【岐阜県】の登山コースガイド

岐阜県

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岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける
岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要
岩場やクサリ場などがあって、中級以上の技術と経験が必要
48件
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検索結果48件中  1-20件
  • 乗鞍畳平バスターミナルから剣ヶ峰へ

    乗鞍畳平バスターミナルから剣ヶ峰へ

    乗鞍スカイラインをバスで1時間余り、車窓を楽しみながら畳平へと到着。天候が良ければ北アルプスの眺望が開け、テンションが上がりますが、一気に標高差1000m以上を駆け上がると酸素濃度は20~30%減るため、急な動きには気をつけましょう。畳平駐車場から剣ヶ峰へのルートはお花畑経由と鶴ヶ池経由の二通りがあります。鶴ヶ池の脇を通る方が傾斜が緩くバスを降りてすぐはこちらのルートが体への負担が少ないです。鶴ヶ池の名前は鶴の形に似ているのがその由来で、かつては湖畔に亀甲土の模様が見られたといわれていますが今はその名残も見られません。傾斜が緩く、車両も通れる幅広の山道は肩ノ小屋まで続きます。 左手に富士見岳、右手にお花畑や不消ヶ池を見ながら気象観測所への分岐まで来ると目指す剣ヶ峰が見え、肩ノ小屋まで少し下ります。空気が澄んで視界が良い時には遠くに富士山を望めます。肩ノ小屋への下りでは、気象観測所側の右斜面の崩壊が激しく、時には防護フェンスを乗り越える落石もあるので十分注意しましょう。一方、長野県側の眼下には乗鞍エコーラインのつづら折れの車道が見え、夏まで残る雪渓では夏スキーを楽しむ姿も見られます。 肩ノ小屋は宿泊施設でもありますが、休憩も可能です。剣ヶ峰に向かう際は小休止をして最後のトイレもここで済ませておきましょう。乗鞍肩ノ小屋公衆トイレは緊急避難場シェルターにもなっています。 肩ノ小屋横の広場からは、長野県側への下降路と剣ヶ峰への登山道が続きます。剣ヶ峰への道は、比較的広く両側にロープが張ってあるのでルートは分かりやすいですが、5~6月頃は一部に雪渓が残っており、場合によっては軽アイゼンの装着も必要です。 肩ノ小屋からの歩き始めは細かい砂利のザレた道が続き、途中は岩のゴロゴロした部分もあるものの比較的歩きやすいです。ひとしきりジグザグの登山道を過ぎ、蚕玉岳までくると、火口湖の権現池のコバルトブルーに癒やされます。ここまで来れば剣ヶ峰はもう間近。頂上手前に分岐があり、左右どちらからでも頂上に進めます。分岐を左側に進んで頂上小屋経由で剣ヶ峰へと登ると、頂上直前で頂上直下の南側斜面が望め、乗鞍千町ヶ原へと続く登山道がありますが、降り口はガレ場で不明瞭です。 やがて剣ヶ峰に到達すると乗鞍本宮の社が出迎えてくれます。夏期シーズンは小さな社殿内でお札などの販売もしています。頂上からは乗鞍岳の稜線の向こうに槍穂高連峰が見え、笠ヶ岳、白山、御嶽山と3000m級の山々の眺めを楽しむことができます。
    乗鞍スカイラインをバスで1時間余り、車窓を楽しみながら畳平へと到着。天候が良ければ北アルプスの眺望が開け、テンションが上がりますが、一気に標高差1000m以上を駆け上がると酸素濃度は20~30%減るため、急な動きには気をつけましょう。畳平駐車場から剣ヶ峰へのルートはお花畑経由と鶴ヶ池経由の二通りがあります。鶴ヶ池の脇を通る方が傾斜が緩くバスを降りてすぐはこちらのルートが体への負担が少ないです。鶴ヶ池の名前は鶴の形に似ているのがその由来で、かつては湖畔に亀甲土の模様が見られたといわれていますが今はその名残も見られません。傾斜が緩く、車両も通れる幅広の山道は肩ノ小屋まで続きます。 左手に富士見岳、右手にお花畑や不消ヶ池を見ながら気象観測所への分岐まで来ると目指す剣ヶ峰が見え、肩ノ小屋まで少し下ります。空気が澄んで視界が良い時には遠くに富士山を望めます。肩ノ小屋への下りでは、気象観測所側の右斜面の崩壊が激しく、時には防護フェンスを乗り越える落石もあるので十分注意しましょう。一方、長野県側の眼下には乗鞍エコーラインのつづら折れの車道が見え、夏まで残る雪渓では夏スキーを楽しむ姿も見られます。 肩ノ小屋は宿泊施設でもありますが、休憩も可能です。剣ヶ峰に向かう際は小休止をして最後のトイレもここで済ませておきましょう。乗鞍肩ノ小屋公衆トイレは緊急避難場シェルターにもなっています。 肩ノ小屋横の広場からは、長野県側への下降路と剣ヶ峰への登山道が続きます。剣ヶ峰への道は、比較的広く両側にロープが張ってあるのでルートは分かりやすいですが、5~6月頃は一部に雪渓が残っており、場合によっては軽アイゼンの装着も必要です。 肩ノ小屋からの歩き始めは細かい砂利のザレた道が続き、途中は岩のゴロゴロした部分もあるものの比較的歩きやすいです。ひとしきりジグザグの登山道を過ぎ、蚕玉岳までくると、火口湖の権現池のコバルトブルーに癒やされます。ここまで来れば剣ヶ峰はもう間近。頂上手前に分岐があり、左右どちらからでも頂上に進めます。分岐を左側に進んで頂上小屋経由で剣ヶ峰へと登ると、頂上直前で頂上直下の南側斜面が望め、乗鞍千町ヶ原へと続く登山道がありますが、降り口はガレ場で不明瞭です。 やがて剣ヶ峰に到達すると乗鞍本宮の社が出迎えてくれます。夏期シーズンは小さな社殿内でお札などの販売もしています。頂上からは乗鞍岳の稜線の向こうに槍穂高連峰が見え、笠ヶ岳、白山、御嶽山と3000m級の山々の眺めを楽しむことができます。
  • 乗鞍畳平バスターミナルから山上周遊

    乗鞍畳平バスターミナルから山上周遊

    バスが終点の畳平に到着すると気持ちの良い高原の風が出迎えてくれます。夏でも肌寒い気温の時もありますが、標高が高く紫外線が強いので日焼けには気をつけましょう。 広い駐車場にはバスターミナルの他、宿泊施設、土産物屋、神社などがあります。その畳平の駐車場を囲むようにいくつか並んだ頂を結ぶルートを紹介します。 まずはバスターミナル横の階段を降りて、お花畑の脇を通り、ハイマツの間の坂を登っていきます。右手の斜面の向こうにモアイ像に似た不動岩の岩塔が見えます。登り坂を抜けると不消ヶ池の堤の見える広い山道に出ます。広い山道を進み、肩ノ小屋への分岐を右に曲がり、すり鉢状の不消ヶ池の湖畔の奥に道は続き、ドーム状の気象観測所へ向かいます。山頂の観測所の施設までで道は行き止まりです。摩利支天岳からは、乗鞍の全景を存分に楽しめます。 摩利支天岳から下って畳平方面へ戻ると、富士見岳への登り口があります。15分ほどで富士見岳山頂です。その名の通り条件がよければ遠くに富士山を拝むことができます。夏のシーズンは未明に到着する早朝バスに乗り、富士山とご来光目当てで富士見岳に登る登山者も多くいます。富士見岳を北側に下り、鶴ヶ池を左手に見ながら乗鞍エコーラインの車道を横断すると大黒岳の登山口です。 ロープで仕切られた登山道を登っていく際には、ロープの内側にも高山植物があるので、不用意に傷めないよう注意しましょう。大黒岳頂上にはコンクリート製の休憩所、三角点、山名が記された名盤が設置してあります。大黒岳の頂上を後にし、さらに北側へ歩を進めると広大なハイマツ帯の桔梗ヶ原が広がります。北アルプスの遠景を楽しみながら下り、乗鞍スカイラインの車道に出ます。通過するバスなどの車両に注意しながら車道路肩を歩きます。 「平湯・十石山登山口」の道標を目印に再び登山道に入り、四ッ岳を左に見ながら硫黄岳を目指してザレた下り坂を進んでいきます。登山道脇のコマクサの群生を楽しみながら、道が水平にトラバースし始めたあたりで適当に草付きのすき間を縫って右斜面を登ると、硫黄岳の頂上付近に出ます。 帰り道は乗鞍スカイラインの車道を歩いて畳平へと向かいます。余裕があれば駐車場横から登れる魔王岳に登ることも可能です。
    バスが終点の畳平に到着すると気持ちの良い高原の風が出迎えてくれます。夏でも肌寒い気温の時もありますが、標高が高く紫外線が強いので日焼けには気をつけましょう。 広い駐車場にはバスターミナルの他、宿泊施設、土産物屋、神社などがあります。その畳平の駐車場を囲むようにいくつか並んだ頂を結ぶルートを紹介します。 まずはバスターミナル横の階段を降りて、お花畑の脇を通り、ハイマツの間の坂を登っていきます。右手の斜面の向こうにモアイ像に似た不動岩の岩塔が見えます。登り坂を抜けると不消ヶ池の堤の見える広い山道に出ます。広い山道を進み、肩ノ小屋への分岐を右に曲がり、すり鉢状の不消ヶ池の湖畔の奥に道は続き、ドーム状の気象観測所へ向かいます。山頂の観測所の施設までで道は行き止まりです。摩利支天岳からは、乗鞍の全景を存分に楽しめます。 摩利支天岳から下って畳平方面へ戻ると、富士見岳への登り口があります。15分ほどで富士見岳山頂です。その名の通り条件がよければ遠くに富士山を拝むことができます。夏のシーズンは未明に到着する早朝バスに乗り、富士山とご来光目当てで富士見岳に登る登山者も多くいます。富士見岳を北側に下り、鶴ヶ池を左手に見ながら乗鞍エコーラインの車道を横断すると大黒岳の登山口です。 ロープで仕切られた登山道を登っていく際には、ロープの内側にも高山植物があるので、不用意に傷めないよう注意しましょう。大黒岳頂上にはコンクリート製の休憩所、三角点、山名が記された名盤が設置してあります。大黒岳の頂上を後にし、さらに北側へ歩を進めると広大なハイマツ帯の桔梗ヶ原が広がります。北アルプスの遠景を楽しみながら下り、乗鞍スカイラインの車道に出ます。通過するバスなどの車両に注意しながら車道路肩を歩きます。 「平湯・十石山登山口」の道標を目印に再び登山道に入り、四ッ岳を左に見ながら硫黄岳を目指してザレた下り坂を進んでいきます。登山道脇のコマクサの群生を楽しみながら、道が水平にトラバースし始めたあたりで適当に草付きのすき間を縫って右斜面を登ると、硫黄岳の頂上付近に出ます。 帰り道は乗鞍スカイラインの車道を歩いて畳平へと向かいます。余裕があれば駐車場横から登れる魔王岳に登ることも可能です。
  • 鈴蘭橋から剣ヶ峰へ

    鈴蘭橋から剣ヶ峰へ

    すずらん橋バス停付近がこのコースの起点となります。広い駐車場と、トイレがあります。まず鈴蘭橋は渡らずに、スキー場内の道を登っていきます。しばらくスキー場内を直登する登山道を進むと、道は左側の樹林帯へと続きます。日差しを遮ってくれるカラマツ林をトラバースするように道は進み、樹林はシラビソ類の樹種が多くなっていきます。 三本滝分岐点を過ぎると登山道は緩い尾根道となり、しばらくは、シラビソ、コメツガが多く混じる樹林帯を進んでいきます。やがて登山道は、乗鞍エコーラインの車道と交差します。バスやタクシーなどのほか、サイクリングを楽しむ自転車なども通るので注意しましょう。登山道は何箇所か車道を歩く部分を交えながら徐々に高度を上げていきます。途中、2022年の夏より営業を再開した冷泉小屋があります。このあたりまでくると樹林帯の樹高は低くなり、仰ぎ見るような高木は少なくなって、樹種もダケカンバやハンノキなどが多くなります。さらに何回か車道を挟んで登山道は進み、やがて位ヶ原山荘に到着です。先の冷泉小屋とともに、駐輪場やベンチが整備され、サイクリストの休憩ポイントになっています。小屋を過ぎるとナナカマドの群生が目立ち始め、登山道はほどなく森林限界を超えます。6~7月頃、シーズンが早いと雪渓が一部に残り登山道が分かりにくい所がある場合には、岩に描かれたペンキ印や赤布などの目印を探しながら進むことになります。肩ノ小屋口バス停(トイレ、休憩所あり)の手前では、場合によっては沢の増水で通りにくい所もあり、荒れた道に不慣れなら迷わず車道を選択するのがいいでしょう。 大雪渓脇の登山道を肩ノ小屋まで進みます。肩ノ小屋では畳平からの登山者も混じって賑わっていることでしょう。肩ノ小屋と東大宇宙線研究所の間には頂上までの最後のトイレがあり、万が一の噴火の際の避難シェルターにもなっています。肩ノ小屋からの道は道幅が広く取ってあり、すれ違いに苦労することはほとんどありませんが、多人数のパーティとすれ違うときは登り優先の原則が崩れてしまうこともあります。 岩状の道が途切れ、尾根のような所に出ると、雪渓を脇に残した権現池が見えます。剣ヶ峰を間近に見ながら頂上直下の分岐では左側の道を進むと、頂上小屋の脇を通って頂上剣ヶ峰へ。パノラマを楽しんだあとは浮き石に注意しながら権現池側の下り道を降ります。 肩ノ小屋からは乗鞍観測所のある摩利支天岳の脇を通る車道を畳平へと向かいます。
    すずらん橋バス停付近がこのコースの起点となります。広い駐車場と、トイレがあります。まず鈴蘭橋は渡らずに、スキー場内の道を登っていきます。しばらくスキー場内を直登する登山道を進むと、道は左側の樹林帯へと続きます。日差しを遮ってくれるカラマツ林をトラバースするように道は進み、樹林はシラビソ類の樹種が多くなっていきます。 三本滝分岐点を過ぎると登山道は緩い尾根道となり、しばらくは、シラビソ、コメツガが多く混じる樹林帯を進んでいきます。やがて登山道は、乗鞍エコーラインの車道と交差します。バスやタクシーなどのほか、サイクリングを楽しむ自転車なども通るので注意しましょう。登山道は何箇所か車道を歩く部分を交えながら徐々に高度を上げていきます。途中、2022年の夏より営業を再開した冷泉小屋があります。このあたりまでくると樹林帯の樹高は低くなり、仰ぎ見るような高木は少なくなって、樹種もダケカンバやハンノキなどが多くなります。さらに何回か車道を挟んで登山道は進み、やがて位ヶ原山荘に到着です。先の冷泉小屋とともに、駐輪場やベンチが整備され、サイクリストの休憩ポイントになっています。小屋を過ぎるとナナカマドの群生が目立ち始め、登山道はほどなく森林限界を超えます。6~7月頃、シーズンが早いと雪渓が一部に残り登山道が分かりにくい所がある場合には、岩に描かれたペンキ印や赤布などの目印を探しながら進むことになります。肩ノ小屋口バス停(トイレ、休憩所あり)の手前では、場合によっては沢の増水で通りにくい所もあり、荒れた道に不慣れなら迷わず車道を選択するのがいいでしょう。 大雪渓脇の登山道を肩ノ小屋まで進みます。肩ノ小屋では畳平からの登山者も混じって賑わっていることでしょう。肩ノ小屋と東大宇宙線研究所の間には頂上までの最後のトイレがあり、万が一の噴火の際の避難シェルターにもなっています。肩ノ小屋からの道は道幅が広く取ってあり、すれ違いに苦労することはほとんどありませんが、多人数のパーティとすれ違うときは登り優先の原則が崩れてしまうこともあります。 岩状の道が途切れ、尾根のような所に出ると、雪渓を脇に残した権現池が見えます。剣ヶ峰を間近に見ながら頂上直下の分岐では左側の道を進むと、頂上小屋の脇を通って頂上剣ヶ峰へ。パノラマを楽しんだあとは浮き石に注意しながら権現池側の下り道を降ります。 肩ノ小屋からは乗鞍観測所のある摩利支天岳の脇を通る車道を畳平へと向かいます。
  • 福地温泉から福地山へ

    福地温泉から福地山へ

    朝市からほど近い場所に福地山登山道入口があります。最初は、よく整備された植林地のつづら折れの山道を登っていきます。歩き始めてほどなく、東屋があり、焼岳を間近に眺められる第一休憩小屋に到着です。植林されたつづら尾根道を過ぎ、眺望の良い台地状の第一展望台に出ます。槍穂高などの北アルプスをパノラマで望むことができます。槍穂高連峰の右側には間近に焼岳が迫ります。そして同じ台地状の場所に「無然平」があり、大正時代の頃、地元の社会教育に貢献した文化人、篠原無然の石像が置かれています。 無然平を過ぎ、ナラやブナなどの広葉樹林に囲まれながら登山道を進むと、道標があり尾根ルートと谷側ルートに道が分かれます。尾根ルートを進んだ方が槍穂高の眺めが良く飽きません。尾根ルートには広葉樹にネズコやシラビソなどの針葉樹が混じります。 少し急登な尾根ルートは谷側ルートともう一度合流、再び台地状の地形となったあたりが第二展望台で、槍穂高に加え笠ヶ岳が見えます。ただし、笠ヶ岳の山体は手前にある大木場ノ辻に遮られてほとんど隠れて見えず、頂部が平らな独特の頂上部のみを見ることができます。穂高岳は西側から見ているため、西穂高が奥穂や前穂の手前にあってそのピークがどっしりとして見えます。さらに登っていくと分岐があり、左への分かれ道を登ると尾根途中の台地に出ます。第三展望台からは、火砕流が起源の横幅2kmに渡る垂壁の大岩壁「福地壁」を望むことが出来ます。 第三展望台を離れ、広葉樹林に囲まれた登山道をさらに進むと、道は南北方向に変わって眺望が開き、第四展望台に到着です。北アルプスの眺望というよりは、秋の紅葉を楽しむ場所です。頂上近くになって乗鞍岳展望台と名づけられた場所があり、乗鞍岳の横に長い山並みを西面側から眺められます。 三角点のある福地山山頂は眺望がよく、笠ヶ岳、槍ヶ岳、穂高岳、焼岳と乗鞍岳を眺められます。眺望を楽しんだら下山します。尾根道を通らず谷側ルートを通ると紅葉時には、色づいたナラやブナの変化を楽しみながら下れます。さらに下ると避難小屋の東屋があり、下山時の午後、夏の夕立や不意の雨などの際には避難も可能です。 また、登山口にほど近い所にある化石遊歩道では、露頭の石灰岩がありおよそ4億年前のサンゴなどの化石を観察できます。下山後は福地温泉の熱い露天風呂で疲れを取っていくのも良いでしょう。
    朝市からほど近い場所に福地山登山道入口があります。最初は、よく整備された植林地のつづら折れの山道を登っていきます。歩き始めてほどなく、東屋があり、焼岳を間近に眺められる第一休憩小屋に到着です。植林されたつづら尾根道を過ぎ、眺望の良い台地状の第一展望台に出ます。槍穂高などの北アルプスをパノラマで望むことができます。槍穂高連峰の右側には間近に焼岳が迫ります。そして同じ台地状の場所に「無然平」があり、大正時代の頃、地元の社会教育に貢献した文化人、篠原無然の石像が置かれています。 無然平を過ぎ、ナラやブナなどの広葉樹林に囲まれながら登山道を進むと、道標があり尾根ルートと谷側ルートに道が分かれます。尾根ルートを進んだ方が槍穂高の眺めが良く飽きません。尾根ルートには広葉樹にネズコやシラビソなどの針葉樹が混じります。 少し急登な尾根ルートは谷側ルートともう一度合流、再び台地状の地形となったあたりが第二展望台で、槍穂高に加え笠ヶ岳が見えます。ただし、笠ヶ岳の山体は手前にある大木場ノ辻に遮られてほとんど隠れて見えず、頂部が平らな独特の頂上部のみを見ることができます。穂高岳は西側から見ているため、西穂高が奥穂や前穂の手前にあってそのピークがどっしりとして見えます。さらに登っていくと分岐があり、左への分かれ道を登ると尾根途中の台地に出ます。第三展望台からは、火砕流が起源の横幅2kmに渡る垂壁の大岩壁「福地壁」を望むことが出来ます。 第三展望台を離れ、広葉樹林に囲まれた登山道をさらに進むと、道は南北方向に変わって眺望が開き、第四展望台に到着です。北アルプスの眺望というよりは、秋の紅葉を楽しむ場所です。頂上近くになって乗鞍岳展望台と名づけられた場所があり、乗鞍岳の横に長い山並みを西面側から眺められます。 三角点のある福地山山頂は眺望がよく、笠ヶ岳、槍ヶ岳、穂高岳、焼岳と乗鞍岳を眺められます。眺望を楽しんだら下山します。尾根道を通らず谷側ルートを通ると紅葉時には、色づいたナラやブナの変化を楽しみながら下れます。さらに下ると避難小屋の東屋があり、下山時の午後、夏の夕立や不意の雨などの際には避難も可能です。 また、登山口にほど近い所にある化石遊歩道では、露頭の石灰岩がありおよそ4億年前のサンゴなどの化石を観察できます。下山後は福地温泉の熱い露天風呂で疲れを取っていくのも良いでしょう。
  • 白骨温泉から十石山へ

    白骨温泉から十石山へ

    白骨温泉の温泉街の外れに上高地乗鞍スーパー林道のC区間(白骨温泉安房峠間)の入口がありますが、現在は法面の崩壊などで不通となっています。無料化となったため料金所は取り壊されており、林道を少し上がると無線局のアンテナがあり、その近くに十石山への登山口があります。 杉、檜の植林地の脇を抜けて白骨温泉の旅館街を見ながら、ナラ、ブナ、シラカバに囲まれた広葉樹林の中を歩くと、平坦地に出ます。平坦地はカラマツ林で丁字の分岐があり、左に折れれば「至十石山」の道標があります。曲がらないで直進するとササヤブの平坦地を抜けてスーパー林道へ交差します。 道標に従ってカラマツ林を登っていくと、ほどなくシラカバ林に変わり、少し急登の尾根道を上がっていきます。ササ刈りは定期的にしてあり、歩きやすい道です。尾根道が平坦になったあたりでササの刈り込みが広くしてあるちょっとした休憩場所があります。尾根の平坦部あたりからは、ツガやシラビソの亜高山帯の樹種が増えてきます。シラビソの丸太の年輪は緻密で、それ程巨木でなくても200年以上の樹齢を誇るものもあります。 徐々に傾斜がきつくなってくると、矮小化して低い樹高のシラビソ、ツガ類が見られるようになります。針葉樹が低くなり、やがて森林限界が近づくとナナカマドなどの灌木も見られるようになります。森林限界あたりからは北アルプスの山並みを眺望できます。登山道を囲むササ原は、ハイマツの絨毯が混じるようになります。 ササよりハイマツの割合が多くなっていき、十石峠避難小屋の看板のある小屋に到着。小屋の入口には天水を貯めるタンクが設置してあり、必要な場合は沸かすなどして飲用に利用できます。ロフトもあり、広い小屋です。 小屋裏に出るとハイマツの中に登山道が続き、十石山の三角点まで行くことができます。三角点が近づくにつれハイマツは背丈を越えてヤブ漕ぎ状態となります。頂上は緩い丘陵部分にあり、三角点がなければピークが分かりにくいです。三角点を越えてさらに登山道は尾根に続いていますが、途中が崩壊しているため通行不可となっています。ハイマツのヤブを抜けて崩壊地側を覗くと、剣ヶ峰から烏帽子岳、四ッ岳までの乗鞍の峰々が望めます。 帰路は、往路をそのまま戻りますが、ハイマツ、ササ原、雪渓などでは登山道を見失わないように注意して下山しましょう。
    白骨温泉の温泉街の外れに上高地乗鞍スーパー林道のC区間(白骨温泉安房峠間)の入口がありますが、現在は法面の崩壊などで不通となっています。無料化となったため料金所は取り壊されており、林道を少し上がると無線局のアンテナがあり、その近くに十石山への登山口があります。 杉、檜の植林地の脇を抜けて白骨温泉の旅館街を見ながら、ナラ、ブナ、シラカバに囲まれた広葉樹林の中を歩くと、平坦地に出ます。平坦地はカラマツ林で丁字の分岐があり、左に折れれば「至十石山」の道標があります。曲がらないで直進するとササヤブの平坦地を抜けてスーパー林道へ交差します。 道標に従ってカラマツ林を登っていくと、ほどなくシラカバ林に変わり、少し急登の尾根道を上がっていきます。ササ刈りは定期的にしてあり、歩きやすい道です。尾根道が平坦になったあたりでササの刈り込みが広くしてあるちょっとした休憩場所があります。尾根の平坦部あたりからは、ツガやシラビソの亜高山帯の樹種が増えてきます。シラビソの丸太の年輪は緻密で、それ程巨木でなくても200年以上の樹齢を誇るものもあります。 徐々に傾斜がきつくなってくると、矮小化して低い樹高のシラビソ、ツガ類が見られるようになります。針葉樹が低くなり、やがて森林限界が近づくとナナカマドなどの灌木も見られるようになります。森林限界あたりからは北アルプスの山並みを眺望できます。登山道を囲むササ原は、ハイマツの絨毯が混じるようになります。 ササよりハイマツの割合が多くなっていき、十石峠避難小屋の看板のある小屋に到着。小屋の入口には天水を貯めるタンクが設置してあり、必要な場合は沸かすなどして飲用に利用できます。ロフトもあり、広い小屋です。 小屋裏に出るとハイマツの中に登山道が続き、十石山の三角点まで行くことができます。三角点が近づくにつれハイマツは背丈を越えてヤブ漕ぎ状態となります。頂上は緩い丘陵部分にあり、三角点がなければピークが分かりにくいです。三角点を越えてさらに登山道は尾根に続いていますが、途中が崩壊しているため通行不可となっています。ハイマツのヤブを抜けて崩壊地側を覗くと、剣ヶ峰から烏帽子岳、四ッ岳までの乗鞍の峰々が望めます。 帰路は、往路をそのまま戻りますが、ハイマツ、ササ原、雪渓などでは登山道を見失わないように注意して下山しましょう。
  • 乗鞍畳平バスターミナルから剣ヶ峰、丸黒尾根へ

    乗鞍畳平バスターミナルから剣ヶ峰、丸黒尾根へ

    畳平からの歩き始めは、お花畑経由か鶴ヶ池経由の二通りが選べます。ゆっくりと歩きはじめ、体が慣れてきたら、物資補給の車も通る車道を肩ノ小屋まで歩きます。鞍部に作られた肩ノ小屋横にはトイレがあります。 肩ノ小屋からの登りは、小石や小岩でザレた広めの登山道を進みます。山頂に近くなるとハイマツも消え、岩場に囲まれた景色となります。頂上小屋側から登ると、剣ヶ峰直前の所で踏み跡不明瞭な千町尾根への分岐があります。分岐からはガレた道を慎重に下りていきます。危なげなガレ場を過ぎると、登山道は杭とロープに囲まれて整備され、ロープで仕切られたガレ場には高山植物の女王コマクサの群生が見られます。 千町尾根に八十八体据えられたという石仏のいくつかを眺めながらハイマツやガレ場の間を下りていきます。古い道標に「乗鞍岳1.7km、日影平12.3km」の表示があり、そこから登山道はハイマツの中へ入り、しばらく歩くと広い台地状の中洞権現に出ます。中洞権現からは千町尾根に向かいます。千町尾根から日影平へと続く尾根筋は本州中央分水嶺の一部で、剣ヶ峰は分水嶺の最高峰ともなっています。 中洞権現から先は気持ちの良いハイマツ帯が広がっていますが、ハイマツが人の背丈ほどのところもあります。ハイマツの野原から針葉樹林に登山道が続き、木陰を抜けるとやがてコバイケイソウやニッコウキスゲの咲く草原に出ます。一部、木道が整備され歩きやすい場所です。木道をひとしきり歩き、池塘が周りに見えてきます。そこまでくれば、奥千町避難小屋のログハウス調の建物はすぐ近くです。無人の奥千町避難小屋はトイレもあり、10人程度は宿泊可能ですが、近くに飲料水が確保できる場所がないので注意です。 尾根上のピークをトラバースしながら、さらに西へ尾根を下ると、千町ヶ原となり、湿原が迎えてくれます。千町ヶ原が樹林帯と接している辺りで九蔵ノ尾根への分岐がありますが、道標を見落とすとわかりにくいので注意が必要です。 丸黒山へは分岐を曲がらず直進します。ササ原が濃く踏跡の不明瞭な道を尾根伝いに慎重に進み、鞍部を経て丸黒山への急登を登ります。丸黒山から先は比較的登山道が整備されており、アップダウンはあるものの歩きやすくなります。枯松平山、日影平山とササ野原の中を進み、青少年交流の家へと進む途中、交流の家付近にはオリエンテーションコースの分岐があるので迷い込まないように注意しましょう。青少年交流の家バス停は駐車場にあります。
    畳平からの歩き始めは、お花畑経由か鶴ヶ池経由の二通りが選べます。ゆっくりと歩きはじめ、体が慣れてきたら、物資補給の車も通る車道を肩ノ小屋まで歩きます。鞍部に作られた肩ノ小屋横にはトイレがあります。 肩ノ小屋からの登りは、小石や小岩でザレた広めの登山道を進みます。山頂に近くなるとハイマツも消え、岩場に囲まれた景色となります。頂上小屋側から登ると、剣ヶ峰直前の所で踏み跡不明瞭な千町尾根への分岐があります。分岐からはガレた道を慎重に下りていきます。危なげなガレ場を過ぎると、登山道は杭とロープに囲まれて整備され、ロープで仕切られたガレ場には高山植物の女王コマクサの群生が見られます。 千町尾根に八十八体据えられたという石仏のいくつかを眺めながらハイマツやガレ場の間を下りていきます。古い道標に「乗鞍岳1.7km、日影平12.3km」の表示があり、そこから登山道はハイマツの中へ入り、しばらく歩くと広い台地状の中洞権現に出ます。中洞権現からは千町尾根に向かいます。千町尾根から日影平へと続く尾根筋は本州中央分水嶺の一部で、剣ヶ峰は分水嶺の最高峰ともなっています。 中洞権現から先は気持ちの良いハイマツ帯が広がっていますが、ハイマツが人の背丈ほどのところもあります。ハイマツの野原から針葉樹林に登山道が続き、木陰を抜けるとやがてコバイケイソウやニッコウキスゲの咲く草原に出ます。一部、木道が整備され歩きやすい場所です。木道をひとしきり歩き、池塘が周りに見えてきます。そこまでくれば、奥千町避難小屋のログハウス調の建物はすぐ近くです。無人の奥千町避難小屋はトイレもあり、10人程度は宿泊可能ですが、近くに飲料水が確保できる場所がないので注意です。 尾根上のピークをトラバースしながら、さらに西へ尾根を下ると、千町ヶ原となり、湿原が迎えてくれます。千町ヶ原が樹林帯と接している辺りで九蔵ノ尾根への分岐がありますが、道標を見落とすとわかりにくいので注意が必要です。 丸黒山へは分岐を曲がらず直進します。ササ原が濃く踏跡の不明瞭な道を尾根伝いに慎重に進み、鞍部を経て丸黒山への急登を登ります。丸黒山から先は比較的登山道が整備されており、アップダウンはあるものの歩きやすくなります。枯松平山、日影平山とササ野原の中を進み、青少年交流の家へと進む途中、交流の家付近にはオリエンテーションコースの分岐があるので迷い込まないように注意しましょう。青少年交流の家バス停は駐車場にあります。
  • 乗鞍畳平バスターミナルから剣ヶ峰、九蔵ノ尾根へ

    乗鞍畳平バスターミナルから剣ヶ峰、九蔵ノ尾根へ

    山岳信仰の対象として崇められた乗鞍岳への登山ルートには古いルートがいくつかありましたが、乗鞍スカイラインなどの車道による登山の普及で、廃れてしまったところも多くあります。そんな廃道となった旧道のひとつに、旧朝日村(現高山市朝日町)の上牧太郎之助が明治から大正、昭和にかけて九蔵ノ尾根に登山道を開き、一里塚の石仏を登山道沿いに88箇所に置いたという乗鞍青屋登山道があります。地元の有志が復興を目指し、再整備されました。 長野県側の乗鞍高原から入ると畳平手前で2716mに達しますが、そこは日本の公共交通機関車両が到達できる最高点です。 肩ノ小屋の立つ鞍部には宇宙線観測所があり、その向こうには五ノ池を有する室堂ヶ原が広がっています。肩ノ小屋からのザレた道は、一定のペースで徐々に高度を稼ぎましょう。剣ヶ峰から千町側への分岐道はガレた岩が多いため、充分注意して下ります。 大日岳の脇をトラバースするように道は続きますが、大岩のゴロゴロした箇所もあり、ペンキ印などを見失わないように歩きます。 長大な千町尾根の大半は深いハイマツ帯が多く、通過にはそれなりに体力を消費するので充分余裕を持って行動しなければなりません。奥千町避難小屋は宿泊は可能ですが飲料水はありません。健脚でないと対応できないルートといえます。千町尾根からの派生尾根がいくつかあり、いざという時はエスケープルートとして使えますが、整備が行き届いていない場合も多いので利用する際は注意しましょう。 避難小屋から先は池塘は少なくなりますが、木道もなく雨天時は登山道がぬかるむので用心しましょう。千町ヶ原の末端付近に九蔵ノ尾根への分岐がありますが、道標を見落としやすいので注意です。分岐を左に折れてすぐに池塘の脇を歩くと、祠に収まった石仏があります。十分に注意したいのは、九蔵ノ尾根の青屋登山道は復興してまだ新しいため、刈り払いが遅れるとササが増えて道が荒れる傾向にあります。高山市役所朝日支所などで必ず状況を事前に確認しておきましょう。 定期的に現れる石仏の祠を確認しながら長い尾根を降りていきます。尾根が細くなり植林された杉や檜に囲まれたつづら折れの道を下ると大きな祠があり、九蔵林道に出ます。林道を少し上流側に歩くと水場があり、冷たい山の水を補給することができます。林道をしばらく歩けば、青屋集落の小俣谷橋に出ます。
    山岳信仰の対象として崇められた乗鞍岳への登山ルートには古いルートがいくつかありましたが、乗鞍スカイラインなどの車道による登山の普及で、廃れてしまったところも多くあります。そんな廃道となった旧道のひとつに、旧朝日村(現高山市朝日町)の上牧太郎之助が明治から大正、昭和にかけて九蔵ノ尾根に登山道を開き、一里塚の石仏を登山道沿いに88箇所に置いたという乗鞍青屋登山道があります。地元の有志が復興を目指し、再整備されました。 長野県側の乗鞍高原から入ると畳平手前で2716mに達しますが、そこは日本の公共交通機関車両が到達できる最高点です。 肩ノ小屋の立つ鞍部には宇宙線観測所があり、その向こうには五ノ池を有する室堂ヶ原が広がっています。肩ノ小屋からのザレた道は、一定のペースで徐々に高度を稼ぎましょう。剣ヶ峰から千町側への分岐道はガレた岩が多いため、充分注意して下ります。 大日岳の脇をトラバースするように道は続きますが、大岩のゴロゴロした箇所もあり、ペンキ印などを見失わないように歩きます。 長大な千町尾根の大半は深いハイマツ帯が多く、通過にはそれなりに体力を消費するので充分余裕を持って行動しなければなりません。奥千町避難小屋は宿泊は可能ですが飲料水はありません。健脚でないと対応できないルートといえます。千町尾根からの派生尾根がいくつかあり、いざという時はエスケープルートとして使えますが、整備が行き届いていない場合も多いので利用する際は注意しましょう。 避難小屋から先は池塘は少なくなりますが、木道もなく雨天時は登山道がぬかるむので用心しましょう。千町ヶ原の末端付近に九蔵ノ尾根への分岐がありますが、道標を見落としやすいので注意です。分岐を左に折れてすぐに池塘の脇を歩くと、祠に収まった石仏があります。十分に注意したいのは、九蔵ノ尾根の青屋登山道は復興してまだ新しいため、刈り払いが遅れるとササが増えて道が荒れる傾向にあります。高山市役所朝日支所などで必ず状況を事前に確認しておきましょう。 定期的に現れる石仏の祠を確認しながら長い尾根を降りていきます。尾根が細くなり植林された杉や檜に囲まれたつづら折れの道を下ると大きな祠があり、九蔵林道に出ます。林道を少し上流側に歩くと水場があり、冷たい山の水を補給することができます。林道をしばらく歩けば、青屋集落の小俣谷橋に出ます。
  • アイミックスキャンプ場から剣ヶ峰へ

    アイミックスキャンプ場から剣ヶ峰へ

    高山市の公共バス「たかね号」で高根町阿多野郷集落まで行くと、アイミックスキャンプ場までは徒歩20分ほど。キャンプ場の中を通る林道は、谷をいくつかまたいで登山口に向かいます。アイミックスキャンプ場を過ぎてまもなく横切るのは東谷。東谷にかかる橋には林道ゲートがあります。東谷付近はカラマツ林が出迎えてくれます。のんびりと林道を歩いていくと、やがて真谷にかかる橋を渡ります。あたりはカラマツ林から杉、檜の植林が多くなっていき、林道脇の谷は徐々に深くなり木々の間からは御嶽山も見えるようになります。 再び谷が近くなり黒谷に掛かる堰堤で水量の少ない場所で渡渉し、右岸に渡ってしばらく進むと林道終点の登山口があります。つづら折れの登山道に入ると全体的にササが濃く道が分かりにくい所もありますが、古い登山道なので踏み跡は比較的しっかりしています。斜面をトラバースするように進んでいき、やがて中洞権現尾根に出ると傾斜が緩くなり、周りの針葉樹もシラビソやツガ類にかわってきます。 阿多野郷側の黒谷と黍生集落側の黍生谷に挟まれた中洞権現尾根は草付きが少なくなり、高度が上がるにつれ、シラビソ、コメツガ類が増え、亜高山帯の針葉樹林となります。ほどなく針葉樹林は矮小化した低木に変わり、森林限界を迎える頃、千町尾根のハイマツ帯の緑の絨毯が目に入ります。やがて道はハイマツの間を縫うように続き、岩に描かれたペンキの丸印を探しながら分岐を目指すと、ハイマツも途切れて徐々に踏み跡がはっきりしなくなってきます。そのまま傾斜の高い方へ進むとケルンや石仏、「乗鞍岳まで2km」と表示された道標があり、中洞権現に到着です。 千町尾根からは乗鞍岳の屏風岳、大日岳が間近に望め、剣ヶ峰はそのすぐ向こうです。剣ヶ峰側に歩いていくと、尾根の右側は深い谷、左側は深いハイマツ帯です。ハイマツの中を多少ヤブ漕ぎぎみに歩くと、ほどなくガレ場のゴーロを横切ります。このゴーロは谷状になって五色ヶ原方面の沢上谷最上流部につながっています。 このあたりから、大柄なコバイケイソウの群落をはじめ、豊富な高山植物を楽しみながら登ることができます。剣ヶ峰が近くなるとハイマツがまばらになり、砂礫地に群生するコマクサを見ることができます。剣ヶ峰直下はガレた岩場の通過になるので、浮き石や落石に十分注意して登りましょう。剣ヶ峰からは360度のパノラマを楽しむことができます。下山は往路と同じ道を戻ります。
    高山市の公共バス「たかね号」で高根町阿多野郷集落まで行くと、アイミックスキャンプ場までは徒歩20分ほど。キャンプ場の中を通る林道は、谷をいくつかまたいで登山口に向かいます。アイミックスキャンプ場を過ぎてまもなく横切るのは東谷。東谷にかかる橋には林道ゲートがあります。東谷付近はカラマツ林が出迎えてくれます。のんびりと林道を歩いていくと、やがて真谷にかかる橋を渡ります。あたりはカラマツ林から杉、檜の植林が多くなっていき、林道脇の谷は徐々に深くなり木々の間からは御嶽山も見えるようになります。 再び谷が近くなり黒谷に掛かる堰堤で水量の少ない場所で渡渉し、右岸に渡ってしばらく進むと林道終点の登山口があります。つづら折れの登山道に入ると全体的にササが濃く道が分かりにくい所もありますが、古い登山道なので踏み跡は比較的しっかりしています。斜面をトラバースするように進んでいき、やがて中洞権現尾根に出ると傾斜が緩くなり、周りの針葉樹もシラビソやツガ類にかわってきます。 阿多野郷側の黒谷と黍生集落側の黍生谷に挟まれた中洞権現尾根は草付きが少なくなり、高度が上がるにつれ、シラビソ、コメツガ類が増え、亜高山帯の針葉樹林となります。ほどなく針葉樹林は矮小化した低木に変わり、森林限界を迎える頃、千町尾根のハイマツ帯の緑の絨毯が目に入ります。やがて道はハイマツの間を縫うように続き、岩に描かれたペンキの丸印を探しながら分岐を目指すと、ハイマツも途切れて徐々に踏み跡がはっきりしなくなってきます。そのまま傾斜の高い方へ進むとケルンや石仏、「乗鞍岳まで2km」と表示された道標があり、中洞権現に到着です。 千町尾根からは乗鞍岳の屏風岳、大日岳が間近に望め、剣ヶ峰はそのすぐ向こうです。剣ヶ峰側に歩いていくと、尾根の右側は深い谷、左側は深いハイマツ帯です。ハイマツの中を多少ヤブ漕ぎぎみに歩くと、ほどなくガレ場のゴーロを横切ります。このゴーロは谷状になって五色ヶ原方面の沢上谷最上流部につながっています。 このあたりから、大柄なコバイケイソウの群落をはじめ、豊富な高山植物を楽しみながら登ることができます。剣ヶ峰が近くなるとハイマツがまばらになり、砂礫地に群生するコマクサを見ることができます。剣ヶ峰直下はガレた岩場の通過になるので、浮き石や落石に十分注意して登りましょう。剣ヶ峰からは360度のパノラマを楽しむことができます。下山は往路と同じ道を戻ります。
  • 正面登山道

    • 3時間50分

    正面登山道

    • 3時間50分
    伊吹山は本冊子紹介の正面登山道のほかに北尾根コース、岐阜県側の笹又コースがあるが、歩行禁止のドライブウェイに阻まれて山頂まで登ることはできず、正面登山道が山頂までの唯一の登山コースとなっている。 正面登山道は一合目から山頂まで草原と低灌木とが続く南斜面にあり、中腹の三合目からは頂上まで一望できる大パノラマが開けているが、まったく日陰がない夏は、帽子の着用と水分摂取といった暑さ対策が必要となる。 登山口で入山協力金300円を納め、植林地の中を登って行くと草地が開けた一合目に着く。ここから四合目まではスキー場跡の草原で、比較的緩やかな斜面が続いているが、五合目からは石が転がるジグザグ道となる。避難小屋のある六合目を過ぎると傾斜も強くなり、眼下の湖北の平野と琵琶湖、鈴鹿の山々の眺望が広がってくる。大きな木がないため高度感は抜群で、花が咲き乱れる夏の登山道は、中部山岳の3000m級の山を思わせる。 登るにつれ咲く花の種類も多く鮮やかになる。八合目あたりが最も急で、ジグザグを繰り返して、緩やかに広がる頂上台地の一角の九合目に登り着く。お花畑の中の道を登って行くと、夏の最盛期ならドライブウェイを登ってきた人たちの列と合流して、山頂に着く。 広々とした頂上一帯では、山小屋が営業する夏は多くの人でにぎわっている。山頂台地にはドライブウェイの駐車場と結んで、周遊路が設けられているので、時間が許せばお花畑を巡ってから往路を下ろう。
    伊吹山は本冊子紹介の正面登山道のほかに北尾根コース、岐阜県側の笹又コースがあるが、歩行禁止のドライブウェイに阻まれて山頂まで登ることはできず、正面登山道が山頂までの唯一の登山コースとなっている。 正面登山道は一合目から山頂まで草原と低灌木とが続く南斜面にあり、中腹の三合目からは頂上まで一望できる大パノラマが開けているが、まったく日陰がない夏は、帽子の着用と水分摂取といった暑さ対策が必要となる。 登山口で入山協力金300円を納め、植林地の中を登って行くと草地が開けた一合目に着く。ここから四合目まではスキー場跡の草原で、比較的緩やかな斜面が続いているが、五合目からは石が転がるジグザグ道となる。避難小屋のある六合目を過ぎると傾斜も強くなり、眼下の湖北の平野と琵琶湖、鈴鹿の山々の眺望が広がってくる。大きな木がないため高度感は抜群で、花が咲き乱れる夏の登山道は、中部山岳の3000m級の山を思わせる。 登るにつれ咲く花の種類も多く鮮やかになる。八合目あたりが最も急で、ジグザグを繰り返して、緩やかに広がる頂上台地の一角の九合目に登り着く。お花畑の中の道を登って行くと、夏の最盛期ならドライブウェイを登ってきた人たちの列と合流して、山頂に着く。 広々とした頂上一帯では、山小屋が営業する夏は多くの人でにぎわっている。山頂台地にはドライブウェイの駐車場と結んで、周遊路が設けられているので、時間が許せばお花畑を巡ってから往路を下ろう。
  • 養老山・笙ヶ岳

    • 6時間15分

    養老山・笙ヶ岳

    • 6時間15分
    草原状の養老山と樹林の深い笙ヶ岳は対照的な山で、養老山系の主峰の養老山と最高峰の笙ヶ岳を一日で楽しむことができる。登山道は、よく整備された歩きやすい道が続いているが、大洞谷から笙ヶ岳への間は、そんなに道がよくないので注意したい。笙ヶ岳まで歩くとかなりハードなコースとなるので、時間と体力に合わせてコースを短縮して対応できるようにしている。 一番短いコースは養老山往復で、次の段階はもみじ峠手前の旧牧場跡のあせび平、そしてさらに足を延ばせば笙ヶ岳と、3段階に分けられるし、逆コースをとって笙ヶ岳だけを目指すこともできるので、体力や経験に応じて歩くことができるコースとなっている。 公共交通機関を利用するなら養老鉄道の養老駅から歩くので、登山口の養老ノ滝まではかなり距離もあり、養老山のみの往復コースとなる。 登山口は養老ノ滝の上にある駐車場から上って行く林道で、駐車場横から林道に入ってすぐ左に谷に下りる道に入る。ここは養老ノ滝の上で堰堤があり、流れを渡ったところから登山道が始まる。 最初は急な雑木林の斜面に続くジグザグの道で、よく整備されていて、何度もターンを繰り返してベンチが2基ある明瞭な尾根に出る。丸太の階段状の坦々とした歩きやすい尾根道で、やがてもう一度大きな尾根に出る。ここが三方山手前の分岐で、左に1分ほどで濃尾平野の眺望が大きく広がる三方山に着く。素晴らしい展望だ。分岐に戻り10分ほどの登りで、養老山脈主稜の笹原峠に出る。峠はササが刈り開かれているが周りは灌木に囲まれている。 しかし、左へ養老山への道を少し登ると、左に濃尾平野の眺望が開け、樹林の背も低くなって明るい草原状の稜線となる。道を登りきったところが小倉山で、山頂には東屋やベンチがあり、公園のように整備されている。山頂からの眺望は素晴らしく、眼前にはこれから登る三角の端正な姿の笙ヶ岳がある。 小倉山から小さなアップダウンがあって、右から上ってきている林道と出合うとすぐ、登山道が右に分かれておりこれを登ると養老山の頂上に着く。刈り開かれた頂上だが、眺望は良くない。 笹原峠に戻り主稜線を直進する。稜線の道はきついアップダウンの多い暗い雑木林の道で、何度も上下をさせられてあせび平となり、もう一度下ってもみじ峠に着く。時間と体力の余裕がなければ、あせび平から右に林道を下ればいい。 笙ヶ岳は峠から大洞谷登山道を下る。鬱蒼とした樹林の道で、右から流れる大きな支流と出合ったところで右に分かれる道があり、右に入る。流れを渡り斜面の山腹道から最後に浅い谷を詰め上がると、笙ヶ岳の東のコルに出るが、分岐からは道はあまりよくない。植林された北側が開けた稜線を登ると笙ヶ岳に着く。頂上は植林が伸びてきて、次第に眺望はきかなくなってきている。 下山はあせび平から長い林道を歩いて登山口に戻る。
    草原状の養老山と樹林の深い笙ヶ岳は対照的な山で、養老山系の主峰の養老山と最高峰の笙ヶ岳を一日で楽しむことができる。登山道は、よく整備された歩きやすい道が続いているが、大洞谷から笙ヶ岳への間は、そんなに道がよくないので注意したい。笙ヶ岳まで歩くとかなりハードなコースとなるので、時間と体力に合わせてコースを短縮して対応できるようにしている。 一番短いコースは養老山往復で、次の段階はもみじ峠手前の旧牧場跡のあせび平、そしてさらに足を延ばせば笙ヶ岳と、3段階に分けられるし、逆コースをとって笙ヶ岳だけを目指すこともできるので、体力や経験に応じて歩くことができるコースとなっている。 公共交通機関を利用するなら養老鉄道の養老駅から歩くので、登山口の養老ノ滝まではかなり距離もあり、養老山のみの往復コースとなる。 登山口は養老ノ滝の上にある駐車場から上って行く林道で、駐車場横から林道に入ってすぐ左に谷に下りる道に入る。ここは養老ノ滝の上で堰堤があり、流れを渡ったところから登山道が始まる。 最初は急な雑木林の斜面に続くジグザグの道で、よく整備されていて、何度もターンを繰り返してベンチが2基ある明瞭な尾根に出る。丸太の階段状の坦々とした歩きやすい尾根道で、やがてもう一度大きな尾根に出る。ここが三方山手前の分岐で、左に1分ほどで濃尾平野の眺望が大きく広がる三方山に着く。素晴らしい展望だ。分岐に戻り10分ほどの登りで、養老山脈主稜の笹原峠に出る。峠はササが刈り開かれているが周りは灌木に囲まれている。 しかし、左へ養老山への道を少し登ると、左に濃尾平野の眺望が開け、樹林の背も低くなって明るい草原状の稜線となる。道を登りきったところが小倉山で、山頂には東屋やベンチがあり、公園のように整備されている。山頂からの眺望は素晴らしく、眼前にはこれから登る三角の端正な姿の笙ヶ岳がある。 小倉山から小さなアップダウンがあって、右から上ってきている林道と出合うとすぐ、登山道が右に分かれておりこれを登ると養老山の頂上に着く。刈り開かれた頂上だが、眺望は良くない。 笹原峠に戻り主稜線を直進する。稜線の道はきついアップダウンの多い暗い雑木林の道で、何度も上下をさせられてあせび平となり、もう一度下ってもみじ峠に着く。時間と体力の余裕がなければ、あせび平から右に林道を下ればいい。 笙ヶ岳は峠から大洞谷登山道を下る。鬱蒼とした樹林の道で、右から流れる大きな支流と出合ったところで右に分かれる道があり、右に入る。流れを渡り斜面の山腹道から最後に浅い谷を詰め上がると、笙ヶ岳の東のコルに出るが、分岐からは道はあまりよくない。植林された北側が開けた稜線を登ると笙ヶ岳に着く。頂上は植林が伸びてきて、次第に眺望はきかなくなってきている。 下山はあせび平から長い林道を歩いて登山口に戻る。
  • 広河原から恵那山へ

    広河原から恵那山へ

    深田久弥の日本百名山の一つ、恵那山。神坂峠から登るルートなどたくさんのコースがありますが、ここでは距離が一番近い広河原から登るルートを紹介します。 南信州昼神温泉郷から中央道の園原インターチェンジ方面へ進みヘブンス園原スキー場入口を過ぎ、花桃の里の並木を見ながらさらに奥へと入ったところに広河原登山道駐車場はあります。ゲートがあり車はここまでです。トイレがあるのでここで済ませ、登山届を提出していざ出発です。 しばらくは舗装された林道を川沿いに歩きます。トンネルを過ぎると恵那山入口(広河原登山口)の看板があるので見落とさないようにしましょう。林道から左に河原へおりると丸太橋があって川を渡ります。渡ったところから本格的な登山道に入ります。 登り始めは広葉樹林で、秋には紅葉がきれいなところです。右に左につづら折りに登り、周囲の木々がカラマツに代わって急坂を登れば表示看板「4/10」の尾根上に出ます。ここを右に尾根を辿ります。緩やかな道を進むとやがて視界がひらけ、シラビソやダケカンバのまばらな笹原を進みます。目指す恵那山を正面に見上げつつ、やがて広がった笹原のコルを過ぎると再び樹林帯の急登が始まります。展望もなく苦しい登りが続きます。焦らずにゆっくり登りましょう。 尾根がゆるやかに右に曲がっていき、ツツジなどの低い木々が出始めたら唐突に頂上展望台に着きます。ここには展望の為の櫓があり、一等三角点と恵那山山頂の看板もありますが、最高標高点はもう少し先にあります。ただし、わかりにくいところにあるので無理に探そうとすると道迷いの原因となるので注意しましょう。 展望スペースを過ぎて少し下った所に避難小屋とトイレがあります。風の強いときなどは休憩するのにとてもありがたい小屋です。 避難小屋から引き返す際に、ほかの登山道(黒井沢登山道)に入り込まないように確認してから歩き始めましょう。また登りで苦労した石段や笹の土目はとても滑りやすいので慎重に下山しましょう。同じ道を広河原登山道駐車場まで戻ります。
    深田久弥の日本百名山の一つ、恵那山。神坂峠から登るルートなどたくさんのコースがありますが、ここでは距離が一番近い広河原から登るルートを紹介します。 南信州昼神温泉郷から中央道の園原インターチェンジ方面へ進みヘブンス園原スキー場入口を過ぎ、花桃の里の並木を見ながらさらに奥へと入ったところに広河原登山道駐車場はあります。ゲートがあり車はここまでです。トイレがあるのでここで済ませ、登山届を提出していざ出発です。 しばらくは舗装された林道を川沿いに歩きます。トンネルを過ぎると恵那山入口(広河原登山口)の看板があるので見落とさないようにしましょう。林道から左に河原へおりると丸太橋があって川を渡ります。渡ったところから本格的な登山道に入ります。 登り始めは広葉樹林で、秋には紅葉がきれいなところです。右に左につづら折りに登り、周囲の木々がカラマツに代わって急坂を登れば表示看板「4/10」の尾根上に出ます。ここを右に尾根を辿ります。緩やかな道を進むとやがて視界がひらけ、シラビソやダケカンバのまばらな笹原を進みます。目指す恵那山を正面に見上げつつ、やがて広がった笹原のコルを過ぎると再び樹林帯の急登が始まります。展望もなく苦しい登りが続きます。焦らずにゆっくり登りましょう。 尾根がゆるやかに右に曲がっていき、ツツジなどの低い木々が出始めたら唐突に頂上展望台に着きます。ここには展望の為の櫓があり、一等三角点と恵那山山頂の看板もありますが、最高標高点はもう少し先にあります。ただし、わかりにくいところにあるので無理に探そうとすると道迷いの原因となるので注意しましょう。 展望スペースを過ぎて少し下った所に避難小屋とトイレがあります。風の強いときなどは休憩するのにとてもありがたい小屋です。 避難小屋から引き返す際に、ほかの登山道(黒井沢登山道)に入り込まないように確認してから歩き始めましょう。また登りで苦労した石段や笹の土目はとても滑りやすいので慎重に下山しましょう。同じ道を広河原登山道駐車場まで戻ります。
  • 黒部湖から読売新道をへて有峰湖へ

    黒部湖から読売新道をへて有峰湖へ

    観光客で賑わう黒部ダムを抜け舗装された道をロッジくろよん方面へ向かいます。ロッジを過ぎると黒部湖を左手に水平道を進みます。御前谷、中ノ谷出合は河原に橋が掛かっており増水時は要注意です。平ノ小屋の近くから平ノ渡船が出ているので時間、運行状況は事前に確認をしておきましょう。対岸に着くと針ノ木の分岐を右折し黒部川上流方面へ進みます。奥黒部ヒュッテまでは丸太橋・丸太ハシゴが連続しアップダウンが続きます。丸太橋を渡り水平な登山道に出ると奥黒部ヒュッテは近いです。 奥黒部ヒュッテから水晶小屋までは小屋・水場もないロングコースの始まりです。読売新道は標高差約1400mでエスケープルートも無いので、早朝に出発し万全の体調で望みましょう。視界のきかない樹林の中をひたすら急登します。8/8の標識があり8/2(標高2050m)地点には鎖場がありまだまだ急登です。やがて視界は開け、花崗岩の岩肌の稜線が現れ、360度パノラマの稜線歩きが始まります。眼下に黒部湖を眺め、ガレ場を登りきると赤褐色をした赤牛岳山頂です。平坦で歩きやすい道を進み温泉沢ノ頭に到着。ここから水晶岳までは巨岩の登りです。水晶岳は名前の通り下ノ本型花崗岩に水晶の結晶が見られ、この山だけが黒っぽい岩塊に見える事から「黒岳」とも呼ばれています。 水晶小屋までは岩のゴロゴロした岩峰を下ります。水晶小屋を過ぎると歩きやすい道に変わりワリモ北分岐に着きます。ここからワリモ岳、鷲羽岳と登ります。鷲羽岳山頂からは南東斜面に美しい火口地形の鷲羽池を見ることができます。 三俣山荘までは鷲羽乗越を越えザレた急坂を下ります。三俣山荘から祖父岳方面に30分下った場所に黒部源流がありここから黒部川の最初の一滴が始まり、黒部湖へと注がれていきます。 三俣山荘を後に三俣峠分岐を三俣蓮華へ登りつめると山頂です。三俣蓮華岳は富山県・岐阜県・長野県の3県を分ける山で、山頂からは圧倒的な存在感の槍ヶ岳が眺望できます。三俣蓮華岳から黒部五郎岳方面にトラバースし、巻道分岐点を黒部五郎小舎へ進みます。遅くまで残雪が残る場所があるので注意です。オオシラビソの急坂を下りきれば黒部五郎小舍に到着です。黒部乗越から壮大な黒部五郎カールの中心に向けて進みます。 雷岩を過ぎるとカール壁の急登です。肩の分岐を黒部五郎岳へ進み山頂です。黒部五郎岳の名の由来は黒部源流域の岩場を抱え込む姿から「ゴーロ→五郎」、と呼ばれるようになったと言われており、その名の通り大きな岩が転がっています。 肩の分岐まで折り返し急坂を下り、北ノ俣岳方面へ向かいます。北ノ俣分岐を太郎平小屋に進み折立・有峰湖方面へと下ります。
    観光客で賑わう黒部ダムを抜け舗装された道をロッジくろよん方面へ向かいます。ロッジを過ぎると黒部湖を左手に水平道を進みます。御前谷、中ノ谷出合は河原に橋が掛かっており増水時は要注意です。平ノ小屋の近くから平ノ渡船が出ているので時間、運行状況は事前に確認をしておきましょう。対岸に着くと針ノ木の分岐を右折し黒部川上流方面へ進みます。奥黒部ヒュッテまでは丸太橋・丸太ハシゴが連続しアップダウンが続きます。丸太橋を渡り水平な登山道に出ると奥黒部ヒュッテは近いです。 奥黒部ヒュッテから水晶小屋までは小屋・水場もないロングコースの始まりです。読売新道は標高差約1400mでエスケープルートも無いので、早朝に出発し万全の体調で望みましょう。視界のきかない樹林の中をひたすら急登します。8/8の標識があり8/2(標高2050m)地点には鎖場がありまだまだ急登です。やがて視界は開け、花崗岩の岩肌の稜線が現れ、360度パノラマの稜線歩きが始まります。眼下に黒部湖を眺め、ガレ場を登りきると赤褐色をした赤牛岳山頂です。平坦で歩きやすい道を進み温泉沢ノ頭に到着。ここから水晶岳までは巨岩の登りです。水晶岳は名前の通り下ノ本型花崗岩に水晶の結晶が見られ、この山だけが黒っぽい岩塊に見える事から「黒岳」とも呼ばれています。 水晶小屋までは岩のゴロゴロした岩峰を下ります。水晶小屋を過ぎると歩きやすい道に変わりワリモ北分岐に着きます。ここからワリモ岳、鷲羽岳と登ります。鷲羽岳山頂からは南東斜面に美しい火口地形の鷲羽池を見ることができます。 三俣山荘までは鷲羽乗越を越えザレた急坂を下ります。三俣山荘から祖父岳方面に30分下った場所に黒部源流がありここから黒部川の最初の一滴が始まり、黒部湖へと注がれていきます。 三俣山荘を後に三俣峠分岐を三俣蓮華へ登りつめると山頂です。三俣蓮華岳は富山県・岐阜県・長野県の3県を分ける山で、山頂からは圧倒的な存在感の槍ヶ岳が眺望できます。三俣蓮華岳から黒部五郎岳方面にトラバースし、巻道分岐点を黒部五郎小舎へ進みます。遅くまで残雪が残る場所があるので注意です。オオシラビソの急坂を下りきれば黒部五郎小舍に到着です。黒部乗越から壮大な黒部五郎カールの中心に向けて進みます。 雷岩を過ぎるとカール壁の急登です。肩の分岐を黒部五郎岳へ進み山頂です。黒部五郎岳の名の由来は黒部源流域の岩場を抱え込む姿から「ゴーロ→五郎」、と呼ばれるようになったと言われており、その名の通り大きな岩が転がっています。 肩の分岐まで折り返し急坂を下り、北ノ俣岳方面へ向かいます。北ノ俣分岐を太郎平小屋に進み折立・有峰湖方面へと下ります。
  • 上高地から焼岳へ

    上高地から焼岳へ

    焼岳は活火山です。1915(大正4)年の噴火では大規模な泥流が発生し、梓川の流れが堰き止められて一夜にして大正池が誕生しました。また1962(昭和37)年の噴火では焼岳小屋が破損し負傷者が出ています。登山前に情報はしっかり確認しておきましょう。ここでは上高地から登り、中の湯へ下山するコースを紹介します。 帝国ホテル前でバスを下車。豪華なホテルを横に眺めながら梓川のほとりへ向かいます。田代橋の手前右側に公衆トイレがあります。ここで梓川を右岸に渡り資材運搬路を下流方向へ向かうと、右手に焼岳登山口の道標が現れます。登山口からはしばらくの間、巨木が多い森を進みます。やがて樹林帯を抜けると、背後には霞沢岳が大きくそびえて見えます。 その先で待っているのがハシゴと桟道。さらに登れば次に長い二段のハシゴ場とクサリ場が待っています。この付近はとくに慎重に。ここを抜けるとすぐに樹林が消えて焼岳を眺めながらの道のりとなります。ササに覆われたさわやかな斜面を登ってゆきます。稜線に出れば、小さな焼岳小屋の建つ新中尾峠です。ここで岐阜側の中尾方面へ下る道と稜線沿いに西穂高方面へ向かう道を分けます。 小屋から10分ほど登った焼岳展望台からは、焼岳が真正面に大きくそびえて見えます。わずかに下った中尾峠からいよいよ焼岳への登り。途中噴気が出ている場所を通過します。焼岳北峰山頂直下まで来ると火山ならではの迫力ある景色です。すぐ近くに噴気が上がっていますが、危険なので近寄らないように。南峰は登山禁止で、登れるのは北峰のみです。 山頂で展望を楽しんだら下山です。エメラルドグリーンの火口湖、正賀池を右手に眺め、正面には南峰が荒々しくそびえています。南峰との鞍部から左の幅広い谷に向かってぐいぐいと下ります。谷沿いからわずかに離れるとまもなく小さな広場があります。休憩に良く、振り返ると樹々の上に焼岳の姿を望めます。 徐々に樹林帯となって長い下りが続きます。やがて、道幅が広くなり古い廃車横を通るとまもなく舗装された旧安房峠道路に飛び出します。ここが焼岳登山道入口で、駐車スペースがありますが、トイレはありません。ご注意下さい。道路を横切り、再び登山道を下るとまもなく中の湯温泉です。中の湯バス停までは、さらに40分ほど舗装路を下ります。
    焼岳は活火山です。1915(大正4)年の噴火では大規模な泥流が発生し、梓川の流れが堰き止められて一夜にして大正池が誕生しました。また1962(昭和37)年の噴火では焼岳小屋が破損し負傷者が出ています。登山前に情報はしっかり確認しておきましょう。ここでは上高地から登り、中の湯へ下山するコースを紹介します。 帝国ホテル前でバスを下車。豪華なホテルを横に眺めながら梓川のほとりへ向かいます。田代橋の手前右側に公衆トイレがあります。ここで梓川を右岸に渡り資材運搬路を下流方向へ向かうと、右手に焼岳登山口の道標が現れます。登山口からはしばらくの間、巨木が多い森を進みます。やがて樹林帯を抜けると、背後には霞沢岳が大きくそびえて見えます。 その先で待っているのがハシゴと桟道。さらに登れば次に長い二段のハシゴ場とクサリ場が待っています。この付近はとくに慎重に。ここを抜けるとすぐに樹林が消えて焼岳を眺めながらの道のりとなります。ササに覆われたさわやかな斜面を登ってゆきます。稜線に出れば、小さな焼岳小屋の建つ新中尾峠です。ここで岐阜側の中尾方面へ下る道と稜線沿いに西穂高方面へ向かう道を分けます。 小屋から10分ほど登った焼岳展望台からは、焼岳が真正面に大きくそびえて見えます。わずかに下った中尾峠からいよいよ焼岳への登り。途中噴気が出ている場所を通過します。焼岳北峰山頂直下まで来ると火山ならではの迫力ある景色です。すぐ近くに噴気が上がっていますが、危険なので近寄らないように。南峰は登山禁止で、登れるのは北峰のみです。 山頂で展望を楽しんだら下山です。エメラルドグリーンの火口湖、正賀池を右手に眺め、正面には南峰が荒々しくそびえています。南峰との鞍部から左の幅広い谷に向かってぐいぐいと下ります。谷沿いからわずかに離れるとまもなく小さな広場があります。休憩に良く、振り返ると樹々の上に焼岳の姿を望めます。 徐々に樹林帯となって長い下りが続きます。やがて、道幅が広くなり古い廃車横を通るとまもなく舗装された旧安房峠道路に飛び出します。ここが焼岳登山道入口で、駐車スペースがありますが、トイレはありません。ご注意下さい。道路を横切り、再び登山道を下るとまもなく中の湯温泉です。中の湯バス停までは、さらに40分ほど舗装路を下ります。
  • 上高地から涸沢・奥穂高岳へ

    上高地から涸沢・奥穂高岳へ

    穂高連峰は日本を代表する峰々で、登山者憧れの対象となっています。なかでも奥穂高岳は堂々たる容姿を持ち、国内第3位の標高を誇っています。 上高地バスターミナルで登山届を提出。河童橋の脇を抜けて小梨平、明神分岐、徳沢、横尾と梓川に沿ったなだらかな道、通称上高地街道を歩きます。高低差の少ない快適な道は、ほとんどが深い樹林に囲まれていますが、時折姿を現す明神岳の迫力にアルプスの懐に入る期待感が膨らんでゆきます。 横尾からは、いよいよ穂高への登路が始まります。がっしりとした横尾大橋を渡り、針葉樹林帯の道を歩きます。木の間越しに迫力ある屏風岩が望めます。やがて、瀬音が近づくと本谷橋です。本谷橋を渡った河原が休憩するポイントです。ここからしばらく急な登りです。少しずつ傾斜が穏やかになり、樹間から涸沢ヒュッテの一部が望めるようになると、まもなくSガレです。 ここから涸沢まではまだ距離がありますが、ひとふんばりで涸沢小屋と涸沢ヒュッテの分岐です。残雪の多い年の場合、夏でも涸沢の手前から雪渓が残っていることがあります。 穂高岳の懐にグッと食い込んだ涸沢は、氷河がスプーンでえぐったように侵食してできたカールで、周囲をぐるりととり囲む前穂高から奥穂高そして北穂高の山々の眺めが圧倒的スケールです。 涸沢からザイテングラートを経由して奥穂高岳に向かうには、涸沢小屋前を抜けてゆくコースと涸沢ヒュッテ側からカール内を横切るパノラマコースの2コースあり、どちらの道もカール中間で合流します。合流後は、岩屑の敷いたような道をトラバース気味に、ザイテングラート取付点へ向かいます。 岩尾根であるザイテングラートに取り付くと、まもなくトラバース気味のクサリ場と、さらに短いハシゴが続きます。そこからも岩稜が続きます。ペンキマークの指示するコースを、三点支持でバランスよく登りましょう。 「ホタカ小屋20分」というペンキ印と雄大な景色に励まされ、稜線手前から左に巻くように進めば、穂高岳山荘のテラスへと飛び出します。 山荘前から、すぐに急なハシゴとクサリが続きます。危険箇所ながら先行者、対向者も多いので、譲れるところで譲り合い、慎重かつスムーズに移動しましょう。浮石にも気をつけ稜線沿いを進めば、やがて穂高の主峰、奥穂高岳山頂となります。穂高神社の山宮と、この山域の開拓者である今田重太郎が積み上げたケルンがあります。帰路は往路を戻ります。
    穂高連峰は日本を代表する峰々で、登山者憧れの対象となっています。なかでも奥穂高岳は堂々たる容姿を持ち、国内第3位の標高を誇っています。 上高地バスターミナルで登山届を提出。河童橋の脇を抜けて小梨平、明神分岐、徳沢、横尾と梓川に沿ったなだらかな道、通称上高地街道を歩きます。高低差の少ない快適な道は、ほとんどが深い樹林に囲まれていますが、時折姿を現す明神岳の迫力にアルプスの懐に入る期待感が膨らんでゆきます。 横尾からは、いよいよ穂高への登路が始まります。がっしりとした横尾大橋を渡り、針葉樹林帯の道を歩きます。木の間越しに迫力ある屏風岩が望めます。やがて、瀬音が近づくと本谷橋です。本谷橋を渡った河原が休憩するポイントです。ここからしばらく急な登りです。少しずつ傾斜が穏やかになり、樹間から涸沢ヒュッテの一部が望めるようになると、まもなくSガレです。 ここから涸沢まではまだ距離がありますが、ひとふんばりで涸沢小屋と涸沢ヒュッテの分岐です。残雪の多い年の場合、夏でも涸沢の手前から雪渓が残っていることがあります。 穂高岳の懐にグッと食い込んだ涸沢は、氷河がスプーンでえぐったように侵食してできたカールで、周囲をぐるりととり囲む前穂高から奥穂高そして北穂高の山々の眺めが圧倒的スケールです。 涸沢からザイテングラートを経由して奥穂高岳に向かうには、涸沢小屋前を抜けてゆくコースと涸沢ヒュッテ側からカール内を横切るパノラマコースの2コースあり、どちらの道もカール中間で合流します。合流後は、岩屑の敷いたような道をトラバース気味に、ザイテングラート取付点へ向かいます。 岩尾根であるザイテングラートに取り付くと、まもなくトラバース気味のクサリ場と、さらに短いハシゴが続きます。そこからも岩稜が続きます。ペンキマークの指示するコースを、三点支持でバランスよく登りましょう。 「ホタカ小屋20分」というペンキ印と雄大な景色に励まされ、稜線手前から左に巻くように進めば、穂高岳山荘のテラスへと飛び出します。 山荘前から、すぐに急なハシゴとクサリが続きます。危険箇所ながら先行者、対向者も多いので、譲れるところで譲り合い、慎重かつスムーズに移動しましょう。浮石にも気をつけ稜線沿いを進めば、やがて穂高の主峰、奥穂高岳山頂となります。穂高神社の山宮と、この山域の開拓者である今田重太郎が積み上げたケルンがあります。帰路は往路を戻ります。
  • 上高地から岳沢・奥穂高岳へ

    上高地から岳沢・奥穂高岳へ

    上高地から前穂高岳へ一気に登りつめる重太郎新道は、急峻で狭く標高差もある上に、ハシゴやクサリが多い気の抜けない高度感のある豪快な岩稜コースです。事故も多いので気を引き締めて、しっかりとした装備と計画で歩きましょう。 上高地バスターミナルからスタートして河童橋を渡り、「穂高岳沢登山路」の道標から針葉樹の樹林の中を登って行きます。岳沢小屋までは番号が記された案内があり、目安となります。7番の先に岳沢名所天然クーラーという風穴があり、一服の涼を楽しめます。 展望の開ける6番見晴台付近で背の高い針葉樹林から離れ、灌木帯やガレ場の登りになります。5番が中間地点。1900mの西穂高展望所(4番)や胸突き八丁(2番)など順調に高度を稼ぎ、岳沢小屋に至ります。上高地を眼下に収める美景の地です。この小屋は定員が少ないので要予約です。 岳沢小屋を後にすると、いよいよ北アルプス屈指とも言える急峻な重太郎新道となります。ダケカンバの生える岩混じりの急斜面につけられた道に、さっそく鉄製や木製のハシゴが現れます。三点支持での登りが続きますが、まもなくカモシカの立場で、尾根上の眺めの良い休憩ポイントです。 大展望にひと息ついたら、再びハシゴやクサリの急登。岳沢パノラマから振り返ると、眼下に岳沢小屋の赤い屋根と岳沢の谷が望めます。見上げると、前穂高岳までの急斜面がせり上がっています。あらためて、この道の急峻さを感じる場所です。 ペンキの○印をはずさないように、尾根の南東側につけられた登山道を浮石、落石に気を配りながら登ります。石畳状の雷鳥広場の先でわずかにハシゴで下りますが、まだまだ急な登りです。一枚岩のクサリを登り、斜面の反対側に出るとようやく紀美子平です。ここで荷物をデポして前穂高岳山頂を往復しましょう。途中のトラバース気味の場所は足元要注意。長細い山頂からは、奥又白池と徳沢、常念岳を背景とする北尾根、そして奥穂高、槍ヶ岳、涸沢のカールなど、位置により変化する大絶景を楽しめます。 紀美子平に戻ったら吊尾根です。登りながらのトラバース。ところどころ岩壁沿いの狭い幅の道なので、慎重に。最低コルから先には長いクサリ場があり事故も多いので要注意です。南稜ノ頭の道標までくれば奥穂高岳は指呼の距離。ひと踏ん張りで奥穂高岳の山頂です。帰路は岩稜地帯を進み、穂高岳山荘手前のハシゴ場を慎重に下り、穂高岳山荘前から涸沢を経て、上高地バスターミナルへ下山します。
    上高地から前穂高岳へ一気に登りつめる重太郎新道は、急峻で狭く標高差もある上に、ハシゴやクサリが多い気の抜けない高度感のある豪快な岩稜コースです。事故も多いので気を引き締めて、しっかりとした装備と計画で歩きましょう。 上高地バスターミナルからスタートして河童橋を渡り、「穂高岳沢登山路」の道標から針葉樹の樹林の中を登って行きます。岳沢小屋までは番号が記された案内があり、目安となります。7番の先に岳沢名所天然クーラーという風穴があり、一服の涼を楽しめます。 展望の開ける6番見晴台付近で背の高い針葉樹林から離れ、灌木帯やガレ場の登りになります。5番が中間地点。1900mの西穂高展望所(4番)や胸突き八丁(2番)など順調に高度を稼ぎ、岳沢小屋に至ります。上高地を眼下に収める美景の地です。この小屋は定員が少ないので要予約です。 岳沢小屋を後にすると、いよいよ北アルプス屈指とも言える急峻な重太郎新道となります。ダケカンバの生える岩混じりの急斜面につけられた道に、さっそく鉄製や木製のハシゴが現れます。三点支持での登りが続きますが、まもなくカモシカの立場で、尾根上の眺めの良い休憩ポイントです。 大展望にひと息ついたら、再びハシゴやクサリの急登。岳沢パノラマから振り返ると、眼下に岳沢小屋の赤い屋根と岳沢の谷が望めます。見上げると、前穂高岳までの急斜面がせり上がっています。あらためて、この道の急峻さを感じる場所です。 ペンキの○印をはずさないように、尾根の南東側につけられた登山道を浮石、落石に気を配りながら登ります。石畳状の雷鳥広場の先でわずかにハシゴで下りますが、まだまだ急な登りです。一枚岩のクサリを登り、斜面の反対側に出るとようやく紀美子平です。ここで荷物をデポして前穂高岳山頂を往復しましょう。途中のトラバース気味の場所は足元要注意。長細い山頂からは、奥又白池と徳沢、常念岳を背景とする北尾根、そして奥穂高、槍ヶ岳、涸沢のカールなど、位置により変化する大絶景を楽しめます。 紀美子平に戻ったら吊尾根です。登りながらのトラバース。ところどころ岩壁沿いの狭い幅の道なので、慎重に。最低コルから先には長いクサリ場があり事故も多いので要注意です。南稜ノ頭の道標までくれば奥穂高岳は指呼の距離。ひと踏ん張りで奥穂高岳の山頂です。帰路は岩稜地帯を進み、穂高岳山荘手前のハシゴ場を慎重に下り、穂高岳山荘前から涸沢を経て、上高地バスターミナルへ下山します。
  • 涸沢から北穂高岳・涸沢岳周遊

    涸沢から北穂高岳・涸沢岳周遊

    涸沢をベースに、北穂高岳から涸沢岳を周遊します。気の抜けるコースではなく、なかでも北穂高岳から涸沢岳間は難所の連続です。 涸沢小屋脇から北穂沢のガレ場を登ります。ガレ場横の石段から一気に高度を稼ぎます。振り返ると涸沢のテント村も涸沢ヒュッテもあっという間に小さくなります。途中で小さな岩場があるので、ペンキの印から外れないように三点支持でバランスよく登りましょう。登山道周囲はお花畑になっており、ハクサンイチゲやシナノキンバイ、晩夏にはトリカブトやアザミなどが咲き誇ります。 北穂沢に沿っていた登山道は、次に左側の尾根、南稜へ向かいます。 南稜取付は、まず長めのクサリ場を登ります。ホールドやスタンスはしっかりしていますが、少々長いので慎重に登りましょう。長いハシゴを抜けて南稜の尾根上に出ます。この付近で登山者の待機をすることがありますが、落ちついて譲りあいましょう。 南稜は急な岩尾根で、クサリ場もありますので、慎重にペンキマークをたどって登ります。クサリ場を抜けて傾斜が緩やかになるとテント場です。この先の北穂分岐で涸沢岳方面からの道をあわせます。松涛岩のコルを経て北穂高岳山頂(北峰)まではひと登り。頂上を越えたところに、北穂高小屋があります。 北穂高岳から涸沢岳までは危険な岩場の連続です。飛騨側の滝谷は鳥もとまらぬと形容されるほどすっぱり落ち込んでいます。もと来た北穂分岐で体力、時間、天候を考慮して、不安要素があれば涸沢へ下りましょう。涸沢岳へはまずは稜線に戻り、岩場の下りとなります。ペンキ印を頼りに滝谷ドームを涸沢側から巻き、次に滝谷側のクサリ場を下ります。その後滝谷側の奥壁バンドと呼ばれる高度感のある場所を通過。やがて赤錆看板のある最低コルで、ひと息入れられる場所です。 さらに、緊張感のあるクサリとハシゴが断続的に連続し、落石、浮石に十二分の注意が必要です。長いクサリを抜けてようやく涸沢岳山頂。西尾根に入らないよう気をつけましょう。涸沢岳から一気に下ると穂高岳山荘の建つ白出のコル。ここからザイテングラートを涸沢に下ります。傾斜のある岩稜なので、最後まで気を抜くことのないように。ザイテングラート取付点を離れて涸沢に到着です。
    涸沢をベースに、北穂高岳から涸沢岳を周遊します。気の抜けるコースではなく、なかでも北穂高岳から涸沢岳間は難所の連続です。 涸沢小屋脇から北穂沢のガレ場を登ります。ガレ場横の石段から一気に高度を稼ぎます。振り返ると涸沢のテント村も涸沢ヒュッテもあっという間に小さくなります。途中で小さな岩場があるので、ペンキの印から外れないように三点支持でバランスよく登りましょう。登山道周囲はお花畑になっており、ハクサンイチゲやシナノキンバイ、晩夏にはトリカブトやアザミなどが咲き誇ります。 北穂沢に沿っていた登山道は、次に左側の尾根、南稜へ向かいます。 南稜取付は、まず長めのクサリ場を登ります。ホールドやスタンスはしっかりしていますが、少々長いので慎重に登りましょう。長いハシゴを抜けて南稜の尾根上に出ます。この付近で登山者の待機をすることがありますが、落ちついて譲りあいましょう。 南稜は急な岩尾根で、クサリ場もありますので、慎重にペンキマークをたどって登ります。クサリ場を抜けて傾斜が緩やかになるとテント場です。この先の北穂分岐で涸沢岳方面からの道をあわせます。松涛岩のコルを経て北穂高岳山頂(北峰)まではひと登り。頂上を越えたところに、北穂高小屋があります。 北穂高岳から涸沢岳までは危険な岩場の連続です。飛騨側の滝谷は鳥もとまらぬと形容されるほどすっぱり落ち込んでいます。もと来た北穂分岐で体力、時間、天候を考慮して、不安要素があれば涸沢へ下りましょう。涸沢岳へはまずは稜線に戻り、岩場の下りとなります。ペンキ印を頼りに滝谷ドームを涸沢側から巻き、次に滝谷側のクサリ場を下ります。その後滝谷側の奥壁バンドと呼ばれる高度感のある場所を通過。やがて赤錆看板のある最低コルで、ひと息入れられる場所です。 さらに、緊張感のあるクサリとハシゴが断続的に連続し、落石、浮石に十二分の注意が必要です。長いクサリを抜けてようやく涸沢岳山頂。西尾根に入らないよう気をつけましょう。涸沢岳から一気に下ると穂高岳山荘の建つ白出のコル。ここからザイテングラートを涸沢に下ります。傾斜のある岩稜なので、最後まで気を抜くことのないように。ザイテングラート取付点を離れて涸沢に到着です。
  • 新穂高温泉から西穂高岳へ

    新穂高温泉から西穂高岳へ

    奥穂高からジャンダルム、そして天狗のコルや間ノ岳などを経てのびる稜線は、北アルプスの中でもとくに厳しい岩稜として知られ、体力と経験を多く重ねた登山者にのみ許される、危険なコースです。 西穂高岳はその稜線上に位置します。新穂高からはロープウェイが利用でき、西穂独標を経由してこの頂までは一般登山道になっています。ただし、独標から西穂高間は岩稜です。経験や天候によっては独標あるいは丸山までの計画にしましょう。 新穂高ロープウェイ行きバスを下車するとすぐ目の前が新穂高ロープウェイの駅。ロープウェイを乗り継いで西穂高口駅へ。屋上は展望台になっており、観光客で賑やかです。建物から出ると水場、三角点があります。この付近は千石園地と呼ばれ、播隆上人像などもあり観光客も多い所です。これより登山道という看板の場所に立つ建物で登山届を提出し、針葉樹林の中にのびる落ち着いた登山道を進みます。樹林の中を登り、やがて、西穂山荘の前に飛び出します。北アルプス南部では唯一の通年営業の山小屋です。 小屋前広場でひと息入れたら、いよいよ登山道は高山帯に入っていきます。登り始めるとすぐに森林限界となり、周囲にはハイマツが現れます、そして正面には西穂独標が姿を現します。途中にベンチのあるゆったりとした登山道を登ると、2452mの丸山です。穏やかな山頂に西穂丸山の標識が立ちます。 広い尾根は徐々に狭くなり、岩稜歩きとなります。独標直下はとくに急です。ペンキ印をたどり、クサリを登って西穂独標山頂に出ます。独標からは、特徴的なピラミッドピークを筆頭とする小刻みなピークが行く手にズラリと現れます。独標は11峰、ピラミッドピークは8峰、さらにチャンピオンピークは4峰というように、それらのピークには番号がふられています。 上高地や霞沢岳、笠ヶ岳方面などの大展望に囲まれますが、やせた岩稜が続くので、足元には十分注意し、ペンキ印をはずさないように進みましょう。ピラミッドピークを過ぎ、次のピークには飛騨側を巻くようにクサリがつけられています。 西穂高岳山頂直下は急な岩場です。三点支持で確実に登ること。山頂からの眺望を堪能したら、往路を下ります。岩稜の下りは岩と正対するようにしてバランスよく三点支持で。登りよりも一層慎重に安全に下りましょう。
    奥穂高からジャンダルム、そして天狗のコルや間ノ岳などを経てのびる稜線は、北アルプスの中でもとくに厳しい岩稜として知られ、体力と経験を多く重ねた登山者にのみ許される、危険なコースです。 西穂高岳はその稜線上に位置します。新穂高からはロープウェイが利用でき、西穂独標を経由してこの頂までは一般登山道になっています。ただし、独標から西穂高間は岩稜です。経験や天候によっては独標あるいは丸山までの計画にしましょう。 新穂高ロープウェイ行きバスを下車するとすぐ目の前が新穂高ロープウェイの駅。ロープウェイを乗り継いで西穂高口駅へ。屋上は展望台になっており、観光客で賑やかです。建物から出ると水場、三角点があります。この付近は千石園地と呼ばれ、播隆上人像などもあり観光客も多い所です。これより登山道という看板の場所に立つ建物で登山届を提出し、針葉樹林の中にのびる落ち着いた登山道を進みます。樹林の中を登り、やがて、西穂山荘の前に飛び出します。北アルプス南部では唯一の通年営業の山小屋です。 小屋前広場でひと息入れたら、いよいよ登山道は高山帯に入っていきます。登り始めるとすぐに森林限界となり、周囲にはハイマツが現れます、そして正面には西穂独標が姿を現します。途中にベンチのあるゆったりとした登山道を登ると、2452mの丸山です。穏やかな山頂に西穂丸山の標識が立ちます。 広い尾根は徐々に狭くなり、岩稜歩きとなります。独標直下はとくに急です。ペンキ印をたどり、クサリを登って西穂独標山頂に出ます。独標からは、特徴的なピラミッドピークを筆頭とする小刻みなピークが行く手にズラリと現れます。独標は11峰、ピラミッドピークは8峰、さらにチャンピオンピークは4峰というように、それらのピークには番号がふられています。 上高地や霞沢岳、笠ヶ岳方面などの大展望に囲まれますが、やせた岩稜が続くので、足元には十分注意し、ペンキ印をはずさないように進みましょう。ピラミッドピークを過ぎ、次のピークには飛騨側を巻くようにクサリがつけられています。 西穂高岳山頂直下は急な岩場です。三点支持で確実に登ること。山頂からの眺望を堪能したら、往路を下ります。岩稜の下りは岩と正対するようにしてバランスよく三点支持で。登りよりも一層慎重に安全に下りましょう。
  • 上高地から槍ヶ岳へ

    上高地から槍ヶ岳へ

    槍ヶ岳へは、いくつかのコースが集まりますが、本コースは槍ヶ岳の肩まで岩稜歩きがなく、歩きやすい道です。大曲より上流の槍沢は氷河が削ったU字谷であり、広々と開放的です。 上高地バスターミナルで登山届を提出。梓川の上流に向かって明神、徳沢と歩きます。横尾で穂高・涸沢へ向かう登山者や蝶ヶ岳への登山者と別れ、いよいよ槍ヶ岳を目指す道となります。歩きはじめは幅広の道ですが、すぐに幅の狭い登山道となります。しばらくはほぼ平坦で落ち着いた森の中の道で、右手よりワサビ沢を始めとする流れが数本横切ります。槍見河原からは、木々に邪魔されながらも、槍の穂先をちらりと眺めることができます。 立派な橋がかかる一ノ俣、ニノ俣を過ぎ、少し登りの傾斜が出てくる道を進めば小規模な水力発電装置が現れ、槍沢ロッヂはすぐです。 さらに樹林帯の道が続き、ガレた赤沢を抜けて槍沢ロッヂから40分ほどでテント場のババ平です(2023年より売店あり)。この付近から樹林は薄くなり明るい谷になります。夏の早い時期など、この周辺から断続的に雪の上を歩くこともあります。大曲で水俣乗越への道を分け、お花畑となる明るい谷を徐々に登ります。天狗原分岐で氷河公園に続く道が分岐します。氷河公園は紅葉が美しく、天狗池に映る槍ヶ岳はカメラマンに人気です。 天狗原分岐を槍ヶ岳へ直進すると道はどんどん傾斜を増してゆきます。ジグザグに登って最後の水場を過ぎてから左手に巻き込むように歩くと平らな地形となり、槍ヶ岳をしっかりと望めるようになります。この先、大きな岩の間に「坊主の岩小屋」と呼ばれるポッカリと空いた岩小屋があります。槍ヶ岳を開山した播隆上人がこもっていた歴史ある岩小屋です。苦しい登りが続きますが、ほどなく殺生小屋との分岐点。この付近はテント場にもなっています。天候や体力に応じて、殺生小屋に泊まるのもよいでしょう。最後にもうひと踏ん張り登り、槍ヶ岳山荘前に出ます。 槍ヶ岳山荘で宿泊手続きを済ませたら、いよいよ槍の穂先へチャレンジ。基本的には岩登りで、三点支持が重要です。ルートは登り下りが分かれる一方通行ですが、浮き石や落石には十分注意しましょう。最後は直立するハシゴを登り山頂に出ます。小さな社が祀られる槍ヶ岳山頂はそれほど広くありません。混雑状況に応じて、スムーズに下山しましょう。
    槍ヶ岳へは、いくつかのコースが集まりますが、本コースは槍ヶ岳の肩まで岩稜歩きがなく、歩きやすい道です。大曲より上流の槍沢は氷河が削ったU字谷であり、広々と開放的です。 上高地バスターミナルで登山届を提出。梓川の上流に向かって明神、徳沢と歩きます。横尾で穂高・涸沢へ向かう登山者や蝶ヶ岳への登山者と別れ、いよいよ槍ヶ岳を目指す道となります。歩きはじめは幅広の道ですが、すぐに幅の狭い登山道となります。しばらくはほぼ平坦で落ち着いた森の中の道で、右手よりワサビ沢を始めとする流れが数本横切ります。槍見河原からは、木々に邪魔されながらも、槍の穂先をちらりと眺めることができます。 立派な橋がかかる一ノ俣、ニノ俣を過ぎ、少し登りの傾斜が出てくる道を進めば小規模な水力発電装置が現れ、槍沢ロッヂはすぐです。 さらに樹林帯の道が続き、ガレた赤沢を抜けて槍沢ロッヂから40分ほどでテント場のババ平です(2023年より売店あり)。この付近から樹林は薄くなり明るい谷になります。夏の早い時期など、この周辺から断続的に雪の上を歩くこともあります。大曲で水俣乗越への道を分け、お花畑となる明るい谷を徐々に登ります。天狗原分岐で氷河公園に続く道が分岐します。氷河公園は紅葉が美しく、天狗池に映る槍ヶ岳はカメラマンに人気です。 天狗原分岐を槍ヶ岳へ直進すると道はどんどん傾斜を増してゆきます。ジグザグに登って最後の水場を過ぎてから左手に巻き込むように歩くと平らな地形となり、槍ヶ岳をしっかりと望めるようになります。この先、大きな岩の間に「坊主の岩小屋」と呼ばれるポッカリと空いた岩小屋があります。槍ヶ岳を開山した播隆上人がこもっていた歴史ある岩小屋です。苦しい登りが続きますが、ほどなく殺生小屋との分岐点。この付近はテント場にもなっています。天候や体力に応じて、殺生小屋に泊まるのもよいでしょう。最後にもうひと踏ん張り登り、槍ヶ岳山荘前に出ます。 槍ヶ岳山荘で宿泊手続きを済ませたら、いよいよ槍の穂先へチャレンジ。基本的には岩登りで、三点支持が重要です。ルートは登り下りが分かれる一方通行ですが、浮き石や落石には十分注意しましょう。最後は直立するハシゴを登り山頂に出ます。小さな社が祀られる槍ヶ岳山頂はそれほど広くありません。混雑状況に応じて、スムーズに下山しましょう。
  • 新穂高温泉から槍平・槍ヶ岳へ

    新穂高温泉から槍平・槍ヶ岳へ

    ここ数年、岐阜県側の北アルプスの玄関口新穂高温泉は大きく変化してきています。以前、新穂高温泉には村営食堂や登山者用の無料公衆浴場がありましたが、いずれもが姿を消してしまいました。 新穂高ロープウェイでバスを降り、ロープウェイ駅前を通る舗装路をそのまま進みます。すぐに登山届ポストがあります。道はやがて蒲田川右俣林道となり、ゲートから先は一般車通行止めとなります。未舗装の林道をわずかに進んで、右手に出てくるショートカットコース(夏道)は山慣れた人向けです。林道コースもショートカットコースも、穂高平小屋前で合流します。小屋の開設時期は短かいので注意が必要です。宿泊はテントのみです。小屋前の広場は休憩にも良い場所です。 しばらくは林道歩きが続きます。やがて、かつて白出小屋のあった白出沢出合に出ます。ここから奥穂高岳に登る道があります。その先でいよいよ林道は終点となり、登山道となります。白出沢を渡り針葉樹の樹林にのびる道を進み、ガレ場となったチビ谷を横断すれば滝谷避難小屋の建つ滝谷出合です。仮橋で渡れますが、増水時や大雨後は渡渉不可です。 対岸に渡ると右の岩壁に藤木九三のレリーフが埋め込まれています。さらに樹林を登って行き、木道が現れると槍平で、槍平小屋はすぐそこ。宿泊には予約をしましょう。小屋の前からは南岳へ登る南岳新道が、またテント場からは奥丸山へ向かう道を分かれます。 飛騨沢に沿った登山道は、まだまだ緩やかな登りです。最終水場を過ぎて枝振りの良いダケカンバを過ぎると、樹木が少なくなってきます。千丈分岐点で西鎌尾根の千丈乗越へ向かう道と分かれますが、ここには槍平小屋の好意で救急箱が設置されています。 ここから槍ヶ岳と大喰岳の間に広がる飛騨沢の谷を大きくジグザグを切りながら高度を稼いで行きます。大展望を満喫しながらも、苦しい登りとなります。 やがて稜線に出ると飛騨乗越。この付近はしばしば強風が吹き上がってきます。槍ヶ岳方面へ向かうとすぐにテント場となり、槍ヶ岳山荘はもうすぐです。槍ヶ岳山荘から槍ヶ岳山頂までは、上高地から槍ヶ岳へ(コースガイド)を参考にしてください。下山は往路をたどります。
    ここ数年、岐阜県側の北アルプスの玄関口新穂高温泉は大きく変化してきています。以前、新穂高温泉には村営食堂や登山者用の無料公衆浴場がありましたが、いずれもが姿を消してしまいました。 新穂高ロープウェイでバスを降り、ロープウェイ駅前を通る舗装路をそのまま進みます。すぐに登山届ポストがあります。道はやがて蒲田川右俣林道となり、ゲートから先は一般車通行止めとなります。未舗装の林道をわずかに進んで、右手に出てくるショートカットコース(夏道)は山慣れた人向けです。林道コースもショートカットコースも、穂高平小屋前で合流します。小屋の開設時期は短かいので注意が必要です。宿泊はテントのみです。小屋前の広場は休憩にも良い場所です。 しばらくは林道歩きが続きます。やがて、かつて白出小屋のあった白出沢出合に出ます。ここから奥穂高岳に登る道があります。その先でいよいよ林道は終点となり、登山道となります。白出沢を渡り針葉樹の樹林にのびる道を進み、ガレ場となったチビ谷を横断すれば滝谷避難小屋の建つ滝谷出合です。仮橋で渡れますが、増水時や大雨後は渡渉不可です。 対岸に渡ると右の岩壁に藤木九三のレリーフが埋め込まれています。さらに樹林を登って行き、木道が現れると槍平で、槍平小屋はすぐそこ。宿泊には予約をしましょう。小屋の前からは南岳へ登る南岳新道が、またテント場からは奥丸山へ向かう道を分かれます。 飛騨沢に沿った登山道は、まだまだ緩やかな登りです。最終水場を過ぎて枝振りの良いダケカンバを過ぎると、樹木が少なくなってきます。千丈分岐点で西鎌尾根の千丈乗越へ向かう道と分かれますが、ここには槍平小屋の好意で救急箱が設置されています。 ここから槍ヶ岳と大喰岳の間に広がる飛騨沢の谷を大きくジグザグを切りながら高度を稼いで行きます。大展望を満喫しながらも、苦しい登りとなります。 やがて稜線に出ると飛騨乗越。この付近はしばしば強風が吹き上がってきます。槍ヶ岳方面へ向かうとすぐにテント場となり、槍ヶ岳山荘はもうすぐです。槍ヶ岳山荘から槍ヶ岳山頂までは、上高地から槍ヶ岳へ(コースガイド)を参考にしてください。下山は往路をたどります。
  • 燕岳から大天井岳・槍ヶ岳へ(表銀座コース)

    燕岳から大天井岳・槍ヶ岳へ(表銀座コース)

    表銀座縦走の起点燕岳登山口から急登ながら人気の合戦尾根をたどります。まずは樹林帯の登りが続きます。第一ベンチの裏手を下ると水場があります。荷揚げ用ケーブル下をくぐるとすぐに第二ベンチで、ここから少し傾斜が穏やかになり、適宜休憩をとりながら、長い登りを進みましょう。合戦小屋は売店のみの小屋で宿泊はできません。さらに登って稜線に出ると合戦ノ頭です。ここで展望が開けます。しばらく尾根沿いに進み、山腹をトラバースして燕山荘の真正面に出ます。手続きを済ませたら燕岳を往復しましょう。メガネ岩やイルカ岩など奇岩も多く楽しめます。 燕山荘からは稜線をたどります。蛙岩を通過し、大下りで標高を下げますが、ほぼ同じだけ登り返します。花と展望を楽しみながらの快適な道ですが、切通岩にはクサリ場があります。大天井岳から槍ヶ岳にかけての東鎌尾根を開削した小林喜作のレリーフがあります。 鞍部から登りかえすとすぐ大天井岳山頂への道と巻き道の分岐です。巻き道はクサリ場の連続なので、大天井岳山頂方面を目指します。山腹を斜上するように登り切ると、大天荘前の広場です。ここから山頂まで往復20分ほどです。次に常念岳方面への道を分け、大天井ヒュッテ目指して下ります。大天井ヒュッテから登る牛首展望台も絶景ポイントです。 さらに西岳へ向かいます。途中右手に貧乏沢へ下る踏み跡がありますが、これは北鎌尾根へ向かうもので、一般路ではありません。赤岩岳は山頂を巻きます。また、西岳山頂も巻きますが、ヒュッテ西岳手前の分岐から往復15分ほどで山頂へ登れます。 ヒュッテ西岳からの道のりは東鎌尾根上の道となります。ここまでの様相と一変して厳しい道となりますので慎重に歩きます。まずは急な下りです。いったん下りわずかに登り返し再び下ると水俣乗越となります。西岳からここまでに長いハシゴ場やクサリ場があります。水俣乗越で槍沢へ下る道を分けると、いよいよ険しい登りです。クサリ場やハシゴ、さらにヤセ尾根と気が抜けません。垂直に近い連続ハシゴもあります。ヒュッテ大槍でほっと一息つけますが、さらに尾根をたどると、2022年に付け替えられた鎖場の尾根となります。槍の穂先を回り込み、槍ヶ岳山荘に到着です。ここから槍ヶ岳山頂までは、ハシゴ、クサリの連続する登りとなります。慎重に三点支持で往復しましょう。 下山は槍沢から上高地バスターミナルまで下ります。
    表銀座縦走の起点燕岳登山口から急登ながら人気の合戦尾根をたどります。まずは樹林帯の登りが続きます。第一ベンチの裏手を下ると水場があります。荷揚げ用ケーブル下をくぐるとすぐに第二ベンチで、ここから少し傾斜が穏やかになり、適宜休憩をとりながら、長い登りを進みましょう。合戦小屋は売店のみの小屋で宿泊はできません。さらに登って稜線に出ると合戦ノ頭です。ここで展望が開けます。しばらく尾根沿いに進み、山腹をトラバースして燕山荘の真正面に出ます。手続きを済ませたら燕岳を往復しましょう。メガネ岩やイルカ岩など奇岩も多く楽しめます。 燕山荘からは稜線をたどります。蛙岩を通過し、大下りで標高を下げますが、ほぼ同じだけ登り返します。花と展望を楽しみながらの快適な道ですが、切通岩にはクサリ場があります。大天井岳から槍ヶ岳にかけての東鎌尾根を開削した小林喜作のレリーフがあります。 鞍部から登りかえすとすぐ大天井岳山頂への道と巻き道の分岐です。巻き道はクサリ場の連続なので、大天井岳山頂方面を目指します。山腹を斜上するように登り切ると、大天荘前の広場です。ここから山頂まで往復20分ほどです。次に常念岳方面への道を分け、大天井ヒュッテ目指して下ります。大天井ヒュッテから登る牛首展望台も絶景ポイントです。 さらに西岳へ向かいます。途中右手に貧乏沢へ下る踏み跡がありますが、これは北鎌尾根へ向かうもので、一般路ではありません。赤岩岳は山頂を巻きます。また、西岳山頂も巻きますが、ヒュッテ西岳手前の分岐から往復15分ほどで山頂へ登れます。 ヒュッテ西岳からの道のりは東鎌尾根上の道となります。ここまでの様相と一変して厳しい道となりますので慎重に歩きます。まずは急な下りです。いったん下りわずかに登り返し再び下ると水俣乗越となります。西岳からここまでに長いハシゴ場やクサリ場があります。水俣乗越で槍沢へ下る道を分けると、いよいよ険しい登りです。クサリ場やハシゴ、さらにヤセ尾根と気が抜けません。垂直に近い連続ハシゴもあります。ヒュッテ大槍でほっと一息つけますが、さらに尾根をたどると、2022年に付け替えられた鎖場の尾根となります。槍の穂先を回り込み、槍ヶ岳山荘に到着です。ここから槍ヶ岳山頂までは、ハシゴ、クサリの連続する登りとなります。慎重に三点支持で往復しましょう。 下山は槍沢から上高地バスターミナルまで下ります。