【山形県】の登山コースガイド

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検索結果57件中  1-20件
  • 役内から神室山へ

    役内から神室山へ

    役内川流域の集落では神室山を「作の神」として信仰しています。三十三尋の滝は「水垢離場」で、御田の神の池塘は雨乞いの聖地です。池塘に石を投げ込み、神を怒らせて雨を降らせることを祈りました。また池塘に生えるカヤツリグサの成長の具合を見て稲の作柄を祈ったと言われています。山頂北側の御宝前には鏑山大神が祀られ、古来より山岳信仰の霊場として栄えていました。 役内集落から大役内林道に入り、鳥居の建つ西ノ又林道入口を右折して約2km進むと、駐車場のあるパノラマコース登山口に着きます。登りに使う西ノ又コースは直進し林道をさらに奥に進みます。30分ほどで登山道に変わり、すぐに吊橋を渡ります。右岸沿いに沢筋を歩くと、再び吊橋を渡ります。ここからしばらく左岸の山腹を進みますが、足場の細い箇所が多いので滑落注意です。 やがて対岸の支沢にかかる三十三尋の滝が現れます。西ノ又沢を飛び石伝いに右岸に渡り、左の斜面を登ると不動明王の石仏が祀られた最後の水場に出ます。 ここから胸突八丁と呼ばれるブナ林の急登が標高差400m余り続きます。やがて傾斜が緩くなるとクマのひるね坂で、少し登ると石祠がある御田の神に着きます。御田の神の湿原にはイワイチョウ・イワカガミ・ニッコウキスゲなどの高山植物が咲いています。沢の源頭の草原を登って行くと、日本有数のキヌガサソウの群生地があります。窓くぐりと言われる灌木のトンネルを抜ければ、神室山がようやく姿を現します。役内沢側が切れ落ちたヤセ尾根を登り、主稜線の西ノ又コース分岐は左折。小さな岩場を通過し、登り返すと全方位に展望が開けた神室山山頂です。南に小又山、火打岳へと続く主稜線が一望でき、東に虎毛山や高松岳、北西に鳥海山が望めます。西側に100mほど下ると避難小屋があります。 帰路は西ノ又コース分岐まで戻り、そこから前神室山まで縦走し、パノラマコースを下ります。栗駒国定公園のレリーフが岩場に埋め込まれた通称レリーフピークを過ぎ、1325mの八幡神ピークで有屋へ下る道を左に見送り、鞍部を過ぎて急坂を登り返すと水晶森への道が左に分岐します。直進して緩く登れば前神室山山頂に着きます。山頂からはミニ縦走してきた稜線と、神室山が一望できます。 前神室山からは北への眺望の広がる稜線を下ります。第三、第二、第一の各ピークには登り返しがあり、なかなか標高が下がって行きません。深いブナの森からしだいに支尾根の急坂を下るようになり、いっぷく平を過ぎるとスギ林に入ります。小沢を渡ればようやく登山口に戻れます。
    役内川流域の集落では神室山を「作の神」として信仰しています。三十三尋の滝は「水垢離場」で、御田の神の池塘は雨乞いの聖地です。池塘に石を投げ込み、神を怒らせて雨を降らせることを祈りました。また池塘に生えるカヤツリグサの成長の具合を見て稲の作柄を祈ったと言われています。山頂北側の御宝前には鏑山大神が祀られ、古来より山岳信仰の霊場として栄えていました。 役内集落から大役内林道に入り、鳥居の建つ西ノ又林道入口を右折して約2km進むと、駐車場のあるパノラマコース登山口に着きます。登りに使う西ノ又コースは直進し林道をさらに奥に進みます。30分ほどで登山道に変わり、すぐに吊橋を渡ります。右岸沿いに沢筋を歩くと、再び吊橋を渡ります。ここからしばらく左岸の山腹を進みますが、足場の細い箇所が多いので滑落注意です。 やがて対岸の支沢にかかる三十三尋の滝が現れます。西ノ又沢を飛び石伝いに右岸に渡り、左の斜面を登ると不動明王の石仏が祀られた最後の水場に出ます。 ここから胸突八丁と呼ばれるブナ林の急登が標高差400m余り続きます。やがて傾斜が緩くなるとクマのひるね坂で、少し登ると石祠がある御田の神に着きます。御田の神の湿原にはイワイチョウ・イワカガミ・ニッコウキスゲなどの高山植物が咲いています。沢の源頭の草原を登って行くと、日本有数のキヌガサソウの群生地があります。窓くぐりと言われる灌木のトンネルを抜ければ、神室山がようやく姿を現します。役内沢側が切れ落ちたヤセ尾根を登り、主稜線の西ノ又コース分岐は左折。小さな岩場を通過し、登り返すと全方位に展望が開けた神室山山頂です。南に小又山、火打岳へと続く主稜線が一望でき、東に虎毛山や高松岳、北西に鳥海山が望めます。西側に100mほど下ると避難小屋があります。 帰路は西ノ又コース分岐まで戻り、そこから前神室山まで縦走し、パノラマコースを下ります。栗駒国定公園のレリーフが岩場に埋め込まれた通称レリーフピークを過ぎ、1325mの八幡神ピークで有屋へ下る道を左に見送り、鞍部を過ぎて急坂を登り返すと水晶森への道が左に分岐します。直進して緩く登れば前神室山山頂に着きます。山頂からはミニ縦走してきた稜線と、神室山が一望できます。 前神室山からは北への眺望の広がる稜線を下ります。第三、第二、第一の各ピークには登り返しがあり、なかなか標高が下がって行きません。深いブナの森からしだいに支尾根の急坂を下るようになり、いっぷく平を過ぎるとスギ林に入ります。小沢を渡ればようやく登山口に戻れます。
  • 有屋から神室山~火打岳を縦走して親倉見へ

    有屋から神室山~火打岳を縦走して親倉見へ

    東北随一のヤセ尾根を有する神室連峰は、雪崩により東斜面がそぎ落とされた東西非対称の山稜が続き、標高からは計り知れないアルペン的な風貌が魅力です。 ここでは神室山への最短コースである有屋登山口から神室山に登り、連峰最高峰の小又山、神室の怪峰と呼ばれる火打岳を経て槍ヶ先まで縦走し、最上町の親倉見に下りるルートを紹介します。 有屋登山口の車止めを抜け、金山川右岸の林道を歩きます。林道終点からカツラ・トチノキやブナ林の広がる緩やかな山道を進みます。やがて沢の二股に着くと、ここから稜線まで標高差700mの九十九折りの尾根道が続きます。春日神と刻まれた大岩を見ると、そこから展望の良い灌木帯の登りに変わり、まもなく主稜線上の八幡神ピークに着きます。縦走路を南に進み、レリーフが埋め込まれた岩場の先で西ノ又コースが合流します。そこからヤセ尾根を500m歩けば神室山山頂です。この日は山頂西側のバイオトイレが完備された神室山避難小屋で1泊します。 翌朝は早めに出発しましょう。縦走路は急な下りで始まります。 15分ほどで根ノ崎登山口への道を左に分けます。ヤセた主稜線は展望に優れ、小規模ながらお花畑も見られます。急坂を登って天狗森に着くと、優美な山容の小又山がぐっと近づきます。振り返ると神室山が堂々とした姿で聳えています。鋭峰・火打岳が一望できる最高峰の小又山山頂で休憩しましょう。 小又山から南に700m行くとクロサンショウウオが生息するサンショ平と呼ばれる湿原があります。小刻みなアップダウンが続く縦走路は南東側が切れ落ち高度感抜群です。火打岳手前の鞍部の砂利口から、尖った火打北峰を目指し急なヤセ尾根を登ります。左手の大横川源頭部の雪蝕崖が眼前に広がり迫力満点です 火打北峰からもう一段登れば火打岳山頂に着きます。縦走してきた主稜線が一望でき、八森山、杢蔵山など連峰南部の山も見えてきます。展望を満喫したら、さらに主稜線をさらに南下して、大尺山、中先を越えて槍ヶ先のピークを目指しましょう。 槍ヶ先で主稜線を離れ、南東へと伸びるブナ林の尾根道を下ります。677m峰の北側を巻いて急坂を下ると、道が二手に別れ、親倉見へは左の道を下ります。スギの植林地を過ぎるとアカマツの巨木が立つ山神社が現れ、少し下れば廃村になった親倉見登山口に着きます。JR陸羽東線の鵜杉駅まで徒歩で1時間です。
    東北随一のヤセ尾根を有する神室連峰は、雪崩により東斜面がそぎ落とされた東西非対称の山稜が続き、標高からは計り知れないアルペン的な風貌が魅力です。 ここでは神室山への最短コースである有屋登山口から神室山に登り、連峰最高峰の小又山、神室の怪峰と呼ばれる火打岳を経て槍ヶ先まで縦走し、最上町の親倉見に下りるルートを紹介します。 有屋登山口の車止めを抜け、金山川右岸の林道を歩きます。林道終点からカツラ・トチノキやブナ林の広がる緩やかな山道を進みます。やがて沢の二股に着くと、ここから稜線まで標高差700mの九十九折りの尾根道が続きます。春日神と刻まれた大岩を見ると、そこから展望の良い灌木帯の登りに変わり、まもなく主稜線上の八幡神ピークに着きます。縦走路を南に進み、レリーフが埋め込まれた岩場の先で西ノ又コースが合流します。そこからヤセ尾根を500m歩けば神室山山頂です。この日は山頂西側のバイオトイレが完備された神室山避難小屋で1泊します。 翌朝は早めに出発しましょう。縦走路は急な下りで始まります。 15分ほどで根ノ崎登山口への道を左に分けます。ヤセた主稜線は展望に優れ、小規模ながらお花畑も見られます。急坂を登って天狗森に着くと、優美な山容の小又山がぐっと近づきます。振り返ると神室山が堂々とした姿で聳えています。鋭峰・火打岳が一望できる最高峰の小又山山頂で休憩しましょう。 小又山から南に700m行くとクロサンショウウオが生息するサンショ平と呼ばれる湿原があります。小刻みなアップダウンが続く縦走路は南東側が切れ落ち高度感抜群です。火打岳手前の鞍部の砂利口から、尖った火打北峰を目指し急なヤセ尾根を登ります。左手の大横川源頭部の雪蝕崖が眼前に広がり迫力満点です 火打北峰からもう一段登れば火打岳山頂に着きます。縦走してきた主稜線が一望でき、八森山、杢蔵山など連峰南部の山も見えてきます。展望を満喫したら、さらに主稜線をさらに南下して、大尺山、中先を越えて槍ヶ先のピークを目指しましょう。 槍ヶ先で主稜線を離れ、南東へと伸びるブナ林の尾根道を下ります。677m峰の北側を巻いて急坂を下ると、道が二手に別れ、親倉見へは左の道を下ります。スギの植林地を過ぎるとアカマツの巨木が立つ山神社が現れ、少し下れば廃村になった親倉見登山口に着きます。JR陸羽東線の鵜杉駅まで徒歩で1時間です。
  • 薬師原から八森山へ

    薬師原から八森山へ

    神室連峰の南部主稜線縦走路は槍ヶ先からさらに烏帽子山、一杯森、杢蔵山へ続きますが、一杯森分岐から直進する支脈上に、丸く大きな山容で聳えているのが八森山です。 八森山はかつて山岳信仰の対象となっていた山で、日照りや長雨のときに、村人がこぞって八森山に参拝し、雨乞いや日和乞いを祈ったと伝えられています。西峰西側直下のキャラボクに囲まれて建つ石塔がかつての信仰の痕跡として残っています。 最上町の薬師原から刃場川の奥へ伸びる林道に入り、三叉路になったところに駐車スペースがあります。直進して荒れた林道を進むと、右手に目立たない登山口の標識が立っています。 小沢を飛び石で渡り、スギ林を右手方向に回り込めば、顕著な尾根にでます。地元の小学生が書いた可愛い合目表示に励まされながら登ると、まもなくブナ林に入ります。この先も急登の連続なのでゆっくり登って行きましょう。やがてさらに急な登りを経て新庄市と最上町の市町境尾根に出ます。尾根の直下は6月初旬までとても急な雪渓が残りますので、滑落に注意が必要です。 市町境尾根の西斜面は直下までブナが伐採され、チシマザサが繁茂しています。残されたブナの梢越しに杢蔵山が垣間見え、東側は切れ落ちて、東荒倉沢源頭部の草付きのスラブが一望できます。 ひと登りで三叉路に出ます。ここが地形図上の八森山山頂ですが、西へ展望の良い頂稜をたどって、宗教上の山頂である西峰を目指します。山頂標識と地元小学生の登山記念プレートが賑やかな西峰山頂は展望に優れ、月山や鳥海山が一望できます。 先の三叉路まで戻り、稜線を北上して槍ヶ先を目指します。この稜線は年によってササ藪が繁茂していることがあります。展望の素晴らしい広い稜線を進むと、一杯森分岐に着きます。ここを直進し、刃場川源頭部へスッパリと切れ落ちたヤセ尾根を通過します。ここは滑落の危険があるので慎重に通過しましょう。 烏帽子山の登りから辿ってきた稜線を振り返ると、険しいヤセ尾根の風景に「あんなところを歩いてきたのか。」と驚かされます。烏帽子山を下り、二重山稜のところを通過して、エチゴキジムシロやシラネアオイの花に励まされながら槍ヶ先へ急坂を登ります。 槍ヶ先から親倉見登山口への下りは有屋から神室山~火打岳を縦走して親倉見へ(コースガイド)を参照ください。なお677m峰の下の親倉見分岐を右折して薬師原に出るルートは通行禁止になりました。薬師原登山口へ戻る場合、親倉見登山口から車道を迂回してください。
    神室連峰の南部主稜線縦走路は槍ヶ先からさらに烏帽子山、一杯森、杢蔵山へ続きますが、一杯森分岐から直進する支脈上に、丸く大きな山容で聳えているのが八森山です。 八森山はかつて山岳信仰の対象となっていた山で、日照りや長雨のときに、村人がこぞって八森山に参拝し、雨乞いや日和乞いを祈ったと伝えられています。西峰西側直下のキャラボクに囲まれて建つ石塔がかつての信仰の痕跡として残っています。 最上町の薬師原から刃場川の奥へ伸びる林道に入り、三叉路になったところに駐車スペースがあります。直進して荒れた林道を進むと、右手に目立たない登山口の標識が立っています。 小沢を飛び石で渡り、スギ林を右手方向に回り込めば、顕著な尾根にでます。地元の小学生が書いた可愛い合目表示に励まされながら登ると、まもなくブナ林に入ります。この先も急登の連続なのでゆっくり登って行きましょう。やがてさらに急な登りを経て新庄市と最上町の市町境尾根に出ます。尾根の直下は6月初旬までとても急な雪渓が残りますので、滑落に注意が必要です。 市町境尾根の西斜面は直下までブナが伐採され、チシマザサが繁茂しています。残されたブナの梢越しに杢蔵山が垣間見え、東側は切れ落ちて、東荒倉沢源頭部の草付きのスラブが一望できます。 ひと登りで三叉路に出ます。ここが地形図上の八森山山頂ですが、西へ展望の良い頂稜をたどって、宗教上の山頂である西峰を目指します。山頂標識と地元小学生の登山記念プレートが賑やかな西峰山頂は展望に優れ、月山や鳥海山が一望できます。 先の三叉路まで戻り、稜線を北上して槍ヶ先を目指します。この稜線は年によってササ藪が繁茂していることがあります。展望の素晴らしい広い稜線を進むと、一杯森分岐に着きます。ここを直進し、刃場川源頭部へスッパリと切れ落ちたヤセ尾根を通過します。ここは滑落の危険があるので慎重に通過しましょう。 烏帽子山の登りから辿ってきた稜線を振り返ると、険しいヤセ尾根の風景に「あんなところを歩いてきたのか。」と驚かされます。烏帽子山を下り、二重山稜のところを通過して、エチゴキジムシロやシラネアオイの花に励まされながら槍ヶ先へ急坂を登ります。 槍ヶ先から親倉見登山口への下りは有屋から神室山~火打岳を縦走して親倉見へ(コースガイド)を参照ください。なお677m峰の下の親倉見分岐を右折して薬師原に出るルートは通行禁止になりました。薬師原登山口へ戻る場合、親倉見登山口から車道を迂回してください。
  • 山屋から杢蔵山へ

    山屋から杢蔵山へ

    新庄市には葛麓(かつろく)という別名があります。杢蔵山は古くは木葛山(もくづやま)と呼ばれ、国土地理院が地図を作製するに当たり、読みから杢蔵山と漢字表記され(もくぞうさん)と呼ばれるようになったそうです。葛麓とは文字通り木葛山の麓の意味です。 杢蔵山は新庄市街地から見ると、どっしりと横に大きく広がった山容で聳えています。標高は1000m足らずの山ですが、山頂からの展望と、お花畑、そして綺麗な山小屋がコンパクトにまとまっていて、新庄市民の憩いの山になっています。 山屋登山口から一ノ滝コースに入ると、すぐに戸前川を渡り、スギの植林地を登っていきます。途中で渓流遊歩道が右に分岐しますが、廃道に近い状態なので入らないようにしましょう。大きくS字形に登ると、右に一ノ滝へ下る道が分かれますので立ち寄ってみましょう。一ノ滝は落差20mの滝で、手前にかわいいお顔の不動明王の石仏が安置されています。分岐まで戻り、少し登ると豊作と領内安全を祈願した不動明王の石塔が立っています 戸前川右岸の登山道周辺にはシナノキの大木が多く見られます。三ノ滝を登山道から見下ろし、少し登れば松倉沢出合に出ます。石飛びで対岸に渡り、右俣に沿って右岸の高みを進みます。途中、岩の間から湧き出る小さな水場があります。そこから急な七曲ノ坂と心臓破りノ坂を一気に登り、ブナが矮生林に変わると、前杢蔵の分岐に着きます。 分岐を左折しわずかな距離で「新庄自然に親しむ会」が管理する整理整頓がゆき届いた杢蔵山荘に着きます。薪ストーブもあり、小屋の外から眺める新庄市街地の夜景は一見の価値があります。 山荘からブナの樹林帯に入ると、金杢水の水場に着きます。そこから少しの登りで7月下旬にヤマルリトラノオの淡い水色の花が咲く風衝草原に出ます。振り返れば杢蔵山荘とテレビ塔が林立する三角山、そして月山と新庄市街地が一望できます。 稜線に出た途端、東側の眺望が一気に広がります。そこから右手が切れ落ちたヤセ尾根を北に5分たどれば杢蔵山山頂です。八森山や火打岳などの展望が開け、山座同定の楽しみはつきません。 帰路は杢蔵山荘から三角山を経て、テレビ塔保守用の悪路の林道を下ります。林道の道脇にはヤマルリトラノオやヤマユリ・ソバナなど山野草が多く咲いています。林道中間部に銀杢命水の水場があります。約1時間30分下れば山屋登山口に戻れます。
    新庄市には葛麓(かつろく)という別名があります。杢蔵山は古くは木葛山(もくづやま)と呼ばれ、国土地理院が地図を作製するに当たり、読みから杢蔵山と漢字表記され(もくぞうさん)と呼ばれるようになったそうです。葛麓とは文字通り木葛山の麓の意味です。 杢蔵山は新庄市街地から見ると、どっしりと横に大きく広がった山容で聳えています。標高は1000m足らずの山ですが、山頂からの展望と、お花畑、そして綺麗な山小屋がコンパクトにまとまっていて、新庄市民の憩いの山になっています。 山屋登山口から一ノ滝コースに入ると、すぐに戸前川を渡り、スギの植林地を登っていきます。途中で渓流遊歩道が右に分岐しますが、廃道に近い状態なので入らないようにしましょう。大きくS字形に登ると、右に一ノ滝へ下る道が分かれますので立ち寄ってみましょう。一ノ滝は落差20mの滝で、手前にかわいいお顔の不動明王の石仏が安置されています。分岐まで戻り、少し登ると豊作と領内安全を祈願した不動明王の石塔が立っています 戸前川右岸の登山道周辺にはシナノキの大木が多く見られます。三ノ滝を登山道から見下ろし、少し登れば松倉沢出合に出ます。石飛びで対岸に渡り、右俣に沿って右岸の高みを進みます。途中、岩の間から湧き出る小さな水場があります。そこから急な七曲ノ坂と心臓破りノ坂を一気に登り、ブナが矮生林に変わると、前杢蔵の分岐に着きます。 分岐を左折しわずかな距離で「新庄自然に親しむ会」が管理する整理整頓がゆき届いた杢蔵山荘に着きます。薪ストーブもあり、小屋の外から眺める新庄市街地の夜景は一見の価値があります。 山荘からブナの樹林帯に入ると、金杢水の水場に着きます。そこから少しの登りで7月下旬にヤマルリトラノオの淡い水色の花が咲く風衝草原に出ます。振り返れば杢蔵山荘とテレビ塔が林立する三角山、そして月山と新庄市街地が一望できます。 稜線に出た途端、東側の眺望が一気に広がります。そこから右手が切れ落ちたヤセ尾根を北に5分たどれば杢蔵山山頂です。八森山や火打岳などの展望が開け、山座同定の楽しみはつきません。 帰路は杢蔵山荘から三角山を経て、テレビ塔保守用の悪路の林道を下ります。林道の道脇にはヤマルリトラノオやヤマユリ・ソバナなど山野草が多く咲いています。林道中間部に銀杢命水の水場があります。約1時間30分下れば山屋登山口に戻れます。
  • 新中峰コースから禿岳へ

    新中峰コースから禿岳へ

    禿岳は直径10数kmに及ぶ鬼首カルデラの外輪山の最高峰で、別名は小鏑山と呼ばれています。鬼首温泉郷から望むスラブ状の岩壁を露わにした山容は男性的で、地元では人気の高い山です。 古川高校の山小屋を過ぎ、荒れた林道を登ると新中峰コース登山口に着きます。ここから稜線まで息つく暇もない急登が続きます。見事なブナの原生林を抜け、稜線に近づくと北側の中ノ沢の険しいスラブが眼前に広がります。山頂へ続く稜線は、東側が禿高原まで落差700mも切れ落ち高度感満点です。やがて大きな山名標石が立つ禿岳山頂に着きます。360度の展望を楽しんだら花立峠に下りましょう。山頂から南東へ数分で不動明王像が祀られた南峰に着きます。五合目で道が直角に左に折れ、白い木肌が美しいブナ林に入ります。 花立峠の手前の風衝地は高原の花が咲き競っています。峠から鬼首盆地を眺めながら県道を歩くと、オニコウベスキー場に着きます。
    禿岳は直径10数kmに及ぶ鬼首カルデラの外輪山の最高峰で、別名は小鏑山と呼ばれています。鬼首温泉郷から望むスラブ状の岩壁を露わにした山容は男性的で、地元では人気の高い山です。 古川高校の山小屋を過ぎ、荒れた林道を登ると新中峰コース登山口に着きます。ここから稜線まで息つく暇もない急登が続きます。見事なブナの原生林を抜け、稜線に近づくと北側の中ノ沢の険しいスラブが眼前に広がります。山頂へ続く稜線は、東側が禿高原まで落差700mも切れ落ち高度感満点です。やがて大きな山名標石が立つ禿岳山頂に着きます。360度の展望を楽しんだら花立峠に下りましょう。山頂から南東へ数分で不動明王像が祀られた南峰に着きます。五合目で道が直角に左に折れ、白い木肌が美しいブナ林に入ります。 花立峠の手前の風衝地は高原の花が咲き競っています。峠から鬼首盆地を眺めながら県道を歩くと、オニコウベスキー場に着きます。
  • 千蛇谷コースから新山へ

    千蛇谷コースから新山へ

    路肩部分に駐車帯がある大平登山口から伝石坂に入っていきます。登山口右手に登山届提出用のボックスがあります。コンクリートの階段で始まり、いきなりの急坂で戸惑うかもしれませんが、ここは鳥海屈指の急坂、ゆっくりと自分のリズムで歩きましょう。周囲はブナ林の森林限界にあたり、しばらくは森の中を歩きます。二ノ宿でいったん呼吸を整えてから見晴台を目指します。見晴台では休憩を取りながら、眼下に広がる風景を楽しみましょう。 森林限界を抜けると、傾斜が緩やかな雪田植物帯の山道となり、高山の花たちが見られるようになります。清水大神の湿原に出てひと息入れ、とよで一休み。チングルマの咲く山道を登り詰めると河原宿に出ます。雪渓を横断し愛宕坂手前の分岐から右に折れ長坂道を目指します。 長坂道T字分岐は最良の展望所、しばらく風景を楽しんで行きましょう。花にかこまれた稜線の道を御浜に向かい、まもなく鳥海湖への分岐に出ます。鳥海湖への道が整備され、木道になっているため、間違えて木道に入っていかないように。ここは稜線を忠実にたどります。まもなく眼下に鳥海湖が見えるビューポイントとなります。御浜小屋に着いたらひと休み。小屋を過ぎると岩場になり、足場の不安定な道になります。ここを登り切ると扇子森の頂上部、花畑に包まれた御田ヶ原に出ます。7月上旬頃であればヒナウスユキソウに出会えます。下り道となり鞍部の御田ヶ原分岐を過ぎて、八丁坂の登りにかかります。御苗代の湿地をすぎると、まもなく七五三掛に着きます。ここからは新道の木道を進みます。登り詰めて分岐を左に進むと目の前に千蛇谷雪渓が広がり、新山が見えてきます。雪渓上は落石の危険があるので頭上注意です。雪渓を速やかに横断して、対岸の夏道に入ります。ふたつ目の雪渓をロープを目印に、横断しながら登ります。夏道が大きな岩の塊を行くようになってきたら御室はまもなくです。 新山へは神社横の岩場を登ります。ペンキを目印に山頂に出ます。下りは巻くようにして胎内くぐりを経て小屋裏に出られます。小屋に1泊した翌日はスノーブリッジを渡って七高山に登り、外輪稜線を行者岳、伏拝岳、文殊岳とめぐり、七五三掛に出ます。晴れていれば気持ちのよい天上の山道ですが、風が強く天気の悪いときは御室から千蛇谷コースを戻り、七五三掛に出るのがいいでしょう。御浜からは小屋の前を通過して賽ノ河原に下り、鉾立に下ります。
    路肩部分に駐車帯がある大平登山口から伝石坂に入っていきます。登山口右手に登山届提出用のボックスがあります。コンクリートの階段で始まり、いきなりの急坂で戸惑うかもしれませんが、ここは鳥海屈指の急坂、ゆっくりと自分のリズムで歩きましょう。周囲はブナ林の森林限界にあたり、しばらくは森の中を歩きます。二ノ宿でいったん呼吸を整えてから見晴台を目指します。見晴台では休憩を取りながら、眼下に広がる風景を楽しみましょう。 森林限界を抜けると、傾斜が緩やかな雪田植物帯の山道となり、高山の花たちが見られるようになります。清水大神の湿原に出てひと息入れ、とよで一休み。チングルマの咲く山道を登り詰めると河原宿に出ます。雪渓を横断し愛宕坂手前の分岐から右に折れ長坂道を目指します。 長坂道T字分岐は最良の展望所、しばらく風景を楽しんで行きましょう。花にかこまれた稜線の道を御浜に向かい、まもなく鳥海湖への分岐に出ます。鳥海湖への道が整備され、木道になっているため、間違えて木道に入っていかないように。ここは稜線を忠実にたどります。まもなく眼下に鳥海湖が見えるビューポイントとなります。御浜小屋に着いたらひと休み。小屋を過ぎると岩場になり、足場の不安定な道になります。ここを登り切ると扇子森の頂上部、花畑に包まれた御田ヶ原に出ます。7月上旬頃であればヒナウスユキソウに出会えます。下り道となり鞍部の御田ヶ原分岐を過ぎて、八丁坂の登りにかかります。御苗代の湿地をすぎると、まもなく七五三掛に着きます。ここからは新道の木道を進みます。登り詰めて分岐を左に進むと目の前に千蛇谷雪渓が広がり、新山が見えてきます。雪渓上は落石の危険があるので頭上注意です。雪渓を速やかに横断して、対岸の夏道に入ります。ふたつ目の雪渓をロープを目印に、横断しながら登ります。夏道が大きな岩の塊を行くようになってきたら御室はまもなくです。 新山へは神社横の岩場を登ります。ペンキを目印に山頂に出ます。下りは巻くようにして胎内くぐりを経て小屋裏に出られます。小屋に1泊した翌日はスノーブリッジを渡って七高山に登り、外輪稜線を行者岳、伏拝岳、文殊岳とめぐり、七五三掛に出ます。晴れていれば気持ちのよい天上の山道ですが、風が強く天気の悪いときは御室から千蛇谷コースを戻り、七五三掛に出るのがいいでしょう。御浜からは小屋の前を通過して賽ノ河原に下り、鉾立に下ります。
  • 祓川から直登コースで七高山へ

    祓川から直登コースで七高山へ

    トイレと水場がある広い祓川の駐車場から、竜ヶ原湿原に向かう道に入っていきます。登山届ポストは登山道入口と湿原入口に立つ祓川ヒュッテ内にあります。小屋の前に広がる竜ヶ原湿原を横断するように木道がまっすぐ山頂方向に向かっています。 湿原を渡ると、直登の道が始まります。雪のある時期はここからアイゼンを着用した方がいいでしょう。地を這うようなダケカンバのタッチラ坂に入っていきます。やがて、傾斜が緩くなり賽ノ河原に出ます。御田の雪田地帯は遅くまで雪が残り、狭いカールが一面、シラネニンジンの群落でおおわれたりします。ここを登り切ると、左手に七ツ釜避難小屋があります。まもなく康ケルンに出て、猿倉コース・熊ノ森からの道と合流するのでひと息入れましょう。ここから登山道は次のステージに入っていきます。 康新道の分岐をすぎると大きな雪渓、大雪路に入ります。右の山側に沿って最大傾斜線を詰め、ケルンを目印に夏道が出ていれば、それを足がかりに高度を上げていくといいでしょう。氷ノ薬師を過ぎ舎利坂に入っていくと、しばらくは石段の整備された道が続きますが、次第に火山礫の足場の安定しない道になります。クサリ場が出てきてまもなく康新道の道と合流して外輪山北のピーク、七高山山頂に出ます。 目の前に展開するすばらしい展望に、登頂の喜びが心に染みるでしょう。時間があれば新山まで足をのばしてもよいですが、帰路は七高山からやや下ったところの分岐に出て左に折れ、康新道に入っていきます。途中、登山道がえぐれていたり悪路もありますが、丁寧に高度を下げていきます。この斜面は雪解けも早く、夏の早い時期から岩場にはイワウメ、チョウカイフスマなどが見られます。大雪路下の分岐で合流して康ケルンに出ます。ここからは往路をゆったりと祓川へと戻ります。 もう1泊のプランで、竜ヶ原湿原に咲くヒオウギアヤメなどを愛でながら、ゆったりとくつろぐのもよいでしょう。
    トイレと水場がある広い祓川の駐車場から、竜ヶ原湿原に向かう道に入っていきます。登山届ポストは登山道入口と湿原入口に立つ祓川ヒュッテ内にあります。小屋の前に広がる竜ヶ原湿原を横断するように木道がまっすぐ山頂方向に向かっています。 湿原を渡ると、直登の道が始まります。雪のある時期はここからアイゼンを着用した方がいいでしょう。地を這うようなダケカンバのタッチラ坂に入っていきます。やがて、傾斜が緩くなり賽ノ河原に出ます。御田の雪田地帯は遅くまで雪が残り、狭いカールが一面、シラネニンジンの群落でおおわれたりします。ここを登り切ると、左手に七ツ釜避難小屋があります。まもなく康ケルンに出て、猿倉コース・熊ノ森からの道と合流するのでひと息入れましょう。ここから登山道は次のステージに入っていきます。 康新道の分岐をすぎると大きな雪渓、大雪路に入ります。右の山側に沿って最大傾斜線を詰め、ケルンを目印に夏道が出ていれば、それを足がかりに高度を上げていくといいでしょう。氷ノ薬師を過ぎ舎利坂に入っていくと、しばらくは石段の整備された道が続きますが、次第に火山礫の足場の安定しない道になります。クサリ場が出てきてまもなく康新道の道と合流して外輪山北のピーク、七高山山頂に出ます。 目の前に展開するすばらしい展望に、登頂の喜びが心に染みるでしょう。時間があれば新山まで足をのばしてもよいですが、帰路は七高山からやや下ったところの分岐に出て左に折れ、康新道に入っていきます。途中、登山道がえぐれていたり悪路もありますが、丁寧に高度を下げていきます。この斜面は雪解けも早く、夏の早い時期から岩場にはイワウメ、チョウカイフスマなどが見られます。大雪路下の分岐で合流して康ケルンに出ます。ここからは往路をゆったりと祓川へと戻ります。 もう1泊のプランで、竜ヶ原湿原に咲くヒオウギアヤメなどを愛でながら、ゆったりとくつろぐのもよいでしょう。
  • 大清水から七高山へ

    大清水から七高山へ

    広い駐車場があり山小屋が整備された一大園地、大清水から歩き始めます。周囲はブナの原生林に覆われ、しばらくは尾根道。大倉に出ると、眼下に広がるブナの森の広大さに驚きます。タッチラ坂でダケカンバの林を過ぎ、森林限界を抜け、屏風岩に出て、ひと息入れます。振り返れば、出羽の山並みがどこまでも続いていて、この広がりが生態系の維持に欠かせないことを改めて実感できます。途中水場があるので、補給して進みましょう。さらに登ると大きな獅子岩がある唐獅子平避難小屋に出て、雪渓が残る霧ヶ平に入り、高度を上げていきます。虫穴が大きく見えてきたら、まもなく稜線に出ます。新山が目前に大きく現れます。外輪ケルン分岐を右に折れ、まもなく左手、新山からの道と合流して虫穴の脇を抜けて七高山に立ちます。帰路は忠実に来た道を戻ります。
    広い駐車場があり山小屋が整備された一大園地、大清水から歩き始めます。周囲はブナの原生林に覆われ、しばらくは尾根道。大倉に出ると、眼下に広がるブナの森の広大さに驚きます。タッチラ坂でダケカンバの林を過ぎ、森林限界を抜け、屏風岩に出て、ひと息入れます。振り返れば、出羽の山並みがどこまでも続いていて、この広がりが生態系の維持に欠かせないことを改めて実感できます。途中水場があるので、補給して進みましょう。さらに登ると大きな獅子岩がある唐獅子平避難小屋に出て、雪渓が残る霧ヶ平に入り、高度を上げていきます。虫穴が大きく見えてきたら、まもなく稜線に出ます。新山が目前に大きく現れます。外輪ケルン分岐を右に折れ、まもなく左手、新山からの道と合流して虫穴の脇を抜けて七高山に立ちます。帰路は忠実に来た道を戻ります。
  • 滝ノ小屋から伏拝岳へ

    滝ノ小屋から伏拝岳へ

    滝ノ小屋下駐車場はブナ林を切り開いてできた駐車場で、トイレと展望施設があります。入山届ボックスは登山口にあります。 歩き始めは森林限界のブナ林の道で、周囲には氷河時代の形質を持ったブナも見られます。やがてミヤマナラの道になり、荒木沢を渡ると、まもなく滝ノ小屋に出ます。澄郷沢を渡り、初夏であれば雪渓の残る道に入って、雪渓の中ほどから左手のトラバース道に入り、分岐に出ます。 ここで湯ノ台口コースに合流して、八丁坂を登っていきます。きつい登りですが、6月下旬〜7月中旬にはミヤマハンショウヅル、トウゲブキ、イワテトウキ、ハクサンシャジンなどの花々が咲き競い見事です。 河原宿からは月山森への分岐を左に見て、ボサ森から流れる沢を渡って心字雪渓に入っていきます。朝早い時間帯は、雪が堅く滑りやすいので、アイゼン着用をおすすめします。 雪渓は大雪路と小雪路とありますが、時期によってはつながっています。大雪路は左寄りに登り、中間地点でロープに導かれて、右に渡ってから小雪路にとりつき高度を上げていきます。登り詰めたところで右に渡り、まもなく薊坂入口に着きます。ここから薊坂の急登が始まります。 高度をぐんぐんと稼いで、心字雪渓がみるみる離れていきます。何度も呼吸を整え、ゆっくりと登ります。やがて、稜線上の伏拝岳の分岐に出ますが、今まで隠れていた新山の全容が、一気に目の前に展開します。この絶景は、本コースを登った人の特権といえましょう。 ここからさらに天上の尾根道を行者岳、七高山まで足をのばしてみるのもいいです。ただ、帰り道に伏拝分岐を見落とし、鉾立方面に行くケースがよくあります。逆の場合もあります。分岐では立ち止まり自分の行くべき方向を確認する必要があります。とくに登山道が平行して走っているので注意を喚起しておきます。伏拝岳で風景を十分に楽しんだら、往路を慎重に滝ノ小屋方面に下ります。復路は、とくに雪渓の下りでのスリップに気をつけましょう。霧が深いときは夏道のある山側の際を下るように心がけましょう。
    滝ノ小屋下駐車場はブナ林を切り開いてできた駐車場で、トイレと展望施設があります。入山届ボックスは登山口にあります。 歩き始めは森林限界のブナ林の道で、周囲には氷河時代の形質を持ったブナも見られます。やがてミヤマナラの道になり、荒木沢を渡ると、まもなく滝ノ小屋に出ます。澄郷沢を渡り、初夏であれば雪渓の残る道に入って、雪渓の中ほどから左手のトラバース道に入り、分岐に出ます。 ここで湯ノ台口コースに合流して、八丁坂を登っていきます。きつい登りですが、6月下旬〜7月中旬にはミヤマハンショウヅル、トウゲブキ、イワテトウキ、ハクサンシャジンなどの花々が咲き競い見事です。 河原宿からは月山森への分岐を左に見て、ボサ森から流れる沢を渡って心字雪渓に入っていきます。朝早い時間帯は、雪が堅く滑りやすいので、アイゼン着用をおすすめします。 雪渓は大雪路と小雪路とありますが、時期によってはつながっています。大雪路は左寄りに登り、中間地点でロープに導かれて、右に渡ってから小雪路にとりつき高度を上げていきます。登り詰めたところで右に渡り、まもなく薊坂入口に着きます。ここから薊坂の急登が始まります。 高度をぐんぐんと稼いで、心字雪渓がみるみる離れていきます。何度も呼吸を整え、ゆっくりと登ります。やがて、稜線上の伏拝岳の分岐に出ますが、今まで隠れていた新山の全容が、一気に目の前に展開します。この絶景は、本コースを登った人の特権といえましょう。 ここからさらに天上の尾根道を行者岳、七高山まで足をのばしてみるのもいいです。ただ、帰り道に伏拝分岐を見落とし、鉾立方面に行くケースがよくあります。逆の場合もあります。分岐では立ち止まり自分の行くべき方向を確認する必要があります。とくに登山道が平行して走っているので注意を喚起しておきます。伏拝岳で風景を十分に楽しんだら、往路を慎重に滝ノ小屋方面に下ります。復路は、とくに雪渓の下りでのスリップに気をつけましょう。霧が深いときは夏道のある山側の際を下るように心がけましょう。
  • 大平口から長坂道に出て笙ヶ岳へ

    大平口から長坂道に出て笙ヶ岳へ

    路肩部分に駐車帯がある大平登山口から伝石坂に入っていきます。登山口右手に登山届提出用のボックスがあります。 コンクリートの階段で登りが始まり、いきなりの急坂で戸惑うかもしれませんが、ここは鳥海屈指の急坂、ゆっくりと自分のリズムで歩きましょう。周囲はブナ林の森林限界に近く、しばらくは森の中を歩きます。二ノ宿でいったん呼吸を整えてから見晴台を目指します。見晴台では休憩を取りながら、眼下に広がる風景を楽しみましょう。 森林限界を抜けると雪田植物帯の山道となり、傾斜も緩やかで高山植物が見られるようになります。清水大神の湿原に出てひと息入れ、とよで一休み。チングルマの咲く山道を登り詰めると河原宿に出ます。雪渓を横断し愛宕坂下の分岐から右に折れ長坂道を目指します。長坂道T字分岐に出ると、眺望が開け雄大な山岳景観が目に飛び込んできます。左は御浜小屋へのルート。ここは右に折れ笙ヶ岳を目指します。岩峰を右手に見て、登山道を進みます。 三峰、二峰と気持ちのよい稜線の道をたどり、ハクサンイチゲに包まれた笙ヶ岳山頂に着きます。振り返れば雪渓まばゆい新山がお花畑の向こうにそびえています。ここで、ゆったりと昼食もいいでしょう。 下山は気の抜けない下り道になります。ゆっくりと足元を確かめながら進みます。天狗岩を過ぎ、ガラ場で渡戸への道を左に見て、尾根伝いに下ります。森林帯に入って、水場のある堅餅岩に出ます。やや下ると、森の中の交差点、長坂道十字路に出て、ここは直進して山ノ神に向かいます。高瀬峡からの道と合流して左に折れ、まもなく湧水の出る山ノ神に着きます。 バス利用では、ここから30分ほどの林道歩きがあり、長坂口バス停に出ます。 バス停近くに庄内平野が一望できる東屋があり、夕日の絶景ポイントになっています。バスの待ち時間があれば、立ち寄ってみるのもよいでしょう。
    路肩部分に駐車帯がある大平登山口から伝石坂に入っていきます。登山口右手に登山届提出用のボックスがあります。 コンクリートの階段で登りが始まり、いきなりの急坂で戸惑うかもしれませんが、ここは鳥海屈指の急坂、ゆっくりと自分のリズムで歩きましょう。周囲はブナ林の森林限界に近く、しばらくは森の中を歩きます。二ノ宿でいったん呼吸を整えてから見晴台を目指します。見晴台では休憩を取りながら、眼下に広がる風景を楽しみましょう。 森林限界を抜けると雪田植物帯の山道となり、傾斜も緩やかで高山植物が見られるようになります。清水大神の湿原に出てひと息入れ、とよで一休み。チングルマの咲く山道を登り詰めると河原宿に出ます。雪渓を横断し愛宕坂下の分岐から右に折れ長坂道を目指します。長坂道T字分岐に出ると、眺望が開け雄大な山岳景観が目に飛び込んできます。左は御浜小屋へのルート。ここは右に折れ笙ヶ岳を目指します。岩峰を右手に見て、登山道を進みます。 三峰、二峰と気持ちのよい稜線の道をたどり、ハクサンイチゲに包まれた笙ヶ岳山頂に着きます。振り返れば雪渓まばゆい新山がお花畑の向こうにそびえています。ここで、ゆったりと昼食もいいでしょう。 下山は気の抜けない下り道になります。ゆっくりと足元を確かめながら進みます。天狗岩を過ぎ、ガラ場で渡戸への道を左に見て、尾根伝いに下ります。森林帯に入って、水場のある堅餅岩に出ます。やや下ると、森の中の交差点、長坂道十字路に出て、ここは直進して山ノ神に向かいます。高瀬峡からの道と合流して左に折れ、まもなく湧水の出る山ノ神に着きます。 バス利用では、ここから30分ほどの林道歩きがあり、長坂口バス停に出ます。 バス停近くに庄内平野が一望できる東屋があり、夕日の絶景ポイントになっています。バスの待ち時間があれば、立ち寄ってみるのもよいでしょう。
  • 湯ノ台道から八丁坂を経て月山森へ

    湯ノ台道から八丁坂を経て月山森へ

    鳥海高原家族旅行村に向かう車道は開拓集落を過ぎるとまもなく左手に駐車帯があり、ここが登山口になっています。 山道に入りまもなく、湯ノ沢にかかる丸太橋(少し下部に安全に渡れる幅の広い橋もあります。)を渡り登山道に入っていきます。稜線に出てやや道は緩くなり、水場になる沢を渡ってまもなく南高ヒュッテに出ます。小屋前を通過してかくれ山分岐を経て、湯ノ台道の尾根道に入っていきます。このあたりからブナ林の気持ちのよい尾根道が続き、鳳来山を巻くようにして横堂に出ます。 石の祠を脇に見て、登っていきます。一本杉を過ぎ、大黒台のしっとりとしたブナ林を過ぎ、高度を上げると西物見で、眺望が開けます。篭山の岩場を過ぎ、テーブル状のウスメ岩に出ます。樹林帯を抜け出し、ミヤマナラの灌木帯を進み、滝ノ小屋からの分岐を二つ過ぎて、八丁坂に入っていきます。きつい登りですが、周囲に咲く花々が励ましてくれます。所々でひと息入れながら見渡す庄内平野、出羽丘陵の山並みの風景は格別です。 沢音が近づき、外輪山が見えてくると、河原宿はまもなくです。小屋は現在閉鎖されていますが、雪渓からの沢水が冷たく、小屋の前で休憩を入れるのもいいでしょう。少し離れた別棟にトイレがありますので、利用していきましょう。 小屋の前を過ぎて、まもなく分岐に出ます。ここで左に折れ、月山森に向かいます。高層湿地の中を整備された木道を歩き、右手にボタ池が現れます。まもなく月山森分岐に着き、左手の尾根にのびている踏み跡をたどって稜線に出て右折し、ハイマツをかき分けて月山森のピークに出ます。西寄りの露岩に出て腰を下ろし、ひとときの時間を味わいましょう。 帰路は往路を戻り、八丁坂分岐から左手に折れ、雪渓を下って澄郷沢を飛び石で渡れば、滝ノ小屋に出ます。小屋の前を通過して滝ノ小屋下駐車場まではひと歩き、20分ほどで着きます。 マイカーでない場合はここでタクシーを待つことになりますが、駐車場付近は氷河時代の形質を持つ矮性ブナが観察できるので、待ち時間に探してみるのもよいでしょう。
    鳥海高原家族旅行村に向かう車道は開拓集落を過ぎるとまもなく左手に駐車帯があり、ここが登山口になっています。 山道に入りまもなく、湯ノ沢にかかる丸太橋(少し下部に安全に渡れる幅の広い橋もあります。)を渡り登山道に入っていきます。稜線に出てやや道は緩くなり、水場になる沢を渡ってまもなく南高ヒュッテに出ます。小屋前を通過してかくれ山分岐を経て、湯ノ台道の尾根道に入っていきます。このあたりからブナ林の気持ちのよい尾根道が続き、鳳来山を巻くようにして横堂に出ます。 石の祠を脇に見て、登っていきます。一本杉を過ぎ、大黒台のしっとりとしたブナ林を過ぎ、高度を上げると西物見で、眺望が開けます。篭山の岩場を過ぎ、テーブル状のウスメ岩に出ます。樹林帯を抜け出し、ミヤマナラの灌木帯を進み、滝ノ小屋からの分岐を二つ過ぎて、八丁坂に入っていきます。きつい登りですが、周囲に咲く花々が励ましてくれます。所々でひと息入れながら見渡す庄内平野、出羽丘陵の山並みの風景は格別です。 沢音が近づき、外輪山が見えてくると、河原宿はまもなくです。小屋は現在閉鎖されていますが、雪渓からの沢水が冷たく、小屋の前で休憩を入れるのもいいでしょう。少し離れた別棟にトイレがありますので、利用していきましょう。 小屋の前を過ぎて、まもなく分岐に出ます。ここで左に折れ、月山森に向かいます。高層湿地の中を整備された木道を歩き、右手にボタ池が現れます。まもなく月山森分岐に着き、左手の尾根にのびている踏み跡をたどって稜線に出て右折し、ハイマツをかき分けて月山森のピークに出ます。西寄りの露岩に出て腰を下ろし、ひとときの時間を味わいましょう。 帰路は往路を戻り、八丁坂分岐から左手に折れ、雪渓を下って澄郷沢を飛び石で渡れば、滝ノ小屋に出ます。小屋の前を通過して滝ノ小屋下駐車場まではひと歩き、20分ほどで着きます。 マイカーでない場合はここでタクシーを待つことになりますが、駐車場付近は氷河時代の形質を持つ矮性ブナが観察できるので、待ち時間に探してみるのもよいでしょう。
  • 弥陀ヶ原から月山山頂へ

    弥陀ヶ原から月山山頂へ

    鶴岡からの定期バス(季節運行)が入る月山八合目駐車場は、レストハウスやトイレがある登山口ですが、一歩踏みいればそこは高層湿原が広がる、弥陀ヶ原湿原になります。植物外来種防止用のマットで、靴に着いた種子などを落として入山します。大きな看板を前に、道は二手に分かれますが、ここは左手から進み、御田原参篭所(中ノ宮)を経由して本道に入っていきます。御田原参篭所(中ノ宮)を起点にして湿原散策するのもよいでしょう。月山の魅力のひとつはこうした高層湿原のすばらしさにあるともいえます。 散策道を周遊して、御田原参篭所(中ノ宮)上部の分岐から登山道に入ります。緩やかな無量坂、やや勾配のきつい鍋割を過ぎ、畳石の花畑に出ます。周囲の風景は高山の様相を深めていきます。仏生池小屋に出たら、ひと休み。売店、トイレなどがあります。 オモワシ山の肩を過ぎ、灌木帯の岩の上を歩く道になり、行者返の岩場を抜けると、気持ちのよい尾根道になっていきます。大峰を過ぎ、花を愛でながら木道を進むと、まもなく月山山頂神社の建物が見え、石垣を巻くようにして、月山山頂に着きます。山頂は神社の中にあり、お祓いを受けて入ります。三角点のある山頂部は石垣の山頂神社に入る手前で、神社の後ろに張り出している尾根を登り詰めたところにあります。展望のよい、静かな山頂のおもむきがあります。 下りは南西に向かい、頂上小屋の前を抜けて広大な台地上の一角から牛首へと下りていきます。岩場の連続する下り道ですが、目の前に展開する山岳景観は見応えがあります。 牛首の分岐に出て、右の道をとって姥ヶ岳方面に進むと金姥の分岐に出ます。ここを直進すると姥ヶ岳山頂に着きます。 山頂は適度な広さで、月山を振り返るのもよし、南西に朝日連峰を眺めるのにも最良の地点といえます。 姥ヶ岳からは木道が出てきますが、残雪時期はアイゼン着用の箇所です。まもなく階段状の山道になって、牛首からのルートが合流します。ここは休憩スペースもあり展望も良いので、月山を振り返りその大きさを実感できます。 売店、トイレのあるリフト上駅に出て、20分ほどのリフト利用、リフト下駅から車道歩き15分ほどで、月山姥沢バス停に出ます。
    鶴岡からの定期バス(季節運行)が入る月山八合目駐車場は、レストハウスやトイレがある登山口ですが、一歩踏みいればそこは高層湿原が広がる、弥陀ヶ原湿原になります。植物外来種防止用のマットで、靴に着いた種子などを落として入山します。大きな看板を前に、道は二手に分かれますが、ここは左手から進み、御田原参篭所(中ノ宮)を経由して本道に入っていきます。御田原参篭所(中ノ宮)を起点にして湿原散策するのもよいでしょう。月山の魅力のひとつはこうした高層湿原のすばらしさにあるともいえます。 散策道を周遊して、御田原参篭所(中ノ宮)上部の分岐から登山道に入ります。緩やかな無量坂、やや勾配のきつい鍋割を過ぎ、畳石の花畑に出ます。周囲の風景は高山の様相を深めていきます。仏生池小屋に出たら、ひと休み。売店、トイレなどがあります。 オモワシ山の肩を過ぎ、灌木帯の岩の上を歩く道になり、行者返の岩場を抜けると、気持ちのよい尾根道になっていきます。大峰を過ぎ、花を愛でながら木道を進むと、まもなく月山山頂神社の建物が見え、石垣を巻くようにして、月山山頂に着きます。山頂は神社の中にあり、お祓いを受けて入ります。三角点のある山頂部は石垣の山頂神社に入る手前で、神社の後ろに張り出している尾根を登り詰めたところにあります。展望のよい、静かな山頂のおもむきがあります。 下りは南西に向かい、頂上小屋の前を抜けて広大な台地上の一角から牛首へと下りていきます。岩場の連続する下り道ですが、目の前に展開する山岳景観は見応えがあります。 牛首の分岐に出て、右の道をとって姥ヶ岳方面に進むと金姥の分岐に出ます。ここを直進すると姥ヶ岳山頂に着きます。 山頂は適度な広さで、月山を振り返るのもよし、南西に朝日連峰を眺めるのにも最良の地点といえます。 姥ヶ岳からは木道が出てきますが、残雪時期はアイゼン着用の箇所です。まもなく階段状の山道になって、牛首からのルートが合流します。ここは休憩スペースもあり展望も良いので、月山を振り返りその大きさを実感できます。 売店、トイレのあるリフト上駅に出て、20分ほどのリフト利用、リフト下駅から車道歩き15分ほどで、月山姥沢バス停に出ます。
  • 玄海広場から姥ヶ岳へ

    玄海広場から姥ヶ岳へ

    志津野営場前バス停からネイチャーセンターがある自然博物園・玄海広場からスタートです。石跳川に沿って、緩やかに登っていきます。周囲はブナ林に包まれ、気持ちのよい山道が続きます。 途中いくつかの分岐があり、魅力的な森の散策路があります。ここでは川沿いに上流へと向かいます。春木戸跡でひと休み、明るい沢をゆったりと進みます。沢から離れて、木道が現れ、まもなくコルに出ます。湯殿山からの道と合流する装束場です。ここは、湯殿山に参拝する人が装束を整えたところといわれています。分岐を右に折れ、金姥へ。金姥で右に折れ姥ヶ岳山頂を目指します。この分岐から姥ヶ岳山頂への道にはヒナウスユキソウ、イワカガミなどが可憐に咲き競っています。まもなく三角点のある360度展望の姥ヶ岳山頂に着きます。(姥ヶ岳山頂からは弥陀ヶ原から月山山頂へ(コースガイド)を参照ください。)
    志津野営場前バス停からネイチャーセンターがある自然博物園・玄海広場からスタートです。石跳川に沿って、緩やかに登っていきます。周囲はブナ林に包まれ、気持ちのよい山道が続きます。 途中いくつかの分岐があり、魅力的な森の散策路があります。ここでは川沿いに上流へと向かいます。春木戸跡でひと休み、明るい沢をゆったりと進みます。沢から離れて、木道が現れ、まもなくコルに出ます。湯殿山からの道と合流する装束場です。ここは、湯殿山に参拝する人が装束を整えたところといわれています。分岐を右に折れ、金姥へ。金姥で右に折れ姥ヶ岳山頂を目指します。この分岐から姥ヶ岳山頂への道にはヒナウスユキソウ、イワカガミなどが可憐に咲き競っています。まもなく三角点のある360度展望の姥ヶ岳山頂に着きます。(姥ヶ岳山頂からは弥陀ヶ原から月山山頂へ(コースガイド)を参照ください。)
  • 湯殿山神社から月山山頂へ

    湯殿山神社から月山山頂へ

    バスターミナルのある湯殿山参籠所からシャトルバスに乗り換え、5分ほどで湯殿山神社に着きます。ここから歩き始めますが、しばらくは参道を登拝者と一緒に進み、仙人沢を渡って左に折れて、登山道に入っていきます。 ここからは沢沿いの道を進み、堰堤が現れると、仙人沢に落ち込むように沢水が激しく流れてきます。この沢水を脇に見て、登りの難所、水月光が始まります。高度を上げていくと、今度は鉄バシゴの連続です。ここが金月光(姥月光)で、垂直に近いような道を体全体を使って登っていきます。 登り切って、ほっと広い空間に出れば、装束場。三方からの道がここで合流します。装束場は、湯殿山に参拝する人たちが、一方は羽黒山を発ち月山を越えて、また一方は志津から石跳沢をたどり、ここでわらじを履き替え装束を整えたところと言われており、まさに参道の交差点と言えます。 ここで左に道をとって月山山頂を目指します。清身川を渡り、ゆるやかに姥ヶ岳の北西面をたどりながら、金姥に出ます。さらに東に向かって気持ちのよい尾根道をたどり、柴灯森を経て牛首に出ます。前方に月山の最後の登りが目の前に迫りますがここでひと息入れましょう。 ここからのきつい岩場の道は鍛冶月光と呼ばれていますが、登り切ったあたりにかつては鍛冶小屋がありました。鍛冶小屋跡を過ぎると、まもなく頂上の一角、おおらかな月山山頂に到着です。右手に本道寺・岩根沢からのルート、肘折温泉からのルートと合流して山頂の月山神社に着きます。宿泊をプランに入れて頂上小屋に泊まるのもいいでしょう。 下山は、神社脇から羽黒コースを下っていきます。花畑が広がる木道道が終わると風衝地の大峰に出て、行者返を経て仏生池小屋に着きます。ここでゆったりと休憩をとりましょう。 畳石を過ぎ鍋割から無量坂を下ると、弥陀ヶ原の十字路に出ます。ここからは弥陀ヶ原湿原散策に時間をあてて周遊するのもよし、月山八合目駐車場に向かうのもいいでしょう。羽黒口からは鶴岡行きのバスが運行しています。
    バスターミナルのある湯殿山参籠所からシャトルバスに乗り換え、5分ほどで湯殿山神社に着きます。ここから歩き始めますが、しばらくは参道を登拝者と一緒に進み、仙人沢を渡って左に折れて、登山道に入っていきます。 ここからは沢沿いの道を進み、堰堤が現れると、仙人沢に落ち込むように沢水が激しく流れてきます。この沢水を脇に見て、登りの難所、水月光が始まります。高度を上げていくと、今度は鉄バシゴの連続です。ここが金月光(姥月光)で、垂直に近いような道を体全体を使って登っていきます。 登り切って、ほっと広い空間に出れば、装束場。三方からの道がここで合流します。装束場は、湯殿山に参拝する人たちが、一方は羽黒山を発ち月山を越えて、また一方は志津から石跳沢をたどり、ここでわらじを履き替え装束を整えたところと言われており、まさに参道の交差点と言えます。 ここで左に道をとって月山山頂を目指します。清身川を渡り、ゆるやかに姥ヶ岳の北西面をたどりながら、金姥に出ます。さらに東に向かって気持ちのよい尾根道をたどり、柴灯森を経て牛首に出ます。前方に月山の最後の登りが目の前に迫りますがここでひと息入れましょう。 ここからのきつい岩場の道は鍛冶月光と呼ばれていますが、登り切ったあたりにかつては鍛冶小屋がありました。鍛冶小屋跡を過ぎると、まもなく頂上の一角、おおらかな月山山頂に到着です。右手に本道寺・岩根沢からのルート、肘折温泉からのルートと合流して山頂の月山神社に着きます。宿泊をプランに入れて頂上小屋に泊まるのもいいでしょう。 下山は、神社脇から羽黒コースを下っていきます。花畑が広がる木道道が終わると風衝地の大峰に出て、行者返を経て仏生池小屋に着きます。ここでゆったりと休憩をとりましょう。 畳石を過ぎ鍋割から無量坂を下ると、弥陀ヶ原の十字路に出ます。ここからは弥陀ヶ原湿原散策に時間をあてて周遊するのもよし、月山八合目駐車場に向かうのもいいでしょう。羽黒口からは鶴岡行きのバスが運行しています。
  • 岩根沢登山口から月山山頂へ

    岩根沢登山口から月山山頂へ

    登山口までのアプローチがよくないため、マイカー利用でプランを立てましょう。車道終点に車を置き(駐車スペースはあまりなく、車道脇のスペースなどを利用)、岩根沢登山口から歩き出します。まもなく烏川(サカサ沢)に下る分岐に出ます。右に入ってブナ林の道を下っていきます。 平坦な烏川の河原に出ます。増水時には上流に少し向かい、左手から入り込んでいるナベクラ沢をやり過ごして、本流の烏川を渡ります。ここでは、状況の判断が要求されます。沢を渡り、再び美しいブナ林の道となります。途中、へずり状の箇所があります。気をつけて通過していきます。森林限界を抜け出て灌木の尾根道になり、まもなく清川行人小屋に出ます。ここで休憩を入れて、小屋前に延びる道を5分ほど上がると神社に出ます。神社からは360度の眺望が楽しめ、まだ遙かなりし月山が眺められます。 小屋脇を下り、ドウダン坂に向かう分岐を左に見て、直進して立谷沢川の源流になる清川を渡り、月山への道に入っていきます。ややきつい登りを終えると、月山の雄大な山域に入っていきます。 風景を楽しみながら進み、やがて本道寺からの道と合流して、胎内岩を経ておおらかな月山山頂の台地に出ます。月山山頂神社を往復して、この日は頂上小屋に泊まりましょう。頂上小屋は家族経営で温かさが魅力で、料理もバラエティに富んだ山菜が多くうれしい限りです。翌朝はご来光を楽しんだり、少しのんびりとした朝の時間を過ごすのもいいでしょう。 小屋を発ち、ひとつ目の分岐、肘折道を左に見て進み、まもなく、前日登ってきた道を確認して、本道寺・岩根沢コースに入っていきます。胎内岩をすぎ、本道寺への道を下りドウダン坂分岐に出ます。左手に向かえば、前日通ってきた清川行人小屋に出ますが、ここは直進して、気持ちのよい尾根道を行きます。 郡界で本道寺コースを右に見て直進し、左右に開ける風景を楽しみながら尾根道を淡々と下ります。振り返ると月山が遠くに見えます。地蔵森山をゆるやかに巻いていくとまもなく出発地点の岩根沢登山口に出ます。
    登山口までのアプローチがよくないため、マイカー利用でプランを立てましょう。車道終点に車を置き(駐車スペースはあまりなく、車道脇のスペースなどを利用)、岩根沢登山口から歩き出します。まもなく烏川(サカサ沢)に下る分岐に出ます。右に入ってブナ林の道を下っていきます。 平坦な烏川の河原に出ます。増水時には上流に少し向かい、左手から入り込んでいるナベクラ沢をやり過ごして、本流の烏川を渡ります。ここでは、状況の判断が要求されます。沢を渡り、再び美しいブナ林の道となります。途中、へずり状の箇所があります。気をつけて通過していきます。森林限界を抜け出て灌木の尾根道になり、まもなく清川行人小屋に出ます。ここで休憩を入れて、小屋前に延びる道を5分ほど上がると神社に出ます。神社からは360度の眺望が楽しめ、まだ遙かなりし月山が眺められます。 小屋脇を下り、ドウダン坂に向かう分岐を左に見て、直進して立谷沢川の源流になる清川を渡り、月山への道に入っていきます。ややきつい登りを終えると、月山の雄大な山域に入っていきます。 風景を楽しみながら進み、やがて本道寺からの道と合流して、胎内岩を経ておおらかな月山山頂の台地に出ます。月山山頂神社を往復して、この日は頂上小屋に泊まりましょう。頂上小屋は家族経営で温かさが魅力で、料理もバラエティに富んだ山菜が多くうれしい限りです。翌朝はご来光を楽しんだり、少しのんびりとした朝の時間を過ごすのもいいでしょう。 小屋を発ち、ひとつ目の分岐、肘折道を左に見て進み、まもなく、前日登ってきた道を確認して、本道寺・岩根沢コースに入っていきます。胎内岩をすぎ、本道寺への道を下りドウダン坂分岐に出ます。左手に向かえば、前日通ってきた清川行人小屋に出ますが、ここは直進して、気持ちのよい尾根道を行きます。 郡界で本道寺コースを右に見て直進し、左右に開ける風景を楽しみながら尾根道を淡々と下ります。振り返ると月山が遠くに見えます。地蔵森山をゆるやかに巻いていくとまもなく出発地点の岩根沢登山口に出ます。
  • 肘折登山口から念仏ヶ原へ

    肘折登山口から念仏ヶ原へ

    前泊、後泊を肘折温泉でとって、登山口まで宿の方に送迎していただき、歩き始めるのが便利です。マイカーでは駐車スペースに車を置き登山道に入っていきます。 肘折登山口から歩き出してまもなく大森山への登りに入っていきますが、途中から南面をトラバースしながら大森山西鞍部に出ます。ここでひと息入れましょう。周囲は気持ちのよいブナ林に包まれています。 さらに進むと、尾根北面の道になり、トチやミズナラの巨木の道に入っていきます。ここを抜けたあたりに、道の脇に湯殿山碑があります。 ゆるい尾根を越えて沢音が近づくと、猫又沢に出ます。大きなシズオタカラコウの黄色い花が印象的です。ブナの道が続き、やや登りがきつくなると、まもなく赤砂山の南稜に入ります。ここは大蔵村と庄内町の境で、下ると立谷沢の支流、赤沢川に出ます。ここは源頭部にあたるため水量は少なめです。沢を渡ってゆるやかな長い登り道に入っていきます。 鳥海山が遠望できる小岳山頂部を過ぎ、やや下ると花崗岩質がむきでた湿地に出ます。眺望も開け、振り返ると葉山が大きく見えます。木道が整備されていますが滑りやすいので気をつけていきましょう。三日月池の湿地をすぎ、下り道になり、回り込むようにして下ると、念仏ヶ原避難小屋に着きます。 小屋は念仏ヶ原湿原の入口にあり、ここから湿原探索に向かいます。湿原を背景におおらかな月山が望めます。少し足をのばして、立谷沢の本沢、清川の清流まで歩いてみてもいいでしょう。ここでは念仏ヶ原湿原探索を味わい、小屋に泊まってゆったりとした時間を過ごし、翌日も湿原の朝を存分に楽しみます。帰路は往路を忠実に戻ります。
    前泊、後泊を肘折温泉でとって、登山口まで宿の方に送迎していただき、歩き始めるのが便利です。マイカーでは駐車スペースに車を置き登山道に入っていきます。 肘折登山口から歩き出してまもなく大森山への登りに入っていきますが、途中から南面をトラバースしながら大森山西鞍部に出ます。ここでひと息入れましょう。周囲は気持ちのよいブナ林に包まれています。 さらに進むと、尾根北面の道になり、トチやミズナラの巨木の道に入っていきます。ここを抜けたあたりに、道の脇に湯殿山碑があります。 ゆるい尾根を越えて沢音が近づくと、猫又沢に出ます。大きなシズオタカラコウの黄色い花が印象的です。ブナの道が続き、やや登りがきつくなると、まもなく赤砂山の南稜に入ります。ここは大蔵村と庄内町の境で、下ると立谷沢の支流、赤沢川に出ます。ここは源頭部にあたるため水量は少なめです。沢を渡ってゆるやかな長い登り道に入っていきます。 鳥海山が遠望できる小岳山頂部を過ぎ、やや下ると花崗岩質がむきでた湿地に出ます。眺望も開け、振り返ると葉山が大きく見えます。木道が整備されていますが滑りやすいので気をつけていきましょう。三日月池の湿地をすぎ、下り道になり、回り込むようにして下ると、念仏ヶ原避難小屋に着きます。 小屋は念仏ヶ原湿原の入口にあり、ここから湿原探索に向かいます。湿原を背景におおらかな月山が望めます。少し足をのばして、立谷沢の本沢、清川の清流まで歩いてみてもいいでしょう。ここでは念仏ヶ原湿原探索を味わい、小屋に泊まってゆったりとした時間を過ごし、翌日も湿原の朝を存分に楽しみます。帰路は往路を忠実に戻ります。
  • 国宝五重塔をめぐり羽黒山頂へ

    国宝五重塔をめぐり羽黒山頂へ

    鶴岡からの定期バスは宿坊の建ち並ぶ手向の集落を抜け、社務所のある羽黒センターに着きます。往来の激しい入口から出羽三山神社の随身門をくぐって一歩入ると、ここからは杉木立に包まれた静かな道になります。苔むした道を下り橋を渡り進むと、左手、玉石の先に五重塔が建っています。近くには樹齢1000年を超えるといわれる爺杉があります。この谷の底から長い石畳の登り坂の参道となります。 一ノ坂を過ぎ二ノ坂を登ると左手に茶店が現れ、力餅などが食べられます。平坦な杉木立の中を行き、三ノ坂にかかる手前に南谷分岐があります。右に進むと南谷別院跡があり、広大な庭園から往時の面影を感じることができます。10分ほどたどれば着けるので、往復してみるのもいいでしょう。三ノ坂を登り切り、左手に斎館の道を見て進むと広々とした羽黒山頂に出ます。帰路は山頂部のバスターミナルに出て有料道路と平行するように荒沢寺への参道を下ります。荒沢寺からは山麓を周遊するようにして林道をたどり、起点の羽黒センターに出ます。
    鶴岡からの定期バスは宿坊の建ち並ぶ手向の集落を抜け、社務所のある羽黒センターに着きます。往来の激しい入口から出羽三山神社の随身門をくぐって一歩入ると、ここからは杉木立に包まれた静かな道になります。苔むした道を下り橋を渡り進むと、左手、玉石の先に五重塔が建っています。近くには樹齢1000年を超えるといわれる爺杉があります。この谷の底から長い石畳の登り坂の参道となります。 一ノ坂を過ぎ二ノ坂を登ると左手に茶店が現れ、力餅などが食べられます。平坦な杉木立の中を行き、三ノ坂にかかる手前に南谷分岐があります。右に進むと南谷別院跡があり、広大な庭園から往時の面影を感じることができます。10分ほどたどれば着けるので、往復してみるのもいいでしょう。三ノ坂を登り切り、左手に斎館の道を見て進むと広々とした羽黒山頂に出ます。帰路は山頂部のバスターミナルに出て有料道路と平行するように荒沢寺への参道を下ります。荒沢寺からは山麓を周遊するようにして林道をたどり、起点の羽黒センターに出ます。
  • 鉢子から古道をたどり羽黒山頂へ

    鉢子から古道をたどり羽黒山頂へ

    鉢子集落の外れに車道を利用した駐車帯があり、この羽黒古道鉢子登山口から歩き始めます。車道を横断して、民家の脇の道を上がっていきます。右手に水神様の湧水が現れ、少し進むと左手に地蔵堂があり、まもなく皇野分岐に出ます。左手に折れ羽黒古道に入ります。左手の瀬を渡って行者塚、古道に戻り、道脇の稚児塚などを過ぎて車道の終点に出ると山道に。ミズバショウのある湿地を過ぎて、みはらしの丘でひと休み。北方に鳥海山が望めます。林道を横断し杉とブナの混交林になると、出羽三山神社に出ます。標識がないので出口を確認しておきましょう。ここからは賑やかな雰囲気となります。山頂部にある斎館では、予約制で精進料理をいただけます。 羽黒山大鐘、三神合祭殿、鏡池を見て三ノ坂の上部に出ます。ここを下りきると分岐に出ます。本道から離れて、左に入ると南谷別院跡に出ます。ここからは山腹をトラバースするようにブナ林の山道をたどり、荒沢寺への参道に出て左に折れ、再び羽黒山頂を目指します。バスターミナルに出て、左ルートで蜂子皇子墓、羽黒大鐘に出ます。ここからは往路を羽黒古道鉢子登山口まで下ります。
    鉢子集落の外れに車道を利用した駐車帯があり、この羽黒古道鉢子登山口から歩き始めます。車道を横断して、民家の脇の道を上がっていきます。右手に水神様の湧水が現れ、少し進むと左手に地蔵堂があり、まもなく皇野分岐に出ます。左手に折れ羽黒古道に入ります。左手の瀬を渡って行者塚、古道に戻り、道脇の稚児塚などを過ぎて車道の終点に出ると山道に。ミズバショウのある湿地を過ぎて、みはらしの丘でひと休み。北方に鳥海山が望めます。林道を横断し杉とブナの混交林になると、出羽三山神社に出ます。標識がないので出口を確認しておきましょう。ここからは賑やかな雰囲気となります。山頂部にある斎館では、予約制で精進料理をいただけます。 羽黒山大鐘、三神合祭殿、鏡池を見て三ノ坂の上部に出ます。ここを下りきると分岐に出ます。本道から離れて、左に入ると南谷別院跡に出ます。ここからは山腹をトラバースするようにブナ林の山道をたどり、荒沢寺への参道に出て左に折れ、再び羽黒山頂を目指します。バスターミナルに出て、左ルートで蜂子皇子墓、羽黒大鐘に出ます。ここからは往路を羽黒古道鉢子登山口まで下ります。
  • 川入口から飯豊山へ

    川入口から飯豊山へ

    車道は御沢野営場から大白布沢沿いに伸びていますが、橋を渡った右手、大杉がある御沢小屋跡から登山道に入ります。車道を直進するのは大滝遊歩道ですが、2022年8月豪雨により橋は流失し、登山道も荒れています。迷い込みに注意して下さい。 下十五里、中十五里、上十五里と巨杉が目印になる広場が設置されており、休憩場所には事欠きません。 横峰小屋跡のすぐ先で、小白布作業道を合わせます。林道飯豊桧枝岐線の途中から林道に入るのですが、入口で施錠されています。歩道は登山道として認められておらず、緊急時のみの使用となります。なお途中の水場は涸れていることもあります。 横峰小屋跡から尾根を忠実に登る道は廃道になっています。巻道の途中にある地蔵水場には、道脇に冷たい清水が湧いています。 地蔵山と三国岳の鞍部から僅かに登ると両手を使った三点支持が必要になります。「天狗ノ橇乗場」と呼ばれるタカツコ沢と七森沢の露出した岸壁に挟まれた岩稜です。両側は鋭く落ち込んでいます。コースを外さないように慎重に通過します。 1610mの岩に「水」のマークがありますが、足場が悪く渇水時には細くなるためお勧めしません。下りの時に迷い込まないで下さい。 正面の護摩壇を東から登ると弥平四郎口からの登山道と合流します。山頂を占めている小屋脇から大日岳の眺めが素敵です。 三国小屋と本山小屋のトイレは天水利用の水洗トイレです。自分が使用する水を持参しましょう。駒返しの梯子は一部が欠損しているので注意しましょう。七森は西から巻きます。簡単な岩場もあるので足元に注意しましょう。初夏には種蒔山東側の残雪で滑落する登山者もいます。 大日杉小屋から登ってくる登山道が合流し、広い砂礫地になると切合小屋に到着します。この先からは本格的なお花畑となっていきます。草履塚登りの残雪が消えると水が取れることもあります。新しい履物に履き替えたこの先は、神聖な飯豊山神社の境内です。 鞍部には石垣の中に姥権現が鎮座しており、女人禁制の時代を物語っています。信仰登山時代に肝試しをした御秘所も現在は鎖が設置されています。御前坂は騙されやすい二段構えの登りです。視界がない時、どこが登山道なのかわかりにくいが、緑の紐が地面に張ってあるので参考にして登降するのがよいでしょう。 高い石垣の一ノ王子の先で東側に26m下ると清水があるので、本山小屋に泊まる場合はここで汲んで行きましょう。初夏には水場が残雪に埋まっていることが多いので注意してください。 飯豊山神社と併設されている本山小屋で、管理人に宿泊の申し出をし、ザックを置いたら三角点まで出かけてみましょう。一等三角点の名前に恥じることない素晴らしい展望が待っています。 下山は往路を引き返します。
    車道は御沢野営場から大白布沢沿いに伸びていますが、橋を渡った右手、大杉がある御沢小屋跡から登山道に入ります。車道を直進するのは大滝遊歩道ですが、2022年8月豪雨により橋は流失し、登山道も荒れています。迷い込みに注意して下さい。 下十五里、中十五里、上十五里と巨杉が目印になる広場が設置されており、休憩場所には事欠きません。 横峰小屋跡のすぐ先で、小白布作業道を合わせます。林道飯豊桧枝岐線の途中から林道に入るのですが、入口で施錠されています。歩道は登山道として認められておらず、緊急時のみの使用となります。なお途中の水場は涸れていることもあります。 横峰小屋跡から尾根を忠実に登る道は廃道になっています。巻道の途中にある地蔵水場には、道脇に冷たい清水が湧いています。 地蔵山と三国岳の鞍部から僅かに登ると両手を使った三点支持が必要になります。「天狗ノ橇乗場」と呼ばれるタカツコ沢と七森沢の露出した岸壁に挟まれた岩稜です。両側は鋭く落ち込んでいます。コースを外さないように慎重に通過します。 1610mの岩に「水」のマークがありますが、足場が悪く渇水時には細くなるためお勧めしません。下りの時に迷い込まないで下さい。 正面の護摩壇を東から登ると弥平四郎口からの登山道と合流します。山頂を占めている小屋脇から大日岳の眺めが素敵です。 三国小屋と本山小屋のトイレは天水利用の水洗トイレです。自分が使用する水を持参しましょう。駒返しの梯子は一部が欠損しているので注意しましょう。七森は西から巻きます。簡単な岩場もあるので足元に注意しましょう。初夏には種蒔山東側の残雪で滑落する登山者もいます。 大日杉小屋から登ってくる登山道が合流し、広い砂礫地になると切合小屋に到着します。この先からは本格的なお花畑となっていきます。草履塚登りの残雪が消えると水が取れることもあります。新しい履物に履き替えたこの先は、神聖な飯豊山神社の境内です。 鞍部には石垣の中に姥権現が鎮座しており、女人禁制の時代を物語っています。信仰登山時代に肝試しをした御秘所も現在は鎖が設置されています。御前坂は騙されやすい二段構えの登りです。視界がない時、どこが登山道なのかわかりにくいが、緑の紐が地面に張ってあるので参考にして登降するのがよいでしょう。 高い石垣の一ノ王子の先で東側に26m下ると清水があるので、本山小屋に泊まる場合はここで汲んで行きましょう。初夏には水場が残雪に埋まっていることが多いので注意してください。 飯豊山神社と併設されている本山小屋で、管理人に宿泊の申し出をし、ザックを置いたら三角点まで出かけてみましょう。一等三角点の名前に恥じることない素晴らしい展望が待っています。 下山は往路を引き返します。
  • 弥平四郎口から三国岳へ(松平峠コース・上ノ越コース)

    弥平四郎口から三国岳へ(松平峠コース・上ノ越コース)

    弥平四郎集落先で、山菜や茸の時期にゲートが閉じられていることもありますが、申し出れば開けてくれます。林道終点には広い駐車場が完備されており、移動式トイレも設置されています。 駐車場から車道を若干戻ると、弥平四郎登山口に大きな看板があります。ここから祓川に降りて橋を渡り、対岸の尾根末端に取り付きます。 河岸段丘に上がると、ブナ林の中に通年無人の祓川山荘があります。 ブナ林を快適に登って行きます。崩れている場所には巻道が設けられています。登る時、下だけを見てると迷う所があるので、確認しながら登っていきます。登山道が小沢を横切っている「十森」の水場でひと休みします。途中で当てにできる水場はここだけですし、三国小屋にも良い水場はないので留意しましょう。 林の中からトンネルを抜けるようにして松平峠に出ます。これから上の尾根道は裸地化しており、夏は日差しが照りつけます。栂峰や吾妻連峰が見えてきますが、双耳峰の磐梯山が分かりやすいです。 猪鼻は水場に下る踏み跡も藪に覆われ、標識もなくなりました。当てにしないでください。 疣岩山手前の疣岩分岐で上ノ越コースと合流します。疣岩山西側を横切って木立の中を進むと分岐があります。左に進むと小さな湿地「獅子沼」で踏み跡がなくなります。下山時には注意しましょう。 疣岩山々頂で大日岳から三国岳まで見渡せる展望を楽しみます。鞍部に下って登り返します。右手から登ってくる尾根の合流点に朽ちた道標が立っています。 小屋が近づくと、タカツコ沢源頭スラブ状岸壁の剣ヶ峰岩稜を登ってくる登山者達がシルエットになって、飯豊らしからぬ幻想的な風景を見せてくれます。三国岳山頂に立つ三国小屋で、川入口から登ってくる登山道と合流します。 下りは、疣岩分岐から県境尾根を下ります。巻岩山は山頂を知らずに通り過ぎ、道は一気に下り始めます。この登山道は比較的新しく整備されたものです。1297m峰からはキタゴヨウに替わって、ブナの大木が出てきます。 上ノ越から足元に注意して下ると、素晴らしいブナ達に吸い込まれます。振り返ればブナ林というよりも「ブナの森」と呼びたくなる神々しさが溢れています。ここを歩くだけでこの尾根を下る価値があります。 1082m峰を過ぎれば、後はナラの生える急坂を一気に下ります。最後に細い流れの小沢を渡れば、大きな看板の脇から弥平四郎登山口の駐車場に躍り出ます。
    弥平四郎集落先で、山菜や茸の時期にゲートが閉じられていることもありますが、申し出れば開けてくれます。林道終点には広い駐車場が完備されており、移動式トイレも設置されています。 駐車場から車道を若干戻ると、弥平四郎登山口に大きな看板があります。ここから祓川に降りて橋を渡り、対岸の尾根末端に取り付きます。 河岸段丘に上がると、ブナ林の中に通年無人の祓川山荘があります。 ブナ林を快適に登って行きます。崩れている場所には巻道が設けられています。登る時、下だけを見てると迷う所があるので、確認しながら登っていきます。登山道が小沢を横切っている「十森」の水場でひと休みします。途中で当てにできる水場はここだけですし、三国小屋にも良い水場はないので留意しましょう。 林の中からトンネルを抜けるようにして松平峠に出ます。これから上の尾根道は裸地化しており、夏は日差しが照りつけます。栂峰や吾妻連峰が見えてきますが、双耳峰の磐梯山が分かりやすいです。 猪鼻は水場に下る踏み跡も藪に覆われ、標識もなくなりました。当てにしないでください。 疣岩山手前の疣岩分岐で上ノ越コースと合流します。疣岩山西側を横切って木立の中を進むと分岐があります。左に進むと小さな湿地「獅子沼」で踏み跡がなくなります。下山時には注意しましょう。 疣岩山々頂で大日岳から三国岳まで見渡せる展望を楽しみます。鞍部に下って登り返します。右手から登ってくる尾根の合流点に朽ちた道標が立っています。 小屋が近づくと、タカツコ沢源頭スラブ状岸壁の剣ヶ峰岩稜を登ってくる登山者達がシルエットになって、飯豊らしからぬ幻想的な風景を見せてくれます。三国岳山頂に立つ三国小屋で、川入口から登ってくる登山道と合流します。 下りは、疣岩分岐から県境尾根を下ります。巻岩山は山頂を知らずに通り過ぎ、道は一気に下り始めます。この登山道は比較的新しく整備されたものです。1297m峰からはキタゴヨウに替わって、ブナの大木が出てきます。 上ノ越から足元に注意して下ると、素晴らしいブナ達に吸い込まれます。振り返ればブナ林というよりも「ブナの森」と呼びたくなる神々しさが溢れています。ここを歩くだけでこの尾根を下る価値があります。 1082m峰を過ぎれば、後はナラの生える急坂を一気に下ります。最後に細い流れの小沢を渡れば、大きな看板の脇から弥平四郎登山口の駐車場に躍り出ます。