百名山を関東から日帰りで楽しむ 初夏の新緑を満喫できるおすすめ5選

街の暑さを抜け出して、標高1,500m〜2,000mの涼やかな風を感じてみませんか?

この時期だけの鮮やかなツツジや、青空に映えるブナの瑞々しい新緑など、初夏ならではの美しさにフォーカスした、日帰りで大満足できる名峰ばかりです。

今回は、初心者から無理なくチャレンジできる関東近郊の5山をピックアップ。それぞれの山の特徴と、初夏の見どころを解説していきます。

2026年5月21日 更新

東京から直行!週末に行きたい関東近郊の初心者向け日本百名山

大菩薩嶺(山梨県)

奥多摩の西側にそびえる大菩薩嶺は、日本百名山の中でもとりわけ都心からのアクセスが良く、標高2,000m超の本格的な稜線歩きが日帰りで楽しめる名峰です。

ガイドイメージ

大菩薩山域で一番人気の大菩薩嶺から大菩薩峠を最短でめぐる、初心者にもおすすめのコース。唐松尾根のきつい急登を乗り越えて雷岩へと登り着いた瞬間、目の前に大パノラマが展開します。青く輝く大菩薩湖を見下ろし、富士山をはじめ、箱根、伊豆から南アルプスの山並みまで一望できます。

雷岩から介山荘の建つ大菩薩峠までの稜線歩きは、このルート一番の見どころ。右側に広がる甲府盆地の景色が少しずつ変化していく様子を楽しみながら歩けます。大菩薩峠で素晴らしい尾根歩きを楽しんだ後は、山腹を巻く緩やかな道を下って上日川峠へと戻る、大満足の周回ルートです。

コース難易度
初級
日帰り
3時間25分
7.2km

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大菩薩山 高低図
テクニック度

岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける

山行日数
日帰り
歩行時間
3時間25分
歩行距離
7.5km
最大高低差
477m
水場
なし
トイレ
上日川峠

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💡 アドバイス:唐松尾根の上部は息が切れる急坂ですが、岩場やクサリ場はなく問題なく歩けます。大菩薩嶺の山頂自体は樹林に囲まれ展望がありませんが、手前の雷岩や開放感バツグンの稜線歩きがこのコースの最大の魅力です。遮るものが一切ないため日焼け対策を万全に。

<そのほかのコース>

中級:丸川峠から大菩薩嶺へ

赤城山(群馬県)

巨大火山の赤城山には赤城山というピークはなく、最高峰は黒檜山です。西側には火口湖の大沼があり、ここから比較的短時間で登頂できます。体力さえあれば初心者でも登ることができる、エリア内でも特に人気が高い日帰りコースです。

赤城山 ガイドイメージ

赤城山最高点の黒檜山に登り、駒ヶ岳まで縦走する、赤城山でも特に人気がある日帰りコースです。登山口から山道に入るとすぐに勾配は急になり、岩場を越えながら延々ときつく単調な登りが続きますが、山頂より少し行った展望地からは浅間山や谷川連峰、日光、尾瀬の山々まで広がる大展望が楽しめます。

下山は駒ヶ岳分岐へ戻り、木の階段を一気に下って笹原が広がる大タルミへ。そこから緩やかに登り返した駒ヶ岳山頂からは、手すり付きの鉄製階段などで激しい急坂を下り、覚満淵の自然を楽しみながらビジターセンターへと戻る充実の縦走ルートです。

コース難易度
中級
日帰り
4時間15分
5.8km

ルート詳細を開く
赤城山 高低図
テクニック度

岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要

山行日数
日帰り
歩行時間
4時間15分
歩行距離
5.8km
最大高低差
468m
水場
なし
トイレ
赤城公園ビジターセンター

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💡 アドバイス:一部岩場や急坂のアップダウンもありますが危険な場所ではなく、体力さえあれば初心者でも登ることができます。5月上〜中旬には駒ヶ岳の岩尾根にアカヤシオが群生し山肌をピンクに染め、その後はトウゴクミツバツツジも開花します。天候が悪化すると環境は急に厳しくなるので、気象条件には細心の注意が必要です。

那須岳(栃木県)

那須岳は今も白い噴煙を上げる活火山です。ロープウェイを利用すればアルペン的な山容の朝日岳や雄大な那須高原を一望でき、火山の荒々しい岩肌と高山植物の生命力を同時に感じられるダイナミックな山行が楽しめます。

那須岳 ガイドイメージ

ロープウェイで一気に高度を上げ、火山礫の斜面や巨岩帯を越えて那須連山を一望する茶臼岳山頂へ。磐梯・吾妻連峰や日光連山まで見渡す大パノラマを堪能した後は、右手に姥ヶ平を見下ろしながら、見晴らしの良い西側の巻き道を峰の茶屋跡方向へ下ります。

茶臼岳で最も噴煙の大きい「無間地獄」前を通り、ゴォーッという豪快な噴煙の音を聞きながら牛ヶ首へ。そこから日の出平への急坂を登り、火山礫とハイマツの尾根道を進むと南月山へ至ります。最後はブナやミズナラが美しく茂る樹林帯を一気に下る、抜群のロケーションを誇る縦走ルートです。

コース難易度
中級
日帰り
4時間25分
8.3km

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那須岳 高低図
テクニック度

岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける

山行日数
日帰り
歩行時間
4時間25分
歩行距離
8.3km
最大高低差
865m
水場
ロープウェイ山頂駅
トイレ
ロープウェイ山頂駅

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💡 アドバイス:岩場やクサリ場はなく問題なく歩けます。日の出平一帯では初夏にミネザクラ、夏にはドウダンツツジの花が目を楽しませてくれます。下山口のモミの木台から最寄りの一軒茶屋バス停生までは6.7kmの車道歩きになるため、あらかじめ下山口に車を配車するか、タクシーの手配をしておくとスマートです。

<そのほかのコース>

中級:沼原から白笹山、南月山、日の出平周回

両神山(埼玉県)

ノコギリの刃のような険しい山容が特徴的な両神山。古くから山犬(オオカミ)信仰の山としても知られ、新緑や紅葉の季節は広葉樹林の美しいトンネルが格別の表情を見せてくれる深遠な名峰です。

両神山 ガイドイメージ

両神山の数あるコースの中でも登山者が多く、一般的な表参道ルートです。信仰の歴史を感じる石碑やお堂を眺めながら歩き出し、会所からは薄川沿いの新緑が美しい道を進みます。沢を離れてジグザグの急登を越え、清滝小屋を過ぎるといよいよ本格的な登りが始まります。

産泰尾根に出てからは、杉の巨木が静かに佇む中、設置されたクサリ場を慎重にクリアしていきます。山頂直前の露岩を登りきれば、360度の大パノラマが広がる剣ヶ峰(山頂)に到着。奥秩父の主脈や浅間山、遠く北アルプスまで見渡す抜群の達成感を味わえます。

コース難易度
中級
日帰り
6時間0分
9.4km

ルート詳細を開く
両神山 高低図
テクニック度

岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要

山行日数
日帰り
歩行時間
6時間0分
歩行距離
9.4km
最大高低差
1,053m
水場
清滝小屋(弘法乃井戸)
トイレ
清滝小屋、日向大谷口

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💡 アドバイス:薄川沿いの道では4回ほど流れを左右に渡るため、雨天時やその後の増水時は注意が必要です。産泰尾根から先や山頂直前にはクサリ場が登場するため、足元をしっかり確認して三点支持で登りましょう。歩行時間が6時間と長めのため、早朝出発による余裕をもったペース配分が大切です。

<そのほかのコース>

上級:八丁尾根から両神山へ
中級:白井差新道から両神山へ

谷川岳(群馬県)

「本格的な北アルプスのようなスケール感を味わいたい!」そんな願いを首都圏から日帰りで叶えてくれるのが谷川岳です。気象変化は激しいものの、森林限界を超えた稜線から望む大パノラマは一級品の美しさを誇ります。

谷川岳 ガイドイメージ

首都圏からロープウェイを利用し日帰りで往復できる、谷川岳周辺で最も人気のある王道コースです。ロープウェイ天神平駅から美しいブナの森を抜けて歩き出すと、正面には谷川岳が美しくそびえ立っています。熊穴沢避難小屋を過ぎると尾根に入り、岩場やクサリ場のある本格的な急坂へと変わります。

木々が低くなり、チシマザサに覆われた山頂への急坂を木の階段で登り詰めると谷川岳肩ノ小屋に到着。そこから少し登れば双耳峰の一角「トマノ耳」、さらに高山植物が咲く美しい鞍部を越えて奥のピーク「オキノ耳」へ。山頂からは越後三山、苗場山、遠く浅間山まで広がる圧倒的な大展望が出迎えてくれます。

コース難易度
初級
日帰り
4時間20分
6.5km

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谷川岳 高低図
テクニック度

岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける

山行日数
日帰り
歩行時間
4時間20分
歩行距離
6.5km
最大高低差
657m
水場
なし
トイレ
谷川岳肩ノ小屋

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💡 アドバイス:ルートはよく整備されており問題なく歩けますが、谷川岳を構成する「蛇紋岩」は濡れると非常に滑りやすいため足元に注意が必要です。また、初夏(6月上旬〜7月上旬頃)までは登山道に雪の急斜面(雪渓)が残る場合があるため、事前に最新の残雪状況を確認し、必要に応じて軽アイゼンを携行して「早出早帰」を心がけましょう。

<そのほかのコース>

上級:谷川岳から蓬峠を経て朝日岳へ(馬蹄型縦走)

東京から日帰りで行ける百名山はある?よくある質問と初夏の注意点

Q1. 初心者が日帰りで百名山を選ぶときの基準は?

A. 「ロープウェイやバスのアクセスが充実している山」を選ぶのがおすすめです。

今回ご紹介した大菩薩嶺(上日川峠までバス直行)や谷川岳・那須岳(ロープウェイあり)のように、標高の高い場所まで乗り物や公共交通機関でアプローチできる山なら、体力を温存しつつ日帰りで本格的な絶景を楽しめます。

Q2. 初夏の山に行くベストなタイミングはいつですか?

A. 梅雨入り前の「晴天の晴れ間」を狙うのが鉄則です。

5月下旬から6月上旬は、移動性高気圧に覆われてすっきりと晴れる日が多い時期。週間予報をこまめにチェックし、抜けるような青空が期待できるタイミングを狙って計画を立てましょう。

Q3. 低山や初夏の登山でも熱中症対策は必要ですか?

A. 必須です。山の直射日光は街中よりも強力です。

標高が高く風が涼しく感じられる場所でも、強い日差しを浴び続けることで体力を奪われます。帽子や日焼け止めによる紫外線対策はもちろん、水分は普段より多め(塩分補給ができるスポーツドリンクを推奨)に持参してください。

Q4. この時期のウェア選びで気をつけることは?

A. 暑さ対策だけでなく、「虫対策」と「防寒対策」を意識した長袖・長ズボンが基本です。

気温の上昇とともに、ハチやアブ、マダニなどの虫も活発になります。肌の露出を抑えたウェアを着用し、防虫スプレーを用意しておくと安心です。また、山頂や稜線は風が吹くと急激に冷え込むため、薄手のウインドブレーカーも必ずバックパックに忍ばせておきましょう。

初夏の日帰り百名山ハイクで最高の週末を

画像:Canva

初夏の日本百名山は、瑞々しい新緑のトンネル、鮮やかな高山植物、そして森林限界を超えた先に広がる圧倒的な大パノラマなど、この季節にしか味わえない贅沢な魅力が詰まっています。

東京から日帰りで行けるコースであっても、乗り物や公共交通機関を賢く利用すれば、初心者から無理なく本格的な登山を体験することができます。

梅雨入り前の爽やかな晴れ間を狙って、事前の準備や熱中症・虫対策を万全に整えたら、ぜひお気に入りのバックパックを背負って出かけてみてください。山の上で出会う抜けるような青空と心地よい風が、日々の疲れを一気に吹き飛ばしてくれるはずです。安全第一で、最高の初夏ハイクを楽しみましょう!

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