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検索結果603件中  401-420件
  • 鷲頭山から大平山へ

    鷲頭山から大平山へ

    志下公会堂前バス停を出発し、志下峠を目指します。志下峠からは、以前は直登していましたが植生保護と土壌流失防止のため左へ巻きながら登ります。中将石と言われる大岩の下に一体の石仏が祀られています。中将とは源平の戦いで敗れた三位中将重衡(平清盛の五男)のことで、捕らえられ伊豆のこの地に流されたといわれています。山麓には、重衡ゆかりの地名も残されています。歴史のロマンに触れられるのも里山の楽しみの一つです。 鷲頭山の登りは沼津アルプス最大の難所。ロープをたどり慎重に登ります。急登が緩やかになると小鷲頭山です。富士山と眼下の沼津の街と駿河湾の眺めは格別です。もうひと登りで沼津アルプスの最高峰鷲頭山山頂です。鷲頭神社の奥宮と桜の木が迎えてくれます。 展望を楽しんだら石灯篭の間を通ってアオキの茂る道を下ります。これから登る大平山のピラミダルな姿が望めます。滑りやすいので注意して下ると多比峠に到着。変則な峠を右上に登ります。この付近からウバメガシの林を行きます。途中の岩場から振り返ると鷲頭山が高くそびえて見えます。 多比口峠は十字路で、ここから右へ下山すると沼津駅行のバス停に出ることができます。さらに登ると大平山山頂です。ここから奥沼津アルプスに入ります。大平山までは要所に道標が整備されていますが、ここからはほぼ稜線づたいにテープなどの目印に注意しながら進みましょう。 かつての海底火山が隆起し侵食されたやせた岩稜が続きます。途中稜線コースと巻道コースに分かれますが先で合流します。はしごやロープがあるので慎重に行動しましょう。所々で左右の展望が開けます。左は田方平野が広がり富士山が望め、右は伊豆三山など伊豆の山々が連なって見えます。 新城分岐は三差路で大嵐山へは案内板を確認しながら右に進みます。小さなアップダウンを繰り返すと樹の間から大嵐山が目の前に高く望めます。ジグザクの急登を登ると柵が見え、狭い柵の間を抜けると望遠鏡やベンチのある大嵐山山頂に着きます。地元では麓の地名をとって日守山とも呼んでいます。正面に愛鷹山越しの富士山が大きく山裾を広げ、眼下には狩野川が蛇行して見え、右に箱根の山から伊豆スカイライン沿いの山々が望めます。 ここから下山し大平バス停から沼津駅行のバスを利用します。
    志下公会堂前バス停を出発し、志下峠を目指します。志下峠からは、以前は直登していましたが植生保護と土壌流失防止のため左へ巻きながら登ります。中将石と言われる大岩の下に一体の石仏が祀られています。中将とは源平の戦いで敗れた三位中将重衡(平清盛の五男)のことで、捕らえられ伊豆のこの地に流されたといわれています。山麓には、重衡ゆかりの地名も残されています。歴史のロマンに触れられるのも里山の楽しみの一つです。 鷲頭山の登りは沼津アルプス最大の難所。ロープをたどり慎重に登ります。急登が緩やかになると小鷲頭山です。富士山と眼下の沼津の街と駿河湾の眺めは格別です。もうひと登りで沼津アルプスの最高峰鷲頭山山頂です。鷲頭神社の奥宮と桜の木が迎えてくれます。 展望を楽しんだら石灯篭の間を通ってアオキの茂る道を下ります。これから登る大平山のピラミダルな姿が望めます。滑りやすいので注意して下ると多比峠に到着。変則な峠を右上に登ります。この付近からウバメガシの林を行きます。途中の岩場から振り返ると鷲頭山が高くそびえて見えます。 多比口峠は十字路で、ここから右へ下山すると沼津駅行のバス停に出ることができます。さらに登ると大平山山頂です。ここから奥沼津アルプスに入ります。大平山までは要所に道標が整備されていますが、ここからはほぼ稜線づたいにテープなどの目印に注意しながら進みましょう。 かつての海底火山が隆起し侵食されたやせた岩稜が続きます。途中稜線コースと巻道コースに分かれますが先で合流します。はしごやロープがあるので慎重に行動しましょう。所々で左右の展望が開けます。左は田方平野が広がり富士山が望め、右は伊豆三山など伊豆の山々が連なって見えます。 新城分岐は三差路で大嵐山へは案内板を確認しながら右に進みます。小さなアップダウンを繰り返すと樹の間から大嵐山が目の前に高く望めます。ジグザクの急登を登ると柵が見え、狭い柵の間を抜けると望遠鏡やベンチのある大嵐山山頂に着きます。地元では麓の地名をとって日守山とも呼んでいます。正面に愛鷹山越しの富士山が大きく山裾を広げ、眼下には狩野川が蛇行して見え、右に箱根の山から伊豆スカイライン沿いの山々が望めます。 ここから下山し大平バス停から沼津駅行のバスを利用します。
  • 伊豆三山を縦走し駿河湾の三津長浜へ

    伊豆三山を縦走し駿河湾の三津長浜へ

    三島駅から伊豆箱根鉄道に乗り大仁駅で下車。改札口を出たところに城山の登山口への案内地図があるので確認し、注意しながら登山口を目指します。城山の南壁を見ながら行くと案内板のある登山口に着きます。ここから山道で途中南壁に入る道がありますが、落石などがあるためクライマー以外は立入らないこと。石仏とベンチのある城山峠に出たら城山を往復します。やせ尾根なので足元に注意をしながらウバメガシの林を過ぎると城山山頂に出ます。眼下に狩野川の流れ、富士山、箱根から天城山方面の展望が開けます。 峠まで戻り緩やかな道を行き、七つ岩と言われる巨石を過ぎると林道に出ます。少し左に葛城山への登り口があり杉や檜の緩やかな道が続きます。葛城山分岐から葛城山へは、途中舗装された林道を緩やかに下ると右に葛城山登山口の標識があります。ジグザクの急登を登ると山頂の一角に到着。伊豆長岡温泉からのロープウェイ山頂駅があり観光客で賑わっています。三角点のある葛城山山頂には展望台があり、富士山を始め天城山、駿河湾など360度の展望が楽しめます。源頼朝像、葛城神社、足湯もあり、初夏は花の公園になります。来た道を下ってもよいですが、下りはコースを変えて板状節理が見事な竜神岩のある巻き道から林道に出て葛城山分岐に戻ります。 分岐を右に登り発端丈山に向かい、杉や檜の林を過ぎると益山寺分岐。左に10分程で益山寺に着きます。修禅寺より古い寺とされ、境内には観音堂、三十三観音、県指定天然記念物の大カエデ、伊豆市指定の大イチョウがあり秋には紅葉・黄葉が見事です。 分岐に戻り発端丈山に向かいます。松林のきつい登りですが、桜の木も多くその季節には楽しめます。分岐から25分程で発端丈山の山頂に到着。正面には、富士山、東には先に登った葛城山が望め、西には駿河湾が光っています。展望を楽しんだら長浜へ下ります。山頂から少し下ると分岐。長浜へは左の急坂を下ります。下り始めるとさらに展望が開け、内浦湾に浮かぶ淡島の上、沼津の街越しに富士山が裾野を大きく広げ、このコース一番の絶景です。松の灌木が繁ったジグザグの道を下るとコンクリート製の展望台があるが、こちらは樹間に駿河湾と富士山がわずかに望める程度です。さらに下るとミカン畑に出て、住本寺を過ぎると長浜の集落、駿河湾沿いの県道に出ると左に長浜バス停があり、沼津駅行のバスが出ています。
    三島駅から伊豆箱根鉄道に乗り大仁駅で下車。改札口を出たところに城山の登山口への案内地図があるので確認し、注意しながら登山口を目指します。城山の南壁を見ながら行くと案内板のある登山口に着きます。ここから山道で途中南壁に入る道がありますが、落石などがあるためクライマー以外は立入らないこと。石仏とベンチのある城山峠に出たら城山を往復します。やせ尾根なので足元に注意をしながらウバメガシの林を過ぎると城山山頂に出ます。眼下に狩野川の流れ、富士山、箱根から天城山方面の展望が開けます。 峠まで戻り緩やかな道を行き、七つ岩と言われる巨石を過ぎると林道に出ます。少し左に葛城山への登り口があり杉や檜の緩やかな道が続きます。葛城山分岐から葛城山へは、途中舗装された林道を緩やかに下ると右に葛城山登山口の標識があります。ジグザクの急登を登ると山頂の一角に到着。伊豆長岡温泉からのロープウェイ山頂駅があり観光客で賑わっています。三角点のある葛城山山頂には展望台があり、富士山を始め天城山、駿河湾など360度の展望が楽しめます。源頼朝像、葛城神社、足湯もあり、初夏は花の公園になります。来た道を下ってもよいですが、下りはコースを変えて板状節理が見事な竜神岩のある巻き道から林道に出て葛城山分岐に戻ります。 分岐を右に登り発端丈山に向かい、杉や檜の林を過ぎると益山寺分岐。左に10分程で益山寺に着きます。修禅寺より古い寺とされ、境内には観音堂、三十三観音、県指定天然記念物の大カエデ、伊豆市指定の大イチョウがあり秋には紅葉・黄葉が見事です。 分岐に戻り発端丈山に向かいます。松林のきつい登りですが、桜の木も多くその季節には楽しめます。分岐から25分程で発端丈山の山頂に到着。正面には、富士山、東には先に登った葛城山が望め、西には駿河湾が光っています。展望を楽しんだら長浜へ下ります。山頂から少し下ると分岐。長浜へは左の急坂を下ります。下り始めるとさらに展望が開け、内浦湾に浮かぶ淡島の上、沼津の街越しに富士山が裾野を大きく広げ、このコース一番の絶景です。松の灌木が繁ったジグザグの道を下るとコンクリート製の展望台があるが、こちらは樹間に駿河湾と富士山がわずかに望める程度です。さらに下るとミカン畑に出て、住本寺を過ぎると長浜の集落、駿河湾沿いの県道に出ると左に長浜バス停があり、沼津駅行のバスが出ています。
  • 池代から長九郎山へ

    池代から長九郎山へ

    長九郎登山口バス停より左手の持草川に沿って池代林道を進みます。ルート上には番号入りの案内標柱があるので、確認しながら進みましょう。持草川にかかる御座木橋の右手前に3番標柱があります。ここから登山道が始まり、まず岩を削った階段を登り、炭焼窯跡や山神社の祠を過ぎたら石がゴロゴロしている急なジグザグ道を注意して進みます。登りきると先ほどの池代林道に出ます。この先、右に緩やかな林道歩き。滝や深く切れ込んだ渓谷を眺めながら安田橋を渡り、池代新橋の手前のゲートをくぐると左側に9番標柱が設置されています。 沢に沿って進み、わさび沢を左右に見ながら堰堤を越え、上流に向うと大きな岩(13番標柱)が行く手を遮ります。左に回り、対岸の14番標柱へは河床の大きな石を選んで渡って行きます。増水時には引き返すことも覚悟しておきましょう。 鎖の柵に沿って登り、80年程前の硫黄採掘土置場を過ぎ、人工林内を進むと急なルートは再び林道に出ます。林道を横断して直登するとカンス林道に出ます。右に進んで20番標柱を左、ここから長九郎シャクナゲ希少個体群保護林に入ります。沢の氾濫で転石が多いので足元に十分注意して進みましょう。人工林からブナやヒメシャラの林に変わり、明るい自然林の鞍部に出るとそこが三方平分岐(24番標柱)です。山頂へは左へ緩やかな登りで、山の神や石仏が安置されたルートを進み「長九郎山ふれあいの森」の看板を右へ、シャクナゲ林をくぐりながら直登すると長九郎山山頂に到着。 帰りは展望台の下から西の林間を下ります。頂上から30分程で長九郎林道と交差、八瀬峠(31番標柱)です。林道を横断して富貴野山・宝蔵院方向へは右斜めに登ります。 ガレた山肌を横切り、勾配の急な下り、その先は人工林内を出合(35番標柱)に向います。「富貴野山・宝蔵院450m」の道標からは平坦な人工林です。宝蔵院に近づくと霊場・古刹にふさわしい杉並木を下ります。境内には弘法大師の開基とされる古刹、開山堂や180体の石仏群が往時を物語っています。参道を出て左に進むと富貴野山駐車場です。交通手段が無いのでタクシーを予約しておくか、船田バス停まで門野地区を抜けて約2時間の車道歩きとなります。バスの運行については東海バス松崎営業所にお問い合わせください。
    長九郎登山口バス停より左手の持草川に沿って池代林道を進みます。ルート上には番号入りの案内標柱があるので、確認しながら進みましょう。持草川にかかる御座木橋の右手前に3番標柱があります。ここから登山道が始まり、まず岩を削った階段を登り、炭焼窯跡や山神社の祠を過ぎたら石がゴロゴロしている急なジグザグ道を注意して進みます。登りきると先ほどの池代林道に出ます。この先、右に緩やかな林道歩き。滝や深く切れ込んだ渓谷を眺めながら安田橋を渡り、池代新橋の手前のゲートをくぐると左側に9番標柱が設置されています。 沢に沿って進み、わさび沢を左右に見ながら堰堤を越え、上流に向うと大きな岩(13番標柱)が行く手を遮ります。左に回り、対岸の14番標柱へは河床の大きな石を選んで渡って行きます。増水時には引き返すことも覚悟しておきましょう。 鎖の柵に沿って登り、80年程前の硫黄採掘土置場を過ぎ、人工林内を進むと急なルートは再び林道に出ます。林道を横断して直登するとカンス林道に出ます。右に進んで20番標柱を左、ここから長九郎シャクナゲ希少個体群保護林に入ります。沢の氾濫で転石が多いので足元に十分注意して進みましょう。人工林からブナやヒメシャラの林に変わり、明るい自然林の鞍部に出るとそこが三方平分岐(24番標柱)です。山頂へは左へ緩やかな登りで、山の神や石仏が安置されたルートを進み「長九郎山ふれあいの森」の看板を右へ、シャクナゲ林をくぐりながら直登すると長九郎山山頂に到着。 帰りは展望台の下から西の林間を下ります。頂上から30分程で長九郎林道と交差、八瀬峠(31番標柱)です。林道を横断して富貴野山・宝蔵院方向へは右斜めに登ります。 ガレた山肌を横切り、勾配の急な下り、その先は人工林内を出合(35番標柱)に向います。「富貴野山・宝蔵院450m」の道標からは平坦な人工林です。宝蔵院に近づくと霊場・古刹にふさわしい杉並木を下ります。境内には弘法大師の開基とされる古刹、開山堂や180体の石仏群が往時を物語っています。参道を出て左に進むと富貴野山駐車場です。交通手段が無いのでタクシーを予約しておくか、船田バス停まで門野地区を抜けて約2時間の車道歩きとなります。バスの運行については東海バス松崎営業所にお問い合わせください。
  • 天城縦走登山口から天城峠へ(天城縦走路)

    天城縦走登山口から天城峠へ(天城縦走路)

    天城縦走路には宿泊のできる山小屋は無く、国立公園内のためテント泊も禁止です。縦走には概ね8時間かかるため、時間的に余裕のある計画を立てましょう。 天城縦走登山口バス停までは、伊東駅から天城高原ゴルフ場行のバスかタクシーを利用します。登山口〜万三郎岳下分岐点までのコースガイドは、天城シャクナゲコース(コースガイド)を参照して下さい。 万三郎岳下分岐の三差路を左の戸塚峠・八丁池方面への道をとり、ブナ林を15分ほど下ると鞍部の片瀬峠に出ます。登り返したピークが小岳です。平坦な山頂はブナの純林、また、山頂から西に広がる緩傾斜地にはブナやヒメシャラなどの美しい森が見られます。 ほどなく道は岩や石の転がる下り坂となり、岩場に付けられた補助ロープからは急な下りがしばらく続きます。歩経路沿いに付けられた黄色の標識テープとロープをたどって下りましょう。急坂が終わるとまもなく戸塚峠に到着。ここから八丁池までは、起伏も少なく歩きやすい道が4kmほど続きます。 ブナやヒメシャラにカエデなどが混じる原生的な森の中に、杉・檜の人工林が所々に現れます。戸塚峠から1.4km程進むと、縦走路のほぼ中間点にあたる白田峠です。その後も相変わらず樹林帯を進み、歩道が凹状に変わるとまもなく八丁池です。 湖畔を西に向かい下り御幸歩道入口を過ぎ、ひと登りでトイレのある見晴台入口に着きます。見晴台からはブナ林に囲まれた八丁池、天気に恵まれれば富士山や南アルプスの遠望が楽しめます。見晴台入口から40mほど下ると「上り御幸歩道入口」の道標があります。林道を道なりに下れば八丁池口へと続きますが、縦走路は右手の上り御幸歩道を下ります。アセビのトンネルからヒメシャラの混じるブナ林を下り、コマドリ歩道入口を過ぎると、程なく大見分岐点です。 大見分岐点を過ぎると山腹を巻くような平坦な道になり、藤ヶ沢からひと登りして下ると再び平坦な道に変わります。向峠の先で一度稜線に登り、天城最大級のヒメシャラの大木を右手に見ると下りになり、平坦な道に変わればほどなく天城峠に到着します。道はここから伊豆山稜線歩道となり西へ延びています。 峠からは右へ旧天城トンネルへ下り、トイレ脇の急坂を下れば新天城トンネル前の天城峠バス停に出ます。
    天城縦走路には宿泊のできる山小屋は無く、国立公園内のためテント泊も禁止です。縦走には概ね8時間かかるため、時間的に余裕のある計画を立てましょう。 天城縦走登山口バス停までは、伊東駅から天城高原ゴルフ場行のバスかタクシーを利用します。登山口〜万三郎岳下分岐点までのコースガイドは、天城シャクナゲコース(コースガイド)を参照して下さい。 万三郎岳下分岐の三差路を左の戸塚峠・八丁池方面への道をとり、ブナ林を15分ほど下ると鞍部の片瀬峠に出ます。登り返したピークが小岳です。平坦な山頂はブナの純林、また、山頂から西に広がる緩傾斜地にはブナやヒメシャラなどの美しい森が見られます。 ほどなく道は岩や石の転がる下り坂となり、岩場に付けられた補助ロープからは急な下りがしばらく続きます。歩経路沿いに付けられた黄色の標識テープとロープをたどって下りましょう。急坂が終わるとまもなく戸塚峠に到着。ここから八丁池までは、起伏も少なく歩きやすい道が4kmほど続きます。 ブナやヒメシャラにカエデなどが混じる原生的な森の中に、杉・檜の人工林が所々に現れます。戸塚峠から1.4km程進むと、縦走路のほぼ中間点にあたる白田峠です。その後も相変わらず樹林帯を進み、歩道が凹状に変わるとまもなく八丁池です。 湖畔を西に向かい下り御幸歩道入口を過ぎ、ひと登りでトイレのある見晴台入口に着きます。見晴台からはブナ林に囲まれた八丁池、天気に恵まれれば富士山や南アルプスの遠望が楽しめます。見晴台入口から40mほど下ると「上り御幸歩道入口」の道標があります。林道を道なりに下れば八丁池口へと続きますが、縦走路は右手の上り御幸歩道を下ります。アセビのトンネルからヒメシャラの混じるブナ林を下り、コマドリ歩道入口を過ぎると、程なく大見分岐点です。 大見分岐点を過ぎると山腹を巻くような平坦な道になり、藤ヶ沢からひと登りして下ると再び平坦な道に変わります。向峠の先で一度稜線に登り、天城最大級のヒメシャラの大木を右手に見ると下りになり、平坦な道に変わればほどなく天城峠に到着します。道はここから伊豆山稜線歩道となり西へ延びています。 峠からは右へ旧天城トンネルへ下り、トイレ脇の急坂を下れば新天城トンネル前の天城峠バス停に出ます。
  • 天城峠から仁科峠へ

    天城峠から仁科峠へ

    伊豆山稜線歩道は天城峠から修善寺公園もみじ林まで続く全長約43kmの道です。天城分水嶺トレイル(天城縦走登山口~だるま山高原レストハウス)の中では、この天城峠から仁科峠の間が、最も秘境の趣が残る場所です。 天城峠バス停から新天城トンネル左脇を入り、急坂を登ると旧天城トンネルに出ます。旧トンネル脇から登山道に入り、ジグザグの道を登りきるとブナの巨木がある天城峠です。伊豆山稜線歩道は峠の丁字路を右へ道をとります。稜線の北面を巻くほぼ平坦な道ですが、道幅が狭く危険な箇所があるので注意して歩きましょう。ブナやヒメシャラなどの自然林、檜などの人工林が混じる樹林帯を進むと1時間15分ほどで休憩舎のある二本杉峠(旧天城峠)に着きます。幕末、開国をめぐり吉田松陰やハリスなどが越えた峠です。 道はここから稜線の南面に変わり、滑沢峠を越えると再び稜線の北面に変わります。100mほど行くと崩落跡に歩道が付けられています。道幅が狭いので慎重に通り抜けましょう。ほどなく三蓋山への急登の階段が始まり、登りきるとこのコースを代表するブナ林が現れます。緩やかな登り坂を進むと山名標のある三蓋山に到着します。 三蓋山から尾根道を下り、平坦な道をしばらく進めばつげ峠です。道はここから稜線の南面に変わり、時折、左手の樹間から西伊豆方面の山が望めます。また、道すがらブナの巨木に何本も出会えます。相変わらず平坦な道が続き、50分ほどで猫越峠に着きます。峠を右に折れ、アセビ林などの中を緩やかに登って行くと猫越岳山頂に到着します。山頂から少し下った所を左手に30mほど入ると猫越岳山頂の池があります。モリアオガエルの産卵地で、初夏には枝先に産み付けられた卵塊が観察できます。 コースに戻り、急な階段を下ってひと山越え、登り返したピークが後藤山です。後藤山を越えると視界が開け、天城放牧場や稜線のササ原に続く分水嶺トレイルが見えます。道が平坦に変わるとまもなく放牧場の管理道路に出ます。道路を横断し、ササ原の中を登った所がナベ石と言われる巨石がある展望所です。分水嶺トレイルの中でも屈指の眺望を誇る場所です。眼下に仁科峠が見え、そこからササ原の道を5分ほど下れば仁科峠に到着します。
    伊豆山稜線歩道は天城峠から修善寺公園もみじ林まで続く全長約43kmの道です。天城分水嶺トレイル(天城縦走登山口~だるま山高原レストハウス)の中では、この天城峠から仁科峠の間が、最も秘境の趣が残る場所です。 天城峠バス停から新天城トンネル左脇を入り、急坂を登ると旧天城トンネルに出ます。旧トンネル脇から登山道に入り、ジグザグの道を登りきるとブナの巨木がある天城峠です。伊豆山稜線歩道は峠の丁字路を右へ道をとります。稜線の北面を巻くほぼ平坦な道ですが、道幅が狭く危険な箇所があるので注意して歩きましょう。ブナやヒメシャラなどの自然林、檜などの人工林が混じる樹林帯を進むと1時間15分ほどで休憩舎のある二本杉峠(旧天城峠)に着きます。幕末、開国をめぐり吉田松陰やハリスなどが越えた峠です。 道はここから稜線の南面に変わり、滑沢峠を越えると再び稜線の北面に変わります。100mほど行くと崩落跡に歩道が付けられています。道幅が狭いので慎重に通り抜けましょう。ほどなく三蓋山への急登の階段が始まり、登りきるとこのコースを代表するブナ林が現れます。緩やかな登り坂を進むと山名標のある三蓋山に到着します。 三蓋山から尾根道を下り、平坦な道をしばらく進めばつげ峠です。道はここから稜線の南面に変わり、時折、左手の樹間から西伊豆方面の山が望めます。また、道すがらブナの巨木に何本も出会えます。相変わらず平坦な道が続き、50分ほどで猫越峠に着きます。峠を右に折れ、アセビ林などの中を緩やかに登って行くと猫越岳山頂に到着します。山頂から少し下った所を左手に30mほど入ると猫越岳山頂の池があります。モリアオガエルの産卵地で、初夏には枝先に産み付けられた卵塊が観察できます。 コースに戻り、急な階段を下ってひと山越え、登り返したピークが後藤山です。後藤山を越えると視界が開け、天城放牧場や稜線のササ原に続く分水嶺トレイルが見えます。道が平坦に変わるとまもなく放牧場の管理道路に出ます。道路を横断し、ササ原の中を登った所がナベ石と言われる巨石がある展望所です。分水嶺トレイルの中でも屈指の眺望を誇る場所です。眼下に仁科峠が見え、そこからササ原の道を5分ほど下れば仁科峠に到着します。
  • 仁科峠からだるま山高原へ

    仁科峠からだるま山高原へ

    全行程18.7kmと長く時間がかかるため、湯ヶ島温泉か宇久須に前泊し、スタートの仁科峠まで宿の車で送ってもらうかタクシーの利用となります。 開拓記念碑がある駐車スペースから県道を横断して牧柵の尾根道をたどり、ササ原を下ると風早峠です。尾根に沿って登り返すと休憩舎のある宇久須峠に着きます。小さな石仏を左に見て、丸太の階段を上がると広大なササ原に出ます。小さなピークを越えた先からは樹林帯に入り、右に折れると丸太階段の下りになります。十字路を過ぎ、長い階段を急登し、アセビ林を抜けると魂の山です。山頂からの下りは丸太の階段が続き、県道が近づいて来たら土肥峠の分岐です。右上のカルバートを潜ると左手に湯ヶ島温泉へ下る林道達原線が見えます。 土肥峠からは登り下りを繰り返してベンチのある南無妙峠に到着します。供養碑から緩やかな樹林帯を進むと古い石柱が残る吉奈峠、この先、急登の丸太階段を登りきると棚場山です。緩やかな林間を下り、旧国道と西伊豆スカイラインが交差する高架橋下が船原峠です。達磨山方面へは前方の橋脚擁壁の左側に沿った階段を上がります。灌木林を抜けて一旦車道に出ます。再び灌木林に入り、再び車道を50分ほど歩けば土肥駐車場に到着です。駐車場の端からササ原の歩道を登り、再び道路に出た所に伽藍山の標柱があります。しばらく道路沿いに進み、小土肥駐車場先の左手に道標がある歩道に入ります。風倒木の多いところを過ぎると下り坂、左側がガレたやせ尾根を進むと古稀山です。階段を下りると眼下に戸田港が望める駐車場に着きます。駐車場の端からササ原の緩やかな階段を20分ほど登ると達磨山山頂に到着です。 山頂を後にし、富士山に向かって長い丸太階段を下ります。いったん道路に出て再びササ原を登り、アセビやイヌツゲの林の小達磨山を下ると戸田峠です。バス停を横断して修善寺方面に進み、トンネル右手の鎖ゲートのある道路に入ります。7~8分で金冠山との分岐点、右折して日本一幅の広い遊歩道(防火帯)を東に進みます。この付近はマメザクラの群生地で、4月中・下旬は山肌がパッチワークのように彩られます。金冠山分岐から25分ほどでだるま山高原レストハウスに到着です。
    全行程18.7kmと長く時間がかかるため、湯ヶ島温泉か宇久須に前泊し、スタートの仁科峠まで宿の車で送ってもらうかタクシーの利用となります。 開拓記念碑がある駐車スペースから県道を横断して牧柵の尾根道をたどり、ササ原を下ると風早峠です。尾根に沿って登り返すと休憩舎のある宇久須峠に着きます。小さな石仏を左に見て、丸太の階段を上がると広大なササ原に出ます。小さなピークを越えた先からは樹林帯に入り、右に折れると丸太階段の下りになります。十字路を過ぎ、長い階段を急登し、アセビ林を抜けると魂の山です。山頂からの下りは丸太の階段が続き、県道が近づいて来たら土肥峠の分岐です。右上のカルバートを潜ると左手に湯ヶ島温泉へ下る林道達原線が見えます。 土肥峠からは登り下りを繰り返してベンチのある南無妙峠に到着します。供養碑から緩やかな樹林帯を進むと古い石柱が残る吉奈峠、この先、急登の丸太階段を登りきると棚場山です。緩やかな林間を下り、旧国道と西伊豆スカイラインが交差する高架橋下が船原峠です。達磨山方面へは前方の橋脚擁壁の左側に沿った階段を上がります。灌木林を抜けて一旦車道に出ます。再び灌木林に入り、再び車道を50分ほど歩けば土肥駐車場に到着です。駐車場の端からササ原の歩道を登り、再び道路に出た所に伽藍山の標柱があります。しばらく道路沿いに進み、小土肥駐車場先の左手に道標がある歩道に入ります。風倒木の多いところを過ぎると下り坂、左側がガレたやせ尾根を進むと古稀山です。階段を下りると眼下に戸田港が望める駐車場に着きます。駐車場の端からササ原の緩やかな階段を20分ほど登ると達磨山山頂に到着です。 山頂を後にし、富士山に向かって長い丸太階段を下ります。いったん道路に出て再びササ原を登り、アセビやイヌツゲの林の小達磨山を下ると戸田峠です。バス停を横断して修善寺方面に進み、トンネル右手の鎖ゲートのある道路に入ります。7~8分で金冠山との分岐点、右折して日本一幅の広い遊歩道(防火帯)を東に進みます。この付近はマメザクラの群生地で、4月中・下旬は山肌がパッチワークのように彩られます。金冠山分岐から25分ほどでだるま山高原レストハウスに到着です。
  • 水生地下から八丁池へ

    水生地下から八丁池へ

    水生地下バス停の横が国道414号天城新道と旧道の分岐になっており、国道を挟んだ反対側に水生地下駐車場があります。旧天城トンネルへ通じる旧道へ入り水生地を経て下り御幸歩道経由で八丁池を目指します。水生地までは国道414号の旧道、踊子歩道を歩きます。車道なので車の往来には注意しましょう。 水生地より左へ折れて林道へ入ります。この林道は一般車両通行禁止です。車止めがありますが、歩行者はくぐり抜けられます。 水生地歩道入口を過ぎるとまもなく下り御幸歩道起終点です。林道と離れ下り御幸歩道へ入ります。過去の台風で荒れた杉林を過ぎると林道を横切ります。東屋があり、休憩をとることもできます。ここから数分登ると十字路(下り八丁池歩道分岐)があります。左側は下り八丁池歩道、右側は本谷歩道ですが直進の下り御幸歩道を進みます。ブナの大木が目につくようになります。ブナ、ヒメシャラの混生している明るい林を通過します。しばらく進みアセビの林を過ぎるとまもなく上り御幸歩道にぶつかります。左へ曲がると八丁池はすぐそこです。 帰りは上り御幸歩道、水生地歩道を経由し水生地下駐車場へ向かいます。八丁池を出発して15分ほど歩くとトイレがあります。ここには脇道がありほんの1~2分で見晴台へ行くことができます。見通しがきくときは北の方角には八丁池越しの富士山、南アルプス、南方向には御蔵島、新島など伊豆諸島の一部が望めます。 ここから八丁池口バス停に通じる林道を40mほど進み、上り御幸歩道入口からコマドリ歩道入口方面へと下り、やがて大見分岐点に到着です。右折し本谷歩道、水生地歩道方面へ下ります。この付近は紅葉時期の見所ポイントのひとつです。普段は水のない沢がありますが、ここが直進の本谷歩道と左折水生地歩道の分岐です。沢を渡らず水生地歩道方面へ左折します。ほどなく沢を渡り檜林を進むと下の沢から水の流れる音がし始めます。本谷川の水源のひとつで狩野川の源流地域です。水量が多く音も大きくなるとまもなく水生地歩道入口です。 再び林道へ出て往路と同じ道を引き返します。水生地には昭和の中頃まで天然氷を製造した水槽と氷を貯蔵した氷室(復元)があります。時間に余裕があれば立ち寄りをお勧めします。ここから水生地下バス停まで徒歩約20分です。
    水生地下バス停の横が国道414号天城新道と旧道の分岐になっており、国道を挟んだ反対側に水生地下駐車場があります。旧天城トンネルへ通じる旧道へ入り水生地を経て下り御幸歩道経由で八丁池を目指します。水生地までは国道414号の旧道、踊子歩道を歩きます。車道なので車の往来には注意しましょう。 水生地より左へ折れて林道へ入ります。この林道は一般車両通行禁止です。車止めがありますが、歩行者はくぐり抜けられます。 水生地歩道入口を過ぎるとまもなく下り御幸歩道起終点です。林道と離れ下り御幸歩道へ入ります。過去の台風で荒れた杉林を過ぎると林道を横切ります。東屋があり、休憩をとることもできます。ここから数分登ると十字路(下り八丁池歩道分岐)があります。左側は下り八丁池歩道、右側は本谷歩道ですが直進の下り御幸歩道を進みます。ブナの大木が目につくようになります。ブナ、ヒメシャラの混生している明るい林を通過します。しばらく進みアセビの林を過ぎるとまもなく上り御幸歩道にぶつかります。左へ曲がると八丁池はすぐそこです。 帰りは上り御幸歩道、水生地歩道を経由し水生地下駐車場へ向かいます。八丁池を出発して15分ほど歩くとトイレがあります。ここには脇道がありほんの1~2分で見晴台へ行くことができます。見通しがきくときは北の方角には八丁池越しの富士山、南アルプス、南方向には御蔵島、新島など伊豆諸島の一部が望めます。 ここから八丁池口バス停に通じる林道を40mほど進み、上り御幸歩道入口からコマドリ歩道入口方面へと下り、やがて大見分岐点に到着です。右折し本谷歩道、水生地歩道方面へ下ります。この付近は紅葉時期の見所ポイントのひとつです。普段は水のない沢がありますが、ここが直進の本谷歩道と左折水生地歩道の分岐です。沢を渡らず水生地歩道方面へ左折します。ほどなく沢を渡り檜林を進むと下の沢から水の流れる音がし始めます。本谷川の水源のひとつで狩野川の源流地域です。水量が多く音も大きくなるとまもなく水生地歩道入口です。 再び林道へ出て往路と同じ道を引き返します。水生地には昭和の中頃まで天然氷を製造した水槽と氷を貯蔵した氷室(復元)があります。時間に余裕があれば立ち寄りをお勧めします。ここから水生地下バス停まで徒歩約20分です。
  • 筏場から皮子平へ

    筏場から皮子平へ

    筏場新田バス停跡より県道59号を国士峠方面に歩き始めます。まもなくワサビ沢が見えてきます。大見川の最上流部で国内有数のワサビ栽培地です。県道と別れ筏場林道に入りワサビ栽培風景など見ながら登っていくと、鍵のかかったゲートがあります。傍らには江戸時代に植えられたと言われる杉の大木「御礼杉」とその説明看板があります。ゲートをくぐりさらに林道を進みます。 軽石林道支線に入り、辺りに露出している岩石を見ると灰色の軽石と黒っぽい黒曜石が多く見られます。これは、皮子平火山の溶岩流地帯に差し掛かったためです。この辺りは伊豆半島固有種のアマギツツジが多く見られます。 さらに軽石林道へと進みます。自然林、植林地を交互に進むと高度もだんだん上がってきます。 南西から北西方向が開け、数少ない富士山のビューポイントに差しかかるとまもなく筏場林道との合流点です。右に折れそのまま軽石林道を進むと、戸塚歩道入口の看板があります。林道と分かれ杉、檜の人工林が続く戸塚歩道へと入ります。溶岩は次第に苔に覆われるようになり、その上にフジシダが目立ち始めます。また、アマギシャクナゲの古木を所々に見ることができます。天城山縦走路のシャクナゲ群生地ほどの規模はありませんが、5月中旬には美しい花で楽しませてくれます。 モミの大木を傍らに見ながら歩くと「精英樹保護林」の看板が目に付きます。この辺り一帯には精英樹を含め杉、檜の人工林が続きます。これらを過ぎてサワグルミの大木が目立ち始めるとまもなく東皮子平三叉路です。直進すると戸塚峠、天城山縦走路方面へ続きますが一旦右折し西皮子平へ向かいます。すぐに皮子平一と言われる幹周4m強の「大ブナ」が現れます。ここから100m程進むと樹齢数百年のブナ林の中にヒメシャラが混在する「皮子平ブナ、ヒメシャラ保護林」があります。この辺りの溶岩風景が最も皮子平らしい景色を醸し出しています。天城山の秘境にふさわしい場所です。 15分程進むと西皮子平です。火口跡の直径1km程の平地で潅木の混ざった草原となっていますがシカ避けの金網柵を設置してあるので中には入れません。再び東皮子平三叉路へ戻り火口壁をジグザグに登るとまもなく戸塚峠です。ここから先の戸塚峠~八丁池間は天城縦走登山口から天城峠へ(天城縦走路)(コースガイド)を参照して下さい。 八丁池からは天城山縦走路を上り御幸歩道入口まで進み、八丁池口バス停まで途中コルリ歩道でショートカットし林道を下ります。
    筏場新田バス停跡より県道59号を国士峠方面に歩き始めます。まもなくワサビ沢が見えてきます。大見川の最上流部で国内有数のワサビ栽培地です。県道と別れ筏場林道に入りワサビ栽培風景など見ながら登っていくと、鍵のかかったゲートがあります。傍らには江戸時代に植えられたと言われる杉の大木「御礼杉」とその説明看板があります。ゲートをくぐりさらに林道を進みます。 軽石林道支線に入り、辺りに露出している岩石を見ると灰色の軽石と黒っぽい黒曜石が多く見られます。これは、皮子平火山の溶岩流地帯に差し掛かったためです。この辺りは伊豆半島固有種のアマギツツジが多く見られます。 さらに軽石林道へと進みます。自然林、植林地を交互に進むと高度もだんだん上がってきます。 南西から北西方向が開け、数少ない富士山のビューポイントに差しかかるとまもなく筏場林道との合流点です。右に折れそのまま軽石林道を進むと、戸塚歩道入口の看板があります。林道と分かれ杉、檜の人工林が続く戸塚歩道へと入ります。溶岩は次第に苔に覆われるようになり、その上にフジシダが目立ち始めます。また、アマギシャクナゲの古木を所々に見ることができます。天城山縦走路のシャクナゲ群生地ほどの規模はありませんが、5月中旬には美しい花で楽しませてくれます。 モミの大木を傍らに見ながら歩くと「精英樹保護林」の看板が目に付きます。この辺り一帯には精英樹を含め杉、檜の人工林が続きます。これらを過ぎてサワグルミの大木が目立ち始めるとまもなく東皮子平三叉路です。直進すると戸塚峠、天城山縦走路方面へ続きますが一旦右折し西皮子平へ向かいます。すぐに皮子平一と言われる幹周4m強の「大ブナ」が現れます。ここから100m程進むと樹齢数百年のブナ林の中にヒメシャラが混在する「皮子平ブナ、ヒメシャラ保護林」があります。この辺りの溶岩風景が最も皮子平らしい景色を醸し出しています。天城山の秘境にふさわしい場所です。 15分程進むと西皮子平です。火口跡の直径1km程の平地で潅木の混ざった草原となっていますがシカ避けの金網柵を設置してあるので中には入れません。再び東皮子平三叉路へ戻り火口壁をジグザグに登るとまもなく戸塚峠です。ここから先の戸塚峠~八丁池間は天城縦走登山口から天城峠へ(天城縦走路)(コースガイド)を参照して下さい。 八丁池からは天城山縦走路を上り御幸歩道入口まで進み、八丁池口バス停まで途中コルリ歩道でショートカットし林道を下ります。
  • 八丁池口から三筋山へ

    八丁池口から三筋山へ

    季節運行路線バス停の八丁池口を起点とし、三筋山へ下る尾根をたどる本コースは、近年、風力発電機の建設によりさらに良好な展望が得られるようになりました。にわかにクローズアップされている細野高原ススキ原など、より魅力的なコースに変貌しています。 八丁池口バス停を出発後10分ほどで八丁池方面へ向かう林道と本コースとの分岐点に出ます。東(右)へ向かう林道を進み、大きな地図看板設置地点より階段状の遊歩道となります。この付近はマメザクラやカエデ類などが点在し、さらに進むとアセビ群落の中に固有種アマギツツジを見ることができます。南側が開けた場所からは、これから向かう三筋山方面の風力発電機群が見え隠れしています。急坂となりこれを一気に登ると大ブナが立ち並ぶピークに到着します。ベンチが設置されているので、ゆっくり休憩できます。ここからしばらく美しいブナ林の下りが続いたあと、さらに下るとシカ防護柵設置付近で見事なヒメシャラの純林が現れます。 上佐ヶ野林道分岐にさしかかると風力発電機が至近距離に唐突と現れます。その異様とも思われる姿に驚きます。ここからしばらくは21基設置された風力発電機の管理道を歩くことになります。管理道には歩道区域として約1m幅の赤色ラインが引かれています。許可車両以外の進入はありませんがなるべくこのライン上を歩きましょう。ただし、展望所(現時点では展望が良いとは言えません)、小ピーク、三筋山山頂は、これまでの遊歩道を歩くようになっていますので、管理道から外れる指示標識をしっかり確認してください。管理道上からは右手に鉢ノ山や遠く南伊豆・西伊豆方面の山々が見え隠れします。また小ピーク付近からは、箒木山から万二郎岳、馬の背、万三郎岳と天城の主峰が手に取るようです。三筋山展望台からは、伊豆諸島が望め、ほぼ360度のパノラマとなります。 三筋山からの下山ルートは、細野高原経由伊豆稲取駅方面と、大池高原経由河津駅方面の2つがあります。 今回は前者のルートをメインとして紹介します。三筋山山頂からまず広大なススキ原の中を細野高原第一駐車場へ下ります。貴重植物が群生する湿原が4箇所あるので興味のある方は巡ってみるのも良いでしょう。駐車場からはひたすら国道135号へ向かって下り、稲取小学校前バス停を目指します。なお、細野高原はタクシーを呼ぶことができるので、非常時のエスケープルートとしても利用できます。 後者は風力発電機作業道を進み、途中大池方面へ向かう従来の遊歩道へ入ります。大池上部から林道となるのでひたすら下り、国道135号オレンヂヶ丘バス停を目指します。
    季節運行路線バス停の八丁池口を起点とし、三筋山へ下る尾根をたどる本コースは、近年、風力発電機の建設によりさらに良好な展望が得られるようになりました。にわかにクローズアップされている細野高原ススキ原など、より魅力的なコースに変貌しています。 八丁池口バス停を出発後10分ほどで八丁池方面へ向かう林道と本コースとの分岐点に出ます。東(右)へ向かう林道を進み、大きな地図看板設置地点より階段状の遊歩道となります。この付近はマメザクラやカエデ類などが点在し、さらに進むとアセビ群落の中に固有種アマギツツジを見ることができます。南側が開けた場所からは、これから向かう三筋山方面の風力発電機群が見え隠れしています。急坂となりこれを一気に登ると大ブナが立ち並ぶピークに到着します。ベンチが設置されているので、ゆっくり休憩できます。ここからしばらく美しいブナ林の下りが続いたあと、さらに下るとシカ防護柵設置付近で見事なヒメシャラの純林が現れます。 上佐ヶ野林道分岐にさしかかると風力発電機が至近距離に唐突と現れます。その異様とも思われる姿に驚きます。ここからしばらくは21基設置された風力発電機の管理道を歩くことになります。管理道には歩道区域として約1m幅の赤色ラインが引かれています。許可車両以外の進入はありませんがなるべくこのライン上を歩きましょう。ただし、展望所(現時点では展望が良いとは言えません)、小ピーク、三筋山山頂は、これまでの遊歩道を歩くようになっていますので、管理道から外れる指示標識をしっかり確認してください。管理道上からは右手に鉢ノ山や遠く南伊豆・西伊豆方面の山々が見え隠れします。また小ピーク付近からは、箒木山から万二郎岳、馬の背、万三郎岳と天城の主峰が手に取るようです。三筋山展望台からは、伊豆諸島が望め、ほぼ360度のパノラマとなります。 三筋山からの下山ルートは、細野高原経由伊豆稲取駅方面と、大池高原経由河津駅方面の2つがあります。 今回は前者のルートをメインとして紹介します。三筋山山頂からまず広大なススキ原の中を細野高原第一駐車場へ下ります。貴重植物が群生する湿原が4箇所あるので興味のある方は巡ってみるのも良いでしょう。駐車場からはひたすら国道135号へ向かって下り、稲取小学校前バス停を目指します。なお、細野高原はタクシーを呼ぶことができるので、非常時のエスケープルートとしても利用できます。 後者は風力発電機作業道を進み、途中大池方面へ向かう従来の遊歩道へ入ります。大池上部から林道となるのでひたすら下り、国道135号オレンヂヶ丘バス停を目指します。
  • 踊子歩道

    踊子歩道

    踊子歩道は交通アクセスが良く軽装で気軽に歩けるため、四季を通じてたいへん多くのハイカーが訪れています。コース全体に道標は完備されていますが、見落としやすい箇所がいくつかあり注意が必要です。 浄蓮の滝バス停付近の踊子歩道起点を示す道標から旧下田街道へ。この付近からしばらく文学碑が点在しており文人たちの聖地であったことがうかがえます。天皇陛下「お手植え杉」を過ぎてしばらく進むと道の駅天城越えに到着します。 道の駅駐車場の端から庭園を通り抜け、下田街道等の説明看板を見ながら進むと天城遊々の森(旧大川端キャンプ場)に出ます。ここを通過してさらに上流へ向かい国道414号天城大橋と交差し、急な階段を上がると旧道へ出ます。 旧道を進むと川端康成レリーフと「伊豆の踊子」冒頭の名文が刻まれた文学碑があります。このあたりからブナ・ケヤキ・カエデ類などの原生的な自然林が水生地まで続き、さらに進むと国の重要文化財に指定されている旧天城トンネルに到着します。トンネルを越え、寒天橋、二階滝と旧道を下ると、国道と交差する地点へ出ます。この付近で道標を見落とさないよう注意しましょう。平滑の滝に寄った後、わさび沢を通過し林道へ出て、その後さらに下るとモミの巨木と石仏が見られ、近くには宗太郎園地の休憩舎があります。 中世の時代にタイムスリップしたかのような美しい宗太郎杉並木を過ぎ、しばらく進むと猿田淵遊歩道看板が見えますのでこの木製階段を下ると、河津七滝巡りが始まります。猿田淵・河津七滝は登り尾南火山からの溶岩流に河川の浸食が加わり変化に富んだ景観を見せてくれます。七滝見学後、河津七滝ループ橋の橋脚を過ぎた地点(旅館青木の坂、横)の旧道へ誘導する看板がわかりづらいので注意です。以後、旧下田街道ルートでもあるので石碑・石仏などが随所に見られます。民家沿いでは道標を確認しながら進みます。 吊橋、源頼朝ゆかりの小鍋神社、旧下田街道小鍋峠越分岐を過ぎ、湯ヶ野温泉へ向かいます。石畳の歩道「湯坂」へ入ると「踊子ゆかりの宿・福田家」が河津川対岸に見えてきます。そのまま湯坂を登ると湯ヶ野バス停に到着。湯ヶ野無料駐車場はバス停付近の信号を渡たり30mほど坂を登った左側にあります。
    踊子歩道は交通アクセスが良く軽装で気軽に歩けるため、四季を通じてたいへん多くのハイカーが訪れています。コース全体に道標は完備されていますが、見落としやすい箇所がいくつかあり注意が必要です。 浄蓮の滝バス停付近の踊子歩道起点を示す道標から旧下田街道へ。この付近からしばらく文学碑が点在しており文人たちの聖地であったことがうかがえます。天皇陛下「お手植え杉」を過ぎてしばらく進むと道の駅天城越えに到着します。 道の駅駐車場の端から庭園を通り抜け、下田街道等の説明看板を見ながら進むと天城遊々の森(旧大川端キャンプ場)に出ます。ここを通過してさらに上流へ向かい国道414号天城大橋と交差し、急な階段を上がると旧道へ出ます。 旧道を進むと川端康成レリーフと「伊豆の踊子」冒頭の名文が刻まれた文学碑があります。このあたりからブナ・ケヤキ・カエデ類などの原生的な自然林が水生地まで続き、さらに進むと国の重要文化財に指定されている旧天城トンネルに到着します。トンネルを越え、寒天橋、二階滝と旧道を下ると、国道と交差する地点へ出ます。この付近で道標を見落とさないよう注意しましょう。平滑の滝に寄った後、わさび沢を通過し林道へ出て、その後さらに下るとモミの巨木と石仏が見られ、近くには宗太郎園地の休憩舎があります。 中世の時代にタイムスリップしたかのような美しい宗太郎杉並木を過ぎ、しばらく進むと猿田淵遊歩道看板が見えますのでこの木製階段を下ると、河津七滝巡りが始まります。猿田淵・河津七滝は登り尾南火山からの溶岩流に河川の浸食が加わり変化に富んだ景観を見せてくれます。七滝見学後、河津七滝ループ橋の橋脚を過ぎた地点(旅館青木の坂、横)の旧道へ誘導する看板がわかりづらいので注意です。以後、旧下田街道ルートでもあるので石碑・石仏などが随所に見られます。民家沿いでは道標を確認しながら進みます。 吊橋、源頼朝ゆかりの小鍋神社、旧下田街道小鍋峠越分岐を過ぎ、湯ヶ野温泉へ向かいます。石畳の歩道「湯坂」へ入ると「踊子ゆかりの宿・福田家」が河津川対岸に見えてきます。そのまま湯坂を登ると湯ヶ野バス停に到着。湯ヶ野無料駐車場はバス停付近の信号を渡たり30mほど坂を登った左側にあります。
  • 天城シャクナゲコース

    天城シャクナゲコース

    自家用車の場合は天城高原ハイカー専用駐車場(無料・普通車88台・バス5台駐車可能)を利用、バスは伊東駅から天城高原ゴルフ場行を利用します。帰りの時間を必ず確認しておきましょう。 ハイカー専用駐車場から天城縦走登山口の案内板を見て杉・檜の林に入り20分ほど歩くと四辻(万二郎岳登山口)の三差路、「万二郎岳55分」の道標があります。シャクナゲコースは、ここから万二郎岳~万三郎岳~万三郎岳下分岐~涸沢分岐~四辻(万二郎岳登山口)と周遊コースなので、どちら周りでもかまいません。ここでは四辻から万二郎岳へと向かいます。 コース全体で道標が整備されていますが、ガレ場や急な登り、急な長い下りがあるので足元には十分注意が必要です。ブナやヒメシャラが目立つ自然林の中を行くと5月頃にはトウゴクミツバツツジ、6月下旬から7月上旬にはアマギツツジが見られます。 少し急になったジグザグの岩の多い道を登ると万二郎岳山頂に到着です。山頂は樹木に覆われ見晴らしは悪いですが、万三郎岳へ向かう岩場の多い急斜面を下ると、ひときわ展望の良い岩場に出ます。東伊豆から南伊豆に延びた海岸線、正面にはこれから向かう馬の背、その肩に万三郎岳を望み、晴天時は北側に富士山も望めます。 ぐんと下がって登り返すと馬の背です。長いアセビのトンネルを抜けると荒れた急な下りが始まります。岩場にかかるハシゴもあるので十分注意して下りましょう。下りきると石楠立です。この付近からアマギシャクナゲの群落が始まります。シャクナゲの花を愛でながら登り切ると万三郎岳山頂に着きます。案内看板の前には1等三角点があります。 山頂から小岳に向かって5分程歩いた先に万三郎岳下分岐があります。左は小岳(天城縦走路)方面ですが、ここは右にとり涸沢分岐点方面に向かいます。500段余りの木の長い階段を下ります。十分注意しましょう。この付近にもアマギシャクナゲが見られます。長い下りの階段を過ぎたあたりから、ヒメシャラとブナの林に変わり道が緩やかになり涸沢分岐点に着きます。このまま万三郎岳の裾を巻くように斜面の緩やかな登り下りを繰り返します。左側が切れ落ちた斜面で道幅も狭く岩場も多く滑りやすいので要注意の場所です。このあたりでもアマギシャクナゲが見られます。 道なりに進んで101石柱、そして四辻(万二郎岳登山口)に戻ってきます。ここから左に進み天城縦走登山口に戻ります。
    自家用車の場合は天城高原ハイカー専用駐車場(無料・普通車88台・バス5台駐車可能)を利用、バスは伊東駅から天城高原ゴルフ場行を利用します。帰りの時間を必ず確認しておきましょう。 ハイカー専用駐車場から天城縦走登山口の案内板を見て杉・檜の林に入り20分ほど歩くと四辻(万二郎岳登山口)の三差路、「万二郎岳55分」の道標があります。シャクナゲコースは、ここから万二郎岳~万三郎岳~万三郎岳下分岐~涸沢分岐~四辻(万二郎岳登山口)と周遊コースなので、どちら周りでもかまいません。ここでは四辻から万二郎岳へと向かいます。 コース全体で道標が整備されていますが、ガレ場や急な登り、急な長い下りがあるので足元には十分注意が必要です。ブナやヒメシャラが目立つ自然林の中を行くと5月頃にはトウゴクミツバツツジ、6月下旬から7月上旬にはアマギツツジが見られます。 少し急になったジグザグの岩の多い道を登ると万二郎岳山頂に到着です。山頂は樹木に覆われ見晴らしは悪いですが、万三郎岳へ向かう岩場の多い急斜面を下ると、ひときわ展望の良い岩場に出ます。東伊豆から南伊豆に延びた海岸線、正面にはこれから向かう馬の背、その肩に万三郎岳を望み、晴天時は北側に富士山も望めます。 ぐんと下がって登り返すと馬の背です。長いアセビのトンネルを抜けると荒れた急な下りが始まります。岩場にかかるハシゴもあるので十分注意して下りましょう。下りきると石楠立です。この付近からアマギシャクナゲの群落が始まります。シャクナゲの花を愛でながら登り切ると万三郎岳山頂に着きます。案内看板の前には1等三角点があります。 山頂から小岳に向かって5分程歩いた先に万三郎岳下分岐があります。左は小岳(天城縦走路)方面ですが、ここは右にとり涸沢分岐点方面に向かいます。500段余りの木の長い階段を下ります。十分注意しましょう。この付近にもアマギシャクナゲが見られます。長い下りの階段を過ぎたあたりから、ヒメシャラとブナの林に変わり道が緩やかになり涸沢分岐点に着きます。このまま万三郎岳の裾を巻くように斜面の緩やかな登り下りを繰り返します。左側が切れ落ちた斜面で道幅も狭く岩場も多く滑りやすいので要注意の場所です。このあたりでもアマギシャクナゲが見られます。 道なりに進んで101石柱、そして四辻(万二郎岳登山口)に戻ってきます。ここから左に進み天城縦走登山口に戻ります。
  • 大雪渓から白馬岳

    大雪渓から白馬岳

    白馬大雪渓から白馬岳を目指すコースは白馬周辺でも最もポピュラーで、シーズンには大勢の登山者で賑わいます。簡単なコースとみなされがちですが、雪渓の登降には十分な注意が必要です。 猿倉山荘手前より登山道に入ると、10分ほどで工事用林道に出ます。途中、鑓温泉への道を左にみて長走沢の木橋を渡ると、前方に白馬岳から小蓮華山への稜線が見えます。やがて山道に入り、シラネアオイやキヌガサソウなどがみられるようになると白馬尻に到着です。水やトイレがあるので身仕度していきましょう。 小屋の前から灌木帯を少し登ると広い台地に出ると、ケルンが立っています。このあたりから、いよいよ大雪渓に取り付きますが、午後2時以降は大雪渓から白馬岳への入山が禁止されているので要注意。見上げれば、シーズンなら雪渓に登山者が長い列をなして登って行く様子を見ることができます。雪渓ではコース沿いに紅ガラの赤い筋が引かれているので、ガスで視界が悪い時などはこれを目印に歩きます。また、雪上の落石は音をたてずに転がるので、視界が悪い時にはとくに注意が必要です。止まっている岩でも自然に転がりだす時があるので、うっかり岩に腰掛けたりするのは禁物です。上方に常に気を配りながら、マイペースで登りましょう。 ゆるやかな斜面がだんだんきつくなり、ひと息入れるころ、上方に葱平が見えてきます。最後に胸を突くような急斜面を登りきって葱平に到着です。葱平の登りは慣れない雪渓で疲れた足にはきつい斜面ですが、近年は道が整備され歩きやすくなりました。とはいえ、もろい地質なので、人工落石には十分注意して進みましょう。8月初旬頃まで、道は葱平の上部で小雪渓をトラバースします。足場は切ってあるものの、急斜面なので、慎重にゆっくり歩きましょう。やがてお花畑の中を進みます。お花畑は最盛期にはシナノキンバイやミヤマキンポウゲで黄色いジュウタンを敷き詰めたような光景を見ることができます。 稜線に頂上宿舎が見えてくるころ、左手に赤い巨岩があるのですが、その岩肌についた擦痕は氷河の名残といわれています。このあたりは、のんびり花など愛でながら歩きたいところ。 やがて頂上宿舎に出ます。ここから白馬山荘を経て30分あまりで、白馬岳頂上です。360度の大展望を存分に楽しみましょう。
    白馬大雪渓から白馬岳を目指すコースは白馬周辺でも最もポピュラーで、シーズンには大勢の登山者で賑わいます。簡単なコースとみなされがちですが、雪渓の登降には十分な注意が必要です。 猿倉山荘手前より登山道に入ると、10分ほどで工事用林道に出ます。途中、鑓温泉への道を左にみて長走沢の木橋を渡ると、前方に白馬岳から小蓮華山への稜線が見えます。やがて山道に入り、シラネアオイやキヌガサソウなどがみられるようになると白馬尻に到着です。水やトイレがあるので身仕度していきましょう。 小屋の前から灌木帯を少し登ると広い台地に出ると、ケルンが立っています。このあたりから、いよいよ大雪渓に取り付きますが、午後2時以降は大雪渓から白馬岳への入山が禁止されているので要注意。見上げれば、シーズンなら雪渓に登山者が長い列をなして登って行く様子を見ることができます。雪渓ではコース沿いに紅ガラの赤い筋が引かれているので、ガスで視界が悪い時などはこれを目印に歩きます。また、雪上の落石は音をたてずに転がるので、視界が悪い時にはとくに注意が必要です。止まっている岩でも自然に転がりだす時があるので、うっかり岩に腰掛けたりするのは禁物です。上方に常に気を配りながら、マイペースで登りましょう。 ゆるやかな斜面がだんだんきつくなり、ひと息入れるころ、上方に葱平が見えてきます。最後に胸を突くような急斜面を登りきって葱平に到着です。葱平の登りは慣れない雪渓で疲れた足にはきつい斜面ですが、近年は道が整備され歩きやすくなりました。とはいえ、もろい地質なので、人工落石には十分注意して進みましょう。8月初旬頃まで、道は葱平の上部で小雪渓をトラバースします。足場は切ってあるものの、急斜面なので、慎重にゆっくり歩きましょう。やがてお花畑の中を進みます。お花畑は最盛期にはシナノキンバイやミヤマキンポウゲで黄色いジュウタンを敷き詰めたような光景を見ることができます。 稜線に頂上宿舎が見えてくるころ、左手に赤い巨岩があるのですが、その岩肌についた擦痕は氷河の名残といわれています。このあたりは、のんびり花など愛でながら歩きたいところ。 やがて頂上宿舎に出ます。ここから白馬山荘を経て30分あまりで、白馬岳頂上です。360度の大展望を存分に楽しみましょう。
  • 栂池自然園から白馬岳

    栂池自然園から白馬岳

    栂池高原からゴンドラリフトイヴと栂池ロープウェイを乗り継いで栂池自然園駅に着きます。天狗原への登山道は、自然園への案内板に従って舗装された道を登り、ビジターセンターの手前から指導標に従い登山道に入ります。なお、ビジターセンターは自然園の入園料を兼ねて有料です。 登山道は、すぐに階段状の急な斜面を登り始めます。ネマガリダケが両側に密生し、水はけの悪いドロの道をひたすら登ると、次第に視界が開けてきます。清水が湧き出る水場に着けば、天狗原は間近です。天狗原では木道を歩きます。湿原の池塘には、ワタスゲやヒオウギアヤメが咲いており見事です。 やがて風吹大池に行く木道を右に見送り、乗鞍岳への登りになります。安山岩の積み重なる急登ですが、シーズンの初め頃は雪渓になっており、ロープが張ってあります。斜面を登りきり、右側の雪渓を登り詰めると、乗鞍岳の広い台地に出ます。ペンキマークに従い進みますが、ガスで視界が悪い時には注意が必要です。大きなケルンのある場所が山頂で、ここからは自馬大池へ下りますが、ゴロゴロした岩の上を行くので慣れないと結構なアルバイトです。眼下に広がる白馬大池をゆっくり眺めながら、慎重に行きましょう。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。
    栂池高原からゴンドラリフトイヴと栂池ロープウェイを乗り継いで栂池自然園駅に着きます。天狗原への登山道は、自然園への案内板に従って舗装された道を登り、ビジターセンターの手前から指導標に従い登山道に入ります。なお、ビジターセンターは自然園の入園料を兼ねて有料です。 登山道は、すぐに階段状の急な斜面を登り始めます。ネマガリダケが両側に密生し、水はけの悪いドロの道をひたすら登ると、次第に視界が開けてきます。清水が湧き出る水場に着けば、天狗原は間近です。天狗原では木道を歩きます。湿原の池塘には、ワタスゲやヒオウギアヤメが咲いており見事です。 やがて風吹大池に行く木道を右に見送り、乗鞍岳への登りになります。安山岩の積み重なる急登ですが、シーズンの初め頃は雪渓になっており、ロープが張ってあります。斜面を登りきり、右側の雪渓を登り詰めると、乗鞍岳の広い台地に出ます。ペンキマークに従い進みますが、ガスで視界が悪い時には注意が必要です。大きなケルンのある場所が山頂で、ここからは自馬大池へ下りますが、ゴロゴロした岩の上を行くので慣れないと結構なアルバイトです。眼下に広がる白馬大池をゆっくり眺めながら、慎重に行きましょう。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。
  • 蓮華温泉から白馬岳

    蓮華温泉から白馬岳

    蓮華温泉には、JR大糸線平岩駅からバスで入ります。駐車場から少し下ると、蓮華温泉ロッジの新しい建物の前に出ます。その建物の前を通り、奥の水飲み場の裏側から登山道に入ります。 初めは平らな湿った道ですが、木橋の架かった小さな沢を渡ると、だんだんと勾配もきつくなり、コメツガ、オオシラビソなどの樹林帯の中、ジグザグを大きく繰り返して登って行くことになります。振り返れば、温泉ロッジを眼下に見ることができ、その右手のガレた源泉地帯に湯煙が立ちのぼる光景は、いかにも、秘境の温泉場といったところでしょうか。 やがて尾根の先を左側に乗越すように回り、樹林帯を進むと、天狗ノ庭はもうすぐです。 天狗ノ庭にはハクサンシャジンやタカネバラが多く群生しています。また風雪の厳しさを訴えるように、背の低い、しかし骨太の風情で、枝を真横に突き出しているカラマツの点在する風景には、感嘆せずにはいられません。鉢ヶ岳から雪倉岳、朝日岳へと続く大きな山並みが目の前に広がります。時間が許せば、ゆっくり休んでいきたいところです。 道はどんどん高度を上げ、ダケカンバの白い肌が目を楽しませてくれます。早い時期には雪渓を横切り、やがて大きな樹木もなくなり一直線に登るようになると、白馬大池の草原に飛び出します。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。
    蓮華温泉には、JR大糸線平岩駅からバスで入ります。駐車場から少し下ると、蓮華温泉ロッジの新しい建物の前に出ます。その建物の前を通り、奥の水飲み場の裏側から登山道に入ります。 初めは平らな湿った道ですが、木橋の架かった小さな沢を渡ると、だんだんと勾配もきつくなり、コメツガ、オオシラビソなどの樹林帯の中、ジグザグを大きく繰り返して登って行くことになります。振り返れば、温泉ロッジを眼下に見ることができ、その右手のガレた源泉地帯に湯煙が立ちのぼる光景は、いかにも、秘境の温泉場といったところでしょうか。 やがて尾根の先を左側に乗越すように回り、樹林帯を進むと、天狗ノ庭はもうすぐです。 天狗ノ庭にはハクサンシャジンやタカネバラが多く群生しています。また風雪の厳しさを訴えるように、背の低い、しかし骨太の風情で、枝を真横に突き出しているカラマツの点在する風景には、感嘆せずにはいられません。鉢ヶ岳から雪倉岳、朝日岳へと続く大きな山並みが目の前に広がります。時間が許せば、ゆっくり休んでいきたいところです。 道はどんどん高度を上げ、ダケカンバの白い肌が目を楽しませてくれます。早い時期には雪渓を横切り、やがて大きな樹木もなくなり一直線に登るようになると、白馬大池の草原に飛び出します。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。
  • 鉱山道

    鉱山道

    鉱山道とは雪倉銀山の開発の際に開かれた、越後側から白馬岳への古くからの登路のことを指します。 大正時代に廃坑になると荒れてしまったものの、一般登山者が増加し始めると、新潟県で整備するようになりました。明治27年には、ウェストンがここから白馬岳に登った記録があります。今も変化に富んだ好ルートとして、静けさを求めるマニアに登られている道です。 ただし、登山者の絶対数が少なく、残雪期などは道がわかりにくくなる場所もあるので、山慣れない人の安易な入山は禁物です。ここでは下りコースとして紹介しますが、このルートは悪天時のエスケープには不適なので注意してください。 鉢ヶ岳の鞍部のザレた稜線から指導標に従って下りますが、踏跡もわかりにくいので慎重に進みます。斜面をジグザグに下り、さらに沢筋に沿うように下って行くと、塩谷精練所跡に出ます。 ここから道は急斜面を鉢ヶ沢に下りて行きます。ガレた沢を、対岸の踏跡めざして渡ります。このあたりは遅くまで高山植物が残り、楽しいところです。 雪倉上ノ沢を過ぎ、神ノ田圃では池塘の端を歩いていきます。さらに下ると樹林帯の広い道になります。秋にはナナカマドの紅葉が素晴らしく、また蓮華菱の岩壁も見事です。 展望台を右に見てトラバースの多い道になります。やがて沢状のゴロゴロしたところを行きますが、ペンキを頼りに進みます。瀬戸川には鉄パイプの橋があるが事前に確認しておきましょう。対岸に渡り、川筋に沿ってガレの中を行くと、まもなく自然遊歩道の木道に出ます。
    鉱山道とは雪倉銀山の開発の際に開かれた、越後側から白馬岳への古くからの登路のことを指します。 大正時代に廃坑になると荒れてしまったものの、一般登山者が増加し始めると、新潟県で整備するようになりました。明治27年には、ウェストンがここから白馬岳に登った記録があります。今も変化に富んだ好ルートとして、静けさを求めるマニアに登られている道です。 ただし、登山者の絶対数が少なく、残雪期などは道がわかりにくくなる場所もあるので、山慣れない人の安易な入山は禁物です。ここでは下りコースとして紹介しますが、このルートは悪天時のエスケープには不適なので注意してください。 鉢ヶ岳の鞍部のザレた稜線から指導標に従って下りますが、踏跡もわかりにくいので慎重に進みます。斜面をジグザグに下り、さらに沢筋に沿うように下って行くと、塩谷精練所跡に出ます。 ここから道は急斜面を鉢ヶ沢に下りて行きます。ガレた沢を、対岸の踏跡めざして渡ります。このあたりは遅くまで高山植物が残り、楽しいところです。 雪倉上ノ沢を過ぎ、神ノ田圃では池塘の端を歩いていきます。さらに下ると樹林帯の広い道になります。秋にはナナカマドの紅葉が素晴らしく、また蓮華菱の岩壁も見事です。 展望台を右に見てトラバースの多い道になります。やがて沢状のゴロゴロしたところを行きますが、ペンキを頼りに進みます。瀬戸川には鉄パイプの橋があるが事前に確認しておきましょう。対岸に渡り、川筋に沿ってガレの中を行くと、まもなく自然遊歩道の木道に出ます。
  • 白馬岳から鑓温泉

    白馬岳から鑓温泉

    白馬岳から下山する人の大半は、白馬大池から栂池のコースか、この鑓温泉経由で猿倉に下るコースに二分されます。白馬鑓温泉を経由する本コースは何といっても、下山後の温泉が魅力。 唐松岳への縦走路を、祖母谷への道を右に見て丸山の頂上に立ちます。剱、立山連峰が真正面で眼下は黒部峡谷です。 丸山を下って杓子岳の鞍郡に出るには、いったん大きくジグザグに下り、また登り返します。このあたりから鑓ヶ岳にかけては、コマクサをはじめ高山植物の豊富なところです。杓子岳は山頂を通る道もありますが、普通は山腹を巻いて鑓ヶ岳の鞍部に出ます。小鑓への登りはちょっときつそうであるものの、実際はそれほどでもありません。このあたりは、時期が早ければチョウノスケソウなど豊富な花々が咲き乱れるエリアです。 小鑓から鑓ヶ岳の頂上へは広い尾根道を進みます。鑓ヶ岳山頂では、360度の展望を楽しむことができます。南に五竜岳、鹿島槍への縦走路が続き、鑓温泉への道も眼下に見られます。 砕石道の急斜面を足元に気を付けて下っていくと、鑓温泉への分岐点に着きます。ここからは信州側の急斜面を一気に下ることになりますが、途中、雪田を横切る時期もあります。やがて大出原のお花畑に着くが、クルマユリとハクサンフウロ、ミヤマキンポウゲなどの大群落は、北アルプス全山でも有数のものです。 お花畑の下部からジグザグ道を下っていきます。途中、露岩帯に針金や鎖場があるので、慎重に下りましょう。雪渓の残る谷に沿って行くようになると、温泉小屋が見えてきます。鑓温泉は標高2100mの高所温泉として知られる山のいで湯です。ぜひ、一浴していきましょう。一泊すれば山旅の楽しい思い出になること間違いありません。 温泉は小屋のすぐ裏の岩の裂け目から噴き出しています。小屋の下に露天風呂があり、その下がテント場です。下山路はテント場を横切り、湯に洗われ苔むした草付きの斜面を下り、いくつかの雪渓をトラバースして越えて行きます。必ず指導標や紅ガラに従って歩くこと。 小日向のコルまではゆるい登り下りの道で、コルを越すと、湿性の草原があります。ニッコウキスゲ等が咲き乱れ、白馬岳が一段と高くそびえています。あとは坦々とした山道を折り返しながら下り、やがて一直線の道になりヒザが笑いだすころ、周りの木々がだんだんと大きくなり、猿倉はもうすぐです。
    白馬岳から下山する人の大半は、白馬大池から栂池のコースか、この鑓温泉経由で猿倉に下るコースに二分されます。白馬鑓温泉を経由する本コースは何といっても、下山後の温泉が魅力。 唐松岳への縦走路を、祖母谷への道を右に見て丸山の頂上に立ちます。剱、立山連峰が真正面で眼下は黒部峡谷です。 丸山を下って杓子岳の鞍郡に出るには、いったん大きくジグザグに下り、また登り返します。このあたりから鑓ヶ岳にかけては、コマクサをはじめ高山植物の豊富なところです。杓子岳は山頂を通る道もありますが、普通は山腹を巻いて鑓ヶ岳の鞍部に出ます。小鑓への登りはちょっときつそうであるものの、実際はそれほどでもありません。このあたりは、時期が早ければチョウノスケソウなど豊富な花々が咲き乱れるエリアです。 小鑓から鑓ヶ岳の頂上へは広い尾根道を進みます。鑓ヶ岳山頂では、360度の展望を楽しむことができます。南に五竜岳、鹿島槍への縦走路が続き、鑓温泉への道も眼下に見られます。 砕石道の急斜面を足元に気を付けて下っていくと、鑓温泉への分岐点に着きます。ここからは信州側の急斜面を一気に下ることになりますが、途中、雪田を横切る時期もあります。やがて大出原のお花畑に着くが、クルマユリとハクサンフウロ、ミヤマキンポウゲなどの大群落は、北アルプス全山でも有数のものです。 お花畑の下部からジグザグ道を下っていきます。途中、露岩帯に針金や鎖場があるので、慎重に下りましょう。雪渓の残る谷に沿って行くようになると、温泉小屋が見えてきます。鑓温泉は標高2100mの高所温泉として知られる山のいで湯です。ぜひ、一浴していきましょう。一泊すれば山旅の楽しい思い出になること間違いありません。 温泉は小屋のすぐ裏の岩の裂け目から噴き出しています。小屋の下に露天風呂があり、その下がテント場です。下山路はテント場を横切り、湯に洗われ苔むした草付きの斜面を下り、いくつかの雪渓をトラバースして越えて行きます。必ず指導標や紅ガラに従って歩くこと。 小日向のコルまではゆるい登り下りの道で、コルを越すと、湿性の草原があります。ニッコウキスゲ等が咲き乱れ、白馬岳が一段と高くそびえています。あとは坦々とした山道を折り返しながら下り、やがて一直線の道になりヒザが笑いだすころ、周りの木々がだんだんと大きくなり、猿倉はもうすぐです。
  • 白馬岳から欅平

    白馬岳から欅平

    白馬岳から黒部側の祖母谷温泉へ下るこのコースは、行程が長く、利用者も少ないですが、静かな山旅が楽しめる好コースです。 白馬山荘からほど近い稜線上に、清水岳への分岐の指導標があります。そこから下って、丸い岩山である旭岳の山腹の岩屑の道を行きます。鞍部には大きな雪田があり、紅ガラで指示されたとおりに進みます。雪田のあたりには、ハクサンコザクラやチングルマが咲き乱れています。 裏旭岳は、知らぬ間に通過して、ジグザグの道がハイマツ帯の中をどんどん下っていきます。小旭岳の南面を巻いて、やがてゆるやかな登りで清水平に入り、清水岳の広い山頂に着きます。途中小さなお花畑が散在し、また山頂付近に残雪がある時は、冷たい水も流れて、休憩にはうってつけの芭蕉です。剱、立山連峰や、遠く槍ヶ岳から後立山の鹿島槍、五竜岳、杓子岳へと続く山脈の眺めも素晴らしいです。 これから下る清水尾根のなだらかな尾根道は、池塘が点在し、秋ならナナカマドの真紅に燃えるような紅葉が、ことのほか美しいところ。また、清水尾根には、北アルプスではこのあたりだけで見られるミヤマハナシノブが咲いており、楽しい尾根道です。 視界の開けた清水尾根の稜線漫歩を楽しみながら下って行くと、やがて樹林帯に入ります。猫又峠で尾根の右側を行くようになると、まもなく不帰岳避難小屋。先に少し下ったところに水場もあります。 小屋から少し下るとクサリ場があり、樹林帯に入ると小さな水場があります。視界のきかない下りが続き、百貫山の鞍部に出て、いわゆる百貫ノ大下りになります。ジグザグの急坂をどんどん下り、やがて道は百貫山や名剣山の山腹を巻くように下っていきます。途中、1本のガラ沢と4本の沢をトラバースしますがが、残雪のある時は、慎重に通過するようにしましょう。 祖母谷の沢音がいちだんと大きく近づき、足場の悪い斜面をロープ伝いに下ったところが、名剣沢と祖母谷の出合いです。ここからダム工事用の車道となり、少し下ったところが、祖母谷温泉です。 祖母谷温泉は、内湯もあり、小屋の前に大きな露天風呂も造られています。川の中にも温泉が湧いているので、置いてあるスコップで穴を掘り、川の水を入れ、適当な湯加減にしてひと風呂浴びましょう。気分は格別ですが熱泉なので注意が必要です。時間が許すなら、ぜひ一泊していきましょう。 欅平へは、小屋の手前の鉄橋を渡り、対岸に造られている道路を行きます。名剣温泉をへて、40分ほどで黒部峡谷鉄道の欅平駅です。 なお、黒部峡谷鉄道は、シーズン中は混み合い、乗車時間を指定されて、待たされることもあります。そんな際にはビジターセンターを見学するのもよいでしょう。いずれにせよ、早い時間に駅まで下るのが無難です。
    白馬岳から黒部側の祖母谷温泉へ下るこのコースは、行程が長く、利用者も少ないですが、静かな山旅が楽しめる好コースです。 白馬山荘からほど近い稜線上に、清水岳への分岐の指導標があります。そこから下って、丸い岩山である旭岳の山腹の岩屑の道を行きます。鞍部には大きな雪田があり、紅ガラで指示されたとおりに進みます。雪田のあたりには、ハクサンコザクラやチングルマが咲き乱れています。 裏旭岳は、知らぬ間に通過して、ジグザグの道がハイマツ帯の中をどんどん下っていきます。小旭岳の南面を巻いて、やがてゆるやかな登りで清水平に入り、清水岳の広い山頂に着きます。途中小さなお花畑が散在し、また山頂付近に残雪がある時は、冷たい水も流れて、休憩にはうってつけの芭蕉です。剱、立山連峰や、遠く槍ヶ岳から後立山の鹿島槍、五竜岳、杓子岳へと続く山脈の眺めも素晴らしいです。 これから下る清水尾根のなだらかな尾根道は、池塘が点在し、秋ならナナカマドの真紅に燃えるような紅葉が、ことのほか美しいところ。また、清水尾根には、北アルプスではこのあたりだけで見られるミヤマハナシノブが咲いており、楽しい尾根道です。 視界の開けた清水尾根の稜線漫歩を楽しみながら下って行くと、やがて樹林帯に入ります。猫又峠で尾根の右側を行くようになると、まもなく不帰岳避難小屋。先に少し下ったところに水場もあります。 小屋から少し下るとクサリ場があり、樹林帯に入ると小さな水場があります。視界のきかない下りが続き、百貫山の鞍部に出て、いわゆる百貫ノ大下りになります。ジグザグの急坂をどんどん下り、やがて道は百貫山や名剣山の山腹を巻くように下っていきます。途中、1本のガラ沢と4本の沢をトラバースしますがが、残雪のある時は、慎重に通過するようにしましょう。 祖母谷の沢音がいちだんと大きく近づき、足場の悪い斜面をロープ伝いに下ったところが、名剣沢と祖母谷の出合いです。ここからダム工事用の車道となり、少し下ったところが、祖母谷温泉です。 祖母谷温泉は、内湯もあり、小屋の前に大きな露天風呂も造られています。川の中にも温泉が湧いているので、置いてあるスコップで穴を掘り、川の水を入れ、適当な湯加減にしてひと風呂浴びましょう。気分は格別ですが熱泉なので注意が必要です。時間が許すなら、ぜひ一泊していきましょう。 欅平へは、小屋の手前の鉄橋を渡り、対岸に造られている道路を行きます。名剣温泉をへて、40分ほどで黒部峡谷鉄道の欅平駅です。 なお、黒部峡谷鉄道は、シーズン中は混み合い、乗車時間を指定されて、待たされることもあります。そんな際にはビジターセンターを見学するのもよいでしょう。いずれにせよ、早い時間に駅まで下るのが無難です。
  • 白馬岳から唐松岳

    白馬岳から唐松岳

    白馬岳から唐松岳への縦走は、前半の天狗山荘まではなだらかなコースですが、後半には天狗ノ大下りや、岩場に鎖場や梯子などがある不帰キレットといった難路がある長丁場です。山の経験豊富なリーダーに従って歩きましょう。時間に余裕があれば、高山植物の豊富な楽しいコースでもあるので、天狗山荘で一泊するのもおすすめです。 白馬岳から杓子岳へは、丸山から大きな斜面をジグザグに下り、杓子岳の鞍部からは、またお花畑の中を登り詰めます。杓子岳は、山腹を巻くのが普通ですが、山頂へは鞍部から稜線伝いに岩屑の歩きにくい道を登って行きます。山頂は南北に伸び、信州側は絶壁になっています。 稜線を南に行き、途中から斜面を斜めに下ると、トラバース道と合流し、鑓ヶ岳の鞍部に出ます。鑓ヶ岳の登りは、最初はきつい登りですが、見かけほどには時間もかからず、小鑓の頭を通り、鑓ヶ岳の山頂へなだらかな登りが続きます。 山頂から岩屑のザクザクした道を下ると、鑓温泉への分岐点につきます。そこから平らな稜線を少し行くと、左に斜めに下るようになり、雪渓が残る時もあります。下りきったところが天狗平で、ほどなく天狗山荘に到着です。小屋の前には雪解けの冷たい水が流れ、高山植物の豊富なところで、山頂の小屋が混み合うシーズンでも、比較的ゆったりと過ごすことができます。 小屋の前から少し登れば稜線に出ます。天狗ノ頭から天狗ノ大下りまでは、丘の上を行くような稜線漫歩。高山植物や右手の剱岳を見ながらのんびり歩きましょう。 やがて、「天狗ノ大下り」と呼ばれる標高差300mの急な下りになりますが、近年は登山者が多く、シーズン中には、ここで渋滞による時間を取られることがあるので注意。下り口から岩を伝い、すぐ右下に下ります。クサリが取り付けてあり、ペンキマークでルートも指示されているので、焦らずゆっくり下っていきましょう。 不帰の一峰は稜線伝いに登ります。目前に、このコースの核心部である二峰の岩壁が垂直にそそり立っています。どこを登るのか、不安になりますが、取り付いてみると、足場や手掛かりはしっかりして、悪いところにはクサリが付けられています。落ちついて高度を上げれば、やがてアングルの橋を渡り、信州側に回り込みます。そして、岩壁をへつるようにして細いバンド状のところを行きますが、路肩の踏み抜きには十分に注意しましょう。また、ここでは対向者と行き交うことはできないので、十分先を確かめて行動したいところ。道は右に回り込んで岩場の中をマーキングに従って二峰の頂上に出ます。頂上は広いので、ここで一息つきましょう。 北峰から南峰へは、水平に近い道を越中側に巻き、少し登りjます。再び稜線を伝い、ハイマツの間を抜けると、三峰に到着です。唐松岳の頂上へもうひと登りです。 唐松岳の山頂からは、今来た不帰キレットの縦走路がよく見えます。また、ここからの五竜岳の威容は、堂々として、印象的です。直下には、唐松岳頂上山荘も見え、尾根を15分ほど下ればたど山荘につきます。
    白馬岳から唐松岳への縦走は、前半の天狗山荘まではなだらかなコースですが、後半には天狗ノ大下りや、岩場に鎖場や梯子などがある不帰キレットといった難路がある長丁場です。山の経験豊富なリーダーに従って歩きましょう。時間に余裕があれば、高山植物の豊富な楽しいコースでもあるので、天狗山荘で一泊するのもおすすめです。 白馬岳から杓子岳へは、丸山から大きな斜面をジグザグに下り、杓子岳の鞍部からは、またお花畑の中を登り詰めます。杓子岳は、山腹を巻くのが普通ですが、山頂へは鞍部から稜線伝いに岩屑の歩きにくい道を登って行きます。山頂は南北に伸び、信州側は絶壁になっています。 稜線を南に行き、途中から斜面を斜めに下ると、トラバース道と合流し、鑓ヶ岳の鞍部に出ます。鑓ヶ岳の登りは、最初はきつい登りですが、見かけほどには時間もかからず、小鑓の頭を通り、鑓ヶ岳の山頂へなだらかな登りが続きます。 山頂から岩屑のザクザクした道を下ると、鑓温泉への分岐点につきます。そこから平らな稜線を少し行くと、左に斜めに下るようになり、雪渓が残る時もあります。下りきったところが天狗平で、ほどなく天狗山荘に到着です。小屋の前には雪解けの冷たい水が流れ、高山植物の豊富なところで、山頂の小屋が混み合うシーズンでも、比較的ゆったりと過ごすことができます。 小屋の前から少し登れば稜線に出ます。天狗ノ頭から天狗ノ大下りまでは、丘の上を行くような稜線漫歩。高山植物や右手の剱岳を見ながらのんびり歩きましょう。 やがて、「天狗ノ大下り」と呼ばれる標高差300mの急な下りになりますが、近年は登山者が多く、シーズン中には、ここで渋滞による時間を取られることがあるので注意。下り口から岩を伝い、すぐ右下に下ります。クサリが取り付けてあり、ペンキマークでルートも指示されているので、焦らずゆっくり下っていきましょう。 不帰の一峰は稜線伝いに登ります。目前に、このコースの核心部である二峰の岩壁が垂直にそそり立っています。どこを登るのか、不安になりますが、取り付いてみると、足場や手掛かりはしっかりして、悪いところにはクサリが付けられています。落ちついて高度を上げれば、やがてアングルの橋を渡り、信州側に回り込みます。そして、岩壁をへつるようにして細いバンド状のところを行きますが、路肩の踏み抜きには十分に注意しましょう。また、ここでは対向者と行き交うことはできないので、十分先を確かめて行動したいところ。道は右に回り込んで岩場の中をマーキングに従って二峰の頂上に出ます。頂上は広いので、ここで一息つきましょう。 北峰から南峰へは、水平に近い道を越中側に巻き、少し登りjます。再び稜線を伝い、ハイマツの間を抜けると、三峰に到着です。唐松岳の頂上へもうひと登りです。 唐松岳の山頂からは、今来た不帰キレットの縦走路がよく見えます。また、ここからの五竜岳の威容は、堂々として、印象的です。直下には、唐松岳頂上山荘も見え、尾根を15分ほど下ればたど山荘につきます。
  • 唐松岳から八方尾根

    唐松岳から八方尾根

    唐松岳頂上山荘の南で五竜岳への縦走路と分かれ、八方尾根への下山道に入ります。尾根の南面をトラバースしていくことになりますが、この辺りはクロユリやシナノキンバイ等の高山植物の群生地です。 道は岩道で、途中崩れたところには板などが渡されています。岩道をしばらく行くと八方尾根の稜線に出ますが、残雪が多く、トラバース道が通行不能の時は、小屋の東から尾根(いわゆる冬期用登山道)を通ってここまで来ることになります。 道はすっかりなだらかな広い尾根を行くようになり、丸山の頂上に立ちます。丸山ケルンと呼ばれる大きなケルンがあります。周囲の展望が開け、白馬三山や不帰嶮の眺めの良いところで、ザックを下ろして休むのに良い場所です。このあたりはハイマツの中に道が何本もあり、丸山のピークの下でいずれも合流しています。 丸山のピークから下りは、左側は樹林帯、右側は上部が崩れたガラ場、下部が雪渓になっています。雪渓の下部まで下ることになりますが、この雪渓は「扇の雪渓」と呼ばれ、ここまでは八方ゴンドラ利用の日帰りハイカーが大勢遊びにくるので、賑わっていることが多いです。 道はダケカンバの林の中を行くのですが、その上部を上ノ樺、下部を下ノ樺と呼ばれています。樹林帯を抜けると、第3ケルンが稜線に立っており、北側の一段下に八方池があります。池の端には、白馬村飯森地区の鎮守の社の奥社があります。 池を一周して稜線に戻り、ザラ道を少し下ると、逗子開成高校の冬期遭難碑として建てられた大きなケルンがあるので、そこを左に折れて滑りやすい岩のゴロゴロした道をしばらく下ると、第2ケルンに到着です。ここには立派な水洗トイレがあり、その前を通って稜線を下るコースと、右に下りて雪田に沿って稜線の南面の中腹を行くコースに分かれます。しかしどちらも第1ケルンの八方池山荘で一緒になります。南面の中腹を行くコースは、湿原の中の整備された木道を行き、湿性帯の植物を見ながら歩くことができるのでおすすめです。 第1ケルンからは、グラートクワッドを利用して、黒菱平に下ることになりますが、草原の大斜面をジグザグに整備された道を歩くのも楽しいです。黒菱平からは、アルペンクワッドとゴンドラリフトアダムを乗り継いで八方に下ります。白馬駅には、タクシーか、旅館街の中を10分ほど歩いたところにあるバス停からバスに乗ってむかいましょう。
    唐松岳頂上山荘の南で五竜岳への縦走路と分かれ、八方尾根への下山道に入ります。尾根の南面をトラバースしていくことになりますが、この辺りはクロユリやシナノキンバイ等の高山植物の群生地です。 道は岩道で、途中崩れたところには板などが渡されています。岩道をしばらく行くと八方尾根の稜線に出ますが、残雪が多く、トラバース道が通行不能の時は、小屋の東から尾根(いわゆる冬期用登山道)を通ってここまで来ることになります。 道はすっかりなだらかな広い尾根を行くようになり、丸山の頂上に立ちます。丸山ケルンと呼ばれる大きなケルンがあります。周囲の展望が開け、白馬三山や不帰嶮の眺めの良いところで、ザックを下ろして休むのに良い場所です。このあたりはハイマツの中に道が何本もあり、丸山のピークの下でいずれも合流しています。 丸山のピークから下りは、左側は樹林帯、右側は上部が崩れたガラ場、下部が雪渓になっています。雪渓の下部まで下ることになりますが、この雪渓は「扇の雪渓」と呼ばれ、ここまでは八方ゴンドラ利用の日帰りハイカーが大勢遊びにくるので、賑わっていることが多いです。 道はダケカンバの林の中を行くのですが、その上部を上ノ樺、下部を下ノ樺と呼ばれています。樹林帯を抜けると、第3ケルンが稜線に立っており、北側の一段下に八方池があります。池の端には、白馬村飯森地区の鎮守の社の奥社があります。 池を一周して稜線に戻り、ザラ道を少し下ると、逗子開成高校の冬期遭難碑として建てられた大きなケルンがあるので、そこを左に折れて滑りやすい岩のゴロゴロした道をしばらく下ると、第2ケルンに到着です。ここには立派な水洗トイレがあり、その前を通って稜線を下るコースと、右に下りて雪田に沿って稜線の南面の中腹を行くコースに分かれます。しかしどちらも第1ケルンの八方池山荘で一緒になります。南面の中腹を行くコースは、湿原の中の整備された木道を行き、湿性帯の植物を見ながら歩くことができるのでおすすめです。 第1ケルンからは、グラートクワッドを利用して、黒菱平に下ることになりますが、草原の大斜面をジグザグに整備された道を歩くのも楽しいです。黒菱平からは、アルペンクワッドとゴンドラリフトアダムを乗り継いで八方に下ります。白馬駅には、タクシーか、旅館街の中を10分ほど歩いたところにあるバス停からバスに乗ってむかいましょう。
  • 白馬岳から朝日岳

    白馬岳から朝日岳

    白馬岳から朝日岳への縦走は、静かに花や山旅を楽しみながら歩く、魅力あるコースのひとつ。しかし、距離のあるコースなので、体調は万全を期して行きましょう。 白馬山頂で展望を楽しんだら、三国境に向かって出発します。馬ノ背と呼ばれる狭い尾根道を越えてザラ道を下ると、三国境に到着です。左側のガレた斜面は、コマクサの群生地になっています。もちろん、立ち入ることはできません。前方には、これから向かう雪倉、朝日と続く雄大な山並みが広がっています。 登山者の大部分が白馬大池方面に向かうのを見送って、左のザクザクの斜面をトラバース気味に下ります。やがて、ハイマツ帯の広い尾根を鉢ヶ岳の鞍郡に向かいますが、途中鉱山道への分岐を右に見ます。このあたりから、主稜線にはまったく見られないミヤママツムシソウの紫色の大きな花が、たくさん見られるようになります。 鉢ヶ岳の東斜面の巻き道を行きますが、この斜面も大きなお花畑です。振り返ると、小蓮華山に向かう稜線を歩く人影が、豆粒のように見えます。小さな沢を渡り、ザラ道のゆるい斜面を下ると、ブロック囲いの、小さな雪倉岳避難小屋に到着です。 雪倉岳は、ここからジグザグに尾根道を登ることになりますが、下から見上げたほどのこともなく、山頂に着くことができます。広い、ゆったりとした山頂で、振り返れば、白馬岳や旭岳が印象的です。また目前には、朝日岳が大きく広がっています。 山頂からはゆるい下りのザラ道の斜面を行きます。ガスで視界の悪い時は、慎重にルートを見定めましょう。道は稜線の右側に入り、滑りやすい岩尾根を下ると広いコルに出ます。ここから左に急なジグザグ道を一気に下ったところがツバメ平で、小さな沢が流れています。 縦走路は赤男山の巻き道に入ります。燕岩の不気味な岩崩れの下を横切り樹林帯を抜けると、水量豊富な沢に出ます。小桜ヶ原の入口で、木道ができています。小桜ヶ原の湿原には、ハクサンコザクラ、チングルマが咲き乱れ、ニホンカモシカを見ることもできます。 木道をしばらく歩くと、水平道の分岐に到着するので、朝日岳へは、樹林帯の中を直登します。しばらく登ると、コバイケイソウの群生する草原に出ます。再び道は樹林帯に入りますが、すぐ明るい尾根に飛び出ます。チングルマやニッコウキスゲの咲き乱れる草原をのんびり歩き、朝日岳の山頂に到着です。山頂は、ハイマツが点在し花が咲く、丘のような広いところなのでしばし休憩していきましょう。朝日小屋へは、西に稜線を40分ほどです。
    白馬岳から朝日岳への縦走は、静かに花や山旅を楽しみながら歩く、魅力あるコースのひとつ。しかし、距離のあるコースなので、体調は万全を期して行きましょう。 白馬山頂で展望を楽しんだら、三国境に向かって出発します。馬ノ背と呼ばれる狭い尾根道を越えてザラ道を下ると、三国境に到着です。左側のガレた斜面は、コマクサの群生地になっています。もちろん、立ち入ることはできません。前方には、これから向かう雪倉、朝日と続く雄大な山並みが広がっています。 登山者の大部分が白馬大池方面に向かうのを見送って、左のザクザクの斜面をトラバース気味に下ります。やがて、ハイマツ帯の広い尾根を鉢ヶ岳の鞍郡に向かいますが、途中鉱山道への分岐を右に見ます。このあたりから、主稜線にはまったく見られないミヤママツムシソウの紫色の大きな花が、たくさん見られるようになります。 鉢ヶ岳の東斜面の巻き道を行きますが、この斜面も大きなお花畑です。振り返ると、小蓮華山に向かう稜線を歩く人影が、豆粒のように見えます。小さな沢を渡り、ザラ道のゆるい斜面を下ると、ブロック囲いの、小さな雪倉岳避難小屋に到着です。 雪倉岳は、ここからジグザグに尾根道を登ることになりますが、下から見上げたほどのこともなく、山頂に着くことができます。広い、ゆったりとした山頂で、振り返れば、白馬岳や旭岳が印象的です。また目前には、朝日岳が大きく広がっています。 山頂からはゆるい下りのザラ道の斜面を行きます。ガスで視界の悪い時は、慎重にルートを見定めましょう。道は稜線の右側に入り、滑りやすい岩尾根を下ると広いコルに出ます。ここから左に急なジグザグ道を一気に下ったところがツバメ平で、小さな沢が流れています。 縦走路は赤男山の巻き道に入ります。燕岩の不気味な岩崩れの下を横切り樹林帯を抜けると、水量豊富な沢に出ます。小桜ヶ原の入口で、木道ができています。小桜ヶ原の湿原には、ハクサンコザクラ、チングルマが咲き乱れ、ニホンカモシカを見ることもできます。 木道をしばらく歩くと、水平道の分岐に到着するので、朝日岳へは、樹林帯の中を直登します。しばらく登ると、コバイケイソウの群生する草原に出ます。再び道は樹林帯に入りますが、すぐ明るい尾根に飛び出ます。チングルマやニッコウキスゲの咲き乱れる草原をのんびり歩き、朝日岳の山頂に到着です。山頂は、ハイマツが点在し花が咲く、丘のような広いところなのでしばし休憩していきましょう。朝日小屋へは、西に稜線を40分ほどです。