九州の百名山6座 名峰に登る、火山と森と神話の登山ガイド
九州には、日本百名山に選ばれた山が6座あります。活火山、美しい独立峰、神話や信仰にゆかりのある霊峰など、個性豊かな山々がそろい、登山者を魅了しています。
阿蘇山や霧島山、開聞岳など火山の名峰に加え、屋久島の宮之浦岳や祖母山など、深い自然に抱かれた山々も特徴的。花に彩られる高原や海を望む山頂など、多彩な風景を楽しめるのも九州ならではの魅力です。
この記事では、九州の日本百名山6座をすべて紹介。標高や登山シーズン、難易度に加え、代表コースの所要時間やアクセス、登山前の注意点をわかりやすく解説します。自分の体力や経験に合う山を選び、登山計画を立てる際の参考にしてください。
目次
百名山とは?
「日本百名山」とは、作家・深田久弥氏が著書『日本百名山』で選定した、日本を代表する100座の山々のことです。標高の高さだけでなく、「品格・歴史・個性」を重視して選ばれており、それぞれに自然や文化の魅力があります。
九州にある日本百名山は6座

九州からは、屋久島を含めて次の6座が選ばれています。火山地形や広大な高原、深い森、海を望む独立峰など、それぞれ異なる景色を楽しめます。
95.くじゅう連山<中岳> / くじゅうれんざん<なかだけ>
96.祖母山 / そぼさん
97.阿蘇山<高岳> / あそさん<たかだけ>
98.霧島山<韓国岳> / きりしまやま<からくにだけ>
99.開聞岳 / かいもんだけ
100.宮之浦岳 / みやのうらだけ
※九重山・阿蘇山・霧島山は、複数の峰からなる山群の名称です。本記事では、くじゅう連山は中岳、阿蘇山は高岳、霧島山は韓国岳を中心に紹介します。
「九州百名山」との違い
九州にある日本百名山6座とは別に、山と溪谷社の登山ガイドなどで紹介される「九州百名山」があります。こちらは九州各地の名山を選んだもので、日本百名山とは選定の対象が異なり、掲載される山は版によっても違います。
この記事で紹介するのは、深田久弥氏が選定した日本百名山のうち、九州にある6座です。
九州の百名山6座を比較
九州の百名山は、火山地形の迫力を楽しめる山から、深い森や神話・信仰の雰囲気にふれられる山まで、個性豊かな名峰がそろっています。
まずは代表コースの歩行時間や注意点を比較し、自分の経験や体力に合う山を選びましょう。同じ山でも、登山口やコースによって所要時間や登りごたえは変わります。
| 山名 | 標高 | 代表コース | 往復時間の目安 | 主な魅力 | 登山の注意点 |
| くじゅう連山 (中岳) |
1,791m | 牧ノ戸峠から御池を経て中岳へ往復 | 約5〜6時間 | 九州本土最高峰からの展望、ミヤマキリシマ、開放的な稜線 | 岩場やぬかるみに注意。霧が出ると見通しが悪くなるため、地図で進路を確認する |
| 祖母山 | 1,756m | 北谷登山口から千間平・国観峠を経て山頂へ往復 | 約4〜5時間 | 豊かな自然林、静かな森歩き、山頂からの展望 | 風穴コースや尾平からのコースとは負担が異なる。登山口と経由地を確認して選ぶ |
| 阿蘇山 (高岳) |
1,592m | 阿蘇山上ターミナルから皿山迂回ルート・中岳を経て高岳へ往復 | 約5時間 | 荒涼とした火山地形、阿蘇五岳やカルデラの眺望 | 急な岩場の登下降がある。火山活動や規制によって利用できるコースが変わる |
| 霧島山 (韓国岳) |
1,700m | えびの高原から韓国岳へ往復 (規制区域を避ける迂回登山道を利用) |
約4時間 | 大浪池や霧島連山を見渡す展望、火山ならではの景観 | 山頂付近の岩場や強風に注意。登山道と周辺道路の規制を確認する |
| 開聞岳 | 924m | かいもん山麓ふれあい公園から2合目を経て山頂へ往復 | 約5時間30分 | 海を望む山頂、美しい「薩摩富士」の山容 | 山頂付近に岩場やはしごがある。標高だけで判断せず、下山までの体力を見込む |
| 宮之浦岳 | 1,936m | 淀川登山口から花之江河を経て山頂へ往復 | 約9〜10時間 | 九州最高峰、巨岩が点在する稜線、屋久島の原生的な自然 | 長時間の行動に慣れた登山経験者向け。早い出発と、悪天候時の判断が求められる |
※所要時間は紹介する代表コースの目安です。休憩時間や天候、登山道の状況、歩くペースによって変わります。難易度は無雪期を想定しており、積雪・凍結時は別途装備と経験が必要です。
目的と季節で選ぶ九州の百名山

九州の百名山には、火山ならではの迫力ある景色を楽しめる山や、深い森に包まれた山、神話や信仰の歴史を感じられる山など、それぞれ異なる魅力があります。登山経験や体力だけでなく、「どんな景色を見たいか」「どんな山歩きを楽しみたいか」によって選ぶ山も変わってきます。
ここでは、目的別・季節別におすすめの山を紹介します。海を望む山頂や美しい独立峰に惹かれるなら、開聞岳も候補に入れてみましょう。
火山ならではのダイナミックな景色を楽しみたい人におすすめ
九州らしい雄大な火山景観を満喫したいなら、くじゅう連山や阿蘇山、霧島山がおすすめです。
くじゅう連山では、草原と火山群が織りなす開放的な山並みを楽しめます。阿蘇山は大規模なカルデラと、荒涼とした火山地形が魅力。霧島山では、韓国岳から大浪池や周囲の峰々を見渡せます。火山活動によって登山道が規制される場合があるため、歩くコースは公式の最新情報を確認して選びましょう。
深い森や原生的な自然を味わいたい人におすすめ
静かな森歩きや豊かな自然を楽しみたい人には、祖母山と宮之浦岳がおすすめです。
祖母山は九州山地を代表する名峰で、自然林に囲まれた登山道を歩けます。宮之浦岳では、森を抜けて高層湿原や巨岩の点在する稜線へと進み、屋久島ならではの自然を体感できます。どちらも登山口やコースによって行程の負担が変わるため、景色と歩行時間の両方を確認して選びましょう。
神話や歴史を感じながら登りたい人におすすめ
山の景色だけでなく、歴史や文化にも興味がある人には霧島山と祖母山がおすすめです。
霧島山を構成する高千穂峰は、天孫降臨神話の舞台として知られています。ただし、本記事で紹介する韓国岳とは別の峰なので、登る場合はそれぞれのコースを確認する必要があります。祖母山も古くから信仰の対象とされ、神武天皇の祖母にあたる豊玉姫にまつわる伝承が残されています。山名や地域の歴史を知ることで、山歩きの楽しみも広がります。
春のミヤマキリシマや新緑を楽しみたい人におすすめ
春から初夏にかけて登るなら、くじゅう連山や霧島山がおすすめです。
ミヤマキリシマの見頃は、山や標高によって異なります。くじゅう連山の山頂付近では例年5月下旬〜6月中旬頃、霧島山では5〜6月頃が目安で、韓国岳の山頂付近では6月上旬頃に花を楽しめます。開花はその年の気象条件によって前後するため、訪れる山の開花情報を確認しましょう。
花の時期は梅雨と重なることもあります。雨具を携行し、雨や霧で見通しが悪い日は無理のない計画にすることが大切です。
秋の紅葉や歩きやすい気候を楽しみたい人におすすめ
秋に登るなら、祖母山やくじゅう連山がおすすめです。
祖母山では自然林が色づき、落ち着いた雰囲気の紅葉登山を楽しめます。くじゅう連山では、鮮やかに色づく山肌や谷の景色が見どころです。紅葉の時期は標高や気象条件によって変わるため、現地の情報を確認するとよいでしょう。
宮之浦岳も秋の山旅の候補になります。ただし、秋は日が短くなり、山頂付近では冷たい風が吹くこともあります。長い行程では早めの出発を心がけ、防寒着とヘッドライトを携行しましょう。
九州最高峰や百名山の達成感を味わいたい人におすすめ
百名山登山の目標として挑戦するなら、宮之浦岳やくじゅう連山が候補になります。
宮之浦岳は標高1,936mの九州最高峰で、長い行程を通して屋久島の山岳風景を味わえる一座です。くじゅう連山の中岳は標高1,791mの九州本土最高峰で、周囲の峰々や御池を見渡せます。自分の経験や体力に合うコースを選び、下山まで余裕を持って歩ける計画を立てましょう。
九州でも、標高の高い山では冬に積雪や凍結があります。特に屋久島は、海沿いの温暖な気候と山岳部の登山条件が大きく異なります。雪山の経験がない場合は、積雪・凍結のない時期を選び、出発前に登山道の状態を確認してください。
95.くじゅう連山|1,791m|中級

くじゅう連山は、九州本土の最高峰・中岳(1,791m)を含む火山群で、「九州の屋根」とも呼ばれる一大山岳エリアです。久住山や大船山、星生山など、1,700m級の峰々が連なり、登る山やコースによって異なる景色を楽しめます。
草原や開けた稜線から望む、雄大な山並みも魅力のひとつ。初夏にはミヤマキリシマが山肌を鮮やかに彩り、秋には紅葉を楽しめます。北には飯田高原、南には久住高原が広がり、山麓と山上で表情の異なる自然にふれられる山域です。
九重山は活火山で、星生山の北東側には噴気活動が見られます。登山前には火山情報を確認し、立入禁止区域には入らないようにしましょう。
■登山シーズン:春〜秋の積雪・凍結のない時期。初夏の花や秋の紅葉が見どころです。冬は雪山登山の装備と経験が必要になります。
■山名の表記:「九重山」「くじゅう連山」は山群の名称で、「久住山」はその中の一峰です。最高峰は中岳で、久住山とは別の山頂になります。
■主な登山口:牧ノ戸峠、長者原
■アクセス:車では大分自動車道・湯布院ICなどから県道11号(やまなみハイウェイ)を経由して各登山口へ。公共交通を利用する場合は、登山口に停車するバスの運行日と帰りの便を確認してください。
■駐車場:牧ノ戸峠と長者原に公共駐車場があります。花や紅葉の時期は混雑しやすいため、駐車場情報を確認し、時間に余裕を持って向かいましょう。
牧ノ戸峠から中岳を目指す代表コース
中岳を目指す代表的なコースは、牧ノ戸峠から沓掛山、久住分れ、御池を経て山頂へ向かうルートです。往復の歩行時間は約5〜6時間が目安で、休憩や混雑への余裕を加えて計画します。御池越しに眺める山並みや、中岳からの展望を楽しめるコースです。
登山口の標高は約1,330mですが、出発直後には急な登りがあり、岩の多い区間やぬかるみもあります。開けた場所では風や霧の影響を受けやすいため、雨具・防寒着・地図を携行し、分岐では進路を確認しましょう。久住山など別の峰へ立ち寄る場合は、追加の歩行時間が必要です。
坊ガツルや法華院温泉山荘を訪れる登山も楽しめますが、中岳への往復とは行程が異なります。宿泊や温泉を組み合わせる場合は、別途コースと所要時間を確認してください。
コース選びや宿泊については、くじゅう連山の登山コース・所要時間・宿泊情報も参考にしてください。出発前には、長者原ビジターセンターの登山情報と、気象庁の九重山の火山活動情報をご確認ください。
- 大分県
- 1,791m
- 百名山
96.祖母山|1,756m|中級~上級

祖母山は、大分県と宮崎県の県境に連なる祖母・傾山系の一座で、標高1,756m。九州山地の中でもひときわ目を引く、整った三角形の山容が特徴です。豊かな自然林に囲まれ、静かな森歩きと山頂からの展望を楽しめます。
神話や伝説と結びついた信仰の山としても知られ、山頂には神武天皇の祖母にあたる豊玉姫が祀られています。登山口が複数あり、選ぶルートによって歩行時間や登りごたえが変わるため、自分の経験や体力に合うコースを選びましょう。
■登山シーズン:5月〜10月を目安に、積雪・凍結のない時期。新緑や秋の紅葉が見どころです。
■名前の由来:山頂に祀られている豊玉姫が、神武天皇の祖母にあたることに由来するといわれています。
■主な登山口:北谷、神原、尾平
■アクセス:北谷登山口へは、高千穂町中心部から車で約50分が目安です。山間部の道路を通るため、出発前に道路状況を確認してください。
■駐車場:北谷登山口に駐車場があります。登山口周辺のトイレは冬季に閉鎖されるため、利用状況を事前に確認しましょう。
北谷登山口から千間平・国観峠を経て山頂へ
代表コースとして紹介するのは、北谷登山口から千間平、国観峠を経て山頂へ向かい、同じ道を戻るルートです。往復の歩行時間は約4〜5時間が目安で、休憩時間を加えて余裕のある計画を立てましょう。
森の中を歩く区間が多く、国観峠を過ぎると山頂へ向けて登りが続きます。山頂付近には急な登りや岩場があるため、雨で濡れた足元や下山時の転倒に注意してください。
同じ北谷登山口からでも、風穴を経由するコースは勾配がきつく、千間平経由とは登山条件が異なります。往路と復路を変えて周回する場合は、風穴コースの特徴を確認したうえで計画しましょう。神原や尾平から登る場合も、表の歩行時間はそのまま使えません。
コースの確認には、高千穂町観光協会の祖母山案内・登山コースマップが参考になります。道路や登山口施設の最新情報は、高千穂町の祖母山関連情報をご確認ください。
97.阿蘇山|1,592m|中級

阿蘇山は、大規模なカルデラと、その中央にそびえる火山群によって構成される雄大な火山地帯です。カルデラは東西約18km、南北約25kmに及び、外輪山とその内側に広がる草原や田畑が、阿蘇ならではの景観をつくっています。
中央部には根子岳・高岳・中岳・烏帽子岳・杵島岳が並び、これらを総称して「阿蘇五岳」といいます。北外輪山から眺める山並みは、仏さまが横たわっている姿に見えることから「阿蘇の涅槃像」とも呼ばれています。本記事では、阿蘇五岳の最高峰・高岳(1,592m)を目指す登山を紹介します。
■登山シーズン:春〜秋の積雪・凍結のない時期。季節にかかわらず、火山活動と登山道の規制情報を確認してください。
■主な登山口:阿蘇山上ターミナル側、仙酔峡側
■アクセス:阿蘇山上ターミナルへは、車では九州自動車道・熊本IC方面から国道57号などを経由し、阿蘇山上へ。公共交通ではJR阿蘇駅から路線バスを利用できます。登山の行程に合う往復の便を確認してください。
■駐車場:阿蘇山上ターミナル周辺に有料駐車場があります。料金や利用条件は公式案内で確認しましょう。
皿山迂回ルートから中岳・高岳を目指す
代表コースとして紹介するのは、阿蘇山上ターミナルから皿山迂回ルートを利用し、中岳を経て高岳へ向かう往復ルートです。歩行時間は往復約5時間が目安で、休憩や天候による遅れを見込んで計画します。
荒涼とした火山地形や稜線の展望が魅力ですが、急な岩場の登下降があり、観光地の散策とは異なる準備が必要です。登山靴・雨具・防寒着・地図を携行し、風が強い日や霧で見通しが悪い日は無理をせず引き返しましょう。
ここで紹介する行程は、ルートの通行が認められている場合の目安です。火山活動や登山道の状態によっては、迂回ルートも利用できなくなります。仙酔峡側から登る場合は、別のコースとして歩行時間や注意点を確認してください。
中岳火口の見学エリアと、中岳・高岳を目指す登山道は、利用条件が異なります。火口見学ができない場合でも迂回ルートで登山できることがありますが、登山できるかどうかは噴火警戒レベルだけで判断せず、公式のルート情報を確認することが大切です。
出発前には、熊本県の阿蘇山登山情報と、阿蘇火山火口規制情報をご確認ください。規制区域には立ち入らず、現地の案内に従いましょう。
98.霧島山|1,700m|中級

霧島山は、最高峰の韓国岳をはじめ、神話「天孫降臨」で知られる高千穂峰や新燃岳などからなる火山群の総称です。山々の間に火口や火口湖が点在し、火山がつくり出した多彩な風景を楽しめます。
九州の日本百名山を巡るなら、韓国岳を目指すコースが代表的です。山頂からは眼下に大浪池が広がり、晴れた日には桜島や開聞岳まで見渡せます。火山の雄大な景観と神話に彩られた霧島山は、九州らしい山旅の魅力を味わえる場所といえるでしょう。
■登山シーズン:5月~11月が目安。晩秋から春先は積雪や凍結に注意
■山名の表記:霧島山は火山群の総称。最高峰は韓国岳(からくにだけ)
■アクセス:えびの高原を起点に登山。車で向かう場合は、利用する道路の通行規制を事前に確認
■駐車場:えびのエコミュージアムセンター駐車場(有料)
えびの高原から韓国岳を往復する代表コース
えびのエコミュージアムセンター駐車場南側の登山道から、硫黄山周辺の規制区域を避ける迂回路を経て韓国岳へ向かいます。往復の所要時間は約4時間が目安。休憩や山頂で景色を楽しむ時間も考え、余裕のある計画を立てましょう。
登るにつれて展望が開け、山頂付近では火口の迫力や周囲の山々を間近に感じられます。上部の岩場では足元に注意し、風が強い日は無理をせず引き返す判断も必要です。大浪池を巡るコースを組み合わせる場合は、往復コースとは別に所要時間を確認してください。
霧島山では、火山活動に伴って登山道や周辺道路の規制が変わります。計画時と出発前に、宮崎県の霧島山の火山活動・規制情報と、えびの市の登山道・道路情報を確認し、現地の案内に従って歩きましょう。
99.開聞岳|924m|中級

薩摩半島の南端にそびえる開聞岳は、標高924mの独立峰で、なだらかに広がる裾野と整った円錐形の山容から「薩摩富士」の愛称で親しまれています。その優美な姿は、海辺に立つ山として見る者を惹きつけ、九州を代表する秀峰のひとつに数えられています。
登山道は山腹をらせん状に巡り、山頂に向かうにつれて樹林帯から岩場へと変化していきます。山頂からは東シナ海や周辺の海岸線を望み、天気がよければ屋久島まで見渡せる大展望が広がります。海と山が織りなす九州らしい自然美を味わえる一方、標高以上に登りごたえのある山です。
■登山シーズン:3月~11月が目安。夏は暑さを考慮して計画を立てる
■別名:整った円錐形の山容から「薩摩富士」と呼ばれる
■アクセス:かいもん山麓ふれあい公園が登山の拠点。JR開聞駅から公園までは徒歩約20分。公共交通を利用する場合は往復の時刻を事前に確認
■駐車場:かいもん山麓ふれあい公園の登山者用駐車場
かいもん山麓ふれあい公園から山頂を往復する代表コース
公園から二合目登山口へ向かい、樹林帯の登山道を登って山頂を目指します。往復の所要時間は約5時間30分(登り約3時間、下り約2時間30分)が目安です。休憩時間も加え、日没までに余裕をもって下山できる計画を立てましょう。
七合目より上では岩場が増え、九合目にははしごがあります。手を使って登り下りする場所もあるため、足元を確かめながら進み、はしごでは前の人が渡り終えてから通過してください。下山時も小石や浮き石に注意が必要です。
登山道と山頂にはトイレがないため、公園で済ませてから出発しましょう。水分や行動食、雨具を携行し、出発前にいぶすき観光ネットの開聞岳登山情報でコースの案内を確認してください。
100.宮之浦岳|1,936m|上級

宮之浦岳は標高1,936m、九州最高峰にして屋久島の主峰です。深い森を抜けると、ヤクシマダケに覆われた山並みや巨岩が点在する風景が広がります。初夏にはヤクシマシャクナゲが咲き、山をやさしく彩ります。
山頂からの展望は360度の大パノラマ。天気がよければ、永田岳をはじめとする屋久島の山々を一望できます。屋久島には、山頂の石の祠に参拝する「岳参り」の文化も受け継がれており、自然と信仰が交わる山旅を楽しめます。
■登山シーズン:4月~5月、7月~8月、10月~11月が目安。春や晩秋も積雪・凍結に注意し、夏は大雨や台風を考慮する
■主な登山口:淀川登山口
■アクセス:安房方面からヤクスギランドを経て淀川登山口へ。路線バスを利用する場合は紀元杉バス停から徒歩約30分。長い行程になるため、登山開始時刻に合う交通手段を事前に確保する
■駐車場:淀川登山口にあり。駐車スペースが限られるため、送迎の利用も検討する
淀川登山口から宮之浦岳を往復する代表コース
淀川登山口から淀川小屋、花之江河、投石平を経て宮之浦岳へ向かうコースが代表的です。往復の所要時間は約9〜10時間が目安。湿原や奇岩が点在する稜線など見どころが多い一方、長時間歩く体力と、天候に応じて引き返す判断が求められます。
日帰りで登る場合は早朝に出発し、休憩時間と下山後の移動も含めて計画を立てましょう。雨具や防寒着、ヘッドランプ、十分な食料を備え、携帯トイレも持参してください。避難小屋泊や縦走を選ぶ場合は、日帰りとは別に宿泊装備と行程を準備する必要があります。
大雨や台風、積雪によって、登山道や登山口へ向かう道路が通行止めになることがあります。計画時と出発前に、屋久島観光協会の交通・登山情報を確認してください。コースや施設の位置は、屋久島世界遺産センターの淀川入口~宮之浦岳往復ルートも参考になります。
九州の百名山に関するよくある質問

Q. 九州には日本百名山がいくつありますか?
A. 屋久島を含む九州地方には、くじゅう連山、祖母山、阿蘇山、霧島山、開聞岳、宮之浦岳の6座があります。本記事では、くじゅう連山は中岳、阿蘇山は高岳、霧島山は韓国岳を目指す代表コースを紹介しています。
Q. 「九州百名山」と、九州にある「日本百名山」は違いますか?
A. 異なります。日本百名山は、深田久弥氏が全国から選んだ100座で、そのうち九州地方にあるのが本記事で紹介する6座です。一方、「九州百名山」は九州の名山100座を紹介する別の選定です。登山計画や山の一覧を調べる際は、どちらを指しているか確認しましょう。
Q. 九州の百名山の中で初心者でも挑戦しやすい山はどれですか?
A. 日帰り登山の経験がある方なら、くじゅう連山の牧ノ戸峠からのコースや、霧島山のえびの高原から韓国岳を往復するコースが候補になります。ただし、中岳まで足を延ばすと行程が長くなり、韓国岳にも山頂付近の岩場があります。開聞岳も往復約5時間30分かかり、岩場やはしごがあるため、標高の低さだけで選ばず、自分の体力と経験に合うコースを選びましょう。
Q. 九州で最も標高が高い百名山はどこですか?
A. 屋久島にある宮之浦岳で、標高は1,936mです。九州本土では、くじゅう連山の中岳が標高1,791mで最高峰となります。
Q. 九州の百名山を登るベストシーズンはいつですか?
A. 山によって異なりますが、春から秋が登山を計画しやすい時期です。くじゅう連山や霧島山では初夏のミヤマキリシマ、祖母山などでは秋の紅葉が楽しめます。ただし、梅雨の大雨や夏の暑さ・台風、春や晩秋の積雪・凍結も考慮し、山ごとの気象条件を確認してください。
Q. 九州の百名山には日帰りで登れる山がありますか?
A. 6座とも、条件が整えば日帰り登山が可能な代表コースがあります。ただし、宮之浦岳の淀川登山口からの往復は約9〜10時間が目安で、長時間歩く体力と登山経験が必要です。登山口への移動や休憩時間も含めて計画し、必要に応じて前泊や避難小屋泊を検討しましょう。
Q. 九州の百名山の魅力は何ですか?
A. 火山地形の迫力、深い森、海を望む展望、神話や信仰の歴史など、多彩な魅力があります。くじゅう連山・阿蘇山・霧島山では火山の景観、祖母山では森と山深い自然、開聞岳では海の眺め、宮之浦岳では屋久島ならではの巨岩や山並みを楽しめます。
九州の百名山で、火山と森と神話の山旅を楽しもう

屋久島を含む九州地方には、日本百名山に選ばれた6座があります。くじゅう連山・阿蘇山・霧島山の火山景観、祖母山の深い森、開聞岳から望む海、宮之浦岳の雄大な山並みなど、それぞれに異なる魅力が広がっています。
登る山を選ぶときは、見たい景色や季節に加え、コースの所要時間や岩場の有無、登山口へのアクセスも比べてみましょう。火山周辺の規制や登山道・道路の状況を確認し、自分の体力と経験に合う計画を立てることが大切です。
四季折々に表情を変える九州の百名山。自然や神話、信仰の歴史にふれながら歩く時間は、山旅の楽しさを広げてくれます。次の登山の目的地として、お気に入りの一座を見つけてみてください。
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