【1泊2日】の登山コースガイド
1泊2日
検索結果150件中
21-40件
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万助道をたどり千畳ヶ原へ
- 1泊2日
- 7時間45分
- 12.8km
万助道をたどり千畳ヶ原へ
- 1泊2日
- 7時間45分
- 12.8km
一ノ滝駐車場で準備をすませたら歩き始めます。しばらくは林道をたどり、林道終点から山道に入っていきます。気持ちのよいブナ林の道を進みます。狭霧橋への道を右手に見て、碇清水の水場でひと息入れましょう。 万助道十字路に出て右に折れ、まもなく行くと檜ノ沢の清流が流れる渡戸に出ます。渡戸は分岐となっていて、沢を渡り進むと長坂道に出ますが、ここでは沢を渡らず、万助道をたどります。沢音が心地よい檜ノ沢の渓谷を左手に見ながら登り道が続きます。沢音が遠くなり、尾根渡りの分岐に出ます。右の下道をたどると湧水の湧く碇に出てブナの道を行きますが、近年、春先の雪崩で樹木が広範囲でなぎ倒され荒れています。ここは左手の尾根道に入り進みます。 周囲にシャクナゲが目立つようになり、ギャップを過ぎて、豊かな湧水の流れを渡って今日の宿泊所、万助平に立つ万助小屋に到着です。万助平の奥に湧水が出ていて、別天地のようです。ゆったりと山の時間を楽しむことにしましょう。晴れていれば、夜の星空のきらめきに驚かされます。 翌朝は、小屋の清掃と水の補給も忘れずに、早立ちを心がけましょう。小屋を出てしばらくはブナの樹林帯の中を進みますが、やがてミネザクラやハクサンシャクナゲの混じる灌木帯になって視界が開け、ドッタリの草地に出ます。再び灌木帯になって、小さな草付きの湿地を越えると、千畳ヶ原の一角、仙人平に着きます。広大な高層湿地の風景の中を進んで、蛇石流分岐に出ます。ここから御浜は近いですが、ここでは千畳ヶ原でのゆったりとした時間の中で過ごすことにして右手に折れてT字分岐に出ます。 ここからは二ノ滝コースに入り馬ノ背のミヤマナラの尾根道を下ります。 月山沢(増水時は計画変更も視野に入れること)を渡り右手に不動滝、やや下って竜頭滝、竜ヶ滝と過ぎて喜助平に出ます。森ノ清水を経て額絵ノ壷、玉粋ノ滝、三ノ滝と続きます。狭霧橋を右に見て、二ノ滝方面に下ります。二ノ滝からは西ノコマイを左に見て下り、一ノ滝神社を過ぎ、やや巻くようにして登りの起点、一ノ滝駐車場に到着です。一ノ滝駐車場で準備をすませたら歩き始めます。しばらくは林道をたどり、林道終点から山道に入っていきます。気持ちのよいブナ林の道を進みます。狭霧橋への道を右手に見て、碇清水の水場でひと息入れましょう。 万助道十字路に出て右に折れ、まもなく行くと檜ノ沢の清流が流れる渡戸に出ます。渡戸は分岐となっていて、沢を渡り進むと長坂道に出ますが、ここでは沢を渡らず、万助道をたどります。沢音が心地よい檜ノ沢の渓谷を左手に見ながら登り道が続きます。沢音が遠くなり、尾根渡りの分岐に出ます。右の下道をたどると湧水の湧く碇に出てブナの道を行きますが、近年、春先の雪崩で樹木が広範囲でなぎ倒され荒れています。ここは左手の尾根道に入り進みます。 周囲にシャクナゲが目立つようになり、ギャップを過ぎて、豊かな湧水の流れを渡って今日の宿泊所、万助平に立つ万助小屋に到着です。万助平の奥に湧水が出ていて、別天地のようです。ゆったりと山の時間を楽しむことにしましょう。晴れていれば、夜の星空のきらめきに驚かされます。 翌朝は、小屋の清掃と水の補給も忘れずに、早立ちを心がけましょう。小屋を出てしばらくはブナの樹林帯の中を進みますが、やがてミネザクラやハクサンシャクナゲの混じる灌木帯になって視界が開け、ドッタリの草地に出ます。再び灌木帯になって、小さな草付きの湿地を越えると、千畳ヶ原の一角、仙人平に着きます。広大な高層湿地の風景の中を進んで、蛇石流分岐に出ます。ここから御浜は近いですが、ここでは千畳ヶ原でのゆったりとした時間の中で過ごすことにして右手に折れてT字分岐に出ます。 ここからは二ノ滝コースに入り馬ノ背のミヤマナラの尾根道を下ります。 月山沢(増水時は計画変更も視野に入れること)を渡り右手に不動滝、やや下って竜頭滝、竜ヶ滝と過ぎて喜助平に出ます。森ノ清水を経て額絵ノ壷、玉粋ノ滝、三ノ滝と続きます。狭霧橋を右に見て、二ノ滝方面に下ります。二ノ滝からは西ノコマイを左に見て下り、一ノ滝神社を過ぎ、やや巻くようにして登りの起点、一ノ滝駐車場に到着です。 -
岩根沢登山口から月山山頂へ
- 1泊2日
- 9時間0分
- 17.9km
岩根沢登山口から月山山頂へ
- 1泊2日
- 9時間0分
- 17.9km
登山口までのアプローチがよくないため、マイカー利用でプランを立てましょう。車道終点に車を置き(駐車スペースはあまりなく、車道脇のスペースなどを利用)、岩根沢登山口から歩き出します。まもなく烏川(サカサ沢)に下る分岐に出ます。右に入ってブナ林の道を下っていきます。 平坦な烏川の河原に出ます。増水時には上流に少し向かい、左手から入り込んでいるナベクラ沢をやり過ごして、本流の烏川を渡ります。ここでは、状況の判断が要求されます。沢を渡り、再び美しいブナ林の道となります。途中、へずり状の箇所があります。気をつけて通過していきます。森林限界を抜け出て灌木の尾根道になり、まもなく清川行人小屋に出ます。ここで休憩を入れて、小屋前に延びる道を5分ほど上がると神社に出ます。神社からは360度の眺望が楽しめ、まだ遙かなりし月山が眺められます。 小屋脇を下り、ドウダン坂に向かう分岐を左に見て、直進して立谷沢川の源流になる清川を渡り、月山への道に入っていきます。ややきつい登りを終えると、月山の雄大な山域に入っていきます。 風景を楽しみながら進み、やがて本道寺からの道と合流して、胎内岩を経ておおらかな月山山頂の台地に出ます。月山山頂神社を往復して、この日は頂上小屋に泊まりましょう。頂上小屋は家族経営で温かさが魅力で、料理もバラエティに富んだ山菜が多くうれしい限りです。翌朝はご来光を楽しんだり、少しのんびりとした朝の時間を過ごすのもいいでしょう。 小屋を発ち、ひとつ目の分岐、肘折道を左に見て進み、まもなく、前日登ってきた道を確認して、本道寺・岩根沢コースに入っていきます。胎内岩をすぎ、本道寺への道を下りドウダン坂分岐に出ます。左手に向かえば、前日通ってきた清川行人小屋に出ますが、ここは直進して、気持ちのよい尾根道を行きます。 郡界で本道寺コースを右に見て直進し、左右に開ける風景を楽しみながら尾根道を淡々と下ります。振り返ると月山が遠くに見えます。地蔵森山をゆるやかに巻いていくとまもなく出発地点の岩根沢登山口に出ます。登山口までのアプローチがよくないため、マイカー利用でプランを立てましょう。車道終点に車を置き(駐車スペースはあまりなく、車道脇のスペースなどを利用)、岩根沢登山口から歩き出します。まもなく烏川(サカサ沢)に下る分岐に出ます。右に入ってブナ林の道を下っていきます。 平坦な烏川の河原に出ます。増水時には上流に少し向かい、左手から入り込んでいるナベクラ沢をやり過ごして、本流の烏川を渡ります。ここでは、状況の判断が要求されます。沢を渡り、再び美しいブナ林の道となります。途中、へずり状の箇所があります。気をつけて通過していきます。森林限界を抜け出て灌木の尾根道になり、まもなく清川行人小屋に出ます。ここで休憩を入れて、小屋前に延びる道を5分ほど上がると神社に出ます。神社からは360度の眺望が楽しめ、まだ遙かなりし月山が眺められます。 小屋脇を下り、ドウダン坂に向かう分岐を左に見て、直進して立谷沢川の源流になる清川を渡り、月山への道に入っていきます。ややきつい登りを終えると、月山の雄大な山域に入っていきます。 風景を楽しみながら進み、やがて本道寺からの道と合流して、胎内岩を経ておおらかな月山山頂の台地に出ます。月山山頂神社を往復して、この日は頂上小屋に泊まりましょう。頂上小屋は家族経営で温かさが魅力で、料理もバラエティに富んだ山菜が多くうれしい限りです。翌朝はご来光を楽しんだり、少しのんびりとした朝の時間を過ごすのもいいでしょう。 小屋を発ち、ひとつ目の分岐、肘折道を左に見て進み、まもなく、前日登ってきた道を確認して、本道寺・岩根沢コースに入っていきます。胎内岩をすぎ、本道寺への道を下りドウダン坂分岐に出ます。左手に向かえば、前日通ってきた清川行人小屋に出ますが、ここは直進して、気持ちのよい尾根道を行きます。 郡界で本道寺コースを右に見て直進し、左右に開ける風景を楽しみながら尾根道を淡々と下ります。振り返ると月山が遠くに見えます。地蔵森山をゆるやかに巻いていくとまもなく出発地点の岩根沢登山口に出ます。 -
肘折登山口から念仏ヶ原へ
- 1泊2日
- 8時間30分
- 16.9km
肘折登山口から念仏ヶ原へ
- 1泊2日
- 8時間30分
- 16.9km
前泊、後泊を肘折温泉でとって、登山口まで宿の方に送迎していただき、歩き始めるのが便利です。マイカーでは駐車スペースに車を置き登山道に入っていきます。 肘折登山口から歩き出してまもなく大森山への登りに入っていきますが、途中から南面をトラバースしながら大森山西鞍部に出ます。ここでひと息入れましょう。周囲は気持ちのよいブナ林に包まれています。 さらに進むと、尾根北面の道になり、トチやミズナラの巨木の道に入っていきます。ここを抜けたあたりに、道の脇に湯殿山碑があります。 ゆるい尾根を越えて沢音が近づくと、猫又沢に出ます。大きなシズオタカラコウの黄色い花が印象的です。ブナの道が続き、やや登りがきつくなると、まもなく赤砂山の南稜に入ります。ここは大蔵村と庄内町の境で、下ると立谷沢の支流、赤沢川に出ます。ここは源頭部にあたるため水量は少なめです。沢を渡ってゆるやかな長い登り道に入っていきます。 鳥海山が遠望できる小岳山頂部を過ぎ、やや下ると花崗岩質がむきでた湿地に出ます。眺望も開け、振り返ると葉山が大きく見えます。木道が整備されていますが滑りやすいので気をつけていきましょう。三日月池の湿地をすぎ、下り道になり、回り込むようにして下ると、念仏ヶ原避難小屋に着きます。 小屋は念仏ヶ原湿原の入口にあり、ここから湿原探索に向かいます。湿原を背景におおらかな月山が望めます。少し足をのばして、立谷沢の本沢、清川の清流まで歩いてみてもいいでしょう。ここでは念仏ヶ原湿原探索を味わい、小屋に泊まってゆったりとした時間を過ごし、翌日も湿原の朝を存分に楽しみます。帰路は往路を忠実に戻ります。前泊、後泊を肘折温泉でとって、登山口まで宿の方に送迎していただき、歩き始めるのが便利です。マイカーでは駐車スペースに車を置き登山道に入っていきます。 肘折登山口から歩き出してまもなく大森山への登りに入っていきますが、途中から南面をトラバースしながら大森山西鞍部に出ます。ここでひと息入れましょう。周囲は気持ちのよいブナ林に包まれています。 さらに進むと、尾根北面の道になり、トチやミズナラの巨木の道に入っていきます。ここを抜けたあたりに、道の脇に湯殿山碑があります。 ゆるい尾根を越えて沢音が近づくと、猫又沢に出ます。大きなシズオタカラコウの黄色い花が印象的です。ブナの道が続き、やや登りがきつくなると、まもなく赤砂山の南稜に入ります。ここは大蔵村と庄内町の境で、下ると立谷沢の支流、赤沢川に出ます。ここは源頭部にあたるため水量は少なめです。沢を渡ってゆるやかな長い登り道に入っていきます。 鳥海山が遠望できる小岳山頂部を過ぎ、やや下ると花崗岩質がむきでた湿地に出ます。眺望も開け、振り返ると葉山が大きく見えます。木道が整備されていますが滑りやすいので気をつけていきましょう。三日月池の湿地をすぎ、下り道になり、回り込むようにして下ると、念仏ヶ原避難小屋に着きます。 小屋は念仏ヶ原湿原の入口にあり、ここから湿原探索に向かいます。湿原を背景におおらかな月山が望めます。少し足をのばして、立谷沢の本沢、清川の清流まで歩いてみてもいいでしょう。ここでは念仏ヶ原湿原探索を味わい、小屋に泊まってゆったりとした時間を過ごし、翌日も湿原の朝を存分に楽しみます。帰路は往路を忠実に戻ります。 -
越後三山縦走
- 1泊2日
- 25時間45分
- 24.3km
越後三山縦走
- 1泊2日
- 25時間45分
- 24.3km
越後三山とは八海山、中ノ岳、越後駒ヶ岳の総称で、魚沼三山とも呼ばれています。標高こそ中級山岳並みですが、豪雪に磨かれた水無川、佐梨川に峻険な谷を張りめぐらし、馬蹄型に広がる豪快な山容の三山縦走は、八海山、中ノ岳間の比高も高く険しいため、第一級の健脚向きコースです。急登に汗し、岩峰に肝を冷し、花々に心なぐさめられて黙々とたどるコースですが、それだけに縦走を終えての感慨はひとしお強く心を打つことでしょう。 なお八海山スキー場がオープンしてロープウェイが架設され、この長丁場のコースも時間的にやや短縮できるようになりましたが、山の厳しさは依然として変わりなく、安易な計画で登ることがないように注意して下さい。三山縦走は、越後駒ヶ岳を起点とするのが一般的です。 枝折峠〜越後駒ヶ岳までは枝折峠から越後駒ヶ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 【越後駒ヶ岳から中ノ岳まで】 山頂からしばらく稜線を下ると十合目の石標があります。ここが水無川渓谷へ下るグシガハナコースとの合流点です。チシマザサとダケカンバの中を通り出た平坦地が諏訪平になります。ササとシャクナゲを過ぎると急な下りになり天狗平に到着します。このあたりは風が強くハイマツと低灌木の気持ちのよいところで、ここが最低鞍部です。右を見れば北沢源頭のスラブに圧倒されることでしょう。 天狗平をあとにして中ノ岳をめざし、ヤセ尾根のアップダウンを繰り返します。北ノ又川には残雪が多く9月いっぱいは残っています。ヒノキ、ゴヨウマツ、シャクナゲなどが風雪に耐え曲りくねっている中を進んだ先が檜廊下です。奥只見湖、荒沢岳の眺めが良いが北ノ又側がスッパリと切れ落ちているので足元には十分注意して下さい。小さいピークを幾つか越え歩を進めると、ようやく中ノ岳への最後の登りとなります。避難小屋の前は広くテント場もあり、水は小屋の西側のポリタンクに貯めてある天水が利用できます。 中ノ岳山頂は小屋の南側へ少し行ったところにあり白御影石の方位盤と3等三角点があります。越後三山の最高峰からの展望は素晴しいの一言に尽きます。荒沢岳、平ヶ岳、燧ヶ岳、越後駒ヶ岳、尾瀬周辺の山々も一望です。中ノ岳の南峰から少し下ると兎岳を経て丹後山への縦走路と十字峡への分岐点があり、天候の急変や体調不良の時は十字峡へのルートがエスケープルートとなります。 【中ノ岳から千本檜小屋まで】 中ノ岳の小屋をあとにしてお花畑の中を下ります。ガレ場を過ぎると両側にベニバナイチゴの群生地が広がります。灌木の中の小沢を下ると草原に出ます。祓川には雪渓が遅くまで残り、周辺の草原には花々が咲き誇ります。キャンプ地には最高の場所ですが、大雨が降ると一気に水が出るので沢筋にはテントを張るのは厳禁です。最後の水場なので十分水を用意し、御月山へ向かいます。100mほど登ると御月山のピークです。ここから八海山までの縦走路は高度差の大きいヤセ尾根の稜線で天候と体力勝負。長いクサリを慎重に下り、しばらくは灌木とネマガリタケの中を進みます。 出雲先を過ぎ長いクサリ場を終え、ヤセ尾根の岩稜に出ます。右下に水無渓谷、左下に黒又沢がスッパリと切れ落ち身体ごと吸い込まれそうです。オカメノゾキまでヤセ尾根の岩稜が続きます。足元に注意を払いアップダウンを繰り返すと、ようやく最低鞍部のオカメノゾキです(オカメノゾキとはオカメノ沢を望む付近一帯の事を指します)。右下は水無渓谷の核心部で、デトノアイソメの雪渓や幣ノ滝、谷の対岸にはグシガハナの稜線が越後駒ヶ岳へと続き、左下は黒又沢を経て十字峡が望めます。 オカメノゾキから入道岳へは約600mの高度を登らなければなりません。ヤセ尾根の岩稜がしばらく続き荒山に到着です。荒山からは登りの連続で高度を上げていきます。いくつかのクサリ場を過ぎ、2〜3のピークを越え、岩稜を登りきると五龍岳です。ここで阿寺コースと合流します。五竜岳から入道岳の間には右下に東不動沢、西不動沢がつき上げます。低灌木の中を登りガレ場を過ぎると入道岳の山頂です。展望は素晴らしく、長くきつかった越後駒ヶ岳から中ノ岳への稜線、中ノ岳から五竜岳へと続くヤセ尾根の高低差、縦走の感慨を胸に千本檜小屋へ向かいましょう。 大日岳〜八海山スキー場までは八海山(大崎口コース)(コースガイド)を参照して下さい。越後三山とは八海山、中ノ岳、越後駒ヶ岳の総称で、魚沼三山とも呼ばれています。標高こそ中級山岳並みですが、豪雪に磨かれた水無川、佐梨川に峻険な谷を張りめぐらし、馬蹄型に広がる豪快な山容の三山縦走は、八海山、中ノ岳間の比高も高く険しいため、第一級の健脚向きコースです。急登に汗し、岩峰に肝を冷し、花々に心なぐさめられて黙々とたどるコースですが、それだけに縦走を終えての感慨はひとしお強く心を打つことでしょう。 なお八海山スキー場がオープンしてロープウェイが架設され、この長丁場のコースも時間的にやや短縮できるようになりましたが、山の厳しさは依然として変わりなく、安易な計画で登ることがないように注意して下さい。三山縦走は、越後駒ヶ岳を起点とするのが一般的です。 枝折峠〜越後駒ヶ岳までは枝折峠から越後駒ヶ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 【越後駒ヶ岳から中ノ岳まで】 山頂からしばらく稜線を下ると十合目の石標があります。ここが水無川渓谷へ下るグシガハナコースとの合流点です。チシマザサとダケカンバの中を通り出た平坦地が諏訪平になります。ササとシャクナゲを過ぎると急な下りになり天狗平に到着します。このあたりは風が強くハイマツと低灌木の気持ちのよいところで、ここが最低鞍部です。右を見れば北沢源頭のスラブに圧倒されることでしょう。 天狗平をあとにして中ノ岳をめざし、ヤセ尾根のアップダウンを繰り返します。北ノ又川には残雪が多く9月いっぱいは残っています。ヒノキ、ゴヨウマツ、シャクナゲなどが風雪に耐え曲りくねっている中を進んだ先が檜廊下です。奥只見湖、荒沢岳の眺めが良いが北ノ又側がスッパリと切れ落ちているので足元には十分注意して下さい。小さいピークを幾つか越え歩を進めると、ようやく中ノ岳への最後の登りとなります。避難小屋の前は広くテント場もあり、水は小屋の西側のポリタンクに貯めてある天水が利用できます。 中ノ岳山頂は小屋の南側へ少し行ったところにあり白御影石の方位盤と3等三角点があります。越後三山の最高峰からの展望は素晴しいの一言に尽きます。荒沢岳、平ヶ岳、燧ヶ岳、越後駒ヶ岳、尾瀬周辺の山々も一望です。中ノ岳の南峰から少し下ると兎岳を経て丹後山への縦走路と十字峡への分岐点があり、天候の急変や体調不良の時は十字峡へのルートがエスケープルートとなります。 【中ノ岳から千本檜小屋まで】 中ノ岳の小屋をあとにしてお花畑の中を下ります。ガレ場を過ぎると両側にベニバナイチゴの群生地が広がります。灌木の中の小沢を下ると草原に出ます。祓川には雪渓が遅くまで残り、周辺の草原には花々が咲き誇ります。キャンプ地には最高の場所ですが、大雨が降ると一気に水が出るので沢筋にはテントを張るのは厳禁です。最後の水場なので十分水を用意し、御月山へ向かいます。100mほど登ると御月山のピークです。ここから八海山までの縦走路は高度差の大きいヤセ尾根の稜線で天候と体力勝負。長いクサリを慎重に下り、しばらくは灌木とネマガリタケの中を進みます。 出雲先を過ぎ長いクサリ場を終え、ヤセ尾根の岩稜に出ます。右下に水無渓谷、左下に黒又沢がスッパリと切れ落ち身体ごと吸い込まれそうです。オカメノゾキまでヤセ尾根の岩稜が続きます。足元に注意を払いアップダウンを繰り返すと、ようやく最低鞍部のオカメノゾキです(オカメノゾキとはオカメノ沢を望む付近一帯の事を指します)。右下は水無渓谷の核心部で、デトノアイソメの雪渓や幣ノ滝、谷の対岸にはグシガハナの稜線が越後駒ヶ岳へと続き、左下は黒又沢を経て十字峡が望めます。 オカメノゾキから入道岳へは約600mの高度を登らなければなりません。ヤセ尾根の岩稜がしばらく続き荒山に到着です。荒山からは登りの連続で高度を上げていきます。いくつかのクサリ場を過ぎ、2〜3のピークを越え、岩稜を登りきると五龍岳です。ここで阿寺コースと合流します。五竜岳から入道岳の間には右下に東不動沢、西不動沢がつき上げます。低灌木の中を登りガレ場を過ぎると入道岳の山頂です。展望は素晴らしく、長くきつかった越後駒ヶ岳から中ノ岳への稜線、中ノ岳から五竜岳へと続くヤセ尾根の高低差、縦走の感慨を胸に千本檜小屋へ向かいましょう。 大日岳〜八海山スキー場までは八海山(大崎口コース)(コースガイド)を参照して下さい。 -
十字峡から中ノ岳へ
- 1泊2日
- 17時間45分
- 25.4km
十字峡から中ノ岳へ
- 1泊2日
- 17時間45分
- 25.4km
六日町駅からのバスを野中で降りると、十字峡までは三国川ダムにあるしゃくなげ湖周遊道路の、長い車道歩きが続きます。周遊道の、右回りの県道233号を行きます。ただし十字峡まではタクシーも入り、駐車場も完備されているので車の利用が適切です。黒又沢にかかる橋の手前右側に登山道入口、左側に十字峡登山センターがあります。 十字峡登山センターは無人ですが売店横から2階に上がることができ、素泊まりで泊まれます。登山道は、十字峡登山センター前のコンクリート壁に付けられた階段とクサリから始まります。ジグザグの急坂をしばらく進むと平らな場所に出ます。さらに登り続けると一合目のブナの大木が姿を現します。はっきり尾根らしくなると八海山入道岳がピラミッド形に見えてきます。小憩後、小さな短いクサリ場を登りきると二合目の千本松原で、大きくて形のよいキタゴヨウマツがあります。数本の立派な松があり、振り返るとダムの取水口あたりが見下ろせて、高度感が出てきます。 いったん快適で眺めの良い尾根となり、三合目を難なく過ぎると、左正面に日向山の雨量計測所が遠く小さく見えてきます。ここからはブナ林の中をしばらく登りましょう。ブナ林に入るとすぐに四合目です。そのあとのブナ林はつらい登りですが、一気に高度を稼ぎ、日向山山頂直下の五合目に出ます。下から見えた雨量計測所はこの上です。展望は一気にパノラマの様に開け、正面には中ノ岳、左には御月山、右には兎岳から丹後山へと雄大な眺めに飽きる事はありません。日向山を下ると、池塘のある草地に出ます。一帯は生姜畑と呼ばれる鉱山の跡地です。 池塘と草地を過ぎると六合目。一度鞍部に下り、小ピークをふたつほど越すと七合目の小天上の峰です。左に中ノ岳から八海山に続く険しい稜線を見ながら、池ノ段まできつい登りになります。やせ尾根と転石に注意しながらの登りですが、一歩ずつ確実に高度を上げ展望はますます良くなってきます。やがて一帯の灌木も低くなり、植生はチシマザサに変わります。小さなガレ場を過ぎると、苦しかった急坂も終わり、九合目の池ノ段はすぐです。さらに岩場を進むと中ノ岳頂上へ。下山は往路を野中まで引き返しますが、急な下りと赤土で滑りやすいので、足元には十分注意して下さい。六日町駅からのバスを野中で降りると、十字峡までは三国川ダムにあるしゃくなげ湖周遊道路の、長い車道歩きが続きます。周遊道の、右回りの県道233号を行きます。ただし十字峡まではタクシーも入り、駐車場も完備されているので車の利用が適切です。黒又沢にかかる橋の手前右側に登山道入口、左側に十字峡登山センターがあります。 十字峡登山センターは無人ですが売店横から2階に上がることができ、素泊まりで泊まれます。登山道は、十字峡登山センター前のコンクリート壁に付けられた階段とクサリから始まります。ジグザグの急坂をしばらく進むと平らな場所に出ます。さらに登り続けると一合目のブナの大木が姿を現します。はっきり尾根らしくなると八海山入道岳がピラミッド形に見えてきます。小憩後、小さな短いクサリ場を登りきると二合目の千本松原で、大きくて形のよいキタゴヨウマツがあります。数本の立派な松があり、振り返るとダムの取水口あたりが見下ろせて、高度感が出てきます。 いったん快適で眺めの良い尾根となり、三合目を難なく過ぎると、左正面に日向山の雨量計測所が遠く小さく見えてきます。ここからはブナ林の中をしばらく登りましょう。ブナ林に入るとすぐに四合目です。そのあとのブナ林はつらい登りですが、一気に高度を稼ぎ、日向山山頂直下の五合目に出ます。下から見えた雨量計測所はこの上です。展望は一気にパノラマの様に開け、正面には中ノ岳、左には御月山、右には兎岳から丹後山へと雄大な眺めに飽きる事はありません。日向山を下ると、池塘のある草地に出ます。一帯は生姜畑と呼ばれる鉱山の跡地です。 池塘と草地を過ぎると六合目。一度鞍部に下り、小ピークをふたつほど越すと七合目の小天上の峰です。左に中ノ岳から八海山に続く険しい稜線を見ながら、池ノ段まできつい登りになります。やせ尾根と転石に注意しながらの登りですが、一歩ずつ確実に高度を上げ展望はますます良くなってきます。やがて一帯の灌木も低くなり、植生はチシマザサに変わります。小さなガレ場を過ぎると、苦しかった急坂も終わり、九合目の池ノ段はすぐです。さらに岩場を進むと中ノ岳頂上へ。下山は往路を野中まで引き返しますが、急な下りと赤土で滑りやすいので、足元には十分注意して下さい。 -
十字峡から丹後山を経て中ノ岳へ
- 1泊2日
- 20時間35分
- 31.8km
十字峡から丹後山を経て中ノ岳へ
- 1泊2日
- 20時間35分
- 31.8km
野中〜十字峡登山センターまでは十字峡から中ノ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 十字峡トンネルを出ると右側に丹後山登山口へ通じる林道ゲートに入ります。これより三国川左岸の林道へ。渓谷美を見ながら約2km歩けば栃ノ木橋に着き、50mほど進むと左手に登山口が見えてきます。頂上まで水場はないので本流で十分用意して登りましょう。右に林道を分け登山道に取り付きます。急な登りがしばらく続き、登りきったあたりから松の木が現われ、ようやく二合目に到着です。急登の連続はここまでとなり、しばらく中ノ岳の展望がきくゆるやかな尾根歩きとなります。この尾根一帯がカモエダズンネ(大きな枝のある木が生えた尾根)です。尾根道を進んで行くと、やがてゴヨウマツの大木が現われ、三合目に到着します。 灌木帯の登りを進んで行くと展望が開け、ジャコノ峰に到着。左手には中ノ岳がいちだんと大きく見え、ひと登りすればジャコ平です。ゆるやかに登って行くと、前方にササの群生が一望でき、やがてシシ岩に着くと八合目となります。道は丹後山山腹を巻くようにゆるくトラバースし、右に越後沢山や巻機連峰などを見ながら進むと、標識です。右は巻機山、左が山頂、直進が「水場」となっていますが巻機山へのコースは整備されていません。また「水場」とある群馬県側は立入り禁止区域ですので、水もあてにしないように。 山頂に向かいコースを左にとり、少し登るとすぐ右側に避難小屋があります。小屋のポリタンクに天水が貯められています。山頂は直進してすぐです。丹後山山頂をきわめ、シラネアオイやニッコウキスゲの群生を見ながら進むと、利根川水源碑があり、大水上山はすぐそこです。 大水上山に立つと利根川水源一帯の山々や、平ヶ岳、荒沢岳の素晴らしい眺望が広がります。これより先の道もよく刈り払いされており、灌木と高山植物が咲き競う美しいコースです。丹後山、大水上山間の稜線の群馬県側には、7月まで雪が残ります。 兎岳のピークを過ぎるとすぐに右に荒沢岳へ向かう分岐があります。左の道を進み急坂を下ります。小兎岳の登りにかかりピークに立つと、シラビソの樹林帯へ。樹林帯を過ぎると最低鞍部へと下って行きます。 鞍部を通過しダケカンバ、ネマガリダケの道を注意しながら進むと、中ノ岳への急登です。岩場の切り立つヤセ尾根を通過すると九合目(池ノ段)へ。ここから十字峡に下る道が左手にあります。中ノ岳をきわめ、野中を目指し十字峡登山センターへと下ります。十字峡への下りは急な上、赤土で滑りやすいので、注意が必要です。野中〜十字峡登山センターまでは十字峡から中ノ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 十字峡トンネルを出ると右側に丹後山登山口へ通じる林道ゲートに入ります。これより三国川左岸の林道へ。渓谷美を見ながら約2km歩けば栃ノ木橋に着き、50mほど進むと左手に登山口が見えてきます。頂上まで水場はないので本流で十分用意して登りましょう。右に林道を分け登山道に取り付きます。急な登りがしばらく続き、登りきったあたりから松の木が現われ、ようやく二合目に到着です。急登の連続はここまでとなり、しばらく中ノ岳の展望がきくゆるやかな尾根歩きとなります。この尾根一帯がカモエダズンネ(大きな枝のある木が生えた尾根)です。尾根道を進んで行くと、やがてゴヨウマツの大木が現われ、三合目に到着します。 灌木帯の登りを進んで行くと展望が開け、ジャコノ峰に到着。左手には中ノ岳がいちだんと大きく見え、ひと登りすればジャコ平です。ゆるやかに登って行くと、前方にササの群生が一望でき、やがてシシ岩に着くと八合目となります。道は丹後山山腹を巻くようにゆるくトラバースし、右に越後沢山や巻機連峰などを見ながら進むと、標識です。右は巻機山、左が山頂、直進が「水場」となっていますが巻機山へのコースは整備されていません。また「水場」とある群馬県側は立入り禁止区域ですので、水もあてにしないように。 山頂に向かいコースを左にとり、少し登るとすぐ右側に避難小屋があります。小屋のポリタンクに天水が貯められています。山頂は直進してすぐです。丹後山山頂をきわめ、シラネアオイやニッコウキスゲの群生を見ながら進むと、利根川水源碑があり、大水上山はすぐそこです。 大水上山に立つと利根川水源一帯の山々や、平ヶ岳、荒沢岳の素晴らしい眺望が広がります。これより先の道もよく刈り払いされており、灌木と高山植物が咲き競う美しいコースです。丹後山、大水上山間の稜線の群馬県側には、7月まで雪が残ります。 兎岳のピークを過ぎるとすぐに右に荒沢岳へ向かう分岐があります。左の道を進み急坂を下ります。小兎岳の登りにかかりピークに立つと、シラビソの樹林帯へ。樹林帯を過ぎると最低鞍部へと下って行きます。 鞍部を通過しダケカンバ、ネマガリダケの道を注意しながら進むと、中ノ岳への急登です。岩場の切り立つヤセ尾根を通過すると九合目(池ノ段)へ。ここから十字峡に下る道が左手にあります。中ノ岳をきわめ、野中を目指し十字峡登山センターへと下ります。十字峡への下りは急な上、赤土で滑りやすいので、注意が必要です。 -
鷹ノ巣口から平ヶ岳へ
- 1泊2日
- 13時間0分
- 24.4km
鷹ノ巣口から平ヶ岳へ
- 1泊2日
- 13時間0分
- 24.4km
奥只見ダムのダムサイトから尾瀬口船着場まで奥只見湖の定期船に乗ります。予約制なので要注意です。下船後、徒歩かバスを利用して登山口まで向かいます。シーズン中は、平ヶ岳登山口経由沼山峠行きのバスがありますが、こちらも予約制です。 鷹ノ巣バス停には清四郎小屋の山小屋があります。鷹ノ巣から只見川沿いに福島県境に向かって行くと、登山口の看板が見えてきます。林道を下台倉沢を越えて行くと山道に。杉の植林帯の中をゆるく登り、視界が開ければ尾根になり、前坂までの急坂となります。岩と根のミックスした急坂は、最初から険しい傾斜です。 燧ヶ岳、鷹ノ巣山の奇岩を眺めながら、下台倉山までさらに厳しい急坂が続きますが、ところどころに鞍部があるので休憩しながら進みましょう。急坂が終わると下台倉山へ。ここから池ノ岳直下まではゆるやかで長い尾根道の登下降で、ぬかるんだところもありますが、ほどよいところに木道が敷かれています。雑木とクロベの林を抜けると台倉山です。ここには3等三角点があります。頂上までの距離はここで約半分くらいです。 ここで主稜は西に向きを変え、オオシラビソの原生林が出てくると台倉清水に到着します。渇水期は水をあてにできないので注意して下さい。この先の白沢清水には水があります。原生林の中の道が続き、視界が開け灌木の坂になると、池ノ岳への最後の急坂です。灌木と岩稜とハイマツ帯を過ぎオオシラビソの林を抜けると、姫ノ池の池塘群が現れます。平ヶ岳を背景に澄んだ池々が美しいです。日光連山、尾瀬、会津の山々など、360度の展望が楽しめます。 池ノ岳から頂上、玉子石方面一帯は、夏は高山植物が咲き乱れ、秋ともなれば山々は錦繍に染まり、山上の楽園となります。頂上へは南に向かいますが、すぐに玉子石に向かう分岐があります。そこを左に進むとツガ廊下と呼ばれるオオシラビソの林を通ります。木道を行けば、チシマザサと灌木の中に2等三角点のある平ヶ岳頂上へ。剱ヶ倉方面へ木道は続きますが行き止まりです。頂上への木道の途中にある分岐から北側へ下り、姫ノ池からの木道と合流し西に向かって草原と灌木の中を行けば、玉子石に到着します。 玉子石までの途中、中ノ岐林道からの登山道と合流します。しかしこちらのルートには平ヶ岳沢の渡渉があり、雨池橋までの林道の距離も長く、アクセスもありません。なお中ノ岐林道は一般車両は進入禁止です。 山頂一帯を心ゆくまで満喫し往路をたどり鷹ノ巣バス停へと下ります。奥只見ダムのダムサイトから尾瀬口船着場まで奥只見湖の定期船に乗ります。予約制なので要注意です。下船後、徒歩かバスを利用して登山口まで向かいます。シーズン中は、平ヶ岳登山口経由沼山峠行きのバスがありますが、こちらも予約制です。 鷹ノ巣バス停には清四郎小屋の山小屋があります。鷹ノ巣から只見川沿いに福島県境に向かって行くと、登山口の看板が見えてきます。林道を下台倉沢を越えて行くと山道に。杉の植林帯の中をゆるく登り、視界が開ければ尾根になり、前坂までの急坂となります。岩と根のミックスした急坂は、最初から険しい傾斜です。 燧ヶ岳、鷹ノ巣山の奇岩を眺めながら、下台倉山までさらに厳しい急坂が続きますが、ところどころに鞍部があるので休憩しながら進みましょう。急坂が終わると下台倉山へ。ここから池ノ岳直下まではゆるやかで長い尾根道の登下降で、ぬかるんだところもありますが、ほどよいところに木道が敷かれています。雑木とクロベの林を抜けると台倉山です。ここには3等三角点があります。頂上までの距離はここで約半分くらいです。 ここで主稜は西に向きを変え、オオシラビソの原生林が出てくると台倉清水に到着します。渇水期は水をあてにできないので注意して下さい。この先の白沢清水には水があります。原生林の中の道が続き、視界が開け灌木の坂になると、池ノ岳への最後の急坂です。灌木と岩稜とハイマツ帯を過ぎオオシラビソの林を抜けると、姫ノ池の池塘群が現れます。平ヶ岳を背景に澄んだ池々が美しいです。日光連山、尾瀬、会津の山々など、360度の展望が楽しめます。 池ノ岳から頂上、玉子石方面一帯は、夏は高山植物が咲き乱れ、秋ともなれば山々は錦繍に染まり、山上の楽園となります。頂上へは南に向かいますが、すぐに玉子石に向かう分岐があります。そこを左に進むとツガ廊下と呼ばれるオオシラビソの林を通ります。木道を行けば、チシマザサと灌木の中に2等三角点のある平ヶ岳頂上へ。剱ヶ倉方面へ木道は続きますが行き止まりです。頂上への木道の途中にある分岐から北側へ下り、姫ノ池からの木道と合流し西に向かって草原と灌木の中を行けば、玉子石に到着します。 玉子石までの途中、中ノ岐林道からの登山道と合流します。しかしこちらのルートには平ヶ岳沢の渡渉があり、雨池橋までの林道の距離も長く、アクセスもありません。なお中ノ岐林道は一般車両は進入禁止です。 山頂一帯を心ゆくまで満喫し往路をたどり鷹ノ巣バス停へと下ります。 -
茶臼山コースから駒ヶ岳を経て福島Bコースへ
- 1泊2日
- 14時間5分
- 15.9km
茶臼山コースから駒ヶ岳を経て福島Bコースへ
- 1泊2日
- 14時間5分
- 15.9km
登山口をスタートするとすぐに茶臼山コースと木曾福島Bコースの分岐があります。これを左に進みしばらくすると正沢川の渡渉点に出ます。ここにはつり橋があったのですが流されてしまい、地元の方々が仮設の丸太橋を整備してくれています。しかしよく流されてしまうので水量の多いときは無理をせず、諦めて引き返すのが良いでしょう。正沢川を無事渡渉するとすぐにカラマツ林の急登が始まります。しばらく登ると大きな尾根に出ます。この先樹林帯の長い登りが続き、やがて木々の高さが低くなり森林限界が近づくと茶臼山はもうすぐです。 視界がひらけ茶臼山を過ぎるとすぐに茶臼山分岐で桂小場からのルートと合流します。本日の宿泊地、西駒山荘までのトラバースは遅い時期まで雪が残ることもあり、充分に注意が必要です。このルートは比較的短い時間で登ることができるので、首都圏などから早朝出発しても早めに小屋に到着できるでしょう。西駒山荘は要予約です。西駒山荘の周辺ではコマクサなどの高山植物が見られます。 二日目は行程が長いので早めに出発しましょう。小屋を駒ヶ岳方面に出発してじきに、遭難記念碑があります。新田次郎の小説「聖職の碑」で有名なので興味のある方は是非読んでください。この遭難を教訓に天候の急変には充分注意しましょう。馬ノ背の長い稜線を辿ります。天気が良ければ大変眺望の良い所です。大きな岩の間を息を切らしてのぼれば、中央アルプスの最高峰木曽駒ヶ岳に到着です。 ロープウェイからの登山者が多い中岳方面を背に木曽側へ下ります。すぐに赤い屋根の頂上木曽小屋を通過します。さらに下ると今度は青い屋根の玉乃窪山荘の前に出ます。ここで右に折れますが他のコースとの分岐点で視界不良のときなどは注意が必要です。木曽駒ヶ岳七合目避難小屋までは福島Aコースと重複区間で、避難小屋の前で分岐します。樹林帯の展望がきかない尾根道をひたすら下ります。五合目の下には力水があり渇いた喉を潤してくれます。長い下りも川の音が聞こえてくるようになると終盤です。 やがてスキー場跡地が見えるようになり林道に出れば、もうすぐ昨日登った茶臼山コースと合流し登山口に戻ればゴールです。登山口をスタートするとすぐに茶臼山コースと木曾福島Bコースの分岐があります。これを左に進みしばらくすると正沢川の渡渉点に出ます。ここにはつり橋があったのですが流されてしまい、地元の方々が仮設の丸太橋を整備してくれています。しかしよく流されてしまうので水量の多いときは無理をせず、諦めて引き返すのが良いでしょう。正沢川を無事渡渉するとすぐにカラマツ林の急登が始まります。しばらく登ると大きな尾根に出ます。この先樹林帯の長い登りが続き、やがて木々の高さが低くなり森林限界が近づくと茶臼山はもうすぐです。 視界がひらけ茶臼山を過ぎるとすぐに茶臼山分岐で桂小場からのルートと合流します。本日の宿泊地、西駒山荘までのトラバースは遅い時期まで雪が残ることもあり、充分に注意が必要です。このルートは比較的短い時間で登ることができるので、首都圏などから早朝出発しても早めに小屋に到着できるでしょう。西駒山荘は要予約です。西駒山荘の周辺ではコマクサなどの高山植物が見られます。 二日目は行程が長いので早めに出発しましょう。小屋を駒ヶ岳方面に出発してじきに、遭難記念碑があります。新田次郎の小説「聖職の碑」で有名なので興味のある方は是非読んでください。この遭難を教訓に天候の急変には充分注意しましょう。馬ノ背の長い稜線を辿ります。天気が良ければ大変眺望の良い所です。大きな岩の間を息を切らしてのぼれば、中央アルプスの最高峰木曽駒ヶ岳に到着です。 ロープウェイからの登山者が多い中岳方面を背に木曽側へ下ります。すぐに赤い屋根の頂上木曽小屋を通過します。さらに下ると今度は青い屋根の玉乃窪山荘の前に出ます。ここで右に折れますが他のコースとの分岐点で視界不良のときなどは注意が必要です。木曽駒ヶ岳七合目避難小屋までは福島Aコースと重複区間で、避難小屋の前で分岐します。樹林帯の展望がきかない尾根道をひたすら下ります。五合目の下には力水があり渇いた喉を潤してくれます。長い下りも川の音が聞こえてくるようになると終盤です。 やがてスキー場跡地が見えるようになり林道に出れば、もうすぐ昨日登った茶臼山コースと合流し登山口に戻ればゴールです。 -
伊那スキーリゾートから木曽駒ヶ岳へ
- 1泊2日
- 12時間25分
- 16.5km
伊那スキーリゾートから木曽駒ヶ岳へ
- 1泊2日
- 12時間25分
- 16.5km
歴史があるばかりでなく、かの有名なウォルター・ウェストンが上松から駒ヶ岳登山をした時に下ったのがこのルートとされています。権現づるねと呼ばれるこのルートは長く、権現山から先は近年手入れが行き届かない箇所があり、上級者向けです。 登山口は常輪寺からの古道もありますが、ここではスキー場からスタートします。マイカーもしくはタクシーで伊那スキーリゾートの駐車場まで入り登山開始です。スキー場の横をリフト終点まで登ると林道が二手に分かれ上へ進むと権現山登山道入口があります。沢沿いに登ると急登に差し掛かります。権現山までは地元の方々が整備してくれていますが、滑りやすい急坂のため足元に注意しましょう。やがて常輪寺からの道と合流すると権現山までもう一登りです。権現山の山頂からは伊那谷が見渡せ、その向こうに南アルプスが望めます。 権現山からは笹薮となり一部不明瞭な箇所も出てきますので注意しましょう。笹をかき分けつつ登り「板沢の頭」の看板を過ぎると五合目見晴台です。ここから尾根が不明瞭となり、辻山と呼ばれるあたりで右にルートを取りますが、地図を出してよく確認してから進みましょう。 湿地帯を過ぎると急登に差し掛かります。展望のないシラビソ林のきつい坂を登りきるとそこは八丁立です。やがて樹高が低くなり、長尾根ノ頭を過ぎたころハイマツが混じり始め森林限界が近づくと急に視界がひらけます。将棊ノ頭(将棊頭山とは別)を超えて下れば本日の宿泊地、西駒山荘に到着です。 翌日は馬ノ背から木曽駒ヶ岳へ。駒ヶ岳から中岳を超えて宝剣山荘と天狗荘が並んで建っている広い場所が賽の河原といわれるところです。宝剣山荘の前から濃ヶ池方面へと下る道があり、西駒山荘へ戻ることもできます。ただし、遅い時期(8月上旬)まで雪渓が残ることが多いので注意が必要です。 乗越浄土からは千畳敷へ下り、ロープウェイとバスを利用してJR駒ケ根駅方面へと下山します。歴史があるばかりでなく、かの有名なウォルター・ウェストンが上松から駒ヶ岳登山をした時に下ったのがこのルートとされています。権現づるねと呼ばれるこのルートは長く、権現山から先は近年手入れが行き届かない箇所があり、上級者向けです。 登山口は常輪寺からの古道もありますが、ここではスキー場からスタートします。マイカーもしくはタクシーで伊那スキーリゾートの駐車場まで入り登山開始です。スキー場の横をリフト終点まで登ると林道が二手に分かれ上へ進むと権現山登山道入口があります。沢沿いに登ると急登に差し掛かります。権現山までは地元の方々が整備してくれていますが、滑りやすい急坂のため足元に注意しましょう。やがて常輪寺からの道と合流すると権現山までもう一登りです。権現山の山頂からは伊那谷が見渡せ、その向こうに南アルプスが望めます。 権現山からは笹薮となり一部不明瞭な箇所も出てきますので注意しましょう。笹をかき分けつつ登り「板沢の頭」の看板を過ぎると五合目見晴台です。ここから尾根が不明瞭となり、辻山と呼ばれるあたりで右にルートを取りますが、地図を出してよく確認してから進みましょう。 湿地帯を過ぎると急登に差し掛かります。展望のないシラビソ林のきつい坂を登りきるとそこは八丁立です。やがて樹高が低くなり、長尾根ノ頭を過ぎたころハイマツが混じり始め森林限界が近づくと急に視界がひらけます。将棊ノ頭(将棊頭山とは別)を超えて下れば本日の宿泊地、西駒山荘に到着です。 翌日は馬ノ背から木曽駒ヶ岳へ。駒ヶ岳から中岳を超えて宝剣山荘と天狗荘が並んで建っている広い場所が賽の河原といわれるところです。宝剣山荘の前から濃ヶ池方面へと下る道があり、西駒山荘へ戻ることもできます。ただし、遅い時期(8月上旬)まで雪渓が残ることが多いので注意が必要です。 乗越浄土からは千畳敷へ下り、ロープウェイとバスを利用してJR駒ケ根駅方面へと下山します。 -
北御所登山口から木曽駒ヶ岳へ
- 1泊2日
- 9時間0分
- 13.5km
北御所登山口から木曽駒ヶ岳へ
- 1泊2日
- 9時間0分
- 13.5km
駒ケ根駅よりしらび平行きのバスに乗車し、北御所登山口で下車。バス停の前の林道を体を慣らしながら歩き出します。小一時間で蛇腹沢登山口に到着。ここから登山道となり樹林帯の尾根を登ります。水場のある清水平で一服し急登をひと登りすると、うどんや峠に。ここで黒川渓谷からの登山道と合流します。檜尾岳方面の展望が開けます。そこからゆるやかになった尾根筋を行くと一丁ヶ池です。樹林のなかの細長く小さな池です。そこからすぐ先に少し開けた小屋場があり、今は廃道となっている長谷部新道が分岐します。 低くなった樹林帯をひと登りすると森林限界で、ここで一気に展望が開け、たおやかなハイマツの稜線の向こうには中央アルプスの主稜線がスカイラインとなっています。後ろを振り返ると、平坦で広々とした伊那谷が一望でき、その奥には南アルプスの山々が重畳と連なっています。すぐ上部が舟窪(七合目)です。ここでひと休みしてしばしこの眺望を堪能しましょう。稜線の風に吹かれながらもうひと登りすると、八合目です。八合目から伊那前岳周辺で、チングルマ、ミネズオウ、アオノツガザクラの群生が見られます。八合目の碑の南側からは宝剣岳の峻険な山容と眼下の千畳敷カールが望めます。ここまでくればもうひと息です。徐々に高度を上げて勒銘石まで来るととたんに登山者が増えてきます。ここから乗越浄土まではゆるやかな道。登山道は前岳頂上を通らず、左に宝剣岳、右に木曽駒ヶ岳を望みながら進むと、途中の九合目標柱をうっかり見落としてしまいがちです。乗越浄土は千畳敷から上がってきた人たちで混み合います。ここまで1500m近い標高差を登ってきているので、宝剣山荘か天狗荘に泊まります。 二日目は木曽駒ヶ岳を往復します。広いガレキの尾根を行き、中岳を越えると頂上山荘です。ここは中央アルプス主稜線上の唯一の指定キャンプサイトになります。頂上山荘からはひと登りで祠のある木曽駒ヶ岳頂上に到着します。中央アルプス主峰の眺望をしばし楽しんだら、来た道を山荘に戻りましょう。下山はロープウェイを使います。しかし、乗越浄土より千畳敷までは急な下りなので足下に注意は怠らないように。 駒ヶ岳では、ヒメウスユキソウの群生が見られます。千畳敷に入ると、コバイケイソウ、クロユリなどの花々も見られ、高山植物の宝庫です。駒ケ根駅よりしらび平行きのバスに乗車し、北御所登山口で下車。バス停の前の林道を体を慣らしながら歩き出します。小一時間で蛇腹沢登山口に到着。ここから登山道となり樹林帯の尾根を登ります。水場のある清水平で一服し急登をひと登りすると、うどんや峠に。ここで黒川渓谷からの登山道と合流します。檜尾岳方面の展望が開けます。そこからゆるやかになった尾根筋を行くと一丁ヶ池です。樹林のなかの細長く小さな池です。そこからすぐ先に少し開けた小屋場があり、今は廃道となっている長谷部新道が分岐します。 低くなった樹林帯をひと登りすると森林限界で、ここで一気に展望が開け、たおやかなハイマツの稜線の向こうには中央アルプスの主稜線がスカイラインとなっています。後ろを振り返ると、平坦で広々とした伊那谷が一望でき、その奥には南アルプスの山々が重畳と連なっています。すぐ上部が舟窪(七合目)です。ここでひと休みしてしばしこの眺望を堪能しましょう。稜線の風に吹かれながらもうひと登りすると、八合目です。八合目から伊那前岳周辺で、チングルマ、ミネズオウ、アオノツガザクラの群生が見られます。八合目の碑の南側からは宝剣岳の峻険な山容と眼下の千畳敷カールが望めます。ここまでくればもうひと息です。徐々に高度を上げて勒銘石まで来るととたんに登山者が増えてきます。ここから乗越浄土まではゆるやかな道。登山道は前岳頂上を通らず、左に宝剣岳、右に木曽駒ヶ岳を望みながら進むと、途中の九合目標柱をうっかり見落としてしまいがちです。乗越浄土は千畳敷から上がってきた人たちで混み合います。ここまで1500m近い標高差を登ってきているので、宝剣山荘か天狗荘に泊まります。 二日目は木曽駒ヶ岳を往復します。広いガレキの尾根を行き、中岳を越えると頂上山荘です。ここは中央アルプス主稜線上の唯一の指定キャンプサイトになります。頂上山荘からはひと登りで祠のある木曽駒ヶ岳頂上に到着します。中央アルプス主峰の眺望をしばし楽しんだら、来た道を山荘に戻りましょう。下山はロープウェイを使います。しかし、乗越浄土より千畳敷までは急な下りなので足下に注意は怠らないように。 駒ヶ岳では、ヒメウスユキソウの群生が見られます。千畳敷に入ると、コバイケイソウ、クロユリなどの花々も見られ、高山植物の宝庫です。 -
菅の台バスセンターから空木岳へ
- 1泊2日
- 12時間0分
- 20km
菅の台バスセンターから空木岳へ
- 1泊2日
- 12時間0分
- 20km
空木岳は深田久弥の日本百名山のひとつとして人気の山ですが、木曽駒ヶ岳から縦走するにしても、またここで紹介する菅の台から登るルートにしても、長く険しいアプローチが必要です。 駒ヶ岳ロープウェイへのバス発着所である菅の台バスセンターはおよそ標高850mで、ここから空木岳へは標高差約2000mの長い登りです。以前は林道終点までマイカーやタクシーで入ることができましたが、ここ最近は崩落や落石のために通行止めの期間が多いので、菅の台からスタートしましょう。 駒ヶ根高原スキー場を目指して歩き始めます。スキー場横の段々の駐車場を登りきった所から山道に入ります。ゲレンデ横のヒノキ林を登りやがてスキー場と分かれ、林道を2度横切ります。3度目に林道と出会うとそこが林道終点です。林道終点からは遊歩道として整備された道を右に左に折り返しながら進み、タカウチ場で池山山頂への道と分岐します。山頂を経由して行くこともできますが、先は長いので左に道を取ります。 緩やかな道を登って行くと池山小屋との分岐の水場に到着。この先水場は無いので多めに補給しましょう。ここからも遊歩道経由で登ることができますが、真っ直ぐに登る道を行きます。左に見上げる尾根と並行しながら高度を上げ、明るい尾根に出たところが尻無と呼ばれる場所です。緩やかに登っていき、マセナギを通過して大きなダケカンバのあるところから正面の尾根を左にまきます。再び尾根に出てからが遭難事故多発地帯に差し掛かります。 「大地獄」「小地獄」と呼ばれるやせ尾根の岩場を鎖やハシゴを頼りながら慎重に進みます。鎖が終わりアルミの階段を過ぎたら小さなコルがあり、ここも左にトラバースする道です。滑りやすい足元に注意しながら進み「迷尾根」の看板を過ぎ再び尾根に戻ります。少し緩やかになった道は地元の人が散歩道と呼ぶところです。まだまだ長い登りが続きます。周囲の木々がツガなどから灌木へと変化し、樹高が低くなってくるとまもなく空木平への道と分岐します。 森林限界をむかえ視界が広がります。宝剣岳や木曽駒ヶ岳も見え、正面に目指す空木岳がそびえて長い登りももう少しです。花崗岩の砂礫の道を進むと、駒石と呼ばれる巨石が現れます。麓の街からも見える大きな岩です。 見えているのになかなか近づかないようで疲れてきたころ、ようやく本日の宿泊地の駒峰ヒュッテに到着です。受付を済ませたら荷物を置いて空木岳を往復すると良いでしょう。 翌日は往路を辿りますが、先にも記したように事故の多いルートなので慎重に下山してください。空木岳は深田久弥の日本百名山のひとつとして人気の山ですが、木曽駒ヶ岳から縦走するにしても、またここで紹介する菅の台から登るルートにしても、長く険しいアプローチが必要です。 駒ヶ岳ロープウェイへのバス発着所である菅の台バスセンターはおよそ標高850mで、ここから空木岳へは標高差約2000mの長い登りです。以前は林道終点までマイカーやタクシーで入ることができましたが、ここ最近は崩落や落石のために通行止めの期間が多いので、菅の台からスタートしましょう。 駒ヶ根高原スキー場を目指して歩き始めます。スキー場横の段々の駐車場を登りきった所から山道に入ります。ゲレンデ横のヒノキ林を登りやがてスキー場と分かれ、林道を2度横切ります。3度目に林道と出会うとそこが林道終点です。林道終点からは遊歩道として整備された道を右に左に折り返しながら進み、タカウチ場で池山山頂への道と分岐します。山頂を経由して行くこともできますが、先は長いので左に道を取ります。 緩やかな道を登って行くと池山小屋との分岐の水場に到着。この先水場は無いので多めに補給しましょう。ここからも遊歩道経由で登ることができますが、真っ直ぐに登る道を行きます。左に見上げる尾根と並行しながら高度を上げ、明るい尾根に出たところが尻無と呼ばれる場所です。緩やかに登っていき、マセナギを通過して大きなダケカンバのあるところから正面の尾根を左にまきます。再び尾根に出てからが遭難事故多発地帯に差し掛かります。 「大地獄」「小地獄」と呼ばれるやせ尾根の岩場を鎖やハシゴを頼りながら慎重に進みます。鎖が終わりアルミの階段を過ぎたら小さなコルがあり、ここも左にトラバースする道です。滑りやすい足元に注意しながら進み「迷尾根」の看板を過ぎ再び尾根に戻ります。少し緩やかになった道は地元の人が散歩道と呼ぶところです。まだまだ長い登りが続きます。周囲の木々がツガなどから灌木へと変化し、樹高が低くなってくるとまもなく空木平への道と分岐します。 森林限界をむかえ視界が広がります。宝剣岳や木曽駒ヶ岳も見え、正面に目指す空木岳がそびえて長い登りももう少しです。花崗岩の砂礫の道を進むと、駒石と呼ばれる巨石が現れます。麓の街からも見える大きな岩です。 見えているのになかなか近づかないようで疲れてきたころ、ようやく本日の宿泊地の駒峰ヒュッテに到着です。受付を済ませたら荷物を置いて空木岳を往復すると良いでしょう。 翌日は往路を辿りますが、先にも記したように事故の多いルートなので慎重に下山してください。 -
川入口から飯豊山へ
- 1泊2日
- 16時間0分
- 20.9km
川入口から飯豊山へ
- 1泊2日
- 16時間0分
- 20.9km
車道は御沢野営場から大白布沢沿いに伸びていますが、橋を渡った右手、大杉がある御沢小屋跡から登山道に入ります。車道を直進するのは大滝遊歩道ですが、2022年8月豪雨により橋は流失し、登山道も荒れています。迷い込みに注意して下さい。 下十五里、中十五里、上十五里と巨杉が目印になる広場が設置されており、休憩場所には事欠きません。 横峰小屋跡のすぐ先で、小白布作業道を合わせます。林道飯豊桧枝岐線の途中から林道に入るのですが、入口で施錠されています。歩道は登山道として認められておらず、緊急時のみの使用となります。なお途中の水場は涸れていることもあります。 横峰小屋跡から尾根を忠実に登る道は廃道になっています。巻道の途中にある地蔵水場には、道脇に冷たい清水が湧いています。 地蔵山と三国岳の鞍部から僅かに登ると両手を使った三点支持が必要になります。「天狗ノ橇乗場」と呼ばれるタカツコ沢と七森沢の露出した岸壁に挟まれた岩稜です。両側は鋭く落ち込んでいます。コースを外さないように慎重に通過します。 1610mの岩に「水」のマークがありますが、足場が悪く渇水時には細くなるためお勧めしません。下りの時に迷い込まないで下さい。 正面の護摩壇を東から登ると弥平四郎口からの登山道と合流します。山頂を占めている小屋脇から大日岳の眺めが素敵です。 三国小屋と本山小屋のトイレは天水利用の水洗トイレです。自分が使用する水を持参しましょう。駒返しの梯子は一部が欠損しているので注意しましょう。七森は西から巻きます。簡単な岩場もあるので足元に注意しましょう。初夏には種蒔山東側の残雪で滑落する登山者もいます。 大日杉小屋から登ってくる登山道が合流し、広い砂礫地になると切合小屋に到着します。この先からは本格的なお花畑となっていきます。草履塚登りの残雪が消えると水が取れることもあります。新しい履物に履き替えたこの先は、神聖な飯豊山神社の境内です。 鞍部には石垣の中に姥権現が鎮座しており、女人禁制の時代を物語っています。信仰登山時代に肝試しをした御秘所も現在は鎖が設置されています。御前坂は騙されやすい二段構えの登りです。視界がない時、どこが登山道なのかわかりにくいが、緑の紐が地面に張ってあるので参考にして登降するのがよいでしょう。 高い石垣の一ノ王子の先で東側に26m下ると清水があるので、本山小屋に泊まる場合はここで汲んで行きましょう。初夏には水場が残雪に埋まっていることが多いので注意してください。 飯豊山神社と併設されている本山小屋で、管理人に宿泊の申し出をし、ザックを置いたら三角点まで出かけてみましょう。一等三角点の名前に恥じることない素晴らしい展望が待っています。 下山は往路を引き返します。車道は御沢野営場から大白布沢沿いに伸びていますが、橋を渡った右手、大杉がある御沢小屋跡から登山道に入ります。車道を直進するのは大滝遊歩道ですが、2022年8月豪雨により橋は流失し、登山道も荒れています。迷い込みに注意して下さい。 下十五里、中十五里、上十五里と巨杉が目印になる広場が設置されており、休憩場所には事欠きません。 横峰小屋跡のすぐ先で、小白布作業道を合わせます。林道飯豊桧枝岐線の途中から林道に入るのですが、入口で施錠されています。歩道は登山道として認められておらず、緊急時のみの使用となります。なお途中の水場は涸れていることもあります。 横峰小屋跡から尾根を忠実に登る道は廃道になっています。巻道の途中にある地蔵水場には、道脇に冷たい清水が湧いています。 地蔵山と三国岳の鞍部から僅かに登ると両手を使った三点支持が必要になります。「天狗ノ橇乗場」と呼ばれるタカツコ沢と七森沢の露出した岸壁に挟まれた岩稜です。両側は鋭く落ち込んでいます。コースを外さないように慎重に通過します。 1610mの岩に「水」のマークがありますが、足場が悪く渇水時には細くなるためお勧めしません。下りの時に迷い込まないで下さい。 正面の護摩壇を東から登ると弥平四郎口からの登山道と合流します。山頂を占めている小屋脇から大日岳の眺めが素敵です。 三国小屋と本山小屋のトイレは天水利用の水洗トイレです。自分が使用する水を持参しましょう。駒返しの梯子は一部が欠損しているので注意しましょう。七森は西から巻きます。簡単な岩場もあるので足元に注意しましょう。初夏には種蒔山東側の残雪で滑落する登山者もいます。 大日杉小屋から登ってくる登山道が合流し、広い砂礫地になると切合小屋に到着します。この先からは本格的なお花畑となっていきます。草履塚登りの残雪が消えると水が取れることもあります。新しい履物に履き替えたこの先は、神聖な飯豊山神社の境内です。 鞍部には石垣の中に姥権現が鎮座しており、女人禁制の時代を物語っています。信仰登山時代に肝試しをした御秘所も現在は鎖が設置されています。御前坂は騙されやすい二段構えの登りです。視界がない時、どこが登山道なのかわかりにくいが、緑の紐が地面に張ってあるので参考にして登降するのがよいでしょう。 高い石垣の一ノ王子の先で東側に26m下ると清水があるので、本山小屋に泊まる場合はここで汲んで行きましょう。初夏には水場が残雪に埋まっていることが多いので注意してください。 飯豊山神社と併設されている本山小屋で、管理人に宿泊の申し出をし、ザックを置いたら三角点まで出かけてみましょう。一等三角点の名前に恥じることない素晴らしい展望が待っています。 下山は往路を引き返します。 -
弥平四郎口から三国岳へ(鏡山コース)
- 1泊2日
- 12時間40分
- 18.7km
弥平四郎口から三国岳へ(鏡山コース)
- 1泊2日
- 12時間40分
- 18.7km
四ッ沢コースは、弥平四郎集落端の橋を渡ってすぐに左折します。車は砂防ダムまで入れますが、狭い簡易舗装の車道は手入れされておらず、駐車スペースも2台程度しかありません。 登山口から杉林を抜け、小沢を何度か渡って四ッ沢を遡ります。三重滝沢が合流する所で、飛び石を伝って左側の本流に入りますが、踏み跡が判然しないので注意が必要です。対岸に渡り廊下状の右岸を進むと登山道が出てきます。 尾根に取り付いてさえしまえば、迷うことのない良い登山道になります。988m峰を東から巻いて、ブナに包まれた広場のような笹畑で弥生コースを合せます。 広くしっかりした登山道を進むと、「水場」の標識があります。登山道に近くて良い水場です。ここが最後の水場になります。 七森峰手前で県境尾根に出て、さらにブナ林を味わいながら登り、最後の急登で一汗かけば、綺麗に刈り払われた広い山頂に到着します。鏡山山頂は大日岳から飯豊山にかけての雄大な眺望が広がる一級の展望地です。 この先の登山道もしっかり手入れされており、さほど気にならない起伏を越えて行きます。 弥平四郎集落は川入集落と同じく木地の里であり、以前は七森や中ノ越などから県境尾根を越えて、大日岳から伸びる峰々で熊狩を行っていました。今も登山道脇にはクマがキタゴヨウの皮を剥いでかじったり、昆虫を探して倒木をあさった跡が散見される野性味あふれるコースです。 上ノ越で祓川から登ってくる登山道を合わせ、巻岩山や疣岩山を経て三国岳に向かいます。下山は往路を戻ります。 弥生集落から鏡山に登る場合、かつては林道終点から標高差僅か180mで笹畑まで登れましたが、林道が荒れてしまい、現在は弥平四郎から登るのが一般的になってしまいました。また、2022年8月の豪雨被害により徒歩含め通行禁止となっています。 弥生コースは弥平四郎集落に向かう途中から左折し、久良谷川沿いの車道を遡ります。弥生集落は地図から外れているので、予め国土地理院地形図等で確認をしておいて下さい。 人家を過ぎ沢沿いの車道を1.7km進んだ所に広い駐車場があり、ここで車両通行止めとなります。 林道終点から正面の尾根に取り付きますが、左の沢に入る踏み跡もあるので注意をしてください。快適なブナに包まれた登山道を登れば、笹畑で四ッ沢コースと合流します。四ッ沢コースは、弥平四郎集落端の橋を渡ってすぐに左折します。車は砂防ダムまで入れますが、狭い簡易舗装の車道は手入れされておらず、駐車スペースも2台程度しかありません。 登山口から杉林を抜け、小沢を何度か渡って四ッ沢を遡ります。三重滝沢が合流する所で、飛び石を伝って左側の本流に入りますが、踏み跡が判然しないので注意が必要です。対岸に渡り廊下状の右岸を進むと登山道が出てきます。 尾根に取り付いてさえしまえば、迷うことのない良い登山道になります。988m峰を東から巻いて、ブナに包まれた広場のような笹畑で弥生コースを合せます。 広くしっかりした登山道を進むと、「水場」の標識があります。登山道に近くて良い水場です。ここが最後の水場になります。 七森峰手前で県境尾根に出て、さらにブナ林を味わいながら登り、最後の急登で一汗かけば、綺麗に刈り払われた広い山頂に到着します。鏡山山頂は大日岳から飯豊山にかけての雄大な眺望が広がる一級の展望地です。 この先の登山道もしっかり手入れされており、さほど気にならない起伏を越えて行きます。 弥平四郎集落は川入集落と同じく木地の里であり、以前は七森や中ノ越などから県境尾根を越えて、大日岳から伸びる峰々で熊狩を行っていました。今も登山道脇にはクマがキタゴヨウの皮を剥いでかじったり、昆虫を探して倒木をあさった跡が散見される野性味あふれるコースです。 上ノ越で祓川から登ってくる登山道を合わせ、巻岩山や疣岩山を経て三国岳に向かいます。下山は往路を戻ります。 弥生集落から鏡山に登る場合、かつては林道終点から標高差僅か180mで笹畑まで登れましたが、林道が荒れてしまい、現在は弥平四郎から登るのが一般的になってしまいました。また、2022年8月の豪雨被害により徒歩含め通行禁止となっています。 弥生コースは弥平四郎集落に向かう途中から左折し、久良谷川沿いの車道を遡ります。弥生集落は地図から外れているので、予め国土地理院地形図等で確認をしておいて下さい。 人家を過ぎ沢沿いの車道を1.7km進んだ所に広い駐車場があり、ここで車両通行止めとなります。 林道終点から正面の尾根に取り付きますが、左の沢に入る踏み跡もあるので注意をしてください。快適なブナに包まれた登山道を登れば、笹畑で四ッ沢コースと合流します。 -
中津川口から大日杉・切合小屋へ
- 1泊2日
- 12時間20分
- 14.8km
中津川口から大日杉・切合小屋へ
- 1泊2日
- 12時間20分
- 14.8km
大日杉小屋前の広場で、登山道の方向を確認します。ザンゲ坂は、鎖が下がっている溝状の急登であり、慎重に進む必要があります。清涼で美味しい長之助清水は、歩道が崩落してしまったため、上からロープを使った巻道が作られています。これを利用して進みましょう。 御田は、杉の巨木が目印となる場所です。この周辺には藪に隠れた湿地があり、「小さな貝を米粒に見立てた」ことが地名の由来となっています。 ブナの木々に包まれながら順調に高度を上げ、地蔵岳に到着します。地蔵岳の標柱付近は窪んだ広場になっており、一段登ったところに山頂の三角点があります。ここからは目の前に飯豊山が聳え立ち、雄大な景色を堪能できます。地蔵岳から切合小屋への標高差は約200mですが、累積標高差は550mにも達するため、少し疲れを感じるかもしれません。 目洗清水は、標柱から急斜面を下り、湿地から藪を少し登り返したところに湧いています。残雪がある場合は滑落に注意が必要です。標柱のすぐ先には右手に草地が広がり、翼を広げたような飯豊山を仰ぎながら進むことができます。 灌木からダケカンバに変わると、雰囲気が一変し、小さな祠のある御坪に到着します。周辺は庭園のような美しい光景に包まれ、静かな時間が流れています。 御沢分れを直進して下ると、雪渓コースに入ります。晩夏には、下流で飯豊山の穴堰取水口を見ることができます。御沢雪渓は概ね7月中旬まで通行できますが、雪渓は浅いため年による変化が大きいので、事前に情報を確認しておくことをおすすめします。 下部は平坦な雪渓歩きが続きますが、切合小屋直前の源頭部では雪壁がそそり立ち、アイゼンやピッケルが必要となります。また、雪渓を下山する際は、御沢分れに上がる部分が分かりにくいため、注意が必要です。 御沢分れから左折してダケカンバの尾根道を登るのが一般的です。尾根筋にはダケカンバに混じって高山植物が見られ、春から夏にかけての美しい風景を楽しむことができます。 1 610m付近では、右手の小沢に下り、清涼な水が流れる美しい水場を横断します。ここでは高山植物も迎えてくれ、リフレッシュできる場所です。 登山道は種蒔山を北から巻いて進みますが、稜線直前の小沢は8月中旬まで急峻な残雪に覆われていることが多く、滑落事故が多発しています。もし通過する必要がある場合は、残雪手前から踏み跡をたどって残雪を巻くか、稜線の登山道まで直上する方法がありますが、標識がなく踏み跡も不確かなので注意が必要です。特に初めて下山する場合、ルートの確認が難しくなることがあります。 稜線に出ると、大日岳が姿を現し、川入からの登山道と合流して切合小屋に到着します。下山は往路を戻る形となりますが、慎重に進んでください。大日杉小屋前の広場で、登山道の方向を確認します。ザンゲ坂は、鎖が下がっている溝状の急登であり、慎重に進む必要があります。清涼で美味しい長之助清水は、歩道が崩落してしまったため、上からロープを使った巻道が作られています。これを利用して進みましょう。 御田は、杉の巨木が目印となる場所です。この周辺には藪に隠れた湿地があり、「小さな貝を米粒に見立てた」ことが地名の由来となっています。 ブナの木々に包まれながら順調に高度を上げ、地蔵岳に到着します。地蔵岳の標柱付近は窪んだ広場になっており、一段登ったところに山頂の三角点があります。ここからは目の前に飯豊山が聳え立ち、雄大な景色を堪能できます。地蔵岳から切合小屋への標高差は約200mですが、累積標高差は550mにも達するため、少し疲れを感じるかもしれません。 目洗清水は、標柱から急斜面を下り、湿地から藪を少し登り返したところに湧いています。残雪がある場合は滑落に注意が必要です。標柱のすぐ先には右手に草地が広がり、翼を広げたような飯豊山を仰ぎながら進むことができます。 灌木からダケカンバに変わると、雰囲気が一変し、小さな祠のある御坪に到着します。周辺は庭園のような美しい光景に包まれ、静かな時間が流れています。 御沢分れを直進して下ると、雪渓コースに入ります。晩夏には、下流で飯豊山の穴堰取水口を見ることができます。御沢雪渓は概ね7月中旬まで通行できますが、雪渓は浅いため年による変化が大きいので、事前に情報を確認しておくことをおすすめします。 下部は平坦な雪渓歩きが続きますが、切合小屋直前の源頭部では雪壁がそそり立ち、アイゼンやピッケルが必要となります。また、雪渓を下山する際は、御沢分れに上がる部分が分かりにくいため、注意が必要です。 御沢分れから左折してダケカンバの尾根道を登るのが一般的です。尾根筋にはダケカンバに混じって高山植物が見られ、春から夏にかけての美しい風景を楽しむことができます。 1 610m付近では、右手の小沢に下り、清涼な水が流れる美しい水場を横断します。ここでは高山植物も迎えてくれ、リフレッシュできる場所です。 登山道は種蒔山を北から巻いて進みますが、稜線直前の小沢は8月中旬まで急峻な残雪に覆われていることが多く、滑落事故が多発しています。もし通過する必要がある場合は、残雪手前から踏み跡をたどって残雪を巻くか、稜線の登山道まで直上する方法がありますが、標識がなく踏み跡も不確かなので注意が必要です。特に初めて下山する場合、ルートの確認が難しくなることがあります。 稜線に出ると、大日岳が姿を現し、川入からの登山道と合流して切合小屋に到着します。下山は往路を戻る形となりますが、慎重に進んでください。 -
飯豊トンネルから地蔵山をへて三国小屋へ
- 1泊2日
- 10時間5分
- 11.9km
飯豊トンネルから地蔵山をへて三国小屋へ
- 1泊2日
- 10時間5分
- 11.9km
飯豊トンネル脇から地蔵山までのコースを紹介します。トンネル脇には広い残土置き場がありますが、ここは駐車場ではなく、登山届箱のあるわずか数台のスペースに車を停めます。道路向い側の小沢が登山道入口です。 尾根道が斜面を絡むようになると、川入切合です。標高差にしてわずか200m足らず、峠ですが川入側の踏み跡は消えています。 コース一番の登りを終えると、五段山で大日杉からの登山道を合わせます。飯豊連峰では標柱の殆どがクマに齧られていますが、ここの標柱に至っては根本から食いちぎられてしまいました。 下りきった鞍部から北に踏み跡を下ると、崩壊地に水が滲み出ていますが、目印になる道標はありません。登りに差し掛かると、船窪状の細長い池があり、その先は深く掘れこんでいます。 ほぼ登りきった池塘に「牛ヶ岩山」の標識があります。展望はありませんが坪庭のように綺麗です。この先はしばらく池塘が点在します。下りきった鞍部にある池塘がオ豊ノ池です。 御前山は大した起伏でもないので、足元の標識に気づかなければ、知らずに通過してしまいます。最後はわずかに登って地蔵山になりますが、山頂には小さな池と小さな地蔵尊があるだけです。 以前は一段下った標柱のある広場が川入口登山道との合流点でした。血ノ池は旧道と共に藪に覆われています。広場からそのまま西に下ると、川入から登ってきた登山道と合流し、三国岳へと道は続きます。下山は往路を戻ります。 このコースには、さらに2本の登山道が繋がっています。五段山コースは比較的新しく拓かれた登山道であり、大日杉小屋を起点として白川源頭を周回できるのが魅力です。 小屋前の広場から南に進み、すぐに左手の川原に下ります。吊橋は放置されているので、膝下まで水に浸かって川を渡ります。道脇の清水を過ぎて、沢に下る直前、小屋の水源地から尾根に取り付きます。杉林を抜けてナラとブナが混在する山道を登って行くと、コブ山を過ぎた所に樹間から三国岳や飯豊山が見えます。ミズナラが根を張っている岩を過ぎ、一汗流せば傾斜が緩くなって五段山に到着します。 谷地平は以前素晴らしいブナ林でしたが、今は池と湿原が広がっているだけです。広河原からの西沢林道は閉鎖されており、五枚沢からの林道は通行止めになることが多く、飯豊トンネル北側からの林道もチェーンが張られており、登山口までのアクセスはよくありません。 登山口には役目を終えたような鉄製の登山届施設と道標が立っています。登山口からわずか数分で県境尾根となり、月夜岳まで登ってしまえば、ゆったりとブナ林の中を下って川入切合に到着します。飯豊トンネル脇から地蔵山までのコースを紹介します。トンネル脇には広い残土置き場がありますが、ここは駐車場ではなく、登山届箱のあるわずか数台のスペースに車を停めます。道路向い側の小沢が登山道入口です。 尾根道が斜面を絡むようになると、川入切合です。標高差にしてわずか200m足らず、峠ですが川入側の踏み跡は消えています。 コース一番の登りを終えると、五段山で大日杉からの登山道を合わせます。飯豊連峰では標柱の殆どがクマに齧られていますが、ここの標柱に至っては根本から食いちぎられてしまいました。 下りきった鞍部から北に踏み跡を下ると、崩壊地に水が滲み出ていますが、目印になる道標はありません。登りに差し掛かると、船窪状の細長い池があり、その先は深く掘れこんでいます。 ほぼ登りきった池塘に「牛ヶ岩山」の標識があります。展望はありませんが坪庭のように綺麗です。この先はしばらく池塘が点在します。下りきった鞍部にある池塘がオ豊ノ池です。 御前山は大した起伏でもないので、足元の標識に気づかなければ、知らずに通過してしまいます。最後はわずかに登って地蔵山になりますが、山頂には小さな池と小さな地蔵尊があるだけです。 以前は一段下った標柱のある広場が川入口登山道との合流点でした。血ノ池は旧道と共に藪に覆われています。広場からそのまま西に下ると、川入から登ってきた登山道と合流し、三国岳へと道は続きます。下山は往路を戻ります。 このコースには、さらに2本の登山道が繋がっています。五段山コースは比較的新しく拓かれた登山道であり、大日杉小屋を起点として白川源頭を周回できるのが魅力です。 小屋前の広場から南に進み、すぐに左手の川原に下ります。吊橋は放置されているので、膝下まで水に浸かって川を渡ります。道脇の清水を過ぎて、沢に下る直前、小屋の水源地から尾根に取り付きます。杉林を抜けてナラとブナが混在する山道を登って行くと、コブ山を過ぎた所に樹間から三国岳や飯豊山が見えます。ミズナラが根を張っている岩を過ぎ、一汗流せば傾斜が緩くなって五段山に到着します。 谷地平は以前素晴らしいブナ林でしたが、今は池と湿原が広がっているだけです。広河原からの西沢林道は閉鎖されており、五枚沢からの林道は通行止めになることが多く、飯豊トンネル北側からの林道もチェーンが張られており、登山口までのアクセスはよくありません。 登山口には役目を終えたような鉄製の登山届施設と道標が立っています。登山口からわずか数分で県境尾根となり、月夜岳まで登ってしまえば、ゆったりとブナ林の中を下って川入切合に到着します。 -
長者原口から大グラ尾根をへて飯豊山へ
- 1泊2日
- 18時間35分
- 20.3km
長者原口から大グラ尾根をへて飯豊山へ
- 1泊2日
- 18時間35分
- 20.3km
登山口の天狗平からブナ林の砂利道を歩き、温身平で石転ビ沢コースを分けます。林道終点の砂防ダム手前から登山道に入りますが、終点からも上がることができます。 落合手前に足場の悪い所があり慎重に下ります。桧山沢の吊橋は毎秋踏み板を繋ぐワイヤーを取り外し春に架橋されます。期間外はスノーブリッジを渡るか渡渉を余儀なくされます。 吊橋から休場ノ峰までは920mを一気に登り詰めます。途中の池ノ平を過ぎた所に長坂清水があります。右手の小沢に降りた所に湧いていますが、涸れることもあります。 コメツガが出てきても急登は続きます。飯豊連峰の針葉樹は痩せ尾根にキタゴヨウが連なっているのですが、大グラ尾根上部にだけはコメツガが生育しています。これは日本海から吹きつける季節風を、主稜が遮っているからだと言われています。 休場ノ峰に立つとそれまでと一変し、展望が広がり、目の前には累々と峰々が聳えています。切歯尾根の別称がある大グラ尾根の本領発揮です。 千本峰の道標は樹林の中にあります。千本峰から下る所は岩場になっており、短いですが後ろ向きの三点支持が必要です。1499m峰は西側から巻いて宝珠山の登りに取り掛かります。 宝珠山の肩に道標が倒れています。この付近から高山植物が姿を見せます。山頂は東側を通過します。初夏は残雪が道を覆うので滑落事故も発生しています。足元が切れた岩場もあり、雪が消えて伸びた草が曲がった灌木を隠して滑りやすくなっています。この尾根は体力だけでなく技術的にも上級コースなのです。 1830m峰山頂の岩稜は居心地が良く、飯豊山から北股岳に至る主稜の展望は疲れを忘れさせてくれます。 さらに幾つか峰を越えて、御前坂に取り付きます。下山の場合、1870m付近で右折せずに、そのままガレ場を下ったり、1830mで左折する所を真っ直ぐ大岩沢に下ってしまう登山者がいます。一人が間違うと踏み跡ができて次々に迷い込んでしまうので十分な注意が必要です。 1890m付近まで登ると乾性のお花畑になります。登山道から斜め上に枝道が幾つも出ているように見えますが、これは周氷河地形によく見られる構造土です。迷い込まないでください。 人の声が聞こえるようになればまもなく飯豊山頂です。早朝から歩き始めて相当に疲れているはずです。それでも大グラ尾根に挑む健脚者です。本山小屋泊も良いですが、御西小屋まで足を伸ばす登山者も少なくありません。ただし山小屋にはあまり遅くならないうちに着くようにしましょう。 下山は往路を戻ります。登山口の天狗平からブナ林の砂利道を歩き、温身平で石転ビ沢コースを分けます。林道終点の砂防ダム手前から登山道に入りますが、終点からも上がることができます。 落合手前に足場の悪い所があり慎重に下ります。桧山沢の吊橋は毎秋踏み板を繋ぐワイヤーを取り外し春に架橋されます。期間外はスノーブリッジを渡るか渡渉を余儀なくされます。 吊橋から休場ノ峰までは920mを一気に登り詰めます。途中の池ノ平を過ぎた所に長坂清水があります。右手の小沢に降りた所に湧いていますが、涸れることもあります。 コメツガが出てきても急登は続きます。飯豊連峰の針葉樹は痩せ尾根にキタゴヨウが連なっているのですが、大グラ尾根上部にだけはコメツガが生育しています。これは日本海から吹きつける季節風を、主稜が遮っているからだと言われています。 休場ノ峰に立つとそれまでと一変し、展望が広がり、目の前には累々と峰々が聳えています。切歯尾根の別称がある大グラ尾根の本領発揮です。 千本峰の道標は樹林の中にあります。千本峰から下る所は岩場になっており、短いですが後ろ向きの三点支持が必要です。1499m峰は西側から巻いて宝珠山の登りに取り掛かります。 宝珠山の肩に道標が倒れています。この付近から高山植物が姿を見せます。山頂は東側を通過します。初夏は残雪が道を覆うので滑落事故も発生しています。足元が切れた岩場もあり、雪が消えて伸びた草が曲がった灌木を隠して滑りやすくなっています。この尾根は体力だけでなく技術的にも上級コースなのです。 1830m峰山頂の岩稜は居心地が良く、飯豊山から北股岳に至る主稜の展望は疲れを忘れさせてくれます。 さらに幾つか峰を越えて、御前坂に取り付きます。下山の場合、1870m付近で右折せずに、そのままガレ場を下ったり、1830mで左折する所を真っ直ぐ大岩沢に下ってしまう登山者がいます。一人が間違うと踏み跡ができて次々に迷い込んでしまうので十分な注意が必要です。 1890m付近まで登ると乾性のお花畑になります。登山道から斜め上に枝道が幾つも出ているように見えますが、これは周氷河地形によく見られる構造土です。迷い込まないでください。 人の声が聞こえるようになればまもなく飯豊山頂です。早朝から歩き始めて相当に疲れているはずです。それでも大グラ尾根に挑む健脚者です。本山小屋泊も良いですが、御西小屋まで足を伸ばす登山者も少なくありません。ただし山小屋にはあまり遅くならないうちに着くようにしましょう。 下山は往路を戻ります。 -
長者原口から石転ビ沢をへて北股岳へ
- 1泊2日
- 14時間40分
- 17.1km
長者原口から石転ビ沢をへて北股岳へ
- 1泊2日
- 14時間40分
- 17.1km
天狗平から林道を進み、温身平の十字路で右折すると、目的地の梅花皮小屋と北股岳が遠望できます。 梶川出合直前は高巻きになっています。川沿いは落石のリスクがあります。雪渓の状態が悪い時はルート選定に苦慮します。 石転ビノ出合は梅花皮沢が門内沢と石転ビ沢に分かれる広々とした場所です。門内沢の奥に門内小屋、石転ビ沢の先には梅花皮小屋が望めます。 雪渓が安定していれば合流点の下流を横断して右岸の水場で休みます。雪渓が不安定になったら門内沢の雪渓を横断して石転ビ沢に入り、石転ビ沢を渡渉します。門内沢が露出したら渡渉して石転ビ沢に入ります。中途半端な状態の時は、ルート判断に苦慮する場所です。 右岸から入る小沢の先で、切り立った雪渓に上がるのに苦労することもあります。 ホン石転ビ沢対岸にある枝沢合流点の上流は落石が少ない所です。この先は傾斜がきつくなり落石も頻繁になるのでアイゼンを装着し、ヘルメットを被って出発します。 盛夏になると北股沢出合に清水が露出します。この清水も落石の確率が低い所です。ここから傾斜がきつくなります。誤って北股沢や北股岳に向かって登ってしまい遭難する事例が後を絶ちません。 黒滝から上部は漏斗状に雪渓が広がっており、上部で発生した落石はここに集中。北股沢出合に落下します。 黒滝から上は雪渓の状態でルートが変わります。雪渓が安定している時は直接中ノ島に向かいます。登山道に上がってから落石を起こさないように十分注意することが必要です。 雪渓が薄くなれば左岸沿いに登って小尾根の踏み跡を登り、大岩の上で小沢を横切り中ノ島の登山道に上がります。 中ノ島でも油断はできません。中ノ島上部の登山道には落石が開けた直径30cmほどの穴が点在していることもあります。 最上部で小沢を横断しますが、コース上の最大傾斜箇所であり、滑落事故が多発しています。アイゼンを再装着しピッケルを構えて慎重に通過します。 踏み跡を直上すると、突然梅花皮小屋が現れます。最後の残雪を踏みしめれば梅花皮小屋です。 梅花皮小屋付近は十文字鞍部と言われ、飯豊連峰で最も多彩な高山植物が咲き乱れ、水も豊富です。石転ビ沢を見下ろしながら、北股岳まで登りましょう。山頂には杁差岳から飯豊山まで、飯豊連峰の大展望が待っています。 帰路は同じ道を下山します。天狗平から林道を進み、温身平の十字路で右折すると、目的地の梅花皮小屋と北股岳が遠望できます。 梶川出合直前は高巻きになっています。川沿いは落石のリスクがあります。雪渓の状態が悪い時はルート選定に苦慮します。 石転ビノ出合は梅花皮沢が門内沢と石転ビ沢に分かれる広々とした場所です。門内沢の奥に門内小屋、石転ビ沢の先には梅花皮小屋が望めます。 雪渓が安定していれば合流点の下流を横断して右岸の水場で休みます。雪渓が不安定になったら門内沢の雪渓を横断して石転ビ沢に入り、石転ビ沢を渡渉します。門内沢が露出したら渡渉して石転ビ沢に入ります。中途半端な状態の時は、ルート判断に苦慮する場所です。 右岸から入る小沢の先で、切り立った雪渓に上がるのに苦労することもあります。 ホン石転ビ沢対岸にある枝沢合流点の上流は落石が少ない所です。この先は傾斜がきつくなり落石も頻繁になるのでアイゼンを装着し、ヘルメットを被って出発します。 盛夏になると北股沢出合に清水が露出します。この清水も落石の確率が低い所です。ここから傾斜がきつくなります。誤って北股沢や北股岳に向かって登ってしまい遭難する事例が後を絶ちません。 黒滝から上部は漏斗状に雪渓が広がっており、上部で発生した落石はここに集中。北股沢出合に落下します。 黒滝から上は雪渓の状態でルートが変わります。雪渓が安定している時は直接中ノ島に向かいます。登山道に上がってから落石を起こさないように十分注意することが必要です。 雪渓が薄くなれば左岸沿いに登って小尾根の踏み跡を登り、大岩の上で小沢を横切り中ノ島の登山道に上がります。 中ノ島でも油断はできません。中ノ島上部の登山道には落石が開けた直径30cmほどの穴が点在していることもあります。 最上部で小沢を横断しますが、コース上の最大傾斜箇所であり、滑落事故が多発しています。アイゼンを再装着しピッケルを構えて慎重に通過します。 踏み跡を直上すると、突然梅花皮小屋が現れます。最後の残雪を踏みしめれば梅花皮小屋です。 梅花皮小屋付近は十文字鞍部と言われ、飯豊連峰で最も多彩な高山植物が咲き乱れ、水も豊富です。石転ビ沢を見下ろしながら、北股岳まで登りましょう。山頂には杁差岳から飯豊山まで、飯豊連峰の大展望が待っています。 帰路は同じ道を下山します。 -
長者原口から梶川尾根をへて門内岳へ
- 1泊2日
- 13時間20分
- 13.4km
長者原口から梶川尾根をへて門内岳へ
- 1泊2日
- 13時間20分
- 13.4km
天狗平をスタートし、湯沢の橋を渡った所が梶川尾根の登山口です。いきなり両手を使った松尾根の急登が始まります。 湯沢峰で飯豊山から北股岳に連なる主稜と対面します。滝見場の標柱から南にわずか進むと、樹間から勇壮な梅花皮滝を見下ろし、眼前には石転ビ沢大雪渓がそびえています。 下山時は五郎清水の広場で登山道と水場道を確認して下さい。水場は2箇所あります。岩を越える奥の水場は、岩の亀裂から水が吹き出しています。体力に合せて水場を選んでください。 ダケカンバの間から眺める石転ビ沢は絵画のようです。振り返ると朝日連峰が励ましてくれます。 梶川峰で急登から開放され、なだらかな山稜は、本格的な高山植物のお花畑となっていきます。 標高1750mから1800mにかけて、土のうや椰子ネットの登山道保全施設が多数設置されています。足元の白いロープから踏み出さないように歩きましょう。 扇ノ地紙の広場から北に下っているのは廃道、正面の一段高い分岐は頂稜の縦走路です。南に伸びている道を進みます。 門内小屋周辺は二重山稜になっており、船窪の底に小さな池があります。門内小屋は残雪の縮小によって水場が変わって行きます。小屋の管理人が立てる小さな旗に従いましょう。残雪がなくなる頃に姿を現す門内清水は、最低鞍部から東側の主稜を越えて左に下った所にあります。 小屋の裏が祠のある門内岳です。ギルダ原に聳える北股岳を満喫したら扇ノ地紙に戻り、日本海と前衛山塊である二王子岳を見下ろしながら北に向かいます。地神北峰からは飯豊連峰北端の杁差岳に連なる主稜を見下ろします。下りたくなくなる雄大な眺めです。 丸森尾根最上部の登山道は、尾根の南側を通っているために、梶川尾根が邪魔をして全体として展望は良くありません。ガレ場のような石原に続いて、浸食が進んだ登山道が現れます。 丸森峰で高山帯が終わり、灌木帯の中に突入します。山麓から仰いだ時に、この灌木帯が丸く盛り上がっているので丸森峰の名があります。登山道が掘れ枝を掴んで下る所も少なくありません。 ブナが出てくると夫婦清水に到着します。水場は登山道からわずかに南に進んだ小沢です。 丸森尾根の問題箇所は、765m峰からの岩稜です。部分的には後ろ向きになって三点支持をしながら下ることになります。鎖やロープは設置していないので、慎重に下ってください。 最後は天狗平の登山届出箱の脇に降り立ちます。ちょうど天狗平ロッジの入口、飯豊山荘の正面です。天狗平をスタートし、湯沢の橋を渡った所が梶川尾根の登山口です。いきなり両手を使った松尾根の急登が始まります。 湯沢峰で飯豊山から北股岳に連なる主稜と対面します。滝見場の標柱から南にわずか進むと、樹間から勇壮な梅花皮滝を見下ろし、眼前には石転ビ沢大雪渓がそびえています。 下山時は五郎清水の広場で登山道と水場道を確認して下さい。水場は2箇所あります。岩を越える奥の水場は、岩の亀裂から水が吹き出しています。体力に合せて水場を選んでください。 ダケカンバの間から眺める石転ビ沢は絵画のようです。振り返ると朝日連峰が励ましてくれます。 梶川峰で急登から開放され、なだらかな山稜は、本格的な高山植物のお花畑となっていきます。 標高1750mから1800mにかけて、土のうや椰子ネットの登山道保全施設が多数設置されています。足元の白いロープから踏み出さないように歩きましょう。 扇ノ地紙の広場から北に下っているのは廃道、正面の一段高い分岐は頂稜の縦走路です。南に伸びている道を進みます。 門内小屋周辺は二重山稜になっており、船窪の底に小さな池があります。門内小屋は残雪の縮小によって水場が変わって行きます。小屋の管理人が立てる小さな旗に従いましょう。残雪がなくなる頃に姿を現す門内清水は、最低鞍部から東側の主稜を越えて左に下った所にあります。 小屋の裏が祠のある門内岳です。ギルダ原に聳える北股岳を満喫したら扇ノ地紙に戻り、日本海と前衛山塊である二王子岳を見下ろしながら北に向かいます。地神北峰からは飯豊連峰北端の杁差岳に連なる主稜を見下ろします。下りたくなくなる雄大な眺めです。 丸森尾根最上部の登山道は、尾根の南側を通っているために、梶川尾根が邪魔をして全体として展望は良くありません。ガレ場のような石原に続いて、浸食が進んだ登山道が現れます。 丸森峰で高山帯が終わり、灌木帯の中に突入します。山麓から仰いだ時に、この灌木帯が丸く盛り上がっているので丸森峰の名があります。登山道が掘れ枝を掴んで下る所も少なくありません。 ブナが出てくると夫婦清水に到着します。水場は登山道からわずかに南に進んだ小沢です。 丸森尾根の問題箇所は、765m峰からの岩稜です。部分的には後ろ向きになって三点支持をしながら下ることになります。鎖やロープは設置していないので、慎重に下ってください。 最後は天狗平の登山届出箱の脇に降り立ちます。ちょうど天狗平ロッジの入口、飯豊山荘の正面です。 -
大石口から権内尾根をへて朳差岳へ
- 1泊2日
- 15時間15分
- 22.2km
大石口から権内尾根をへて朳差岳へ
- 1泊2日
- 15時間15分
- 22.2km
東屋のある彫刻公園のゲートから林道歩きになります。飯豊山の林道では夏になるとイヨシロオビアブが発生するので留意してください。 林道終点から先は水場がありません。東俣第一橋を渡り、尾根に取り付き月夜平のブナ林からキタゴヨウの尾根を登ります。そのまま直登する踏み跡がありましたが、今は藪化して道標も設置されています。再度沢近くに降りて、第二橋を渡ると本格的な登りになります。 780m地点のブナの木に「水」と彫られていますが、沢に下っても水を得られたことはありません。 カモスノ頭で大石ダムから続く主尾根に出て、ここからは幾つもの起伏を越えながら進むことになります。 権内ノ峰に登ると行く手に前朳差岳が広がり、元気をくれます。千本峰の山頂から西へ下る刈払道がありますが、雨量観測施設に行く道です。 何度登ってもうんざりするのが前朳差岳です。標高差454mは仕方がないとしても、山頂まで何度も騙されてしまいます。前朳差岳から朳差岳が姿を現し、付近は高山帯の気分が漂います。長者平は池塘が点在する雲上の楽園です。道を外れた踏み跡の先に開拓期の名案内人で千代吉沢に名前を留める高橋千代吉碑があります。長者平から朳差岳の間は、頂稜を辿るように変わっています。 朳差岳の山頂には祠が設置されており、遮るもののない素晴らしい展望が広がっています。朳差小屋は山頂のすぐ下にあり、水場は残雪がなくなるとかなり降ることになります。 下山は往路と同じ道を戻ります。東屋のある彫刻公園のゲートから林道歩きになります。飯豊山の林道では夏になるとイヨシロオビアブが発生するので留意してください。 林道終点から先は水場がありません。東俣第一橋を渡り、尾根に取り付き月夜平のブナ林からキタゴヨウの尾根を登ります。そのまま直登する踏み跡がありましたが、今は藪化して道標も設置されています。再度沢近くに降りて、第二橋を渡ると本格的な登りになります。 780m地点のブナの木に「水」と彫られていますが、沢に下っても水を得られたことはありません。 カモスノ頭で大石ダムから続く主尾根に出て、ここからは幾つもの起伏を越えながら進むことになります。 権内ノ峰に登ると行く手に前朳差岳が広がり、元気をくれます。千本峰の山頂から西へ下る刈払道がありますが、雨量観測施設に行く道です。 何度登ってもうんざりするのが前朳差岳です。標高差454mは仕方がないとしても、山頂まで何度も騙されてしまいます。前朳差岳から朳差岳が姿を現し、付近は高山帯の気分が漂います。長者平は池塘が点在する雲上の楽園です。道を外れた踏み跡の先に開拓期の名案内人で千代吉沢に名前を留める高橋千代吉碑があります。長者平から朳差岳の間は、頂稜を辿るように変わっています。 朳差岳の山頂には祠が設置されており、遮るもののない素晴らしい展望が広がっています。朳差小屋は山頂のすぐ下にあり、水場は残雪がなくなるとかなり降ることになります。 下山は往路と同じ道を戻ります。 -
胎内口から大石山・朳差岳へ
- 1泊2日
- 14時間20分
- 18.1km
胎内口から大石山・朳差岳へ
- 1泊2日
- 14時間20分
- 18.1km
奥胎内ヒュッテ前に一般車両通行止めのゲートがあり、季節限定で登山口まで乗り合いタクシーが運行されています。 足ノ松沢を渡った広場が登山口です。ブナ林の御用平からいきなり急登になりますが長くは続きません。ロープのある岩場も問題はなく、姫子ノ峰に出ます。腰を下ろしてこれから登る大石山や地神山、頼母木小屋を仰いで汗を拭きます。 鞍部の岩場は足元が切れているので慎重に通過します。ひと汗かくと滝見場で眼下の足ノ松沢に滝を遠望し、すぐ上に英三ノ峰の標柱があります。大石山方面の展望が開けてきます。 ヒドノ峰付近の登山道は舟窪の底に戻されています。水場は分岐から北側に標高差49m下ります。遠いのでお勧めはしません。 水場分岐から木の根が剥き出しのブナ林となり、途中に腰を降ろせる広場があります。 樹林帯から抜け出しイチジ峰で大石山と地神山を見上げます。頼母木川を挟んだ胎内尾根の一ノ峰と二ッ峰は独特の形から、帽子になぞらえて恵比寿峰・大黒峰と呼称されていました。 西ノ峰まで来れば高山帯の様相になり、鉾立峰や二王子岳を眺めながら主稜線の分岐に到着します。 頼母木小屋方面に縦走をする場合でも、分岐に荷物を置いて朳差岳まで往復してくる登山者が珍しくありません。 分岐から飯豊連峰北端の朳差岳に向かいましょう。独立峰のような鉾立峰の急斜面を登って下り、やっと朳差岳の基部に着きます。愚痴を言いたくなりますが、朳差岳を遠望した時、不動明王が携えている鉾のようなこの峰なしでは物足りません。 急坂をほぼ登りきった登山道の傍らに、飯豊連峰を紹介した藤島玄翁の記念碑があります。北飯豊には宗教登山の歴史を感じさせる南飯豊と違う、懐かしさがあります。 朳差小屋は山頂を背景にして、ハクサンイチゲやニッコウキスゲの咲き競う中に建っており、お花畑は種類を替えながら季節を教えてくれます。小屋から朳差岳山頂までは僅かの距離です。小屋は通年無人ですが、清潔な2階建てです。昔ながらのトイレも含めてボランティアの登山者が手入れをしています。 地神山へ高まっていく山並みの脇に飯豊山が顔を覗かせています。朳差小屋と御西小屋からの眺めは、筆者が大好きな光景です。 水場は、小屋とトイレの間から南東に下ります。融雪水がなくなると標高差78m下った小沢の水溜りを利用します。水溜りの底から水が湧いているので、筆者はそのまま飲用しています。 下山は同じ道を引き返します。奥胎内ヒュッテ前に一般車両通行止めのゲートがあり、季節限定で登山口まで乗り合いタクシーが運行されています。 足ノ松沢を渡った広場が登山口です。ブナ林の御用平からいきなり急登になりますが長くは続きません。ロープのある岩場も問題はなく、姫子ノ峰に出ます。腰を下ろしてこれから登る大石山や地神山、頼母木小屋を仰いで汗を拭きます。 鞍部の岩場は足元が切れているので慎重に通過します。ひと汗かくと滝見場で眼下の足ノ松沢に滝を遠望し、すぐ上に英三ノ峰の標柱があります。大石山方面の展望が開けてきます。 ヒドノ峰付近の登山道は舟窪の底に戻されています。水場は分岐から北側に標高差49m下ります。遠いのでお勧めはしません。 水場分岐から木の根が剥き出しのブナ林となり、途中に腰を降ろせる広場があります。 樹林帯から抜け出しイチジ峰で大石山と地神山を見上げます。頼母木川を挟んだ胎内尾根の一ノ峰と二ッ峰は独特の形から、帽子になぞらえて恵比寿峰・大黒峰と呼称されていました。 西ノ峰まで来れば高山帯の様相になり、鉾立峰や二王子岳を眺めながら主稜線の分岐に到着します。 頼母木小屋方面に縦走をする場合でも、分岐に荷物を置いて朳差岳まで往復してくる登山者が珍しくありません。 分岐から飯豊連峰北端の朳差岳に向かいましょう。独立峰のような鉾立峰の急斜面を登って下り、やっと朳差岳の基部に着きます。愚痴を言いたくなりますが、朳差岳を遠望した時、不動明王が携えている鉾のようなこの峰なしでは物足りません。 急坂をほぼ登りきった登山道の傍らに、飯豊連峰を紹介した藤島玄翁の記念碑があります。北飯豊には宗教登山の歴史を感じさせる南飯豊と違う、懐かしさがあります。 朳差小屋は山頂を背景にして、ハクサンイチゲやニッコウキスゲの咲き競う中に建っており、お花畑は種類を替えながら季節を教えてくれます。小屋から朳差岳山頂までは僅かの距離です。小屋は通年無人ですが、清潔な2階建てです。昔ながらのトイレも含めてボランティアの登山者が手入れをしています。 地神山へ高まっていく山並みの脇に飯豊山が顔を覗かせています。朳差小屋と御西小屋からの眺めは、筆者が大好きな光景です。 水場は、小屋とトイレの間から南東に下ります。融雪水がなくなると標高差78m下った小沢の水溜りを利用します。水溜りの底から水が湧いているので、筆者はそのまま飲用しています。 下山は同じ道を引き返します。