【新潟県】の登山コースガイド

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検索結果63件中  41-60件
  • 信越トレイル縦走(関田山脈エリア)

    信越トレイル縦走(関田山脈エリア)

    NPO法人信越トレイルクラブにより、コース全体をセクション1から10までの10区間に分けられていてます。各セクションごとに日帰りで歩いても良いし、麓の宿やキャンプサイトを利用してのスルーハイクも魅力的です。アプローチできる峠はたくさんあるので、それぞれのペースや楽しみ方に合わせて計画すると良いでしょう。 セクション1は斑尾山からスタートです。いずれかのアプローチトレイルから斑尾山に登り、山頂からメインルートが始まります。万坂峠へのコース案内は、斑尾山(コースガイド)を参考にしてください。万坂峠で県道を横切り、袴湿原を通って袴岳を目指します。赤池までのコース案内は、袴岳(コースガイド)を参考にしてください。 セクション2は、湖沼と湿原を巡る、良く整備されたトレイルです。赤池から沼の原湿原、希望湖を経由して、毛無山へ登ります。山頂付近の展望スポットからは飯山の街が良く見えます。毛無山から涌井新池へ下り、農道に入ります。最後は舗装路を歩いて涌井集落に到着です。 セクション3は、山村風景が残る涌井集落から始まります。昔の流通の要だった富倉峠、大将陣跡などの史跡を通り、ソブの池に出ます。しばらく林道を歩いてから、ギフチョウが生息する黒岩山へ登ります。桂池、中古池、北古池湿原を過ぎて林道の突き当たりから山道に入ると、しばらくは平坦な道です。沢をいくつか越えながらアップダウンを繰り返すと、仏ヶ峰登山口に到着です。 セクション4からは、信越国境の尾根を忠実に辿ります。コース全体がブナ林に囲まれていて、信越トレイルの中心となる区間です。戸狩温泉スキー場上部の仏ヶ峰登山口から、まずは県境の尾根へ登ります。仏ヶ峰、小沢峠を経由し、さらにアップダウンを繰り返すと関田山脈の主峰である鍋倉山に着きます。黒倉山を越えて緩やかに下っていけば関田峠に到着です。 セクション5からは信越トレイル北部エリアで、これまでよりも自然が色濃く残っている区間へ入っていきます。関田峠から牧峠までは比較的緩やかな地形が続き歩きやすく、その後の宇津ノ俣峠までは、急な登り下りの連続となります。幻の池を通り、目の前に菱ヶ岳が見えたら伏野峠に到着です。 セクション6は、伏野峠から天水山を越えて長野側の栄村へと続くコースです。まずは菱ヶ岳を見ながら急坂を登ります。最初のピークから野々海峠まで細かくアップダウンを繰り返します。長野県最北地点を経由し、深坂峠へと出ます。新潟側は崖が続き、急坂を登って三方岳を越えると、次のピークが天水山です。その後は森宮野原駅へと続く道を下り、一旦麓の集落へ出ます。2021年秋に苗場山までのセクション7~10が延伸されました。
    NPO法人信越トレイルクラブにより、コース全体をセクション1から10までの10区間に分けられていてます。各セクションごとに日帰りで歩いても良いし、麓の宿やキャンプサイトを利用してのスルーハイクも魅力的です。アプローチできる峠はたくさんあるので、それぞれのペースや楽しみ方に合わせて計画すると良いでしょう。 セクション1は斑尾山からスタートです。いずれかのアプローチトレイルから斑尾山に登り、山頂からメインルートが始まります。万坂峠へのコース案内は、斑尾山(コースガイド)を参考にしてください。万坂峠で県道を横切り、袴湿原を通って袴岳を目指します。赤池までのコース案内は、袴岳(コースガイド)を参考にしてください。 セクション2は、湖沼と湿原を巡る、良く整備されたトレイルです。赤池から沼の原湿原、希望湖を経由して、毛無山へ登ります。山頂付近の展望スポットからは飯山の街が良く見えます。毛無山から涌井新池へ下り、農道に入ります。最後は舗装路を歩いて涌井集落に到着です。 セクション3は、山村風景が残る涌井集落から始まります。昔の流通の要だった富倉峠、大将陣跡などの史跡を通り、ソブの池に出ます。しばらく林道を歩いてから、ギフチョウが生息する黒岩山へ登ります。桂池、中古池、北古池湿原を過ぎて林道の突き当たりから山道に入ると、しばらくは平坦な道です。沢をいくつか越えながらアップダウンを繰り返すと、仏ヶ峰登山口に到着です。 セクション4からは、信越国境の尾根を忠実に辿ります。コース全体がブナ林に囲まれていて、信越トレイルの中心となる区間です。戸狩温泉スキー場上部の仏ヶ峰登山口から、まずは県境の尾根へ登ります。仏ヶ峰、小沢峠を経由し、さらにアップダウンを繰り返すと関田山脈の主峰である鍋倉山に着きます。黒倉山を越えて緩やかに下っていけば関田峠に到着です。 セクション5からは信越トレイル北部エリアで、これまでよりも自然が色濃く残っている区間へ入っていきます。関田峠から牧峠までは比較的緩やかな地形が続き歩きやすく、その後の宇津ノ俣峠までは、急な登り下りの連続となります。幻の池を通り、目の前に菱ヶ岳が見えたら伏野峠に到着です。 セクション6は、伏野峠から天水山を越えて長野側の栄村へと続くコースです。まずは菱ヶ岳を見ながら急坂を登ります。最初のピークから野々海峠まで細かくアップダウンを繰り返します。長野県最北地点を経由し、深坂峠へと出ます。新潟側は崖が続き、急坂を登って三方岳を越えると、次のピークが天水山です。その後は森宮野原駅へと続く道を下り、一旦麓の集落へ出ます。2021年秋に苗場山までのセクション7~10が延伸されました。
  • 焼山

    焼山

    焼山への登山道は、火打山からの縦走、金山からの縦走、笹倉温泉からと、ここで紹介する笹ヶ峰から富士見峠経由の4コースあります。焼山周辺の登山道全般に言えることですが、谷には残雪も多く、夏には背の高い草が生い茂る場所もあり、山頂周辺も含めて視界がない時には、ルートを見失いやすいので注意が必要です。各ルートともに移動距離が長いことに加えて、道が悪い箇所も多く、導標もあまりありませんので、上級者向けです。また、2016年3月より、山頂から1km以内への立入が規制されていたことにより、整備が行き届いていない箇所もあります。 登山口は笹ヶ峰の奥にある杉野沢橋です。まずは川の右岸沿いの平坦な道を歩きます。新しくできた大きな堰堤を越えて滝沢に出ます。滝沢を渡り尾根へ取り付き、急斜面を登ると平らな台地です。ここから急斜面をトラバースし、金山谷へ出ます。片斜面の場所も多く、非常に滑りやすい道です。金山谷を渡り、尾根に登ると焼見台で、名前の通りここから焼山が良く見えます。尾根を越えて、引き続きトラバース気味に沢のすぐ近くまで下ります。この付近はルートを見失いやすい場所です。裏金山谷を渡ってからは沢に沿って歩き、地獄谷を渡り左岸に出ます。一度尾根へと登り、次に渡る沢が焼沢で、最後の水場です。ここから道は九十九折りとなり、やがて周囲の視界が開けてくると富士見峠へ到着します。 富士見峠は金山方面との分岐で、この分岐は右へ進みます。峠からは平坦な道を歩き、沢状の地形を越えるとすぐに泊岩分岐で、笹倉温泉方面へは直進、右に進むと泊岩があり、緊急時には岩の中で風雨をしのぐことも可能です。泊岩を過ぎると灌木帯を抜けてガレ場に出ます。見通しは効くようになりますが、火山特有のガレ場は崩れやすいので、歩きにくい場所です。また道が不明瞭なところもあるので注意しましょう。火口の脇を通過し、ロープが設置された岩場を登り、少し下ってから登り返すと焼山山頂に到着します。山頂からの景色は素晴らしく、360度の大展望が楽しめます。 金山谷、裏金山谷、地獄谷は、増水すると徒渉が困難になりますので、大雨の時などはこのルートの通行は控えましょう。
    焼山への登山道は、火打山からの縦走、金山からの縦走、笹倉温泉からと、ここで紹介する笹ヶ峰から富士見峠経由の4コースあります。焼山周辺の登山道全般に言えることですが、谷には残雪も多く、夏には背の高い草が生い茂る場所もあり、山頂周辺も含めて視界がない時には、ルートを見失いやすいので注意が必要です。各ルートともに移動距離が長いことに加えて、道が悪い箇所も多く、導標もあまりありませんので、上級者向けです。また、2016年3月より、山頂から1km以内への立入が規制されていたことにより、整備が行き届いていない箇所もあります。 登山口は笹ヶ峰の奥にある杉野沢橋です。まずは川の右岸沿いの平坦な道を歩きます。新しくできた大きな堰堤を越えて滝沢に出ます。滝沢を渡り尾根へ取り付き、急斜面を登ると平らな台地です。ここから急斜面をトラバースし、金山谷へ出ます。片斜面の場所も多く、非常に滑りやすい道です。金山谷を渡り、尾根に登ると焼見台で、名前の通りここから焼山が良く見えます。尾根を越えて、引き続きトラバース気味に沢のすぐ近くまで下ります。この付近はルートを見失いやすい場所です。裏金山谷を渡ってからは沢に沿って歩き、地獄谷を渡り左岸に出ます。一度尾根へと登り、次に渡る沢が焼沢で、最後の水場です。ここから道は九十九折りとなり、やがて周囲の視界が開けてくると富士見峠へ到着します。 富士見峠は金山方面との分岐で、この分岐は右へ進みます。峠からは平坦な道を歩き、沢状の地形を越えるとすぐに泊岩分岐で、笹倉温泉方面へは直進、右に進むと泊岩があり、緊急時には岩の中で風雨をしのぐことも可能です。泊岩を過ぎると灌木帯を抜けてガレ場に出ます。見通しは効くようになりますが、火山特有のガレ場は崩れやすいので、歩きにくい場所です。また道が不明瞭なところもあるので注意しましょう。火口の脇を通過し、ロープが設置された岩場を登り、少し下ってから登り返すと焼山山頂に到着します。山頂からの景色は素晴らしく、360度の大展望が楽しめます。 金山谷、裏金山谷、地獄谷は、増水すると徒渉が困難になりますので、大雨の時などはこのルートの通行は控えましょう。
  • 栂池自然園から白馬岳

    栂池自然園から白馬岳

    栂池高原からゴンドラリフトイヴと栂池ロープウェイを乗り継いで栂池自然園駅に着きます。天狗原への登山道は、自然園への案内板に従って舗装された道を登り、ビジターセンターの手前から指導標に従い登山道に入ります。なお、ビジターセンターは自然園の入園料を兼ねて有料です。 登山道は、すぐに階段状の急な斜面を登り始めます。ネマガリダケが両側に密生し、水はけの悪いドロの道をひたすら登ると、次第に視界が開けてきます。清水が湧き出る水場に着けば、天狗原は間近です。天狗原では木道を歩きます。湿原の池塘には、ワタスゲやヒオウギアヤメが咲いており見事です。 やがて風吹大池に行く木道を右に見送り、乗鞍岳への登りになります。安山岩の積み重なる急登ですが、シーズンの初め頃は雪渓になっており、ロープが張ってあります。斜面を登りきり、右側の雪渓を登り詰めると、乗鞍岳の広い台地に出ます。ペンキマークに従い進みますが、ガスで視界が悪い時には注意が必要です。大きなケルンのある場所が山頂で、ここからは自馬大池へ下りますが、ゴロゴロした岩の上を行くので慣れないと結構なアルバイトです。眼下に広がる白馬大池をゆっくり眺めながら、慎重に行きましょう。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。
    栂池高原からゴンドラリフトイヴと栂池ロープウェイを乗り継いで栂池自然園駅に着きます。天狗原への登山道は、自然園への案内板に従って舗装された道を登り、ビジターセンターの手前から指導標に従い登山道に入ります。なお、ビジターセンターは自然園の入園料を兼ねて有料です。 登山道は、すぐに階段状の急な斜面を登り始めます。ネマガリダケが両側に密生し、水はけの悪いドロの道をひたすら登ると、次第に視界が開けてきます。清水が湧き出る水場に着けば、天狗原は間近です。天狗原では木道を歩きます。湿原の池塘には、ワタスゲやヒオウギアヤメが咲いており見事です。 やがて風吹大池に行く木道を右に見送り、乗鞍岳への登りになります。安山岩の積み重なる急登ですが、シーズンの初め頃は雪渓になっており、ロープが張ってあります。斜面を登りきり、右側の雪渓を登り詰めると、乗鞍岳の広い台地に出ます。ペンキマークに従い進みますが、ガスで視界が悪い時には注意が必要です。大きなケルンのある場所が山頂で、ここからは自馬大池へ下りますが、ゴロゴロした岩の上を行くので慣れないと結構なアルバイトです。眼下に広がる白馬大池をゆっくり眺めながら、慎重に行きましょう。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。
  • 蓮華温泉から白馬岳

    蓮華温泉から白馬岳

    蓮華温泉には、JR大糸線平岩駅からバスで入ります。駐車場から少し下ると、蓮華温泉ロッジの新しい建物の前に出ます。その建物の前を通り、奥の水飲み場の裏側から登山道に入ります。 初めは平らな湿った道ですが、木橋の架かった小さな沢を渡ると、だんだんと勾配もきつくなり、コメツガ、オオシラビソなどの樹林帯の中、ジグザグを大きく繰り返して登って行くことになります。振り返れば、温泉ロッジを眼下に見ることができ、その右手のガレた源泉地帯に湯煙が立ちのぼる光景は、いかにも、秘境の温泉場といったところでしょうか。 やがて尾根の先を左側に乗越すように回り、樹林帯を進むと、天狗ノ庭はもうすぐです。 天狗ノ庭にはハクサンシャジンやタカネバラが多く群生しています。また風雪の厳しさを訴えるように、背の低い、しかし骨太の風情で、枝を真横に突き出しているカラマツの点在する風景には、感嘆せずにはいられません。鉢ヶ岳から雪倉岳、朝日岳へと続く大きな山並みが目の前に広がります。時間が許せば、ゆっくり休んでいきたいところです。 道はどんどん高度を上げ、ダケカンバの白い肌が目を楽しませてくれます。早い時期には雪渓を横切り、やがて大きな樹木もなくなり一直線に登るようになると、白馬大池の草原に飛び出します。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。
    蓮華温泉には、JR大糸線平岩駅からバスで入ります。駐車場から少し下ると、蓮華温泉ロッジの新しい建物の前に出ます。その建物の前を通り、奥の水飲み場の裏側から登山道に入ります。 初めは平らな湿った道ですが、木橋の架かった小さな沢を渡ると、だんだんと勾配もきつくなり、コメツガ、オオシラビソなどの樹林帯の中、ジグザグを大きく繰り返して登って行くことになります。振り返れば、温泉ロッジを眼下に見ることができ、その右手のガレた源泉地帯に湯煙が立ちのぼる光景は、いかにも、秘境の温泉場といったところでしょうか。 やがて尾根の先を左側に乗越すように回り、樹林帯を進むと、天狗ノ庭はもうすぐです。 天狗ノ庭にはハクサンシャジンやタカネバラが多く群生しています。また風雪の厳しさを訴えるように、背の低い、しかし骨太の風情で、枝を真横に突き出しているカラマツの点在する風景には、感嘆せずにはいられません。鉢ヶ岳から雪倉岳、朝日岳へと続く大きな山並みが目の前に広がります。時間が許せば、ゆっくり休んでいきたいところです。 道はどんどん高度を上げ、ダケカンバの白い肌が目を楽しませてくれます。早い時期には雪渓を横切り、やがて大きな樹木もなくなり一直線に登るようになると、白馬大池の草原に飛び出します。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。
  • 白馬岳から朝日岳

    白馬岳から朝日岳

    白馬岳から朝日岳への縦走は、静かに花や山旅を楽しみながら歩く、魅力あるコースのひとつ。しかし、距離のあるコースなので、体調は万全を期して行きましょう。 白馬山頂で展望を楽しんだら、三国境に向かって出発します。馬ノ背と呼ばれる狭い尾根道を越えてザラ道を下ると、三国境に到着です。左側のガレた斜面は、コマクサの群生地になっています。もちろん、立ち入ることはできません。前方には、これから向かう雪倉、朝日と続く雄大な山並みが広がっています。 登山者の大部分が白馬大池方面に向かうのを見送って、左のザクザクの斜面をトラバース気味に下ります。やがて、ハイマツ帯の広い尾根を鉢ヶ岳の鞍郡に向かいますが、途中鉱山道への分岐を右に見ます。このあたりから、主稜線にはまったく見られないミヤママツムシソウの紫色の大きな花が、たくさん見られるようになります。 鉢ヶ岳の東斜面の巻き道を行きますが、この斜面も大きなお花畑です。振り返ると、小蓮華山に向かう稜線を歩く人影が、豆粒のように見えます。小さな沢を渡り、ザラ道のゆるい斜面を下ると、ブロック囲いの、小さな雪倉岳避難小屋に到着です。 雪倉岳は、ここからジグザグに尾根道を登ることになりますが、下から見上げたほどのこともなく、山頂に着くことができます。広い、ゆったりとした山頂で、振り返れば、白馬岳や旭岳が印象的です。また目前には、朝日岳が大きく広がっています。 山頂からはゆるい下りのザラ道の斜面を行きます。ガスで視界の悪い時は、慎重にルートを見定めましょう。道は稜線の右側に入り、滑りやすい岩尾根を下ると広いコルに出ます。ここから左に急なジグザグ道を一気に下ったところがツバメ平で、小さな沢が流れています。 縦走路は赤男山の巻き道に入ります。燕岩の不気味な岩崩れの下を横切り樹林帯を抜けると、水量豊富な沢に出ます。小桜ヶ原の入口で、木道ができています。小桜ヶ原の湿原には、ハクサンコザクラ、チングルマが咲き乱れ、ニホンカモシカを見ることもできます。 木道をしばらく歩くと、水平道の分岐に到着するので、朝日岳へは、樹林帯の中を直登します。しばらく登ると、コバイケイソウの群生する草原に出ます。再び道は樹林帯に入りますが、すぐ明るい尾根に飛び出ます。チングルマやニッコウキスゲの咲き乱れる草原をのんびり歩き、朝日岳の山頂に到着です。山頂は、ハイマツが点在し花が咲く、丘のような広いところなのでしばし休憩していきましょう。朝日小屋へは、西に稜線を40分ほどです。
    白馬岳から朝日岳への縦走は、静かに花や山旅を楽しみながら歩く、魅力あるコースのひとつ。しかし、距離のあるコースなので、体調は万全を期して行きましょう。 白馬山頂で展望を楽しんだら、三国境に向かって出発します。馬ノ背と呼ばれる狭い尾根道を越えてザラ道を下ると、三国境に到着です。左側のガレた斜面は、コマクサの群生地になっています。もちろん、立ち入ることはできません。前方には、これから向かう雪倉、朝日と続く雄大な山並みが広がっています。 登山者の大部分が白馬大池方面に向かうのを見送って、左のザクザクの斜面をトラバース気味に下ります。やがて、ハイマツ帯の広い尾根を鉢ヶ岳の鞍郡に向かいますが、途中鉱山道への分岐を右に見ます。このあたりから、主稜線にはまったく見られないミヤママツムシソウの紫色の大きな花が、たくさん見られるようになります。 鉢ヶ岳の東斜面の巻き道を行きますが、この斜面も大きなお花畑です。振り返ると、小蓮華山に向かう稜線を歩く人影が、豆粒のように見えます。小さな沢を渡り、ザラ道のゆるい斜面を下ると、ブロック囲いの、小さな雪倉岳避難小屋に到着です。 雪倉岳は、ここからジグザグに尾根道を登ることになりますが、下から見上げたほどのこともなく、山頂に着くことができます。広い、ゆったりとした山頂で、振り返れば、白馬岳や旭岳が印象的です。また目前には、朝日岳が大きく広がっています。 山頂からはゆるい下りのザラ道の斜面を行きます。ガスで視界の悪い時は、慎重にルートを見定めましょう。道は稜線の右側に入り、滑りやすい岩尾根を下ると広いコルに出ます。ここから左に急なジグザグ道を一気に下ったところがツバメ平で、小さな沢が流れています。 縦走路は赤男山の巻き道に入ります。燕岩の不気味な岩崩れの下を横切り樹林帯を抜けると、水量豊富な沢に出ます。小桜ヶ原の入口で、木道ができています。小桜ヶ原の湿原には、ハクサンコザクラ、チングルマが咲き乱れ、ニホンカモシカを見ることもできます。 木道をしばらく歩くと、水平道の分岐に到着するので、朝日岳へは、樹林帯の中を直登します。しばらく登ると、コバイケイソウの群生する草原に出ます。再び道は樹林帯に入りますが、すぐ明るい尾根に飛び出ます。チングルマやニッコウキスゲの咲き乱れる草原をのんびり歩き、朝日岳の山頂に到着です。山頂は、ハイマツが点在し花が咲く、丘のような広いところなのでしばし休憩していきましょう。朝日小屋へは、西に稜線を40分ほどです。
  • 蓮華温泉から朝日岳

    蓮華温泉から朝日岳

    このコースは、蓮華温泉から、瀬戸川、白高地沢へいったん下り、そこからカモシカ坂を急登し、五輪尾根を朝日岳をめざして登る健脚向きのコースです。近年、花巡りの山旅を楽しめるコースとして人気がありますが、計画不十分なまま安易に登るのは禁物です。またこのコースは、途中見るべきものも多く、ついついのんびりと登ってしまうコースでもあります。山行を楽しむためには、なるべくならば蓮華温泉に一泊し、朝はできるだけ早立ちしましょう。 蓮華温泉ロッジの前からブナやトチの樹林帯を下り、キャンプ場を左に見て、蓮華ノ森自然歩道の周遊道に出ます。鉱山道を左に分けて右に進むと、大きな湿原となり、整備された木道に出ます。ここは兵馬ノ平と呼ばれ、ヒオウギアヤメなどが咲き、小川も流れています。雪倉岳や朝日岳の展望の良いところです。 瀬戸川へは、木道や、滑りやすい樹林の中の急坂を下って行きます。立派な鉄橋を渡り、白高地沢に沿った道を行けば、左にヒョウタン池を見て白高地沢の鉄橋を左岸に渡ります。やがて、カモシカ坂の急登になります。以前は滑りやすい急坂でしたが、木道の整備により歩きやすくなりました。しかし、木道が濡れているときなどはスリップに十分注意が必要です。 高度を上げて行くと、視界が開け、緩斜面になり、草原に出ます。ここがカモシカ原で、きれいなお花畑が広がっています。低樹林帯の中にある花園三角点を過ぎて広い草原に出ると、ベンチが作られていて近くに水場があります。やがて道は稜線状を行くようになります。青ザクと呼ばれるザク道を登りきると、再び樹林帯に入り、山腹をトラバースしながら白高地に入って行きます。清水が縦横に流れ、道はぬかるんだ幾筋もの踏跡をたどるように行きます。ぬかるみにはうんざりしますが、チングルマやハクサンコザクラなどの花が咲き乱れる中を行くので、元気づけられることでしょう。 さらに南面の緩斜面の草地をトラバースしながらどんどん登って行きますが、早い時期ならば、雪渓をいくつも横断することになるので慎重に。やがて朝日岳の鞍部(吹上のコル)に出ます。ここは栂海新道の分岐点にもなっています。 反対側の斜面の下に朝日池を見ながら、広い斜面をジグザグに登って行くと、左手に雪渓がある場所に出ます。その横を回るとまもなく、朝日岳の頂上です。 旭岳の頂上には、展望指示盤がはめ込まれた台石が立っています。周辺にはハイマツが点在し、ミヤママツムシソウやタカネシオガマなどが咲きます。また、ライチョウの遊ぶ姿もよく見られるスポットです。西に延びる尾根を、道標に従い40分あまりで朝日小屋に到着します。
    このコースは、蓮華温泉から、瀬戸川、白高地沢へいったん下り、そこからカモシカ坂を急登し、五輪尾根を朝日岳をめざして登る健脚向きのコースです。近年、花巡りの山旅を楽しめるコースとして人気がありますが、計画不十分なまま安易に登るのは禁物です。またこのコースは、途中見るべきものも多く、ついついのんびりと登ってしまうコースでもあります。山行を楽しむためには、なるべくならば蓮華温泉に一泊し、朝はできるだけ早立ちしましょう。 蓮華温泉ロッジの前からブナやトチの樹林帯を下り、キャンプ場を左に見て、蓮華ノ森自然歩道の周遊道に出ます。鉱山道を左に分けて右に進むと、大きな湿原となり、整備された木道に出ます。ここは兵馬ノ平と呼ばれ、ヒオウギアヤメなどが咲き、小川も流れています。雪倉岳や朝日岳の展望の良いところです。 瀬戸川へは、木道や、滑りやすい樹林の中の急坂を下って行きます。立派な鉄橋を渡り、白高地沢に沿った道を行けば、左にヒョウタン池を見て白高地沢の鉄橋を左岸に渡ります。やがて、カモシカ坂の急登になります。以前は滑りやすい急坂でしたが、木道の整備により歩きやすくなりました。しかし、木道が濡れているときなどはスリップに十分注意が必要です。 高度を上げて行くと、視界が開け、緩斜面になり、草原に出ます。ここがカモシカ原で、きれいなお花畑が広がっています。低樹林帯の中にある花園三角点を過ぎて広い草原に出ると、ベンチが作られていて近くに水場があります。やがて道は稜線状を行くようになります。青ザクと呼ばれるザク道を登りきると、再び樹林帯に入り、山腹をトラバースしながら白高地に入って行きます。清水が縦横に流れ、道はぬかるんだ幾筋もの踏跡をたどるように行きます。ぬかるみにはうんざりしますが、チングルマやハクサンコザクラなどの花が咲き乱れる中を行くので、元気づけられることでしょう。 さらに南面の緩斜面の草地をトラバースしながらどんどん登って行きますが、早い時期ならば、雪渓をいくつも横断することになるので慎重に。やがて朝日岳の鞍部(吹上のコル)に出ます。ここは栂海新道の分岐点にもなっています。 反対側の斜面の下に朝日池を見ながら、広い斜面をジグザグに登って行くと、左手に雪渓がある場所に出ます。その横を回るとまもなく、朝日岳の頂上です。 旭岳の頂上には、展望指示盤がはめ込まれた台石が立っています。周辺にはハイマツが点在し、ミヤママツムシソウやタカネシオガマなどが咲きます。また、ライチョウの遊ぶ姿もよく見られるスポットです。西に延びる尾根を、道標に従い40分あまりで朝日小屋に到着します。
  • 朝日岳から栂海新道

    朝日岳から栂海新道

    栂海新道は、日本海を日指してアルプスの高みから海抜0mまで下る、長大な縦走路です。かつては学生登山、ワンゲル部の合宿専用といった趣がありましたが、近年は、一般入山者も増加しています。しかし超健脚向きのコースには違いないので、しっかりしたパーティで綿密な計画のもとに入山すべき縦走路です。 五輪尾根から蓮華温泉へのコースとの分岐には大きな岩があり、ペンキで左に入る栂海新道を指しています。オオシラビソの林をくぐるように抜けると木道になり、やがて照葉ノ池が見えてきます。池の周りはチングルマやハクサンコザクラの大きなお花畑で、別天地の趣があります。 木道は長栂山の手前まで敷設されており、長栂山の頂上付近は、丘のように広く平坦で、小さなケルンに従って歩いていくことになります。ガスの深い時などはわかりにくいので注意が必要です。 道は下りになり、固定ロープや木の枝につかまりながら下ると、アヤメ平につきます。ヒオウギアヤメの群落が、湿地帯を彩っています。アヤメ平を過ぎると樹林帯の急坂になり、黒岩平の広い草原に出ます。黒岩平には冷たい水が豊かに流れ、「北アルプス最後の楽園」といっても過言ではない場所です。アヤメ平も同じだが、草地の中の道は、ところどころ小さな流れの溝に横切られ、対岸の取り付きがわかりにくいことがあるので注意しましょう。 黒岩平を横切り、樹林帯を登ると、中俣新道の分岐があります。道を左にとりひと登りすると、黒岩山の山頂です。 ここから先は稜線を行くが、ササに覆われ道が隠れているところもあります。小さな登降を繰り返して、文子ノ池を過ぎ、サワガニ山の山頂に着きます。展望が良く、朝日岳の立派な雄姿をみることができます。 ササの繁る稜線の登降を繰り返し、水場の標識のある鞍部に出ます。北俣ノ水場は、左の沢を少し下ったところにあります。鞍部から少し登り、ヤセ尾根を伝うと、犬ヶ岳の山頂に到着です。少し下ったところに栂海山荘が立っており、山荘からの展望は良く、日本海に落ちる夕日は格別です。 さらに稜線を忠実に進んでいきます。ヤブで少しわかりにくい道を注意して進み、黄蓮山を過ぎると、菊石山の鞍部に出ます。右に少し入ると黄蓮ノ水場があります。このあたりからはブナ林となります。 正面に白鳥山を望み、道は急な下りとなります。今度は崩れた斜面を左に見て、木の根につかまりながら急登し、さらにいくつかのピークを過ぎると、白鳥山頂で、ここには白鳥小屋があります。栂海山荘と同様で無人小屋です。 白鳥山から急坂を下り、道は沢状になったわかりにくい地形を通り、シキ割の水場に出ます。さらに下ると、地蔵が祀られ、車道の通る坂田峠に到着です。峠からゆるやかな登りで尻高山に出て、山頂から下ったところで車道を横断、再び山道に入ります。二本松峠から入道山を経て、国道8号に下り栂海新道登山口に到着です。折角なのでもう少し足を延ばして親不知海岸へ立ち寄るのもおすすめです。 ここからは、国道を約1時間の歩程で、親不知駅に着くことができますが、国道の歩行は大型車の通行が多いため危険です。登山口からタクシーを利用して親不知駅に向かうのが無難です。
    栂海新道は、日本海を日指してアルプスの高みから海抜0mまで下る、長大な縦走路です。かつては学生登山、ワンゲル部の合宿専用といった趣がありましたが、近年は、一般入山者も増加しています。しかし超健脚向きのコースには違いないので、しっかりしたパーティで綿密な計画のもとに入山すべき縦走路です。 五輪尾根から蓮華温泉へのコースとの分岐には大きな岩があり、ペンキで左に入る栂海新道を指しています。オオシラビソの林をくぐるように抜けると木道になり、やがて照葉ノ池が見えてきます。池の周りはチングルマやハクサンコザクラの大きなお花畑で、別天地の趣があります。 木道は長栂山の手前まで敷設されており、長栂山の頂上付近は、丘のように広く平坦で、小さなケルンに従って歩いていくことになります。ガスの深い時などはわかりにくいので注意が必要です。 道は下りになり、固定ロープや木の枝につかまりながら下ると、アヤメ平につきます。ヒオウギアヤメの群落が、湿地帯を彩っています。アヤメ平を過ぎると樹林帯の急坂になり、黒岩平の広い草原に出ます。黒岩平には冷たい水が豊かに流れ、「北アルプス最後の楽園」といっても過言ではない場所です。アヤメ平も同じだが、草地の中の道は、ところどころ小さな流れの溝に横切られ、対岸の取り付きがわかりにくいことがあるので注意しましょう。 黒岩平を横切り、樹林帯を登ると、中俣新道の分岐があります。道を左にとりひと登りすると、黒岩山の山頂です。 ここから先は稜線を行くが、ササに覆われ道が隠れているところもあります。小さな登降を繰り返して、文子ノ池を過ぎ、サワガニ山の山頂に着きます。展望が良く、朝日岳の立派な雄姿をみることができます。 ササの繁る稜線の登降を繰り返し、水場の標識のある鞍部に出ます。北俣ノ水場は、左の沢を少し下ったところにあります。鞍部から少し登り、ヤセ尾根を伝うと、犬ヶ岳の山頂に到着です。少し下ったところに栂海山荘が立っており、山荘からの展望は良く、日本海に落ちる夕日は格別です。 さらに稜線を忠実に進んでいきます。ヤブで少しわかりにくい道を注意して進み、黄蓮山を過ぎると、菊石山の鞍部に出ます。右に少し入ると黄蓮ノ水場があります。このあたりからはブナ林となります。 正面に白鳥山を望み、道は急な下りとなります。今度は崩れた斜面を左に見て、木の根につかまりながら急登し、さらにいくつかのピークを過ぎると、白鳥山頂で、ここには白鳥小屋があります。栂海山荘と同様で無人小屋です。 白鳥山から急坂を下り、道は沢状になったわかりにくい地形を通り、シキ割の水場に出ます。さらに下ると、地蔵が祀られ、車道の通る坂田峠に到着です。峠からゆるやかな登りで尻高山に出て、山頂から下ったところで車道を横断、再び山道に入ります。二本松峠から入道山を経て、国道8号に下り栂海新道登山口に到着です。折角なのでもう少し足を延ばして親不知海岸へ立ち寄るのもおすすめです。 ここからは、国道を約1時間の歩程で、親不知駅に着くことができますが、国道の歩行は大型車の通行が多いため危険です。登山口からタクシーを利用して親不知駅に向かうのが無難です。
  • 小谷温泉から雨飾山

    小谷温泉から雨飾山

    雨飾山へは、北と南のふたつの秘湯、新潟側の雨飾温泉と長野側の小谷温泉から登るのが一般的です。 雨飾山の人気の秘密は、秘湯ブームによるところが大きいのかもしれません。それはともかく、大半の登山者が、小谷温泉から登って雨飾温泉に下るか、その逆コースをとるかするのですが、近頃はマイカー登山が盛んとなり、小谷側に駐車場が整備されたこともあって、小谷側からピストン登山する登山者が増えてきました。ここでは、小谷側からのコースを紹介します。 大糸線南小谷駅から村営バスかタクシーで、小谷温泉に向います。タクシーかマイカーならば、登山道入口まで入ることができます。バスを利用した際は雨飾高原まで入ることができます。バス停の近くには露天風呂や乙見山峠から笹ヶ峰へ抜ける林道の入口があります。 林道から雨飾山が真正面に見えてくると、登山道入口の標識が立っていて、右に入るとやがて駐車場に出ます。マイカーで来たら、ここから山頂往復をするとよいでしょう。ここには休憩所があり、トイレや水の補給もでき、キャンプ場も開設されています。 林道はここまでで、いよいよ登山道にはいります。休憩所の横から少し下に入ると、大海川に沿った川原の中を、広河原と呼ばれる木道を歩きます。すぐにブナ林の尾根にたどりつくが、きつい登りが続きます。300mあまりの高度を一気に稼ぎ、山腹を巻くようになると荒菅沢に出ます。 夏の早い時期には雪渓も残っています。見上げると、スラブ状の岩壁が雨飾山頂上に向っているのが源頭に見えます。対岸に渡り、ジグザグに少し登ると、またきつい階段を上るような急登となります。明るい稜線を行きますが、夏などは直射日光を受けて大汗をかくことになります。左手に荒菅沢の源頭スラブを見ながら登ると、やがて笹平に到着です。 笹平からは雨飾温泉に行く分岐をとります。広い尾根で、一面ササに覆われているのが山頂まで続きます。急な斜面を少し登ると雨飾山の山頂で、左手の南峰に三角点が、右手のやや低い北峰に石仏や石祠があります。山頂からは北アルプスの朝日、雪倉、白馬から槍の穂先まで一望することができ、振り返れば焼山から天狗原山の山並が間近に見えます。なお、石仏のあるところから西へ尾根を下ると、大網口の登山道となっています。
    雨飾山へは、北と南のふたつの秘湯、新潟側の雨飾温泉と長野側の小谷温泉から登るのが一般的です。 雨飾山の人気の秘密は、秘湯ブームによるところが大きいのかもしれません。それはともかく、大半の登山者が、小谷温泉から登って雨飾温泉に下るか、その逆コースをとるかするのですが、近頃はマイカー登山が盛んとなり、小谷側に駐車場が整備されたこともあって、小谷側からピストン登山する登山者が増えてきました。ここでは、小谷側からのコースを紹介します。 大糸線南小谷駅から村営バスかタクシーで、小谷温泉に向います。タクシーかマイカーならば、登山道入口まで入ることができます。バスを利用した際は雨飾高原まで入ることができます。バス停の近くには露天風呂や乙見山峠から笹ヶ峰へ抜ける林道の入口があります。 林道から雨飾山が真正面に見えてくると、登山道入口の標識が立っていて、右に入るとやがて駐車場に出ます。マイカーで来たら、ここから山頂往復をするとよいでしょう。ここには休憩所があり、トイレや水の補給もでき、キャンプ場も開設されています。 林道はここまでで、いよいよ登山道にはいります。休憩所の横から少し下に入ると、大海川に沿った川原の中を、広河原と呼ばれる木道を歩きます。すぐにブナ林の尾根にたどりつくが、きつい登りが続きます。300mあまりの高度を一気に稼ぎ、山腹を巻くようになると荒菅沢に出ます。 夏の早い時期には雪渓も残っています。見上げると、スラブ状の岩壁が雨飾山頂上に向っているのが源頭に見えます。対岸に渡り、ジグザグに少し登ると、またきつい階段を上るような急登となります。明るい稜線を行きますが、夏などは直射日光を受けて大汗をかくことになります。左手に荒菅沢の源頭スラブを見ながら登ると、やがて笹平に到着です。 笹平からは雨飾温泉に行く分岐をとります。広い尾根で、一面ササに覆われているのが山頂まで続きます。急な斜面を少し登ると雨飾山の山頂で、左手の南峰に三角点が、右手のやや低い北峰に石仏や石祠があります。山頂からは北アルプスの朝日、雪倉、白馬から槍の穂先まで一望することができ、振り返れば焼山から天狗原山の山並が間近に見えます。なお、石仏のあるところから西へ尾根を下ると、大網口の登山道となっています。
  • 雨飾山西尾根

    雨飾山西尾根

    雨飾山西尾根コースは、登山口に入るのに不便なので登山者こそ少ないものの、地元の大網地区の観光協会主催で7月第1日曜日に山開きの行事として大勢の人が登っています。 小谷温泉から林道の湯峠を越して入るか、大糸線平岩駅から大網地区を通り大網登山口から入山します。このあたりは若干の駐車スペ−スはあるものの、正式の駐車場ではありません。標識を見て登山道に入るとすぐ、きれいな水の流れる沢を渡り、平らな道をしばらく歩くことになります。堰堤工事の資材運搬に使われたのか、トロッコの線路の枕木やイヌ釘などが打たれたままところどころに残っています。 しばらく歩くと前沢に出ます。河原の中をペンキの印に導かれ、上流に少し行き対岸に渡ります。ブナ林の中をゆっくりジグザグを繰り返し登って行くと、清水の流れる水場があります。さらにブナ林の中を行きますが、このあたりは、ブナの幹にクマの爪跡などが見えます。 樹間から北アルプスが見えるようになり、ネマガリタケが多くなる頃、水場の標識があります。道から左へ入ったところにある小さな沢がそれです。 道はやがて尾根道に出ますが、灌木帯の根元にカタクリやシラネアオイが咲きます。稜線に出れば山頂まで一直線に急な登りが続きますが、岩場の間を歩くようになれば石仏の待つ山頂は日の前。ハクサンチドリ、ミヤママンネングサ、ミヤマハンショウヅル、ヨツバシオガマ、ミヤマクワガタなどの高山植物が色とりどりに咲いています。
    雨飾山西尾根コースは、登山口に入るのに不便なので登山者こそ少ないものの、地元の大網地区の観光協会主催で7月第1日曜日に山開きの行事として大勢の人が登っています。 小谷温泉から林道の湯峠を越して入るか、大糸線平岩駅から大網地区を通り大網登山口から入山します。このあたりは若干の駐車スペ−スはあるものの、正式の駐車場ではありません。標識を見て登山道に入るとすぐ、きれいな水の流れる沢を渡り、平らな道をしばらく歩くことになります。堰堤工事の資材運搬に使われたのか、トロッコの線路の枕木やイヌ釘などが打たれたままところどころに残っています。 しばらく歩くと前沢に出ます。河原の中をペンキの印に導かれ、上流に少し行き対岸に渡ります。ブナ林の中をゆっくりジグザグを繰り返し登って行くと、清水の流れる水場があります。さらにブナ林の中を行きますが、このあたりは、ブナの幹にクマの爪跡などが見えます。 樹間から北アルプスが見えるようになり、ネマガリタケが多くなる頃、水場の標識があります。道から左へ入ったところにある小さな沢がそれです。 道はやがて尾根道に出ますが、灌木帯の根元にカタクリやシラネアオイが咲きます。稜線に出れば山頂まで一直線に急な登りが続きますが、岩場の間を歩くようになれば石仏の待つ山頂は日の前。ハクサンチドリ、ミヤママンネングサ、ミヤマハンショウヅル、ヨツバシオガマ、ミヤマクワガタなどの高山植物が色とりどりに咲いています。
  • 天神尾根から谷川岳へ

    天神尾根から谷川岳へ

    ロープウェイ「谷川岳ヨッホ」を利用するこのコースは、数ある谷川岳に登るコースの中で、最も登りやすく、登山者も多いコースです。下山に西黒尾根を選ぶこともできますが、西黒尾根は日本有数の急坂で、初心者は歩かない方がよいでしょう。残雪がある6月上旬から、紅葉の10月下旬までが登山シーズンです。 谷川岳ヨッホは、上から見下ろす木々の眺めが四季に応じて楽しめます。ロープウェイ天神平駅舎から出ると、初夏まで残雪があり、夏は花の多い天神平です。天神峠への登山リフトは展望がよいですが、リフト乗り場の横を通り抜けて、そのまま山頂に向かいましょう。斜面を巻きながら登り、木道などで整備された登山道をしばらく歩いていくと、天神峠からの登山道に合流します。美しいブナの森で、正面には谷川岳が美しくそびえています。 少し登って、熊穴沢避難小屋を過ぎると、尾根に入り、だんだん勾配が急になります。振り返ると、天神平のロープウェイの駅舎も見え、その奥には赤城山や武尊山などの展望が開けています。岩場にはクサリも設置されている箇所もあります。谷川岳山頂部を構成する岩石は蛇紋岩と呼ばれる岩。珍しい植物が多いことで知られていますが、濡れるとヌルヌルして滑りやすいので厄介です。登山道脇にはオオイワカガミやナエバキスミレなどの花も咲きます。やがて休憩によい、天狗の留まり場と呼ばれる岩場に出ます。木はどんどん低くなり、正面にはチシマザサに覆われた谷川岳の山頂が見えます。 山頂まではチシマザサを見ながらの急坂が続きます。7月上旬までは雪の急斜面を直登することになりますが、雪がとけると、木の階段を延々と登ります。この急坂を登りきると、谷川岳肩ノ小屋に到着します。有料ですがトイレもあり、飲料なども購入もできます。さらに笹原を少し登ると、双耳峰である谷川岳の手前の山頂のトマノ耳です。奥のピークのオキノ耳を目指し、一度下りまた登り返します。この鞍部は高山植物が多いので、植生保護のため、登山道から外れないようにしましょう。山頂からの展望はすばらしく、越後三山、苗場山、旭岳、遠く浅間山も見えます。 下山はロープウェイの時間を気にしながら、往路を下ります。
    ロープウェイ「谷川岳ヨッホ」を利用するこのコースは、数ある谷川岳に登るコースの中で、最も登りやすく、登山者も多いコースです。下山に西黒尾根を選ぶこともできますが、西黒尾根は日本有数の急坂で、初心者は歩かない方がよいでしょう。残雪がある6月上旬から、紅葉の10月下旬までが登山シーズンです。 谷川岳ヨッホは、上から見下ろす木々の眺めが四季に応じて楽しめます。ロープウェイ天神平駅舎から出ると、初夏まで残雪があり、夏は花の多い天神平です。天神峠への登山リフトは展望がよいですが、リフト乗り場の横を通り抜けて、そのまま山頂に向かいましょう。斜面を巻きながら登り、木道などで整備された登山道をしばらく歩いていくと、天神峠からの登山道に合流します。美しいブナの森で、正面には谷川岳が美しくそびえています。 少し登って、熊穴沢避難小屋を過ぎると、尾根に入り、だんだん勾配が急になります。振り返ると、天神平のロープウェイの駅舎も見え、その奥には赤城山や武尊山などの展望が開けています。岩場にはクサリも設置されている箇所もあります。谷川岳山頂部を構成する岩石は蛇紋岩と呼ばれる岩。珍しい植物が多いことで知られていますが、濡れるとヌルヌルして滑りやすいので厄介です。登山道脇にはオオイワカガミやナエバキスミレなどの花も咲きます。やがて休憩によい、天狗の留まり場と呼ばれる岩場に出ます。木はどんどん低くなり、正面にはチシマザサに覆われた谷川岳の山頂が見えます。 山頂まではチシマザサを見ながらの急坂が続きます。7月上旬までは雪の急斜面を直登することになりますが、雪がとけると、木の階段を延々と登ります。この急坂を登りきると、谷川岳肩ノ小屋に到着します。有料ですがトイレもあり、飲料なども購入もできます。さらに笹原を少し登ると、双耳峰である谷川岳の手前の山頂のトマノ耳です。奥のピークのオキノ耳を目指し、一度下りまた登り返します。この鞍部は高山植物が多いので、植生保護のため、登山道から外れないようにしましょう。山頂からの展望はすばらしく、越後三山、苗場山、旭岳、遠く浅間山も見えます。 下山はロープウェイの時間を気にしながら、往路を下ります。
  • 谷川岳から平標山へ

    谷川岳から平標山へ

    谷川岳と平標山を結ぶコースは、本州の脊梁山脈をなす谷川連峰の主脈をまっすぐ東西に踏み越える、上信越国境の山を代表する縦走路です。登山者は少なく、自然を強く感じることができます。その分、山慣れした登山者向きです。 コース途中にいくつか避難小屋があり、1泊2日の日程で歩くことが一般的ですが、寝袋とマット、食料などで荷物が重くなります。この場合水場がある大障子避難小屋を利用することが多く、週末には混雑することが多いようです。縦走路の起点になる谷川岳と、平標山に営業小屋があるのでこのふたつの山小屋を利用し、軽い装備で歩ける日程を紹介します。それでも縦走日のコースタイムが10時間を超え、トータルの登高差も大きく、エスケープルートもきつい、全体としてハードなコースです。そのぶん完歩の喜びは大きいでしょう。7月上旬から10月下旬までが適期です。 1日目は谷川岳肩ノ小屋まで。天神尾根から谷川岳へ(コースガイド)参照。 2日目はできるだけ早く谷川岳肩ノ小屋を出発し、小屋から西に向かう尾根を下ります。中ゴー尾根への分岐を過ぎると足場の悪い岩場が連続します。岩尾根を直登し、ザレたコースを巻くこの部分は、霧が出るとコースがわかりにくいので注意してください。初心者はここで時間がかかることもあります。オジカ沢ノ頭から少し下ったオジカ沢ノ頭避難小屋からアップダウンを繰り返すと大障子避難小屋です。水場は小屋横から下ります。 アップダウンを繰り返しながら大障子ノ頭の岩場を越え、万太郎山にとりつくと、勾配は急にきつくなります。吾策新道への分岐を過ぎると、万太郎山です。吾策新道はエスケープルートとして使うと、足場が悪く長くきついことを覚悟しておく必要があります。 万太郎山からしばらく尾根を歩きますが、やがて大きく下ります。毛渡乗越が最低鞍部。ここから川古温泉に下る道は、渡渉があり悪天時は歩けません。毛渡乗越からエビス大黒ノ頭を越え、仙ノ倉山へいたる長い登りは、かなりこたえます。展望のすばらしい仙ノ倉山山頂からまた大きく下り、鞍部からは平標山へは木道と木の階段の登りが続き、登山道脇には6月初旬ハクサンイチゲなどの高山植物が咲き乱れます。振り返ると谷川岳から歩いてきた山々、正面には苗場山などが見えます。山頂から南の広い尾根を下ると、平標山ノ家に到着します。 3日目は、尾根から外れ、樹林の中を下り林道を下り、平標登山口バス停に出ます。元橋から平標山へ(コースガイド)参照。
    谷川岳と平標山を結ぶコースは、本州の脊梁山脈をなす谷川連峰の主脈をまっすぐ東西に踏み越える、上信越国境の山を代表する縦走路です。登山者は少なく、自然を強く感じることができます。その分、山慣れした登山者向きです。 コース途中にいくつか避難小屋があり、1泊2日の日程で歩くことが一般的ですが、寝袋とマット、食料などで荷物が重くなります。この場合水場がある大障子避難小屋を利用することが多く、週末には混雑することが多いようです。縦走路の起点になる谷川岳と、平標山に営業小屋があるのでこのふたつの山小屋を利用し、軽い装備で歩ける日程を紹介します。それでも縦走日のコースタイムが10時間を超え、トータルの登高差も大きく、エスケープルートもきつい、全体としてハードなコースです。そのぶん完歩の喜びは大きいでしょう。7月上旬から10月下旬までが適期です。 1日目は谷川岳肩ノ小屋まで。天神尾根から谷川岳へ(コースガイド)参照。 2日目はできるだけ早く谷川岳肩ノ小屋を出発し、小屋から西に向かう尾根を下ります。中ゴー尾根への分岐を過ぎると足場の悪い岩場が連続します。岩尾根を直登し、ザレたコースを巻くこの部分は、霧が出るとコースがわかりにくいので注意してください。初心者はここで時間がかかることもあります。オジカ沢ノ頭から少し下ったオジカ沢ノ頭避難小屋からアップダウンを繰り返すと大障子避難小屋です。水場は小屋横から下ります。 アップダウンを繰り返しながら大障子ノ頭の岩場を越え、万太郎山にとりつくと、勾配は急にきつくなります。吾策新道への分岐を過ぎると、万太郎山です。吾策新道はエスケープルートとして使うと、足場が悪く長くきついことを覚悟しておく必要があります。 万太郎山からしばらく尾根を歩きますが、やがて大きく下ります。毛渡乗越が最低鞍部。ここから川古温泉に下る道は、渡渉があり悪天時は歩けません。毛渡乗越からエビス大黒ノ頭を越え、仙ノ倉山へいたる長い登りは、かなりこたえます。展望のすばらしい仙ノ倉山山頂からまた大きく下り、鞍部からは平標山へは木道と木の階段の登りが続き、登山道脇には6月初旬ハクサンイチゲなどの高山植物が咲き乱れます。振り返ると谷川岳から歩いてきた山々、正面には苗場山などが見えます。山頂から南の広い尾根を下ると、平標山ノ家に到着します。 3日目は、尾根から外れ、樹林の中を下り林道を下り、平標登山口バス停に出ます。元橋から平標山へ(コースガイド)参照。
  • 谷川岳から蓬峠を経て朝日岳へ(馬蹄型縦走)

    谷川岳から蓬峠を経て朝日岳へ(馬蹄型縦走)

    谷川連峰の稜線は、谷川岳から大きく北側に迂回し、湯檜曽川の源流部となっています。多くのピークを乗り越える馬蹄型縦走はハードな登山です。歩行時間は長くなりますが、寝具や食事がある蓬ヒュッテに1泊するため荷物が軽くなるコースを紹介します。 1日目の谷川岳山頂までは天神尾根から谷川岳へ(コースガイド)を参照。ロープウェイ「谷川岳ヨッホ」を利用し天神平へ上がり、天神尾根を登ります。谷川岳オキノ耳からは、濡れると滑りやすい岩場が続き、右を見下すと一ノ倉沢まで落ちていく落差の大きい断崖を見下すことができます。少し登り返して広い笹原になると、一ノ倉岳の山頂に到着。山頂からは今から歩く馬蹄型縦走の縦走路がぐるりと見渡せます。一度下ってまた登ると茂倉岳に到着します。茂倉岳からは花の多い尾根道を下りますが、一部ロープが張ってある岩場もあります。笹平は初夏に高山植物の花も多い場所です。急坂を登り返し、武能岳の山頂に到着。ずっと稜線上のチシマザサの海を抜けていきます。右から上がってくる新道が合流してすぐに、蓬峠に建つ蓬ヒュッテに到着。水場は土樽方面に10分下ります。この縦走露は夏は暑く、大量の水が必要です。 2日目。緩やかなアップダウンを繰り返しながら登ると七ッ小屋山に登頂。正面には秀峰大源太山、清水峠、湯檜曽川の渓谷の奥には、これから歩く長い稜線と朝日岳、笠ヶ岳などが見えます。さらに尾根を進み、急坂を下ると清水峠です。三角形の大きな建物はJRの監視小屋で入ることはできません。その先の小屋が白崩避難小屋です。 ジャンクションピークまでは長い登りです。途中、崩壊地もあるので、足場に注意しながら登ります。樹木がだんだん低くなると、朝日岳から伸びる尾根上のジャングションピークです。ここからは笹原と湿原をたおやかに続き、宝川温泉からの道と合流すると、谷川岳の展望がよい朝日岳山頂はすぐです。山頂には、ホソバヒナウスユキソウなどの花が多いです。 ここからは長い下りとなります。滑りやすい岩場を下り、大烏帽子岳など、大小いくつものの小ピークを巻きながら下ると笠ヶ岳避難小屋です。少し登って笠ヶ岳の山頂。一度大きく下り白毛門に向かって登り返します。 白毛門の山頂からは、とにかくただ大きく下ることになります。始めは目もくらむような岩場の急坂ですが、松ノ木沢ノ頭からは樹林帯の長い下りとなります。木の根が階段状になって歩きにくい箇所があります。だんだん沢音が近くなり、ハナゲノ沢を橋で渡り、少し歩くと登山口の土合橋駐車場に到着します。ここから土合駅まではあと少しです。
    谷川連峰の稜線は、谷川岳から大きく北側に迂回し、湯檜曽川の源流部となっています。多くのピークを乗り越える馬蹄型縦走はハードな登山です。歩行時間は長くなりますが、寝具や食事がある蓬ヒュッテに1泊するため荷物が軽くなるコースを紹介します。 1日目の谷川岳山頂までは天神尾根から谷川岳へ(コースガイド)を参照。ロープウェイ「谷川岳ヨッホ」を利用し天神平へ上がり、天神尾根を登ります。谷川岳オキノ耳からは、濡れると滑りやすい岩場が続き、右を見下すと一ノ倉沢まで落ちていく落差の大きい断崖を見下すことができます。少し登り返して広い笹原になると、一ノ倉岳の山頂に到着。山頂からは今から歩く馬蹄型縦走の縦走路がぐるりと見渡せます。一度下ってまた登ると茂倉岳に到着します。茂倉岳からは花の多い尾根道を下りますが、一部ロープが張ってある岩場もあります。笹平は初夏に高山植物の花も多い場所です。急坂を登り返し、武能岳の山頂に到着。ずっと稜線上のチシマザサの海を抜けていきます。右から上がってくる新道が合流してすぐに、蓬峠に建つ蓬ヒュッテに到着。水場は土樽方面に10分下ります。この縦走露は夏は暑く、大量の水が必要です。 2日目。緩やかなアップダウンを繰り返しながら登ると七ッ小屋山に登頂。正面には秀峰大源太山、清水峠、湯檜曽川の渓谷の奥には、これから歩く長い稜線と朝日岳、笠ヶ岳などが見えます。さらに尾根を進み、急坂を下ると清水峠です。三角形の大きな建物はJRの監視小屋で入ることはできません。その先の小屋が白崩避難小屋です。 ジャンクションピークまでは長い登りです。途中、崩壊地もあるので、足場に注意しながら登ります。樹木がだんだん低くなると、朝日岳から伸びる尾根上のジャングションピークです。ここからは笹原と湿原をたおやかに続き、宝川温泉からの道と合流すると、谷川岳の展望がよい朝日岳山頂はすぐです。山頂には、ホソバヒナウスユキソウなどの花が多いです。 ここからは長い下りとなります。滑りやすい岩場を下り、大烏帽子岳など、大小いくつものの小ピークを巻きながら下ると笠ヶ岳避難小屋です。少し登って笠ヶ岳の山頂。一度大きく下り白毛門に向かって登り返します。 白毛門の山頂からは、とにかくただ大きく下ることになります。始めは目もくらむような岩場の急坂ですが、松ノ木沢ノ頭からは樹林帯の長い下りとなります。木の根が階段状になって歩きにくい箇所があります。だんだん沢音が近くなり、ハナゲノ沢を橋で渡り、少し歩くと登山口の土合橋駐車場に到着します。ここから土合駅まではあと少しです。
  • 大源太キャニオンから大源太山へ

    大源太キャニオンから大源太山へ

    「上越のマッターホルン」の異名を持つ大源太山。山は四方が切り立った鋭角のピラミッド型で、まさに「上越のマッターホルン」の名にふさわしく、上信越国境の山随一の美しい山容を誇っています。遠くからでもその姿はよく目立ちますが、上信越国境の山々に囲まれており、その全容を見ることは難しいのが残念です。この山の美しさを見るためには登ってみるのが一番です。 登山道は急勾配で登高差も大きく、日帰り登山としては少々きつい山ですが、山頂に立つとその疲れも吹き飛びます。夏の登山道には、白い小さな壷状の花を咲かせるアカモノがたくさん咲きます。アカモノは花もかわいいですが、晩夏になると真っ赤な果実が熟し、とてもきれいです。また、秋の紅葉のころも美しい山です。大源太山を抜け、七ッ小屋山にも登り、謙信ゆかりの道を通る周遊コースを取ることもできますが、標高差もあり、歩行時間も長く、ハードコースに慣れていなければ往路を戻りましょう。 マイカーの利用が多く、公共交通機関を使ったアプローチは不便です。越後湯沢駅からタクシー利用か、大源太キャニオン行きのバスに乗り、旭原バス停から歩き出します。 大源太キャニオン方面から分かれ、右手に入った林道終点にある駐車場が登山口です。なだらかな登山道をしばらく歩き、橋を渡り、分岐を左に向かうと北沢に出ます。沢を渡渉しますが、増水時には渡れません。沢を渡ると、後はとにかく登っていくことになります。登りはじめはヒトツバカエデやウリハダカエデが混じるブナの巨木の美しい森です。ヒトツバカエデはいわゆるカエデのような深い切れ込みがなく、大きいハート形の葉で、秋になると美しい黄色に黄葉します。しばらく登って尾根に出ると、少し勾配は緩やかになり、正面には大源太山が大きく見えます。やがて登山道脇の木は低くなり、足元にアカモノという高山植物が登山道を飾る岩尾根を登っていきます。左右が大きく切れ落ち、はるか下まで見下ろす、ダイナミックなコースで、正面には、ピラミッド型で形のよい大源太山が迫ってきます。 高度感がある岩場を過ぎると、大源太山に到着します。山頂は広くはありませんが、大きく展望が広がり、登頂の喜びも大きいでしょう。蓬峠から七ッ小屋山、清水峠へと繋がる、いかにも上信越国境の山らしいチシマザサに覆われた稜線や、巻機山などの新潟の山々、湯沢方面の谷などの展望が広がります。 往路を駐車場に戻ります。長い岩場を足場に注意しながら下りましょう。また、雨が降ると北沢はすぐに増水します。
    「上越のマッターホルン」の異名を持つ大源太山。山は四方が切り立った鋭角のピラミッド型で、まさに「上越のマッターホルン」の名にふさわしく、上信越国境の山随一の美しい山容を誇っています。遠くからでもその姿はよく目立ちますが、上信越国境の山々に囲まれており、その全容を見ることは難しいのが残念です。この山の美しさを見るためには登ってみるのが一番です。 登山道は急勾配で登高差も大きく、日帰り登山としては少々きつい山ですが、山頂に立つとその疲れも吹き飛びます。夏の登山道には、白い小さな壷状の花を咲かせるアカモノがたくさん咲きます。アカモノは花もかわいいですが、晩夏になると真っ赤な果実が熟し、とてもきれいです。また、秋の紅葉のころも美しい山です。大源太山を抜け、七ッ小屋山にも登り、謙信ゆかりの道を通る周遊コースを取ることもできますが、標高差もあり、歩行時間も長く、ハードコースに慣れていなければ往路を戻りましょう。 マイカーの利用が多く、公共交通機関を使ったアプローチは不便です。越後湯沢駅からタクシー利用か、大源太キャニオン行きのバスに乗り、旭原バス停から歩き出します。 大源太キャニオン方面から分かれ、右手に入った林道終点にある駐車場が登山口です。なだらかな登山道をしばらく歩き、橋を渡り、分岐を左に向かうと北沢に出ます。沢を渡渉しますが、増水時には渡れません。沢を渡ると、後はとにかく登っていくことになります。登りはじめはヒトツバカエデやウリハダカエデが混じるブナの巨木の美しい森です。ヒトツバカエデはいわゆるカエデのような深い切れ込みがなく、大きいハート形の葉で、秋になると美しい黄色に黄葉します。しばらく登って尾根に出ると、少し勾配は緩やかになり、正面には大源太山が大きく見えます。やがて登山道脇の木は低くなり、足元にアカモノという高山植物が登山道を飾る岩尾根を登っていきます。左右が大きく切れ落ち、はるか下まで見下ろす、ダイナミックなコースで、正面には、ピラミッド型で形のよい大源太山が迫ってきます。 高度感がある岩場を過ぎると、大源太山に到着します。山頂は広くはありませんが、大きく展望が広がり、登頂の喜びも大きいでしょう。蓬峠から七ッ小屋山、清水峠へと繋がる、いかにも上信越国境の山らしいチシマザサに覆われた稜線や、巻機山などの新潟の山々、湯沢方面の谷などの展望が広がります。 往路を駐車場に戻ります。長い岩場を足場に注意しながら下りましょう。また、雨が降ると北沢はすぐに増水します。
  • 元橋から平標山へ

    元橋から平標山へ

    元橋から平標山に登る周遊コースは、上信越国境の山の中では交通の便がよく、登山道もよく整備されていますが、登高差は1000m以上ありきつい山です。首都圏から日帰りすることも、営業小屋である平標山ノ家に宿泊することもできます。登山シーズンは、6月上旬の雪どけのころから、雪が降り始める10月下旬まで。6月中旬はアズマシャクナゲなど花が多く、平標山と仙ノ倉山の鞍部には、たくさんのハクサンイチゲやハクサンコザクラが咲き乱れる広大な花畑になります。 元橋にある大型の駐車場から林道を歩き始めます。越後湯沢駅から浅貝行きのバスで来た場合は、平標登山口バス停で下車して、少し戻ると登山道入口があります。 道標に従い登山道に入ります。ブナの森の中、木の階段があり、それほど急ではありませんが、長くきつい登りです。美しい草原を登るようになると、突然巨大な送電線の鉄塔が現れ、周りの山々の展望が広がります。また樹林帯に入りますが、登るにつれて木は低くなり、松手山の山頂に着くころには、草原とチシマザサの笹原だけになり、振り返ると、山頂が台地状になっている苗場山をはじめ、緑濃い上信越国境の山並みが目に入ります。正面には、これから登る平標山がまだまだ遠く、高くそびえています。 しばらくは眺めのよい尾根道で、登山道脇に初夏になるとハクサンイチゲが群落になって咲いているでしょう。さらに長い木の階段を登り、一ノ肩と呼ばれる広場を過ぎると勾配は緩やかになり、小ピークをいくつか越えると、平標山の山頂に到着します。山頂からは谷川岳まで続く稜線をはじめ、360度の展望が広がります。初夏ならば少し仙ノ倉方面に下ってみましょう。ハクサンイチゲやハクサンコザクラのお花畑が待っています。 山頂からは、南に向かう広い尾根にある木の階段を下っていきます。初夏にはアズマシャクナゲが咲き、夏にはキンコウカの花で湿原が黄色く染まる花の多い斜面です。しばらく下ると山小屋の屋根が見え、やがて平標山ノ家に到着します。小屋脇で尾根から離れ、林の中にある平元新道を下ります。登山道にはしっかりと木の階段が整備されていて、この階段が延々と続き、ヒザにつらい下りになるでしょう。下るにつれて、周囲は白い幹が印象的なブナの森に入ります。単調な登山道を長く下っていると水場が現れ、その先はすぐに林道に出ます。しばらくは林道を歩きますが、道標に導かれて林道から離れ、渓流沿いにアップダウンの少ない登山道をしばらく歩くと、再び元橋の駐車場に到着します。
    元橋から平標山に登る周遊コースは、上信越国境の山の中では交通の便がよく、登山道もよく整備されていますが、登高差は1000m以上ありきつい山です。首都圏から日帰りすることも、営業小屋である平標山ノ家に宿泊することもできます。登山シーズンは、6月上旬の雪どけのころから、雪が降り始める10月下旬まで。6月中旬はアズマシャクナゲなど花が多く、平標山と仙ノ倉山の鞍部には、たくさんのハクサンイチゲやハクサンコザクラが咲き乱れる広大な花畑になります。 元橋にある大型の駐車場から林道を歩き始めます。越後湯沢駅から浅貝行きのバスで来た場合は、平標登山口バス停で下車して、少し戻ると登山道入口があります。 道標に従い登山道に入ります。ブナの森の中、木の階段があり、それほど急ではありませんが、長くきつい登りです。美しい草原を登るようになると、突然巨大な送電線の鉄塔が現れ、周りの山々の展望が広がります。また樹林帯に入りますが、登るにつれて木は低くなり、松手山の山頂に着くころには、草原とチシマザサの笹原だけになり、振り返ると、山頂が台地状になっている苗場山をはじめ、緑濃い上信越国境の山並みが目に入ります。正面には、これから登る平標山がまだまだ遠く、高くそびえています。 しばらくは眺めのよい尾根道で、登山道脇に初夏になるとハクサンイチゲが群落になって咲いているでしょう。さらに長い木の階段を登り、一ノ肩と呼ばれる広場を過ぎると勾配は緩やかになり、小ピークをいくつか越えると、平標山の山頂に到着します。山頂からは谷川岳まで続く稜線をはじめ、360度の展望が広がります。初夏ならば少し仙ノ倉方面に下ってみましょう。ハクサンイチゲやハクサンコザクラのお花畑が待っています。 山頂からは、南に向かう広い尾根にある木の階段を下っていきます。初夏にはアズマシャクナゲが咲き、夏にはキンコウカの花で湿原が黄色く染まる花の多い斜面です。しばらく下ると山小屋の屋根が見え、やがて平標山ノ家に到着します。小屋脇で尾根から離れ、林の中にある平元新道を下ります。登山道にはしっかりと木の階段が整備されていて、この階段が延々と続き、ヒザにつらい下りになるでしょう。下るにつれて、周囲は白い幹が印象的なブナの森に入ります。単調な登山道を長く下っていると水場が現れ、その先はすぐに林道に出ます。しばらくは林道を歩きますが、道標に導かれて林道から離れ、渓流沿いにアップダウンの少ない登山道をしばらく歩くと、再び元橋の駐車場に到着します。
  • ぐんま県境稜線トレイル 三国スキー場跡から白砂山へ

    ぐんま県境稜線トレイル 三国スキー場跡から白砂山へ

    ぐんま県境稜線トレイル新規開通区間は、三坂峠から白砂山まで。何度もアップダウンを繰り返す長いルートで、途中エスケープルートはなく、まだ歩きにくい部分も少しあり、長時間山道を歩く技術と体力とスピードが必要になる、ハードな登山道です。またアプローチや前後泊について、きちんと計画する必要もあります。往復すると10時間以上の超ロングコースで、野反湖に下山した方が早いです。 一日で歩く場合は登山口近くに宿泊して、早朝歩き始めるようにしましょう。マイカー利用の場合、日帰りならば、三国スキー場跡から上ノ倉山までの往復でも十分楽しめます。通しで歩く場合、途中のムジナ平には、群馬県が整備した笹原を切り開いた広場があり、避難小屋があります。ムジナ平の東で少し下った水場は涸れることもあります。 新規開通区間東側の最短アプローチである三国スキー場跡までの公共交通機関はなく、最寄りのバス停から登山口まで歩くと片道1時間20分です。白砂山を越えて西側まで縦走した場合、野反湖に下るのが最短コースです。野反湖まではバスの便がありますが、終バスが早く、また便数が少ないので、行動計画をきっちりする必要があります。 三国スキー場跡地から歩きはじめます。最初は紅葉の美しい湯之谷溪谷の遊歩道です。やがて、沢に出合います。ここに以前あった丸木橋は流され、今は渡渉します。沢を渡ると、かなり急な坂道が続きます。尾根に上がれば少しずつ展望が広がり、ブナの並木道のようです。三坂峠分岐から、いよいよ2018年に開通したばかりの新規開通区間です。登山道はまだあまり踏み固められていないので、ふわふわした感じがします。左右はブナとミズナラの森。何度もアップダウンを繰り返しながら、高度を上げていきます。林の中に一部、苔むした岩や木の根が張り出し、歩きにくい急坂があるので注意して歩きましょう。樹林を抜けて一度笹原に出ますが、再び樹林に入るとセバトノ頭です。少し下ると、水場に降りる分岐があり、さらに歩くと笹原を切り開いた広場があるムジナ平です。ムジナ平からは足場が悪い登山道でジグザクに笹原を登り、大黒ノ頭に至ります。ここからはハイマツも生える亜高山帯の稜線歩きになります。 軽い登りで上ノ倉山に登ると、展望が広がり、目の前に山容が美しい忠次郎山が見えます。展望は広がりますが、まだまだ白砂山は遠くにあります。山頂から一気に下り、また登り返すと忠次郎山です。山頂は樹林に囲まれ展望はありません。何度もアップダウンを繰り返し、細い岩尾根を抜ければ、上ノ間山に到着します。山頂からは、佐武流山、苗場山、浅間山、谷川連峰など、展望は抜群です。また下り、急坂を登って、アップダウンを繰り返し、長い稜線歩きの最後に足場が悪い斜面を登ると、白砂山に到着します。
    ぐんま県境稜線トレイル新規開通区間は、三坂峠から白砂山まで。何度もアップダウンを繰り返す長いルートで、途中エスケープルートはなく、まだ歩きにくい部分も少しあり、長時間山道を歩く技術と体力とスピードが必要になる、ハードな登山道です。またアプローチや前後泊について、きちんと計画する必要もあります。往復すると10時間以上の超ロングコースで、野反湖に下山した方が早いです。 一日で歩く場合は登山口近くに宿泊して、早朝歩き始めるようにしましょう。マイカー利用の場合、日帰りならば、三国スキー場跡から上ノ倉山までの往復でも十分楽しめます。通しで歩く場合、途中のムジナ平には、群馬県が整備した笹原を切り開いた広場があり、避難小屋があります。ムジナ平の東で少し下った水場は涸れることもあります。 新規開通区間東側の最短アプローチである三国スキー場跡までの公共交通機関はなく、最寄りのバス停から登山口まで歩くと片道1時間20分です。白砂山を越えて西側まで縦走した場合、野反湖に下るのが最短コースです。野反湖まではバスの便がありますが、終バスが早く、また便数が少ないので、行動計画をきっちりする必要があります。 三国スキー場跡地から歩きはじめます。最初は紅葉の美しい湯之谷溪谷の遊歩道です。やがて、沢に出合います。ここに以前あった丸木橋は流され、今は渡渉します。沢を渡ると、かなり急な坂道が続きます。尾根に上がれば少しずつ展望が広がり、ブナの並木道のようです。三坂峠分岐から、いよいよ2018年に開通したばかりの新規開通区間です。登山道はまだあまり踏み固められていないので、ふわふわした感じがします。左右はブナとミズナラの森。何度もアップダウンを繰り返しながら、高度を上げていきます。林の中に一部、苔むした岩や木の根が張り出し、歩きにくい急坂があるので注意して歩きましょう。樹林を抜けて一度笹原に出ますが、再び樹林に入るとセバトノ頭です。少し下ると、水場に降りる分岐があり、さらに歩くと笹原を切り開いた広場があるムジナ平です。ムジナ平からは足場が悪い登山道でジグザクに笹原を登り、大黒ノ頭に至ります。ここからはハイマツも生える亜高山帯の稜線歩きになります。 軽い登りで上ノ倉山に登ると、展望が広がり、目の前に山容が美しい忠次郎山が見えます。展望は広がりますが、まだまだ白砂山は遠くにあります。山頂から一気に下り、また登り返すと忠次郎山です。山頂は樹林に囲まれ展望はありません。何度もアップダウンを繰り返し、細い岩尾根を抜ければ、上ノ間山に到着します。山頂からは、佐武流山、苗場山、浅間山、谷川連峰など、展望は抜群です。また下り、急坂を登って、アップダウンを繰り返し、長い稜線歩きの最後に足場が悪い斜面を登ると、白砂山に到着します。
  • 和田小屋から苗場山(祓川コース)と赤湯温泉

    和田小屋から苗場山(祓川コース)と赤湯温泉

    和田小屋から歩き始める祓川コースは、首都圏からのアプローチが短く、登高差も比較的少ないために人気があります。日帰り登山も可能ですが、山麓には和田小屋と赤湯温泉、山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、宿泊することもできるため、ゆっくり宿泊するコースを紹介します。日本海側気候の影響を強く受ける豪雪地で7月に入っても残雪があります。山小屋は10月下旬に閉まります。アプローチは縦走であればタクシーになります。 1日目、和田小屋の少し手前から歩き始め、和田小屋からはスキー場のゲレンデをまっすぐ登ります。(夏期の土休日には和田小屋から登山リフトが運行。要確認)深いブナの森に入り、木の根が露出したり、木の階段が整備されていたり、岩場だったりで、変化に富んだ登山道を登ります。六合目を越えダケカンバの林に入り、急に視界が開けると、小さな湿原の下ノ芝です。さらに登るとベンチがある中ノ芝、上ノ芝と湿原が続きます。小松原湿原への分岐あたりから、斜面をトラバースするようになり、展望が広がり、勾配が緩やかになります。神楽ヶ峰へは登山道から右に数m登ります。 ここからは正面に苗場山の山頂部を大きく見ながら富士見坂を下ります。途中に雷清水があります。少し下った「お花畑」と呼ばれる鞍部から登り返し、最後に雲尾坂の急坂を登ると山頂湿原に出ます。広々とした木道を道標に従い歩くと、展望のない苗場山山頂に到着。山頂から苗場山頂ヒュッテまで、しばらくぬかるんだ小道です。 2日目、広い山頂湿原の木道を南に向かいます。山頂湿原の端から唐突に、足場が悪く、登山者が少ない厳しいクサリ場の下りになります。さらに草地や笹原を下ると、尾根が細くなりシラビソ廊下に入って行きます。登山道横にはオオシラビソやコメツガが生え、左右は深く切れ落ちた廊下のような細い尾根歩きです。足場の悪い急坂を下り、深穴岩の横を通ると、平坦で美しいブナ林のフクベノ平にでます。桂沢沿いにトチノキの巨木の下を通り下って、サゴイ沢を橋で渡ります。足場の悪い急坂を登り、赤倉山の分岐に出て、ここからまた下ると、今度は清津川を渡る橋があります。橋を渡ってすぐに大石がごろごろある河原を歩くと、ランプの宿の赤湯温泉に到着します。日帰り入浴もできますが、ご飯もおいしい赤湯温泉に一泊しましょう。 3日目、赤湯温泉からすぐの鉄橋を渡ると、いきなり滑りやすく足場の悪い急登です。勾配が緩やかになりしばらく進むと、見返りの松です。アップダウンを繰り返し、到着した鷹ノ巣峠からはまた急な下り。棒沢橋を渡ると、林道に出るので、後は小日橋の先まで、延々と林道を歩きます。
    和田小屋から歩き始める祓川コースは、首都圏からのアプローチが短く、登高差も比較的少ないために人気があります。日帰り登山も可能ですが、山麓には和田小屋と赤湯温泉、山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、宿泊することもできるため、ゆっくり宿泊するコースを紹介します。日本海側気候の影響を強く受ける豪雪地で7月に入っても残雪があります。山小屋は10月下旬に閉まります。アプローチは縦走であればタクシーになります。 1日目、和田小屋の少し手前から歩き始め、和田小屋からはスキー場のゲレンデをまっすぐ登ります。(夏期の土休日には和田小屋から登山リフトが運行。要確認)深いブナの森に入り、木の根が露出したり、木の階段が整備されていたり、岩場だったりで、変化に富んだ登山道を登ります。六合目を越えダケカンバの林に入り、急に視界が開けると、小さな湿原の下ノ芝です。さらに登るとベンチがある中ノ芝、上ノ芝と湿原が続きます。小松原湿原への分岐あたりから、斜面をトラバースするようになり、展望が広がり、勾配が緩やかになります。神楽ヶ峰へは登山道から右に数m登ります。 ここからは正面に苗場山の山頂部を大きく見ながら富士見坂を下ります。途中に雷清水があります。少し下った「お花畑」と呼ばれる鞍部から登り返し、最後に雲尾坂の急坂を登ると山頂湿原に出ます。広々とした木道を道標に従い歩くと、展望のない苗場山山頂に到着。山頂から苗場山頂ヒュッテまで、しばらくぬかるんだ小道です。 2日目、広い山頂湿原の木道を南に向かいます。山頂湿原の端から唐突に、足場が悪く、登山者が少ない厳しいクサリ場の下りになります。さらに草地や笹原を下ると、尾根が細くなりシラビソ廊下に入って行きます。登山道横にはオオシラビソやコメツガが生え、左右は深く切れ落ちた廊下のような細い尾根歩きです。足場の悪い急坂を下り、深穴岩の横を通ると、平坦で美しいブナ林のフクベノ平にでます。桂沢沿いにトチノキの巨木の下を通り下って、サゴイ沢を橋で渡ります。足場の悪い急坂を登り、赤倉山の分岐に出て、ここからまた下ると、今度は清津川を渡る橋があります。橋を渡ってすぐに大石がごろごろある河原を歩くと、ランプの宿の赤湯温泉に到着します。日帰り入浴もできますが、ご飯もおいしい赤湯温泉に一泊しましょう。 3日目、赤湯温泉からすぐの鉄橋を渡ると、いきなり滑りやすく足場の悪い急登です。勾配が緩やかになりしばらく進むと、見返りの松です。アップダウンを繰り返し、到着した鷹ノ巣峠からはまた急な下り。棒沢橋を渡ると、林道に出るので、後は小日橋の先まで、延々と林道を歩きます。
  • 小赤沢から苗場山頂へ

    小赤沢から苗場山頂へ

    首都圏方面からだと越後湯沢から津南、秋山郷と経由する必要があり、アプローチには長く時間がかります。マイカー利用が多いですが、公共交通機関を利用する場合は、小赤沢から登山口まで1時間40分ほど登るか、津南からタクシーでアプローチすることになります。 このコースは、山頂湿原歩きが長く展望がよく、ブナの森や針葉樹林など、変化に富んだ趣のあるルートです。秋山郷からの多くの登山者がこのコースを選び、日帰り登山者が多いのも特徴のひとつ。 小赤沢がある秋山郷は、苗場山と鳥甲山に囲まれた、深い谷にある世界有数の豪雪地帯です。新潟県と長野県に分かれており、北側にあるのは新潟県の津南はおいしいお米の産地として知られています。秋山郷の南側は、長野県の栄村。秋山郷には多くの温泉があり、小赤沢には濁った褐色の温泉が湧いています。苗場山の山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、山小屋に宿泊すれば、夕焼けの湿原、早朝の朝露に濡れた高山植物などに出合えることでしょう。 小赤沢から長い林道を車で入ると、突然大きな駐車場(三合目)に出ます。駐車場の一番奥にある登山口の右側には水場があります。木の階段が整備された登山道を登り始め、ブナの巨木の森の中を抜けて歩きます。水場のある四合目を超えると、ブナは少なくなり、白い木肌が目立つダケカンバの林になっていきます。五合目あたりは落葉広葉樹林の下のドロドロの道になります。六合目あたりから勾配が急になり、周囲の木の高さはだんだん低くなり、チシマザサの笹薮がどんどん多くなっていきます。七合目からは急坂や鎖場が出てきます。最後の急坂を登ると、山頂湿原のはずれになる八合目の坪場に出ます。 八合目からは、苗場山の山頂湿原と、オオシラビソやコメツガなどの針葉樹の林がモザイク状に混在する美しい場所を歩くようになります。7月上旬までは残雪が多く、霧が出ると道迷いしやすいので、雪の上に設置されたルートを示すポールをよくみて歩きましょう。緩やかに木道を登っていくと平太郎尾根への分岐と別れ、右に回るように歩くと、今度は赤倉山への分岐になります。さらに夏にはチングルマやヒメシャクナゲが咲く湿原と池溏を見ながら木道を緩やかに登って行くと、苗場山頂ヒュッテに到着します。三角点がある苗場山山頂へは、山頂ヒュッテからすぐですが、展望はありません。さらに少し下った湿原に行くと展望が広がります。 帰路は往路を戻ります。
    首都圏方面からだと越後湯沢から津南、秋山郷と経由する必要があり、アプローチには長く時間がかります。マイカー利用が多いですが、公共交通機関を利用する場合は、小赤沢から登山口まで1時間40分ほど登るか、津南からタクシーでアプローチすることになります。 このコースは、山頂湿原歩きが長く展望がよく、ブナの森や針葉樹林など、変化に富んだ趣のあるルートです。秋山郷からの多くの登山者がこのコースを選び、日帰り登山者が多いのも特徴のひとつ。 小赤沢がある秋山郷は、苗場山と鳥甲山に囲まれた、深い谷にある世界有数の豪雪地帯です。新潟県と長野県に分かれており、北側にあるのは新潟県の津南はおいしいお米の産地として知られています。秋山郷の南側は、長野県の栄村。秋山郷には多くの温泉があり、小赤沢には濁った褐色の温泉が湧いています。苗場山の山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、山小屋に宿泊すれば、夕焼けの湿原、早朝の朝露に濡れた高山植物などに出合えることでしょう。 小赤沢から長い林道を車で入ると、突然大きな駐車場(三合目)に出ます。駐車場の一番奥にある登山口の右側には水場があります。木の階段が整備された登山道を登り始め、ブナの巨木の森の中を抜けて歩きます。水場のある四合目を超えると、ブナは少なくなり、白い木肌が目立つダケカンバの林になっていきます。五合目あたりは落葉広葉樹林の下のドロドロの道になります。六合目あたりから勾配が急になり、周囲の木の高さはだんだん低くなり、チシマザサの笹薮がどんどん多くなっていきます。七合目からは急坂や鎖場が出てきます。最後の急坂を登ると、山頂湿原のはずれになる八合目の坪場に出ます。 八合目からは、苗場山の山頂湿原と、オオシラビソやコメツガなどの針葉樹の林がモザイク状に混在する美しい場所を歩くようになります。7月上旬までは残雪が多く、霧が出ると道迷いしやすいので、雪の上に設置されたルートを示すポールをよくみて歩きましょう。緩やかに木道を登っていくと平太郎尾根への分岐と別れ、右に回るように歩くと、今度は赤倉山への分岐になります。さらに夏にはチングルマやヒメシャクナゲが咲く湿原と池溏を見ながら木道を緩やかに登って行くと、苗場山頂ヒュッテに到着します。三角点がある苗場山山頂へは、山頂ヒュッテからすぐですが、展望はありません。さらに少し下った湿原に行くと展望が広がります。 帰路は往路を戻ります。
  • 佐武流山

    佐武流山

    苗場山に南方に位置し、秋山郷の最奥部から登る佐武流山は、深い森と清流に囲まれた、山深い場所に静かにそびえる秀峰で、草原と林が混じった上信越国境の山らしい雰囲気があります。しかし、日帰り登山としては道のりは非常に長く、足場も悪く、登高差も大きく、体力と経験がある登山者向けの山です。登山者は少なく、エスケープルートもなく、渡渉もあるので事前に天気にも注意が必要です。夏は日が長いですが、この山は暑いので飲用水を多めにお持ちください。遅くなることもあるのでヘッドライトと多めの行動食は必携です。 一日の行程が長いだけではなく、山奥にあるため、登山口までのアプローチも時間がかかります。マイカー利用が基本です。登頂するには、近くの切明温泉などに前泊する必要があります。公共交通機関利用の場合、路線バスを乗り継いでのデマンド運行の乗合タクシー(便数少ない)か、手前の和山温泉から、切明温泉まで送迎してもらいます。この場合下山後もう1泊宿泊する必要があります。なお、切明温泉から登山口まで歩くと30分ほどかかります。 佐武流山ドロノキ平登山口から、山道に入ってゆるやかに登ります。登山道ではない赤テープなどに惑わされないようにしましょう。やがて未舗装の林道に出ます。切明温泉からの林道と合流して、檜俣川の右岸の斜面を歩きます。正面にはるか高くワルサ峰が木々の間から見え、左には月夜立岩の岩壁が見えます。林道終点少し手前で、右に一気に下ります。足場が悪い細いトラバースの下りです。檜俣川の徒渉は、くるぶしよりも深く、増水時は要注意です。左岸に渡ると物思平まで、長く厳しい急坂が続きます。物思平からも厳しい登りが続き、木の根をよじ登るような足場が悪い場所が続きます。右側には猿面峰が見えます。突然現れる急坂を水無尾根の北側へ下り、またしばらく登ると、ワルサ峰に到着します。 ここまですでに標高を相当かせいでいますが、まだここからの道のりはまだ長くきついものがあります。小さくアップダウンを繰り返しながら、もうひとつピークを越え、少し登ると西赤沢源頭のナラズ山との分岐になり、分岐からさらに登ると坊主平です。この後林の中を単調に登りますが、ところどころ左側の断崖に近づき、遠くに佐武流山の山頂が見え、振り返ると苗場山が大きく見えます。少し下って、最後に緩やかに登ると、佐武流山に到着します。山頂からは、ほとんど人工物が見えず、いかにも深山の雰囲気があります。 下山は往路を戻ります。行程が長く、アップダウンもあり、足場が悪いので、余裕をもって下山しましょう。
    苗場山に南方に位置し、秋山郷の最奥部から登る佐武流山は、深い森と清流に囲まれた、山深い場所に静かにそびえる秀峰で、草原と林が混じった上信越国境の山らしい雰囲気があります。しかし、日帰り登山としては道のりは非常に長く、足場も悪く、登高差も大きく、体力と経験がある登山者向けの山です。登山者は少なく、エスケープルートもなく、渡渉もあるので事前に天気にも注意が必要です。夏は日が長いですが、この山は暑いので飲用水を多めにお持ちください。遅くなることもあるのでヘッドライトと多めの行動食は必携です。 一日の行程が長いだけではなく、山奥にあるため、登山口までのアプローチも時間がかかります。マイカー利用が基本です。登頂するには、近くの切明温泉などに前泊する必要があります。公共交通機関利用の場合、路線バスを乗り継いでのデマンド運行の乗合タクシー(便数少ない)か、手前の和山温泉から、切明温泉まで送迎してもらいます。この場合下山後もう1泊宿泊する必要があります。なお、切明温泉から登山口まで歩くと30分ほどかかります。 佐武流山ドロノキ平登山口から、山道に入ってゆるやかに登ります。登山道ではない赤テープなどに惑わされないようにしましょう。やがて未舗装の林道に出ます。切明温泉からの林道と合流して、檜俣川の右岸の斜面を歩きます。正面にはるか高くワルサ峰が木々の間から見え、左には月夜立岩の岩壁が見えます。林道終点少し手前で、右に一気に下ります。足場が悪い細いトラバースの下りです。檜俣川の徒渉は、くるぶしよりも深く、増水時は要注意です。左岸に渡ると物思平まで、長く厳しい急坂が続きます。物思平からも厳しい登りが続き、木の根をよじ登るような足場が悪い場所が続きます。右側には猿面峰が見えます。突然現れる急坂を水無尾根の北側へ下り、またしばらく登ると、ワルサ峰に到着します。 ここまですでに標高を相当かせいでいますが、まだここからの道のりはまだ長くきついものがあります。小さくアップダウンを繰り返しながら、もうひとつピークを越え、少し登ると西赤沢源頭のナラズ山との分岐になり、分岐からさらに登ると坊主平です。この後林の中を単調に登りますが、ところどころ左側の断崖に近づき、遠くに佐武流山の山頂が見え、振り返ると苗場山が大きく見えます。少し下って、最後に緩やかに登ると、佐武流山に到着します。山頂からは、ほとんど人工物が見えず、いかにも深山の雰囲気があります。 下山は往路を戻ります。行程が長く、アップダウンもあり、足場が悪いので、余裕をもって下山しましょう。
  • 障子ヶ岳から以東岳を繋ぐ周回コース

    障子ヶ岳から以東岳を繋ぐ周回コース

    大井沢口の南俣沢出合から林道を30分ほど行くと障子ヶ岳登山口があります。出合吹沢を渡ると急な登りが始まります。水場を過ぎ鞍部からひと登りすると稜線上に出て、紫ナデから障子ヶ岳山頂まで見晴らしの良い尾根歩きが続きます。1300m前後の尾根ですが、季節風をまともに受ける地形のため、低いながら主稜線さながらの景観が広がります。雪崩により削り取られた迫力ある岩壁を眺めながら山頂を目指します。障子ヶ岳山頂からは出合川の深い谷とどっしりとした以東岳を望めます。急なヤセ尾根を下りアップダウンを繰り返すと粟畑に達し、天狗角力取山避難小屋はもうすぐです。 天狗が相撲を取ったという天狗角力取場を過ぎ縦走路から右にそれると、天狗角力取山です。ここから一気に標高差約650mを下ります。出合川渡渉点近くの左岸には湧き水があります。膝丈ほどの渡渉になりますが、増水時は渡ることができないので、時期や天候を判断しなくてはなりません。渡渉後、尾根道に取り付くまでは不明瞭ですが、テープを頼りに探します。樹林帯の急坂を登ると明光山です。灌木帯に変わり徐々に展望が開けてきます。奇峰・エズラ峰と小さな滝が連続するオツボ沢の美しい景色を眺めながらササ原の中を高度を上げ、草原に出ればオツボ峰はもうすぐです。 明光山からオツボ峰にかけては、昔大井沢の狩人たちが切り拓いた道です。近年は廃道状態になっていましたが西川山岳会の有志が中心となり数年かけて復活させました。通行に際しては自己責任となります。 一等三角点のある以東岳からの下りは、裸地化と浸食が激しく、視界不良時にはルートを見失わないように注意します。中先峰を過ぎ登り返すとまもなく狐穴避難小屋に着きます。かつて水の湧く草原の中に狐の住み穴があったそうです。 小屋前の木道を通り、高松峰分岐に向かいます。振り返ると、狐穴避難小屋と以東岳が額縁に入るような景色を眺められます。砂礫と岩、ハイマツの気持ちの良い尾根を緩やかに下っていきます。高松峰からコバラメキまでは、岩場や足場の悪い急斜面でロープが設置してある箇所があります。テラス状の大岩を乗り越えると、灌木帯になり、ブナ林の中を登り返すと二ッ石山です。湯沢峰、ウツノシマ峰を過ぎ、やや急な坂を登り切ると天狗角力取山分岐に着きます。粟畑からは尾根筋を下り、その後竜ヶ岳の北側を巻くように進むと焼峰に至ります。最後は緩やかなカラマツ林を抜けて一段下って進んでいくと南俣沢出合に到着です。 二ッ石山を通るルートには二つの特徴があります。ひとつ目は景観の良さです。登山道の南東側は切れ落ちているため見通しがよく、特にオバラメキ付近では迫力ある岩壁を眺めることができます。二つ目は、比較的風が弱いことです。主稜線上で爆風が吹き付ける時など、エスケープルートして利用できます。
    大井沢口の南俣沢出合から林道を30分ほど行くと障子ヶ岳登山口があります。出合吹沢を渡ると急な登りが始まります。水場を過ぎ鞍部からひと登りすると稜線上に出て、紫ナデから障子ヶ岳山頂まで見晴らしの良い尾根歩きが続きます。1300m前後の尾根ですが、季節風をまともに受ける地形のため、低いながら主稜線さながらの景観が広がります。雪崩により削り取られた迫力ある岩壁を眺めながら山頂を目指します。障子ヶ岳山頂からは出合川の深い谷とどっしりとした以東岳を望めます。急なヤセ尾根を下りアップダウンを繰り返すと粟畑に達し、天狗角力取山避難小屋はもうすぐです。 天狗が相撲を取ったという天狗角力取場を過ぎ縦走路から右にそれると、天狗角力取山です。ここから一気に標高差約650mを下ります。出合川渡渉点近くの左岸には湧き水があります。膝丈ほどの渡渉になりますが、増水時は渡ることができないので、時期や天候を判断しなくてはなりません。渡渉後、尾根道に取り付くまでは不明瞭ですが、テープを頼りに探します。樹林帯の急坂を登ると明光山です。灌木帯に変わり徐々に展望が開けてきます。奇峰・エズラ峰と小さな滝が連続するオツボ沢の美しい景色を眺めながらササ原の中を高度を上げ、草原に出ればオツボ峰はもうすぐです。 明光山からオツボ峰にかけては、昔大井沢の狩人たちが切り拓いた道です。近年は廃道状態になっていましたが西川山岳会の有志が中心となり数年かけて復活させました。通行に際しては自己責任となります。 一等三角点のある以東岳からの下りは、裸地化と浸食が激しく、視界不良時にはルートを見失わないように注意します。中先峰を過ぎ登り返すとまもなく狐穴避難小屋に着きます。かつて水の湧く草原の中に狐の住み穴があったそうです。 小屋前の木道を通り、高松峰分岐に向かいます。振り返ると、狐穴避難小屋と以東岳が額縁に入るような景色を眺められます。砂礫と岩、ハイマツの気持ちの良い尾根を緩やかに下っていきます。高松峰からコバラメキまでは、岩場や足場の悪い急斜面でロープが設置してある箇所があります。テラス状の大岩を乗り越えると、灌木帯になり、ブナ林の中を登り返すと二ッ石山です。湯沢峰、ウツノシマ峰を過ぎ、やや急な坂を登り切ると天狗角力取山分岐に着きます。粟畑からは尾根筋を下り、その後竜ヶ岳の北側を巻くように進むと焼峰に至ります。最後は緩やかなカラマツ林を抜けて一段下って進んでいくと南俣沢出合に到着です。 二ッ石山を通るルートには二つの特徴があります。ひとつ目は景観の良さです。登山道の南東側は切れ落ちているため見通しがよく、特にオバラメキ付近では迫力ある岩壁を眺めることができます。二つ目は、比較的風が弱いことです。主稜線上で爆風が吹き付ける時など、エスケープルートして利用できます。
  • 三面登山口から相模山へ

    三面登山口から相模山へ

    朝日スーパー林道から奥三面ダムを過ぎ、さらに舗装された道路を8キロほど進むと林道終点の駐車場と三面登山口に到着します。かつての里の暮らしを感じられるわらび畑を抜けると平らなブナ原生林へと入っていきます。平四郎沢までは、2022年の豪雨で被災した箇所にロープが設置されています。 平四郎沢にはかつては名物の一本吊り橋が架けられていましたが、現在は一旦沢まで下り渡渉した後登り返します。崖のような斜面をロープを頼りに登り下りする難所です。荒天時には通行不可になりますので注意が必要です。永久橋の深沢橋を渡ると三面避難小屋に着きます。豊富な水を利用できる快適な避難小屋です。 翌早朝、暗いうちに出発し主稜線を目指します。永久橋で三面川本流を渡り足場の悪い斜面を通過すると、あとはひたすらヤセ尾根の急な登りが続きます。フトデ峰まで来ると楽になり、道陸神峰避難小屋に着きます。屋根だけある簡易シェルターのような小屋ですが土間と囲炉裏があり、野性的な一夜を過ごすにはよいでしょう。 道陸神峰からは、はるか彼方の主稜線まで脈々と伸びる尾根が見通せます。ブナ林の中の「仙野平」「鶴の一声」を過ぎ「中山峰」「沼倉峰」と灌木帯になっていきます。残雪のある時期以外では水場は期待できない「大上戸泊場」を過ぎ、蟻の戸渡りのような岩場を超えると大上戸山山頂です。存在感溢れる相模山と近づいてくる主稜線の眺めは格別です。 相模山は、「サ神」と称する山の神、水の神の領域で、かつての三面山人衆にとって狩猟禁断の山とされ、山頂が見えれば笠を脱いで拝礼し、熊やカモシカがその領域へ逃げれば狩りを断念したそうです。右手に西朝日岳、左手には以東岳へと伸びる主稜線を、眼下には三面川と岩井又沢の源流域に広がるブナ樹海を見渡せます。 相模山を超えると善六池があります。遅くまで雪渓が残り、高山植物が豊富な場所で、どっしりとした以東岳がその水面の背景に映えます。南側のガッコ沢には秋でも雪渓が残っていることがあります。気持ちの良い草原地帯を登り上げると北寒江山に着き、狐穴避難小屋はもう目の前です。山上のオアシスで疲れを癒しましょう。 下山は、往路を戻ります。アップダウンを繰り返しながら高度を下げていきますが、道陸神峰から三面避難小屋までは特に慎重に下りましょう。登山口までは3時間ほどですが、平四郎沢の渡渉などもあり、最後まで気を抜くことができない山行となります。 2022年8月3日の豪雨災害により、登山口までの道路は現在も通行止めが続いています。開通の目途は立っていない状況ですが、村上市では毎年登山道の刈り払いと整備をしています。今から約40年前に奥三面ダム建設に伴い消滅した三面集落の人々の、生活の糧の場であった領域であり、奥山に入る重要な尾根道である三大峰の一つである本コースを残したい、守りたいという思いを感じずにはいられません。
    朝日スーパー林道から奥三面ダムを過ぎ、さらに舗装された道路を8キロほど進むと林道終点の駐車場と三面登山口に到着します。かつての里の暮らしを感じられるわらび畑を抜けると平らなブナ原生林へと入っていきます。平四郎沢までは、2022年の豪雨で被災した箇所にロープが設置されています。 平四郎沢にはかつては名物の一本吊り橋が架けられていましたが、現在は一旦沢まで下り渡渉した後登り返します。崖のような斜面をロープを頼りに登り下りする難所です。荒天時には通行不可になりますので注意が必要です。永久橋の深沢橋を渡ると三面避難小屋に着きます。豊富な水を利用できる快適な避難小屋です。 翌早朝、暗いうちに出発し主稜線を目指します。永久橋で三面川本流を渡り足場の悪い斜面を通過すると、あとはひたすらヤセ尾根の急な登りが続きます。フトデ峰まで来ると楽になり、道陸神峰避難小屋に着きます。屋根だけある簡易シェルターのような小屋ですが土間と囲炉裏があり、野性的な一夜を過ごすにはよいでしょう。 道陸神峰からは、はるか彼方の主稜線まで脈々と伸びる尾根が見通せます。ブナ林の中の「仙野平」「鶴の一声」を過ぎ「中山峰」「沼倉峰」と灌木帯になっていきます。残雪のある時期以外では水場は期待できない「大上戸泊場」を過ぎ、蟻の戸渡りのような岩場を超えると大上戸山山頂です。存在感溢れる相模山と近づいてくる主稜線の眺めは格別です。 相模山は、「サ神」と称する山の神、水の神の領域で、かつての三面山人衆にとって狩猟禁断の山とされ、山頂が見えれば笠を脱いで拝礼し、熊やカモシカがその領域へ逃げれば狩りを断念したそうです。右手に西朝日岳、左手には以東岳へと伸びる主稜線を、眼下には三面川と岩井又沢の源流域に広がるブナ樹海を見渡せます。 相模山を超えると善六池があります。遅くまで雪渓が残り、高山植物が豊富な場所で、どっしりとした以東岳がその水面の背景に映えます。南側のガッコ沢には秋でも雪渓が残っていることがあります。気持ちの良い草原地帯を登り上げると北寒江山に着き、狐穴避難小屋はもう目の前です。山上のオアシスで疲れを癒しましょう。 下山は、往路を戻ります。アップダウンを繰り返しながら高度を下げていきますが、道陸神峰から三面避難小屋までは特に慎重に下りましょう。登山口までは3時間ほどですが、平四郎沢の渡渉などもあり、最後まで気を抜くことができない山行となります。 2022年8月3日の豪雨災害により、登山口までの道路は現在も通行止めが続いています。開通の目途は立っていない状況ですが、村上市では毎年登山道の刈り払いと整備をしています。今から約40年前に奥三面ダム建設に伴い消滅した三面集落の人々の、生活の糧の場であった領域であり、奥山に入る重要な尾根道である三大峰の一つである本コースを残したい、守りたいという思いを感じずにはいられません。