【長野県】の登山コースガイド
長野県
検索結果155件中
121-140件
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甲斐駒ヶ岳から鋸岳縦走
- 1泊2日
- 15時間40分
- 16.7km
甲斐駒ヶ岳から鋸岳縦走
- 1泊2日
- 15時間40分
- 16.7km
甲斐駒ヶ岳までは北沢峠から甲斐駒ヶ岳へ(コースガイド)を参照してください。 甲斐駒ヶ岳山頂から北西に六合目小屋を目指します。見通しの良い稜線上の登山道をグングン下っていきます。途中、標高2860m付近と標高2780m付近には岩場に針金がつけられていますが、さほど危険はありません。さらに下っていくと、標高2520m付近に何本かの石柱が立っている砂礫地に出ます。ここから南東に山腹を巻くように5分ほど下れば六合目小屋に到着します。六合目小屋は土間も広く、床がある部分は8~10名ほどのスペースがあります。水は砂礫地から南へトラバース気味に10分ほど下ったところにあります。砂礫地を過ぎるとすぐ左手に旧七丈ヶ滝コースを分けます。このコースは戸台から甲斐駒ヶ岳への信仰登山の由緒ある登路でしたが、南アルプス林道の開通や丹渓山荘の閉鎖に伴って次第に荒れて、廃道となっています。 三ツ頭まではいくつかの小ピークを越えながら進みます。登山道は基本的に稜線付近北東斜面側の樹林帯の中を行きます。三ツ頭ピークの北側を巻くように進むと、烏帽子岳へのルートを右に分け、中ノ川乗越へと進みます。中ノ川乗越への下りの一部はかなり急坂です。中ノ川乗越は熊の穴沢からのルートを合わせていて、南西にはごつごつした岩が一面に転がっています。ここから第二高点へは、右側の岩壁下に沿ってガレ沢を登ります。石が小さく崩れやすいのでなかなか標高が稼げません。ガレ場を過ぎて少し左に折れ、岩稜を登り切ったところが鋸岳の第二高点です。頂上には錆びた鉄剣が立つのみですが、眺望は見事です。 第二高点から北に進むと大ギャップとなり通行不能となるので、南西に延びる尾根上の道を標高差80mほど下ります。ダケカンバの中の草付から右側の岩壁を巻くように進み、大ギャップから落ち込んでくるガレ沢の底に入ります。ここを距離で15mほど下ると右にバンド(岩壁を横切る岩棚)が現れここを登ります。岩尾根を回り込むと鹿ノ窓からの岩溝に出ます。落石に注意しながら左にある草付の尾根や鎖も利用して、鹿ノ窓へと進みます。 鹿ノ窓をくぐり、山梨県側に出て、左手のナイフリッジを越えていくと小ギャップとなります。約15m鎖で下降すると小ギャップの底に着きます。反対側は約8mほど(鎖あり)ですが、ほぼ垂直の壁なので注意して登りましょう。ここから稜線上を気を抜かずに登れば鋸岳第一高点です。ここもまた好展望です。 ここからは戸台から鋸岳第一高点・第二高点へ(コースガイド)の往路を参照して下さい。甲斐駒ヶ岳までは北沢峠から甲斐駒ヶ岳へ(コースガイド)を参照してください。 甲斐駒ヶ岳山頂から北西に六合目小屋を目指します。見通しの良い稜線上の登山道をグングン下っていきます。途中、標高2860m付近と標高2780m付近には岩場に針金がつけられていますが、さほど危険はありません。さらに下っていくと、標高2520m付近に何本かの石柱が立っている砂礫地に出ます。ここから南東に山腹を巻くように5分ほど下れば六合目小屋に到着します。六合目小屋は土間も広く、床がある部分は8~10名ほどのスペースがあります。水は砂礫地から南へトラバース気味に10分ほど下ったところにあります。砂礫地を過ぎるとすぐ左手に旧七丈ヶ滝コースを分けます。このコースは戸台から甲斐駒ヶ岳への信仰登山の由緒ある登路でしたが、南アルプス林道の開通や丹渓山荘の閉鎖に伴って次第に荒れて、廃道となっています。 三ツ頭まではいくつかの小ピークを越えながら進みます。登山道は基本的に稜線付近北東斜面側の樹林帯の中を行きます。三ツ頭ピークの北側を巻くように進むと、烏帽子岳へのルートを右に分け、中ノ川乗越へと進みます。中ノ川乗越への下りの一部はかなり急坂です。中ノ川乗越は熊の穴沢からのルートを合わせていて、南西にはごつごつした岩が一面に転がっています。ここから第二高点へは、右側の岩壁下に沿ってガレ沢を登ります。石が小さく崩れやすいのでなかなか標高が稼げません。ガレ場を過ぎて少し左に折れ、岩稜を登り切ったところが鋸岳の第二高点です。頂上には錆びた鉄剣が立つのみですが、眺望は見事です。 第二高点から北に進むと大ギャップとなり通行不能となるので、南西に延びる尾根上の道を標高差80mほど下ります。ダケカンバの中の草付から右側の岩壁を巻くように進み、大ギャップから落ち込んでくるガレ沢の底に入ります。ここを距離で15mほど下ると右にバンド(岩壁を横切る岩棚)が現れここを登ります。岩尾根を回り込むと鹿ノ窓からの岩溝に出ます。落石に注意しながら左にある草付の尾根や鎖も利用して、鹿ノ窓へと進みます。 鹿ノ窓をくぐり、山梨県側に出て、左手のナイフリッジを越えていくと小ギャップとなります。約15m鎖で下降すると小ギャップの底に着きます。反対側は約8mほど(鎖あり)ですが、ほぼ垂直の壁なので注意して登りましょう。ここから稜線上を気を抜かずに登れば鋸岳第一高点です。ここもまた好展望です。 ここからは戸台から鋸岳第一高点・第二高点へ(コースガイド)の往路を参照して下さい。 -
戸台から鋸岳第一高点・第二高点へ
- 1泊2日
- 15時間10分
- 17km
戸台から鋸岳第一高点・第二高点へ
- 1泊2日
- 15時間10分
- 17km
戸台川河原にある広い駐車場東側登山道脇にある指導所で登山届を提出し、ここから広い河原の中を進み、左岸にある三峰川発電所取水口の施設の通路を通ります。台風等の影響でルートが変わるので、周囲をよく見て歩きやすいところを探しながら進みましょう。 標高1320m付近で角兵衛沢と出会います。ここから戸台川を渡ります。その後、小尾根を越えるように登っていくと、一合目です。ここで道は二手に分かれますが、左へ横岳峠への道は廃道となっています。ここを右へ針葉樹林帯の中を進んでいきます。標高2200m付近で登山道から右に離れ、2~3分ほど進むと大岩下ノ岩小屋に着きます(テント3、4張可能、水あり)。 登山道に戻り、再びガレ場を登ります。コルに近くなると踏み跡が薄く、登りやすいところを選んでの登高となります。 やっと着いた標高2550m、角兵衛沢のコルは狭く、ここから南東へ尾根通しに鋸岳の第一高点を目指します。ダケカンバ、ハイマツなどの枝に捕まりながら、20分ほど進むと鋸岳第一高点に着きます。ここでは甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳はもちろん、中央アルプス、さらに遠く北アルプスの峰々を望むことができます。 第一高点から岩稜上を下っていくと小ギャップです。ここは8mほどの岩壁が垂直に切れています。設置されている鎖を頼りに慎重に下りましょう。小ギャップの底からは右手の小さな尾根通しの鎖を頼りに約15m程登り、ナイフエッジ状の岩を越えると鹿ノ窓です。鹿ノ窓にも長い鎖が設置されています。鹿ノ窓の岩溝から右手の草付きの尾根側を下ると、第三高点につながる岩尾根上にバンド(岩尾根を横切る岩棚)があり、ここを進むと大ギャップからのガレ沢に入ります。ここを距離で15mほど登り返し、第二高点から延びる南西稜に取りつきます。灌木帯の急登を登っていくと第二高点です。頂上には錆びた鉄剣が立っており、眺望もまた素晴らしく、核心部を終えた安堵感が広がることでしょう。 第二高点から幅広の岩稜を右へ回り込みながら、岩稜と岩稜の間のガラ場を下っていくと中ノ川乗越です(テント3張ほど可能、水なし)。ここからはガレの上をひたすら下ります。標高1850m付近からはカラマツなどの林がところどころ途切れながら続き、やがて林床にみごとな苔を持つ針葉樹林を過ごします。 戸台川を渡り、ここから10分ほど下ると角兵衛沢に出会います。戸台川沿いに来た道を進んで、戸台の駐車場に着きます。戸台川河原にある広い駐車場東側登山道脇にある指導所で登山届を提出し、ここから広い河原の中を進み、左岸にある三峰川発電所取水口の施設の通路を通ります。台風等の影響でルートが変わるので、周囲をよく見て歩きやすいところを探しながら進みましょう。 標高1320m付近で角兵衛沢と出会います。ここから戸台川を渡ります。その後、小尾根を越えるように登っていくと、一合目です。ここで道は二手に分かれますが、左へ横岳峠への道は廃道となっています。ここを右へ針葉樹林帯の中を進んでいきます。標高2200m付近で登山道から右に離れ、2~3分ほど進むと大岩下ノ岩小屋に着きます(テント3、4張可能、水あり)。 登山道に戻り、再びガレ場を登ります。コルに近くなると踏み跡が薄く、登りやすいところを選んでの登高となります。 やっと着いた標高2550m、角兵衛沢のコルは狭く、ここから南東へ尾根通しに鋸岳の第一高点を目指します。ダケカンバ、ハイマツなどの枝に捕まりながら、20分ほど進むと鋸岳第一高点に着きます。ここでは甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳はもちろん、中央アルプス、さらに遠く北アルプスの峰々を望むことができます。 第一高点から岩稜上を下っていくと小ギャップです。ここは8mほどの岩壁が垂直に切れています。設置されている鎖を頼りに慎重に下りましょう。小ギャップの底からは右手の小さな尾根通しの鎖を頼りに約15m程登り、ナイフエッジ状の岩を越えると鹿ノ窓です。鹿ノ窓にも長い鎖が設置されています。鹿ノ窓の岩溝から右手の草付きの尾根側を下ると、第三高点につながる岩尾根上にバンド(岩尾根を横切る岩棚)があり、ここを進むと大ギャップからのガレ沢に入ります。ここを距離で15mほど登り返し、第二高点から延びる南西稜に取りつきます。灌木帯の急登を登っていくと第二高点です。頂上には錆びた鉄剣が立っており、眺望もまた素晴らしく、核心部を終えた安堵感が広がることでしょう。 第二高点から幅広の岩稜を右へ回り込みながら、岩稜と岩稜の間のガラ場を下っていくと中ノ川乗越です(テント3張ほど可能、水なし)。ここからはガレの上をひたすら下ります。標高1850m付近からはカラマツなどの林がところどころ途切れながら続き、やがて林床にみごとな苔を持つ針葉樹林を過ごします。 戸台川を渡り、ここから10分ほど下ると角兵衛沢に出会います。戸台川沿いに来た道を進んで、戸台の駐車場に着きます。 -
沢入から入笠湿原を経て入笠山、大阿原湿原へ
- 日帰り
- 4時間0分
- 10.4km
沢入から入笠湿原を経て入笠山、大阿原湿原へ
- 日帰り
- 4時間0分
- 10.4km
富士見駅からタクシーなどに乗って、入笠山登山口である沢入の駐車場まで行きます。駐車場の脇からカラマツを主体とした樹林帯の中を入笠湿原に向かって登っていきます。途中で富士見町の水道管理小屋の脇を抜け、「法華道」と記された表示を左に見送るとまもなく入笠湿原です。 湿原の周囲は鹿対策の防護柵があり入口には鉄格子の引き戸が設置されています。また、湿原内には木道が敷かれていて、6月上旬のスズランをはじめ、四季折々の花が満喫できます。湿原を通り抜け西側の山彦荘手前で防鹿柵の外に出ます。 車道に出て南へ進み、すぐに車道に沿った遊歩道に入ります。小沢を渡り再び車道に出ると元スキー場だったお花畑下に着きます。ここで防鹿柵の中に入って、お花畑の中の斜面を登るか、車道を南西に進んでマナスル山荘脇から南東へ入笠山を目指すこととなります。 お花畑の中を進んだ場合、斜面の途中で西へと進み、マナスル山荘(御所平峠)からの道と合流します。この合流地点を過ぎるとほどなく、岩場コースと岩場迂回コースの分岐となります。岩場コースといっても、岩と木の根で多少滑りやすくなっている程度です。また、岩場迂回コースは山頂を巻くように進み、南東側から山頂へ向かっています。 入笠山山頂は広く、周囲の山々がすべて展望できます。十分に堪能しましょう。山頂を後に、大阿原湿原を目指します。下り始めは傾斜が急でやや滑りやすいので注意しましょう。ここを下りきったところが仏平峠で、さらに進むとすぐに首切登山口です。ここから車道歩きとなります。まもなく首切清水が右側に現れます。さらにカラマツ林の中の車道を進み、大阿原湿原北東部の湿原入口に着きます。大阿原湿原を1周するのには30分程度かかります。湿原の北西側の木道からは湿原全体が見渡せます。湿原の最下部から流れ出ているテイ沢も美しいので余裕があれば歩いてみるといいでしょう。湿原南東側の木道は樹林帯の中にあり、湿原そのものはあまり見渡せません。 湿原入口まで戻り、車道を北へ進みます。途中、八ヶ岳ビューポイントと名付けられた場所を過ごし、往路で通過したお花畑最下部から山彦荘まで戻ります。再び入笠湿原に入り、登ってきた道を沢入の駐車場に戻ります。もし余裕があれば、ゴンドラ山頂駅周辺の入笠すずらん山野草公園に行くと四季折々の花を楽しめます。富士見駅からタクシーなどに乗って、入笠山登山口である沢入の駐車場まで行きます。駐車場の脇からカラマツを主体とした樹林帯の中を入笠湿原に向かって登っていきます。途中で富士見町の水道管理小屋の脇を抜け、「法華道」と記された表示を左に見送るとまもなく入笠湿原です。 湿原の周囲は鹿対策の防護柵があり入口には鉄格子の引き戸が設置されています。また、湿原内には木道が敷かれていて、6月上旬のスズランをはじめ、四季折々の花が満喫できます。湿原を通り抜け西側の山彦荘手前で防鹿柵の外に出ます。 車道に出て南へ進み、すぐに車道に沿った遊歩道に入ります。小沢を渡り再び車道に出ると元スキー場だったお花畑下に着きます。ここで防鹿柵の中に入って、お花畑の中の斜面を登るか、車道を南西に進んでマナスル山荘脇から南東へ入笠山を目指すこととなります。 お花畑の中を進んだ場合、斜面の途中で西へと進み、マナスル山荘(御所平峠)からの道と合流します。この合流地点を過ぎるとほどなく、岩場コースと岩場迂回コースの分岐となります。岩場コースといっても、岩と木の根で多少滑りやすくなっている程度です。また、岩場迂回コースは山頂を巻くように進み、南東側から山頂へ向かっています。 入笠山山頂は広く、周囲の山々がすべて展望できます。十分に堪能しましょう。山頂を後に、大阿原湿原を目指します。下り始めは傾斜が急でやや滑りやすいので注意しましょう。ここを下りきったところが仏平峠で、さらに進むとすぐに首切登山口です。ここから車道歩きとなります。まもなく首切清水が右側に現れます。さらにカラマツ林の中の車道を進み、大阿原湿原北東部の湿原入口に着きます。大阿原湿原を1周するのには30分程度かかります。湿原の北西側の木道からは湿原全体が見渡せます。湿原の最下部から流れ出ているテイ沢も美しいので余裕があれば歩いてみるといいでしょう。湿原南東側の木道は樹林帯の中にあり、湿原そのものはあまり見渡せません。 湿原入口まで戻り、車道を北へ進みます。途中、八ヶ岳ビューポイントと名付けられた場所を過ごし、往路で通過したお花畑最下部から山彦荘まで戻ります。再び入笠湿原に入り、登ってきた道を沢入の駐車場に戻ります。もし余裕があれば、ゴンドラ山頂駅周辺の入笠すずらん山野草公園に行くと四季折々の花を楽しめます。 -
大雪渓から白馬岳
- 1泊2日
- 6時間5分
- 6.4km
大雪渓から白馬岳
- 1泊2日
- 6時間5分
- 6.4km
白馬大雪渓から白馬岳を目指すコースは白馬周辺でも最もポピュラーで、シーズンには大勢の登山者で賑わいます。簡単なコースとみなされがちですが、雪渓の登降には十分な注意が必要です。 猿倉山荘手前より登山道に入ると、10分ほどで工事用林道に出ます。途中、鑓温泉への道を左にみて長走沢の木橋を渡ると、前方に白馬岳から小蓮華山への稜線が見えます。やがて山道に入り、シラネアオイやキヌガサソウなどがみられるようになると白馬尻に到着です。水やトイレがあるので身仕度していきましょう。 小屋の前から灌木帯を少し登ると広い台地に出ると、ケルンが立っています。このあたりから、いよいよ大雪渓に取り付きますが、午後2時以降は大雪渓から白馬岳への入山が禁止されているので要注意。見上げれば、シーズンなら雪渓に登山者が長い列をなして登って行く様子を見ることができます。雪渓ではコース沿いに紅ガラの赤い筋が引かれているので、ガスで視界が悪い時などはこれを目印に歩きます。また、雪上の落石は音をたてずに転がるので、視界が悪い時にはとくに注意が必要です。止まっている岩でも自然に転がりだす時があるので、うっかり岩に腰掛けたりするのは禁物です。上方に常に気を配りながら、マイペースで登りましょう。 ゆるやかな斜面がだんだんきつくなり、ひと息入れるころ、上方に葱平が見えてきます。最後に胸を突くような急斜面を登りきって葱平に到着です。葱平の登りは慣れない雪渓で疲れた足にはきつい斜面ですが、近年は道が整備され歩きやすくなりました。とはいえ、もろい地質なので、人工落石には十分注意して進みましょう。8月初旬頃まで、道は葱平の上部で小雪渓をトラバースします。足場は切ってあるものの、急斜面なので、慎重にゆっくり歩きましょう。やがてお花畑の中を進みます。お花畑は最盛期にはシナノキンバイやミヤマキンポウゲで黄色いジュウタンを敷き詰めたような光景を見ることができます。 稜線に頂上宿舎が見えてくるころ、左手に赤い巨岩があるのですが、その岩肌についた擦痕は氷河の名残といわれています。このあたりは、のんびり花など愛でながら歩きたいところ。 やがて頂上宿舎に出ます。ここから白馬山荘を経て30分あまりで、白馬岳頂上です。360度の大展望を存分に楽しみましょう。白馬大雪渓から白馬岳を目指すコースは白馬周辺でも最もポピュラーで、シーズンには大勢の登山者で賑わいます。簡単なコースとみなされがちですが、雪渓の登降には十分な注意が必要です。 猿倉山荘手前より登山道に入ると、10分ほどで工事用林道に出ます。途中、鑓温泉への道を左にみて長走沢の木橋を渡ると、前方に白馬岳から小蓮華山への稜線が見えます。やがて山道に入り、シラネアオイやキヌガサソウなどがみられるようになると白馬尻に到着です。水やトイレがあるので身仕度していきましょう。 小屋の前から灌木帯を少し登ると広い台地に出ると、ケルンが立っています。このあたりから、いよいよ大雪渓に取り付きますが、午後2時以降は大雪渓から白馬岳への入山が禁止されているので要注意。見上げれば、シーズンなら雪渓に登山者が長い列をなして登って行く様子を見ることができます。雪渓ではコース沿いに紅ガラの赤い筋が引かれているので、ガスで視界が悪い時などはこれを目印に歩きます。また、雪上の落石は音をたてずに転がるので、視界が悪い時にはとくに注意が必要です。止まっている岩でも自然に転がりだす時があるので、うっかり岩に腰掛けたりするのは禁物です。上方に常に気を配りながら、マイペースで登りましょう。 ゆるやかな斜面がだんだんきつくなり、ひと息入れるころ、上方に葱平が見えてきます。最後に胸を突くような急斜面を登りきって葱平に到着です。葱平の登りは慣れない雪渓で疲れた足にはきつい斜面ですが、近年は道が整備され歩きやすくなりました。とはいえ、もろい地質なので、人工落石には十分注意して進みましょう。8月初旬頃まで、道は葱平の上部で小雪渓をトラバースします。足場は切ってあるものの、急斜面なので、慎重にゆっくり歩きましょう。やがてお花畑の中を進みます。お花畑は最盛期にはシナノキンバイやミヤマキンポウゲで黄色いジュウタンを敷き詰めたような光景を見ることができます。 稜線に頂上宿舎が見えてくるころ、左手に赤い巨岩があるのですが、その岩肌についた擦痕は氷河の名残といわれています。このあたりは、のんびり花など愛でながら歩きたいところ。 やがて頂上宿舎に出ます。ここから白馬山荘を経て30分あまりで、白馬岳頂上です。360度の大展望を存分に楽しみましょう。 -
栂池自然園から白馬岳
- 1泊2日
- 7時間10分
- 8.8km
栂池自然園から白馬岳
- 1泊2日
- 7時間10分
- 8.8km
栂池高原からゴンドラリフトイヴと栂池ロープウェイを乗り継いで栂池自然園駅に着きます。天狗原への登山道は、自然園への案内板に従って舗装された道を登り、ビジターセンターの手前から指導標に従い登山道に入ります。なお、ビジターセンターは自然園の入園料を兼ねて有料です。 登山道は、すぐに階段状の急な斜面を登り始めます。ネマガリダケが両側に密生し、水はけの悪いドロの道をひたすら登ると、次第に視界が開けてきます。清水が湧き出る水場に着けば、天狗原は間近です。天狗原では木道を歩きます。湿原の池塘には、ワタスゲやヒオウギアヤメが咲いており見事です。 やがて風吹大池に行く木道を右に見送り、乗鞍岳への登りになります。安山岩の積み重なる急登ですが、シーズンの初め頃は雪渓になっており、ロープが張ってあります。斜面を登りきり、右側の雪渓を登り詰めると、乗鞍岳の広い台地に出ます。ペンキマークに従い進みますが、ガスで視界が悪い時には注意が必要です。大きなケルンのある場所が山頂で、ここからは自馬大池へ下りますが、ゴロゴロした岩の上を行くので慣れないと結構なアルバイトです。眼下に広がる白馬大池をゆっくり眺めながら、慎重に行きましょう。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。栂池高原からゴンドラリフトイヴと栂池ロープウェイを乗り継いで栂池自然園駅に着きます。天狗原への登山道は、自然園への案内板に従って舗装された道を登り、ビジターセンターの手前から指導標に従い登山道に入ります。なお、ビジターセンターは自然園の入園料を兼ねて有料です。 登山道は、すぐに階段状の急な斜面を登り始めます。ネマガリダケが両側に密生し、水はけの悪いドロの道をひたすら登ると、次第に視界が開けてきます。清水が湧き出る水場に着けば、天狗原は間近です。天狗原では木道を歩きます。湿原の池塘には、ワタスゲやヒオウギアヤメが咲いており見事です。 やがて風吹大池に行く木道を右に見送り、乗鞍岳への登りになります。安山岩の積み重なる急登ですが、シーズンの初め頃は雪渓になっており、ロープが張ってあります。斜面を登りきり、右側の雪渓を登り詰めると、乗鞍岳の広い台地に出ます。ペンキマークに従い進みますが、ガスで視界が悪い時には注意が必要です。大きなケルンのある場所が山頂で、ここからは自馬大池へ下りますが、ゴロゴロした岩の上を行くので慣れないと結構なアルバイトです。眼下に広がる白馬大池をゆっくり眺めながら、慎重に行きましょう。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。 -
蓮華温泉から白馬岳
- 1泊2日
- 7時間20分
蓮華温泉から白馬岳
- 1泊2日
- 7時間20分
蓮華温泉には、JR大糸線平岩駅からバスで入ります。駐車場から少し下ると、蓮華温泉ロッジの新しい建物の前に出ます。その建物の前を通り、奥の水飲み場の裏側から登山道に入ります。 初めは平らな湿った道ですが、木橋の架かった小さな沢を渡ると、だんだんと勾配もきつくなり、コメツガ、オオシラビソなどの樹林帯の中、ジグザグを大きく繰り返して登って行くことになります。振り返れば、温泉ロッジを眼下に見ることができ、その右手のガレた源泉地帯に湯煙が立ちのぼる光景は、いかにも、秘境の温泉場といったところでしょうか。 やがて尾根の先を左側に乗越すように回り、樹林帯を進むと、天狗ノ庭はもうすぐです。 天狗ノ庭にはハクサンシャジンやタカネバラが多く群生しています。また風雪の厳しさを訴えるように、背の低い、しかし骨太の風情で、枝を真横に突き出しているカラマツの点在する風景には、感嘆せずにはいられません。鉢ヶ岳から雪倉岳、朝日岳へと続く大きな山並みが目の前に広がります。時間が許せば、ゆっくり休んでいきたいところです。 道はどんどん高度を上げ、ダケカンバの白い肌が目を楽しませてくれます。早い時期には雪渓を横切り、やがて大きな樹木もなくなり一直線に登るようになると、白馬大池の草原に飛び出します。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。蓮華温泉には、JR大糸線平岩駅からバスで入ります。駐車場から少し下ると、蓮華温泉ロッジの新しい建物の前に出ます。その建物の前を通り、奥の水飲み場の裏側から登山道に入ります。 初めは平らな湿った道ですが、木橋の架かった小さな沢を渡ると、だんだんと勾配もきつくなり、コメツガ、オオシラビソなどの樹林帯の中、ジグザグを大きく繰り返して登って行くことになります。振り返れば、温泉ロッジを眼下に見ることができ、その右手のガレた源泉地帯に湯煙が立ちのぼる光景は、いかにも、秘境の温泉場といったところでしょうか。 やがて尾根の先を左側に乗越すように回り、樹林帯を進むと、天狗ノ庭はもうすぐです。 天狗ノ庭にはハクサンシャジンやタカネバラが多く群生しています。また風雪の厳しさを訴えるように、背の低い、しかし骨太の風情で、枝を真横に突き出しているカラマツの点在する風景には、感嘆せずにはいられません。鉢ヶ岳から雪倉岳、朝日岳へと続く大きな山並みが目の前に広がります。時間が許せば、ゆっくり休んでいきたいところです。 道はどんどん高度を上げ、ダケカンバの白い肌が目を楽しませてくれます。早い時期には雪渓を横切り、やがて大きな樹木もなくなり一直線に登るようになると、白馬大池の草原に飛び出します。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。 -
白馬岳から鑓温泉
- 2泊3日
- 9時間55分
- 11.8km
白馬岳から鑓温泉
- 2泊3日
- 9時間55分
- 11.8km
白馬岳から下山する人の大半は、白馬大池から栂池のコースか、この鑓温泉経由で猿倉に下るコースに二分されます。白馬鑓温泉を経由する本コースは何といっても、下山後の温泉が魅力。 唐松岳への縦走路を、祖母谷への道を右に見て丸山の頂上に立ちます。剱、立山連峰が真正面で眼下は黒部峡谷です。 丸山を下って杓子岳の鞍郡に出るには、いったん大きくジグザグに下り、また登り返します。このあたりから鑓ヶ岳にかけては、コマクサをはじめ高山植物の豊富なところです。杓子岳は山頂を通る道もありますが、普通は山腹を巻いて鑓ヶ岳の鞍部に出ます。小鑓への登りはちょっときつそうであるものの、実際はそれほどでもありません。このあたりは、時期が早ければチョウノスケソウなど豊富な花々が咲き乱れるエリアです。 小鑓から鑓ヶ岳の頂上へは広い尾根道を進みます。鑓ヶ岳山頂では、360度の展望を楽しむことができます。南に五竜岳、鹿島槍への縦走路が続き、鑓温泉への道も眼下に見られます。 砕石道の急斜面を足元に気を付けて下っていくと、鑓温泉への分岐点に着きます。ここからは信州側の急斜面を一気に下ることになりますが、途中、雪田を横切る時期もあります。やがて大出原のお花畑に着くが、クルマユリとハクサンフウロ、ミヤマキンポウゲなどの大群落は、北アルプス全山でも有数のものです。 お花畑の下部からジグザグ道を下っていきます。途中、露岩帯に針金や鎖場があるので、慎重に下りましょう。雪渓の残る谷に沿って行くようになると、温泉小屋が見えてきます。鑓温泉は標高2100mの高所温泉として知られる山のいで湯です。ぜひ、一浴していきましょう。一泊すれば山旅の楽しい思い出になること間違いありません。 温泉は小屋のすぐ裏の岩の裂け目から噴き出しています。小屋の下に露天風呂があり、その下がテント場です。下山路はテント場を横切り、湯に洗われ苔むした草付きの斜面を下り、いくつかの雪渓をトラバースして越えて行きます。必ず指導標や紅ガラに従って歩くこと。 小日向のコルまではゆるい登り下りの道で、コルを越すと、湿性の草原があります。ニッコウキスゲ等が咲き乱れ、白馬岳が一段と高くそびえています。あとは坦々とした山道を折り返しながら下り、やがて一直線の道になりヒザが笑いだすころ、周りの木々がだんだんと大きくなり、猿倉はもうすぐです。白馬岳から下山する人の大半は、白馬大池から栂池のコースか、この鑓温泉経由で猿倉に下るコースに二分されます。白馬鑓温泉を経由する本コースは何といっても、下山後の温泉が魅力。 唐松岳への縦走路を、祖母谷への道を右に見て丸山の頂上に立ちます。剱、立山連峰が真正面で眼下は黒部峡谷です。 丸山を下って杓子岳の鞍郡に出るには、いったん大きくジグザグに下り、また登り返します。このあたりから鑓ヶ岳にかけては、コマクサをはじめ高山植物の豊富なところです。杓子岳は山頂を通る道もありますが、普通は山腹を巻いて鑓ヶ岳の鞍部に出ます。小鑓への登りはちょっときつそうであるものの、実際はそれほどでもありません。このあたりは、時期が早ければチョウノスケソウなど豊富な花々が咲き乱れるエリアです。 小鑓から鑓ヶ岳の頂上へは広い尾根道を進みます。鑓ヶ岳山頂では、360度の展望を楽しむことができます。南に五竜岳、鹿島槍への縦走路が続き、鑓温泉への道も眼下に見られます。 砕石道の急斜面を足元に気を付けて下っていくと、鑓温泉への分岐点に着きます。ここからは信州側の急斜面を一気に下ることになりますが、途中、雪田を横切る時期もあります。やがて大出原のお花畑に着くが、クルマユリとハクサンフウロ、ミヤマキンポウゲなどの大群落は、北アルプス全山でも有数のものです。 お花畑の下部からジグザグ道を下っていきます。途中、露岩帯に針金や鎖場があるので、慎重に下りましょう。雪渓の残る谷に沿って行くようになると、温泉小屋が見えてきます。鑓温泉は標高2100mの高所温泉として知られる山のいで湯です。ぜひ、一浴していきましょう。一泊すれば山旅の楽しい思い出になること間違いありません。 温泉は小屋のすぐ裏の岩の裂け目から噴き出しています。小屋の下に露天風呂があり、その下がテント場です。下山路はテント場を横切り、湯に洗われ苔むした草付きの斜面を下り、いくつかの雪渓をトラバースして越えて行きます。必ず指導標や紅ガラに従って歩くこと。 小日向のコルまではゆるい登り下りの道で、コルを越すと、湿性の草原があります。ニッコウキスゲ等が咲き乱れ、白馬岳が一段と高くそびえています。あとは坦々とした山道を折り返しながら下り、やがて一直線の道になりヒザが笑いだすころ、周りの木々がだんだんと大きくなり、猿倉はもうすぐです。 -
白馬岳から欅平
- 1泊2日
- 8時間30分
- 16.8km
白馬岳から欅平
- 1泊2日
- 8時間30分
- 16.8km
白馬岳から黒部側の祖母谷温泉へ下るこのコースは、行程が長く、利用者も少ないですが、静かな山旅が楽しめる好コースです。 白馬山荘からほど近い稜線上に、清水岳への分岐の指導標があります。そこから下って、丸い岩山である旭岳の山腹の岩屑の道を行きます。鞍部には大きな雪田があり、紅ガラで指示されたとおりに進みます。雪田のあたりには、ハクサンコザクラやチングルマが咲き乱れています。 裏旭岳は、知らぬ間に通過して、ジグザグの道がハイマツ帯の中をどんどん下っていきます。小旭岳の南面を巻いて、やがてゆるやかな登りで清水平に入り、清水岳の広い山頂に着きます。途中小さなお花畑が散在し、また山頂付近に残雪がある時は、冷たい水も流れて、休憩にはうってつけの芭蕉です。剱、立山連峰や、遠く槍ヶ岳から後立山の鹿島槍、五竜岳、杓子岳へと続く山脈の眺めも素晴らしいです。 これから下る清水尾根のなだらかな尾根道は、池塘が点在し、秋ならナナカマドの真紅に燃えるような紅葉が、ことのほか美しいところ。また、清水尾根には、北アルプスではこのあたりだけで見られるミヤマハナシノブが咲いており、楽しい尾根道です。 視界の開けた清水尾根の稜線漫歩を楽しみながら下って行くと、やがて樹林帯に入ります。猫又峠で尾根の右側を行くようになると、まもなく不帰岳避難小屋。先に少し下ったところに水場もあります。 小屋から少し下るとクサリ場があり、樹林帯に入ると小さな水場があります。視界のきかない下りが続き、百貫山の鞍部に出て、いわゆる百貫ノ大下りになります。ジグザグの急坂をどんどん下り、やがて道は百貫山や名剣山の山腹を巻くように下っていきます。途中、1本のガラ沢と4本の沢をトラバースしますがが、残雪のある時は、慎重に通過するようにしましょう。 祖母谷の沢音がいちだんと大きく近づき、足場の悪い斜面をロープ伝いに下ったところが、名剣沢と祖母谷の出合いです。ここからダム工事用の車道となり、少し下ったところが、祖母谷温泉です。 祖母谷温泉は、内湯もあり、小屋の前に大きな露天風呂も造られています。川の中にも温泉が湧いているので、置いてあるスコップで穴を掘り、川の水を入れ、適当な湯加減にしてひと風呂浴びましょう。気分は格別ですが熱泉なので注意が必要です。時間が許すなら、ぜひ一泊していきましょう。 欅平へは、小屋の手前の鉄橋を渡り、対岸に造られている道路を行きます。名剣温泉をへて、40分ほどで黒部峡谷鉄道の欅平駅です。 なお、黒部峡谷鉄道は、シーズン中は混み合い、乗車時間を指定されて、待たされることもあります。そんな際にはビジターセンターを見学するのもよいでしょう。いずれにせよ、早い時間に駅まで下るのが無難です。白馬岳から黒部側の祖母谷温泉へ下るこのコースは、行程が長く、利用者も少ないですが、静かな山旅が楽しめる好コースです。 白馬山荘からほど近い稜線上に、清水岳への分岐の指導標があります。そこから下って、丸い岩山である旭岳の山腹の岩屑の道を行きます。鞍部には大きな雪田があり、紅ガラで指示されたとおりに進みます。雪田のあたりには、ハクサンコザクラやチングルマが咲き乱れています。 裏旭岳は、知らぬ間に通過して、ジグザグの道がハイマツ帯の中をどんどん下っていきます。小旭岳の南面を巻いて、やがてゆるやかな登りで清水平に入り、清水岳の広い山頂に着きます。途中小さなお花畑が散在し、また山頂付近に残雪がある時は、冷たい水も流れて、休憩にはうってつけの芭蕉です。剱、立山連峰や、遠く槍ヶ岳から後立山の鹿島槍、五竜岳、杓子岳へと続く山脈の眺めも素晴らしいです。 これから下る清水尾根のなだらかな尾根道は、池塘が点在し、秋ならナナカマドの真紅に燃えるような紅葉が、ことのほか美しいところ。また、清水尾根には、北アルプスではこのあたりだけで見られるミヤマハナシノブが咲いており、楽しい尾根道です。 視界の開けた清水尾根の稜線漫歩を楽しみながら下って行くと、やがて樹林帯に入ります。猫又峠で尾根の右側を行くようになると、まもなく不帰岳避難小屋。先に少し下ったところに水場もあります。 小屋から少し下るとクサリ場があり、樹林帯に入ると小さな水場があります。視界のきかない下りが続き、百貫山の鞍部に出て、いわゆる百貫ノ大下りになります。ジグザグの急坂をどんどん下り、やがて道は百貫山や名剣山の山腹を巻くように下っていきます。途中、1本のガラ沢と4本の沢をトラバースしますがが、残雪のある時は、慎重に通過するようにしましょう。 祖母谷の沢音がいちだんと大きく近づき、足場の悪い斜面をロープ伝いに下ったところが、名剣沢と祖母谷の出合いです。ここからダム工事用の車道となり、少し下ったところが、祖母谷温泉です。 祖母谷温泉は、内湯もあり、小屋の前に大きな露天風呂も造られています。川の中にも温泉が湧いているので、置いてあるスコップで穴を掘り、川の水を入れ、適当な湯加減にしてひと風呂浴びましょう。気分は格別ですが熱泉なので注意が必要です。時間が許すなら、ぜひ一泊していきましょう。 欅平へは、小屋の手前の鉄橋を渡り、対岸に造られている道路を行きます。名剣温泉をへて、40分ほどで黒部峡谷鉄道の欅平駅です。 なお、黒部峡谷鉄道は、シーズン中は混み合い、乗車時間を指定されて、待たされることもあります。そんな際にはビジターセンターを見学するのもよいでしょう。いずれにせよ、早い時間に駅まで下るのが無難です。 -
白馬岳から唐松岳
- 2泊3日
- 8時間20分
- 9.5km
白馬岳から唐松岳
- 2泊3日
- 8時間20分
- 9.5km
白馬岳から唐松岳への縦走は、前半の天狗山荘まではなだらかなコースですが、後半には天狗ノ大下りや、岩場に鎖場や梯子などがある不帰キレットといった難路がある長丁場です。山の経験豊富なリーダーに従って歩きましょう。時間に余裕があれば、高山植物の豊富な楽しいコースでもあるので、天狗山荘で一泊するのもおすすめです。 白馬岳から杓子岳へは、丸山から大きな斜面をジグザグに下り、杓子岳の鞍部からは、またお花畑の中を登り詰めます。杓子岳は、山腹を巻くのが普通ですが、山頂へは鞍部から稜線伝いに岩屑の歩きにくい道を登って行きます。山頂は南北に伸び、信州側は絶壁になっています。 稜線を南に行き、途中から斜面を斜めに下ると、トラバース道と合流し、鑓ヶ岳の鞍部に出ます。鑓ヶ岳の登りは、最初はきつい登りですが、見かけほどには時間もかからず、小鑓の頭を通り、鑓ヶ岳の山頂へなだらかな登りが続きます。 山頂から岩屑のザクザクした道を下ると、鑓温泉への分岐点につきます。そこから平らな稜線を少し行くと、左に斜めに下るようになり、雪渓が残る時もあります。下りきったところが天狗平で、ほどなく天狗山荘に到着です。小屋の前には雪解けの冷たい水が流れ、高山植物の豊富なところで、山頂の小屋が混み合うシーズンでも、比較的ゆったりと過ごすことができます。 小屋の前から少し登れば稜線に出ます。天狗ノ頭から天狗ノ大下りまでは、丘の上を行くような稜線漫歩。高山植物や右手の剱岳を見ながらのんびり歩きましょう。 やがて、「天狗ノ大下り」と呼ばれる標高差300mの急な下りになりますが、近年は登山者が多く、シーズン中には、ここで渋滞による時間を取られることがあるので注意。下り口から岩を伝い、すぐ右下に下ります。クサリが取り付けてあり、ペンキマークでルートも指示されているので、焦らずゆっくり下っていきましょう。 不帰の一峰は稜線伝いに登ります。目前に、このコースの核心部である二峰の岩壁が垂直にそそり立っています。どこを登るのか、不安になりますが、取り付いてみると、足場や手掛かりはしっかりして、悪いところにはクサリが付けられています。落ちついて高度を上げれば、やがてアングルの橋を渡り、信州側に回り込みます。そして、岩壁をへつるようにして細いバンド状のところを行きますが、路肩の踏み抜きには十分に注意しましょう。また、ここでは対向者と行き交うことはできないので、十分先を確かめて行動したいところ。道は右に回り込んで岩場の中をマーキングに従って二峰の頂上に出ます。頂上は広いので、ここで一息つきましょう。 北峰から南峰へは、水平に近い道を越中側に巻き、少し登りjます。再び稜線を伝い、ハイマツの間を抜けると、三峰に到着です。唐松岳の頂上へもうひと登りです。 唐松岳の山頂からは、今来た不帰キレットの縦走路がよく見えます。また、ここからの五竜岳の威容は、堂々として、印象的です。直下には、唐松岳頂上山荘も見え、尾根を15分ほど下ればたど山荘につきます。白馬岳から唐松岳への縦走は、前半の天狗山荘まではなだらかなコースですが、後半には天狗ノ大下りや、岩場に鎖場や梯子などがある不帰キレットといった難路がある長丁場です。山の経験豊富なリーダーに従って歩きましょう。時間に余裕があれば、高山植物の豊富な楽しいコースでもあるので、天狗山荘で一泊するのもおすすめです。 白馬岳から杓子岳へは、丸山から大きな斜面をジグザグに下り、杓子岳の鞍部からは、またお花畑の中を登り詰めます。杓子岳は、山腹を巻くのが普通ですが、山頂へは鞍部から稜線伝いに岩屑の歩きにくい道を登って行きます。山頂は南北に伸び、信州側は絶壁になっています。 稜線を南に行き、途中から斜面を斜めに下ると、トラバース道と合流し、鑓ヶ岳の鞍部に出ます。鑓ヶ岳の登りは、最初はきつい登りですが、見かけほどには時間もかからず、小鑓の頭を通り、鑓ヶ岳の山頂へなだらかな登りが続きます。 山頂から岩屑のザクザクした道を下ると、鑓温泉への分岐点につきます。そこから平らな稜線を少し行くと、左に斜めに下るようになり、雪渓が残る時もあります。下りきったところが天狗平で、ほどなく天狗山荘に到着です。小屋の前には雪解けの冷たい水が流れ、高山植物の豊富なところで、山頂の小屋が混み合うシーズンでも、比較的ゆったりと過ごすことができます。 小屋の前から少し登れば稜線に出ます。天狗ノ頭から天狗ノ大下りまでは、丘の上を行くような稜線漫歩。高山植物や右手の剱岳を見ながらのんびり歩きましょう。 やがて、「天狗ノ大下り」と呼ばれる標高差300mの急な下りになりますが、近年は登山者が多く、シーズン中には、ここで渋滞による時間を取られることがあるので注意。下り口から岩を伝い、すぐ右下に下ります。クサリが取り付けてあり、ペンキマークでルートも指示されているので、焦らずゆっくり下っていきましょう。 不帰の一峰は稜線伝いに登ります。目前に、このコースの核心部である二峰の岩壁が垂直にそそり立っています。どこを登るのか、不安になりますが、取り付いてみると、足場や手掛かりはしっかりして、悪いところにはクサリが付けられています。落ちついて高度を上げれば、やがてアングルの橋を渡り、信州側に回り込みます。そして、岩壁をへつるようにして細いバンド状のところを行きますが、路肩の踏み抜きには十分に注意しましょう。また、ここでは対向者と行き交うことはできないので、十分先を確かめて行動したいところ。道は右に回り込んで岩場の中をマーキングに従って二峰の頂上に出ます。頂上は広いので、ここで一息つきましょう。 北峰から南峰へは、水平に近い道を越中側に巻き、少し登りjます。再び稜線を伝い、ハイマツの間を抜けると、三峰に到着です。唐松岳の頂上へもうひと登りです。 唐松岳の山頂からは、今来た不帰キレットの縦走路がよく見えます。また、ここからの五竜岳の威容は、堂々として、印象的です。直下には、唐松岳頂上山荘も見え、尾根を15分ほど下ればたど山荘につきます。 -
唐松岳から八方尾根
- 1泊2日
- 3時間25分
- 4.8km
唐松岳から八方尾根
- 1泊2日
- 3時間25分
- 4.8km
唐松岳頂上山荘の南で五竜岳への縦走路と分かれ、八方尾根への下山道に入ります。尾根の南面をトラバースしていくことになりますが、この辺りはクロユリやシナノキンバイ等の高山植物の群生地です。 道は岩道で、途中崩れたところには板などが渡されています。岩道をしばらく行くと八方尾根の稜線に出ますが、残雪が多く、トラバース道が通行不能の時は、小屋の東から尾根(いわゆる冬期用登山道)を通ってここまで来ることになります。 道はすっかりなだらかな広い尾根を行くようになり、丸山の頂上に立ちます。丸山ケルンと呼ばれる大きなケルンがあります。周囲の展望が開け、白馬三山や不帰嶮の眺めの良いところで、ザックを下ろして休むのに良い場所です。このあたりはハイマツの中に道が何本もあり、丸山のピークの下でいずれも合流しています。 丸山のピークから下りは、左側は樹林帯、右側は上部が崩れたガラ場、下部が雪渓になっています。雪渓の下部まで下ることになりますが、この雪渓は「扇の雪渓」と呼ばれ、ここまでは八方ゴンドラ利用の日帰りハイカーが大勢遊びにくるので、賑わっていることが多いです。 道はダケカンバの林の中を行くのですが、その上部を上ノ樺、下部を下ノ樺と呼ばれています。樹林帯を抜けると、第3ケルンが稜線に立っており、北側の一段下に八方池があります。池の端には、白馬村飯森地区の鎮守の社の奥社があります。 池を一周して稜線に戻り、ザラ道を少し下ると、逗子開成高校の冬期遭難碑として建てられた大きなケルンがあるので、そこを左に折れて滑りやすい岩のゴロゴロした道をしばらく下ると、第2ケルンに到着です。ここには立派な水洗トイレがあり、その前を通って稜線を下るコースと、右に下りて雪田に沿って稜線の南面の中腹を行くコースに分かれます。しかしどちらも第1ケルンの八方池山荘で一緒になります。南面の中腹を行くコースは、湿原の中の整備された木道を行き、湿性帯の植物を見ながら歩くことができるのでおすすめです。 第1ケルンからは、グラートクワッドを利用して、黒菱平に下ることになりますが、草原の大斜面をジグザグに整備された道を歩くのも楽しいです。黒菱平からは、アルペンクワッドとゴンドラリフトアダムを乗り継いで八方に下ります。白馬駅には、タクシーか、旅館街の中を10分ほど歩いたところにあるバス停からバスに乗ってむかいましょう。唐松岳頂上山荘の南で五竜岳への縦走路と分かれ、八方尾根への下山道に入ります。尾根の南面をトラバースしていくことになりますが、この辺りはクロユリやシナノキンバイ等の高山植物の群生地です。 道は岩道で、途中崩れたところには板などが渡されています。岩道をしばらく行くと八方尾根の稜線に出ますが、残雪が多く、トラバース道が通行不能の時は、小屋の東から尾根(いわゆる冬期用登山道)を通ってここまで来ることになります。 道はすっかりなだらかな広い尾根を行くようになり、丸山の頂上に立ちます。丸山ケルンと呼ばれる大きなケルンがあります。周囲の展望が開け、白馬三山や不帰嶮の眺めの良いところで、ザックを下ろして休むのに良い場所です。このあたりはハイマツの中に道が何本もあり、丸山のピークの下でいずれも合流しています。 丸山のピークから下りは、左側は樹林帯、右側は上部が崩れたガラ場、下部が雪渓になっています。雪渓の下部まで下ることになりますが、この雪渓は「扇の雪渓」と呼ばれ、ここまでは八方ゴンドラ利用の日帰りハイカーが大勢遊びにくるので、賑わっていることが多いです。 道はダケカンバの林の中を行くのですが、その上部を上ノ樺、下部を下ノ樺と呼ばれています。樹林帯を抜けると、第3ケルンが稜線に立っており、北側の一段下に八方池があります。池の端には、白馬村飯森地区の鎮守の社の奥社があります。 池を一周して稜線に戻り、ザラ道を少し下ると、逗子開成高校の冬期遭難碑として建てられた大きなケルンがあるので、そこを左に折れて滑りやすい岩のゴロゴロした道をしばらく下ると、第2ケルンに到着です。ここには立派な水洗トイレがあり、その前を通って稜線を下るコースと、右に下りて雪田に沿って稜線の南面の中腹を行くコースに分かれます。しかしどちらも第1ケルンの八方池山荘で一緒になります。南面の中腹を行くコースは、湿原の中の整備された木道を行き、湿性帯の植物を見ながら歩くことができるのでおすすめです。 第1ケルンからは、グラートクワッドを利用して、黒菱平に下ることになりますが、草原の大斜面をジグザグに整備された道を歩くのも楽しいです。黒菱平からは、アルペンクワッドとゴンドラリフトアダムを乗り継いで八方に下ります。白馬駅には、タクシーか、旅館街の中を10分ほど歩いたところにあるバス停からバスに乗ってむかいましょう。 -
白馬岳から朝日岳
- 2泊3日
- 7時間20分
- 11.1km
白馬岳から朝日岳
- 2泊3日
- 7時間20分
- 11.1km
白馬岳から朝日岳への縦走は、静かに花や山旅を楽しみながら歩く、魅力あるコースのひとつ。しかし、距離のあるコースなので、体調は万全を期して行きましょう。 白馬山頂で展望を楽しんだら、三国境に向かって出発します。馬ノ背と呼ばれる狭い尾根道を越えてザラ道を下ると、三国境に到着です。左側のガレた斜面は、コマクサの群生地になっています。もちろん、立ち入ることはできません。前方には、これから向かう雪倉、朝日と続く雄大な山並みが広がっています。 登山者の大部分が白馬大池方面に向かうのを見送って、左のザクザクの斜面をトラバース気味に下ります。やがて、ハイマツ帯の広い尾根を鉢ヶ岳の鞍郡に向かいますが、途中鉱山道への分岐を右に見ます。このあたりから、主稜線にはまったく見られないミヤママツムシソウの紫色の大きな花が、たくさん見られるようになります。 鉢ヶ岳の東斜面の巻き道を行きますが、この斜面も大きなお花畑です。振り返ると、小蓮華山に向かう稜線を歩く人影が、豆粒のように見えます。小さな沢を渡り、ザラ道のゆるい斜面を下ると、ブロック囲いの、小さな雪倉岳避難小屋に到着です。 雪倉岳は、ここからジグザグに尾根道を登ることになりますが、下から見上げたほどのこともなく、山頂に着くことができます。広い、ゆったりとした山頂で、振り返れば、白馬岳や旭岳が印象的です。また目前には、朝日岳が大きく広がっています。 山頂からはゆるい下りのザラ道の斜面を行きます。ガスで視界の悪い時は、慎重にルートを見定めましょう。道は稜線の右側に入り、滑りやすい岩尾根を下ると広いコルに出ます。ここから左に急なジグザグ道を一気に下ったところがツバメ平で、小さな沢が流れています。 縦走路は赤男山の巻き道に入ります。燕岩の不気味な岩崩れの下を横切り樹林帯を抜けると、水量豊富な沢に出ます。小桜ヶ原の入口で、木道ができています。小桜ヶ原の湿原には、ハクサンコザクラ、チングルマが咲き乱れ、ニホンカモシカを見ることもできます。 木道をしばらく歩くと、水平道の分岐に到着するので、朝日岳へは、樹林帯の中を直登します。しばらく登ると、コバイケイソウの群生する草原に出ます。再び道は樹林帯に入りますが、すぐ明るい尾根に飛び出ます。チングルマやニッコウキスゲの咲き乱れる草原をのんびり歩き、朝日岳の山頂に到着です。山頂は、ハイマツが点在し花が咲く、丘のような広いところなのでしばし休憩していきましょう。朝日小屋へは、西に稜線を40分ほどです。白馬岳から朝日岳への縦走は、静かに花や山旅を楽しみながら歩く、魅力あるコースのひとつ。しかし、距離のあるコースなので、体調は万全を期して行きましょう。 白馬山頂で展望を楽しんだら、三国境に向かって出発します。馬ノ背と呼ばれる狭い尾根道を越えてザラ道を下ると、三国境に到着です。左側のガレた斜面は、コマクサの群生地になっています。もちろん、立ち入ることはできません。前方には、これから向かう雪倉、朝日と続く雄大な山並みが広がっています。 登山者の大部分が白馬大池方面に向かうのを見送って、左のザクザクの斜面をトラバース気味に下ります。やがて、ハイマツ帯の広い尾根を鉢ヶ岳の鞍郡に向かいますが、途中鉱山道への分岐を右に見ます。このあたりから、主稜線にはまったく見られないミヤママツムシソウの紫色の大きな花が、たくさん見られるようになります。 鉢ヶ岳の東斜面の巻き道を行きますが、この斜面も大きなお花畑です。振り返ると、小蓮華山に向かう稜線を歩く人影が、豆粒のように見えます。小さな沢を渡り、ザラ道のゆるい斜面を下ると、ブロック囲いの、小さな雪倉岳避難小屋に到着です。 雪倉岳は、ここからジグザグに尾根道を登ることになりますが、下から見上げたほどのこともなく、山頂に着くことができます。広い、ゆったりとした山頂で、振り返れば、白馬岳や旭岳が印象的です。また目前には、朝日岳が大きく広がっています。 山頂からはゆるい下りのザラ道の斜面を行きます。ガスで視界の悪い時は、慎重にルートを見定めましょう。道は稜線の右側に入り、滑りやすい岩尾根を下ると広いコルに出ます。ここから左に急なジグザグ道を一気に下ったところがツバメ平で、小さな沢が流れています。 縦走路は赤男山の巻き道に入ります。燕岩の不気味な岩崩れの下を横切り樹林帯を抜けると、水量豊富な沢に出ます。小桜ヶ原の入口で、木道ができています。小桜ヶ原の湿原には、ハクサンコザクラ、チングルマが咲き乱れ、ニホンカモシカを見ることもできます。 木道をしばらく歩くと、水平道の分岐に到着するので、朝日岳へは、樹林帯の中を直登します。しばらく登ると、コバイケイソウの群生する草原に出ます。再び道は樹林帯に入りますが、すぐ明るい尾根に飛び出ます。チングルマやニッコウキスゲの咲き乱れる草原をのんびり歩き、朝日岳の山頂に到着です。山頂は、ハイマツが点在し花が咲く、丘のような広いところなのでしばし休憩していきましょう。朝日小屋へは、西に稜線を40分ほどです。 -
小谷温泉から雨飾山
- 1泊2日
- 4時間55分
- 6.1km
小谷温泉から雨飾山
- 1泊2日
- 4時間55分
- 6.1km
雨飾山へは、北と南のふたつの秘湯、新潟側の雨飾温泉と長野側の小谷温泉から登るのが一般的です。 雨飾山の人気の秘密は、秘湯ブームによるところが大きいのかもしれません。それはともかく、大半の登山者が、小谷温泉から登って雨飾温泉に下るか、その逆コースをとるかするのですが、近頃はマイカー登山が盛んとなり、小谷側に駐車場が整備されたこともあって、小谷側からピストン登山する登山者が増えてきました。ここでは、小谷側からのコースを紹介します。 大糸線南小谷駅から村営バスかタクシーで、小谷温泉に向います。タクシーかマイカーならば、登山道入口まで入ることができます。バスを利用した際は雨飾高原まで入ることができます。バス停の近くには露天風呂や乙見山峠から笹ヶ峰へ抜ける林道の入口があります。 林道から雨飾山が真正面に見えてくると、登山道入口の標識が立っていて、右に入るとやがて駐車場に出ます。マイカーで来たら、ここから山頂往復をするとよいでしょう。ここには休憩所があり、トイレや水の補給もでき、キャンプ場も開設されています。 林道はここまでで、いよいよ登山道にはいります。休憩所の横から少し下に入ると、大海川に沿った川原の中を、広河原と呼ばれる木道を歩きます。すぐにブナ林の尾根にたどりつくが、きつい登りが続きます。300mあまりの高度を一気に稼ぎ、山腹を巻くようになると荒菅沢に出ます。 夏の早い時期には雪渓も残っています。見上げると、スラブ状の岩壁が雨飾山頂上に向っているのが源頭に見えます。対岸に渡り、ジグザグに少し登ると、またきつい階段を上るような急登となります。明るい稜線を行きますが、夏などは直射日光を受けて大汗をかくことになります。左手に荒菅沢の源頭スラブを見ながら登ると、やがて笹平に到着です。 笹平からは雨飾温泉に行く分岐をとります。広い尾根で、一面ササに覆われているのが山頂まで続きます。急な斜面を少し登ると雨飾山の山頂で、左手の南峰に三角点が、右手のやや低い北峰に石仏や石祠があります。山頂からは北アルプスの朝日、雪倉、白馬から槍の穂先まで一望することができ、振り返れば焼山から天狗原山の山並が間近に見えます。なお、石仏のあるところから西へ尾根を下ると、大網口の登山道となっています。雨飾山へは、北と南のふたつの秘湯、新潟側の雨飾温泉と長野側の小谷温泉から登るのが一般的です。 雨飾山の人気の秘密は、秘湯ブームによるところが大きいのかもしれません。それはともかく、大半の登山者が、小谷温泉から登って雨飾温泉に下るか、その逆コースをとるかするのですが、近頃はマイカー登山が盛んとなり、小谷側に駐車場が整備されたこともあって、小谷側からピストン登山する登山者が増えてきました。ここでは、小谷側からのコースを紹介します。 大糸線南小谷駅から村営バスかタクシーで、小谷温泉に向います。タクシーかマイカーならば、登山道入口まで入ることができます。バスを利用した際は雨飾高原まで入ることができます。バス停の近くには露天風呂や乙見山峠から笹ヶ峰へ抜ける林道の入口があります。 林道から雨飾山が真正面に見えてくると、登山道入口の標識が立っていて、右に入るとやがて駐車場に出ます。マイカーで来たら、ここから山頂往復をするとよいでしょう。ここには休憩所があり、トイレや水の補給もでき、キャンプ場も開設されています。 林道はここまでで、いよいよ登山道にはいります。休憩所の横から少し下に入ると、大海川に沿った川原の中を、広河原と呼ばれる木道を歩きます。すぐにブナ林の尾根にたどりつくが、きつい登りが続きます。300mあまりの高度を一気に稼ぎ、山腹を巻くようになると荒菅沢に出ます。 夏の早い時期には雪渓も残っています。見上げると、スラブ状の岩壁が雨飾山頂上に向っているのが源頭に見えます。対岸に渡り、ジグザグに少し登ると、またきつい階段を上るような急登となります。明るい稜線を行きますが、夏などは直射日光を受けて大汗をかくことになります。左手に荒菅沢の源頭スラブを見ながら登ると、やがて笹平に到着です。 笹平からは雨飾温泉に行く分岐をとります。広い尾根で、一面ササに覆われているのが山頂まで続きます。急な斜面を少し登ると雨飾山の山頂で、左手の南峰に三角点が、右手のやや低い北峰に石仏や石祠があります。山頂からは北アルプスの朝日、雪倉、白馬から槍の穂先まで一望することができ、振り返れば焼山から天狗原山の山並が間近に見えます。なお、石仏のあるところから西へ尾根を下ると、大網口の登山道となっています。 -
雨飾山西尾根
- 日帰り
- 4時間0分
- 4.1km
雨飾山西尾根
- 日帰り
- 4時間0分
- 4.1km
雨飾山西尾根コースは、登山口に入るのに不便なので登山者こそ少ないものの、地元の大網地区の観光協会主催で7月第1日曜日に山開きの行事として大勢の人が登っています。 小谷温泉から林道の湯峠を越して入るか、大糸線平岩駅から大網地区を通り大網登山口から入山します。このあたりは若干の駐車スペ−スはあるものの、正式の駐車場ではありません。標識を見て登山道に入るとすぐ、きれいな水の流れる沢を渡り、平らな道をしばらく歩くことになります。堰堤工事の資材運搬に使われたのか、トロッコの線路の枕木やイヌ釘などが打たれたままところどころに残っています。 しばらく歩くと前沢に出ます。河原の中をペンキの印に導かれ、上流に少し行き対岸に渡ります。ブナ林の中をゆっくりジグザグを繰り返し登って行くと、清水の流れる水場があります。さらにブナ林の中を行きますが、このあたりは、ブナの幹にクマの爪跡などが見えます。 樹間から北アルプスが見えるようになり、ネマガリタケが多くなる頃、水場の標識があります。道から左へ入ったところにある小さな沢がそれです。 道はやがて尾根道に出ますが、灌木帯の根元にカタクリやシラネアオイが咲きます。稜線に出れば山頂まで一直線に急な登りが続きますが、岩場の間を歩くようになれば石仏の待つ山頂は日の前。ハクサンチドリ、ミヤママンネングサ、ミヤマハンショウヅル、ヨツバシオガマ、ミヤマクワガタなどの高山植物が色とりどりに咲いています。雨飾山西尾根コースは、登山口に入るのに不便なので登山者こそ少ないものの、地元の大網地区の観光協会主催で7月第1日曜日に山開きの行事として大勢の人が登っています。 小谷温泉から林道の湯峠を越して入るか、大糸線平岩駅から大網地区を通り大網登山口から入山します。このあたりは若干の駐車スペ−スはあるものの、正式の駐車場ではありません。標識を見て登山道に入るとすぐ、きれいな水の流れる沢を渡り、平らな道をしばらく歩くことになります。堰堤工事の資材運搬に使われたのか、トロッコの線路の枕木やイヌ釘などが打たれたままところどころに残っています。 しばらく歩くと前沢に出ます。河原の中をペンキの印に導かれ、上流に少し行き対岸に渡ります。ブナ林の中をゆっくりジグザグを繰り返し登って行くと、清水の流れる水場があります。さらにブナ林の中を行きますが、このあたりは、ブナの幹にクマの爪跡などが見えます。 樹間から北アルプスが見えるようになり、ネマガリタケが多くなる頃、水場の標識があります。道から左へ入ったところにある小さな沢がそれです。 道はやがて尾根道に出ますが、灌木帯の根元にカタクリやシラネアオイが咲きます。稜線に出れば山頂まで一直線に急な登りが続きますが、岩場の間を歩くようになれば石仏の待つ山頂は日の前。ハクサンチドリ、ミヤママンネングサ、ミヤマハンショウヅル、ヨツバシオガマ、ミヤマクワガタなどの高山植物が色とりどりに咲いています。 -
大渚山
- 日帰り
- 3時間0分
- 1.6km
大渚山
- 日帰り
- 3時間0分
- 1.6km
大渚山は小谷温泉の西方、雨飾山の南方にあります。標高は高くないものの、独立峰として突出していて、東側から見た容姿がとくに印象的な山です。 大渚山へは、小谷温泉から林道を登り、雨飾山入口や鎌池を過ぎ、道の舗装が砂利に変わる地点にある湯峠から入ります。湯峠には、車が数台駐車できる広場があり、そこからすぐに尾根道に取り付きます。ブナ林に囲まれた稜線は、最初は小さな登り下りを繰り返しますが、だんだんと急登になり、少し滑りやすい湿った斜面になっていきます。 途中、ブナの根元に小さな石仏が一体あります。急登もほんの一刻で、右側に山頂からすっぱり切れた断崖の斜面が見え、道が左に折れます。その先、平らなところに丸太のベンチが置かれているので休憩していきましょう。 そこからわずか登ると、灌木の繁る頂上に到着です。頂上にはベンチやテーブルがあり、展望は真正面に雨飾山、はるかに日本海の海岸線を望むことができます。西方の北アルプスは朝日岳、雪倉岳、白馬岳から遠く槍ヶ岳まで一望できます。西方に延びた尾根の先端には展望台が作られていて、眼下の姫川から北アルプスまで広がる展望が、より近く見えます。 山頂でコーヒーなどを入れて、しばし時を忘れてのんびりするのもよいでしょう。ただし、このコースに水場はないので注意してください。大渚山は小谷温泉の西方、雨飾山の南方にあります。標高は高くないものの、独立峰として突出していて、東側から見た容姿がとくに印象的な山です。 大渚山へは、小谷温泉から林道を登り、雨飾山入口や鎌池を過ぎ、道の舗装が砂利に変わる地点にある湯峠から入ります。湯峠には、車が数台駐車できる広場があり、そこからすぐに尾根道に取り付きます。ブナ林に囲まれた稜線は、最初は小さな登り下りを繰り返しますが、だんだんと急登になり、少し滑りやすい湿った斜面になっていきます。 途中、ブナの根元に小さな石仏が一体あります。急登もほんの一刻で、右側に山頂からすっぱり切れた断崖の斜面が見え、道が左に折れます。その先、平らなところに丸太のベンチが置かれているので休憩していきましょう。 そこからわずか登ると、灌木の繁る頂上に到着です。頂上にはベンチやテーブルがあり、展望は真正面に雨飾山、はるかに日本海の海岸線を望むことができます。西方の北アルプスは朝日岳、雪倉岳、白馬岳から遠く槍ヶ岳まで一望できます。西方に延びた尾根の先端には展望台が作られていて、眼下の姫川から北アルプスまで広がる展望が、より近く見えます。 山頂でコーヒーなどを入れて、しばし時を忘れてのんびりするのもよいでしょう。ただし、このコースに水場はないので注意してください。 -
ぐんま県境稜線トレイル 三国スキー場跡から白砂山へ
- 日帰り
- 8時間50分
- 8.4km
ぐんま県境稜線トレイル 三国スキー場跡から白砂山へ
- 日帰り
- 8時間50分
- 8.4km
ぐんま県境稜線トレイル新規開通区間は、三坂峠から白砂山まで。何度もアップダウンを繰り返す長いルートで、途中エスケープルートはなく、まだ歩きにくい部分も少しあり、長時間山道を歩く技術と体力とスピードが必要になる、ハードな登山道です。またアプローチや前後泊について、きちんと計画する必要もあります。往復すると10時間以上の超ロングコースで、野反湖に下山した方が早いです。 一日で歩く場合は登山口近くに宿泊して、早朝歩き始めるようにしましょう。マイカー利用の場合、日帰りならば、三国スキー場跡から上ノ倉山までの往復でも十分楽しめます。通しで歩く場合、途中のムジナ平には、群馬県が整備した笹原を切り開いた広場があり、避難小屋があります。ムジナ平の東で少し下った水場は涸れることもあります。 新規開通区間東側の最短アプローチである三国スキー場跡までの公共交通機関はなく、最寄りのバス停から登山口まで歩くと片道1時間20分です。白砂山を越えて西側まで縦走した場合、野反湖に下るのが最短コースです。野反湖まではバスの便がありますが、終バスが早く、また便数が少ないので、行動計画をきっちりする必要があります。 三国スキー場跡地から歩きはじめます。最初は紅葉の美しい湯之谷溪谷の遊歩道です。やがて、沢に出合います。ここに以前あった丸木橋は流され、今は渡渉します。沢を渡ると、かなり急な坂道が続きます。尾根に上がれば少しずつ展望が広がり、ブナの並木道のようです。三坂峠分岐から、いよいよ2018年に開通したばかりの新規開通区間です。登山道はまだあまり踏み固められていないので、ふわふわした感じがします。左右はブナとミズナラの森。何度もアップダウンを繰り返しながら、高度を上げていきます。林の中に一部、苔むした岩や木の根が張り出し、歩きにくい急坂があるので注意して歩きましょう。樹林を抜けて一度笹原に出ますが、再び樹林に入るとセバトノ頭です。少し下ると、水場に降りる分岐があり、さらに歩くと笹原を切り開いた広場があるムジナ平です。ムジナ平からは足場が悪い登山道でジグザクに笹原を登り、大黒ノ頭に至ります。ここからはハイマツも生える亜高山帯の稜線歩きになります。 軽い登りで上ノ倉山に登ると、展望が広がり、目の前に山容が美しい忠次郎山が見えます。展望は広がりますが、まだまだ白砂山は遠くにあります。山頂から一気に下り、また登り返すと忠次郎山です。山頂は樹林に囲まれ展望はありません。何度もアップダウンを繰り返し、細い岩尾根を抜ければ、上ノ間山に到着します。山頂からは、佐武流山、苗場山、浅間山、谷川連峰など、展望は抜群です。また下り、急坂を登って、アップダウンを繰り返し、長い稜線歩きの最後に足場が悪い斜面を登ると、白砂山に到着します。ぐんま県境稜線トレイル新規開通区間は、三坂峠から白砂山まで。何度もアップダウンを繰り返す長いルートで、途中エスケープルートはなく、まだ歩きにくい部分も少しあり、長時間山道を歩く技術と体力とスピードが必要になる、ハードな登山道です。またアプローチや前後泊について、きちんと計画する必要もあります。往復すると10時間以上の超ロングコースで、野反湖に下山した方が早いです。 一日で歩く場合は登山口近くに宿泊して、早朝歩き始めるようにしましょう。マイカー利用の場合、日帰りならば、三国スキー場跡から上ノ倉山までの往復でも十分楽しめます。通しで歩く場合、途中のムジナ平には、群馬県が整備した笹原を切り開いた広場があり、避難小屋があります。ムジナ平の東で少し下った水場は涸れることもあります。 新規開通区間東側の最短アプローチである三国スキー場跡までの公共交通機関はなく、最寄りのバス停から登山口まで歩くと片道1時間20分です。白砂山を越えて西側まで縦走した場合、野反湖に下るのが最短コースです。野反湖まではバスの便がありますが、終バスが早く、また便数が少ないので、行動計画をきっちりする必要があります。 三国スキー場跡地から歩きはじめます。最初は紅葉の美しい湯之谷溪谷の遊歩道です。やがて、沢に出合います。ここに以前あった丸木橋は流され、今は渡渉します。沢を渡ると、かなり急な坂道が続きます。尾根に上がれば少しずつ展望が広がり、ブナの並木道のようです。三坂峠分岐から、いよいよ2018年に開通したばかりの新規開通区間です。登山道はまだあまり踏み固められていないので、ふわふわした感じがします。左右はブナとミズナラの森。何度もアップダウンを繰り返しながら、高度を上げていきます。林の中に一部、苔むした岩や木の根が張り出し、歩きにくい急坂があるので注意して歩きましょう。樹林を抜けて一度笹原に出ますが、再び樹林に入るとセバトノ頭です。少し下ると、水場に降りる分岐があり、さらに歩くと笹原を切り開いた広場があるムジナ平です。ムジナ平からは足場が悪い登山道でジグザクに笹原を登り、大黒ノ頭に至ります。ここからはハイマツも生える亜高山帯の稜線歩きになります。 軽い登りで上ノ倉山に登ると、展望が広がり、目の前に山容が美しい忠次郎山が見えます。展望は広がりますが、まだまだ白砂山は遠くにあります。山頂から一気に下り、また登り返すと忠次郎山です。山頂は樹林に囲まれ展望はありません。何度もアップダウンを繰り返し、細い岩尾根を抜ければ、上ノ間山に到着します。山頂からは、佐武流山、苗場山、浅間山、谷川連峰など、展望は抜群です。また下り、急坂を登って、アップダウンを繰り返し、長い稜線歩きの最後に足場が悪い斜面を登ると、白砂山に到着します。 -
和田小屋から苗場山(祓川コース)と赤湯温泉
- 2泊3日
- 10時間0分
- 16km
和田小屋から苗場山(祓川コース)と赤湯温泉
- 2泊3日
- 10時間0分
- 16km
和田小屋から歩き始める祓川コースは、首都圏からのアプローチが短く、登高差も比較的少ないために人気があります。日帰り登山も可能ですが、山麓には和田小屋と赤湯温泉、山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、宿泊することもできるため、ゆっくり宿泊するコースを紹介します。日本海側気候の影響を強く受ける豪雪地で7月に入っても残雪があります。山小屋は10月下旬に閉まります。アプローチは縦走であればタクシーになります。 1日目、和田小屋の少し手前から歩き始め、和田小屋からはスキー場のゲレンデをまっすぐ登ります。(夏期の土休日には和田小屋から登山リフトが運行。要確認)深いブナの森に入り、木の根が露出したり、木の階段が整備されていたり、岩場だったりで、変化に富んだ登山道を登ります。六合目を越えダケカンバの林に入り、急に視界が開けると、小さな湿原の下ノ芝です。さらに登るとベンチがある中ノ芝、上ノ芝と湿原が続きます。小松原湿原への分岐あたりから、斜面をトラバースするようになり、展望が広がり、勾配が緩やかになります。神楽ヶ峰へは登山道から右に数m登ります。 ここからは正面に苗場山の山頂部を大きく見ながら富士見坂を下ります。途中に雷清水があります。少し下った「お花畑」と呼ばれる鞍部から登り返し、最後に雲尾坂の急坂を登ると山頂湿原に出ます。広々とした木道を道標に従い歩くと、展望のない苗場山山頂に到着。山頂から苗場山頂ヒュッテまで、しばらくぬかるんだ小道です。 2日目、広い山頂湿原の木道を南に向かいます。山頂湿原の端から唐突に、足場が悪く、登山者が少ない厳しいクサリ場の下りになります。さらに草地や笹原を下ると、尾根が細くなりシラビソ廊下に入って行きます。登山道横にはオオシラビソやコメツガが生え、左右は深く切れ落ちた廊下のような細い尾根歩きです。足場の悪い急坂を下り、深穴岩の横を通ると、平坦で美しいブナ林のフクベノ平にでます。桂沢沿いにトチノキの巨木の下を通り下って、サゴイ沢を橋で渡ります。足場の悪い急坂を登り、赤倉山の分岐に出て、ここからまた下ると、今度は清津川を渡る橋があります。橋を渡ってすぐに大石がごろごろある河原を歩くと、ランプの宿の赤湯温泉に到着します。日帰り入浴もできますが、ご飯もおいしい赤湯温泉に一泊しましょう。 3日目、赤湯温泉からすぐの鉄橋を渡ると、いきなり滑りやすく足場の悪い急登です。勾配が緩やかになりしばらく進むと、見返りの松です。アップダウンを繰り返し、到着した鷹ノ巣峠からはまた急な下り。棒沢橋を渡ると、林道に出るので、後は小日橋の先まで、延々と林道を歩きます。和田小屋から歩き始める祓川コースは、首都圏からのアプローチが短く、登高差も比較的少ないために人気があります。日帰り登山も可能ですが、山麓には和田小屋と赤湯温泉、山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、宿泊することもできるため、ゆっくり宿泊するコースを紹介します。日本海側気候の影響を強く受ける豪雪地で7月に入っても残雪があります。山小屋は10月下旬に閉まります。アプローチは縦走であればタクシーになります。 1日目、和田小屋の少し手前から歩き始め、和田小屋からはスキー場のゲレンデをまっすぐ登ります。(夏期の土休日には和田小屋から登山リフトが運行。要確認)深いブナの森に入り、木の根が露出したり、木の階段が整備されていたり、岩場だったりで、変化に富んだ登山道を登ります。六合目を越えダケカンバの林に入り、急に視界が開けると、小さな湿原の下ノ芝です。さらに登るとベンチがある中ノ芝、上ノ芝と湿原が続きます。小松原湿原への分岐あたりから、斜面をトラバースするようになり、展望が広がり、勾配が緩やかになります。神楽ヶ峰へは登山道から右に数m登ります。 ここからは正面に苗場山の山頂部を大きく見ながら富士見坂を下ります。途中に雷清水があります。少し下った「お花畑」と呼ばれる鞍部から登り返し、最後に雲尾坂の急坂を登ると山頂湿原に出ます。広々とした木道を道標に従い歩くと、展望のない苗場山山頂に到着。山頂から苗場山頂ヒュッテまで、しばらくぬかるんだ小道です。 2日目、広い山頂湿原の木道を南に向かいます。山頂湿原の端から唐突に、足場が悪く、登山者が少ない厳しいクサリ場の下りになります。さらに草地や笹原を下ると、尾根が細くなりシラビソ廊下に入って行きます。登山道横にはオオシラビソやコメツガが生え、左右は深く切れ落ちた廊下のような細い尾根歩きです。足場の悪い急坂を下り、深穴岩の横を通ると、平坦で美しいブナ林のフクベノ平にでます。桂沢沿いにトチノキの巨木の下を通り下って、サゴイ沢を橋で渡ります。足場の悪い急坂を登り、赤倉山の分岐に出て、ここからまた下ると、今度は清津川を渡る橋があります。橋を渡ってすぐに大石がごろごろある河原を歩くと、ランプの宿の赤湯温泉に到着します。日帰り入浴もできますが、ご飯もおいしい赤湯温泉に一泊しましょう。 3日目、赤湯温泉からすぐの鉄橋を渡ると、いきなり滑りやすく足場の悪い急登です。勾配が緩やかになりしばらく進むと、見返りの松です。アップダウンを繰り返し、到着した鷹ノ巣峠からはまた急な下り。棒沢橋を渡ると、林道に出るので、後は小日橋の先まで、延々と林道を歩きます。 -
小赤沢から苗場山頂へ
- 日帰り
- 6時間10分
- 9.2km
小赤沢から苗場山頂へ
- 日帰り
- 6時間10分
- 9.2km
首都圏方面からだと越後湯沢から津南、秋山郷と経由する必要があり、アプローチには長く時間がかります。マイカー利用が多いですが、公共交通機関を利用する場合は、小赤沢から登山口まで1時間40分ほど登るか、津南からタクシーでアプローチすることになります。 このコースは、山頂湿原歩きが長く展望がよく、ブナの森や針葉樹林など、変化に富んだ趣のあるルートです。秋山郷からの多くの登山者がこのコースを選び、日帰り登山者が多いのも特徴のひとつ。 小赤沢がある秋山郷は、苗場山と鳥甲山に囲まれた、深い谷にある世界有数の豪雪地帯です。新潟県と長野県に分かれており、北側にあるのは新潟県の津南はおいしいお米の産地として知られています。秋山郷の南側は、長野県の栄村。秋山郷には多くの温泉があり、小赤沢には濁った褐色の温泉が湧いています。苗場山の山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、山小屋に宿泊すれば、夕焼けの湿原、早朝の朝露に濡れた高山植物などに出合えることでしょう。 小赤沢から長い林道を車で入ると、突然大きな駐車場(三合目)に出ます。駐車場の一番奥にある登山口の右側には水場があります。木の階段が整備された登山道を登り始め、ブナの巨木の森の中を抜けて歩きます。水場のある四合目を超えると、ブナは少なくなり、白い木肌が目立つダケカンバの林になっていきます。五合目あたりは落葉広葉樹林の下のドロドロの道になります。六合目あたりから勾配が急になり、周囲の木の高さはだんだん低くなり、チシマザサの笹薮がどんどん多くなっていきます。七合目からは急坂や鎖場が出てきます。最後の急坂を登ると、山頂湿原のはずれになる八合目の坪場に出ます。 八合目からは、苗場山の山頂湿原と、オオシラビソやコメツガなどの針葉樹の林がモザイク状に混在する美しい場所を歩くようになります。7月上旬までは残雪が多く、霧が出ると道迷いしやすいので、雪の上に設置されたルートを示すポールをよくみて歩きましょう。緩やかに木道を登っていくと平太郎尾根への分岐と別れ、右に回るように歩くと、今度は赤倉山への分岐になります。さらに夏にはチングルマやヒメシャクナゲが咲く湿原と池溏を見ながら木道を緩やかに登って行くと、苗場山頂ヒュッテに到着します。三角点がある苗場山山頂へは、山頂ヒュッテからすぐですが、展望はありません。さらに少し下った湿原に行くと展望が広がります。 帰路は往路を戻ります。首都圏方面からだと越後湯沢から津南、秋山郷と経由する必要があり、アプローチには長く時間がかります。マイカー利用が多いですが、公共交通機関を利用する場合は、小赤沢から登山口まで1時間40分ほど登るか、津南からタクシーでアプローチすることになります。 このコースは、山頂湿原歩きが長く展望がよく、ブナの森や針葉樹林など、変化に富んだ趣のあるルートです。秋山郷からの多くの登山者がこのコースを選び、日帰り登山者が多いのも特徴のひとつ。 小赤沢がある秋山郷は、苗場山と鳥甲山に囲まれた、深い谷にある世界有数の豪雪地帯です。新潟県と長野県に分かれており、北側にあるのは新潟県の津南はおいしいお米の産地として知られています。秋山郷の南側は、長野県の栄村。秋山郷には多くの温泉があり、小赤沢には濁った褐色の温泉が湧いています。苗場山の山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、山小屋に宿泊すれば、夕焼けの湿原、早朝の朝露に濡れた高山植物などに出合えることでしょう。 小赤沢から長い林道を車で入ると、突然大きな駐車場(三合目)に出ます。駐車場の一番奥にある登山口の右側には水場があります。木の階段が整備された登山道を登り始め、ブナの巨木の森の中を抜けて歩きます。水場のある四合目を超えると、ブナは少なくなり、白い木肌が目立つダケカンバの林になっていきます。五合目あたりは落葉広葉樹林の下のドロドロの道になります。六合目あたりから勾配が急になり、周囲の木の高さはだんだん低くなり、チシマザサの笹薮がどんどん多くなっていきます。七合目からは急坂や鎖場が出てきます。最後の急坂を登ると、山頂湿原のはずれになる八合目の坪場に出ます。 八合目からは、苗場山の山頂湿原と、オオシラビソやコメツガなどの針葉樹の林がモザイク状に混在する美しい場所を歩くようになります。7月上旬までは残雪が多く、霧が出ると道迷いしやすいので、雪の上に設置されたルートを示すポールをよくみて歩きましょう。緩やかに木道を登っていくと平太郎尾根への分岐と別れ、右に回るように歩くと、今度は赤倉山への分岐になります。さらに夏にはチングルマやヒメシャクナゲが咲く湿原と池溏を見ながら木道を緩やかに登って行くと、苗場山頂ヒュッテに到着します。三角点がある苗場山山頂へは、山頂ヒュッテからすぐですが、展望はありません。さらに少し下った湿原に行くと展望が広がります。 帰路は往路を戻ります。 -
佐武流山
- 日帰り
- 10時間5分
- 19.3km
佐武流山
- 日帰り
- 10時間5分
- 19.3km
苗場山に南方に位置し、秋山郷の最奥部から登る佐武流山は、深い森と清流に囲まれた、山深い場所に静かにそびえる秀峰で、草原と林が混じった上信越国境の山らしい雰囲気があります。しかし、日帰り登山としては道のりは非常に長く、足場も悪く、登高差も大きく、体力と経験がある登山者向けの山です。登山者は少なく、エスケープルートもなく、渡渉もあるので事前に天気にも注意が必要です。夏は日が長いですが、この山は暑いので飲用水を多めにお持ちください。遅くなることもあるのでヘッドライトと多めの行動食は必携です。 一日の行程が長いだけではなく、山奥にあるため、登山口までのアプローチも時間がかかります。マイカー利用が基本です。登頂するには、近くの切明温泉などに前泊する必要があります。公共交通機関利用の場合、路線バスを乗り継いでのデマンド運行の乗合タクシー(便数少ない)か、手前の和山温泉から、切明温泉まで送迎してもらいます。この場合下山後もう1泊宿泊する必要があります。なお、切明温泉から登山口まで歩くと30分ほどかかります。 佐武流山ドロノキ平登山口から、山道に入ってゆるやかに登ります。登山道ではない赤テープなどに惑わされないようにしましょう。やがて未舗装の林道に出ます。切明温泉からの林道と合流して、檜俣川の右岸の斜面を歩きます。正面にはるか高くワルサ峰が木々の間から見え、左には月夜立岩の岩壁が見えます。林道終点少し手前で、右に一気に下ります。足場が悪い細いトラバースの下りです。檜俣川の徒渉は、くるぶしよりも深く、増水時は要注意です。左岸に渡ると物思平まで、長く厳しい急坂が続きます。物思平からも厳しい登りが続き、木の根をよじ登るような足場が悪い場所が続きます。右側には猿面峰が見えます。突然現れる急坂を水無尾根の北側へ下り、またしばらく登ると、ワルサ峰に到着します。 ここまですでに標高を相当かせいでいますが、まだここからの道のりはまだ長くきついものがあります。小さくアップダウンを繰り返しながら、もうひとつピークを越え、少し登ると西赤沢源頭のナラズ山との分岐になり、分岐からさらに登ると坊主平です。この後林の中を単調に登りますが、ところどころ左側の断崖に近づき、遠くに佐武流山の山頂が見え、振り返ると苗場山が大きく見えます。少し下って、最後に緩やかに登ると、佐武流山に到着します。山頂からは、ほとんど人工物が見えず、いかにも深山の雰囲気があります。 下山は往路を戻ります。行程が長く、アップダウンもあり、足場が悪いので、余裕をもって下山しましょう。苗場山に南方に位置し、秋山郷の最奥部から登る佐武流山は、深い森と清流に囲まれた、山深い場所に静かにそびえる秀峰で、草原と林が混じった上信越国境の山らしい雰囲気があります。しかし、日帰り登山としては道のりは非常に長く、足場も悪く、登高差も大きく、体力と経験がある登山者向けの山です。登山者は少なく、エスケープルートもなく、渡渉もあるので事前に天気にも注意が必要です。夏は日が長いですが、この山は暑いので飲用水を多めにお持ちください。遅くなることもあるのでヘッドライトと多めの行動食は必携です。 一日の行程が長いだけではなく、山奥にあるため、登山口までのアプローチも時間がかかります。マイカー利用が基本です。登頂するには、近くの切明温泉などに前泊する必要があります。公共交通機関利用の場合、路線バスを乗り継いでのデマンド運行の乗合タクシー(便数少ない)か、手前の和山温泉から、切明温泉まで送迎してもらいます。この場合下山後もう1泊宿泊する必要があります。なお、切明温泉から登山口まで歩くと30分ほどかかります。 佐武流山ドロノキ平登山口から、山道に入ってゆるやかに登ります。登山道ではない赤テープなどに惑わされないようにしましょう。やがて未舗装の林道に出ます。切明温泉からの林道と合流して、檜俣川の右岸の斜面を歩きます。正面にはるか高くワルサ峰が木々の間から見え、左には月夜立岩の岩壁が見えます。林道終点少し手前で、右に一気に下ります。足場が悪い細いトラバースの下りです。檜俣川の徒渉は、くるぶしよりも深く、増水時は要注意です。左岸に渡ると物思平まで、長く厳しい急坂が続きます。物思平からも厳しい登りが続き、木の根をよじ登るような足場が悪い場所が続きます。右側には猿面峰が見えます。突然現れる急坂を水無尾根の北側へ下り、またしばらく登ると、ワルサ峰に到着します。 ここまですでに標高を相当かせいでいますが、まだここからの道のりはまだ長くきついものがあります。小さくアップダウンを繰り返しながら、もうひとつピークを越え、少し登ると西赤沢源頭のナラズ山との分岐になり、分岐からさらに登ると坊主平です。この後林の中を単調に登りますが、ところどころ左側の断崖に近づき、遠くに佐武流山の山頂が見え、振り返ると苗場山が大きく見えます。少し下って、最後に緩やかに登ると、佐武流山に到着します。山頂からは、ほとんど人工物が見えず、いかにも深山の雰囲気があります。 下山は往路を戻ります。行程が長く、アップダウンもあり、足場が悪いので、余裕をもって下山しましょう。 -
田の原から王滝頂上を経て剣ヶ峰へ
- 日帰り
- 5時間0分
- 6.6km
田の原から王滝頂上を経て剣ヶ峰へ
- 日帰り
- 5時間0分
- 6.6km
王滝口は黒沢口に遅れること7年、江戸の修験者普寛によって開かれた道です。普寛は関東を中心に御嶽信仰の普及を図ったため、王滝口の信者は関東が多いと言われています。 王滝頂上奥社は王滝頂上にあり王滝口の信者はここを目指します。ただし一般登山者はさらに奥の剣ヶ峰を目指すため、剣ヶ峰まであと25分ほどを登るのが一般的です。 田の原登山口には御嶽山ビジターセンター「やまテラス王滝」があります。登山届はここに提出します。登山口の石の大鳥居から正面の御嶽山に向かって真っすぐに登山道が延びています。大黒天を過ぎ途中の遥拝所までは平坦な道。そこからは少し傾斜がつき、太い角材の階段状になった広い道を登っていきます。登山口から約1㎞の場所に鳥居があり、大江権現の社が建っています。ここから本格的な登山道が始まり、オオシラビソの茂る道を登ると、少し開けたところに出ます。赤茶けた土がむき出しになったあかっぱげと呼ばれる場所で、道が広くなっており良い休憩ポイントです。ここからダケカンバなどの灌木帯を登っていくと森林限界に出ますが、ここにはいくつかの像が建ち、金剛童子と呼ばれるところです。このあたりから道には岩が多くなり岩の上を歩くようになると、展望が良くなり、行く手の登山道や振り返れば田の原の様子を望むことができます。10分あまりで八合目石室避難小屋に到着。この道は各合目に小屋がないのでこの避難小屋は有難い存在です。 見晴らしの良い道は富士見石を過ぎて、一口水に至ります。岩の間から滴り落ちる水は水量豊富でないものの、口を潤す程度はできるので貴重なものです。ここから急斜面になり、やがて九合目石室避難施設に着きます。ここからすぐ上の中央不動の社を過ぎれば、植物はほとんど無くなり岩だけの世界となります。 まもなく王滝頂上に到着。そこには立派な避難施設が2棟くっついて建っており、パトロール員が常駐しています。屋根はアラミドで出来ていて噴石に対応した避難場所となっていますが宿泊はできません。南側にはトイレも併設。ここから東側の地獄谷の様子が見え、煙を上げる噴火口も確認できます。石段を登ると王滝口頂上奥社です。社務所もあります。剣ヶ峰へは神社の石垣を出て八丁ダルミから御神火祭斎場へ、 ここにはシェルターがあります。ここから黒沢十字路に行く横断道(二ノ池トラバース道)があり、剣ヶ峰へは真っ直ぐ進み、中間のシェルターを過ぎ、約40分強です。360度の大展望を楽しみましょう。 復路はもと来た道を田の原登山口まで引き返します。王滝口は黒沢口に遅れること7年、江戸の修験者普寛によって開かれた道です。普寛は関東を中心に御嶽信仰の普及を図ったため、王滝口の信者は関東が多いと言われています。 王滝頂上奥社は王滝頂上にあり王滝口の信者はここを目指します。ただし一般登山者はさらに奥の剣ヶ峰を目指すため、剣ヶ峰まであと25分ほどを登るのが一般的です。 田の原登山口には御嶽山ビジターセンター「やまテラス王滝」があります。登山届はここに提出します。登山口の石の大鳥居から正面の御嶽山に向かって真っすぐに登山道が延びています。大黒天を過ぎ途中の遥拝所までは平坦な道。そこからは少し傾斜がつき、太い角材の階段状になった広い道を登っていきます。登山口から約1㎞の場所に鳥居があり、大江権現の社が建っています。ここから本格的な登山道が始まり、オオシラビソの茂る道を登ると、少し開けたところに出ます。赤茶けた土がむき出しになったあかっぱげと呼ばれる場所で、道が広くなっており良い休憩ポイントです。ここからダケカンバなどの灌木帯を登っていくと森林限界に出ますが、ここにはいくつかの像が建ち、金剛童子と呼ばれるところです。このあたりから道には岩が多くなり岩の上を歩くようになると、展望が良くなり、行く手の登山道や振り返れば田の原の様子を望むことができます。10分あまりで八合目石室避難小屋に到着。この道は各合目に小屋がないのでこの避難小屋は有難い存在です。 見晴らしの良い道は富士見石を過ぎて、一口水に至ります。岩の間から滴り落ちる水は水量豊富でないものの、口を潤す程度はできるので貴重なものです。ここから急斜面になり、やがて九合目石室避難施設に着きます。ここからすぐ上の中央不動の社を過ぎれば、植物はほとんど無くなり岩だけの世界となります。 まもなく王滝頂上に到着。そこには立派な避難施設が2棟くっついて建っており、パトロール員が常駐しています。屋根はアラミドで出来ていて噴石に対応した避難場所となっていますが宿泊はできません。南側にはトイレも併設。ここから東側の地獄谷の様子が見え、煙を上げる噴火口も確認できます。石段を登ると王滝口頂上奥社です。社務所もあります。剣ヶ峰へは神社の石垣を出て八丁ダルミから御神火祭斎場へ、 ここにはシェルターがあります。ここから黒沢十字路に行く横断道(二ノ池トラバース道)があり、剣ヶ峰へは真っ直ぐ進み、中間のシェルターを過ぎ、約40分強です。360度の大展望を楽しみましょう。 復路はもと来た道を田の原登山口まで引き返します。 -
おんたけロープウェイを利用して剣ヶ峰へ
- 日帰り
- 5時間30分
- 11.9km
おんたけロープウェイを利用して剣ヶ峰へ
- 日帰り
- 5時間30分
- 11.9km
おんたけロープウェイは、黒沢口から登山をする場合中の湯から登るよりも歩行時間を1時間近く短縮することが出来、麓の鹿ノ瀬駅から一気に標高約2150mまで運んでくれる有難い存在です。終点の飯森高原駅には雲上カフェもあり、ここから眺める中央アルプスや南アルプス、八ヶ岳など雲海に浮かぶ姿は息をのむ美しさです。また、室外にはウッドデッキもあり楽しめます。ここでは西方の継子岳の四ノ池から流れ落ちる4段80mもの大滝、幻の大滝を見ることができます。さらに、駅の上段には御嶽社があり、高山植物園もある見どころの多いスポットです。 登山はこの飯森高原駅から始まります。駅の広場から左に入って行きます。道は広く整備されウッドチップが敷き詰められていて歩きやすいです。やがて六合目からの登山道に合流し右に折れてすぐに七合目行場山荘があります。ここは覚明行者が修行したところで覚明社もあります。 谷を渡って左に百間滝からの道が合流します。樹林の中を登っていくと、次第にダケカンバが多くなり明るくなってきます。約1時間余りで八合目女人堂(金剛堂)に到着、ここは森林限界となっており、北アルプスの山々も眺められ、休憩ベンチもあり登山者が多く溜まるところです。ここは別名金剛堂と呼ばれ、右に三ノ池道があります。 左の尾根に向かって進み、尾根上に出ると金剛童子と呼ばれる霊神碑が集まった場所に着きます。尾根を真っ直ぐ登っていくと、ハイマツ帯は下界や上部の視界を遮っています。途中の明治不動まで来ると上部の視界が開け、さらに登ると 黒岩に到着。この先の急登を考えて一休みしましょう。 急な岩の道を登ると九合目石室山荘に着きます。山荘の中を抜けて登っていくと覚明堂です。ここからすぐ上が分岐になり、右は二ノ池へと続く道です。ここは左へ進み広く開けると黒沢十字路です。ここから一ノ池の外輪尾根を登ると約30分弱で頂上山荘跡に到着。ここにはコンクリート製のシェルターが3つ並び、その脇には噴火で犠牲になった人の慰霊碑があります。81段の石の階段を登り、新しくなった太い木の鳥居をくぐると、御嶽頂上奥社のある剣ヶ峰に着きます。最高の眺めを満喫しましょう。 下山は同じ道を飯森高原駅まで戻ります。おんたけロープウェイは、黒沢口から登山をする場合中の湯から登るよりも歩行時間を1時間近く短縮することが出来、麓の鹿ノ瀬駅から一気に標高約2150mまで運んでくれる有難い存在です。終点の飯森高原駅には雲上カフェもあり、ここから眺める中央アルプスや南アルプス、八ヶ岳など雲海に浮かぶ姿は息をのむ美しさです。また、室外にはウッドデッキもあり楽しめます。ここでは西方の継子岳の四ノ池から流れ落ちる4段80mもの大滝、幻の大滝を見ることができます。さらに、駅の上段には御嶽社があり、高山植物園もある見どころの多いスポットです。 登山はこの飯森高原駅から始まります。駅の広場から左に入って行きます。道は広く整備されウッドチップが敷き詰められていて歩きやすいです。やがて六合目からの登山道に合流し右に折れてすぐに七合目行場山荘があります。ここは覚明行者が修行したところで覚明社もあります。 谷を渡って左に百間滝からの道が合流します。樹林の中を登っていくと、次第にダケカンバが多くなり明るくなってきます。約1時間余りで八合目女人堂(金剛堂)に到着、ここは森林限界となっており、北アルプスの山々も眺められ、休憩ベンチもあり登山者が多く溜まるところです。ここは別名金剛堂と呼ばれ、右に三ノ池道があります。 左の尾根に向かって進み、尾根上に出ると金剛童子と呼ばれる霊神碑が集まった場所に着きます。尾根を真っ直ぐ登っていくと、ハイマツ帯は下界や上部の視界を遮っています。途中の明治不動まで来ると上部の視界が開け、さらに登ると 黒岩に到着。この先の急登を考えて一休みしましょう。 急な岩の道を登ると九合目石室山荘に着きます。山荘の中を抜けて登っていくと覚明堂です。ここからすぐ上が分岐になり、右は二ノ池へと続く道です。ここは左へ進み広く開けると黒沢十字路です。ここから一ノ池の外輪尾根を登ると約30分弱で頂上山荘跡に到着。ここにはコンクリート製のシェルターが3つ並び、その脇には噴火で犠牲になった人の慰霊碑があります。81段の石の階段を登り、新しくなった太い木の鳥居をくぐると、御嶽頂上奥社のある剣ヶ峰に着きます。最高の眺めを満喫しましょう。 下山は同じ道を飯森高原駅まで戻ります。