【日帰り】の登山コースガイド

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検索結果851件中  761-780件
  • 望岳台から十勝岳、美瑛岳

    望岳台から十勝岳、美瑛岳

    観光地として賑わいを見せる望岳台が登山口となります。十勝連峰の山々が眼前に広がり、十勝岳は正面奥にちょこんと山頂を乗せ、美瑛岳はやや左手に尖った山容を見せています。十勝岳避難小屋までの道はいく度にもわたる火山活動によって形作られたもので、ザラザラした火山礫を踏んでいきます。 十勝岳避難小屋からは荒々しい岩の尾根をひたすら登り、スリバチ火口とグラウンド火口の狭間に出ます。この付近には噴煙を上げる火口が複数あり火山の活動を感じられます。植物も全くありません。左右に火口を見ながら正面の十勝岳に向かって進み、最後の急登に取り付き標高差250mほどを登ります。 十勝連峰最高峰の十勝岳山頂からは連なる山々がよく見えます。南西には富良野岳、北東には美瑛岳がそれぞれ主役を張り、その他の山々を従えています。山頂から美瑛岳に進むルートは見つけにくいのですが、美瑛岳に向かってやや右手に下りると黄色いペンキが見つかります。 最低鞍部までは火山灰・火山礫の上の踏み跡を進みます。視界不良時には迷いやすいので等間隔で打たれた杭をたどります。最低鞍部から美瑛岳に取りつくと、徐々に植物が現れ茶色い山肌に緑の面積が増えていきます。登り初めはイワブクロの大群落。標高を上げるとチングルマのお花畑。ともに7月にはお花畑を、9月には紅葉の絨毯を見せてくれます。足元のチングルマから遥か下ってウラジロナナカマド・ダケカンバまで色彩に富んだ斜面を見下ろせる紅葉は一見の価値ありです。山頂までの間にも高山植物が多く見られ、荒涼とした十勝岳との対比を感じられます。登山道が北向きから西向きに方角を変えると、岩を露出させた美瑛岳山頂が見えてきます。 美瑛岳も展望の良い山です。切れ落ちた火口壁の向こうに堂々たる十勝岳。振り返ると緩やかな尾根の先に三角錐のオプタテシケ山。背後には大雪山系の山々が広がっています。 美瑛岳から下っていくとハイマツやミヤマハンノキなどが背丈よりも高くなり、このコースで初めて木陰を感じられます。美瑛岳の最後の火山活動は1万年前に遡るため、植生の回復が進んできているのです。ここから一気に標高を下げるとポンピ沢に出合います。ここで大休憩を取るのも良いでしょう。 雲ノ平に向けて緩やかに登り返して、深く抉れた涸れ沢に出ます。7月上旬まで雪で埋まっていて高度差なく渡れますが、雪解け後はハシゴとロープを利用することになります。この周辺はウコンウツギとエゾコザクラが登山道を彩ります。 雲ノ平に至ると遠くに登山口の望岳台が見えます。十勝岳避難小屋の直下で登りのコースと合流し、再び火山礫を踏んで下ります。
    観光地として賑わいを見せる望岳台が登山口となります。十勝連峰の山々が眼前に広がり、十勝岳は正面奥にちょこんと山頂を乗せ、美瑛岳はやや左手に尖った山容を見せています。十勝岳避難小屋までの道はいく度にもわたる火山活動によって形作られたもので、ザラザラした火山礫を踏んでいきます。 十勝岳避難小屋からは荒々しい岩の尾根をひたすら登り、スリバチ火口とグラウンド火口の狭間に出ます。この付近には噴煙を上げる火口が複数あり火山の活動を感じられます。植物も全くありません。左右に火口を見ながら正面の十勝岳に向かって進み、最後の急登に取り付き標高差250mほどを登ります。 十勝連峰最高峰の十勝岳山頂からは連なる山々がよく見えます。南西には富良野岳、北東には美瑛岳がそれぞれ主役を張り、その他の山々を従えています。山頂から美瑛岳に進むルートは見つけにくいのですが、美瑛岳に向かってやや右手に下りると黄色いペンキが見つかります。 最低鞍部までは火山灰・火山礫の上の踏み跡を進みます。視界不良時には迷いやすいので等間隔で打たれた杭をたどります。最低鞍部から美瑛岳に取りつくと、徐々に植物が現れ茶色い山肌に緑の面積が増えていきます。登り初めはイワブクロの大群落。標高を上げるとチングルマのお花畑。ともに7月にはお花畑を、9月には紅葉の絨毯を見せてくれます。足元のチングルマから遥か下ってウラジロナナカマド・ダケカンバまで色彩に富んだ斜面を見下ろせる紅葉は一見の価値ありです。山頂までの間にも高山植物が多く見られ、荒涼とした十勝岳との対比を感じられます。登山道が北向きから西向きに方角を変えると、岩を露出させた美瑛岳山頂が見えてきます。 美瑛岳も展望の良い山です。切れ落ちた火口壁の向こうに堂々たる十勝岳。振り返ると緩やかな尾根の先に三角錐のオプタテシケ山。背後には大雪山系の山々が広がっています。 美瑛岳から下っていくとハイマツやミヤマハンノキなどが背丈よりも高くなり、このコースで初めて木陰を感じられます。美瑛岳の最後の火山活動は1万年前に遡るため、植生の回復が進んできているのです。ここから一気に標高を下げるとポンピ沢に出合います。ここで大休憩を取るのも良いでしょう。 雲ノ平に向けて緩やかに登り返して、深く抉れた涸れ沢に出ます。7月上旬まで雪で埋まっていて高度差なく渡れますが、雪解け後はハシゴとロープを利用することになります。この周辺はウコンウツギとエゾコザクラが登山道を彩ります。 雲ノ平に至ると遠くに登山口の望岳台が見えます。十勝岳避難小屋の直下で登りのコースと合流し、再び火山礫を踏んで下ります。
  • 十勝岳温泉から富良野岳、三峰山、上富良野岳

    十勝岳温泉から富良野岳、三峰山、上富良野岳

    十勝岳温泉からスタートします。登山道はヌッカクシ富良野川を右手に見下ろし安政火口に向かって始まります。川の水が涸れたあたりで対岸に渡り、化物岩の斜面に取りつき、ハイマツと岩のトラバースとなります。ここの岩場はナキウサギの声がよく聞こえてくるところです。尾根を乗越すと今まで隠れていた富良野岳が突然現れます。岩が積み重なる涸れ沢に上ホロ分岐があり、富良野岳と上富良野岳への道が分かれます。 ぬかるみやすい緩やかな下りは三峰山沢に続き、沢を渡ると三峰山の山腹に出ます。ここには階段がつけられており、もう一つ小さな沢を越えると富良野岳に向けて長いトラバースとなります。ハイマツとナナカマドが目立ちますが、ところどころでウコンウツギが群落を作り7月初旬には斜面を黄色に染めます。トラバースを終えると主稜線へやや急な登りが待っています。ハイマツの斜面を登り終えると富良野岳分岐です。この分岐は平らで広く景色も良いので多くの登山者が休憩するところです。 富良野岳へはここから往復します。ここまでもチングルマなどの高山植物が多く見られますが、本番はここから。土留め階段の斜面にはコマクサをはじめ多種の花が点在し、稜線に出ると斜面は一面のお花畑となります。チングルマ・エゾコザクラといったお馴染みの花から、大雪山系では珍しいコイワカガミも見られます。特にハクサンイチゲとチングルマは白い大群落を作り、その中に黄色いチシマキンバイソウが色を添えます。山頂直下にはこれも珍しいエゾルリソウがわずかに見られます。 富良野岳山頂は一等三角点が置かれるだけあり、素晴らしい展望が広がります。芦別岳・夕張岳が間近に迫り、見下ろすと原始ヶ原の湿原、十勝連峰は主峰十勝岳を中心に美瑛富士まで見え、遠く旭岳やニペソツ山まで望めます。 富良野岳分岐まで戻り三峰山に向かいます。名前通り3つの小ピークが連なり、小規模ではあるものの高山植物の群落が点在します。3つ目のピークを越え、緩い登りの先に上富良野岳があります。元は稜線上の名もない突端でしたが、上富良野町開基百年記念で命名され、地形図にもその名が記されるようになりました。地形図では漢字、山頂標識はひらがなでの表記となっています。 安政火口を右手に見ながら化物岩に向けて下っていきます。左手には富良野岳から三峰山が連なり、先ほど歩いた三峰山の3つの峰がはっきり見えます。尾根を外れると長い階段が始まり一気に100mほど標高を下げます。階段が終わり平坦になると徐々に岩が増え、登りに分かれた上ホロ分岐に出るので、十勝岳温泉へと下ります。
    十勝岳温泉からスタートします。登山道はヌッカクシ富良野川を右手に見下ろし安政火口に向かって始まります。川の水が涸れたあたりで対岸に渡り、化物岩の斜面に取りつき、ハイマツと岩のトラバースとなります。ここの岩場はナキウサギの声がよく聞こえてくるところです。尾根を乗越すと今まで隠れていた富良野岳が突然現れます。岩が積み重なる涸れ沢に上ホロ分岐があり、富良野岳と上富良野岳への道が分かれます。 ぬかるみやすい緩やかな下りは三峰山沢に続き、沢を渡ると三峰山の山腹に出ます。ここには階段がつけられており、もう一つ小さな沢を越えると富良野岳に向けて長いトラバースとなります。ハイマツとナナカマドが目立ちますが、ところどころでウコンウツギが群落を作り7月初旬には斜面を黄色に染めます。トラバースを終えると主稜線へやや急な登りが待っています。ハイマツの斜面を登り終えると富良野岳分岐です。この分岐は平らで広く景色も良いので多くの登山者が休憩するところです。 富良野岳へはここから往復します。ここまでもチングルマなどの高山植物が多く見られますが、本番はここから。土留め階段の斜面にはコマクサをはじめ多種の花が点在し、稜線に出ると斜面は一面のお花畑となります。チングルマ・エゾコザクラといったお馴染みの花から、大雪山系では珍しいコイワカガミも見られます。特にハクサンイチゲとチングルマは白い大群落を作り、その中に黄色いチシマキンバイソウが色を添えます。山頂直下にはこれも珍しいエゾルリソウがわずかに見られます。 富良野岳山頂は一等三角点が置かれるだけあり、素晴らしい展望が広がります。芦別岳・夕張岳が間近に迫り、見下ろすと原始ヶ原の湿原、十勝連峰は主峰十勝岳を中心に美瑛富士まで見え、遠く旭岳やニペソツ山まで望めます。 富良野岳分岐まで戻り三峰山に向かいます。名前通り3つの小ピークが連なり、小規模ではあるものの高山植物の群落が点在します。3つ目のピークを越え、緩い登りの先に上富良野岳があります。元は稜線上の名もない突端でしたが、上富良野町開基百年記念で命名され、地形図にもその名が記されるようになりました。地形図では漢字、山頂標識はひらがなでの表記となっています。 安政火口を右手に見ながら化物岩に向けて下っていきます。左手には富良野岳から三峰山が連なり、先ほど歩いた三峰山の3つの峰がはっきり見えます。尾根を外れると長い階段が始まり一気に100mほど標高を下げます。階段が終わり平坦になると徐々に岩が増え、登りに分かれた上ホロ分岐に出るので、十勝岳温泉へと下ります。
  • 天塩岳

    天塩岳

    天塩岳ヒュッテから旧道コースに入るとダケカンバの並木道が始まります。天塩川の源流に向って沢沿いに進み、右岸・左岸と何度か橋を渡ると新道コースとの分岐、旧道は直進です。ここを含めて全ての分岐にはわかりやすい標識が立てられています。 徐々に道が細くなり登山道らしくなってきます。再び右岸へ渡りしばらくすると前天塩コースが旧道コースから分かれます。旧道コースは6月中の雪渓が残る時期によく使われますが、登山道としてはあまり整備されていないため雪が消えた後は上級者向けです。 前天塩岳の山腹を横切りながら徐々に標高を上げます。右手の木々の間から対岸に見えるのは下りに歩く新道コースの尾根です。登山道は斜度を増していき最終的にほぼ直登になります。ハイマツが現れると視界が開け巻道との分岐です。右手に進むとピークを迂回することができますが、標高差70mほどしか変わらないので余裕があれば前天塩岳を目指すのがおすすめです。 前天塩岳までは岩が積み重なる急登ですが、前後左右に展望が広がるためさほど苦にはならないはず。山頂が近くなるとコマクサの出迎えを受け、さらに気持ちを高めてくれます。ただこれらは人為的に植えられたもので、関係機関による除去の取り組みがなされているところです。前天塩岳山頂からはこれから向かう天塩岳・西天塩岳と連なる稜線が間近に見えます。 天塩岳までは標高差200mほどを下ります。途中、右手から巻道が合流しすぐに鞍部。ここからは下った分をそのまま登り返すことになります。最後の急登を終えると廃道となった滝上コースとの分岐に出て、天塩岳はすぐ目の前です。天塩岳山頂からは全方位に展望が楽しめます。北西方向は西天塩岳と前天塩岳に包まれるように天塩川の源流部を見下ろせます。南を向くと、左から北大雪・東大雪・表大雪・十勝連峰と遠く近くに重なる山並みが大雪山系の雄大さを感じさせてくれます。 下山は新道コース。西天塩岳・円山に続く笹原の稜線に登山道の筋が緩やかに続きます。その先には三角屋根が特徴的な天塩岳避難小屋があります。ここに荷物を置き西天塩岳を目指しましょう。30分ほどで往復できます。西天塩岳の山頂からは前天塩岳と天塩岳が双子のように仲良く並ぶ姿を眺められます。岩塊斜面ではナキウサギの鳴き声が響き、運が良ければ姿を見ることもできます。 避難小屋から円山を経て標高1317mピークまでは展望の尾根歩きです。この辺りには珍しいエゾゴゼンタチバナが見られます。ダケカンバの大木が目立つようになると連絡道分岐です。連絡道を天塩川に向かって下り、再び旧道コースに出るとゴールは間近です。
    天塩岳ヒュッテから旧道コースに入るとダケカンバの並木道が始まります。天塩川の源流に向って沢沿いに進み、右岸・左岸と何度か橋を渡ると新道コースとの分岐、旧道は直進です。ここを含めて全ての分岐にはわかりやすい標識が立てられています。 徐々に道が細くなり登山道らしくなってきます。再び右岸へ渡りしばらくすると前天塩コースが旧道コースから分かれます。旧道コースは6月中の雪渓が残る時期によく使われますが、登山道としてはあまり整備されていないため雪が消えた後は上級者向けです。 前天塩岳の山腹を横切りながら徐々に標高を上げます。右手の木々の間から対岸に見えるのは下りに歩く新道コースの尾根です。登山道は斜度を増していき最終的にほぼ直登になります。ハイマツが現れると視界が開け巻道との分岐です。右手に進むとピークを迂回することができますが、標高差70mほどしか変わらないので余裕があれば前天塩岳を目指すのがおすすめです。 前天塩岳までは岩が積み重なる急登ですが、前後左右に展望が広がるためさほど苦にはならないはず。山頂が近くなるとコマクサの出迎えを受け、さらに気持ちを高めてくれます。ただこれらは人為的に植えられたもので、関係機関による除去の取り組みがなされているところです。前天塩岳山頂からはこれから向かう天塩岳・西天塩岳と連なる稜線が間近に見えます。 天塩岳までは標高差200mほどを下ります。途中、右手から巻道が合流しすぐに鞍部。ここからは下った分をそのまま登り返すことになります。最後の急登を終えると廃道となった滝上コースとの分岐に出て、天塩岳はすぐ目の前です。天塩岳山頂からは全方位に展望が楽しめます。北西方向は西天塩岳と前天塩岳に包まれるように天塩川の源流部を見下ろせます。南を向くと、左から北大雪・東大雪・表大雪・十勝連峰と遠く近くに重なる山並みが大雪山系の雄大さを感じさせてくれます。 下山は新道コース。西天塩岳・円山に続く笹原の稜線に登山道の筋が緩やかに続きます。その先には三角屋根が特徴的な天塩岳避難小屋があります。ここに荷物を置き西天塩岳を目指しましょう。30分ほどで往復できます。西天塩岳の山頂からは前天塩岳と天塩岳が双子のように仲良く並ぶ姿を眺められます。岩塊斜面ではナキウサギの鳴き声が響き、運が良ければ姿を見ることもできます。 避難小屋から円山を経て標高1317mピークまでは展望の尾根歩きです。この辺りには珍しいエゾゴゼンタチバナが見られます。ダケカンバの大木が目立つようになると連絡道分岐です。連絡道を天塩川に向かって下り、再び旧道コースに出るとゴールは間近です。
  • 芦別岳(新道コース)

    芦別岳(新道コース)

    芦別岳新道コースの登山口は国道237号沿いの山部集落から約3km、北海道としては珍しく人里に近い登山口となります。登山口の標高はわずか330mと低く、標高1726.1mの山頂まではその差1400mほどを登らなければなりません。これもまた北海道の山では屈指の数字です。 鹿による農作物被害防止のゲートをくぐり、長い登りが始まります。最初の急登を終えるとしばらくは穏やかな尾根歩きです。ここではまだ木漏れ日を浴びて森林浴を楽しむ余裕がありますが、「呻吟坂 序曲」なるいわくありげな標識を過ぎると雰囲気は一変、斜度が増します。急登を進むと今度は「呻吟坂 負けるな」の標識。まるで登山者の心境を見透かすかのようです。まだ続く急登の途中、見晴台に到着。笹を刈った間から山部集落と十勝連峰が見えます。さらに小1時間登って鶯谷に出ます。ユーフレ小屋への登山道を分ける地点であり、ちょっとした広場になっていて休憩には良い場所です。標高的にはようやく半分を越えたところ。 ここから尾根が細くなり、右手に切れ落ちた谷と向かいの夫婦岩が見えてきます。登山道の左右にダケカンバが立ち並び、疲れを癒してくれるようです。徐々に傾斜が緩くなり広いピークに出るとそこが半面山です。東方向に展望が利き十勝連峰が良く見えます。半面山を越えると、展望が開けます。芦別岳の山頂も見え、いよいよ本格的な登りが始まります。一度緩く下り、鞍部で熊の沼を横目に過ぎ、侵食の激しい登山道を九十九折に登ると雲峰山です。山頂標識はありませんが、ハイマツに囲まれたピークは芦別岳山頂部を望む絶好の展望台となっています。ここでもわずかに下り、最後の登りは標高差200mほど。高山植物が咲く草地の斜面に取り付き、急坂を登り切ると岩の露出する細長い芦別岳山頂に到着です。 ここからの展望は見事で、とても2000mに満たない山とは思えません。北に延びる稜線は富良野西岳まで続き、富良野盆地を挟んで間近に十勝連峰、その左後ろに旭岳も見えます。南東方向遠く、左右に続く山並みは日高山脈、南には夕張岳が存在感を示しています。北西には緑の絨毯の中に線を引く旧道コース登山道が目を惹きます。旧道コースを下ると、切れ落ちた岩壁からなる芦別岳の特徴的な山容が望めますが、かなり長い道のりとなるので足に自信のある方以外は新道コースを往復するのが無難です。
    芦別岳新道コースの登山口は国道237号沿いの山部集落から約3km、北海道としては珍しく人里に近い登山口となります。登山口の標高はわずか330mと低く、標高1726.1mの山頂まではその差1400mほどを登らなければなりません。これもまた北海道の山では屈指の数字です。 鹿による農作物被害防止のゲートをくぐり、長い登りが始まります。最初の急登を終えるとしばらくは穏やかな尾根歩きです。ここではまだ木漏れ日を浴びて森林浴を楽しむ余裕がありますが、「呻吟坂 序曲」なるいわくありげな標識を過ぎると雰囲気は一変、斜度が増します。急登を進むと今度は「呻吟坂 負けるな」の標識。まるで登山者の心境を見透かすかのようです。まだ続く急登の途中、見晴台に到着。笹を刈った間から山部集落と十勝連峰が見えます。さらに小1時間登って鶯谷に出ます。ユーフレ小屋への登山道を分ける地点であり、ちょっとした広場になっていて休憩には良い場所です。標高的にはようやく半分を越えたところ。 ここから尾根が細くなり、右手に切れ落ちた谷と向かいの夫婦岩が見えてきます。登山道の左右にダケカンバが立ち並び、疲れを癒してくれるようです。徐々に傾斜が緩くなり広いピークに出るとそこが半面山です。東方向に展望が利き十勝連峰が良く見えます。半面山を越えると、展望が開けます。芦別岳の山頂も見え、いよいよ本格的な登りが始まります。一度緩く下り、鞍部で熊の沼を横目に過ぎ、侵食の激しい登山道を九十九折に登ると雲峰山です。山頂標識はありませんが、ハイマツに囲まれたピークは芦別岳山頂部を望む絶好の展望台となっています。ここでもわずかに下り、最後の登りは標高差200mほど。高山植物が咲く草地の斜面に取り付き、急坂を登り切ると岩の露出する細長い芦別岳山頂に到着です。 ここからの展望は見事で、とても2000mに満たない山とは思えません。北に延びる稜線は富良野西岳まで続き、富良野盆地を挟んで間近に十勝連峰、その左後ろに旭岳も見えます。南東方向遠く、左右に続く山並みは日高山脈、南には夕張岳が存在感を示しています。北西には緑の絨毯の中に線を引く旧道コース登山道が目を惹きます。旧道コースを下ると、切れ落ちた岩壁からなる芦別岳の特徴的な山容が望めますが、かなり長い道のりとなるので足に自信のある方以外は新道コースを往復するのが無難です。
  • 夕張岳(冷水コース)

    夕張岳(冷水コース)

    道幅の狭い林道をゲートまで走り、登山口からスタートします。駐車スペースは狭いので早めに到着するのが良いでしょう。 夕張岳ヒュッテまで続く林道を進むとすぐに冷水コース分岐です。右に折れて進んでいくと登山道らしくなります。沢の音が聞こえる涼しげな林を緩やかに徐々に斜度を増しながら進みます。冷水の沢・前岳の沢と水場を二つ過ぎると傾斜が緩くなり、夕張岳ヒュッテから尾根筋を通ってきた馬の背コースと合流します。 再びやや急な登りとなりますが、登り終えるとそこはシラネアオイの大群落、石原平です。僅かに登って望岳台に至ると景色が開けます。休憩にちょうど良い場所です。望岳台の名の通り、目の前に滝ノ沢岳、背後に芦別岳が見えます。ここまで距離では半分しか歩いていないものの、標高差はすでに3分の2を登り終えています。 前岳を回り込むようにトラバースすると今まで隠れていた夕張岳が見えてきます。前岳湿原からガマ岩、ひょうたん池、1400m湿原と次々と見どころが現れます。ひょうたん池の先は高木がなくなり、いよいよ高山植物が登場します。小石がザラザラとした蛇紋岩崩壊地ではユウパリコザクラが見られます。すっきりと展望も開け、このあたりから見る夕張岳はコース中最も存在感があります。1400m湿原から始まる木道はシロウマアサツキやイワイチョウの群落の中を緩やかに歩きます。 釣鐘岩と熊ヶ峰の間に向かって急な坂をひと登りすると吹き通しです。6月下旬にはユウバリソウがそこここに咲き並びます。ここも蛇紋岩からなる場所で、周りと比べて明らかに植生が異なるのが見てとれます。蛇紋岩は植物の生育に適さない厳しい環境をつくるため、そこで生きられるよう植物が変化し固有種が多くなるのだそうです。ユウパリコザクラもユウバリソウも夕張岳の蛇紋岩地でしか見られない固有種です。山頂まで最後の登りに取り掛かる前にその姿をじっくり眺めていきましょう。 金山コース分岐を過ぎると最後の急登が待っています。登り終えて山頂かと思えば、夕張岳山頂神社のお宮が建つ小凹地。本当の山頂はお宮の後ろに見えています。夕張岳山頂はあまり広くないものの360度の展望が得られます。夕張山地の芦別岳はもちろん、十勝岳を中心に十勝連峰、一列後ろに旭岳、ニペソツ山からウペペサンケ山と大雪山系もよく見えます。方角を変えると幌尻岳を盟主とする北日高の山々、太平洋と接して樽前山・恵庭岳など、札幌周辺の低山を眺められるのが新鮮です。運が良ければ羊蹄山も見えるでしょう。帰りは往路を戻ります。
    道幅の狭い林道をゲートまで走り、登山口からスタートします。駐車スペースは狭いので早めに到着するのが良いでしょう。 夕張岳ヒュッテまで続く林道を進むとすぐに冷水コース分岐です。右に折れて進んでいくと登山道らしくなります。沢の音が聞こえる涼しげな林を緩やかに徐々に斜度を増しながら進みます。冷水の沢・前岳の沢と水場を二つ過ぎると傾斜が緩くなり、夕張岳ヒュッテから尾根筋を通ってきた馬の背コースと合流します。 再びやや急な登りとなりますが、登り終えるとそこはシラネアオイの大群落、石原平です。僅かに登って望岳台に至ると景色が開けます。休憩にちょうど良い場所です。望岳台の名の通り、目の前に滝ノ沢岳、背後に芦別岳が見えます。ここまで距離では半分しか歩いていないものの、標高差はすでに3分の2を登り終えています。 前岳を回り込むようにトラバースすると今まで隠れていた夕張岳が見えてきます。前岳湿原からガマ岩、ひょうたん池、1400m湿原と次々と見どころが現れます。ひょうたん池の先は高木がなくなり、いよいよ高山植物が登場します。小石がザラザラとした蛇紋岩崩壊地ではユウパリコザクラが見られます。すっきりと展望も開け、このあたりから見る夕張岳はコース中最も存在感があります。1400m湿原から始まる木道はシロウマアサツキやイワイチョウの群落の中を緩やかに歩きます。 釣鐘岩と熊ヶ峰の間に向かって急な坂をひと登りすると吹き通しです。6月下旬にはユウバリソウがそこここに咲き並びます。ここも蛇紋岩からなる場所で、周りと比べて明らかに植生が異なるのが見てとれます。蛇紋岩は植物の生育に適さない厳しい環境をつくるため、そこで生きられるよう植物が変化し固有種が多くなるのだそうです。ユウパリコザクラもユウバリソウも夕張岳の蛇紋岩地でしか見られない固有種です。山頂まで最後の登りに取り掛かる前にその姿をじっくり眺めていきましょう。 金山コース分岐を過ぎると最後の急登が待っています。登り終えて山頂かと思えば、夕張岳山頂神社のお宮が建つ小凹地。本当の山頂はお宮の後ろに見えています。夕張岳山頂はあまり広くないものの360度の展望が得られます。夕張山地の芦別岳はもちろん、十勝岳を中心に十勝連峰、一列後ろに旭岳、ニペソツ山からウペペサンケ山と大雪山系もよく見えます。方角を変えると幌尻岳を盟主とする北日高の山々、太平洋と接して樽前山・恵庭岳など、札幌周辺の低山を眺められるのが新鮮です。運が良ければ羊蹄山も見えるでしょう。帰りは往路を戻ります。
  • 神威岳

    神威岳

    神威岳は日高山脈南部に位置する標高1,600mの山です。アイヌ語で神の山を意味する「カムイ・ヌプリ」が由来します。ソエマツ岳、ピリカヌプリと合わせて南日高三山と呼ばれていますが、夏道登山道があるのは神威岳のみです。 神威山荘より沢靴にて出発します。すぐにニシュオマナイ川を渡渉し、しばらくは林道跡を進みます。林道終点から沢沿いの踏み跡をたどり、渡渉を繰り返し進みます。増水時は渡渉困難で過去に事故もあるので天候には注意が必要です。中ノ岳の沢にも入らないように慎重に進んでいきましょう。 標高710m地点を越えたら登山靴に履き替え、急登の登山道を一気に標高を上げていきます。次第にハイマツ帯に様相が変わり、登山道を進んでいくと神威岳山頂です。帰りは往路を戻ります。
    神威岳は日高山脈南部に位置する標高1,600mの山です。アイヌ語で神の山を意味する「カムイ・ヌプリ」が由来します。ソエマツ岳、ピリカヌプリと合わせて南日高三山と呼ばれていますが、夏道登山道があるのは神威岳のみです。 神威山荘より沢靴にて出発します。すぐにニシュオマナイ川を渡渉し、しばらくは林道跡を進みます。林道終点から沢沿いの踏み跡をたどり、渡渉を繰り返し進みます。増水時は渡渉困難で過去に事故もあるので天候には注意が必要です。中ノ岳の沢にも入らないように慎重に進んでいきましょう。 標高710m地点を越えたら登山靴に履き替え、急登の登山道を一気に標高を上げていきます。次第にハイマツ帯に様相が変わり、登山道を進んでいくと神威岳山頂です。帰りは往路を戻ります。
  • 馬返し登山口から岩手山へ

    馬返し登山口から岩手山へ

    名峰岩手山の表口と言える代表的なコースで、馬返し登山口(柳沢コース)には100台以上駐車可能な無料の大きな駐車場が三つ、トイレが二つ、鬼又清水という水場、キャンプ場があります。 駐車場から少し上がった広場の案内板から登山道に入ります。ミズナラなどの森に道が続き、やがて大きな一本ブナの立つ0.5合目に着きます。ここで道は二つに分かれ、どちらも一合目で合流します。左は展望のある細い道、右は森の中の広い道です。一合目広場を過ぎると展望の広がる二合目。また森に入り2.5合目。ここから新道と旧道に分かれ七合目で合流します。新道は樹林の道、旧道は展望の道です。三合目、四合目、五合目に100mほどの連絡路があり行き来できます。四合目まで新道を行き、四合目から旧道に出て花と展望を楽しみながら登るのがお勧めです。ただし、足場の悪い岩場、砂礫の崩壊地、割れた大岩などがありますので、よく周囲を観察し白いペンキ印に従い、ルートを外れないようにしましょう。特に視界不良時は要注意です。鉾立(七合目)で道は平坦になり間もなく八合目避難小屋に着きます。小屋前の広場にはベンチ、御成清水の水場、トイレがあり多くの登山者が休憩しています。 小屋から九合目不動平を経て、外輪山へ向かいます。砂礫の道になり途中二又に分かれますが、登りやすい右を行きましょう。外輪に立つと景色が一変、荒々しい火口と火口丘の向こうに山頂の薬師岳が見えます。ここは左へ時計回りに山頂薬師岳を目指します。焼走りへの分岐を直進すると間もなく山頂(薬師岳)です。岩手県最高峰からは360度のパノラマが広がっています。 下りは外輪を焼走りコースの道標まで戻り右へ折れます。砂礫帯を下るとトイレのある平笠不動避難小屋です。ここから斜面を巻くように樹林帯へ。三十六童子の祠を過ぎると道はやや緩やかになり、やがて上坊コースとの分岐のツルハシ分れに着きます。ここを直進するとわずかで、7月には大コマクサ群落となる砂礫帯に出ます。このコマクサ群落はその数、株の大きさが日本一とも言われ一見の価値があります。コマクサ群落を過ぎると第1噴出口跡を経て、最後の休憩地に最適な第2噴出口跡。第2噴出口跡からは江戸時代中期に流れ出たと言われれる熔岩流が眼下に扇状になって見えます。熔岩流の端に沿って下り、やがて緩やかになると焼走り登山口に出ます。広い駐車場、トイレがあります。日帰り温泉焼走りの湯もあり、登山の疲れを癒すのも良いでしょう。
    名峰岩手山の表口と言える代表的なコースで、馬返し登山口(柳沢コース)には100台以上駐車可能な無料の大きな駐車場が三つ、トイレが二つ、鬼又清水という水場、キャンプ場があります。 駐車場から少し上がった広場の案内板から登山道に入ります。ミズナラなどの森に道が続き、やがて大きな一本ブナの立つ0.5合目に着きます。ここで道は二つに分かれ、どちらも一合目で合流します。左は展望のある細い道、右は森の中の広い道です。一合目広場を過ぎると展望の広がる二合目。また森に入り2.5合目。ここから新道と旧道に分かれ七合目で合流します。新道は樹林の道、旧道は展望の道です。三合目、四合目、五合目に100mほどの連絡路があり行き来できます。四合目まで新道を行き、四合目から旧道に出て花と展望を楽しみながら登るのがお勧めです。ただし、足場の悪い岩場、砂礫の崩壊地、割れた大岩などがありますので、よく周囲を観察し白いペンキ印に従い、ルートを外れないようにしましょう。特に視界不良時は要注意です。鉾立(七合目)で道は平坦になり間もなく八合目避難小屋に着きます。小屋前の広場にはベンチ、御成清水の水場、トイレがあり多くの登山者が休憩しています。 小屋から九合目不動平を経て、外輪山へ向かいます。砂礫の道になり途中二又に分かれますが、登りやすい右を行きましょう。外輪に立つと景色が一変、荒々しい火口と火口丘の向こうに山頂の薬師岳が見えます。ここは左へ時計回りに山頂薬師岳を目指します。焼走りへの分岐を直進すると間もなく山頂(薬師岳)です。岩手県最高峰からは360度のパノラマが広がっています。 下りは外輪を焼走りコースの道標まで戻り右へ折れます。砂礫帯を下るとトイレのある平笠不動避難小屋です。ここから斜面を巻くように樹林帯へ。三十六童子の祠を過ぎると道はやや緩やかになり、やがて上坊コースとの分岐のツルハシ分れに着きます。ここを直進するとわずかで、7月には大コマクサ群落となる砂礫帯に出ます。このコマクサ群落はその数、株の大きさが日本一とも言われ一見の価値があります。コマクサ群落を過ぎると第1噴出口跡を経て、最後の休憩地に最適な第2噴出口跡。第2噴出口跡からは江戸時代中期に流れ出たと言われれる熔岩流が眼下に扇状になって見えます。熔岩流の端に沿って下り、やがて緩やかになると焼走り登山口に出ます。広い駐車場、トイレがあります。日帰り温泉焼走りの湯もあり、登山の疲れを癒すのも良いでしょう。
  • 安比高原スキー場から八幡平へ

    安比高原スキー場から八幡平へ

    安比リゾートセンターからセントラルゲレンデに出ると左手に安比ゴンドラ乗り場があります。ゴンドラ(運行期間等はお問合せください)に乗って約15分、標高1300mのゴンドラ山頂駅に着きます。散策路山頂パノラマコースの階段を登ると前森山頂上です。広い山頂には展望デッキがあり、岩手山と裏岩手連峰、これから歩く山なみが一望できます。ここから西森山、屋棟岳、大黒森、恵比須森、そして茶臼岳へとアップダウンの尾根歩きが始まります。 散策路は東へ下りゴンドラへ周回しますが、登山道は西へ下って行きます。下り切るとブナの巨木が立つ三本ぶな分岐。ここへは、ゴンドラが運行されていない日はリゾートセンターからやまばとコースを歩いて登って来ることもできます。この分岐を直進し、急な広葉樹の森を登り返すとまた分岐で、右へ折れわずかで西森山です。前森山方面に展望があります。分岐へ戻り右へ折れ、しばらく行くとまた分岐で中のまきばからの道と合流します。左へ進み、オオシラビソの中の道を小さくアップダウンしながら行きます。展望はありません。道が狭くなり灌木の中を行くと分岐になり、左へわずかで屋棟岳。北に少し展望があります。分岐へ戻って左へ進み、時おり岩手山を左に見て登り返すと大黒森です。広い道に出たら右折し、まっすぐな道を登って行くと、やがて恵比須森を経て赤川登山口からの茶臼岳コースとぶつかります。左へ折れしばらく登ると茶臼山荘に出ます。 山荘から約5分で八幡平三大展望所の一つ茶臼岳。岩手山と裏岩手連峰が一望できます。山荘に戻って左へ緩やかに下り黒谷地湿原へ。黒谷地バス停方向へ少し行くと熊ノ泉です。往復して水を補給するのも良いでしょう。掘れた道を緩やかに登って行き、安比岳コースとの分岐を直進しお花畑を巻くと道は平たんになり間もなく右に一段高く源太森です。三大展望地の一つで、オオシラビソに囲まれた湿原や八幡沼、北には八甲田連峰も見えます。登山道へ戻り、木道を進むと広々とした湿原が広がります。八幡沼周回路の分岐を右折し、湿原の中の木道をのんびり歩きましょう。やがて左に避難小屋陵雲荘を見て、道は石畳になり少し登ると展望デッキ。岩手山、オオシラビソの森、八幡沼が一望です。道標に従いガマ沼を左に見て石畳をわずかで八幡平山頂です。 蒸ノ湯への道には進まず、道標に従ってめがね沼、鏡沼を左に見て石畳を下ると八幡平アスピーテラインの岩手秋田県境、八幡平登山口です。
    安比リゾートセンターからセントラルゲレンデに出ると左手に安比ゴンドラ乗り場があります。ゴンドラ(運行期間等はお問合せください)に乗って約15分、標高1300mのゴンドラ山頂駅に着きます。散策路山頂パノラマコースの階段を登ると前森山頂上です。広い山頂には展望デッキがあり、岩手山と裏岩手連峰、これから歩く山なみが一望できます。ここから西森山、屋棟岳、大黒森、恵比須森、そして茶臼岳へとアップダウンの尾根歩きが始まります。 散策路は東へ下りゴンドラへ周回しますが、登山道は西へ下って行きます。下り切るとブナの巨木が立つ三本ぶな分岐。ここへは、ゴンドラが運行されていない日はリゾートセンターからやまばとコースを歩いて登って来ることもできます。この分岐を直進し、急な広葉樹の森を登り返すとまた分岐で、右へ折れわずかで西森山です。前森山方面に展望があります。分岐へ戻り右へ折れ、しばらく行くとまた分岐で中のまきばからの道と合流します。左へ進み、オオシラビソの中の道を小さくアップダウンしながら行きます。展望はありません。道が狭くなり灌木の中を行くと分岐になり、左へわずかで屋棟岳。北に少し展望があります。分岐へ戻って左へ進み、時おり岩手山を左に見て登り返すと大黒森です。広い道に出たら右折し、まっすぐな道を登って行くと、やがて恵比須森を経て赤川登山口からの茶臼岳コースとぶつかります。左へ折れしばらく登ると茶臼山荘に出ます。 山荘から約5分で八幡平三大展望所の一つ茶臼岳。岩手山と裏岩手連峰が一望できます。山荘に戻って左へ緩やかに下り黒谷地湿原へ。黒谷地バス停方向へ少し行くと熊ノ泉です。往復して水を補給するのも良いでしょう。掘れた道を緩やかに登って行き、安比岳コースとの分岐を直進しお花畑を巻くと道は平たんになり間もなく右に一段高く源太森です。三大展望地の一つで、オオシラビソに囲まれた湿原や八幡沼、北には八甲田連峰も見えます。登山道へ戻り、木道を進むと広々とした湿原が広がります。八幡沼周回路の分岐を右折し、湿原の中の木道をのんびり歩きましょう。やがて左に避難小屋陵雲荘を見て、道は石畳になり少し登ると展望デッキ。岩手山、オオシラビソの森、八幡沼が一望です。道標に従いガマ沼を左に見て石畳をわずかで八幡平山頂です。 蒸ノ湯への道には進まず、道標に従ってめがね沼、鏡沼を左に見て石畳を下ると八幡平アスピーテラインの岩手秋田県境、八幡平登山口です。
  • 後生掛温泉から玉川温泉へ秋田焼山を縦走

    後生掛温泉から玉川温泉へ秋田焼山を縦走

    登山口となる後生掛温泉へは秋田側から路線バスかタクシーで入ります。マイカーなら岩手県側から八幡平アスピーテラインを利用します。 バス停横の斜面を下り、小さな看板に従って小沢にかかる丸太橋を渡ったら左へ折れ、後生掛温泉に沿うように進みます。やがてブナの森へ入り、木道が敷かれた緩やかな道になります。徐々に傾斜が増し、後生掛温泉と毛せん峠の中間を示す道標を過ぎるとやがて平坦になり国見台です。北東には後生掛温泉の湯けむりが見えます。オオシラビソの平らな道を行き、一旦下って道を登り返して行くと、突然視界が開け毛せん峠に出ます。夏は一面イソツツジの群落です。広場になっていて木製のベンチもあります。ベンチの後方へ少し登ると栂森山頂です。毛せん峠から狭いやや荒れた道を下り、1354mピークを巻くように登り返してまた少し下ると、後生掛温泉と玉川温泉の中間地点を示す道標があります。さらに下るとやがて小さな湿地帯に出て焼山避難小屋に到着です。小屋の脇の急な登りを越えると奇岩の連なる鬼ヶ城で、南側を巻くように行くと荒涼とした景色になり、右に噴気の上がる火口湖湯沼、左には山頂部北斜面の岩壁が立ち上がっています。風向きによって火山性ガスが流れてくることもあり、注意が必要です。6月、この岩壁と登山道の両側が一面のイワカガミの群落となり、荒地に咲くピンクの花が可憐です。ガレた道を登ると名残峠。湯沼が眼下に、西には森吉山と目指す玉川温泉も見えます。湯沼を背に滑りやすい道をひと登りすると玉川温泉分岐。分岐を左に進むとわずかで焼山頂上です。ササに覆われ展望はありません。 玉川温泉分岐まで戻り左へ進みます。道はヤブ状の急な下りになり、足場も悪く注意が必要です。急坂が終わると視界が開け、目の前に名残峠へ続く灰色の山肌が飛び込んできます。階段状の道が左へ続き、やがてオオシラビソの森へ入って行きます。倒木、洗掘など足場が悪いので慎重に下りましょう。徐々に傾斜が緩み、植生がブナに変わって行きます。秋の紅葉は見事で、まるで黄色い光のシャワーを浴びて歩くような感覚を覚えます。広場のようになっている水場を過ぎると、硫黄のにおいがしてきて玉川温泉が近いことを知らせてくれます。九十九折れの長い階段が終わると登山口で、至る所から噴煙が上がる玉川温泉園地自然研究路に出ます。左右どちらを行ってもよいですが、ここは大地獄と呼ばれる方へ。98℃の熱湯が噴出する大噴のすぐ横を通りながら行くと玉川温泉に到着です。
    登山口となる後生掛温泉へは秋田側から路線バスかタクシーで入ります。マイカーなら岩手県側から八幡平アスピーテラインを利用します。 バス停横の斜面を下り、小さな看板に従って小沢にかかる丸太橋を渡ったら左へ折れ、後生掛温泉に沿うように進みます。やがてブナの森へ入り、木道が敷かれた緩やかな道になります。徐々に傾斜が増し、後生掛温泉と毛せん峠の中間を示す道標を過ぎるとやがて平坦になり国見台です。北東には後生掛温泉の湯けむりが見えます。オオシラビソの平らな道を行き、一旦下って道を登り返して行くと、突然視界が開け毛せん峠に出ます。夏は一面イソツツジの群落です。広場になっていて木製のベンチもあります。ベンチの後方へ少し登ると栂森山頂です。毛せん峠から狭いやや荒れた道を下り、1354mピークを巻くように登り返してまた少し下ると、後生掛温泉と玉川温泉の中間地点を示す道標があります。さらに下るとやがて小さな湿地帯に出て焼山避難小屋に到着です。小屋の脇の急な登りを越えると奇岩の連なる鬼ヶ城で、南側を巻くように行くと荒涼とした景色になり、右に噴気の上がる火口湖湯沼、左には山頂部北斜面の岩壁が立ち上がっています。風向きによって火山性ガスが流れてくることもあり、注意が必要です。6月、この岩壁と登山道の両側が一面のイワカガミの群落となり、荒地に咲くピンクの花が可憐です。ガレた道を登ると名残峠。湯沼が眼下に、西には森吉山と目指す玉川温泉も見えます。湯沼を背に滑りやすい道をひと登りすると玉川温泉分岐。分岐を左に進むとわずかで焼山頂上です。ササに覆われ展望はありません。 玉川温泉分岐まで戻り左へ進みます。道はヤブ状の急な下りになり、足場も悪く注意が必要です。急坂が終わると視界が開け、目の前に名残峠へ続く灰色の山肌が飛び込んできます。階段状の道が左へ続き、やがてオオシラビソの森へ入って行きます。倒木、洗掘など足場が悪いので慎重に下りましょう。徐々に傾斜が緩み、植生がブナに変わって行きます。秋の紅葉は見事で、まるで黄色い光のシャワーを浴びて歩くような感覚を覚えます。広場のようになっている水場を過ぎると、硫黄のにおいがしてきて玉川温泉が近いことを知らせてくれます。九十九折れの長い階段が終わると登山口で、至る所から噴煙が上がる玉川温泉園地自然研究路に出ます。左右どちらを行ってもよいですが、ここは大地獄と呼ばれる方へ。98℃の熱湯が噴出する大噴のすぐ横を通りながら行くと玉川温泉に到着です。
  • 秋田駒ヶ岳八合目から最高峰の男女岳へ

    秋田駒ヶ岳八合目から最高峰の男女岳へ

    駒ヶ岳八合目まで登山シーズン中は車両規制があり、シャトルバスが運行されます。運行日、時間を確認して利用しましょう。八合目小屋のホワイトボードで花の情報などを確認し、トイレを済ませて歩き始めます。 水場の右の案内板の前が登山口です。すぐに焼森への分岐、少し登って浄土平への分岐ですがいずれも直進します。段差の続く右側が切れ落ちた細い道を、山を巻くように登ると田沢湖の見える広場、片倉岳展望台です。なおも男女岳を巻くように溶岩の露出した道を進み、木道になると阿弥陀池に出ます。左は男女岳、右は馬の背に挟まれた池で夏は木道の両側に様々な高山植物が咲き乱れます。池を回るように木道がありますが、ここは反時計回りに進みます。回り込むと木のベンチ、避難小屋、トイレがあります。 一休みしたら目の前にある本峰男女岳を目指しましょう。丸石が敷き詰められた道を行くと間もなく階段になります。段差が大きなところもありますのでゆっくり行きましょう。ひと登りで広場になった男女岳山頂です。男岳、馬の背、横岳、焼森はもちろん、岩手山や乳頭山、森吉山、田沢湖など全方位の展望が広がります。 阿弥陀池へ戻って木道を反時計回りに進み、男岳と馬の背の鞍部に登ります。ここは十字路交差点、直進して急斜面を下ればムーミン谷、左は馬の背、ここは右の男岳へ。溶岩の露出した段差の登りが続きます。左側が切れ落ちている箇所もあり、つまずき転倒注意です。高度感が増し尾根が平らになると間もなく鳥居と祠のある男岳頂上です。眼下に金十郎長嶺やムーミン谷、遠く鳥海山や岩手山、和賀山塊など眺望抜群です。 足元に注意し馬の背の鞍部に戻ります。馬の背は両側が切れ落ちた高度感のある足場の悪い狭い尾根で、大きな岩をよじ登る箇所もあり注意が必要です。道が平たんになると阿弥陀池からの道と合流し、間もなく灌木に囲まれた木のベンチがある横岳です。ここは三差路、左折して焼森へ下ります。右は国見温泉への道です。灌木を抜けると夏はコマクサの群落が現れる火山砂礫地帯に出てすぐにケルンのある焼森です。左に男女岳、左後方を振り返ると男岳や馬の背、阿弥陀池避難小屋が見上げる高さになっています。前方には笊森山や乳頭山へ続くたおやかな山なみ、そして遠く岩手山や八幡平、森吉山などを見渡す広々とした景色が広がっています。 砂礫の斜面を下ると三差路で、右は笊森山へ続く縦走路。ここは左折で八合目を目指します。焼森を少し巻くように進んで足場の悪い階段状の急な道を下り、小沢を渡って登り返します。尾根に続く灌木帯の中の狭い道を下って行くと駒ヶ岳八合目に出ます。
    駒ヶ岳八合目まで登山シーズン中は車両規制があり、シャトルバスが運行されます。運行日、時間を確認して利用しましょう。八合目小屋のホワイトボードで花の情報などを確認し、トイレを済ませて歩き始めます。 水場の右の案内板の前が登山口です。すぐに焼森への分岐、少し登って浄土平への分岐ですがいずれも直進します。段差の続く右側が切れ落ちた細い道を、山を巻くように登ると田沢湖の見える広場、片倉岳展望台です。なおも男女岳を巻くように溶岩の露出した道を進み、木道になると阿弥陀池に出ます。左は男女岳、右は馬の背に挟まれた池で夏は木道の両側に様々な高山植物が咲き乱れます。池を回るように木道がありますが、ここは反時計回りに進みます。回り込むと木のベンチ、避難小屋、トイレがあります。 一休みしたら目の前にある本峰男女岳を目指しましょう。丸石が敷き詰められた道を行くと間もなく階段になります。段差が大きなところもありますのでゆっくり行きましょう。ひと登りで広場になった男女岳山頂です。男岳、馬の背、横岳、焼森はもちろん、岩手山や乳頭山、森吉山、田沢湖など全方位の展望が広がります。 阿弥陀池へ戻って木道を反時計回りに進み、男岳と馬の背の鞍部に登ります。ここは十字路交差点、直進して急斜面を下ればムーミン谷、左は馬の背、ここは右の男岳へ。溶岩の露出した段差の登りが続きます。左側が切れ落ちている箇所もあり、つまずき転倒注意です。高度感が増し尾根が平らになると間もなく鳥居と祠のある男岳頂上です。眼下に金十郎長嶺やムーミン谷、遠く鳥海山や岩手山、和賀山塊など眺望抜群です。 足元に注意し馬の背の鞍部に戻ります。馬の背は両側が切れ落ちた高度感のある足場の悪い狭い尾根で、大きな岩をよじ登る箇所もあり注意が必要です。道が平たんになると阿弥陀池からの道と合流し、間もなく灌木に囲まれた木のベンチがある横岳です。ここは三差路、左折して焼森へ下ります。右は国見温泉への道です。灌木を抜けると夏はコマクサの群落が現れる火山砂礫地帯に出てすぐにケルンのある焼森です。左に男女岳、左後方を振り返ると男岳や馬の背、阿弥陀池避難小屋が見上げる高さになっています。前方には笊森山や乳頭山へ続くたおやかな山なみ、そして遠く岩手山や八幡平、森吉山などを見渡す広々とした景色が広がっています。 砂礫の斜面を下ると三差路で、右は笊森山へ続く縦走路。ここは左折で八合目を目指します。焼森を少し巻くように進んで足場の悪い階段状の急な道を下り、小沢を渡って登り返します。尾根に続く灌木帯の中の狭い道を下って行くと駒ヶ岳八合目に出ます。
  • 金十郎長根を登り地熱湧く溶岩の山、女岳へ

    金十郎長根を登り地熱湧く溶岩の山、女岳へ

    国見温泉が登山口です。路線バスはありません。マイカーかタクシー利用となります。登山口には30台ほどの駐車場がありますが、花や紅葉の時期は休日平日問わず早朝すぐ満車になります。タクシー利用が良いでしょう。森山荘の横が登り口で、ルートや時間を記した案内看板と登山届箱があります。急な道をひと登りでブナの森に入ります。初夏はイワカガミロードとなる道を登って行くとやがて急な階段が現れ、登り切ると秋田駒大外輪山に乗り、休憩に適した横長根です。ブナの枝越しにこれから歩く金十郎長根と目指す女岳が見えます。 横長根を左折し大外輪を下って行きます。岩手秋田県境の道標を過ぎ、最低鞍部まで下り切って少し登り返すと休憩に適した御坪分岐です。ここからいよいよ金十郎長根の登りです。笹やブナの灌木帯を抜けると視界が開け、これから歩く尾根と女岳、その奥に男岳、木々で覆われた火口原とその向こうに大外輪の対岸が目に飛び込みます。振り向くと眼下に田沢湖が光り、爽快な眺めの中の急な道をさらに登って行くと、やがて休憩に適した平たんな水沢分岐です。 水沢分岐からわずかで岩が板状に切り立った五百羅漢です。道は岩壁の右側へ迂回します。崩れた岩の散らばる急斜面を慎重に下り、ロープのある草付きを登り返すとテラス状の平たん地に出ます。ここが女岳への分岐ですが道標はありません。足場の悪いザレた道を右に下って行きます。やや低いヤブになっていますが道はしっかりしています。右に溶岩流を見ながら錫杖頭の裾を巻くように登り返して行くと分岐になりますが、ここにも道標はありません。直進がムーミン谷で、ここは溶岩に付けられた白いペンキ印と踏み跡を確認して右へ進み、女岳へ取り付きます。 道は溶岩の中に続き、道標はありませんが途中で右回りと左回りに分かれます。どちらを選んでも構いませんが道を外れないこと。ひと登りで地熱が湧く女岳山頂です。展望は全方位。目の前には天を突くような男岳と横岳へ続く馬の背の稜線が迫り、眼下には馬場の小路、通称ムーミン谷が見えます。アルペンムード満点の眺めを楽しんだらムーミン谷への分岐へ戻り右折します。足場の悪い岩場を下り、馬の背への分岐を過ぎるとムーミン谷です。ムーミン谷を抜けると夏、タカネスミレやコマクサが咲き乱れる火山砂礫の大焼砂に出ます。 大焼砂分岐で横岳からの道と合流したら右折し、外輪山を下って行きます。道が平たんになると横長根で、このルートをひと回りしてきたことになります。最後の休憩を取ったら国見温泉へ下りましょう。
    国見温泉が登山口です。路線バスはありません。マイカーかタクシー利用となります。登山口には30台ほどの駐車場がありますが、花や紅葉の時期は休日平日問わず早朝すぐ満車になります。タクシー利用が良いでしょう。森山荘の横が登り口で、ルートや時間を記した案内看板と登山届箱があります。急な道をひと登りでブナの森に入ります。初夏はイワカガミロードとなる道を登って行くとやがて急な階段が現れ、登り切ると秋田駒大外輪山に乗り、休憩に適した横長根です。ブナの枝越しにこれから歩く金十郎長根と目指す女岳が見えます。 横長根を左折し大外輪を下って行きます。岩手秋田県境の道標を過ぎ、最低鞍部まで下り切って少し登り返すと休憩に適した御坪分岐です。ここからいよいよ金十郎長根の登りです。笹やブナの灌木帯を抜けると視界が開け、これから歩く尾根と女岳、その奥に男岳、木々で覆われた火口原とその向こうに大外輪の対岸が目に飛び込みます。振り向くと眼下に田沢湖が光り、爽快な眺めの中の急な道をさらに登って行くと、やがて休憩に適した平たんな水沢分岐です。 水沢分岐からわずかで岩が板状に切り立った五百羅漢です。道は岩壁の右側へ迂回します。崩れた岩の散らばる急斜面を慎重に下り、ロープのある草付きを登り返すとテラス状の平たん地に出ます。ここが女岳への分岐ですが道標はありません。足場の悪いザレた道を右に下って行きます。やや低いヤブになっていますが道はしっかりしています。右に溶岩流を見ながら錫杖頭の裾を巻くように登り返して行くと分岐になりますが、ここにも道標はありません。直進がムーミン谷で、ここは溶岩に付けられた白いペンキ印と踏み跡を確認して右へ進み、女岳へ取り付きます。 道は溶岩の中に続き、道標はありませんが途中で右回りと左回りに分かれます。どちらを選んでも構いませんが道を外れないこと。ひと登りで地熱が湧く女岳山頂です。展望は全方位。目の前には天を突くような男岳と横岳へ続く馬の背の稜線が迫り、眼下には馬場の小路、通称ムーミン谷が見えます。アルペンムード満点の眺めを楽しんだらムーミン谷への分岐へ戻り右折します。足場の悪い岩場を下り、馬の背への分岐を過ぎるとムーミン谷です。ムーミン谷を抜けると夏、タカネスミレやコマクサが咲き乱れる火山砂礫の大焼砂に出ます。 大焼砂分岐で横岳からの道と合流したら右折し、外輪山を下って行きます。道が平たんになると横長根で、このルートをひと回りしてきたことになります。最後の休憩を取ったら国見温泉へ下りましょう。
  • 八合目から乳頭山へ

    八合目から乳頭山へ

    このコースは秋田駒ヶ岳山頂には登らず、秋田県側八合目から笊森山へ向かう縦走路に入り、千沼ヶ原から乳頭山へ登り返して孫六温泉に下る健脚向きです。路線バスなどのアクセスも比較的容易なことから、逆ルートで歩く人も多くいます。 八合目まで登山シーズン中は車両規制があります。麓のアルパこまくさからシャトルバスで上がりましょう。休憩所兼避難小屋、トイレのある駒ヶ岳八合目の標高は1300mです。場合によっては防風防寒対策をし、水場の左側にある千沼ヶ原への縦走路へ入ります。沢へ下って階段状の道を登り返すと、7月はニッコウキスゲが咲き乱れる笹森山斜面の花畑です。 笹森山と休暇村乳頭温泉郷への分岐を直進し、灌木帯の中を湯森山へと登ります。焼森分岐を直進して少し行くと視界が開け、広々とした緩やかな尾根の中にこれから歩く縦走路が見えます。爽快な眺めです。足場の悪い道を下ると木道の敷かれた湿地帯、お花畑の熊見平。ここから道は登りになりハイマツ帯の中に巨岩の岩宿が現れます。岩の上に立って景色を楽しむのも良いでしょう。膝まで藪になった道は緩やかに続き、砂礫の歩きやすい道になって振り返ると秋田駒がはるか遠くになっています。やがて笊森山に着き、広い山頂からは岩手山、眼下に千沼ヶ原、すぐ隣には乳頭山が見えます。 少し下った分岐で右に折れ、朽ちた木道を注意して下ると1000もの池塘が点在すると言われれる千沼ヶ原です。わずか半世紀ほど前に知られるようになり原始性が保たれていることなどから、貴重な湿原と言われています。ここは左へ折れオオシラビソの森を進みます。小さなアップダウンを繰り返し笊森山からの道と合流すると乳頭山が前方に見えてきます。ガレ場を登り滝ノ上温泉からの道と合流し、左側が切れ落ちた急斜面をひと登りで乳頭山頂上です。森吉山、裏岩手連峰、秋田駒など展望良好です。南東側は断崖で、板状節理の岩が崩壊していますので要注意です。 北西側はなだらかな斜面で、その樹林の中に小さく見える田代平山荘へ向かいます。黒湯温泉への分岐を右折しオオシラビソの中を進むと田代平山荘に着きます。木道を西へ進み、田代平湿原の中の分岐を左折して乳頭山を見納めし、樹林の中へ入って行きます。荒れた道をスリップ転倒に注意して進むと、オオシラビソからブナの森に変わります。道は緩急を繰り返して下り、小ピークを過ぎると最後の急斜面になります。沢沿いを巻いて間もなく孫六温泉(休業中、2025年は要確認)の入り口に出ます。 砂利道を右へ約10分で乳頭温泉バス停です。
    このコースは秋田駒ヶ岳山頂には登らず、秋田県側八合目から笊森山へ向かう縦走路に入り、千沼ヶ原から乳頭山へ登り返して孫六温泉に下る健脚向きです。路線バスなどのアクセスも比較的容易なことから、逆ルートで歩く人も多くいます。 八合目まで登山シーズン中は車両規制があります。麓のアルパこまくさからシャトルバスで上がりましょう。休憩所兼避難小屋、トイレのある駒ヶ岳八合目の標高は1300mです。場合によっては防風防寒対策をし、水場の左側にある千沼ヶ原への縦走路へ入ります。沢へ下って階段状の道を登り返すと、7月はニッコウキスゲが咲き乱れる笹森山斜面の花畑です。 笹森山と休暇村乳頭温泉郷への分岐を直進し、灌木帯の中を湯森山へと登ります。焼森分岐を直進して少し行くと視界が開け、広々とした緩やかな尾根の中にこれから歩く縦走路が見えます。爽快な眺めです。足場の悪い道を下ると木道の敷かれた湿地帯、お花畑の熊見平。ここから道は登りになりハイマツ帯の中に巨岩の岩宿が現れます。岩の上に立って景色を楽しむのも良いでしょう。膝まで藪になった道は緩やかに続き、砂礫の歩きやすい道になって振り返ると秋田駒がはるか遠くになっています。やがて笊森山に着き、広い山頂からは岩手山、眼下に千沼ヶ原、すぐ隣には乳頭山が見えます。 少し下った分岐で右に折れ、朽ちた木道を注意して下ると1000もの池塘が点在すると言われれる千沼ヶ原です。わずか半世紀ほど前に知られるようになり原始性が保たれていることなどから、貴重な湿原と言われています。ここは左へ折れオオシラビソの森を進みます。小さなアップダウンを繰り返し笊森山からの道と合流すると乳頭山が前方に見えてきます。ガレ場を登り滝ノ上温泉からの道と合流し、左側が切れ落ちた急斜面をひと登りで乳頭山頂上です。森吉山、裏岩手連峰、秋田駒など展望良好です。南東側は断崖で、板状節理の岩が崩壊していますので要注意です。 北西側はなだらかな斜面で、その樹林の中に小さく見える田代平山荘へ向かいます。黒湯温泉への分岐を右折しオオシラビソの中を進むと田代平山荘に着きます。木道を西へ進み、田代平湿原の中の分岐を左折して乳頭山を見納めし、樹林の中へ入って行きます。荒れた道をスリップ転倒に注意して進むと、オオシラビソからブナの森に変わります。道は緩急を繰り返して下り、小ピークを過ぎると最後の急斜面になります。沢沿いを巻いて間もなく孫六温泉(休業中、2025年は要確認)の入り口に出ます。 砂利道を右へ約10分で乳頭温泉バス停です。
  • 畚岳から嶮岨森を踏み、大深湿原を通って松川温泉へ

    畚岳から嶮岨森を踏み、大深湿原を通って松川温泉へ

    八幡平アスピーテラインの岩手秋田県境から八幡平樹海ラインを約1㎞下ったところが裏岩手連峰縦走路の入口で、標高は1460mです。路線バスが走っていますが、本数が少なくタクシー利用が良いでしょう。マイカーなら縦走路入口に数台、入口から樹海ラインを約100m下がった所に10台ほどの駐車場があります。 案内図と道標がある裏岩手連峰登山口から、目の前にこれから登る畚岳、はるか南東に岩手山が見え踏破意欲がかき立てられます。はやる気持ちを抑え、緩やかな道を進むと間もなく畚岳分岐です。急な坂をひと登りで茶臼岳、源太森と並ぶ八幡平三大展望地の一つ、畚岳の頂上です。山名の由来は、山容が昔の土木作業で使われた運搬用具の畚に似ているからなのでしょうか。標高は1578m、このルートでは最も高い山です。 全方位の展望を楽しんだら分岐にもどり、右に折れてオオシラビソの森に続く道を下って行きます。徐々に登り返し平たんな諸桧岳を通ってまた下り、石沼に出ます。再び登りになって前諸桧を過ぎると左に展望が開け、岩手山や眼下のオオシラビソの森の中に鏡沼や樹海ライン、前方に嶮岨森が見える絶景が広がります。八幡平のオオシラビソの植生密度は日本一と言われています。 左側が切れ落ちたザレた足場に注意して急な段差の道を下って行くと、天を突くような鋭い峰の嶮岨森を見上げるようになります。下り切ったら急斜面をひと登りで最後のピーク、嶮岨森です。嶮岨とは切り立った、険しいという意味です。山頂は狭いですが、展望は抜群です。道はまた下って緩やかに登り返すと大深山荘に着きます。手入れの行き届いたきれいな小屋で、夏休みの期間や紅葉の時期は小屋泊の登山者でにぎわいます。小屋のすぐ先の分岐を左折すると、すぐ通称大深湿原に出ます。緩やかな斜面に木道が続き、ニッコウキスゲなどの様々な高山植物が咲くお花畑です。中でもひっそりと咲く深い紫のミヤマアケボノソウは印象的です。冷たい湧水があるので喉を潤しましょう。 大深湿原を抜けて森に入り、また別の湿原を通って緩やかに下ると分岐に出ます。右へ登ると源太ヶ岳へ。ここは左へ下って行きます。掘れて溝になったり根張りの滑りやすい急な道を行くと左手に水場があります。ブナの巨木が現れ、丸森川にかけられた橋を渡ると次第に緩やかになり、樹林越しに松川地熱発電所から上がる白煙が見え始めます。やがて発電施設の管理道に出て右折し少し行くと、八幡平樹海ラインの基点にある源太ヶ岳登山口に出ます。松川温泉峡雲荘はすぐそばです。温泉で縦走の疲れを癒すのも良いでしょう。タクシー利用になります。
    八幡平アスピーテラインの岩手秋田県境から八幡平樹海ラインを約1㎞下ったところが裏岩手連峰縦走路の入口で、標高は1460mです。路線バスが走っていますが、本数が少なくタクシー利用が良いでしょう。マイカーなら縦走路入口に数台、入口から樹海ラインを約100m下がった所に10台ほどの駐車場があります。 案内図と道標がある裏岩手連峰登山口から、目の前にこれから登る畚岳、はるか南東に岩手山が見え踏破意欲がかき立てられます。はやる気持ちを抑え、緩やかな道を進むと間もなく畚岳分岐です。急な坂をひと登りで茶臼岳、源太森と並ぶ八幡平三大展望地の一つ、畚岳の頂上です。山名の由来は、山容が昔の土木作業で使われた運搬用具の畚に似ているからなのでしょうか。標高は1578m、このルートでは最も高い山です。 全方位の展望を楽しんだら分岐にもどり、右に折れてオオシラビソの森に続く道を下って行きます。徐々に登り返し平たんな諸桧岳を通ってまた下り、石沼に出ます。再び登りになって前諸桧を過ぎると左に展望が開け、岩手山や眼下のオオシラビソの森の中に鏡沼や樹海ライン、前方に嶮岨森が見える絶景が広がります。八幡平のオオシラビソの植生密度は日本一と言われています。 左側が切れ落ちたザレた足場に注意して急な段差の道を下って行くと、天を突くような鋭い峰の嶮岨森を見上げるようになります。下り切ったら急斜面をひと登りで最後のピーク、嶮岨森です。嶮岨とは切り立った、険しいという意味です。山頂は狭いですが、展望は抜群です。道はまた下って緩やかに登り返すと大深山荘に着きます。手入れの行き届いたきれいな小屋で、夏休みの期間や紅葉の時期は小屋泊の登山者でにぎわいます。小屋のすぐ先の分岐を左折すると、すぐ通称大深湿原に出ます。緩やかな斜面に木道が続き、ニッコウキスゲなどの様々な高山植物が咲くお花畑です。中でもひっそりと咲く深い紫のミヤマアケボノソウは印象的です。冷たい湧水があるので喉を潤しましょう。 大深湿原を抜けて森に入り、また別の湿原を通って緩やかに下ると分岐に出ます。右へ登ると源太ヶ岳へ。ここは左へ下って行きます。掘れて溝になったり根張りの滑りやすい急な道を行くと左手に水場があります。ブナの巨木が現れ、丸森川にかけられた橋を渡ると次第に緩やかになり、樹林越しに松川地熱発電所から上がる白煙が見え始めます。やがて発電施設の管理道に出て右折し少し行くと、八幡平樹海ラインの基点にある源太ヶ岳登山口に出ます。松川温泉峡雲荘はすぐそばです。温泉で縦走の疲れを癒すのも良いでしょう。タクシー利用になります。
  • 阿仁ゴンドラを利用して森吉山山頂へ

    阿仁ゴンドラを利用して森吉山山頂へ

    標高540mの山麓駅から阿仁ゴンドラを利用して標高1160mの山頂駅へ。およそ20分の空中散歩を楽しみます。山麓駅には観光センター、山頂駅にはビジターセンターが併設されていますので、森吉山の情報を得てから出発することをおすすめします。 登山道は山頂駅を出たところから始まっています。斜面をわずかに登ると道が分岐しています。直登すると展望所ですが、ここは下山時に寄ることにして、右の木道を進みます。わずかに樹林帯を進むと木道から階段状の道になりますが、上空が開けているので気持ちよく歩けるはずです。また、この辺りは紅葉が美しいエリアでもあります。アオモリトドマツの林を抜けると、森吉山の山頂部分が見えてきます。1本道の木道を進んでいくと道が3本に分岐点する地点に出ます。左に登ったところが石森です。直進するのは石森の巻道で石森分岐の北端に出ます。ここは右の木道を進みます。すぐに石森分岐です。ここから阿仁避難小屋に向かいます。 歩きやすい木道が続きます。右に小さな池塘が現れるとロケーションが開けてきます。しばらく進むと左側に大きな鐘が吊るされています。熊避け用なので軽く叩いて先に進みましょう。この先にトイレが併設された阿仁避難小屋が建っています。 阿仁避難小屋から明るく開けた木道を進みます。左に見えている丘のような山が森吉山です。足下に注意しながらガレ気味の道を登ります。途中、稚児平といわれるところにベンチが置かれています。ここを過ぎれば15分ほどで森吉山山頂(向岳)です。 森吉山の山頂は岩が転がる台地。明るく展望に恵まれています。展望盤で眺めを確認したら気に入った場所で休憩しましょう。 下山は往路を石森分岐まで戻りそのまま直進します。小さな池塘を過ぎたところに建つのが森吉神社。立派な社殿の横には避難小屋が建っています。森吉山が全望できるスポットなので、しばらく眺めを堪能して往路を戻ります。石森分岐の手前に右に登る木道があります。ここに入って大小の石が積まれ、森吉神社や森吉山が眺められる石森へ。進行方向を少し下ればゴンドラ山頂駅に向かう道が分岐しています。ここを右へ。道なりに進み、左へ下る手前を直進して展望所に寄ってみましょう。斜面を下ればゴンドラ山頂駅です。
    標高540mの山麓駅から阿仁ゴンドラを利用して標高1160mの山頂駅へ。およそ20分の空中散歩を楽しみます。山麓駅には観光センター、山頂駅にはビジターセンターが併設されていますので、森吉山の情報を得てから出発することをおすすめします。 登山道は山頂駅を出たところから始まっています。斜面をわずかに登ると道が分岐しています。直登すると展望所ですが、ここは下山時に寄ることにして、右の木道を進みます。わずかに樹林帯を進むと木道から階段状の道になりますが、上空が開けているので気持ちよく歩けるはずです。また、この辺りは紅葉が美しいエリアでもあります。アオモリトドマツの林を抜けると、森吉山の山頂部分が見えてきます。1本道の木道を進んでいくと道が3本に分岐点する地点に出ます。左に登ったところが石森です。直進するのは石森の巻道で石森分岐の北端に出ます。ここは右の木道を進みます。すぐに石森分岐です。ここから阿仁避難小屋に向かいます。 歩きやすい木道が続きます。右に小さな池塘が現れるとロケーションが開けてきます。しばらく進むと左側に大きな鐘が吊るされています。熊避け用なので軽く叩いて先に進みましょう。この先にトイレが併設された阿仁避難小屋が建っています。 阿仁避難小屋から明るく開けた木道を進みます。左に見えている丘のような山が森吉山です。足下に注意しながらガレ気味の道を登ります。途中、稚児平といわれるところにベンチが置かれています。ここを過ぎれば15分ほどで森吉山山頂(向岳)です。 森吉山の山頂は岩が転がる台地。明るく展望に恵まれています。展望盤で眺めを確認したら気に入った場所で休憩しましょう。 下山は往路を石森分岐まで戻りそのまま直進します。小さな池塘を過ぎたところに建つのが森吉神社。立派な社殿の横には避難小屋が建っています。森吉山が全望できるスポットなので、しばらく眺めを堪能して往路を戻ります。石森分岐の手前に右に登る木道があります。ここに入って大小の石が積まれ、森吉神社や森吉山が眺められる石森へ。進行方向を少し下ればゴンドラ山頂駅に向かう道が分岐しています。ここを右へ。道なりに進み、左へ下る手前を直進して展望所に寄ってみましょう。斜面を下ればゴンドラ山頂駅です。
  • 一本杉登山口から姫神山へ

    一本杉登山口から姫神山へ

    北上川を挟んで岩手山の東方に美しい三角の形で静かに佇んでいるのが姫神山。どこから見てもそのピラミダルな山容は女性らしく秀麗で、昔話で岩手山が愛したこともうなずけます。登ってみると急な坂道が続く侮れない山ですが、四季を通して登山者が訪れ、冬でも多くの人がスノーハイクを楽しむ人気の山です。 一本杉コースが定番のコースで、地元ではマイカーを一本杉登山口駐車場に置き、山頂を往復する日帰り登山が楽しまれています。ここではその一本杉登山口から登り、こわ坂コースを下って一本杉登山口に戻る周回コースを紹介します。 好摩駅か渋民駅からタクシーで約20〜30分、一本杉登山口に着きます。姫神山登山コース案内図の看板とトイレの間から野芝の緩い斜面を登ります。振り返ると岩手山と安比高原へ続く山なみが見えます。樹林帯に入りスギの展示林を右手に見ながら進むと右側に樹齢250年とも言われるに大きな杉が立っています。湧水もありますが、飲用には適していません。少し行くとざんげ坂となり、急な階段状の登りになります。階段が終わると五合目の広場に着きます。 ここからやや傾斜は緩みますが六合目、七合目の道標とともに徐々に急になっていきます。八合目は平らで大岩と「下ルニハ右へ」と刻まれた古い石柱のある休憩ポイント。また道は急になり、山頂まで500m、300mの看板を過ぎダケカンバの樹林帯を抜けて岩場に出ると一気に展望が開けます。土場コース、岩場コースの分岐を直進し岩場コースへ。累々と重なる花崗岩の大岩を乗り越え、城内コース分岐を直進すると思いのほか広い姫神山山頂です。江戸時代、岩手山、早池峰山とともに「南部三霊山」と呼ばれた姫神山の頂上からは、その岩手山、早池峰山が望め、360度の展望が広がります。 下山は北へ、こわ坂コースを下ります。急な滑りやすい道には要所にロープや階段が整備されています。ブナ、ミズナラなどの森の中を下り「山頂まで980m」の看板を過ぎると徐々に傾斜が緩みます。カラマツの林から伐採地に出ると間もなくこわ坂登山口に出ます。ここから舗装された車道を歩き、一本杉登山口へ戻ります。登山口駐車場からは好摩駅、または渋民駅へタクシーを利用します。
    北上川を挟んで岩手山の東方に美しい三角の形で静かに佇んでいるのが姫神山。どこから見てもそのピラミダルな山容は女性らしく秀麗で、昔話で岩手山が愛したこともうなずけます。登ってみると急な坂道が続く侮れない山ですが、四季を通して登山者が訪れ、冬でも多くの人がスノーハイクを楽しむ人気の山です。 一本杉コースが定番のコースで、地元ではマイカーを一本杉登山口駐車場に置き、山頂を往復する日帰り登山が楽しまれています。ここではその一本杉登山口から登り、こわ坂コースを下って一本杉登山口に戻る周回コースを紹介します。 好摩駅か渋民駅からタクシーで約20〜30分、一本杉登山口に着きます。姫神山登山コース案内図の看板とトイレの間から野芝の緩い斜面を登ります。振り返ると岩手山と安比高原へ続く山なみが見えます。樹林帯に入りスギの展示林を右手に見ながら進むと右側に樹齢250年とも言われるに大きな杉が立っています。湧水もありますが、飲用には適していません。少し行くとざんげ坂となり、急な階段状の登りになります。階段が終わると五合目の広場に着きます。 ここからやや傾斜は緩みますが六合目、七合目の道標とともに徐々に急になっていきます。八合目は平らで大岩と「下ルニハ右へ」と刻まれた古い石柱のある休憩ポイント。また道は急になり、山頂まで500m、300mの看板を過ぎダケカンバの樹林帯を抜けて岩場に出ると一気に展望が開けます。土場コース、岩場コースの分岐を直進し岩場コースへ。累々と重なる花崗岩の大岩を乗り越え、城内コース分岐を直進すると思いのほか広い姫神山山頂です。江戸時代、岩手山、早池峰山とともに「南部三霊山」と呼ばれた姫神山の頂上からは、その岩手山、早池峰山が望め、360度の展望が広がります。 下山は北へ、こわ坂コースを下ります。急な滑りやすい道には要所にロープや階段が整備されています。ブナ、ミズナラなどの森の中を下り「山頂まで980m」の看板を過ぎると徐々に傾斜が緩みます。カラマツの林から伐採地に出ると間もなくこわ坂登山口に出ます。ここから舗装された車道を歩き、一本杉登山口へ戻ります。登山口駐車場からは好摩駅、または渋民駅へタクシーを利用します。
  • 岩手県から秋田県へ和賀岳縦走

    岩手県から秋田県へ和賀岳縦走

    岩手県西和賀町沢内の西に大きな山なみがゆったりと南北に横たわっています。その山なみのさらに奥に和賀岳が隠れ、奥羽山脈の脊梁にある山頂は麓からは容易にその姿を見ることができません。たどり着くには急坂を登り下りし、川を渡り、再び急斜面の道をひたすら登って行かなければなりません。登り切ると大展望が待っています。 県道1号高下バス停から北に進んだ和賀岳登山口の案内標識を左折、舗装道路からやがて未舗装になる高下川に沿った林道を約7.6km入った所に登山口があります。マイカーなら登山口の奥100mに駐車場があり7~8台、路肩にも数台駐車可能です。タクシーならJR北上線ほっとゆだ駅から約50分です。 登山届提出箱のある和賀岳・高下岳登山口から杉林に入るとすぐに幅の狭い急な登りになります。やがてブナの道になりさらに斜度が増していきます。急坂を登り切ると平たんになり赤沢分岐に出ます。ここからは広々とした巨木のブナの森に緩やかな道が続きます。高下分岐を直進し、和賀川へ向かいます。道は下りになり、左に二か所水場を過ぎてやがて木の根が張った足場の悪い急坂で、檜の巨木を過ぎると和賀川渡渉点です。川底がかなり滑るので要注意です。増水時は渡渉できません。引き返しましょう。渡ってすぐ森に入ると道はいきなり急になり、標高差約600mのほぼまっすぐな道をひたすら登ります。休みながら行きましょう。深く掘れた道から灌木帯を抜けるとコケ平に出ます。西に和賀川源流の谷を挟んで小杉山や薬師岳の稜線、北に和賀岳、東に高下岳稜線など、一気に視界が開けます。夏はニッコウキスゲなど高山植物の花畑になる広い尾根から急な湿原の斜面をひと登りで和賀岳山頂です。遮るもののない大展望、岩手山、早池峰山、秋田駒、鳥海山、焼石連峰など岩手秋田の山々が一望です。 下りは秋田県側へ。左下に和賀岳源頭部の深い谷を見ながら、小鷲山、小杉山、薬師平、薬師岳へとアップダウンを繰り返し長い尾根を下って行きます。展望良好、道は一本道、迷うことはありません。所々のヤブもあまり気になりません。薬師平はお花畑です。薬師岳からは東に岩手県側のコケ平と和賀岳、今歩いて来た小鷲山、小杉山の稜線が一望できます。薬師岳から先、左に切れ落ちた崩落地は要注意。やがてブナの森に入り、倉方、滝倉の水場、ぶな台へと急斜面を下って鬱蒼とした広葉樹の森の中の曲沢分岐を過ぎると甘露水の登山口に出ます。林道を右へ歩くこと約10分。車止めゲートが見えると駐車場、トイレ・休憩所のある秋田側登り口に着きます。
    岩手県西和賀町沢内の西に大きな山なみがゆったりと南北に横たわっています。その山なみのさらに奥に和賀岳が隠れ、奥羽山脈の脊梁にある山頂は麓からは容易にその姿を見ることができません。たどり着くには急坂を登り下りし、川を渡り、再び急斜面の道をひたすら登って行かなければなりません。登り切ると大展望が待っています。 県道1号高下バス停から北に進んだ和賀岳登山口の案内標識を左折、舗装道路からやがて未舗装になる高下川に沿った林道を約7.6km入った所に登山口があります。マイカーなら登山口の奥100mに駐車場があり7~8台、路肩にも数台駐車可能です。タクシーならJR北上線ほっとゆだ駅から約50分です。 登山届提出箱のある和賀岳・高下岳登山口から杉林に入るとすぐに幅の狭い急な登りになります。やがてブナの道になりさらに斜度が増していきます。急坂を登り切ると平たんになり赤沢分岐に出ます。ここからは広々とした巨木のブナの森に緩やかな道が続きます。高下分岐を直進し、和賀川へ向かいます。道は下りになり、左に二か所水場を過ぎてやがて木の根が張った足場の悪い急坂で、檜の巨木を過ぎると和賀川渡渉点です。川底がかなり滑るので要注意です。増水時は渡渉できません。引き返しましょう。渡ってすぐ森に入ると道はいきなり急になり、標高差約600mのほぼまっすぐな道をひたすら登ります。休みながら行きましょう。深く掘れた道から灌木帯を抜けるとコケ平に出ます。西に和賀川源流の谷を挟んで小杉山や薬師岳の稜線、北に和賀岳、東に高下岳稜線など、一気に視界が開けます。夏はニッコウキスゲなど高山植物の花畑になる広い尾根から急な湿原の斜面をひと登りで和賀岳山頂です。遮るもののない大展望、岩手山、早池峰山、秋田駒、鳥海山、焼石連峰など岩手秋田の山々が一望です。 下りは秋田県側へ。左下に和賀岳源頭部の深い谷を見ながら、小鷲山、小杉山、薬師平、薬師岳へとアップダウンを繰り返し長い尾根を下って行きます。展望良好、道は一本道、迷うことはありません。所々のヤブもあまり気になりません。薬師平はお花畑です。薬師岳からは東に岩手県側のコケ平と和賀岳、今歩いて来た小鷲山、小杉山の稜線が一望できます。薬師岳から先、左に切れ落ちた崩落地は要注意。やがてブナの森に入り、倉方、滝倉の水場、ぶな台へと急斜面を下って鬱蒼とした広葉樹の森の中の曲沢分岐を過ぎると甘露水の登山口に出ます。林道を右へ歩くこと約10分。車止めゲートが見えると駐車場、トイレ・休憩所のある秋田側登り口に着きます。
  • 沢尻岳から大荒沢岳・根菅岳を踏んで高下岳へ

    沢尻岳から大荒沢岳・根菅岳を踏んで高下岳へ

    大荒沢川、高下川、和賀川から立ち上がる尾根のピークになるのが高下岳で、麓の西和賀町大荒沢集落からはそのたおやかな稜線がすぐ近くに見えます。登山コースは3つ、貝沢コース、高畑コース、高下コースがあり、ここでは貝沢登山口から4座を踏んで和賀岳登山口へ縦走するコースを紹介します。 県道1号線貝沢バス停にある「高下岳登山道入口」看板から西側の集落へ入り、舗装道路、未舗装林道を約3.5㎞でY字路にある登り口です。数台駐車可能の駐車帯と登山届提出箱があります。タクシーならJR北上線ほっとゆだ駅から約1時間です。 ここからY字路を右へ進み、水量の少ない沢を渉って草地に出ると、旧貝沢登山口を示す大きな木柱があります。ここを左折し森へ入るとすぐ急登が始まります。杉林はブナやクロベ、ミズナラの巨木の立つヤセ尾根になり、やがてブナの道になって行きます。郡界分岐、前山分岐と緩急を繰り返して行くと東に展望が開け、ブナは矮小木になり、草付き、灌木帯を登り切ると倒れた県境分岐道標があります。すぐ先を左に一段上がると広い沢尻岳山頂です。360度の大展望、これから歩く大荒沢岳から根菅岳への尾根、その奥に和賀岳が一望です。 登山道に戻り左へ進み、大荒沢岳へ向かいます。灌木帯を下って急坂を登り返すと大荒沢岳分岐です。右折しわずかで大荒沢岳山頂、展望良好です。分岐へ戻り、右折で縦走路に入ると急な下りになり前方に展望が広がります。下り切ったら高下岳まで大展望の爽快な尾根歩きが始まります。道はアップダウンを繰り返して行きますが、刈払いされ歩きやすく常に360度の大パノラマが広がります。急斜面を登り切ると根菅岳です。高下岳が近くなっています。 草付きを下り、和賀岳を右前方に望みながら灌木帯や露岩帯の中の小さなアップダウンを越えていくと高下岳です。南西に和賀川源流の深い谷を挟んで和賀岳、南に高下岳南峰が間近です。 露岩帯を足元に注意して南にわずかに下ると高畑コースとの分岐。直進して南峰へ登り返します。南峰に立つと南北にゆったりと尾根を広げた和賀岳がすぐ西隣に迫って見えます。ミネカエデ、ミネザクラなどの灌木帯越しに和賀岳や鳥海山を眺めながら下ります。高下岳から南に伸びる主尾根上の道は、次第にブナの森に入って行きます。途中、休憩に適したダケカンバの巨木が2本、間隔をあけて立っています。やがて急斜面を巻いて下ると和賀岳への分岐に出ます。左へ進み、なおも続くブナの巨木の道をしばらく下ると赤沢分岐です。 道は左に折れ、急斜面を下り終えると和賀岳・高下岳登山口です。
    大荒沢川、高下川、和賀川から立ち上がる尾根のピークになるのが高下岳で、麓の西和賀町大荒沢集落からはそのたおやかな稜線がすぐ近くに見えます。登山コースは3つ、貝沢コース、高畑コース、高下コースがあり、ここでは貝沢登山口から4座を踏んで和賀岳登山口へ縦走するコースを紹介します。 県道1号線貝沢バス停にある「高下岳登山道入口」看板から西側の集落へ入り、舗装道路、未舗装林道を約3.5㎞でY字路にある登り口です。数台駐車可能の駐車帯と登山届提出箱があります。タクシーならJR北上線ほっとゆだ駅から約1時間です。 ここからY字路を右へ進み、水量の少ない沢を渉って草地に出ると、旧貝沢登山口を示す大きな木柱があります。ここを左折し森へ入るとすぐ急登が始まります。杉林はブナやクロベ、ミズナラの巨木の立つヤセ尾根になり、やがてブナの道になって行きます。郡界分岐、前山分岐と緩急を繰り返して行くと東に展望が開け、ブナは矮小木になり、草付き、灌木帯を登り切ると倒れた県境分岐道標があります。すぐ先を左に一段上がると広い沢尻岳山頂です。360度の大展望、これから歩く大荒沢岳から根菅岳への尾根、その奥に和賀岳が一望です。 登山道に戻り左へ進み、大荒沢岳へ向かいます。灌木帯を下って急坂を登り返すと大荒沢岳分岐です。右折しわずかで大荒沢岳山頂、展望良好です。分岐へ戻り、右折で縦走路に入ると急な下りになり前方に展望が広がります。下り切ったら高下岳まで大展望の爽快な尾根歩きが始まります。道はアップダウンを繰り返して行きますが、刈払いされ歩きやすく常に360度の大パノラマが広がります。急斜面を登り切ると根菅岳です。高下岳が近くなっています。 草付きを下り、和賀岳を右前方に望みながら灌木帯や露岩帯の中の小さなアップダウンを越えていくと高下岳です。南西に和賀川源流の深い谷を挟んで和賀岳、南に高下岳南峰が間近です。 露岩帯を足元に注意して南にわずかに下ると高畑コースとの分岐。直進して南峰へ登り返します。南峰に立つと南北にゆったりと尾根を広げた和賀岳がすぐ西隣に迫って見えます。ミネカエデ、ミネザクラなどの灌木帯越しに和賀岳や鳥海山を眺めながら下ります。高下岳から南に伸びる主尾根上の道は、次第にブナの森に入って行きます。途中、休憩に適したダケカンバの巨木が2本、間隔をあけて立っています。やがて急斜面を巻いて下ると和賀岳への分岐に出ます。左へ進み、なおも続くブナの巨木の道をしばらく下ると赤沢分岐です。 道は左に折れ、急斜面を下り終えると和賀岳・高下岳登山口です。
  • 古寺案内センターから大朝日岳へ

    古寺案内センターから大朝日岳へ

    古寺案内センターまでの道路は舗装路なので、安心して登山口まで入ることができます。大駐車場と仮設トイレがあり、古寺案内センターは宿泊施設で前後泊に利用できます。 登山口から5分ほど進むと旧古寺鉱泉跡で、橋を渡ると登りが始まります。やや急な斜面をジグザグと登り、尾根上を緩やかに何段か上がると「合体の樹」があります。かつてはブナとヒメコマツが抱き合っているような形をしていましたが、休憩するには良いポイントです。ヒメコマツの尾根からブナ林に変わりじっくりと高度を上げていくと、一服清水に着きます。急な根っ子段差の坂を登るとハナヌキ峰分岐です。さらに登り進むと「三沢(さんざわ)清水」です。シーズン中のみ三ノ沢から引水している水場ですので、利用できないこともあります。あと少しもうひと頑張りすると平らな尾根に出て、ほどなく古寺山に着きます。展望も良く、ヒメサユリも現れ始めます。古寺山でだいたい山頂までの行程の半分程ですが、この先は高山的な雰囲気に変わっていきます。小朝日岳へは、山頂を通らない巻き道もありますが、行きは小朝日岳のピークをハントします。目指す大朝日岳が目の前に迫ります。展望を楽しんだら、気持ちを引き締めて浮石の多い急な坂を下ります。巻き道分岐を過ぎると鞍部の「熊越」です。ここから銀玉水の間は、通称ヒメサユリロードと呼ばれているほど、7月上旬頃は登山道の両側にヒメサユリが咲き誇ります。背後には山頂直下のY字雪渓を望むことができます。銀玉水は早い時期から取水可能で、夏場でも良質な水が湧いています。 銀玉水からは急斜面の登りですが、7月上旬頃まで大雪渓が残ります。雪渓は、気温の低い時間帯や降雨時には氷化することがあるので、場合によってはアイゼン持参が必要になります。雪渓が消えた後は、斜面はもろく崩れやすいので登山道からは外れずに通行し、またストックの先には必ずキャップを付ける等して登山道と植生の保護に努めましょう。急斜面を登り終えると、あとは高山植物や景色を眺めながら気持ちの良い尾根を進みます。秋には、ミネザクラやミネカエデの紅葉とハイマツのコントラストが美しいところでもあります。大朝日岳山頂避難小屋に到着したら、小屋に荷物をデポし、大朝日岳山頂までピストンします。往復25分ほどです。360度パノラマの山頂からは、以東岳からの縦走路、祝瓶山への縦走路の奥には飯豊連峰などが望めます。いつまでも眺めていたい景色ですが、小屋まで戻り下山の途に就きます。復路は往路をそのまま引き返しますが、小朝日岳山頂へは行かずに巻き道を利用します。7月上旬頃までは巻き道にも残雪があり、通過困難な場合もありますので、状況によっては小朝日岳山頂を経由した方が良いでしょう。どちらも所要時間には、大差はありません。
    古寺案内センターまでの道路は舗装路なので、安心して登山口まで入ることができます。大駐車場と仮設トイレがあり、古寺案内センターは宿泊施設で前後泊に利用できます。 登山口から5分ほど進むと旧古寺鉱泉跡で、橋を渡ると登りが始まります。やや急な斜面をジグザグと登り、尾根上を緩やかに何段か上がると「合体の樹」があります。かつてはブナとヒメコマツが抱き合っているような形をしていましたが、休憩するには良いポイントです。ヒメコマツの尾根からブナ林に変わりじっくりと高度を上げていくと、一服清水に着きます。急な根っ子段差の坂を登るとハナヌキ峰分岐です。さらに登り進むと「三沢(さんざわ)清水」です。シーズン中のみ三ノ沢から引水している水場ですので、利用できないこともあります。あと少しもうひと頑張りすると平らな尾根に出て、ほどなく古寺山に着きます。展望も良く、ヒメサユリも現れ始めます。古寺山でだいたい山頂までの行程の半分程ですが、この先は高山的な雰囲気に変わっていきます。小朝日岳へは、山頂を通らない巻き道もありますが、行きは小朝日岳のピークをハントします。目指す大朝日岳が目の前に迫ります。展望を楽しんだら、気持ちを引き締めて浮石の多い急な坂を下ります。巻き道分岐を過ぎると鞍部の「熊越」です。ここから銀玉水の間は、通称ヒメサユリロードと呼ばれているほど、7月上旬頃は登山道の両側にヒメサユリが咲き誇ります。背後には山頂直下のY字雪渓を望むことができます。銀玉水は早い時期から取水可能で、夏場でも良質な水が湧いています。 銀玉水からは急斜面の登りですが、7月上旬頃まで大雪渓が残ります。雪渓は、気温の低い時間帯や降雨時には氷化することがあるので、場合によってはアイゼン持参が必要になります。雪渓が消えた後は、斜面はもろく崩れやすいので登山道からは外れずに通行し、またストックの先には必ずキャップを付ける等して登山道と植生の保護に努めましょう。急斜面を登り終えると、あとは高山植物や景色を眺めながら気持ちの良い尾根を進みます。秋には、ミネザクラやミネカエデの紅葉とハイマツのコントラストが美しいところでもあります。大朝日岳山頂避難小屋に到着したら、小屋に荷物をデポし、大朝日岳山頂までピストンします。往復25分ほどです。360度パノラマの山頂からは、以東岳からの縦走路、祝瓶山への縦走路の奥には飯豊連峰などが望めます。いつまでも眺めていたい景色ですが、小屋まで戻り下山の途に就きます。復路は往路をそのまま引き返しますが、小朝日岳山頂へは行かずに巻き道を利用します。7月上旬頃までは巻き道にも残雪があり、通過困難な場合もありますので、状況によっては小朝日岳山頂を経由した方が良いでしょう。どちらも所要時間には、大差はありません。
  • 勧進代から葉山(長井)へ

    勧進代から葉山(長井)へ

    はやま(葉山・羽山・端山)と名の付く山は県内外に多数あります。いずれも里の近くの低い山が多く、祖霊信仰や稲作文化と深く関わってきた山です。その中でも本書に紹介されている二つの葉山は比較的標高が高く、かつては盛んと修験者の行場としても利用されていた時代もありました。(長井)葉山には堰の遺構も多く、山から用水を引いてきた歴史があり、またブナの二次林が多く見られることからも、里の暮らしと密接に関わってきた山であることが窺い知れます。 勧進代口駐車場から先はゲートがあり徒歩で林道を進むと、かんかね館跡への入り口があります。登山口はまだ先ですが、今回はここから入山することにします。急な斜面を登り尾根道をしばらく進むと分岐があり、左へ行くとかんかね館跡です。中世の館(たて)跡で見張りに使われていたといわれていますが、突き出た急峻な尾根に何段にも平らな場所が作られていて(曲輪)、防御性の高い機能を有した館の遺構が良く残されています。 分岐まで戻り時々展望も開ける雑木林を進むと登山口からの道と合流します。歩きやすいブナ林の尾根を進むとオケサ堀コースと合流し、さらに少し先で昭和堰入口の分岐に着きます。左に折れ、近年整備された昭和堰を辿るコースを進みます。等高線に沿ったほぼ平らな道ですが斜面をトラバースするなど足場の悪い箇所もあります。水を引くために掘削し、管理し続けてきた先人の苦労が偲ばれます。水源の御秘蔵沢を渡って急坂を登ると、奥ノ院です。吾妻連峰と飯豊連峰、祝瓶山が一望できます。社殿等はありませんが、何とも聖地の雰囲気が感じられる場所です。下っていくと「お田代」湿原に出て、葉山山荘に至ります。山荘下の分岐を直進すればオケサ堀コース方面ですが、分岐を左に進みます。岩の下から冷たい水が湧いている鉾立清水からは置賜盆地の散居集落を見渡せます。 下山する白兎コースは、Ⅴ字状に掘れて滑りやすい道が続きます。「姥石」、「駒の平」などのポイントを通過して高度を下げていけば、杉林の中に鳥居が建つ白兎登山口に到着します。車道を数十分歩けば、勧進代口駐車場に戻ることができます。
    はやま(葉山・羽山・端山)と名の付く山は県内外に多数あります。いずれも里の近くの低い山が多く、祖霊信仰や稲作文化と深く関わってきた山です。その中でも本書に紹介されている二つの葉山は比較的標高が高く、かつては盛んと修験者の行場としても利用されていた時代もありました。(長井)葉山には堰の遺構も多く、山から用水を引いてきた歴史があり、またブナの二次林が多く見られることからも、里の暮らしと密接に関わってきた山であることが窺い知れます。 勧進代口駐車場から先はゲートがあり徒歩で林道を進むと、かんかね館跡への入り口があります。登山口はまだ先ですが、今回はここから入山することにします。急な斜面を登り尾根道をしばらく進むと分岐があり、左へ行くとかんかね館跡です。中世の館(たて)跡で見張りに使われていたといわれていますが、突き出た急峻な尾根に何段にも平らな場所が作られていて(曲輪)、防御性の高い機能を有した館の遺構が良く残されています。 分岐まで戻り時々展望も開ける雑木林を進むと登山口からの道と合流します。歩きやすいブナ林の尾根を進むとオケサ堀コースと合流し、さらに少し先で昭和堰入口の分岐に着きます。左に折れ、近年整備された昭和堰を辿るコースを進みます。等高線に沿ったほぼ平らな道ですが斜面をトラバースするなど足場の悪い箇所もあります。水を引くために掘削し、管理し続けてきた先人の苦労が偲ばれます。水源の御秘蔵沢を渡って急坂を登ると、奥ノ院です。吾妻連峰と飯豊連峰、祝瓶山が一望できます。社殿等はありませんが、何とも聖地の雰囲気が感じられる場所です。下っていくと「お田代」湿原に出て、葉山山荘に至ります。山荘下の分岐を直進すればオケサ堀コース方面ですが、分岐を左に進みます。岩の下から冷たい水が湧いている鉾立清水からは置賜盆地の散居集落を見渡せます。 下山する白兎コースは、Ⅴ字状に掘れて滑りやすい道が続きます。「姥石」、「駒の平」などのポイントを通過して高度を下げていけば、杉林の中に鳥居が建つ白兎登山口に到着します。車道を数十分歩けば、勧進代口駐車場に戻ることができます。
  • 祝瓶山荘から祝瓶山へ

    祝瓶山荘から祝瓶山へ

    祝瓶山の標高は1400mほどですが、朝日連峰の中で最もピラミダルな山と言えます。特に米沢市内からは一際目立って望むことができ、迫力ある「ピラミッド」と言える程の山容を誇っています。その魅力を存分に感じることができるのが本コースです。 長井ダム百秋湖と木地山ダムを過ぎ、野川林道を進むと祝瓶山荘に至りますが、野川林道は荒天後には悪路になり車両は通行できなくなることがあります。事前に情報を確認してから入山するようにします。祝瓶山荘は私有の小屋ですが、事前に鍵を借りて使用することもできます。 登山口には駐車場とトイレがあります。杉木立の奥にピラミダルな山頂が顔を出しているのが見えます。林道を道なりに進み吊り橋を渡り、平坦なブナ林の中を行くと分岐に出ます。ここから時計回りで周回します。分岐を左に進み、小沢を何回か渡ると、シンボルツリーのようなブナの巨木がある広場があり、本格的な登りの始まりです。急登の連続ですが、ぐんぐん高度を上げていき、見えなかった遠くの山々がたちまち見渡せるようになります。雪崩で表面が磨かれた草付の急斜面を登って行き、高度感たっぷりの岩場をトラバースします。最後はロープを頼りに急斜面を直登すると祝瓶山の山頂にぽんと飛び出します。山頂からは南には飯豊連峰、北には大朝日岳へと伸びる尾根の連なりを眺めることができます。 針生平登山口へ続く方へ少し下ると分岐があります。分岐を右に折れ大朝日岳への縦走路を進みます。岩場が混じった急な痩せ尾根を下っていくと、樹林帯に入っていきます。登り返していくと赤鼻分岐にでます。振り返ると、迫力ある祝瓶山と辿ってきた尾根が良く見えます。分岐から下っていく赤鼻尾根は、樹林帯の中ですが、急で滑りやすく、ロープやクサリが連続して設置してあります。うまく利用して安全に下りましょう。徐々に傾斜が緩くなり、美しいブナ林になると、まもなく桑住平の分岐に着きます。あとは来た道を戻り祝瓶山荘のある登山口を目指します。 本コースで紹介した、山頂直下の草付岩場の急斜面を下りで利用することや、悪天候時の通過はおすすめできません。状況次第では、赤鼻尾根経由での往復か、または山頂までの最短ルートである針生平登山口からの鈴振尾根往復をおすすめします。
    祝瓶山の標高は1400mほどですが、朝日連峰の中で最もピラミダルな山と言えます。特に米沢市内からは一際目立って望むことができ、迫力ある「ピラミッド」と言える程の山容を誇っています。その魅力を存分に感じることができるのが本コースです。 長井ダム百秋湖と木地山ダムを過ぎ、野川林道を進むと祝瓶山荘に至りますが、野川林道は荒天後には悪路になり車両は通行できなくなることがあります。事前に情報を確認してから入山するようにします。祝瓶山荘は私有の小屋ですが、事前に鍵を借りて使用することもできます。 登山口には駐車場とトイレがあります。杉木立の奥にピラミダルな山頂が顔を出しているのが見えます。林道を道なりに進み吊り橋を渡り、平坦なブナ林の中を行くと分岐に出ます。ここから時計回りで周回します。分岐を左に進み、小沢を何回か渡ると、シンボルツリーのようなブナの巨木がある広場があり、本格的な登りの始まりです。急登の連続ですが、ぐんぐん高度を上げていき、見えなかった遠くの山々がたちまち見渡せるようになります。雪崩で表面が磨かれた草付の急斜面を登って行き、高度感たっぷりの岩場をトラバースします。最後はロープを頼りに急斜面を直登すると祝瓶山の山頂にぽんと飛び出します。山頂からは南には飯豊連峰、北には大朝日岳へと伸びる尾根の連なりを眺めることができます。 針生平登山口へ続く方へ少し下ると分岐があります。分岐を右に折れ大朝日岳への縦走路を進みます。岩場が混じった急な痩せ尾根を下っていくと、樹林帯に入っていきます。登り返していくと赤鼻分岐にでます。振り返ると、迫力ある祝瓶山と辿ってきた尾根が良く見えます。分岐から下っていく赤鼻尾根は、樹林帯の中ですが、急で滑りやすく、ロープやクサリが連続して設置してあります。うまく利用して安全に下りましょう。徐々に傾斜が緩くなり、美しいブナ林になると、まもなく桑住平の分岐に着きます。あとは来た道を戻り祝瓶山荘のある登山口を目指します。 本コースで紹介した、山頂直下の草付岩場の急斜面を下りで利用することや、悪天候時の通過はおすすめできません。状況次第では、赤鼻尾根経由での往復か、または山頂までの最短ルートである針生平登山口からの鈴振尾根往復をおすすめします。