南アルプス登山のおすすめ10選 入門候補から憧れの名峰まで紹介

南アルプスには、日本第2位の北岳をはじめ、仙丈ヶ岳や甲斐駒ヶ岳、赤石岳などの名峰が連なっています。3,000m級の山々が織りなす雄大な景観と、原生的な自然が残る奥深い山域を歩けることが大きな魅力です。

一方、登山口までのアクセスが限られる山や、山小屋泊を伴う長い行程も多く、山によって必要な体力や経験は大きく異なります。南アルプスを初めて歩く場合は、標高や知名度だけでなく、歩行時間や標高差、必要な日程、ルート上の危険箇所まで確認して山を選ぶことが大切です。

この記事では、比較的歩きやすい入笠山や櫛形山から、3,000m級の高峰、南部の奥深い山々まで、南アルプス登山におすすめの山を難易度別に紹介します。代表的なルートや日程、注意点も解説するので、自分の体力や経験に合った山を探してみてください。

2026年8月7日 更新

南アルプスとは

南アルプスは、長野県・山梨県・静岡県にまたがる赤石山脈の通称です。日本第2位の北岳(3,193m)を最高峰に、間ノ岳、悪沢岳、赤石岳など、標高3,000mを超える山が連なっています。

北アルプスと比べて森林に覆われた山が多く、一つひとつの山が大きいことが特徴です。登山口から山頂までの標高差や歩行距離が大きいルートも多く、山深い自然の中を歩く魅力がある一方、十分な体力と余裕のある計画が求められます。

山域の多くは南アルプス国立公園に指定され、固有種を含む高山植物やライチョウなどが生息しています。また、周辺地域は「南アルプスユネスコエコパーク」に登録され、貴重な自然環境を守りながら地域社会との共生を目指す取り組みが進められています。

日本アルプス総図 2026

南アルプス登山の魅力


甲斐駒ヶ岳山頂付近から鋸岳方面。

南アルプスは、3,000m級の高峰が連なる雄大な景観と、山深い自然を味わえる山域です。北部と南部では山容や登山の楽しみ方も異なり、経験に応じて多彩な山行を計画できます。

3,000m級の山々が連なる雄大な景観

南アルプスには、北岳、間ノ岳、悪沢岳、赤石岳など、標高3,000mを超える山々が連なっています。山頂や稜線からは、南アルプスの山並みに加え、富士山や八ヶ岳、中央アルプスなどを望める場所もあります。

仙丈ヶ岳のなだらかな稜線や甲斐駒ヶ岳の白い花こう岩、荒川三山・赤石岳の重厚な山容など、山ごとに異なる景観を楽しめることも魅力です。

原生的な自然が残る奥深い山域

南アルプスは森林に覆われた範囲が広く、標高を上げながら植生の変化を感じられます。登山口から山頂までの距離が長い山も多く、深い森を抜けて稜線へ向かう過程そのものが、南アルプス登山の醍醐味です。

特に南部には、複数日の縦走で訪れる山が多くあります。アクセスや長い行程などの難しさはありますが、街から離れた静かな山域をじっくり歩けます。

高山植物やライチョウなどの自然に出会える

森林限界を超えた稜線やカール周辺では、夏になると多様な高山植物が花を咲かせます。北岳に分布するキタダケソウをはじめ、南アルプス特有の植物に出会えることも魅力です。

南アルプスはライチョウの生息地でもあります。登山道を外れない、動植物を採取しない、ごみを持ち帰るなどのルールを守り、貴重な自然環境に配慮して歩きましょう。

南アルプス登山におすすめの山10選


鹿ノ窓から仙丈ヶ岳。

南アルプスには、比較的短い行程で歩ける山から、数日をかけて挑む3,000m級の高峰まで、特徴の異なる山々があります。

ここでは、代表的なルートの歩行時間や標高差、必要な日程、危険箇所、登山口へのアクセスなどを基準に、10の山と縦走ルートを4段階に分けて紹介します。同じ山でもルートや季節、天候によって難易度は変わるため、区分は山を選ぶ際の目安としてください。

山名・ルート 標高 主なルート 日程の目安 レベルの目安 主な特徴
入笠山 1,955m ゴンドラ山頂駅~入笠湿原~入笠山 日帰り 南アルプスを初めて歩く人におすすめ 湿原の花々と八ヶ岳・日本アルプスの展望
櫛形山 2,052m 池の茶屋登山口~櫛形山~アヤメ平~裸山 日帰り 南アルプスを初めて歩く人におすすめ 原生林とアヤメ平の花々
仙丈ヶ岳 3,033m 北沢峠~小仙丈ヶ岳~仙丈ヶ岳~馬の背 日帰り~1泊2日 高山登山の入門候補 三つのカールと穏やかな山容
甲斐駒ヶ岳 2,967m 北沢峠~仙水峠~駒津峰~甲斐駒ヶ岳~双児山 日帰り~1泊2日 高山登山の入門候補 白い花こう岩と鋭く立ち上がる山容
鳳凰三山 2,840m(最高峰の観音岳) 夜叉神峠~南御室小屋~薬師岳~観音岳~地蔵ヶ岳 1泊2日以上 高山登山の入門候補 白い稜線と地蔵ヶ岳のオベリスク
北岳・間ノ岳 北岳3,193m/間ノ岳3,190m 広河原~白根御池小屋~北岳~北岳山荘~間ノ岳 2泊3日 登山経験を積んで挑みたい 日本第2位・第3位の高峰を結ぶ稜線
塩見岳 3,052m 鳥倉登山口~三伏峠~塩見小屋~塩見岳 1泊2日~2泊3日 登山経験を積んで挑みたい 鋭い山頂部と南アルプス中央部の大展望
荒川三山・赤石岳 悪沢岳3,141m/赤石岳3,120m 椹島~千枚岳~荒川三山~赤石岳~椹島 3泊4日以上 十分な経験と体力が必要 南部を代表する3,000m峰の縦走
聖岳 3,013m 聖沢登山口~聖平小屋~小聖岳~前聖岳 2泊3日 十分な経験と体力が必要 日本最南端の3,000m峰
光岳 2,591m 芝沢ゲート~易老渡~易老岳~光岳小屋~光岳 1泊2日~2泊3日 十分な経験と体力が必要 原生的な森林と山深い長大な行程

※表の日程とレベルは、無雪期に記載の代表的なルートを歩く場合の目安です。「高山登山の入門候補」は、登山初心者が無条件に安全に登れるという意味ではありません。必要な体力や登山経験を身につけたうえで、南アルプスの高山を目指す際の候補として検討しやすい山を示しています。

南アルプスを初めて歩く人におすすめの山

まずは、比較的短い行程で歩ける入笠山と櫛形山を紹介します。南アルプスの主稜線にある3,000m級の山とは登山の性格が異なりますが、南アルプスの山並みや豊かな自然に触れられる入門候補です。

入笠山

長野県富士見町に位置する入笠山は、標高1,955mの山です。山頂からは八ヶ岳や富士山、南・中央・北アルプスなどを見渡せます。入笠湿原や山野草公園では、スズランをはじめ、季節ごとにさまざまな花を楽しめることも魅力です。

代表的なのは、富士見パノラマリゾートのゴンドラで標高約1,780mまで上がり、入笠湿原を経由して山頂を往復する日帰りルートです。歩行時間は2時間30分から3時間ほどが目安で、3,000m級の山に比べて標高差を抑えられます。

登山道は比較的歩きやすいものの、山頂直下には傾斜のある道もあります。雨のあとは木道や土の斜面が滑りやすくなるため、足元に注意してください。ゴンドラの運行期間や時刻は季節や天候によって変わるため、出発前に確認しましょう。

北岳・甲斐駒 南アルプス 2026

櫛形山

山梨県の甲府盆地西側に位置する櫛形山は、標高2,052mの山です。山頂周辺には原生林が広がり、アヤメ平では初夏から夏にかけて多様な花が見られます。裸山や稜線上の展望地点からは、富士山や北岳をはじめとする白峰三山などを望めます。

代表的なのは、池の茶屋登山口から櫛形山、アヤメ平、裸山を巡る日帰りの周回ルートです。歩行時間は4時間ほどが目安で、入笠山よりも行程が長く、途中には急な登りやアップダウンもあります。山頂からの展望は限られるため、原生林や花、裸山などからの眺望を楽しみながら歩くルートです。

池の茶屋登山口までは林道を通るため、通行規制や路面状況の確認が必要です。公共交通機関だけではアクセスしにくく、マイカーやタクシーを利用する計画が基本となります。

北岳・甲斐駒 南アルプス 2026

南アルプスの高山登山に挑戦したい人の入門候補

仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山は、南アルプスの高峰を目指すための入門候補です。ただし、一般的な初心者向けの山ではありません。長時間の日帰り登山や山小屋泊の経験があり、高山での天候変化にも対応できる人に向いています。

仙丈ヶ岳

南アルプス北部に位置する仙丈ヶ岳は、標高3,033mの山です。三つのカールを抱いた穏やかな山容から「南アルプスの女王」とも呼ばれています。山頂付近では高山植物が見られ、稜線からは甲斐駒ヶ岳や北岳、中央アルプスなどを望めます。

代表的なのは、北沢峠から小仙丈ヶ岳を経て山頂へ登り、馬の背方面を通って戻る日帰りの周回ルートです。歩行時間は7時間前後が目安ですが、休憩や混雑を考慮して余裕を持った計画を立てましょう。日帰りに不安がある場合は、北沢峠周辺や仙丈小屋に宿泊する計画も選択肢になります。

北沢峠の標高は約2,030mのため、登山口からの標高差は約1,000mです。比較的取り組みやすい3,000m峰とされますが、高所に体が慣れないまま登ると、頭痛や吐き気などの高山病の症状が現れることがあります。早いペースで登らず、こまめに休憩と水分補給を行ってください。

北沢峠へはマイカーで直接入れず、長野県伊那市側から林道バスを利用します。運行期間や時刻は季節によって異なり、天候や道路状況により変更されることもあります。

北岳・甲斐駒 南アルプス 2026

甲斐駒ヶ岳

南アルプス北部に位置する甲斐駒ヶ岳は、標高2,967mの山です。白い花こう岩に覆われた山頂部と鋭く立ち上がる山容が特徴で、「南アルプスの貴公子」とも呼ばれています。山頂からは仙丈ヶ岳や北岳、八ヶ岳などを望めます。

代表的なのは、北沢峠から仙水峠、駒津峰を経て山頂へ登り、双児山を通って戻る周回ルートです。歩行時間は7時間から8時間ほどが目安で、仙水峠から駒津峰にかけて急登が続きます。北沢峠周辺に前泊し、早朝から登り始めると余裕を持って行動できます。

駒津峰から先には岩場があり、六方石付近で直登コースと巻き道に分かれます。直登コースは大きな岩をよじ登る箇所があるため、岩場に慣れていない人は巻き道を選びましょう。巻き道にも花こう岩が崩れた滑りやすい斜面があるため、落石や転倒に注意が必要です。

北沢峠へはマイカーで直接入れず、長野県伊那市側の戸台パークから林道バスを利用します。最終便に間に合わない可能性も考え、バスの時刻と所要時間を確認して計画してください。

北岳・甲斐駒 南アルプス 2026

鳳凰三山

鳳凰三山は、南アルプス北部に連なる薬師岳(2,780m)、観音岳(2,840m)、地蔵ヶ岳(2,764m)の総称です。白い花こう岩の稜線が特徴で、地蔵ヶ岳では「オベリスク」と呼ばれる大岩柱が目を引きます。稜線からは北岳・間ノ岳・農鳥岳からなる白峰三山や富士山などを望めます。

代表的なのは、夜叉神峠登山口から南御室小屋を経て薬師岳へ登り、観音岳、地蔵ヶ岳へ縦走するルートです。長い行程となるため、山小屋に宿泊する1泊2日以上の計画が基本です。青木鉱泉を起点にドンドコ沢から地蔵ヶ岳へ登り、中道を下る周回ルートもありますが、急登や沢沿いの険しい場所を通ります。

夜叉神峠からのルートも歩行距離と標高差が大きく、鳳凰三山は気軽に挑める高山ではありません。稜線には花こう岩が崩れた滑りやすい場所があり、地蔵ヶ岳の賽の河原では深い砂地の登り下りに体力を使います。オベリスク上部への登攀は一般登山の範囲を超えるため、無理に登らないでください。

夜叉神峠登山口へは路線バスを利用できるほか、マイカーでアクセスして駐車場を利用できます。ただし、バスの運行期間や道路状況は変わるため、出発前に最新情報を確認しましょう。青木鉱泉方面へ向かう場合も、登山バスの運行状況や林道の通行規制を確認してください。

北岳・甲斐駒 南アルプス 2026

登山経験を積んで挑みたい南アルプスの山

北岳・間ノ岳と塩見岳は、標高差や歩行距離が大きく、山小屋泊を前提とした行程管理が必要な山です。3,000m級の山を歩いた経験を重ね、長時間行動や高所での天候変化に対応できる人に向いています。

北岳・間ノ岳

北岳は標高3,193mの日本第2位、間ノ岳は標高3,190mの日本第3位の高峰です。北岳から間ノ岳へ続く稜線では、富士山や南アルプスの山々を眺めながら、3,000m級の縦走を楽しめます。北岳周辺では、初夏に咲くキタダケソウをはじめ、希少な高山植物に出会えることも魅力です。

代表的なのは、広河原から白根御池小屋を経て北岳へ登り、北岳山荘から中白根山を越えて間ノ岳を往復するルートです。間ノ岳は北岳と組み合わせて登るのが一般的で、2泊3日を基本に計画すると余裕を持って行動できます。北岳のみを目指す場合も、山小屋に1泊する計画が基本です。

広河原から北岳山頂までは標高差が約1,670mあり、白根御池小屋から草すべりにかけて急登が続きます。北岳山頂の前後には岩場や急な登り下りがあり、北岳山荘から間ノ岳までも標高3,000m前後の稜線を往復するため、強風や天候の急変に注意が必要です。疲労や天候によっては間ノ岳へ進まず、北岳山荘から引き返す判断も必要になります。

広河原へ通じる県営林道南アルプス線などではマイカー規制が行われるため、芦安や甲府駅などから路線バスや乗合タクシーを利用します。

北岳・甲斐駒 南アルプス 2026

塩見岳

南アルプス中央部に位置する塩見岳は、標高3,052mの山です。東峰と西峰からなる鋭い山頂部が特徴で、山頂からは富士山や白峰三山、荒川三山などを望めます。南アルプス北部と南部の山々を見渡せる、雄大な展望も魅力です。

代表的なのは、鳥倉登山口から三伏峠、本谷山、塩見小屋を経て山頂を往復するルートです。全体の歩行時間は14時間前後が目安となるため、三伏峠小屋や塩見小屋を利用する1泊2日以上の計画が基本です。体力や移動時間に不安がある場合は、2泊3日にすると余裕を持って行動できます。

鳥倉登山口から三伏峠まで標高差のある登りが続き、三伏峠から塩見小屋までもアップダウンを伴う長い行程です。塩見小屋から山頂にかけては傾斜が増し、岩場や落石に注意が必要な場所もあります。下山まで長時間を要するため、天候や体調によっては山頂を目指さず引き返す判断も必要です。

マイカーの場合は越路ゲート付近の駐車場を利用し、鳥倉登山口まで林道を歩きます。夏季には登山バスが運行され、鳥倉登山口まで入れる場合がありますが、運行期間や本数は限られています。

塩見・赤石・聖岳 南アルプス 2026

十分な経験と体力を備えて挑みたい南アルプスの山

荒川三山・赤石岳、聖岳、光岳は、南アルプス南部の奥深い山々です。登山口から山頂までの標高差が大きく、複数日にわたる行程となるため、縦走登山の経験と十分な体力、天候や体調に応じて計画を変更する判断力が求められます。

荒川三山・赤石岳

荒川三山は、悪沢岳(東岳・3,141m)、中岳(3,084m)、前岳(3,068m)の総称です。隣接する赤石岳(3,121m)と組み合わせることで、南アルプス南部を代表する3,000m峰の縦走を楽しめます。雄大な稜線や広大なお花畑、富士山をはじめとする山々の展望が魅力です。

代表的なのは、椹島を起点に千枚岳、悪沢岳、中岳、前岳、赤石岳を巡って戻る周回ルートです。千枚小屋、荒川小屋、赤石小屋などに宿泊する3泊4日以上の計画が基本となります。椹島までの移動時間や送迎バスの時刻によっては、椹島ロッヂでの前泊または後泊も必要です。

椹島から千枚小屋や赤石小屋へ向かう登山道では長い登りが続き、周回全体の標高差と歩行距離も大きくなります。森林限界を超えた稜線では強風や天候の急変に注意が必要です。途中で容易に下山できるルートが限られるため、予備日を設け、各山小屋で天候や体調を確認しながら先へ進むか判断してください。

塩見・赤石・聖岳 南アルプス 2026

聖岳

南アルプス南部に位置する聖岳は、標高3,013mの山です。日本最南端の3,000m峰で、山頂部は前聖岳と奥聖岳からなります。前聖岳の山頂からは赤石岳や兎岳、光岳など、南アルプス南部の山々を見渡せます。

代表的なのは、聖沢登山口から聖平小屋へ登り、小聖岳を経て前聖岳を往復するルートです。聖平小屋に宿泊する1泊2日以上の行程となりますが、2日目に登頂して聖沢登山口まで下る計画は長時間行動になります。余裕を持って歩くなら、聖平小屋に2泊する2泊3日の計画も検討しましょう。

聖沢登山口から聖平小屋まで長い登りが続き、聖平小屋から山頂までも大きな標高差があります。小聖岳から前聖岳へ向かう登山道には急斜面や岩場があり、下りでは転倒や落石に注意が必要です。

聖沢登山口へ一般車両で直接入ることはできません。特種東海フォレストの送迎バスは、同社が指定する山小屋や椹島ロッヂの宿泊者を対象としたサービスで、聖平小屋への宿泊だけでは利用条件を満たしません。また、聖岳登山口で途中下車できる期間や条件、下山時の乗車方法にも制限があります。

塩見・赤石・聖岳 南アルプス 2026

光岳

南アルプス最南部に位置する光岳は、標高2,591mの山です。山頂付近まで森林が広がり、原生的な自然が残る奥深さを感じられます。山名の由来とされる白い岩峰「光石」も見どころで、日本百名山の一つに選ばれています。

代表的なのは、芝沢ゲートから易老渡へ歩き、易老岳、三吉平を経て光岳小屋と山頂を往復するルートです。往復の歩行時間は17時間を超えるため、光岳小屋に宿泊する1泊2日以上の計画が基本です。初日または下山日の行程が長くなるため、体力や移動時間に不安がある場合は2泊3日で計画しましょう。

易老渡から易老岳までは標高差の大きな急登が続き、易老岳から先にもアップダウンがあります。長い行程に備えて十分な水を携行し、ルート上や光岳小屋付近の水場の状況を事前に確認してください。山小屋の営業期間外は管理人が不在となるため、食料や寝具を含めた装備を自分で用意する必要があります。

マイカーは芝沢ゲートまでで、易老渡登山口へは林道を約1時間30分歩きます。期間限定で登山口へのタクシーが運行される場合もありますが、運行日や利用条件の確認が必要です。

塩見・赤石・聖岳 南アルプス 2026

南アルプス登山のよくある質問

南アルプス登山を計画する際は、登る時期や装備だけでなく、登山口へのアクセスや交通規制についても事前の確認が必要です。ここでは、南アルプスを訪れる前に押さえておきたいポイントをQ&A形式で紹介します。

南アルプス登山に適した時期はいつですか?

一般的な夏山登山に適しているのは、山小屋や登山バスが営業する7月中旬から9月下旬ごろです。7月下旬から8月は高山植物が見頃を迎える場所も多い一方、午後は雷雨が発生しやすいため、早朝に出発して早めに山小屋へ到着する計画を立てましょう。

9月は夏に比べて気温が下がり、稜線では朝晩に氷点下となることもあります。3,000m級の山では、秋になると降雪や路面凍結の可能性が高まります。10月以降は営業を終える山小屋や登山バスも増えるため、積雪や凍結の状況を確認し、必要に応じて冬山登山に対応した知識と装備を整えてください。

山やルートによって適期は異なります。出発前に天気予報だけでなく、山小屋の営業期間、登山バスの運行状況、登山道の残雪や通行規制も確認してください。

南アルプス登山にはどのような服装と装備が必要ですか?

3,000m級の山へ登る場合は、夏でも防水性のある登山靴、上下セパレートタイプのレインウェア、防寒着、帽子、手袋などを用意してください。標高の高い稜線では、麓が晴れていても気温が大きく下がり、強風や雨によって体感温度が低くなることがあります。

登山地図やGPSアプリ、ヘッドライト、予備の電池、救急用品、非常食、モバイルバッテリーも必要です。長時間行動になるルートでは、水や行動食を十分に携行し、水場の場所と利用状況も確認しておきましょう。

山小屋泊では、予約の要否や食事、寝具、支払い方法を事前に確認します。営業期間外の避難小屋を利用する場合は、寝袋や食料などを含めた装備を自分で用意する必要があります。

南アルプスの登山口へはどのようにアクセスしますか?

登山口によって利用する交通手段が異なります。北岳の起点となる広河原へは、甲府駅や芦安などから登山バスまたは乗合タクシーを利用します。仙丈ヶ岳や甲斐駒ヶ岳の起点となる北沢峠へは、長野県伊那市側の戸台パークから林道バスで向かいます。

塩見岳の鳥倉登山口、光岳の易老渡など、公共交通機関だけではアクセスしにくい登山口もあります。マイカーで移動する場合も、駐車場から登山口まで林道歩きが必要になることがあるため、登山口までの移動時間を行程に含めてください。

バスの運行期間や本数は限られ、道路状況によって運休や区間変更が発生することもあります。出発前に各自治体や交通事業者の公式サイトで最新情報を確認し、往路だけでなく下山後に利用する最終便の時刻も把握しておきましょう。

マイカー規制や登山バスで注意することはありますか?

広河原や北沢峠など、南アルプスの主要な登山口にはマイカーで直接入れない場所があります。指定された駐車場に車を置き、登山バスや乗合タクシーへ乗り換える必要があるため、駐車場の場所と乗り場を事前に確認してください。

登山バスは、期間や曜日によって運行時刻が異なります。混雑時には希望する便に乗れない可能性もあるため、余裕のある計画が必要です。広河原と北沢峠を結ぶ区間は通行できない状態が続いているため、北沢峠へは長野県伊那市側からアクセスします。

椹島方面の送迎バスは一般の路線バスではなく、指定された山小屋やロッヂへの宿泊など、利用条件が設けられています。

南アルプス登山で注意することはありますか?

南アルプスには、登山口から山頂までの標高差や歩行距離が大きく、途中で下山できるルートが限られる山もあります。コースタイムだけで判断せず、休憩時間や山小屋への到着時刻、悪天候時の予備日まで含めて計画してください。

稜線では天候が急変しやすく、雷や強風、低温に見舞われることがあります。午後の雷雨を避けるために早朝から行動し、天候の悪化が予想される場合は山頂を目指さず引き返す判断も必要です。

単独登山では、けがや体調不良が起きた際に救助を求めるまで時間がかかる可能性があります。登山計画書を提出し、家族などにも行程を共有しておきましょう。携帯電話がつながらない場所もあるため、地図やGPSアプリは事前にダウンロードし、紙の登山地図も携行してください。

南アルプス登山は経験や体力に合った山を選ぼう


藪沢カールと仙丈小屋

南アルプスには、比較的短い行程で歩ける入笠山や櫛形山から、複数日の縦走経験が求められる荒川三山・赤石岳、聖岳、光岳まで、特徴や難易度の異なる山々があります。
初めて訪れる場合は、これまでの登山経験や体力に合った山を選び、無理のない日程を組むことが大切です。3,000m級の山では、長時間行動や急な天候変化、高山病への備えも欠かせません。
また、南アルプスではマイカー規制が行われる登山口が多く、登山バスや送迎バスの運行期間、利用条件がルートによって異なります。山小屋の営業状況や登山道の情報とあわせて、出発前に最新情報を確認しましょう。
十分な準備を整え、自分の経験に合った山から、南アルプスの雄大な稜線や豊かな自然を楽しんでください。

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