【静岡県】の登山コースガイド
静岡県
検索結果52件中
21-40件
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天城シャクナゲコース
- 日帰り
- 5時間15分
- 8km
天城シャクナゲコース
- 日帰り
- 5時間15分
- 8km
自家用車の場合は天城高原ハイカー専用駐車場(無料・普通車88台・バス5台駐車可能)を利用、バスは伊東駅から天城高原ゴルフ場行を利用します。帰りの時間を必ず確認しておきましょう。 ハイカー専用駐車場から天城縦走登山口の案内板を見て杉・檜の林に入り20分ほど歩くと四辻(万二郎岳登山口)の三差路、「万二郎岳55分」の道標があります。シャクナゲコースは、ここから万二郎岳~万三郎岳~万三郎岳下分岐~涸沢分岐~四辻(万二郎岳登山口)と周遊コースなので、どちら周りでもかまいません。ここでは四辻から万二郎岳へと向かいます。 コース全体で道標が整備されていますが、ガレ場や急な登り、急な長い下りがあるので足元には十分注意が必要です。ブナやヒメシャラが目立つ自然林の中を行くと5月頃にはトウゴクミツバツツジ、6月下旬から7月上旬にはアマギツツジが見られます。 少し急になったジグザグの岩の多い道を登ると万二郎岳山頂に到着です。山頂は樹木に覆われ見晴らしは悪いですが、万三郎岳へ向かう岩場の多い急斜面を下ると、ひときわ展望の良い岩場に出ます。東伊豆から南伊豆に延びた海岸線、正面にはこれから向かう馬の背、その肩に万三郎岳を望み、晴天時は北側に富士山も望めます。 ぐんと下がって登り返すと馬の背です。長いアセビのトンネルを抜けると荒れた急な下りが始まります。岩場にかかるハシゴもあるので十分注意して下りましょう。下りきると石楠立です。この付近からアマギシャクナゲの群落が始まります。シャクナゲの花を愛でながら登り切ると万三郎岳山頂に着きます。案内看板の前には1等三角点があります。 山頂から小岳に向かって5分程歩いた先に万三郎岳下分岐があります。左は小岳(天城縦走路)方面ですが、ここは右にとり涸沢分岐点方面に向かいます。500段余りの木の長い階段を下ります。十分注意しましょう。この付近にもアマギシャクナゲが見られます。長い下りの階段を過ぎたあたりから、ヒメシャラとブナの林に変わり道が緩やかになり涸沢分岐点に着きます。このまま万三郎岳の裾を巻くように斜面の緩やかな登り下りを繰り返します。左側が切れ落ちた斜面で道幅も狭く岩場も多く滑りやすいので要注意の場所です。このあたりでもアマギシャクナゲが見られます。 道なりに進んで101石柱、そして四辻(万二郎岳登山口)に戻ってきます。ここから左に進み天城縦走登山口に戻ります。自家用車の場合は天城高原ハイカー専用駐車場(無料・普通車88台・バス5台駐車可能)を利用、バスは伊東駅から天城高原ゴルフ場行を利用します。帰りの時間を必ず確認しておきましょう。 ハイカー専用駐車場から天城縦走登山口の案内板を見て杉・檜の林に入り20分ほど歩くと四辻(万二郎岳登山口)の三差路、「万二郎岳55分」の道標があります。シャクナゲコースは、ここから万二郎岳~万三郎岳~万三郎岳下分岐~涸沢分岐~四辻(万二郎岳登山口)と周遊コースなので、どちら周りでもかまいません。ここでは四辻から万二郎岳へと向かいます。 コース全体で道標が整備されていますが、ガレ場や急な登り、急な長い下りがあるので足元には十分注意が必要です。ブナやヒメシャラが目立つ自然林の中を行くと5月頃にはトウゴクミツバツツジ、6月下旬から7月上旬にはアマギツツジが見られます。 少し急になったジグザグの岩の多い道を登ると万二郎岳山頂に到着です。山頂は樹木に覆われ見晴らしは悪いですが、万三郎岳へ向かう岩場の多い急斜面を下ると、ひときわ展望の良い岩場に出ます。東伊豆から南伊豆に延びた海岸線、正面にはこれから向かう馬の背、その肩に万三郎岳を望み、晴天時は北側に富士山も望めます。 ぐんと下がって登り返すと馬の背です。長いアセビのトンネルを抜けると荒れた急な下りが始まります。岩場にかかるハシゴもあるので十分注意して下りましょう。下りきると石楠立です。この付近からアマギシャクナゲの群落が始まります。シャクナゲの花を愛でながら登り切ると万三郎岳山頂に着きます。案内看板の前には1等三角点があります。 山頂から小岳に向かって5分程歩いた先に万三郎岳下分岐があります。左は小岳(天城縦走路)方面ですが、ここは右にとり涸沢分岐点方面に向かいます。500段余りの木の長い階段を下ります。十分注意しましょう。この付近にもアマギシャクナゲが見られます。長い下りの階段を過ぎたあたりから、ヒメシャラとブナの林に変わり道が緩やかになり涸沢分岐点に着きます。このまま万三郎岳の裾を巻くように斜面の緩やかな登り下りを繰り返します。左側が切れ落ちた斜面で道幅も狭く岩場も多く滑りやすいので要注意の場所です。このあたりでもアマギシャクナゲが見られます。 道なりに進んで101石柱、そして四辻(万二郎岳登山口)に戻ってきます。ここから左に進み天城縦走登山口に戻ります。 -
吉田ルート
- 1泊2日
- 9時間7分
- 13.6km
吉田ルート
- 1泊2日
- 9時間7分
- 13.6km
北口、裏口とも呼ばれた吉田口は、北口本宮冨士浅間神社を起点とする富士講で栄えた登拝道です。小御嶽神社の建つ船津口五合目(現在の富士スバルライン五合目)までバスで達せられるようになって登山者の流れは一変し、現在は吉田ルートとして富士登山道中で最多の登山者数を誇ります。なお吉田ルートの基調色は黄色です。 スバルライン五合目の標高は2305m。宿泊施設や売店が立ち並ぶ広場を抜けると登山道に導かれます。眺めのよい水平道がわずかに下り始めると泉ヶ滝の分岐点。佐藤小屋への道を左手に見送り、右手のスロープを登って、富士山安全指導センターの建つ吉田口六合目に上がります。わずか上方で復路となる下山道を合せ、左手上方を目指します。行く手には七合目に連なる山小屋が仰がれます。 標高2700mの花小屋から始まる七合目には、7軒の山小屋が建ち並びます。七合目救護所をへて最上部の東洋館までは、吉田大沢右岸をなす急峻な岩尾根をたどります。眺めは素晴らしく小気味よく高度が上がる反面、雨模様や強風時はスリップや転倒に注意が必要です。標高3000mを超えると、救護所のある太子館はじめ4軒の山小屋が建つ八合目。傾斜はいくぶん緩むものの足をとられる砂礫の道で、疲れも加わりペースが鈍る所です。下山道への連絡道を分けた先が、須走ルートを合せた本八合目(3370m)。ここからは胸突き八丁と呼ばれる山頂への登高です。御来光館の建つ八合五勺から九合目の小屋跡を過ぎます。赤褐色の岩礫が転がる道は歩きにくく、道幅もないゆえ夏山最盛期の夜明け前などは、山頂での御来光目当ての登山者で渋滞もします。登り着いた吉田・須走ルート山頂には、浅間大社東北奥宮である久須志神社が祀られています。 下山道は、久須志神社から左に進んだ大日岳との鞍部状から左に分岐します。幅広のブルドーザー道をたどり、本八合目をかすめて須走ルート八合目(下江戸屋分岐)前に降り立ちます。ここで下山道が二分します。道なりに下っていくのは須走ルート下山道。吉田ルート下山道は標識に従って左に折れ、下江戸屋の軒先を通って延びています。下江戸屋手前にも注意喚起の標識が立ちますが、分岐を見落とす人が後を絶ちません。広大な斜面に続くジグザグ道は、飽きるほどに単調です。緊急避難所を過ぎ、七合目公衆トイレのやや下方で左に方向を変えます。吉田口六合目に出て往路に合流し、スバルライン五合目に戻ります。北口、裏口とも呼ばれた吉田口は、北口本宮冨士浅間神社を起点とする富士講で栄えた登拝道です。小御嶽神社の建つ船津口五合目(現在の富士スバルライン五合目)までバスで達せられるようになって登山者の流れは一変し、現在は吉田ルートとして富士登山道中で最多の登山者数を誇ります。なお吉田ルートの基調色は黄色です。 スバルライン五合目の標高は2305m。宿泊施設や売店が立ち並ぶ広場を抜けると登山道に導かれます。眺めのよい水平道がわずかに下り始めると泉ヶ滝の分岐点。佐藤小屋への道を左手に見送り、右手のスロープを登って、富士山安全指導センターの建つ吉田口六合目に上がります。わずか上方で復路となる下山道を合せ、左手上方を目指します。行く手には七合目に連なる山小屋が仰がれます。 標高2700mの花小屋から始まる七合目には、7軒の山小屋が建ち並びます。七合目救護所をへて最上部の東洋館までは、吉田大沢右岸をなす急峻な岩尾根をたどります。眺めは素晴らしく小気味よく高度が上がる反面、雨模様や強風時はスリップや転倒に注意が必要です。標高3000mを超えると、救護所のある太子館はじめ4軒の山小屋が建つ八合目。傾斜はいくぶん緩むものの足をとられる砂礫の道で、疲れも加わりペースが鈍る所です。下山道への連絡道を分けた先が、須走ルートを合せた本八合目(3370m)。ここからは胸突き八丁と呼ばれる山頂への登高です。御来光館の建つ八合五勺から九合目の小屋跡を過ぎます。赤褐色の岩礫が転がる道は歩きにくく、道幅もないゆえ夏山最盛期の夜明け前などは、山頂での御来光目当ての登山者で渋滞もします。登り着いた吉田・須走ルート山頂には、浅間大社東北奥宮である久須志神社が祀られています。 下山道は、久須志神社から左に進んだ大日岳との鞍部状から左に分岐します。幅広のブルドーザー道をたどり、本八合目をかすめて須走ルート八合目(下江戸屋分岐)前に降り立ちます。ここで下山道が二分します。道なりに下っていくのは須走ルート下山道。吉田ルート下山道は標識に従って左に折れ、下江戸屋の軒先を通って延びています。下江戸屋手前にも注意喚起の標識が立ちますが、分岐を見落とす人が後を絶ちません。広大な斜面に続くジグザグ道は、飽きるほどに単調です。緊急避難所を過ぎ、七合目公衆トイレのやや下方で左に方向を変えます。吉田口六合目に出て往路に合流し、スバルライン五合目に戻ります。 -
富士宮ルート
- 1泊2日
- 8時間40分
- 7.6km
富士宮ルート
- 1泊2日
- 8時間40分
- 7.6km
富士山本宮浅間大社の建つ大宮(現在の富士宮)から富士山頂を目指す修験の道が富士表口、大宮口と呼ばれ栄えた富士宮口(三島口)です。富士宮ルートとしての登山起点、五合目の標高は2380m。富士山の各五合目にあって最高所に位置します。下山専用道を持たないゆえ下山者も加わり混雑も見られますが、山頂へ至る最短路として吉田ルートに次ぐ人気を誇ります。ルートの基調色は青色。 森林限界上に位置する富士宮口五合目バス停から右手の階段を上がれば登山口です。登山道開通期間中には富士山総合指導センターが開設されます。外国人で初の富士登山を果たしたオールコックの胸像脇から登山道は始まります。すぐ上で立派な公衆トイレを見て、斜上するスロープをたどります。小尾根を越えると、2軒の山小屋が建つ六合目です。宝永山荘の右端からは、山頂を目指し一直線の登高が始まります。六合目から新七合目、七合目、八合目へと、ほぼ50分から1時間の歩程毎に山小屋が現れます。宝永山と肩を並べる位置に新七合目、標高3000mラインを超せば七合目です。頂上直下と並び急峻かつ険しいのが八合目直下。赤褐色の岩塊や砂礫のスロープを右方向へたどり、短い岩場を越えてひと登りすると、救護所である富士山衛生センターも建つ八合目です。八合目の上方には大きな凹状地形が広がり、遅くまで残雪が見られます。ルートは左手の尾根状をたどり、九合目をへて本ルート最終の山小屋が建つ九合五勺に達します。山頂直下は脆そうな岩肌が左右からせり出した急峻な喉状です。下山者とのすれ違いや落石にも注意してこれを登り切れば、富士山頂上浅間大社奥宮の建つ富士宮ルート山頂です。 下山は往路をたどります。このほか御殿場ルート下山~宝永山馬の背経由で富士宮口五合目に至る行程も広く利用されています。ただし営業小屋は限られます。数箇所の分岐点があるほか、視界不良時の宝永第一火口底では、ルートを見失わぬよう注意が必要です。富士山本宮浅間大社の建つ大宮(現在の富士宮)から富士山頂を目指す修験の道が富士表口、大宮口と呼ばれ栄えた富士宮口(三島口)です。富士宮ルートとしての登山起点、五合目の標高は2380m。富士山の各五合目にあって最高所に位置します。下山専用道を持たないゆえ下山者も加わり混雑も見られますが、山頂へ至る最短路として吉田ルートに次ぐ人気を誇ります。ルートの基調色は青色。 森林限界上に位置する富士宮口五合目バス停から右手の階段を上がれば登山口です。登山道開通期間中には富士山総合指導センターが開設されます。外国人で初の富士登山を果たしたオールコックの胸像脇から登山道は始まります。すぐ上で立派な公衆トイレを見て、斜上するスロープをたどります。小尾根を越えると、2軒の山小屋が建つ六合目です。宝永山荘の右端からは、山頂を目指し一直線の登高が始まります。六合目から新七合目、七合目、八合目へと、ほぼ50分から1時間の歩程毎に山小屋が現れます。宝永山と肩を並べる位置に新七合目、標高3000mラインを超せば七合目です。頂上直下と並び急峻かつ険しいのが八合目直下。赤褐色の岩塊や砂礫のスロープを右方向へたどり、短い岩場を越えてひと登りすると、救護所である富士山衛生センターも建つ八合目です。八合目の上方には大きな凹状地形が広がり、遅くまで残雪が見られます。ルートは左手の尾根状をたどり、九合目をへて本ルート最終の山小屋が建つ九合五勺に達します。山頂直下は脆そうな岩肌が左右からせり出した急峻な喉状です。下山者とのすれ違いや落石にも注意してこれを登り切れば、富士山頂上浅間大社奥宮の建つ富士宮ルート山頂です。 下山は往路をたどります。このほか御殿場ルート下山~宝永山馬の背経由で富士宮口五合目に至る行程も広く利用されています。ただし営業小屋は限られます。数箇所の分岐点があるほか、視界不良時の宝永第一火口底では、ルートを見失わぬよう注意が必要です。 -
須走ルート
- 1泊2日
- 9時間57分
- 12.2km
須走ルート
- 1泊2日
- 9時間57分
- 12.2km
東口と呼ばれた須走口は、東口本宮須走浅間神社を起点とした古い歴史を誇る富士登山道です。須走ルートとしての登山起点は、標高1970mの須走口五合目。吉田・富士宮両ルートの五合目より数百m低いものの、これら2ルートの混雑に比せば、比較的落ち着いています。ルートの基調色は赤色に設定されています。 須走口五合目から2軒の山小屋の軒先を抜け、ミヤマハンノキやダケカンバなどが主体の樹陰の道をたどります。下山道をあわせた先で山頂を仰ぐ砂礫の斜面に出ますが、長田山荘が建つ新六合目から先も低灌木帯が続き、林床には花も多くみられます。瀬戸館の建つ本六合目は標高2620m余。この高さまで緑があるのは須走ルートだけです。六合目を過ぎて草木は低くなり、やがて岩礫の斜面に移ろいます。岩稜状に続くジグザグの急登を登り切ると、下山道を分ける七合目。右へ斜上して溶岩流を渡ると、本七合目下の急登が待っています。八合目までは下山道やブルドーザー道が複雑に交錯するので、下山時も含め標識に従って進みます。須走ルート八合目(下江戸屋分岐)からひと登りで、吉田ルート合流点の本八合目(3370m)です。ここからは吉田ルートをたどり(吉田ルート(コースガイド)参照)久須志神社(東北奥宮)に立ちます。 下山路は須走ルート八合目(下江戸屋分岐)まで吉田ルートと重なります。左折する吉田ルート下山道と分かれ、須走ルート下山は右方向へ道なりに続くスロープを下ります。本七合目で登山道と分かれ右(南)方向へ進むと、左手に下る砂走り道が現れます。砂礫が堆積した急斜面は足への負担も少なく、効率よく高度が下がります。ただし御殿場ルートの大砂走りに比べ転石もまじるので慎重さも必要です。傾斜が緩んで砂払五合目に降り立ち、樹林を抜けて須走口五合目に戻ります。東口と呼ばれた須走口は、東口本宮須走浅間神社を起点とした古い歴史を誇る富士登山道です。須走ルートとしての登山起点は、標高1970mの須走口五合目。吉田・富士宮両ルートの五合目より数百m低いものの、これら2ルートの混雑に比せば、比較的落ち着いています。ルートの基調色は赤色に設定されています。 須走口五合目から2軒の山小屋の軒先を抜け、ミヤマハンノキやダケカンバなどが主体の樹陰の道をたどります。下山道をあわせた先で山頂を仰ぐ砂礫の斜面に出ますが、長田山荘が建つ新六合目から先も低灌木帯が続き、林床には花も多くみられます。瀬戸館の建つ本六合目は標高2620m余。この高さまで緑があるのは須走ルートだけです。六合目を過ぎて草木は低くなり、やがて岩礫の斜面に移ろいます。岩稜状に続くジグザグの急登を登り切ると、下山道を分ける七合目。右へ斜上して溶岩流を渡ると、本七合目下の急登が待っています。八合目までは下山道やブルドーザー道が複雑に交錯するので、下山時も含め標識に従って進みます。須走ルート八合目(下江戸屋分岐)からひと登りで、吉田ルート合流点の本八合目(3370m)です。ここからは吉田ルートをたどり(吉田ルート(コースガイド)参照)久須志神社(東北奥宮)に立ちます。 下山路は須走ルート八合目(下江戸屋分岐)まで吉田ルートと重なります。左折する吉田ルート下山道と分かれ、須走ルート下山は右方向へ道なりに続くスロープを下ります。本七合目で登山道と分かれ右(南)方向へ進むと、左手に下る砂走り道が現れます。砂礫が堆積した急斜面は足への負担も少なく、効率よく高度が下がります。ただし御殿場ルートの大砂走りに比べ転石もまじるので慎重さも必要です。傾斜が緩んで砂払五合目に降り立ち、樹林を抜けて須走口五合目に戻ります。 -
御殿場ルート
- 1泊2日
- 11時間50分
- 17.8km
御殿場ルート
- 1泊2日
- 11時間50分
- 17.8km
東表口と呼ばれた御殿場口は1883(明治16)年、御殿場から須山口(南口)下部に連結して開削された新道です。登山起点の新五合目は標高1440mと、他の三登山道に比して圧倒的に低く、山頂までの距離も長大ですが、落ち着いた雰囲気と大砂走り下山道の存在により根強い支持も得ています。ルートを表す基調色は緑色です。 御殿場口新五合目バス停からひと登りした大石茶屋からは、小さな蛇行を繰り返しながら緩やかな砂礫の斜面をたどります。次郎坊(新五合五勺)で下山道と交差したのち、顕著に右斜上していきます。単調なうえに砂礫に足をとられて歩きにくい所です。新六合目からは、露岩や転石も目立つようになります。六合目をへて標高3000mを超え、日の出館(休業中)の建つ七合目に上がります。七合五勺へと緩やかに左斜上の後は、赤褐色の火山礫が覆う急峻な岩稜状に変わります。赤岩八合館が建つ七合九勺から八合目・見晴館跡を傍らに見て尾根を左に回り込むと、山頂直下の凹状部です。露岩や浮き石が覆うつづら折りの急登を登り切った小鞍部が、銀明水が祀られた御殿場ルート山頂です。 下山は七合目まで往路を下ります。七合目直下で登山道を左に分け、砂礫が堆積した砂走り状の道へと導かれます。下り(走り)六合で、御殿場口六合目へつづくプリンスルートを左に分け、すぐ下方で宝永山馬の背への道を右に分けます。天候がよければ、宝永山に立ち寄るとよいでしょう。 岩まじりの道が細かい砂礫主体となり、急峻かつ豪快な大砂走りとなります。木柱とロープに沿ってぐんぐんと高度を下げ、次郎坊(新五合五勺)で大砂走りを終えます。まっすぐ続く緩やかなスロープをたどり、御殿場口新五合目に下り着きます。東表口と呼ばれた御殿場口は1883(明治16)年、御殿場から須山口(南口)下部に連結して開削された新道です。登山起点の新五合目は標高1440mと、他の三登山道に比して圧倒的に低く、山頂までの距離も長大ですが、落ち着いた雰囲気と大砂走り下山道の存在により根強い支持も得ています。ルートを表す基調色は緑色です。 御殿場口新五合目バス停からひと登りした大石茶屋からは、小さな蛇行を繰り返しながら緩やかな砂礫の斜面をたどります。次郎坊(新五合五勺)で下山道と交差したのち、顕著に右斜上していきます。単調なうえに砂礫に足をとられて歩きにくい所です。新六合目からは、露岩や転石も目立つようになります。六合目をへて標高3000mを超え、日の出館(休業中)の建つ七合目に上がります。七合五勺へと緩やかに左斜上の後は、赤褐色の火山礫が覆う急峻な岩稜状に変わります。赤岩八合館が建つ七合九勺から八合目・見晴館跡を傍らに見て尾根を左に回り込むと、山頂直下の凹状部です。露岩や浮き石が覆うつづら折りの急登を登り切った小鞍部が、銀明水が祀られた御殿場ルート山頂です。 下山は七合目まで往路を下ります。七合目直下で登山道を左に分け、砂礫が堆積した砂走り状の道へと導かれます。下り(走り)六合で、御殿場口六合目へつづくプリンスルートを左に分け、すぐ下方で宝永山馬の背への道を右に分けます。天候がよければ、宝永山に立ち寄るとよいでしょう。 岩まじりの道が細かい砂礫主体となり、急峻かつ豪快な大砂走りとなります。木柱とロープに沿ってぐんぐんと高度を下げ、次郎坊(新五合五勺)で大砂走りを終えます。まっすぐ続く緩やかなスロープをたどり、御殿場口新五合目に下り着きます。 -
富士山頂・お鉢巡り
- 日帰り
- 1時間42分
- 2.5km
富士山頂・お鉢巡り
- 日帰り
- 1時間42分
- 2.5km
富士山頂は大内院、あるいはお鉢と呼ばれる直径約600m、深さ200m余の噴火口が口を開け、八峰(九峰とも)を数える峰頭がこれを取り囲みます。古来、富士山信仰ではこれをハスの八つの花びらに見立て、仏の尊名をあてた各峰を巡拝しながら一周しました。これが八葉巡りで、噴火口のすり鉢状から「お鉢巡り」と解釈されるようにもなったようです。お鉢はどちら回りでもよいですが、古来の通例は時計回りでした。ここでは久須志神社(東北奥宮)の建つ吉田・須走ルート山頂から一周します。成就岳から伊豆岳~朝日岳をへて東安ノ河原までは、路肩に注意して東側を巻き進みます。銀明水の小鞍部を越えた先が富士山頂上浅間大社奥宮の建つ富士宮ルート山頂です。三島岳の北を巻いて馬の背の急斜面に取付き、登り切った分岐を左へ上がれば剣ヶ峰です。分岐に戻り左(北)へ進み、西安ノ河原を抜けて大沢崩源頭部の外輪尾根上に上がります。小内院と呼ぶ噴火口跡を左に見て白山岳の裾を進みますが、金名水経由でもよいでしょう。久須志岳に上がり久須志神社(東北奥宮)でお鉢一周を終えます。富士山頂は大内院、あるいはお鉢と呼ばれる直径約600m、深さ200m余の噴火口が口を開け、八峰(九峰とも)を数える峰頭がこれを取り囲みます。古来、富士山信仰ではこれをハスの八つの花びらに見立て、仏の尊名をあてた各峰を巡拝しながら一周しました。これが八葉巡りで、噴火口のすり鉢状から「お鉢巡り」と解釈されるようにもなったようです。お鉢はどちら回りでもよいですが、古来の通例は時計回りでした。ここでは久須志神社(東北奥宮)の建つ吉田・須走ルート山頂から一周します。成就岳から伊豆岳~朝日岳をへて東安ノ河原までは、路肩に注意して東側を巻き進みます。銀明水の小鞍部を越えた先が富士山頂上浅間大社奥宮の建つ富士宮ルート山頂です。三島岳の北を巻いて馬の背の急斜面に取付き、登り切った分岐を左へ上がれば剣ヶ峰です。分岐に戻り左(北)へ進み、西安ノ河原を抜けて大沢崩源頭部の外輪尾根上に上がります。小内院と呼ぶ噴火口跡を左に見て白山岳の裾を進みますが、金名水経由でもよいでしょう。久須志岳に上がり久須志神社(東北奥宮)でお鉢一周を終えます。 -
水ヶ塚公園から須山口~宝永山周回
- 日帰り
- 7時間55分
- 13.5km
水ヶ塚公園から須山口~宝永山周回
- 日帰り
- 7時間55分
- 13.5km
南口とも呼ばれた須山口は、古くから存在したという富士登山道ですが、宝永の大噴火で須山口五合目付近が消滅。安永年間に復興もされましたが廃れてしまいます。これが平成に入り、須山浅間神社から水ヶ塚公園~現六合目間を登山歩道、旧二合八勺から須山御胎内~水ヶ塚公園間を下山歩道として整備・復興されました。水ヶ塚公園を起点に、宝永山山頂を介して須山口の両歩道を周回します。 須山口登山歩道の入口は水ヶ塚公園の駐車場東端、富士山スカイラインの向かい側です。ここが上り一合(水ヶ塚入口)で、登山歩道の案内板が立ちます。苔むした樹林帯を緩やかに進み、上り一合五勺(上り)を過ぎて登山道らしくなります。荒れた雨裂などでは、これを巻いて踏み跡や目印のテープがつけられています。しだいに傾斜は強くなり、愛鷹連峰や西伊豆稜線が樹間にのぞく二合目を抜けると、顕著な左カーブで尾根上に上がります。ここが高鉢およびガラン沢コースへの分岐点で、わずかに右へ進むと御殿庭下の標識が立つ二合五勺・御殿庭下です。矮小化したカラマツが目を引く宝永第三火口一帯を御殿庭と呼び、カラマツが黄に色づく秋の景観は見事です。須山口登山歩道はこの先、火口の西縁をなす尾根状をたどります。御殿庭中(上り三合)を過ぎると木々も低くなり、視界も開けてきます。「三合五勺 御殿庭上」の標柱を見て森林限界に達し、不安定な岩礫の急斜面を登り切って第二、第一火口を仰ぐ四合目に上がります。宝永第一火口縁で右へ折れ、ベンチとテーブルが置かれた宝永第一火口に降り立ちます。 宝永山へは火口壁に「Z」型となって登山道が続きます。砂礫に足をとられ、体力を消耗する登りです。二度目の屈曲点の先で右方向のスロープに移り、宝永山に立ちます。宝永山からは馬の背をへて、御殿場ルート下山道へ。大砂走りの豪快な下りで一気に高度を下げると、旧二合八勺(須山口下山歩道分岐)から須山口下山歩道が分岐します。二合五勺を通り四辻への道は、砂礫地に続くだけに明瞭とはいえません。ルートを示す標柱も立ちますが、視界不良時はルートを外さぬよう注意しましょう。フジアザミが群生する斜面をへて二ツ塚上塚を右(西)に巻き、四辻(二合)を突っ切ります。幕岩への下降点をへて下り着いた須山御胎内(一合)が下り一合。ここから山腹道をたどり水ヶ塚公園に戻ります。なお須山口登山歩道の下部は、水ヶ塚公園~弁当場~富士山資料館をへて須山浅間神社を結びます(詳細は裾野市観光協会および富士山須山口登山歩道ホームページなどへ)。南口とも呼ばれた須山口は、古くから存在したという富士登山道ですが、宝永の大噴火で須山口五合目付近が消滅。安永年間に復興もされましたが廃れてしまいます。これが平成に入り、須山浅間神社から水ヶ塚公園~現六合目間を登山歩道、旧二合八勺から須山御胎内~水ヶ塚公園間を下山歩道として整備・復興されました。水ヶ塚公園を起点に、宝永山山頂を介して須山口の両歩道を周回します。 須山口登山歩道の入口は水ヶ塚公園の駐車場東端、富士山スカイラインの向かい側です。ここが上り一合(水ヶ塚入口)で、登山歩道の案内板が立ちます。苔むした樹林帯を緩やかに進み、上り一合五勺(上り)を過ぎて登山道らしくなります。荒れた雨裂などでは、これを巻いて踏み跡や目印のテープがつけられています。しだいに傾斜は強くなり、愛鷹連峰や西伊豆稜線が樹間にのぞく二合目を抜けると、顕著な左カーブで尾根上に上がります。ここが高鉢およびガラン沢コースへの分岐点で、わずかに右へ進むと御殿庭下の標識が立つ二合五勺・御殿庭下です。矮小化したカラマツが目を引く宝永第三火口一帯を御殿庭と呼び、カラマツが黄に色づく秋の景観は見事です。須山口登山歩道はこの先、火口の西縁をなす尾根状をたどります。御殿庭中(上り三合)を過ぎると木々も低くなり、視界も開けてきます。「三合五勺 御殿庭上」の標柱を見て森林限界に達し、不安定な岩礫の急斜面を登り切って第二、第一火口を仰ぐ四合目に上がります。宝永第一火口縁で右へ折れ、ベンチとテーブルが置かれた宝永第一火口に降り立ちます。 宝永山へは火口壁に「Z」型となって登山道が続きます。砂礫に足をとられ、体力を消耗する登りです。二度目の屈曲点の先で右方向のスロープに移り、宝永山に立ちます。宝永山からは馬の背をへて、御殿場ルート下山道へ。大砂走りの豪快な下りで一気に高度を下げると、旧二合八勺(須山口下山歩道分岐)から須山口下山歩道が分岐します。二合五勺を通り四辻への道は、砂礫地に続くだけに明瞭とはいえません。ルートを示す標柱も立ちますが、視界不良時はルートを外さぬよう注意しましょう。フジアザミが群生する斜面をへて二ツ塚上塚を右(西)に巻き、四辻(二合)を突っ切ります。幕岩への下降点をへて下り着いた須山御胎内(一合)が下り一合。ここから山腹道をたどり水ヶ塚公園に戻ります。なお須山口登山歩道の下部は、水ヶ塚公園~弁当場~富士山資料館をへて須山浅間神社を結びます(詳細は裾野市観光協会および富士山須山口登山歩道ホームページなどへ)。 -
御殿場口新五合目から二ツ塚下塚(下双子山)
- 日帰り
- 2時間55分
- 6km
御殿場口新五合目から二ツ塚下塚(下双子山)
- 日帰り
- 2時間55分
- 6km
御殿場口新五合目のやや上方、愛らしい二つコブを見せるのが富士山の寄生火山のひとつである二ツ塚(双子山)です。大石茶屋で富士登山道から左に分かれ、鉄杭とロープに従って砂礫のスロープをたどります。急斜面を登り切ると二ツ塚(双子山)分岐の標識が立つ鞍部状。左へひと登りで二ツ塚下塚(下双子山)の山頂です。上塚をへて間近に仰ぐ富士山頂をはじめ360度の眺望が広がります。 山頂から西側に下って(視界が悪いときは道迷いに注意)山腹をたどり、四辻(二合)で左折して須山口下山歩道に入ります。幕岩への分岐で須山御胎内方面と分かれ、やや荒れた急斜面を下って明るい沢床に降り立ちます。見上げる幕岩は富士山噴火の溶岩やスコリアと呼ばれる噴出物が積み重なった懸崖をなしています。幕岩から溶岩流の沢床をわずかに下ると、涸滝状の崖上で行く手を阻まれます。ここで新五合目への標識に従って左に折れ、樹林が美しい山腹道に移ろいます。長々とした水平道が下りに変わると、砂礫地に出合います。わずか先が御殿場口新五合目の第1駐車場です。御殿場口新五合目のやや上方、愛らしい二つコブを見せるのが富士山の寄生火山のひとつである二ツ塚(双子山)です。大石茶屋で富士登山道から左に分かれ、鉄杭とロープに従って砂礫のスロープをたどります。急斜面を登り切ると二ツ塚(双子山)分岐の標識が立つ鞍部状。左へひと登りで二ツ塚下塚(下双子山)の山頂です。上塚をへて間近に仰ぐ富士山頂をはじめ360度の眺望が広がります。 山頂から西側に下って(視界が悪いときは道迷いに注意)山腹をたどり、四辻(二合)で左折して須山口下山歩道に入ります。幕岩への分岐で須山御胎内方面と分かれ、やや荒れた急斜面を下って明るい沢床に降り立ちます。見上げる幕岩は富士山噴火の溶岩やスコリアと呼ばれる噴出物が積み重なった懸崖をなしています。幕岩から溶岩流の沢床をわずかに下ると、涸滝状の崖上で行く手を阻まれます。ここで新五合目への標識に従って左に折れ、樹林が美しい山腹道に移ろいます。長々とした水平道が下りに変わると、砂礫地に出合います。わずか先が御殿場口新五合目の第1駐車場です。 -
毛無山からタカデッキ~雨ヶ岳
- 日帰り
- 7時間55分
- 12.1km
毛無山からタカデッキ~雨ヶ岳
- 日帰り
- 7時間55分
- 12.1km
毛無山山頂へは高差1100m余の登高となり、富士登山を除いた当該エリアでは三ツ峠山表登山道と並ぶスケールです。バス便は限られるので、現地前泊やタクシー併用なども考慮し、念入りかつ余裕をもった計画を立てましょう。 朝霧グリーンパーク入口バス停から西側に分かれる車道を進みます。行く手には毛無山の大きな山体が反り立ちます。麓地区の丁字を左に折れた先が、登山道案内板が設置された毛無山登山口です。金山沢左岸に出ると傾斜も強まり、地蔵峠コースを左に分けます。ひと登りで「毛無山一合目」の標識が現れます。「はさみ岩」など露岩帯の急登が緩んで二合目を越し、金山沢側のスロープをへて不動ノ滝見晴台に上がります。この先は再び急斜面の登高が続きます。四合目、ついでヘリコプターでの救出可能ポイントである平坦地をへて五合目。七合目、八合目と高度を上げるにつれ、天子山地南部や遠く安倍川左岸の山々も顔を出し、春ならばツツジが登山道を彩ります。顕著な露岩を右から巻き上がると富士山展望台があり、九合目を過ぎて間もなく地蔵峠・麓分岐です。ここは県境をなす主稜線上で、山頂へは右へ歩を進めます。毛無山山頂には1等三角点本点が置かれ、草原状のスロープの先に高度感満点の富士展望が広がります。 毛無山山頂からは北へ向かって縦走開始です。毛無山最高点1964m付近も眺めは素晴らしく、明るく雰囲気もよい所です。頂稜の北端が1959m標高点の大見岳。ここから暗く湿っぽい北側斜面の下りに変わります。明るい笹原の鞍部からは、富士を傍らに、駿河湾を背にする登高です。これを登り詰めたタカデッキから深い針葉樹の森を抜け、鞍部をへて短く登り返しますが、意外にあっけなく雨ヶ岳山頂に飛び出します。雨ヶ岳からの富士展望もまた素晴らしく、この一山を目的としても十分に魅力的な頂といえます。 雨ヶ岳から端足峠へは、高度差500m余を下ります。急峻で足元が悪い部分もあるので、雨後のスリップや転倒には十分に注意しましょう。端足峠からは最寄りバス停である根原へと右折。A沢貯水地をへて国道に出た右手に根原バス停があります。時間と体力に余裕がある場合、端足峠から本栖湖へ下るか竜ヶ岳越えで本栖湖バス停へ出れば、河口湖駅方面へのバス便が増えます。毛無山山頂へは高差1100m余の登高となり、富士登山を除いた当該エリアでは三ツ峠山表登山道と並ぶスケールです。バス便は限られるので、現地前泊やタクシー併用なども考慮し、念入りかつ余裕をもった計画を立てましょう。 朝霧グリーンパーク入口バス停から西側に分かれる車道を進みます。行く手には毛無山の大きな山体が反り立ちます。麓地区の丁字を左に折れた先が、登山道案内板が設置された毛無山登山口です。金山沢左岸に出ると傾斜も強まり、地蔵峠コースを左に分けます。ひと登りで「毛無山一合目」の標識が現れます。「はさみ岩」など露岩帯の急登が緩んで二合目を越し、金山沢側のスロープをへて不動ノ滝見晴台に上がります。この先は再び急斜面の登高が続きます。四合目、ついでヘリコプターでの救出可能ポイントである平坦地をへて五合目。七合目、八合目と高度を上げるにつれ、天子山地南部や遠く安倍川左岸の山々も顔を出し、春ならばツツジが登山道を彩ります。顕著な露岩を右から巻き上がると富士山展望台があり、九合目を過ぎて間もなく地蔵峠・麓分岐です。ここは県境をなす主稜線上で、山頂へは右へ歩を進めます。毛無山山頂には1等三角点本点が置かれ、草原状のスロープの先に高度感満点の富士展望が広がります。 毛無山山頂からは北へ向かって縦走開始です。毛無山最高点1964m付近も眺めは素晴らしく、明るく雰囲気もよい所です。頂稜の北端が1959m標高点の大見岳。ここから暗く湿っぽい北側斜面の下りに変わります。明るい笹原の鞍部からは、富士を傍らに、駿河湾を背にする登高です。これを登り詰めたタカデッキから深い針葉樹の森を抜け、鞍部をへて短く登り返しますが、意外にあっけなく雨ヶ岳山頂に飛び出します。雨ヶ岳からの富士展望もまた素晴らしく、この一山を目的としても十分に魅力的な頂といえます。 雨ヶ岳から端足峠へは、高度差500m余を下ります。急峻で足元が悪い部分もあるので、雨後のスリップや転倒には十分に注意しましょう。端足峠からは最寄りバス停である根原へと右折。A沢貯水地をへて国道に出た右手に根原バス停があります。時間と体力に余裕がある場合、端足峠から本栖湖へ下るか竜ヶ岳越えで本栖湖バス停へ出れば、河口湖駅方面へのバス便が増えます。 -
本栖湖から竜ヶ岳
- 日帰り
- 4時間40分
- 7.7km
本栖湖から竜ヶ岳
- 日帰り
- 4時間40分
- 7.7km
本栖湖バス停先、駐車場の一角から本栖湖岸へ下ります。湖岸沿いの県道をたどりキャンプ場入口で左折、「竜ヶ岳登山道入口」の標識に従ってキャンプ場内を抜けます。舗装道を横断して三叉路に出合い、これを左へ進むと登山道入口です。登山道は植林の急登から始まります。雑木林に変わって小ピークを越え、富士山側に開けたスロープを登ると石仏が祀られた台地です。富士に臨んで東屋が建ち休憩にも適しています。山頂へはスズタケの急斜面につづら折れに登山道が続きます。登るにつれ高度感のある展望が広がるので、それほど苦にはならないでしょう。傾斜が緩んで北面ルートの分岐点を過ぎ、ひと登りで広々とした竜ヶ岳山頂です。山頂からは往路を戻り、分岐点から木々の美しさが際立つ北面を下ります。急斜面の下り道なので、足元には十分に注意しましょう。周遊歩道の丁字で左に折れ、階段状を下れば湖岸道路出合です。キャンプ場入口で往路を合わせ、本栖湖バス停へ向かいます。本栖湖バス停先、駐車場の一角から本栖湖岸へ下ります。湖岸沿いの県道をたどりキャンプ場入口で左折、「竜ヶ岳登山道入口」の標識に従ってキャンプ場内を抜けます。舗装道を横断して三叉路に出合い、これを左へ進むと登山道入口です。登山道は植林の急登から始まります。雑木林に変わって小ピークを越え、富士山側に開けたスロープを登ると石仏が祀られた台地です。富士に臨んで東屋が建ち休憩にも適しています。山頂へはスズタケの急斜面につづら折れに登山道が続きます。登るにつれ高度感のある展望が広がるので、それほど苦にはならないでしょう。傾斜が緩んで北面ルートの分岐点を過ぎ、ひと登りで広々とした竜ヶ岳山頂です。山頂からは往路を戻り、分岐点から木々の美しさが際立つ北面を下ります。急斜面の下り道なので、足元には十分に注意しましょう。周遊歩道の丁字で左に折れ、階段状を下れば湖岸道路出合です。キャンプ場入口で往路を合わせ、本栖湖バス停へ向かいます。 -
長者ヶ岳から天子ヶ岳
- 日帰り
- 5時間10分
- 10.6km
長者ヶ岳から天子ヶ岳
- 日帰り
- 5時間10分
- 10.6km
休暇村富士行きのバスを田貫湖南バス停で下車し、バス停の丁字を右に折れて舗装道を進みます。途中からは左に並行するサイクリング道に移るのもよいでしょう。湖岸に出て右手の坂道を上がると長者ヶ岳登山口です。植林帯の急登から始まり、これが緩んで休暇村分岐に出ます。尾根はこの先で左方向へカーブし、美しい広葉樹林を抜けて長者ヶ岳山頂に達します。東面が開けた山頂からは日本最高点、剣ヶ峰から深く切れ込む大沢崩が印象的です。山頂からは主稜線を西へたどります。鞍部で東海自然歩道を右に分け、ツツジが多い岩まじりのヤセ尾根を登り返します。ゆるゆると山頂台地を進んだ先に、木々に囲まれて天子ヶ岳山頂があります。一段下ると休憩にも適した広場状となっています。西側に小祠が祀られ、東側には富士山展望地があります。山頂からは広場状を突っ切り、緩やかな左カーブを描いて東側斜面に移ります。露岩まじりの急下降から、桜並木のスロープをへて林道を横断します。天子ヶ岳登山口で舗装道に降り立ち、立石の交差点をへて白糸滝バス停を目指します。休暇村富士行きのバスを田貫湖南バス停で下車し、バス停の丁字を右に折れて舗装道を進みます。途中からは左に並行するサイクリング道に移るのもよいでしょう。湖岸に出て右手の坂道を上がると長者ヶ岳登山口です。植林帯の急登から始まり、これが緩んで休暇村分岐に出ます。尾根はこの先で左方向へカーブし、美しい広葉樹林を抜けて長者ヶ岳山頂に達します。東面が開けた山頂からは日本最高点、剣ヶ峰から深く切れ込む大沢崩が印象的です。山頂からは主稜線を西へたどります。鞍部で東海自然歩道を右に分け、ツツジが多い岩まじりのヤセ尾根を登り返します。ゆるゆると山頂台地を進んだ先に、木々に囲まれて天子ヶ岳山頂があります。一段下ると休憩にも適した広場状となっています。西側に小祠が祀られ、東側には富士山展望地があります。山頂からは広場状を突っ切り、緩やかな左カーブを描いて東側斜面に移ります。露岩まじりの急下降から、桜並木のスロープをへて林道を横断します。天子ヶ岳登山口で舗装道に降り立ち、立石の交差点をへて白糸滝バス停を目指します。 -
十里木高原から越前岳~黒岳
- 日帰り
- 5時間25分
- 8.3km
十里木高原から越前岳~黒岳
- 日帰り
- 5時間25分
- 8.3km
富士駅発のバスで十里木高原下車。御殿場駅からバスの場合は十里木で下車し、徒歩約10分で十里木高原です。両路線ともに登山に使えるバス便が限られます。登山口となる十里木高原バス停前にはトイレや駐車場があり、見上げるとカヤトの斜面に階段状の登路が延びています。これをひと登りで十里木高原展望台。ついで2つの中継塔を過ぎ、三角点が置かれた馬ノ背見晴台に達します。目前に迫る富士山南面は、宝永火口の巨大な窪みに目を引かれます。左手には南アルプス南部の高峰や安倍川東山稜が続きます。登山道は馬ノ背見晴台の先で顕著に傾斜を強めます。露岩まじりの雨裂状など、やや荒れた感のある急登です。「平坦地」標識が立つ展望地をへて勢子辻からの道を合せ、山頂への最後の登りとなります。ブナやミズナラなどの樹林が美しく、ツツジも多い所です。登り着いた越前岳山頂では、南側に駿河湾の大展望が加わります。富士山側(北側)は木々に遮られ、山頂部のみ顔を出します。 山頂からは東へ延びる尾根をたどります。富士見台からの富士山は、かつて五十銭紙幣の図案に採用された景観です。富士見台からは急峻な下りに変わります。位牌岳へ続く主稜線を望む北白ガレンのガレ場をかすめ、鋸岳展望台をへて尾根が平坦となれば富士見峠です。天候と時間が許せば黒岳を往復しましょう。富士見峠から短い急登を登り切った所で直角に右へ折れ、緩やかな鞍部をへて雑木が美しい斜面をたどれば黒岳です。山頂台地の北側からは富士山、南側からは箱根方面が望見されます。黒岳から富士見峠に戻り、山神社へと下ります。急峻かつ足元が悪い箇所もあるので慎重に下りましょう。山神社入口で大沢沿いの舗装道に降り立ちます。左へたどった国道上が愛鷹登山口バス停です。富士駅発のバスで十里木高原下車。御殿場駅からバスの場合は十里木で下車し、徒歩約10分で十里木高原です。両路線ともに登山に使えるバス便が限られます。登山口となる十里木高原バス停前にはトイレや駐車場があり、見上げるとカヤトの斜面に階段状の登路が延びています。これをひと登りで十里木高原展望台。ついで2つの中継塔を過ぎ、三角点が置かれた馬ノ背見晴台に達します。目前に迫る富士山南面は、宝永火口の巨大な窪みに目を引かれます。左手には南アルプス南部の高峰や安倍川東山稜が続きます。登山道は馬ノ背見晴台の先で顕著に傾斜を強めます。露岩まじりの雨裂状など、やや荒れた感のある急登です。「平坦地」標識が立つ展望地をへて勢子辻からの道を合せ、山頂への最後の登りとなります。ブナやミズナラなどの樹林が美しく、ツツジも多い所です。登り着いた越前岳山頂では、南側に駿河湾の大展望が加わります。富士山側(北側)は木々に遮られ、山頂部のみ顔を出します。 山頂からは東へ延びる尾根をたどります。富士見台からの富士山は、かつて五十銭紙幣の図案に採用された景観です。富士見台からは急峻な下りに変わります。位牌岳へ続く主稜線を望む北白ガレンのガレ場をかすめ、鋸岳展望台をへて尾根が平坦となれば富士見峠です。天候と時間が許せば黒岳を往復しましょう。富士見峠から短い急登を登り切った所で直角に右へ折れ、緩やかな鞍部をへて雑木が美しい斜面をたどれば黒岳です。山頂台地の北側からは富士山、南側からは箱根方面が望見されます。黒岳から富士見峠に戻り、山神社へと下ります。急峻かつ足元が悪い箇所もあるので慎重に下りましょう。山神社入口で大沢沿いの舗装道に降り立ちます。左へたどった国道上が愛鷹登山口バス停です。 -
鳥倉登山口から塩見岳へ
- 2泊3日
- 14時間0分
- 18.7km
鳥倉登山口から塩見岳へ
- 2泊3日
- 14時間0分
- 18.7km
塩見岳はアルペン的なその凛とした姿から、多くの登山者を魅了して止まない山です。しかし鳥倉登山口から三伏峠まではガレ場や桟道の多いトラバース、塩見小屋から上部では岩稜帯の急登があり、危険度の高い山である事を念頭に入山してください。 鳥倉登山口の広場で登山バスを下車し、手入れされた植林帯を登って行きます。登山道には三伏峠までの距離を示した1/10毎の標識があるので、以降のペース配分の参考になります。尾根筋を歩いた後、右方向にトラバースしながら登って行きます。豊口山間のコルからは北斜面の美しい針葉樹林のトラバース道になり、第2のコルに到着します。再び北面のトラバースを続けて行くと道幅が狭くなり、また桟道も数多く出てくるので、注意して歩きます。塩川ルート分岐を過ぎると、左手はるか遠くに仙丈ヶ岳が見えるポイントに着きます。三伏峠で荷物を降ろし、三伏山に登って明日の塩見岳へのルートの確認と、小河内岳へのルートにあるお花畑を散策しましょう。お花畑はボランティアの設置した防鹿柵によって、植生が復活しつつあります。なお三伏峠側からの塩見岳は早朝は逆光になるので、写真撮影は昼前から夕方までがお勧めです。 三伏山から、灌木帯の尾根筋を下ります。本谷山はハイマツに囲まれた小さな山頂で、やや傾いた塩見岳を確認することができます。立ち枯れの森を通り抜け、しばらく下って、苔と深い針葉樹の美しい森を通りなだらかな道を行くと、権右衛門沢の源頭です。荒れた樹林帯の道を登り塩見新道の分岐を過ぎ森林限界に出れば、塩見岳が天狗岩と共に双耳峰の様に、登山者を圧するが如くそびえています。岩場を注意して登り、肩に出て左の窪地に下ると塩見小屋です。この先は岩稜帯のクサリ場で両手を使うので、ストックは置いて行きます。再び登山道に戻ると天狗岩への急登が眼前に迫ります。一歩ずつゆっくり天狗岩に登り、最後は岩場をトラバースして塩見岳本峰とのコルに降ります。この先は完全な岩場登りになり、場所によってはザレているのでさらに注意が必要で、山頂部までクサリ場の連続です。右に左にジグザグに岩場を登りきり、やや平坦になれば塩見岳西峰はすぐです。ここから東峰とその左に見える富士山の姿、そして西に広がる伊那谷への空間の広がりは、全ての疲れを忘れさせてくれるでしょう。三角点は西峰にありますが、標高の高い東峰からは美しい三角形の山頂を持つ蝙蝠岳を見る事ができます。 鳥倉登山口へは同じ道を戻ります。時間に余裕があれば塩見岳の最高のビューポイント、烏帽子岳を往復するのも良いでしょう。塩見岳はアルペン的なその凛とした姿から、多くの登山者を魅了して止まない山です。しかし鳥倉登山口から三伏峠まではガレ場や桟道の多いトラバース、塩見小屋から上部では岩稜帯の急登があり、危険度の高い山である事を念頭に入山してください。 鳥倉登山口の広場で登山バスを下車し、手入れされた植林帯を登って行きます。登山道には三伏峠までの距離を示した1/10毎の標識があるので、以降のペース配分の参考になります。尾根筋を歩いた後、右方向にトラバースしながら登って行きます。豊口山間のコルからは北斜面の美しい針葉樹林のトラバース道になり、第2のコルに到着します。再び北面のトラバースを続けて行くと道幅が狭くなり、また桟道も数多く出てくるので、注意して歩きます。塩川ルート分岐を過ぎると、左手はるか遠くに仙丈ヶ岳が見えるポイントに着きます。三伏峠で荷物を降ろし、三伏山に登って明日の塩見岳へのルートの確認と、小河内岳へのルートにあるお花畑を散策しましょう。お花畑はボランティアの設置した防鹿柵によって、植生が復活しつつあります。なお三伏峠側からの塩見岳は早朝は逆光になるので、写真撮影は昼前から夕方までがお勧めです。 三伏山から、灌木帯の尾根筋を下ります。本谷山はハイマツに囲まれた小さな山頂で、やや傾いた塩見岳を確認することができます。立ち枯れの森を通り抜け、しばらく下って、苔と深い針葉樹の美しい森を通りなだらかな道を行くと、権右衛門沢の源頭です。荒れた樹林帯の道を登り塩見新道の分岐を過ぎ森林限界に出れば、塩見岳が天狗岩と共に双耳峰の様に、登山者を圧するが如くそびえています。岩場を注意して登り、肩に出て左の窪地に下ると塩見小屋です。この先は岩稜帯のクサリ場で両手を使うので、ストックは置いて行きます。再び登山道に戻ると天狗岩への急登が眼前に迫ります。一歩ずつゆっくり天狗岩に登り、最後は岩場をトラバースして塩見岳本峰とのコルに降ります。この先は完全な岩場登りになり、場所によってはザレているのでさらに注意が必要で、山頂部までクサリ場の連続です。右に左にジグザグに岩場を登りきり、やや平坦になれば塩見岳西峰はすぐです。ここから東峰とその左に見える富士山の姿、そして西に広がる伊那谷への空間の広がりは、全ての疲れを忘れさせてくれるでしょう。三角点は西峰にありますが、標高の高い東峰からは美しい三角形の山頂を持つ蝙蝠岳を見る事ができます。 鳥倉登山口へは同じ道を戻ります。時間に余裕があれば塩見岳の最高のビューポイント、烏帽子岳を往復するのも良いでしょう。 -
鳥倉登山口から塩見岳・蝙蝠岳縦走
- 2泊3日
- 16時間15分
- 22.5km
鳥倉登山口から塩見岳・蝙蝠岳縦走
- 2泊3日
- 16時間15分
- 22.5km
蝙蝠尾根は白峰南嶺とともに南アルプス南部で最も入山者が少なく、自然が残っている尾根です。塩見岳登頂の後、長大な蝙蝠尾根を下り展望と森林浴を楽しみますが、行動時間が長くまたルートの不明瞭な箇所も多く、上級者のみ縦走可能なコースです。 このコースの重要なポイントは宿泊地の選定にあります。小屋泊であれば、1日目に鳥倉登山口から早朝に入山し三伏峠を越えて塩見小屋泊、2日目に二軒小屋経由で椹島まで下ります。なお、日没後の蝙蝠尾根はルートが不明瞭で非常に危険ですので、必ず塩見小屋泊にして下さい。二軒小屋から椹島まで3時間強かかります。 塩見岳東峰から高山植物の豊かな道を急降下の後は、ハイマツ帯や部分的にやせた尾根の下りになります。北俣岳の分岐を過ぎるとトレースが急に不明瞭になります。北俣岳通過は本コース第一の核心部で、切り立った岩稜帯の、乗越えやトラバースがあります。山頂から、北は白峰三山、西は塩見岳、南は荒川三山、東は白峰南嶺の稜線と富士山が見えます。ここからは正面に優美な蝙蝠岳を観る尾根筋の至幸の展望コースが始まります。ただしガスが出た場合は非常に難しくなるので、踏み跡を外さないように。一度樹林帯に入り小さな肩をいくつも越え蝙蝠岳の山頂に着きます。蝙蝠岳山頂からの石畳の様な下りは、ガスが出た場合第二の核心部になります。トレースは全くついていませんので、磁石で正確な方向を定め、尾根筋から外れない様にして下ります。丁度森林限界にある四郎作ノ頭からは灌木帯。樹林帯に入った2600mあたりは、倒木と幼木が混じる密林帯のトラバースで、ルートファインディングに注力してください。以降美しい森が随所に現れます。徳右衛門岳は展望はありませんが平坦な山頂で幕営可能です。登山道をさらに下った脇に水場への下降点があります。南アルプス南部で最高に美味しい水のひとつですが涸れていることがあります。さらに美しいツガの森、苔とシラビソの森を抜けると、中電施設の手前からは岩のやせ尾根になり、注意が必要です。施設から先は両側が切り立ったシャクナゲの尾根道、最後の西側への降下点からは岩の多い歩きにくい道です。林道に降り、トンネルを抜けて左にコバルトブルーの田代湖を見ながら回り込むと二軒小屋ロッヂ(休業中)に到着します。二軒小屋から椹島まではトラックが行き交う中の、3時間強の林道歩きです。蝙蝠尾根は白峰南嶺とともに南アルプス南部で最も入山者が少なく、自然が残っている尾根です。塩見岳登頂の後、長大な蝙蝠尾根を下り展望と森林浴を楽しみますが、行動時間が長くまたルートの不明瞭な箇所も多く、上級者のみ縦走可能なコースです。 このコースの重要なポイントは宿泊地の選定にあります。小屋泊であれば、1日目に鳥倉登山口から早朝に入山し三伏峠を越えて塩見小屋泊、2日目に二軒小屋経由で椹島まで下ります。なお、日没後の蝙蝠尾根はルートが不明瞭で非常に危険ですので、必ず塩見小屋泊にして下さい。二軒小屋から椹島まで3時間強かかります。 塩見岳東峰から高山植物の豊かな道を急降下の後は、ハイマツ帯や部分的にやせた尾根の下りになります。北俣岳の分岐を過ぎるとトレースが急に不明瞭になります。北俣岳通過は本コース第一の核心部で、切り立った岩稜帯の、乗越えやトラバースがあります。山頂から、北は白峰三山、西は塩見岳、南は荒川三山、東は白峰南嶺の稜線と富士山が見えます。ここからは正面に優美な蝙蝠岳を観る尾根筋の至幸の展望コースが始まります。ただしガスが出た場合は非常に難しくなるので、踏み跡を外さないように。一度樹林帯に入り小さな肩をいくつも越え蝙蝠岳の山頂に着きます。蝙蝠岳山頂からの石畳の様な下りは、ガスが出た場合第二の核心部になります。トレースは全くついていませんので、磁石で正確な方向を定め、尾根筋から外れない様にして下ります。丁度森林限界にある四郎作ノ頭からは灌木帯。樹林帯に入った2600mあたりは、倒木と幼木が混じる密林帯のトラバースで、ルートファインディングに注力してください。以降美しい森が随所に現れます。徳右衛門岳は展望はありませんが平坦な山頂で幕営可能です。登山道をさらに下った脇に水場への下降点があります。南アルプス南部で最高に美味しい水のひとつですが涸れていることがあります。さらに美しいツガの森、苔とシラビソの森を抜けると、中電施設の手前からは岩のやせ尾根になり、注意が必要です。施設から先は両側が切り立ったシャクナゲの尾根道、最後の西側への降下点からは岩の多い歩きにくい道です。林道に降り、トンネルを抜けて左にコバルトブルーの田代湖を見ながら回り込むと二軒小屋ロッヂ(休業中)に到着します。二軒小屋から椹島まではトラックが行き交う中の、3時間強の林道歩きです。 -
椹島から荒川岳・小河内岳縦走
- 2泊3日
- 21時間30分
- 28.8km
椹島から荒川岳・小河内岳縦走
- 2泊3日
- 21時間30分
- 28.8km
荒川東岳は大井川西俣の支流である悪沢の源頭である事から悪沢岳とも呼ばれ、百名山の著者深田久弥がその呼び名にこだわりました。荒涼とした大岩の間を縫う山頂部の縦走では、その名を実感できます。荒川前岳から三伏峠間は南アルプス南部主脈の中では最も登山者が少ない静かな山旅になります。そして小河内岳からの荒川三山、加えて烏帽子岳からの塩見岳の眺望は、長い縦走のフィナーレを飾るにふさわしい感動を登山者に与えてくれるでしょう。 椹島から二軒小屋への林道を歩き、滝見橋の先の立派な吊橋を渡ります。岩の多い急登の後は千枚小屋までは緩い長い尾根登りが続きます。岩頭見晴も岩場になっているので、注意してください。途中、木馬道跡といってかつての木材搬出時の道の通過は、ルートから外れない様に注意してください。展望ポイントは、岩頭見晴、見晴台の2箇所のみです。駒鳥池はシラビソに囲まれた静かな佇まいで、南アルプスの奥深さを実感する事ができるでしょう。千枚小屋は、笊ヶ岳と富士山を遠望できるお花畑の中にある食事の美味しい小屋です。 千枚小屋から前岳カール下端までが本コースの核心部です。千枚岳から丸山とのコル間、荒川東岳から中岳とのコル間、前岳からのカールの下り、この全ての箇所において細心の注意で下る必要があります。また、前岳山頂部は崩壊が急速に進行していますので、地面のヒビ割れは絶対に乗り越えないでください。一方、楽しみとしては、南アルプスのほとんど全ての山を確認できる大展望があります。千枚岳からは赤石岳、聖岳、上河内岳のきれいに並んだ姿を、前岳までは姿を変える赤石岳を常に見ながらの縦走になります。目を北に転ずれば、塩見岳を中心に北部の山々の遠望があります。さらに美しい高山植物も特筆に値します。特に丸山のトラバース道は百花繚乱で、高山植物の種類の多さは特筆に値します。もし時間に余裕があれば荒川小屋方向にあるお花畑に立ち寄って見学することをお勧めします。 前岳カールの下端から高山裏避難小屋を通り、小河内岳の取り付きまでは樹林帯の中を歩きますが、所々に現れる小さなお花畑は登山者に安らぎを与えてくれます。なお三伏峠までは西側の急激に進行中の崩壊地の縁を歩く箇所があり、滑落に注意してください。特に前小河内岳が危険です。三伏峠からは鳥倉登山口に下ります。 ※中岳避難小屋、高山裏避難小屋、小河内岳避難小屋の何れかを、体力と見物時間を加味し判断して宿泊します。夏期は全ての避難小屋に管理人が入り、寝具の利用とレトルト等の軽食をとる事が可能です。荒川東岳は大井川西俣の支流である悪沢の源頭である事から悪沢岳とも呼ばれ、百名山の著者深田久弥がその呼び名にこだわりました。荒涼とした大岩の間を縫う山頂部の縦走では、その名を実感できます。荒川前岳から三伏峠間は南アルプス南部主脈の中では最も登山者が少ない静かな山旅になります。そして小河内岳からの荒川三山、加えて烏帽子岳からの塩見岳の眺望は、長い縦走のフィナーレを飾るにふさわしい感動を登山者に与えてくれるでしょう。 椹島から二軒小屋への林道を歩き、滝見橋の先の立派な吊橋を渡ります。岩の多い急登の後は千枚小屋までは緩い長い尾根登りが続きます。岩頭見晴も岩場になっているので、注意してください。途中、木馬道跡といってかつての木材搬出時の道の通過は、ルートから外れない様に注意してください。展望ポイントは、岩頭見晴、見晴台の2箇所のみです。駒鳥池はシラビソに囲まれた静かな佇まいで、南アルプスの奥深さを実感する事ができるでしょう。千枚小屋は、笊ヶ岳と富士山を遠望できるお花畑の中にある食事の美味しい小屋です。 千枚小屋から前岳カール下端までが本コースの核心部です。千枚岳から丸山とのコル間、荒川東岳から中岳とのコル間、前岳からのカールの下り、この全ての箇所において細心の注意で下る必要があります。また、前岳山頂部は崩壊が急速に進行していますので、地面のヒビ割れは絶対に乗り越えないでください。一方、楽しみとしては、南アルプスのほとんど全ての山を確認できる大展望があります。千枚岳からは赤石岳、聖岳、上河内岳のきれいに並んだ姿を、前岳までは姿を変える赤石岳を常に見ながらの縦走になります。目を北に転ずれば、塩見岳を中心に北部の山々の遠望があります。さらに美しい高山植物も特筆に値します。特に丸山のトラバース道は百花繚乱で、高山植物の種類の多さは特筆に値します。もし時間に余裕があれば荒川小屋方向にあるお花畑に立ち寄って見学することをお勧めします。 前岳カールの下端から高山裏避難小屋を通り、小河内岳の取り付きまでは樹林帯の中を歩きますが、所々に現れる小さなお花畑は登山者に安らぎを与えてくれます。なお三伏峠までは西側の急激に進行中の崩壊地の縁を歩く箇所があり、滑落に注意してください。特に前小河内岳が危険です。三伏峠からは鳥倉登山口に下ります。 ※中岳避難小屋、高山裏避難小屋、小河内岳避難小屋の何れかを、体力と見物時間を加味し判断して宿泊します。夏期は全ての避難小屋に管理人が入り、寝具の利用とレトルト等の軽食をとる事が可能です。 -
椹島から赤石岳・荒川岳周遊
- 3泊4日
- 21時間5分
- 23.6km
椹島から赤石岳・荒川岳周遊
- 3泊4日
- 21時間5分
- 23.6km
赤石岳から荒川岳をめぐるコースは、展望やお花畑を満喫できて南アルプスの良い所取りですが、危険箇所も随所にあります。危険箇所を安全な登り方向で通過し、さらにお花畑を目の高さで楽しむには、良く歩かれる反時計回りではなく時計回りの本コースをお勧めします。また縦走を楽しむには山中3泊が体力的にも良いでしょう。なお反時計回り2泊の登山者の北沢源頭での事故が多発しています。 椹島登山基地から赤石小屋までは、展望のない樹林帯の登りが続き、特にボッカ返しの標識から上は大岩の急登になるので、注意してください。赤石小屋は小さな展望台のある小屋で、聖岳と眼前に大迫力の赤石岳山頂部、そして荒川三山の展望を楽しむ事ができます。なお赤石小屋は水場が無く、小屋の無料給水を利用します。 富士見平で展望を満喫した後は、注意箇所が多くなります。ラクダの背のトラバースは無数の桟道と岩場のヘツリが、北沢源頭からは滑りやすいお花畑の中の急登が続きます。赤石岳山頂部は広大で、山頂標識周辺のみならず避難小屋の先のピークからの大展望を楽しんでください。小赤石岳から大聖寺平間は、荒川三山をバランス良く見る事のできる数少ない区間です。荒川小屋はダケカンバに囲まれた水の豊富な山中のオアシスで、ここの通過時刻でその日の先の行動の最終判断をします。翌日の山旅を満喫する意味で荒川小屋泊がベストです。なお、時間に余裕があって中岳避難小屋まで行けた場合、長丁場ですが、翌日二軒小屋経由で椹島まで下る事が可能です。一般登山者が千枚小屋まで行くには、午前中早めに荒川小屋を通過することが必須です。 荒川小屋からが本コースのハイライト。前岳カールのお花畑は南アルプス最大と言われ、ハクサンイチゲやシナノキンバイの中を行く登山道では、蝶になった錯覚に陥るでしょう。お花畑は丸山から千枚岳間にもあり、こちらは花の種類の多さが特徴です。また、荒川三山は主脈から東に張り出た尾根筋なので、南アルプスの南部・北部の両方向の山々の展望を楽しむ事ができます。ただしこの区間は危険箇所が連続します。特に荒川東岳、千枚岳への登りの悪場は、気を引き締めてかかる必要があります。 千枚小屋から二軒小屋ロッヂ(休業中)間は急降下の連続ですが、落ち葉が敷き詰められた登山道は、椹島より膝への負担の少ないルートです。二軒小屋ロッヂは休業中で、テント泊も含めトイレや水場も使用できない状況です。二軒小屋から椹島まではトラックが行き交う中の、3時間強の林道歩きです。赤石岳から荒川岳をめぐるコースは、展望やお花畑を満喫できて南アルプスの良い所取りですが、危険箇所も随所にあります。危険箇所を安全な登り方向で通過し、さらにお花畑を目の高さで楽しむには、良く歩かれる反時計回りではなく時計回りの本コースをお勧めします。また縦走を楽しむには山中3泊が体力的にも良いでしょう。なお反時計回り2泊の登山者の北沢源頭での事故が多発しています。 椹島登山基地から赤石小屋までは、展望のない樹林帯の登りが続き、特にボッカ返しの標識から上は大岩の急登になるので、注意してください。赤石小屋は小さな展望台のある小屋で、聖岳と眼前に大迫力の赤石岳山頂部、そして荒川三山の展望を楽しむ事ができます。なお赤石小屋は水場が無く、小屋の無料給水を利用します。 富士見平で展望を満喫した後は、注意箇所が多くなります。ラクダの背のトラバースは無数の桟道と岩場のヘツリが、北沢源頭からは滑りやすいお花畑の中の急登が続きます。赤石岳山頂部は広大で、山頂標識周辺のみならず避難小屋の先のピークからの大展望を楽しんでください。小赤石岳から大聖寺平間は、荒川三山をバランス良く見る事のできる数少ない区間です。荒川小屋はダケカンバに囲まれた水の豊富な山中のオアシスで、ここの通過時刻でその日の先の行動の最終判断をします。翌日の山旅を満喫する意味で荒川小屋泊がベストです。なお、時間に余裕があって中岳避難小屋まで行けた場合、長丁場ですが、翌日二軒小屋経由で椹島まで下る事が可能です。一般登山者が千枚小屋まで行くには、午前中早めに荒川小屋を通過することが必須です。 荒川小屋からが本コースのハイライト。前岳カールのお花畑は南アルプス最大と言われ、ハクサンイチゲやシナノキンバイの中を行く登山道では、蝶になった錯覚に陥るでしょう。お花畑は丸山から千枚岳間にもあり、こちらは花の種類の多さが特徴です。また、荒川三山は主脈から東に張り出た尾根筋なので、南アルプスの南部・北部の両方向の山々の展望を楽しむ事ができます。ただしこの区間は危険箇所が連続します。特に荒川東岳、千枚岳への登りの悪場は、気を引き締めてかかる必要があります。 千枚小屋から二軒小屋ロッヂ(休業中)間は急降下の連続ですが、落ち葉が敷き詰められた登山道は、椹島より膝への負担の少ないルートです。二軒小屋ロッヂは休業中で、テント泊も含めトイレや水場も使用できない状況です。二軒小屋から椹島まではトラックが行き交う中の、3時間強の林道歩きです。 -
椹島から聖岳・赤石岳周遊
- 3泊4日
- 24時間40分
- 30.6km
椹島から聖岳・赤石岳周遊
- 3泊4日
- 24時間40分
- 30.6km
聖岳から赤石岳周遊は、荒川岳〜三伏峠間に次いで登山者の少ないコースです。山小屋間の距離が長く、ハードさにおいて南アルプス南部随一です。しかし南アルプス南部のスケール感を味わうには最高で、コースの変化にも富んでいます。 椹島からスタートします。聖沢登山口から聖平小屋間はほかの南アルプス登山道と異なる長いトラバースコースで、大雨被害の残る聖沢吊橋までと、乗越から岩頭滝見台間の2箇所は、沢やガレ場の横断に注意が必要です。途中ヘリコプターによる救助用のレスキューポイントがあります。岩頭滝見台からの展望は一服の清涼水で、二条の滝が流れ落ちる聖岳の山容を見た時、誰もが南アルプスのスケールの大きさを実感するに違いありません。 2日目がこのコースの核心部です。展望ポイントは列挙しきれません。小聖岳から見上げた聖岳、聖岳山頂で初めて見る大山容の赤石岳、兎岳山頂の360度のパノラマ、中盛丸山からの百間平を前景とした赤石岳、聖岳の展望が特に素晴らしいです。ただ危険な所もあります、まずは小聖岳手前の森林限界から前聖岳山頂まではガレの縁や滑りやすい砂礫の大斜面です。聖岳から兎岳間は最もハードで、ガレの縁や岩場の急降下、そして赤色チャートの岩盤の聖兎のコルからは長いゴーロ帯の急勾配の登り返しがあります。さらに兎岳から中盛丸山間はアップダウンが激しく、特に中盛丸山の山頂への登りはザレた急勾配です。最後のピーク大沢岳は、標柱から先は崖縁の登山道で崩壊が進行しており、加えて百間洞への下りは硬い石のゴーロ帯で非常に歩き難いので、手前の百間洞下降点に荷物をデポして往復する事をお勧めします。宿泊地となる百間洞山の家は水の豊かなナナカマドの林の中にあり、雛壇のキャンプサイトは居心地が良く、聖岳を眺めながら何日も滞在したくなる場所です。 3日目は2日日と全く違った味わいの山旅になります。聖岳と常に対話しながら広大な百間平の漫歩、この世と思えぬ大ゴーロ帯の赤石岳へのトラバースの登り、赤石岳避難小屋奥のピークを含む赤石岳山頂部の数々のビューポイントを思い切り楽しんでください。赤石岳山頂からの下りは椹島から赤石岳・荒川岳周遊(コースガイド)を参照下さい。なお、赤石小屋までは気の抜けない急下降と切り立ったトラバースが続きます。赤石小屋は水場が無いので、北沢源頭で取水します。赤石小屋から先は樹林帯を下り椹島に着きます。聖岳から赤石岳周遊は、荒川岳〜三伏峠間に次いで登山者の少ないコースです。山小屋間の距離が長く、ハードさにおいて南アルプス南部随一です。しかし南アルプス南部のスケール感を味わうには最高で、コースの変化にも富んでいます。 椹島からスタートします。聖沢登山口から聖平小屋間はほかの南アルプス登山道と異なる長いトラバースコースで、大雨被害の残る聖沢吊橋までと、乗越から岩頭滝見台間の2箇所は、沢やガレ場の横断に注意が必要です。途中ヘリコプターによる救助用のレスキューポイントがあります。岩頭滝見台からの展望は一服の清涼水で、二条の滝が流れ落ちる聖岳の山容を見た時、誰もが南アルプスのスケールの大きさを実感するに違いありません。 2日目がこのコースの核心部です。展望ポイントは列挙しきれません。小聖岳から見上げた聖岳、聖岳山頂で初めて見る大山容の赤石岳、兎岳山頂の360度のパノラマ、中盛丸山からの百間平を前景とした赤石岳、聖岳の展望が特に素晴らしいです。ただ危険な所もあります、まずは小聖岳手前の森林限界から前聖岳山頂まではガレの縁や滑りやすい砂礫の大斜面です。聖岳から兎岳間は最もハードで、ガレの縁や岩場の急降下、そして赤色チャートの岩盤の聖兎のコルからは長いゴーロ帯の急勾配の登り返しがあります。さらに兎岳から中盛丸山間はアップダウンが激しく、特に中盛丸山の山頂への登りはザレた急勾配です。最後のピーク大沢岳は、標柱から先は崖縁の登山道で崩壊が進行しており、加えて百間洞への下りは硬い石のゴーロ帯で非常に歩き難いので、手前の百間洞下降点に荷物をデポして往復する事をお勧めします。宿泊地となる百間洞山の家は水の豊かなナナカマドの林の中にあり、雛壇のキャンプサイトは居心地が良く、聖岳を眺めながら何日も滞在したくなる場所です。 3日目は2日日と全く違った味わいの山旅になります。聖岳と常に対話しながら広大な百間平の漫歩、この世と思えぬ大ゴーロ帯の赤石岳へのトラバースの登り、赤石岳避難小屋奥のピークを含む赤石岳山頂部の数々のビューポイントを思い切り楽しんでください。赤石岳山頂からの下りは椹島から赤石岳・荒川岳周遊(コースガイド)を参照下さい。なお、赤石小屋までは気の抜けない急下降と切り立ったトラバースが続きます。赤石小屋は水場が無いので、北沢源頭で取水します。赤石小屋から先は樹林帯を下り椹島に着きます。 -
畑薙第一ダムから茶臼岳・上河内岳へ
- 1泊2日
- 17時間45分
- 25.7km
畑薙第一ダムから茶臼岳・上河内岳へ
- 1泊2日
- 17時間45分
- 25.7km
上河内岳は南アルプス屈指の聖岳・赤石岳・荒川東岳の展望台です。加えて茶臼岳は、光岳、上河内岳と聖岳の優れた展望台と言って良いでしょう。さらに両座周辺は南アルプス南部で特有の森林限界の稜線が続いていて、ダケカンバとバイケイソウの間を縫う快適な縦走を楽しめます。なお稜線までに無人小屋を含めて3つの山小屋があるので、入山日は体力やその日の登山口の到着時刻に合わせて自由度の高い計画を立てる事が可能です。 畑薙第一ダムから畑薙大吊橋までは林道歩きです。畑薙大吊橋は全長181.7mの東洋一と言われる吊橋で、高所恐怖症の登山者にとってこのコースの核心部になりますが、非常にしっかりしているので不安心を払拭して渡りましょう。ヤレヤレ峠までは高度感があるトラバース道で、2箇所足場が悪いルンゼを通過します。ウソッコ沢小屋までに4回橋を渡ります。3号橋を渡り、増水時は危険な荒れた河原を歩いたあと、荒れた急坂を登った後、高巻きとなります。この先、茶臼小屋までも部分的に急登があり、滑落・落石に注意して下さい。茶臼小屋は、お花畑の中にある富士山の展望に恵まれたキャンプ場を備えています。 茶臼小屋から稜線の鞍部に登ると、初めて見る大きな台形の聖岳と兎岳の連なった姿は誰もが感動するでしょう。茶臼岳までは快適な登りです。山頂は岩稜帯で、富士山、南方向に大きな山頂部を持った光岳を始めとする深南部の山々への縦走路を新たに確認できます。上河内岳へは緩い登りとトラバースの後亀甲状土の窪地を抜け、ダケカンバの間を縫った後は、聖岳を常に見ながらの楽しい登りになります。奇岩竹内門からは急な岩場の登りになるので、注意してください。上河内岳は二重山稜になっていて、縦走路のある肩から山頂へは10分少々の登りです。上河内岳は南アルプス南部の最も優れた展望台で、真正面に兎岳と赤石・荒川東岳を脇侍に従えた聖岳の神々しい姿、さらに背後に見える富士山は、時間の経つのを忘れてしまうほどです。 なお日程に余裕があれば1泊を加えて、茶臼岳からさらに南に希望峰を経由し仁田岳へ、また上河内岳から北に南岳周辺まで足をのばすとよいでしょう。静かな仁田池を含む南アルプス南部固有の稜線の楽しい縦走に加えて、仁田岳からは立派な茶臼岳や堂々とした光岳の姿を見ることができます。上河内岳の肩から南岳間は点在する高山植物を楽しめます。また、本コースは静岡県側から光岳へのアプローチとしても利用することができます。上河内岳は南アルプス屈指の聖岳・赤石岳・荒川東岳の展望台です。加えて茶臼岳は、光岳、上河内岳と聖岳の優れた展望台と言って良いでしょう。さらに両座周辺は南アルプス南部で特有の森林限界の稜線が続いていて、ダケカンバとバイケイソウの間を縫う快適な縦走を楽しめます。なお稜線までに無人小屋を含めて3つの山小屋があるので、入山日は体力やその日の登山口の到着時刻に合わせて自由度の高い計画を立てる事が可能です。 畑薙第一ダムから畑薙大吊橋までは林道歩きです。畑薙大吊橋は全長181.7mの東洋一と言われる吊橋で、高所恐怖症の登山者にとってこのコースの核心部になりますが、非常にしっかりしているので不安心を払拭して渡りましょう。ヤレヤレ峠までは高度感があるトラバース道で、2箇所足場が悪いルンゼを通過します。ウソッコ沢小屋までに4回橋を渡ります。3号橋を渡り、増水時は危険な荒れた河原を歩いたあと、荒れた急坂を登った後、高巻きとなります。この先、茶臼小屋までも部分的に急登があり、滑落・落石に注意して下さい。茶臼小屋は、お花畑の中にある富士山の展望に恵まれたキャンプ場を備えています。 茶臼小屋から稜線の鞍部に登ると、初めて見る大きな台形の聖岳と兎岳の連なった姿は誰もが感動するでしょう。茶臼岳までは快適な登りです。山頂は岩稜帯で、富士山、南方向に大きな山頂部を持った光岳を始めとする深南部の山々への縦走路を新たに確認できます。上河内岳へは緩い登りとトラバースの後亀甲状土の窪地を抜け、ダケカンバの間を縫った後は、聖岳を常に見ながらの楽しい登りになります。奇岩竹内門からは急な岩場の登りになるので、注意してください。上河内岳は二重山稜になっていて、縦走路のある肩から山頂へは10分少々の登りです。上河内岳は南アルプス南部の最も優れた展望台で、真正面に兎岳と赤石・荒川東岳を脇侍に従えた聖岳の神々しい姿、さらに背後に見える富士山は、時間の経つのを忘れてしまうほどです。 なお日程に余裕があれば1泊を加えて、茶臼岳からさらに南に希望峰を経由し仁田岳へ、また上河内岳から北に南岳周辺まで足をのばすとよいでしょう。静かな仁田池を含む南アルプス南部固有の稜線の楽しい縦走に加えて、仁田岳からは立派な茶臼岳や堂々とした光岳の姿を見ることができます。上河内岳の肩から南岳間は点在する高山植物を楽しめます。また、本コースは静岡県側から光岳へのアプローチとしても利用することができます。 -
易老渡から光岳・上河内岳周遊
- 3泊4日
- 23時間0分
- 30km
易老渡から光岳・上河内岳周遊
- 3泊4日
- 23時間0分
- 30km
光岳は南アルプス南部主脈の最南端の山として認識されていますが、実はその南に続く深南部の盟主でもあります。光岳山頂部からの今まで見た事のない深南部の山並みが眼下に広がる有様は、まさに新たな世界の発見に例えられるでしょう。また植物学的にも、南アルプス最南端の高山植物地帯、ハイマツ群生の最南端でもあり、さらに本州唯一の原生自然環境保全地域を抱えていて、光岳は登山のみならず学術的観点からも価値ある山なのです。 易老渡から入山する際の一番の問題は林道の通行可否で、入山前の確認が必須です。2024年現在、一般登山者は芝沢ゲートに車を停め一部高巻きのある林道を1時間30分歩く必要があります。易老渡から易老岳へは尾根筋に沿った遠望の効かない一本調子の急登です。しかし途中の面平の神社の境内の様な森、針葉樹の大木を抜ける登山道は、決して退屈しません。易老岳からは尾根筋を行きます。三吉平は尾根筋が入れ替わる鞍部なので、ルートに注意してください。静高平の水場は流れがあれば取水します。亀甲状土のセンジヶ原を抜けて、光岳小屋から光岳山頂まではダケカンバの間を縫う楽しい登りを行きます。山頂標識からの展望はありませんが、光石方向に行った所に南方向の展望窓が開けています。なお光岳小屋は小さな小屋で利用に制限がありますので注意し、早めに予約して下さい。 光岳は大きな山頂部を持つ山です。それを楽しむには十分時間をとって光石、そして百俣沢ノ頭方向にある日本最南端のハイマツ群生地や360度展望のイザルヶ岳を訪れてください。 易老岳から聖平間が、このコースの第2のハイライトです。樹林帯と広大なシダの群生地、南アルプス南部特有の森林限界を縫うダケカンバとバイケイソウの縦走路が続きます。仁田岳は縦走路から外れていて、兎・聖・上河内・茶臼岳の4座の並んだ姿を見る事ができます。縦走路は希望峰から先が特に素晴らしく、窪地の木道、南アルプスでは珍しい稜線上にある仁田池などゆっくり味わってください。茶臼岳から上河内岳までは畑薙第一ダムから茶臼岳・上河内岳へ(コースガイド)を参照ください。上河内岳の先、南岳からは急降下になります。途中のトラバース気味の草原から見上げる聖岳はあくまでも潔く、偉大です。樹林帯を抜ければ聖平小屋のある聖平です。 薊畑で南アルプス南部の山々とお別れした後、西沢渡までは視界のきかない急降下が連続しますが、苔の密生した倒木帯、シダの群生地、大木の林立する針葉樹林帯などが楽しめます。西沢渡は水量が多く大水で橋が流されて渡渉できない場合は非常に重たい荷物用ロープウェイを使い川を渡ります。森林鉄道跡の道を歩き、便ヶ島からは林道を行き易老渡、さらに芝沢ゲートに戻ります。光岳は南アルプス南部主脈の最南端の山として認識されていますが、実はその南に続く深南部の盟主でもあります。光岳山頂部からの今まで見た事のない深南部の山並みが眼下に広がる有様は、まさに新たな世界の発見に例えられるでしょう。また植物学的にも、南アルプス最南端の高山植物地帯、ハイマツ群生の最南端でもあり、さらに本州唯一の原生自然環境保全地域を抱えていて、光岳は登山のみならず学術的観点からも価値ある山なのです。 易老渡から入山する際の一番の問題は林道の通行可否で、入山前の確認が必須です。2024年現在、一般登山者は芝沢ゲートに車を停め一部高巻きのある林道を1時間30分歩く必要があります。易老渡から易老岳へは尾根筋に沿った遠望の効かない一本調子の急登です。しかし途中の面平の神社の境内の様な森、針葉樹の大木を抜ける登山道は、決して退屈しません。易老岳からは尾根筋を行きます。三吉平は尾根筋が入れ替わる鞍部なので、ルートに注意してください。静高平の水場は流れがあれば取水します。亀甲状土のセンジヶ原を抜けて、光岳小屋から光岳山頂まではダケカンバの間を縫う楽しい登りを行きます。山頂標識からの展望はありませんが、光石方向に行った所に南方向の展望窓が開けています。なお光岳小屋は小さな小屋で利用に制限がありますので注意し、早めに予約して下さい。 光岳は大きな山頂部を持つ山です。それを楽しむには十分時間をとって光石、そして百俣沢ノ頭方向にある日本最南端のハイマツ群生地や360度展望のイザルヶ岳を訪れてください。 易老岳から聖平間が、このコースの第2のハイライトです。樹林帯と広大なシダの群生地、南アルプス南部特有の森林限界を縫うダケカンバとバイケイソウの縦走路が続きます。仁田岳は縦走路から外れていて、兎・聖・上河内・茶臼岳の4座の並んだ姿を見る事ができます。縦走路は希望峰から先が特に素晴らしく、窪地の木道、南アルプスでは珍しい稜線上にある仁田池などゆっくり味わってください。茶臼岳から上河内岳までは畑薙第一ダムから茶臼岳・上河内岳へ(コースガイド)を参照ください。上河内岳の先、南岳からは急降下になります。途中のトラバース気味の草原から見上げる聖岳はあくまでも潔く、偉大です。樹林帯を抜ければ聖平小屋のある聖平です。 薊畑で南アルプス南部の山々とお別れした後、西沢渡までは視界のきかない急降下が連続しますが、苔の密生した倒木帯、シダの群生地、大木の林立する針葉樹林帯などが楽しめます。西沢渡は水量が多く大水で橋が流されて渡渉できない場合は非常に重たい荷物用ロープウェイを使い川を渡ります。森林鉄道跡の道を歩き、便ヶ島からは林道を行き易老渡、さらに芝沢ゲートに戻ります。 -
奈良田温泉から笹山
- 1泊2日
- 11時間20分
- 13km
奈良田温泉から笹山
- 1泊2日
- 11時間20分
- 13km
笹山(黒河内岳)を山座同定する事は余程のマニアでない限り難しいですが、逆に山頂からの塩見岳と蝙蝠岳、荒川三山、そして富士山を含めた360度の展望は、登山の苦労を忘れさせてくれる、素晴らしい山です。幕営は標高2320mの窪地が適地です。 笹山へのダイレクト尾根登山口は、奈良田温泉から奈良田湖を吊橋で右岸に渡りさらに白河内の右岸を入った所で、入口から送水管の上端までは整備された道です。以降は湖面からの標高差約1900mを直線的に登る非常に苦しいアルバイトを強いられる尾根です。 視界は全く効きませんが、途中にある大木の森、アセビのトンネルや太いブナの木が楽しみです。水場は1600m地点にあり、水場へは樹木と下草の美しい快適な道です。山頂部からの展望は森林限界から飛び出した北峰が優れ、北は白峰南嶺の先に北岳までを、南は大井川の渓谷や笊ヶ岳、大無間山まで遠望できます。笹山(黒河内岳)を山座同定する事は余程のマニアでない限り難しいですが、逆に山頂からの塩見岳と蝙蝠岳、荒川三山、そして富士山を含めた360度の展望は、登山の苦労を忘れさせてくれる、素晴らしい山です。幕営は標高2320mの窪地が適地です。 笹山へのダイレクト尾根登山口は、奈良田温泉から奈良田湖を吊橋で右岸に渡りさらに白河内の右岸を入った所で、入口から送水管の上端までは整備された道です。以降は湖面からの標高差約1900mを直線的に登る非常に苦しいアルバイトを強いられる尾根です。 視界は全く効きませんが、途中にある大木の森、アセビのトンネルや太いブナの木が楽しみです。水場は1600m地点にあり、水場へは樹木と下草の美しい快適な道です。山頂部からの展望は森林限界から飛び出した北峰が優れ、北は白峰南嶺の先に北岳までを、南は大井川の渓谷や笊ヶ岳、大無間山まで遠望できます。