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検索結果603件中  441-460件
  • 牛斬山・福智山・尺岳縦走

    牛斬山・福智山・尺岳縦走

    牛斬山(うしきりやま)は、JR日田彦山線の採銅所駅からアクセスできる登山コースが特徴です。駅前には牛斬山や香春岳の案内標識が立っているのが珍しいポイントです。駅から南の踏切を渡り、集落を上がると登山口に到着します。そこから杉林の中を谷沿いに進み、約1時間でコルに到達します。コルからは左にひと登りして牛斬山の山頂に着きます。 牛斬山の山頂からは、香春岳一ノ岳が輪切りのように見える広い草地の景色が広がり、素晴らしい眺望を楽しむことができます。牛斬山は主稜線から外れた位置にあり、縦走路は西側を通って牛斬峠や五徳越峠につながり、香春岳へ向かうことができます。 コルに戻り、北に進むと稜線上に広く切り開かれた防火帯が現れます。最初の625.0mのピークを登ることで、この縦走の洗礼を受けることになります。しばらくは眺望を楽しみながら稜線を進むと、焼立山の急登が待ち受けています。草地がまっすぐに延びる防火帯の風景は圧倒的で、登山者の姿が小さく見えるほどです。 焼立山からは、右に折れると赤牟田の辻に到達します。ここが縦走の半ば地点で、行く手に福智山が見えてきます。別名「念仏坂」と呼ばれる標高差140mの下りがあり、ジグザグに慎重に下る必要があります。下りきった後は、防火帯が終わり、自然林の中を進みます。ススキが多くなると福智山が近づき、835mのピーク直下で右から頂吉コースが合流します。 正面に福智山の美しい山容を見ながら、ススキの道を進んでいくと、左から八丁辻、右から鈴ヶ岩屋の道と合流し、福智山の山頂に到着します。
    牛斬山(うしきりやま)は、JR日田彦山線の採銅所駅からアクセスできる登山コースが特徴です。駅前には牛斬山や香春岳の案内標識が立っているのが珍しいポイントです。駅から南の踏切を渡り、集落を上がると登山口に到着します。そこから杉林の中を谷沿いに進み、約1時間でコルに到達します。コルからは左にひと登りして牛斬山の山頂に着きます。 牛斬山の山頂からは、香春岳一ノ岳が輪切りのように見える広い草地の景色が広がり、素晴らしい眺望を楽しむことができます。牛斬山は主稜線から外れた位置にあり、縦走路は西側を通って牛斬峠や五徳越峠につながり、香春岳へ向かうことができます。 コルに戻り、北に進むと稜線上に広く切り開かれた防火帯が現れます。最初の625.0mのピークを登ることで、この縦走の洗礼を受けることになります。しばらくは眺望を楽しみながら稜線を進むと、焼立山の急登が待ち受けています。草地がまっすぐに延びる防火帯の風景は圧倒的で、登山者の姿が小さく見えるほどです。 焼立山からは、右に折れると赤牟田の辻に到達します。ここが縦走の半ば地点で、行く手に福智山が見えてきます。別名「念仏坂」と呼ばれる標高差140mの下りがあり、ジグザグに慎重に下る必要があります。下りきった後は、防火帯が終わり、自然林の中を進みます。ススキが多くなると福智山が近づき、835mのピーク直下で右から頂吉コースが合流します。 正面に福智山の美しい山容を見ながら、ススキの道を進んでいくと、左から八丁辻、右から鈴ヶ岩屋の道と合流し、福智山の山頂に到着します。
  • 大台ヶ原から大杉谷へ

    大台ヶ原から大杉谷へ

    大台山上駐車場から道標に従って日出ヶ岳に向かいます。40分ほどで日出ヶ岳の山頂に着きます。雄大な展望を楽しんだら、大杉谷へと三重県側に延びた尾根を下っていきます。トウヒ、ブナが枝葉を広げ、シャクナゲが尾根を埋めていて陽春には沿道を彩ります。木々のたたずまいを見て下っていけば、林道に出る手前に堂倉避難小屋があります。 小屋の前から石段を下り、大台林道に出たら右折し、すぐの分岐で左の山道に入ります。林道を左へ行けば粟谷小屋があり、シーズン中は営業しています。堂倉滝へ下る道は、急坂となり、足場も悪いので、足運びには注意して下さい。長い下りに飽きが来る頃、西ノ谷との出合い、堂倉滝の前面に降り立ちます。落差18m、広い滝壺は美しく、絶好の憩い場です。 滝前の堂倉滝吊橋、堂倉吊橋を渡ります。岩壁伝いに進むと、対岸に与八郎滝が見えます。そこから5分ほどで足元に隠滝が見えます。岩肌に沿って急傾斜を下ると、光滝(落差40m)が眺められます。光滝から約1kmは右岸伝いに進みますが、ここが大崩落のあったところで、現在は修復されていますが、足場の悪い箇所もあるので注意が必要です。右から沖見沢が流れ込み、七ツ釜滝上吊橋を渡ります。岩壁内に付けられた小道を絡んで下れば休憩所があり、七ツ釜滝が三段に分かれて優美な姿を見せています。初日の探勝はこれで終わり、今宵の宿、桃ノ木山の家はここから25分の道のりです。秋にはカエデの紅葉が見事な道です。 2日目、桃ノ木吊橋を対岸に渡り、左に不動谷の出合いを見送り右岸を伝います。加茂助吊橋を渡ると、行く手に平等嵓の大岩壁がそそり立ち、その前面を通過します。平等嵓吊橋を左岸に渡ると、対岸にニコニコ滝が二段50mの高さで堂々と落下しています。前面に建つ休憩所を離れ、10分も下ると河原に出て猪ケ淵に着きます。 クグリと呼ばれる岩の重なりをくぐり、左岸の高みを上下を繰り返しながらたどります。やがて右岸の枝谷から千尋滝が透明の玉すだれをかけた形で落ち、その落差は160mといわれ、大杉谷に見る最大の滝です。これで名のある滝は終わり、あとはただ下るのみです。対岸に水越谷出合を過ぎ、道は一旦河原に出て、地獄谷吊橋に続いて能谷を渡るとワイドスクリーンのような大日嵓のスラブ壁が眼前に展開します。岩壁内を通り抜け宮川第三発電所に着きます。ここから約15分先の大杉峡谷登山口に出て、予約しておいたバスで、道の駅奥伊勢おおだいに出ます。
    大台山上駐車場から道標に従って日出ヶ岳に向かいます。40分ほどで日出ヶ岳の山頂に着きます。雄大な展望を楽しんだら、大杉谷へと三重県側に延びた尾根を下っていきます。トウヒ、ブナが枝葉を広げ、シャクナゲが尾根を埋めていて陽春には沿道を彩ります。木々のたたずまいを見て下っていけば、林道に出る手前に堂倉避難小屋があります。 小屋の前から石段を下り、大台林道に出たら右折し、すぐの分岐で左の山道に入ります。林道を左へ行けば粟谷小屋があり、シーズン中は営業しています。堂倉滝へ下る道は、急坂となり、足場も悪いので、足運びには注意して下さい。長い下りに飽きが来る頃、西ノ谷との出合い、堂倉滝の前面に降り立ちます。落差18m、広い滝壺は美しく、絶好の憩い場です。 滝前の堂倉滝吊橋、堂倉吊橋を渡ります。岩壁伝いに進むと、対岸に与八郎滝が見えます。そこから5分ほどで足元に隠滝が見えます。岩肌に沿って急傾斜を下ると、光滝(落差40m)が眺められます。光滝から約1kmは右岸伝いに進みますが、ここが大崩落のあったところで、現在は修復されていますが、足場の悪い箇所もあるので注意が必要です。右から沖見沢が流れ込み、七ツ釜滝上吊橋を渡ります。岩壁内に付けられた小道を絡んで下れば休憩所があり、七ツ釜滝が三段に分かれて優美な姿を見せています。初日の探勝はこれで終わり、今宵の宿、桃ノ木山の家はここから25分の道のりです。秋にはカエデの紅葉が見事な道です。 2日目、桃ノ木吊橋を対岸に渡り、左に不動谷の出合いを見送り右岸を伝います。加茂助吊橋を渡ると、行く手に平等嵓の大岩壁がそそり立ち、その前面を通過します。平等嵓吊橋を左岸に渡ると、対岸にニコニコ滝が二段50mの高さで堂々と落下しています。前面に建つ休憩所を離れ、10分も下ると河原に出て猪ケ淵に着きます。 クグリと呼ばれる岩の重なりをくぐり、左岸の高みを上下を繰り返しながらたどります。やがて右岸の枝谷から千尋滝が透明の玉すだれをかけた形で落ち、その落差は160mといわれ、大杉谷に見る最大の滝です。これで名のある滝は終わり、あとはただ下るのみです。対岸に水越谷出合を過ぎ、道は一旦河原に出て、地獄谷吊橋に続いて能谷を渡るとワイドスクリーンのような大日嵓のスラブ壁が眼前に展開します。岩壁内を通り抜け宮川第三発電所に着きます。ここから約15分先の大杉峡谷登山口に出て、予約しておいたバスで、道の駅奥伊勢おおだいに出ます。
  • 宮ノ谷出合から池木屋山・野江股ノ頭へ

    宮ノ谷出合から池木屋山・野江股ノ頭へ

    池木屋山から東に派生する東尾根は野江股ノ頭から白倉山へと連なり、そこから北へ大熊の頭、迷岳へと延びる山稜と、東へ古ヶ丸山、清治山へと延びる山稜に分かれ、いずれも台高山脈の前衛峰として知られています。ガイドでは1泊2日のコースとして、宮ノ谷から池木屋山に至り東尾根を縦走して野江股ノ頭を踏み、ナンノキ平を経て絵馬小屋谷へと下るコースを紹介します。 1日目、宮ノ谷出合から池木屋山までは宮ノ谷出合から池木屋山へ(コースガイド)を参照して下さい。京阪神を朝発の場合、山行初日は奥ノ出合でビバークとなります。 2日目、早朝に出発し池木屋山を目指します。池木屋山から四方に分かれる分岐を東に取り、右に分岐する焼山ノ尾を見送り、東尾根を東進。ブナ林の中を緩やかに上下して行くと、1時間ほどで1332mピークに達します。振り返ると池木屋山が美しい姿を見せています。次の1223mピークにかけては北には三峰山から高見山に続く山稜と、南には大台ヶ原へと延びる主稜線が樹林を透して眺められます。緩やかな起伏を進むと尾根は大きく二方に分かれ、ここは左(真北に折れる)の尾根を取って下りますが、間違いやすいので地図やGPSで確認してください。 高度差にして180mほど下った鞍部が水越で、左の水越谷に少し下ると水が得られます。 ブナ、ヒメシャラの樹林中、岩稜の急斜をあえぎ登るとコブに達する。地形図に破線記号が宮ノ谷方面へと記載されているところですが、既に廃道となっています。ここで、右に折れ登り返したピークが野江股ノ頭で、3等三角点の標石があります。展望が得られないものの、人の訪れの少ない静かな山頂です。 山頂を辞して100mほど下り、少し登り返した二つ目のコブが1226mピークで、おおらかな台地となっています。ここから東へ延びる稜線は白倉山へと続き、踏み跡程度の小道が通じています。下山の野江股出合には左に折れ緩やかな尾根を下って行きます。ミズナラの巨木が枝葉を広げるナンノキ平を過ぎ、標高が1000mを切ると杉・檜の植林帯に変わり、変化のない山道を下って行くと、やがて野江股谷出合に着きます。谷を対岸に渡れば広場となっていてここまで林道が通じていて5~6台の駐車スペース(4WD車ならここまで入れる)があり、あとは絵馬小屋谷に沿う林道を歩き県道蓮峡線(江馬小屋谷出合)に出て山歩きは終わりです。
    池木屋山から東に派生する東尾根は野江股ノ頭から白倉山へと連なり、そこから北へ大熊の頭、迷岳へと延びる山稜と、東へ古ヶ丸山、清治山へと延びる山稜に分かれ、いずれも台高山脈の前衛峰として知られています。ガイドでは1泊2日のコースとして、宮ノ谷から池木屋山に至り東尾根を縦走して野江股ノ頭を踏み、ナンノキ平を経て絵馬小屋谷へと下るコースを紹介します。 1日目、宮ノ谷出合から池木屋山までは宮ノ谷出合から池木屋山へ(コースガイド)を参照して下さい。京阪神を朝発の場合、山行初日は奥ノ出合でビバークとなります。 2日目、早朝に出発し池木屋山を目指します。池木屋山から四方に分かれる分岐を東に取り、右に分岐する焼山ノ尾を見送り、東尾根を東進。ブナ林の中を緩やかに上下して行くと、1時間ほどで1332mピークに達します。振り返ると池木屋山が美しい姿を見せています。次の1223mピークにかけては北には三峰山から高見山に続く山稜と、南には大台ヶ原へと延びる主稜線が樹林を透して眺められます。緩やかな起伏を進むと尾根は大きく二方に分かれ、ここは左(真北に折れる)の尾根を取って下りますが、間違いやすいので地図やGPSで確認してください。 高度差にして180mほど下った鞍部が水越で、左の水越谷に少し下ると水が得られます。 ブナ、ヒメシャラの樹林中、岩稜の急斜をあえぎ登るとコブに達する。地形図に破線記号が宮ノ谷方面へと記載されているところですが、既に廃道となっています。ここで、右に折れ登り返したピークが野江股ノ頭で、3等三角点の標石があります。展望が得られないものの、人の訪れの少ない静かな山頂です。 山頂を辞して100mほど下り、少し登り返した二つ目のコブが1226mピークで、おおらかな台地となっています。ここから東へ延びる稜線は白倉山へと続き、踏み跡程度の小道が通じています。下山の野江股出合には左に折れ緩やかな尾根を下って行きます。ミズナラの巨木が枝葉を広げるナンノキ平を過ぎ、標高が1000mを切ると杉・檜の植林帯に変わり、変化のない山道を下って行くと、やがて野江股谷出合に着きます。谷を対岸に渡れば広場となっていてここまで林道が通じていて5~6台の駐車スペース(4WD車ならここまで入れる)があり、あとは絵馬小屋谷に沿う林道を歩き県道蓮峡線(江馬小屋谷出合)に出て山歩きは終わりです。
  • 大又から明神平をへて池木屋山へ

    大又から明神平をへて池木屋山へ

    大又バス停から林道終点(登山口)まで進みます。明神滝からはつづら折れにかかり、登り詰めると明るく開けた明神平に着きます。南へスキー場跡の草原を三ツ塚へと登って行きます。三ツ塚で薊岳への道を分け、左折して明神岳へはなだらかな登りで達します。 展望はないもののブナの素晴らしい林相が、この先笹ヶ峰まで続いていて、その美しさに魅せられます。桧塚奥峰への分岐を見送り直進すると、狭い尾根の下りの後、広い尾根に変わります。笹ヶ峰に近づくと稜線はおおらかになり、主稜線と枝尾根の区別がつきにくいので注意が必要です。 笹ヶ峰から千石山までの間はやせ尾根になっていて、下り切った鞍部が瀬戸越で、かつて蓮と瀬戸を結ぶ峠道が越えていましたが、今は廃道となっています。ブナの美林を見ながら登り詰めると千石山(奥ノ迷峰)で、三角点のある山頂は登り着いた西端にあります。東側にはコブがあり、目指す赤嵓山方面の展望が得られます。赤嵓山へは南に折れ急斜面を下ると、小さな清流が流れる水場になっています。1日目はここが泊まり場となります。 2日目は、早朝出発。小さな起伏を繰り返し、赤嵓山への登りとなります。時折眺望が開ける尾根道を登り切ると赤嵓山山頂に立ちます。 赤嵓山からは千里峰、奥ノ平峰を越え、霧降山までは30分ほどの道のりです。霧降山からは稜線漫歩で池木屋山の名の起こりとなった小屋池の湿地に出ます。小屋池からはブナ林を登り詰めて池木屋山の山頂に到着です。 山頂を辞したら下山は宮ノ谷へと下ります。奥ノ出合へと標高差580mの急坂の下りが続くので、足運びには注意して下さい。急斜の下りの末端は左へと山腹を絡み奥ノ出合へと降り立ちます。谷を対岸に渡ると急な下りとなり、右岸に渡り返します(渡渉地点にはテープがある)。ドッサリ滝15mをみて右岸を行くと、左岸に渡り返し、猫滝15mを絡んで下ります。ここから高滝までは絶壁に付けられた急峻な道となり、過去には転落事故が何回も起きているので慎重な行動が必要です。高滝の直下で岩を飛んで右岸に移ります。ここからは整備された散策道となり、右岸を絡んで10分も下ると岳魂碑の立つ風折谷出合に着きます。 風折谷出合からは六曲岩や千丈嵓を対岸に仰ぎ、岩壁に架かる鉄橋をいくつか渡り、谷沿いの道を伝うと、犬飛びの分岐。右に折れると両岸接した絶壁となり犬飛嵓に出ます。元の分岐に戻り、杉・檜の植林の中を行くとほどなく林道終点(登山口)です。あとは予約しておいたタクシーで榛原駅に出ます。
    大又バス停から林道終点(登山口)まで進みます。明神滝からはつづら折れにかかり、登り詰めると明るく開けた明神平に着きます。南へスキー場跡の草原を三ツ塚へと登って行きます。三ツ塚で薊岳への道を分け、左折して明神岳へはなだらかな登りで達します。 展望はないもののブナの素晴らしい林相が、この先笹ヶ峰まで続いていて、その美しさに魅せられます。桧塚奥峰への分岐を見送り直進すると、狭い尾根の下りの後、広い尾根に変わります。笹ヶ峰に近づくと稜線はおおらかになり、主稜線と枝尾根の区別がつきにくいので注意が必要です。 笹ヶ峰から千石山までの間はやせ尾根になっていて、下り切った鞍部が瀬戸越で、かつて蓮と瀬戸を結ぶ峠道が越えていましたが、今は廃道となっています。ブナの美林を見ながら登り詰めると千石山(奥ノ迷峰)で、三角点のある山頂は登り着いた西端にあります。東側にはコブがあり、目指す赤嵓山方面の展望が得られます。赤嵓山へは南に折れ急斜面を下ると、小さな清流が流れる水場になっています。1日目はここが泊まり場となります。 2日目は、早朝出発。小さな起伏を繰り返し、赤嵓山への登りとなります。時折眺望が開ける尾根道を登り切ると赤嵓山山頂に立ちます。 赤嵓山からは千里峰、奥ノ平峰を越え、霧降山までは30分ほどの道のりです。霧降山からは稜線漫歩で池木屋山の名の起こりとなった小屋池の湿地に出ます。小屋池からはブナ林を登り詰めて池木屋山の山頂に到着です。 山頂を辞したら下山は宮ノ谷へと下ります。奥ノ出合へと標高差580mの急坂の下りが続くので、足運びには注意して下さい。急斜の下りの末端は左へと山腹を絡み奥ノ出合へと降り立ちます。谷を対岸に渡ると急な下りとなり、右岸に渡り返します(渡渉地点にはテープがある)。ドッサリ滝15mをみて右岸を行くと、左岸に渡り返し、猫滝15mを絡んで下ります。ここから高滝までは絶壁に付けられた急峻な道となり、過去には転落事故が何回も起きているので慎重な行動が必要です。高滝の直下で岩を飛んで右岸に移ります。ここからは整備された散策道となり、右岸を絡んで10分も下ると岳魂碑の立つ風折谷出合に着きます。 風折谷出合からは六曲岩や千丈嵓を対岸に仰ぎ、岩壁に架かる鉄橋をいくつか渡り、谷沿いの道を伝うと、犬飛びの分岐。右に折れると両岸接した絶壁となり犬飛嵓に出ます。元の分岐に戻り、杉・檜の植林の中を行くとほどなく林道終点(登山口)です。あとは予約しておいたタクシーで榛原駅に出ます。
  • 杉谷から高見山をへて明神平へ

    杉谷から高見山をへて明神平へ

    高見山から南の明神平へと向かう縦走路は台高山脈の中でもササ原が多くなだらかで、女性的な山容の山となっています。かつては大和と伊勢を結んだ道の名残を示す伊勢辻、源義経伝説のある馬駈場、2等三角点の国見山へと縦走し、大又へと下るコースは素晴らしい展望風景と四季の花が目を楽しませてくれます。 高見登山口から高見山までは杉谷から高見山へ(コースガイド)を参照してください。高見山から南へ向かい、樹林の中、ジグザグの急斜面を一気に駆け下り高見峠(大峠)に出ます。この峠は旧伊勢南街道の最大の難所で、大管の人たちの杖を止めたところとしても知られています。 雲ヶ瀬山へは、峠にある道標を見て小道に入ります。クマザサが茂る中テープを目印に進むと、カラマツの植林がまばらに現れ、道はやがて雲ヶ瀬山に向かう登りにさしかかり、振り返ると高見山の山容が大きく垣間見られます。雲ヶ瀬山のピークは樹林に囲まれ展望は得られません。ここから南タワ、ハッピノタワと起伏を越えて、背丈ほどのササヤブを分けて登行するとハンシ山の頂ですが、ここも檜植林に囲まれ展望はありません。 右寄りに尾根上を進み地蔵谷頭を過ぎると、左手三重県側はアカマツと雑木の自然林に変わり、南へ樹林の中を登り直すと伊勢辻に到着し、大又方面からの道が出合います。辻を左へ進めばわずかで伊勢辻山山頂です。 広い眺めを楽しみながら下ると、赤ゾレ山との鞍部に出ます。赤ゾレ山は登らず南側の裾を伝いますが、時間が許せば山頂からのワイドな展望を楽しむのも良いでしょう。馬駈ヶ辻に出ると、左に木梶山への小道が分岐します。正面に国見山を望みながらスズタケの茂みを分け、バイケイソウの群落を足元に見て登ると国見山の山頂に着きます。 国見山から少し下ったところにウシロ嵓があり、岩頭からは薊岳と背後に大峰のスカイラインが遠望できます。あとは水無山の隆起を越えれば泊まり場、明神平はすぐそこです。 翌日は明神谷沿いに大又へと下ります。道は急ですがよく踏まれていて迷うことはありません。小さな谷を何本か過ぎると明神滝が見えます。その先、道は谷沿いとなり、やがて鉄橋を渡るとほどなく林道終点(登山口)で、あとはのんびり林道を歩いて大又バス停に向かいます。
    高見山から南の明神平へと向かう縦走路は台高山脈の中でもササ原が多くなだらかで、女性的な山容の山となっています。かつては大和と伊勢を結んだ道の名残を示す伊勢辻、源義経伝説のある馬駈場、2等三角点の国見山へと縦走し、大又へと下るコースは素晴らしい展望風景と四季の花が目を楽しませてくれます。 高見登山口から高見山までは杉谷から高見山へ(コースガイド)を参照してください。高見山から南へ向かい、樹林の中、ジグザグの急斜面を一気に駆け下り高見峠(大峠)に出ます。この峠は旧伊勢南街道の最大の難所で、大管の人たちの杖を止めたところとしても知られています。 雲ヶ瀬山へは、峠にある道標を見て小道に入ります。クマザサが茂る中テープを目印に進むと、カラマツの植林がまばらに現れ、道はやがて雲ヶ瀬山に向かう登りにさしかかり、振り返ると高見山の山容が大きく垣間見られます。雲ヶ瀬山のピークは樹林に囲まれ展望は得られません。ここから南タワ、ハッピノタワと起伏を越えて、背丈ほどのササヤブを分けて登行するとハンシ山の頂ですが、ここも檜植林に囲まれ展望はありません。 右寄りに尾根上を進み地蔵谷頭を過ぎると、左手三重県側はアカマツと雑木の自然林に変わり、南へ樹林の中を登り直すと伊勢辻に到着し、大又方面からの道が出合います。辻を左へ進めばわずかで伊勢辻山山頂です。 広い眺めを楽しみながら下ると、赤ゾレ山との鞍部に出ます。赤ゾレ山は登らず南側の裾を伝いますが、時間が許せば山頂からのワイドな展望を楽しむのも良いでしょう。馬駈ヶ辻に出ると、左に木梶山への小道が分岐します。正面に国見山を望みながらスズタケの茂みを分け、バイケイソウの群落を足元に見て登ると国見山の山頂に着きます。 国見山から少し下ったところにウシロ嵓があり、岩頭からは薊岳と背後に大峰のスカイラインが遠望できます。あとは水無山の隆起を越えれば泊まり場、明神平はすぐそこです。 翌日は明神谷沿いに大又へと下ります。道は急ですがよく踏まれていて迷うことはありません。小さな谷を何本か過ぎると明神滝が見えます。その先、道は谷沿いとなり、やがて鉄橋を渡るとほどなく林道終点(登山口)で、あとはのんびり林道を歩いて大又バス停に向かいます。
  • 土樽から蓬峠~土合

    土樽から蓬峠~土合

    土樽から歩いても、土合から歩いても、体力的にはあまり変わりはないですが、蓬峠ヒュッテに宿泊する場合は、行きに水場がある土樽から登るとよいでしょう。コース上にはピークはありませんが、山歩きの楽しみは十分味わえます。余裕があれば展望のよい武能岳を往復してもいいでしょう。日本海と太平洋をへだてる峠を越える、いかにも上信越国境の山らしい、山歩きが楽しめます。健脚ならば日帰りも可能です。 1日目。無人駅のJR上越線土樽駅を出て右に向かい、しばらくは車道を蓬沢方面に歩いていきます。いくつか分岐がありますが、道標に従って、正面に蓬峠方面を見ながら歩いていくことになります。やがて、車が5台程度停めることができる林道の終点を通り、蓬新道の山道に入ります。沢沿いの山道で、何度も沢を渡るので、増水時には特に注意が必要です。東俣沢出合は岩を跳ぶように渡渉します。右岸を離れ、ジグザグに急斜面を切りながら、ただ蓬峠まで登っていきます。 中の休場で休憩したら、なだらかな登りとジグザグの急登を繰り返しながら登ります。周囲の木々が低くなって、背が高いチシマザサの笹原になってくると水場です。蓬峠はもう少し。蓬峠の蓬ヒュッテは2015年に改築され、2017年にはバイオトイレができました。食事も提供され、寝具もある営業小屋で、宿泊には予約が必要です。 2日目。蓬峠ヒュッテから南に尾根をたどると、すぐに武能岳へ通じる尾根から離れる分岐に出ます。分岐は左に行くと、赤城山を正面に、左には朝日岳を見ながら展望のよい山道をどんどん下ります。尾根上には、緊急時のみ使用できる小さな白樺避難小屋があります。小屋を過ぎると、背があまり高くないブナの森になり、急坂をどんどん下っていきます。やがて勾配は緩まり、増水時の渡渉に注意が必要な武能沢を渡って、岩場のトラバースを通り抜けます。芝倉沢を渡る際は大岩がごろごろした河原なのでルートに注意して歩きましょう。湯檜曽川を下に見ながら右岸をゆっくりと下り、ブナやトチノキの巨木の森を歩きます。JR見張小屋の脇を通り、さらにブナの巨木の林を抜けて、鉄の階段を下ると林道に出るので、しばらく歩くと土合橋です。最後に車道を下ると、下りホームが「日本一のモグラ駅」として知られるJR上越線土合駅に到着します。
    土樽から歩いても、土合から歩いても、体力的にはあまり変わりはないですが、蓬峠ヒュッテに宿泊する場合は、行きに水場がある土樽から登るとよいでしょう。コース上にはピークはありませんが、山歩きの楽しみは十分味わえます。余裕があれば展望のよい武能岳を往復してもいいでしょう。日本海と太平洋をへだてる峠を越える、いかにも上信越国境の山らしい、山歩きが楽しめます。健脚ならば日帰りも可能です。 1日目。無人駅のJR上越線土樽駅を出て右に向かい、しばらくは車道を蓬沢方面に歩いていきます。いくつか分岐がありますが、道標に従って、正面に蓬峠方面を見ながら歩いていくことになります。やがて、車が5台程度停めることができる林道の終点を通り、蓬新道の山道に入ります。沢沿いの山道で、何度も沢を渡るので、増水時には特に注意が必要です。東俣沢出合は岩を跳ぶように渡渉します。右岸を離れ、ジグザグに急斜面を切りながら、ただ蓬峠まで登っていきます。 中の休場で休憩したら、なだらかな登りとジグザグの急登を繰り返しながら登ります。周囲の木々が低くなって、背が高いチシマザサの笹原になってくると水場です。蓬峠はもう少し。蓬峠の蓬ヒュッテは2015年に改築され、2017年にはバイオトイレができました。食事も提供され、寝具もある営業小屋で、宿泊には予約が必要です。 2日目。蓬峠ヒュッテから南に尾根をたどると、すぐに武能岳へ通じる尾根から離れる分岐に出ます。分岐は左に行くと、赤城山を正面に、左には朝日岳を見ながら展望のよい山道をどんどん下ります。尾根上には、緊急時のみ使用できる小さな白樺避難小屋があります。小屋を過ぎると、背があまり高くないブナの森になり、急坂をどんどん下っていきます。やがて勾配は緩まり、増水時の渡渉に注意が必要な武能沢を渡って、岩場のトラバースを通り抜けます。芝倉沢を渡る際は大岩がごろごろした河原なのでルートに注意して歩きましょう。湯檜曽川を下に見ながら右岸をゆっくりと下り、ブナやトチノキの巨木の森を歩きます。JR見張小屋の脇を通り、さらにブナの巨木の林を抜けて、鉄の階段を下ると林道に出るので、しばらく歩くと土合橋です。最後に車道を下ると、下りホームが「日本一のモグラ駅」として知られるJR上越線土合駅に到着します。
  • 大源太キャニオンから大源太山へ

    大源太キャニオンから大源太山へ

    「上越のマッターホルン」の異名を持つ大源太山。山は四方が切り立った鋭角のピラミッド型で、まさに「上越のマッターホルン」の名にふさわしく、上信越国境の山随一の美しい山容を誇っています。遠くからでもその姿はよく目立ちますが、上信越国境の山々に囲まれており、その全容を見ることは難しいのが残念です。この山の美しさを見るためには登ってみるのが一番です。 登山道は急勾配で登高差も大きく、日帰り登山としては少々きつい山ですが、山頂に立つとその疲れも吹き飛びます。夏の登山道には、白い小さな壷状の花を咲かせるアカモノがたくさん咲きます。アカモノは花もかわいいですが、晩夏になると真っ赤な果実が熟し、とてもきれいです。また、秋の紅葉のころも美しい山です。大源太山を抜け、七ッ小屋山にも登り、謙信ゆかりの道を通る周遊コースを取ることもできますが、標高差もあり、歩行時間も長く、ハードコースに慣れていなければ往路を戻りましょう。 マイカーの利用が多く、公共交通機関を使ったアプローチは不便です。越後湯沢駅からタクシー利用か、大源太キャニオン行きのバスに乗り、旭原バス停から歩き出します。 大源太キャニオン方面から分かれ、右手に入った林道終点にある駐車場が登山口です。なだらかな登山道をしばらく歩き、橋を渡り、分岐を左に向かうと北沢に出ます。沢を渡渉しますが、増水時には渡れません。沢を渡ると、後はとにかく登っていくことになります。登りはじめはヒトツバカエデやウリハダカエデが混じるブナの巨木の美しい森です。ヒトツバカエデはいわゆるカエデのような深い切れ込みがなく、大きいハート形の葉で、秋になると美しい黄色に黄葉します。しばらく登って尾根に出ると、少し勾配は緩やかになり、正面には大源太山が大きく見えます。やがて登山道脇の木は低くなり、足元にアカモノという高山植物が登山道を飾る岩尾根を登っていきます。左右が大きく切れ落ち、はるか下まで見下ろす、ダイナミックなコースで、正面には、ピラミッド型で形のよい大源太山が迫ってきます。 高度感がある岩場を過ぎると、大源太山に到着します。山頂は広くはありませんが、大きく展望が広がり、登頂の喜びも大きいでしょう。蓬峠から七ッ小屋山、清水峠へと繋がる、いかにも上信越国境の山らしいチシマザサに覆われた稜線や、巻機山などの新潟の山々、湯沢方面の谷などの展望が広がります。 往路を駐車場に戻ります。長い岩場を足場に注意しながら下りましょう。また、雨が降ると北沢はすぐに増水します。
    「上越のマッターホルン」の異名を持つ大源太山。山は四方が切り立った鋭角のピラミッド型で、まさに「上越のマッターホルン」の名にふさわしく、上信越国境の山随一の美しい山容を誇っています。遠くからでもその姿はよく目立ちますが、上信越国境の山々に囲まれており、その全容を見ることは難しいのが残念です。この山の美しさを見るためには登ってみるのが一番です。 登山道は急勾配で登高差も大きく、日帰り登山としては少々きつい山ですが、山頂に立つとその疲れも吹き飛びます。夏の登山道には、白い小さな壷状の花を咲かせるアカモノがたくさん咲きます。アカモノは花もかわいいですが、晩夏になると真っ赤な果実が熟し、とてもきれいです。また、秋の紅葉のころも美しい山です。大源太山を抜け、七ッ小屋山にも登り、謙信ゆかりの道を通る周遊コースを取ることもできますが、標高差もあり、歩行時間も長く、ハードコースに慣れていなければ往路を戻りましょう。 マイカーの利用が多く、公共交通機関を使ったアプローチは不便です。越後湯沢駅からタクシー利用か、大源太キャニオン行きのバスに乗り、旭原バス停から歩き出します。 大源太キャニオン方面から分かれ、右手に入った林道終点にある駐車場が登山口です。なだらかな登山道をしばらく歩き、橋を渡り、分岐を左に向かうと北沢に出ます。沢を渡渉しますが、増水時には渡れません。沢を渡ると、後はとにかく登っていくことになります。登りはじめはヒトツバカエデやウリハダカエデが混じるブナの巨木の美しい森です。ヒトツバカエデはいわゆるカエデのような深い切れ込みがなく、大きいハート形の葉で、秋になると美しい黄色に黄葉します。しばらく登って尾根に出ると、少し勾配は緩やかになり、正面には大源太山が大きく見えます。やがて登山道脇の木は低くなり、足元にアカモノという高山植物が登山道を飾る岩尾根を登っていきます。左右が大きく切れ落ち、はるか下まで見下ろす、ダイナミックなコースで、正面には、ピラミッド型で形のよい大源太山が迫ってきます。 高度感がある岩場を過ぎると、大源太山に到着します。山頂は広くはありませんが、大きく展望が広がり、登頂の喜びも大きいでしょう。蓬峠から七ッ小屋山、清水峠へと繋がる、いかにも上信越国境の山らしいチシマザサに覆われた稜線や、巻機山などの新潟の山々、湯沢方面の谷などの展望が広がります。 往路を駐車場に戻ります。長い岩場を足場に注意しながら下りましょう。また、雨が降ると北沢はすぐに増水します。
  • 和田小屋から苗場山(祓川コース)と赤湯温泉

    和田小屋から苗場山(祓川コース)と赤湯温泉

    和田小屋から歩き始める祓川コースは、首都圏からのアプローチが短く、登高差も比較的少ないために人気があります。日帰り登山も可能ですが、山麓には和田小屋と赤湯温泉、山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、宿泊することもできるため、ゆっくり宿泊するコースを紹介します。日本海側気候の影響を強く受ける豪雪地で7月に入っても残雪があります。山小屋は10月下旬に閉まります。アプローチは縦走であればタクシーになります。 1日目、和田小屋の少し手前から歩き始め、和田小屋からはスキー場のゲレンデをまっすぐ登ります。(夏期の土休日には和田小屋から登山リフトが運行。要確認)深いブナの森に入り、木の根が露出したり、木の階段が整備されていたり、岩場だったりで、変化に富んだ登山道を登ります。六合目を越えダケカンバの林に入り、急に視界が開けると、小さな湿原の下ノ芝です。さらに登るとベンチがある中ノ芝、上ノ芝と湿原が続きます。小松原湿原への分岐あたりから、斜面をトラバースするようになり、展望が広がり、勾配が緩やかになります。神楽ヶ峰へは登山道から右に数m登ります。 ここからは正面に苗場山の山頂部を大きく見ながら富士見坂を下ります。途中に雷清水があります。少し下った「お花畑」と呼ばれる鞍部から登り返し、最後に雲尾坂の急坂を登ると山頂湿原に出ます。広々とした木道を道標に従い歩くと、展望のない苗場山山頂に到着。山頂から苗場山頂ヒュッテまで、しばらくぬかるんだ小道です。 2日目、広い山頂湿原の木道を南に向かいます。山頂湿原の端から唐突に、足場が悪く、登山者が少ない厳しいクサリ場の下りになります。さらに草地や笹原を下ると、尾根が細くなりシラビソ廊下に入って行きます。登山道横にはオオシラビソやコメツガが生え、左右は深く切れ落ちた廊下のような細い尾根歩きです。足場の悪い急坂を下り、深穴岩の横を通ると、平坦で美しいブナ林のフクベノ平にでます。桂沢沿いにトチノキの巨木の下を通り下って、サゴイ沢を橋で渡ります。足場の悪い急坂を登り、赤倉山の分岐に出て、ここからまた下ると、今度は清津川を渡る橋があります。橋を渡ってすぐに大石がごろごろある河原を歩くと、ランプの宿の赤湯温泉に到着します。日帰り入浴もできますが、ご飯もおいしい赤湯温泉に一泊しましょう。 3日目、赤湯温泉からすぐの鉄橋を渡ると、いきなり滑りやすく足場の悪い急登です。勾配が緩やかになりしばらく進むと、見返りの松です。アップダウンを繰り返し、到着した鷹ノ巣峠からはまた急な下り。棒沢橋を渡ると、林道に出るので、後は小日橋の先まで、延々と林道を歩きます。
    和田小屋から歩き始める祓川コースは、首都圏からのアプローチが短く、登高差も比較的少ないために人気があります。日帰り登山も可能ですが、山麓には和田小屋と赤湯温泉、山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、宿泊することもできるため、ゆっくり宿泊するコースを紹介します。日本海側気候の影響を強く受ける豪雪地で7月に入っても残雪があります。山小屋は10月下旬に閉まります。アプローチは縦走であればタクシーになります。 1日目、和田小屋の少し手前から歩き始め、和田小屋からはスキー場のゲレンデをまっすぐ登ります。(夏期の土休日には和田小屋から登山リフトが運行。要確認)深いブナの森に入り、木の根が露出したり、木の階段が整備されていたり、岩場だったりで、変化に富んだ登山道を登ります。六合目を越えダケカンバの林に入り、急に視界が開けると、小さな湿原の下ノ芝です。さらに登るとベンチがある中ノ芝、上ノ芝と湿原が続きます。小松原湿原への分岐あたりから、斜面をトラバースするようになり、展望が広がり、勾配が緩やかになります。神楽ヶ峰へは登山道から右に数m登ります。 ここからは正面に苗場山の山頂部を大きく見ながら富士見坂を下ります。途中に雷清水があります。少し下った「お花畑」と呼ばれる鞍部から登り返し、最後に雲尾坂の急坂を登ると山頂湿原に出ます。広々とした木道を道標に従い歩くと、展望のない苗場山山頂に到着。山頂から苗場山頂ヒュッテまで、しばらくぬかるんだ小道です。 2日目、広い山頂湿原の木道を南に向かいます。山頂湿原の端から唐突に、足場が悪く、登山者が少ない厳しいクサリ場の下りになります。さらに草地や笹原を下ると、尾根が細くなりシラビソ廊下に入って行きます。登山道横にはオオシラビソやコメツガが生え、左右は深く切れ落ちた廊下のような細い尾根歩きです。足場の悪い急坂を下り、深穴岩の横を通ると、平坦で美しいブナ林のフクベノ平にでます。桂沢沿いにトチノキの巨木の下を通り下って、サゴイ沢を橋で渡ります。足場の悪い急坂を登り、赤倉山の分岐に出て、ここからまた下ると、今度は清津川を渡る橋があります。橋を渡ってすぐに大石がごろごろある河原を歩くと、ランプの宿の赤湯温泉に到着します。日帰り入浴もできますが、ご飯もおいしい赤湯温泉に一泊しましょう。 3日目、赤湯温泉からすぐの鉄橋を渡ると、いきなり滑りやすく足場の悪い急登です。勾配が緩やかになりしばらく進むと、見返りの松です。アップダウンを繰り返し、到着した鷹ノ巣峠からはまた急な下り。棒沢橋を渡ると、林道に出るので、後は小日橋の先まで、延々と林道を歩きます。
  • 小赤沢から苗場山頂へ

    小赤沢から苗場山頂へ

    首都圏方面からだと越後湯沢から津南、秋山郷と経由する必要があり、アプローチには長く時間がかります。マイカー利用が多いですが、公共交通機関を利用する場合は、小赤沢から登山口まで1時間40分ほど登るか、津南からタクシーでアプローチすることになります。 このコースは、山頂湿原歩きが長く展望がよく、ブナの森や針葉樹林など、変化に富んだ趣のあるルートです。秋山郷からの多くの登山者がこのコースを選び、日帰り登山者が多いのも特徴のひとつ。 小赤沢がある秋山郷は、苗場山と鳥甲山に囲まれた、深い谷にある世界有数の豪雪地帯です。新潟県と長野県に分かれており、北側にあるのは新潟県の津南はおいしいお米の産地として知られています。秋山郷の南側は、長野県の栄村。秋山郷には多くの温泉があり、小赤沢には濁った褐色の温泉が湧いています。苗場山の山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、山小屋に宿泊すれば、夕焼けの湿原、早朝の朝露に濡れた高山植物などに出合えることでしょう。 小赤沢から長い林道を車で入ると、突然大きな駐車場(三合目)に出ます。駐車場の一番奥にある登山口の右側には水場があります。木の階段が整備された登山道を登り始め、ブナの巨木の森の中を抜けて歩きます。水場のある四合目を超えると、ブナは少なくなり、白い木肌が目立つダケカンバの林になっていきます。五合目あたりは落葉広葉樹林の下のドロドロの道になります。六合目あたりから勾配が急になり、周囲の木の高さはだんだん低くなり、チシマザサの笹薮がどんどん多くなっていきます。七合目からは急坂や鎖場が出てきます。最後の急坂を登ると、山頂湿原のはずれになる八合目の坪場に出ます。 八合目からは、苗場山の山頂湿原と、オオシラビソやコメツガなどの針葉樹の林がモザイク状に混在する美しい場所を歩くようになります。7月上旬までは残雪が多く、霧が出ると道迷いしやすいので、雪の上に設置されたルートを示すポールをよくみて歩きましょう。緩やかに木道を登っていくと平太郎尾根への分岐と別れ、右に回るように歩くと、今度は赤倉山への分岐になります。さらに夏にはチングルマやヒメシャクナゲが咲く湿原と池溏を見ながら木道を緩やかに登って行くと、苗場山頂ヒュッテに到着します。三角点がある苗場山山頂へは、山頂ヒュッテからすぐですが、展望はありません。さらに少し下った湿原に行くと展望が広がります。 帰路は往路を戻ります。
    首都圏方面からだと越後湯沢から津南、秋山郷と経由する必要があり、アプローチには長く時間がかります。マイカー利用が多いですが、公共交通機関を利用する場合は、小赤沢から登山口まで1時間40分ほど登るか、津南からタクシーでアプローチすることになります。 このコースは、山頂湿原歩きが長く展望がよく、ブナの森や針葉樹林など、変化に富んだ趣のあるルートです。秋山郷からの多くの登山者がこのコースを選び、日帰り登山者が多いのも特徴のひとつ。 小赤沢がある秋山郷は、苗場山と鳥甲山に囲まれた、深い谷にある世界有数の豪雪地帯です。新潟県と長野県に分かれており、北側にあるのは新潟県の津南はおいしいお米の産地として知られています。秋山郷の南側は、長野県の栄村。秋山郷には多くの温泉があり、小赤沢には濁った褐色の温泉が湧いています。苗場山の山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、山小屋に宿泊すれば、夕焼けの湿原、早朝の朝露に濡れた高山植物などに出合えることでしょう。 小赤沢から長い林道を車で入ると、突然大きな駐車場(三合目)に出ます。駐車場の一番奥にある登山口の右側には水場があります。木の階段が整備された登山道を登り始め、ブナの巨木の森の中を抜けて歩きます。水場のある四合目を超えると、ブナは少なくなり、白い木肌が目立つダケカンバの林になっていきます。五合目あたりは落葉広葉樹林の下のドロドロの道になります。六合目あたりから勾配が急になり、周囲の木の高さはだんだん低くなり、チシマザサの笹薮がどんどん多くなっていきます。七合目からは急坂や鎖場が出てきます。最後の急坂を登ると、山頂湿原のはずれになる八合目の坪場に出ます。 八合目からは、苗場山の山頂湿原と、オオシラビソやコメツガなどの針葉樹の林がモザイク状に混在する美しい場所を歩くようになります。7月上旬までは残雪が多く、霧が出ると道迷いしやすいので、雪の上に設置されたルートを示すポールをよくみて歩きましょう。緩やかに木道を登っていくと平太郎尾根への分岐と別れ、右に回るように歩くと、今度は赤倉山への分岐になります。さらに夏にはチングルマやヒメシャクナゲが咲く湿原と池溏を見ながら木道を緩やかに登って行くと、苗場山頂ヒュッテに到着します。三角点がある苗場山山頂へは、山頂ヒュッテからすぐですが、展望はありません。さらに少し下った湿原に行くと展望が広がります。 帰路は往路を戻ります。
  • 片品ほたか牧場から武尊山

    片品ほたか牧場から武尊山

    武尊山の登山ルートはどのルートも長く、歩行時間も長く、体力的にきついコースが多いですが、片品ほたか牧場からの往復コースは危険個所が少なく比較的歩きやすいコースです。それでも実働8~9時間以上になる日帰り登山としてはきつい山です。 6月下旬の牧場にはレンゲツツジとベニバナイチヤクソウが咲き、8月にはヤナギランがスキー場の斜面をピンク色に染めます。山中には営業小屋はなく、基本的に日帰り登山になります。公共交通機関は不便なので、マイカーか沼田からのタクシー利用になります。 片品ほたか牧場から歩き始めます。シラカバの木々が生える草原をゆるやかに登りはじめ、しばらく行った三合平で牧場は終わり、ブナの森に入り、広くたおやかな尾根を登ります。 広い登山道もだんだんと細くなり、ぬかるみが続きます。ミズバショウを小さくしたようなヒメカイウなどの植物を見て、映画の撮影地の案内板、花咲湿原への分岐を通り、関東有数のブナの巨木の美林を抜けていきます。武尊避難小屋はシンプルな避難小屋で水場もトイレもありません。高山平で田代湿原への分岐を分け、小さなアップダウンを繰り返しながら登ります。やがて展望も開けはじめ、小湿原のあるセビオス岳に到着。夏にはキンコウカの花が咲いています。 鞍部に一度下ると、左に剣ヶ峰、正面に中ノ岳も見えはじめ、少しずつ勾配が急になり、クサリが設置されている切り立った岩場も現れます。さらに登っていくと、登山道は中ノ岳のピークを通らず南側を巻いていき、中ノ岳直下で前武尊からの登山道と合流します。夏には枯れることもある水場の笹清水、高山植物が多い小さな池の三ツ池の南側を通ります。武尊山も見えはじめ、展望がよく、なだらかで気持ちのよい、草原のトラバース道はアップダウンをしばらく繰り返します。ここがこのコースのハイライト。日本武尊像の下を通り、剣ヶ峰山への分岐を分けると、武尊山山頂はすぐです。 山頂の展望は南側が特によく、手前には前武尊、剣ヶ峰山、その奥には赤城山と榛名山、さらに西方には浅間山、谷川岳、北には至仏山などの山々の展望が広がっています。 下山は往路を戻るのが一般的です。タクシー利用の場合にはオグナほたかスキー場などに下ることもできます。
    武尊山の登山ルートはどのルートも長く、歩行時間も長く、体力的にきついコースが多いですが、片品ほたか牧場からの往復コースは危険個所が少なく比較的歩きやすいコースです。それでも実働8~9時間以上になる日帰り登山としてはきつい山です。 6月下旬の牧場にはレンゲツツジとベニバナイチヤクソウが咲き、8月にはヤナギランがスキー場の斜面をピンク色に染めます。山中には営業小屋はなく、基本的に日帰り登山になります。公共交通機関は不便なので、マイカーか沼田からのタクシー利用になります。 片品ほたか牧場から歩き始めます。シラカバの木々が生える草原をゆるやかに登りはじめ、しばらく行った三合平で牧場は終わり、ブナの森に入り、広くたおやかな尾根を登ります。 広い登山道もだんだんと細くなり、ぬかるみが続きます。ミズバショウを小さくしたようなヒメカイウなどの植物を見て、映画の撮影地の案内板、花咲湿原への分岐を通り、関東有数のブナの巨木の美林を抜けていきます。武尊避難小屋はシンプルな避難小屋で水場もトイレもありません。高山平で田代湿原への分岐を分け、小さなアップダウンを繰り返しながら登ります。やがて展望も開けはじめ、小湿原のあるセビオス岳に到着。夏にはキンコウカの花が咲いています。 鞍部に一度下ると、左に剣ヶ峰、正面に中ノ岳も見えはじめ、少しずつ勾配が急になり、クサリが設置されている切り立った岩場も現れます。さらに登っていくと、登山道は中ノ岳のピークを通らず南側を巻いていき、中ノ岳直下で前武尊からの登山道と合流します。夏には枯れることもある水場の笹清水、高山植物が多い小さな池の三ツ池の南側を通ります。武尊山も見えはじめ、展望がよく、なだらかで気持ちのよい、草原のトラバース道はアップダウンをしばらく繰り返します。ここがこのコースのハイライト。日本武尊像の下を通り、剣ヶ峰山への分岐を分けると、武尊山山頂はすぐです。 山頂の展望は南側が特によく、手前には前武尊、剣ヶ峰山、その奥には赤城山と榛名山、さらに西方には浅間山、谷川岳、北には至仏山などの山々の展望が広がっています。 下山は往路を戻るのが一般的です。タクシー利用の場合にはオグナほたかスキー場などに下ることもできます。
  • 伊予ヶ岳から田園地帯を歩いて富山へ

    伊予ヶ岳から田園地帯を歩いて富山へ

    天神郷バス停がスタート地点になります。平群天神社の背後には特徴のある伊予ヶ岳の岩峰が見えているはずです。平群天神社は菅原道真の一代記「平群天神縁起絵巻」が保存されていることで知られています。 ここの大鳥居をくぐると、御神木のクスノキが立っています。左に進み、伊予ヶ岳の登山道に入ります。雑木林からスギ林に入りますが、登山道は整備されています。富山への分岐点を過ぎたら、ほどなく東屋のある展望台です。眼下には房総の田園地帯が広がり、背後には双耳峰の富山が見えています。ここからはとくに注意が必要なエリアに入ります。南峰、北峰と連続しますが、どちらもロープを頼りに岩場を登ることになります。南峰の山頂先端部はクサリで囲われ、正面に富山が見える絶景ポイントです。さらに北峰もロープを頼りに登ります。ここは三角点のある頂で展望は南峰と遜色ありません。休憩は南峰のベンチを利用しましょう。 南峰から往路を戻り、富山への分岐点で道標に従います。明るい樹林帯を快適に歩いて行くと舗装された道に出ます。振り返ると伊予ヶ岳北峰の尖った山頂部分が見えています。春先なら沿道にスイセンの花を見ることができるはずです。気持ちのよい田園風景を楽しみながら進みます。サクラの季節なら河津桜も見事な道です。好天だと、前方に富士山が見えることがあります。その大きさにびっくりするかもしれません。 田園地帯に延びる舗装道路を快適に進みます。時々地元ナンバーの車が通るので注意しましょう。道が分岐する地点に富山の道標があります。これに従い右の道を登ります。振り返ると伊予ヶ岳が見えています。無料の登山用杖(竹の棒)が道の脇に置かれています。 東屋のある展望台に到着すると目の前に太平洋の大海原が俯瞰できます。木々に囲まれ、展望のない登山道をまっすぐ北へ進めば富山北峰に到着します。展望台があるので登ってみましょう。東京湾越しに富士山や箱根、伊豆方面の山が展望できます。三浦半島の先端も見えているようです。北峰山頂広場から南峰へまっすぐ下ります。南峰からは展望は得られません。七合目から階段を下り、静かな山道を歩きます。車道へ出ると古刹の福満寺があります。福満寺から岩井駅までは徒歩40分の道のりです。
    天神郷バス停がスタート地点になります。平群天神社の背後には特徴のある伊予ヶ岳の岩峰が見えているはずです。平群天神社は菅原道真の一代記「平群天神縁起絵巻」が保存されていることで知られています。 ここの大鳥居をくぐると、御神木のクスノキが立っています。左に進み、伊予ヶ岳の登山道に入ります。雑木林からスギ林に入りますが、登山道は整備されています。富山への分岐点を過ぎたら、ほどなく東屋のある展望台です。眼下には房総の田園地帯が広がり、背後には双耳峰の富山が見えています。ここからはとくに注意が必要なエリアに入ります。南峰、北峰と連続しますが、どちらもロープを頼りに岩場を登ることになります。南峰の山頂先端部はクサリで囲われ、正面に富山が見える絶景ポイントです。さらに北峰もロープを頼りに登ります。ここは三角点のある頂で展望は南峰と遜色ありません。休憩は南峰のベンチを利用しましょう。 南峰から往路を戻り、富山への分岐点で道標に従います。明るい樹林帯を快適に歩いて行くと舗装された道に出ます。振り返ると伊予ヶ岳北峰の尖った山頂部分が見えています。春先なら沿道にスイセンの花を見ることができるはずです。気持ちのよい田園風景を楽しみながら進みます。サクラの季節なら河津桜も見事な道です。好天だと、前方に富士山が見えることがあります。その大きさにびっくりするかもしれません。 田園地帯に延びる舗装道路を快適に進みます。時々地元ナンバーの車が通るので注意しましょう。道が分岐する地点に富山の道標があります。これに従い右の道を登ります。振り返ると伊予ヶ岳が見えています。無料の登山用杖(竹の棒)が道の脇に置かれています。 東屋のある展望台に到着すると目の前に太平洋の大海原が俯瞰できます。木々に囲まれ、展望のない登山道をまっすぐ北へ進めば富山北峰に到着します。展望台があるので登ってみましょう。東京湾越しに富士山や箱根、伊豆方面の山が展望できます。三浦半島の先端も見えているようです。北峰山頂広場から南峰へまっすぐ下ります。南峰からは展望は得られません。七合目から階段を下り、静かな山道を歩きます。車道へ出ると古刹の福満寺があります。福満寺から岩井駅までは徒歩40分の道のりです。
  • 濁河温泉から飛騨頂上を経て御嶽山上を周遊

    濁河温泉から飛騨頂上を経て御嶽山上を周遊

    現在登山口となっている濁河温泉は標高1800mにあって、旅館街やグラウンドを備えた県の高地トレーニングセンターなどがあります。どの旅館も野趣豊かな露天風呂を備えており、登山の基地としては絶好の条件です。また、登山道も下呂市が管理していて良く整備されています。飛騨頂上にある五の池小屋は、5月下旬から10月中旬までの御嶽山で最も長期営業の山小屋なので、利便性が高いです。近年、北御嶽が注目されるようになりましたが、五の池小屋はその中核をなす存在です。登山基地の濁河温泉までは近年バスが無くなり、自家用車かタクシーしか手段はありません。飛騨側は下呂市の飛騨小坂駅、信州側は木曽福島駅から、ということになります。 道路終点の駐車場が登山口となります。ここに登山届のボックスや公衆トイレがあります。近年の豪雨災害で、草木谷の鉄の吊橋が流され、登山口が変わりました。嶽橋を渡らず遊歩道を左に進み、尾根上に出たところで右に折れて原生林の中の道に入り、途中右に進み旧道に合流します。 ここからは急斜面の続く古い登山道に入ります。オオシラビソの林の中を進み、途中ネズコの大木のある七合目を過ぎて、オットセイ岩を左に見て登ると、右手に折り重なった巨岩が現れ、そのうち一つをジョーズ岩と呼びます。 山腹を巻くように登って、右の尾根上に出たところが湯の花峠です。峠地形ではないが、草木谷に自噴する温泉の湯の香が通り抜けるところから名付けられたと言われています。樹木はコメツガに変わり、しばらく登って、カエル岩を過ぎて少し行くと、左手から胡桃島からの道が合流し、すぐにのぞき岩に着きます。岩の上からは深く切れ込んだ草木谷が望めます。ここには避難小屋もあります。 道脇のコメツガは風雪による矮小化が始まり、林床にはマイズルソウやゴゼンタチバナなど可憐な花たちが咲きこころを和ませてくれます。しばらく登ってお助け水に到着、名前だけで水は無いですが、絶好の休憩ポイントです。ここが八合目。この先からは樹高も低くなりダケカンバが混じり始め、ハイマツ帯に変わり森林限界に出ると出発地点の濁河温泉もよく望むことができます。 ここから継子岳の西斜面を右上しますが、溶岩の多い道は眺望もよく、雷鳥岩を過ぎて砂礫地に入るとコマクサの群生が迎えてくれます。飛騨頂上には立派な社とシェルターがあり、山頂すぐ下の五ノ池の前に五の池小屋があります。北御嶽の基地となる山小屋です。 小屋から、継子岳や四ノ池、三ノ池の変化に富んだ道を一回りしてくるのがおすすめです。また、眼前の摩利支天山に登るのもよいでしょう。北御嶽の花や池を楽しんだら、一泊するのも、その日のうちに登山口まで下山することも可能です。
    現在登山口となっている濁河温泉は標高1800mにあって、旅館街やグラウンドを備えた県の高地トレーニングセンターなどがあります。どの旅館も野趣豊かな露天風呂を備えており、登山の基地としては絶好の条件です。また、登山道も下呂市が管理していて良く整備されています。飛騨頂上にある五の池小屋は、5月下旬から10月中旬までの御嶽山で最も長期営業の山小屋なので、利便性が高いです。近年、北御嶽が注目されるようになりましたが、五の池小屋はその中核をなす存在です。登山基地の濁河温泉までは近年バスが無くなり、自家用車かタクシーしか手段はありません。飛騨側は下呂市の飛騨小坂駅、信州側は木曽福島駅から、ということになります。 道路終点の駐車場が登山口となります。ここに登山届のボックスや公衆トイレがあります。近年の豪雨災害で、草木谷の鉄の吊橋が流され、登山口が変わりました。嶽橋を渡らず遊歩道を左に進み、尾根上に出たところで右に折れて原生林の中の道に入り、途中右に進み旧道に合流します。 ここからは急斜面の続く古い登山道に入ります。オオシラビソの林の中を進み、途中ネズコの大木のある七合目を過ぎて、オットセイ岩を左に見て登ると、右手に折り重なった巨岩が現れ、そのうち一つをジョーズ岩と呼びます。 山腹を巻くように登って、右の尾根上に出たところが湯の花峠です。峠地形ではないが、草木谷に自噴する温泉の湯の香が通り抜けるところから名付けられたと言われています。樹木はコメツガに変わり、しばらく登って、カエル岩を過ぎて少し行くと、左手から胡桃島からの道が合流し、すぐにのぞき岩に着きます。岩の上からは深く切れ込んだ草木谷が望めます。ここには避難小屋もあります。 道脇のコメツガは風雪による矮小化が始まり、林床にはマイズルソウやゴゼンタチバナなど可憐な花たちが咲きこころを和ませてくれます。しばらく登ってお助け水に到着、名前だけで水は無いですが、絶好の休憩ポイントです。ここが八合目。この先からは樹高も低くなりダケカンバが混じり始め、ハイマツ帯に変わり森林限界に出ると出発地点の濁河温泉もよく望むことができます。 ここから継子岳の西斜面を右上しますが、溶岩の多い道は眺望もよく、雷鳥岩を過ぎて砂礫地に入るとコマクサの群生が迎えてくれます。飛騨頂上には立派な社とシェルターがあり、山頂すぐ下の五ノ池の前に五の池小屋があります。北御嶽の基地となる山小屋です。 小屋から、継子岳や四ノ池、三ノ池の変化に富んだ道を一回りしてくるのがおすすめです。また、眼前の摩利支天山に登るのもよいでしょう。北御嶽の花や池を楽しんだら、一泊するのも、その日のうちに登山口まで下山することも可能です。
  • 胡桃島口から剣ヶ峰へ

    胡桃島口から剣ヶ峰へ

    胡桃島口は、昔は秋神口と言われ高山方面からの登山道としての歴史は古い。今は県道435号があるので、下部を省略して県道脇の御嶽自然休養林胡桃島キャンプ場が登山口となります。(※下部にある胡桃大滝は通らないが、県道から下って見に行くだけの価値のある見事な大滝です。) 入り口には7棟のコテージがあり、キャンプ場はその先に行ったところにあります。胡桃島キャンプ場付近は御嶽山北面に広がる大斜面で、登山口の右側には展望台があり、木道を渡って展望台に登ると、御嶽山のなだらかな裾野の大樹海の上に継子岳がのぞき、その右に摩利支天山がどっしりと構え、西に延びる尾根上には継母岳の槍のような鋭峰がのぞいています。 登山口は一番奥のコテージの横からスタート。標識があり、左に入っていくと道はダケカンバの疎林が始まり、すぐにオオシラビソの幼林へと変わります。この辺りは旧営林署によって伐採がされた後のようです。所々に木道箇所があり、雨天時は、非常に滑りやすいので注意が必要です。 30分ほど進むと急坂になります。このコース唯一の急斜面です。この周辺は原生林で典型的な亜高山帯の様相を呈しています。やがてなだらかになり、水の流れる小さな谷川を渡り、右に進む。原生の道は続き、橋を渡りさらに右に登って行くと、やがて小坂口の道に合流。ここからすぐにのぞき岩に到着。のぞき岩には避難小屋があり、宿泊できるようにはなってないものの、緊急時にはありがたい存在です。ここは、飛騨頂上まで、約半分の地点です。 飛騨小坂口登山道に入って登って行き、お助け水(水は無い)から少し進むと、森林限界を超えるが、ここから小坂登山口の濁河温泉を遥か眼下に望むことができます。右に斜上してコマクサの咲く継子岳の西斜面を登り、飛騨頂上にある五の池小屋に到着です。 さらに摩利支天乗越を越えて、サイノ河原避難小屋からサイノ河原を通り、二ノ池の覚明上人立往生の地から黒沢十字路に出て、一ノ池の尾根を登って行くと、剣ヶ峰に到着です。シェルターはあるが、山頂の二つの山小屋は撤去されたので注意しよう。 下山は往路を引き返し、登山口まで戻りますが、長丁場なので五の池小屋に戻って一泊するのがよいでしょう。
    胡桃島口は、昔は秋神口と言われ高山方面からの登山道としての歴史は古い。今は県道435号があるので、下部を省略して県道脇の御嶽自然休養林胡桃島キャンプ場が登山口となります。(※下部にある胡桃大滝は通らないが、県道から下って見に行くだけの価値のある見事な大滝です。) 入り口には7棟のコテージがあり、キャンプ場はその先に行ったところにあります。胡桃島キャンプ場付近は御嶽山北面に広がる大斜面で、登山口の右側には展望台があり、木道を渡って展望台に登ると、御嶽山のなだらかな裾野の大樹海の上に継子岳がのぞき、その右に摩利支天山がどっしりと構え、西に延びる尾根上には継母岳の槍のような鋭峰がのぞいています。 登山口は一番奥のコテージの横からスタート。標識があり、左に入っていくと道はダケカンバの疎林が始まり、すぐにオオシラビソの幼林へと変わります。この辺りは旧営林署によって伐採がされた後のようです。所々に木道箇所があり、雨天時は、非常に滑りやすいので注意が必要です。 30分ほど進むと急坂になります。このコース唯一の急斜面です。この周辺は原生林で典型的な亜高山帯の様相を呈しています。やがてなだらかになり、水の流れる小さな谷川を渡り、右に進む。原生の道は続き、橋を渡りさらに右に登って行くと、やがて小坂口の道に合流。ここからすぐにのぞき岩に到着。のぞき岩には避難小屋があり、宿泊できるようにはなってないものの、緊急時にはありがたい存在です。ここは、飛騨頂上まで、約半分の地点です。 飛騨小坂口登山道に入って登って行き、お助け水(水は無い)から少し進むと、森林限界を超えるが、ここから小坂登山口の濁河温泉を遥か眼下に望むことができます。右に斜上してコマクサの咲く継子岳の西斜面を登り、飛騨頂上にある五の池小屋に到着です。 さらに摩利支天乗越を越えて、サイノ河原避難小屋からサイノ河原を通り、二ノ池の覚明上人立往生の地から黒沢十字路に出て、一ノ池の尾根を登って行くと、剣ヶ峰に到着です。シェルターはあるが、山頂の二つの山小屋は撤去されたので注意しよう。 下山は往路を引き返し、登山口まで戻りますが、長丁場なので五の池小屋に戻って一泊するのがよいでしょう。
  • 夕森公園から奥三界岳へ

    夕森公園から奥三界岳へ

    奧三界岳は巨大な御嶽山塊の中にあって、阿寺山地の南の端に位置し、どこからも見ることができない正に奥深い山です。三界山の奥にあるということからこの名がついたとされるが、地元では通称奧山と呼ばれてきました。周辺は裏木曽県立自然公園となっており、山懐の各谷にはいくつもの美しい滝がかかります。かつては東濃ヒノキの大産地であったところで、林道がどこまでも伸びています。 登山基地となるのは、バス終点でもある夕森公園です。川上川の渓谷がそのまま公園として整備されてキャンプ場となっており、キャンプ場の中にある竜神の滝は竜神伝説が残る名爆です。 総合案内所の前から舗装道路を進みキャンプ場のあたりでゲートがあります。この周辺は「八丁くらがり」と呼ばれる渓谷です。さらに15分ほど進むと銅穴の滝があります。道は右にカーブしまわりこむと、左手に「奧三界、あぜ滝、一つ滝」の標識があります。 ここから田の原天然公園への道と分かれ、左手の川原に下り、吊り橋を渡ると樹林の中の急登の道となります。途中一つ滝への道の分岐があり、さらに急な尾根を登ると上段の林道に到着。正面に夕森山を見ながら林道をしばらく行くと、奥の稜線に奧三界の尾根が見えます。 さらに進み本谷橋を渡ります。この辺りを「奧くらがり」と呼び、眼下には美しい渓谷が流れ、岩壁がせり出してシャクナゲが岩を噛む、素敵な風景が広がります。さらに林道を進むと左への標識があり、上の林道跡への近道に入ります。荒れた林道跡に出て左へ進むと林道跡は終点になり、壊れかけた小屋があり、その先に「奧三界岳登山口」の看板が立っています。 そこから急な笹薮の道を上に上がり造林地を登っていき、右上して小さな谷を渡ります。最後の水場です。すぐにイセ谷源流の涸谷を登り、右手の尾根に移って稜線を進みます。途中「奧夕森」と呼ばれるコメツガ、クロベなどが矮小化した亜高山帯の様相が見らます。ここからはぬかるみが多くなり、ヒノキの樹林帯の中を進み右手に鏡池を見ると、奧三界岳の頂上にたどり着きます。丸太作りの展望台に上がると、正面には御嶽山が美しい稜線を描き、小秀山も良く見えます。初夏には、シャクナゲやサラサドウダンの花が楽しめます。 下山は往路を夕森公園まで引き返します。
    奧三界岳は巨大な御嶽山塊の中にあって、阿寺山地の南の端に位置し、どこからも見ることができない正に奥深い山です。三界山の奥にあるということからこの名がついたとされるが、地元では通称奧山と呼ばれてきました。周辺は裏木曽県立自然公園となっており、山懐の各谷にはいくつもの美しい滝がかかります。かつては東濃ヒノキの大産地であったところで、林道がどこまでも伸びています。 登山基地となるのは、バス終点でもある夕森公園です。川上川の渓谷がそのまま公園として整備されてキャンプ場となっており、キャンプ場の中にある竜神の滝は竜神伝説が残る名爆です。 総合案内所の前から舗装道路を進みキャンプ場のあたりでゲートがあります。この周辺は「八丁くらがり」と呼ばれる渓谷です。さらに15分ほど進むと銅穴の滝があります。道は右にカーブしまわりこむと、左手に「奧三界、あぜ滝、一つ滝」の標識があります。 ここから田の原天然公園への道と分かれ、左手の川原に下り、吊り橋を渡ると樹林の中の急登の道となります。途中一つ滝への道の分岐があり、さらに急な尾根を登ると上段の林道に到着。正面に夕森山を見ながら林道をしばらく行くと、奥の稜線に奧三界の尾根が見えます。 さらに進み本谷橋を渡ります。この辺りを「奧くらがり」と呼び、眼下には美しい渓谷が流れ、岩壁がせり出してシャクナゲが岩を噛む、素敵な風景が広がります。さらに林道を進むと左への標識があり、上の林道跡への近道に入ります。荒れた林道跡に出て左へ進むと林道跡は終点になり、壊れかけた小屋があり、その先に「奧三界岳登山口」の看板が立っています。 そこから急な笹薮の道を上に上がり造林地を登っていき、右上して小さな谷を渡ります。最後の水場です。すぐにイセ谷源流の涸谷を登り、右手の尾根に移って稜線を進みます。途中「奧夕森」と呼ばれるコメツガ、クロベなどが矮小化した亜高山帯の様相が見らます。ここからはぬかるみが多くなり、ヒノキの樹林帯の中を進み右手に鏡池を見ると、奧三界岳の頂上にたどり着きます。丸太作りの展望台に上がると、正面には御嶽山が美しい稜線を描き、小秀山も良く見えます。初夏には、シャクナゲやサラサドウダンの花が楽しめます。 下山は往路を夕森公園まで引き返します。
  • 観音峰から法力峠へ

    観音峰から法力峠へ

    下市口駅から洞川温泉行のバスに乗り、観音峰登山口で下車。虻トンネルの傍にある休憩所まで戻って、みたらい渓谷に懸かる吊橋を渡り、杉植林の中、斜面を巻くように登って行きます。しばらく歩くと観音水があり、天川村と南朝の歴史を記した案内板があります。ここからは白倉谷側の山腹を絡む単調な登りが続き、左に小道を登るとヤグラの展望台があり弥山方面の展望が得られます。その先、小橋を渡りしばらく進むと辺りは自然林へと変わり緩やかな登りの先に鳥居が見え、南朝ゆかりの神社跡に建つ休憩所に着きます。ここが観音平で、木々に囲まれた広場は休憩には良い所です。 休憩所から石段を登ると後醍醐天皇のお歌石があり「よしの山 花ぞちるらん天の川 くものつつみを くずすしらなみ」と詠んでいます。その先で分岐する観音の岩屋は、南北朝の動乱期に大塔宮護良親王が北条の軍勢に追われてこの山中に逃げ込み、一時身をひそめたと伝える南朝ゆかりの洞窟です。洞窟内には十一面観音を祀る祠があります。分岐に戻り岩壁の基部を巻くように進み丸太の階段道を登りきると尾根に出て、ススキの原を登りきると、視界が開け、石塔が建つ観音峰展望台に着きます。展望台からは稲村ヶ岳から弥山にかけての一大パノラマが開けます。展望台周辺にはベニバナヤマシャクヤクが散見され、6月中旬頃には華麗な色彩を見せてくれます。 眺望を楽しんだら法力峠へのコースを取ります。ススキの原を北に向かうと雑木林になり、それを登りつめると1285mのピークに立ちます。行く手に観音峰が指呼され、そこからは潤い豊かなブナ林を登って行きます。秋には黄葉が見事で、絶好の撮影ポイントとしてお薦めです。最後は檜林とブナ、松などの境目に沿って登ると、三等三角点が埋まる観音峰の山頂に着きます。残念ながら周囲は樹木で覆われ展望は得られません。山頂からは、北東方向に植林境界の尾根を進み、小さなアップダウンを繰り返すと1380mの三ツ塚に出ますが、樹林の中のピークで道標がないと見過ごしてしまいそうな所です。ここからは右手樹間に大日山と稲村ヶ岳の山容を眺めながら、いくつかの起伏を越えて行きますが、道のべには5月中旬頃であればヤマシャクヤクの清楚な花が楽しめます。観音峰展望台から数えて6つ目の起伏を過ぎ、最後の急坂を下りきると法力峠に着きます。立派な道標が立ち、「稲村ヶ岳3.7km、稲村ヶ岳登山口2.9km」とあります。 一息着いたらあとはよく踏まれた道を左へ30分ほど下ると分岐があります。分岐を右にとれば母公堂へ出て、「ごろごろ水」の前を通って洞川温泉に入ります。左は五代松鍾乳洞の前を経て洞川温泉バス停へと下りますが、どちらを取っても大差はありません。
    下市口駅から洞川温泉行のバスに乗り、観音峰登山口で下車。虻トンネルの傍にある休憩所まで戻って、みたらい渓谷に懸かる吊橋を渡り、杉植林の中、斜面を巻くように登って行きます。しばらく歩くと観音水があり、天川村と南朝の歴史を記した案内板があります。ここからは白倉谷側の山腹を絡む単調な登りが続き、左に小道を登るとヤグラの展望台があり弥山方面の展望が得られます。その先、小橋を渡りしばらく進むと辺りは自然林へと変わり緩やかな登りの先に鳥居が見え、南朝ゆかりの神社跡に建つ休憩所に着きます。ここが観音平で、木々に囲まれた広場は休憩には良い所です。 休憩所から石段を登ると後醍醐天皇のお歌石があり「よしの山 花ぞちるらん天の川 くものつつみを くずすしらなみ」と詠んでいます。その先で分岐する観音の岩屋は、南北朝の動乱期に大塔宮護良親王が北条の軍勢に追われてこの山中に逃げ込み、一時身をひそめたと伝える南朝ゆかりの洞窟です。洞窟内には十一面観音を祀る祠があります。分岐に戻り岩壁の基部を巻くように進み丸太の階段道を登りきると尾根に出て、ススキの原を登りきると、視界が開け、石塔が建つ観音峰展望台に着きます。展望台からは稲村ヶ岳から弥山にかけての一大パノラマが開けます。展望台周辺にはベニバナヤマシャクヤクが散見され、6月中旬頃には華麗な色彩を見せてくれます。 眺望を楽しんだら法力峠へのコースを取ります。ススキの原を北に向かうと雑木林になり、それを登りつめると1285mのピークに立ちます。行く手に観音峰が指呼され、そこからは潤い豊かなブナ林を登って行きます。秋には黄葉が見事で、絶好の撮影ポイントとしてお薦めです。最後は檜林とブナ、松などの境目に沿って登ると、三等三角点が埋まる観音峰の山頂に着きます。残念ながら周囲は樹木で覆われ展望は得られません。山頂からは、北東方向に植林境界の尾根を進み、小さなアップダウンを繰り返すと1380mの三ツ塚に出ますが、樹林の中のピークで道標がないと見過ごしてしまいそうな所です。ここからは右手樹間に大日山と稲村ヶ岳の山容を眺めながら、いくつかの起伏を越えて行きますが、道のべには5月中旬頃であればヤマシャクヤクの清楚な花が楽しめます。観音峰展望台から数えて6つ目の起伏を過ぎ、最後の急坂を下りきると法力峠に着きます。立派な道標が立ち、「稲村ヶ岳3.7km、稲村ヶ岳登山口2.9km」とあります。 一息着いたらあとはよく踏まれた道を左へ30分ほど下ると分岐があります。分岐を右にとれば母公堂へ出て、「ごろごろ水」の前を通って洞川温泉に入ります。左は五代松鍾乳洞の前を経て洞川温泉バス停へと下りますが、どちらを取っても大差はありません。
  • 山上ヶ岳から柏木へ

    山上ヶ岳から柏木へ

    下市口駅からバスに乗り、終点の洞川温泉で下車。東へ洞川の家並みを抜けてしばらく行くと、近畿の名水・ゴロゴロ水があり、その先の毛又谷の林道を左に見送ると、10分足らずで川瀬谷に架かる清浄大橋(大峰大橋)に出ます。ここが登山口です。 清浄大橋は洞川道の女人結界で、大橋を渡り山道に取り付きます。洞辻までに一本松茶屋、役の行者のお助け水などがあり、毛又谷を大きく絡んで登りますが、道幅も広く楽に歩けます。林相が雑木林に変わると、間もなく吉野道が合流する洞辻茶屋に出ます。両側に立ち並ぶ陀羅尼助茶屋を抜けると、わらじ替場があり表行場(この洞辻から上方に点在する油こぼし、鐘掛岩、お亀石、西ノ覗岩などをいう)(※ちなみに裏行場とは、大峰山寺裏手、上多古川源流一帯に面した不動登り岩、賽の河原、東ノ覗岩(現在禁止)、蟻ノ戸渡り、平等岩など18ヶ所の行所を指す)が始まります。登山道は右側に通じており、大鐘掛の岩上には展望台が設けられ大天井ヶ岳から吉野山へと続く山稜(吉野道)や遠く金剛・葛城山など素晴らしい大観が開けます。柵に囲まれたお亀石を見て坂を登って等覚門をくぐりその先の小道を右にそれると、西ノ覗岩に出ます。浄心門からは林立する供養塔を左右に見て石段を登れば山上ヶ岳頂上の大峯山寺本堂の前に出ます。一等三角点の埋まる山頂は湧出岳と呼ばれ、本堂の北側、木立に囲まれた中にあります。さらに右へ日本岩を周遊して宿坊へと帰ってきます。宿坊(参篭所)は5箇所あり、開山期間中は自由に泊まれます。翌日、裏行場を一巡(約1時間)する場合は宿坊に頼めば案内してくれます。 2日目、本堂前から南へと尾根道をたどります。気持ちの良い樹林の道で、ミズナラ、ヒメシャラ、シャクナゲなどが枝を広げています。地蔵岳は右を巻き、次いで投地蔵辻で左に阿古滝道を見送ると小笹ノ宿に着きます。役行者を祀るお堂と避難小屋があり、付近には清水が豊富に湧いていて、峰通しのコースで唯一水の流れがあるところです。小笹ノ宿からは清流沿いにツガやモミの茂る道を登り、竜ヶ岳の肩を越すと少し下りになって20分程で阿弥陀ヶ森分岐に出ます。「柏木へ八十六丁、大峰へ三十丁」の丁石があります。ここは柏木道での女人結界門となっています。 奥駈道と分かれ左へ阿弥陀ヶ森の東面を絡んで行くと伯母谷覗の絶壁に出ます。ここから道は尾根を離れ左へ上谷側に下るようになります。「柏木へ七十二丁」の丁石を見ると山腹を絡んでの緩やかな道を行くようになります。道はこの先一旦尾根上に出ますが、おおむね西面を伝います。地図上の1167mを大きく巻き終えると天竺平に着きます。ここから上谷分岐までは杉植林帯の中、尾根上を伝います。上谷分岐では右を取り、大迫集落を足元に見ながら下って行くと、不動窟の上部を通り柏木に下り着きます。
    下市口駅からバスに乗り、終点の洞川温泉で下車。東へ洞川の家並みを抜けてしばらく行くと、近畿の名水・ゴロゴロ水があり、その先の毛又谷の林道を左に見送ると、10分足らずで川瀬谷に架かる清浄大橋(大峰大橋)に出ます。ここが登山口です。 清浄大橋は洞川道の女人結界で、大橋を渡り山道に取り付きます。洞辻までに一本松茶屋、役の行者のお助け水などがあり、毛又谷を大きく絡んで登りますが、道幅も広く楽に歩けます。林相が雑木林に変わると、間もなく吉野道が合流する洞辻茶屋に出ます。両側に立ち並ぶ陀羅尼助茶屋を抜けると、わらじ替場があり表行場(この洞辻から上方に点在する油こぼし、鐘掛岩、お亀石、西ノ覗岩などをいう)(※ちなみに裏行場とは、大峰山寺裏手、上多古川源流一帯に面した不動登り岩、賽の河原、東ノ覗岩(現在禁止)、蟻ノ戸渡り、平等岩など18ヶ所の行所を指す)が始まります。登山道は右側に通じており、大鐘掛の岩上には展望台が設けられ大天井ヶ岳から吉野山へと続く山稜(吉野道)や遠く金剛・葛城山など素晴らしい大観が開けます。柵に囲まれたお亀石を見て坂を登って等覚門をくぐりその先の小道を右にそれると、西ノ覗岩に出ます。浄心門からは林立する供養塔を左右に見て石段を登れば山上ヶ岳頂上の大峯山寺本堂の前に出ます。一等三角点の埋まる山頂は湧出岳と呼ばれ、本堂の北側、木立に囲まれた中にあります。さらに右へ日本岩を周遊して宿坊へと帰ってきます。宿坊(参篭所)は5箇所あり、開山期間中は自由に泊まれます。翌日、裏行場を一巡(約1時間)する場合は宿坊に頼めば案内してくれます。 2日目、本堂前から南へと尾根道をたどります。気持ちの良い樹林の道で、ミズナラ、ヒメシャラ、シャクナゲなどが枝を広げています。地蔵岳は右を巻き、次いで投地蔵辻で左に阿古滝道を見送ると小笹ノ宿に着きます。役行者を祀るお堂と避難小屋があり、付近には清水が豊富に湧いていて、峰通しのコースで唯一水の流れがあるところです。小笹ノ宿からは清流沿いにツガやモミの茂る道を登り、竜ヶ岳の肩を越すと少し下りになって20分程で阿弥陀ヶ森分岐に出ます。「柏木へ八十六丁、大峰へ三十丁」の丁石があります。ここは柏木道での女人結界門となっています。 奥駈道と分かれ左へ阿弥陀ヶ森の東面を絡んで行くと伯母谷覗の絶壁に出ます。ここから道は尾根を離れ左へ上谷側に下るようになります。「柏木へ七十二丁」の丁石を見ると山腹を絡んでの緩やかな道を行くようになります。道はこの先一旦尾根上に出ますが、おおむね西面を伝います。地図上の1167mを大きく巻き終えると天竺平に着きます。ここから上谷分岐までは杉植林帯の中、尾根上を伝います。上谷分岐では右を取り、大迫集落を足元に見ながら下って行くと、不動窟の上部を通り柏木に下り着きます。
  • 洞川温泉から稲村ヶ岳、山上ヶ岳へ

    洞川温泉から稲村ヶ岳、山上ヶ岳へ

    洞川温泉でバスを下車。山上参りの拠点となる洞川温泉街を抜けてしばらく行くと、右手に稲村ヶ岳登山口の道標が現れます。登山道を取って登ると、五代松鍾乳洞があります。この道は法力峠を経て山上辻まで続き、五代松新道と呼ばれ歩きやすい道が続きます。 蛇谷を渡り、初夏にはコアジサイが咲く山腹を絡み終えると法力峠に達し、観音峰への道が分岐します。白倉谷を眼下に見てドアミまで来ると、鋭く天空を突く大日山の岩峰が木の間に顔を覗かせます。やがて道が険しくなってきて岩が多くなり、所々に渡されている鉄橋で難場をしのぎます。小道は次第に高度を上げ、高橋横手を絡み終えると山上辻に着きます。辻から稲村ヶ岳を往復します。稲村ヶ岳山荘の横を通り、ブナを主体とした樹林の中を行くと特異な存在の大日山が間近に迫り、道が岩峰の東面基部を絡みます。脚下は神童子谷の源頭で、春遅くまで残雪が見られます。 大日山の山頂へはキレット(切戸)から右に、鉄鎖の付いた岩場を登ります。狭い山頂には大日如来を祀る小祠があります。キレットに戻り、さらに南へ2箇所の鎖場を登ると、ほどなく稲村ヶ岳の山頂に達します。展望台に立てば、樹海の下に横たわる神童子谷を隔てて、雄大な大峰の山並みが一望のもとに眺められ、さらに遥かには奥高野や熊野の山々まで望むことができ胸が躍ります。特に秋にはナナカマドやカエデの類とブナの紅葉が素晴らしいです。この日は山上辻まで引き返し稲村ヶ岳山荘に一泊します。 翌朝は北東に山上ヶ岳を目指します。よく踏まれた道をたどりクモクビ塚を絡み、小さな起伏を繰り返すとレンゲ辻に到着です。ここから先、山上ヶ岳方面は女人結界です。 結界門をくぐるとすぐに小稲村の岩場の巻き道となり、ハシゴが架かっています。しばらくは急傾斜の登りが続き、左手前方に日本岩の岸壁が樹林越しに見え隠れします。道の両側は夏にはシコクフウロが咲き、山上ヶ岳一角のお花畑へと登り着きます。お花畑の南側、木立に囲まれた中に、湧出岳の一等三角点があります。ここから洞辻茶屋までは、講の行者や登山客で賑わう表参道です。本堂に参拝したら、下山は宿坊を見て、坂道を下り西ノ覗岩に立ち寄ります。後は鐘掛岩の頭で、大天井ヶ岳から吉野山へと続く山稜や遠く金剛・葛城山を一望したら、来た道を少し戻って鐘掛岩の基部を巻き、陀羅尼助茶屋を抜けて洞辻茶屋の分岐から吉野道と分かれて、左へ斜面を下ります。お助け水からは山腹を絡む緩やかな下りとなり、一本松茶屋を過ぎ杉檜林の中を下っていくと清浄大橋に下り着きます。ここから途中、母公堂や「ゴロゴロ水」でひと息着きながら洞川温泉まで歩きます。
    洞川温泉でバスを下車。山上参りの拠点となる洞川温泉街を抜けてしばらく行くと、右手に稲村ヶ岳登山口の道標が現れます。登山道を取って登ると、五代松鍾乳洞があります。この道は法力峠を経て山上辻まで続き、五代松新道と呼ばれ歩きやすい道が続きます。 蛇谷を渡り、初夏にはコアジサイが咲く山腹を絡み終えると法力峠に達し、観音峰への道が分岐します。白倉谷を眼下に見てドアミまで来ると、鋭く天空を突く大日山の岩峰が木の間に顔を覗かせます。やがて道が険しくなってきて岩が多くなり、所々に渡されている鉄橋で難場をしのぎます。小道は次第に高度を上げ、高橋横手を絡み終えると山上辻に着きます。辻から稲村ヶ岳を往復します。稲村ヶ岳山荘の横を通り、ブナを主体とした樹林の中を行くと特異な存在の大日山が間近に迫り、道が岩峰の東面基部を絡みます。脚下は神童子谷の源頭で、春遅くまで残雪が見られます。 大日山の山頂へはキレット(切戸)から右に、鉄鎖の付いた岩場を登ります。狭い山頂には大日如来を祀る小祠があります。キレットに戻り、さらに南へ2箇所の鎖場を登ると、ほどなく稲村ヶ岳の山頂に達します。展望台に立てば、樹海の下に横たわる神童子谷を隔てて、雄大な大峰の山並みが一望のもとに眺められ、さらに遥かには奥高野や熊野の山々まで望むことができ胸が躍ります。特に秋にはナナカマドやカエデの類とブナの紅葉が素晴らしいです。この日は山上辻まで引き返し稲村ヶ岳山荘に一泊します。 翌朝は北東に山上ヶ岳を目指します。よく踏まれた道をたどりクモクビ塚を絡み、小さな起伏を繰り返すとレンゲ辻に到着です。ここから先、山上ヶ岳方面は女人結界です。 結界門をくぐるとすぐに小稲村の岩場の巻き道となり、ハシゴが架かっています。しばらくは急傾斜の登りが続き、左手前方に日本岩の岸壁が樹林越しに見え隠れします。道の両側は夏にはシコクフウロが咲き、山上ヶ岳一角のお花畑へと登り着きます。お花畑の南側、木立に囲まれた中に、湧出岳の一等三角点があります。ここから洞辻茶屋までは、講の行者や登山客で賑わう表参道です。本堂に参拝したら、下山は宿坊を見て、坂道を下り西ノ覗岩に立ち寄ります。後は鐘掛岩の頭で、大天井ヶ岳から吉野山へと続く山稜や遠く金剛・葛城山を一望したら、来た道を少し戻って鐘掛岩の基部を巻き、陀羅尼助茶屋を抜けて洞辻茶屋の分岐から吉野道と分かれて、左へ斜面を下ります。お助け水からは山腹を絡む緩やかな下りとなり、一本松茶屋を過ぎ杉檜林の中を下っていくと清浄大橋に下り着きます。ここから途中、母公堂や「ゴロゴロ水」でひと息着きながら洞川温泉まで歩きます。
  • 天川川合から弥山、八経ヶ岳へ

    天川川合から弥山、八経ヶ岳へ

    天川川合でバスを下車。南へ歩き天ノ川の吊橋を渡り、道標を見て山裾に取り付きます。展望のない植林の坂道には一汗かかされます。やがて門前山に着き、送電鉄塔に出ると視界が開けます。その先で坪の内林道に出て、稲村ヶ岳や観音峰を見ながら50mほど進み、再び山道に入り登りを続けると栃尾辻に到着です。しばらくでオオビヌキ坂にさしかかり、独漂1518mは入谷側を絡んで登り、広葉樹の尾根に出ます。如来池、傘池の凹地を経てナベの耳と呼ばれる頂仙岳の北の肩に出ます。頂仙岳は西側を巻いて高崎横手を緩やかに下って行けば、弥山川源流の狼平に着きます。立派な避難小屋を右にしてオオヤマレンゲが散見される木道を登って行きます。大黒岩を右に見送るとまもなく弥山小屋に到着です。弥山小屋は個室や、フォトギャラリーもある2階建て。小屋の手前を北へ5分も行けば1895mの弥山山頂で天川弁財天社の奥宮があります。 弥山の朝は、国見八方睨から見るご来光で始まります。向かい合う八経ヶ岳へはトウヒ、シラベの純林を下り、古今宿の鞍部からネットに保護されたオオヤマレンゲを見て頂仙岳遥拝所を過ぎ、登り返すと八経ヶ岳山頂に到着です。八剣山、仏教ヶ岳ともいいます。眼下に白川又川の樹海を望み、大峰奥駈の諸峰と大台ヶ原の展望を満喫したら釈迦ヶ岳方面へとたどり、明星ヶ岳西肩の弥山辻から右に折れ近年開かれたレンゲ道に入ります。トウヒ、シラビソの樹林の林床は苔の緑がみずみずしく気持ちがよい樹林歩きを楽しめます。行く手に頂仙岳の山容を望み細尾山を過ぎた鞍部からわずか登ると、日裏山手前のコブに出ます。明るい視界が開け眼下に八剣谷と池ノ谷の樹海が扇状に広がり、弥山、八経ヶ岳が真正面に大きく眺められます。 次のピークが1725mの日裏山ですが展望は今ひとつです。トウヒとオオイタヤメイゲツの美しい森を抜けて緩やかにたどって行くと、狼平からの道に合流します。あとは往路にたどった道を下り栃尾辻に出て直進する川合道を取り、天川川合へと向かいます。
    天川川合でバスを下車。南へ歩き天ノ川の吊橋を渡り、道標を見て山裾に取り付きます。展望のない植林の坂道には一汗かかされます。やがて門前山に着き、送電鉄塔に出ると視界が開けます。その先で坪の内林道に出て、稲村ヶ岳や観音峰を見ながら50mほど進み、再び山道に入り登りを続けると栃尾辻に到着です。しばらくでオオビヌキ坂にさしかかり、独漂1518mは入谷側を絡んで登り、広葉樹の尾根に出ます。如来池、傘池の凹地を経てナベの耳と呼ばれる頂仙岳の北の肩に出ます。頂仙岳は西側を巻いて高崎横手を緩やかに下って行けば、弥山川源流の狼平に着きます。立派な避難小屋を右にしてオオヤマレンゲが散見される木道を登って行きます。大黒岩を右に見送るとまもなく弥山小屋に到着です。弥山小屋は個室や、フォトギャラリーもある2階建て。小屋の手前を北へ5分も行けば1895mの弥山山頂で天川弁財天社の奥宮があります。 弥山の朝は、国見八方睨から見るご来光で始まります。向かい合う八経ヶ岳へはトウヒ、シラベの純林を下り、古今宿の鞍部からネットに保護されたオオヤマレンゲを見て頂仙岳遥拝所を過ぎ、登り返すと八経ヶ岳山頂に到着です。八剣山、仏教ヶ岳ともいいます。眼下に白川又川の樹海を望み、大峰奥駈の諸峰と大台ヶ原の展望を満喫したら釈迦ヶ岳方面へとたどり、明星ヶ岳西肩の弥山辻から右に折れ近年開かれたレンゲ道に入ります。トウヒ、シラビソの樹林の林床は苔の緑がみずみずしく気持ちがよい樹林歩きを楽しめます。行く手に頂仙岳の山容を望み細尾山を過ぎた鞍部からわずか登ると、日裏山手前のコブに出ます。明るい視界が開け眼下に八剣谷と池ノ谷の樹海が扇状に広がり、弥山、八経ヶ岳が真正面に大きく眺められます。 次のピークが1725mの日裏山ですが展望は今ひとつです。トウヒとオオイタヤメイゲツの美しい森を抜けて緩やかにたどって行くと、狼平からの道に合流します。あとは往路にたどった道を下り栃尾辻に出て直進する川合道を取り、天川川合へと向かいます。
  • トンネル西口から弥山へ

    トンネル西口から弥山へ

    トンネル西口駐車場に駐車(有料)して、弥山への道標を見て橋のたもとから山道を進み木橋で沢を渡ります。ここでコースが沢沿いと尾根道とに分かれます。どちらを選んでも大差はありませんが、登りは沢沿いの方が途中で水も得られて幾分楽です。沢の左岸に沿って行くと二俣となり左の谷に10mほどの滝が懸かっています。道は右の谷に沿って通じており、水が途絶えるあたりで右の斜面への急坂となります。周辺にはナツツバキ(シャラノキ)やシャクナゲが多く、花期には沿道を飾ります。斜面を登り切ったところで尾根道と合流して、尾根を登り詰めるとほどなく奥駈道出合に着きます。丸太のベンチもあり一息つくには良いところです。 弥山へは稜線を西へ向かいます。尾根道はシロヤシオの古木が多く、6月上旬であれば花回廊となります。自然林の中、小さな上下を繰り返すと1600.5mの弁天ノ森に着きます。道は聖宝ノ宿まではブナ原生林の中を伝います。所々に湿地が見られバイケイソウが群落をつくっています。やがて道が平坦になるとブナの巨木に囲まれた聖宝ノ宿跡に出ます。古い石柱の近くには聖宝理源大師の等身大坐像があります。 明るく開けた宿跡から弥山への登りにさしかかります。この登りは以前は「聖宝八丁」と呼ばれる難所でしたが、今では北面にジグザグの歩きやすい道がつけられています。北面からの道を取り、旧道と合する尾根に出ると視界が開け大峰北部の山々が一望されます。さらに整備された木道を登り詰めトウヒ、シラベの林を抜けると弥山小屋に到着です。弥山山頂は小屋前の鳥居から右へ200mほど行ったところにあり、天川弁財天社の奥宮を祀る祠が建っています。トウヒやシラベの樹木に囲まれた小広い台地ですが、残念ながら展望は得られません。 八経ヶ岳へは弥山小屋の前から溝状になった急坂を下り、トウヒ、シラベの純林を抜けます。シカ除けネットに保護された中に大峰の妖精・オオヤマレンゲが左右に広がる古今宿です。初夏には純白の清楚な花が訪れる人を魅了します。頂仙岳遥拝所を過ぎ露岩の道を登り返すと近畿の最高峰、八経ヶ岳の山頂に立ちます。山名の由来は役行者が法華経八巻を埋めたという修験道の霊地であることから発した名で鉢経とも充てます。二等三角点の埋まる山頂には石で囲んだ小祠があり八大童子、不動明王が祀られています。大台ヶ原の全容を正面に仏生ヶ岳、孔雀岳、釈迦ヶ岳へと波打つ大峰奥駈道の山々などさえぎるものもない大パノラマが展開します。展望を満喫したら弥山小屋まで戻って往路を下り、トンネル西口へは尾根道を取って下山しましょう。
    トンネル西口駐車場に駐車(有料)して、弥山への道標を見て橋のたもとから山道を進み木橋で沢を渡ります。ここでコースが沢沿いと尾根道とに分かれます。どちらを選んでも大差はありませんが、登りは沢沿いの方が途中で水も得られて幾分楽です。沢の左岸に沿って行くと二俣となり左の谷に10mほどの滝が懸かっています。道は右の谷に沿って通じており、水が途絶えるあたりで右の斜面への急坂となります。周辺にはナツツバキ(シャラノキ)やシャクナゲが多く、花期には沿道を飾ります。斜面を登り切ったところで尾根道と合流して、尾根を登り詰めるとほどなく奥駈道出合に着きます。丸太のベンチもあり一息つくには良いところです。 弥山へは稜線を西へ向かいます。尾根道はシロヤシオの古木が多く、6月上旬であれば花回廊となります。自然林の中、小さな上下を繰り返すと1600.5mの弁天ノ森に着きます。道は聖宝ノ宿まではブナ原生林の中を伝います。所々に湿地が見られバイケイソウが群落をつくっています。やがて道が平坦になるとブナの巨木に囲まれた聖宝ノ宿跡に出ます。古い石柱の近くには聖宝理源大師の等身大坐像があります。 明るく開けた宿跡から弥山への登りにさしかかります。この登りは以前は「聖宝八丁」と呼ばれる難所でしたが、今では北面にジグザグの歩きやすい道がつけられています。北面からの道を取り、旧道と合する尾根に出ると視界が開け大峰北部の山々が一望されます。さらに整備された木道を登り詰めトウヒ、シラベの林を抜けると弥山小屋に到着です。弥山山頂は小屋前の鳥居から右へ200mほど行ったところにあり、天川弁財天社の奥宮を祀る祠が建っています。トウヒやシラベの樹木に囲まれた小広い台地ですが、残念ながら展望は得られません。 八経ヶ岳へは弥山小屋の前から溝状になった急坂を下り、トウヒ、シラベの純林を抜けます。シカ除けネットに保護された中に大峰の妖精・オオヤマレンゲが左右に広がる古今宿です。初夏には純白の清楚な花が訪れる人を魅了します。頂仙岳遥拝所を過ぎ露岩の道を登り返すと近畿の最高峰、八経ヶ岳の山頂に立ちます。山名の由来は役行者が法華経八巻を埋めたという修験道の霊地であることから発した名で鉢経とも充てます。二等三角点の埋まる山頂には石で囲んだ小祠があり八大童子、不動明王が祀られています。大台ヶ原の全容を正面に仏生ヶ岳、孔雀岳、釈迦ヶ岳へと波打つ大峰奥駈道の山々などさえぎるものもない大パノラマが展開します。展望を満喫したら弥山小屋まで戻って往路を下り、トンネル西口へは尾根道を取って下山しましょう。
  • 白谷トンネルから笠捨山へ

    白谷トンネルから笠捨山へ

    笠捨山は別名を仙ヶ岳、千草岳とも呼び、笠のような山容は一際群を抜いて聳え立ちます。登山口となる白谷トンネルへは車を利用すれば、京阪神からでも前夜発日帰りができます。 白谷トンネル東口から階段を上がり巡視道に入ります。物置小屋を過ぎ、急な階段道を登って行けば展望が開けて倶利伽羅岳や転法輪岳が姿を見せます。さらに階段を登り2つ目の物置小屋を過ぎると、程なく稜線の奥駈道に合いします。右へ5分も登れば行仙岳の頂で、NHK中継塔が建っています。枯れ古木の下に三角点標石と石の道標が立ち、明るく開けた山頂からは中八人山や北へと続く大峰北部の釈迦ヶ岳、仏生ヶ岳などが望まれます。ひと息着いたら南へと道を取り、山腹を絡みコブをひとつ越えて佐田辻に建つ行仙宿山小屋に下ります。 小屋からは涸池を見て、鉄塔のあるピークを越えます。鞍部から次のピークへの急坂にさしかかると一際目立つ老檜があり、八大金剛童子の石柱と幹に打ち付けた修験者の秘伝があります。ここからは小さくアップダウンして3つ目のピークを踏む頃、周囲はブナに混じってアケボノツツジが散見されます。5月初旬にはシャクナゲと共に花期を迎えます。登り返してピーク1,246mに立つと、眼前に笠捨山が双耳峰となって大きく立ち塞がります。ここから直下の鞍部にかけては左側(四ノ川側)が切り立った断崖になるので細心の注意が必要です。山頂へは標高差150mの急登で笠捨山東峰と西峰との鞍部に登り着きます。左が東峰で大峰の奥深さを感じさせる雄大な眺めが展開します。西峰(笠捨山)には2等三角点の標石が埋まり、地蔵岳から香精山へと続く山稜が眺められます。展望を満喫したら、足を返し、往路を白谷トンネル東口まで引き返します。
    笠捨山は別名を仙ヶ岳、千草岳とも呼び、笠のような山容は一際群を抜いて聳え立ちます。登山口となる白谷トンネルへは車を利用すれば、京阪神からでも前夜発日帰りができます。 白谷トンネル東口から階段を上がり巡視道に入ります。物置小屋を過ぎ、急な階段道を登って行けば展望が開けて倶利伽羅岳や転法輪岳が姿を見せます。さらに階段を登り2つ目の物置小屋を過ぎると、程なく稜線の奥駈道に合いします。右へ5分も登れば行仙岳の頂で、NHK中継塔が建っています。枯れ古木の下に三角点標石と石の道標が立ち、明るく開けた山頂からは中八人山や北へと続く大峰北部の釈迦ヶ岳、仏生ヶ岳などが望まれます。ひと息着いたら南へと道を取り、山腹を絡みコブをひとつ越えて佐田辻に建つ行仙宿山小屋に下ります。 小屋からは涸池を見て、鉄塔のあるピークを越えます。鞍部から次のピークへの急坂にさしかかると一際目立つ老檜があり、八大金剛童子の石柱と幹に打ち付けた修験者の秘伝があります。ここからは小さくアップダウンして3つ目のピークを踏む頃、周囲はブナに混じってアケボノツツジが散見されます。5月初旬にはシャクナゲと共に花期を迎えます。登り返してピーク1,246mに立つと、眼前に笠捨山が双耳峰となって大きく立ち塞がります。ここから直下の鞍部にかけては左側(四ノ川側)が切り立った断崖になるので細心の注意が必要です。山頂へは標高差150mの急登で笠捨山東峰と西峰との鞍部に登り着きます。左が東峰で大峰の奥深さを感じさせる雄大な眺めが展開します。西峰(笠捨山)には2等三角点の標石が埋まり、地蔵岳から香精山へと続く山稜が眺められます。展望を満喫したら、足を返し、往路を白谷トンネル東口まで引き返します。