【日帰り】の登山コースガイド
日帰り
検索結果851件中
41-60件
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牛ノ寝通り
- 日帰り
- 5時間50分
- 14.4km
牛ノ寝通り
- 日帰り
- 5時間50分
- 14.4km
ここで紹介するコースは、現在の小菅大菩薩道ができる前に小菅村と甲州を結ぶ街道でした。道の状態は良く、落ち着いて往時を偲びながら歩くことができます。行動時間が長いので、小屋泊まりで計画するのも良いでしょう。また、入山ルートを小屋平から石丸峠に変えれば、行程を短縮できます。 甲斐大和駅から栄和交通の上日川峠行きバスに乗車し、終点で下車します。ロッヂ長兵衛の右脇から舗装された車道を歩き始めます。すぐ歩道が左へ分岐して、福ちゃん荘まで歩道と車道が並行しています。福ちゃん荘で唐松尾根コースを見送り、大菩薩峠を目指します。幅広い平坦な道は勝縁荘を過ぎてから登りとなりますが、傾斜は緩く、歩きやすくなっています。 大菩薩峠では、北側に大菩薩嶺へと続く見晴しの良い明るく開けた尾根がのびています。それとは対照的に、これから向かう南側の石丸峠方面は、暗くて展望もない針葉樹を主とした自然林に覆われています。多少道が悪くなり、道端に散らばる岩くずや張り出した根など少し歩きにくい登り坂となりますが、長くは続きません。熊沢山を越えると一気に視界が開けて、石丸峠から小金沢山へと続くササ原の広がる稜線を見下ろしながら石丸峠へ下りていきます。 石丸峠で上日川峠方面へ下る道を分け、小金沢山方面へ5分ほど歩くとまた分岐があります。ここで小金沢山方面の道からはずれて牛ノ寝通りへと入ります。少し下ったところに長峰方面の分岐があります。この分岐から先もしばらく下りが続きますが、榧ノ尾山を過ぎる頃には緩やかな登り下りを繰り返すようになります。特に狩場山の西側の峰は牛ノ寝と呼ばれ、広く平らな地形が続き、広葉樹の巨木が目立ちます。 棚倉小屋跡(大ダワ)まで来ると、周囲の樹木が伐採されて広場のようになっており、牛ノ寝通り縦走はひと区切りとなります。尾根は大マテイ山から松姫峠へと続きますが、ここでは小菅の湯へ下山しましょう。下山の途中で、まず右へ山沢川経由で小菅の湯方面、モロクボ平で左へ川久保方面、少し下ってから左へ田元方面の道が分岐するので各分岐点に注意してください。 小菅の湯からは奥多摩駅のほか、大月駅、上野原駅に接続するバス路線があります。 逆コースの場合、小菅の湯発は道が分かりにくいので、役場前バス停から川久保経由でモロクボ平へ向かうことをおすすめします。ここで紹介するコースは、現在の小菅大菩薩道ができる前に小菅村と甲州を結ぶ街道でした。道の状態は良く、落ち着いて往時を偲びながら歩くことができます。行動時間が長いので、小屋泊まりで計画するのも良いでしょう。また、入山ルートを小屋平から石丸峠に変えれば、行程を短縮できます。 甲斐大和駅から栄和交通の上日川峠行きバスに乗車し、終点で下車します。ロッヂ長兵衛の右脇から舗装された車道を歩き始めます。すぐ歩道が左へ分岐して、福ちゃん荘まで歩道と車道が並行しています。福ちゃん荘で唐松尾根コースを見送り、大菩薩峠を目指します。幅広い平坦な道は勝縁荘を過ぎてから登りとなりますが、傾斜は緩く、歩きやすくなっています。 大菩薩峠では、北側に大菩薩嶺へと続く見晴しの良い明るく開けた尾根がのびています。それとは対照的に、これから向かう南側の石丸峠方面は、暗くて展望もない針葉樹を主とした自然林に覆われています。多少道が悪くなり、道端に散らばる岩くずや張り出した根など少し歩きにくい登り坂となりますが、長くは続きません。熊沢山を越えると一気に視界が開けて、石丸峠から小金沢山へと続くササ原の広がる稜線を見下ろしながら石丸峠へ下りていきます。 石丸峠で上日川峠方面へ下る道を分け、小金沢山方面へ5分ほど歩くとまた分岐があります。ここで小金沢山方面の道からはずれて牛ノ寝通りへと入ります。少し下ったところに長峰方面の分岐があります。この分岐から先もしばらく下りが続きますが、榧ノ尾山を過ぎる頃には緩やかな登り下りを繰り返すようになります。特に狩場山の西側の峰は牛ノ寝と呼ばれ、広く平らな地形が続き、広葉樹の巨木が目立ちます。 棚倉小屋跡(大ダワ)まで来ると、周囲の樹木が伐採されて広場のようになっており、牛ノ寝通り縦走はひと区切りとなります。尾根は大マテイ山から松姫峠へと続きますが、ここでは小菅の湯へ下山しましょう。下山の途中で、まず右へ山沢川経由で小菅の湯方面、モロクボ平で左へ川久保方面、少し下ってから左へ田元方面の道が分岐するので各分岐点に注意してください。 小菅の湯からは奥多摩駅のほか、大月駅、上野原駅に接続するバス路線があります。 逆コースの場合、小菅の湯発は道が分かりにくいので、役場前バス停から川久保経由でモロクボ平へ向かうことをおすすめします。 -
奈良倉山から鶴寝山へ
- 日帰り
- 4時間0分
- 10km
奈良倉山から鶴寝山へ
- 日帰り
- 4時間0分
- 10km
奈良倉山と鶴寝山は、大菩薩主稜線から派生する牛ノ寝通りを延長したところにあります。どちらも富士山の展望が魅力的です。鶴寝山から先は、広葉樹の自然林に覆われた緩やかに起伏する広い尾根が続き、樹齢を重ねた巨樹も散在します。新緑や紅葉の頃には、豊かな自然を味わう山歩きが楽しめます。 上野原駅から、鶴峠または小菅の湯行きのバスに乗車して、鶴峠で下車します。バス停前に奈良倉山登山口があります。登山道は途中で何回か作業道と交差するので、入らないよう注意してください。奈良倉山の直下50mまで登ると松姫峠方面の分岐があります。奈良倉山に登ってから松姫峠へ向かう際、いったんこの分岐に戻ると、10分ほど遠回りになりますが林道を通らずに行くことができます。奈良倉山の山頂は木が茂っていますが、南西方向は木が伐採され、富士山などの山々を眺めることができます。 展望を楽しんだら鶴寝山へ向かいます。奈良倉山山頂から北西方向へ下ると、林道経由で松姫峠へ行けます。まもなく北側に並行する山道と接するので、そこから山道へ入るのも良いでしょう。山道を歩けば、林道より自然を身近に感じながら歩けます。 松姫峠でいったん車道に出ますが、登山道はトイレの先に続いています。広葉樹に覆われた林の中を歩くうちに、ニリンソウコースの分岐に着きます。この分岐を右に数分行った凹状地形の所では、4月下旬から5月上旬にかけてニリンソウが群生して開花します。この分岐を左へ進み、十数分登ると鶴寝山です。山頂は木に覆われていますが、南側が一部伐採され、富士山を望むことができます。 さらに尾根を西へ進みましょう。すぐ先で道が「巨樹のみち」と「日向みち」に分かれます。「巨樹のみち」は尾根上を通り、ミズナラなどの巨樹が間近に見られます。「日向みち」は尾根の南側を巻くので、起伏が緩くなっています。いずれも山沢入りのヌタで合流します。 山沢入りのヌタから小菅の湯へ下山します。分岐から10分あまり下って谷を横切るところには、見事なトチノキの巨樹があります。下部はワサビ田の脇を通り、舗装路へ出て山沢の集落に入ったら、右へ少し登ったところに小菅の湯があります。小菅の湯からは、奥多摩駅、大月駅、上野原駅に接続するバス路線があります。 なお、時間に余裕があれば、山沢入りのヌタからさらに西へ進み、棚倉小屋跡経由で小菅の湯へ降りることもできます。ただ、大マテイ山周辺は、踏み跡が薄く乱れているので注意してください。奈良倉山と鶴寝山は、大菩薩主稜線から派生する牛ノ寝通りを延長したところにあります。どちらも富士山の展望が魅力的です。鶴寝山から先は、広葉樹の自然林に覆われた緩やかに起伏する広い尾根が続き、樹齢を重ねた巨樹も散在します。新緑や紅葉の頃には、豊かな自然を味わう山歩きが楽しめます。 上野原駅から、鶴峠または小菅の湯行きのバスに乗車して、鶴峠で下車します。バス停前に奈良倉山登山口があります。登山道は途中で何回か作業道と交差するので、入らないよう注意してください。奈良倉山の直下50mまで登ると松姫峠方面の分岐があります。奈良倉山に登ってから松姫峠へ向かう際、いったんこの分岐に戻ると、10分ほど遠回りになりますが林道を通らずに行くことができます。奈良倉山の山頂は木が茂っていますが、南西方向は木が伐採され、富士山などの山々を眺めることができます。 展望を楽しんだら鶴寝山へ向かいます。奈良倉山山頂から北西方向へ下ると、林道経由で松姫峠へ行けます。まもなく北側に並行する山道と接するので、そこから山道へ入るのも良いでしょう。山道を歩けば、林道より自然を身近に感じながら歩けます。 松姫峠でいったん車道に出ますが、登山道はトイレの先に続いています。広葉樹に覆われた林の中を歩くうちに、ニリンソウコースの分岐に着きます。この分岐を右に数分行った凹状地形の所では、4月下旬から5月上旬にかけてニリンソウが群生して開花します。この分岐を左へ進み、十数分登ると鶴寝山です。山頂は木に覆われていますが、南側が一部伐採され、富士山を望むことができます。 さらに尾根を西へ進みましょう。すぐ先で道が「巨樹のみち」と「日向みち」に分かれます。「巨樹のみち」は尾根上を通り、ミズナラなどの巨樹が間近に見られます。「日向みち」は尾根の南側を巻くので、起伏が緩くなっています。いずれも山沢入りのヌタで合流します。 山沢入りのヌタから小菅の湯へ下山します。分岐から10分あまり下って谷を横切るところには、見事なトチノキの巨樹があります。下部はワサビ田の脇を通り、舗装路へ出て山沢の集落に入ったら、右へ少し登ったところに小菅の湯があります。小菅の湯からは、奥多摩駅、大月駅、上野原駅に接続するバス路線があります。 なお、時間に余裕があれば、山沢入りのヌタからさらに西へ進み、棚倉小屋跡経由で小菅の湯へ降りることもできます。ただ、大マテイ山周辺は、踏み跡が薄く乱れているので注意してください。 -
大峠から雁ヶ腹摺山へ
- 日帰り
- 4時間10分
- 6.2km
大峠から雁ヶ腹摺山へ
- 日帰り
- 4時間10分
- 6.2km
雁ヶ腹摺山は、大菩薩嶺から滝子山まで連なる主稜線上には無く、東側に外れた位置にあります。しかし標高は主稜線並みに高く、その山頂から望む富士山は印象深いもので、旧五百円札のデザインに使われたこともありました。秀麗富嶽12景の一座に選定されています。 アプローチは、真木小金沢林道の大峠からが一般的です。バスは峠から遥か手前の山麓が終点なので、大月駅からタクシーで向かうと良いでしょう。下山後の車道歩きを避けるなら、帰りも予約しておきます。マイカーで行く場合は、細くてカーブの多い峠道が長く続くので、走行に注意してください。 大峠には、雁ヶ腹摺山と黒岳の登山口があります。雁ヶ腹摺山方面は東側になります。道路脇の階段を登ると、道は南へ向きを変え、すぐ水場を通り過ぎます。登り始めて10分ほど進んだ頃に、凹状地形を横切りますが、この辺りは斜面が崩れ易くなっています。迂回路がある場合は従ってください。吹切尾根に登り着くと、道は北へ向きを変え、次第に傾斜を強めていきます。やがて正面が開けて辺りが草原に変わったら、その最上部が頂上です。雁ヶ腹摺山の山頂部は、大部分が樹木に覆われていますが、南側だけは開けていて、その先に富士山が望めます。 登頂に満足したら、往路を戻りますが、体力に余裕があるなら姥子山まで足を延ばすのも良いでしょう。ただし、姥子山山頂の標高は大峠よりも低いので、帰りは雁ヶ腹摺山をもう一度登り返さなければならないことに留意してください。しかし、山頂の周囲に岩壁を巡らす姥子山からの展望は、雁ヶ腹摺山よりも開けて、富士山を始め、丹沢から奥多摩方面にまで広がります。この景色を見れば、雁ヶ腹摺山と共に登頂した苦労も報われることでしょう。姥子山も、秀麗富嶽12景の一座です。 姥子山へ向かうなら、山頂直下の草原の中で分岐する道を、左へ進みます。標高を下げるに従い、周囲の樹林は針葉樹から広葉樹へと移り変わっていきます。秋には黄葉がとても美しい所です。1箇所、苔生す巨岩帯を通過する部分は、道を間違え易いので、注意してください。周囲が平坦になり、林床が笹原に変わったら、白樺平と呼ばれるところで、道が分岐します。姥子山方面へ進み、林道を横切ってから二つ目の峰が姥子山東峰です。展望を存分に楽しんだら、往路を戻ります。雁ヶ腹摺山は、大菩薩嶺から滝子山まで連なる主稜線上には無く、東側に外れた位置にあります。しかし標高は主稜線並みに高く、その山頂から望む富士山は印象深いもので、旧五百円札のデザインに使われたこともありました。秀麗富嶽12景の一座に選定されています。 アプローチは、真木小金沢林道の大峠からが一般的です。バスは峠から遥か手前の山麓が終点なので、大月駅からタクシーで向かうと良いでしょう。下山後の車道歩きを避けるなら、帰りも予約しておきます。マイカーで行く場合は、細くてカーブの多い峠道が長く続くので、走行に注意してください。 大峠には、雁ヶ腹摺山と黒岳の登山口があります。雁ヶ腹摺山方面は東側になります。道路脇の階段を登ると、道は南へ向きを変え、すぐ水場を通り過ぎます。登り始めて10分ほど進んだ頃に、凹状地形を横切りますが、この辺りは斜面が崩れ易くなっています。迂回路がある場合は従ってください。吹切尾根に登り着くと、道は北へ向きを変え、次第に傾斜を強めていきます。やがて正面が開けて辺りが草原に変わったら、その最上部が頂上です。雁ヶ腹摺山の山頂部は、大部分が樹木に覆われていますが、南側だけは開けていて、その先に富士山が望めます。 登頂に満足したら、往路を戻りますが、体力に余裕があるなら姥子山まで足を延ばすのも良いでしょう。ただし、姥子山山頂の標高は大峠よりも低いので、帰りは雁ヶ腹摺山をもう一度登り返さなければならないことに留意してください。しかし、山頂の周囲に岩壁を巡らす姥子山からの展望は、雁ヶ腹摺山よりも開けて、富士山を始め、丹沢から奥多摩方面にまで広がります。この景色を見れば、雁ヶ腹摺山と共に登頂した苦労も報われることでしょう。姥子山も、秀麗富嶽12景の一座です。 姥子山へ向かうなら、山頂直下の草原の中で分岐する道を、左へ進みます。標高を下げるに従い、周囲の樹林は針葉樹から広葉樹へと移り変わっていきます。秋には黄葉がとても美しい所です。1箇所、苔生す巨岩帯を通過する部分は、道を間違え易いので、注意してください。周囲が平坦になり、林床が笹原に変わったら、白樺平と呼ばれるところで、道が分岐します。姥子山方面へ進み、林道を横切ってから二つ目の峰が姥子山東峰です。展望を存分に楽しんだら、往路を戻ります。 -
笹子峠から笹子雁ヶ腹摺山へ
- 日帰り
- 4時間45分
- 8km
笹子峠から笹子雁ヶ腹摺山へ
- 日帰り
- 4時間45分
- 8km
笹子峠から大鹿峠の間は直線距離で4kmほどですが、休むまもなく登り下りを繰り返し、加えてクサリが設置された急斜面もあり、小粒ながらピリリと辛いコースです。また、山以外にも笹子峠や景徳院など歴史に思いをはせる見所があります。 甲斐大和駅からタクシーで笹子峠へ向かいます。タクシーは駅前に常駐していないので、予約をしておくと良いでしょう。笹子峠へ向かう途中、清水橋から笹子峠まで車道と並行して昔の甲州街道を通る歩道「甲州街道峠道」もあります。時間に余裕があれば、こちらを歩くのも興味深いところです。 笹子峠で笹子隧道を見て、70mほど戻ると甲州街道峠道が車道と交差しているので、ここから峠へ登ります。途中、笹子峠天神社があり、ここで道が二分します。右は最低鞍部を経由しますが、鞍部からの登り始めが急傾斜の悪路です。左の道はそれを迂回できます。 峠から15分ほど歩くと、尾根道と巻き道が分かれますが、送電線鉄塔の手前で合流します。通過時間にそれほど差はないので、どちらを通るかはお好みで。笹子雁ヶ腹摺山の山頂は落葉樹に覆われていますが、合間から富士山を望むことはできます。 大鹿峠へ向けて縦走を始めると、いきなり急斜面の下りで100mほど高度を落とします。その後、小さな峰を3つ越え、4つ目が笹子雁ヶ腹摺山と同じ高さの米沢山です。手前の急斜面にはクサリが設置されていますが、登りでは支点が確認できないので、グイグイ引っ張ることは避け、自分の手足で支点をとらえて確実に登りましょう。米沢山から先も、登下降を繰り返しながらさらに高度を上げていき、お坊山に到着します。山頂からは甲府盆地を眺めることができます。 お坊山からほぼ平坦な道を東へ数分進むと、大鹿峠へのびる尾根が北へ派生します。尾根上の道は不明瞭なので、いったん南東側の鞍部に降り、北へ分岐する道へ入ります。この道もいつしか尾根上をたどるようになり、大鹿峠に降り立ちます。 大鹿峠から北へ向かう道は、左に尾根道、右に巻き道の2本ありますが、尾根道へ入ります。ステップが設置された急坂を数分登ると、景徳院方面の道が左へ分岐します。田野集落まで降りたら、民家の庭先を抜けて舗装路を右へ進み、景徳院の脇から県道に出ます。景徳院入口バス停は道路を横断した先の駐車場にありますが、甲斐大和駅まで歩いても30分位で着きます。笹子峠から大鹿峠の間は直線距離で4kmほどですが、休むまもなく登り下りを繰り返し、加えてクサリが設置された急斜面もあり、小粒ながらピリリと辛いコースです。また、山以外にも笹子峠や景徳院など歴史に思いをはせる見所があります。 甲斐大和駅からタクシーで笹子峠へ向かいます。タクシーは駅前に常駐していないので、予約をしておくと良いでしょう。笹子峠へ向かう途中、清水橋から笹子峠まで車道と並行して昔の甲州街道を通る歩道「甲州街道峠道」もあります。時間に余裕があれば、こちらを歩くのも興味深いところです。 笹子峠で笹子隧道を見て、70mほど戻ると甲州街道峠道が車道と交差しているので、ここから峠へ登ります。途中、笹子峠天神社があり、ここで道が二分します。右は最低鞍部を経由しますが、鞍部からの登り始めが急傾斜の悪路です。左の道はそれを迂回できます。 峠から15分ほど歩くと、尾根道と巻き道が分かれますが、送電線鉄塔の手前で合流します。通過時間にそれほど差はないので、どちらを通るかはお好みで。笹子雁ヶ腹摺山の山頂は落葉樹に覆われていますが、合間から富士山を望むことはできます。 大鹿峠へ向けて縦走を始めると、いきなり急斜面の下りで100mほど高度を落とします。その後、小さな峰を3つ越え、4つ目が笹子雁ヶ腹摺山と同じ高さの米沢山です。手前の急斜面にはクサリが設置されていますが、登りでは支点が確認できないので、グイグイ引っ張ることは避け、自分の手足で支点をとらえて確実に登りましょう。米沢山から先も、登下降を繰り返しながらさらに高度を上げていき、お坊山に到着します。山頂からは甲府盆地を眺めることができます。 お坊山からほぼ平坦な道を東へ数分進むと、大鹿峠へのびる尾根が北へ派生します。尾根上の道は不明瞭なので、いったん南東側の鞍部に降り、北へ分岐する道へ入ります。この道もいつしか尾根上をたどるようになり、大鹿峠に降り立ちます。 大鹿峠から北へ向かう道は、左に尾根道、右に巻き道の2本ありますが、尾根道へ入ります。ステップが設置された急坂を数分登ると、景徳院方面の道が左へ分岐します。田野集落まで降りたら、民家の庭先を抜けて舗装路を右へ進み、景徳院の脇から県道に出ます。景徳院入口バス停は道路を横断した先の駐車場にありますが、甲斐大和駅まで歩いても30分位で着きます。 -
柳沢峠から三窪高原へ
- 日帰り
- 2時間55分
- 7.5km
柳沢峠から三窪高原へ
- 日帰り
- 2時間55分
- 7.5km
三窪高原は、青梅街道の最高地点である柳沢峠の西側に連なるなだらかな尾根です。ツツジ類の花木が多く、開花時期の6月頃には尾根のあちこちに赤や朱色の花が散りばめられます。 柳沢峠へは、土・日、祝日に塩山駅からバスの便があります。また、峠には駐車場があるので、マイカーの利用もできます。 駐車場南西側の角から歩きはじめ、まず柳沢ノ頭に登ります。この先もう長い登りはありません。ハンゼノ頭は、広く平らで視界も良く、展望台とも呼ばれます。周囲に遊歩道があるので、好みのルートを散策しましょう。電波塔の手前にはトイレのある広場があり、休憩するには良い所です。 電波塔の北側は、林の中に草地が点在し、次々と庭園を巡っているかのようです。藤谷ノ頭を越えて、幅広く刈り払われた防火帯を下り、板橋峠に降り立ちます。林道が通じており、林道を経由して柳沢峠へ戻ります。三窪高原は、青梅街道の最高地点である柳沢峠の西側に連なるなだらかな尾根です。ツツジ類の花木が多く、開花時期の6月頃には尾根のあちこちに赤や朱色の花が散りばめられます。 柳沢峠へは、土・日、祝日に塩山駅からバスの便があります。また、峠には駐車場があるので、マイカーの利用もできます。 駐車場南西側の角から歩きはじめ、まず柳沢ノ頭に登ります。この先もう長い登りはありません。ハンゼノ頭は、広く平らで視界も良く、展望台とも呼ばれます。周囲に遊歩道があるので、好みのルートを散策しましょう。電波塔の手前にはトイレのある広場があり、休憩するには良い所です。 電波塔の北側は、林の中に草地が点在し、次々と庭園を巡っているかのようです。藤谷ノ頭を越えて、幅広く刈り払われた防火帯を下り、板橋峠に降り立ちます。林道が通じており、林道を経由して柳沢峠へ戻ります。 -
湯原から小倉山へ
- 日帰り
- 1時間55分
- 4.6km
湯原から小倉山へ
- 日帰り
- 1時間55分
- 4.6km
小倉山は塩山の北方にあります。山頂の展望台からは、富士山から南アルプスの山々が望めます。また山麓にはザゼンソウの群生地があり、開花時期の2月下旬〜3月下旬には多くの人が訪れます。 塩山駅から玉宮行きバスに乗車します。登山口に近いバス停は湯原ですが、自由乗降区間なので運転手に告げればざぜん草公園入口で降車できます。駐車場を過ぎて竹森川を渡り谷間へ入ると、すぐザゼンソウの群生地が広がります。谷の奥から尾根へ上がり、右へ10分ほどで小倉山山頂に着きます。展望を楽しんだら、上条峠まで尾根を縦走しましょう。尾根に沿ってひと山越え、平沢集落分岐を過ぎてまもなく東屋に着きます。すぐ下に林道の上条峠があります。 平沢集落分岐へ戻り、下山します。分岐直下の鞍部は道が不明瞭です。左右の谷へは降りず前へ進むと、左に道の続きがあります。麓の分岐で「ざぜん草」方面は、小川に沿う道を歩き、ざぜん草公園に戻ります。「平沢集落」方面は、すぐ舗装路に出て、左に行けば玉宮バス停に着きます。小倉山は塩山の北方にあります。山頂の展望台からは、富士山から南アルプスの山々が望めます。また山麓にはザゼンソウの群生地があり、開花時期の2月下旬〜3月下旬には多くの人が訪れます。 塩山駅から玉宮行きバスに乗車します。登山口に近いバス停は湯原ですが、自由乗降区間なので運転手に告げればざぜん草公園入口で降車できます。駐車場を過ぎて竹森川を渡り谷間へ入ると、すぐザゼンソウの群生地が広がります。谷の奥から尾根へ上がり、右へ10分ほどで小倉山山頂に着きます。展望を楽しんだら、上条峠まで尾根を縦走しましょう。尾根に沿ってひと山越え、平沢集落分岐を過ぎてまもなく東屋に着きます。すぐ下に林道の上条峠があります。 平沢集落分岐へ戻り、下山します。分岐直下の鞍部は道が不明瞭です。左右の谷へは降りず前へ進むと、左に道の続きがあります。麓の分岐で「ざぜん草」方面は、小川に沿う道を歩き、ざぜん草公園に戻ります。「平沢集落」方面は、すぐ舗装路に出て、左に行けば玉宮バス停に着きます。 -
大滝不動尊から甲州高尾山へ
- 日帰り
- 4時間25分
- 9.3km
大滝不動尊から甲州高尾山へ
- 日帰り
- 4時間25分
- 9.3km
甲州高尾山は、甲府盆地の東、ブドウ畑が広がる丘を見下ろす位置にあります。勝沼ぶどう郷駅周辺の桜やブドウの収穫期に合わせると、山とともに楽しめるでしょう。 山の中腹にある大滝不動尊まで、勝沼ぶどう郷駅からタクシーで向かいます。車道のすぐそばに仁王門があり、ここから約200段の石段が始まります。石段を登りきると本堂があり、その右脇から山内を巡る道へ入ります。弁財天、文殊堂などを巡るうちに林道へ出ます。 林道はT字路になっており、右は展望台、正面は甲州高尾山への近道です。棚横手に登るなら、左の富士見台方面へ進みます。T字路から10分ほど林道を歩くと右側斜面に崩壊地が見られ、その50m程先から山道へ入ります。薄暗い植林帯を登り、尾根に上がります。ここが棚横手と富士見台の鞍部です。 北へ進み棚横手を往復しましょう。棚横手の山頂は南東側に視界が開け、富士山、道志、大月周辺の山々を望むことができます。先ほどの鞍部へ戻り、そのまま尾根を直進して登りつめたあたりが富士見台です。ここからしばらくは、見晴しの良い尾根歩きが楽しめるところですが、これは山火事で木が焼失した結果です。 尾根の向きが南西から西へ変わると、大滝不動尊からの近道が右から合わさります。再び緩い起伏が続くうち、正面に小ピークが迫ってきます。顕著に盛り上がっていますが、甲州高尾山の標柱は、ここよりやや標高の低い1つ先のコブに立っています。三角点はさらにその先に設置されています。 三角点を過ぎて、すぐ林道を横切ります。その後、急な下りが続き、急坂が一段落した後も波打つように起伏して高度を落とします。目の前に送電線鉄塔が現れたら柏尾山に到着です。鉄塔を右から左へ巻くように南へ向きを変え、再び急な下りで一気に麓を目指します。ブドウ畑を過ぎ、獣避けの柵を抜けた先に五所大神社があります。 国道へ降りてから西へ進み、大善寺の前を通り過ぎてから国道の右脇を登っていく道に入ります。あとは、勝沼フットパスと名付けられたルートに沿えば、甲府盆地を見下ろす丘に広がるブドウ畑の中を通り、勝沼ぶどう郷駅に戻ります。 別ルートとして大日影トンネル遊歩道を通るのも興味深いです。甲州高尾山は、甲府盆地の東、ブドウ畑が広がる丘を見下ろす位置にあります。勝沼ぶどう郷駅周辺の桜やブドウの収穫期に合わせると、山とともに楽しめるでしょう。 山の中腹にある大滝不動尊まで、勝沼ぶどう郷駅からタクシーで向かいます。車道のすぐそばに仁王門があり、ここから約200段の石段が始まります。石段を登りきると本堂があり、その右脇から山内を巡る道へ入ります。弁財天、文殊堂などを巡るうちに林道へ出ます。 林道はT字路になっており、右は展望台、正面は甲州高尾山への近道です。棚横手に登るなら、左の富士見台方面へ進みます。T字路から10分ほど林道を歩くと右側斜面に崩壊地が見られ、その50m程先から山道へ入ります。薄暗い植林帯を登り、尾根に上がります。ここが棚横手と富士見台の鞍部です。 北へ進み棚横手を往復しましょう。棚横手の山頂は南東側に視界が開け、富士山、道志、大月周辺の山々を望むことができます。先ほどの鞍部へ戻り、そのまま尾根を直進して登りつめたあたりが富士見台です。ここからしばらくは、見晴しの良い尾根歩きが楽しめるところですが、これは山火事で木が焼失した結果です。 尾根の向きが南西から西へ変わると、大滝不動尊からの近道が右から合わさります。再び緩い起伏が続くうち、正面に小ピークが迫ってきます。顕著に盛り上がっていますが、甲州高尾山の標柱は、ここよりやや標高の低い1つ先のコブに立っています。三角点はさらにその先に設置されています。 三角点を過ぎて、すぐ林道を横切ります。その後、急な下りが続き、急坂が一段落した後も波打つように起伏して高度を落とします。目の前に送電線鉄塔が現れたら柏尾山に到着です。鉄塔を右から左へ巻くように南へ向きを変え、再び急な下りで一気に麓を目指します。ブドウ畑を過ぎ、獣避けの柵を抜けた先に五所大神社があります。 国道へ降りてから西へ進み、大善寺の前を通り過ぎてから国道の右脇を登っていく道に入ります。あとは、勝沼フットパスと名付けられたルートに沿えば、甲府盆地を見下ろす丘に広がるブドウ畑の中を通り、勝沼ぶどう郷駅に戻ります。 別ルートとして大日影トンネル遊歩道を通るのも興味深いです。 -
釈迦堂から蜂城山へ
- 日帰り
- 3時間20分
- 7km
釈迦堂から蜂城山へ
- 日帰り
- 3時間20分
- 7km
蜂城山は、桃の産地である笛吹市一宮町にあります。麓一帯にモモ畑が広がり、開花の時期(4月上旬)、一面桃色に染まる光景は見事です。また、秋には空気も澄み、木々の葉が落ちれば、雪をまとい始めた南アルプスの山並みをすっきりと見ることができます。 蜂城山の登山口へ行くには、勝沼ぶどう郷駅からタクシーか、甲州市民バスで釈迦堂入口まで乗車してから徒歩、などの交通手段があります。また、中央自動車道の釈迦堂パーキングエリアには高速バス停留所があるので、ここから案内しましょう。 釈迦堂パーキングエリアを出て、釈迦堂遺跡博物館の前から高速道路の側道を西へ向かいます。県道に突き当たったら左へ曲り、250mあまり先で右にカーブする手前で左折します。この角には「桃李成蹊」と書かれた大きく目立つ石碑があり、目印になります。その後、道なりに進めば登山口に着きます。 登山口周辺は扇状地の高台で、一帯を展望することができます。山道へ入ると細かく左右に曲がりながら高度を上げていきます。途中で1つ鳥居をくぐり、2つ目の鳥居が見えたら蜂城山山頂です。山頂には神社があり木に囲まれています。鳥居の建つ方向だけ視界があり、奥秩父の山並みを眺めることができます。 続いて神領山へ登りましょう。神社の裏から下り、いったん尾根に乗りますが、すぐ右へそれて鞍部に降り立ちます。西へ山宮神社、東へ茶臼山に至る道は、いずれも廃道状態です。正面の斜面を登り、大久保山分岐から左へ1分も行けば神領山の山頂です。ルート中の最高点ですが、アカマツなどの木が茂り展望は得られません。 次は大久保山を目指します。先ほどの大久保山分岐まで戻り、西へのびる尾根上をたどります。正面に薄暗い檜林が見えてきたら右へ尾根をはずし、北西方向の尾根へ乗り換えます。やや急な斜面を下り、鞍部から5分ほど登り返すと大久保山手前の平らな峰に着きます。山宮神社方面の分岐があります。続いて数十m下ってから盛り上がった所に大久保山の三角点があります。このすぐ下に那賀都神社があります。ここにはかつて幹回り5m近いアカマツの巨木があったのですが、今は切り株が残るのみとなりました。 山頂から窪んだ道を下るうちに、大文字焼きの現場に着きます。獣避けの柵がありますが、ここからは甲府盆地と南アルプスの展望が圧巻です。ぜひ寄ってみましょう。大文字焼きからさらに数分下ると舗装路に出ます。最初のT字路を右へ曲り、道なりに進むと県道に出ます。右へ行けば釈迦堂パーキングエリアに戻れます。蜂城山は、桃の産地である笛吹市一宮町にあります。麓一帯にモモ畑が広がり、開花の時期(4月上旬)、一面桃色に染まる光景は見事です。また、秋には空気も澄み、木々の葉が落ちれば、雪をまとい始めた南アルプスの山並みをすっきりと見ることができます。 蜂城山の登山口へ行くには、勝沼ぶどう郷駅からタクシーか、甲州市民バスで釈迦堂入口まで乗車してから徒歩、などの交通手段があります。また、中央自動車道の釈迦堂パーキングエリアには高速バス停留所があるので、ここから案内しましょう。 釈迦堂パーキングエリアを出て、釈迦堂遺跡博物館の前から高速道路の側道を西へ向かいます。県道に突き当たったら左へ曲り、250mあまり先で右にカーブする手前で左折します。この角には「桃李成蹊」と書かれた大きく目立つ石碑があり、目印になります。その後、道なりに進めば登山口に着きます。 登山口周辺は扇状地の高台で、一帯を展望することができます。山道へ入ると細かく左右に曲がりながら高度を上げていきます。途中で1つ鳥居をくぐり、2つ目の鳥居が見えたら蜂城山山頂です。山頂には神社があり木に囲まれています。鳥居の建つ方向だけ視界があり、奥秩父の山並みを眺めることができます。 続いて神領山へ登りましょう。神社の裏から下り、いったん尾根に乗りますが、すぐ右へそれて鞍部に降り立ちます。西へ山宮神社、東へ茶臼山に至る道は、いずれも廃道状態です。正面の斜面を登り、大久保山分岐から左へ1分も行けば神領山の山頂です。ルート中の最高点ですが、アカマツなどの木が茂り展望は得られません。 次は大久保山を目指します。先ほどの大久保山分岐まで戻り、西へのびる尾根上をたどります。正面に薄暗い檜林が見えてきたら右へ尾根をはずし、北西方向の尾根へ乗り換えます。やや急な斜面を下り、鞍部から5分ほど登り返すと大久保山手前の平らな峰に着きます。山宮神社方面の分岐があります。続いて数十m下ってから盛り上がった所に大久保山の三角点があります。このすぐ下に那賀都神社があります。ここにはかつて幹回り5m近いアカマツの巨木があったのですが、今は切り株が残るのみとなりました。 山頂から窪んだ道を下るうちに、大文字焼きの現場に着きます。獣避けの柵がありますが、ここからは甲府盆地と南アルプスの展望が圧巻です。ぜひ寄ってみましょう。大文字焼きからさらに数分下ると舗装路に出ます。最初のT字路を右へ曲り、道なりに進むと県道に出ます。右へ行けば釈迦堂パーキングエリアに戻れます。 -
立沢から達沢山へ
- 日帰り
- 3時間35分
- 8.3km
立沢から達沢山へ
- 日帰り
- 3時間35分
- 8.3km
達沢山は、山梨百名山の一座です。山の南斜面は檜の植林帯で、以前は木の背が低く、富士山、南アルプスなどの山々を眺めることができましたが、現在は木が育ち、ほとんど展望はありません。 富士山駅から甲府駅行きのバスに乗車して(逆方向も可)、立沢バス停で下車します。道路を横断して、逆方向のバス停の裏から下の林道へ降り、林道伝いに山へ向かいます。達沢橋を渡った先の砕石場周辺は道がわかりにくいですが、案内図に従ってください。標高1100mあたりで林道は終わり、以後山道が続きます。檜の植林帯を登り、尾根に出たら左へ約10分で達沢山山頂に着きます。下山は立沢バス停まで往路を戻ります。 山頂からの展望が失われつつある現在、この山の魅力は周辺の山々、カヤノキビラノ頭、神領山、旭山などとつないで歩くことにあるように思いますが、いずれのルートも地図を読み自力で進路を見出す技術が要求されます。達沢山は、山梨百名山の一座です。山の南斜面は檜の植林帯で、以前は木の背が低く、富士山、南アルプスなどの山々を眺めることができましたが、現在は木が育ち、ほとんど展望はありません。 富士山駅から甲府駅行きのバスに乗車して(逆方向も可)、立沢バス停で下車します。道路を横断して、逆方向のバス停の裏から下の林道へ降り、林道伝いに山へ向かいます。達沢橋を渡った先の砕石場周辺は道がわかりにくいですが、案内図に従ってください。標高1100mあたりで林道は終わり、以後山道が続きます。檜の植林帯を登り、尾根に出たら左へ約10分で達沢山山頂に着きます。下山は立沢バス停まで往路を戻ります。 山頂からの展望が失われつつある現在、この山の魅力は周辺の山々、カヤノキビラノ頭、神領山、旭山などとつないで歩くことにあるように思いますが、いずれのルートも地図を読み自力で進路を見出す技術が要求されます。 -
日川渓谷遊歩道
- 日帰り
- 1時間10分
- 1.9km
日川渓谷遊歩道
- 日帰り
- 1時間10分
- 1.9km
日川は、大菩薩嶺に近い雷岩を源頭とし、大菩薩主稜線と日川尾根に挟まれて南へ流れます。木賊のあたりは、特に落差が大きく谷も深く切れ込んでおり、日川渓谷竜門峡と呼ばれています。渓谷沿いには遊歩道が整備され、景観を楽しむことができます。 甲斐大和駅から、天目行き甲州市民バス、または上日川峠行き栄和交通バスに乗車して、竜門峡入口バス停で下車します。栄和交通バスは自由乗降区間なので降り場を運転手に告げてください。竜門橋を渡り、林道を少し進んでから、右側鋭角に曲り遊歩道に入ります。遊歩道の途中にあるいくつかの見所を次々と巡り歩きます。竜門の滝と落合三つの滝へ近づく道は、現在通れません。蜘蛛淵を過ぎると渓谷を離れ、天目地区の車道に上がります。すぐ近くには戦国時代、武田家ゆかりの栖雲寺があるので、併せて寄ってみるのもよいでしょう。天目バス停からバスに乗車して甲斐大和駅に戻ります。日川は、大菩薩嶺に近い雷岩を源頭とし、大菩薩主稜線と日川尾根に挟まれて南へ流れます。木賊のあたりは、特に落差が大きく谷も深く切れ込んでおり、日川渓谷竜門峡と呼ばれています。渓谷沿いには遊歩道が整備され、景観を楽しむことができます。 甲斐大和駅から、天目行き甲州市民バス、または上日川峠行き栄和交通バスに乗車して、竜門峡入口バス停で下車します。栄和交通バスは自由乗降区間なので降り場を運転手に告げてください。竜門橋を渡り、林道を少し進んでから、右側鋭角に曲り遊歩道に入ります。遊歩道の途中にあるいくつかの見所を次々と巡り歩きます。竜門の滝と落合三つの滝へ近づく道は、現在通れません。蜘蛛淵を過ぎると渓谷を離れ、天目地区の車道に上がります。すぐ近くには戦国時代、武田家ゆかりの栖雲寺があるので、併せて寄ってみるのもよいでしょう。天目バス停からバスに乗車して甲斐大和駅に戻ります。 -
清八山から笹子峠へ
- 日帰り
- 7時間35分
- 18.1km
清八山から笹子峠へ
- 日帰り
- 7時間35分
- 18.1km
ここで紹介するコースは、清八山から笹子峠まで連なる尾根を縦走するものです。清八山は見晴しの良い山で、近くの本社ヶ丸とともに多くの登山者を迎えています。一方、その先笹子峠までの縦走路で人に会うことは稀です。歩く行程が長く、いくつもの登下降を繰り返します。さらに、踏み跡が不明瞭な箇所や、ヤブの繁茂している所もあり、判断力が要求され、山の経験を積んだ健脚者向けです。それだけに、歩き通した後は充実感に満たされるでしょう。 三ツ峠登山口へは河口湖駅からバスの便もありますが、出発時刻を早くしたい場合はタクシーで向かいましょう。三ツ峠登山口から、清八林道を経由して1時間ほどで清八山山頂に着きます。 清八山で存分に展望を楽しんでから縦走に移ります。この先、これだけの展望が得られる所はありません。登ってきた道を数分戻り、八丁峠や天下茶屋方面へ通じる道へ入ります。八丁山の手前にまた分岐があり、ここを女坂峠方面へ進むと、いよいよ笹子峠へ向けて縦走開始です。 踏み跡はほぼ尾根上に認められますが、獣道には注意してください。1531m標高点を過ぎた先の約1470mと1445mのピークには、送電線巡視路の分岐があります。1445mピークを過ぎると下り傾斜を強め、女坂峠の直前で逃げ場のない急斜面になります。木の根などを手掛かりとして慎重に通過してください。ロープの装備があれば心強いです。女坂峠から登り返したピークは大沢山で、笹子方面から道が通じています。縦走の短縮路、エスケープルートとして使えます。 次のピーク、ボッコノ頭には藤野木方面を示す道標がありますが、麓近くまで踏み跡はありません。また、摺針峠にも峠越えの道標がありますが、いずれも沢に降りてから林道まで道が不明瞭なので不用意に下らないように。 カヤノキビラノ頭では、達沢山方面の踏み跡が分かれます。笹子峠方面は、その後も細かい登り下りを続けますが、やがて下り一方になり笹子峠に降り立ちます。峠から西へ下り、車道を横断して甲州街道峠道へ入ります。10分ほどで林道に出たら、左へ100m位進むと右に歩道の続きがあります。歩道は清水橋で終わり、以後車道を歩き甲斐大和駅へ向かいます。 また、笹子峠から東に進めば笹子駅に着きます。こちらにも甲州街道峠道はありますが、矢立の杉遊歩道を除き整備されていません。ここで紹介するコースは、清八山から笹子峠まで連なる尾根を縦走するものです。清八山は見晴しの良い山で、近くの本社ヶ丸とともに多くの登山者を迎えています。一方、その先笹子峠までの縦走路で人に会うことは稀です。歩く行程が長く、いくつもの登下降を繰り返します。さらに、踏み跡が不明瞭な箇所や、ヤブの繁茂している所もあり、判断力が要求され、山の経験を積んだ健脚者向けです。それだけに、歩き通した後は充実感に満たされるでしょう。 三ツ峠登山口へは河口湖駅からバスの便もありますが、出発時刻を早くしたい場合はタクシーで向かいましょう。三ツ峠登山口から、清八林道を経由して1時間ほどで清八山山頂に着きます。 清八山で存分に展望を楽しんでから縦走に移ります。この先、これだけの展望が得られる所はありません。登ってきた道を数分戻り、八丁峠や天下茶屋方面へ通じる道へ入ります。八丁山の手前にまた分岐があり、ここを女坂峠方面へ進むと、いよいよ笹子峠へ向けて縦走開始です。 踏み跡はほぼ尾根上に認められますが、獣道には注意してください。1531m標高点を過ぎた先の約1470mと1445mのピークには、送電線巡視路の分岐があります。1445mピークを過ぎると下り傾斜を強め、女坂峠の直前で逃げ場のない急斜面になります。木の根などを手掛かりとして慎重に通過してください。ロープの装備があれば心強いです。女坂峠から登り返したピークは大沢山で、笹子方面から道が通じています。縦走の短縮路、エスケープルートとして使えます。 次のピーク、ボッコノ頭には藤野木方面を示す道標がありますが、麓近くまで踏み跡はありません。また、摺針峠にも峠越えの道標がありますが、いずれも沢に降りてから林道まで道が不明瞭なので不用意に下らないように。 カヤノキビラノ頭では、達沢山方面の踏み跡が分かれます。笹子峠方面は、その後も細かい登り下りを続けますが、やがて下り一方になり笹子峠に降り立ちます。峠から西へ下り、車道を横断して甲州街道峠道へ入ります。10分ほどで林道に出たら、左へ100m位進むと右に歩道の続きがあります。歩道は清水橋で終わり、以後車道を歩き甲斐大和駅へ向かいます。 また、笹子峠から東に進めば笹子駅に着きます。こちらにも甲州街道峠道はありますが、矢立の杉遊歩道を除き整備されていません。 -
いわかがみ平から栗駒山
- 日帰り
- 3時間10分
- 6.5km
いわかがみ平から栗駒山
- 日帰り
- 3時間10分
- 6.5km
宮城県側の車道の終点、標高1100mのいわかがみ平は、大駐車場と公営のレストハウスが整備された登山基地です。山頂までの標高差があまりなく、展望と高山植物を手軽に楽しめるため、多くの登山者やハイカーがいわかがみ平を起点に山頂を目指します。 大駐車場からレストハウスへ向かう道を進み、右手に分岐する東栗駒コースに入ります。最初は溝状に掘れた、泥濘の多い歩きにくい道が続きます。大きな岩の段差があるハシゴ場は慎重に登りましょう。30分も登ると灌木帯に入り、少し右手に下るとナメの沢床が続く新湯沢に出ます。沢の右岸(上流に向かって左側)の岩盤の上を100mほど登り、沢の上部に張られたロープを目印に左岸に渡渉します。この渡渉点は6月下旬まで雪渓が残り、視界のないときは接続する登山道を見失う恐れがあるので注意してください。 樹高が低くなった灌木帯を右に回り込むように登ると、砂礫の混じるハイマツ帯に入ります。6月上旬にはミヤマキンバイが咲き誇ります。東栗駒山の頂稜から新湯沢源頭をはさんで栗駒山の優美な山容が望めます。この一帯は9月下旬から10月上旬にかけて息を飲むほどの鮮やかな紅葉が広がります。 ほぼ平坦な東栗駒山の頂稜を過ぎ、少し登ると栗駒草原と呼ばれる湿性のお花畑が始まります。6月中旬から7月中旬までイワカガミ・ヒナザクラ・イワイチョウ・キンコウカが咲き乱れる別天地です。裏掛コース分岐を過ぎ、土砂流失防止の整備が行われた急な階段を登りきると、左から中央コースが合流します。さらにひと登りすれば、多くの登山者が休憩している栗駒山山頂です。 独立峰である山頂からの展望は正に360度。真西に富士山を思わせる山容の鳥海山、北に焼石連峰や早池峰山、南には船形連峰と蔵王連峰、南西には栗駒国定公園の山々の奥に月山や朝日連峰など、東北地方中部の山並みが見渡せます。 帰りは整備されて歩きやすい中央コースを下っていわかがみ平に戻ります。階段を下り、緩い下り坂になると展望の良い小ピークに出ます。振り返ると栗駒本峰が大きく聳えています。ここから石が埋め込まれたコンクリートの道を下り、灌木の背が高くなるころいわかがみ平のレストハウスの前に出ます。 なお、紅葉時期の交通渋滞対策として、9月下旬から10月中旬までの期間、いこいの村栗駒跡地からいわかがみ平まで、終日マイカー規制が行われるようになりました。この期間中はいこいの村栗駒跡地の臨時駐車場から運行するシャトルバスをご利用ください。宮城県側の車道の終点、標高1100mのいわかがみ平は、大駐車場と公営のレストハウスが整備された登山基地です。山頂までの標高差があまりなく、展望と高山植物を手軽に楽しめるため、多くの登山者やハイカーがいわかがみ平を起点に山頂を目指します。 大駐車場からレストハウスへ向かう道を進み、右手に分岐する東栗駒コースに入ります。最初は溝状に掘れた、泥濘の多い歩きにくい道が続きます。大きな岩の段差があるハシゴ場は慎重に登りましょう。30分も登ると灌木帯に入り、少し右手に下るとナメの沢床が続く新湯沢に出ます。沢の右岸(上流に向かって左側)の岩盤の上を100mほど登り、沢の上部に張られたロープを目印に左岸に渡渉します。この渡渉点は6月下旬まで雪渓が残り、視界のないときは接続する登山道を見失う恐れがあるので注意してください。 樹高が低くなった灌木帯を右に回り込むように登ると、砂礫の混じるハイマツ帯に入ります。6月上旬にはミヤマキンバイが咲き誇ります。東栗駒山の頂稜から新湯沢源頭をはさんで栗駒山の優美な山容が望めます。この一帯は9月下旬から10月上旬にかけて息を飲むほどの鮮やかな紅葉が広がります。 ほぼ平坦な東栗駒山の頂稜を過ぎ、少し登ると栗駒草原と呼ばれる湿性のお花畑が始まります。6月中旬から7月中旬までイワカガミ・ヒナザクラ・イワイチョウ・キンコウカが咲き乱れる別天地です。裏掛コース分岐を過ぎ、土砂流失防止の整備が行われた急な階段を登りきると、左から中央コースが合流します。さらにひと登りすれば、多くの登山者が休憩している栗駒山山頂です。 独立峰である山頂からの展望は正に360度。真西に富士山を思わせる山容の鳥海山、北に焼石連峰や早池峰山、南には船形連峰と蔵王連峰、南西には栗駒国定公園の山々の奥に月山や朝日連峰など、東北地方中部の山並みが見渡せます。 帰りは整備されて歩きやすい中央コースを下っていわかがみ平に戻ります。階段を下り、緩い下り坂になると展望の良い小ピークに出ます。振り返ると栗駒本峰が大きく聳えています。ここから石が埋め込まれたコンクリートの道を下り、灌木の背が高くなるころいわかがみ平のレストハウスの前に出ます。 なお、紅葉時期の交通渋滞対策として、9月下旬から10月中旬までの期間、いこいの村栗駒跡地からいわかがみ平まで、終日マイカー規制が行われるようになりました。この期間中はいこいの村栗駒跡地の臨時駐車場から運行するシャトルバスをご利用ください。 -
須川温泉から栗駒山へ
- 日帰り
- 3時間35分
- 8.5km
須川温泉から栗駒山へ
- 日帰り
- 3時間35分
- 8.5km
栗駒山は岩手県では「酢川岳」と呼ばれ、須川温泉を起点に、名残ヶ原の高山植物と、昭和湖や剣岳の荒々しい火山地形を楽しめる本コースは多くの登山者に利用され親しまれています。 登山道は須川高原温泉の建屋と、露天風呂にはさまれた源泉が流れる川の脇から始まります。大日岩を右手に眺めて灌木帯を登ると、オイラン(蒸し)風呂の小屋の横を通り抜けます。地熱の湯気が立つ小さな丘を越えて少し下ると、木道が敷かれた名残ヶ原の湿原に出ます。湿原は乾燥化が進んでいますが、初夏から夏にかけてワタスゲやモウセンゴケ・イワイチョウが咲き誇ります。 湿原南端の分岐は、右折すると賽の河原やゆげ山方面に行く散策路で、登山道は直進します。低木帯を少し登ると苔花台と標識がある産沼コースの分岐ですが、ここも直進。昭和湖から流れてくるゼッタ沢を渡り、火山性ガスの噴出で木々が枯れている地獄谷の左岸を通過します。やがて道が平坦になり青白色の幻想的な水をたたえた昭和湖に着きます。この湖は昭和19年の爆発によってできた火山湖で、湖面に剣岳の荒々しい岩肌を映し出しています。 昭和湖から左手に進み、階段の急坂を登ります。緩い登りに変わりハイマツが出てくると、県境の天狗平の分岐に着きます。ここを左折して山頂を目指しましょう。天狗岩の横を抜け、展望の良い稜線を進むと、登山者で賑わう栗駒山山頂に着きます。 下山路は北東側へ下る産沼コースに入ります。間違って宮城県側の中央コースに入る方が多いので、標識をよく確認してください。下り始めは少し急ですが、やがて傾斜の緩い尾根に入ります。このコースは灌木が茂り視界があまり良くないのが難点です。 山頂から40分で産沼に着きます。右に笊森コースが分岐しますが、笊森避難小屋より下部の登山道は廃道です。産沼から西よりに方向を変えて展望のない低木帯に入ります。ジグザグの急坂を下り、三途の川とゼッタ沢を石飛びで渡渉します。沢から一段登れば苔花台の分岐です。右折し少し下って名残ヶ原南端の散策路の分岐を賽ノ磧方面に進みましょう。少し登った賽ノ磧の火口原は6月初旬にイワカガミの見事なお花畑が見られます。整備された遊歩道を下ると大日岩が見えてきて、すぐに須川温泉に戻れます。栗駒山は岩手県では「酢川岳」と呼ばれ、須川温泉を起点に、名残ヶ原の高山植物と、昭和湖や剣岳の荒々しい火山地形を楽しめる本コースは多くの登山者に利用され親しまれています。 登山道は須川高原温泉の建屋と、露天風呂にはさまれた源泉が流れる川の脇から始まります。大日岩を右手に眺めて灌木帯を登ると、オイラン(蒸し)風呂の小屋の横を通り抜けます。地熱の湯気が立つ小さな丘を越えて少し下ると、木道が敷かれた名残ヶ原の湿原に出ます。湿原は乾燥化が進んでいますが、初夏から夏にかけてワタスゲやモウセンゴケ・イワイチョウが咲き誇ります。 湿原南端の分岐は、右折すると賽の河原やゆげ山方面に行く散策路で、登山道は直進します。低木帯を少し登ると苔花台と標識がある産沼コースの分岐ですが、ここも直進。昭和湖から流れてくるゼッタ沢を渡り、火山性ガスの噴出で木々が枯れている地獄谷の左岸を通過します。やがて道が平坦になり青白色の幻想的な水をたたえた昭和湖に着きます。この湖は昭和19年の爆発によってできた火山湖で、湖面に剣岳の荒々しい岩肌を映し出しています。 昭和湖から左手に進み、階段の急坂を登ります。緩い登りに変わりハイマツが出てくると、県境の天狗平の分岐に着きます。ここを左折して山頂を目指しましょう。天狗岩の横を抜け、展望の良い稜線を進むと、登山者で賑わう栗駒山山頂に着きます。 下山路は北東側へ下る産沼コースに入ります。間違って宮城県側の中央コースに入る方が多いので、標識をよく確認してください。下り始めは少し急ですが、やがて傾斜の緩い尾根に入ります。このコースは灌木が茂り視界があまり良くないのが難点です。 山頂から40分で産沼に着きます。右に笊森コースが分岐しますが、笊森避難小屋より下部の登山道は廃道です。産沼から西よりに方向を変えて展望のない低木帯に入ります。ジグザグの急坂を下り、三途の川とゼッタ沢を石飛びで渡渉します。沢から一段登れば苔花台の分岐です。右折し少し下って名残ヶ原南端の散策路の分岐を賽ノ磧方面に進みましょう。少し登った賽ノ磧の火口原は6月初旬にイワカガミの見事なお花畑が見られます。整備された遊歩道を下ると大日岩が見えてきて、すぐに須川温泉に戻れます。 -
御沢から栗駒山・裏掛コース周回
- 日帰り
- 8時間15分
- 12.9km
御沢から栗駒山・裏掛コース周回
- 日帰り
- 8時間15分
- 12.9km
御沢コースは沢歩き、お花畑、盛夏まで残る雪渓など栗駒山の魅力を凝縮したコースです。裏掛コースを下れば、より充実した山歩きが満喫できます。 ハイルザーム栗駒から2つのスノーシェルターをくぐると御沢コース登山口に着きます。スキー場跡の草原を過ぎ、山腹を横切るように岩魚沢、デロコ沢を越えてブナ林を進むと、明るく開けた御沢に着きます。ここから「石飛八里」と呼ばれる沢通しの登りが約2km続きます。基本的に石飛び伝いに沢を遡上しますが、分かり難いところには黄色のペンキや赤テープでルートが示されています。登山靴より沢タビや長靴を履いた方が効率よく安全に登れます。 2時間ほどの沢歩きで大日沢出合に着きます。左の沢に入り、少し登ると巨岩が積み重なったハシゴ滝が現れ、左手のロープを利用して越えます。滝の上は穏やかな流れになり、小沢を何度か渡って、源流部のロープが下がった急坂を登ると御室下の雪渓に出ます。雪が解けた雪田草原にはヒナザクラ・アオノツガザクラなどの湿性の高山植物が咲き乱れ、栗駒山随一の景観に魅了されます。雪渓は部分的に急なところがあるので軽アイゼンをつけた方が安全です。雪渓を登りつめると御室の岩壁帯に突き当たります。岩壁の付け根に駒形根神社の奥宮とされる御室があり、小さな祠の中に絵馬などが奉納されています。この先、岩壁帯の下をたどりますが、荒れて道が不確かな部分があるので注意しましょう。湯浜コースに合流し、尾根道を登ると天狗平に着き、そこから20分で栗駒山山頂に達します。 下山路は山頂から中央コースを少し下り、東栗駒分岐を左折。栗駒草原中ほどにある裏掛コース分岐も左折します。裏掛コースに入ると道が急に細くなります。この先は6月下旬ごろまで雪渓が残る磐井川と産女川の源頭部を通過します。霧で視界が無い時は道の接続が分かり難いので慎重にルートを探しましょう。雪渓が消えた後にはヒナザクラやキンコウカが咲き誇ります。灌木とササの平坦な道を進むと、眼前に広大なドゾウ沢の斜面が現れます。落石に注意して大きな雪渓を横切り、ワタスゲの群生地を過ぎると、2008年の地震で駒ノ湯温泉を飲み込んだ土石流の発生地点をガイドロープに従って横切ります。その後、東栗駒山から南東に伸びる尾根を越え、ブナの原生林を下り、新湯沢の渡渉点に出ます。石飛びに沢を渡って、少し登り返せば廃小屋があります。そこから荒れた林道を少し歩き、右手へ電柱に沿った道を登ると裏掛コースの登山口に出ます。御沢コースは沢歩き、お花畑、盛夏まで残る雪渓など栗駒山の魅力を凝縮したコースです。裏掛コースを下れば、より充実した山歩きが満喫できます。 ハイルザーム栗駒から2つのスノーシェルターをくぐると御沢コース登山口に着きます。スキー場跡の草原を過ぎ、山腹を横切るように岩魚沢、デロコ沢を越えてブナ林を進むと、明るく開けた御沢に着きます。ここから「石飛八里」と呼ばれる沢通しの登りが約2km続きます。基本的に石飛び伝いに沢を遡上しますが、分かり難いところには黄色のペンキや赤テープでルートが示されています。登山靴より沢タビや長靴を履いた方が効率よく安全に登れます。 2時間ほどの沢歩きで大日沢出合に着きます。左の沢に入り、少し登ると巨岩が積み重なったハシゴ滝が現れ、左手のロープを利用して越えます。滝の上は穏やかな流れになり、小沢を何度か渡って、源流部のロープが下がった急坂を登ると御室下の雪渓に出ます。雪が解けた雪田草原にはヒナザクラ・アオノツガザクラなどの湿性の高山植物が咲き乱れ、栗駒山随一の景観に魅了されます。雪渓は部分的に急なところがあるので軽アイゼンをつけた方が安全です。雪渓を登りつめると御室の岩壁帯に突き当たります。岩壁の付け根に駒形根神社の奥宮とされる御室があり、小さな祠の中に絵馬などが奉納されています。この先、岩壁帯の下をたどりますが、荒れて道が不確かな部分があるので注意しましょう。湯浜コースに合流し、尾根道を登ると天狗平に着き、そこから20分で栗駒山山頂に達します。 下山路は山頂から中央コースを少し下り、東栗駒分岐を左折。栗駒草原中ほどにある裏掛コース分岐も左折します。裏掛コースに入ると道が急に細くなります。この先は6月下旬ごろまで雪渓が残る磐井川と産女川の源頭部を通過します。霧で視界が無い時は道の接続が分かり難いので慎重にルートを探しましょう。雪渓が消えた後にはヒナザクラやキンコウカが咲き誇ります。灌木とササの平坦な道を進むと、眼前に広大なドゾウ沢の斜面が現れます。落石に注意して大きな雪渓を横切り、ワタスゲの群生地を過ぎると、2008年の地震で駒ノ湯温泉を飲み込んだ土石流の発生地点をガイドロープに従って横切ります。その後、東栗駒山から南東に伸びる尾根を越え、ブナの原生林を下り、新湯沢の渡渉点に出ます。石飛びに沢を渡って、少し登り返せば廃小屋があります。そこから荒れた林道を少し歩き、右手へ電柱に沿った道を登ると裏掛コースの登山口に出ます。 -
栗駒山から秣岳へ
- 日帰り
- 4時間20分
- 9.8km
栗駒山から秣岳へ
- 日帰り
- 4時間20分
- 9.8km
秣岳は剣岳を中央火口丘とする崩壊が進んだ旧外輪山の西端に位置する山です。天馬尾根と呼ばれる外輪山の稜線上に点在する雪田草原や高層湿原と、そこに咲き乱れる高山植物、そして秋の紅葉は必見で、最近は入山者が増えています。 須川温泉から昭和湖、天狗平を経て栗駒山へ至るコースは須川温泉から栗駒山へ(コースガイド)を参照ください。天狗平から栗駒山山頂まで35分で往復できますので、初めての方は往復してきたほうが良いでしょう。 天狗平から西へミネカエデ・ミヤマナラ・ドウダンの灌木帯の中を進むと、展望岩頭と呼ばれる北側が切れ落ちた露岩の上に出ます。ここは栗駒山随一の展望地で、眼下に剣岳や昭和湖、須川湖、池塘を散りばめた高層湿原の龍泉ヶ原を見下ろし、秣岳へ続く天馬尾根の背後に端正な山容を見せる鳥海山、そして重畳と連なる山々の奥に焼石連峰が一望できます。この露岩には6月初旬にイワウメやミネズオウ・イワヒゲ・コケモモが咲き誇ります。 展望岩頭を後にして、洗掘されて歩きにくい道を40分下り、秣岳との鞍部に出ます。そこから先は雪田草原と高層湿原が続く、展望の良い穏やかな登りになります。やがて木道が敷かれたしろがね湿原に出ます。平らな湿原の奥の岩峰に向かって真っすぐに伸びる木道の景観から「栗駒のモン・サン=ミッシェル」と称され登山者に親しまれています。岩峰の上に登ると眼前に秣岳が見え、岩峰を取り巻く灌木帯の紅葉は赤、オレンジ、黄、緑の原色に彩られ見事です。 秣岳手前の湿原周辺には栗駒山唯一のオオシラビソの植生が見られます。雪田草原の中の急坂を登ると秣岳山頂に着きます。東側の展望が開け、眼下の樹海の中に須川湖の青い湖面が望めます。 秣岳から北西方面に急坂をジグザグに下り、鞍部から少し登り返して、右へ岩と泥が混じった滑りやすい斜面を降りて行きます。ブナの原生林に入り30分ほどで栗駒道路の秣岳登山口に着きます。ここから車道を1時間歩いて須川温泉に戻ります。時間と体力があれば須川湖の南側にあるシラタマノキ湿原に立ち寄り、泥炭層の露頭を見るのもお勧めです。秣岳は剣岳を中央火口丘とする崩壊が進んだ旧外輪山の西端に位置する山です。天馬尾根と呼ばれる外輪山の稜線上に点在する雪田草原や高層湿原と、そこに咲き乱れる高山植物、そして秋の紅葉は必見で、最近は入山者が増えています。 須川温泉から昭和湖、天狗平を経て栗駒山へ至るコースは須川温泉から栗駒山へ(コースガイド)を参照ください。天狗平から栗駒山山頂まで35分で往復できますので、初めての方は往復してきたほうが良いでしょう。 天狗平から西へミネカエデ・ミヤマナラ・ドウダンの灌木帯の中を進むと、展望岩頭と呼ばれる北側が切れ落ちた露岩の上に出ます。ここは栗駒山随一の展望地で、眼下に剣岳や昭和湖、須川湖、池塘を散りばめた高層湿原の龍泉ヶ原を見下ろし、秣岳へ続く天馬尾根の背後に端正な山容を見せる鳥海山、そして重畳と連なる山々の奥に焼石連峰が一望できます。この露岩には6月初旬にイワウメやミネズオウ・イワヒゲ・コケモモが咲き誇ります。 展望岩頭を後にして、洗掘されて歩きにくい道を40分下り、秣岳との鞍部に出ます。そこから先は雪田草原と高層湿原が続く、展望の良い穏やかな登りになります。やがて木道が敷かれたしろがね湿原に出ます。平らな湿原の奥の岩峰に向かって真っすぐに伸びる木道の景観から「栗駒のモン・サン=ミッシェル」と称され登山者に親しまれています。岩峰の上に登ると眼前に秣岳が見え、岩峰を取り巻く灌木帯の紅葉は赤、オレンジ、黄、緑の原色に彩られ見事です。 秣岳手前の湿原周辺には栗駒山唯一のオオシラビソの植生が見られます。雪田草原の中の急坂を登ると秣岳山頂に着きます。東側の展望が開け、眼下の樹海の中に須川湖の青い湖面が望めます。 秣岳から北西方面に急坂をジグザグに下り、鞍部から少し登り返して、右へ岩と泥が混じった滑りやすい斜面を降りて行きます。ブナの原生林に入り30分ほどで栗駒道路の秣岳登山口に着きます。ここから車道を1時間歩いて須川温泉に戻ります。時間と体力があれば須川湖の南側にあるシラタマノキ湿原に立ち寄り、泥炭層の露頭を見るのもお勧めです。 -
役内から神室山へ
- 日帰り
- 7時間15分
- 11.7km
役内から神室山へ
- 日帰り
- 7時間15分
- 11.7km
役内川流域の集落では神室山を「作の神」として信仰しています。三十三尋の滝は「水垢離場」で、御田の神の池塘は雨乞いの聖地です。池塘に石を投げ込み、神を怒らせて雨を降らせることを祈りました。また池塘に生えるカヤツリグサの成長の具合を見て稲の作柄を祈ったと言われています。山頂北側の御宝前には鏑山大神が祀られ、古来より山岳信仰の霊場として栄えていました。 役内集落から大役内林道に入り、鳥居の建つ西ノ又林道入口を右折して約2km進むと、駐車場のあるパノラマコース登山口に着きます。登りに使う西ノ又コースは直進し林道をさらに奥に進みます。30分ほどで登山道に変わり、すぐに吊橋を渡ります。右岸沿いに沢筋を歩くと、再び吊橋を渡ります。ここからしばらく左岸の山腹を進みますが、足場の細い箇所が多いので滑落注意です。 やがて対岸の支沢にかかる三十三尋の滝が現れます。西ノ又沢を飛び石伝いに右岸に渡り、左の斜面を登ると不動明王の石仏が祀られた最後の水場に出ます。 ここから胸突八丁と呼ばれるブナ林の急登が標高差400m余り続きます。やがて傾斜が緩くなるとクマのひるね坂で、少し登ると石祠がある御田の神に着きます。御田の神の湿原にはイワイチョウ・イワカガミ・ニッコウキスゲなどの高山植物が咲いています。沢の源頭の草原を登って行くと、日本有数のキヌガサソウの群生地があります。窓くぐりと言われる灌木のトンネルを抜ければ、神室山がようやく姿を現します。役内沢側が切れ落ちたヤセ尾根を登り、主稜線の西ノ又コース分岐は左折。小さな岩場を通過し、登り返すと全方位に展望が開けた神室山山頂です。南に小又山、火打岳へと続く主稜線が一望でき、東に虎毛山や高松岳、北西に鳥海山が望めます。西側に100mほど下ると避難小屋があります。 帰路は西ノ又コース分岐まで戻り、そこから前神室山まで縦走し、パノラマコースを下ります。栗駒国定公園のレリーフが岩場に埋め込まれた通称レリーフピークを過ぎ、1325mの八幡神ピークで有屋へ下る道を左に見送り、鞍部を過ぎて急坂を登り返すと水晶森への道が左に分岐します。直進して緩く登れば前神室山山頂に着きます。山頂からはミニ縦走してきた稜線と、神室山が一望できます。 前神室山からは北への眺望の広がる稜線を下ります。第三、第二、第一の各ピークには登り返しがあり、なかなか標高が下がって行きません。深いブナの森からしだいに支尾根の急坂を下るようになり、いっぷく平を過ぎるとスギ林に入ります。小沢を渡ればようやく登山口に戻れます。役内川流域の集落では神室山を「作の神」として信仰しています。三十三尋の滝は「水垢離場」で、御田の神の池塘は雨乞いの聖地です。池塘に石を投げ込み、神を怒らせて雨を降らせることを祈りました。また池塘に生えるカヤツリグサの成長の具合を見て稲の作柄を祈ったと言われています。山頂北側の御宝前には鏑山大神が祀られ、古来より山岳信仰の霊場として栄えていました。 役内集落から大役内林道に入り、鳥居の建つ西ノ又林道入口を右折して約2km進むと、駐車場のあるパノラマコース登山口に着きます。登りに使う西ノ又コースは直進し林道をさらに奥に進みます。30分ほどで登山道に変わり、すぐに吊橋を渡ります。右岸沿いに沢筋を歩くと、再び吊橋を渡ります。ここからしばらく左岸の山腹を進みますが、足場の細い箇所が多いので滑落注意です。 やがて対岸の支沢にかかる三十三尋の滝が現れます。西ノ又沢を飛び石伝いに右岸に渡り、左の斜面を登ると不動明王の石仏が祀られた最後の水場に出ます。 ここから胸突八丁と呼ばれるブナ林の急登が標高差400m余り続きます。やがて傾斜が緩くなるとクマのひるね坂で、少し登ると石祠がある御田の神に着きます。御田の神の湿原にはイワイチョウ・イワカガミ・ニッコウキスゲなどの高山植物が咲いています。沢の源頭の草原を登って行くと、日本有数のキヌガサソウの群生地があります。窓くぐりと言われる灌木のトンネルを抜ければ、神室山がようやく姿を現します。役内沢側が切れ落ちたヤセ尾根を登り、主稜線の西ノ又コース分岐は左折。小さな岩場を通過し、登り返すと全方位に展望が開けた神室山山頂です。南に小又山、火打岳へと続く主稜線が一望でき、東に虎毛山や高松岳、北西に鳥海山が望めます。西側に100mほど下ると避難小屋があります。 帰路は西ノ又コース分岐まで戻り、そこから前神室山まで縦走し、パノラマコースを下ります。栗駒国定公園のレリーフが岩場に埋め込まれた通称レリーフピークを過ぎ、1325mの八幡神ピークで有屋へ下る道を左に見送り、鞍部を過ぎて急坂を登り返すと水晶森への道が左に分岐します。直進して緩く登れば前神室山山頂に着きます。山頂からはミニ縦走してきた稜線と、神室山が一望できます。 前神室山からは北への眺望の広がる稜線を下ります。第三、第二、第一の各ピークには登り返しがあり、なかなか標高が下がって行きません。深いブナの森からしだいに支尾根の急坂を下るようになり、いっぷく平を過ぎるとスギ林に入ります。小沢を渡ればようやく登山口に戻れます。 -
薬師原から八森山へ
- 日帰り
- 7時間0分
- 9.9km
薬師原から八森山へ
- 日帰り
- 7時間0分
- 9.9km
神室連峰の南部主稜線縦走路は槍ヶ先からさらに烏帽子山、一杯森、杢蔵山へ続きますが、一杯森分岐から直進する支脈上に、丸く大きな山容で聳えているのが八森山です。 八森山はかつて山岳信仰の対象となっていた山で、日照りや長雨のときに、村人がこぞって八森山に参拝し、雨乞いや日和乞いを祈ったと伝えられています。西峰西側直下のキャラボクに囲まれて建つ石塔がかつての信仰の痕跡として残っています。 最上町の薬師原から刃場川の奥へ伸びる林道に入り、三叉路になったところに駐車スペースがあります。直進して荒れた林道を進むと、右手に目立たない登山口の標識が立っています。 小沢を飛び石で渡り、スギ林を右手方向に回り込めば、顕著な尾根にでます。地元の小学生が書いた可愛い合目表示に励まされながら登ると、まもなくブナ林に入ります。この先も急登の連続なのでゆっくり登って行きましょう。やがてさらに急な登りを経て新庄市と最上町の市町境尾根に出ます。尾根の直下は6月初旬までとても急な雪渓が残りますので、滑落に注意が必要です。 市町境尾根の西斜面は直下までブナが伐採され、チシマザサが繁茂しています。残されたブナの梢越しに杢蔵山が垣間見え、東側は切れ落ちて、東荒倉沢源頭部の草付きのスラブが一望できます。 ひと登りで三叉路に出ます。ここが地形図上の八森山山頂ですが、西へ展望の良い頂稜をたどって、宗教上の山頂である西峰を目指します。山頂標識と地元小学生の登山記念プレートが賑やかな西峰山頂は展望に優れ、月山や鳥海山が一望できます。 先の三叉路まで戻り、稜線を北上して槍ヶ先を目指します。この稜線は年によってササ藪が繁茂していることがあります。展望の素晴らしい広い稜線を進むと、一杯森分岐に着きます。ここを直進し、刃場川源頭部へスッパリと切れ落ちたヤセ尾根を通過します。ここは滑落の危険があるので慎重に通過しましょう。 烏帽子山の登りから辿ってきた稜線を振り返ると、険しいヤセ尾根の風景に「あんなところを歩いてきたのか。」と驚かされます。烏帽子山を下り、二重山稜のところを通過して、エチゴキジムシロやシラネアオイの花に励まされながら槍ヶ先へ急坂を登ります。 槍ヶ先から親倉見登山口への下りは有屋から神室山~火打岳を縦走して親倉見へ(コースガイド)を参照ください。なお677m峰の下の親倉見分岐を右折して薬師原に出るルートは通行禁止になりました。薬師原登山口へ戻る場合、親倉見登山口から車道を迂回してください。神室連峰の南部主稜線縦走路は槍ヶ先からさらに烏帽子山、一杯森、杢蔵山へ続きますが、一杯森分岐から直進する支脈上に、丸く大きな山容で聳えているのが八森山です。 八森山はかつて山岳信仰の対象となっていた山で、日照りや長雨のときに、村人がこぞって八森山に参拝し、雨乞いや日和乞いを祈ったと伝えられています。西峰西側直下のキャラボクに囲まれて建つ石塔がかつての信仰の痕跡として残っています。 最上町の薬師原から刃場川の奥へ伸びる林道に入り、三叉路になったところに駐車スペースがあります。直進して荒れた林道を進むと、右手に目立たない登山口の標識が立っています。 小沢を飛び石で渡り、スギ林を右手方向に回り込めば、顕著な尾根にでます。地元の小学生が書いた可愛い合目表示に励まされながら登ると、まもなくブナ林に入ります。この先も急登の連続なのでゆっくり登って行きましょう。やがてさらに急な登りを経て新庄市と最上町の市町境尾根に出ます。尾根の直下は6月初旬までとても急な雪渓が残りますので、滑落に注意が必要です。 市町境尾根の西斜面は直下までブナが伐採され、チシマザサが繁茂しています。残されたブナの梢越しに杢蔵山が垣間見え、東側は切れ落ちて、東荒倉沢源頭部の草付きのスラブが一望できます。 ひと登りで三叉路に出ます。ここが地形図上の八森山山頂ですが、西へ展望の良い頂稜をたどって、宗教上の山頂である西峰を目指します。山頂標識と地元小学生の登山記念プレートが賑やかな西峰山頂は展望に優れ、月山や鳥海山が一望できます。 先の三叉路まで戻り、稜線を北上して槍ヶ先を目指します。この稜線は年によってササ藪が繁茂していることがあります。展望の素晴らしい広い稜線を進むと、一杯森分岐に着きます。ここを直進し、刃場川源頭部へスッパリと切れ落ちたヤセ尾根を通過します。ここは滑落の危険があるので慎重に通過しましょう。 烏帽子山の登りから辿ってきた稜線を振り返ると、険しいヤセ尾根の風景に「あんなところを歩いてきたのか。」と驚かされます。烏帽子山を下り、二重山稜のところを通過して、エチゴキジムシロやシラネアオイの花に励まされながら槍ヶ先へ急坂を登ります。 槍ヶ先から親倉見登山口への下りは有屋から神室山~火打岳を縦走して親倉見へ(コースガイド)を参照ください。なお677m峰の下の親倉見分岐を右折して薬師原に出るルートは通行禁止になりました。薬師原登山口へ戻る場合、親倉見登山口から車道を迂回してください。 -
山屋から杢蔵山へ
- 日帰り
- 4時間40分
- 9km
山屋から杢蔵山へ
- 日帰り
- 4時間40分
- 9km
新庄市には葛麓(かつろく)という別名があります。杢蔵山は古くは木葛山(もくづやま)と呼ばれ、国土地理院が地図を作製するに当たり、読みから杢蔵山と漢字表記され(もくぞうさん)と呼ばれるようになったそうです。葛麓とは文字通り木葛山の麓の意味です。 杢蔵山は新庄市街地から見ると、どっしりと横に大きく広がった山容で聳えています。標高は1000m足らずの山ですが、山頂からの展望と、お花畑、そして綺麗な山小屋がコンパクトにまとまっていて、新庄市民の憩いの山になっています。 山屋登山口から一ノ滝コースに入ると、すぐに戸前川を渡り、スギの植林地を登っていきます。途中で渓流遊歩道が右に分岐しますが、廃道に近い状態なので入らないようにしましょう。大きくS字形に登ると、右に一ノ滝へ下る道が分かれますので立ち寄ってみましょう。一ノ滝は落差20mの滝で、手前にかわいいお顔の不動明王の石仏が安置されています。分岐まで戻り、少し登ると豊作と領内安全を祈願した不動明王の石塔が立っています 戸前川右岸の登山道周辺にはシナノキの大木が多く見られます。三ノ滝を登山道から見下ろし、少し登れば松倉沢出合に出ます。石飛びで対岸に渡り、右俣に沿って右岸の高みを進みます。途中、岩の間から湧き出る小さな水場があります。そこから急な七曲ノ坂と心臓破りノ坂を一気に登り、ブナが矮生林に変わると、前杢蔵の分岐に着きます。 分岐を左折しわずかな距離で「新庄自然に親しむ会」が管理する整理整頓がゆき届いた杢蔵山荘に着きます。薪ストーブもあり、小屋の外から眺める新庄市街地の夜景は一見の価値があります。 山荘からブナの樹林帯に入ると、金杢水の水場に着きます。そこから少しの登りで7月下旬にヤマルリトラノオの淡い水色の花が咲く風衝草原に出ます。振り返れば杢蔵山荘とテレビ塔が林立する三角山、そして月山と新庄市街地が一望できます。 稜線に出た途端、東側の眺望が一気に広がります。そこから右手が切れ落ちたヤセ尾根を北に5分たどれば杢蔵山山頂です。八森山や火打岳などの展望が開け、山座同定の楽しみはつきません。 帰路は杢蔵山荘から三角山を経て、テレビ塔保守用の悪路の林道を下ります。林道の道脇にはヤマルリトラノオやヤマユリ・ソバナなど山野草が多く咲いています。林道中間部に銀杢命水の水場があります。約1時間30分下れば山屋登山口に戻れます。新庄市には葛麓(かつろく)という別名があります。杢蔵山は古くは木葛山(もくづやま)と呼ばれ、国土地理院が地図を作製するに当たり、読みから杢蔵山と漢字表記され(もくぞうさん)と呼ばれるようになったそうです。葛麓とは文字通り木葛山の麓の意味です。 杢蔵山は新庄市街地から見ると、どっしりと横に大きく広がった山容で聳えています。標高は1000m足らずの山ですが、山頂からの展望と、お花畑、そして綺麗な山小屋がコンパクトにまとまっていて、新庄市民の憩いの山になっています。 山屋登山口から一ノ滝コースに入ると、すぐに戸前川を渡り、スギの植林地を登っていきます。途中で渓流遊歩道が右に分岐しますが、廃道に近い状態なので入らないようにしましょう。大きくS字形に登ると、右に一ノ滝へ下る道が分かれますので立ち寄ってみましょう。一ノ滝は落差20mの滝で、手前にかわいいお顔の不動明王の石仏が安置されています。分岐まで戻り、少し登ると豊作と領内安全を祈願した不動明王の石塔が立っています 戸前川右岸の登山道周辺にはシナノキの大木が多く見られます。三ノ滝を登山道から見下ろし、少し登れば松倉沢出合に出ます。石飛びで対岸に渡り、右俣に沿って右岸の高みを進みます。途中、岩の間から湧き出る小さな水場があります。そこから急な七曲ノ坂と心臓破りノ坂を一気に登り、ブナが矮生林に変わると、前杢蔵の分岐に着きます。 分岐を左折しわずかな距離で「新庄自然に親しむ会」が管理する整理整頓がゆき届いた杢蔵山荘に着きます。薪ストーブもあり、小屋の外から眺める新庄市街地の夜景は一見の価値があります。 山荘からブナの樹林帯に入ると、金杢水の水場に着きます。そこから少しの登りで7月下旬にヤマルリトラノオの淡い水色の花が咲く風衝草原に出ます。振り返れば杢蔵山荘とテレビ塔が林立する三角山、そして月山と新庄市街地が一望できます。 稜線に出た途端、東側の眺望が一気に広がります。そこから右手が切れ落ちたヤセ尾根を北に5分たどれば杢蔵山山頂です。八森山や火打岳などの展望が開け、山座同定の楽しみはつきません。 帰路は杢蔵山荘から三角山を経て、テレビ塔保守用の悪路の林道を下ります。林道の道脇にはヤマルリトラノオやヤマユリ・ソバナなど山野草が多く咲いています。林道中間部に銀杢命水の水場があります。約1時間30分下れば山屋登山口に戻れます。 -
泥湯から高松岳へ
- 日帰り
- 6時間35分
- 13km
泥湯から高松岳へ
- 日帰り
- 6時間35分
- 13km
高松岳の山名は山麓の高松郷に由来すると言われています。泥湯から高松岳に直接登る登山道はなく、一般的に小安岳から時計回りで泥湯三山を周回するコースが歩かれています。 泥湯温泉奥山旅館は2016年7月に火災で全焼しましたが、2019年の春に宿泊棟が再建され、かつての湯宿が復活しました。 泥湯温泉の駐車場から、秋ノ宮方面へ車道を歩くと、すぐ左手に高松岳登山口があります。高松川の堰堤を右下に見ながら急斜面を横切る箇所は、土が崩れ、足場が悪いので滑落に注意してください。スギ林を過ぎ、ブナの茂る道を登っていくと、もうもうと湯けむりが立ち昇る新湯跡に着きます。その先傾斜が増し、小尾根を登ると、しだいに尾根から離れて、ブナの原生林の中、延々と山腹を巻く道になります。この一帯は残雪があるとルートファインディングが非常に難しいところです。 やがて小安岳の西斜面を巻くようになり、崩壊地の急な斜面を登り水場に着きます。そこから少し登れば稜線上の小安岳分岐に出て、左へ10分で高松岳や山伏岳、栗駒山、焼石連峰の展望が素晴らしい小安岳山頂です。 分岐に戻り、直進してアップダウンの少ない稜線を進みます。右手に高松岳の量感ある山容が見え隠れしています。石神分岐は右へ。ここから西へ向きを変えて展望の良い稜線上にある2つの小ピークを越えると、まもなく木造2階建の避難小屋が建つ高松岳最高地点に着きます。この避難小屋は水場がないのが難点です。ここから南へ灌木帯の中を10分歩いた場所が山頂標識と石碑がある高松岳山頂で、南側が切れ落ち、虎毛山、栗駒山、神室連峰、鳥海山、月山など雄大な眺めが広がります。 再び避難小屋まで戻り、西へ伸びる広い尾根をたどって山伏岳を目指します。鞍部までの道は掘れてぬかるみになっている事もあります。夏場に高山植物の咲く1261mピークを越え、1時間ほどで山伏岳に着きます。南側眼下に険しい山容の屏風岳が見えます。 泥湯へは北東へ伸びる広い尾根を下ります。展望が開けた穏やかな傾斜の灌木帯の道は、やがてブナ林に入って行きます。秋にはナラタケなどキノコの収穫も期待できます。やがてカラマツ・スギの植林地を通り抜け、再びブナ林の道になると、泥湯から秋ノ宮に通じる、県道・こまち湯ったりロードまでは僅かな距離です。県道に出て右に少し行くと、川原毛地獄の荒涼とした白い火山地形が広がります。ここから2km県道を歩けば泥湯温泉に戻れます。なお高松岳の登山道は刈り払いが隔年で実施されるため、ヤブがかぶって歩き難いことがあります。高松岳の山名は山麓の高松郷に由来すると言われています。泥湯から高松岳に直接登る登山道はなく、一般的に小安岳から時計回りで泥湯三山を周回するコースが歩かれています。 泥湯温泉奥山旅館は2016年7月に火災で全焼しましたが、2019年の春に宿泊棟が再建され、かつての湯宿が復活しました。 泥湯温泉の駐車場から、秋ノ宮方面へ車道を歩くと、すぐ左手に高松岳登山口があります。高松川の堰堤を右下に見ながら急斜面を横切る箇所は、土が崩れ、足場が悪いので滑落に注意してください。スギ林を過ぎ、ブナの茂る道を登っていくと、もうもうと湯けむりが立ち昇る新湯跡に着きます。その先傾斜が増し、小尾根を登ると、しだいに尾根から離れて、ブナの原生林の中、延々と山腹を巻く道になります。この一帯は残雪があるとルートファインディングが非常に難しいところです。 やがて小安岳の西斜面を巻くようになり、崩壊地の急な斜面を登り水場に着きます。そこから少し登れば稜線上の小安岳分岐に出て、左へ10分で高松岳や山伏岳、栗駒山、焼石連峰の展望が素晴らしい小安岳山頂です。 分岐に戻り、直進してアップダウンの少ない稜線を進みます。右手に高松岳の量感ある山容が見え隠れしています。石神分岐は右へ。ここから西へ向きを変えて展望の良い稜線上にある2つの小ピークを越えると、まもなく木造2階建の避難小屋が建つ高松岳最高地点に着きます。この避難小屋は水場がないのが難点です。ここから南へ灌木帯の中を10分歩いた場所が山頂標識と石碑がある高松岳山頂で、南側が切れ落ち、虎毛山、栗駒山、神室連峰、鳥海山、月山など雄大な眺めが広がります。 再び避難小屋まで戻り、西へ伸びる広い尾根をたどって山伏岳を目指します。鞍部までの道は掘れてぬかるみになっている事もあります。夏場に高山植物の咲く1261mピークを越え、1時間ほどで山伏岳に着きます。南側眼下に険しい山容の屏風岳が見えます。 泥湯へは北東へ伸びる広い尾根を下ります。展望が開けた穏やかな傾斜の灌木帯の道は、やがてブナ林に入って行きます。秋にはナラタケなどキノコの収穫も期待できます。やがてカラマツ・スギの植林地を通り抜け、再びブナ林の道になると、泥湯から秋ノ宮に通じる、県道・こまち湯ったりロードまでは僅かな距離です。県道に出て右に少し行くと、川原毛地獄の荒涼とした白い火山地形が広がります。ここから2km県道を歩けば泥湯温泉に戻れます。なお高松岳の登山道は刈り払いが隔年で実施されるため、ヤブがかぶって歩き難いことがあります。 -
秋の宮温泉郷から虎毛山へ
- 日帰り
- 6時間5分
- 8.7km
秋の宮温泉郷から虎毛山へ
- 日帰り
- 6時間5分
- 8.7km
虎毛山の名は、幾つかの沢の縦縞模様が、虎の毛並のように見えることに由来しています。この山を特長づけるのは、山頂の南東側に広がる1haほどの、なだらかに傾斜した高層湿原です。湿原に散在する幾つかの池溏に栗駒山の秀麗な姿を映し出していて、「雲上のオアシス」と称されています。 国道108号役内大橋の1.5km北西にある虎毛山登山口の標識に従い、役内川沿いの舗装された林道を2km進むと旧登山口に着きます。この先の赤倉沢林道は2018年8月の集中豪雨で路肩が崩落し、復旧工事が行われています。現在の虎毛山登山口は旧登山口から1.8km上流部に移され、大きな駐車場も整備されました。なお登山口近くにトラの滴と呼ばれる水場があります。右手の枝沢上部が崩落し、堆積した岩石で登山道が寸断された場所は、水際を慎重に通過しましょう。登山口から歩き始めて40分で、赤倉沢の渡渉点に着きます。仮設された橋は2023年7月の豪雨で再び破壊され渡渉が必要です。橋の復旧時期は未定。 ここから主稜線の1234mのピークまで、一気に標高差600mに及ぶ本格的な登りが始まります。ブナとミズナラの混生林の中、要所に木段が設置された九十九折りの急坂を過ぎ、傾斜が緩くなるとヒノキアスナロの原生林が現れます。この先、再びブナの見事な森を登ると、高松岳への縦走コースが分岐する1234mのピークに飛び出します。この縦走路は2018年以降、刈り払いが行われておらず、ヤブが繁茂して通行できない状況です。 右へルートをとり、少し進めば眺望が開け、ドーム型の虎毛山が目の前に現れます。高松岳へ延々と続く稜線も一望できます。小さな鞍部を越し、左に曲がってブナ林から灌木帯の登りに変わります。ここで西側の展望が開け、鳥海山、神室連峰、月山が見えてきます。この一帯の秋の真っ赤な紅葉は見事です。やがて傾斜が徐々に緩み、避難小屋が見えたらまもなく虎毛山山頂です。 小屋の先に広がる高層湿原を散策しましょう。6月中旬から7月上旬にかけてヒナザクラ・ワタスゲ・チングルマなどが咲き誇り、秋にはオレンジ色の草紅葉が見事です。山上の楽園の素晴らしい景観を心ゆくまで楽しんだら往路を戻ります。なお虎毛山山頂避難小屋には水場はありません。虎毛山の名は、幾つかの沢の縦縞模様が、虎の毛並のように見えることに由来しています。この山を特長づけるのは、山頂の南東側に広がる1haほどの、なだらかに傾斜した高層湿原です。湿原に散在する幾つかの池溏に栗駒山の秀麗な姿を映し出していて、「雲上のオアシス」と称されています。 国道108号役内大橋の1.5km北西にある虎毛山登山口の標識に従い、役内川沿いの舗装された林道を2km進むと旧登山口に着きます。この先の赤倉沢林道は2018年8月の集中豪雨で路肩が崩落し、復旧工事が行われています。現在の虎毛山登山口は旧登山口から1.8km上流部に移され、大きな駐車場も整備されました。なお登山口近くにトラの滴と呼ばれる水場があります。右手の枝沢上部が崩落し、堆積した岩石で登山道が寸断された場所は、水際を慎重に通過しましょう。登山口から歩き始めて40分で、赤倉沢の渡渉点に着きます。仮設された橋は2023年7月の豪雨で再び破壊され渡渉が必要です。橋の復旧時期は未定。 ここから主稜線の1234mのピークまで、一気に標高差600mに及ぶ本格的な登りが始まります。ブナとミズナラの混生林の中、要所に木段が設置された九十九折りの急坂を過ぎ、傾斜が緩くなるとヒノキアスナロの原生林が現れます。この先、再びブナの見事な森を登ると、高松岳への縦走コースが分岐する1234mのピークに飛び出します。この縦走路は2018年以降、刈り払いが行われておらず、ヤブが繁茂して通行できない状況です。 右へルートをとり、少し進めば眺望が開け、ドーム型の虎毛山が目の前に現れます。高松岳へ延々と続く稜線も一望できます。小さな鞍部を越し、左に曲がってブナ林から灌木帯の登りに変わります。ここで西側の展望が開け、鳥海山、神室連峰、月山が見えてきます。この一帯の秋の真っ赤な紅葉は見事です。やがて傾斜が徐々に緩み、避難小屋が見えたらまもなく虎毛山山頂です。 小屋の先に広がる高層湿原を散策しましょう。6月中旬から7月上旬にかけてヒナザクラ・ワタスゲ・チングルマなどが咲き誇り、秋にはオレンジ色の草紅葉が見事です。山上の楽園の素晴らしい景観を心ゆくまで楽しんだら往路を戻ります。なお虎毛山山頂避難小屋には水場はありません。