【長野県】の登山コースガイド

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岩場やクサリ場などがあって、中級以上の技術と経験が必要
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検索結果155件中  41-60件
  • 乗鞍畳平バスターミナルから山上周遊

    乗鞍畳平バスターミナルから山上周遊

    バスが終点の畳平に到着すると気持ちの良い高原の風が出迎えてくれます。夏でも肌寒い気温の時もありますが、標高が高く紫外線が強いので日焼けには気をつけましょう。 広い駐車場にはバスターミナルの他、宿泊施設、土産物屋、神社などがあります。その畳平の駐車場を囲むようにいくつか並んだ頂を結ぶルートを紹介します。 まずはバスターミナル横の階段を降りて、お花畑の脇を通り、ハイマツの間の坂を登っていきます。右手の斜面の向こうにモアイ像に似た不動岩の岩塔が見えます。登り坂を抜けると不消ヶ池の堤の見える広い山道に出ます。広い山道を進み、肩ノ小屋への分岐を右に曲がり、すり鉢状の不消ヶ池の湖畔の奥に道は続き、ドーム状の気象観測所へ向かいます。山頂の観測所の施設までで道は行き止まりです。摩利支天岳からは、乗鞍の全景を存分に楽しめます。 摩利支天岳から下って畳平方面へ戻ると、富士見岳への登り口があります。15分ほどで富士見岳山頂です。その名の通り条件がよければ遠くに富士山を拝むことができます。夏のシーズンは未明に到着する早朝バスに乗り、富士山とご来光目当てで富士見岳に登る登山者も多くいます。富士見岳を北側に下り、鶴ヶ池を左手に見ながら乗鞍エコーラインの車道を横断すると大黒岳の登山口です。 ロープで仕切られた登山道を登っていく際には、ロープの内側にも高山植物があるので、不用意に傷めないよう注意しましょう。大黒岳頂上にはコンクリート製の休憩所、三角点、山名が記された名盤が設置してあります。大黒岳の頂上を後にし、さらに北側へ歩を進めると広大なハイマツ帯の桔梗ヶ原が広がります。北アルプスの遠景を楽しみながら下り、乗鞍スカイラインの車道に出ます。通過するバスなどの車両に注意しながら車道路肩を歩きます。 「平湯・十石山登山口」の道標を目印に再び登山道に入り、四ッ岳を左に見ながら硫黄岳を目指してザレた下り坂を進んでいきます。登山道脇のコマクサの群生を楽しみながら、道が水平にトラバースし始めたあたりで適当に草付きのすき間を縫って右斜面を登ると、硫黄岳の頂上付近に出ます。 帰り道は乗鞍スカイラインの車道を歩いて畳平へと向かいます。余裕があれば駐車場横から登れる魔王岳に登ることも可能です。
    バスが終点の畳平に到着すると気持ちの良い高原の風が出迎えてくれます。夏でも肌寒い気温の時もありますが、標高が高く紫外線が強いので日焼けには気をつけましょう。 広い駐車場にはバスターミナルの他、宿泊施設、土産物屋、神社などがあります。その畳平の駐車場を囲むようにいくつか並んだ頂を結ぶルートを紹介します。 まずはバスターミナル横の階段を降りて、お花畑の脇を通り、ハイマツの間の坂を登っていきます。右手の斜面の向こうにモアイ像に似た不動岩の岩塔が見えます。登り坂を抜けると不消ヶ池の堤の見える広い山道に出ます。広い山道を進み、肩ノ小屋への分岐を右に曲がり、すり鉢状の不消ヶ池の湖畔の奥に道は続き、ドーム状の気象観測所へ向かいます。山頂の観測所の施設までで道は行き止まりです。摩利支天岳からは、乗鞍の全景を存分に楽しめます。 摩利支天岳から下って畳平方面へ戻ると、富士見岳への登り口があります。15分ほどで富士見岳山頂です。その名の通り条件がよければ遠くに富士山を拝むことができます。夏のシーズンは未明に到着する早朝バスに乗り、富士山とご来光目当てで富士見岳に登る登山者も多くいます。富士見岳を北側に下り、鶴ヶ池を左手に見ながら乗鞍エコーラインの車道を横断すると大黒岳の登山口です。 ロープで仕切られた登山道を登っていく際には、ロープの内側にも高山植物があるので、不用意に傷めないよう注意しましょう。大黒岳頂上にはコンクリート製の休憩所、三角点、山名が記された名盤が設置してあります。大黒岳の頂上を後にし、さらに北側へ歩を進めると広大なハイマツ帯の桔梗ヶ原が広がります。北アルプスの遠景を楽しみながら下り、乗鞍スカイラインの車道に出ます。通過するバスなどの車両に注意しながら車道路肩を歩きます。 「平湯・十石山登山口」の道標を目印に再び登山道に入り、四ッ岳を左に見ながら硫黄岳を目指してザレた下り坂を進んでいきます。登山道脇のコマクサの群生を楽しみながら、道が水平にトラバースし始めたあたりで適当に草付きのすき間を縫って右斜面を登ると、硫黄岳の頂上付近に出ます。 帰り道は乗鞍スカイラインの車道を歩いて畳平へと向かいます。余裕があれば駐車場横から登れる魔王岳に登ることも可能です。
  • 乗鞍畳平バスターミナルから平湯温泉へ

    乗鞍畳平バスターミナルから平湯温泉へ

    畳平からの歩き出しは、鶴ヶ池を右に見て、乗鞍スカイラインの路肩を歩くことになります。車道をしばらく進むのでバスなどの車両の通過に注意しましょう。クマの出没を監視するパトロール員を見かけたら、クマの状況も聞いておくとよいでしょう。このルートはすれ違う登山者も少ないので、クマ鈴やラジオなどの音の出るものを携帯することをおすすめします。 尖った頂上の烏帽子岳が左前方に見え、道路の右側には広大な桔梗ヶ原のハイマツ帯があり、時には雷鳥の飛翔が見られます。やがて、正面には槍穂高連峰が見え始め、乗鞍スカイラインが大きく左カーブするあたりで「平湯・十石山登山口」の道標があります。 車道を外れ登山道に入り、四ッ岳の巨大な山塊を左に見ながら硫黄岳への鞍部へと下りていきます。ハイマツに覆われた硫黄岳の西側斜面をトラバースするように登山道は続き、やがて視界が開けると乗鞍岳の北側山麓が見渡せます。やがて登山道の周りには灌木類が増え、コメツガやダケカンバなどの樹林も混じり始めます。ナナカマドなどの灌木に囲まれて周りが見渡せなくなってくるあたりの木陰には、6月頃まで雪渓が残り登山道が分かりにくい場所もあるので、慎重にルートを見極めて進みます。また、雪解けで道がぬかるみ滑りやすいこともあるので注意して歩きましょう。 少し灌木類が切れてササ原に覆われた台地状の場所に出ると、乗鞍権現社の社があります。地元の集落では毎年春に登山道整備を兼ねてお参りの登山が行われています。 乗鞍権現社で小休止したら、社左側の斜面をトラバースするように登山道を進みます。ダケカンバに囲まれたトラバース道は片斜面なので草付きでスリップしないように気をつけましょう。金山岩、十石山側の尾根から平湯側へ枝分かれした尾根上の登山道を進みます。急斜面をしばらく下り傾斜が緩くなった頃、水場の道標があります。矢印に従って分岐を左に下り、草刈りされた道を40~50m進むと小沢に出ますが夏の渇水期には枯れています。 尾根道は針葉樹の高木が多くなり、快適な下り道が続きます。途中、白猿ヶ池の道標があり、池の畔に降り立つと高山の湿地に生息するルリボシヤンマを見かけることがあります。やがてスキー場上端の登山口に出ます。スキー場に出ると里が近くなったように感じますがそれなりの距離があります。羊の放牧地を抜けてようやくスキー場下の平湯キャンプ場に到着です。
    畳平からの歩き出しは、鶴ヶ池を右に見て、乗鞍スカイラインの路肩を歩くことになります。車道をしばらく進むのでバスなどの車両の通過に注意しましょう。クマの出没を監視するパトロール員を見かけたら、クマの状況も聞いておくとよいでしょう。このルートはすれ違う登山者も少ないので、クマ鈴やラジオなどの音の出るものを携帯することをおすすめします。 尖った頂上の烏帽子岳が左前方に見え、道路の右側には広大な桔梗ヶ原のハイマツ帯があり、時には雷鳥の飛翔が見られます。やがて、正面には槍穂高連峰が見え始め、乗鞍スカイラインが大きく左カーブするあたりで「平湯・十石山登山口」の道標があります。 車道を外れ登山道に入り、四ッ岳の巨大な山塊を左に見ながら硫黄岳への鞍部へと下りていきます。ハイマツに覆われた硫黄岳の西側斜面をトラバースするように登山道は続き、やがて視界が開けると乗鞍岳の北側山麓が見渡せます。やがて登山道の周りには灌木類が増え、コメツガやダケカンバなどの樹林も混じり始めます。ナナカマドなどの灌木に囲まれて周りが見渡せなくなってくるあたりの木陰には、6月頃まで雪渓が残り登山道が分かりにくい場所もあるので、慎重にルートを見極めて進みます。また、雪解けで道がぬかるみ滑りやすいこともあるので注意して歩きましょう。 少し灌木類が切れてササ原に覆われた台地状の場所に出ると、乗鞍権現社の社があります。地元の集落では毎年春に登山道整備を兼ねてお参りの登山が行われています。 乗鞍権現社で小休止したら、社左側の斜面をトラバースするように登山道を進みます。ダケカンバに囲まれたトラバース道は片斜面なので草付きでスリップしないように気をつけましょう。金山岩、十石山側の尾根から平湯側へ枝分かれした尾根上の登山道を進みます。急斜面をしばらく下り傾斜が緩くなった頃、水場の道標があります。矢印に従って分岐を左に下り、草刈りされた道を40~50m進むと小沢に出ますが夏の渇水期には枯れています。 尾根道は針葉樹の高木が多くなり、快適な下り道が続きます。途中、白猿ヶ池の道標があり、池の畔に降り立つと高山の湿地に生息するルリボシヤンマを見かけることがあります。やがてスキー場上端の登山口に出ます。スキー場に出ると里が近くなったように感じますがそれなりの距離があります。羊の放牧地を抜けてようやくスキー場下の平湯キャンプ場に到着です。
  • 鈴蘭橋から剣ヶ峰へ

    鈴蘭橋から剣ヶ峰へ

    すずらん橋バス停付近がこのコースの起点となります。広い駐車場と、トイレがあります。まず鈴蘭橋は渡らずに、スキー場内の道を登っていきます。しばらくスキー場内を直登する登山道を進むと、道は左側の樹林帯へと続きます。日差しを遮ってくれるカラマツ林をトラバースするように道は進み、樹林はシラビソ類の樹種が多くなっていきます。 三本滝分岐点を過ぎると登山道は緩い尾根道となり、しばらくは、シラビソ、コメツガが多く混じる樹林帯を進んでいきます。やがて登山道は、乗鞍エコーラインの車道と交差します。バスやタクシーなどのほか、サイクリングを楽しむ自転車なども通るので注意しましょう。登山道は何箇所か車道を歩く部分を交えながら徐々に高度を上げていきます。途中、2022年の夏より営業を再開した冷泉小屋があります。このあたりまでくると樹林帯の樹高は低くなり、仰ぎ見るような高木は少なくなって、樹種もダケカンバやハンノキなどが多くなります。さらに何回か車道を挟んで登山道は進み、やがて位ヶ原山荘に到着です。先の冷泉小屋とともに、駐輪場やベンチが整備され、サイクリストの休憩ポイントになっています。小屋を過ぎるとナナカマドの群生が目立ち始め、登山道はほどなく森林限界を超えます。6~7月頃、シーズンが早いと雪渓が一部に残り登山道が分かりにくい所がある場合には、岩に描かれたペンキ印や赤布などの目印を探しながら進むことになります。肩ノ小屋口バス停(トイレ、休憩所あり)の手前では、場合によっては沢の増水で通りにくい所もあり、荒れた道に不慣れなら迷わず車道を選択するのがいいでしょう。 大雪渓脇の登山道を肩ノ小屋まで進みます。肩ノ小屋では畳平からの登山者も混じって賑わっていることでしょう。肩ノ小屋と東大宇宙線研究所の間には頂上までの最後のトイレがあり、万が一の噴火の際の避難シェルターにもなっています。肩ノ小屋からの道は道幅が広く取ってあり、すれ違いに苦労することはほとんどありませんが、多人数のパーティとすれ違うときは登り優先の原則が崩れてしまうこともあります。 岩状の道が途切れ、尾根のような所に出ると、雪渓を脇に残した権現池が見えます。剣ヶ峰を間近に見ながら頂上直下の分岐では左側の道を進むと、頂上小屋の脇を通って頂上剣ヶ峰へ。パノラマを楽しんだあとは浮き石に注意しながら権現池側の下り道を降ります。 肩ノ小屋からは乗鞍観測所のある摩利支天岳の脇を通る車道を畳平へと向かいます。
    すずらん橋バス停付近がこのコースの起点となります。広い駐車場と、トイレがあります。まず鈴蘭橋は渡らずに、スキー場内の道を登っていきます。しばらくスキー場内を直登する登山道を進むと、道は左側の樹林帯へと続きます。日差しを遮ってくれるカラマツ林をトラバースするように道は進み、樹林はシラビソ類の樹種が多くなっていきます。 三本滝分岐点を過ぎると登山道は緩い尾根道となり、しばらくは、シラビソ、コメツガが多く混じる樹林帯を進んでいきます。やがて登山道は、乗鞍エコーラインの車道と交差します。バスやタクシーなどのほか、サイクリングを楽しむ自転車なども通るので注意しましょう。登山道は何箇所か車道を歩く部分を交えながら徐々に高度を上げていきます。途中、2022年の夏より営業を再開した冷泉小屋があります。このあたりまでくると樹林帯の樹高は低くなり、仰ぎ見るような高木は少なくなって、樹種もダケカンバやハンノキなどが多くなります。さらに何回か車道を挟んで登山道は進み、やがて位ヶ原山荘に到着です。先の冷泉小屋とともに、駐輪場やベンチが整備され、サイクリストの休憩ポイントになっています。小屋を過ぎるとナナカマドの群生が目立ち始め、登山道はほどなく森林限界を超えます。6~7月頃、シーズンが早いと雪渓が一部に残り登山道が分かりにくい所がある場合には、岩に描かれたペンキ印や赤布などの目印を探しながら進むことになります。肩ノ小屋口バス停(トイレ、休憩所あり)の手前では、場合によっては沢の増水で通りにくい所もあり、荒れた道に不慣れなら迷わず車道を選択するのがいいでしょう。 大雪渓脇の登山道を肩ノ小屋まで進みます。肩ノ小屋では畳平からの登山者も混じって賑わっていることでしょう。肩ノ小屋と東大宇宙線研究所の間には頂上までの最後のトイレがあり、万が一の噴火の際の避難シェルターにもなっています。肩ノ小屋からの道は道幅が広く取ってあり、すれ違いに苦労することはほとんどありませんが、多人数のパーティとすれ違うときは登り優先の原則が崩れてしまうこともあります。 岩状の道が途切れ、尾根のような所に出ると、雪渓を脇に残した権現池が見えます。剣ヶ峰を間近に見ながら頂上直下の分岐では左側の道を進むと、頂上小屋の脇を通って頂上剣ヶ峰へ。パノラマを楽しんだあとは浮き石に注意しながら権現池側の下り道を降ります。 肩ノ小屋からは乗鞍観測所のある摩利支天岳の脇を通る車道を畳平へと向かいます。
  • 白骨温泉から十石山へ

    白骨温泉から十石山へ

    白骨温泉の温泉街の外れに上高地乗鞍スーパー林道のC区間(白骨温泉安房峠間)の入口がありますが、現在は法面の崩壊などで不通となっています。無料化となったため料金所は取り壊されており、林道を少し上がると無線局のアンテナがあり、その近くに十石山への登山口があります。 杉、檜の植林地の脇を抜けて白骨温泉の旅館街を見ながら、ナラ、ブナ、シラカバに囲まれた広葉樹林の中を歩くと、平坦地に出ます。平坦地はカラマツ林で丁字の分岐があり、左に折れれば「至十石山」の道標があります。曲がらないで直進するとササヤブの平坦地を抜けてスーパー林道へ交差します。 道標に従ってカラマツ林を登っていくと、ほどなくシラカバ林に変わり、少し急登の尾根道を上がっていきます。ササ刈りは定期的にしてあり、歩きやすい道です。尾根道が平坦になったあたりでササの刈り込みが広くしてあるちょっとした休憩場所があります。尾根の平坦部あたりからは、ツガやシラビソの亜高山帯の樹種が増えてきます。シラビソの丸太の年輪は緻密で、それ程巨木でなくても200年以上の樹齢を誇るものもあります。 徐々に傾斜がきつくなってくると、矮小化して低い樹高のシラビソ、ツガ類が見られるようになります。針葉樹が低くなり、やがて森林限界が近づくとナナカマドなどの灌木も見られるようになります。森林限界あたりからは北アルプスの山並みを眺望できます。登山道を囲むササ原は、ハイマツの絨毯が混じるようになります。 ササよりハイマツの割合が多くなっていき、十石峠避難小屋の看板のある小屋に到着。小屋の入口には天水を貯めるタンクが設置してあり、必要な場合は沸かすなどして飲用に利用できます。ロフトもあり、広い小屋です。 小屋裏に出るとハイマツの中に登山道が続き、十石山の三角点まで行くことができます。三角点が近づくにつれハイマツは背丈を越えてヤブ漕ぎ状態となります。頂上は緩い丘陵部分にあり、三角点がなければピークが分かりにくいです。三角点を越えてさらに登山道は尾根に続いていますが、途中が崩壊しているため通行不可となっています。ハイマツのヤブを抜けて崩壊地側を覗くと、剣ヶ峰から烏帽子岳、四ッ岳までの乗鞍の峰々が望めます。 帰路は、往路をそのまま戻りますが、ハイマツ、ササ原、雪渓などでは登山道を見失わないように注意して下山しましょう。
    白骨温泉の温泉街の外れに上高地乗鞍スーパー林道のC区間(白骨温泉安房峠間)の入口がありますが、現在は法面の崩壊などで不通となっています。無料化となったため料金所は取り壊されており、林道を少し上がると無線局のアンテナがあり、その近くに十石山への登山口があります。 杉、檜の植林地の脇を抜けて白骨温泉の旅館街を見ながら、ナラ、ブナ、シラカバに囲まれた広葉樹林の中を歩くと、平坦地に出ます。平坦地はカラマツ林で丁字の分岐があり、左に折れれば「至十石山」の道標があります。曲がらないで直進するとササヤブの平坦地を抜けてスーパー林道へ交差します。 道標に従ってカラマツ林を登っていくと、ほどなくシラカバ林に変わり、少し急登の尾根道を上がっていきます。ササ刈りは定期的にしてあり、歩きやすい道です。尾根道が平坦になったあたりでササの刈り込みが広くしてあるちょっとした休憩場所があります。尾根の平坦部あたりからは、ツガやシラビソの亜高山帯の樹種が増えてきます。シラビソの丸太の年輪は緻密で、それ程巨木でなくても200年以上の樹齢を誇るものもあります。 徐々に傾斜がきつくなってくると、矮小化して低い樹高のシラビソ、ツガ類が見られるようになります。針葉樹が低くなり、やがて森林限界が近づくとナナカマドなどの灌木も見られるようになります。森林限界あたりからは北アルプスの山並みを眺望できます。登山道を囲むササ原は、ハイマツの絨毯が混じるようになります。 ササよりハイマツの割合が多くなっていき、十石峠避難小屋の看板のある小屋に到着。小屋の入口には天水を貯めるタンクが設置してあり、必要な場合は沸かすなどして飲用に利用できます。ロフトもあり、広い小屋です。 小屋裏に出るとハイマツの中に登山道が続き、十石山の三角点まで行くことができます。三角点が近づくにつれハイマツは背丈を越えてヤブ漕ぎ状態となります。頂上は緩い丘陵部分にあり、三角点がなければピークが分かりにくいです。三角点を越えてさらに登山道は尾根に続いていますが、途中が崩壊しているため通行不可となっています。ハイマツのヤブを抜けて崩壊地側を覗くと、剣ヶ峰から烏帽子岳、四ッ岳までの乗鞍の峰々が望めます。 帰路は、往路をそのまま戻りますが、ハイマツ、ササ原、雪渓などでは登山道を見失わないように注意して下山しましょう。
  • 乗鞍畳平バスターミナルから剣ヶ峰、丸黒尾根へ

    乗鞍畳平バスターミナルから剣ヶ峰、丸黒尾根へ

    畳平からの歩き始めは、お花畑経由か鶴ヶ池経由の二通りが選べます。ゆっくりと歩きはじめ、体が慣れてきたら、物資補給の車も通る車道を肩ノ小屋まで歩きます。鞍部に作られた肩ノ小屋横にはトイレがあります。 肩ノ小屋からの登りは、小石や小岩でザレた広めの登山道を進みます。山頂に近くなるとハイマツも消え、岩場に囲まれた景色となります。頂上小屋側から登ると、剣ヶ峰直前の所で踏み跡不明瞭な千町尾根への分岐があります。分岐からはガレた道を慎重に下りていきます。危なげなガレ場を過ぎると、登山道は杭とロープに囲まれて整備され、ロープで仕切られたガレ場には高山植物の女王コマクサの群生が見られます。 千町尾根に八十八体据えられたという石仏のいくつかを眺めながらハイマツやガレ場の間を下りていきます。古い道標に「乗鞍岳1.7km、日影平12.3km」の表示があり、そこから登山道はハイマツの中へ入り、しばらく歩くと広い台地状の中洞権現に出ます。中洞権現からは千町尾根に向かいます。千町尾根から日影平へと続く尾根筋は本州中央分水嶺の一部で、剣ヶ峰は分水嶺の最高峰ともなっています。 中洞権現から先は気持ちの良いハイマツ帯が広がっていますが、ハイマツが人の背丈ほどのところもあります。ハイマツの野原から針葉樹林に登山道が続き、木陰を抜けるとやがてコバイケイソウやニッコウキスゲの咲く草原に出ます。一部、木道が整備され歩きやすい場所です。木道をひとしきり歩き、池塘が周りに見えてきます。そこまでくれば、奥千町避難小屋のログハウス調の建物はすぐ近くです。無人の奥千町避難小屋はトイレもあり、10人程度は宿泊可能ですが、近くに飲料水が確保できる場所がないので注意です。 尾根上のピークをトラバースしながら、さらに西へ尾根を下ると、千町ヶ原となり、湿原が迎えてくれます。千町ヶ原が樹林帯と接している辺りで九蔵ノ尾根への分岐がありますが、道標を見落とすとわかりにくいので注意が必要です。 丸黒山へは分岐を曲がらず直進します。ササ原が濃く踏跡の不明瞭な道を尾根伝いに慎重に進み、鞍部を経て丸黒山への急登を登ります。丸黒山から先は比較的登山道が整備されており、アップダウンはあるものの歩きやすくなります。枯松平山、日影平山とササ野原の中を進み、青少年交流の家へと進む途中、交流の家付近にはオリエンテーションコースの分岐があるので迷い込まないように注意しましょう。青少年交流の家バス停は駐車場にあります。
    畳平からの歩き始めは、お花畑経由か鶴ヶ池経由の二通りが選べます。ゆっくりと歩きはじめ、体が慣れてきたら、物資補給の車も通る車道を肩ノ小屋まで歩きます。鞍部に作られた肩ノ小屋横にはトイレがあります。 肩ノ小屋からの登りは、小石や小岩でザレた広めの登山道を進みます。山頂に近くなるとハイマツも消え、岩場に囲まれた景色となります。頂上小屋側から登ると、剣ヶ峰直前の所で踏み跡不明瞭な千町尾根への分岐があります。分岐からはガレた道を慎重に下りていきます。危なげなガレ場を過ぎると、登山道は杭とロープに囲まれて整備され、ロープで仕切られたガレ場には高山植物の女王コマクサの群生が見られます。 千町尾根に八十八体据えられたという石仏のいくつかを眺めながらハイマツやガレ場の間を下りていきます。古い道標に「乗鞍岳1.7km、日影平12.3km」の表示があり、そこから登山道はハイマツの中へ入り、しばらく歩くと広い台地状の中洞権現に出ます。中洞権現からは千町尾根に向かいます。千町尾根から日影平へと続く尾根筋は本州中央分水嶺の一部で、剣ヶ峰は分水嶺の最高峰ともなっています。 中洞権現から先は気持ちの良いハイマツ帯が広がっていますが、ハイマツが人の背丈ほどのところもあります。ハイマツの野原から針葉樹林に登山道が続き、木陰を抜けるとやがてコバイケイソウやニッコウキスゲの咲く草原に出ます。一部、木道が整備され歩きやすい場所です。木道をひとしきり歩き、池塘が周りに見えてきます。そこまでくれば、奥千町避難小屋のログハウス調の建物はすぐ近くです。無人の奥千町避難小屋はトイレもあり、10人程度は宿泊可能ですが、近くに飲料水が確保できる場所がないので注意です。 尾根上のピークをトラバースしながら、さらに西へ尾根を下ると、千町ヶ原となり、湿原が迎えてくれます。千町ヶ原が樹林帯と接している辺りで九蔵ノ尾根への分岐がありますが、道標を見落とすとわかりにくいので注意が必要です。 丸黒山へは分岐を曲がらず直進します。ササ原が濃く踏跡の不明瞭な道を尾根伝いに慎重に進み、鞍部を経て丸黒山への急登を登ります。丸黒山から先は比較的登山道が整備されており、アップダウンはあるものの歩きやすくなります。枯松平山、日影平山とササ野原の中を進み、青少年交流の家へと進む途中、交流の家付近にはオリエンテーションコースの分岐があるので迷い込まないように注意しましょう。青少年交流の家バス停は駐車場にあります。
  • 乗鞍畳平バスターミナルから剣ヶ峰、九蔵ノ尾根へ

    乗鞍畳平バスターミナルから剣ヶ峰、九蔵ノ尾根へ

    山岳信仰の対象として崇められた乗鞍岳への登山ルートには古いルートがいくつかありましたが、乗鞍スカイラインなどの車道による登山の普及で、廃れてしまったところも多くあります。そんな廃道となった旧道のひとつに、旧朝日村(現高山市朝日町)の上牧太郎之助が明治から大正、昭和にかけて九蔵ノ尾根に登山道を開き、一里塚の石仏を登山道沿いに88箇所に置いたという乗鞍青屋登山道があります。地元の有志が復興を目指し、再整備されました。 長野県側の乗鞍高原から入ると畳平手前で2716mに達しますが、そこは日本の公共交通機関車両が到達できる最高点です。 肩ノ小屋の立つ鞍部には宇宙線観測所があり、その向こうには五ノ池を有する室堂ヶ原が広がっています。肩ノ小屋からのザレた道は、一定のペースで徐々に高度を稼ぎましょう。剣ヶ峰から千町側への分岐道はガレた岩が多いため、充分注意して下ります。 大日岳の脇をトラバースするように道は続きますが、大岩のゴロゴロした箇所もあり、ペンキ印などを見失わないように歩きます。 長大な千町尾根の大半は深いハイマツ帯が多く、通過にはそれなりに体力を消費するので充分余裕を持って行動しなければなりません。奥千町避難小屋は宿泊は可能ですが飲料水はありません。健脚でないと対応できないルートといえます。千町尾根からの派生尾根がいくつかあり、いざという時はエスケープルートとして使えますが、整備が行き届いていない場合も多いので利用する際は注意しましょう。 避難小屋から先は池塘は少なくなりますが、木道もなく雨天時は登山道がぬかるむので用心しましょう。千町ヶ原の末端付近に九蔵ノ尾根への分岐がありますが、道標を見落としやすいので注意です。分岐を左に折れてすぐに池塘の脇を歩くと、祠に収まった石仏があります。十分に注意したいのは、九蔵ノ尾根の青屋登山道は復興してまだ新しいため、刈り払いが遅れるとササが増えて道が荒れる傾向にあります。高山市役所朝日支所などで必ず状況を事前に確認しておきましょう。 定期的に現れる石仏の祠を確認しながら長い尾根を降りていきます。尾根が細くなり植林された杉や檜に囲まれたつづら折れの道を下ると大きな祠があり、九蔵林道に出ます。林道を少し上流側に歩くと水場があり、冷たい山の水を補給することができます。林道をしばらく歩けば、青屋集落の小俣谷橋に出ます。
    山岳信仰の対象として崇められた乗鞍岳への登山ルートには古いルートがいくつかありましたが、乗鞍スカイラインなどの車道による登山の普及で、廃れてしまったところも多くあります。そんな廃道となった旧道のひとつに、旧朝日村(現高山市朝日町)の上牧太郎之助が明治から大正、昭和にかけて九蔵ノ尾根に登山道を開き、一里塚の石仏を登山道沿いに88箇所に置いたという乗鞍青屋登山道があります。地元の有志が復興を目指し、再整備されました。 長野県側の乗鞍高原から入ると畳平手前で2716mに達しますが、そこは日本の公共交通機関車両が到達できる最高点です。 肩ノ小屋の立つ鞍部には宇宙線観測所があり、その向こうには五ノ池を有する室堂ヶ原が広がっています。肩ノ小屋からのザレた道は、一定のペースで徐々に高度を稼ぎましょう。剣ヶ峰から千町側への分岐道はガレた岩が多いため、充分注意して下ります。 大日岳の脇をトラバースするように道は続きますが、大岩のゴロゴロした箇所もあり、ペンキ印などを見失わないように歩きます。 長大な千町尾根の大半は深いハイマツ帯が多く、通過にはそれなりに体力を消費するので充分余裕を持って行動しなければなりません。奥千町避難小屋は宿泊は可能ですが飲料水はありません。健脚でないと対応できないルートといえます。千町尾根からの派生尾根がいくつかあり、いざという時はエスケープルートとして使えますが、整備が行き届いていない場合も多いので利用する際は注意しましょう。 避難小屋から先は池塘は少なくなりますが、木道もなく雨天時は登山道がぬかるむので用心しましょう。千町ヶ原の末端付近に九蔵ノ尾根への分岐がありますが、道標を見落としやすいので注意です。分岐を左に折れてすぐに池塘の脇を歩くと、祠に収まった石仏があります。十分に注意したいのは、九蔵ノ尾根の青屋登山道は復興してまだ新しいため、刈り払いが遅れるとササが増えて道が荒れる傾向にあります。高山市役所朝日支所などで必ず状況を事前に確認しておきましょう。 定期的に現れる石仏の祠を確認しながら長い尾根を降りていきます。尾根が細くなり植林された杉や檜に囲まれたつづら折れの道を下ると大きな祠があり、九蔵林道に出ます。林道を少し上流側に歩くと水場があり、冷たい山の水を補給することができます。林道をしばらく歩けば、青屋集落の小俣谷橋に出ます。
  • アイミックスキャンプ場から剣ヶ峰へ

    アイミックスキャンプ場から剣ヶ峰へ

    高山市の公共バス「たかね号」で高根町阿多野郷集落まで行くと、アイミックスキャンプ場までは徒歩20分ほど。キャンプ場の中を通る林道は、谷をいくつかまたいで登山口に向かいます。アイミックスキャンプ場を過ぎてまもなく横切るのは東谷。東谷にかかる橋には林道ゲートがあります。東谷付近はカラマツ林が出迎えてくれます。のんびりと林道を歩いていくと、やがて真谷にかかる橋を渡ります。あたりはカラマツ林から杉、檜の植林が多くなっていき、林道脇の谷は徐々に深くなり木々の間からは御嶽山も見えるようになります。 再び谷が近くなり黒谷に掛かる堰堤で水量の少ない場所で渡渉し、右岸に渡ってしばらく進むと林道終点の登山口があります。つづら折れの登山道に入ると全体的にササが濃く道が分かりにくい所もありますが、古い登山道なので踏み跡は比較的しっかりしています。斜面をトラバースするように進んでいき、やがて中洞権現尾根に出ると傾斜が緩くなり、周りの針葉樹もシラビソやツガ類にかわってきます。 阿多野郷側の黒谷と黍生集落側の黍生谷に挟まれた中洞権現尾根は草付きが少なくなり、高度が上がるにつれ、シラビソ、コメツガ類が増え、亜高山帯の針葉樹林となります。ほどなく針葉樹林は矮小化した低木に変わり、森林限界を迎える頃、千町尾根のハイマツ帯の緑の絨毯が目に入ります。やがて道はハイマツの間を縫うように続き、岩に描かれたペンキの丸印を探しながら分岐を目指すと、ハイマツも途切れて徐々に踏み跡がはっきりしなくなってきます。そのまま傾斜の高い方へ進むとケルンや石仏、「乗鞍岳まで2km」と表示された道標があり、中洞権現に到着です。 千町尾根からは乗鞍岳の屏風岳、大日岳が間近に望め、剣ヶ峰はそのすぐ向こうです。剣ヶ峰側に歩いていくと、尾根の右側は深い谷、左側は深いハイマツ帯です。ハイマツの中を多少ヤブ漕ぎぎみに歩くと、ほどなくガレ場のゴーロを横切ります。このゴーロは谷状になって五色ヶ原方面の沢上谷最上流部につながっています。 このあたりから、大柄なコバイケイソウの群落をはじめ、豊富な高山植物を楽しみながら登ることができます。剣ヶ峰が近くなるとハイマツがまばらになり、砂礫地に群生するコマクサを見ることができます。剣ヶ峰直下はガレた岩場の通過になるので、浮き石や落石に十分注意して登りましょう。剣ヶ峰からは360度のパノラマを楽しむことができます。下山は往路と同じ道を戻ります。
    高山市の公共バス「たかね号」で高根町阿多野郷集落まで行くと、アイミックスキャンプ場までは徒歩20分ほど。キャンプ場の中を通る林道は、谷をいくつかまたいで登山口に向かいます。アイミックスキャンプ場を過ぎてまもなく横切るのは東谷。東谷にかかる橋には林道ゲートがあります。東谷付近はカラマツ林が出迎えてくれます。のんびりと林道を歩いていくと、やがて真谷にかかる橋を渡ります。あたりはカラマツ林から杉、檜の植林が多くなっていき、林道脇の谷は徐々に深くなり木々の間からは御嶽山も見えるようになります。 再び谷が近くなり黒谷に掛かる堰堤で水量の少ない場所で渡渉し、右岸に渡ってしばらく進むと林道終点の登山口があります。つづら折れの登山道に入ると全体的にササが濃く道が分かりにくい所もありますが、古い登山道なので踏み跡は比較的しっかりしています。斜面をトラバースするように進んでいき、やがて中洞権現尾根に出ると傾斜が緩くなり、周りの針葉樹もシラビソやツガ類にかわってきます。 阿多野郷側の黒谷と黍生集落側の黍生谷に挟まれた中洞権現尾根は草付きが少なくなり、高度が上がるにつれ、シラビソ、コメツガ類が増え、亜高山帯の針葉樹林となります。ほどなく針葉樹林は矮小化した低木に変わり、森林限界を迎える頃、千町尾根のハイマツ帯の緑の絨毯が目に入ります。やがて道はハイマツの間を縫うように続き、岩に描かれたペンキの丸印を探しながら分岐を目指すと、ハイマツも途切れて徐々に踏み跡がはっきりしなくなってきます。そのまま傾斜の高い方へ進むとケルンや石仏、「乗鞍岳まで2km」と表示された道標があり、中洞権現に到着です。 千町尾根からは乗鞍岳の屏風岳、大日岳が間近に望め、剣ヶ峰はそのすぐ向こうです。剣ヶ峰側に歩いていくと、尾根の右側は深い谷、左側は深いハイマツ帯です。ハイマツの中を多少ヤブ漕ぎぎみに歩くと、ほどなくガレ場のゴーロを横切ります。このゴーロは谷状になって五色ヶ原方面の沢上谷最上流部につながっています。 このあたりから、大柄なコバイケイソウの群落をはじめ、豊富な高山植物を楽しみながら登ることができます。剣ヶ峰が近くなるとハイマツがまばらになり、砂礫地に群生するコマクサを見ることができます。剣ヶ峰直下はガレた岩場の通過になるので、浮き石や落石に十分注意して登りましょう。剣ヶ峰からは360度のパノラマを楽しむことができます。下山は往路と同じ道を戻ります。
  • 新登山口から鉢盛山へ

    新登山口から鉢盛山へ

    鉢盛山林道ゲートから10km車で上がったところに新登山口があります。登山道入口から登り始めると、カラマツ林の尾根を小さなつづら折りを交えながらの急登です。時折、登山道がカラマツ林から開けたササ原に回り込むと、松本盆地の雲海が見られることもあります。急登の尾根道を登りきり、村界尾根に出たところで、ハト峰への分岐があり、左に折れて鉢盛山に向かいます。分岐から後ろを振り返ると、松本盆地の向こうに美ヶ原や八ヶ岳を遠望できます。カラマツ林はシラビソ林に変わり、平坦な尾根道は部分的にぬかるむような場所もあります。 白っぽい樹肌のシラビソ林に焦げ茶の樹肌のツガが混じり始めるあたりは槍見尾根と呼ばれ、少し傾斜がつき始め、道はつづら折りの箇所も出てきます。傾斜が再び緩くなったところで、小さな湿原があり、権現ノ庭の道標が立ててあります。木道は朽ちて通りにくくはなっていますが、乾燥が進み始めたささやかな箱庭のような小湿原です。植物を踏み荒らさないように丁寧に歩きましょう。 権現ノ庭を過ぎると、権現坂と呼ばれる短い坂道を抜けて、避難小屋の鉢盛山荘に到着します。プレハブ仕立ての避難小屋の脇を通り、ほど近いところに鉢盛山の頂上があります。頂上には山名を記した名盤があり、三角点のそばには石の祠が鎮座しています。針葉樹に遮られて頂上からの眺望はあまりよくありませんが、頂上から50~60m西側の台地にマイクロウェーブの反射板があり、そこからの眺めは最高です。大パノラマの眺望は、槍ヶ岳、穂高連峰へと続き、西穂高の尾根は焼岳につながり、乗鞍岳の長大な裾野に連続しています。さらに、乗鞍岳の南側の裾野が野麦峠を経て、御嶽山へとパノラマは続いています。 大パノラマを楽しんだ後、鉢盛山の頂上から下る時は、向かって右側の分岐道に迷い込まないように注意しましょう。右への分岐道は林道から派生する電力会社の巡視路で、避難小屋の裏を通って林道の奥へ降りる道で通行はできません。
    鉢盛山林道ゲートから10km車で上がったところに新登山口があります。登山道入口から登り始めると、カラマツ林の尾根を小さなつづら折りを交えながらの急登です。時折、登山道がカラマツ林から開けたササ原に回り込むと、松本盆地の雲海が見られることもあります。急登の尾根道を登りきり、村界尾根に出たところで、ハト峰への分岐があり、左に折れて鉢盛山に向かいます。分岐から後ろを振り返ると、松本盆地の向こうに美ヶ原や八ヶ岳を遠望できます。カラマツ林はシラビソ林に変わり、平坦な尾根道は部分的にぬかるむような場所もあります。 白っぽい樹肌のシラビソ林に焦げ茶の樹肌のツガが混じり始めるあたりは槍見尾根と呼ばれ、少し傾斜がつき始め、道はつづら折りの箇所も出てきます。傾斜が再び緩くなったところで、小さな湿原があり、権現ノ庭の道標が立ててあります。木道は朽ちて通りにくくはなっていますが、乾燥が進み始めたささやかな箱庭のような小湿原です。植物を踏み荒らさないように丁寧に歩きましょう。 権現ノ庭を過ぎると、権現坂と呼ばれる短い坂道を抜けて、避難小屋の鉢盛山荘に到着します。プレハブ仕立ての避難小屋の脇を通り、ほど近いところに鉢盛山の頂上があります。頂上には山名を記した名盤があり、三角点のそばには石の祠が鎮座しています。針葉樹に遮られて頂上からの眺望はあまりよくありませんが、頂上から50~60m西側の台地にマイクロウェーブの反射板があり、そこからの眺めは最高です。大パノラマの眺望は、槍ヶ岳、穂高連峰へと続き、西穂高の尾根は焼岳につながり、乗鞍岳の長大な裾野に連続しています。さらに、乗鞍岳の南側の裾野が野麦峠を経て、御嶽山へとパノラマは続いています。 大パノラマを楽しんだ後、鉢盛山の頂上から下る時は、向かって右側の分岐道に迷い込まないように注意しましょう。右への分岐道は林道から派生する電力会社の巡視路で、避難小屋の裏を通って林道の奥へ降りる道で通行はできません。
  • しらび平から木曽駒ヶ岳・宝剣岳へ

    しらび平から木曽駒ヶ岳・宝剣岳へ

    千畳敷の駅舎に降り立つと目の前にはそそり立つ岩峰、宝剣岳、足元に広がる千畳敷のお花畑、爽やかな涼風、そこはすでに高山の一角です。自覚症状は少ないですが、ロープウェイで一気に高所に移動した事で、身体はまだ順応していません。歩き出す前にここでゆっくりと準備をしましょう。しばらく千畳敷のお花畑の中を左右の高山植物を観察しながらゆっくり歩きます。剣ヶ池へ下る散策コースを右に分け八丁坂にかかると次第に傾斜がきつくなりコースもジグザグになります。このあたりから乗越浄土までの間は落石に十分注意しながら登りましょう。 オットセイ岩を左に見るころが一番つらいところ。登山者も多く休むところもありません。鉄パイプを利用したステップまで来たらもう少し。振り返るとホテル千畳敷がはるか下に見えます。乗越浄土に出ると正面に中岳、左には宝剣岳が手の届きそうなところに、宝剣山荘、天狗荘も目の前に見えてきます。宝剣山荘のトイレは有料ですが環境保全のためにも用のある人はここで済ませておきましょう。 中岳へはコマクサの増殖地の前を過ぎるとすぐに中岳の巻き道の分岐となります。巻き道は便利だが危険もともなうのでおすすめできません。巻き道を左に分けハイマツの間をゆるやかに登ると巨岩の立ち並ぶ中岳です。ここで初めて駒ヶ岳本峰を見る事が出来ます。 ここから頂上山荘めがけて下ります。頂上山荘前は中央アルプスでは唯一のキャンプ指定地。利用する人は頂上山荘もしくは宝剣山荘に申し込みましょう。水は6月下旬までだと雪渓がありますが(年によって違う)、以後は山荘から供給を受ける事になります。頂上山荘付近はいくつもの道が交差しガスに巻かれたときなどには注意しましょう。石間の道をひと登りでハイマツの上に出て右に回り込むと木曽駒ヶ岳頂上です。頂上には伊那側と木曽側それぞれに駒ヶ岳神社があり、それぞれの地方の山岳信仰に対する歴史を物語ります。 復路は同じコースで帰るのが一番早いですが、馬ノ背方面へ少し下り頂上山荘に帰るコースがおすすめです。ここには特産のヒメウスユキソウ、オヤマノエンドウなどの可憐な花々を見ながら雲上散歩が楽しめます。 宝剣山荘まで戻ったら山荘に荷物を預け宝剣岳を往復しましょう。天狗岩を右に見て北稜に取り付き少し登るとすぐ鎖場です。登り下りの人で混み合うので譲り合いながら慎重に通過しましょう。頂上から出ている小さな稜を乗り越え、鎖に導かれてトラバースし稜線に出て左に回り込むと宝剣岳頂上です。 下りも頂上直下を右に回り込み北稜に戻ります。以前霧の中を下山するとき、この回り込みに気が付かず遭難した例があるので注意しましょう。
    千畳敷の駅舎に降り立つと目の前にはそそり立つ岩峰、宝剣岳、足元に広がる千畳敷のお花畑、爽やかな涼風、そこはすでに高山の一角です。自覚症状は少ないですが、ロープウェイで一気に高所に移動した事で、身体はまだ順応していません。歩き出す前にここでゆっくりと準備をしましょう。しばらく千畳敷のお花畑の中を左右の高山植物を観察しながらゆっくり歩きます。剣ヶ池へ下る散策コースを右に分け八丁坂にかかると次第に傾斜がきつくなりコースもジグザグになります。このあたりから乗越浄土までの間は落石に十分注意しながら登りましょう。 オットセイ岩を左に見るころが一番つらいところ。登山者も多く休むところもありません。鉄パイプを利用したステップまで来たらもう少し。振り返るとホテル千畳敷がはるか下に見えます。乗越浄土に出ると正面に中岳、左には宝剣岳が手の届きそうなところに、宝剣山荘、天狗荘も目の前に見えてきます。宝剣山荘のトイレは有料ですが環境保全のためにも用のある人はここで済ませておきましょう。 中岳へはコマクサの増殖地の前を過ぎるとすぐに中岳の巻き道の分岐となります。巻き道は便利だが危険もともなうのでおすすめできません。巻き道を左に分けハイマツの間をゆるやかに登ると巨岩の立ち並ぶ中岳です。ここで初めて駒ヶ岳本峰を見る事が出来ます。 ここから頂上山荘めがけて下ります。頂上山荘前は中央アルプスでは唯一のキャンプ指定地。利用する人は頂上山荘もしくは宝剣山荘に申し込みましょう。水は6月下旬までだと雪渓がありますが(年によって違う)、以後は山荘から供給を受ける事になります。頂上山荘付近はいくつもの道が交差しガスに巻かれたときなどには注意しましょう。石間の道をひと登りでハイマツの上に出て右に回り込むと木曽駒ヶ岳頂上です。頂上には伊那側と木曽側それぞれに駒ヶ岳神社があり、それぞれの地方の山岳信仰に対する歴史を物語ります。 復路は同じコースで帰るのが一番早いですが、馬ノ背方面へ少し下り頂上山荘に帰るコースがおすすめです。ここには特産のヒメウスユキソウ、オヤマノエンドウなどの可憐な花々を見ながら雲上散歩が楽しめます。 宝剣山荘まで戻ったら山荘に荷物を預け宝剣岳を往復しましょう。天狗岩を右に見て北稜に取り付き少し登るとすぐ鎖場です。登り下りの人で混み合うので譲り合いながら慎重に通過しましょう。頂上から出ている小さな稜を乗り越え、鎖に導かれてトラバースし稜線に出て左に回り込むと宝剣岳頂上です。 下りも頂上直下を右に回り込み北稜に戻ります。以前霧の中を下山するとき、この回り込みに気が付かず遭難した例があるので注意しましょう。
  • 茶臼山コースから駒ヶ岳を経て福島Bコースへ

    茶臼山コースから駒ヶ岳を経て福島Bコースへ

    登山口をスタートするとすぐに茶臼山コースと木曾福島Bコースの分岐があります。これを左に進みしばらくすると正沢川の渡渉点に出ます。ここにはつり橋があったのですが流されてしまい、地元の方々が仮設の丸太橋を整備してくれています。しかしよく流されてしまうので水量の多いときは無理をせず、諦めて引き返すのが良いでしょう。正沢川を無事渡渉するとすぐにカラマツ林の急登が始まります。しばらく登ると大きな尾根に出ます。この先樹林帯の長い登りが続き、やがて木々の高さが低くなり森林限界が近づくと茶臼山はもうすぐです。 視界がひらけ茶臼山を過ぎるとすぐに茶臼山分岐で桂小場からのルートと合流します。本日の宿泊地、西駒山荘までのトラバースは遅い時期まで雪が残ることもあり、充分に注意が必要です。このルートは比較的短い時間で登ることができるので、首都圏などから早朝出発しても早めに小屋に到着できるでしょう。西駒山荘は要予約です。西駒山荘の周辺ではコマクサなどの高山植物が見られます。 二日目は行程が長いので早めに出発しましょう。小屋を駒ヶ岳方面に出発してじきに、遭難記念碑があります。新田次郎の小説「聖職の碑」で有名なので興味のある方は是非読んでください。この遭難を教訓に天候の急変には充分注意しましょう。馬ノ背の長い稜線を辿ります。天気が良ければ大変眺望の良い所です。大きな岩の間を息を切らしてのぼれば、中央アルプスの最高峰木曽駒ヶ岳に到着です。 ロープウェイからの登山者が多い中岳方面を背に木曽側へ下ります。すぐに赤い屋根の頂上木曽小屋を通過します。さらに下ると今度は青い屋根の玉乃窪山荘の前に出ます。ここで右に折れますが他のコースとの分岐点で視界不良のときなどは注意が必要です。木曽駒ヶ岳七合目避難小屋までは福島Aコースと重複区間で、避難小屋の前で分岐します。樹林帯の展望がきかない尾根道をひたすら下ります。五合目の下には力水があり渇いた喉を潤してくれます。長い下りも川の音が聞こえてくるようになると終盤です。 やがてスキー場跡地が見えるようになり林道に出れば、もうすぐ昨日登った茶臼山コースと合流し登山口に戻ればゴールです。
    登山口をスタートするとすぐに茶臼山コースと木曾福島Bコースの分岐があります。これを左に進みしばらくすると正沢川の渡渉点に出ます。ここにはつり橋があったのですが流されてしまい、地元の方々が仮設の丸太橋を整備してくれています。しかしよく流されてしまうので水量の多いときは無理をせず、諦めて引き返すのが良いでしょう。正沢川を無事渡渉するとすぐにカラマツ林の急登が始まります。しばらく登ると大きな尾根に出ます。この先樹林帯の長い登りが続き、やがて木々の高さが低くなり森林限界が近づくと茶臼山はもうすぐです。 視界がひらけ茶臼山を過ぎるとすぐに茶臼山分岐で桂小場からのルートと合流します。本日の宿泊地、西駒山荘までのトラバースは遅い時期まで雪が残ることもあり、充分に注意が必要です。このルートは比較的短い時間で登ることができるので、首都圏などから早朝出発しても早めに小屋に到着できるでしょう。西駒山荘は要予約です。西駒山荘の周辺ではコマクサなどの高山植物が見られます。 二日目は行程が長いので早めに出発しましょう。小屋を駒ヶ岳方面に出発してじきに、遭難記念碑があります。新田次郎の小説「聖職の碑」で有名なので興味のある方は是非読んでください。この遭難を教訓に天候の急変には充分注意しましょう。馬ノ背の長い稜線を辿ります。天気が良ければ大変眺望の良い所です。大きな岩の間を息を切らしてのぼれば、中央アルプスの最高峰木曽駒ヶ岳に到着です。 ロープウェイからの登山者が多い中岳方面を背に木曽側へ下ります。すぐに赤い屋根の頂上木曽小屋を通過します。さらに下ると今度は青い屋根の玉乃窪山荘の前に出ます。ここで右に折れますが他のコースとの分岐点で視界不良のときなどは注意が必要です。木曽駒ヶ岳七合目避難小屋までは福島Aコースと重複区間で、避難小屋の前で分岐します。樹林帯の展望がきかない尾根道をひたすら下ります。五合目の下には力水があり渇いた喉を潤してくれます。長い下りも川の音が聞こえてくるようになると終盤です。 やがてスキー場跡地が見えるようになり林道に出れば、もうすぐ昨日登った茶臼山コースと合流し登山口に戻ればゴールです。
  • 上松Aコースから木曽駒ケ岳へ

    上松Aコースから木曽駒ケ岳へ

    木曽谷から木曽駒ヶ岳への道は、古くから御嶽山信仰登山と合わせて登られていたようでいくつかのルートがあります。ここで紹介する上松Aコースと呼ばれる道は、上高地などで行われる「ウェストン祭」で有名なウォルター・ウェストンが木曽駒ヶ岳登山の際に登り、伊那市へ下山したとされる登山道です。 登山口へはマイカーもしくはタクシーを利用して入ります。休業中の敬神キャンプ場のすぐ上に駐車場があります。歩き始めは砂防工事が行われている滑川沿いを案内表示に従って進みます。林道に出て右に折れると敬神ノ滝小屋(会員制・利用不可)があります。小屋の奥から森の中へと登山道が伸びています。この先水場がほとんどないので、ここで補給しましょう。 展望のきかない樹林帯の急登を黙々と歩き続け少し視界が開けるようになると五合目の金懸小屋につきます。無人の避難小屋ですがきれいで快適な小屋です。この少し先に「金剛水」と呼ばれる水場がありますが、涸れていることもあるので注意が必要です。 一息入れ、再び歩き出すと胸突き八丁の急登に差し掛かります。展望もきかず苦しい登りが続き、木々の隙間から見える山々を心の支えに登り七合目を過ぎ、森林限界が近づくと八合目はもうすぐです。八合目では山頂を巻く横手道の分岐もありますが、天気が良ければ素晴らしい展望の木曽前岳山頂をお勧めします。この辺りは展望だけでなく足元の高山植物も大変きれいなところです。 山頂から少し下ると青い屋根の玉乃窪山荘があります。山荘の前を過ぎ、信仰の登山道であることが納得できる石像に見守られながらもう一登り。今度は赤い屋根の頂上木曽小屋が見えてくれば木曽駒ヶ岳山頂はもうすぐです。すれ違う人もまばらだった登山道とは打って変わって、山頂にはきっと沢山の人がいることでしょう。富士山や北岳をはじめとする国内の3000M峰をほとんど見ることができる素晴らしい眺望が待っています。 ここからの帰り道は、マイカーの方は引き返すのがベストですが、JRや高速バス利用の方は駒ヶ岳ロープウェイを経由してJR駒ケ根駅方面へ下山することもできます。 ロープウェイ方面へは登ってきた道とは反対方向へ下り、中岳を超えて宝剣山荘の前を過ぎ、乗越浄土から千畳敷カールへと下ります。ロープウェイから先は中央道駒ヶ根ICを経由してJR駒ヶ根駅行きのバスが出ています。
    木曽谷から木曽駒ヶ岳への道は、古くから御嶽山信仰登山と合わせて登られていたようでいくつかのルートがあります。ここで紹介する上松Aコースと呼ばれる道は、上高地などで行われる「ウェストン祭」で有名なウォルター・ウェストンが木曽駒ヶ岳登山の際に登り、伊那市へ下山したとされる登山道です。 登山口へはマイカーもしくはタクシーを利用して入ります。休業中の敬神キャンプ場のすぐ上に駐車場があります。歩き始めは砂防工事が行われている滑川沿いを案内表示に従って進みます。林道に出て右に折れると敬神ノ滝小屋(会員制・利用不可)があります。小屋の奥から森の中へと登山道が伸びています。この先水場がほとんどないので、ここで補給しましょう。 展望のきかない樹林帯の急登を黙々と歩き続け少し視界が開けるようになると五合目の金懸小屋につきます。無人の避難小屋ですがきれいで快適な小屋です。この少し先に「金剛水」と呼ばれる水場がありますが、涸れていることもあるので注意が必要です。 一息入れ、再び歩き出すと胸突き八丁の急登に差し掛かります。展望もきかず苦しい登りが続き、木々の隙間から見える山々を心の支えに登り七合目を過ぎ、森林限界が近づくと八合目はもうすぐです。八合目では山頂を巻く横手道の分岐もありますが、天気が良ければ素晴らしい展望の木曽前岳山頂をお勧めします。この辺りは展望だけでなく足元の高山植物も大変きれいなところです。 山頂から少し下ると青い屋根の玉乃窪山荘があります。山荘の前を過ぎ、信仰の登山道であることが納得できる石像に見守られながらもう一登り。今度は赤い屋根の頂上木曽小屋が見えてくれば木曽駒ヶ岳山頂はもうすぐです。すれ違う人もまばらだった登山道とは打って変わって、山頂にはきっと沢山の人がいることでしょう。富士山や北岳をはじめとする国内の3000M峰をほとんど見ることができる素晴らしい眺望が待っています。 ここからの帰り道は、マイカーの方は引き返すのがベストですが、JRや高速バス利用の方は駒ヶ岳ロープウェイを経由してJR駒ケ根駅方面へ下山することもできます。 ロープウェイ方面へは登ってきた道とは反対方向へ下り、中岳を超えて宝剣山荘の前を過ぎ、乗越浄土から千畳敷カールへと下ります。ロープウェイから先は中央道駒ヶ根ICを経由してJR駒ヶ根駅行きのバスが出ています。
  • 伊那スキーリゾートから木曽駒ヶ岳へ

    伊那スキーリゾートから木曽駒ヶ岳へ

    歴史があるばかりでなく、かの有名なウォルター・ウェストンが上松から駒ヶ岳登山をした時に下ったのがこのルートとされています。権現づるねと呼ばれるこのルートは長く、権現山から先は近年手入れが行き届かない箇所があり、上級者向けです。 登山口は常輪寺からの古道もありますが、ここではスキー場からスタートします。マイカーもしくはタクシーで伊那スキーリゾートの駐車場まで入り登山開始です。スキー場の横をリフト終点まで登ると林道が二手に分かれ上へ進むと権現山登山道入口があります。沢沿いに登ると急登に差し掛かります。権現山までは地元の方々が整備してくれていますが、滑りやすい急坂のため足元に注意しましょう。やがて常輪寺からの道と合流すると権現山までもう一登りです。権現山の山頂からは伊那谷が見渡せ、その向こうに南アルプスが望めます。 権現山からは笹薮となり一部不明瞭な箇所も出てきますので注意しましょう。笹をかき分けつつ登り「板沢の頭」の看板を過ぎると五合目見晴台です。ここから尾根が不明瞭となり、辻山と呼ばれるあたりで右にルートを取りますが、地図を出してよく確認してから進みましょう。 湿地帯を過ぎると急登に差し掛かります。展望のないシラビソ林のきつい坂を登りきるとそこは八丁立です。やがて樹高が低くなり、長尾根ノ頭を過ぎたころハイマツが混じり始め森林限界が近づくと急に視界がひらけます。将棊ノ頭(将棊頭山とは別)を超えて下れば本日の宿泊地、西駒山荘に到着です。 翌日は馬ノ背から木曽駒ヶ岳へ。駒ヶ岳から中岳を超えて宝剣山荘と天狗荘が並んで建っている広い場所が賽の河原といわれるところです。宝剣山荘の前から濃ヶ池方面へと下る道があり、西駒山荘へ戻ることもできます。ただし、遅い時期(8月上旬)まで雪渓が残ることが多いので注意が必要です。 乗越浄土からは千畳敷へ下り、ロープウェイとバスを利用してJR駒ケ根駅方面へと下山します。
    歴史があるばかりでなく、かの有名なウォルター・ウェストンが上松から駒ヶ岳登山をした時に下ったのがこのルートとされています。権現づるねと呼ばれるこのルートは長く、権現山から先は近年手入れが行き届かない箇所があり、上級者向けです。 登山口は常輪寺からの古道もありますが、ここではスキー場からスタートします。マイカーもしくはタクシーで伊那スキーリゾートの駐車場まで入り登山開始です。スキー場の横をリフト終点まで登ると林道が二手に分かれ上へ進むと権現山登山道入口があります。沢沿いに登ると急登に差し掛かります。権現山までは地元の方々が整備してくれていますが、滑りやすい急坂のため足元に注意しましょう。やがて常輪寺からの道と合流すると権現山までもう一登りです。権現山の山頂からは伊那谷が見渡せ、その向こうに南アルプスが望めます。 権現山からは笹薮となり一部不明瞭な箇所も出てきますので注意しましょう。笹をかき分けつつ登り「板沢の頭」の看板を過ぎると五合目見晴台です。ここから尾根が不明瞭となり、辻山と呼ばれるあたりで右にルートを取りますが、地図を出してよく確認してから進みましょう。 湿地帯を過ぎると急登に差し掛かります。展望のないシラビソ林のきつい坂を登りきるとそこは八丁立です。やがて樹高が低くなり、長尾根ノ頭を過ぎたころハイマツが混じり始め森林限界が近づくと急に視界がひらけます。将棊ノ頭(将棊頭山とは別)を超えて下れば本日の宿泊地、西駒山荘に到着です。 翌日は馬ノ背から木曽駒ヶ岳へ。駒ヶ岳から中岳を超えて宝剣山荘と天狗荘が並んで建っている広い場所が賽の河原といわれるところです。宝剣山荘の前から濃ヶ池方面へと下る道があり、西駒山荘へ戻ることもできます。ただし、遅い時期(8月上旬)まで雪渓が残ることが多いので注意が必要です。 乗越浄土からは千畳敷へ下り、ロープウェイとバスを利用してJR駒ケ根駅方面へと下山します。
  • 北御所登山口から木曽駒ヶ岳へ

    北御所登山口から木曽駒ヶ岳へ

    駒ケ根駅よりしらび平行きのバスに乗車し、北御所登山口で下車。バス停の前の林道を体を慣らしながら歩き出します。小一時間で蛇腹沢登山口に到着。ここから登山道となり樹林帯の尾根を登ります。水場のある清水平で一服し急登をひと登りすると、うどんや峠に。ここで黒川渓谷からの登山道と合流します。檜尾岳方面の展望が開けます。そこからゆるやかになった尾根筋を行くと一丁ヶ池です。樹林のなかの細長く小さな池です。そこからすぐ先に少し開けた小屋場があり、今は廃道となっている長谷部新道が分岐します。 低くなった樹林帯をひと登りすると森林限界で、ここで一気に展望が開け、たおやかなハイマツの稜線の向こうには中央アルプスの主稜線がスカイラインとなっています。後ろを振り返ると、平坦で広々とした伊那谷が一望でき、その奥には南アルプスの山々が重畳と連なっています。すぐ上部が舟窪(七合目)です。ここでひと休みしてしばしこの眺望を堪能しましょう。稜線の風に吹かれながらもうひと登りすると、八合目です。八合目から伊那前岳周辺で、チングルマ、ミネズオウ、アオノツガザクラの群生が見られます。八合目の碑の南側からは宝剣岳の峻険な山容と眼下の千畳敷カールが望めます。ここまでくればもうひと息です。徐々に高度を上げて勒銘石まで来るととたんに登山者が増えてきます。ここから乗越浄土まではゆるやかな道。登山道は前岳頂上を通らず、左に宝剣岳、右に木曽駒ヶ岳を望みながら進むと、途中の九合目標柱をうっかり見落としてしまいがちです。乗越浄土は千畳敷から上がってきた人たちで混み合います。ここまで1500m近い標高差を登ってきているので、宝剣山荘か天狗荘に泊まります。 二日目は木曽駒ヶ岳を往復します。広いガレキの尾根を行き、中岳を越えると頂上山荘です。ここは中央アルプス主稜線上の唯一の指定キャンプサイトになります。頂上山荘からはひと登りで祠のある木曽駒ヶ岳頂上に到着します。中央アルプス主峰の眺望をしばし楽しんだら、来た道を山荘に戻りましょう。下山はロープウェイを使います。しかし、乗越浄土より千畳敷までは急な下りなので足下に注意は怠らないように。 駒ヶ岳では、ヒメウスユキソウの群生が見られます。千畳敷に入ると、コバイケイソウ、クロユリなどの花々も見られ、高山植物の宝庫です。
    駒ケ根駅よりしらび平行きのバスに乗車し、北御所登山口で下車。バス停の前の林道を体を慣らしながら歩き出します。小一時間で蛇腹沢登山口に到着。ここから登山道となり樹林帯の尾根を登ります。水場のある清水平で一服し急登をひと登りすると、うどんや峠に。ここで黒川渓谷からの登山道と合流します。檜尾岳方面の展望が開けます。そこからゆるやかになった尾根筋を行くと一丁ヶ池です。樹林のなかの細長く小さな池です。そこからすぐ先に少し開けた小屋場があり、今は廃道となっている長谷部新道が分岐します。 低くなった樹林帯をひと登りすると森林限界で、ここで一気に展望が開け、たおやかなハイマツの稜線の向こうには中央アルプスの主稜線がスカイラインとなっています。後ろを振り返ると、平坦で広々とした伊那谷が一望でき、その奥には南アルプスの山々が重畳と連なっています。すぐ上部が舟窪(七合目)です。ここでひと休みしてしばしこの眺望を堪能しましょう。稜線の風に吹かれながらもうひと登りすると、八合目です。八合目から伊那前岳周辺で、チングルマ、ミネズオウ、アオノツガザクラの群生が見られます。八合目の碑の南側からは宝剣岳の峻険な山容と眼下の千畳敷カールが望めます。ここまでくればもうひと息です。徐々に高度を上げて勒銘石まで来るととたんに登山者が増えてきます。ここから乗越浄土まではゆるやかな道。登山道は前岳頂上を通らず、左に宝剣岳、右に木曽駒ヶ岳を望みながら進むと、途中の九合目標柱をうっかり見落としてしまいがちです。乗越浄土は千畳敷から上がってきた人たちで混み合います。ここまで1500m近い標高差を登ってきているので、宝剣山荘か天狗荘に泊まります。 二日目は木曽駒ヶ岳を往復します。広いガレキの尾根を行き、中岳を越えると頂上山荘です。ここは中央アルプス主稜線上の唯一の指定キャンプサイトになります。頂上山荘からはひと登りで祠のある木曽駒ヶ岳頂上に到着します。中央アルプス主峰の眺望をしばし楽しんだら、来た道を山荘に戻りましょう。下山はロープウェイを使います。しかし、乗越浄土より千畳敷までは急な下りなので足下に注意は怠らないように。 駒ヶ岳では、ヒメウスユキソウの群生が見られます。千畳敷に入ると、コバイケイソウ、クロユリなどの花々も見られ、高山植物の宝庫です。
  • 菅の台バスセンターから空木岳へ

    菅の台バスセンターから空木岳へ

    空木岳は深田久弥の日本百名山のひとつとして人気の山ですが、木曽駒ヶ岳から縦走するにしても、またここで紹介する菅の台から登るルートにしても、長く険しいアプローチが必要です。 駒ヶ岳ロープウェイへのバス発着所である菅の台バスセンターはおよそ標高850mで、ここから空木岳へは標高差約2000mの長い登りです。以前は林道終点までマイカーやタクシーで入ることができましたが、ここ最近は崩落や落石のために通行止めの期間が多いので、菅の台からスタートしましょう。 駒ヶ根高原スキー場を目指して歩き始めます。スキー場横の段々の駐車場を登りきった所から山道に入ります。ゲレンデ横のヒノキ林を登りやがてスキー場と分かれ、林道を2度横切ります。3度目に林道と出会うとそこが林道終点です。林道終点からは遊歩道として整備された道を右に左に折り返しながら進み、タカウチ場で池山山頂への道と分岐します。山頂を経由して行くこともできますが、先は長いので左に道を取ります。 緩やかな道を登って行くと池山小屋との分岐の水場に到着。この先水場は無いので多めに補給しましょう。ここからも遊歩道経由で登ることができますが、真っ直ぐに登る道を行きます。左に見上げる尾根と並行しながら高度を上げ、明るい尾根に出たところが尻無と呼ばれる場所です。緩やかに登っていき、マセナギを通過して大きなダケカンバのあるところから正面の尾根を左にまきます。再び尾根に出てからが遭難事故多発地帯に差し掛かります。 「大地獄」「小地獄」と呼ばれるやせ尾根の岩場を鎖やハシゴを頼りながら慎重に進みます。鎖が終わりアルミの階段を過ぎたら小さなコルがあり、ここも左にトラバースする道です。滑りやすい足元に注意しながら進み「迷尾根」の看板を過ぎ再び尾根に戻ります。少し緩やかになった道は地元の人が散歩道と呼ぶところです。まだまだ長い登りが続きます。周囲の木々がツガなどから灌木へと変化し、樹高が低くなってくるとまもなく空木平への道と分岐します。 森林限界をむかえ視界が広がります。宝剣岳や木曽駒ヶ岳も見え、正面に目指す空木岳がそびえて長い登りももう少しです。花崗岩の砂礫の道を進むと、駒石と呼ばれる巨石が現れます。麓の街からも見える大きな岩です。 見えているのになかなか近づかないようで疲れてきたころ、ようやく本日の宿泊地の駒峰ヒュッテに到着です。受付を済ませたら荷物を置いて空木岳を往復すると良いでしょう。 翌日は往路を辿りますが、先にも記したように事故の多いルートなので慎重に下山してください。
    空木岳は深田久弥の日本百名山のひとつとして人気の山ですが、木曽駒ヶ岳から縦走するにしても、またここで紹介する菅の台から登るルートにしても、長く険しいアプローチが必要です。 駒ヶ岳ロープウェイへのバス発着所である菅の台バスセンターはおよそ標高850mで、ここから空木岳へは標高差約2000mの長い登りです。以前は林道終点までマイカーやタクシーで入ることができましたが、ここ最近は崩落や落石のために通行止めの期間が多いので、菅の台からスタートしましょう。 駒ヶ根高原スキー場を目指して歩き始めます。スキー場横の段々の駐車場を登りきった所から山道に入ります。ゲレンデ横のヒノキ林を登りやがてスキー場と分かれ、林道を2度横切ります。3度目に林道と出会うとそこが林道終点です。林道終点からは遊歩道として整備された道を右に左に折り返しながら進み、タカウチ場で池山山頂への道と分岐します。山頂を経由して行くこともできますが、先は長いので左に道を取ります。 緩やかな道を登って行くと池山小屋との分岐の水場に到着。この先水場は無いので多めに補給しましょう。ここからも遊歩道経由で登ることができますが、真っ直ぐに登る道を行きます。左に見上げる尾根と並行しながら高度を上げ、明るい尾根に出たところが尻無と呼ばれる場所です。緩やかに登っていき、マセナギを通過して大きなダケカンバのあるところから正面の尾根を左にまきます。再び尾根に出てからが遭難事故多発地帯に差し掛かります。 「大地獄」「小地獄」と呼ばれるやせ尾根の岩場を鎖やハシゴを頼りながら慎重に進みます。鎖が終わりアルミの階段を過ぎたら小さなコルがあり、ここも左にトラバースする道です。滑りやすい足元に注意しながら進み「迷尾根」の看板を過ぎ再び尾根に戻ります。少し緩やかになった道は地元の人が散歩道と呼ぶところです。まだまだ長い登りが続きます。周囲の木々がツガなどから灌木へと変化し、樹高が低くなってくるとまもなく空木平への道と分岐します。 森林限界をむかえ視界が広がります。宝剣岳や木曽駒ヶ岳も見え、正面に目指す空木岳がそびえて長い登りももう少しです。花崗岩の砂礫の道を進むと、駒石と呼ばれる巨石が現れます。麓の街からも見える大きな岩です。 見えているのになかなか近づかないようで疲れてきたころ、ようやく本日の宿泊地の駒峰ヒュッテに到着です。受付を済ませたら荷物を置いて空木岳を往復すると良いでしょう。 翌日は往路を辿りますが、先にも記したように事故の多いルートなので慎重に下山してください。
  • 伊奈川ダム登山口から空木岳、南駒ヶ岳、越百山へ

    伊奈川ダム登山口から空木岳、南駒ヶ岳、越百山へ

    この項では木曽側、伊奈川渓谷からのコースを紹介します。伊奈川ダム上の駐車場(登山口)から今朝沢橋を渡り左に折れ、伊奈川左岸の林道を行きます。金沢土場で右の林道に入り、うさぎ平から山道に入ると、いきなりの急登です。崩落箇所を過ぎ、尾根から外れトラバースとなり、少し下ると六合目です。吊橋を渡り東川岳から張り出した尾根に取り付きます。増水時この吊橋が流された事もあるので事前に情報の収集を心がけましょう。 鬱蒼とした林の中をひたすら登ります。七合目を過ぎると仙人の泉があるので、ここでのどを潤します。似たような景色の中を登るとようやく八合目です。ここから尾根の北側を巻き、御岳見晴台となります。尾根に戻り今度は南面に入り、山ひだをひとつひとつ縫うように進みます。梢越しに空木岳や南駒を眺めながら行くとやがて、木曽義仲の力水に。10分も歩くと山荘のある木曽殿越に飛び出します。 二日目、朝一番の急登はこたえますが、綺麗な花々に励まされながら第一ピークまで登ります。アルペン的な岩場を越えると花崗岩が立ち並ぶ空木岳山頂です。山頂を後に砂混じりの道を下り尾根沿いに進むと赤梛岳に出ます。眼下に摺鉢窪避難小屋(2022年9月現在、摺鉢窪カール内で大規模なクラックが発見されたため、当面の間立入禁止。避難小屋も使用不可。)が見え、見上げると目指す南駒ヶ岳が累々たる花崗岩をまとい、どっしりと構えています。赤梛岳と仙涯嶺を従えて胸を張る姿は雄々しく根強いファンも多いです。赤梛岳から下れば摺鉢窪へ下る鞍部です。カールの中は訪れる人が少ない分だけ高山植物は豊富になります。鞍部からごつごつした岩の間を登ると南駒ヶ岳頂上です。山頂から北沢尾根を下りニワトリ小屋沢に出る道が分岐しているが不明瞭な箇所があり熟達者向きの難路です。岩混じりの主稜線を南下し、ハイマツ帯を足元に注意しながら下ります。仙涯嶺の前後は岩場とクサリ場が続き、気が抜けません。岩場が終わり、広い尾根を下り登り返すと越百山です。西に張り出した尾根を下りハイマツがシラビソの林に変わるとほどなく越百小屋へ。静かな林の中に避難小屋が併設されています。 三日目、小屋の前から少し登り山腹を巻くように続く道を辿ります。やがてはっきりした下りとなり、ほどなく上の水場へ。七合目の御嶽山見晴台を過ぎると明瞭な尾根に出ます。遠見尾根を過ぎオコジョ平、上のコルと下ります。シャクナゲ尾根を下りやがて大きな檜が目立つようになると下のコルです。尾根を外れササの中をジグザグに下ると下の水場に到着します。沢音が近くなりやがて福栃橋となり、今朝沢沿いに林道を下り駐車場(登山口)まで戻ります。
    この項では木曽側、伊奈川渓谷からのコースを紹介します。伊奈川ダム上の駐車場(登山口)から今朝沢橋を渡り左に折れ、伊奈川左岸の林道を行きます。金沢土場で右の林道に入り、うさぎ平から山道に入ると、いきなりの急登です。崩落箇所を過ぎ、尾根から外れトラバースとなり、少し下ると六合目です。吊橋を渡り東川岳から張り出した尾根に取り付きます。増水時この吊橋が流された事もあるので事前に情報の収集を心がけましょう。 鬱蒼とした林の中をひたすら登ります。七合目を過ぎると仙人の泉があるので、ここでのどを潤します。似たような景色の中を登るとようやく八合目です。ここから尾根の北側を巻き、御岳見晴台となります。尾根に戻り今度は南面に入り、山ひだをひとつひとつ縫うように進みます。梢越しに空木岳や南駒を眺めながら行くとやがて、木曽義仲の力水に。10分も歩くと山荘のある木曽殿越に飛び出します。 二日目、朝一番の急登はこたえますが、綺麗な花々に励まされながら第一ピークまで登ります。アルペン的な岩場を越えると花崗岩が立ち並ぶ空木岳山頂です。山頂を後に砂混じりの道を下り尾根沿いに進むと赤梛岳に出ます。眼下に摺鉢窪避難小屋(2022年9月現在、摺鉢窪カール内で大規模なクラックが発見されたため、当面の間立入禁止。避難小屋も使用不可。)が見え、見上げると目指す南駒ヶ岳が累々たる花崗岩をまとい、どっしりと構えています。赤梛岳と仙涯嶺を従えて胸を張る姿は雄々しく根強いファンも多いです。赤梛岳から下れば摺鉢窪へ下る鞍部です。カールの中は訪れる人が少ない分だけ高山植物は豊富になります。鞍部からごつごつした岩の間を登ると南駒ヶ岳頂上です。山頂から北沢尾根を下りニワトリ小屋沢に出る道が分岐しているが不明瞭な箇所があり熟達者向きの難路です。岩混じりの主稜線を南下し、ハイマツ帯を足元に注意しながら下ります。仙涯嶺の前後は岩場とクサリ場が続き、気が抜けません。岩場が終わり、広い尾根を下り登り返すと越百山です。西に張り出した尾根を下りハイマツがシラビソの林に変わるとほどなく越百小屋へ。静かな林の中に避難小屋が併設されています。 三日目、小屋の前から少し登り山腹を巻くように続く道を辿ります。やがてはっきりした下りとなり、ほどなく上の水場へ。七合目の御嶽山見晴台を過ぎると明瞭な尾根に出ます。遠見尾根を過ぎオコジョ平、上のコルと下ります。シャクナゲ尾根を下りやがて大きな檜が目立つようになると下のコルです。尾根を外れササの中をジグザグに下ると下の水場に到着します。沢音が近くなりやがて福栃橋となり、今朝沢沿いに林道を下り駐車場(登山口)まで戻ります。
  • しらび平から駒ヶ岳・空木岳を経て菅の台バスセンターへ

    しらび平から駒ヶ岳・空木岳を経て菅の台バスセンターへ

    一日目は駒ケ根駅か、菅の台バスセンターから、しらび平行きのバスに。ロープウェイ乗り場はシーズンになると大変な混雑で2〜3時間待ちになる事もあります。ロープウェイの下を通っていた中御所登山道は通行止めとなっているので入り込まないように。 千畳敷では登山相談所に立ち寄り、計画書を提出し山の状況を確認しましょう。千畳敷遊歩道を行き剣ヶ池へ下る遊歩道と分かれジグザグに登り右手にオットセイ岩を見て急な岩場を過ぎると乗越浄土に出ます。 宝剣山荘に宿泊予約をし、余分な荷物を預けたら木曽駒ヶ岳を往復しましょう。天狗荘の裏を通り中岳を経て頂上山荘へ下ります。中央アルプス山域で、幕営地はここ一箇所のみ。ここ以外は避難小屋を利用するか営業小屋泊となるので注意が必要です。 木曽駒ヶ岳山頂で展望を楽しんだら、帰路は中岳の巻き道を使って宝剣山荘まで戻りますが、巻き道は初心者向きでないので、十分注意して通過しましょう。 二日目、クサリをたよりに宝剣岳頂上に達し南稜を下ります。過去にこの下りは転落事故も起きているので慎重に行動しましょう。極楽平からゆるやかな稜線を行き、島田娘から大きく下り登り返すと濁沢大峰となります。大峰から檜尾岳にかけてはクサリ場もあり注意です。灌木の間を抜けひと登りすると檜尾岳へ。東に張り出した尾根に檜尾小屋(2022年から7月〜10月管理人ありの宿泊施設として営業。要予約。上記期間外は避難スペース有)が見えます。小屋から5分ほど下ったところに水場があります。熊沢岳までは標高差は無いがアップダウンを繰り返します。左手に池ノ平カールを見て巨岩の立ち並ぶ熊沢岳を過ぎゆるやかな稜線を下ると東川岳です。急坂を一気に下ると木曽殿山荘(要予約)に到着します。 三日目、山荘を出るといきなり急登が始まり、巨岩とハイマツの間を行くと花崗岩の点在する空木岳山頂へ。360度の展望を楽しんだら駒峰ヒュッテめがけて下ります。 空木平への道を分け小屋の左手を抜け駒石へ向けて下りましょう。空木平からの道と合流し樹林帯を進みます。ヨナ沢の頭を過ぎると尾根の南側を巻き「迷い尾根の頭」の看板に出ます。ここから「大地獄」「小地獄」の難所が始まります。事故の多いところだけに慎重に下りましょう。樹種が針葉樹から落葉樹に変わると池山小屋分岐の水場に出ます。 カラマツ林を下り林道へ。トイレと林道はマイカー規制があり。登山道は林道を二度横切りスキー場の横で車道に出て左にそのまま進めば駒ヶ池となり、左に折れると菅の台バスセンターです。
    一日目は駒ケ根駅か、菅の台バスセンターから、しらび平行きのバスに。ロープウェイ乗り場はシーズンになると大変な混雑で2〜3時間待ちになる事もあります。ロープウェイの下を通っていた中御所登山道は通行止めとなっているので入り込まないように。 千畳敷では登山相談所に立ち寄り、計画書を提出し山の状況を確認しましょう。千畳敷遊歩道を行き剣ヶ池へ下る遊歩道と分かれジグザグに登り右手にオットセイ岩を見て急な岩場を過ぎると乗越浄土に出ます。 宝剣山荘に宿泊予約をし、余分な荷物を預けたら木曽駒ヶ岳を往復しましょう。天狗荘の裏を通り中岳を経て頂上山荘へ下ります。中央アルプス山域で、幕営地はここ一箇所のみ。ここ以外は避難小屋を利用するか営業小屋泊となるので注意が必要です。 木曽駒ヶ岳山頂で展望を楽しんだら、帰路は中岳の巻き道を使って宝剣山荘まで戻りますが、巻き道は初心者向きでないので、十分注意して通過しましょう。 二日目、クサリをたよりに宝剣岳頂上に達し南稜を下ります。過去にこの下りは転落事故も起きているので慎重に行動しましょう。極楽平からゆるやかな稜線を行き、島田娘から大きく下り登り返すと濁沢大峰となります。大峰から檜尾岳にかけてはクサリ場もあり注意です。灌木の間を抜けひと登りすると檜尾岳へ。東に張り出した尾根に檜尾小屋(2022年から7月〜10月管理人ありの宿泊施設として営業。要予約。上記期間外は避難スペース有)が見えます。小屋から5分ほど下ったところに水場があります。熊沢岳までは標高差は無いがアップダウンを繰り返します。左手に池ノ平カールを見て巨岩の立ち並ぶ熊沢岳を過ぎゆるやかな稜線を下ると東川岳です。急坂を一気に下ると木曽殿山荘(要予約)に到着します。 三日目、山荘を出るといきなり急登が始まり、巨岩とハイマツの間を行くと花崗岩の点在する空木岳山頂へ。360度の展望を楽しんだら駒峰ヒュッテめがけて下ります。 空木平への道を分け小屋の左手を抜け駒石へ向けて下りましょう。空木平からの道と合流し樹林帯を進みます。ヨナ沢の頭を過ぎると尾根の南側を巻き「迷い尾根の頭」の看板に出ます。ここから「大地獄」「小地獄」の難所が始まります。事故の多いところだけに慎重に下りましょう。樹種が針葉樹から落葉樹に変わると池山小屋分岐の水場に出ます。 カラマツ林を下り林道へ。トイレと林道はマイカー規制があり。登山道は林道を二度横切りスキー場の横で車道に出て左にそのまま進めば駒ヶ池となり、左に折れると菅の台バスセンターです。
  • 伊奈川渓谷から越百山へ

    伊奈川渓谷から越百山へ

    中央アルプスの南に位置する越百山は、百名山を踏破し次への区切りにと登る人たちが増え、隠れた名山となっています。 これまでは木曽側から、飯島町からとそれぞれの良さを持つ対照的な登山道がふたつありました。しかし、近年飯島町からの登山道は整備困難となり、通行止め措置がとられたため、現在は木曽側からの登山道のみとなっています。 国道19号から伊奈川渓谷に入り、伊奈川ダムを越え、今朝沢との合流点に駐車場があります。今朝沢橋を渡り左に空木岳方面、右に越百山方面への標識に導かれ、林道を歩き出しましょう。単調な林道を行き、福栃橋を渡ったところが登山道入口となっています。 福トチ沢沿いに入りすぐの堰堤から、シャクナゲ尾根の斜面を下のコルめがけて登ります。さすがにここは木曽であり、百年を越える木曽檜と広葉樹の混交林が続きます。登山道沿いに細い水がパイプから出ているところを過ぎると、すぐに下のコルに出ます。シャクナゲ尾根の名称が付いていますが、登山道沿いはまばらに見られるだけで意外と少なく、樹木の生長にともない衰退してしまったのではないかと思われます。 はっきりとした尾根道をたどると、ほどなく上のコルに出ますが、標識の字が消えてしまい判別できません。途中展望台の案内板がありますが、ここも樹木の威勢がよく、見通しはききません。 眺望のきかない尾根道が続き、御嶽山見晴台を過ぎるとすぐ上に水場分岐の案内板があり、横を行くと水場は意外と近くにあります。このような標高で水場があるのは助かります。 ここからこのコース一番の急登が始まり、シラビソの根をまたぎ右に左にとジグザグに高度をかせぎます。 「福栃山の横巻き」の看板から尾根を巻くように登り、少し下ると越百小屋の横に出ます。眼前に丸みを帯びた越百山が迫り、左に目をやると南駒ヶ岳と仙涯嶺がそびえます。小屋からシラビソの林をしばらく行くと、やがて森林限界を越え、ハイマツ帯に。視界が開け、足元には赤と黄色の越百小屋が、振り返ると御嶽山、乗鞍岳が、そして遠くには北アルプスまで一望できます。ひと登りで白砂とハイマツの越百山頂上です。 復路は往路を引き返します。
    中央アルプスの南に位置する越百山は、百名山を踏破し次への区切りにと登る人たちが増え、隠れた名山となっています。 これまでは木曽側から、飯島町からとそれぞれの良さを持つ対照的な登山道がふたつありました。しかし、近年飯島町からの登山道は整備困難となり、通行止め措置がとられたため、現在は木曽側からの登山道のみとなっています。 国道19号から伊奈川渓谷に入り、伊奈川ダムを越え、今朝沢との合流点に駐車場があります。今朝沢橋を渡り左に空木岳方面、右に越百山方面への標識に導かれ、林道を歩き出しましょう。単調な林道を行き、福栃橋を渡ったところが登山道入口となっています。 福トチ沢沿いに入りすぐの堰堤から、シャクナゲ尾根の斜面を下のコルめがけて登ります。さすがにここは木曽であり、百年を越える木曽檜と広葉樹の混交林が続きます。登山道沿いに細い水がパイプから出ているところを過ぎると、すぐに下のコルに出ます。シャクナゲ尾根の名称が付いていますが、登山道沿いはまばらに見られるだけで意外と少なく、樹木の生長にともない衰退してしまったのではないかと思われます。 はっきりとした尾根道をたどると、ほどなく上のコルに出ますが、標識の字が消えてしまい判別できません。途中展望台の案内板がありますが、ここも樹木の威勢がよく、見通しはききません。 眺望のきかない尾根道が続き、御嶽山見晴台を過ぎるとすぐ上に水場分岐の案内板があり、横を行くと水場は意外と近くにあります。このような標高で水場があるのは助かります。 ここからこのコース一番の急登が始まり、シラビソの根をまたぎ右に左にとジグザグに高度をかせぎます。 「福栃山の横巻き」の看板から尾根を巻くように登り、少し下ると越百小屋の横に出ます。眼前に丸みを帯びた越百山が迫り、左に目をやると南駒ヶ岳と仙涯嶺がそびえます。小屋からシラビソの林をしばらく行くと、やがて森林限界を越え、ハイマツ帯に。視界が開け、足元には赤と黄色の越百小屋が、振り返ると御嶽山、乗鞍岳が、そして遠くには北アルプスまで一望できます。ひと登りで白砂とハイマツの越百山頂上です。 復路は往路を引き返します。
  • 摺古木自然園から安平路山へ

    摺古木自然園から安平路山へ

    タクシーかマイカーでの入山となります。飯田駅もしくは南木曽駅から大平宿までは問題無いですが、東沢林道は路面が悪く車高のある四輪駆動車が無難です。登山口の大平宿は昭和45年に集団離村し無人となりました。その後地元飯田山岳会などが中心となり「大平宿を残す会」を発足し集落をそのまま保存する運動を起こし、現在も会が維持管理しています。会に申し込めば利用することも可能です。 東沢林道に入り黒川沿いに進みましょう。間もなく舗装も途切れカラマツ林を行き、入沢橋を渡ると飯田市水源取入口です。林道はここからまだまだ長く続きます。林道終点には摺古木自然園休憩舎があり、ここで前泊すると日帰りが出来ます。登山道に入りすぐに急な登りです。次第に傾斜もゆるくなり風穴山を巻くように続きます。小沢を幾つか渡り、アザミ岳を眺めながら登ると分岐へ。右は摺古木山へ直接登る道、分岐を左に進み摺古木展望台へ向かいます。 左に巻きながら登ります。早朝などは朝露で濡れてしまうので、雨具を着用しましょう。高層湿原となっている山稜を行くと2135mのピークとなり、樹林の中では数少ない展望地です。東へ進みシャクナゲのピークを越えササの中を登ると摺古木山です。樹林の山頂ですが1等三角点があります。 山頂を後に急な下りを白ビソ山へ。ササ原と樹林が続く平坦な尾根を進みます。似たようなところが多く白ビソ山頂も案内板に注意していないといつのまにか通り過ぎてしまいます。ササの海に切り開かれた道は整備が進み、実に歩きやすくなりました。 白ビソ山からゆるやかに下り開けたところに安平路避難小屋があります。しっかりとしたログキャビンで快適な小屋です。水場は安平路山へ向かい10分ほどの伊那側に。水場から急な坂を登り尾根に出て左に曲がると、樹林に囲まれた安平路山頂です。 帰路は往路を引き返します。
    タクシーかマイカーでの入山となります。飯田駅もしくは南木曽駅から大平宿までは問題無いですが、東沢林道は路面が悪く車高のある四輪駆動車が無難です。登山口の大平宿は昭和45年に集団離村し無人となりました。その後地元飯田山岳会などが中心となり「大平宿を残す会」を発足し集落をそのまま保存する運動を起こし、現在も会が維持管理しています。会に申し込めば利用することも可能です。 東沢林道に入り黒川沿いに進みましょう。間もなく舗装も途切れカラマツ林を行き、入沢橋を渡ると飯田市水源取入口です。林道はここからまだまだ長く続きます。林道終点には摺古木自然園休憩舎があり、ここで前泊すると日帰りが出来ます。登山道に入りすぐに急な登りです。次第に傾斜もゆるくなり風穴山を巻くように続きます。小沢を幾つか渡り、アザミ岳を眺めながら登ると分岐へ。右は摺古木山へ直接登る道、分岐を左に進み摺古木展望台へ向かいます。 左に巻きながら登ります。早朝などは朝露で濡れてしまうので、雨具を着用しましょう。高層湿原となっている山稜を行くと2135mのピークとなり、樹林の中では数少ない展望地です。東へ進みシャクナゲのピークを越えササの中を登ると摺古木山です。樹林の山頂ですが1等三角点があります。 山頂を後に急な下りを白ビソ山へ。ササ原と樹林が続く平坦な尾根を進みます。似たようなところが多く白ビソ山頂も案内板に注意していないといつのまにか通り過ぎてしまいます。ササの海に切り開かれた道は整備が進み、実に歩きやすくなりました。 白ビソ山からゆるやかに下り開けたところに安平路避難小屋があります。しっかりとしたログキャビンで快適な小屋です。水場は安平路山へ向かい10分ほどの伊那側に。水場から急な坂を登り尾根に出て左に曲がると、樹林に囲まれた安平路山頂です。 帰路は往路を引き返します。
  • 羽広から経ヶ岳へ

    羽広から経ヶ岳へ

    経ヶ岳は、中央アルプス最北端に単独ぎみに存在する山で、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプス、八ヶ岳、南アルプスにちょうど囲まれています。 伊那営業所からバスに乗り羽広で下車し、西へ向かうと仲仙寺に到着します。 伊那市考古資料館を左に見て参道を上がり、この先の、本堂へ続く石段の右側の道を進みます。すぐに林道にぶつかり少し上の分岐を右へ進むと本格的な登山道です。 特別支援学校生が設置したピットや合目標識に従い、カラマツの間を進んでいきます。落ち葉を踏みながらのゆるやかな傾斜の歩きやすい道です。地元の中学生も登る山で、危険箇所はありません。木々の間からは、わずかに下の町が見え、やがて四合目に出ます。右前方向からの大泉の道と合流し、左上方向へ。四合目から五合目にかけてはササが茂っており、滑って転ばないように注意しましょう。この間も比較的ゆるやかな傾斜の道が続きます。 五合目、六合目を過ぎ、はっきりした尾根筋を次第に傾斜を増しながら登って行くと、やがて七合目手前で急登に、小さなピークに出ると七合目です。このあたりからやっと展望が良くなってきます。周りの木がまばらになると立派な石碑の立つ台地に出て、そこが八合目です。先には、経ヶ岳山頂が見えます。 八合目は、このコースでは一番の展望で、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、御嶽山、遠く北アルプスが一望できます。頂上では余り展望は良くないので、ここで楽しんでいきましょう。八合目から少し登り、広く刈り込まれた明るいササの道を気持ちよく進み、木が増えて急な登りの手前で、右からの黒沢山の道と合流します。黒沢山への道はササが多く、不明瞭です。合流して、ひと登りしたところのピークが九合目で、石仏や石碑がいくつかある奥ノ院跡です。そして、ゆるやかにアップダウンしながら、シラビソの林を抜けて行くと、山頂に到着です。石仏や石碑のある山頂は、周りを木々に囲まれ、展望はあまり良くありません。 下山は同じ道を羽広まで戻ります。
    経ヶ岳は、中央アルプス最北端に単独ぎみに存在する山で、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプス、八ヶ岳、南アルプスにちょうど囲まれています。 伊那営業所からバスに乗り羽広で下車し、西へ向かうと仲仙寺に到着します。 伊那市考古資料館を左に見て参道を上がり、この先の、本堂へ続く石段の右側の道を進みます。すぐに林道にぶつかり少し上の分岐を右へ進むと本格的な登山道です。 特別支援学校生が設置したピットや合目標識に従い、カラマツの間を進んでいきます。落ち葉を踏みながらのゆるやかな傾斜の歩きやすい道です。地元の中学生も登る山で、危険箇所はありません。木々の間からは、わずかに下の町が見え、やがて四合目に出ます。右前方向からの大泉の道と合流し、左上方向へ。四合目から五合目にかけてはササが茂っており、滑って転ばないように注意しましょう。この間も比較的ゆるやかな傾斜の道が続きます。 五合目、六合目を過ぎ、はっきりした尾根筋を次第に傾斜を増しながら登って行くと、やがて七合目手前で急登に、小さなピークに出ると七合目です。このあたりからやっと展望が良くなってきます。周りの木がまばらになると立派な石碑の立つ台地に出て、そこが八合目です。先には、経ヶ岳山頂が見えます。 八合目は、このコースでは一番の展望で、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、御嶽山、遠く北アルプスが一望できます。頂上では余り展望は良くないので、ここで楽しんでいきましょう。八合目から少し登り、広く刈り込まれた明るいササの道を気持ちよく進み、木が増えて急な登りの手前で、右からの黒沢山の道と合流します。黒沢山への道はササが多く、不明瞭です。合流して、ひと登りしたところのピークが九合目で、石仏や石碑がいくつかある奥ノ院跡です。そして、ゆるやかにアップダウンしながら、シラビソの林を抜けて行くと、山頂に到着です。石仏や石碑のある山頂は、周りを木々に囲まれ、展望はあまり良くありません。 下山は同じ道を羽広まで戻ります。
  • 尾越から南木曽岳へ

    尾越から南木曽岳へ

    南木曽岳は独立峰で金時岩、弘法岩、カブト岩など名前の付く岩が多い事からもわかる通り急峻な岩峰です。現在では登山道も整備されコース沿いには木曽五木と呼ばれる木々が生い茂り、中でも、ネズコ、コウヤマキの巨木が多く見られます。 南木曽駅から保神行きのバスに乗り尾越で下車、蘭集落を通り南木曽山麓蘭キャンプ場の案内に従い進みます。集落を過ぎ額付川沿いに登ると蘭キャンプ場です。中央に管理棟があり少し先に、山荘あららぎがあります。さらに登ると第一バンガロー村が、下ると第二オートキャンプ場があり広大なキャンプ施設となっています。 キャンプ場を後にし、川沿いを登り続けると、南木曽岳山麓避難小屋に到着します。駐車場とトイレが併設されその奥にゲートがあり、一般車はここまでとなります。南木曽駅からタクシーだと25分ほど、帰りの予約もできます。 ゲート横から遊歩道に入り、コウヤマキなど樹木の案内を見ながら進み、再び林道へ。南木曽岳を正面に見ながら登り、林道が大きく右カーブするところから山道に入ります。小さな沢を渡りしばらくすると、下山道分岐に到着です。南木曽岳は、はっきりした周回コースとなっています。向かって左は登り専用となり岩場、鎖場を通り、頂上、避難小屋、摩利支天を経由してここに戻ってくる最後まで飽きさせないコースです。 しばらくは沢沿いに登り金時の洞窟、喉の滝の案内板を見ながら進みます。檜やネズコの立ち並ぶ尾根に出ると、傾斜が急になり第一のクサリ場、第二のクサリ場と続き息つく間もありません。右上にカブト岩を見ると、神戸からの道と合流しササの尾根をひと登りで南木曽岳頂上です。三角点はあるものの樹林に囲まれ地形的にもはっきりしない地味な山頂です。すぐ先に見晴台があり、木曽の山々の奥に御嶽山がどっしりと構えその雄大さを見せています。 眺望を楽しんだら先に進みましょう。まばらになった樹間を抜けるとのびやかなササの高原となります。ササの海に浮かぶように建つ南木曽岳避難小屋の周辺には、大きな花崗岩が点在し独特な景観をつくり出しています。ササの海を回り摩利支天をめざします。摩利支天は分岐点から5分ほど、岩に這い上がれば蘭の里、南木曽温泉、恵那山などが望めます。 下山道も急です。足元に気を配りながら下山道分岐まで戻り、林道に出て往路を尾越までたどります。
    南木曽岳は独立峰で金時岩、弘法岩、カブト岩など名前の付く岩が多い事からもわかる通り急峻な岩峰です。現在では登山道も整備されコース沿いには木曽五木と呼ばれる木々が生い茂り、中でも、ネズコ、コウヤマキの巨木が多く見られます。 南木曽駅から保神行きのバスに乗り尾越で下車、蘭集落を通り南木曽山麓蘭キャンプ場の案内に従い進みます。集落を過ぎ額付川沿いに登ると蘭キャンプ場です。中央に管理棟があり少し先に、山荘あららぎがあります。さらに登ると第一バンガロー村が、下ると第二オートキャンプ場があり広大なキャンプ施設となっています。 キャンプ場を後にし、川沿いを登り続けると、南木曽岳山麓避難小屋に到着します。駐車場とトイレが併設されその奥にゲートがあり、一般車はここまでとなります。南木曽駅からタクシーだと25分ほど、帰りの予約もできます。 ゲート横から遊歩道に入り、コウヤマキなど樹木の案内を見ながら進み、再び林道へ。南木曽岳を正面に見ながら登り、林道が大きく右カーブするところから山道に入ります。小さな沢を渡りしばらくすると、下山道分岐に到着です。南木曽岳は、はっきりした周回コースとなっています。向かって左は登り専用となり岩場、鎖場を通り、頂上、避難小屋、摩利支天を経由してここに戻ってくる最後まで飽きさせないコースです。 しばらくは沢沿いに登り金時の洞窟、喉の滝の案内板を見ながら進みます。檜やネズコの立ち並ぶ尾根に出ると、傾斜が急になり第一のクサリ場、第二のクサリ場と続き息つく間もありません。右上にカブト岩を見ると、神戸からの道と合流しササの尾根をひと登りで南木曽岳頂上です。三角点はあるものの樹林に囲まれ地形的にもはっきりしない地味な山頂です。すぐ先に見晴台があり、木曽の山々の奥に御嶽山がどっしりと構えその雄大さを見せています。 眺望を楽しんだら先に進みましょう。まばらになった樹間を抜けるとのびやかなササの高原となります。ササの海に浮かぶように建つ南木曽岳避難小屋の周辺には、大きな花崗岩が点在し独特な景観をつくり出しています。ササの海を回り摩利支天をめざします。摩利支天は分岐点から5分ほど、岩に這い上がれば蘭の里、南木曽温泉、恵那山などが望めます。 下山道も急です。足元に気を配りながら下山道分岐まで戻り、林道に出て往路を尾越までたどります。