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検索結果1117件中
881-900件
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毛無山から十二ヶ岳~鬼ヶ岳
- 日帰り
- 7時間0分
- 9.4km
毛無山から十二ヶ岳~鬼ヶ岳
- 日帰り
- 7時間0分
- 9.4km
毛無山登山口バス停で下車、文化洞トンネルの左手から尾根上に上がり右へ折れます。急登で三角点峰を越えると雑木林が美しい長浜分岐で、ここからは山頂へ向け最後の登りが始まります。山頂直下は笹とカヤトが覆う草原状で、山中湖から西富士方面まで広がるパノラマを傍らに毛無山山頂に立ちます。山頂から西へ歩を進めると、「一ヶ岳」の標識が現れます。十二ヶ岳までは鎖やロープを使った登下降や、岩尾根を右へ左へと巻き進んでいきますが、極端に困難な悪場や危険箇所はなく、山歩き中級者から経験者で、かつ悪天候時や冬場でなければ十分に楽しめる一般登山道です。 十一ヶ岳からロープが設置された高差50~60mの急峻な溝状を下り、キレット状に切れ込んだ鞍部に架かる吊橋を渡ります。鎖を追って急峻な岩稜を登り切れば十二ヶ岳です。狭い山頂ながら、富士山をはじめ素晴らしい展望があります。ヤセ尾根の登下降をへて、緩やかな尾根を登れば三差路となった金山。時間と天候が許せば主稜線を右へたどり、節刀ヶ岳からの展望を楽しむとよいでしょう。金山から鬼ヶ岳へは、おおむね穏やかな稜線歩きです。西湖側が切れ落ちた急登をこなせば、鬼の角を思わせる露岩が突き出した鬼ヶ岳山頂で、360度の眺望が広がります。根場への下降は、岩場に架かるアルミハシゴの下りで始まります。岩尾根を進んだ尾根の肩状が雪頭ヶ岳で、お花畑の先に大パノラマが広がります。スリップや転倒に注意して急斜面を下り、東入川堰堤広場をへて西湖いやしの里根場、または根場民宿バス停に出ます。毛無山登山口バス停で下車、文化洞トンネルの左手から尾根上に上がり右へ折れます。急登で三角点峰を越えると雑木林が美しい長浜分岐で、ここからは山頂へ向け最後の登りが始まります。山頂直下は笹とカヤトが覆う草原状で、山中湖から西富士方面まで広がるパノラマを傍らに毛無山山頂に立ちます。山頂から西へ歩を進めると、「一ヶ岳」の標識が現れます。十二ヶ岳までは鎖やロープを使った登下降や、岩尾根を右へ左へと巻き進んでいきますが、極端に困難な悪場や危険箇所はなく、山歩き中級者から経験者で、かつ悪天候時や冬場でなければ十分に楽しめる一般登山道です。 十一ヶ岳からロープが設置された高差50~60mの急峻な溝状を下り、キレット状に切れ込んだ鞍部に架かる吊橋を渡ります。鎖を追って急峻な岩稜を登り切れば十二ヶ岳です。狭い山頂ながら、富士山をはじめ素晴らしい展望があります。ヤセ尾根の登下降をへて、緩やかな尾根を登れば三差路となった金山。時間と天候が許せば主稜線を右へたどり、節刀ヶ岳からの展望を楽しむとよいでしょう。金山から鬼ヶ岳へは、おおむね穏やかな稜線歩きです。西湖側が切れ落ちた急登をこなせば、鬼の角を思わせる露岩が突き出した鬼ヶ岳山頂で、360度の眺望が広がります。根場への下降は、岩場に架かるアルミハシゴの下りで始まります。岩尾根を進んだ尾根の肩状が雪頭ヶ岳で、お花畑の先に大パノラマが広がります。スリップや転倒に注意して急斜面を下り、東入川堰堤広場をへて西湖いやしの里根場、または根場民宿バス停に出ます。 -
女坂峠から三方分山~パノラマ台
- 日帰り
- 4時間15分
- 6.6km
女坂峠から三方分山~パノラマ台
- 日帰り
- 4時間15分
- 6.6km
精進バス停で下車。マイカー利用なら山田屋ホテル前バス停付近の県営駐車場を起点に周回可能です。バス停から湖面を背に山側(北側)に延びるかつての古道、旧中道往還をたどります。杉の巨樹が目を引く精進諏訪神社を過ぎ山道へ移ろうと、石積も残る道が沢沿いから山肌を巻くように続きます。つづら折れの急斜面で尾根上に出れば、女坂峠(阿難坂峠)は間近です。女坂峠からは稜線歩きとなり、最低鞍部から山頂部への急斜面に取付きます。緩やかな頂稜をたどった先が、木々に囲まれた三方分山山頂です。南面の切り開きからは、大室山を従えた子抱き富士が眺められます。山頂からは精進山をへて精進峠(三ツ沢峠)に降り立ち、いくつかの突起を越えて根子峠に至ります。雑木の斜面を登り返した先がパノラマ台です。その名の通り素晴らしい眺望が広がります。パノラマ台からは、根子峠に戻りパノラマ台下バス停に下ります。バスの時間を確認のうえ、烏帽子岳から本栖湖に下るのもお勧めです。精進バス停で下車。マイカー利用なら山田屋ホテル前バス停付近の県営駐車場を起点に周回可能です。バス停から湖面を背に山側(北側)に延びるかつての古道、旧中道往還をたどります。杉の巨樹が目を引く精進諏訪神社を過ぎ山道へ移ろうと、石積も残る道が沢沿いから山肌を巻くように続きます。つづら折れの急斜面で尾根上に出れば、女坂峠(阿難坂峠)は間近です。女坂峠からは稜線歩きとなり、最低鞍部から山頂部への急斜面に取付きます。緩やかな頂稜をたどった先が、木々に囲まれた三方分山山頂です。南面の切り開きからは、大室山を従えた子抱き富士が眺められます。山頂からは精進山をへて精進峠(三ツ沢峠)に降り立ち、いくつかの突起を越えて根子峠に至ります。雑木の斜面を登り返した先がパノラマ台です。その名の通り素晴らしい眺望が広がります。パノラマ台からは、根子峠に戻りパノラマ台下バス停に下ります。バスの時間を確認のうえ、烏帽子岳から本栖湖に下るのもお勧めです。 -
毛無山からタカデッキ~雨ヶ岳
- 日帰り
- 7時間55分
- 12.1km
毛無山からタカデッキ~雨ヶ岳
- 日帰り
- 7時間55分
- 12.1km
毛無山山頂へは高差1100m余の登高となり、富士登山を除いた当該エリアでは三ツ峠山表登山道と並ぶスケールです。バス便は限られるので、現地前泊やタクシー併用なども考慮し、念入りかつ余裕をもった計画を立てましょう。 朝霧グリーンパーク入口バス停から西側に分かれる車道を進みます。行く手には毛無山の大きな山体が反り立ちます。麓地区の丁字を左に折れた先が、登山道案内板が設置された毛無山登山口です。金山沢左岸に出ると傾斜も強まり、地蔵峠コースを左に分けます。ひと登りで「毛無山一合目」の標識が現れます。「はさみ岩」など露岩帯の急登が緩んで二合目を越し、金山沢側のスロープをへて不動ノ滝見晴台に上がります。この先は再び急斜面の登高が続きます。四合目、ついでヘリコプターでの救出可能ポイントである平坦地をへて五合目。七合目、八合目と高度を上げるにつれ、天子山地南部や遠く安倍川左岸の山々も顔を出し、春ならばツツジが登山道を彩ります。顕著な露岩を右から巻き上がると富士山展望台があり、九合目を過ぎて間もなく地蔵峠・麓分岐です。ここは県境をなす主稜線上で、山頂へは右へ歩を進めます。毛無山山頂には1等三角点本点が置かれ、草原状のスロープの先に高度感満点の富士展望が広がります。 毛無山山頂からは北へ向かって縦走開始です。毛無山最高点1964m付近も眺めは素晴らしく、明るく雰囲気もよい所です。頂稜の北端が1959m標高点の大見岳。ここから暗く湿っぽい北側斜面の下りに変わります。明るい笹原の鞍部からは、富士を傍らに、駿河湾を背にする登高です。これを登り詰めたタカデッキから深い針葉樹の森を抜け、鞍部をへて短く登り返しますが、意外にあっけなく雨ヶ岳山頂に飛び出します。雨ヶ岳からの富士展望もまた素晴らしく、この一山を目的としても十分に魅力的な頂といえます。 雨ヶ岳から端足峠へは、高度差500m余を下ります。急峻で足元が悪い部分もあるので、雨後のスリップや転倒には十分に注意しましょう。端足峠からは最寄りバス停である根原へと右折。A沢貯水地をへて国道に出た右手に根原バス停があります。時間と体力に余裕がある場合、端足峠から本栖湖へ下るか竜ヶ岳越えで本栖湖バス停へ出れば、河口湖駅方面へのバス便が増えます。毛無山山頂へは高差1100m余の登高となり、富士登山を除いた当該エリアでは三ツ峠山表登山道と並ぶスケールです。バス便は限られるので、現地前泊やタクシー併用なども考慮し、念入りかつ余裕をもった計画を立てましょう。 朝霧グリーンパーク入口バス停から西側に分かれる車道を進みます。行く手には毛無山の大きな山体が反り立ちます。麓地区の丁字を左に折れた先が、登山道案内板が設置された毛無山登山口です。金山沢左岸に出ると傾斜も強まり、地蔵峠コースを左に分けます。ひと登りで「毛無山一合目」の標識が現れます。「はさみ岩」など露岩帯の急登が緩んで二合目を越し、金山沢側のスロープをへて不動ノ滝見晴台に上がります。この先は再び急斜面の登高が続きます。四合目、ついでヘリコプターでの救出可能ポイントである平坦地をへて五合目。七合目、八合目と高度を上げるにつれ、天子山地南部や遠く安倍川左岸の山々も顔を出し、春ならばツツジが登山道を彩ります。顕著な露岩を右から巻き上がると富士山展望台があり、九合目を過ぎて間もなく地蔵峠・麓分岐です。ここは県境をなす主稜線上で、山頂へは右へ歩を進めます。毛無山山頂には1等三角点本点が置かれ、草原状のスロープの先に高度感満点の富士展望が広がります。 毛無山山頂からは北へ向かって縦走開始です。毛無山最高点1964m付近も眺めは素晴らしく、明るく雰囲気もよい所です。頂稜の北端が1959m標高点の大見岳。ここから暗く湿っぽい北側斜面の下りに変わります。明るい笹原の鞍部からは、富士を傍らに、駿河湾を背にする登高です。これを登り詰めたタカデッキから深い針葉樹の森を抜け、鞍部をへて短く登り返しますが、意外にあっけなく雨ヶ岳山頂に飛び出します。雨ヶ岳からの富士展望もまた素晴らしく、この一山を目的としても十分に魅力的な頂といえます。 雨ヶ岳から端足峠へは、高度差500m余を下ります。急峻で足元が悪い部分もあるので、雨後のスリップや転倒には十分に注意しましょう。端足峠からは最寄りバス停である根原へと右折。A沢貯水地をへて国道に出た右手に根原バス停があります。時間と体力に余裕がある場合、端足峠から本栖湖へ下るか竜ヶ岳越えで本栖湖バス停へ出れば、河口湖駅方面へのバス便が増えます。 -
本栖湖から竜ヶ岳
- 日帰り
- 4時間40分
- 7.7km
本栖湖から竜ヶ岳
- 日帰り
- 4時間40分
- 7.7km
本栖湖バス停先、駐車場の一角から本栖湖岸へ下ります。湖岸沿いの県道をたどりキャンプ場入口で左折、「竜ヶ岳登山道入口」の標識に従ってキャンプ場内を抜けます。舗装道を横断して三叉路に出合い、これを左へ進むと登山道入口です。登山道は植林の急登から始まります。雑木林に変わって小ピークを越え、富士山側に開けたスロープを登ると石仏が祀られた台地です。富士に臨んで東屋が建ち休憩にも適しています。山頂へはスズタケの急斜面につづら折れに登山道が続きます。登るにつれ高度感のある展望が広がるので、それほど苦にはならないでしょう。傾斜が緩んで北面ルートの分岐点を過ぎ、ひと登りで広々とした竜ヶ岳山頂です。山頂からは往路を戻り、分岐点から木々の美しさが際立つ北面を下ります。急斜面の下り道なので、足元には十分に注意しましょう。周遊歩道の丁字で左に折れ、階段状を下れば湖岸道路出合です。キャンプ場入口で往路を合わせ、本栖湖バス停へ向かいます。本栖湖バス停先、駐車場の一角から本栖湖岸へ下ります。湖岸沿いの県道をたどりキャンプ場入口で左折、「竜ヶ岳登山道入口」の標識に従ってキャンプ場内を抜けます。舗装道を横断して三叉路に出合い、これを左へ進むと登山道入口です。登山道は植林の急登から始まります。雑木林に変わって小ピークを越え、富士山側に開けたスロープを登ると石仏が祀られた台地です。富士に臨んで東屋が建ち休憩にも適しています。山頂へはスズタケの急斜面につづら折れに登山道が続きます。登るにつれ高度感のある展望が広がるので、それほど苦にはならないでしょう。傾斜が緩んで北面ルートの分岐点を過ぎ、ひと登りで広々とした竜ヶ岳山頂です。山頂からは往路を戻り、分岐点から木々の美しさが際立つ北面を下ります。急斜面の下り道なので、足元には十分に注意しましょう。周遊歩道の丁字で左に折れ、階段状を下れば湖岸道路出合です。キャンプ場入口で往路を合わせ、本栖湖バス停へ向かいます。 -
長者ヶ岳から天子ヶ岳
- 日帰り
- 5時間10分
- 10.6km
長者ヶ岳から天子ヶ岳
- 日帰り
- 5時間10分
- 10.6km
休暇村富士行きのバスを田貫湖南バス停で下車し、バス停の丁字を右に折れて舗装道を進みます。途中からは左に並行するサイクリング道に移るのもよいでしょう。湖岸に出て右手の坂道を上がると長者ヶ岳登山口です。植林帯の急登から始まり、これが緩んで休暇村分岐に出ます。尾根はこの先で左方向へカーブし、美しい広葉樹林を抜けて長者ヶ岳山頂に達します。東面が開けた山頂からは日本最高点、剣ヶ峰から深く切れ込む大沢崩が印象的です。山頂からは主稜線を西へたどります。鞍部で東海自然歩道を右に分け、ツツジが多い岩まじりのヤセ尾根を登り返します。ゆるゆると山頂台地を進んだ先に、木々に囲まれて天子ヶ岳山頂があります。一段下ると休憩にも適した広場状となっています。西側に小祠が祀られ、東側には富士山展望地があります。山頂からは広場状を突っ切り、緩やかな左カーブを描いて東側斜面に移ります。露岩まじりの急下降から、桜並木のスロープをへて林道を横断します。天子ヶ岳登山口で舗装道に降り立ち、立石の交差点をへて白糸滝バス停を目指します。休暇村富士行きのバスを田貫湖南バス停で下車し、バス停の丁字を右に折れて舗装道を進みます。途中からは左に並行するサイクリング道に移るのもよいでしょう。湖岸に出て右手の坂道を上がると長者ヶ岳登山口です。植林帯の急登から始まり、これが緩んで休暇村分岐に出ます。尾根はこの先で左方向へカーブし、美しい広葉樹林を抜けて長者ヶ岳山頂に達します。東面が開けた山頂からは日本最高点、剣ヶ峰から深く切れ込む大沢崩が印象的です。山頂からは主稜線を西へたどります。鞍部で東海自然歩道を右に分け、ツツジが多い岩まじりのヤセ尾根を登り返します。ゆるゆると山頂台地を進んだ先に、木々に囲まれて天子ヶ岳山頂があります。一段下ると休憩にも適した広場状となっています。西側に小祠が祀られ、東側には富士山展望地があります。山頂からは広場状を突っ切り、緩やかな左カーブを描いて東側斜面に移ります。露岩まじりの急下降から、桜並木のスロープをへて林道を横断します。天子ヶ岳登山口で舗装道に降り立ち、立石の交差点をへて白糸滝バス停を目指します。 -
十里木高原から越前岳~黒岳
- 日帰り
- 5時間25分
- 8.3km
十里木高原から越前岳~黒岳
- 日帰り
- 5時間25分
- 8.3km
富士駅発のバスで十里木高原下車。御殿場駅からバスの場合は十里木で下車し、徒歩約10分で十里木高原です。両路線ともに登山に使えるバス便が限られます。登山口となる十里木高原バス停前にはトイレや駐車場があり、見上げるとカヤトの斜面に階段状の登路が延びています。これをひと登りで十里木高原展望台。ついで2つの中継塔を過ぎ、三角点が置かれた馬ノ背見晴台に達します。目前に迫る富士山南面は、宝永火口の巨大な窪みに目を引かれます。左手には南アルプス南部の高峰や安倍川東山稜が続きます。登山道は馬ノ背見晴台の先で顕著に傾斜を強めます。露岩まじりの雨裂状など、やや荒れた感のある急登です。「平坦地」標識が立つ展望地をへて勢子辻からの道を合せ、山頂への最後の登りとなります。ブナやミズナラなどの樹林が美しく、ツツジも多い所です。登り着いた越前岳山頂では、南側に駿河湾の大展望が加わります。富士山側(北側)は木々に遮られ、山頂部のみ顔を出します。 山頂からは東へ延びる尾根をたどります。富士見台からの富士山は、かつて五十銭紙幣の図案に採用された景観です。富士見台からは急峻な下りに変わります。位牌岳へ続く主稜線を望む北白ガレンのガレ場をかすめ、鋸岳展望台をへて尾根が平坦となれば富士見峠です。天候と時間が許せば黒岳を往復しましょう。富士見峠から短い急登を登り切った所で直角に右へ折れ、緩やかな鞍部をへて雑木が美しい斜面をたどれば黒岳です。山頂台地の北側からは富士山、南側からは箱根方面が望見されます。黒岳から富士見峠に戻り、山神社へと下ります。急峻かつ足元が悪い箇所もあるので慎重に下りましょう。山神社入口で大沢沿いの舗装道に降り立ちます。左へたどった国道上が愛鷹登山口バス停です。富士駅発のバスで十里木高原下車。御殿場駅からバスの場合は十里木で下車し、徒歩約10分で十里木高原です。両路線ともに登山に使えるバス便が限られます。登山口となる十里木高原バス停前にはトイレや駐車場があり、見上げるとカヤトの斜面に階段状の登路が延びています。これをひと登りで十里木高原展望台。ついで2つの中継塔を過ぎ、三角点が置かれた馬ノ背見晴台に達します。目前に迫る富士山南面は、宝永火口の巨大な窪みに目を引かれます。左手には南アルプス南部の高峰や安倍川東山稜が続きます。登山道は馬ノ背見晴台の先で顕著に傾斜を強めます。露岩まじりの雨裂状など、やや荒れた感のある急登です。「平坦地」標識が立つ展望地をへて勢子辻からの道を合せ、山頂への最後の登りとなります。ブナやミズナラなどの樹林が美しく、ツツジも多い所です。登り着いた越前岳山頂では、南側に駿河湾の大展望が加わります。富士山側(北側)は木々に遮られ、山頂部のみ顔を出します。 山頂からは東へ延びる尾根をたどります。富士見台からの富士山は、かつて五十銭紙幣の図案に採用された景観です。富士見台からは急峻な下りに変わります。位牌岳へ続く主稜線を望む北白ガレンのガレ場をかすめ、鋸岳展望台をへて尾根が平坦となれば富士見峠です。天候と時間が許せば黒岳を往復しましょう。富士見峠から短い急登を登り切った所で直角に右へ折れ、緩やかな鞍部をへて雑木が美しい斜面をたどれば黒岳です。山頂台地の北側からは富士山、南側からは箱根方面が望見されます。黒岳から富士見峠に戻り、山神社へと下ります。急峻かつ足元が悪い箇所もあるので慎重に下りましょう。山神社入口で大沢沿いの舗装道に降り立ちます。左へたどった国道上が愛鷹登山口バス停です。 -
鳥倉登山口から塩見岳へ
- 2泊3日
- 14時間0分
- 18.7km
鳥倉登山口から塩見岳へ
- 2泊3日
- 14時間0分
- 18.7km
塩見岳はアルペン的なその凛とした姿から、多くの登山者を魅了して止まない山です。しかし鳥倉登山口から三伏峠まではガレ場や桟道の多いトラバース、塩見小屋から上部では岩稜帯の急登があり、危険度の高い山である事を念頭に入山してください。 鳥倉登山口の広場で登山バスを下車し、手入れされた植林帯を登って行きます。登山道には三伏峠までの距離を示した1/10毎の標識があるので、以降のペース配分の参考になります。尾根筋を歩いた後、右方向にトラバースしながら登って行きます。豊口山間のコルからは北斜面の美しい針葉樹林のトラバース道になり、第2のコルに到着します。再び北面のトラバースを続けて行くと道幅が狭くなり、また桟道も数多く出てくるので、注意して歩きます。塩川ルート分岐を過ぎると、左手はるか遠くに仙丈ヶ岳が見えるポイントに着きます。三伏峠で荷物を降ろし、三伏山に登って明日の塩見岳へのルートの確認と、小河内岳へのルートにあるお花畑を散策しましょう。お花畑はボランティアの設置した防鹿柵によって、植生が復活しつつあります。なお三伏峠側からの塩見岳は早朝は逆光になるので、写真撮影は昼前から夕方までがお勧めです。 三伏山から、灌木帯の尾根筋を下ります。本谷山はハイマツに囲まれた小さな山頂で、やや傾いた塩見岳を確認することができます。立ち枯れの森を通り抜け、しばらく下って、苔と深い針葉樹の美しい森を通りなだらかな道を行くと、権右衛門沢の源頭です。荒れた樹林帯の道を登り塩見新道の分岐を過ぎ森林限界に出れば、塩見岳が天狗岩と共に双耳峰の様に、登山者を圧するが如くそびえています。岩場を注意して登り、肩に出て左の窪地に下ると塩見小屋です。この先は岩稜帯のクサリ場で両手を使うので、ストックは置いて行きます。再び登山道に戻ると天狗岩への急登が眼前に迫ります。一歩ずつゆっくり天狗岩に登り、最後は岩場をトラバースして塩見岳本峰とのコルに降ります。この先は完全な岩場登りになり、場所によってはザレているのでさらに注意が必要で、山頂部までクサリ場の連続です。右に左にジグザグに岩場を登りきり、やや平坦になれば塩見岳西峰はすぐです。ここから東峰とその左に見える富士山の姿、そして西に広がる伊那谷への空間の広がりは、全ての疲れを忘れさせてくれるでしょう。三角点は西峰にありますが、標高の高い東峰からは美しい三角形の山頂を持つ蝙蝠岳を見る事ができます。 鳥倉登山口へは同じ道を戻ります。時間に余裕があれば塩見岳の最高のビューポイント、烏帽子岳を往復するのも良いでしょう。塩見岳はアルペン的なその凛とした姿から、多くの登山者を魅了して止まない山です。しかし鳥倉登山口から三伏峠まではガレ場や桟道の多いトラバース、塩見小屋から上部では岩稜帯の急登があり、危険度の高い山である事を念頭に入山してください。 鳥倉登山口の広場で登山バスを下車し、手入れされた植林帯を登って行きます。登山道には三伏峠までの距離を示した1/10毎の標識があるので、以降のペース配分の参考になります。尾根筋を歩いた後、右方向にトラバースしながら登って行きます。豊口山間のコルからは北斜面の美しい針葉樹林のトラバース道になり、第2のコルに到着します。再び北面のトラバースを続けて行くと道幅が狭くなり、また桟道も数多く出てくるので、注意して歩きます。塩川ルート分岐を過ぎると、左手はるか遠くに仙丈ヶ岳が見えるポイントに着きます。三伏峠で荷物を降ろし、三伏山に登って明日の塩見岳へのルートの確認と、小河内岳へのルートにあるお花畑を散策しましょう。お花畑はボランティアの設置した防鹿柵によって、植生が復活しつつあります。なお三伏峠側からの塩見岳は早朝は逆光になるので、写真撮影は昼前から夕方までがお勧めです。 三伏山から、灌木帯の尾根筋を下ります。本谷山はハイマツに囲まれた小さな山頂で、やや傾いた塩見岳を確認することができます。立ち枯れの森を通り抜け、しばらく下って、苔と深い針葉樹の美しい森を通りなだらかな道を行くと、権右衛門沢の源頭です。荒れた樹林帯の道を登り塩見新道の分岐を過ぎ森林限界に出れば、塩見岳が天狗岩と共に双耳峰の様に、登山者を圧するが如くそびえています。岩場を注意して登り、肩に出て左の窪地に下ると塩見小屋です。この先は岩稜帯のクサリ場で両手を使うので、ストックは置いて行きます。再び登山道に戻ると天狗岩への急登が眼前に迫ります。一歩ずつゆっくり天狗岩に登り、最後は岩場をトラバースして塩見岳本峰とのコルに降ります。この先は完全な岩場登りになり、場所によってはザレているのでさらに注意が必要で、山頂部までクサリ場の連続です。右に左にジグザグに岩場を登りきり、やや平坦になれば塩見岳西峰はすぐです。ここから東峰とその左に見える富士山の姿、そして西に広がる伊那谷への空間の広がりは、全ての疲れを忘れさせてくれるでしょう。三角点は西峰にありますが、標高の高い東峰からは美しい三角形の山頂を持つ蝙蝠岳を見る事ができます。 鳥倉登山口へは同じ道を戻ります。時間に余裕があれば塩見岳の最高のビューポイント、烏帽子岳を往復するのも良いでしょう。 -
鳥倉登山口から塩見岳・蝙蝠岳縦走
- 2泊3日
- 16時間15分
- 22.5km
鳥倉登山口から塩見岳・蝙蝠岳縦走
- 2泊3日
- 16時間15分
- 22.5km
蝙蝠尾根は白峰南嶺とともに南アルプス南部で最も入山者が少なく、自然が残っている尾根です。塩見岳登頂の後、長大な蝙蝠尾根を下り展望と森林浴を楽しみますが、行動時間が長くまたルートの不明瞭な箇所も多く、上級者のみ縦走可能なコースです。 このコースの重要なポイントは宿泊地の選定にあります。小屋泊であれば、1日目に鳥倉登山口から早朝に入山し三伏峠を越えて塩見小屋泊、2日目に二軒小屋経由で椹島まで下ります。なお、日没後の蝙蝠尾根はルートが不明瞭で非常に危険ですので、必ず塩見小屋泊にして下さい。二軒小屋から椹島まで3時間強かかります。 塩見岳東峰から高山植物の豊かな道を急降下の後は、ハイマツ帯や部分的にやせた尾根の下りになります。北俣岳の分岐を過ぎるとトレースが急に不明瞭になります。北俣岳通過は本コース第一の核心部で、切り立った岩稜帯の、乗越えやトラバースがあります。山頂から、北は白峰三山、西は塩見岳、南は荒川三山、東は白峰南嶺の稜線と富士山が見えます。ここからは正面に優美な蝙蝠岳を観る尾根筋の至幸の展望コースが始まります。ただしガスが出た場合は非常に難しくなるので、踏み跡を外さないように。一度樹林帯に入り小さな肩をいくつも越え蝙蝠岳の山頂に着きます。蝙蝠岳山頂からの石畳の様な下りは、ガスが出た場合第二の核心部になります。トレースは全くついていませんので、磁石で正確な方向を定め、尾根筋から外れない様にして下ります。丁度森林限界にある四郎作ノ頭からは灌木帯。樹林帯に入った2600mあたりは、倒木と幼木が混じる密林帯のトラバースで、ルートファインディングに注力してください。以降美しい森が随所に現れます。徳右衛門岳は展望はありませんが平坦な山頂で幕営可能です。登山道をさらに下った脇に水場への下降点があります。南アルプス南部で最高に美味しい水のひとつですが涸れていることがあります。さらに美しいツガの森、苔とシラビソの森を抜けると、中電施設の手前からは岩のやせ尾根になり、注意が必要です。施設から先は両側が切り立ったシャクナゲの尾根道、最後の西側への降下点からは岩の多い歩きにくい道です。林道に降り、トンネルを抜けて左にコバルトブルーの田代湖を見ながら回り込むと二軒小屋ロッヂ(休業中)に到着します。二軒小屋から椹島まではトラックが行き交う中の、3時間強の林道歩きです。蝙蝠尾根は白峰南嶺とともに南アルプス南部で最も入山者が少なく、自然が残っている尾根です。塩見岳登頂の後、長大な蝙蝠尾根を下り展望と森林浴を楽しみますが、行動時間が長くまたルートの不明瞭な箇所も多く、上級者のみ縦走可能なコースです。 このコースの重要なポイントは宿泊地の選定にあります。小屋泊であれば、1日目に鳥倉登山口から早朝に入山し三伏峠を越えて塩見小屋泊、2日目に二軒小屋経由で椹島まで下ります。なお、日没後の蝙蝠尾根はルートが不明瞭で非常に危険ですので、必ず塩見小屋泊にして下さい。二軒小屋から椹島まで3時間強かかります。 塩見岳東峰から高山植物の豊かな道を急降下の後は、ハイマツ帯や部分的にやせた尾根の下りになります。北俣岳の分岐を過ぎるとトレースが急に不明瞭になります。北俣岳通過は本コース第一の核心部で、切り立った岩稜帯の、乗越えやトラバースがあります。山頂から、北は白峰三山、西は塩見岳、南は荒川三山、東は白峰南嶺の稜線と富士山が見えます。ここからは正面に優美な蝙蝠岳を観る尾根筋の至幸の展望コースが始まります。ただしガスが出た場合は非常に難しくなるので、踏み跡を外さないように。一度樹林帯に入り小さな肩をいくつも越え蝙蝠岳の山頂に着きます。蝙蝠岳山頂からの石畳の様な下りは、ガスが出た場合第二の核心部になります。トレースは全くついていませんので、磁石で正確な方向を定め、尾根筋から外れない様にして下ります。丁度森林限界にある四郎作ノ頭からは灌木帯。樹林帯に入った2600mあたりは、倒木と幼木が混じる密林帯のトラバースで、ルートファインディングに注力してください。以降美しい森が随所に現れます。徳右衛門岳は展望はありませんが平坦な山頂で幕営可能です。登山道をさらに下った脇に水場への下降点があります。南アルプス南部で最高に美味しい水のひとつですが涸れていることがあります。さらに美しいツガの森、苔とシラビソの森を抜けると、中電施設の手前からは岩のやせ尾根になり、注意が必要です。施設から先は両側が切り立ったシャクナゲの尾根道、最後の西側への降下点からは岩の多い歩きにくい道です。林道に降り、トンネルを抜けて左にコバルトブルーの田代湖を見ながら回り込むと二軒小屋ロッヂ(休業中)に到着します。二軒小屋から椹島まではトラックが行き交う中の、3時間強の林道歩きです。 -
椹島から荒川岳・小河内岳縦走
- 2泊3日
- 21時間30分
- 28.8km
椹島から荒川岳・小河内岳縦走
- 2泊3日
- 21時間30分
- 28.8km
荒川東岳は大井川西俣の支流である悪沢の源頭である事から悪沢岳とも呼ばれ、百名山の著者深田久弥がその呼び名にこだわりました。荒涼とした大岩の間を縫う山頂部の縦走では、その名を実感できます。荒川前岳から三伏峠間は南アルプス南部主脈の中では最も登山者が少ない静かな山旅になります。そして小河内岳からの荒川三山、加えて烏帽子岳からの塩見岳の眺望は、長い縦走のフィナーレを飾るにふさわしい感動を登山者に与えてくれるでしょう。 椹島から二軒小屋への林道を歩き、滝見橋の先の立派な吊橋を渡ります。岩の多い急登の後は千枚小屋までは緩い長い尾根登りが続きます。岩頭見晴も岩場になっているので、注意してください。途中、木馬道跡といってかつての木材搬出時の道の通過は、ルートから外れない様に注意してください。展望ポイントは、岩頭見晴、見晴台の2箇所のみです。駒鳥池はシラビソに囲まれた静かな佇まいで、南アルプスの奥深さを実感する事ができるでしょう。千枚小屋は、笊ヶ岳と富士山を遠望できるお花畑の中にある食事の美味しい小屋です。 千枚小屋から前岳カール下端までが本コースの核心部です。千枚岳から丸山とのコル間、荒川東岳から中岳とのコル間、前岳からのカールの下り、この全ての箇所において細心の注意で下る必要があります。また、前岳山頂部は崩壊が急速に進行していますので、地面のヒビ割れは絶対に乗り越えないでください。一方、楽しみとしては、南アルプスのほとんど全ての山を確認できる大展望があります。千枚岳からは赤石岳、聖岳、上河内岳のきれいに並んだ姿を、前岳までは姿を変える赤石岳を常に見ながらの縦走になります。目を北に転ずれば、塩見岳を中心に北部の山々の遠望があります。さらに美しい高山植物も特筆に値します。特に丸山のトラバース道は百花繚乱で、高山植物の種類の多さは特筆に値します。もし時間に余裕があれば荒川小屋方向にあるお花畑に立ち寄って見学することをお勧めします。 前岳カールの下端から高山裏避難小屋を通り、小河内岳の取り付きまでは樹林帯の中を歩きますが、所々に現れる小さなお花畑は登山者に安らぎを与えてくれます。なお三伏峠までは西側の急激に進行中の崩壊地の縁を歩く箇所があり、滑落に注意してください。特に前小河内岳が危険です。三伏峠からは鳥倉登山口に下ります。 ※中岳避難小屋、高山裏避難小屋、小河内岳避難小屋の何れかを、体力と見物時間を加味し判断して宿泊します。夏期は全ての避難小屋に管理人が入り、寝具の利用とレトルト等の軽食をとる事が可能です。荒川東岳は大井川西俣の支流である悪沢の源頭である事から悪沢岳とも呼ばれ、百名山の著者深田久弥がその呼び名にこだわりました。荒涼とした大岩の間を縫う山頂部の縦走では、その名を実感できます。荒川前岳から三伏峠間は南アルプス南部主脈の中では最も登山者が少ない静かな山旅になります。そして小河内岳からの荒川三山、加えて烏帽子岳からの塩見岳の眺望は、長い縦走のフィナーレを飾るにふさわしい感動を登山者に与えてくれるでしょう。 椹島から二軒小屋への林道を歩き、滝見橋の先の立派な吊橋を渡ります。岩の多い急登の後は千枚小屋までは緩い長い尾根登りが続きます。岩頭見晴も岩場になっているので、注意してください。途中、木馬道跡といってかつての木材搬出時の道の通過は、ルートから外れない様に注意してください。展望ポイントは、岩頭見晴、見晴台の2箇所のみです。駒鳥池はシラビソに囲まれた静かな佇まいで、南アルプスの奥深さを実感する事ができるでしょう。千枚小屋は、笊ヶ岳と富士山を遠望できるお花畑の中にある食事の美味しい小屋です。 千枚小屋から前岳カール下端までが本コースの核心部です。千枚岳から丸山とのコル間、荒川東岳から中岳とのコル間、前岳からのカールの下り、この全ての箇所において細心の注意で下る必要があります。また、前岳山頂部は崩壊が急速に進行していますので、地面のヒビ割れは絶対に乗り越えないでください。一方、楽しみとしては、南アルプスのほとんど全ての山を確認できる大展望があります。千枚岳からは赤石岳、聖岳、上河内岳のきれいに並んだ姿を、前岳までは姿を変える赤石岳を常に見ながらの縦走になります。目を北に転ずれば、塩見岳を中心に北部の山々の遠望があります。さらに美しい高山植物も特筆に値します。特に丸山のトラバース道は百花繚乱で、高山植物の種類の多さは特筆に値します。もし時間に余裕があれば荒川小屋方向にあるお花畑に立ち寄って見学することをお勧めします。 前岳カールの下端から高山裏避難小屋を通り、小河内岳の取り付きまでは樹林帯の中を歩きますが、所々に現れる小さなお花畑は登山者に安らぎを与えてくれます。なお三伏峠までは西側の急激に進行中の崩壊地の縁を歩く箇所があり、滑落に注意してください。特に前小河内岳が危険です。三伏峠からは鳥倉登山口に下ります。 ※中岳避難小屋、高山裏避難小屋、小河内岳避難小屋の何れかを、体力と見物時間を加味し判断して宿泊します。夏期は全ての避難小屋に管理人が入り、寝具の利用とレトルト等の軽食をとる事が可能です。 -
椹島から赤石岳・荒川岳周遊
- 3泊4日
- 21時間5分
- 23.6km
椹島から赤石岳・荒川岳周遊
- 3泊4日
- 21時間5分
- 23.6km
赤石岳から荒川岳をめぐるコースは、展望やお花畑を満喫できて南アルプスの良い所取りですが、危険箇所も随所にあります。危険箇所を安全な登り方向で通過し、さらにお花畑を目の高さで楽しむには、良く歩かれる反時計回りではなく時計回りの本コースをお勧めします。また縦走を楽しむには山中3泊が体力的にも良いでしょう。なお反時計回り2泊の登山者の北沢源頭での事故が多発しています。 椹島登山基地から赤石小屋までは、展望のない樹林帯の登りが続き、特にボッカ返しの標識から上は大岩の急登になるので、注意してください。赤石小屋は小さな展望台のある小屋で、聖岳と眼前に大迫力の赤石岳山頂部、そして荒川三山の展望を楽しむ事ができます。なお赤石小屋は水場が無く、小屋の無料給水を利用します。 富士見平で展望を満喫した後は、注意箇所が多くなります。ラクダの背のトラバースは無数の桟道と岩場のヘツリが、北沢源頭からは滑りやすいお花畑の中の急登が続きます。赤石岳山頂部は広大で、山頂標識周辺のみならず避難小屋の先のピークからの大展望を楽しんでください。小赤石岳から大聖寺平間は、荒川三山をバランス良く見る事のできる数少ない区間です。荒川小屋はダケカンバに囲まれた水の豊富な山中のオアシスで、ここの通過時刻でその日の先の行動の最終判断をします。翌日の山旅を満喫する意味で荒川小屋泊がベストです。なお、時間に余裕があって中岳避難小屋まで行けた場合、長丁場ですが、翌日二軒小屋経由で椹島まで下る事が可能です。一般登山者が千枚小屋まで行くには、午前中早めに荒川小屋を通過することが必須です。 荒川小屋からが本コースのハイライト。前岳カールのお花畑は南アルプス最大と言われ、ハクサンイチゲやシナノキンバイの中を行く登山道では、蝶になった錯覚に陥るでしょう。お花畑は丸山から千枚岳間にもあり、こちらは花の種類の多さが特徴です。また、荒川三山は主脈から東に張り出た尾根筋なので、南アルプスの南部・北部の両方向の山々の展望を楽しむ事ができます。ただしこの区間は危険箇所が連続します。特に荒川東岳、千枚岳への登りの悪場は、気を引き締めてかかる必要があります。 千枚小屋から二軒小屋ロッヂ(休業中)間は急降下の連続ですが、落ち葉が敷き詰められた登山道は、椹島より膝への負担の少ないルートです。二軒小屋ロッヂは休業中で、テント泊も含めトイレや水場も使用できない状況です。二軒小屋から椹島まではトラックが行き交う中の、3時間強の林道歩きです。赤石岳から荒川岳をめぐるコースは、展望やお花畑を満喫できて南アルプスの良い所取りですが、危険箇所も随所にあります。危険箇所を安全な登り方向で通過し、さらにお花畑を目の高さで楽しむには、良く歩かれる反時計回りではなく時計回りの本コースをお勧めします。また縦走を楽しむには山中3泊が体力的にも良いでしょう。なお反時計回り2泊の登山者の北沢源頭での事故が多発しています。 椹島登山基地から赤石小屋までは、展望のない樹林帯の登りが続き、特にボッカ返しの標識から上は大岩の急登になるので、注意してください。赤石小屋は小さな展望台のある小屋で、聖岳と眼前に大迫力の赤石岳山頂部、そして荒川三山の展望を楽しむ事ができます。なお赤石小屋は水場が無く、小屋の無料給水を利用します。 富士見平で展望を満喫した後は、注意箇所が多くなります。ラクダの背のトラバースは無数の桟道と岩場のヘツリが、北沢源頭からは滑りやすいお花畑の中の急登が続きます。赤石岳山頂部は広大で、山頂標識周辺のみならず避難小屋の先のピークからの大展望を楽しんでください。小赤石岳から大聖寺平間は、荒川三山をバランス良く見る事のできる数少ない区間です。荒川小屋はダケカンバに囲まれた水の豊富な山中のオアシスで、ここの通過時刻でその日の先の行動の最終判断をします。翌日の山旅を満喫する意味で荒川小屋泊がベストです。なお、時間に余裕があって中岳避難小屋まで行けた場合、長丁場ですが、翌日二軒小屋経由で椹島まで下る事が可能です。一般登山者が千枚小屋まで行くには、午前中早めに荒川小屋を通過することが必須です。 荒川小屋からが本コースのハイライト。前岳カールのお花畑は南アルプス最大と言われ、ハクサンイチゲやシナノキンバイの中を行く登山道では、蝶になった錯覚に陥るでしょう。お花畑は丸山から千枚岳間にもあり、こちらは花の種類の多さが特徴です。また、荒川三山は主脈から東に張り出た尾根筋なので、南アルプスの南部・北部の両方向の山々の展望を楽しむ事ができます。ただしこの区間は危険箇所が連続します。特に荒川東岳、千枚岳への登りの悪場は、気を引き締めてかかる必要があります。 千枚小屋から二軒小屋ロッヂ(休業中)間は急降下の連続ですが、落ち葉が敷き詰められた登山道は、椹島より膝への負担の少ないルートです。二軒小屋ロッヂは休業中で、テント泊も含めトイレや水場も使用できない状況です。二軒小屋から椹島まではトラックが行き交う中の、3時間強の林道歩きです。 -
椹島から聖岳・赤石岳周遊
- 3泊4日
- 24時間40分
- 30.6km
椹島から聖岳・赤石岳周遊
- 3泊4日
- 24時間40分
- 30.6km
聖岳から赤石岳周遊は、荒川岳〜三伏峠間に次いで登山者の少ないコースです。山小屋間の距離が長く、ハードさにおいて南アルプス南部随一です。しかし南アルプス南部のスケール感を味わうには最高で、コースの変化にも富んでいます。 椹島からスタートします。聖沢登山口から聖平小屋間はほかの南アルプス登山道と異なる長いトラバースコースで、大雨被害の残る聖沢吊橋までと、乗越から岩頭滝見台間の2箇所は、沢やガレ場の横断に注意が必要です。途中ヘリコプターによる救助用のレスキューポイントがあります。岩頭滝見台からの展望は一服の清涼水で、二条の滝が流れ落ちる聖岳の山容を見た時、誰もが南アルプスのスケールの大きさを実感するに違いありません。 2日目がこのコースの核心部です。展望ポイントは列挙しきれません。小聖岳から見上げた聖岳、聖岳山頂で初めて見る大山容の赤石岳、兎岳山頂の360度のパノラマ、中盛丸山からの百間平を前景とした赤石岳、聖岳の展望が特に素晴らしいです。ただ危険な所もあります、まずは小聖岳手前の森林限界から前聖岳山頂まではガレの縁や滑りやすい砂礫の大斜面です。聖岳から兎岳間は最もハードで、ガレの縁や岩場の急降下、そして赤色チャートの岩盤の聖兎のコルからは長いゴーロ帯の急勾配の登り返しがあります。さらに兎岳から中盛丸山間はアップダウンが激しく、特に中盛丸山の山頂への登りはザレた急勾配です。最後のピーク大沢岳は、標柱から先は崖縁の登山道で崩壊が進行しており、加えて百間洞への下りは硬い石のゴーロ帯で非常に歩き難いので、手前の百間洞下降点に荷物をデポして往復する事をお勧めします。宿泊地となる百間洞山の家は水の豊かなナナカマドの林の中にあり、雛壇のキャンプサイトは居心地が良く、聖岳を眺めながら何日も滞在したくなる場所です。 3日目は2日日と全く違った味わいの山旅になります。聖岳と常に対話しながら広大な百間平の漫歩、この世と思えぬ大ゴーロ帯の赤石岳へのトラバースの登り、赤石岳避難小屋奥のピークを含む赤石岳山頂部の数々のビューポイントを思い切り楽しんでください。赤石岳山頂からの下りは椹島から赤石岳・荒川岳周遊(コースガイド)を参照下さい。なお、赤石小屋までは気の抜けない急下降と切り立ったトラバースが続きます。赤石小屋は水場が無いので、北沢源頭で取水します。赤石小屋から先は樹林帯を下り椹島に着きます。聖岳から赤石岳周遊は、荒川岳〜三伏峠間に次いで登山者の少ないコースです。山小屋間の距離が長く、ハードさにおいて南アルプス南部随一です。しかし南アルプス南部のスケール感を味わうには最高で、コースの変化にも富んでいます。 椹島からスタートします。聖沢登山口から聖平小屋間はほかの南アルプス登山道と異なる長いトラバースコースで、大雨被害の残る聖沢吊橋までと、乗越から岩頭滝見台間の2箇所は、沢やガレ場の横断に注意が必要です。途中ヘリコプターによる救助用のレスキューポイントがあります。岩頭滝見台からの展望は一服の清涼水で、二条の滝が流れ落ちる聖岳の山容を見た時、誰もが南アルプスのスケールの大きさを実感するに違いありません。 2日目がこのコースの核心部です。展望ポイントは列挙しきれません。小聖岳から見上げた聖岳、聖岳山頂で初めて見る大山容の赤石岳、兎岳山頂の360度のパノラマ、中盛丸山からの百間平を前景とした赤石岳、聖岳の展望が特に素晴らしいです。ただ危険な所もあります、まずは小聖岳手前の森林限界から前聖岳山頂まではガレの縁や滑りやすい砂礫の大斜面です。聖岳から兎岳間は最もハードで、ガレの縁や岩場の急降下、そして赤色チャートの岩盤の聖兎のコルからは長いゴーロ帯の急勾配の登り返しがあります。さらに兎岳から中盛丸山間はアップダウンが激しく、特に中盛丸山の山頂への登りはザレた急勾配です。最後のピーク大沢岳は、標柱から先は崖縁の登山道で崩壊が進行しており、加えて百間洞への下りは硬い石のゴーロ帯で非常に歩き難いので、手前の百間洞下降点に荷物をデポして往復する事をお勧めします。宿泊地となる百間洞山の家は水の豊かなナナカマドの林の中にあり、雛壇のキャンプサイトは居心地が良く、聖岳を眺めながら何日も滞在したくなる場所です。 3日目は2日日と全く違った味わいの山旅になります。聖岳と常に対話しながら広大な百間平の漫歩、この世と思えぬ大ゴーロ帯の赤石岳へのトラバースの登り、赤石岳避難小屋奥のピークを含む赤石岳山頂部の数々のビューポイントを思い切り楽しんでください。赤石岳山頂からの下りは椹島から赤石岳・荒川岳周遊(コースガイド)を参照下さい。なお、赤石小屋までは気の抜けない急下降と切り立ったトラバースが続きます。赤石小屋は水場が無いので、北沢源頭で取水します。赤石小屋から先は樹林帯を下り椹島に着きます。 -
畑薙第一ダムから茶臼岳・上河内岳へ
- 1泊2日
- 17時間45分
- 25.7km
畑薙第一ダムから茶臼岳・上河内岳へ
- 1泊2日
- 17時間45分
- 25.7km
上河内岳は南アルプス屈指の聖岳・赤石岳・荒川東岳の展望台です。加えて茶臼岳は、光岳、上河内岳と聖岳の優れた展望台と言って良いでしょう。さらに両座周辺は南アルプス南部で特有の森林限界の稜線が続いていて、ダケカンバとバイケイソウの間を縫う快適な縦走を楽しめます。なお稜線までに無人小屋を含めて3つの山小屋があるので、入山日は体力やその日の登山口の到着時刻に合わせて自由度の高い計画を立てる事が可能です。 畑薙第一ダムから畑薙大吊橋までは林道歩きです。畑薙大吊橋は全長181.7mの東洋一と言われる吊橋で、高所恐怖症の登山者にとってこのコースの核心部になりますが、非常にしっかりしているので不安心を払拭して渡りましょう。ヤレヤレ峠までは高度感があるトラバース道で、2箇所足場が悪いルンゼを通過します。ウソッコ沢小屋までに4回橋を渡ります。3号橋を渡り、増水時は危険な荒れた河原を歩いたあと、荒れた急坂を登った後、高巻きとなります。この先、茶臼小屋までも部分的に急登があり、滑落・落石に注意して下さい。茶臼小屋は、お花畑の中にある富士山の展望に恵まれたキャンプ場を備えています。 茶臼小屋から稜線の鞍部に登ると、初めて見る大きな台形の聖岳と兎岳の連なった姿は誰もが感動するでしょう。茶臼岳までは快適な登りです。山頂は岩稜帯で、富士山、南方向に大きな山頂部を持った光岳を始めとする深南部の山々への縦走路を新たに確認できます。上河内岳へは緩い登りとトラバースの後亀甲状土の窪地を抜け、ダケカンバの間を縫った後は、聖岳を常に見ながらの楽しい登りになります。奇岩竹内門からは急な岩場の登りになるので、注意してください。上河内岳は二重山稜になっていて、縦走路のある肩から山頂へは10分少々の登りです。上河内岳は南アルプス南部の最も優れた展望台で、真正面に兎岳と赤石・荒川東岳を脇侍に従えた聖岳の神々しい姿、さらに背後に見える富士山は、時間の経つのを忘れてしまうほどです。 なお日程に余裕があれば1泊を加えて、茶臼岳からさらに南に希望峰を経由し仁田岳へ、また上河内岳から北に南岳周辺まで足をのばすとよいでしょう。静かな仁田池を含む南アルプス南部固有の稜線の楽しい縦走に加えて、仁田岳からは立派な茶臼岳や堂々とした光岳の姿を見ることができます。上河内岳の肩から南岳間は点在する高山植物を楽しめます。また、本コースは静岡県側から光岳へのアプローチとしても利用することができます。上河内岳は南アルプス屈指の聖岳・赤石岳・荒川東岳の展望台です。加えて茶臼岳は、光岳、上河内岳と聖岳の優れた展望台と言って良いでしょう。さらに両座周辺は南アルプス南部で特有の森林限界の稜線が続いていて、ダケカンバとバイケイソウの間を縫う快適な縦走を楽しめます。なお稜線までに無人小屋を含めて3つの山小屋があるので、入山日は体力やその日の登山口の到着時刻に合わせて自由度の高い計画を立てる事が可能です。 畑薙第一ダムから畑薙大吊橋までは林道歩きです。畑薙大吊橋は全長181.7mの東洋一と言われる吊橋で、高所恐怖症の登山者にとってこのコースの核心部になりますが、非常にしっかりしているので不安心を払拭して渡りましょう。ヤレヤレ峠までは高度感があるトラバース道で、2箇所足場が悪いルンゼを通過します。ウソッコ沢小屋までに4回橋を渡ります。3号橋を渡り、増水時は危険な荒れた河原を歩いたあと、荒れた急坂を登った後、高巻きとなります。この先、茶臼小屋までも部分的に急登があり、滑落・落石に注意して下さい。茶臼小屋は、お花畑の中にある富士山の展望に恵まれたキャンプ場を備えています。 茶臼小屋から稜線の鞍部に登ると、初めて見る大きな台形の聖岳と兎岳の連なった姿は誰もが感動するでしょう。茶臼岳までは快適な登りです。山頂は岩稜帯で、富士山、南方向に大きな山頂部を持った光岳を始めとする深南部の山々への縦走路を新たに確認できます。上河内岳へは緩い登りとトラバースの後亀甲状土の窪地を抜け、ダケカンバの間を縫った後は、聖岳を常に見ながらの楽しい登りになります。奇岩竹内門からは急な岩場の登りになるので、注意してください。上河内岳は二重山稜になっていて、縦走路のある肩から山頂へは10分少々の登りです。上河内岳は南アルプス南部の最も優れた展望台で、真正面に兎岳と赤石・荒川東岳を脇侍に従えた聖岳の神々しい姿、さらに背後に見える富士山は、時間の経つのを忘れてしまうほどです。 なお日程に余裕があれば1泊を加えて、茶臼岳からさらに南に希望峰を経由し仁田岳へ、また上河内岳から北に南岳周辺まで足をのばすとよいでしょう。静かな仁田池を含む南アルプス南部固有の稜線の楽しい縦走に加えて、仁田岳からは立派な茶臼岳や堂々とした光岳の姿を見ることができます。上河内岳の肩から南岳間は点在する高山植物を楽しめます。また、本コースは静岡県側から光岳へのアプローチとしても利用することができます。 -
易老渡から光岳・上河内岳周遊
- 3泊4日
- 23時間0分
- 30km
易老渡から光岳・上河内岳周遊
- 3泊4日
- 23時間0分
- 30km
光岳は南アルプス南部主脈の最南端の山として認識されていますが、実はその南に続く深南部の盟主でもあります。光岳山頂部からの今まで見た事のない深南部の山並みが眼下に広がる有様は、まさに新たな世界の発見に例えられるでしょう。また植物学的にも、南アルプス最南端の高山植物地帯、ハイマツ群生の最南端でもあり、さらに本州唯一の原生自然環境保全地域を抱えていて、光岳は登山のみならず学術的観点からも価値ある山なのです。 易老渡から入山する際の一番の問題は林道の通行可否で、入山前の確認が必須です。2024年現在、一般登山者は芝沢ゲートに車を停め一部高巻きのある林道を1時間30分歩く必要があります。易老渡から易老岳へは尾根筋に沿った遠望の効かない一本調子の急登です。しかし途中の面平の神社の境内の様な森、針葉樹の大木を抜ける登山道は、決して退屈しません。易老岳からは尾根筋を行きます。三吉平は尾根筋が入れ替わる鞍部なので、ルートに注意してください。静高平の水場は流れがあれば取水します。亀甲状土のセンジヶ原を抜けて、光岳小屋から光岳山頂まではダケカンバの間を縫う楽しい登りを行きます。山頂標識からの展望はありませんが、光石方向に行った所に南方向の展望窓が開けています。なお光岳小屋は小さな小屋で利用に制限がありますので注意し、早めに予約して下さい。 光岳は大きな山頂部を持つ山です。それを楽しむには十分時間をとって光石、そして百俣沢ノ頭方向にある日本最南端のハイマツ群生地や360度展望のイザルヶ岳を訪れてください。 易老岳から聖平間が、このコースの第2のハイライトです。樹林帯と広大なシダの群生地、南アルプス南部特有の森林限界を縫うダケカンバとバイケイソウの縦走路が続きます。仁田岳は縦走路から外れていて、兎・聖・上河内・茶臼岳の4座の並んだ姿を見る事ができます。縦走路は希望峰から先が特に素晴らしく、窪地の木道、南アルプスでは珍しい稜線上にある仁田池などゆっくり味わってください。茶臼岳から上河内岳までは畑薙第一ダムから茶臼岳・上河内岳へ(コースガイド)を参照ください。上河内岳の先、南岳からは急降下になります。途中のトラバース気味の草原から見上げる聖岳はあくまでも潔く、偉大です。樹林帯を抜ければ聖平小屋のある聖平です。 薊畑で南アルプス南部の山々とお別れした後、西沢渡までは視界のきかない急降下が連続しますが、苔の密生した倒木帯、シダの群生地、大木の林立する針葉樹林帯などが楽しめます。西沢渡は水量が多く大水で橋が流されて渡渉できない場合は非常に重たい荷物用ロープウェイを使い川を渡ります。森林鉄道跡の道を歩き、便ヶ島からは林道を行き易老渡、さらに芝沢ゲートに戻ります。光岳は南アルプス南部主脈の最南端の山として認識されていますが、実はその南に続く深南部の盟主でもあります。光岳山頂部からの今まで見た事のない深南部の山並みが眼下に広がる有様は、まさに新たな世界の発見に例えられるでしょう。また植物学的にも、南アルプス最南端の高山植物地帯、ハイマツ群生の最南端でもあり、さらに本州唯一の原生自然環境保全地域を抱えていて、光岳は登山のみならず学術的観点からも価値ある山なのです。 易老渡から入山する際の一番の問題は林道の通行可否で、入山前の確認が必須です。2024年現在、一般登山者は芝沢ゲートに車を停め一部高巻きのある林道を1時間30分歩く必要があります。易老渡から易老岳へは尾根筋に沿った遠望の効かない一本調子の急登です。しかし途中の面平の神社の境内の様な森、針葉樹の大木を抜ける登山道は、決して退屈しません。易老岳からは尾根筋を行きます。三吉平は尾根筋が入れ替わる鞍部なので、ルートに注意してください。静高平の水場は流れがあれば取水します。亀甲状土のセンジヶ原を抜けて、光岳小屋から光岳山頂まではダケカンバの間を縫う楽しい登りを行きます。山頂標識からの展望はありませんが、光石方向に行った所に南方向の展望窓が開けています。なお光岳小屋は小さな小屋で利用に制限がありますので注意し、早めに予約して下さい。 光岳は大きな山頂部を持つ山です。それを楽しむには十分時間をとって光石、そして百俣沢ノ頭方向にある日本最南端のハイマツ群生地や360度展望のイザルヶ岳を訪れてください。 易老岳から聖平間が、このコースの第2のハイライトです。樹林帯と広大なシダの群生地、南アルプス南部特有の森林限界を縫うダケカンバとバイケイソウの縦走路が続きます。仁田岳は縦走路から外れていて、兎・聖・上河内・茶臼岳の4座の並んだ姿を見る事ができます。縦走路は希望峰から先が特に素晴らしく、窪地の木道、南アルプスでは珍しい稜線上にある仁田池などゆっくり味わってください。茶臼岳から上河内岳までは畑薙第一ダムから茶臼岳・上河内岳へ(コースガイド)を参照ください。上河内岳の先、南岳からは急降下になります。途中のトラバース気味の草原から見上げる聖岳はあくまでも潔く、偉大です。樹林帯を抜ければ聖平小屋のある聖平です。 薊畑で南アルプス南部の山々とお別れした後、西沢渡までは視界のきかない急降下が連続しますが、苔の密生した倒木帯、シダの群生地、大木の林立する針葉樹林帯などが楽しめます。西沢渡は水量が多く大水で橋が流されて渡渉できない場合は非常に重たい荷物用ロープウェイを使い川を渡ります。森林鉄道跡の道を歩き、便ヶ島からは林道を行き易老渡、さらに芝沢ゲートに戻ります。 -
しらびそ峠から尾高山・奥茶臼山へ
- 日帰り
- 8時間40分
- 14.6km
しらびそ峠から尾高山・奥茶臼山へ
- 日帰り
- 8時間40分
- 14.6km
南アルプス主脈の三伏峠から兎岳間を歩くと、西側の山並が非常に気になりますが、その一番高い山が奥茶臼山です。コースは標高差約650mのアップダウンのある尾根道で、途中視界が効かないので、焦らずに歩くのがポイントです。 しらびそ峠に車を停め、展望台から大沢岳・兎岳間の壁の様な展望を楽しみます。登山口から綺麗な植林帯を登ってしばらく行くと、下草と古木の雰囲気のある森になります。前尾高山の手前にはビューポイントが2箇所あります。以降、前尾高山を含めて4つのピークを踏むアップダウンが連続します。尾高山からは踏み跡が薄く、中級コースです。岩本山の先ではルートが蛇行しており、帰路は特に注意してください。奥茶臼山の手前で樹林が薄くなり、立ち枯れの先の原っぱから見る荒川岳から赤石岳への稜線が印象的です。奥茶臼山山頂は展望はなく、前茶臼山側に下った伐採地から荒川岳方面の展望が開けます。南アルプス主脈の三伏峠から兎岳間を歩くと、西側の山並が非常に気になりますが、その一番高い山が奥茶臼山です。コースは標高差約650mのアップダウンのある尾根道で、途中視界が効かないので、焦らずに歩くのがポイントです。 しらびそ峠に車を停め、展望台から大沢岳・兎岳間の壁の様な展望を楽しみます。登山口から綺麗な植林帯を登ってしばらく行くと、下草と古木の雰囲気のある森になります。前尾高山の手前にはビューポイントが2箇所あります。以降、前尾高山を含めて4つのピークを踏むアップダウンが連続します。尾高山からは踏み跡が薄く、中級コースです。岩本山の先ではルートが蛇行しており、帰路は特に注意してください。奥茶臼山の手前で樹林が薄くなり、立ち枯れの先の原っぱから見る荒川岳から赤石岳への稜線が印象的です。奥茶臼山山頂は展望はなく、前茶臼山側に下った伐採地から荒川岳方面の展望が開けます。 -
奈良田温泉から笹山
- 1泊2日
- 11時間20分
- 13km
奈良田温泉から笹山
- 1泊2日
- 11時間20分
- 13km
笹山(黒河内岳)を山座同定する事は余程のマニアでない限り難しいですが、逆に山頂からの塩見岳と蝙蝠岳、荒川三山、そして富士山を含めた360度の展望は、登山の苦労を忘れさせてくれる、素晴らしい山です。幕営は標高2320mの窪地が適地です。 笹山へのダイレクト尾根登山口は、奈良田温泉から奈良田湖を吊橋で右岸に渡りさらに白河内の右岸を入った所で、入口から送水管の上端までは整備された道です。以降は湖面からの標高差約1900mを直線的に登る非常に苦しいアルバイトを強いられる尾根です。 視界は全く効きませんが、途中にある大木の森、アセビのトンネルや太いブナの木が楽しみです。水場は1600m地点にあり、水場へは樹木と下草の美しい快適な道です。山頂部からの展望は森林限界から飛び出した北峰が優れ、北は白峰南嶺の先に北岳までを、南は大井川の渓谷や笊ヶ岳、大無間山まで遠望できます。笹山(黒河内岳)を山座同定する事は余程のマニアでない限り難しいですが、逆に山頂からの塩見岳と蝙蝠岳、荒川三山、そして富士山を含めた360度の展望は、登山の苦労を忘れさせてくれる、素晴らしい山です。幕営は標高2320mの窪地が適地です。 笹山へのダイレクト尾根登山口は、奈良田温泉から奈良田湖を吊橋で右岸に渡りさらに白河内の右岸を入った所で、入口から送水管の上端までは整備された道です。以降は湖面からの標高差約1900mを直線的に登る非常に苦しいアルバイトを強いられる尾根です。 視界は全く効きませんが、途中にある大木の森、アセビのトンネルや太いブナの木が楽しみです。水場は1600m地点にあり、水場へは樹木と下草の美しい快適な道です。山頂部からの展望は森林限界から飛び出した北峰が優れ、北は白峰南嶺の先に北岳までを、南は大井川の渓谷や笊ヶ岳、大無間山まで遠望できます。 -
白峰南嶺縦走
- 2泊3日
- 22時間30分
- 35.7km
白峰南嶺縦走
- 2泊3日
- 22時間30分
- 35.7km
白峰南嶺の北部山域は、本地図掲載の山域では大無間山と双璧をなす最難度のエリアです。特にクジラの背中の様なだだっ広い岩稜帯の稜線、また灌木帯あるいは樹林帯でのヤブこぎをしながらのルートファインディングは上級者にのみ可能な山行形態です。水を担いでの縦走はさらにハードな山行を強いますが、全行程を踏破した時の充実感は何物にも代えがたく、自分がステップアップした実感に浸る事ができるでしょう。コースどりは、ルートを見下ろし、またヤブこぎで体重を使える南下がやや有利です。 奈良田温泉からスタートし、大門沢小屋で転付峠までの2日分の水を確保します。ルートは大門沢下降点から広河内岳までは明瞭です。広河内岳から笹山までは南アルプスの大展望を満喫する空中散歩ですが、ガスが出た場合難しく、また踏み跡が消えたり複数に分かれたりする所があり、常に地形図とコンパスでルートを確認しながら縦走して下さい。2772m地点から大籠岳間は、県境がカーブしているのに対し、やや直線的に大籠岳を目指して歩きます。大籠岳南の赤岩の丘は複数ルートがある中で、稜線付近が一番分かり易いでしょう。基本は、切り立った東側の稜線の縁からやや離れて大井川側をハイマツ帯を避けながら歩く事です。長い時間のハイマツ帯の通過は白河内岳と笹山間の猛烈な2箇所以外はありません。 笹山ではルートを稜線の東側から西側に切り替えます。笹山から露地を抜けて樹林帯まではハイマツと灌木をこぐ、次に難しい区間です。露地では稜線の反対側へ灌木帯を横断します。2泊目は国立公園内を避け、また翌日の行程を考え、樹林帯の窪地に幕営します。 奈良田越の標柱で右にUターン気味に曲がり、林道跡に出て左折します。以降徳右衛門岳と荒川東岳を遠望しながら、美しい森を抜ける林道を歩きます。西別当代山の手前、林道崩落箇所は山側に逃げます。乗越の右の先に南アルプス主脈の展望箇所があります。 転付峠から笹をかき分け下降します。道は沢の出合までは明瞭です。内河内川に沿って最初は右岸、途中で左岸に渡るのがポイントです。保利沢小屋からも左岸を行き、旧道崩壊地点の前でロープに従って右岸に橋を渡り、沢から離れトラバース気味に尾根の肩に登ります。ここから下の沢筋までは猛烈に急です。田代川第2発電所入口から伝付峠入口バス停までは足に負担の多い単調な舗装道です。(※転付峠からの下山路は台風被害で非常に危険です。更に縦走を続けるか、二軒小屋への下山をお勧めします。)白峰南嶺の北部山域は、本地図掲載の山域では大無間山と双璧をなす最難度のエリアです。特にクジラの背中の様なだだっ広い岩稜帯の稜線、また灌木帯あるいは樹林帯でのヤブこぎをしながらのルートファインディングは上級者にのみ可能な山行形態です。水を担いでの縦走はさらにハードな山行を強いますが、全行程を踏破した時の充実感は何物にも代えがたく、自分がステップアップした実感に浸る事ができるでしょう。コースどりは、ルートを見下ろし、またヤブこぎで体重を使える南下がやや有利です。 奈良田温泉からスタートし、大門沢小屋で転付峠までの2日分の水を確保します。ルートは大門沢下降点から広河内岳までは明瞭です。広河内岳から笹山までは南アルプスの大展望を満喫する空中散歩ですが、ガスが出た場合難しく、また踏み跡が消えたり複数に分かれたりする所があり、常に地形図とコンパスでルートを確認しながら縦走して下さい。2772m地点から大籠岳間は、県境がカーブしているのに対し、やや直線的に大籠岳を目指して歩きます。大籠岳南の赤岩の丘は複数ルートがある中で、稜線付近が一番分かり易いでしょう。基本は、切り立った東側の稜線の縁からやや離れて大井川側をハイマツ帯を避けながら歩く事です。長い時間のハイマツ帯の通過は白河内岳と笹山間の猛烈な2箇所以外はありません。 笹山ではルートを稜線の東側から西側に切り替えます。笹山から露地を抜けて樹林帯まではハイマツと灌木をこぐ、次に難しい区間です。露地では稜線の反対側へ灌木帯を横断します。2泊目は国立公園内を避け、また翌日の行程を考え、樹林帯の窪地に幕営します。 奈良田越の標柱で右にUターン気味に曲がり、林道跡に出て左折します。以降徳右衛門岳と荒川東岳を遠望しながら、美しい森を抜ける林道を歩きます。西別当代山の手前、林道崩落箇所は山側に逃げます。乗越の右の先に南アルプス主脈の展望箇所があります。 転付峠から笹をかき分け下降します。道は沢の出合までは明瞭です。内河内川に沿って最初は右岸、途中で左岸に渡るのがポイントです。保利沢小屋からも左岸を行き、旧道崩壊地点の前でロープに従って右岸に橋を渡り、沢から離れトラバース気味に尾根の肩に登ります。ここから下の沢筋までは猛烈に急です。田代川第2発電所入口から伝付峠入口バス停までは足に負担の多い単調な舗装道です。(※転付峠からの下山路は台風被害で非常に危険です。更に縦走を続けるか、二軒小屋への下山をお勧めします。) -
椹島から笊ヶ岳へ
- 2泊3日
- 13時間30分
- 15.4km
椹島から笊ヶ岳へ
- 2泊3日
- 13時間30分
- 15.4km
笊ヶ岳は200名山で人気ですが、その標高に比して行動時間が非常に長く、人を寄せつけない厳しい山です。山頂からの展望は南アルプス南部随一で、鳳凰三山を含み、北岳から光岳まで南アルプス主脈のほとんど全ての山と深南部の山々、さらに富士山が望めるため、眺望を求めて多くの登山者が訪れています。登頂ルートは東西南北4方向あります。その中で二軒小屋・転付峠から縦走する北ルートが、行動時間はやや長くなるものの体力的には最も楽です。本項では、登山者が最も多い椹島コースを紹介します。 本コースは明瞭に3つのパートに分ける事ができます。第1のパートは椹島から標柱までで、肩までは尾根筋の一直線の急登、肩からはゆったりした幅広い尾根歩きです。踏み跡が薄く灌木も無くどこでも歩けてしまうので、下りの時は要注意です。第2のパートは標柱から上倉沢までのトラバース道です。最初は快適な道ですが、上倉沢まで6本の沢と2本の涸沢を横断します。特に2本目の沢からは、尾根を越えて荒れた沢に降り、横断後急登で次の肩を目指すという登り方を何度も繰り返します。部分的に旧登山道が崩壊して、新たな道が設定されている所もあるので、注意してください。トラバースが終わり草原を抜けて上倉沢の右岸に出ます。幅広い沢の横断先の目標は左岸下流の斜面にある大岩と、崩壊地上の草地です。この上倉沢を初めて下山で通過する場合はさらに難しく、上流側右岸脇の涸沢の中に生えたカラマツの木を目標にします。第3のパートは針葉樹林の登りで、左岸草地から樹林帯を抜け、荒れた涸沢に出てそのまましばらく登り、右岸から再び樹林帯に戻り、ジグザグに登って椹島下降点のある稜線に出ます。稜線から山頂まではルートは明瞭ですが、一箇所、右にやせた尾根に登る箇所を見落とさないでください。 樹林帯を抜け、シャクナゲをかき分ければ、待望の笊ヶ岳山頂です。西の真正面に大きな赤石岳、南は白根南嶺の山々、東は小笊のうえにピョコンと鎮座した富士山、北は荒川三山と南アルプス北部の山々と、360度の大パノラマを楽しんでください。小笊へは往復45分のヤブこぎです。 ※下山は同じ道を戻りますが、前述の様に上倉沢の横断には注意してください。長い距離、そして暗い時間帯に歩く日帰り登山は、道迷いと滑落の危険があるため、幕営山行をお勧めします。笊ヶ岳は200名山で人気ですが、その標高に比して行動時間が非常に長く、人を寄せつけない厳しい山です。山頂からの展望は南アルプス南部随一で、鳳凰三山を含み、北岳から光岳まで南アルプス主脈のほとんど全ての山と深南部の山々、さらに富士山が望めるため、眺望を求めて多くの登山者が訪れています。登頂ルートは東西南北4方向あります。その中で二軒小屋・転付峠から縦走する北ルートが、行動時間はやや長くなるものの体力的には最も楽です。本項では、登山者が最も多い椹島コースを紹介します。 本コースは明瞭に3つのパートに分ける事ができます。第1のパートは椹島から標柱までで、肩までは尾根筋の一直線の急登、肩からはゆったりした幅広い尾根歩きです。踏み跡が薄く灌木も無くどこでも歩けてしまうので、下りの時は要注意です。第2のパートは標柱から上倉沢までのトラバース道です。最初は快適な道ですが、上倉沢まで6本の沢と2本の涸沢を横断します。特に2本目の沢からは、尾根を越えて荒れた沢に降り、横断後急登で次の肩を目指すという登り方を何度も繰り返します。部分的に旧登山道が崩壊して、新たな道が設定されている所もあるので、注意してください。トラバースが終わり草原を抜けて上倉沢の右岸に出ます。幅広い沢の横断先の目標は左岸下流の斜面にある大岩と、崩壊地上の草地です。この上倉沢を初めて下山で通過する場合はさらに難しく、上流側右岸脇の涸沢の中に生えたカラマツの木を目標にします。第3のパートは針葉樹林の登りで、左岸草地から樹林帯を抜け、荒れた涸沢に出てそのまましばらく登り、右岸から再び樹林帯に戻り、ジグザグに登って椹島下降点のある稜線に出ます。稜線から山頂まではルートは明瞭ですが、一箇所、右にやせた尾根に登る箇所を見落とさないでください。 樹林帯を抜け、シャクナゲをかき分ければ、待望の笊ヶ岳山頂です。西の真正面に大きな赤石岳、南は白根南嶺の山々、東は小笊のうえにピョコンと鎮座した富士山、北は荒川三山と南アルプス北部の山々と、360度の大パノラマを楽しんでください。小笊へは往復45分のヤブこぎです。 ※下山は同じ道を戻りますが、前述の様に上倉沢の横断には注意してください。長い距離、そして暗い時間帯に歩く日帰り登山は、道迷いと滑落の危険があるため、幕営山行をお勧めします。 -
表参道から七面山周遊
- 1泊2日
- 9時間15分
- 14.7km
表参道から七面山周遊
- 1泊2日
- 9時間15分
- 14.7km
200名山に選ばれている七面山は、日蓮聖人が果たせず高弟の日朗上人が開山した法華経の聖地です。山頂直下には七面大明神を祀る七面山敬慎院本社を中心に、伽藍が並んでいます。山頂に至る一般ルートとしては羽衣からの表参道、角瀬(七面山登山口バス停)からの北参道、安倍奥の八紘嶺からの縦走路があります。ただし、八紘嶺ルートは現在倒木が多く、通行困難です。 聖地への登詣なので七面山登山口からスタートし、羽衣からの表参道を歩き山頂を目指します。表参道は良く整備された階段状の登山道なので、膝のためにも登りに使うのがよいでしょう。参道には4つの宿坊があり、全てに水場とトイレがあります。また敬慎院まで丁石があり、敬慎院が50丁目です。中腹までヤマビルが多いので常に足元を確認し、塩水やヒル除けの薬剤を登山靴に散布するなど対策が必要です。敬慎院まで展望のきかない約4時間半の修行の道。随所にある聖人のお言葉の立札、自然の語りかけに耳を傾けましょう。参道を登りきり、和光門を抜けた先の鐘楼から右が敬慎院境内ですが、中に入らずに左の参道を登ります。随身門を通り敬慎院の境内に降り本社に参拝します。本社横の回廊をくぐり下って見る一ノ池の静かな佇まいに心が癒されます。 翌朝、御来光遥拝所からご来光を拝みます。なお七面山は富士山のほぼ真西にあるので、春分・秋分の日の頃にダイヤモンド富士を見ることができます。右手の標識に従って山頂を目指します。途中のナナイタガレの展望所では滑落に注意して見物してください。静かなカラマツ林を抜け、わずかな急登を過ぎれば七面山山頂です。時間に余裕があれば、サルオガセが絡まる美しいカラマツ林を抜けて、笊ヶ岳の最高のビューポイント希望峰まで足をのばしましょう。希望峰は七面山からの唯一の西方の展望箇所で、左は安倍奥の大谷嶺や山伏から始まり、笊ヶ岳を主峰とする白峰南嶺の稜線、その背後に南アルプス南部主脈の山々のピーク、そして右端には傾いた三角形の北岳までの大パノラマが楽しめます。 敬慎院に戻り、そのまま北へ向かって奥の院に下ります。整備された林道で、途中には二ノ池、御神木であるイチイ(アララギ)の大木があります。影嚮石のある奥の院が40丁目で、ここから先は長い下りになります。36丁目からの雨畑参道は、崩壊箇所があり通行禁止です。19丁目安住坊には日朗上人お手植えとされる、栃の木の大木があります。参道の幅が広くなり並木道になれば、北参道入口の神通坊も近くなり、境内を抜けて七面山登山口に戻ります。200名山に選ばれている七面山は、日蓮聖人が果たせず高弟の日朗上人が開山した法華経の聖地です。山頂直下には七面大明神を祀る七面山敬慎院本社を中心に、伽藍が並んでいます。山頂に至る一般ルートとしては羽衣からの表参道、角瀬(七面山登山口バス停)からの北参道、安倍奥の八紘嶺からの縦走路があります。ただし、八紘嶺ルートは現在倒木が多く、通行困難です。 聖地への登詣なので七面山登山口からスタートし、羽衣からの表参道を歩き山頂を目指します。表参道は良く整備された階段状の登山道なので、膝のためにも登りに使うのがよいでしょう。参道には4つの宿坊があり、全てに水場とトイレがあります。また敬慎院まで丁石があり、敬慎院が50丁目です。中腹までヤマビルが多いので常に足元を確認し、塩水やヒル除けの薬剤を登山靴に散布するなど対策が必要です。敬慎院まで展望のきかない約4時間半の修行の道。随所にある聖人のお言葉の立札、自然の語りかけに耳を傾けましょう。参道を登りきり、和光門を抜けた先の鐘楼から右が敬慎院境内ですが、中に入らずに左の参道を登ります。随身門を通り敬慎院の境内に降り本社に参拝します。本社横の回廊をくぐり下って見る一ノ池の静かな佇まいに心が癒されます。 翌朝、御来光遥拝所からご来光を拝みます。なお七面山は富士山のほぼ真西にあるので、春分・秋分の日の頃にダイヤモンド富士を見ることができます。右手の標識に従って山頂を目指します。途中のナナイタガレの展望所では滑落に注意して見物してください。静かなカラマツ林を抜け、わずかな急登を過ぎれば七面山山頂です。時間に余裕があれば、サルオガセが絡まる美しいカラマツ林を抜けて、笊ヶ岳の最高のビューポイント希望峰まで足をのばしましょう。希望峰は七面山からの唯一の西方の展望箇所で、左は安倍奥の大谷嶺や山伏から始まり、笊ヶ岳を主峰とする白峰南嶺の稜線、その背後に南アルプス南部主脈の山々のピーク、そして右端には傾いた三角形の北岳までの大パノラマが楽しめます。 敬慎院に戻り、そのまま北へ向かって奥の院に下ります。整備された林道で、途中には二ノ池、御神木であるイチイ(アララギ)の大木があります。影嚮石のある奥の院が40丁目で、ここから先は長い下りになります。36丁目からの雨畑参道は、崩壊箇所があり通行禁止です。19丁目安住坊には日朗上人お手植えとされる、栃の木の大木があります。参道の幅が広くなり並木道になれば、北参道入口の神通坊も近くなり、境内を抜けて七面山登山口に戻ります。 -
新田から山伏周遊
- 日帰り
- 8時間45分
- 17.4km
新田から山伏周遊
- 日帰り
- 8時間45分
- 17.4km
山伏は東に笹原と安倍奥の山々を前景とした美しい富士山の姿、北西に光岳から笊ヶ岳までの南アルプス南部の山々の眺望が広がる300名山です。またブナの新緑、初夏のヤナギラン、秋の全山黄葉と四季折々に草木を楽しめる山です。山頂に立つには、県民の森を車で抜け百畳峠からアタックする簡単な方法もありますが、山伏の素晴らしさを満喫するには安倍川側からの入山がベストです。 バスなら新田バス停、車なら大谷崩分岐点、または5分程先の河原の駐車場からスタートします。林道を行き、山伏登山口から西日影沢右岸をモノレールとともに歩き、渡渉して左岸に渡ります。植林帯、ワサビ田跡を抜け渡渉して、今にも転がり出しそうな大岩の麓に到着します。沢に絡んで登った後、水場から先は峠までザレた道がしばらく続くので、注意してください。蓬峠は休憩に最適な雰囲気のある場所です。ひと息入れながら森林浴を楽しみましょう。峠から山伏小屋分岐までは蓬尾根に絡みながら登って行きます。登山道は、途中から部分的に狭い所や急峻な所、滑りやすい所があるので注意してください。危険箇所にはロープがあります。大汗をかいた後登山道が平坦になれば、山伏小屋への分岐点です。朽ちた階段状の登山道を登り笹原に出ると山頂部で、初夏にはヤナギランの群生が広がっています。山頂手前で右に折れると、富士山の最高のビューポイントで、その素晴らしさは筆舌に尽くし難いほどです。山伏山頂は広く、笹原の先からは南アルプス南部の大パノラマが広がります。 新窪乗越へは幅広い尾根筋を行きます。途中尾根筋を乗り換える所があるので、ルートに注意してください。大平沢ノ頭から新窪乗越間は部分的に急峻になっているので、足元に注意して下さい。新窪乗越からは足元が不安定な砂礫の急斜面につけられたジグザグ道を下ります。落石が大変多く、細心の注意が必要です。扇の要で小休止し、幅広い土砂の涸沢を横断すれば注意箇所の通過は終わり、大谷嶺登山口に出ます。幸田文の文学碑を見て、林道を下り大谷崩分岐点、新田バス停に戻ります。 ※時間に余裕があれば大谷嶺へ足をのばします。大谷崩の縁の危険な歩行や急登が連続しますが、大谷嶺の山頂からの荒涼とした大谷崩の両側に広がる安倍奥連山に囲まれた安倍川流域の展望は、他の山で見る事のできない独特の景観です。なお水場のある山伏小屋に泊まれば、安倍奥の静かな一夜をじっくり味わうことができます。山伏は東に笹原と安倍奥の山々を前景とした美しい富士山の姿、北西に光岳から笊ヶ岳までの南アルプス南部の山々の眺望が広がる300名山です。またブナの新緑、初夏のヤナギラン、秋の全山黄葉と四季折々に草木を楽しめる山です。山頂に立つには、県民の森を車で抜け百畳峠からアタックする簡単な方法もありますが、山伏の素晴らしさを満喫するには安倍川側からの入山がベストです。 バスなら新田バス停、車なら大谷崩分岐点、または5分程先の河原の駐車場からスタートします。林道を行き、山伏登山口から西日影沢右岸をモノレールとともに歩き、渡渉して左岸に渡ります。植林帯、ワサビ田跡を抜け渡渉して、今にも転がり出しそうな大岩の麓に到着します。沢に絡んで登った後、水場から先は峠までザレた道がしばらく続くので、注意してください。蓬峠は休憩に最適な雰囲気のある場所です。ひと息入れながら森林浴を楽しみましょう。峠から山伏小屋分岐までは蓬尾根に絡みながら登って行きます。登山道は、途中から部分的に狭い所や急峻な所、滑りやすい所があるので注意してください。危険箇所にはロープがあります。大汗をかいた後登山道が平坦になれば、山伏小屋への分岐点です。朽ちた階段状の登山道を登り笹原に出ると山頂部で、初夏にはヤナギランの群生が広がっています。山頂手前で右に折れると、富士山の最高のビューポイントで、その素晴らしさは筆舌に尽くし難いほどです。山伏山頂は広く、笹原の先からは南アルプス南部の大パノラマが広がります。 新窪乗越へは幅広い尾根筋を行きます。途中尾根筋を乗り換える所があるので、ルートに注意してください。大平沢ノ頭から新窪乗越間は部分的に急峻になっているので、足元に注意して下さい。新窪乗越からは足元が不安定な砂礫の急斜面につけられたジグザグ道を下ります。落石が大変多く、細心の注意が必要です。扇の要で小休止し、幅広い土砂の涸沢を横断すれば注意箇所の通過は終わり、大谷嶺登山口に出ます。幸田文の文学碑を見て、林道を下り大谷崩分岐点、新田バス停に戻ります。 ※時間に余裕があれば大谷嶺へ足をのばします。大谷崩の縁の危険な歩行や急登が連続しますが、大谷嶺の山頂からの荒涼とした大谷崩の両側に広がる安倍奥連山に囲まれた安倍川流域の展望は、他の山で見る事のできない独特の景観です。なお水場のある山伏小屋に泊まれば、安倍奥の静かな一夜をじっくり味わうことができます。 -
梅ヶ島温泉から八紘嶺へ
- 日帰り
- 5時間40分
- 7.4km
梅ヶ島温泉から八紘嶺へ
- 日帰り
- 5時間40分
- 7.4km
八紘嶺は安倍奥最深部の山でありながら、安倍街道の新静岡IC付近から安倍川の上流にその山並みを確認できます。中腹の八紘嶺登山口まで車が通れた時は、比較的アプローチが楽でしたが、現在は林道が通行止めになっており、梅ヶ島温泉がスタート地点となります。 梅ヶ島温泉から中腹の八紘嶺登山口までは、間伐展示林の中を行きます。登山口駐車場からそのまま直登し、稜線に出るとすぐに崩壊が進む富士見台になります。ここから八紘嶺山頂部まではヤセ尾根なので、注意が必要です。急登が終わると右に富士山の展望箇所があります。危険箇所にはロープのサポートがあり安心です。八紘嶺山頂は樹木が茂って展望がききませんが、縦走路を先に少し下るとツツジの茂る美しいトンネルがあります。八紘嶺は安倍奥最深部の山でありながら、安倍街道の新静岡IC付近から安倍川の上流にその山並みを確認できます。中腹の八紘嶺登山口まで車が通れた時は、比較的アプローチが楽でしたが、現在は林道が通行止めになっており、梅ヶ島温泉がスタート地点となります。 梅ヶ島温泉から中腹の八紘嶺登山口までは、間伐展示林の中を行きます。登山口駐車場からそのまま直登し、稜線に出るとすぐに崩壊が進む富士見台になります。ここから八紘嶺山頂部まではヤセ尾根なので、注意が必要です。急登が終わると右に富士山の展望箇所があります。危険箇所にはロープのサポートがあり安心です。八紘嶺山頂は樹木が茂って展望がききませんが、縦走路を先に少し下るとツツジの茂る美しいトンネルがあります。