【近畿】の登山コースガイド

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171件
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検索結果171件中  81-100件
  • 山上ヶ岳から柏木へ

    山上ヶ岳から柏木へ

    下市口駅からバスに乗り、終点の洞川温泉で下車。東へ洞川の家並みを抜けてしばらく行くと、近畿の名水・ゴロゴロ水があり、その先の毛又谷の林道を左に見送ると、10分足らずで川瀬谷に架かる清浄大橋(大峰大橋)に出ます。ここが登山口です。 清浄大橋は洞川道の女人結界で、大橋を渡り山道に取り付きます。洞辻までに一本松茶屋、役の行者のお助け水などがあり、毛又谷を大きく絡んで登りますが、道幅も広く楽に歩けます。林相が雑木林に変わると、間もなく吉野道が合流する洞辻茶屋に出ます。両側に立ち並ぶ陀羅尼助茶屋を抜けると、わらじ替場があり表行場(この洞辻から上方に点在する油こぼし、鐘掛岩、お亀石、西ノ覗岩などをいう)(※ちなみに裏行場とは、大峰山寺裏手、上多古川源流一帯に面した不動登り岩、賽の河原、東ノ覗岩(現在禁止)、蟻ノ戸渡り、平等岩など18ヶ所の行所を指す)が始まります。登山道は右側に通じており、大鐘掛の岩上には展望台が設けられ大天井ヶ岳から吉野山へと続く山稜(吉野道)や遠く金剛・葛城山など素晴らしい大観が開けます。柵に囲まれたお亀石を見て坂を登って等覚門をくぐりその先の小道を右にそれると、西ノ覗岩に出ます。浄心門からは林立する供養塔を左右に見て石段を登れば山上ヶ岳頂上の大峯山寺本堂の前に出ます。一等三角点の埋まる山頂は湧出岳と呼ばれ、本堂の北側、木立に囲まれた中にあります。さらに右へ日本岩を周遊して宿坊へと帰ってきます。宿坊(参篭所)は5箇所あり、開山期間中は自由に泊まれます。翌日、裏行場を一巡(約1時間)する場合は宿坊に頼めば案内してくれます。 2日目、本堂前から南へと尾根道をたどります。気持ちの良い樹林の道で、ミズナラ、ヒメシャラ、シャクナゲなどが枝を広げています。地蔵岳は右を巻き、次いで投地蔵辻で左に阿古滝道を見送ると小笹ノ宿に着きます。役行者を祀るお堂と避難小屋があり、付近には清水が豊富に湧いていて、峰通しのコースで唯一水の流れがあるところです。小笹ノ宿からは清流沿いにツガやモミの茂る道を登り、竜ヶ岳の肩を越すと少し下りになって20分程で阿弥陀ヶ森分岐に出ます。「柏木へ八十六丁、大峰へ三十丁」の丁石があります。ここは柏木道での女人結界門となっています。 奥駈道と分かれ左へ阿弥陀ヶ森の東面を絡んで行くと伯母谷覗の絶壁に出ます。ここから道は尾根を離れ左へ上谷側に下るようになります。「柏木へ七十二丁」の丁石を見ると山腹を絡んでの緩やかな道を行くようになります。道はこの先一旦尾根上に出ますが、おおむね西面を伝います。地図上の1167mを大きく巻き終えると天竺平に着きます。ここから上谷分岐までは杉植林帯の中、尾根上を伝います。上谷分岐では右を取り、大迫集落を足元に見ながら下って行くと、不動窟の上部を通り柏木に下り着きます。
    下市口駅からバスに乗り、終点の洞川温泉で下車。東へ洞川の家並みを抜けてしばらく行くと、近畿の名水・ゴロゴロ水があり、その先の毛又谷の林道を左に見送ると、10分足らずで川瀬谷に架かる清浄大橋(大峰大橋)に出ます。ここが登山口です。 清浄大橋は洞川道の女人結界で、大橋を渡り山道に取り付きます。洞辻までに一本松茶屋、役の行者のお助け水などがあり、毛又谷を大きく絡んで登りますが、道幅も広く楽に歩けます。林相が雑木林に変わると、間もなく吉野道が合流する洞辻茶屋に出ます。両側に立ち並ぶ陀羅尼助茶屋を抜けると、わらじ替場があり表行場(この洞辻から上方に点在する油こぼし、鐘掛岩、お亀石、西ノ覗岩などをいう)(※ちなみに裏行場とは、大峰山寺裏手、上多古川源流一帯に面した不動登り岩、賽の河原、東ノ覗岩(現在禁止)、蟻ノ戸渡り、平等岩など18ヶ所の行所を指す)が始まります。登山道は右側に通じており、大鐘掛の岩上には展望台が設けられ大天井ヶ岳から吉野山へと続く山稜(吉野道)や遠く金剛・葛城山など素晴らしい大観が開けます。柵に囲まれたお亀石を見て坂を登って等覚門をくぐりその先の小道を右にそれると、西ノ覗岩に出ます。浄心門からは林立する供養塔を左右に見て石段を登れば山上ヶ岳頂上の大峯山寺本堂の前に出ます。一等三角点の埋まる山頂は湧出岳と呼ばれ、本堂の北側、木立に囲まれた中にあります。さらに右へ日本岩を周遊して宿坊へと帰ってきます。宿坊(参篭所)は5箇所あり、開山期間中は自由に泊まれます。翌日、裏行場を一巡(約1時間)する場合は宿坊に頼めば案内してくれます。 2日目、本堂前から南へと尾根道をたどります。気持ちの良い樹林の道で、ミズナラ、ヒメシャラ、シャクナゲなどが枝を広げています。地蔵岳は右を巻き、次いで投地蔵辻で左に阿古滝道を見送ると小笹ノ宿に着きます。役行者を祀るお堂と避難小屋があり、付近には清水が豊富に湧いていて、峰通しのコースで唯一水の流れがあるところです。小笹ノ宿からは清流沿いにツガやモミの茂る道を登り、竜ヶ岳の肩を越すと少し下りになって20分程で阿弥陀ヶ森分岐に出ます。「柏木へ八十六丁、大峰へ三十丁」の丁石があります。ここは柏木道での女人結界門となっています。 奥駈道と分かれ左へ阿弥陀ヶ森の東面を絡んで行くと伯母谷覗の絶壁に出ます。ここから道は尾根を離れ左へ上谷側に下るようになります。「柏木へ七十二丁」の丁石を見ると山腹を絡んでの緩やかな道を行くようになります。道はこの先一旦尾根上に出ますが、おおむね西面を伝います。地図上の1167mを大きく巻き終えると天竺平に着きます。ここから上谷分岐までは杉植林帯の中、尾根上を伝います。上谷分岐では右を取り、大迫集落を足元に見ながら下って行くと、不動窟の上部を通り柏木に下り着きます。
  • 洞川温泉から稲村ヶ岳、山上ヶ岳へ

    洞川温泉から稲村ヶ岳、山上ヶ岳へ

    洞川温泉でバスを下車。山上参りの拠点となる洞川温泉街を抜けてしばらく行くと、右手に稲村ヶ岳登山口の道標が現れます。登山道を取って登ると、五代松鍾乳洞があります。この道は法力峠を経て山上辻まで続き、五代松新道と呼ばれ歩きやすい道が続きます。 蛇谷を渡り、初夏にはコアジサイが咲く山腹を絡み終えると法力峠に達し、観音峰への道が分岐します。白倉谷を眼下に見てドアミまで来ると、鋭く天空を突く大日山の岩峰が木の間に顔を覗かせます。やがて道が険しくなってきて岩が多くなり、所々に渡されている鉄橋で難場をしのぎます。小道は次第に高度を上げ、高橋横手を絡み終えると山上辻に着きます。辻から稲村ヶ岳を往復します。稲村ヶ岳山荘の横を通り、ブナを主体とした樹林の中を行くと特異な存在の大日山が間近に迫り、道が岩峰の東面基部を絡みます。脚下は神童子谷の源頭で、春遅くまで残雪が見られます。 大日山の山頂へはキレット(切戸)から右に、鉄鎖の付いた岩場を登ります。狭い山頂には大日如来を祀る小祠があります。キレットに戻り、さらに南へ2箇所の鎖場を登ると、ほどなく稲村ヶ岳の山頂に達します。展望台に立てば、樹海の下に横たわる神童子谷を隔てて、雄大な大峰の山並みが一望のもとに眺められ、さらに遥かには奥高野や熊野の山々まで望むことができ胸が躍ります。特に秋にはナナカマドやカエデの類とブナの紅葉が素晴らしいです。この日は山上辻まで引き返し稲村ヶ岳山荘に一泊します。 翌朝は北東に山上ヶ岳を目指します。よく踏まれた道をたどりクモクビ塚を絡み、小さな起伏を繰り返すとレンゲ辻に到着です。ここから先、山上ヶ岳方面は女人結界です。 結界門をくぐるとすぐに小稲村の岩場の巻き道となり、ハシゴが架かっています。しばらくは急傾斜の登りが続き、左手前方に日本岩の岸壁が樹林越しに見え隠れします。道の両側は夏にはシコクフウロが咲き、山上ヶ岳一角のお花畑へと登り着きます。お花畑の南側、木立に囲まれた中に、湧出岳の一等三角点があります。ここから洞辻茶屋までは、講の行者や登山客で賑わう表参道です。本堂に参拝したら、下山は宿坊を見て、坂道を下り西ノ覗岩に立ち寄ります。後は鐘掛岩の頭で、大天井ヶ岳から吉野山へと続く山稜や遠く金剛・葛城山を一望したら、来た道を少し戻って鐘掛岩の基部を巻き、陀羅尼助茶屋を抜けて洞辻茶屋の分岐から吉野道と分かれて、左へ斜面を下ります。お助け水からは山腹を絡む緩やかな下りとなり、一本松茶屋を過ぎ杉檜林の中を下っていくと清浄大橋に下り着きます。ここから途中、母公堂や「ゴロゴロ水」でひと息着きながら洞川温泉まで歩きます。
    洞川温泉でバスを下車。山上参りの拠点となる洞川温泉街を抜けてしばらく行くと、右手に稲村ヶ岳登山口の道標が現れます。登山道を取って登ると、五代松鍾乳洞があります。この道は法力峠を経て山上辻まで続き、五代松新道と呼ばれ歩きやすい道が続きます。 蛇谷を渡り、初夏にはコアジサイが咲く山腹を絡み終えると法力峠に達し、観音峰への道が分岐します。白倉谷を眼下に見てドアミまで来ると、鋭く天空を突く大日山の岩峰が木の間に顔を覗かせます。やがて道が険しくなってきて岩が多くなり、所々に渡されている鉄橋で難場をしのぎます。小道は次第に高度を上げ、高橋横手を絡み終えると山上辻に着きます。辻から稲村ヶ岳を往復します。稲村ヶ岳山荘の横を通り、ブナを主体とした樹林の中を行くと特異な存在の大日山が間近に迫り、道が岩峰の東面基部を絡みます。脚下は神童子谷の源頭で、春遅くまで残雪が見られます。 大日山の山頂へはキレット(切戸)から右に、鉄鎖の付いた岩場を登ります。狭い山頂には大日如来を祀る小祠があります。キレットに戻り、さらに南へ2箇所の鎖場を登ると、ほどなく稲村ヶ岳の山頂に達します。展望台に立てば、樹海の下に横たわる神童子谷を隔てて、雄大な大峰の山並みが一望のもとに眺められ、さらに遥かには奥高野や熊野の山々まで望むことができ胸が躍ります。特に秋にはナナカマドやカエデの類とブナの紅葉が素晴らしいです。この日は山上辻まで引き返し稲村ヶ岳山荘に一泊します。 翌朝は北東に山上ヶ岳を目指します。よく踏まれた道をたどりクモクビ塚を絡み、小さな起伏を繰り返すとレンゲ辻に到着です。ここから先、山上ヶ岳方面は女人結界です。 結界門をくぐるとすぐに小稲村の岩場の巻き道となり、ハシゴが架かっています。しばらくは急傾斜の登りが続き、左手前方に日本岩の岸壁が樹林越しに見え隠れします。道の両側は夏にはシコクフウロが咲き、山上ヶ岳一角のお花畑へと登り着きます。お花畑の南側、木立に囲まれた中に、湧出岳の一等三角点があります。ここから洞辻茶屋までは、講の行者や登山客で賑わう表参道です。本堂に参拝したら、下山は宿坊を見て、坂道を下り西ノ覗岩に立ち寄ります。後は鐘掛岩の頭で、大天井ヶ岳から吉野山へと続く山稜や遠く金剛・葛城山を一望したら、来た道を少し戻って鐘掛岩の基部を巻き、陀羅尼助茶屋を抜けて洞辻茶屋の分岐から吉野道と分かれて、左へ斜面を下ります。お助け水からは山腹を絡む緩やかな下りとなり、一本松茶屋を過ぎ杉檜林の中を下っていくと清浄大橋に下り着きます。ここから途中、母公堂や「ゴロゴロ水」でひと息着きながら洞川温泉まで歩きます。
  • 和佐又山から大普賢岳、七曜岳へ

    和佐又山から大普賢岳、七曜岳へ

    和佐又口から村道和佐又大峯線に入り坂道を3.2km登っていくと、左側に登山者用の和佐又駐車場があります。駐車場から400mほど歩くと、WASAMATA HUTTEが建つ草原に着きます。和佐又山へは草原から左の尾根を登り、樹林の中を登り詰めると和佐又山の山頂に到着です。これから向かう大普賢岳から七曜岳の稜線を見て北西に取り、和佐又のコルに下ります。無双洞への道を左に見送り登り詰めると伯母峰への分岐で道を左に取ればまもなく指弾ノ窟に続いて朝日ノ窟があります。道は絶壁の裾を絡んで、鉄ハシゴを上がり、左へ水平に進み笙ノ窟の前に出ます。間口約11m、奥行き約4m、中央に不動明王が祀られていて水も得られます。(※大和上市駅からバス利用の場合は1泊2日の行程となり、前日に笙ノ窟まで入りビバークするか、WASAMATA HUTTEに泊まれば、翌日は行動にゆとりが持てます。) ここは役行者冬籠もりの古跡といわれ修験道では重要な行場の一つになっており、日蔵上人をはじめ多くの高僧が修行したと伝えられています。鷲ノ窟の前で左に下る岩本新道を見送り、日本岳西側の鞍部に出ます。左に折れ、狭い尾根の鉄ハシゴを二つ登って石ノ鼻の岩頭に立ちます。南から北東にかけては遮るものはなく、釈迦、仏生、弥山の諸峰から、東は大台ヶ原を一望できます。石ノ鼻からはさらに急坂が続きシャクナゲが多くなります。小普賢岳は肩を越え大普賢岳との鞍部を経て奥駈道に合流します。大普賢岳の山頂は左へ尾根伝いに5分も登れば達します。小潅木が茂っていますが、山上ヶ岳や稲村ヶ岳方面の視界が開けています。 ひと息入れたら稜線を南へ下ると、絶景地の水太覗が待っています。脚下に広がるブナ原生林は見事です。シャクナゲ帯をかき分け弥勒岳を越えると薩摩転げの悪場に出ますが、現在では安全に登下降出来ます。登り返し1655mの独漂を絡み終えると、ひと息つける稚児泊に着きます。起伏を上下すると、二重山稜の中央が窪地になった七ッ池(鬼の釜)があり、縁を通り抜けると数分で素晴らしい眺めの七曜岳の絶頂を踏みます。 展望を楽しんだら無双洞へと下ります。分岐にある道標を見て尾根伝いに20分も下ると、道は左側斜面へと下り出します。やがて谷の瀬音が聞こえてきて無双洞に下り着きます。洞内は水平に150mもあり探究心をそそられます。谷を渡り水簾滝を探勝します。水太谷の水源を絡み、鎖場の付いた岩場を攀じると、底無井戸の標識があり垂直の穴がぽっかりと口を開けています。道はすぐ上で平坦になり、ほぼ等高線に沿って深い樹林内を和佐又のコルまで続いています。コルからは左の道を進んでコルからは左の道を進んでWASAMATA HUTTEに出て、和佐又駐車場に下ります。
    和佐又口から村道和佐又大峯線に入り坂道を3.2km登っていくと、左側に登山者用の和佐又駐車場があります。駐車場から400mほど歩くと、WASAMATA HUTTEが建つ草原に着きます。和佐又山へは草原から左の尾根を登り、樹林の中を登り詰めると和佐又山の山頂に到着です。これから向かう大普賢岳から七曜岳の稜線を見て北西に取り、和佐又のコルに下ります。無双洞への道を左に見送り登り詰めると伯母峰への分岐で道を左に取ればまもなく指弾ノ窟に続いて朝日ノ窟があります。道は絶壁の裾を絡んで、鉄ハシゴを上がり、左へ水平に進み笙ノ窟の前に出ます。間口約11m、奥行き約4m、中央に不動明王が祀られていて水も得られます。(※大和上市駅からバス利用の場合は1泊2日の行程となり、前日に笙ノ窟まで入りビバークするか、WASAMATA HUTTEに泊まれば、翌日は行動にゆとりが持てます。) ここは役行者冬籠もりの古跡といわれ修験道では重要な行場の一つになっており、日蔵上人をはじめ多くの高僧が修行したと伝えられています。鷲ノ窟の前で左に下る岩本新道を見送り、日本岳西側の鞍部に出ます。左に折れ、狭い尾根の鉄ハシゴを二つ登って石ノ鼻の岩頭に立ちます。南から北東にかけては遮るものはなく、釈迦、仏生、弥山の諸峰から、東は大台ヶ原を一望できます。石ノ鼻からはさらに急坂が続きシャクナゲが多くなります。小普賢岳は肩を越え大普賢岳との鞍部を経て奥駈道に合流します。大普賢岳の山頂は左へ尾根伝いに5分も登れば達します。小潅木が茂っていますが、山上ヶ岳や稲村ヶ岳方面の視界が開けています。 ひと息入れたら稜線を南へ下ると、絶景地の水太覗が待っています。脚下に広がるブナ原生林は見事です。シャクナゲ帯をかき分け弥勒岳を越えると薩摩転げの悪場に出ますが、現在では安全に登下降出来ます。登り返し1655mの独漂を絡み終えると、ひと息つける稚児泊に着きます。起伏を上下すると、二重山稜の中央が窪地になった七ッ池(鬼の釜)があり、縁を通り抜けると数分で素晴らしい眺めの七曜岳の絶頂を踏みます。 展望を楽しんだら無双洞へと下ります。分岐にある道標を見て尾根伝いに20分も下ると、道は左側斜面へと下り出します。やがて谷の瀬音が聞こえてきて無双洞に下り着きます。洞内は水平に150mもあり探究心をそそられます。谷を渡り水簾滝を探勝します。水太谷の水源を絡み、鎖場の付いた岩場を攀じると、底無井戸の標識があり垂直の穴がぽっかりと口を開けています。道はすぐ上で平坦になり、ほぼ等高線に沿って深い樹林内を和佐又のコルまで続いています。コルからは左の道を進んでコルからは左の道を進んでWASAMATA HUTTEに出て、和佐又駐車場に下ります。
  • 天川川合から弥山、八経ヶ岳へ

    天川川合から弥山、八経ヶ岳へ

    天川川合でバスを下車。南へ歩き天ノ川の吊橋を渡り、道標を見て山裾に取り付きます。展望のない植林の坂道には一汗かかされます。やがて門前山に着き、送電鉄塔に出ると視界が開けます。その先で坪の内林道に出て、稲村ヶ岳や観音峰を見ながら50mほど進み、再び山道に入り登りを続けると栃尾辻に到着です。しばらくでオオビヌキ坂にさしかかり、独漂1518mは入谷側を絡んで登り、広葉樹の尾根に出ます。如来池、傘池の凹地を経てナベの耳と呼ばれる頂仙岳の北の肩に出ます。頂仙岳は西側を巻いて高崎横手を緩やかに下って行けば、弥山川源流の狼平に着きます。立派な避難小屋を右にしてオオヤマレンゲが散見される木道を登って行きます。大黒岩を右に見送るとまもなく弥山小屋に到着です。弥山小屋は個室や、フォトギャラリーもある2階建て。小屋の手前を北へ5分も行けば1895mの弥山山頂で天川弁財天社の奥宮があります。 弥山の朝は、国見八方睨から見るご来光で始まります。向かい合う八経ヶ岳へはトウヒ、シラベの純林を下り、古今宿の鞍部からネットに保護されたオオヤマレンゲを見て頂仙岳遥拝所を過ぎ、登り返すと八経ヶ岳山頂に到着です。八剣山、仏教ヶ岳ともいいます。眼下に白川又川の樹海を望み、大峰奥駈の諸峰と大台ヶ原の展望を満喫したら釈迦ヶ岳方面へとたどり、明星ヶ岳西肩の弥山辻から右に折れ近年開かれたレンゲ道に入ります。トウヒ、シラビソの樹林の林床は苔の緑がみずみずしく気持ちがよい樹林歩きを楽しめます。行く手に頂仙岳の山容を望み細尾山を過ぎた鞍部からわずか登ると、日裏山手前のコブに出ます。明るい視界が開け眼下に八剣谷と池ノ谷の樹海が扇状に広がり、弥山、八経ヶ岳が真正面に大きく眺められます。 次のピークが1725mの日裏山ですが展望は今ひとつです。トウヒとオオイタヤメイゲツの美しい森を抜けて緩やかにたどって行くと、狼平からの道に合流します。あとは往路にたどった道を下り栃尾辻に出て直進する川合道を取り、天川川合へと向かいます。
    天川川合でバスを下車。南へ歩き天ノ川の吊橋を渡り、道標を見て山裾に取り付きます。展望のない植林の坂道には一汗かかされます。やがて門前山に着き、送電鉄塔に出ると視界が開けます。その先で坪の内林道に出て、稲村ヶ岳や観音峰を見ながら50mほど進み、再び山道に入り登りを続けると栃尾辻に到着です。しばらくでオオビヌキ坂にさしかかり、独漂1518mは入谷側を絡んで登り、広葉樹の尾根に出ます。如来池、傘池の凹地を経てナベの耳と呼ばれる頂仙岳の北の肩に出ます。頂仙岳は西側を巻いて高崎横手を緩やかに下って行けば、弥山川源流の狼平に着きます。立派な避難小屋を右にしてオオヤマレンゲが散見される木道を登って行きます。大黒岩を右に見送るとまもなく弥山小屋に到着です。弥山小屋は個室や、フォトギャラリーもある2階建て。小屋の手前を北へ5分も行けば1895mの弥山山頂で天川弁財天社の奥宮があります。 弥山の朝は、国見八方睨から見るご来光で始まります。向かい合う八経ヶ岳へはトウヒ、シラベの純林を下り、古今宿の鞍部からネットに保護されたオオヤマレンゲを見て頂仙岳遥拝所を過ぎ、登り返すと八経ヶ岳山頂に到着です。八剣山、仏教ヶ岳ともいいます。眼下に白川又川の樹海を望み、大峰奥駈の諸峰と大台ヶ原の展望を満喫したら釈迦ヶ岳方面へとたどり、明星ヶ岳西肩の弥山辻から右に折れ近年開かれたレンゲ道に入ります。トウヒ、シラビソの樹林の林床は苔の緑がみずみずしく気持ちがよい樹林歩きを楽しめます。行く手に頂仙岳の山容を望み細尾山を過ぎた鞍部からわずか登ると、日裏山手前のコブに出ます。明るい視界が開け眼下に八剣谷と池ノ谷の樹海が扇状に広がり、弥山、八経ヶ岳が真正面に大きく眺められます。 次のピークが1725mの日裏山ですが展望は今ひとつです。トウヒとオオイタヤメイゲツの美しい森を抜けて緩やかにたどって行くと、狼平からの道に合流します。あとは往路にたどった道を下り栃尾辻に出て直進する川合道を取り、天川川合へと向かいます。
  • 弥山川から弥山へ

    弥山川から弥山へ

    天川川合から川迫川沿いの車道(国道309号)を行き、熊渡で橋を渡り左岸の林道を歩きます。ミノ川谷を過ぎるとカナビキ谷に出合いますが、その手前ガードレールのある枝道を下ると八丁河原に出ます。白川八丁ともいい「月の上旬15日は水が流れ、下旬の15日は水が河原の下を流れる」との伝説があります。 釜滝の50〜70mくらい下流の地点で谷は右に曲がり、やがて釜滝5mの前に出ます。行くてはるかにそそり立つ障壁を望み、一息つくにはいい場所です。滝の前から右岸を高巻くと弥山ダムがあり、川沿いに右岸を進みます。3つ目の堰堤の上から河身に下って対岸の梯子を登り、山の鼻を廻り込むと一ノ滝と二ノ滝の前面に立ちます。両岸に岩壁を従え壮観な眺めです。滝の景観を満喫したら、滝前の吊橋を右岸に渡ります。周りは広くなり右から左へと急斜面をジグザグに登り右下に少し下り岩穴をくぐると、落差18mの三ノ滝が現れます。ここからは垂直のハシゴ登りが続き、背後には白川八丁が見下ろせます。登り詰めて2つ目のコブからは左側の梢越しに双門の石門が望めます。そこから少し下ると仙人嵓前のテラスに着きます。対岸には仙人嵓がそそり立ち、奥に一条の長瀑を落とす双門滝がすさまじい。落差は約60mもあり「日本の滝100選」に選ばれただけの価値があります。 ここからは左上へ尾根道を登ります。通行止めの旧道の分岐からさらに登って弥山への道標から右折して、ザレた急斜を谷間に下ります。前方に懸かるは三鈷滝で道は一旦河原に出て、高巻いて再び河原に降りるとまもなく右岸の台地に河原小屋跡があります。利用度の高い小屋でしたが、2011年9月の台風で流失してしまいました。京阪神を朝出発の場合、メンバーの力量にもよりますが、第1日目はこの辺りでテント泊となります。時間に余裕があれば、あと1時間30分程も頑張れば狼平に建つ避難小屋まで行けます。 翌朝は早朝出発。小屋跡からは川沿いに樋ノ谷出合へと向かいますが、谷筋は大崩壊の爪痕により土砂が堆積しており道は不明瞭となっています。樋ノ谷出合で巨岩の鎮座する右の本谷の斜瀑に沿って千丈嵓をクサリバシゴで攀じて、聖門滝の左岸を伝い廊下を抜けると明るい谷間になり狼平に架かる吊橋の袂に登り着きます。あとは弥山まではよく踏まれた道(天川川合から弥山、八経ヶ岳へ(コースガイド)参照)で下山は川合道を取り、栃尾辻を経て天川川合に下ります。 アプローチにマイカーを利用の場合はナメリ坂からナメリ谷の右岸尾根を下り、カナビキ谷の右岸に沿って下れば往路にたどった弥山川沿いの林道に下り着き、そこから25分も歩けば熊渡に到着です。狼平から熊渡まで約2時間30分の道程です。
    天川川合から川迫川沿いの車道(国道309号)を行き、熊渡で橋を渡り左岸の林道を歩きます。ミノ川谷を過ぎるとカナビキ谷に出合いますが、その手前ガードレールのある枝道を下ると八丁河原に出ます。白川八丁ともいい「月の上旬15日は水が流れ、下旬の15日は水が河原の下を流れる」との伝説があります。 釜滝の50〜70mくらい下流の地点で谷は右に曲がり、やがて釜滝5mの前に出ます。行くてはるかにそそり立つ障壁を望み、一息つくにはいい場所です。滝の前から右岸を高巻くと弥山ダムがあり、川沿いに右岸を進みます。3つ目の堰堤の上から河身に下って対岸の梯子を登り、山の鼻を廻り込むと一ノ滝と二ノ滝の前面に立ちます。両岸に岩壁を従え壮観な眺めです。滝の景観を満喫したら、滝前の吊橋を右岸に渡ります。周りは広くなり右から左へと急斜面をジグザグに登り右下に少し下り岩穴をくぐると、落差18mの三ノ滝が現れます。ここからは垂直のハシゴ登りが続き、背後には白川八丁が見下ろせます。登り詰めて2つ目のコブからは左側の梢越しに双門の石門が望めます。そこから少し下ると仙人嵓前のテラスに着きます。対岸には仙人嵓がそそり立ち、奥に一条の長瀑を落とす双門滝がすさまじい。落差は約60mもあり「日本の滝100選」に選ばれただけの価値があります。 ここからは左上へ尾根道を登ります。通行止めの旧道の分岐からさらに登って弥山への道標から右折して、ザレた急斜を谷間に下ります。前方に懸かるは三鈷滝で道は一旦河原に出て、高巻いて再び河原に降りるとまもなく右岸の台地に河原小屋跡があります。利用度の高い小屋でしたが、2011年9月の台風で流失してしまいました。京阪神を朝出発の場合、メンバーの力量にもよりますが、第1日目はこの辺りでテント泊となります。時間に余裕があれば、あと1時間30分程も頑張れば狼平に建つ避難小屋まで行けます。 翌朝は早朝出発。小屋跡からは川沿いに樋ノ谷出合へと向かいますが、谷筋は大崩壊の爪痕により土砂が堆積しており道は不明瞭となっています。樋ノ谷出合で巨岩の鎮座する右の本谷の斜瀑に沿って千丈嵓をクサリバシゴで攀じて、聖門滝の左岸を伝い廊下を抜けると明るい谷間になり狼平に架かる吊橋の袂に登り着きます。あとは弥山まではよく踏まれた道(天川川合から弥山、八経ヶ岳へ(コースガイド)参照)で下山は川合道を取り、栃尾辻を経て天川川合に下ります。 アプローチにマイカーを利用の場合はナメリ坂からナメリ谷の右岸尾根を下り、カナビキ谷の右岸に沿って下れば往路にたどった弥山川沿いの林道に下り着き、そこから25分も歩けば熊渡に到着です。狼平から熊渡まで約2時間30分の道程です。
  • トンネル西口から弥山へ

    トンネル西口から弥山へ

    トンネル西口駐車場に駐車(有料)して、弥山への道標を見て橋のたもとから山道を進み木橋で沢を渡ります。ここでコースが沢沿いと尾根道とに分かれます。どちらを選んでも大差はありませんが、登りは沢沿いの方が途中で水も得られて幾分楽です。沢の左岸に沿って行くと二俣となり左の谷に10mほどの滝が懸かっています。道は右の谷に沿って通じており、水が途絶えるあたりで右の斜面への急坂となります。周辺にはナツツバキ(シャラノキ)やシャクナゲが多く、花期には沿道を飾ります。斜面を登り切ったところで尾根道と合流して、尾根を登り詰めるとほどなく奥駈道出合に着きます。丸太のベンチもあり一息つくには良いところです。 弥山へは稜線を西へ向かいます。尾根道はシロヤシオの古木が多く、6月上旬であれば花回廊となります。自然林の中、小さな上下を繰り返すと1600.5mの弁天ノ森に着きます。道は聖宝ノ宿まではブナ原生林の中を伝います。所々に湿地が見られバイケイソウが群落をつくっています。やがて道が平坦になるとブナの巨木に囲まれた聖宝ノ宿跡に出ます。古い石柱の近くには聖宝理源大師の等身大坐像があります。 明るく開けた宿跡から弥山への登りにさしかかります。この登りは以前は「聖宝八丁」と呼ばれる難所でしたが、今では北面にジグザグの歩きやすい道がつけられています。北面からの道を取り、旧道と合する尾根に出ると視界が開け大峰北部の山々が一望されます。さらに整備された木道を登り詰めトウヒ、シラベの林を抜けると弥山小屋に到着です。弥山山頂は小屋前の鳥居から右へ200mほど行ったところにあり、天川弁財天社の奥宮を祀る祠が建っています。トウヒやシラベの樹木に囲まれた小広い台地ですが、残念ながら展望は得られません。 八経ヶ岳へは弥山小屋の前から溝状になった急坂を下り、トウヒ、シラベの純林を抜けます。シカ除けネットに保護された中に大峰の妖精・オオヤマレンゲが左右に広がる古今宿です。初夏には純白の清楚な花が訪れる人を魅了します。頂仙岳遥拝所を過ぎ露岩の道を登り返すと近畿の最高峰、八経ヶ岳の山頂に立ちます。山名の由来は役行者が法華経八巻を埋めたという修験道の霊地であることから発した名で鉢経とも充てます。二等三角点の埋まる山頂には石で囲んだ小祠があり八大童子、不動明王が祀られています。大台ヶ原の全容を正面に仏生ヶ岳、孔雀岳、釈迦ヶ岳へと波打つ大峰奥駈道の山々などさえぎるものもない大パノラマが展開します。展望を満喫したら弥山小屋まで戻って往路を下り、トンネル西口へは尾根道を取って下山しましょう。
    トンネル西口駐車場に駐車(有料)して、弥山への道標を見て橋のたもとから山道を進み木橋で沢を渡ります。ここでコースが沢沿いと尾根道とに分かれます。どちらを選んでも大差はありませんが、登りは沢沿いの方が途中で水も得られて幾分楽です。沢の左岸に沿って行くと二俣となり左の谷に10mほどの滝が懸かっています。道は右の谷に沿って通じており、水が途絶えるあたりで右の斜面への急坂となります。周辺にはナツツバキ(シャラノキ)やシャクナゲが多く、花期には沿道を飾ります。斜面を登り切ったところで尾根道と合流して、尾根を登り詰めるとほどなく奥駈道出合に着きます。丸太のベンチもあり一息つくには良いところです。 弥山へは稜線を西へ向かいます。尾根道はシロヤシオの古木が多く、6月上旬であれば花回廊となります。自然林の中、小さな上下を繰り返すと1600.5mの弁天ノ森に着きます。道は聖宝ノ宿まではブナ原生林の中を伝います。所々に湿地が見られバイケイソウが群落をつくっています。やがて道が平坦になるとブナの巨木に囲まれた聖宝ノ宿跡に出ます。古い石柱の近くには聖宝理源大師の等身大坐像があります。 明るく開けた宿跡から弥山への登りにさしかかります。この登りは以前は「聖宝八丁」と呼ばれる難所でしたが、今では北面にジグザグの歩きやすい道がつけられています。北面からの道を取り、旧道と合する尾根に出ると視界が開け大峰北部の山々が一望されます。さらに整備された木道を登り詰めトウヒ、シラベの林を抜けると弥山小屋に到着です。弥山山頂は小屋前の鳥居から右へ200mほど行ったところにあり、天川弁財天社の奥宮を祀る祠が建っています。トウヒやシラベの樹木に囲まれた小広い台地ですが、残念ながら展望は得られません。 八経ヶ岳へは弥山小屋の前から溝状になった急坂を下り、トウヒ、シラベの純林を抜けます。シカ除けネットに保護された中に大峰の妖精・オオヤマレンゲが左右に広がる古今宿です。初夏には純白の清楚な花が訪れる人を魅了します。頂仙岳遥拝所を過ぎ露岩の道を登り返すと近畿の最高峰、八経ヶ岳の山頂に立ちます。山名の由来は役行者が法華経八巻を埋めたという修験道の霊地であることから発した名で鉢経とも充てます。二等三角点の埋まる山頂には石で囲んだ小祠があり八大童子、不動明王が祀られています。大台ヶ原の全容を正面に仏生ヶ岳、孔雀岳、釈迦ヶ岳へと波打つ大峰奥駈道の山々などさえぎるものもない大パノラマが展開します。展望を満喫したら弥山小屋まで戻って往路を下り、トンネル西口へは尾根道を取って下山しましょう。
  • トンネル東口から行者還岳へ

    トンネル東口から行者還岳へ

    行者還岳への登路は大川口から天川辻(北山越)へと出るコースが主流でしたが、今日では踏み跡が不明瞭で廃道に近い状態です。今回はトンネル東口から天ヶ瀬方面へ車で1.2km下った(No.90標識が目印)所からの、登りも緩やかな最短コースを紹介します。 行者還岳登山口から鉄筋の階段に取り付いて登るとすぐ上で道は左右に分かれますが、ここでは左を取りソヨゴ、ヒメシャラ、アセビ、ブナなどの自然林の中を尾根に沿って登って行くと一際目を引く天然檜の巨樹が並んで二本あり、ブナの木とともに大きく枝葉を広げています。すぐ上が稜線で清明ノ尾出合に着きます。展望が開け大普賢岳から和佐又山の眺めが広がります。尾根を左に取りブナ、ヒメシャラ、シロヤシオの美しい樹林帯を緩やかにたどれば20分ほどで奥駈道出合の独漂1458mに着きます。周囲の展望がすこぶるよく、腰を降ろして憩うにはよいところです。 独漂からは行者還岳に向かっての稜線漫歩が始まります。樹間からは弥山や鉄山、バリゴヤノ頭、大普賢岳や大台ヶ原などの展望を楽しみながらたどれます。また春から夏にはミツバツツジ、シャクナゲ、ヤマシャクヤク、シロヤシオ、クサタチバナなどの可憐な花が順を追って咲き誇り、ブナの森を彩ります。 1486mの独漂を越え緩やかな尾根道をたどると「通行人安全」と刻まれた地蔵石仏が祀られた天川辻(北山越)に出ます。この峠は天川村と上北山村の天ヶ瀬を結ぶ古い峠越えの道でしたが、今では上北山村側はすっかり廃道となっています。北にわずかで行者還避難小屋に着きます。小屋から仰ぎ見る行者還岳は大きく被った大岩壁で、役行者があまりの峻険さに引き返したのが山名の由来という伝説もうなずけます。 これより行者還岳へ往復することになります。小屋の前から奥駈道を北に進み、窟の奥に金剛童子を祀る靡58番の行所を見送ると、急な梯子段が連なる手前の左側に行者の雫水がありますが、現在は水が涸れています。梯子段の急斜を登りきって小尾根を越え左へササの中を行くと分岐があり、右は縦走路で左へ進み樹林内のシャクナゲの間を10分ほど登れば錫杖と3等三角点標石がある行者還岳の山頂に着きます。山頂は樹木が茂り展望はありませんが三角点標石から少し東の岩頭からは樹海の彼方に弥山、八経ヶ岳、釈迦ヶ岳へと続く山稜が眺められます。 展望を満喫したら行者還避難小屋へと戻り、下山は往路を独漂1458mを経て行者還岳登山口へと引き返します。
    行者還岳への登路は大川口から天川辻(北山越)へと出るコースが主流でしたが、今日では踏み跡が不明瞭で廃道に近い状態です。今回はトンネル東口から天ヶ瀬方面へ車で1.2km下った(No.90標識が目印)所からの、登りも緩やかな最短コースを紹介します。 行者還岳登山口から鉄筋の階段に取り付いて登るとすぐ上で道は左右に分かれますが、ここでは左を取りソヨゴ、ヒメシャラ、アセビ、ブナなどの自然林の中を尾根に沿って登って行くと一際目を引く天然檜の巨樹が並んで二本あり、ブナの木とともに大きく枝葉を広げています。すぐ上が稜線で清明ノ尾出合に着きます。展望が開け大普賢岳から和佐又山の眺めが広がります。尾根を左に取りブナ、ヒメシャラ、シロヤシオの美しい樹林帯を緩やかにたどれば20分ほどで奥駈道出合の独漂1458mに着きます。周囲の展望がすこぶるよく、腰を降ろして憩うにはよいところです。 独漂からは行者還岳に向かっての稜線漫歩が始まります。樹間からは弥山や鉄山、バリゴヤノ頭、大普賢岳や大台ヶ原などの展望を楽しみながらたどれます。また春から夏にはミツバツツジ、シャクナゲ、ヤマシャクヤク、シロヤシオ、クサタチバナなどの可憐な花が順を追って咲き誇り、ブナの森を彩ります。 1486mの独漂を越え緩やかな尾根道をたどると「通行人安全」と刻まれた地蔵石仏が祀られた天川辻(北山越)に出ます。この峠は天川村と上北山村の天ヶ瀬を結ぶ古い峠越えの道でしたが、今では上北山村側はすっかり廃道となっています。北にわずかで行者還避難小屋に着きます。小屋から仰ぎ見る行者還岳は大きく被った大岩壁で、役行者があまりの峻険さに引き返したのが山名の由来という伝説もうなずけます。 これより行者還岳へ往復することになります。小屋の前から奥駈道を北に進み、窟の奥に金剛童子を祀る靡58番の行所を見送ると、急な梯子段が連なる手前の左側に行者の雫水がありますが、現在は水が涸れています。梯子段の急斜を登りきって小尾根を越え左へササの中を行くと分岐があり、右は縦走路で左へ進み樹林内のシャクナゲの間を10分ほど登れば錫杖と3等三角点標石がある行者還岳の山頂に着きます。山頂は樹木が茂り展望はありませんが三角点標石から少し東の岩頭からは樹海の彼方に弥山、八経ヶ岳、釈迦ヶ岳へと続く山稜が眺められます。 展望を満喫したら行者還避難小屋へと戻り、下山は往路を独漂1458mを経て行者還岳登山口へと引き返します。
  • 不動谷から釈迦ヶ岳へ

    不動谷から釈迦ヶ岳へ

    国道168号の田長瀬トンネルを抜けた旭橋で右に折れ、旭川に沿う林道に入ります。旭ダムの先で道は二方に分かれ、右の栗平線を取り不動小屋谷に沿う道を登れば登山口に至ります。旭橋から約1時間ほどです。登山口には駐車場と水場もあり、幕営地としても好適地です。 前夜のうちにここまで入り、翌朝は太尾登山口まで車で上がり山道に取り付きます。春にはシャクナゲが沿道を飾る尾根道の起伏を登って行くとササの茂る1465mの分岐に出ます。ブナとオオイタヤメイゲツの林にミヤコザザの美しい尾根を緩やかにたどります。ブナの疎林の明るい尾根は展望もよく、滝川を隔ててこれから目指す釈迦ヶ岳を望む絶好のビューポイントで大日岳の特異な岩峰が目を引きます。やがて古田ノ森に達すると左手前方に七面山の大嵓(南壁)が宇無ノ川に切れ落ち、奥方には弥山、八経ヶ岳が顔を覗かせています。 古田ノ森から緩やかに下った鞍部の平坦地にはヌタ場が見られます。平坦地を過ぎ尾根が東に向きを変えるあたりが千丈平で、アルプスを思わせる規模でバイケイソウが群落を作っています。そのお花畑の左尾根にはシロヤシオの古木が多く、初夏にはさながら日本庭園のようになります。近くには「かくし水」と呼ばれる湧き水があり、幕営地としても絶好のロケーションです。 バイケイソウに代わってトウヒ、シラビソの針葉樹の中を登って行けば、釈迦ヶ岳の南肩で奥駈道に合流します。釈迦ヶ岳へは左へ10分足らずの登りで達します。標高1799.9mの山頂には1等三角点の標石と釈迦如来像が安置されています。眺望は広潤で北には孔雀岳から弥山、八経ヶ岳へと続く大峰北部奥駈の山々、西には遥か奥高野や果無山脈が遠くに見えます。東から南に目を転じれば、眼下の大日岳から南奥駈の山稜が笠捨山、玉置山へと脈打っています。展望を満喫したら下山は往路を古田ノ森を経て太尾登山口へと引き返しましょう。
    国道168号の田長瀬トンネルを抜けた旭橋で右に折れ、旭川に沿う林道に入ります。旭ダムの先で道は二方に分かれ、右の栗平線を取り不動小屋谷に沿う道を登れば登山口に至ります。旭橋から約1時間ほどです。登山口には駐車場と水場もあり、幕営地としても好適地です。 前夜のうちにここまで入り、翌朝は太尾登山口まで車で上がり山道に取り付きます。春にはシャクナゲが沿道を飾る尾根道の起伏を登って行くとササの茂る1465mの分岐に出ます。ブナとオオイタヤメイゲツの林にミヤコザザの美しい尾根を緩やかにたどります。ブナの疎林の明るい尾根は展望もよく、滝川を隔ててこれから目指す釈迦ヶ岳を望む絶好のビューポイントで大日岳の特異な岩峰が目を引きます。やがて古田ノ森に達すると左手前方に七面山の大嵓(南壁)が宇無ノ川に切れ落ち、奥方には弥山、八経ヶ岳が顔を覗かせています。 古田ノ森から緩やかに下った鞍部の平坦地にはヌタ場が見られます。平坦地を過ぎ尾根が東に向きを変えるあたりが千丈平で、アルプスを思わせる規模でバイケイソウが群落を作っています。そのお花畑の左尾根にはシロヤシオの古木が多く、初夏にはさながら日本庭園のようになります。近くには「かくし水」と呼ばれる湧き水があり、幕営地としても絶好のロケーションです。 バイケイソウに代わってトウヒ、シラビソの針葉樹の中を登って行けば、釈迦ヶ岳の南肩で奥駈道に合流します。釈迦ヶ岳へは左へ10分足らずの登りで達します。標高1799.9mの山頂には1等三角点の標石と釈迦如来像が安置されています。眺望は広潤で北には孔雀岳から弥山、八経ヶ岳へと続く大峰北部奥駈の山々、西には遥か奥高野や果無山脈が遠くに見えます。東から南に目を転じれば、眼下の大日岳から南奥駈の山稜が笠捨山、玉置山へと脈打っています。展望を満喫したら下山は往路を古田ノ森を経て太尾登山口へと引き返しましょう。
  • 前鬼から釈迦ヶ岳へ

    前鬼から釈迦ヶ岳へ

    大峰奥駈道のほぼ中央に位置する釈迦ヶ岳は近年旭林道奥(太尾)からの往復ルートが人気ですが、前鬼から登ると周辺には不動七重滝、前鬼山集落跡、裏行場の三重滝など名所も多く、山の奥深さを実感できます。第1日目の泊まりは前鬼の小仲坊として、国道169号の前鬼口から前鬼林道に入り車止めゲートまで車で向かいます。 車止めゲートからは黒谷右岸の道を歩いて小仲坊へ向かいます。道は右へ曲がり、谷を渡って明るく開けた小仲坊に着きます。 2日目、三重滝への道標に従い鬱蒼とした樹林帯の山腹を絡むように登って行くと30分程で夫婦檜の巨樹がある閼伽坂峠に着きます。ひと息着いたら、左の尾根に取り着いて豊かな自然林の尾根道を登ります。明瞭な道はありませんが、要所にある赤テープを目印に尾根筋を忠実にたどります。一際目立つツガの巨木を仰ぎ、美しいヒメシャラの純林帯を過ぎると独漂1185mに到着です。緩やかな下りとなり、鞍部からは露岩の見られる尾根筋をたどり岩場の間をすり抜けて鎖場とロープを頼りにクリカラ岩の基部を攀じ登れば、前鬼からの登山道と合流してすぐ上が二つ岩(両童子岩)です。寄り添って立つ二つの岩は制多迦童子、矜羯羅童子と呼ばれ、背後に回れば無数の岩塔がそそり立つ五百羅漢が一望されます。 二つ岩を後に崩壊した沢を下降気味に渡り、クマザサの尾根を巻くと熊の水場があります。水の補給をして背丈程のクマザサを分けて登っていけば坂道も緩くなりブナの林が広がると大日岳が姿を見せ、背くらべ石がある太古ノ辻に着きます。 太古ノ辻からは奥駈道を北に取り、大日岳の山腹を巻き北肩の鞍部から三十三尋というクサリ場を攀じ大日岳へ登ってみよう。傾斜は50度ほどですが、フリクションを利かせ大日岳の山頂に着けば大日如来坐像が迎えてくれます。下りは西面の巻き道を下り、大日岳行場取付分岐へと戻ります。大きな岩がある五角仙を通り聖天森を下れば、深仙ノ宿に着きます。潅頂堂の前から小石の多い急坂を釈迦ヶ岳へと向かいます。山腹道から尾根に出て右側に極楽ノ都津門を覗き、さらに登って行けば左から旭方面からの道が合し、10分程で釈迦ヶ岳山頂に到着です。四方広潤の眺めを堪能したら下山は深仙ノ宿へと下り、太古ノ辻からは左へ折れて往路にたどった二つ岩まで戻って大峯縦走線歩道を前鬼へと下ります。二つ岩からは整備された階段道が853段も続き涸沢を一旦右岸に転じ、次に流れのある谷を左岸に渡り返すと鬱蒼と茂る杉古木の森に変わります。石積だけが残る五鬼の住居跡を見て、ほどなく前鬼の宿坊・小仲坊に帰り着きます。後は林道を歩いて車止めゲートまでは約30分の道程です。
    大峰奥駈道のほぼ中央に位置する釈迦ヶ岳は近年旭林道奥(太尾)からの往復ルートが人気ですが、前鬼から登ると周辺には不動七重滝、前鬼山集落跡、裏行場の三重滝など名所も多く、山の奥深さを実感できます。第1日目の泊まりは前鬼の小仲坊として、国道169号の前鬼口から前鬼林道に入り車止めゲートまで車で向かいます。 車止めゲートからは黒谷右岸の道を歩いて小仲坊へ向かいます。道は右へ曲がり、谷を渡って明るく開けた小仲坊に着きます。 2日目、三重滝への道標に従い鬱蒼とした樹林帯の山腹を絡むように登って行くと30分程で夫婦檜の巨樹がある閼伽坂峠に着きます。ひと息着いたら、左の尾根に取り着いて豊かな自然林の尾根道を登ります。明瞭な道はありませんが、要所にある赤テープを目印に尾根筋を忠実にたどります。一際目立つツガの巨木を仰ぎ、美しいヒメシャラの純林帯を過ぎると独漂1185mに到着です。緩やかな下りとなり、鞍部からは露岩の見られる尾根筋をたどり岩場の間をすり抜けて鎖場とロープを頼りにクリカラ岩の基部を攀じ登れば、前鬼からの登山道と合流してすぐ上が二つ岩(両童子岩)です。寄り添って立つ二つの岩は制多迦童子、矜羯羅童子と呼ばれ、背後に回れば無数の岩塔がそそり立つ五百羅漢が一望されます。 二つ岩を後に崩壊した沢を下降気味に渡り、クマザサの尾根を巻くと熊の水場があります。水の補給をして背丈程のクマザサを分けて登っていけば坂道も緩くなりブナの林が広がると大日岳が姿を見せ、背くらべ石がある太古ノ辻に着きます。 太古ノ辻からは奥駈道を北に取り、大日岳の山腹を巻き北肩の鞍部から三十三尋というクサリ場を攀じ大日岳へ登ってみよう。傾斜は50度ほどですが、フリクションを利かせ大日岳の山頂に着けば大日如来坐像が迎えてくれます。下りは西面の巻き道を下り、大日岳行場取付分岐へと戻ります。大きな岩がある五角仙を通り聖天森を下れば、深仙ノ宿に着きます。潅頂堂の前から小石の多い急坂を釈迦ヶ岳へと向かいます。山腹道から尾根に出て右側に極楽ノ都津門を覗き、さらに登って行けば左から旭方面からの道が合し、10分程で釈迦ヶ岳山頂に到着です。四方広潤の眺めを堪能したら下山は深仙ノ宿へと下り、太古ノ辻からは左へ折れて往路にたどった二つ岩まで戻って大峯縦走線歩道を前鬼へと下ります。二つ岩からは整備された階段道が853段も続き涸沢を一旦右岸に転じ、次に流れのある谷を左岸に渡り返すと鬱蒼と茂る杉古木の森に変わります。石積だけが残る五鬼の住居跡を見て、ほどなく前鬼の宿坊・小仲坊に帰り着きます。後は林道を歩いて車止めゲートまでは約30分の道程です。
  • 白谷トンネルから笠捨山へ

    白谷トンネルから笠捨山へ

    笠捨山は別名を仙ヶ岳、千草岳とも呼び、笠のような山容は一際群を抜いて聳え立ちます。登山口となる白谷トンネルへは車を利用すれば、京阪神からでも前夜発日帰りができます。 白谷トンネル東口から階段を上がり巡視道に入ります。物置小屋を過ぎ、急な階段道を登って行けば展望が開けて倶利伽羅岳や転法輪岳が姿を見せます。さらに階段を登り2つ目の物置小屋を過ぎると、程なく稜線の奥駈道に合いします。右へ5分も登れば行仙岳の頂で、NHK中継塔が建っています。枯れ古木の下に三角点標石と石の道標が立ち、明るく開けた山頂からは中八人山や北へと続く大峰北部の釈迦ヶ岳、仏生ヶ岳などが望まれます。ひと息着いたら南へと道を取り、山腹を絡みコブをひとつ越えて佐田辻に建つ行仙宿山小屋に下ります。 小屋からは涸池を見て、鉄塔のあるピークを越えます。鞍部から次のピークへの急坂にさしかかると一際目立つ老檜があり、八大金剛童子の石柱と幹に打ち付けた修験者の秘伝があります。ここからは小さくアップダウンして3つ目のピークを踏む頃、周囲はブナに混じってアケボノツツジが散見されます。5月初旬にはシャクナゲと共に花期を迎えます。登り返してピーク1,246mに立つと、眼前に笠捨山が双耳峰となって大きく立ち塞がります。ここから直下の鞍部にかけては左側(四ノ川側)が切り立った断崖になるので細心の注意が必要です。山頂へは標高差150mの急登で笠捨山東峰と西峰との鞍部に登り着きます。左が東峰で大峰の奥深さを感じさせる雄大な眺めが展開します。西峰(笠捨山)には2等三角点の標石が埋まり、地蔵岳から香精山へと続く山稜が眺められます。展望を満喫したら、足を返し、往路を白谷トンネル東口まで引き返します。
    笠捨山は別名を仙ヶ岳、千草岳とも呼び、笠のような山容は一際群を抜いて聳え立ちます。登山口となる白谷トンネルへは車を利用すれば、京阪神からでも前夜発日帰りができます。 白谷トンネル東口から階段を上がり巡視道に入ります。物置小屋を過ぎ、急な階段道を登って行けば展望が開けて倶利伽羅岳や転法輪岳が姿を見せます。さらに階段を登り2つ目の物置小屋を過ぎると、程なく稜線の奥駈道に合いします。右へ5分も登れば行仙岳の頂で、NHK中継塔が建っています。枯れ古木の下に三角点標石と石の道標が立ち、明るく開けた山頂からは中八人山や北へと続く大峰北部の釈迦ヶ岳、仏生ヶ岳などが望まれます。ひと息着いたら南へと道を取り、山腹を絡みコブをひとつ越えて佐田辻に建つ行仙宿山小屋に下ります。 小屋からは涸池を見て、鉄塔のあるピークを越えます。鞍部から次のピークへの急坂にさしかかると一際目立つ老檜があり、八大金剛童子の石柱と幹に打ち付けた修験者の秘伝があります。ここからは小さくアップダウンして3つ目のピークを踏む頃、周囲はブナに混じってアケボノツツジが散見されます。5月初旬にはシャクナゲと共に花期を迎えます。登り返してピーク1,246mに立つと、眼前に笠捨山が双耳峰となって大きく立ち塞がります。ここから直下の鞍部にかけては左側(四ノ川側)が切り立った断崖になるので細心の注意が必要です。山頂へは標高差150mの急登で笠捨山東峰と西峰との鞍部に登り着きます。左が東峰で大峰の奥深さを感じさせる雄大な眺めが展開します。西峰(笠捨山)には2等三角点の標石が埋まり、地蔵岳から香精山へと続く山稜が眺められます。展望を満喫したら、足を返し、往路を白谷トンネル東口まで引き返します。
  • 玉置神社から玉置山、宝冠ノ森へ

    玉置神社から玉置山、宝冠ノ森へ

    国道168号の折立で、「玉置山12km」の道標を見て林道に入ります。八大竜王社の先で道は二方に分かれます。「玉置山」の道標に従い左の道を取り、玉置山駐車場に至ります。駐車場から東に玉置山への散策道に取り付いて緩やかな尾根道を登って行くと、かつえ坂から来る奥駈道が合流して南にわずかで玉置山の山頂に着きます。山頂には一等三角点があり、南東面に展望が開けてこれから目指す宝冠ノ森が眺められ、山並みの彼方に、熊野灘も見えるところから沖見岳、あるいは舟見岳とも呼ばれています。また、山頂付近はシャクナゲが多く例年5月上旬から中旬頃には花回廊となり登山者を魅了します。 ひと息着いたら山頂を辞し、「宝冠ノ森(約50分)」の道標に従い宝冠ノ森へと向かいます。東に下ったところの十字路が勧業山記念碑で、玉置神社から来る道が合流します。緩やかな尾根道をたどって南東方向に進みます。周囲はブナ、アセビ、シャクナゲなどを主体とした自然林が美しい尾根筋がしばらく続き、独漂1057mに出ます。ここからは岩稜帯のヤセ尾根を右に下って行きます。岩場を上下して鎖場を6ヶ所ほどもこなすと、こんもりと茂った森が前方に見えてきて宝冠ノ森へと到着です。ここは修験者達の行場にもなっています。東から南にかけての視界が開け甲森が大きく迫り、眼下には瀞峡と十津川の流れが蛇行し後方には熊野の山々が霞んで見えます。展望を満喫したら、足を返し勧業山記念碑まで往路を引き返します。勧業山記念碑からは玉置神社へ向かう山腹道をたどります。しばらくで玉石社からの道と合流し、玉置神社の社務所の前に出ます。この社務所及び台所は国の重要文化財に指定されています。玉置神社本殿は第十代崇神天皇の時代に創建されたと伝えられています。本殿は高山の山中には珍しく豪壮な入母屋作りの総ケヤキ材で県の文化財に指定されています。本殿の裏手には樹齢3000年といわれる神代杉がそびえ目を見張ります。周辺には磐余杉、常立杉、大杉、夫婦杉などの巨樹が林立し、玉置山の巨杉群として保全されています。 本殿に参拝を済ませたら、駐車場へは鳥居の下から水平に続く参道を辿り玉置山駐車場に戻ります。
    国道168号の折立で、「玉置山12km」の道標を見て林道に入ります。八大竜王社の先で道は二方に分かれます。「玉置山」の道標に従い左の道を取り、玉置山駐車場に至ります。駐車場から東に玉置山への散策道に取り付いて緩やかな尾根道を登って行くと、かつえ坂から来る奥駈道が合流して南にわずかで玉置山の山頂に着きます。山頂には一等三角点があり、南東面に展望が開けてこれから目指す宝冠ノ森が眺められ、山並みの彼方に、熊野灘も見えるところから沖見岳、あるいは舟見岳とも呼ばれています。また、山頂付近はシャクナゲが多く例年5月上旬から中旬頃には花回廊となり登山者を魅了します。 ひと息着いたら山頂を辞し、「宝冠ノ森(約50分)」の道標に従い宝冠ノ森へと向かいます。東に下ったところの十字路が勧業山記念碑で、玉置神社から来る道が合流します。緩やかな尾根道をたどって南東方向に進みます。周囲はブナ、アセビ、シャクナゲなどを主体とした自然林が美しい尾根筋がしばらく続き、独漂1057mに出ます。ここからは岩稜帯のヤセ尾根を右に下って行きます。岩場を上下して鎖場を6ヶ所ほどもこなすと、こんもりと茂った森が前方に見えてきて宝冠ノ森へと到着です。ここは修験者達の行場にもなっています。東から南にかけての視界が開け甲森が大きく迫り、眼下には瀞峡と十津川の流れが蛇行し後方には熊野の山々が霞んで見えます。展望を満喫したら、足を返し勧業山記念碑まで往路を引き返します。勧業山記念碑からは玉置神社へ向かう山腹道をたどります。しばらくで玉石社からの道と合流し、玉置神社の社務所の前に出ます。この社務所及び台所は国の重要文化財に指定されています。玉置神社本殿は第十代崇神天皇の時代に創建されたと伝えられています。本殿は高山の山中には珍しく豪壮な入母屋作りの総ケヤキ材で県の文化財に指定されています。本殿の裏手には樹齢3000年といわれる神代杉がそびえ目を見張ります。周辺には磐余杉、常立杉、大杉、夫婦杉などの巨樹が林立し、玉置山の巨杉群として保全されています。 本殿に参拝を済ませたら、駐車場へは鳥居の下から水平に続く参道を辿り玉置山駐車場に戻ります。
  • 吉野駅をスタートし前鬼まで

    吉野駅をスタートし前鬼まで

    吉野駅から吉野の町に入り金峯山寺を過ぎ愛染から青根ヶ峰を踏み、一旦車道に出たのち稜線を行く古道に入ります。四寸岩山を越えて下り、足摺茶屋跡の先で林道を横切り二蔵宿小屋から古道は大天井ヶ岳に向かっての登りとなります。在来道は東面を絡んでいます。大天井ヶ岳から下った鞍部が五番関で女人結界門が立ちます。山上ヶ岳へは急坂の登りとなります。洞辻茶屋で洞川道が合流して油こぼし、鐘掛岩に続いて西ノ覗岩を見て山上ヶ岳に着きます。5件ある宿坊のいずれかに泊まります。 2日目、水の流れがある小笹ノ宿を過ぎると阿弥陀ヶ森の分岐で柏木道と分かれて右の奥駈道を取ります。脇ノ宿跡、小普賢岳と過ぎ、大普賢岳の山頂に立ちます。水太覗へと急斜を下り薩摩転げの鎖場をこなし、七曜岳の絶頂に立ちます。次のピーク行者還岳を往復したのち、行者還避難小屋に下ります。ブナ林の中を起伏の上下を繰り返し一ノ垰に出ると、道はは角度を変え弥山までは西向きとなります。弁天ノ森ピークを越し聖宝八丁を登り詰めると弥山小屋の前に出てザックをを下ろします。 3日目、向かい合う八経ケ岳へは古今宿の暗部に下り、オオヤマレンゲの花を見て登り返して八経ヶ岳の山頂に立ちます。次の明星ヶ岳は西側を巻いて通過するとやがて七面山が姿を現します。禅師ノ森を経て舟ノ垰に出ます。次の楊枝ノ森は東側を巻くと楊子ヶ宿小屋があります。小屋の前から仏生ヶ岳の登りが始まります。トウヒに覆われた斜面を登り、続く孔雀岳も頂上を越えずに西面を通って南肩に出ます。孔雀覗の絶壁があり、五百羅漢の奇岩が林立します。岩場を避けて左手に回ると鐺返し、両部分けを下ると椽の鼻、弥勒岩の東側を巻き杖捨ての急坂を登りきって釈迦ヶ岳の山頂に立ちます。眺望は四方広潤、大峰山脈屈指の展望台です。釈迦の山頂から南に下れば峰中の要所、深仙ノ宿に到着です。宿には灌頂堂と避難小屋が建ちます。南に上がり聖天森を過ぎると大日岳の岩峰が迫ります。頂上へは三十三尋といわれる鉄鎖を攀じりますが、西側に巻き道も有ります。絡み終えると太古ノ辻に出ます。ここから先は南奥駈道となりますが次の機会に譲り、左に折れて前鬼へと下ります。二つ岩を見送り階段道を下り切ると前鬼に辿り着きます。小仲坊が宿泊の便を計ってくれます。その日は前鬼でもう1泊して、翌日裏行場を探勝すればより充実した山行となります。裏行場は一巡に約3時間を要します。前鬼からは林道を前鬼口バス停までは休憩も含めて約3時間の所要です。
    吉野駅から吉野の町に入り金峯山寺を過ぎ愛染から青根ヶ峰を踏み、一旦車道に出たのち稜線を行く古道に入ります。四寸岩山を越えて下り、足摺茶屋跡の先で林道を横切り二蔵宿小屋から古道は大天井ヶ岳に向かっての登りとなります。在来道は東面を絡んでいます。大天井ヶ岳から下った鞍部が五番関で女人結界門が立ちます。山上ヶ岳へは急坂の登りとなります。洞辻茶屋で洞川道が合流して油こぼし、鐘掛岩に続いて西ノ覗岩を見て山上ヶ岳に着きます。5件ある宿坊のいずれかに泊まります。 2日目、水の流れがある小笹ノ宿を過ぎると阿弥陀ヶ森の分岐で柏木道と分かれて右の奥駈道を取ります。脇ノ宿跡、小普賢岳と過ぎ、大普賢岳の山頂に立ちます。水太覗へと急斜を下り薩摩転げの鎖場をこなし、七曜岳の絶頂に立ちます。次のピーク行者還岳を往復したのち、行者還避難小屋に下ります。ブナ林の中を起伏の上下を繰り返し一ノ垰に出ると、道はは角度を変え弥山までは西向きとなります。弁天ノ森ピークを越し聖宝八丁を登り詰めると弥山小屋の前に出てザックをを下ろします。 3日目、向かい合う八経ケ岳へは古今宿の暗部に下り、オオヤマレンゲの花を見て登り返して八経ヶ岳の山頂に立ちます。次の明星ヶ岳は西側を巻いて通過するとやがて七面山が姿を現します。禅師ノ森を経て舟ノ垰に出ます。次の楊枝ノ森は東側を巻くと楊子ヶ宿小屋があります。小屋の前から仏生ヶ岳の登りが始まります。トウヒに覆われた斜面を登り、続く孔雀岳も頂上を越えずに西面を通って南肩に出ます。孔雀覗の絶壁があり、五百羅漢の奇岩が林立します。岩場を避けて左手に回ると鐺返し、両部分けを下ると椽の鼻、弥勒岩の東側を巻き杖捨ての急坂を登りきって釈迦ヶ岳の山頂に立ちます。眺望は四方広潤、大峰山脈屈指の展望台です。釈迦の山頂から南に下れば峰中の要所、深仙ノ宿に到着です。宿には灌頂堂と避難小屋が建ちます。南に上がり聖天森を過ぎると大日岳の岩峰が迫ります。頂上へは三十三尋といわれる鉄鎖を攀じりますが、西側に巻き道も有ります。絡み終えると太古ノ辻に出ます。ここから先は南奥駈道となりますが次の機会に譲り、左に折れて前鬼へと下ります。二つ岩を見送り階段道を下り切ると前鬼に辿り着きます。小仲坊が宿泊の便を計ってくれます。その日は前鬼でもう1泊して、翌日裏行場を探勝すればより充実した山行となります。裏行場は一巡に約3時間を要します。前鬼からは林道を前鬼口バス停までは休憩も含めて約3時間の所要です。
  • 前鬼をスタートし熊野本宮へ

    前鬼をスタートし熊野本宮へ

    前鬼口でバスを下車します。前鬼林道をさかのぼるとやがて見事な姿を見せる不動七重滝を眺め、林道を歩いて前鬼に着き、1日目は小仲坊に泊まります。 主稜の太古ノ辻まではほぼ谷沿いの階段道が続きます。太古ノ辻からは南へ石楠花岳を越えミヤコザサの小道を登ると天狗山に着きます。南へ下り奥守岳を越えると嫁越峠(滝川辻)です。峠から急登すること30分で地蔵岳です。ここから尾根は西南に振り、起伏をたどり乾光門、涅槃岳と過ぎさらに登りなおすと証誠無漏岳で、西に派生する支稜は奥八人山、中八人山などの山を起こしています。雑木の茂る急坂を下降し阿須迦利岳に達し坂道を下りきると、持経ノ宿に着きます。車道を横切り小ピークを3つ越えると平冶ノ宿が道端に建っています。宿から30分で転法輪岳に登り着きます。次の倶利迦羅岳は西を巻いて通過し、怒田宿跡へは横駈道を伝い、行仙岳を過ぎ南へと下ると行仙宿山小屋の建つ佐田辻に到着です。水場は四ノ川へ10分程下ったところで得られます。 3日目、早朝出発として奥駈道を笠捨山に向かいます。鉄塔のあるピークを越え小さく上下して3つ目のピーク1246mに立つと、笠捨山の双耳峰が眼前に立ちはだかります。鞍部に下って急坂を登りきり、右へ数分で笠捨山の山頂を踏みます。葛川辻まで下り、地蔵岳へは尾根伝いに登ります。シャクナゲが目立つようになると岩稜となり岩角や木の根にすがって登ると鎖場が出てきて槍ヶ岳の石漂を見ます。次のピークが地蔵岳で、小さい地蔵石仏が安置してあります。地蔵岳からはさらに難所が続き岩壁に付けられたクサリを伝い急降下します。尾根に出て四阿宿跡、南に拝み返しへと緩やかに下って行きます。香精山から急斜面を下ると大岩の貝吹金剛に出ます。上葛川への分岐のある塔ノ谷峠を過ぎ、登り返して緩やかに下ります。稚児ノ森を過ぎると玉置山へと通じる林道と併走しますが、わずかに残ったピークを踏み花折塚に着きます。奥駈道を直進すると再び林道に出て、展望台の先からかつえ坂を登り玉置山の山頂に立ちます。玉置神社へは南側の階段道を下ります。 4日目も早朝出発となります。南へと下り、玉置辻を経て大平多山分岐へは約1時間30分です。分岐から山稜の左よりを登ると大森山ですが展望はありません。次の三角点から下った鞍部が篠尾辻です。大黒天神岳からは尾根通しに下ると宝経塔のある山在峠で、さらに南へたどり吹越宿跡から七越峰へはほぼ尾根伝いを進みます。備崎へは北側の登り口まで戻り、散策道を下って備崎の河原に出て熊野川を渡渉して対岸に渡り、本宮旧社地(大斎原)を抜けて熊野本宮大社に参拝して終了となります。
    前鬼口でバスを下車します。前鬼林道をさかのぼるとやがて見事な姿を見せる不動七重滝を眺め、林道を歩いて前鬼に着き、1日目は小仲坊に泊まります。 主稜の太古ノ辻まではほぼ谷沿いの階段道が続きます。太古ノ辻からは南へ石楠花岳を越えミヤコザサの小道を登ると天狗山に着きます。南へ下り奥守岳を越えると嫁越峠(滝川辻)です。峠から急登すること30分で地蔵岳です。ここから尾根は西南に振り、起伏をたどり乾光門、涅槃岳と過ぎさらに登りなおすと証誠無漏岳で、西に派生する支稜は奥八人山、中八人山などの山を起こしています。雑木の茂る急坂を下降し阿須迦利岳に達し坂道を下りきると、持経ノ宿に着きます。車道を横切り小ピークを3つ越えると平冶ノ宿が道端に建っています。宿から30分で転法輪岳に登り着きます。次の倶利迦羅岳は西を巻いて通過し、怒田宿跡へは横駈道を伝い、行仙岳を過ぎ南へと下ると行仙宿山小屋の建つ佐田辻に到着です。水場は四ノ川へ10分程下ったところで得られます。 3日目、早朝出発として奥駈道を笠捨山に向かいます。鉄塔のあるピークを越え小さく上下して3つ目のピーク1246mに立つと、笠捨山の双耳峰が眼前に立ちはだかります。鞍部に下って急坂を登りきり、右へ数分で笠捨山の山頂を踏みます。葛川辻まで下り、地蔵岳へは尾根伝いに登ります。シャクナゲが目立つようになると岩稜となり岩角や木の根にすがって登ると鎖場が出てきて槍ヶ岳の石漂を見ます。次のピークが地蔵岳で、小さい地蔵石仏が安置してあります。地蔵岳からはさらに難所が続き岩壁に付けられたクサリを伝い急降下します。尾根に出て四阿宿跡、南に拝み返しへと緩やかに下って行きます。香精山から急斜面を下ると大岩の貝吹金剛に出ます。上葛川への分岐のある塔ノ谷峠を過ぎ、登り返して緩やかに下ります。稚児ノ森を過ぎると玉置山へと通じる林道と併走しますが、わずかに残ったピークを踏み花折塚に着きます。奥駈道を直進すると再び林道に出て、展望台の先からかつえ坂を登り玉置山の山頂に立ちます。玉置神社へは南側の階段道を下ります。 4日目も早朝出発となります。南へと下り、玉置辻を経て大平多山分岐へは約1時間30分です。分岐から山稜の左よりを登ると大森山ですが展望はありません。次の三角点から下った鞍部が篠尾辻です。大黒天神岳からは尾根通しに下ると宝経塔のある山在峠で、さらに南へたどり吹越宿跡から七越峰へはほぼ尾根伝いを進みます。備崎へは北側の登り口まで戻り、散策道を下って備崎の河原に出て熊野川を渡渉して対岸に渡り、本宮旧社地(大斎原)を抜けて熊野本宮大社に参拝して終了となります。
  • 権現山から蓬莱山

    権現山から蓬莱山

    まずは栗原から蓬莱山のコースを紹介する。JR和邇駅から栗原まではバスで行き、そこから西に進んで妙道会の分岐まで行く。分岐は右に進み、そのまま舗装道を詰める。徐々に傾斜がきつくなり、ひと汗かくころ霊仙山口に着く。ここから山道に入り、しばらくまっすぐ行くと左に折れて、砂防ダム工事用の林道に出る。山道や左に折れる箇所には道標がある。さらに行くと旧林道終点。まっすぐ進むと新しくできた林道が権現山への急坂手前まで通じているが、未舗装でかなりの傾斜のため、車の通行は不可能。 寸断された旧登山道を横目に見ながら新しい道を登る。途中T字路になっている箇所は、北へ進む。ズコノバンから少し進むと林道終点の広場となり、いよいよ急斜面へ。岩や木株でつらい坂だが、ここを越えれば頂上である。湖西南部が一望でき、権現山から蓬莱山へは二、三の登りがあるものの概ね快適な稜線歩きとなる。 霊仙山を登るコースは霊仙山口からさらに舗装道を電波塔まで詰める。電波塔のすぐ手前、山手側に灌木に覆われた目立たない道がある。細い道だが、そこを入って行くと植林地帯になる。かなりの急斜面だが、そこを登り詰めたところが霊仙山である。ここからは広葉樹林が広がり、景色も一変して面白い。
    まずは栗原から蓬莱山のコースを紹介する。JR和邇駅から栗原まではバスで行き、そこから西に進んで妙道会の分岐まで行く。分岐は右に進み、そのまま舗装道を詰める。徐々に傾斜がきつくなり、ひと汗かくころ霊仙山口に着く。ここから山道に入り、しばらくまっすぐ行くと左に折れて、砂防ダム工事用の林道に出る。山道や左に折れる箇所には道標がある。さらに行くと旧林道終点。まっすぐ進むと新しくできた林道が権現山への急坂手前まで通じているが、未舗装でかなりの傾斜のため、車の通行は不可能。 寸断された旧登山道を横目に見ながら新しい道を登る。途中T字路になっている箇所は、北へ進む。ズコノバンから少し進むと林道終点の広場となり、いよいよ急斜面へ。岩や木株でつらい坂だが、ここを越えれば頂上である。湖西南部が一望でき、権現山から蓬莱山へは二、三の登りがあるものの概ね快適な稜線歩きとなる。 霊仙山を登るコースは霊仙山口からさらに舗装道を電波塔まで詰める。電波塔のすぐ手前、山手側に灌木に覆われた目立たない道がある。細い道だが、そこを入って行くと植林地帯になる。かなりの急斜面だが、そこを登り詰めたところが霊仙山である。ここからは広葉樹林が広がり、景色も一変して面白い。
  • 権現山から蓬莱山

    権現山から蓬莱山

    まずは栗原から蓬莱山のコースを紹介する。JR和邇駅から栗原まではバスで行き、そこから西に進んで妙道会の分岐まで行く。分岐は右に進み、そのまま舗装道を詰める。徐々に傾斜がきつくなり、ひと汗かくころ霊仙山口に着く。ここから山道に入り、しばらくまっすぐ行くと左に折れて、砂防ダム工事用の林道に出る。山道や左に折れる箇所には道標がある。さらに行くと旧林道終点。まっすぐ進むと新しくできた林道が権現山への急坂手前まで通じているが、未舗装でかなりの傾斜のため、車の通行は不可能。 寸断された旧登山道を横目に見ながら新しい道を登る。途中T字路になっている箇所は、北へ進む。ズコノバンから少し進むと林道終点の広場となり、いよいよ急斜面へ。岩や木株でつらい坂だが、ここを越えれば頂上である。湖西南部が一望でき、権現山から蓬莱山へは二、三の登りがあるものの概ね快適な稜線歩きとなる。 霊仙山を登るコースは霊仙山口からさらに舗装道を電波塔まで詰める。電波塔のすぐ手前、山手側に灌木に覆われた目立たない道がある。細い道だが、そこを入って行くと植林地帯になる。かなりの急斜面だが、そこを登り詰めたところが霊仙山である。ここからは広葉樹林が広がり、景色も一変して面白い。
    まずは栗原から蓬莱山のコースを紹介する。JR和邇駅から栗原まではバスで行き、そこから西に進んで妙道会の分岐まで行く。分岐は右に進み、そのまま舗装道を詰める。徐々に傾斜がきつくなり、ひと汗かくころ霊仙山口に着く。ここから山道に入り、しばらくまっすぐ行くと左に折れて、砂防ダム工事用の林道に出る。山道や左に折れる箇所には道標がある。さらに行くと旧林道終点。まっすぐ進むと新しくできた林道が権現山への急坂手前まで通じているが、未舗装でかなりの傾斜のため、車の通行は不可能。 寸断された旧登山道を横目に見ながら新しい道を登る。途中T字路になっている箇所は、北へ進む。ズコノバンから少し進むと林道終点の広場となり、いよいよ急斜面へ。岩や木株でつらい坂だが、ここを越えれば頂上である。湖西南部が一望でき、権現山から蓬莱山へは二、三の登りがあるものの概ね快適な稜線歩きとなる。 霊仙山を登るコースは霊仙山口からさらに舗装道を電波塔まで詰める。電波塔のすぐ手前、山手側に灌木に覆われた目立たない道がある。細い道だが、そこを入って行くと植林地帯になる。かなりの急斜面だが、そこを登り詰めたところが霊仙山である。ここからは広葉樹林が広がり、景色も一変して面白い。
  • 葛川坂下から蓬莱山

    葛川坂下から蓬莱山

    国道367号の坂下トンネルを越えたところに下坂下バス停がある。下坂下から延びる旧道を安曇川に沿って南に戻り、集落の南端、道が西に曲がる手前で左下の道に入る。橋を渡ってすぐ左手に、川沿いを上るサカ谷登山道の入口がある。目立たぬ入口なので要注意、そのまま右に進めば近畿自然歩道となってしまう。 さて、入口から堰堤をいくつか越えると、渡渉点がある。対岸に渡り、道標を過ぎると、やがて急坂になる。このジグザグ道を登り、尾根を横切り、さらに進んで広い広葉樹林帯の緩斜面となり、ついで杉の植林の急斜面となる。谷状の急斜面を登り、尾根に出ると、坂はゆるやかになる。あとは少しずつ登って高度を稼ぐ。しばらくシダの草原の中を歩くと蓬莱山頂も見えてくる。稜線を下って左に曲がれば小女郎ヶ池の湿原である。 池のほとりには小女郎池伝説の看板があるので、それを読んでから小女郎峠に向かう。小女郎峠南の小高いピークは眺めも良く休憩によいだろう。峠から蓬莱山までは少しあるが快適な稜線の道で、がんばって登れば30分程度で頂上である。頂上はスキー場のリフト降り場になっており、半円形の展望デッキもあり、琵琶湖の眺めも最高である。
    国道367号の坂下トンネルを越えたところに下坂下バス停がある。下坂下から延びる旧道を安曇川に沿って南に戻り、集落の南端、道が西に曲がる手前で左下の道に入る。橋を渡ってすぐ左手に、川沿いを上るサカ谷登山道の入口がある。目立たぬ入口なので要注意、そのまま右に進めば近畿自然歩道となってしまう。 さて、入口から堰堤をいくつか越えると、渡渉点がある。対岸に渡り、道標を過ぎると、やがて急坂になる。このジグザグ道を登り、尾根を横切り、さらに進んで広い広葉樹林帯の緩斜面となり、ついで杉の植林の急斜面となる。谷状の急斜面を登り、尾根に出ると、坂はゆるやかになる。あとは少しずつ登って高度を稼ぐ。しばらくシダの草原の中を歩くと蓬莱山頂も見えてくる。稜線を下って左に曲がれば小女郎ヶ池の湿原である。 池のほとりには小女郎池伝説の看板があるので、それを読んでから小女郎峠に向かう。小女郎峠南の小高いピークは眺めも良く休憩によいだろう。峠から蓬莱山までは少しあるが快適な稜線の道で、がんばって登れば30分程度で頂上である。頂上はスキー場のリフト降り場になっており、半円形の展望デッキもあり、琵琶湖の眺めも最高である。
  • キタダカ道から蓬莱山

    キタダカ道から蓬莱山

    JR志賀駅から国道161号を過ぎ、木戸の樹下神社前に行く。左右どちらからでも登れるが、ここは左を行くとしよう。新しい住宅地を過ぎ、湖西道路のトンネルをくぐると道路下の舗装道であるが、南側山手に林道の入口がある。これは、びわ湖バレイの駐車場につづく道で、300mほど上ると右への分かれ道がある。この道は広いが勾配がきつい。盤所橋からの道との合流点を過ぎ、この林道を詰めたところが大きな堰堤で、ここを高巻くと昔からの登山道となる。 谷から尾根近くの天狗杉まではつづら折れが幾度となく繰り返される。天狗杉はひときわ大きな杉の木で休憩によい。ここを過ぎると道は狭くなる。花崗岩が見え隠れし、南の展望を得た後、道が北斜面に巻き込むとクロトノハゲが現れる。クロトノハゲは花崗岩とそのザレ場である。なお、ここから木戸峠への道は崩落が多く通行止のため地図から削除した。 クロトノハゲからはさらにもうひと息打見山に向かって進み、平坦部から左にトラバースしてロープウェイ下をくぐり抜ける。この辺りから琵琶湖の展望が広がってくる。天命水から打見山頂上はすぐ、頂上から少し下ると笹平である。蓬莱山へは笹平からゲレンデの端を登る。なお、打見山には琵琶湖を一望できる「びわ湖テラス」がつくられた。
    JR志賀駅から国道161号を過ぎ、木戸の樹下神社前に行く。左右どちらからでも登れるが、ここは左を行くとしよう。新しい住宅地を過ぎ、湖西道路のトンネルをくぐると道路下の舗装道であるが、南側山手に林道の入口がある。これは、びわ湖バレイの駐車場につづく道で、300mほど上ると右への分かれ道がある。この道は広いが勾配がきつい。盤所橋からの道との合流点を過ぎ、この林道を詰めたところが大きな堰堤で、ここを高巻くと昔からの登山道となる。 谷から尾根近くの天狗杉まではつづら折れが幾度となく繰り返される。天狗杉はひときわ大きな杉の木で休憩によい。ここを過ぎると道は狭くなる。花崗岩が見え隠れし、南の展望を得た後、道が北斜面に巻き込むとクロトノハゲが現れる。クロトノハゲは花崗岩とそのザレ場である。なお、ここから木戸峠への道は崩落が多く通行止のため地図から削除した。 クロトノハゲからはさらにもうひと息打見山に向かって進み、平坦部から左にトラバースしてロープウェイ下をくぐり抜ける。この辺りから琵琶湖の展望が広がってくる。天命水から打見山頂上はすぐ、頂上から少し下ると笹平である。蓬莱山へは笹平からゲレンデの端を登る。なお、打見山には琵琶湖を一望できる「びわ湖テラス」がつくられた。
  • 白滝谷から蓬莱山

    白滝谷から蓬莱山

    坊村から地主神社の横を通って明王谷の林道に入る。ただし、林道へは車は立入禁止。また、近年林道で大規模な壁面崩落があった。通行には十分注意のこと。途中、三の滝に立ち寄るのもよい。約1時間で牛コバ、そこから登山道に入る。ほどなく谷べりの道となる。ここ数年の豪雨で道は荒れ、危険箇所も増えているが、大岩や小滝を楽しみながら上っていくと、ジグザグの急登にさしかかる。ここを越えてしばらく行けば夫婦滝入口への広場となる。ここから夫婦滝までは約5分である。また、ここは白滝山コースとの分岐にもなっている。ここを過ぎると谷の様子は少し穏やかになる。ゆるやかな流れや淵を横目に橋を渡ると、周りはびわ湖バレイの散策コースの風情となり、広い汁谷に着く。最後はスキーコースの急な斜面を登って蓬莱山頂に至る。夫婦滝より上は人工物が多く趣にかけるが、それまでは比良の中で最も身近に渓流美を味わえるコースではなかろうか。なお、びわ湖バレイからくる場合、このコースは決して安易な道ではないので観光気分で下りないこと。とくに夫婦滝より下部は崩壊している箇所も多く、足元をしっかりさせておかないと危険である。 なお、白滝山から長池方面を巡るコースも捨てがたい。道がわかりにくいので上級者向けとなるが、白滝山からの池めぐりや長池から汁谷へのルートも趣がある。
    坊村から地主神社の横を通って明王谷の林道に入る。ただし、林道へは車は立入禁止。また、近年林道で大規模な壁面崩落があった。通行には十分注意のこと。途中、三の滝に立ち寄るのもよい。約1時間で牛コバ、そこから登山道に入る。ほどなく谷べりの道となる。ここ数年の豪雨で道は荒れ、危険箇所も増えているが、大岩や小滝を楽しみながら上っていくと、ジグザグの急登にさしかかる。ここを越えてしばらく行けば夫婦滝入口への広場となる。ここから夫婦滝までは約5分である。また、ここは白滝山コースとの分岐にもなっている。ここを過ぎると谷の様子は少し穏やかになる。ゆるやかな流れや淵を横目に橋を渡ると、周りはびわ湖バレイの散策コースの風情となり、広い汁谷に着く。最後はスキーコースの急な斜面を登って蓬莱山頂に至る。夫婦滝より上は人工物が多く趣にかけるが、それまでは比良の中で最も身近に渓流美を味わえるコースではなかろうか。なお、びわ湖バレイからくる場合、このコースは決して安易な道ではないので観光気分で下りないこと。とくに夫婦滝より下部は崩壊している箇所も多く、足元をしっかりさせておかないと危険である。 なお、白滝山から長池方面を巡るコースも捨てがたい。道がわかりにくいので上級者向けとなるが、白滝山からの池めぐりや長池から汁谷へのルートも趣がある。
  • イン谷から武奈ヶ岳

    イン谷から武奈ヶ岳

    琵琶湖側から武奈ヶ岳へ登るコースはいくつかあるが、正面谷とダケ道のコースを紹介しよう。上記のタイムは正面谷からコヤマノ岳を経由して武奈ヶ岳に至るコースである。ただし、正面谷は利用者が多いものの、途中の青ガレと呼ばれるガレ場や金糞峠手前の急登は険しく危険だ。また、青ガレまでの道は斜面の崩壊が進み、危険な状況になっている。十分注意してほしい。 正面谷へはイン谷口をまっすぐ西に林道を上がる。園地や堰堤を過ぎると大山口だが、ここもまっすぐ進む。カーブは曲がらず、そのまま川沿いの登山道に入る。なお進み、左に登ると旧道に合流する。やがて小さな堰の下流で渡渉して青ガレに取り付く。ガレ場では左端が通路、登りきってから水平道を経て金糞峠への急登となる。ヨキトウゲ谷は一転、中古生層の落ち着いた谷筋である。中峠まで行き、ササとブナがきれいなコヤマノ岳に向かう。ここから武奈ヶ岳は目と鼻の先である。 ダケ道コースは大山口から入り、八雲ヶ原を経て武奈ヶ岳に至る。ダケ道は、関係者の努力で整備され歩きやすくなった。カモシカ台で一息つき、さらに登り、荒々しい神璽谷を見下ろしながら進むと北比良峠に出る。そこから八雲ヶ原に下ったら、武奈ヶ岳までは1時間強である。
    琵琶湖側から武奈ヶ岳へ登るコースはいくつかあるが、正面谷とダケ道のコースを紹介しよう。上記のタイムは正面谷からコヤマノ岳を経由して武奈ヶ岳に至るコースである。ただし、正面谷は利用者が多いものの、途中の青ガレと呼ばれるガレ場や金糞峠手前の急登は険しく危険だ。また、青ガレまでの道は斜面の崩壊が進み、危険な状況になっている。十分注意してほしい。 正面谷へはイン谷口をまっすぐ西に林道を上がる。園地や堰堤を過ぎると大山口だが、ここもまっすぐ進む。カーブは曲がらず、そのまま川沿いの登山道に入る。なお進み、左に登ると旧道に合流する。やがて小さな堰の下流で渡渉して青ガレに取り付く。ガレ場では左端が通路、登りきってから水平道を経て金糞峠への急登となる。ヨキトウゲ谷は一転、中古生層の落ち着いた谷筋である。中峠まで行き、ササとブナがきれいなコヤマノ岳に向かう。ここから武奈ヶ岳は目と鼻の先である。 ダケ道コースは大山口から入り、八雲ヶ原を経て武奈ヶ岳に至る。ダケ道は、関係者の努力で整備され歩きやすくなった。カモシカ台で一息つき、さらに登り、荒々しい神璽谷を見下ろしながら進むと北比良峠に出る。そこから八雲ヶ原に下ったら、武奈ヶ岳までは1時間強である。
  • イン谷から武奈ヶ岳

    イン谷から武奈ヶ岳

    琵琶湖側から武奈ヶ岳へ登るコースはいくつかあるが、正面谷とダケ道のコースを紹介しよう。上記のタイムは正面谷からコヤマノ岳を経由して武奈ヶ岳に至るコースである。ただし、正面谷は利用者が多いものの、途中の青ガレと呼ばれるガレ場や金糞峠手前の急登は険しく危険だ。また、青ガレまでの道は斜面の崩壊が進み、危険な状況になっている。十分注意してほしい。 正面谷へはイン谷口をまっすぐ西に林道を上がる。園地や堰堤を過ぎると大山口だが、ここもまっすぐ進む。カーブは曲がらず、そのまま川沿いの登山道に入る。なお進み、左に登ると旧道に合流する。やがて小さな堰の下流で渡渉して青ガレに取り付く。ガレ場では左端が通路、登りきってから水平道を経て金糞峠への急登となる。ヨキトウゲ谷は一転、中古生層の落ち着いた谷筋である。中峠まで行き、ササとブナがきれいなコヤマノ岳に向かう。ここから武奈ヶ岳は目と鼻の先である。 ダケ道コースは大山口から入り、八雲ヶ原を経て武奈ヶ岳に至る。ダケ道は、関係者の努力で整備され歩きやすくなった。カモシカ台で一息つき、さらに登り、荒々しい神璽谷を見下ろしながら進むと北比良峠に出る。そこから八雲ヶ原に下ったら、武奈ヶ岳までは1時間強である。
    琵琶湖側から武奈ヶ岳へ登るコースはいくつかあるが、正面谷とダケ道のコースを紹介しよう。上記のタイムは正面谷からコヤマノ岳を経由して武奈ヶ岳に至るコースである。ただし、正面谷は利用者が多いものの、途中の青ガレと呼ばれるガレ場や金糞峠手前の急登は険しく危険だ。また、青ガレまでの道は斜面の崩壊が進み、危険な状況になっている。十分注意してほしい。 正面谷へはイン谷口をまっすぐ西に林道を上がる。園地や堰堤を過ぎると大山口だが、ここもまっすぐ進む。カーブは曲がらず、そのまま川沿いの登山道に入る。なお進み、左に登ると旧道に合流する。やがて小さな堰の下流で渡渉して青ガレに取り付く。ガレ場では左端が通路、登りきってから水平道を経て金糞峠への急登となる。ヨキトウゲ谷は一転、中古生層の落ち着いた谷筋である。中峠まで行き、ササとブナがきれいなコヤマノ岳に向かう。ここから武奈ヶ岳は目と鼻の先である。 ダケ道コースは大山口から入り、八雲ヶ原を経て武奈ヶ岳に至る。ダケ道は、関係者の努力で整備され歩きやすくなった。カモシカ台で一息つき、さらに登り、荒々しい神璽谷を見下ろしながら進むと北比良峠に出る。そこから八雲ヶ原に下ったら、武奈ヶ岳までは1時間強である。