャリ道とは異なる登山道の感触を楽しみながら大崩山荘へ向かいましょう。この山荘は昭和30年代に建てられ、多くの登山者に利用されてきましたが、昭和54年の台風で倒壊しました。その後、地元の山岳団体の尽力により近年ようやく再建されたものです。大切に利用したいですね。山荘からさらに左岸を20分ほど歩くと、左に湧塚コースの分岐があります。分岐点から指道標に従って谷に下り、ケルンを頼りに飛び石伝いに右岸に渡ります。増水時には渡れないこともあるので注意が必要です。スズタケの中に入ると、間もなく大岩の陰に岩屋に出会います。5人くらいは楽に泊まれるでしょう。さらに小道を進むとまた大きな岩屋があり、若狭岩屋というものです。祝子川には、若狭守という人が最初に住みついて開発したという伝説があり、この岩屋もそれに関連していると思われます。 しばらくは小積谷の流れに沿って登り、途中に小さい岩屋などを見ながら進みます。道が急になり、谷と別れて尾根道に変わります。急坂はさらに続き、木の根にすがったり岩角をつかんだりして進みます。ロープをフィックスした急崖があり、これを抜けるとルートはトラバース気味になり、岩稜の端をからんで通ります。その後、小さな谷状の部分を登りきると小さな鞍部となり、右に遠見の岩、左に袖ダキがあります。小道が通じており、どちらも見晴らしが良いですが、遠見はその名の通り、北に祝子川渓谷と対岸の県境稜線の山々、南には岩峰や岩壁の絶景を楽しむことができます。 さらにスズタケの道を進みます。真っすぐ行けば下湧塚、中湧塚を通らずに進めますが、せっかくなら岩を楽しみたいところです。そこで、途中から左に道を取って、まず下湧塚へ向かいます。遠見からおよそ45分ほどで到着します。次に中湧塚へは25分ほどで行けるでしょう。花崗岩の感触を心ゆくまで味わえる場所で、断崖絶壁ではありますが、近年金属製のハシゴが設置され、比較的安全に登れるようになっています。中湧塚は基部を右に巻きますが、岩峰の上に出てみるとその展望は圧巻です。岩峰群で最も高い上湧塚や駒次郎ダキの岩塔が立ち並んでおり、壮観な景色が広がります。 上湧塚も岩を登って比較的簡単に登れる場所です。道は基部の右を巻いて通じており、ここを過ぎるとスズタケの密生する中、道は次第にゆるやかになり、モチダ谷コースと合流して石塚に着きます。頂上はもうすぐです。 大崩山系は秋の紅葉も見事ですが、春の5月連休頃に咲くアケボノツツジは絶賛に値します。ツツジのピンクと松やツガの緑が重なり合い溶け合って、その中に岩峰が浮かぶ独特な景観を作り出してくれます。 -
二枚ダキコース
- 日帰り
- 5時間40分
二枚ダキコース
- 日帰り
- 5時間40分
祝子川の集落から真正面に見える大崩山東面を登るコースで、渓谷美や岩の景観は前記のコースに比べるべくもありませんが、最短コースとして昔からよく利用されてきました。以前のルートは水神淵から大野原谷に入るものでしたが、大野原谷の伐採が行われ、原生林の面影はなくなり、造林地となってしまいました。このため、興味が失われ、現在では林道を経由する人の方が多くなっているようです。 湧塚コースの登山口からは登山道に入らず、車道をそのまま進むとすぐに渓谷本流に出て橋を渡ります。小さな滝と丸い岩の川床があります。ここまでの道はまずまずですが、これからは荒れているので注意が必要です。自家用車で入る場合、その覚悟を持って運転すれば良いですが、落石や崩壊などで道が通れなくなる可能性もあるため、状況を上祝子で確認しておくことをお勧めします。どちらかというと、登山口や橋の近くの道が少し広くなった場所に駐車する方が賢明です。二枚ダキのコースを往復する場合は別ですが、このコースを登り下りのいずれかに利用する際は、その場所に車を置いておく方が便利です。 車道は対岸のダキなどを背後にして曲折しながら登り、やがて尾根に出ます。祝子川集落から見た二枚ダキや大崩ダキなどが目の前に迫り、鬼の目山一帯の展望も開けてきます。尾根の南斜面を巻き、支谷などを越えて進むと、小さな渓流のそばに道標が立っており、ここから登山道となります。かなり急な斜面で、岩や木の根に取り付いてただ登るだけです。二枚ダキの肩に着いたら、ほっと一息つくことでしょう。 平坦な場所では、祝子川を見下ろす眺めが良いです。西の下小積谷側に少し下れば水場もあります。ここは小広場となっており、休憩に適しています。さらに、スズタケの切り分けをたどって行けば、大崩山の山頂に到達します。ただし、山頂からの展望は前述の通り必ずしも良いとは限らないため、露岩の石塚まで足を延ばすことをおすすめします。祝子川の集落から真正面に見える大崩山東面を登るコースで、渓谷美や岩の景観は前記のコースに比べるべくもありませんが、最短コースとして昔からよく利用されてきました。以前のルートは水神淵から大野原谷に入るものでしたが、大野原谷の伐採が行われ、原生林の面影はなくなり、造林地となってしまいました。このため、興味が失われ、現在では林道を経由する人の方が多くなっているようです。 湧塚コースの登山口からは登山道に入らず、車道をそのまま進むとすぐに渓谷本流に出て橋を渡ります。小さな滝と丸い岩の川床があります。ここまでの道はまずまずですが、これからは荒れているので注意が必要です。自家用車で入る場合、その覚悟を持って運転すれば良いですが、落石や崩壊などで道が通れなくなる可能性もあるため、状況を上祝子で確認しておくことをお勧めします。どちらかというと、登山口や橋の近くの道が少し広くなった場所に駐車する方が賢明です。二枚ダキのコースを往復する場合は別ですが、このコースを登り下りのいずれかに利用する際は、その場所に車を置いておく方が便利です。 車道は対岸のダキなどを背後にして曲折しながら登り、やがて尾根に出ます。祝子川集落から見た二枚ダキや大崩ダキなどが目の前に迫り、鬼の目山一帯の展望も開けてきます。尾根の南斜面を巻き、支谷などを越えて進むと、小さな渓流のそばに道標が立っており、ここから登山道となります。かなり急な斜面で、岩や木の根に取り付いてただ登るだけです。二枚ダキの肩に着いたら、ほっと一息つくことでしょう。 平坦な場所では、祝子川を見下ろす眺めが良いです。西の下小積谷側に少し下れば水場もあります。ここは小広場となっており、休憩に適しています。さらに、スズタケの切り分けをたどって行けば、大崩山の山頂に到達します。ただし、山頂からの展望は前述の通り必ずしも良いとは限らないため、露岩の石塚まで足を延ばすことをおすすめします。 -
上鹿川コース
- 3時間0分
上鹿川コース
- 3時間0分
日之影町槙峰バス停から上鹿川へはバスの便がなく、バスを利用したあと徒歩で登山口まで行くには、たっぷり一日見ておかなければなりません。そのため、自家用車かタクシーを利用することになりますが、大崩山群をよく知りたいと思えば、やはり足を踏み入れてみる価値があります。比叡山のふもとを経て綱の瀬川をさかのぼると、明るく開けた鹿川盆地に到着します。大崩山をはじめ、岩塔が突き立つ鉾岳(鉾ダキ)や鹿川渓谷、あるいは鹿納山や日隠山のふところ深く食い込んでいる鹿納谷など、障壁に囲まれた水のきれいな風景は忘れがたいものです。 盆地中心部から今村を経て鹿川林道に入り、宇土内谷まで進みます。橋を渡ると右手に登山口の標識があります。ここから荒廃した旧林道をおよそ400m歩くと、もうひとつ小さな標柱があります。造林地を登るようになり、30分ほどで支尾根の分岐に到着します。樹林の中を尾根筋に沿って進んでいくと、大崩山から鹿納山への主尾根に達します。かつては一帯が野原だったものの、現在は灌木が茂っています。樹林を進んでいくと、モチダ谷・湧塚から登ってきた道と合流し、石塚を経て山頂に至ります。日之影町槙峰バス停から上鹿川へはバスの便がなく、バスを利用したあと徒歩で登山口まで行くには、たっぷり一日見ておかなければなりません。そのため、自家用車かタクシーを利用することになりますが、大崩山群をよく知りたいと思えば、やはり足を踏み入れてみる価値があります。比叡山のふもとを経て綱の瀬川をさかのぼると、明るく開けた鹿川盆地に到着します。大崩山をはじめ、岩塔が突き立つ鉾岳(鉾ダキ)や鹿川渓谷、あるいは鹿納山や日隠山のふところ深く食い込んでいる鹿納谷など、障壁に囲まれた水のきれいな風景は忘れがたいものです。 盆地中心部から今村を経て鹿川林道に入り、宇土内谷まで進みます。橋を渡ると右手に登山口の標識があります。ここから荒廃した旧林道をおよそ400m歩くと、もうひとつ小さな標柱があります。造林地を登るようになり、30分ほどで支尾根の分岐に到着します。樹林の中を尾根筋に沿って進んでいくと、大崩山から鹿納山への主尾根に達します。かつては一帯が野原だったものの、現在は灌木が茂っています。樹林を進んでいくと、モチダ谷・湧塚から登ってきた道と合流し、石塚を経て山頂に至ります。