【山梨県】の登山コースガイド

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検索結果112件中  1-20件
  • 唐松尾根から大菩薩嶺へ

    唐松尾根から大菩薩嶺へ

    甲斐大和駅から栄和交通バスに乗車して登山口となる上日川峠へ向かいます。塩山駅から甲州市民バスで大菩薩峠登山口まで行き、そこから乗合タクシーを利用することもできます。 上日川峠は、いくつかの登山ルートの基点となっています。まず福ちゃん荘を目指すルートを確認して出発します。ロッヂ長兵衛の右脇から舗装された車道を歩き始めますが、すぐ左側に歩道が分岐します。そのまま車道を行ってもよいですが、歩道へ入りましょう。どちらを経由しても、福ちゃん荘までの時間は大差ありません。 福ちゃん荘では、これから登る唐松尾根登山道と、後に降りてくることになる大菩薩峠へ通じる道が分岐します。唐松尾根は、その名のとおり下部はカラマツ林で、秋には黄葉が楽しめます。登るにつれて傾斜が強まり、上部はかなりの急登となります。展望が開けてくるので、楽しみながらゆっくりと登りましょう。登り着いた所が雷岩で、高さ数mの岩塊が盛りあがっています。ルート中随一の展望が開けた所で、晴れて遠望が得られれば、富士山をはじめ、箱根、伊豆から南アルプスの山並みと、大パノラマが展開します。 頂上へ至る道は、今までとは雰囲気がガラリと変わって鬱蒼とした針葉樹林の中に続き、標高の高い深山に来たことを思わせます。大菩薩嶺山頂は樹林に囲まれ、展望はありません。 雷岩まで戻り、南東方向へそのまま尾根上の道を進みます。このあたりから介山荘の建つ大菩薩峠までの間は、一番の見所です。尾根上には草地が広がり、右側南西方向の展望がずっと開けます。雷岩から見た景色が、歩くとともに少しずつ変化していく様子を楽しみましょう。前方に見えるピーク、妙見ノ頭の右側を巻いて、旧大菩薩峠であった賽ノ河原まで緩い下りが続きます。賽ノ河原からわずかに登り返した所が親不知ノ頭です。振り返れば、雷岩から歩いてきた尾根を全部見渡せます。介山荘が建つ大菩薩峠はもう足元。富士山は峠まで下ると見えないので、ここで見納めとなります。 大菩薩峠で尾根歩きは終了です。介山荘を過ぎた所で右へ曲がり、福ちゃん荘へ向けて下山しましょう。幅広い道を、山腹を巻きながら緩く下っていきます。大菩薩峠から40分ほどで、行きで通過した福ちゃん荘に着き、上日川峠まで往路を戻ります。
    甲斐大和駅から栄和交通バスに乗車して登山口となる上日川峠へ向かいます。塩山駅から甲州市民バスで大菩薩峠登山口まで行き、そこから乗合タクシーを利用することもできます。 上日川峠は、いくつかの登山ルートの基点となっています。まず福ちゃん荘を目指すルートを確認して出発します。ロッヂ長兵衛の右脇から舗装された車道を歩き始めますが、すぐ左側に歩道が分岐します。そのまま車道を行ってもよいですが、歩道へ入りましょう。どちらを経由しても、福ちゃん荘までの時間は大差ありません。 福ちゃん荘では、これから登る唐松尾根登山道と、後に降りてくることになる大菩薩峠へ通じる道が分岐します。唐松尾根は、その名のとおり下部はカラマツ林で、秋には黄葉が楽しめます。登るにつれて傾斜が強まり、上部はかなりの急登となります。展望が開けてくるので、楽しみながらゆっくりと登りましょう。登り着いた所が雷岩で、高さ数mの岩塊が盛りあがっています。ルート中随一の展望が開けた所で、晴れて遠望が得られれば、富士山をはじめ、箱根、伊豆から南アルプスの山並みと、大パノラマが展開します。 頂上へ至る道は、今までとは雰囲気がガラリと変わって鬱蒼とした針葉樹林の中に続き、標高の高い深山に来たことを思わせます。大菩薩嶺山頂は樹林に囲まれ、展望はありません。 雷岩まで戻り、南東方向へそのまま尾根上の道を進みます。このあたりから介山荘の建つ大菩薩峠までの間は、一番の見所です。尾根上には草地が広がり、右側南西方向の展望がずっと開けます。雷岩から見た景色が、歩くとともに少しずつ変化していく様子を楽しみましょう。前方に見えるピーク、妙見ノ頭の右側を巻いて、旧大菩薩峠であった賽ノ河原まで緩い下りが続きます。賽ノ河原からわずかに登り返した所が親不知ノ頭です。振り返れば、雷岩から歩いてきた尾根を全部見渡せます。介山荘が建つ大菩薩峠はもう足元。富士山は峠まで下ると見えないので、ここで見納めとなります。 大菩薩峠で尾根歩きは終了です。介山荘を過ぎた所で右へ曲がり、福ちゃん荘へ向けて下山しましょう。幅広い道を、山腹を巻きながら緩く下っていきます。大菩薩峠から40分ほどで、行きで通過した福ちゃん荘に着き、上日川峠まで往路を戻ります。
  • 丸川峠から大菩薩嶺へ

    丸川峠から大菩薩嶺へ

    塩山駅から甲州市民バスに乗り裂石の大菩薩峠登山口で下車、上日川峠へ続く舗装路を歩き始めます。25分で左側に丸川峠方面の入口があるので、見落とさないよう注意してください。 入口は駐車場になっています。作業道の終点近くから山道へ入り、すぐ尾根に乗ります。登るにつれて傾斜が増し、上部は段差のある箇所も出てきます。たどり着いた丸川峠は山に挟まれた草原で、谷間にひっそりと丸川荘が建っています。 丸川峠から大菩薩嶺までの間は、針葉樹林が続き、林床がコケで覆われて緑の絨毯を敷き詰めたような美しい場所もあります。登りつめた大菩薩嶺山頂は針葉樹に囲まれ、展望はありません。 大菩薩嶺山頂から少し下ると雷岩に着きます。晴れていればここで一気に視界が開けて、富士山から南アルプス連峰まで一望できます。雷岩は高さ数mほどの岩塊で、自然が用意してくれた展望台です。一休みして、存分にこの景観を楽しみましょう。 福ちゃん荘へ下る唐松尾根の道を見送り、雷岩から南東方向へのびる尾根上を進みます。尾根の右側は草原状で視界を遮る物がなく、展望の良い道が続きます。賽ノ河原までおだやかに下り、親不知ノ頭を越えると介山荘の建つ大菩薩峠に着きます。 大菩薩峠で丹波、小菅村方面と上日川峠方面の道を分け、さらに南へ尾根道を進みます。再び薄暗い針葉樹林に入り登りとなりますが、長くは続きません。熊沢山の直下を巻いて林を抜ければ明るい笹原が開けて、下りきった所が石丸峠です。 ここから尾根道を離れて上日川峠方面へ向けて下山しましょう。途中でいったん林道に降り立ち、右へ150mほど進むと左に登山道の降り口があります。次に車道と交差した所は小屋平で、ここから甲斐大和駅行きのバスに乗車することもできます。さらに登山道を下って、沢を渡渉してから登りぎみの道をたどり上日川峠に着きます。 上日川峠から登山道を歩いて出発点である裂石の大菩薩峠登山口へ戻ります。この道は、昔から大菩薩峠越えに使われていたもので、人の往来や雨などによる侵食で背丈を越えるほど深くえぐれた箇所もあり、長い歴史を物語ります。千石平で舗装路に接続しますが、歩道の近道を通りまもなく裂石の大菩薩峠登山口に着きます。
    塩山駅から甲州市民バスに乗り裂石の大菩薩峠登山口で下車、上日川峠へ続く舗装路を歩き始めます。25分で左側に丸川峠方面の入口があるので、見落とさないよう注意してください。 入口は駐車場になっています。作業道の終点近くから山道へ入り、すぐ尾根に乗ります。登るにつれて傾斜が増し、上部は段差のある箇所も出てきます。たどり着いた丸川峠は山に挟まれた草原で、谷間にひっそりと丸川荘が建っています。 丸川峠から大菩薩嶺までの間は、針葉樹林が続き、林床がコケで覆われて緑の絨毯を敷き詰めたような美しい場所もあります。登りつめた大菩薩嶺山頂は針葉樹に囲まれ、展望はありません。 大菩薩嶺山頂から少し下ると雷岩に着きます。晴れていればここで一気に視界が開けて、富士山から南アルプス連峰まで一望できます。雷岩は高さ数mほどの岩塊で、自然が用意してくれた展望台です。一休みして、存分にこの景観を楽しみましょう。 福ちゃん荘へ下る唐松尾根の道を見送り、雷岩から南東方向へのびる尾根上を進みます。尾根の右側は草原状で視界を遮る物がなく、展望の良い道が続きます。賽ノ河原までおだやかに下り、親不知ノ頭を越えると介山荘の建つ大菩薩峠に着きます。 大菩薩峠で丹波、小菅村方面と上日川峠方面の道を分け、さらに南へ尾根道を進みます。再び薄暗い針葉樹林に入り登りとなりますが、長くは続きません。熊沢山の直下を巻いて林を抜ければ明るい笹原が開けて、下りきった所が石丸峠です。 ここから尾根道を離れて上日川峠方面へ向けて下山しましょう。途中でいったん林道に降り立ち、右へ150mほど進むと左に登山道の降り口があります。次に車道と交差した所は小屋平で、ここから甲斐大和駅行きのバスに乗車することもできます。さらに登山道を下って、沢を渡渉してから登りぎみの道をたどり上日川峠に着きます。 上日川峠から登山道を歩いて出発点である裂石の大菩薩峠登山口へ戻ります。この道は、昔から大菩薩峠越えに使われていたもので、人の往来や雨などによる侵食で背丈を越えるほど深くえぐれた箇所もあり、長い歴史を物語ります。千石平で舗装路に接続しますが、歩道の近道を通りまもなく裂石の大菩薩峠登山口に着きます。
  • 大菩薩峠から小金沢山へ

    大菩薩峠から小金沢山へ

    小金沢山は、大菩薩山域の中でも山深い存在でしたが、最近はバス路線の運行により交通の便が良くなりました。 甲斐大和駅から栄和交通の上日川峠行きバスに乗車し、終点で下車。上日川峠から福ちゃん荘の前を通り、大菩薩峠へ。峠から主稜線の南下を開始です。 まず熊沢山を越えて石丸峠を目指します。石丸峠で上日川峠方面の道を分け、5分ほど進むと牛ノ寝通りの分岐があります。分岐から尾根に沿ってわずかに登れば天狗棚のピークに着きます。このあたりは東側にも展望が開け、奥多摩や丹沢から富士山、南北アルプスの山脈まで、広い範囲で山並みを眺めることができます。行く先には狼平と呼ばれるササ原が広がっています。ササ原を過ぎると、木が密集した薄暗い針葉樹の林へ入っていきます。林の中はやや道が悪く、足元には朽ち果てた倒木や露岩が転がっていたり、木の根が張り出したりしています。これらを避けようとして登山道から外れないよう注意しましょう。 三角点が設置された小金沢山は、大菩薩連嶺の石丸峠以南では最高点ですが、以前は山名が定かではなかったようです。別名の「雨沢ノ頭」は南肩の峰を指すともいわれます。今は「小金沢山」の名称が定着しています。山頂は立木が多いものの、富士山など眺めることができます。 小金沢山から牛奥ノ雁ヶ腹摺山まで、緩く起伏した尾根が続きます。主に林の中を歩きますが、所々にさわやかなササ原が点在します。ササ原には鹿道が多いので、入り込まないよう注意してください。牛奥ノ雁ヶ腹摺山の山頂からは、富士山を中心に据えた風景が楽しめます。 下山路は山頂から南西に広がるササ原にあります。上部はササが被っていますが、下るに従って道は明瞭になってきます。途中、道端には樹齢を重ねた巨樹も見られるので探してみるのも良いでしょう。伐採跡に出て視界が開け、日川林道に出たら右へ数十m進むと登山道の続きがあります。再度林道に降りて、林道をしばらくたどります。標高1470m付近、林道が西から東へ大きく向きを変えるところで、また登山道に入ります。分岐を見落とさないよう注意してください。もう一度林道を横断すれば、すぐすずらん昆虫館前バス停に着きます。バスに乗車して、甲斐大和駅へ戻ります。
    小金沢山は、大菩薩山域の中でも山深い存在でしたが、最近はバス路線の運行により交通の便が良くなりました。 甲斐大和駅から栄和交通の上日川峠行きバスに乗車し、終点で下車。上日川峠から福ちゃん荘の前を通り、大菩薩峠へ。峠から主稜線の南下を開始です。 まず熊沢山を越えて石丸峠を目指します。石丸峠で上日川峠方面の道を分け、5分ほど進むと牛ノ寝通りの分岐があります。分岐から尾根に沿ってわずかに登れば天狗棚のピークに着きます。このあたりは東側にも展望が開け、奥多摩や丹沢から富士山、南北アルプスの山脈まで、広い範囲で山並みを眺めることができます。行く先には狼平と呼ばれるササ原が広がっています。ササ原を過ぎると、木が密集した薄暗い針葉樹の林へ入っていきます。林の中はやや道が悪く、足元には朽ち果てた倒木や露岩が転がっていたり、木の根が張り出したりしています。これらを避けようとして登山道から外れないよう注意しましょう。 三角点が設置された小金沢山は、大菩薩連嶺の石丸峠以南では最高点ですが、以前は山名が定かではなかったようです。別名の「雨沢ノ頭」は南肩の峰を指すともいわれます。今は「小金沢山」の名称が定着しています。山頂は立木が多いものの、富士山など眺めることができます。 小金沢山から牛奥ノ雁ヶ腹摺山まで、緩く起伏した尾根が続きます。主に林の中を歩きますが、所々にさわやかなササ原が点在します。ササ原には鹿道が多いので、入り込まないよう注意してください。牛奥ノ雁ヶ腹摺山の山頂からは、富士山を中心に据えた風景が楽しめます。 下山路は山頂から南西に広がるササ原にあります。上部はササが被っていますが、下るに従って道は明瞭になってきます。途中、道端には樹齢を重ねた巨樹も見られるので探してみるのも良いでしょう。伐採跡に出て視界が開け、日川林道に出たら右へ数十m進むと登山道の続きがあります。再度林道に降りて、林道をしばらくたどります。標高1470m付近、林道が西から東へ大きく向きを変えるところで、また登山道に入ります。分岐を見落とさないよう注意してください。もう一度林道を横断すれば、すぐすずらん昆虫館前バス停に着きます。バスに乗車して、甲斐大和駅へ戻ります。
  • 湯ノ沢峠から大谷ヶ丸へ

    湯ノ沢峠から大谷ヶ丸へ

    湯ノ沢峠は、大菩薩主稜線を二分する大きく落ち込んだ峠で、ここから南側は南大菩薩と呼ばれています。緩い起伏が続く中に広葉樹林と草原が交互に現れ、穏やかで優しい雰囲気のエリアです。 甲斐大和駅から事前に予約しておいたタクシーで湯ノ沢峠へ向かいます。焼山沢真木林道の終点でタクシーを下車、広場の奥から山道へ入り、1~2分も歩けば湯ノ沢峠に着きます。 峠から尾根に沿って南へ向かいます。周囲は林床にササが生える広葉樹林ですが、20mほど標高を上げると最初の草原が広がり、春から秋にかけて、様々な草花を見ることができます。草原が荒らされないように獣避けの柵が張られているので、出入の際に開けた扉は必ず閉じておきましょう。草原の先に盛り上がって見える山は大蔵高丸です。この山の山頂も草原になっています。ルート中の最高地点で、周囲の見晴らしがとても良いところです。 大蔵高丸から先は、穏やかに起伏した尾根が続きます。広葉樹林の中に様々な草地が次々と繰り返し現れ、変化を楽しめます。ハマイバ丸は広葉樹に囲まれた山頂で、越えてから少し下った所にハマイバと呼ばれる岩塊の散在した荒地があります。その後、背丈を越えるササヤブ、灌木帯、また草原と通過していくうちに、巨大なタケノコのように地面から突き出た天下石と呼ばれる大岩が現れます。天下石を過ぎたら、一気に100m近く標高を下げて米背負峠(米背負のタル)に着きます。この峠からは、やまと天目山温泉方面へ下る道が分岐しています。峠へ下った分を取り戻すように登り返すと、滝子山方面の分岐を過ぎて大谷ヶ丸の山頂です。 大谷ヶ丸から滝子山へ縦走を続けることもできますが、田野方面へ下山します。大谷ヶ丸からの下りは、やや傾斜が急で滑りやすく、足元に気をつけてください。さらにこの先、落ち葉の堆積で踏み跡が薄いところもあるので道迷いにも注意です。 曲り沢峠で笹子駅方面の道を左へ分け、オッ立を右へ巻きます。再び尾根に戻ると、すぐ田野方面の分岐点があるので右へ曲り、田野集落までのびる尾根上をたどります。尾根末端近くでコンクリート壁と手すりに挟まれた細い道には入らないように。正しい道は左へ曲がっています。やがて、舗装路のT字路に降り立ちます。正面の道を進み、錬成館を左に見て景徳院の境内を抜けて県道に出ます。道路を横断した先の駐車場に景徳院入口バス停がありますが、甲斐大和駅まで歩いても30分ほどです。
    湯ノ沢峠は、大菩薩主稜線を二分する大きく落ち込んだ峠で、ここから南側は南大菩薩と呼ばれています。緩い起伏が続く中に広葉樹林と草原が交互に現れ、穏やかで優しい雰囲気のエリアです。 甲斐大和駅から事前に予約しておいたタクシーで湯ノ沢峠へ向かいます。焼山沢真木林道の終点でタクシーを下車、広場の奥から山道へ入り、1~2分も歩けば湯ノ沢峠に着きます。 峠から尾根に沿って南へ向かいます。周囲は林床にササが生える広葉樹林ですが、20mほど標高を上げると最初の草原が広がり、春から秋にかけて、様々な草花を見ることができます。草原が荒らされないように獣避けの柵が張られているので、出入の際に開けた扉は必ず閉じておきましょう。草原の先に盛り上がって見える山は大蔵高丸です。この山の山頂も草原になっています。ルート中の最高地点で、周囲の見晴らしがとても良いところです。 大蔵高丸から先は、穏やかに起伏した尾根が続きます。広葉樹林の中に様々な草地が次々と繰り返し現れ、変化を楽しめます。ハマイバ丸は広葉樹に囲まれた山頂で、越えてから少し下った所にハマイバと呼ばれる岩塊の散在した荒地があります。その後、背丈を越えるササヤブ、灌木帯、また草原と通過していくうちに、巨大なタケノコのように地面から突き出た天下石と呼ばれる大岩が現れます。天下石を過ぎたら、一気に100m近く標高を下げて米背負峠(米背負のタル)に着きます。この峠からは、やまと天目山温泉方面へ下る道が分岐しています。峠へ下った分を取り戻すように登り返すと、滝子山方面の分岐を過ぎて大谷ヶ丸の山頂です。 大谷ヶ丸から滝子山へ縦走を続けることもできますが、田野方面へ下山します。大谷ヶ丸からの下りは、やや傾斜が急で滑りやすく、足元に気をつけてください。さらにこの先、落ち葉の堆積で踏み跡が薄いところもあるので道迷いにも注意です。 曲り沢峠で笹子駅方面の道を左へ分け、オッ立を右へ巻きます。再び尾根に戻ると、すぐ田野方面の分岐点があるので右へ曲り、田野集落までのびる尾根上をたどります。尾根末端近くでコンクリート壁と手すりに挟まれた細い道には入らないように。正しい道は左へ曲がっています。やがて、舗装路のT字路に降り立ちます。正面の道を進み、錬成館を左に見て景徳院の境内を抜けて県道に出ます。道路を横断した先の駐車場に景徳院入口バス停がありますが、甲斐大和駅まで歩いても30分ほどです。
  • 笹子駅から滝子山へ

    笹子駅から滝子山へ

    滝子山は、大菩薩主稜線の南端にあり、周囲に高い山がないのでとても視界が良く、特に富士山の展望に優れた人気の山です。 笹子駅から国道20号に沿って大月方面へ進みます。20分ほど歩いた吉久保入口バス停で、国道を離れて集落へと向かいます。集落内の分岐を道標に従って抜け、中央自動車道の陸橋を渡ったら、しばらく道なりに進みます。道証地蔵の分岐には、その名のとおり地蔵が置かれ、ここから山道へ入ります。 すぐ沢に降りて橋で対岸に渡り、対岸の山腹を横に巻きながら植林帯を登っていきます。いつしか遠くなっていた沢音が大きくなってきたら、再び沢を渡ります。右手の沢筋にモチガ滝を見て、少し登ったところに分岐があります。右は沢沿いを滝子山へ向かう道ですが、道が悪いので左の迂回路へ進みましょう。15分ほど登ると、曲り沢峠から滝子山方面へほぼ水平に巻く道に出ます。右が滝子山方面です。左側に土がむきだしになった崩壊地を見てすぐ、先ほど分かれた沢沿いを登ってきた道と合流します。 沢の流れがだいぶ細くなる頃、尾根に上がると、すぐ大谷ヶ丸方面の作業道が分岐します。尾根上は防火帯になっていて、広く樹木が伐採されています。途中、後ろを振り返れば、大谷ヶ丸が望めます。その大谷ヶ丸からの道を左から合わせると、まもなく道端に祠を見ます。鎮西ヶ池です。祠の脇には小さな池があり、水が湧き出しています。ここから山頂まではあと少し。三角点峰との分岐を過ぎて、ひと登りで滝子山の頂上です。 滝子山の山頂は展望に恵まれ、西側の一部を除き、ほぼ360度見渡たすことができます。特に南側正面に見える富士山の眺めに誰もが目をひかれることでしょう。 下山は初狩駅方面に下ります。登ってきた道を引き返し、鎮西ヶ池への道を見送り三角点峰を越えます。この先、檜平まではツツジ類の木が多く、開花時期の6月上旬は道端が彩り豊かになります。檜平の手前で道が男坂と女坂に道が分かれますが、また合流します。檜平は南側に視界が開け、富士山はここが見納めとなります。 檜平からしばらく下った頃、道が分かれます。尾根通しの立河原方面は歩きにくい箇所があります。左へ折れて藤沢方面へ向かいましょう。まもなく水の流れる谷に下りて、以後この谷沿いに進みます。谷を抜けて林道に出て、舗装路へ変わり、藤沢集落を過ぎて国道20号を渡れば、まもなく初狩駅に到着します。
    滝子山は、大菩薩主稜線の南端にあり、周囲に高い山がないのでとても視界が良く、特に富士山の展望に優れた人気の山です。 笹子駅から国道20号に沿って大月方面へ進みます。20分ほど歩いた吉久保入口バス停で、国道を離れて集落へと向かいます。集落内の分岐を道標に従って抜け、中央自動車道の陸橋を渡ったら、しばらく道なりに進みます。道証地蔵の分岐には、その名のとおり地蔵が置かれ、ここから山道へ入ります。 すぐ沢に降りて橋で対岸に渡り、対岸の山腹を横に巻きながら植林帯を登っていきます。いつしか遠くなっていた沢音が大きくなってきたら、再び沢を渡ります。右手の沢筋にモチガ滝を見て、少し登ったところに分岐があります。右は沢沿いを滝子山へ向かう道ですが、道が悪いので左の迂回路へ進みましょう。15分ほど登ると、曲り沢峠から滝子山方面へほぼ水平に巻く道に出ます。右が滝子山方面です。左側に土がむきだしになった崩壊地を見てすぐ、先ほど分かれた沢沿いを登ってきた道と合流します。 沢の流れがだいぶ細くなる頃、尾根に上がると、すぐ大谷ヶ丸方面の作業道が分岐します。尾根上は防火帯になっていて、広く樹木が伐採されています。途中、後ろを振り返れば、大谷ヶ丸が望めます。その大谷ヶ丸からの道を左から合わせると、まもなく道端に祠を見ます。鎮西ヶ池です。祠の脇には小さな池があり、水が湧き出しています。ここから山頂まではあと少し。三角点峰との分岐を過ぎて、ひと登りで滝子山の頂上です。 滝子山の山頂は展望に恵まれ、西側の一部を除き、ほぼ360度見渡たすことができます。特に南側正面に見える富士山の眺めに誰もが目をひかれることでしょう。 下山は初狩駅方面に下ります。登ってきた道を引き返し、鎮西ヶ池への道を見送り三角点峰を越えます。この先、檜平まではツツジ類の木が多く、開花時期の6月上旬は道端が彩り豊かになります。檜平の手前で道が男坂と女坂に道が分かれますが、また合流します。檜平は南側に視界が開け、富士山はここが見納めとなります。 檜平からしばらく下った頃、道が分かれます。尾根通しの立河原方面は歩きにくい箇所があります。左へ折れて藤沢方面へ向かいましょう。まもなく水の流れる谷に下りて、以後この谷沿いに進みます。谷を抜けて林道に出て、舗装路へ変わり、藤沢集落を過ぎて国道20号を渡れば、まもなく初狩駅に到着します。
  • 落合から鶏冠山へ

    落合から鶏冠山へ

    鶏冠山は以前は交通が不便な山でしたが、冬期を除く土曜、休日にはバスが使えるようになり、訪れやすくなりました。 塩山駅から落合行きの甲州市民バスに乗車します。落合の鶏冠山登山口にバス停はありませんが、自由乗降区間なので運転手に告げれば降ろしてくれるでしょう。柳沢川を渡り、数軒の集落をぬけて山道へ入ります。 尾根沿いを巻きながら登り、傾斜が緩く歩きやすい道です。しばらく登ると鶏冠山と横手山峠の分岐となり、鶏冠山方面へ入ります。黒川山北面を横切る道は、荒れた感じのある自然林を通過しますが、緑のコケで覆われた美しく心安らぐ所もあります。 鶏冠山西側の分岐に来たら、鶏冠山を往復しましょう。わずかの間ですが、岩場があるので慎重に行動を。1つピークを越えた先で、突然足元が切れ落ちた断崖の上に出ます。鶏冠山山頂です。右手の高みに鶏冠神社の祠が設置されています。南側に高く大きく大菩薩嶺が見えます。 続いて見晴台にも寄ってみましょう。鶏冠山西側の分岐まで戻り、柳沢峠方面へ進むと、1~2分歩いたところに見晴台分岐があります。北側の尾根に登り、数分歩くと見晴台です。ちょっとした岩塊の盛り上がりで、南アルプスや奥秩父、多摩川源流域の山々が間近に見られます。見晴台へ行く途中で、黒川山山頂に寄ることもできます。 見晴台分岐に戻り柳沢峠方面へ向かいます。緩い下りが横手山峠まで続き、その後平坦な道を歩くうちに泉水横手山林道に出ます。林道を左に数十m進んだところからまた山道に入ります。ここへ来てまた登りになりますが、長くは続かず、まもなく六本木峠に着きます。 六本木峠では、丸川峠へ続く道が分岐しています。鶏冠山から丸川峠を経て大菩薩嶺へとつなぐルートもとれますが、ここでは柳沢峠へ下山します。道は梅ノ木尾根分岐から先は、東京都水道局の「水源地ふれあいのみち」になっています。梅ノ木尾根分岐からブナ坂方面へ1分ほど行った所に、多摩川源流域を望む展望台があるので、寄ってみるのも良いでしょう。遊歩道の道端には名称プレートが付けられた木もあります。 柳沢峠から塩山行きのバスに乗車しますが、午後には1便だけなので、乗り遅れないよう下山時間には注意しましょう。
    鶏冠山は以前は交通が不便な山でしたが、冬期を除く土曜、休日にはバスが使えるようになり、訪れやすくなりました。 塩山駅から落合行きの甲州市民バスに乗車します。落合の鶏冠山登山口にバス停はありませんが、自由乗降区間なので運転手に告げれば降ろしてくれるでしょう。柳沢川を渡り、数軒の集落をぬけて山道へ入ります。 尾根沿いを巻きながら登り、傾斜が緩く歩きやすい道です。しばらく登ると鶏冠山と横手山峠の分岐となり、鶏冠山方面へ入ります。黒川山北面を横切る道は、荒れた感じのある自然林を通過しますが、緑のコケで覆われた美しく心安らぐ所もあります。 鶏冠山西側の分岐に来たら、鶏冠山を往復しましょう。わずかの間ですが、岩場があるので慎重に行動を。1つピークを越えた先で、突然足元が切れ落ちた断崖の上に出ます。鶏冠山山頂です。右手の高みに鶏冠神社の祠が設置されています。南側に高く大きく大菩薩嶺が見えます。 続いて見晴台にも寄ってみましょう。鶏冠山西側の分岐まで戻り、柳沢峠方面へ進むと、1~2分歩いたところに見晴台分岐があります。北側の尾根に登り、数分歩くと見晴台です。ちょっとした岩塊の盛り上がりで、南アルプスや奥秩父、多摩川源流域の山々が間近に見られます。見晴台へ行く途中で、黒川山山頂に寄ることもできます。 見晴台分岐に戻り柳沢峠方面へ向かいます。緩い下りが横手山峠まで続き、その後平坦な道を歩くうちに泉水横手山林道に出ます。林道を左に数十m進んだところからまた山道に入ります。ここへ来てまた登りになりますが、長くは続かず、まもなく六本木峠に着きます。 六本木峠では、丸川峠へ続く道が分岐しています。鶏冠山から丸川峠を経て大菩薩嶺へとつなぐルートもとれますが、ここでは柳沢峠へ下山します。道は梅ノ木尾根分岐から先は、東京都水道局の「水源地ふれあいのみち」になっています。梅ノ木尾根分岐からブナ坂方面へ1分ほど行った所に、多摩川源流域を望む展望台があるので、寄ってみるのも良いでしょう。遊歩道の道端には名称プレートが付けられた木もあります。 柳沢峠から塩山行きのバスに乗車しますが、午後には1便だけなので、乗り遅れないよう下山時間には注意しましょう。
  • 牛ノ寝通り

    牛ノ寝通り

    ここで紹介するコースは、現在の小菅大菩薩道ができる前に小菅村と甲州を結ぶ街道でした。道の状態は良く、落ち着いて往時を偲びながら歩くことができます。行動時間が長いので、小屋泊まりで計画するのも良いでしょう。また、入山ルートを小屋平から石丸峠に変えれば、行程を短縮できます。 甲斐大和駅から栄和交通の上日川峠行きバスに乗車し、終点で下車します。ロッヂ長兵衛の右脇から舗装された車道を歩き始めます。すぐ歩道が左へ分岐して、福ちゃん荘まで歩道と車道が並行しています。福ちゃん荘で唐松尾根コースを見送り、大菩薩峠を目指します。幅広い平坦な道は勝縁荘を過ぎてから登りとなりますが、傾斜は緩く、歩きやすくなっています。 大菩薩峠では、北側に大菩薩嶺へと続く見晴しの良い明るく開けた尾根がのびています。それとは対照的に、これから向かう南側の石丸峠方面は、暗くて展望もない針葉樹を主とした自然林に覆われています。多少道が悪くなり、道端に散らばる岩くずや張り出した根など少し歩きにくい登り坂となりますが、長くは続きません。熊沢山を越えると一気に視界が開けて、石丸峠から小金沢山へと続くササ原の広がる稜線を見下ろしながら石丸峠へ下りていきます。 石丸峠で上日川峠方面へ下る道を分け、小金沢山方面へ5分ほど歩くとまた分岐があります。ここで小金沢山方面の道からはずれて牛ノ寝通りへと入ります。少し下ったところに長峰方面の分岐があります。この分岐から先もしばらく下りが続きますが、榧ノ尾山を過ぎる頃には緩やかな登り下りを繰り返すようになります。特に狩場山の西側の峰は牛ノ寝と呼ばれ、広く平らな地形が続き、広葉樹の巨木が目立ちます。 棚倉小屋跡(大ダワ)まで来ると、周囲の樹木が伐採されて広場のようになっており、牛ノ寝通り縦走はひと区切りとなります。尾根は大マテイ山から松姫峠へと続きますが、ここでは小菅の湯へ下山しましょう。下山の途中で、まず右へ山沢川経由で小菅の湯方面、モロクボ平で左へ川久保方面、少し下ってから左へ田元方面の道が分岐するので各分岐点に注意してください。 小菅の湯からは奥多摩駅のほか、大月駅、上野原駅に接続するバス路線があります。 逆コースの場合、小菅の湯発は道が分かりにくいので、役場前バス停から川久保経由でモロクボ平へ向かうことをおすすめします。
    ここで紹介するコースは、現在の小菅大菩薩道ができる前に小菅村と甲州を結ぶ街道でした。道の状態は良く、落ち着いて往時を偲びながら歩くことができます。行動時間が長いので、小屋泊まりで計画するのも良いでしょう。また、入山ルートを小屋平から石丸峠に変えれば、行程を短縮できます。 甲斐大和駅から栄和交通の上日川峠行きバスに乗車し、終点で下車します。ロッヂ長兵衛の右脇から舗装された車道を歩き始めます。すぐ歩道が左へ分岐して、福ちゃん荘まで歩道と車道が並行しています。福ちゃん荘で唐松尾根コースを見送り、大菩薩峠を目指します。幅広い平坦な道は勝縁荘を過ぎてから登りとなりますが、傾斜は緩く、歩きやすくなっています。 大菩薩峠では、北側に大菩薩嶺へと続く見晴しの良い明るく開けた尾根がのびています。それとは対照的に、これから向かう南側の石丸峠方面は、暗くて展望もない針葉樹を主とした自然林に覆われています。多少道が悪くなり、道端に散らばる岩くずや張り出した根など少し歩きにくい登り坂となりますが、長くは続きません。熊沢山を越えると一気に視界が開けて、石丸峠から小金沢山へと続くササ原の広がる稜線を見下ろしながら石丸峠へ下りていきます。 石丸峠で上日川峠方面へ下る道を分け、小金沢山方面へ5分ほど歩くとまた分岐があります。ここで小金沢山方面の道からはずれて牛ノ寝通りへと入ります。少し下ったところに長峰方面の分岐があります。この分岐から先もしばらく下りが続きますが、榧ノ尾山を過ぎる頃には緩やかな登り下りを繰り返すようになります。特に狩場山の西側の峰は牛ノ寝と呼ばれ、広く平らな地形が続き、広葉樹の巨木が目立ちます。 棚倉小屋跡(大ダワ)まで来ると、周囲の樹木が伐採されて広場のようになっており、牛ノ寝通り縦走はひと区切りとなります。尾根は大マテイ山から松姫峠へと続きますが、ここでは小菅の湯へ下山しましょう。下山の途中で、まず右へ山沢川経由で小菅の湯方面、モロクボ平で左へ川久保方面、少し下ってから左へ田元方面の道が分岐するので各分岐点に注意してください。 小菅の湯からは奥多摩駅のほか、大月駅、上野原駅に接続するバス路線があります。 逆コースの場合、小菅の湯発は道が分かりにくいので、役場前バス停から川久保経由でモロクボ平へ向かうことをおすすめします。
  • 奈良倉山から鶴寝山へ

    奈良倉山から鶴寝山へ

    奈良倉山と鶴寝山は、大菩薩主稜線から派生する牛ノ寝通りを延長したところにあります。どちらも富士山の展望が魅力的です。鶴寝山から先は、広葉樹の自然林に覆われた緩やかに起伏する広い尾根が続き、樹齢を重ねた巨樹も散在します。新緑や紅葉の頃には、豊かな自然を味わう山歩きが楽しめます。 上野原駅から、鶴峠または小菅の湯行きのバスに乗車して、鶴峠で下車します。バス停前に奈良倉山登山口があります。登山道は途中で何回か作業道と交差するので、入らないよう注意してください。奈良倉山の直下50mまで登ると松姫峠方面の分岐があります。奈良倉山に登ってから松姫峠へ向かう際、いったんこの分岐に戻ると、10分ほど遠回りになりますが林道を通らずに行くことができます。奈良倉山の山頂は木が茂っていますが、南西方向は木が伐採され、富士山などの山々を眺めることができます。 展望を楽しんだら鶴寝山へ向かいます。奈良倉山山頂から北西方向へ下ると、林道経由で松姫峠へ行けます。まもなく北側に並行する山道と接するので、そこから山道へ入るのも良いでしょう。山道を歩けば、林道より自然を身近に感じながら歩けます。 松姫峠でいったん車道に出ますが、登山道はトイレの先に続いています。広葉樹に覆われた林の中を歩くうちに、ニリンソウコースの分岐に着きます。この分岐を右に数分行った凹状地形の所では、4月下旬から5月上旬にかけてニリンソウが群生して開花します。この分岐を左へ進み、十数分登ると鶴寝山です。山頂は木に覆われていますが、南側が一部伐採され、富士山を望むことができます。 さらに尾根を西へ進みましょう。すぐ先で道が「巨樹のみち」と「日向みち」に分かれます。「巨樹のみち」は尾根上を通り、ミズナラなどの巨樹が間近に見られます。「日向みち」は尾根の南側を巻くので、起伏が緩くなっています。いずれも山沢入りのヌタで合流します。 山沢入りのヌタから小菅の湯へ下山します。分岐から10分あまり下って谷を横切るところには、見事なトチノキの巨樹があります。下部はワサビ田の脇を通り、舗装路へ出て山沢の集落に入ったら、右へ少し登ったところに小菅の湯があります。小菅の湯からは、奥多摩駅、大月駅、上野原駅に接続するバス路線があります。 なお、時間に余裕があれば、山沢入りのヌタからさらに西へ進み、棚倉小屋跡経由で小菅の湯へ降りることもできます。ただ、大マテイ山周辺は、踏み跡が薄く乱れているので注意してください。
    奈良倉山と鶴寝山は、大菩薩主稜線から派生する牛ノ寝通りを延長したところにあります。どちらも富士山の展望が魅力的です。鶴寝山から先は、広葉樹の自然林に覆われた緩やかに起伏する広い尾根が続き、樹齢を重ねた巨樹も散在します。新緑や紅葉の頃には、豊かな自然を味わう山歩きが楽しめます。 上野原駅から、鶴峠または小菅の湯行きのバスに乗車して、鶴峠で下車します。バス停前に奈良倉山登山口があります。登山道は途中で何回か作業道と交差するので、入らないよう注意してください。奈良倉山の直下50mまで登ると松姫峠方面の分岐があります。奈良倉山に登ってから松姫峠へ向かう際、いったんこの分岐に戻ると、10分ほど遠回りになりますが林道を通らずに行くことができます。奈良倉山の山頂は木が茂っていますが、南西方向は木が伐採され、富士山などの山々を眺めることができます。 展望を楽しんだら鶴寝山へ向かいます。奈良倉山山頂から北西方向へ下ると、林道経由で松姫峠へ行けます。まもなく北側に並行する山道と接するので、そこから山道へ入るのも良いでしょう。山道を歩けば、林道より自然を身近に感じながら歩けます。 松姫峠でいったん車道に出ますが、登山道はトイレの先に続いています。広葉樹に覆われた林の中を歩くうちに、ニリンソウコースの分岐に着きます。この分岐を右に数分行った凹状地形の所では、4月下旬から5月上旬にかけてニリンソウが群生して開花します。この分岐を左へ進み、十数分登ると鶴寝山です。山頂は木に覆われていますが、南側が一部伐採され、富士山を望むことができます。 さらに尾根を西へ進みましょう。すぐ先で道が「巨樹のみち」と「日向みち」に分かれます。「巨樹のみち」は尾根上を通り、ミズナラなどの巨樹が間近に見られます。「日向みち」は尾根の南側を巻くので、起伏が緩くなっています。いずれも山沢入りのヌタで合流します。 山沢入りのヌタから小菅の湯へ下山します。分岐から10分あまり下って谷を横切るところには、見事なトチノキの巨樹があります。下部はワサビ田の脇を通り、舗装路へ出て山沢の集落に入ったら、右へ少し登ったところに小菅の湯があります。小菅の湯からは、奥多摩駅、大月駅、上野原駅に接続するバス路線があります。 なお、時間に余裕があれば、山沢入りのヌタからさらに西へ進み、棚倉小屋跡経由で小菅の湯へ降りることもできます。ただ、大マテイ山周辺は、踏み跡が薄く乱れているので注意してください。
  • 大峠から雁ヶ腹摺山へ

    大峠から雁ヶ腹摺山へ

    雁ヶ腹摺山は、大菩薩嶺から滝子山まで連なる主稜線上には無く、東側に外れた位置にあります。しかし標高は主稜線並みに高く、その山頂から望む富士山は印象深いもので、旧五百円札のデザインに使われたこともありました。秀麗富嶽12景の一座に選定されています。 アプローチは、真木小金沢林道の大峠からが一般的です。バスは峠から遥か手前の山麓が終点なので、大月駅からタクシーで向かうと良いでしょう。下山後の車道歩きを避けるなら、帰りも予約しておきます。マイカーで行く場合は、細くてカーブの多い峠道が長く続くので、走行に注意してください。 大峠には、雁ヶ腹摺山と黒岳の登山口があります。雁ヶ腹摺山方面は東側になります。道路脇の階段を登ると、道は南へ向きを変え、すぐ水場を通り過ぎます。登り始めて10分ほど進んだ頃に、凹状地形を横切りますが、この辺りは斜面が崩れ易くなっています。迂回路がある場合は従ってください。吹切尾根に登り着くと、道は北へ向きを変え、次第に傾斜を強めていきます。やがて正面が開けて辺りが草原に変わったら、その最上部が頂上です。雁ヶ腹摺山の山頂部は、大部分が樹木に覆われていますが、南側だけは開けていて、その先に富士山が望めます。 登頂に満足したら、往路を戻りますが、体力に余裕があるなら姥子山まで足を延ばすのも良いでしょう。ただし、姥子山山頂の標高は大峠よりも低いので、帰りは雁ヶ腹摺山をもう一度登り返さなければならないことに留意してください。しかし、山頂の周囲に岩壁を巡らす姥子山からの展望は、雁ヶ腹摺山よりも開けて、富士山を始め、丹沢から奥多摩方面にまで広がります。この景色を見れば、雁ヶ腹摺山と共に登頂した苦労も報われることでしょう。姥子山も、秀麗富嶽12景の一座です。 姥子山へ向かうなら、山頂直下の草原の中で分岐する道を、左へ進みます。標高を下げるに従い、周囲の樹林は針葉樹から広葉樹へと移り変わっていきます。秋には黄葉がとても美しい所です。1箇所、苔生す巨岩帯を通過する部分は、道を間違え易いので、注意してください。周囲が平坦になり、林床が笹原に変わったら、白樺平と呼ばれるところで、道が分岐します。姥子山方面へ進み、林道を横切ってから二つ目の峰が姥子山東峰です。展望を存分に楽しんだら、往路を戻ります。
    雁ヶ腹摺山は、大菩薩嶺から滝子山まで連なる主稜線上には無く、東側に外れた位置にあります。しかし標高は主稜線並みに高く、その山頂から望む富士山は印象深いもので、旧五百円札のデザインに使われたこともありました。秀麗富嶽12景の一座に選定されています。 アプローチは、真木小金沢林道の大峠からが一般的です。バスは峠から遥か手前の山麓が終点なので、大月駅からタクシーで向かうと良いでしょう。下山後の車道歩きを避けるなら、帰りも予約しておきます。マイカーで行く場合は、細くてカーブの多い峠道が長く続くので、走行に注意してください。 大峠には、雁ヶ腹摺山と黒岳の登山口があります。雁ヶ腹摺山方面は東側になります。道路脇の階段を登ると、道は南へ向きを変え、すぐ水場を通り過ぎます。登り始めて10分ほど進んだ頃に、凹状地形を横切りますが、この辺りは斜面が崩れ易くなっています。迂回路がある場合は従ってください。吹切尾根に登り着くと、道は北へ向きを変え、次第に傾斜を強めていきます。やがて正面が開けて辺りが草原に変わったら、その最上部が頂上です。雁ヶ腹摺山の山頂部は、大部分が樹木に覆われていますが、南側だけは開けていて、その先に富士山が望めます。 登頂に満足したら、往路を戻りますが、体力に余裕があるなら姥子山まで足を延ばすのも良いでしょう。ただし、姥子山山頂の標高は大峠よりも低いので、帰りは雁ヶ腹摺山をもう一度登り返さなければならないことに留意してください。しかし、山頂の周囲に岩壁を巡らす姥子山からの展望は、雁ヶ腹摺山よりも開けて、富士山を始め、丹沢から奥多摩方面にまで広がります。この景色を見れば、雁ヶ腹摺山と共に登頂した苦労も報われることでしょう。姥子山も、秀麗富嶽12景の一座です。 姥子山へ向かうなら、山頂直下の草原の中で分岐する道を、左へ進みます。標高を下げるに従い、周囲の樹林は針葉樹から広葉樹へと移り変わっていきます。秋には黄葉がとても美しい所です。1箇所、苔生す巨岩帯を通過する部分は、道を間違え易いので、注意してください。周囲が平坦になり、林床が笹原に変わったら、白樺平と呼ばれるところで、道が分岐します。姥子山方面へ進み、林道を横切ってから二つ目の峰が姥子山東峰です。展望を存分に楽しんだら、往路を戻ります。
  • 笹子峠から笹子雁ヶ腹摺山へ

    笹子峠から笹子雁ヶ腹摺山へ

    笹子峠から大鹿峠の間は直線距離で4kmほどですが、休むまもなく登り下りを繰り返し、加えてクサリが設置された急斜面もあり、小粒ながらピリリと辛いコースです。また、山以外にも笹子峠や景徳院など歴史に思いをはせる見所があります。 甲斐大和駅からタクシーで笹子峠へ向かいます。タクシーは駅前に常駐していないので、予約をしておくと良いでしょう。笹子峠へ向かう途中、清水橋から笹子峠まで車道と並行して昔の甲州街道を通る歩道「甲州街道峠道」もあります。時間に余裕があれば、こちらを歩くのも興味深いところです。 笹子峠で笹子隧道を見て、70mほど戻ると甲州街道峠道が車道と交差しているので、ここから峠へ登ります。途中、笹子峠天神社があり、ここで道が二分します。右は最低鞍部を経由しますが、鞍部からの登り始めが急傾斜の悪路です。左の道はそれを迂回できます。 峠から15分ほど歩くと、尾根道と巻き道が分かれますが、送電線鉄塔の手前で合流します。通過時間にそれほど差はないので、どちらを通るかはお好みで。笹子雁ヶ腹摺山の山頂は落葉樹に覆われていますが、合間から富士山を望むことはできます。 大鹿峠へ向けて縦走を始めると、いきなり急斜面の下りで100mほど高度を落とします。その後、小さな峰を3つ越え、4つ目が笹子雁ヶ腹摺山と同じ高さの米沢山です。手前の急斜面にはクサリが設置されていますが、登りでは支点が確認できないので、グイグイ引っ張ることは避け、自分の手足で支点をとらえて確実に登りましょう。米沢山から先も、登下降を繰り返しながらさらに高度を上げていき、お坊山に到着します。山頂からは甲府盆地を眺めることができます。 お坊山からほぼ平坦な道を東へ数分進むと、大鹿峠へのびる尾根が北へ派生します。尾根上の道は不明瞭なので、いったん南東側の鞍部に降り、北へ分岐する道へ入ります。この道もいつしか尾根上をたどるようになり、大鹿峠に降り立ちます。 大鹿峠から北へ向かう道は、左に尾根道、右に巻き道の2本ありますが、尾根道へ入ります。ステップが設置された急坂を数分登ると、景徳院方面の道が左へ分岐します。田野集落まで降りたら、民家の庭先を抜けて舗装路を右へ進み、景徳院の脇から県道に出ます。景徳院入口バス停は道路を横断した先の駐車場にありますが、甲斐大和駅まで歩いても30分位で着きます。
    笹子峠から大鹿峠の間は直線距離で4kmほどですが、休むまもなく登り下りを繰り返し、加えてクサリが設置された急斜面もあり、小粒ながらピリリと辛いコースです。また、山以外にも笹子峠や景徳院など歴史に思いをはせる見所があります。 甲斐大和駅からタクシーで笹子峠へ向かいます。タクシーは駅前に常駐していないので、予約をしておくと良いでしょう。笹子峠へ向かう途中、清水橋から笹子峠まで車道と並行して昔の甲州街道を通る歩道「甲州街道峠道」もあります。時間に余裕があれば、こちらを歩くのも興味深いところです。 笹子峠で笹子隧道を見て、70mほど戻ると甲州街道峠道が車道と交差しているので、ここから峠へ登ります。途中、笹子峠天神社があり、ここで道が二分します。右は最低鞍部を経由しますが、鞍部からの登り始めが急傾斜の悪路です。左の道はそれを迂回できます。 峠から15分ほど歩くと、尾根道と巻き道が分かれますが、送電線鉄塔の手前で合流します。通過時間にそれほど差はないので、どちらを通るかはお好みで。笹子雁ヶ腹摺山の山頂は落葉樹に覆われていますが、合間から富士山を望むことはできます。 大鹿峠へ向けて縦走を始めると、いきなり急斜面の下りで100mほど高度を落とします。その後、小さな峰を3つ越え、4つ目が笹子雁ヶ腹摺山と同じ高さの米沢山です。手前の急斜面にはクサリが設置されていますが、登りでは支点が確認できないので、グイグイ引っ張ることは避け、自分の手足で支点をとらえて確実に登りましょう。米沢山から先も、登下降を繰り返しながらさらに高度を上げていき、お坊山に到着します。山頂からは甲府盆地を眺めることができます。 お坊山からほぼ平坦な道を東へ数分進むと、大鹿峠へのびる尾根が北へ派生します。尾根上の道は不明瞭なので、いったん南東側の鞍部に降り、北へ分岐する道へ入ります。この道もいつしか尾根上をたどるようになり、大鹿峠に降り立ちます。 大鹿峠から北へ向かう道は、左に尾根道、右に巻き道の2本ありますが、尾根道へ入ります。ステップが設置された急坂を数分登ると、景徳院方面の道が左へ分岐します。田野集落まで降りたら、民家の庭先を抜けて舗装路を右へ進み、景徳院の脇から県道に出ます。景徳院入口バス停は道路を横断した先の駐車場にありますが、甲斐大和駅まで歩いても30分位で着きます。
  • 湯原から小倉山へ

    湯原から小倉山へ

    小倉山は塩山の北方にあります。山頂の展望台からは、富士山から南アルプスの山々が望めます。また山麓にはザゼンソウの群生地があり、開花時期の2月下旬〜3月下旬には多くの人が訪れます。 塩山駅から玉宮行きバスに乗車します。登山口に近いバス停は湯原ですが、自由乗降区間なので運転手に告げればざぜん草公園入口で降車できます。駐車場を過ぎて竹森川を渡り谷間へ入ると、すぐザゼンソウの群生地が広がります。谷の奥から尾根へ上がり、右へ10分ほどで小倉山山頂に着きます。展望を楽しんだら、上条峠まで尾根を縦走しましょう。尾根に沿ってひと山越え、平沢集落分岐を過ぎてまもなく東屋に着きます。すぐ下に林道の上条峠があります。 平沢集落分岐へ戻り、下山します。分岐直下の鞍部は道が不明瞭です。左右の谷へは降りず前へ進むと、左に道の続きがあります。麓の分岐で「ざぜん草」方面は、小川に沿う道を歩き、ざぜん草公園に戻ります。「平沢集落」方面は、すぐ舗装路に出て、左に行けば玉宮バス停に着きます。
    小倉山は塩山の北方にあります。山頂の展望台からは、富士山から南アルプスの山々が望めます。また山麓にはザゼンソウの群生地があり、開花時期の2月下旬〜3月下旬には多くの人が訪れます。 塩山駅から玉宮行きバスに乗車します。登山口に近いバス停は湯原ですが、自由乗降区間なので運転手に告げればざぜん草公園入口で降車できます。駐車場を過ぎて竹森川を渡り谷間へ入ると、すぐザゼンソウの群生地が広がります。谷の奥から尾根へ上がり、右へ10分ほどで小倉山山頂に着きます。展望を楽しんだら、上条峠まで尾根を縦走しましょう。尾根に沿ってひと山越え、平沢集落分岐を過ぎてまもなく東屋に着きます。すぐ下に林道の上条峠があります。 平沢集落分岐へ戻り、下山します。分岐直下の鞍部は道が不明瞭です。左右の谷へは降りず前へ進むと、左に道の続きがあります。麓の分岐で「ざぜん草」方面は、小川に沿う道を歩き、ざぜん草公園に戻ります。「平沢集落」方面は、すぐ舗装路に出て、左に行けば玉宮バス停に着きます。
  • 大滝不動尊から甲州高尾山へ

    大滝不動尊から甲州高尾山へ

    甲州高尾山は、甲府盆地の東、ブドウ畑が広がる丘を見下ろす位置にあります。勝沼ぶどう郷駅周辺の桜やブドウの収穫期に合わせると、山とともに楽しめるでしょう。 山の中腹にある大滝不動尊まで、勝沼ぶどう郷駅からタクシーで向かいます。車道のすぐそばに仁王門があり、ここから約200段の石段が始まります。石段を登りきると本堂があり、その右脇から山内を巡る道へ入ります。弁財天、文殊堂などを巡るうちに林道へ出ます。 林道はT字路になっており、右は展望台、正面は甲州高尾山への近道です。棚横手に登るなら、左の富士見台方面へ進みます。T字路から10分ほど林道を歩くと右側斜面に崩壊地が見られ、その50m程先から山道へ入ります。薄暗い植林帯を登り、尾根に上がります。ここが棚横手と富士見台の鞍部です。 北へ進み棚横手を往復しましょう。棚横手の山頂は南東側に視界が開け、富士山、道志、大月周辺の山々を望むことができます。先ほどの鞍部へ戻り、そのまま尾根を直進して登りつめたあたりが富士見台です。ここからしばらくは、見晴しの良い尾根歩きが楽しめるところですが、これは山火事で木が焼失した結果です。 尾根の向きが南西から西へ変わると、大滝不動尊からの近道が右から合わさります。再び緩い起伏が続くうち、正面に小ピークが迫ってきます。顕著に盛り上がっていますが、甲州高尾山の標柱は、ここよりやや標高の低い1つ先のコブに立っています。三角点はさらにその先に設置されています。 三角点を過ぎて、すぐ林道を横切ります。その後、急な下りが続き、急坂が一段落した後も波打つように起伏して高度を落とします。目の前に送電線鉄塔が現れたら柏尾山に到着です。鉄塔を右から左へ巻くように南へ向きを変え、再び急な下りで一気に麓を目指します。ブドウ畑を過ぎ、獣避けの柵を抜けた先に五所大神社があります。 国道へ降りてから西へ進み、大善寺の前を通り過ぎてから国道の右脇を登っていく道に入ります。あとは、勝沼フットパスと名付けられたルートに沿えば、甲府盆地を見下ろす丘に広がるブドウ畑の中を通り、勝沼ぶどう郷駅に戻ります。 別ルートとして大日影トンネル遊歩道を通るのも興味深いです。
    甲州高尾山は、甲府盆地の東、ブドウ畑が広がる丘を見下ろす位置にあります。勝沼ぶどう郷駅周辺の桜やブドウの収穫期に合わせると、山とともに楽しめるでしょう。 山の中腹にある大滝不動尊まで、勝沼ぶどう郷駅からタクシーで向かいます。車道のすぐそばに仁王門があり、ここから約200段の石段が始まります。石段を登りきると本堂があり、その右脇から山内を巡る道へ入ります。弁財天、文殊堂などを巡るうちに林道へ出ます。 林道はT字路になっており、右は展望台、正面は甲州高尾山への近道です。棚横手に登るなら、左の富士見台方面へ進みます。T字路から10分ほど林道を歩くと右側斜面に崩壊地が見られ、その50m程先から山道へ入ります。薄暗い植林帯を登り、尾根に上がります。ここが棚横手と富士見台の鞍部です。 北へ進み棚横手を往復しましょう。棚横手の山頂は南東側に視界が開け、富士山、道志、大月周辺の山々を望むことができます。先ほどの鞍部へ戻り、そのまま尾根を直進して登りつめたあたりが富士見台です。ここからしばらくは、見晴しの良い尾根歩きが楽しめるところですが、これは山火事で木が焼失した結果です。 尾根の向きが南西から西へ変わると、大滝不動尊からの近道が右から合わさります。再び緩い起伏が続くうち、正面に小ピークが迫ってきます。顕著に盛り上がっていますが、甲州高尾山の標柱は、ここよりやや標高の低い1つ先のコブに立っています。三角点はさらにその先に設置されています。 三角点を過ぎて、すぐ林道を横切ります。その後、急な下りが続き、急坂が一段落した後も波打つように起伏して高度を落とします。目の前に送電線鉄塔が現れたら柏尾山に到着です。鉄塔を右から左へ巻くように南へ向きを変え、再び急な下りで一気に麓を目指します。ブドウ畑を過ぎ、獣避けの柵を抜けた先に五所大神社があります。 国道へ降りてから西へ進み、大善寺の前を通り過ぎてから国道の右脇を登っていく道に入ります。あとは、勝沼フットパスと名付けられたルートに沿えば、甲府盆地を見下ろす丘に広がるブドウ畑の中を通り、勝沼ぶどう郷駅に戻ります。 別ルートとして大日影トンネル遊歩道を通るのも興味深いです。
  • 釈迦堂から蜂城山へ

    釈迦堂から蜂城山へ

    蜂城山は、桃の産地である笛吹市一宮町にあります。麓一帯にモモ畑が広がり、開花の時期(4月上旬)、一面桃色に染まる光景は見事です。また、秋には空気も澄み、木々の葉が落ちれば、雪をまとい始めた南アルプスの山並みをすっきりと見ることができます。 蜂城山の登山口へ行くには、勝沼ぶどう郷駅からタクシーか、甲州市民バスで釈迦堂入口まで乗車してから徒歩、などの交通手段があります。また、中央自動車道の釈迦堂パーキングエリアには高速バス停留所があるので、ここから案内しましょう。 釈迦堂パーキングエリアを出て、釈迦堂遺跡博物館の前から高速道路の側道を西へ向かいます。県道に突き当たったら左へ曲り、250mあまり先で右にカーブする手前で左折します。この角には「桃李成蹊」と書かれた大きく目立つ石碑があり、目印になります。その後、道なりに進めば登山口に着きます。 登山口周辺は扇状地の高台で、一帯を展望することができます。山道へ入ると細かく左右に曲がりながら高度を上げていきます。途中で1つ鳥居をくぐり、2つ目の鳥居が見えたら蜂城山山頂です。山頂には神社があり木に囲まれています。鳥居の建つ方向だけ視界があり、奥秩父の山並みを眺めることができます。 続いて神領山へ登りましょう。神社の裏から下り、いったん尾根に乗りますが、すぐ右へそれて鞍部に降り立ちます。西へ山宮神社、東へ茶臼山に至る道は、いずれも廃道状態です。正面の斜面を登り、大久保山分岐から左へ1分も行けば神領山の山頂です。ルート中の最高点ですが、アカマツなどの木が茂り展望は得られません。 次は大久保山を目指します。先ほどの大久保山分岐まで戻り、西へのびる尾根上をたどります。正面に薄暗い檜林が見えてきたら右へ尾根をはずし、北西方向の尾根へ乗り換えます。やや急な斜面を下り、鞍部から5分ほど登り返すと大久保山手前の平らな峰に着きます。山宮神社方面の分岐があります。続いて数十m下ってから盛り上がった所に大久保山の三角点があります。このすぐ下に那賀都神社があります。ここにはかつて幹回り5m近いアカマツの巨木があったのですが、今は切り株が残るのみとなりました。 山頂から窪んだ道を下るうちに、大文字焼きの現場に着きます。獣避けの柵がありますが、ここからは甲府盆地と南アルプスの展望が圧巻です。ぜひ寄ってみましょう。大文字焼きからさらに数分下ると舗装路に出ます。最初のT字路を右へ曲り、道なりに進むと県道に出ます。右へ行けば釈迦堂パーキングエリアに戻れます。
    蜂城山は、桃の産地である笛吹市一宮町にあります。麓一帯にモモ畑が広がり、開花の時期(4月上旬)、一面桃色に染まる光景は見事です。また、秋には空気も澄み、木々の葉が落ちれば、雪をまとい始めた南アルプスの山並みをすっきりと見ることができます。 蜂城山の登山口へ行くには、勝沼ぶどう郷駅からタクシーか、甲州市民バスで釈迦堂入口まで乗車してから徒歩、などの交通手段があります。また、中央自動車道の釈迦堂パーキングエリアには高速バス停留所があるので、ここから案内しましょう。 釈迦堂パーキングエリアを出て、釈迦堂遺跡博物館の前から高速道路の側道を西へ向かいます。県道に突き当たったら左へ曲り、250mあまり先で右にカーブする手前で左折します。この角には「桃李成蹊」と書かれた大きく目立つ石碑があり、目印になります。その後、道なりに進めば登山口に着きます。 登山口周辺は扇状地の高台で、一帯を展望することができます。山道へ入ると細かく左右に曲がりながら高度を上げていきます。途中で1つ鳥居をくぐり、2つ目の鳥居が見えたら蜂城山山頂です。山頂には神社があり木に囲まれています。鳥居の建つ方向だけ視界があり、奥秩父の山並みを眺めることができます。 続いて神領山へ登りましょう。神社の裏から下り、いったん尾根に乗りますが、すぐ右へそれて鞍部に降り立ちます。西へ山宮神社、東へ茶臼山に至る道は、いずれも廃道状態です。正面の斜面を登り、大久保山分岐から左へ1分も行けば神領山の山頂です。ルート中の最高点ですが、アカマツなどの木が茂り展望は得られません。 次は大久保山を目指します。先ほどの大久保山分岐まで戻り、西へのびる尾根上をたどります。正面に薄暗い檜林が見えてきたら右へ尾根をはずし、北西方向の尾根へ乗り換えます。やや急な斜面を下り、鞍部から5分ほど登り返すと大久保山手前の平らな峰に着きます。山宮神社方面の分岐があります。続いて数十m下ってから盛り上がった所に大久保山の三角点があります。このすぐ下に那賀都神社があります。ここにはかつて幹回り5m近いアカマツの巨木があったのですが、今は切り株が残るのみとなりました。 山頂から窪んだ道を下るうちに、大文字焼きの現場に着きます。獣避けの柵がありますが、ここからは甲府盆地と南アルプスの展望が圧巻です。ぜひ寄ってみましょう。大文字焼きからさらに数分下ると舗装路に出ます。最初のT字路を右へ曲り、道なりに進むと県道に出ます。右へ行けば釈迦堂パーキングエリアに戻れます。
  • 立沢から達沢山へ

    立沢から達沢山へ

    達沢山は、山梨百名山の一座です。山の南斜面は檜の植林帯で、以前は木の背が低く、富士山、南アルプスなどの山々を眺めることができましたが、現在は木が育ち、ほとんど展望はありません。 富士山駅から甲府駅行きのバスに乗車して(逆方向も可)、立沢バス停で下車します。道路を横断して、逆方向のバス停の裏から下の林道へ降り、林道伝いに山へ向かいます。達沢橋を渡った先の砕石場周辺は道がわかりにくいですが、案内図に従ってください。標高1100mあたりで林道は終わり、以後山道が続きます。檜の植林帯を登り、尾根に出たら左へ約10分で達沢山山頂に着きます。下山は立沢バス停まで往路を戻ります。 山頂からの展望が失われつつある現在、この山の魅力は周辺の山々、カヤノキビラノ頭、神領山、旭山などとつないで歩くことにあるように思いますが、いずれのルートも地図を読み自力で進路を見出す技術が要求されます。
    達沢山は、山梨百名山の一座です。山の南斜面は檜の植林帯で、以前は木の背が低く、富士山、南アルプスなどの山々を眺めることができましたが、現在は木が育ち、ほとんど展望はありません。 富士山駅から甲府駅行きのバスに乗車して(逆方向も可)、立沢バス停で下車します。道路を横断して、逆方向のバス停の裏から下の林道へ降り、林道伝いに山へ向かいます。達沢橋を渡った先の砕石場周辺は道がわかりにくいですが、案内図に従ってください。標高1100mあたりで林道は終わり、以後山道が続きます。檜の植林帯を登り、尾根に出たら左へ約10分で達沢山山頂に着きます。下山は立沢バス停まで往路を戻ります。 山頂からの展望が失われつつある現在、この山の魅力は周辺の山々、カヤノキビラノ頭、神領山、旭山などとつないで歩くことにあるように思いますが、いずれのルートも地図を読み自力で進路を見出す技術が要求されます。
  • 清八山から笹子峠へ

    清八山から笹子峠へ

    ここで紹介するコースは、清八山から笹子峠まで連なる尾根を縦走するものです。清八山は見晴しの良い山で、近くの本社ヶ丸とともに多くの登山者を迎えています。一方、その先笹子峠までの縦走路で人に会うことは稀です。歩く行程が長く、いくつもの登下降を繰り返します。さらに、踏み跡が不明瞭な箇所や、ヤブの繁茂している所もあり、判断力が要求され、山の経験を積んだ健脚者向けです。それだけに、歩き通した後は充実感に満たされるでしょう。 三ツ峠登山口へは河口湖駅からバスの便もありますが、出発時刻を早くしたい場合はタクシーで向かいましょう。三ツ峠登山口から、清八林道を経由して1時間ほどで清八山山頂に着きます。 清八山で存分に展望を楽しんでから縦走に移ります。この先、これだけの展望が得られる所はありません。登ってきた道を数分戻り、八丁峠や天下茶屋方面へ通じる道へ入ります。八丁山の手前にまた分岐があり、ここを女坂峠方面へ進むと、いよいよ笹子峠へ向けて縦走開始です。 踏み跡はほぼ尾根上に認められますが、獣道には注意してください。1531m標高点を過ぎた先の約1470mと1445mのピークには、送電線巡視路の分岐があります。1445mピークを過ぎると下り傾斜を強め、女坂峠の直前で逃げ場のない急斜面になります。木の根などを手掛かりとして慎重に通過してください。ロープの装備があれば心強いです。女坂峠から登り返したピークは大沢山で、笹子方面から道が通じています。縦走の短縮路、エスケープルートとして使えます。 次のピーク、ボッコノ頭には藤野木方面を示す道標がありますが、麓近くまで踏み跡はありません。また、摺針峠にも峠越えの道標がありますが、いずれも沢に降りてから林道まで道が不明瞭なので不用意に下らないように。 カヤノキビラノ頭では、達沢山方面の踏み跡が分かれます。笹子峠方面は、その後も細かい登り下りを続けますが、やがて下り一方になり笹子峠に降り立ちます。峠から西へ下り、車道を横断して甲州街道峠道へ入ります。10分ほどで林道に出たら、左へ100m位進むと右に歩道の続きがあります。歩道は清水橋で終わり、以後車道を歩き甲斐大和駅へ向かいます。 また、笹子峠から東に進めば笹子駅に着きます。こちらにも甲州街道峠道はありますが、矢立の杉遊歩道を除き整備されていません。
    ここで紹介するコースは、清八山から笹子峠まで連なる尾根を縦走するものです。清八山は見晴しの良い山で、近くの本社ヶ丸とともに多くの登山者を迎えています。一方、その先笹子峠までの縦走路で人に会うことは稀です。歩く行程が長く、いくつもの登下降を繰り返します。さらに、踏み跡が不明瞭な箇所や、ヤブの繁茂している所もあり、判断力が要求され、山の経験を積んだ健脚者向けです。それだけに、歩き通した後は充実感に満たされるでしょう。 三ツ峠登山口へは河口湖駅からバスの便もありますが、出発時刻を早くしたい場合はタクシーで向かいましょう。三ツ峠登山口から、清八林道を経由して1時間ほどで清八山山頂に着きます。 清八山で存分に展望を楽しんでから縦走に移ります。この先、これだけの展望が得られる所はありません。登ってきた道を数分戻り、八丁峠や天下茶屋方面へ通じる道へ入ります。八丁山の手前にまた分岐があり、ここを女坂峠方面へ進むと、いよいよ笹子峠へ向けて縦走開始です。 踏み跡はほぼ尾根上に認められますが、獣道には注意してください。1531m標高点を過ぎた先の約1470mと1445mのピークには、送電線巡視路の分岐があります。1445mピークを過ぎると下り傾斜を強め、女坂峠の直前で逃げ場のない急斜面になります。木の根などを手掛かりとして慎重に通過してください。ロープの装備があれば心強いです。女坂峠から登り返したピークは大沢山で、笹子方面から道が通じています。縦走の短縮路、エスケープルートとして使えます。 次のピーク、ボッコノ頭には藤野木方面を示す道標がありますが、麓近くまで踏み跡はありません。また、摺針峠にも峠越えの道標がありますが、いずれも沢に降りてから林道まで道が不明瞭なので不用意に下らないように。 カヤノキビラノ頭では、達沢山方面の踏み跡が分かれます。笹子峠方面は、その後も細かい登り下りを続けますが、やがて下り一方になり笹子峠に降り立ちます。峠から西へ下り、車道を横断して甲州街道峠道へ入ります。10分ほどで林道に出たら、左へ100m位進むと右に歩道の続きがあります。歩道は清水橋で終わり、以後車道を歩き甲斐大和駅へ向かいます。 また、笹子峠から東に進めば笹子駅に着きます。こちらにも甲州街道峠道はありますが、矢立の杉遊歩道を除き整備されていません。
  • 美濃戸から赤岳・横岳・硫黄岳へ

    美濃戸から赤岳・横岳・硫黄岳へ

    美濃戸口の八ヶ岳山荘前から美濃戸まで林道を進みます。車高の高い四駆車なら美濃戸まで入れます。美濃戸には、やまのこ村・赤岳山荘・美濃戸山荘の3軒の山小屋があり、やまのこ村、赤岳山荘には、各70台ほどの駐車場があります。 美濃戸山荘上で道は北沢、南沢に分かれ、左にさらに林道を歩くと堰堤のある広場に出て、北沢を渡って登山道に入ります。整備された橋で北沢を何度か渡れば赤岳鉱泉です。赤岳鉱泉前で硫黄岳に続く道と分かれ、行者小屋方面へ。中山乗越から西側にわずかに登ると展望台があり、横岳・阿弥陀岳などの景色を楽しめます。中山乗越から緩く下り、行者小屋が見えた所に地蔵尾根の分岐があります。行者小屋前の広場で、南沢からの登山道が合流します。 小屋前の広場から文三郎尾根を経由して赤岳ヘ向かいます。歩き始めて10分ほどで阿弥陀岳への分岐があり、ここを直進します。しばらく登ると崩れやすい山肌につけられた長い階段になります。左に赤岳を見上げるようになり山腹のトラバースが終わると、阿弥陀岳、中岳方面からの縦走路と合流します。この先登山道は立場川源流部を巻きながら、急な岩場の中をクサリ、ハシゴも頼りにして、赤岳の南峰頂上に到着です。八ヶ岳の最高峰からの展望は申し分なく、360度の眺めが楽しめます。 赤岳頂上から狭い吊尾根をわずかに歩き、頂上山荘のある北峰へ。眼下に赤岳天望荘を望みながらの下りに入ります。こちらも崩れやすい岩質の道を、クサリも頼りに慎重に下ります。下り終えた場所が赤岳天望荘です。小屋の東側から抜け、地蔵の頭に向かいます。地蔵尾根の分岐から、さらに稜線を横岳へ向かいます。 正面に日ノ岳のスラブ状の岩場につけられたクサリ場を登り、日ノ岳、鉾岳、石尊峰と、いくつものピークを越え、諏訪側や佐久側を巻きながら、三叉峰で杣添尾根分岐を過ぎて横岳奥ノ院に着きます。 奥ノ院からの下りは、狭い岩の上からのハシゴ、狭い岩場のトラバースと緊張する所です。緩やかな砂地の台座ノ頭西側を行き、シカよけネットが張られているコマクサ群落を通れば硫黄岳山荘です。さらに広い尾根を歩き硫黄岳へ。視界の悪い時は大きなケルンが頼りです。 硫黄岳からは南に横岳・赤岳・阿弥陀岳・権現岳、さらに南アルプスの山々、北には天狗岳、蓼科山と八ヶ岳の中心らしい景色が広がります。ひと息ついてから北へ向かう主稜線と分かれ、西に下ります。崩れがちな道、砂地から鞍部になり少し登って赤岩の頭分岐です。標識を確認し、南にわずかに下れば樹林帯となり、赤岳鉱泉に戻ります。ここからは、登ってきた道を美濃戸口まで戻ります。
    美濃戸口の八ヶ岳山荘前から美濃戸まで林道を進みます。車高の高い四駆車なら美濃戸まで入れます。美濃戸には、やまのこ村・赤岳山荘・美濃戸山荘の3軒の山小屋があり、やまのこ村、赤岳山荘には、各70台ほどの駐車場があります。 美濃戸山荘上で道は北沢、南沢に分かれ、左にさらに林道を歩くと堰堤のある広場に出て、北沢を渡って登山道に入ります。整備された橋で北沢を何度か渡れば赤岳鉱泉です。赤岳鉱泉前で硫黄岳に続く道と分かれ、行者小屋方面へ。中山乗越から西側にわずかに登ると展望台があり、横岳・阿弥陀岳などの景色を楽しめます。中山乗越から緩く下り、行者小屋が見えた所に地蔵尾根の分岐があります。行者小屋前の広場で、南沢からの登山道が合流します。 小屋前の広場から文三郎尾根を経由して赤岳ヘ向かいます。歩き始めて10分ほどで阿弥陀岳への分岐があり、ここを直進します。しばらく登ると崩れやすい山肌につけられた長い階段になります。左に赤岳を見上げるようになり山腹のトラバースが終わると、阿弥陀岳、中岳方面からの縦走路と合流します。この先登山道は立場川源流部を巻きながら、急な岩場の中をクサリ、ハシゴも頼りにして、赤岳の南峰頂上に到着です。八ヶ岳の最高峰からの展望は申し分なく、360度の眺めが楽しめます。 赤岳頂上から狭い吊尾根をわずかに歩き、頂上山荘のある北峰へ。眼下に赤岳天望荘を望みながらの下りに入ります。こちらも崩れやすい岩質の道を、クサリも頼りに慎重に下ります。下り終えた場所が赤岳天望荘です。小屋の東側から抜け、地蔵の頭に向かいます。地蔵尾根の分岐から、さらに稜線を横岳へ向かいます。 正面に日ノ岳のスラブ状の岩場につけられたクサリ場を登り、日ノ岳、鉾岳、石尊峰と、いくつものピークを越え、諏訪側や佐久側を巻きながら、三叉峰で杣添尾根分岐を過ぎて横岳奥ノ院に着きます。 奥ノ院からの下りは、狭い岩の上からのハシゴ、狭い岩場のトラバースと緊張する所です。緩やかな砂地の台座ノ頭西側を行き、シカよけネットが張られているコマクサ群落を通れば硫黄岳山荘です。さらに広い尾根を歩き硫黄岳へ。視界の悪い時は大きなケルンが頼りです。 硫黄岳からは南に横岳・赤岳・阿弥陀岳・権現岳、さらに南アルプスの山々、北には天狗岳、蓼科山と八ヶ岳の中心らしい景色が広がります。ひと息ついてから北へ向かう主稜線と分かれ、西に下ります。崩れがちな道、砂地から鞍部になり少し登って赤岩の頭分岐です。標識を確認し、南にわずかに下れば樹林帯となり、赤岳鉱泉に戻ります。ここからは、登ってきた道を美濃戸口まで戻ります。
  • 美濃戸口から御小屋尾根・阿弥陀岳往復

    美濃戸口から御小屋尾根・阿弥陀岳往復

    美濃戸口から美濃戸方面の砂利道を左に見送り舗装道路を進みます。別荘地内の標識を見落とさないよう注意しながら登山道に入ります。急な尾根上が続き、傾斜が緩んできたころ舟山十字路からの道と合流しわずかで御小屋山の頂上に出ます。土地の境界を示す柱が立ち、境界線を示す印が見えますが、惑わされないよう注意しながら尾根を進みます。 緩い下りから始まり、しばらくなだらかな傾斜のシラビソやコメツガ、シャクナゲの樹林の中、登山道に飛び出した枝をかき分けるように進みます。傾斜を感じるようになりしばらくすると、不動清水入口となります。山腹をトラバースすれば、水が染み出している不動清水です。水の補給は可能ですが、足元が良くないので十分注意が必要です。 急な登りが続き、周囲の木々も背の低いダケカンバ、さらにハイマツになると、目の前に阿弥陀岳の頂上に向けた最後の登りが広がります。 昔からの登山道は、雨などによる浸食が深くなり、現在はわずか広河原側に寄ったハイマツ帯の岩状の場所につけられたフィックスロープを目印に登ります。ハイマツやダケカンバすらも頼りにする部分も通過しながら一歩一歩確実に進みます。稜線に出た所で左に曲がります。下りの時には、ここをまっすぐ下りていかないようによく確認しておきましょう。さらに狭い尾根上を進むと頂上への行く手を阻むように西ノ肩(摩利支天)が現れます。 クサリやハシゴがつけられた岩の間を縫うように越えて、ハイマツの中を進むと阿弥陀岳頂上です。遠くから見た阿弥陀岳は急峻ですが、頂上は意外と広く平坦です。石碑の類もいくつかあり、古くからの山岳信仰の場であったことが伺われます。正面に見える赤岳の姿は、登ってきた苦しさを忘れさせてくれる景色でしょう。 帰路は登ってきた道を下りますが、西ノ肩(摩利支天)の岩場を越えたら左に曲がり若干でまた右へ下ります。霧が濃い時などは中央稜への踏み跡に入らないよう十分確認して下りましょう。御小屋山頂上先から舟山十字路に下るコースもしっかりしているので、間違えないよう分岐を確認して、美濃戸口へ下ります。 ※舟山十字路にも十数台ほど停められる駐車場が整備されています。こちらから御小屋山までは、距離が若干のびるものの急登は少なめで静かな道です。
    美濃戸口から美濃戸方面の砂利道を左に見送り舗装道路を進みます。別荘地内の標識を見落とさないよう注意しながら登山道に入ります。急な尾根上が続き、傾斜が緩んできたころ舟山十字路からの道と合流しわずかで御小屋山の頂上に出ます。土地の境界を示す柱が立ち、境界線を示す印が見えますが、惑わされないよう注意しながら尾根を進みます。 緩い下りから始まり、しばらくなだらかな傾斜のシラビソやコメツガ、シャクナゲの樹林の中、登山道に飛び出した枝をかき分けるように進みます。傾斜を感じるようになりしばらくすると、不動清水入口となります。山腹をトラバースすれば、水が染み出している不動清水です。水の補給は可能ですが、足元が良くないので十分注意が必要です。 急な登りが続き、周囲の木々も背の低いダケカンバ、さらにハイマツになると、目の前に阿弥陀岳の頂上に向けた最後の登りが広がります。 昔からの登山道は、雨などによる浸食が深くなり、現在はわずか広河原側に寄ったハイマツ帯の岩状の場所につけられたフィックスロープを目印に登ります。ハイマツやダケカンバすらも頼りにする部分も通過しながら一歩一歩確実に進みます。稜線に出た所で左に曲がります。下りの時には、ここをまっすぐ下りていかないようによく確認しておきましょう。さらに狭い尾根上を進むと頂上への行く手を阻むように西ノ肩(摩利支天)が現れます。 クサリやハシゴがつけられた岩の間を縫うように越えて、ハイマツの中を進むと阿弥陀岳頂上です。遠くから見た阿弥陀岳は急峻ですが、頂上は意外と広く平坦です。石碑の類もいくつかあり、古くからの山岳信仰の場であったことが伺われます。正面に見える赤岳の姿は、登ってきた苦しさを忘れさせてくれる景色でしょう。 帰路は登ってきた道を下りますが、西ノ肩(摩利支天)の岩場を越えたら左に曲がり若干でまた右へ下ります。霧が濃い時などは中央稜への踏み跡に入らないよう十分確認して下りましょう。御小屋山頂上先から舟山十字路に下るコースもしっかりしているので、間違えないよう分岐を確認して、美濃戸口へ下ります。 ※舟山十字路にも十数台ほど停められる駐車場が整備されています。こちらから御小屋山までは、距離が若干のびるものの急登は少なめで静かな道です。
  • 県界尾根から赤岳へ

    県界尾根から赤岳へ

    南八ヶ岳林道の登山口からカラマツ林の中にまっすぐのびた防火線内を登り、防火線の頭の標識を越え若干の急登を交えながらさらに尾根状を進むと、小天狗(分岐)。新旧の標識が立つ清里方面からの道と合流します。少し先に小天狗と書かれた道標がある、開けた場所から横岳、赤岳、権現岳が見渡せます。この先樹林帯の中、傾斜の緩い尾根から徐々に傾斜を増していきます。 大天狗の看板を過ぎて若干下るとハシゴのかかった岩場に行き当たります。これを登り右に折れぎみに登っていくとクサリ場に出ます。一部スラブ状の岩もあり数箇所に渡って断続的に続くので、十分注意して進みます。ハシゴを越えたあたりからクサリ場付近は、6月になっても雪が残り、過去に滑落事故が多く発生しています。 赤岳天望荘へのトラバース道を見送り、赤岳頂上山荘の前を過ぎて赤岳北峰へ。三角点のある赤岳南峰へはすぐです。 下りは往路を戻りますが、頂上直下のクサリ場からハシゴを下りきるまでは、息のつけない緊張の連続となります。
    南八ヶ岳林道の登山口からカラマツ林の中にまっすぐのびた防火線内を登り、防火線の頭の標識を越え若干の急登を交えながらさらに尾根状を進むと、小天狗(分岐)。新旧の標識が立つ清里方面からの道と合流します。少し先に小天狗と書かれた道標がある、開けた場所から横岳、赤岳、権現岳が見渡せます。この先樹林帯の中、傾斜の緩い尾根から徐々に傾斜を増していきます。 大天狗の看板を過ぎて若干下るとハシゴのかかった岩場に行き当たります。これを登り右に折れぎみに登っていくとクサリ場に出ます。一部スラブ状の岩もあり数箇所に渡って断続的に続くので、十分注意して進みます。ハシゴを越えたあたりからクサリ場付近は、6月になっても雪が残り、過去に滑落事故が多く発生しています。 赤岳天望荘へのトラバース道を見送り、赤岳頂上山荘の前を過ぎて赤岳北峰へ。三角点のある赤岳南峰へはすぐです。 下りは往路を戻りますが、頂上直下のクサリ場からハシゴを下りきるまでは、息のつけない緊張の連続となります。
  • 真教寺尾根から赤岳へ

    真教寺尾根から赤岳へ

    美しの森登山口には駐車場、トイレ、観光案内所があり、羽衣池までは遊歩道になっています。羽衣池を過ぎると道幅も狭くなりますが、しばらくは傾斜もなく気持ち良い道です。 徐々に岩が混じる道となり、開けた砂地の賽ノ河原に出ます。徐々に急登が出て、また崩壊地の脇を通りながら、天狗岩を経て牛首山に着きます。ここから扇山までは、ほぼ平坦な樹林の尾根が続きます。扇山を過ぎると、徐々に傾斜も強くなり、ガラ場を過ぎて岩場が始まります。 クサリがかけられた垂直に近い岩場を登り、やせ尾根やクサリがかけられた岩場などしばらく気の抜けない場所が続き、頭上に竜頭峰が迫ってくると、左寄りに進むようになり主稜線上に出ます。 竜頭峰の諏訪側につけられた岩場の中の狭い道をトラバースして行者小屋方面からの道と合流し、ひと登りで赤岳南峰に出ます。 帰路は往路を戻りますが、主稜線下の岩場はとくに慎重に下りましょう。
    美しの森登山口には駐車場、トイレ、観光案内所があり、羽衣池までは遊歩道になっています。羽衣池を過ぎると道幅も狭くなりますが、しばらくは傾斜もなく気持ち良い道です。 徐々に岩が混じる道となり、開けた砂地の賽ノ河原に出ます。徐々に急登が出て、また崩壊地の脇を通りながら、天狗岩を経て牛首山に着きます。ここから扇山までは、ほぼ平坦な樹林の尾根が続きます。扇山を過ぎると、徐々に傾斜も強くなり、ガラ場を過ぎて岩場が始まります。 クサリがかけられた垂直に近い岩場を登り、やせ尾根やクサリがかけられた岩場などしばらく気の抜けない場所が続き、頭上に竜頭峰が迫ってくると、左寄りに進むようになり主稜線上に出ます。 竜頭峰の諏訪側につけられた岩場の中の狭い道をトラバースして行者小屋方面からの道と合流し、ひと登りで赤岳南峰に出ます。 帰路は往路を戻りますが、主稜線下の岩場はとくに慎重に下りましょう。
  • 天女山から権現岳へ

    天女山から権現岳へ

    天女山は起点となる駐車場から南側に少し下った所にあり、森の中の小さな公園といった雰囲気です。ここから八ヶ岳横断歩道や、八ヶ岳横断道路への歩道が分かれています。春にはミツバツツジが美しく、天ノ河原のオキナグサと合わせ、のんびりと周辺の散策だけでも楽しめます。 駐車場から天女山と反対側の登山道に入ります。15分ほどで天ノ河原と呼ばれる明るく開けた砂礫地になり、すぐに観音平へ続く八ヶ岳横断歩道との分岐です。樹林帯の中を緩やかに直進します。カラマツ林が終わりコメツガと笹の平坦地を過ぎると、笹の中の急登が始まります。以前は雨水で掘られた溝状の急登でしたが、最近笹が刈られ道も付け替えられています。ロープで規制されている部分もあるので、注意しながら進みます。 笹が薄くなり山腹の急登を抜けると、ガレ場の尾根に出て一気に視界が広がります。前三ッ頭です。尾根を少し下った場所に三角点があります。三ッ頭を望みながらガレ場を進み、再び東側の山腹の樹林帯に入ります。景色が開けたこぢんまりとした石礫地に出た所が木戸口公園方面への分岐です。下りに木戸口公園の方へ入ってしまうと別の場所に下りてしまうので、よく確認しておきます。わずかに登れば三ッ頭です。編笠山からギボシ、権現岳そして赤岳とゆっくり景色を楽しみたいところです。 三ッ頭からは灌木帯の尾根を緩く下り、再び樹林帯に入ります。権現岳への登りに入るあたり、山腹を西側に巻くように進んだ場所で5mほどの岩場になります。クサリが垂れているので、足場を確認しながら慎重に登りましょう。目の前に岩峰が現れると、もう権現岳です。このあたり踏み跡は頂上直下を巻いていくもの、頂上岩峰へ続くものと分かれます。 巻き道を進めば、しばらくで右手の岩頭に剣と石碑がある権現岳の頂上を見ます。頂上岩峰手前の岩場を行くと石の祠があります。この祠の脇を抜けると先ほどの巻き道の上の岩場に出ます。 頂上付近はあまり広い場所がないので、祠のある岩場の周りか、頂上を通り過ぎて、権現小屋方面の登山道沿いでひと休みすることになります。どちらにしても頂上付近の東側は絶壁になっているので気をつけましょう。北へ数分、縦走路を右に分かれ、左のギボシの方へ下った場所に権現小屋があります。 帰りは往路を戻ります。
    天女山は起点となる駐車場から南側に少し下った所にあり、森の中の小さな公園といった雰囲気です。ここから八ヶ岳横断歩道や、八ヶ岳横断道路への歩道が分かれています。春にはミツバツツジが美しく、天ノ河原のオキナグサと合わせ、のんびりと周辺の散策だけでも楽しめます。 駐車場から天女山と反対側の登山道に入ります。15分ほどで天ノ河原と呼ばれる明るく開けた砂礫地になり、すぐに観音平へ続く八ヶ岳横断歩道との分岐です。樹林帯の中を緩やかに直進します。カラマツ林が終わりコメツガと笹の平坦地を過ぎると、笹の中の急登が始まります。以前は雨水で掘られた溝状の急登でしたが、最近笹が刈られ道も付け替えられています。ロープで規制されている部分もあるので、注意しながら進みます。 笹が薄くなり山腹の急登を抜けると、ガレ場の尾根に出て一気に視界が広がります。前三ッ頭です。尾根を少し下った場所に三角点があります。三ッ頭を望みながらガレ場を進み、再び東側の山腹の樹林帯に入ります。景色が開けたこぢんまりとした石礫地に出た所が木戸口公園方面への分岐です。下りに木戸口公園の方へ入ってしまうと別の場所に下りてしまうので、よく確認しておきます。わずかに登れば三ッ頭です。編笠山からギボシ、権現岳そして赤岳とゆっくり景色を楽しみたいところです。 三ッ頭からは灌木帯の尾根を緩く下り、再び樹林帯に入ります。権現岳への登りに入るあたり、山腹を西側に巻くように進んだ場所で5mほどの岩場になります。クサリが垂れているので、足場を確認しながら慎重に登りましょう。目の前に岩峰が現れると、もう権現岳です。このあたり踏み跡は頂上直下を巻いていくもの、頂上岩峰へ続くものと分かれます。 巻き道を進めば、しばらくで右手の岩頭に剣と石碑がある権現岳の頂上を見ます。頂上岩峰手前の岩場を行くと石の祠があります。この祠の脇を抜けると先ほどの巻き道の上の岩場に出ます。 頂上付近はあまり広い場所がないので、祠のある岩場の周りか、頂上を通り過ぎて、権現小屋方面の登山道沿いでひと休みすることになります。どちらにしても頂上付近の東側は絶壁になっているので気をつけましょう。北へ数分、縦走路を右に分かれ、左のギボシの方へ下った場所に権現小屋があります。 帰りは往路を戻ります。