【3泊4日以上】の登山コースガイド
3泊4日以上
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三国岳・飯豊山・大日岳・北股岳・朳差岳をつなぐ
- 3泊4日
- 31時間40分
- 45.1km
三国岳・飯豊山・大日岳・北股岳・朳差岳をつなぐ
- 3泊4日
- 31時間40分
- 45.1km
ほぼ南北に伸びる飯豊連峰の主稜線は、東北地方屈指の縦走路です。この主稜線上のピークを繋ぐ“飯豊全山縦走”に挑戦する登山者が最近増えているようですが、ここでは歴史ある南端の登山口川入から北端の登山口大石ダムまで、3泊4日で辿るコースを紹介します。重装備を担いで4日間歩き通す体力と、岩場や残雪に対する歩行技術、読図力などが必要になってくる経験者向けの行程です。 1日目。川入地区の御沢野営場から出発。杉の大木が並ぶ御沢小屋跡からは、名前通りの長坂を辛抱強く登っていきます。地蔵山分岐手前にある地蔵水場は、急坂を登ってきた登山者へのありがたいご褒美。池塘がある湿地帯を通ると、連峰一の岩稜帯剣ヶ峰が待ち構えていますが、慎重に登っていけば難しくはないでしょう。岩場を越え5分ほどで三国小屋に到着します。飯豊本山や大日岳の展望が見られ、これからの登山に胸躍らされます。 三国小屋から七森の間にも岩稜帯があり注意が必要です。この先の御秘所も含め、岩稜帯では取り付く前に必ずストックを収納することが原則です。種蒔山を通り、お花畑を眺めながら下っていくと、切合小屋に到着します。1泊目は出発時間や体調に合わせて三国小屋か切合小屋を選びましょう。 2日目。切合小屋を出発し、残雪とその消え際から生えてくる高山植物を楽しみながら窪地状斜面を登り詰めると、草履塚のピークに出ます。綺麗なおべべを着せてもらった姥権現まで下り、両側が切れ落ちた高度感ある御秘所を越え、急登の御前坂を登り詰めると本山小屋が現れてきます。ここから飯豊山は20分弱で到着です。 山頂からは吾妻連峰、蔵王連峰、朝日連峰など、360度の展望を堪能できます。周辺では固有種のイイデリンドウがたくさん咲いており、マルバコゴメグサやタカネツメクサ、イワウメなども見られます。 飯豊山から駒形山に下りる途中で左に曲がらず、そのまま下に続いている構造土を登山道と間違えて迷い込んでいる登山者が多いので注意してください。 草月平はニッコウキスゲやタカネマツムシソウなどを楽しめるお花畑です。池塘の点在する草原を通り抜けると御西小屋に到着。ここは最高峰大日岳に向かう分岐点であり、日没や日の出のときに小屋から眺める牛首山を伴った大日岳の姿は圧倒的に荘厳です。 小屋の軒先に荷物を置かせてもらい、サブザックで大日岳をピストンします。チングルマの咲く道を下り、右下に文平ノ池を見ます。その後はぐいぐいと高度を上げて山頂に至ります。大日岳は主稜から少し離れた最高峰であり、飯豊連峰を鳥瞰しているような素晴らしい眺めです。 御西小屋に戻り荷物を整理して梅花皮小屋へと向かいます。1時間ほどで天狗ノ庭に辿り着きます。ここは登山者の踏圧と幕営により、表土が剥ぎ取られて裸地化し、池塘の点在する広大な湿原が失われた場所です。この荒廃を回復するため登山道を頂稜に移して踏圧を回避し、2007年からボランティアによる植生回復作業が幾度となく実施されています。 天狗ノ庭から烏帽子岳の間は、東側の急な斜面に夏まで雪庇の名残の雪渓が次々と現れます。登山道が残雪で遮断されてルートが分からなくなることもあります。残雪を巻く際、ストックだけで通過する登山者をよく見かけますが、この区間は石転ビ沢と同様に重大な滑落事故が多いのです。筆者は必ずピッケルを持参し、ルート工作や滑落に備えています。 ここより梅花皮岳にかけては、雪庇崩壊で削られた斜面にハクサンコザクラやミヤマダイモンジソウなどのお花畑が広がっています。何が見られるかはその時期のお楽しみです。 梅花皮岳の先は東面が崩れているので足元に注意をします。この区間ではクロユリやハクセンナズナなどの珍しい花に遭えるかもしれません。20分ほど下ると鞍部に建つ梅花皮小屋に到着します。水場も優れ、水洗トイレの評判も良い快適な小屋です。2泊目は状況によって御西小屋か梅花皮小屋泊かを選択します。 3日目。梅花皮小屋を出発し急坂を登り終えると、連峰北部の最高峰北股岳山頂です。振り返ると南には今まで辿ってきた稜線が続いており、北に見える杁差岳もだいぶ近くになってきました。 北股岳からは快適な稜線歩き。ギルダ原には乾性のお花畑が広がります。門内小屋を過ぎ、梶川尾根と合流する場所が扇ノ地紙です。地名は、扇を開いたような雪形が残ることに由来します。この先の地神山と読み方は同じですが、漢字が違う所が面白いですね。 北峰の次は頼母木山。ここから小国町の民宿奥川入の先まで伸びる長大な西俣尾根には、かつて登山道がありました。今でも残雪期にはよく登られています。イイデリンドウはこの辺りが北限となっています。頼母木山から下りていくと頼母木小屋に到着します。ここは管理棟のすぐ脇に水場があり、楽に水をいつでも利用できることがとてもありがたいです。 小屋からなだらかな山稜を辿っていき、大石山分岐へ。この一帯は6月初旬には一面のハクサンイチゲの花畑になります。ここから朳差岳をピストンして足ノ松尾根を降りる人が多いですが、全山縦走の場合はやはり大石ダムまで下ることが満足感を高めてくれるようです。 登り返して独立峰のように起立している鉾立峰で一休み。急坂を下って更に登り返し、左手に藤島玄のレリーフを見つけたら程なく朳差小屋に到着です。朳差小屋は水場まで10分ほど下りていかなければならず少し不便。しかし、頼母木小屋同様、小屋から日本海に沈む夕日を直接見られることは大きな魅力で、静かな雰囲気を味わいたい人に人気がある場所でもあります。3泊目は頼母木小屋か朳差小屋を選択します。 4日目。朳差岳では歩いてきた飯豊稜線の最後の展望を楽しみましょう。ここから権内尾根を下山します。池塘帯の美しい長者平を通り終えると、あとはあまり足場の良くない急坂を慎重に下っていくことになります。東に大境山、北に光兎山、西に日本海の海岸線と、今までとはがらりと違った展望が得られます。東俣川まで下り、吊橋を二つ超えると林道終点に辿り着きます。あとは1時間程で東俣彫刻公園のゲートにゴールします。ほぼ南北に伸びる飯豊連峰の主稜線は、東北地方屈指の縦走路です。この主稜線上のピークを繋ぐ“飯豊全山縦走”に挑戦する登山者が最近増えているようですが、ここでは歴史ある南端の登山口川入から北端の登山口大石ダムまで、3泊4日で辿るコースを紹介します。重装備を担いで4日間歩き通す体力と、岩場や残雪に対する歩行技術、読図力などが必要になってくる経験者向けの行程です。 1日目。川入地区の御沢野営場から出発。杉の大木が並ぶ御沢小屋跡からは、名前通りの長坂を辛抱強く登っていきます。地蔵山分岐手前にある地蔵水場は、急坂を登ってきた登山者へのありがたいご褒美。池塘がある湿地帯を通ると、連峰一の岩稜帯剣ヶ峰が待ち構えていますが、慎重に登っていけば難しくはないでしょう。岩場を越え5分ほどで三国小屋に到着します。飯豊本山や大日岳の展望が見られ、これからの登山に胸躍らされます。 三国小屋から七森の間にも岩稜帯があり注意が必要です。この先の御秘所も含め、岩稜帯では取り付く前に必ずストックを収納することが原則です。種蒔山を通り、お花畑を眺めながら下っていくと、切合小屋に到着します。1泊目は出発時間や体調に合わせて三国小屋か切合小屋を選びましょう。 2日目。切合小屋を出発し、残雪とその消え際から生えてくる高山植物を楽しみながら窪地状斜面を登り詰めると、草履塚のピークに出ます。綺麗なおべべを着せてもらった姥権現まで下り、両側が切れ落ちた高度感ある御秘所を越え、急登の御前坂を登り詰めると本山小屋が現れてきます。ここから飯豊山は20分弱で到着です。 山頂からは吾妻連峰、蔵王連峰、朝日連峰など、360度の展望を堪能できます。周辺では固有種のイイデリンドウがたくさん咲いており、マルバコゴメグサやタカネツメクサ、イワウメなども見られます。 飯豊山から駒形山に下りる途中で左に曲がらず、そのまま下に続いている構造土を登山道と間違えて迷い込んでいる登山者が多いので注意してください。 草月平はニッコウキスゲやタカネマツムシソウなどを楽しめるお花畑です。池塘の点在する草原を通り抜けると御西小屋に到着。ここは最高峰大日岳に向かう分岐点であり、日没や日の出のときに小屋から眺める牛首山を伴った大日岳の姿は圧倒的に荘厳です。 小屋の軒先に荷物を置かせてもらい、サブザックで大日岳をピストンします。チングルマの咲く道を下り、右下に文平ノ池を見ます。その後はぐいぐいと高度を上げて山頂に至ります。大日岳は主稜から少し離れた最高峰であり、飯豊連峰を鳥瞰しているような素晴らしい眺めです。 御西小屋に戻り荷物を整理して梅花皮小屋へと向かいます。1時間ほどで天狗ノ庭に辿り着きます。ここは登山者の踏圧と幕営により、表土が剥ぎ取られて裸地化し、池塘の点在する広大な湿原が失われた場所です。この荒廃を回復するため登山道を頂稜に移して踏圧を回避し、2007年からボランティアによる植生回復作業が幾度となく実施されています。 天狗ノ庭から烏帽子岳の間は、東側の急な斜面に夏まで雪庇の名残の雪渓が次々と現れます。登山道が残雪で遮断されてルートが分からなくなることもあります。残雪を巻く際、ストックだけで通過する登山者をよく見かけますが、この区間は石転ビ沢と同様に重大な滑落事故が多いのです。筆者は必ずピッケルを持参し、ルート工作や滑落に備えています。 ここより梅花皮岳にかけては、雪庇崩壊で削られた斜面にハクサンコザクラやミヤマダイモンジソウなどのお花畑が広がっています。何が見られるかはその時期のお楽しみです。 梅花皮岳の先は東面が崩れているので足元に注意をします。この区間ではクロユリやハクセンナズナなどの珍しい花に遭えるかもしれません。20分ほど下ると鞍部に建つ梅花皮小屋に到着します。水場も優れ、水洗トイレの評判も良い快適な小屋です。2泊目は状況によって御西小屋か梅花皮小屋泊かを選択します。 3日目。梅花皮小屋を出発し急坂を登り終えると、連峰北部の最高峰北股岳山頂です。振り返ると南には今まで辿ってきた稜線が続いており、北に見える杁差岳もだいぶ近くになってきました。 北股岳からは快適な稜線歩き。ギルダ原には乾性のお花畑が広がります。門内小屋を過ぎ、梶川尾根と合流する場所が扇ノ地紙です。地名は、扇を開いたような雪形が残ることに由来します。この先の地神山と読み方は同じですが、漢字が違う所が面白いですね。 北峰の次は頼母木山。ここから小国町の民宿奥川入の先まで伸びる長大な西俣尾根には、かつて登山道がありました。今でも残雪期にはよく登られています。イイデリンドウはこの辺りが北限となっています。頼母木山から下りていくと頼母木小屋に到着します。ここは管理棟のすぐ脇に水場があり、楽に水をいつでも利用できることがとてもありがたいです。 小屋からなだらかな山稜を辿っていき、大石山分岐へ。この一帯は6月初旬には一面のハクサンイチゲの花畑になります。ここから朳差岳をピストンして足ノ松尾根を降りる人が多いですが、全山縦走の場合はやはり大石ダムまで下ることが満足感を高めてくれるようです。 登り返して独立峰のように起立している鉾立峰で一休み。急坂を下って更に登り返し、左手に藤島玄のレリーフを見つけたら程なく朳差小屋に到着です。朳差小屋は水場まで10分ほど下りていかなければならず少し不便。しかし、頼母木小屋同様、小屋から日本海に沈む夕日を直接見られることは大きな魅力で、静かな雰囲気を味わいたい人に人気がある場所でもあります。3泊目は頼母木小屋か朳差小屋を選択します。 4日目。朳差岳では歩いてきた飯豊稜線の最後の展望を楽しみましょう。ここから権内尾根を下山します。池塘帯の美しい長者平を通り終えると、あとはあまり足場の良くない急坂を慎重に下っていくことになります。東に大境山、北に光兎山、西に日本海の海岸線と、今までとはがらりと違った展望が得られます。東俣川まで下り、吊橋を二つ超えると林道終点に辿り着きます。あとは1時間程で東俣彫刻公園のゲートにゴールします。 -
五竜岳から鹿島槍ヶ岳へ
- 3泊4日
- 20時間50分
- 23.3km
五竜岳から鹿島槍ヶ岳へ
- 3泊4日
- 20時間50分
- 23.3km
五竜岳から鹿島槍ヶ岳まではすべて岩稜です。要所にハシゴやクサリ、桟道が架かりますが、気の抜けない箇所が連続する難所です。しかも全般にアップダウンがきついため、初心者、体力に自信のない方にはおすすめできません。また本コースを歩くのに手袋は必携です(できれば滑り止めの付いたものを)。冷たいハシゴや岩を始終つかんでいると、夏でも手がかじかんでしまいます。 アルプス平駅(遠見尾根)から五竜岳までは八方尾根から唐松岳、五竜岳へ(コースガイド)を参照。 五竜岳山頂からガレ場の急坂を下り、G4と呼ばれる岩峰に向かいます。スリップすると自身がケガをするばかりか、他の登山者にも危険を及ぼしてしまうので注意が必要なところです。またペース配分にも気をつけましょう。狭く険しい岩稜では、好きなところに腰を下ろすというわけにはいきません。バテない程度のスピードで行きましょう。 G4を過ぎ、G5のやせ尾根を抜け、比較的穏やかになった道をたどると、G7を経て北尾根ノ頭に至ります。このあたりには、ところどころ腰を下ろせる場所があります。さらに下って行くと口ノ沢のコル。ここは五竜岳、鹿島槍ヶ岳間の最低鞍部で、五竜岳から400m下ったことになります。 コルからの登り返しも急坂です。「三段登り」と呼ばれる坂に差し掛かると、再びハシゴやクサリの連続する岩稜に入ります。垂直に近いアップダウンを繰り返してこれを抜けると、ようやくキレット小屋が見えてきます。 小屋をあとにすると、すぐにハシゴの架かる絶壁です。ここから鹿島槍ヶ岳北峰までは八峰キレットと呼ばれる急な岩稜です。上部に至ると傾斜はやや緩みますが、随所にガレ場があるので注意しましょう。北峰を見上げながら登って行くと、ようやく道が平らになり、基部に至って分岐に出ます。左に進んでひと登りすれば、鹿島槍ヶ岳北峰に到着です。展望は素晴らしく、南峰はもちろん、北アルプス一帯を広く見渡せます。また平家の落人伝説が残るカクネ里の谷を見下ろせます。 北峰、南峰の間は吊尾根と呼ばれます。北峰までと比べれば歩きやすいのですが、気を抜かないように。両山頂ともに、直下は急坂で滑りやすいです。また、ちょうど疲れが出るころでもあります。 鹿島槍ヶ岳南峰から爺ヶ岳へは扇沢から鹿島槍ヶ岳へ(コースガイド)、爺ヶ岳から扇沢までは扇沢から爺ヶ岳へ(コースガイド)を参照。五竜岳から鹿島槍ヶ岳まではすべて岩稜です。要所にハシゴやクサリ、桟道が架かりますが、気の抜けない箇所が連続する難所です。しかも全般にアップダウンがきついため、初心者、体力に自信のない方にはおすすめできません。また本コースを歩くのに手袋は必携です(できれば滑り止めの付いたものを)。冷たいハシゴや岩を始終つかんでいると、夏でも手がかじかんでしまいます。 アルプス平駅(遠見尾根)から五竜岳までは八方尾根から唐松岳、五竜岳へ(コースガイド)を参照。 五竜岳山頂からガレ場の急坂を下り、G4と呼ばれる岩峰に向かいます。スリップすると自身がケガをするばかりか、他の登山者にも危険を及ぼしてしまうので注意が必要なところです。またペース配分にも気をつけましょう。狭く険しい岩稜では、好きなところに腰を下ろすというわけにはいきません。バテない程度のスピードで行きましょう。 G4を過ぎ、G5のやせ尾根を抜け、比較的穏やかになった道をたどると、G7を経て北尾根ノ頭に至ります。このあたりには、ところどころ腰を下ろせる場所があります。さらに下って行くと口ノ沢のコル。ここは五竜岳、鹿島槍ヶ岳間の最低鞍部で、五竜岳から400m下ったことになります。 コルからの登り返しも急坂です。「三段登り」と呼ばれる坂に差し掛かると、再びハシゴやクサリの連続する岩稜に入ります。垂直に近いアップダウンを繰り返してこれを抜けると、ようやくキレット小屋が見えてきます。 小屋をあとにすると、すぐにハシゴの架かる絶壁です。ここから鹿島槍ヶ岳北峰までは八峰キレットと呼ばれる急な岩稜です。上部に至ると傾斜はやや緩みますが、随所にガレ場があるので注意しましょう。北峰を見上げながら登って行くと、ようやく道が平らになり、基部に至って分岐に出ます。左に進んでひと登りすれば、鹿島槍ヶ岳北峰に到着です。展望は素晴らしく、南峰はもちろん、北アルプス一帯を広く見渡せます。また平家の落人伝説が残るカクネ里の谷を見下ろせます。 北峰、南峰の間は吊尾根と呼ばれます。北峰までと比べれば歩きやすいのですが、気を抜かないように。両山頂ともに、直下は急坂で滑りやすいです。また、ちょうど疲れが出るころでもあります。 鹿島槍ヶ岳南峰から爺ヶ岳へは扇沢から鹿島槍ヶ岳へ(コースガイド)、爺ヶ岳から扇沢までは扇沢から爺ヶ岳へ(コースガイド)を参照。 -
野口五郎岳から水晶岳へ
- 3泊4日
- 21時間0分
- 25.3km
野口五郎岳から水晶岳へ
- 3泊4日
- 21時間0分
- 25.3km
湯俣から野口五郎岳までは高瀬ダムから湯俣温泉を経て野口五郎岳へ(コースガイド)を参照。 野口五郎岳から下り、砂礫の道をたどって進みます。野口五郎小屋からの巻き道を合せたのち、真砂岳の西側斜面を横切ると分岐です。ここで湯俣に下る竹村新道を分けて直進し、稜線に沿って足を進めると東沢乗越に至ります。あたりは広々としており、休憩に適しています。ここまで足元の心配はほとんどありません。 乗越から登り返してしばらく行くと、次第に傾斜は急になります。赤くざらつく砂礫の道を登り切ると水晶小屋です。小屋の裏は分岐となっており、左は岩苔乗越、鷲羽岳方面へ。水晶岳へは右に進みます。歩き出しはゆるやかですが、水晶岳に近づくにつれ坂が急になり、岩稜の登りとなるので慎重に足を進めましょう。ペンキ印を拾うように登れば、岩塊の重なる狭い水晶岳山頂に出ます。展望は素晴らしく、北アルプス一帯をぐるりと見渡せます。とくに南側は印象的です。はるかに岩峰を連ねる穂高と槍ヶ岳が一望できます。また山頂からは赤牛岳への道が延びています。湯俣から野口五郎岳までは高瀬ダムから湯俣温泉を経て野口五郎岳へ(コースガイド)を参照。 野口五郎岳から下り、砂礫の道をたどって進みます。野口五郎小屋からの巻き道を合せたのち、真砂岳の西側斜面を横切ると分岐です。ここで湯俣に下る竹村新道を分けて直進し、稜線に沿って足を進めると東沢乗越に至ります。あたりは広々としており、休憩に適しています。ここまで足元の心配はほとんどありません。 乗越から登り返してしばらく行くと、次第に傾斜は急になります。赤くざらつく砂礫の道を登り切ると水晶小屋です。小屋の裏は分岐となっており、左は岩苔乗越、鷲羽岳方面へ。水晶岳へは右に進みます。歩き出しはゆるやかですが、水晶岳に近づくにつれ坂が急になり、岩稜の登りとなるので慎重に足を進めましょう。ペンキ印を拾うように登れば、岩塊の重なる狭い水晶岳山頂に出ます。展望は素晴らしく、北アルプス一帯をぐるりと見渡せます。とくに南側は印象的です。はるかに岩峰を連ねる穂高と槍ヶ岳が一望できます。また山頂からは赤牛岳への道が延びています。 -
裏剱 仙人新道・水平歩道
- 3泊4日
- 21時間0分
- 29.1km
裏剱 仙人新道・水平歩道
- 3泊4日
- 21時間0分
- 29.1km
室堂ターミナルを出発し、雷鳥沢・雷鳥坂をへて、剱御前小舎へ進みます。そこから剱沢を下ります。剱澤小屋を越えまもまなく日本三大雪渓のひとつにも数えらる大雪渓に出ます。アイゼンを装着しゆっくり下ります。雪渓上のクレパスやシュルンド等には注意して歩きましょう。特にスノーブリッジや氷化し薄雪部分には十分に注意してください。 長次郎出合周辺で左岸へ渡り、ペンキを頼りに真砂沢ロッジへ下ります。滝や激流のへの転落に注意しましょう。真砂沢ロッジを過ぎまもなく、ハシゴ谷乗越・内蔵助平方面への分岐に至ります。さらに本流を下ります。細かなアップダウンを繰り返しハシゴや鎖場を通過して進むと、広い河原に出ます。増水時は要注意です。程なく、二岐吊橋へ至ります。大きな近藤岩を眺め一息入れましょう。 いよいよ仙人新道の急な登りが始まります。長い登りですが慌てずゆっくり登りましょう。木々の視界が開けると、氷河に認定された三ノ窓雪渓が望めます。急坂を上りきると仙人峠の分岐です。右の仙人池方面へ進みます。左に行けば池の平です。分岐後、木道を進むと程なく赤い屋根の仙人池ヒュッテへ着きます。ヒュッテ横には「仙人池」が横たわり、秘境の絶景を楽しむ事が出来るでしょう。特に紅葉シーズンがお勧めです。 翌朝 仙人谷へ下ります。急な下りのため滑落に注意しましょう。右手奥に湯煙が見えてくると仙人温泉も近いです。仙人温泉小屋(休業中、2025年は要確認)を過ぎ雲切新道へ進みます。一旦登り尾根を越えます。そこから雲切新道の長い急下りが始まります。 多数のロープやハシゴをへて仙人谷ダムへ至ります。関電人見平宿舎を通過し、阿曽原峠の急斜面を登り進みます。まもなく登山道は水平となりその後下り始めると阿曽原温泉小屋も近いです。かつてのダム建設時、トンネル掘削の際、高温の岩盤に行き当たり工事が難航したポイントです。小説「高熱隧道」で有名です。今でも湯が湧き阿曽原温泉小屋にはその湯を引いた露天風呂があり、登山の疲れを癒してくれます。 そこからは水平に伸びる、水平歩道が始まります。鋭く切り立った黒部峡谷の断崖絶壁に『コ』の字型にくり抜き作られた道を進みます。狭い個所では幅70㎝程度しかないので、慎重に歩きましょう。途中、トンネルが3本あります。志合谷トンネルは150mと長くヘッドライトが必要です。トンネルを越えると、およそ2時間少々で欅平へとたどり着くことが出来ます。室堂ターミナルを出発し、雷鳥沢・雷鳥坂をへて、剱御前小舎へ進みます。そこから剱沢を下ります。剱澤小屋を越えまもまなく日本三大雪渓のひとつにも数えらる大雪渓に出ます。アイゼンを装着しゆっくり下ります。雪渓上のクレパスやシュルンド等には注意して歩きましょう。特にスノーブリッジや氷化し薄雪部分には十分に注意してください。 長次郎出合周辺で左岸へ渡り、ペンキを頼りに真砂沢ロッジへ下ります。滝や激流のへの転落に注意しましょう。真砂沢ロッジを過ぎまもなく、ハシゴ谷乗越・内蔵助平方面への分岐に至ります。さらに本流を下ります。細かなアップダウンを繰り返しハシゴや鎖場を通過して進むと、広い河原に出ます。増水時は要注意です。程なく、二岐吊橋へ至ります。大きな近藤岩を眺め一息入れましょう。 いよいよ仙人新道の急な登りが始まります。長い登りですが慌てずゆっくり登りましょう。木々の視界が開けると、氷河に認定された三ノ窓雪渓が望めます。急坂を上りきると仙人峠の分岐です。右の仙人池方面へ進みます。左に行けば池の平です。分岐後、木道を進むと程なく赤い屋根の仙人池ヒュッテへ着きます。ヒュッテ横には「仙人池」が横たわり、秘境の絶景を楽しむ事が出来るでしょう。特に紅葉シーズンがお勧めです。 翌朝 仙人谷へ下ります。急な下りのため滑落に注意しましょう。右手奥に湯煙が見えてくると仙人温泉も近いです。仙人温泉小屋(休業中、2025年は要確認)を過ぎ雲切新道へ進みます。一旦登り尾根を越えます。そこから雲切新道の長い急下りが始まります。 多数のロープやハシゴをへて仙人谷ダムへ至ります。関電人見平宿舎を通過し、阿曽原峠の急斜面を登り進みます。まもなく登山道は水平となりその後下り始めると阿曽原温泉小屋も近いです。かつてのダム建設時、トンネル掘削の際、高温の岩盤に行き当たり工事が難航したポイントです。小説「高熱隧道」で有名です。今でも湯が湧き阿曽原温泉小屋にはその湯を引いた露天風呂があり、登山の疲れを癒してくれます。 そこからは水平に伸びる、水平歩道が始まります。鋭く切り立った黒部峡谷の断崖絶壁に『コ』の字型にくり抜き作られた道を進みます。狭い個所では幅70㎝程度しかないので、慎重に歩きましょう。途中、トンネルが3本あります。志合谷トンネルは150mと長くヘッドライトが必要です。トンネルを越えると、およそ2時間少々で欅平へとたどり着くことが出来ます。 -
室堂平から薬師岳縦走
- 3泊4日
- 22時間5分
- 26.7km
室堂平から薬師岳縦走
- 3泊4日
- 22時間5分
- 26.7km
室堂ターミナルに到着したら屋上に上がります。バスターミナル屋上からは立山連峰のパノラマが間近に見え展望抜群です。立山連峰を眺めながら室堂平をスタートします。立山連峰の右側にそびえる三角形の山が浄土山です。立山信仰では極楽浄土の山として信仰されています。石畳の道を一ノ越方面へと進みます。室堂山荘横から浄土山への分岐があり、浄土山方面へ右折します。石畳の階段を上がり展望台手前に浄土山登山口の標識があり、ここからは本格的な登山道が始まります。歩きにくい岩場を進むとやがて急登が始まります。岩場を登りきると軍人霊碑があり、その先が浄土山の山頂です。さらに稜線を南へ進むと木製の櫓があり五色ヶ原方面への分岐があります。ガレ場・岩場を下り、登り返すと鬼岳東面です。遅い時期まで残る残雪をトラバースし下り終えると木道が現れます。木道脇にはチングルマ、コバイケイソウ、クルマユリ、ハクサンフウロなどが一面に咲き、眼下にはエメラルドグリーン色の黒部湖が見え疲れを癒してくれます。 再び登り獅子岳山頂に到着。展望はよく足元には五色ヶ原が広がり、中央部には可愛らしい五色ヶ原山荘が見え、その奥には薬師岳まで続く稜線が見えます。ザラ峠までは急なガレ場・鎖場・ハシゴと下っていきます。ザラ峠の西の斜面は今もなお崩落しており浸食カルデラを登山道の横から見ることができます。ザラ峠を過ぎ木道に出るともう一息。周辺に池塘・五色に彩られた高山植物を眺めながらテント場への分岐を直進すると、まもなく五色ヶ原山荘に到着です。 翌朝、薬師岳方面へ向かいます。鳶山を越えハイマツ帯・木道を過ぎると越中沢乗越。ここから岩場の登りが始まり、登りきると越中沢岳山頂です。展望がよく北アルプスを一望することができます。 急坂を下り岩場を横切り登り返すとスゴノ頭。アップダウンを繰り返しスゴ乗越小屋に到着です。冷たく美味しい水があります。 翌朝、スゴ乗越小屋を出発し樹林帯を緩やかに登ると間山池がありさらに進むと間山山頂です。間山山頂付近は踏み跡がいくつもあるので迷わないよう注意が必要です。 ここからは緩やかな登りが続き次第に岩場のきつい登りになります。転倒・細尾根に注意。岩場を登りきると北薬師岳山頂です。岩綾線を下り登り返すとようやく薬師岳山頂に到着です。薬師岳山頂には立派な祠があり薬師如来が祀られています。山頂からは国の特別天然記念物に指定されているカール群が東面に眺望できます。 さらに稜線を進みます。避難小屋を過ぎるとザレ場のジグザグ道を下り薬師岳山荘に到着です。山荘からは薬師峠を下り太郎平小屋の分岐を折立方面へと下ります。太郎平小屋から折立までは標高約1,000mの長い下りとなります。室堂ターミナルに到着したら屋上に上がります。バスターミナル屋上からは立山連峰のパノラマが間近に見え展望抜群です。立山連峰を眺めながら室堂平をスタートします。立山連峰の右側にそびえる三角形の山が浄土山です。立山信仰では極楽浄土の山として信仰されています。石畳の道を一ノ越方面へと進みます。室堂山荘横から浄土山への分岐があり、浄土山方面へ右折します。石畳の階段を上がり展望台手前に浄土山登山口の標識があり、ここからは本格的な登山道が始まります。歩きにくい岩場を進むとやがて急登が始まります。岩場を登りきると軍人霊碑があり、その先が浄土山の山頂です。さらに稜線を南へ進むと木製の櫓があり五色ヶ原方面への分岐があります。ガレ場・岩場を下り、登り返すと鬼岳東面です。遅い時期まで残る残雪をトラバースし下り終えると木道が現れます。木道脇にはチングルマ、コバイケイソウ、クルマユリ、ハクサンフウロなどが一面に咲き、眼下にはエメラルドグリーン色の黒部湖が見え疲れを癒してくれます。 再び登り獅子岳山頂に到着。展望はよく足元には五色ヶ原が広がり、中央部には可愛らしい五色ヶ原山荘が見え、その奥には薬師岳まで続く稜線が見えます。ザラ峠までは急なガレ場・鎖場・ハシゴと下っていきます。ザラ峠の西の斜面は今もなお崩落しており浸食カルデラを登山道の横から見ることができます。ザラ峠を過ぎ木道に出るともう一息。周辺に池塘・五色に彩られた高山植物を眺めながらテント場への分岐を直進すると、まもなく五色ヶ原山荘に到着です。 翌朝、薬師岳方面へ向かいます。鳶山を越えハイマツ帯・木道を過ぎると越中沢乗越。ここから岩場の登りが始まり、登りきると越中沢岳山頂です。展望がよく北アルプスを一望することができます。 急坂を下り岩場を横切り登り返すとスゴノ頭。アップダウンを繰り返しスゴ乗越小屋に到着です。冷たく美味しい水があります。 翌朝、スゴ乗越小屋を出発し樹林帯を緩やかに登ると間山池がありさらに進むと間山山頂です。間山山頂付近は踏み跡がいくつもあるので迷わないよう注意が必要です。 ここからは緩やかな登りが続き次第に岩場のきつい登りになります。転倒・細尾根に注意。岩場を登りきると北薬師岳山頂です。岩綾線を下り登り返すとようやく薬師岳山頂に到着です。薬師岳山頂には立派な祠があり薬師如来が祀られています。山頂からは国の特別天然記念物に指定されているカール群が東面に眺望できます。 さらに稜線を進みます。避難小屋を過ぎるとザレ場のジグザグ道を下り薬師岳山荘に到着です。山荘からは薬師峠を下り太郎平小屋の分岐を折立方面へと下ります。太郎平小屋から折立までは標高約1,000mの長い下りとなります。 -
黒部湖から読売新道をへて有峰湖へ
- 4泊5日
- 34時間50分
- 48.6km
黒部湖から読売新道をへて有峰湖へ
- 4泊5日
- 34時間50分
- 48.6km
観光客で賑わう黒部ダムを抜け舗装された道をロッジくろよん方面へ向かいます。ロッジを過ぎると黒部湖を左手に水平道を進みます。御前谷、中ノ谷出合は河原に橋が掛かっており増水時は要注意です。平ノ小屋の近くから平ノ渡船が出ているので時間、運行状況は事前に確認をしておきましょう。対岸に着くと針ノ木の分岐を右折し黒部川上流方面へ進みます。奥黒部ヒュッテまでは丸太橋・丸太ハシゴが連続しアップダウンが続きます。丸太橋を渡り水平な登山道に出ると奥黒部ヒュッテは近いです。 奥黒部ヒュッテから水晶小屋までは小屋・水場もないロングコースの始まりです。読売新道は標高差約1400mでエスケープルートも無いので、早朝に出発し万全の体調で望みましょう。視界のきかない樹林の中をひたすら急登します。8/8の標識があり8/2(標高2050m)地点には鎖場がありまだまだ急登です。やがて視界は開け、花崗岩の岩肌の稜線が現れ、360度パノラマの稜線歩きが始まります。眼下に黒部湖を眺め、ガレ場を登りきると赤褐色をした赤牛岳山頂です。平坦で歩きやすい道を進み温泉沢ノ頭に到着。ここから水晶岳までは巨岩の登りです。水晶岳は名前の通り下ノ本型花崗岩に水晶の結晶が見られ、この山だけが黒っぽい岩塊に見える事から「黒岳」とも呼ばれています。 水晶小屋までは岩のゴロゴロした岩峰を下ります。水晶小屋を過ぎると歩きやすい道に変わりワリモ北分岐に着きます。ここからワリモ岳、鷲羽岳と登ります。鷲羽岳山頂からは南東斜面に美しい火口地形の鷲羽池を見ることができます。 三俣山荘までは鷲羽乗越を越えザレた急坂を下ります。三俣山荘から祖父岳方面に30分下った場所に黒部源流がありここから黒部川の最初の一滴が始まり、黒部湖へと注がれていきます。 三俣山荘を後に三俣峠分岐を三俣蓮華へ登りつめると山頂です。三俣蓮華岳は富山県・岐阜県・長野県の3県を分ける山で、山頂からは圧倒的な存在感の槍ヶ岳が眺望できます。三俣蓮華岳から黒部五郎岳方面にトラバースし、巻道分岐点を黒部五郎小舎へ進みます。遅くまで残雪が残る場所があるので注意です。オオシラビソの急坂を下りきれば黒部五郎小舍に到着です。黒部乗越から壮大な黒部五郎カールの中心に向けて進みます。 雷岩を過ぎるとカール壁の急登です。肩の分岐を黒部五郎岳へ進み山頂です。黒部五郎岳の名の由来は黒部源流域の岩場を抱え込む姿から「ゴーロ→五郎」、と呼ばれるようになったと言われており、その名の通り大きな岩が転がっています。 肩の分岐まで折り返し急坂を下り、北ノ俣岳方面へ向かいます。北ノ俣分岐を太郎平小屋に進み折立・有峰湖方面へと下ります。観光客で賑わう黒部ダムを抜け舗装された道をロッジくろよん方面へ向かいます。ロッジを過ぎると黒部湖を左手に水平道を進みます。御前谷、中ノ谷出合は河原に橋が掛かっており増水時は要注意です。平ノ小屋の近くから平ノ渡船が出ているので時間、運行状況は事前に確認をしておきましょう。対岸に着くと針ノ木の分岐を右折し黒部川上流方面へ進みます。奥黒部ヒュッテまでは丸太橋・丸太ハシゴが連続しアップダウンが続きます。丸太橋を渡り水平な登山道に出ると奥黒部ヒュッテは近いです。 奥黒部ヒュッテから水晶小屋までは小屋・水場もないロングコースの始まりです。読売新道は標高差約1400mでエスケープルートも無いので、早朝に出発し万全の体調で望みましょう。視界のきかない樹林の中をひたすら急登します。8/8の標識があり8/2(標高2050m)地点には鎖場がありまだまだ急登です。やがて視界は開け、花崗岩の岩肌の稜線が現れ、360度パノラマの稜線歩きが始まります。眼下に黒部湖を眺め、ガレ場を登りきると赤褐色をした赤牛岳山頂です。平坦で歩きやすい道を進み温泉沢ノ頭に到着。ここから水晶岳までは巨岩の登りです。水晶岳は名前の通り下ノ本型花崗岩に水晶の結晶が見られ、この山だけが黒っぽい岩塊に見える事から「黒岳」とも呼ばれています。 水晶小屋までは岩のゴロゴロした岩峰を下ります。水晶小屋を過ぎると歩きやすい道に変わりワリモ北分岐に着きます。ここからワリモ岳、鷲羽岳と登ります。鷲羽岳山頂からは南東斜面に美しい火口地形の鷲羽池を見ることができます。 三俣山荘までは鷲羽乗越を越えザレた急坂を下ります。三俣山荘から祖父岳方面に30分下った場所に黒部源流がありここから黒部川の最初の一滴が始まり、黒部湖へと注がれていきます。 三俣山荘を後に三俣峠分岐を三俣蓮華へ登りつめると山頂です。三俣蓮華岳は富山県・岐阜県・長野県の3県を分ける山で、山頂からは圧倒的な存在感の槍ヶ岳が眺望できます。三俣蓮華岳から黒部五郎岳方面にトラバースし、巻道分岐点を黒部五郎小舎へ進みます。遅くまで残雪が残る場所があるので注意です。オオシラビソの急坂を下りきれば黒部五郎小舍に到着です。黒部乗越から壮大な黒部五郎カールの中心に向けて進みます。 雷岩を過ぎるとカール壁の急登です。肩の分岐を黒部五郎岳へ進み山頂です。黒部五郎岳の名の由来は黒部源流域の岩場を抱え込む姿から「ゴーロ→五郎」、と呼ばれるようになったと言われており、その名の通り大きな岩が転がっています。 肩の分岐まで折り返し急坂を下り、北ノ俣岳方面へ向かいます。北ノ俣分岐を太郎平小屋に進み折立・有峰湖方面へと下ります。 -
燕岳から大天井岳・槍ヶ岳へ(表銀座コース)
- 3泊4日
- 25時間40分
- 37.8km
燕岳から大天井岳・槍ヶ岳へ(表銀座コース)
- 3泊4日
- 25時間40分
- 37.8km
表銀座縦走の起点燕岳登山口から急登ながら人気の合戦尾根をたどります。まずは樹林帯の登りが続きます。第一ベンチの裏手を下ると水場があります。荷揚げ用ケーブル下をくぐるとすぐに第二ベンチで、ここから少し傾斜が穏やかになり、適宜休憩をとりながら、長い登りを進みましょう。合戦小屋は売店のみの小屋で宿泊はできません。さらに登って稜線に出ると合戦ノ頭です。ここで展望が開けます。しばらく尾根沿いに進み、山腹をトラバースして燕山荘の真正面に出ます。手続きを済ませたら燕岳を往復しましょう。メガネ岩やイルカ岩など奇岩も多く楽しめます。 燕山荘からは稜線をたどります。蛙岩を通過し、大下りで標高を下げますが、ほぼ同じだけ登り返します。花と展望を楽しみながらの快適な道ですが、切通岩にはクサリ場があります。大天井岳から槍ヶ岳にかけての東鎌尾根を開削した小林喜作のレリーフがあります。 鞍部から登りかえすとすぐ大天井岳山頂への道と巻き道の分岐です。巻き道はクサリ場の連続なので、大天井岳山頂方面を目指します。山腹を斜上するように登り切ると、大天荘前の広場です。ここから山頂まで往復20分ほどです。次に常念岳方面への道を分け、大天井ヒュッテ目指して下ります。大天井ヒュッテから登る牛首展望台も絶景ポイントです。 さらに西岳へ向かいます。途中右手に貧乏沢へ下る踏み跡がありますが、これは北鎌尾根へ向かうもので、一般路ではありません。赤岩岳は山頂を巻きます。また、西岳山頂も巻きますが、ヒュッテ西岳手前の分岐から往復15分ほどで山頂へ登れます。 ヒュッテ西岳からの道のりは東鎌尾根上の道となります。ここまでの様相と一変して厳しい道となりますので慎重に歩きます。まずは急な下りです。いったん下りわずかに登り返し再び下ると水俣乗越となります。西岳からここまでに長いハシゴ場やクサリ場があります。水俣乗越で槍沢へ下る道を分けると、いよいよ険しい登りです。クサリ場やハシゴ、さらにヤセ尾根と気が抜けません。垂直に近い連続ハシゴもあります。ヒュッテ大槍でほっと一息つけますが、さらに尾根をたどると、2022年に付け替えられた鎖場の尾根となります。槍の穂先を回り込み、槍ヶ岳山荘に到着です。ここから槍ヶ岳山頂までは、ハシゴ、クサリの連続する登りとなります。慎重に三点支持で往復しましょう。 下山は槍沢から上高地バスターミナルまで下ります。表銀座縦走の起点燕岳登山口から急登ながら人気の合戦尾根をたどります。まずは樹林帯の登りが続きます。第一ベンチの裏手を下ると水場があります。荷揚げ用ケーブル下をくぐるとすぐに第二ベンチで、ここから少し傾斜が穏やかになり、適宜休憩をとりながら、長い登りを進みましょう。合戦小屋は売店のみの小屋で宿泊はできません。さらに登って稜線に出ると合戦ノ頭です。ここで展望が開けます。しばらく尾根沿いに進み、山腹をトラバースして燕山荘の真正面に出ます。手続きを済ませたら燕岳を往復しましょう。メガネ岩やイルカ岩など奇岩も多く楽しめます。 燕山荘からは稜線をたどります。蛙岩を通過し、大下りで標高を下げますが、ほぼ同じだけ登り返します。花と展望を楽しみながらの快適な道ですが、切通岩にはクサリ場があります。大天井岳から槍ヶ岳にかけての東鎌尾根を開削した小林喜作のレリーフがあります。 鞍部から登りかえすとすぐ大天井岳山頂への道と巻き道の分岐です。巻き道はクサリ場の連続なので、大天井岳山頂方面を目指します。山腹を斜上するように登り切ると、大天荘前の広場です。ここから山頂まで往復20分ほどです。次に常念岳方面への道を分け、大天井ヒュッテ目指して下ります。大天井ヒュッテから登る牛首展望台も絶景ポイントです。 さらに西岳へ向かいます。途中右手に貧乏沢へ下る踏み跡がありますが、これは北鎌尾根へ向かうもので、一般路ではありません。赤岩岳は山頂を巻きます。また、西岳山頂も巻きますが、ヒュッテ西岳手前の分岐から往復15分ほどで山頂へ登れます。 ヒュッテ西岳からの道のりは東鎌尾根上の道となります。ここまでの様相と一変して厳しい道となりますので慎重に歩きます。まずは急な下りです。いったん下りわずかに登り返し再び下ると水俣乗越となります。西岳からここまでに長いハシゴ場やクサリ場があります。水俣乗越で槍沢へ下る道を分けると、いよいよ険しい登りです。クサリ場やハシゴ、さらにヤセ尾根と気が抜けません。垂直に近い連続ハシゴもあります。ヒュッテ大槍でほっと一息つけますが、さらに尾根をたどると、2022年に付け替えられた鎖場の尾根となります。槍の穂先を回り込み、槍ヶ岳山荘に到着です。ここから槍ヶ岳山頂までは、ハシゴ、クサリの連続する登りとなります。慎重に三点支持で往復しましょう。 下山は槍沢から上高地バスターミナルまで下ります。 -
高瀬ダムから野口五郎岳・槍ヶ岳へ(裏銀座コース)
- 4泊5日
- 34時間25分
- 51km
高瀬ダムから野口五郎岳・槍ヶ岳へ(裏銀座コース)
- 4泊5日
- 34時間25分
- 51km
裏銀座コースは、槍ヶ岳が徐々に近づく展望と個性豊かな小屋が楽しみな伝統的な槍ヶ岳登山コースです。タクシー終点の高瀬ダム上を渡り、トンネルを抜け不動沢の吊橋を渡ります。キャンプ場があります。さらに濁沢を右岸に渡り、わずかに上流側に進むとブナ立尾根の取付で、水場があります。ここからブナ立尾根は急ですが、整備された良い道です。烏帽子小屋までの要所に12番から0番まで番号があり、歩く目安になります。登り切った烏帽子小屋に着いたら、花崗岩の岩塔、烏帽子岳を往復しましょう。山頂直下はクサリ場なので慎重に。 烏帽子小屋からはテント場の横を通り三ッ岳を目指します。コマクサの咲く斜面を登り切ると三ッ岳です。ピークを巻いて進んだ鞍部からは野口五郎岳の堂々とした姿を望めます。ここで稜線コースとお花畑コースに分かれます。稜線コースは三ッ岳西峰を通ります。野口五郎岳手前に家族的な野口五郎小屋があります。 野口五郎岳山頂で大展望を満喫したら、ザレた斜面を下ります。真砂分岐で湯股へ下る竹村新道を分け、時に大石の転がる道を徐々に下り東沢乗越となります。ここから水晶小屋まではやせ尾根やザレた部分もあるので足元に注意です。水晶小屋から水晶岳は往復約1時間10分ほど。水晶小屋から下り、ワリモ北分岐で岩苔乗越への道を分けます。ここから三俣山荘へは稜線コースと源流コースに分かれます。強風時は源流コースがベターです。 ワリモ北分岐からなお稜線を進むと、ワリモ岳山頂。山名標柱の裏を登ると、大岩が多く眺めの良い山頂です。いったん標柱まで戻り、鷲羽岳方面へ進むとすぐにロープのあるトラバース。ここを慎重に通過して下り、鷲羽岳へ登り返します。鷲羽岳山頂からは眼下に鷲羽池、彼方に槍ヶ岳の絶景が楽しめます。ザレた道を細かいジグザグで下り、伊藤新道分岐を過ぎれば、まもなく三俣山荘です。 三俣山荘からはテント場を抜け三俣蓮華岳方面へ。山頂直下の分岐で巻き道を分けます。三俣蓮華岳山頂で黒部五郎岳への道を分け、丸山を通って、中道分岐へ。ここから登り返して双六岳山頂です。槍・穂高の展望を楽しみながら広々とした稜線を進み一気に下ります。中道・巻道が合流し、下りきると双六小屋です。 双六小屋から新穂高・笠ヶ岳方面への道を分け、樅沢岳へ登ります。いよいよ西鎌尾根です。左俣乗越から千丈乗越まではクサリ場が連続し、気を使うトラバースもあります。小屋の建つ槍ヶ岳の肩までジグザグ登ります。槍ヶ岳山頂まで気を引き締めて往復して、槍沢から上高地バスターミナルへ下山します。裏銀座コースは、槍ヶ岳が徐々に近づく展望と個性豊かな小屋が楽しみな伝統的な槍ヶ岳登山コースです。タクシー終点の高瀬ダム上を渡り、トンネルを抜け不動沢の吊橋を渡ります。キャンプ場があります。さらに濁沢を右岸に渡り、わずかに上流側に進むとブナ立尾根の取付で、水場があります。ここからブナ立尾根は急ですが、整備された良い道です。烏帽子小屋までの要所に12番から0番まで番号があり、歩く目安になります。登り切った烏帽子小屋に着いたら、花崗岩の岩塔、烏帽子岳を往復しましょう。山頂直下はクサリ場なので慎重に。 烏帽子小屋からはテント場の横を通り三ッ岳を目指します。コマクサの咲く斜面を登り切ると三ッ岳です。ピークを巻いて進んだ鞍部からは野口五郎岳の堂々とした姿を望めます。ここで稜線コースとお花畑コースに分かれます。稜線コースは三ッ岳西峰を通ります。野口五郎岳手前に家族的な野口五郎小屋があります。 野口五郎岳山頂で大展望を満喫したら、ザレた斜面を下ります。真砂分岐で湯股へ下る竹村新道を分け、時に大石の転がる道を徐々に下り東沢乗越となります。ここから水晶小屋まではやせ尾根やザレた部分もあるので足元に注意です。水晶小屋から水晶岳は往復約1時間10分ほど。水晶小屋から下り、ワリモ北分岐で岩苔乗越への道を分けます。ここから三俣山荘へは稜線コースと源流コースに分かれます。強風時は源流コースがベターです。 ワリモ北分岐からなお稜線を進むと、ワリモ岳山頂。山名標柱の裏を登ると、大岩が多く眺めの良い山頂です。いったん標柱まで戻り、鷲羽岳方面へ進むとすぐにロープのあるトラバース。ここを慎重に通過して下り、鷲羽岳へ登り返します。鷲羽岳山頂からは眼下に鷲羽池、彼方に槍ヶ岳の絶景が楽しめます。ザレた道を細かいジグザグで下り、伊藤新道分岐を過ぎれば、まもなく三俣山荘です。 三俣山荘からはテント場を抜け三俣蓮華岳方面へ。山頂直下の分岐で巻き道を分けます。三俣蓮華岳山頂で黒部五郎岳への道を分け、丸山を通って、中道分岐へ。ここから登り返して双六岳山頂です。槍・穂高の展望を楽しみながら広々とした稜線を進み一気に下ります。中道・巻道が合流し、下りきると双六小屋です。 双六小屋から新穂高・笠ヶ岳方面への道を分け、樅沢岳へ登ります。いよいよ西鎌尾根です。左俣乗越から千丈乗越まではクサリ場が連続し、気を使うトラバースもあります。小屋の建つ槍ヶ岳の肩までジグザグ登ります。槍ヶ岳山頂まで気を引き締めて往復して、槍沢から上高地バスターミナルへ下山します。 -
燕岳から常念岳・蝶ヶ岳・上高地へ
- 3泊4日
- 22時間5分
- 32.2km
燕岳から常念岳・蝶ヶ岳・上高地へ
- 3泊4日
- 22時間5分
- 32.2km
燕岳から蝶ヶ岳まで縦走し、槍ヶ岳や穂高岳、さらには裏銀座の山々から笠ヶ岳までのパノラマを眺めながらの縦走となります。 燕岳登山口から合戦尾根を登ります。登りが続く尾根ですが、第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、そして富士見ベンチと休憩ポイントがそろっています。合戦小屋はスイカが名物。飲食のみで宿泊はできません。燕山荘に着いたら燕岳を往復しましょう。 燕山荘からは、稜線を行きます。大下りで大きく下った後、登り返し。切通岩にはクサリがあります。その先の分岐で大天井岳山頂を目指します。大天井岳からは槍ヶ岳方面の表銀座コースを分け、常念岳方面へ。広くて明るい山稜です。二俣小屋跡の石積みを過ぎて東天井岳の山頂を巻いて行きます。道が大きく左手下に折れる手前、道標が建つあたりは好展望の休憩ポイントです。この近くには比較的遅くまで雪渓が残ります。長い下りの後、横通岳へゆるやかに登り返します。横通岳は、その名の通り山頂を巻き、小屋のある常念乗越へと下ります。 常念小屋から常念岳へは、ジグザグの登りが続きます。前常念岳を経て三股へ向かう道を分けると、傾斜は穏やかになり、まもなく山頂です。祠のある山頂そのものは狭いのですが、一段蝶ヶ岳よりに下がると、休憩できるスペースがあります。 常念岳山頂からは浮石に注意しながら一気に下ります。まもなく樹林帯の道となりますが、2592m峰に登ると、ニッコウキスゲが豊かに咲くお花畑となります。ゆっくりと休憩する登山者も多く見られます。ここから再び下りとなります。樹林帯の中を登り返し、蝶槍のピーク手前は少し岩の多い道になります。ここまで来ると再び展望の良い稜線の道となります。旧蝶ヶ岳の三角点もすぐです。穏やかに下ると、横尾方面分岐。ここから瞑想の丘と名付けられた展望盤のある高台まではゆったりとした登りになります。蝶ヶ岳ヒュッテを越えてわずかに登った地点に蝶ヶ岳山頂があります。 下りは長塀尾根を行きます。槍・穂高の展望を満喫しながら歩き始めますが、花が多く咲く船窪状の地点まで来るともう展望はなく、ずっと樹林帯となります。樹林に囲まれた妖精ノ池はほっと出来るオアシスです。「蝶ヶ岳から1.8キロ」の道標のある長塀山は、尾根上の小さなピークで、ここからは長い下りですが、徐々に傾斜がきつくなり、短い木製ハシゴなども現れます。背の高い樹林と笹の中を下ってゆくと、飽きる頃に徳沢となります。あとはなだらかな道を歩き、賑やかな上高地バスターミナルへと向かいます。燕岳から蝶ヶ岳まで縦走し、槍ヶ岳や穂高岳、さらには裏銀座の山々から笠ヶ岳までのパノラマを眺めながらの縦走となります。 燕岳登山口から合戦尾根を登ります。登りが続く尾根ですが、第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、そして富士見ベンチと休憩ポイントがそろっています。合戦小屋はスイカが名物。飲食のみで宿泊はできません。燕山荘に着いたら燕岳を往復しましょう。 燕山荘からは、稜線を行きます。大下りで大きく下った後、登り返し。切通岩にはクサリがあります。その先の分岐で大天井岳山頂を目指します。大天井岳からは槍ヶ岳方面の表銀座コースを分け、常念岳方面へ。広くて明るい山稜です。二俣小屋跡の石積みを過ぎて東天井岳の山頂を巻いて行きます。道が大きく左手下に折れる手前、道標が建つあたりは好展望の休憩ポイントです。この近くには比較的遅くまで雪渓が残ります。長い下りの後、横通岳へゆるやかに登り返します。横通岳は、その名の通り山頂を巻き、小屋のある常念乗越へと下ります。 常念小屋から常念岳へは、ジグザグの登りが続きます。前常念岳を経て三股へ向かう道を分けると、傾斜は穏やかになり、まもなく山頂です。祠のある山頂そのものは狭いのですが、一段蝶ヶ岳よりに下がると、休憩できるスペースがあります。 常念岳山頂からは浮石に注意しながら一気に下ります。まもなく樹林帯の道となりますが、2592m峰に登ると、ニッコウキスゲが豊かに咲くお花畑となります。ゆっくりと休憩する登山者も多く見られます。ここから再び下りとなります。樹林帯の中を登り返し、蝶槍のピーク手前は少し岩の多い道になります。ここまで来ると再び展望の良い稜線の道となります。旧蝶ヶ岳の三角点もすぐです。穏やかに下ると、横尾方面分岐。ここから瞑想の丘と名付けられた展望盤のある高台まではゆったりとした登りになります。蝶ヶ岳ヒュッテを越えてわずかに登った地点に蝶ヶ岳山頂があります。 下りは長塀尾根を行きます。槍・穂高の展望を満喫しながら歩き始めますが、花が多く咲く船窪状の地点まで来るともう展望はなく、ずっと樹林帯となります。樹林に囲まれた妖精ノ池はほっと出来るオアシスです。「蝶ヶ岳から1.8キロ」の道標のある長塀山は、尾根上の小さなピークで、ここからは長い下りですが、徐々に傾斜がきつくなり、短い木製ハシゴなども現れます。背の高い樹林と笹の中を下ってゆくと、飽きる頃に徳沢となります。あとはなだらかな道を歩き、賑やかな上高地バスターミナルへと向かいます。 -
新穂高温泉から双六岳・三俣蓮華岳へ
- 3泊4日
- 16時間45分
- 32.6km
新穂高温泉から双六岳・三俣蓮華岳へ
- 3泊4日
- 16時間45分
- 32.6km
起点は岐阜県側の北アルプスの玄関口である新穂高温泉。まずは蒲田川左俣に沿ってのびる林道をたどります。まもなくゲートがあり、ここから先は一般車通行禁止。ゲート脇に登山届のポストがあります。左手の穴毛谷の砂防ダム群を眺めたり風穴でクールダウンしながら、林道を歩きます。右岸に移り笠ヶ岳へ向かう笠新道を分けてまもなく、ブナ林に囲まれたわさび平小屋です。ここに宿泊してスタートするのも良いでしょう。 さらに林道をたどり、蒲田川を渡る手前が小池新道分岐です。ここからよく整備された登山道が始まります。 流れが聞こえるようになると、堅固な橋のかかる秩父沢出合はすぐです。遅くまで雪渓の残る沢ですが、明るい河原は休憩ポイントです。さらに進んで、秩父小沢を横断します。最後の水場です。灌木の多い斜面をたどり、チボ岩、イタドリヶ原を越え、やがてベンチのあるシシウドヶ原です。ここからトラバース気味に進み、熊の踊り場を過ぎてひと登りで鏡平、鏡池の横に出ます。池に映える槍穂高を楽しんだら、鏡平山荘へ。山荘の名物かき氷がたまりません。 鏡平山荘から斜上して尾根に出ると、弓折岳分岐です。ここから弓折岳は笠ヶ岳方面へ向かい往復15分ほどです。ここからはほぼ尾根上の道です。遅くまで残る残雪を過ぎるとお花畑ベンチ。シナノキンバイなどのお花畑が広がります。尾根から離れ、少しずつ下ると、鷲羽岳を背景に双六小屋が近づきます。夏期には富山大学の診療所も開設され、この地域の中核となる小屋です。 双六小屋からは、西鎌尾根経由で槍ヶ岳へ続く道が分かれます。双六岳へは小屋の前からハイマツの斜面を一気に登ります。ひと段落するのが巻道ルート分岐。そのすぐ先が中道分岐です。手入れの良い道をもうひと頑張りで一気に登ります。残雪が多い時期は、中道を途中まで進み、稜線に登るルートとなります。 頑張って登った稜線は実に広々としています。点々と植物が生え、線状構造土が見られます。振り返ると槍ヶ岳から穂高連峰の稜線が、柔らかな曲線描く稜線上に浮かぶ絶景です。双六岳山頂から稜線伝いに三俣蓮華岳まで足をのばせば、眼下に黒部源流や三俣山荘、正面に鷲羽岳、水晶岳、さらには雲ノ平から薬師岳と山並みがどこまでも続いて見えます。北アルプスの奥地にいることが実感できるでしょう。山頂からはガレた道を下り巻道ルートへ進んで双六小屋へ戻り、新穂高温泉までは往路をたどります。起点は岐阜県側の北アルプスの玄関口である新穂高温泉。まずは蒲田川左俣に沿ってのびる林道をたどります。まもなくゲートがあり、ここから先は一般車通行禁止。ゲート脇に登山届のポストがあります。左手の穴毛谷の砂防ダム群を眺めたり風穴でクールダウンしながら、林道を歩きます。右岸に移り笠ヶ岳へ向かう笠新道を分けてまもなく、ブナ林に囲まれたわさび平小屋です。ここに宿泊してスタートするのも良いでしょう。 さらに林道をたどり、蒲田川を渡る手前が小池新道分岐です。ここからよく整備された登山道が始まります。 流れが聞こえるようになると、堅固な橋のかかる秩父沢出合はすぐです。遅くまで雪渓の残る沢ですが、明るい河原は休憩ポイントです。さらに進んで、秩父小沢を横断します。最後の水場です。灌木の多い斜面をたどり、チボ岩、イタドリヶ原を越え、やがてベンチのあるシシウドヶ原です。ここからトラバース気味に進み、熊の踊り場を過ぎてひと登りで鏡平、鏡池の横に出ます。池に映える槍穂高を楽しんだら、鏡平山荘へ。山荘の名物かき氷がたまりません。 鏡平山荘から斜上して尾根に出ると、弓折岳分岐です。ここから弓折岳は笠ヶ岳方面へ向かい往復15分ほどです。ここからはほぼ尾根上の道です。遅くまで残る残雪を過ぎるとお花畑ベンチ。シナノキンバイなどのお花畑が広がります。尾根から離れ、少しずつ下ると、鷲羽岳を背景に双六小屋が近づきます。夏期には富山大学の診療所も開設され、この地域の中核となる小屋です。 双六小屋からは、西鎌尾根経由で槍ヶ岳へ続く道が分かれます。双六岳へは小屋の前からハイマツの斜面を一気に登ります。ひと段落するのが巻道ルート分岐。そのすぐ先が中道分岐です。手入れの良い道をもうひと頑張りで一気に登ります。残雪が多い時期は、中道を途中まで進み、稜線に登るルートとなります。 頑張って登った稜線は実に広々としています。点々と植物が生え、線状構造土が見られます。振り返ると槍ヶ岳から穂高連峰の稜線が、柔らかな曲線描く稜線上に浮かぶ絶景です。双六岳山頂から稜線伝いに三俣蓮華岳まで足をのばせば、眼下に黒部源流や三俣山荘、正面に鷲羽岳、水晶岳、さらには雲ノ平から薬師岳と山並みがどこまでも続いて見えます。北アルプスの奥地にいることが実感できるでしょう。山頂からはガレた道を下り巻道ルートへ進んで双六小屋へ戻り、新穂高温泉までは往路をたどります。 -
信越トレイル縦走(関田山脈エリア)
- 4泊5日
- 32時間15分
- 61.2km
信越トレイル縦走(関田山脈エリア)
- 4泊5日
- 32時間15分
- 61.2km
NPO法人信越トレイルクラブにより、コース全体をセクション1から10までの10区間に分けられていてます。各セクションごとに日帰りで歩いても良いし、麓の宿やキャンプサイトを利用してのスルーハイクも魅力的です。アプローチできる峠はたくさんあるので、それぞれのペースや楽しみ方に合わせて計画すると良いでしょう。 セクション1は斑尾山からスタートです。いずれかのアプローチトレイルから斑尾山に登り、山頂からメインルートが始まります。万坂峠へのコース案内は、斑尾山(コースガイド)を参考にしてください。万坂峠で県道を横切り、袴湿原を通って袴岳を目指します。赤池までのコース案内は、袴岳(コースガイド)を参考にしてください。 セクション2は、湖沼と湿原を巡る、良く整備されたトレイルです。赤池から沼の原湿原、希望湖を経由して、毛無山へ登ります。山頂付近の展望スポットからは飯山の街が良く見えます。毛無山から涌井新池へ下り、農道に入ります。最後は舗装路を歩いて涌井集落に到着です。 セクション3は、山村風景が残る涌井集落から始まります。昔の流通の要だった富倉峠、大将陣跡などの史跡を通り、ソブの池に出ます。しばらく林道を歩いてから、ギフチョウが生息する黒岩山へ登ります。桂池、中古池、北古池湿原を過ぎて林道の突き当たりから山道に入ると、しばらくは平坦な道です。沢をいくつか越えながらアップダウンを繰り返すと、仏ヶ峰登山口に到着です。 セクション4からは、信越国境の尾根を忠実に辿ります。コース全体がブナ林に囲まれていて、信越トレイルの中心となる区間です。戸狩温泉スキー場上部の仏ヶ峰登山口から、まずは県境の尾根へ登ります。仏ヶ峰、小沢峠を経由し、さらにアップダウンを繰り返すと関田山脈の主峰である鍋倉山に着きます。黒倉山を越えて緩やかに下っていけば関田峠に到着です。 セクション5からは信越トレイル北部エリアで、これまでよりも自然が色濃く残っている区間へ入っていきます。関田峠から牧峠までは比較的緩やかな地形が続き歩きやすく、その後の宇津ノ俣峠までは、急な登り下りの連続となります。幻の池を通り、目の前に菱ヶ岳が見えたら伏野峠に到着です。 セクション6は、伏野峠から天水山を越えて長野側の栄村へと続くコースです。まずは菱ヶ岳を見ながら急坂を登ります。最初のピークから野々海峠まで細かくアップダウンを繰り返します。長野県最北地点を経由し、深坂峠へと出ます。新潟側は崖が続き、急坂を登って三方岳を越えると、次のピークが天水山です。その後は森宮野原駅へと続く道を下り、一旦麓の集落へ出ます。2021年秋に苗場山までのセクション7~10が延伸されました。NPO法人信越トレイルクラブにより、コース全体をセクション1から10までの10区間に分けられていてます。各セクションごとに日帰りで歩いても良いし、麓の宿やキャンプサイトを利用してのスルーハイクも魅力的です。アプローチできる峠はたくさんあるので、それぞれのペースや楽しみ方に合わせて計画すると良いでしょう。 セクション1は斑尾山からスタートです。いずれかのアプローチトレイルから斑尾山に登り、山頂からメインルートが始まります。万坂峠へのコース案内は、斑尾山(コースガイド)を参考にしてください。万坂峠で県道を横切り、袴湿原を通って袴岳を目指します。赤池までのコース案内は、袴岳(コースガイド)を参考にしてください。 セクション2は、湖沼と湿原を巡る、良く整備されたトレイルです。赤池から沼の原湿原、希望湖を経由して、毛無山へ登ります。山頂付近の展望スポットからは飯山の街が良く見えます。毛無山から涌井新池へ下り、農道に入ります。最後は舗装路を歩いて涌井集落に到着です。 セクション3は、山村風景が残る涌井集落から始まります。昔の流通の要だった富倉峠、大将陣跡などの史跡を通り、ソブの池に出ます。しばらく林道を歩いてから、ギフチョウが生息する黒岩山へ登ります。桂池、中古池、北古池湿原を過ぎて林道の突き当たりから山道に入ると、しばらくは平坦な道です。沢をいくつか越えながらアップダウンを繰り返すと、仏ヶ峰登山口に到着です。 セクション4からは、信越国境の尾根を忠実に辿ります。コース全体がブナ林に囲まれていて、信越トレイルの中心となる区間です。戸狩温泉スキー場上部の仏ヶ峰登山口から、まずは県境の尾根へ登ります。仏ヶ峰、小沢峠を経由し、さらにアップダウンを繰り返すと関田山脈の主峰である鍋倉山に着きます。黒倉山を越えて緩やかに下っていけば関田峠に到着です。 セクション5からは信越トレイル北部エリアで、これまでよりも自然が色濃く残っている区間へ入っていきます。関田峠から牧峠までは比較的緩やかな地形が続き歩きやすく、その後の宇津ノ俣峠までは、急な登り下りの連続となります。幻の池を通り、目の前に菱ヶ岳が見えたら伏野峠に到着です。 セクション6は、伏野峠から天水山を越えて長野側の栄村へと続くコースです。まずは菱ヶ岳を見ながら急坂を登ります。最初のピークから野々海峠まで細かくアップダウンを繰り返します。長野県最北地点を経由し、深坂峠へと出ます。新潟側は崖が続き、急坂を登って三方岳を越えると、次のピークが天水山です。その後は森宮野原駅へと続く道を下り、一旦麓の集落へ出ます。2021年秋に苗場山までのセクション7~10が延伸されました。 -
北岳、間ノ岳から塩見岳へ
- 3泊4日
- 23時間0分
- 29.4km
北岳、間ノ岳から塩見岳へ
- 3泊4日
- 23時間0分
- 29.4km
広河原から北岳を経て間ノ岳までは、広河原から北岳、間ノ岳、農鳥岳を経て大門沢へ(コースガイド)を参照してください。 間ノ岳から西へ、岩礫の登山道を下っていきます。最低鞍部で仙丈ヶ岳からの道を合わせ、左に少し登ると三峰岳山頂です。目前の北岳から間ノ岳と長大な仙塩尾根を望むことができます。頂上は太い標柱やケルンもありますが、広くはありません。三峰岳の岩稜を下り、ハイマツが広がる三国平では農鳥小屋方面へ間ノ岳山腹をトラバースするコースを分けます。さらに下り、井川越を経てお花畑のなかにある熊の平小屋に着きます。 熊の平から樹林帯を進んで一度稜線上に出ますが、すぐに稜線直下東側の樹林帯を南下します。安倍荒倉岳も山頂直下東側を巻いており、山頂方面を示す指導標でそれとわかる程度です。緩やかに登降を繰り返し、展望の利く小岩峰の竜尾見晴を経由して、小さな草原からハイマツ帯を上り詰めると北荒川岳山頂です。 山頂は広く平坦ですが、西側は南荒川の源頭が断崖となっていて稜線が侵食されつつありあります。稜線の東側につけられた登山道周辺にはマルバダケブキが群生しています。点在するダケカンバの斜面から再び稜線に出て、ハイマツ帯の雪投沢源頭部から岩道をひと登りすると北俣岳分岐です。さらに高山植物を楽しみながら南西に登っていくと塩見岳東峰に着きます。三角点は西峰に在りますが、いずれからも眺望は抜群です。北岳、間ノ岳、荒川三山をはじめ南アルプスの主な山々を楽しむことができます。 塩見岳西峰山頂から岩場をジグザグに下ったり、ザレた場所を注意深く進んでいきます。さらに天狗岩からの急坂を下りハイマツ帯までいけば塩見小屋はもうすぐです。 塩見小屋を出て間もなく塩見新道の分岐を右に送り、権右衛門沢の源頭部の針葉樹の中を進んでいきます。さらに明るい立ち枯れの林を抜けると、ハイマツに囲まれた小さな本谷山山頂に着きます。ここから南へ稜線上を下った鞍部からは、三伏小屋跡に向かうルートがありましたが、通行止めとなっています。灌木帯を登り、三伏山までくれば三伏峠小屋はすぐです。 三伏峠小屋は日本一高い峠と言われる三伏峠の上に建っています。ここから鳥倉登山口までは1/10毎に標識があるので目安となるでしょう。木製の桟道も多くあるので滑らないように注意して進みましょう。豊口山とのコルで南斜面に乗り越し、整備された樹林帯を下っていくと鳥倉(豊口)登山口となります。広河原から北岳を経て間ノ岳までは、広河原から北岳、間ノ岳、農鳥岳を経て大門沢へ(コースガイド)を参照してください。 間ノ岳から西へ、岩礫の登山道を下っていきます。最低鞍部で仙丈ヶ岳からの道を合わせ、左に少し登ると三峰岳山頂です。目前の北岳から間ノ岳と長大な仙塩尾根を望むことができます。頂上は太い標柱やケルンもありますが、広くはありません。三峰岳の岩稜を下り、ハイマツが広がる三国平では農鳥小屋方面へ間ノ岳山腹をトラバースするコースを分けます。さらに下り、井川越を経てお花畑のなかにある熊の平小屋に着きます。 熊の平から樹林帯を進んで一度稜線上に出ますが、すぐに稜線直下東側の樹林帯を南下します。安倍荒倉岳も山頂直下東側を巻いており、山頂方面を示す指導標でそれとわかる程度です。緩やかに登降を繰り返し、展望の利く小岩峰の竜尾見晴を経由して、小さな草原からハイマツ帯を上り詰めると北荒川岳山頂です。 山頂は広く平坦ですが、西側は南荒川の源頭が断崖となっていて稜線が侵食されつつありあります。稜線の東側につけられた登山道周辺にはマルバダケブキが群生しています。点在するダケカンバの斜面から再び稜線に出て、ハイマツ帯の雪投沢源頭部から岩道をひと登りすると北俣岳分岐です。さらに高山植物を楽しみながら南西に登っていくと塩見岳東峰に着きます。三角点は西峰に在りますが、いずれからも眺望は抜群です。北岳、間ノ岳、荒川三山をはじめ南アルプスの主な山々を楽しむことができます。 塩見岳西峰山頂から岩場をジグザグに下ったり、ザレた場所を注意深く進んでいきます。さらに天狗岩からの急坂を下りハイマツ帯までいけば塩見小屋はもうすぐです。 塩見小屋を出て間もなく塩見新道の分岐を右に送り、権右衛門沢の源頭部の針葉樹の中を進んでいきます。さらに明るい立ち枯れの林を抜けると、ハイマツに囲まれた小さな本谷山山頂に着きます。ここから南へ稜線上を下った鞍部からは、三伏小屋跡に向かうルートがありましたが、通行止めとなっています。灌木帯を登り、三伏山までくれば三伏峠小屋はすぐです。 三伏峠小屋は日本一高い峠と言われる三伏峠の上に建っています。ここから鳥倉登山口までは1/10毎に標識があるので目安となるでしょう。木製の桟道も多くあるので滑らないように注意して進みましょう。豊口山とのコルで南斜面に乗り越し、整備された樹林帯を下っていくと鳥倉(豊口)登山口となります。 -
仙丈ヶ岳から間ノ岳を経て北岳へ
- 3泊4日
- 21時間30分
- 26.5km
仙丈ヶ岳から間ノ岳を経て北岳へ
- 3泊4日
- 21時間30分
- 26.5km
北沢峠から仙丈ヶ岳までは北沢峠から藪沢を経て仙丈ヶ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 仙丈ヶ岳から南へ仙塩尾根に入っていくと、歩く人の数は格段に少なくなります。大仙丈沢カールを左に見下ろしながら下り、尾根の西側の道を登り返すと大仙丈ヶ岳です。 さらに南へ進むと二重山稜となります。ハイマツ帯の尾根道を下っていきますが、ところどころ窪地がみられます。2676m峰を過ぎたあたりから樹林帯に入ります。マルバダケブキやバイケイソウの群落は地図上のフキノ平より北側にあります。次第に高度を下げると伊那荒倉岳に着きます。展望のきかない樹林の中の小さなピークです。ここを越えるとすぐに高望池です。池は干上がっており、長野側の往復5分ほどの所にある水場は夏を中心に枯れることがあるので注意しましょう。ここから2499m峰までの間は倒木が多くなっています。樹林帯の中の小ピークをいくつか乗り越し、小さく開けた露岩の独標2499mで展望が開けます。再び樹林帯に入りアップダウンを繰り返すと、横川岳に着きます。ここから登山道は南東方向に直角に曲がっており、これを下りきると仙塩尾根の最低鞍部である野呂川越です。 両俣小屋へは一度稜線から離れ、北東へ急坂を下って、野呂川右俣沢を下流に進むと着きます。 両俣小屋から野呂川越に戻り、南東に三峰岳を目指します。樹間に北岳などが見えてきます。独標2699mを超えると灌木帯となり、やがて尾根はやせてきて、途中5mほどの鎖場を超えていくと、砂礫地の急坂となります。 三峰岳直下で間ノ岳からの縦走路を合わせます。三峰岳山頂はすぐ上なので行っておきましょう。分岐に戻り、ガレているやせた岩稜を右手に農鳥岳を見ながら間ノ岳に向かって登っていきます。やがて着いた広い間ノ岳山頂からは南に赤石岳、聖岳、光岳、西に中央アルプス、さらに乗鞍岳、北アルプスの山々、北から東へは八ヶ岳、奥秩父山系と360°の展望が得られます。ここから北へ小さなアップダウンを繰り返して、中白根山を越えてさらに北上すれば北岳山荘に着きます。 北岳山荘から北岳への道は稜線上と稜線南東側のトラバース道の二つがあります。二つの道は吊り尾根分岐との中間地点で合流します。(トラバース道はここから稜線を通らず、再び山腹を巻いて八本歯のコル方面へ向かっていきます。シーズンにはこの道沿いにキタダケソウを見ることができます。)岩稜帯の尾根上を登り、八本歯のコルへと続く吊り尾根分岐を東へ分けてさらに北上すると標高3193mの北岳山頂です。ここからは広河原から白根御池を経て北岳へ(コースガイド)を参照してください。北沢峠から仙丈ヶ岳までは北沢峠から藪沢を経て仙丈ヶ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 仙丈ヶ岳から南へ仙塩尾根に入っていくと、歩く人の数は格段に少なくなります。大仙丈沢カールを左に見下ろしながら下り、尾根の西側の道を登り返すと大仙丈ヶ岳です。 さらに南へ進むと二重山稜となります。ハイマツ帯の尾根道を下っていきますが、ところどころ窪地がみられます。2676m峰を過ぎたあたりから樹林帯に入ります。マルバダケブキやバイケイソウの群落は地図上のフキノ平より北側にあります。次第に高度を下げると伊那荒倉岳に着きます。展望のきかない樹林の中の小さなピークです。ここを越えるとすぐに高望池です。池は干上がっており、長野側の往復5分ほどの所にある水場は夏を中心に枯れることがあるので注意しましょう。ここから2499m峰までの間は倒木が多くなっています。樹林帯の中の小ピークをいくつか乗り越し、小さく開けた露岩の独標2499mで展望が開けます。再び樹林帯に入りアップダウンを繰り返すと、横川岳に着きます。ここから登山道は南東方向に直角に曲がっており、これを下りきると仙塩尾根の最低鞍部である野呂川越です。 両俣小屋へは一度稜線から離れ、北東へ急坂を下って、野呂川右俣沢を下流に進むと着きます。 両俣小屋から野呂川越に戻り、南東に三峰岳を目指します。樹間に北岳などが見えてきます。独標2699mを超えると灌木帯となり、やがて尾根はやせてきて、途中5mほどの鎖場を超えていくと、砂礫地の急坂となります。 三峰岳直下で間ノ岳からの縦走路を合わせます。三峰岳山頂はすぐ上なので行っておきましょう。分岐に戻り、ガレているやせた岩稜を右手に農鳥岳を見ながら間ノ岳に向かって登っていきます。やがて着いた広い間ノ岳山頂からは南に赤石岳、聖岳、光岳、西に中央アルプス、さらに乗鞍岳、北アルプスの山々、北から東へは八ヶ岳、奥秩父山系と360°の展望が得られます。ここから北へ小さなアップダウンを繰り返して、中白根山を越えてさらに北上すれば北岳山荘に着きます。 北岳山荘から北岳への道は稜線上と稜線南東側のトラバース道の二つがあります。二つの道は吊り尾根分岐との中間地点で合流します。(トラバース道はここから稜線を通らず、再び山腹を巻いて八本歯のコル方面へ向かっていきます。シーズンにはこの道沿いにキタダケソウを見ることができます。)岩稜帯の尾根上を登り、八本歯のコルへと続く吊り尾根分岐を東へ分けてさらに北上すると標高3193mの北岳山頂です。ここからは広河原から白根御池を経て北岳へ(コースガイド)を参照してください。 -
朝日岳から栂海新道
- 3泊4日
- 18時間30分
- 24.3km
朝日岳から栂海新道
- 3泊4日
- 18時間30分
- 24.3km
栂海新道は、日本海を日指してアルプスの高みから海抜0mまで下る、長大な縦走路です。かつては学生登山、ワンゲル部の合宿専用といった趣がありましたが、近年は、一般入山者も増加しています。しかし超健脚向きのコースには違いないので、しっかりしたパーティで綿密な計画のもとに入山すべき縦走路です。 五輪尾根から蓮華温泉へのコースとの分岐には大きな岩があり、ペンキで左に入る栂海新道を指しています。オオシラビソの林をくぐるように抜けると木道になり、やがて照葉ノ池が見えてきます。池の周りはチングルマやハクサンコザクラの大きなお花畑で、別天地の趣があります。 木道は長栂山の手前まで敷設されており、長栂山の頂上付近は、丘のように広く平坦で、小さなケルンに従って歩いていくことになります。ガスの深い時などはわかりにくいので注意が必要です。 道は下りになり、固定ロープや木の枝につかまりながら下ると、アヤメ平につきます。ヒオウギアヤメの群落が、湿地帯を彩っています。アヤメ平を過ぎると樹林帯の急坂になり、黒岩平の広い草原に出ます。黒岩平には冷たい水が豊かに流れ、「北アルプス最後の楽園」といっても過言ではない場所です。アヤメ平も同じだが、草地の中の道は、ところどころ小さな流れの溝に横切られ、対岸の取り付きがわかりにくいことがあるので注意しましょう。 黒岩平を横切り、樹林帯を登ると、中俣新道の分岐があります。道を左にとりひと登りすると、黒岩山の山頂です。 ここから先は稜線を行くが、ササに覆われ道が隠れているところもあります。小さな登降を繰り返して、文子ノ池を過ぎ、サワガニ山の山頂に着きます。展望が良く、朝日岳の立派な雄姿をみることができます。 ササの繁る稜線の登降を繰り返し、水場の標識のある鞍部に出ます。北俣ノ水場は、左の沢を少し下ったところにあります。鞍部から少し登り、ヤセ尾根を伝うと、犬ヶ岳の山頂に到着です。少し下ったところに栂海山荘が立っており、山荘からの展望は良く、日本海に落ちる夕日は格別です。 さらに稜線を忠実に進んでいきます。ヤブで少しわかりにくい道を注意して進み、黄蓮山を過ぎると、菊石山の鞍部に出ます。右に少し入ると黄蓮ノ水場があります。このあたりからはブナ林となります。 正面に白鳥山を望み、道は急な下りとなります。今度は崩れた斜面を左に見て、木の根につかまりながら急登し、さらにいくつかのピークを過ぎると、白鳥山頂で、ここには白鳥小屋があります。栂海山荘と同様で無人小屋です。 白鳥山から急坂を下り、道は沢状になったわかりにくい地形を通り、シキ割の水場に出ます。さらに下ると、地蔵が祀られ、車道の通る坂田峠に到着です。峠からゆるやかな登りで尻高山に出て、山頂から下ったところで車道を横断、再び山道に入ります。二本松峠から入道山を経て、国道8号に下り栂海新道登山口に到着です。折角なのでもう少し足を延ばして親不知海岸へ立ち寄るのもおすすめです。 ここからは、国道を約1時間の歩程で、親不知駅に着くことができますが、国道の歩行は大型車の通行が多いため危険です。登山口からタクシーを利用して親不知駅に向かうのが無難です。栂海新道は、日本海を日指してアルプスの高みから海抜0mまで下る、長大な縦走路です。かつては学生登山、ワンゲル部の合宿専用といった趣がありましたが、近年は、一般入山者も増加しています。しかし超健脚向きのコースには違いないので、しっかりしたパーティで綿密な計画のもとに入山すべき縦走路です。 五輪尾根から蓮華温泉へのコースとの分岐には大きな岩があり、ペンキで左に入る栂海新道を指しています。オオシラビソの林をくぐるように抜けると木道になり、やがて照葉ノ池が見えてきます。池の周りはチングルマやハクサンコザクラの大きなお花畑で、別天地の趣があります。 木道は長栂山の手前まで敷設されており、長栂山の頂上付近は、丘のように広く平坦で、小さなケルンに従って歩いていくことになります。ガスの深い時などはわかりにくいので注意が必要です。 道は下りになり、固定ロープや木の枝につかまりながら下ると、アヤメ平につきます。ヒオウギアヤメの群落が、湿地帯を彩っています。アヤメ平を過ぎると樹林帯の急坂になり、黒岩平の広い草原に出ます。黒岩平には冷たい水が豊かに流れ、「北アルプス最後の楽園」といっても過言ではない場所です。アヤメ平も同じだが、草地の中の道は、ところどころ小さな流れの溝に横切られ、対岸の取り付きがわかりにくいことがあるので注意しましょう。 黒岩平を横切り、樹林帯を登ると、中俣新道の分岐があります。道を左にとりひと登りすると、黒岩山の山頂です。 ここから先は稜線を行くが、ササに覆われ道が隠れているところもあります。小さな登降を繰り返して、文子ノ池を過ぎ、サワガニ山の山頂に着きます。展望が良く、朝日岳の立派な雄姿をみることができます。 ササの繁る稜線の登降を繰り返し、水場の標識のある鞍部に出ます。北俣ノ水場は、左の沢を少し下ったところにあります。鞍部から少し登り、ヤセ尾根を伝うと、犬ヶ岳の山頂に到着です。少し下ったところに栂海山荘が立っており、山荘からの展望は良く、日本海に落ちる夕日は格別です。 さらに稜線を忠実に進んでいきます。ヤブで少しわかりにくい道を注意して進み、黄蓮山を過ぎると、菊石山の鞍部に出ます。右に少し入ると黄蓮ノ水場があります。このあたりからはブナ林となります。 正面に白鳥山を望み、道は急な下りとなります。今度は崩れた斜面を左に見て、木の根につかまりながら急登し、さらにいくつかのピークを過ぎると、白鳥山頂で、ここには白鳥小屋があります。栂海山荘と同様で無人小屋です。 白鳥山から急坂を下り、道は沢状になったわかりにくい地形を通り、シキ割の水場に出ます。さらに下ると、地蔵が祀られ、車道の通る坂田峠に到着です。峠からゆるやかな登りで尻高山に出て、山頂から下ったところで車道を横断、再び山道に入ります。二本松峠から入道山を経て、国道8号に下り栂海新道登山口に到着です。折角なのでもう少し足を延ばして親不知海岸へ立ち寄るのもおすすめです。 ここからは、国道を約1時間の歩程で、親不知駅に着くことができますが、国道の歩行は大型車の通行が多いため危険です。登山口からタクシーを利用して親不知駅に向かうのが無難です。 -
吉野駅をスタートし前鬼まで
- 3泊4日
- 31時間35分
- 58.6km
吉野駅をスタートし前鬼まで
- 3泊4日
- 31時間35分
- 58.6km
吉野駅から吉野の町に入り金峯山寺を過ぎ愛染から青根ヶ峰を踏み、一旦車道に出たのち稜線を行く古道に入ります。四寸岩山を越えて下り、足摺茶屋跡の先で林道を横切り二蔵宿小屋から古道は大天井ヶ岳に向かっての登りとなります。在来道は東面を絡んでいます。大天井ヶ岳から下った鞍部が五番関で女人結界門が立ちます。山上ヶ岳へは急坂の登りとなります。洞辻茶屋で洞川道が合流して油こぼし、鐘掛岩に続いて西ノ覗岩を見て山上ヶ岳に着きます。5件ある宿坊のいずれかに泊まります。 2日目、水の流れがある小笹ノ宿を過ぎると阿弥陀ヶ森の分岐で柏木道と分かれて右の奥駈道を取ります。脇ノ宿跡、小普賢岳と過ぎ、大普賢岳の山頂に立ちます。水太覗へと急斜を下り薩摩転げの鎖場をこなし、七曜岳の絶頂に立ちます。次のピーク行者還岳を往復したのち、行者還避難小屋に下ります。ブナ林の中を起伏の上下を繰り返し一ノ垰に出ると、道はは角度を変え弥山までは西向きとなります。弁天ノ森ピークを越し聖宝八丁を登り詰めると弥山小屋の前に出てザックをを下ろします。 3日目、向かい合う八経ケ岳へは古今宿の暗部に下り、オオヤマレンゲの花を見て登り返して八経ヶ岳の山頂に立ちます。次の明星ヶ岳は西側を巻いて通過するとやがて七面山が姿を現します。禅師ノ森を経て舟ノ垰に出ます。次の楊枝ノ森は東側を巻くと楊子ヶ宿小屋があります。小屋の前から仏生ヶ岳の登りが始まります。トウヒに覆われた斜面を登り、続く孔雀岳も頂上を越えずに西面を通って南肩に出ます。孔雀覗の絶壁があり、五百羅漢の奇岩が林立します。岩場を避けて左手に回ると鐺返し、両部分けを下ると椽の鼻、弥勒岩の東側を巻き杖捨ての急坂を登りきって釈迦ヶ岳の山頂に立ちます。眺望は四方広潤、大峰山脈屈指の展望台です。釈迦の山頂から南に下れば峰中の要所、深仙ノ宿に到着です。宿には灌頂堂と避難小屋が建ちます。南に上がり聖天森を過ぎると大日岳の岩峰が迫ります。頂上へは三十三尋といわれる鉄鎖を攀じりますが、西側に巻き道も有ります。絡み終えると太古ノ辻に出ます。ここから先は南奥駈道となりますが次の機会に譲り、左に折れて前鬼へと下ります。二つ岩を見送り階段道を下り切ると前鬼に辿り着きます。小仲坊が宿泊の便を計ってくれます。その日は前鬼でもう1泊して、翌日裏行場を探勝すればより充実した山行となります。裏行場は一巡に約3時間を要します。前鬼からは林道を前鬼口バス停までは休憩も含めて約3時間の所要です。吉野駅から吉野の町に入り金峯山寺を過ぎ愛染から青根ヶ峰を踏み、一旦車道に出たのち稜線を行く古道に入ります。四寸岩山を越えて下り、足摺茶屋跡の先で林道を横切り二蔵宿小屋から古道は大天井ヶ岳に向かっての登りとなります。在来道は東面を絡んでいます。大天井ヶ岳から下った鞍部が五番関で女人結界門が立ちます。山上ヶ岳へは急坂の登りとなります。洞辻茶屋で洞川道が合流して油こぼし、鐘掛岩に続いて西ノ覗岩を見て山上ヶ岳に着きます。5件ある宿坊のいずれかに泊まります。 2日目、水の流れがある小笹ノ宿を過ぎると阿弥陀ヶ森の分岐で柏木道と分かれて右の奥駈道を取ります。脇ノ宿跡、小普賢岳と過ぎ、大普賢岳の山頂に立ちます。水太覗へと急斜を下り薩摩転げの鎖場をこなし、七曜岳の絶頂に立ちます。次のピーク行者還岳を往復したのち、行者還避難小屋に下ります。ブナ林の中を起伏の上下を繰り返し一ノ垰に出ると、道はは角度を変え弥山までは西向きとなります。弁天ノ森ピークを越し聖宝八丁を登り詰めると弥山小屋の前に出てザックをを下ろします。 3日目、向かい合う八経ケ岳へは古今宿の暗部に下り、オオヤマレンゲの花を見て登り返して八経ヶ岳の山頂に立ちます。次の明星ヶ岳は西側を巻いて通過するとやがて七面山が姿を現します。禅師ノ森を経て舟ノ垰に出ます。次の楊枝ノ森は東側を巻くと楊子ヶ宿小屋があります。小屋の前から仏生ヶ岳の登りが始まります。トウヒに覆われた斜面を登り、続く孔雀岳も頂上を越えずに西面を通って南肩に出ます。孔雀覗の絶壁があり、五百羅漢の奇岩が林立します。岩場を避けて左手に回ると鐺返し、両部分けを下ると椽の鼻、弥勒岩の東側を巻き杖捨ての急坂を登りきって釈迦ヶ岳の山頂に立ちます。眺望は四方広潤、大峰山脈屈指の展望台です。釈迦の山頂から南に下れば峰中の要所、深仙ノ宿に到着です。宿には灌頂堂と避難小屋が建ちます。南に上がり聖天森を過ぎると大日岳の岩峰が迫ります。頂上へは三十三尋といわれる鉄鎖を攀じりますが、西側に巻き道も有ります。絡み終えると太古ノ辻に出ます。ここから先は南奥駈道となりますが次の機会に譲り、左に折れて前鬼へと下ります。二つ岩を見送り階段道を下り切ると前鬼に辿り着きます。小仲坊が宿泊の便を計ってくれます。その日は前鬼でもう1泊して、翌日裏行場を探勝すればより充実した山行となります。裏行場は一巡に約3時間を要します。前鬼からは林道を前鬼口バス停までは休憩も含めて約3時間の所要です。 -
前鬼をスタートし熊野本宮へ
- 3泊4日
- 29時間45分
- 56.5km
前鬼をスタートし熊野本宮へ
- 3泊4日
- 29時間45分
- 56.5km
前鬼口でバスを下車します。前鬼林道をさかのぼるとやがて見事な姿を見せる不動七重滝を眺め、林道を歩いて前鬼に着き、1日目は小仲坊に泊まります。 主稜の太古ノ辻まではほぼ谷沿いの階段道が続きます。太古ノ辻からは南へ石楠花岳を越えミヤコザサの小道を登ると天狗山に着きます。南へ下り奥守岳を越えると嫁越峠(滝川辻)です。峠から急登すること30分で地蔵岳です。ここから尾根は西南に振り、起伏をたどり乾光門、涅槃岳と過ぎさらに登りなおすと証誠無漏岳で、西に派生する支稜は奥八人山、中八人山などの山を起こしています。雑木の茂る急坂を下降し阿須迦利岳に達し坂道を下りきると、持経ノ宿に着きます。車道を横切り小ピークを3つ越えると平冶ノ宿が道端に建っています。宿から30分で転法輪岳に登り着きます。次の倶利迦羅岳は西を巻いて通過し、怒田宿跡へは横駈道を伝い、行仙岳を過ぎ南へと下ると行仙宿山小屋の建つ佐田辻に到着です。水場は四ノ川へ10分程下ったところで得られます。 3日目、早朝出発として奥駈道を笠捨山に向かいます。鉄塔のあるピークを越え小さく上下して3つ目のピーク1246mに立つと、笠捨山の双耳峰が眼前に立ちはだかります。鞍部に下って急坂を登りきり、右へ数分で笠捨山の山頂を踏みます。葛川辻まで下り、地蔵岳へは尾根伝いに登ります。シャクナゲが目立つようになると岩稜となり岩角や木の根にすがって登ると鎖場が出てきて槍ヶ岳の石漂を見ます。次のピークが地蔵岳で、小さい地蔵石仏が安置してあります。地蔵岳からはさらに難所が続き岩壁に付けられたクサリを伝い急降下します。尾根に出て四阿宿跡、南に拝み返しへと緩やかに下って行きます。香精山から急斜面を下ると大岩の貝吹金剛に出ます。上葛川への分岐のある塔ノ谷峠を過ぎ、登り返して緩やかに下ります。稚児ノ森を過ぎると玉置山へと通じる林道と併走しますが、わずかに残ったピークを踏み花折塚に着きます。奥駈道を直進すると再び林道に出て、展望台の先からかつえ坂を登り玉置山の山頂に立ちます。玉置神社へは南側の階段道を下ります。 4日目も早朝出発となります。南へと下り、玉置辻を経て大平多山分岐へは約1時間30分です。分岐から山稜の左よりを登ると大森山ですが展望はありません。次の三角点から下った鞍部が篠尾辻です。大黒天神岳からは尾根通しに下ると宝経塔のある山在峠で、さらに南へたどり吹越宿跡から七越峰へはほぼ尾根伝いを進みます。備崎へは北側の登り口まで戻り、散策道を下って備崎の河原に出て熊野川を渡渉して対岸に渡り、本宮旧社地(大斎原)を抜けて熊野本宮大社に参拝して終了となります。前鬼口でバスを下車します。前鬼林道をさかのぼるとやがて見事な姿を見せる不動七重滝を眺め、林道を歩いて前鬼に着き、1日目は小仲坊に泊まります。 主稜の太古ノ辻まではほぼ谷沿いの階段道が続きます。太古ノ辻からは南へ石楠花岳を越えミヤコザサの小道を登ると天狗山に着きます。南へ下り奥守岳を越えると嫁越峠(滝川辻)です。峠から急登すること30分で地蔵岳です。ここから尾根は西南に振り、起伏をたどり乾光門、涅槃岳と過ぎさらに登りなおすと証誠無漏岳で、西に派生する支稜は奥八人山、中八人山などの山を起こしています。雑木の茂る急坂を下降し阿須迦利岳に達し坂道を下りきると、持経ノ宿に着きます。車道を横切り小ピークを3つ越えると平冶ノ宿が道端に建っています。宿から30分で転法輪岳に登り着きます。次の倶利迦羅岳は西を巻いて通過し、怒田宿跡へは横駈道を伝い、行仙岳を過ぎ南へと下ると行仙宿山小屋の建つ佐田辻に到着です。水場は四ノ川へ10分程下ったところで得られます。 3日目、早朝出発として奥駈道を笠捨山に向かいます。鉄塔のあるピークを越え小さく上下して3つ目のピーク1246mに立つと、笠捨山の双耳峰が眼前に立ちはだかります。鞍部に下って急坂を登りきり、右へ数分で笠捨山の山頂を踏みます。葛川辻まで下り、地蔵岳へは尾根伝いに登ります。シャクナゲが目立つようになると岩稜となり岩角や木の根にすがって登ると鎖場が出てきて槍ヶ岳の石漂を見ます。次のピークが地蔵岳で、小さい地蔵石仏が安置してあります。地蔵岳からはさらに難所が続き岩壁に付けられたクサリを伝い急降下します。尾根に出て四阿宿跡、南に拝み返しへと緩やかに下って行きます。香精山から急斜面を下ると大岩の貝吹金剛に出ます。上葛川への分岐のある塔ノ谷峠を過ぎ、登り返して緩やかに下ります。稚児ノ森を過ぎると玉置山へと通じる林道と併走しますが、わずかに残ったピークを踏み花折塚に着きます。奥駈道を直進すると再び林道に出て、展望台の先からかつえ坂を登り玉置山の山頂に立ちます。玉置神社へは南側の階段道を下ります。 4日目も早朝出発となります。南へと下り、玉置辻を経て大平多山分岐へは約1時間30分です。分岐から山稜の左よりを登ると大森山ですが展望はありません。次の三角点から下った鞍部が篠尾辻です。大黒天神岳からは尾根通しに下ると宝経塔のある山在峠で、さらに南へたどり吹越宿跡から七越峰へはほぼ尾根伝いを進みます。備崎へは北側の登り口まで戻り、散策道を下って備崎の河原に出て熊野川を渡渉して対岸に渡り、本宮旧社地(大斎原)を抜けて熊野本宮大社に参拝して終了となります。 -
椹島から赤石岳・荒川岳周遊
- 3泊4日
- 21時間5分
- 23.6km
椹島から赤石岳・荒川岳周遊
- 3泊4日
- 21時間5分
- 23.6km
赤石岳から荒川岳をめぐるコースは、展望やお花畑を満喫できて南アルプスの良い所取りですが、危険箇所も随所にあります。危険箇所を安全な登り方向で通過し、さらにお花畑を目の高さで楽しむには、良く歩かれる反時計回りではなく時計回りの本コースをお勧めします。また縦走を楽しむには山中3泊が体力的にも良いでしょう。なお反時計回り2泊の登山者の北沢源頭での事故が多発しています。 椹島登山基地から赤石小屋までは、展望のない樹林帯の登りが続き、特にボッカ返しの標識から上は大岩の急登になるので、注意してください。赤石小屋は小さな展望台のある小屋で、聖岳と眼前に大迫力の赤石岳山頂部、そして荒川三山の展望を楽しむ事ができます。なお赤石小屋は水場が無く、小屋の無料給水を利用します。 富士見平で展望を満喫した後は、注意箇所が多くなります。ラクダの背のトラバースは無数の桟道と岩場のヘツリが、北沢源頭からは滑りやすいお花畑の中の急登が続きます。赤石岳山頂部は広大で、山頂標識周辺のみならず避難小屋の先のピークからの大展望を楽しんでください。小赤石岳から大聖寺平間は、荒川三山をバランス良く見る事のできる数少ない区間です。荒川小屋はダケカンバに囲まれた水の豊富な山中のオアシスで、ここの通過時刻でその日の先の行動の最終判断をします。翌日の山旅を満喫する意味で荒川小屋泊がベストです。なお、時間に余裕があって中岳避難小屋まで行けた場合、長丁場ですが、翌日二軒小屋経由で椹島まで下る事が可能です。一般登山者が千枚小屋まで行くには、午前中早めに荒川小屋を通過することが必須です。 荒川小屋からが本コースのハイライト。前岳カールのお花畑は南アルプス最大と言われ、ハクサンイチゲやシナノキンバイの中を行く登山道では、蝶になった錯覚に陥るでしょう。お花畑は丸山から千枚岳間にもあり、こちらは花の種類の多さが特徴です。また、荒川三山は主脈から東に張り出た尾根筋なので、南アルプスの南部・北部の両方向の山々の展望を楽しむ事ができます。ただしこの区間は危険箇所が連続します。特に荒川東岳、千枚岳への登りの悪場は、気を引き締めてかかる必要があります。 千枚小屋から二軒小屋ロッヂ(休業中)間は急降下の連続ですが、落ち葉が敷き詰められた登山道は、椹島より膝への負担の少ないルートです。二軒小屋ロッヂは休業中で、テント泊も含めトイレや水場も使用できない状況です。二軒小屋から椹島まではトラックが行き交う中の、3時間強の林道歩きです。赤石岳から荒川岳をめぐるコースは、展望やお花畑を満喫できて南アルプスの良い所取りですが、危険箇所も随所にあります。危険箇所を安全な登り方向で通過し、さらにお花畑を目の高さで楽しむには、良く歩かれる反時計回りではなく時計回りの本コースをお勧めします。また縦走を楽しむには山中3泊が体力的にも良いでしょう。なお反時計回り2泊の登山者の北沢源頭での事故が多発しています。 椹島登山基地から赤石小屋までは、展望のない樹林帯の登りが続き、特にボッカ返しの標識から上は大岩の急登になるので、注意してください。赤石小屋は小さな展望台のある小屋で、聖岳と眼前に大迫力の赤石岳山頂部、そして荒川三山の展望を楽しむ事ができます。なお赤石小屋は水場が無く、小屋の無料給水を利用します。 富士見平で展望を満喫した後は、注意箇所が多くなります。ラクダの背のトラバースは無数の桟道と岩場のヘツリが、北沢源頭からは滑りやすいお花畑の中の急登が続きます。赤石岳山頂部は広大で、山頂標識周辺のみならず避難小屋の先のピークからの大展望を楽しんでください。小赤石岳から大聖寺平間は、荒川三山をバランス良く見る事のできる数少ない区間です。荒川小屋はダケカンバに囲まれた水の豊富な山中のオアシスで、ここの通過時刻でその日の先の行動の最終判断をします。翌日の山旅を満喫する意味で荒川小屋泊がベストです。なお、時間に余裕があって中岳避難小屋まで行けた場合、長丁場ですが、翌日二軒小屋経由で椹島まで下る事が可能です。一般登山者が千枚小屋まで行くには、午前中早めに荒川小屋を通過することが必須です。 荒川小屋からが本コースのハイライト。前岳カールのお花畑は南アルプス最大と言われ、ハクサンイチゲやシナノキンバイの中を行く登山道では、蝶になった錯覚に陥るでしょう。お花畑は丸山から千枚岳間にもあり、こちらは花の種類の多さが特徴です。また、荒川三山は主脈から東に張り出た尾根筋なので、南アルプスの南部・北部の両方向の山々の展望を楽しむ事ができます。ただしこの区間は危険箇所が連続します。特に荒川東岳、千枚岳への登りの悪場は、気を引き締めてかかる必要があります。 千枚小屋から二軒小屋ロッヂ(休業中)間は急降下の連続ですが、落ち葉が敷き詰められた登山道は、椹島より膝への負担の少ないルートです。二軒小屋ロッヂは休業中で、テント泊も含めトイレや水場も使用できない状況です。二軒小屋から椹島まではトラックが行き交う中の、3時間強の林道歩きです。 -
椹島から聖岳・赤石岳周遊
- 3泊4日
- 24時間40分
- 30.6km
椹島から聖岳・赤石岳周遊
- 3泊4日
- 24時間40分
- 30.6km
聖岳から赤石岳周遊は、荒川岳〜三伏峠間に次いで登山者の少ないコースです。山小屋間の距離が長く、ハードさにおいて南アルプス南部随一です。しかし南アルプス南部のスケール感を味わうには最高で、コースの変化にも富んでいます。 椹島からスタートします。聖沢登山口から聖平小屋間はほかの南アルプス登山道と異なる長いトラバースコースで、大雨被害の残る聖沢吊橋までと、乗越から岩頭滝見台間の2箇所は、沢やガレ場の横断に注意が必要です。途中ヘリコプターによる救助用のレスキューポイントがあります。岩頭滝見台からの展望は一服の清涼水で、二条の滝が流れ落ちる聖岳の山容を見た時、誰もが南アルプスのスケールの大きさを実感するに違いありません。 2日目がこのコースの核心部です。展望ポイントは列挙しきれません。小聖岳から見上げた聖岳、聖岳山頂で初めて見る大山容の赤石岳、兎岳山頂の360度のパノラマ、中盛丸山からの百間平を前景とした赤石岳、聖岳の展望が特に素晴らしいです。ただ危険な所もあります、まずは小聖岳手前の森林限界から前聖岳山頂まではガレの縁や滑りやすい砂礫の大斜面です。聖岳から兎岳間は最もハードで、ガレの縁や岩場の急降下、そして赤色チャートの岩盤の聖兎のコルからは長いゴーロ帯の急勾配の登り返しがあります。さらに兎岳から中盛丸山間はアップダウンが激しく、特に中盛丸山の山頂への登りはザレた急勾配です。最後のピーク大沢岳は、標柱から先は崖縁の登山道で崩壊が進行しており、加えて百間洞への下りは硬い石のゴーロ帯で非常に歩き難いので、手前の百間洞下降点に荷物をデポして往復する事をお勧めします。宿泊地となる百間洞山の家は水の豊かなナナカマドの林の中にあり、雛壇のキャンプサイトは居心地が良く、聖岳を眺めながら何日も滞在したくなる場所です。 3日目は2日日と全く違った味わいの山旅になります。聖岳と常に対話しながら広大な百間平の漫歩、この世と思えぬ大ゴーロ帯の赤石岳へのトラバースの登り、赤石岳避難小屋奥のピークを含む赤石岳山頂部の数々のビューポイントを思い切り楽しんでください。赤石岳山頂からの下りは椹島から赤石岳・荒川岳周遊(コースガイド)を参照下さい。なお、赤石小屋までは気の抜けない急下降と切り立ったトラバースが続きます。赤石小屋は水場が無いので、北沢源頭で取水します。赤石小屋から先は樹林帯を下り椹島に着きます。聖岳から赤石岳周遊は、荒川岳〜三伏峠間に次いで登山者の少ないコースです。山小屋間の距離が長く、ハードさにおいて南アルプス南部随一です。しかし南アルプス南部のスケール感を味わうには最高で、コースの変化にも富んでいます。 椹島からスタートします。聖沢登山口から聖平小屋間はほかの南アルプス登山道と異なる長いトラバースコースで、大雨被害の残る聖沢吊橋までと、乗越から岩頭滝見台間の2箇所は、沢やガレ場の横断に注意が必要です。途中ヘリコプターによる救助用のレスキューポイントがあります。岩頭滝見台からの展望は一服の清涼水で、二条の滝が流れ落ちる聖岳の山容を見た時、誰もが南アルプスのスケールの大きさを実感するに違いありません。 2日目がこのコースの核心部です。展望ポイントは列挙しきれません。小聖岳から見上げた聖岳、聖岳山頂で初めて見る大山容の赤石岳、兎岳山頂の360度のパノラマ、中盛丸山からの百間平を前景とした赤石岳、聖岳の展望が特に素晴らしいです。ただ危険な所もあります、まずは小聖岳手前の森林限界から前聖岳山頂まではガレの縁や滑りやすい砂礫の大斜面です。聖岳から兎岳間は最もハードで、ガレの縁や岩場の急降下、そして赤色チャートの岩盤の聖兎のコルからは長いゴーロ帯の急勾配の登り返しがあります。さらに兎岳から中盛丸山間はアップダウンが激しく、特に中盛丸山の山頂への登りはザレた急勾配です。最後のピーク大沢岳は、標柱から先は崖縁の登山道で崩壊が進行しており、加えて百間洞への下りは硬い石のゴーロ帯で非常に歩き難いので、手前の百間洞下降点に荷物をデポして往復する事をお勧めします。宿泊地となる百間洞山の家は水の豊かなナナカマドの林の中にあり、雛壇のキャンプサイトは居心地が良く、聖岳を眺めながら何日も滞在したくなる場所です。 3日目は2日日と全く違った味わいの山旅になります。聖岳と常に対話しながら広大な百間平の漫歩、この世と思えぬ大ゴーロ帯の赤石岳へのトラバースの登り、赤石岳避難小屋奥のピークを含む赤石岳山頂部の数々のビューポイントを思い切り楽しんでください。赤石岳山頂からの下りは椹島から赤石岳・荒川岳周遊(コースガイド)を参照下さい。なお、赤石小屋までは気の抜けない急下降と切り立ったトラバースが続きます。赤石小屋は水場が無いので、北沢源頭で取水します。赤石小屋から先は樹林帯を下り椹島に着きます。 -
易老渡から光岳・上河内岳周遊
- 3泊4日
- 23時間0分
- 30km
易老渡から光岳・上河内岳周遊
- 3泊4日
- 23時間0分
- 30km
光岳は南アルプス南部主脈の最南端の山として認識されていますが、実はその南に続く深南部の盟主でもあります。光岳山頂部からの今まで見た事のない深南部の山並みが眼下に広がる有様は、まさに新たな世界の発見に例えられるでしょう。また植物学的にも、南アルプス最南端の高山植物地帯、ハイマツ群生の最南端でもあり、さらに本州唯一の原生自然環境保全地域を抱えていて、光岳は登山のみならず学術的観点からも価値ある山なのです。 易老渡から入山する際の一番の問題は林道の通行可否で、入山前の確認が必須です。2024年現在、一般登山者は芝沢ゲートに車を停め一部高巻きのある林道を1時間30分歩く必要があります。易老渡から易老岳へは尾根筋に沿った遠望の効かない一本調子の急登です。しかし途中の面平の神社の境内の様な森、針葉樹の大木を抜ける登山道は、決して退屈しません。易老岳からは尾根筋を行きます。三吉平は尾根筋が入れ替わる鞍部なので、ルートに注意してください。静高平の水場は流れがあれば取水します。亀甲状土のセンジヶ原を抜けて、光岳小屋から光岳山頂まではダケカンバの間を縫う楽しい登りを行きます。山頂標識からの展望はありませんが、光石方向に行った所に南方向の展望窓が開けています。なお光岳小屋は小さな小屋で利用に制限がありますので注意し、早めに予約して下さい。 光岳は大きな山頂部を持つ山です。それを楽しむには十分時間をとって光石、そして百俣沢ノ頭方向にある日本最南端のハイマツ群生地や360度展望のイザルヶ岳を訪れてください。 易老岳から聖平間が、このコースの第2のハイライトです。樹林帯と広大なシダの群生地、南アルプス南部特有の森林限界を縫うダケカンバとバイケイソウの縦走路が続きます。仁田岳は縦走路から外れていて、兎・聖・上河内・茶臼岳の4座の並んだ姿を見る事ができます。縦走路は希望峰から先が特に素晴らしく、窪地の木道、南アルプスでは珍しい稜線上にある仁田池などゆっくり味わってください。茶臼岳から上河内岳までは畑薙第一ダムから茶臼岳・上河内岳へ(コースガイド)を参照ください。上河内岳の先、南岳からは急降下になります。途中のトラバース気味の草原から見上げる聖岳はあくまでも潔く、偉大です。樹林帯を抜ければ聖平小屋のある聖平です。 薊畑で南アルプス南部の山々とお別れした後、西沢渡までは視界のきかない急降下が連続しますが、苔の密生した倒木帯、シダの群生地、大木の林立する針葉樹林帯などが楽しめます。西沢渡は水量が多く大水で橋が流されて渡渉できない場合は非常に重たい荷物用ロープウェイを使い川を渡ります。森林鉄道跡の道を歩き、便ヶ島からは林道を行き易老渡、さらに芝沢ゲートに戻ります。光岳は南アルプス南部主脈の最南端の山として認識されていますが、実はその南に続く深南部の盟主でもあります。光岳山頂部からの今まで見た事のない深南部の山並みが眼下に広がる有様は、まさに新たな世界の発見に例えられるでしょう。また植物学的にも、南アルプス最南端の高山植物地帯、ハイマツ群生の最南端でもあり、さらに本州唯一の原生自然環境保全地域を抱えていて、光岳は登山のみならず学術的観点からも価値ある山なのです。 易老渡から入山する際の一番の問題は林道の通行可否で、入山前の確認が必須です。2024年現在、一般登山者は芝沢ゲートに車を停め一部高巻きのある林道を1時間30分歩く必要があります。易老渡から易老岳へは尾根筋に沿った遠望の効かない一本調子の急登です。しかし途中の面平の神社の境内の様な森、針葉樹の大木を抜ける登山道は、決して退屈しません。易老岳からは尾根筋を行きます。三吉平は尾根筋が入れ替わる鞍部なので、ルートに注意してください。静高平の水場は流れがあれば取水します。亀甲状土のセンジヶ原を抜けて、光岳小屋から光岳山頂まではダケカンバの間を縫う楽しい登りを行きます。山頂標識からの展望はありませんが、光石方向に行った所に南方向の展望窓が開けています。なお光岳小屋は小さな小屋で利用に制限がありますので注意し、早めに予約して下さい。 光岳は大きな山頂部を持つ山です。それを楽しむには十分時間をとって光石、そして百俣沢ノ頭方向にある日本最南端のハイマツ群生地や360度展望のイザルヶ岳を訪れてください。 易老岳から聖平間が、このコースの第2のハイライトです。樹林帯と広大なシダの群生地、南アルプス南部特有の森林限界を縫うダケカンバとバイケイソウの縦走路が続きます。仁田岳は縦走路から外れていて、兎・聖・上河内・茶臼岳の4座の並んだ姿を見る事ができます。縦走路は希望峰から先が特に素晴らしく、窪地の木道、南アルプスでは珍しい稜線上にある仁田池などゆっくり味わってください。茶臼岳から上河内岳までは畑薙第一ダムから茶臼岳・上河内岳へ(コースガイド)を参照ください。上河内岳の先、南岳からは急降下になります。途中のトラバース気味の草原から見上げる聖岳はあくまでも潔く、偉大です。樹林帯を抜ければ聖平小屋のある聖平です。 薊畑で南アルプス南部の山々とお別れした後、西沢渡までは視界のきかない急降下が連続しますが、苔の密生した倒木帯、シダの群生地、大木の林立する針葉樹林帯などが楽しめます。西沢渡は水量が多く大水で橋が流されて渡渉できない場合は非常に重たい荷物用ロープウェイを使い川を渡ります。森林鉄道跡の道を歩き、便ヶ島からは林道を行き易老渡、さらに芝沢ゲートに戻ります。 -
旭岳からトムラウシ山、十勝岳へ縦走
- 4泊5日
- 38時間50分
- 59.8km
旭岳からトムラウシ山、十勝岳へ縦走
- 4泊5日
- 38時間50分
- 59.8km
ともにアクセスの良い旭岳温泉から十勝岳温泉を目指します。避難小屋で2泊、野営指定地で2泊の行程です。後半の十勝連峰は8月以降水の入手がどんどん難しくなる山域です。9月に入ると水場が完全に涸れるため、2日分以上の水を持ち歩く必要があります。 1日目:姿見駅〜旭岳〜忠別岳避難小屋 (姿見駅から旭岳を経て間宮岳分岐までは姿見の池から旭岳(コースガイド)を参照)間宮岳分岐から御鉢平に沿って北海岳まで進みます。展望を楽しみながらの緩やかな登り下り。岩の積み重なる白雲岳の姿が正面に見えます。北海岳から白雲岳分岐まではほぼ平坦で、(白雲岳分岐から白雲岳避難小屋までは銀泉台から赤岳、白雲岳、緑岳(コースガイド)を参照)白雲岳避難小屋で今日の行程の概ね半分くらい。小屋前のベンチでトムラウシを眺めながら休憩するのも良いでしょう。小屋から緩やかに下り高根ヶ原へ。平らでどこまでも続く尾根はこれぞ大雪山というべきもの。左手に高原温泉の池沼群を見下ろします。平ヶ岳を乗り越えるとコマクサの大群落が待っています。さらに一つピークを越えると忠別沼。木道が敷かれ休憩にちょうど良い場所です。車輪状に咲く紫のタカネシオガマを見ながら忠別岳へ。忠別川源流部の方に深く切れ落ちていて展望の良い山頂です。トムラウシ山もかなり大きく見えるようになってきました。山頂から下る登山道は両側をチングルマが埋め尽くします。 忠別岳から五色岳にかけての登山道はハイマツに触れながらの歩行ですが、ゆっくり進めば問題ありません。鞍部の分岐で左に折れ忠別岳避難小屋へ。小屋前の雪渓は大きく9月まで取水可能です。 2日目:忠別岳避難小屋〜南沼野営指定地〜トムラウシ山 分岐まで戻りハイマツの中を五色岳まで登ります。五色岳から見るトムラウシ山は一段と大きく、旭岳方向を見返すと昨日歩いてきたルートがよくわかります。ここから化雲岳方面は平坦な道が続き前半はハイマツの中を、後半はお花畑を歩きます。トムラウシ山に向かうように進むとホソバウルップソウも現れ、化雲岳付近ではチングルマの大群落も待っています。化雲岳には寄らずに進むこともできますが、時間に余裕があれば山頂に立つ大岩「化雲のヘソ」を見ていきましょう。切れ落ちた崖から見る表大雪の山も見事です。 化雲岳からトムラウシ山を正面に進み、木道上でヒサゴ小屋に向かう道を分け直進。一度下って登り返せば巨岩の間を縫う木道が天沼まで続き、左手下方には陽光を反射するヒサゴ沼が見えてきます。 トムラウシ山に近づくにつれ大きな岩が増えてきます。天沼周辺は岩と池とチングルマが作り出す「日本庭園」。その先には岩塊斜面が広がるロックガーデン。一度見えなくなったトムラウシ山はここを登り切ると北沼を携えた姿で再登場します。北沼分岐から巻道を使い南沼野営指定地へ。テントを張ってから身軽に山頂を往復します。(トムラウシ山山頂まではトムラウシ短縮コース登山口からトムラウシ山(コースガイド)参照) 南沼野営指定地は広く、ロープで囲われたテントサイトが複数あります。携帯トイレブースも2つあります。大きな雪田が残るので9月でも取水できることが多いです。 3日目:南沼野営指定地〜双子池野営指定地 大雪山縦走のハイライトとも言える、原始的な奥深さを感じられる区間。登山道整備も最小限で、ハイマツや灌木・ササが登山道を覆い、手でかき分けながら歩くことになります。 南沼野営指定地はその名に反して南沼に面していません。出発して数分歩き、急坂に出るとようやく残雪をたたえた綺麗な沼を見ることができます。ここから三川台を越えツリガネ山までは三川台を頂点にユウトムラウシ川の源流部をU字に回りこむ形です。登山道はほぼ平坦で、源流部に点在する池沼を眺めながら歩けます。 三川台から最低コルに向かって下ります。いよいよヤブの濃い区間が始まります。登り下りが続きますが標高差はさほどないので距離を稼げ、ひとピーク越えるごとにオプタテシケ山が大きく見えてきます。コスマヌプリを越え1668mピークに立てば残る行程はわずか。ぬかるみの続く鞍部を抜け登り返すと双子池野営指定地です。 指定地はロープなどで区画されているわけではなく、登山道もテント場もはっきりしません。7月初旬には一面雪で覆われていることもあり、その後も雪解け水にさらされるので基本的にぬかるみやすい場所です。水は野営指定地東端の雪解け水が流れる沢から取ります。8月中には取れなくなることが多いでしょう。 4日目:双子池野営指定地〜十勝岳〜上ホロカメットク山避難小屋 野営指定地からオプタテシケ山に向かってやや左の方に登り小沢を跨ぐとようやく登山道がはっきりしてきます。7月上旬、雪渓が広く残っている時は、さらにわかりにくくなります。 オプタテシケ山までの標高差600mの登りは常に展望が良く、進む先も振り返る背後もよく見えます。オプタテシケ山に立つとここから南へ連なる火山がよく見えます。標高差はさほどではないもののピークごとに登り下りが連続します。オプタテシケ山からベベツ岳・石垣山と進み、美瑛富士の端正な姿を正面に見るとその麓に美瑛富士避難小屋が見えます。小屋への分岐を二つ横目に過ぎ、美瑛富士の裾野をぐるりと巻き、美瑛富士と美瑛岳の鞍部に出ます。十字路になっていて縦走路は左です。ここから美瑛岳へは見えている感じから想像する以上に時間がかかる登りです。山頂近くで分岐に出ます。美瑛岳まではわずかなので往復しても良いでしょう。 (美瑛岳から十勝岳までは望岳台から十勝岳、美瑛岳(コースガイド)を参照) 十勝岳は日帰り登山者で賑わう山です。正面に十勝連峰南端の富良野岳が大きく見え、いよいよ縦走も終わりが見えてきますが、静かに感慨に耽るという感じではありません。ここからは下り基調で上ホロカメットク山避難小屋へ。稜線の右手が切れ落ち美瑛・富良野の街並みがはっきり見えます。避難小屋は上ホロカメットク山の麓、稜線からわずか左側にあります。少し先の雪田から取水しますが、ここも8月には涸れるところです。 5日目:上ホロカメットク山避難小屋〜十勝岳温泉 小屋から上ホロカメットク山を巻く道と山頂に向かう道が分かれます。巻道も意外と登るので山頂を経由して行きましょう。急登を終えると広く平らな山頂です。わずかに下れば上富良野岳に出ます。(上富良野岳から富良野岳を経て十勝岳温泉までは十勝岳温泉から富良野岳、三峰山、上富良野岳(コースガイド)参照) 十勝岳温泉からは上富良野町の町営バスで上富良野駅まで行けます。便数が少ないので時間に注意しましょう。温泉宿で日帰り入浴をしつつ時間調整することもできます。ともにアクセスの良い旭岳温泉から十勝岳温泉を目指します。避難小屋で2泊、野営指定地で2泊の行程です。後半の十勝連峰は8月以降水の入手がどんどん難しくなる山域です。9月に入ると水場が完全に涸れるため、2日分以上の水を持ち歩く必要があります。 1日目:姿見駅〜旭岳〜忠別岳避難小屋 (姿見駅から旭岳を経て間宮岳分岐までは姿見の池から旭岳(コースガイド)を参照)間宮岳分岐から御鉢平に沿って北海岳まで進みます。展望を楽しみながらの緩やかな登り下り。岩の積み重なる白雲岳の姿が正面に見えます。北海岳から白雲岳分岐まではほぼ平坦で、(白雲岳分岐から白雲岳避難小屋までは銀泉台から赤岳、白雲岳、緑岳(コースガイド)を参照)白雲岳避難小屋で今日の行程の概ね半分くらい。小屋前のベンチでトムラウシを眺めながら休憩するのも良いでしょう。小屋から緩やかに下り高根ヶ原へ。平らでどこまでも続く尾根はこれぞ大雪山というべきもの。左手に高原温泉の池沼群を見下ろします。平ヶ岳を乗り越えるとコマクサの大群落が待っています。さらに一つピークを越えると忠別沼。木道が敷かれ休憩にちょうど良い場所です。車輪状に咲く紫のタカネシオガマを見ながら忠別岳へ。忠別川源流部の方に深く切れ落ちていて展望の良い山頂です。トムラウシ山もかなり大きく見えるようになってきました。山頂から下る登山道は両側をチングルマが埋め尽くします。 忠別岳から五色岳にかけての登山道はハイマツに触れながらの歩行ですが、ゆっくり進めば問題ありません。鞍部の分岐で左に折れ忠別岳避難小屋へ。小屋前の雪渓は大きく9月まで取水可能です。 2日目:忠別岳避難小屋〜南沼野営指定地〜トムラウシ山 分岐まで戻りハイマツの中を五色岳まで登ります。五色岳から見るトムラウシ山は一段と大きく、旭岳方向を見返すと昨日歩いてきたルートがよくわかります。ここから化雲岳方面は平坦な道が続き前半はハイマツの中を、後半はお花畑を歩きます。トムラウシ山に向かうように進むとホソバウルップソウも現れ、化雲岳付近ではチングルマの大群落も待っています。化雲岳には寄らずに進むこともできますが、時間に余裕があれば山頂に立つ大岩「化雲のヘソ」を見ていきましょう。切れ落ちた崖から見る表大雪の山も見事です。 化雲岳からトムラウシ山を正面に進み、木道上でヒサゴ小屋に向かう道を分け直進。一度下って登り返せば巨岩の間を縫う木道が天沼まで続き、左手下方には陽光を反射するヒサゴ沼が見えてきます。 トムラウシ山に近づくにつれ大きな岩が増えてきます。天沼周辺は岩と池とチングルマが作り出す「日本庭園」。その先には岩塊斜面が広がるロックガーデン。一度見えなくなったトムラウシ山はここを登り切ると北沼を携えた姿で再登場します。北沼分岐から巻道を使い南沼野営指定地へ。テントを張ってから身軽に山頂を往復します。(トムラウシ山山頂まではトムラウシ短縮コース登山口からトムラウシ山(コースガイド)参照) 南沼野営指定地は広く、ロープで囲われたテントサイトが複数あります。携帯トイレブースも2つあります。大きな雪田が残るので9月でも取水できることが多いです。 3日目:南沼野営指定地〜双子池野営指定地 大雪山縦走のハイライトとも言える、原始的な奥深さを感じられる区間。登山道整備も最小限で、ハイマツや灌木・ササが登山道を覆い、手でかき分けながら歩くことになります。 南沼野営指定地はその名に反して南沼に面していません。出発して数分歩き、急坂に出るとようやく残雪をたたえた綺麗な沼を見ることができます。ここから三川台を越えツリガネ山までは三川台を頂点にユウトムラウシ川の源流部をU字に回りこむ形です。登山道はほぼ平坦で、源流部に点在する池沼を眺めながら歩けます。 三川台から最低コルに向かって下ります。いよいよヤブの濃い区間が始まります。登り下りが続きますが標高差はさほどないので距離を稼げ、ひとピーク越えるごとにオプタテシケ山が大きく見えてきます。コスマヌプリを越え1668mピークに立てば残る行程はわずか。ぬかるみの続く鞍部を抜け登り返すと双子池野営指定地です。 指定地はロープなどで区画されているわけではなく、登山道もテント場もはっきりしません。7月初旬には一面雪で覆われていることもあり、その後も雪解け水にさらされるので基本的にぬかるみやすい場所です。水は野営指定地東端の雪解け水が流れる沢から取ります。8月中には取れなくなることが多いでしょう。 4日目:双子池野営指定地〜十勝岳〜上ホロカメットク山避難小屋 野営指定地からオプタテシケ山に向かってやや左の方に登り小沢を跨ぐとようやく登山道がはっきりしてきます。7月上旬、雪渓が広く残っている時は、さらにわかりにくくなります。 オプタテシケ山までの標高差600mの登りは常に展望が良く、進む先も振り返る背後もよく見えます。オプタテシケ山に立つとここから南へ連なる火山がよく見えます。標高差はさほどではないもののピークごとに登り下りが連続します。オプタテシケ山からベベツ岳・石垣山と進み、美瑛富士の端正な姿を正面に見るとその麓に美瑛富士避難小屋が見えます。小屋への分岐を二つ横目に過ぎ、美瑛富士の裾野をぐるりと巻き、美瑛富士と美瑛岳の鞍部に出ます。十字路になっていて縦走路は左です。ここから美瑛岳へは見えている感じから想像する以上に時間がかかる登りです。山頂近くで分岐に出ます。美瑛岳まではわずかなので往復しても良いでしょう。 (美瑛岳から十勝岳までは望岳台から十勝岳、美瑛岳(コースガイド)を参照) 十勝岳は日帰り登山者で賑わう山です。正面に十勝連峰南端の富良野岳が大きく見え、いよいよ縦走も終わりが見えてきますが、静かに感慨に耽るという感じではありません。ここからは下り基調で上ホロカメットク山避難小屋へ。稜線の右手が切れ落ち美瑛・富良野の街並みがはっきり見えます。避難小屋は上ホロカメットク山の麓、稜線からわずか左側にあります。少し先の雪田から取水しますが、ここも8月には涸れるところです。 5日目:上ホロカメットク山避難小屋〜十勝岳温泉 小屋から上ホロカメットク山を巻く道と山頂に向かう道が分かれます。巻道も意外と登るので山頂を経由して行きましょう。急登を終えると広く平らな山頂です。わずかに下れば上富良野岳に出ます。(上富良野岳から富良野岳を経て十勝岳温泉までは十勝岳温泉から富良野岳、三峰山、上富良野岳(コースガイド)参照) 十勝岳温泉からは上富良野町の町営バスで上富良野駅まで行けます。便数が少ないので時間に注意しましょう。温泉宿で日帰り入浴をしつつ時間調整することもできます。