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検索結果1117件中
281-300件
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知床連山縦走
- 2泊3日
- 17時間40分
- 23.1km
知床連山縦走
- 2泊3日
- 17時間40分
- 23.1km
縦走路は羅臼岳と硫黄山を結んでいますが、利用が多いのは羅臼岳側からの縦走です。テントサイト(野営指定地)は羅臼平、三ツ峰、二ツ池、第一火口の4箇所で1泊2日から2泊3日の行程です。それぞれフードロッカー(食料保管庫)が設置されています。 羅臼温泉登山口~羅臼平までは羅臼温泉から羅臼岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 羅臼平の広場がテントサイトにもなっています。水場はないので、羅臼岳アタック時に岩清水で滴りを集めるか、銀冷水などから荷上げします。 雪田やタカネトウウチソウの道を抜けて三ツ峰キャンプ指定地に到着。二重稜線の中にあるサイトは風の影響を受けず快適です。二つの広場に挟まれた水場は雪融けや雨水が集められたもので7月下旬にはなくなってきます。南西斜面の雪田お花畑をぬけて黒いザレの道を登るとサシルイ岳の肩に着きます。7月中旬まで残る雪渓を下り、背の高いハイマツの通路を抜けてミクリ沼に出ますが、融雪や雨天時は道が水路になるので注意しましょう。 オッカバケ岳を登りきるとお花畑を前景に、硫黄山を背景に二ツ池が現れます。この風景を見るためだけに訪れる価値はあるでしょう。途中にロックガーデンを挟み、ハイマツの根や枝を渡る道を下れば二ツ池です。テントサイトのある地の池は滅多に涸れることはありませんが、天の池は早ければ7月には干上がることがあります。 ここまで二重稜線を辿ってきた縦走路は、南岳分岐から地形が変わります。古硫黄山の山体崩壊の外周部の底に硫黄平を見ながら巡る登山道はハイマツがかぶっている箇所が多いもののガンコウランやウラシマツツジなどの群落も多く、風衝地ではメアカンキンバイやシレトコスミレなどの姿を見るようになってきます。 知円別分岐で風景は一変します。ウブシノッタ川源頭部の草木のない黄色の崩落地形と白く変質した岩場の中の廊下が海や空の青に鮮やかです。落石だらけの斜面をトラバースをして中の廊下の痩せた尾根を渡り、コケシ岩の間をすり抜けます。第2前衛峰へはザレ場を降りてから7月上旬まで雪が残る急な上りとなります。前衛峰から硫黄山を横に見ながら岩場を下りて第一火口分岐へ。第一火口キャンプ指定地へは9月まで残る雪渓を降りてたどり着きます。 硫黄山へは第一火口分岐から火口のあるコルに一度降りてから崩落地形をトラバースして硫黄分岐から向かいます。硫黄分岐でカムイワッカ登山口からのコースに合流します。下山後の硫黄山登山口からカムイワッカ湯の滝の間の道道知床公園線の通行には事前に届け出が必要です。詳しくはカムイワッカ登山口から硫黄山へ(コースガイド)を参照してください。縦走路は羅臼岳と硫黄山を結んでいますが、利用が多いのは羅臼岳側からの縦走です。テントサイト(野営指定地)は羅臼平、三ツ峰、二ツ池、第一火口の4箇所で1泊2日から2泊3日の行程です。それぞれフードロッカー(食料保管庫)が設置されています。 羅臼温泉登山口~羅臼平までは羅臼温泉から羅臼岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 羅臼平の広場がテントサイトにもなっています。水場はないので、羅臼岳アタック時に岩清水で滴りを集めるか、銀冷水などから荷上げします。 雪田やタカネトウウチソウの道を抜けて三ツ峰キャンプ指定地に到着。二重稜線の中にあるサイトは風の影響を受けず快適です。二つの広場に挟まれた水場は雪融けや雨水が集められたもので7月下旬にはなくなってきます。南西斜面の雪田お花畑をぬけて黒いザレの道を登るとサシルイ岳の肩に着きます。7月中旬まで残る雪渓を下り、背の高いハイマツの通路を抜けてミクリ沼に出ますが、融雪や雨天時は道が水路になるので注意しましょう。 オッカバケ岳を登りきるとお花畑を前景に、硫黄山を背景に二ツ池が現れます。この風景を見るためだけに訪れる価値はあるでしょう。途中にロックガーデンを挟み、ハイマツの根や枝を渡る道を下れば二ツ池です。テントサイトのある地の池は滅多に涸れることはありませんが、天の池は早ければ7月には干上がることがあります。 ここまで二重稜線を辿ってきた縦走路は、南岳分岐から地形が変わります。古硫黄山の山体崩壊の外周部の底に硫黄平を見ながら巡る登山道はハイマツがかぶっている箇所が多いもののガンコウランやウラシマツツジなどの群落も多く、風衝地ではメアカンキンバイやシレトコスミレなどの姿を見るようになってきます。 知円別分岐で風景は一変します。ウブシノッタ川源頭部の草木のない黄色の崩落地形と白く変質した岩場の中の廊下が海や空の青に鮮やかです。落石だらけの斜面をトラバースをして中の廊下の痩せた尾根を渡り、コケシ岩の間をすり抜けます。第2前衛峰へはザレ場を降りてから7月上旬まで雪が残る急な上りとなります。前衛峰から硫黄山を横に見ながら岩場を下りて第一火口分岐へ。第一火口キャンプ指定地へは9月まで残る雪渓を降りてたどり着きます。 硫黄山へは第一火口分岐から火口のあるコルに一度降りてから崩落地形をトラバースして硫黄分岐から向かいます。硫黄分岐でカムイワッカ登山口からのコースに合流します。下山後の硫黄山登山口からカムイワッカ湯の滝の間の道道知床公園線の通行には事前に届け出が必要です。詳しくはカムイワッカ登山口から硫黄山へ(コースガイド)を参照してください。 -
羅臼湖
- 日帰り
- 2時間40分
- 5.2km
羅臼湖
- 日帰り
- 2時間40分
- 5.2km
入口は羅臼町と斜里町を結ぶ知床横断道路の途中にあります。羅臼湖入口バス停がありますから路線バスを利用するか、知床峠に駐車して徒歩や自転車でアクセスしてください。周辺は車両駐車禁止になっています。掲示板でルールや情報を確認して入林届を記載して出発しましょう。自然状態の道が大半ですし、場所によっては泥濘になりやすいのでルールに基づいて長靴を履いて道の中心を歩きましょう。靴を汚さないように道脇を踏み荒らしたり迂回することで植生帯は破壊されてしまいます。 入口付近は尾根に挟まれた地形のため低めのマツの森になっていますが、すぐにハイマツが出てきます。目梨望遥台に寄り道するとハイマツの尾根から国後島を望むことができます。歩道に戻ってすぐに二の沼。木道のテラスからはワタスゲの向こうに羅臼岳が見えます。テラスの突き当たりの斜面は7月上旬まで雪が残る雪田でお花畑になっておりチングルマなどを見ることができます。 歩道は丘を越えて三の沼の南岸に出ます。グレーチング(格子状の金属板)の歩道やテラスがあり湖面に映る羅臼岳を綺麗に見ることができるポイントです。湖岸を進むとやがて水面よりも低い高さを歩くようになるなど高層湿原となっているのがわかります。 ササの間の道から沢型を抜けて開けた湿原に入ります。乾燥化が進んできており、木道を更新する際には湿原の地中部に配慮した工法が取られています。途中のテラスでヒオウギアヤメやスゲ類に癒されながら木道を進みハイマツの林を抜けます。階段を上り平坦になったところに携帯トイレブーステントがあります。トイレのために道を外れて植生を痛めることのないよう、このブーステントを利用しましょう。使用済みの携帯トイレは歩道入口の回収ボックスに投棄できます。 もう一段登ると小さな四の沼です。水面のミツガシワやチシマミクリがよく見えます。木道を通り五の沼へ。ミズバショウが目立ちますがモウセンゴケも観察できます。沼を回り込むように進むと、開けたササ原の向こうに羅臼湖と知西別岳が望めるようになります。スゲ類の中の木道を進み羅臼湖畔の展望台に立ちましょう。知西別岳や天頂山に囲まれた静かな空間は季節によってカエルやカモ類の鳴き声で賑やかになります。 復路は同じ道を羅臼湖入口バス停まで戻ります。入口は羅臼町と斜里町を結ぶ知床横断道路の途中にあります。羅臼湖入口バス停がありますから路線バスを利用するか、知床峠に駐車して徒歩や自転車でアクセスしてください。周辺は車両駐車禁止になっています。掲示板でルールや情報を確認して入林届を記載して出発しましょう。自然状態の道が大半ですし、場所によっては泥濘になりやすいのでルールに基づいて長靴を履いて道の中心を歩きましょう。靴を汚さないように道脇を踏み荒らしたり迂回することで植生帯は破壊されてしまいます。 入口付近は尾根に挟まれた地形のため低めのマツの森になっていますが、すぐにハイマツが出てきます。目梨望遥台に寄り道するとハイマツの尾根から国後島を望むことができます。歩道に戻ってすぐに二の沼。木道のテラスからはワタスゲの向こうに羅臼岳が見えます。テラスの突き当たりの斜面は7月上旬まで雪が残る雪田でお花畑になっておりチングルマなどを見ることができます。 歩道は丘を越えて三の沼の南岸に出ます。グレーチング(格子状の金属板)の歩道やテラスがあり湖面に映る羅臼岳を綺麗に見ることができるポイントです。湖岸を進むとやがて水面よりも低い高さを歩くようになるなど高層湿原となっているのがわかります。 ササの間の道から沢型を抜けて開けた湿原に入ります。乾燥化が進んできており、木道を更新する際には湿原の地中部に配慮した工法が取られています。途中のテラスでヒオウギアヤメやスゲ類に癒されながら木道を進みハイマツの林を抜けます。階段を上り平坦になったところに携帯トイレブーステントがあります。トイレのために道を外れて植生を痛めることのないよう、このブーステントを利用しましょう。使用済みの携帯トイレは歩道入口の回収ボックスに投棄できます。 もう一段登ると小さな四の沼です。水面のミツガシワやチシマミクリがよく見えます。木道を通り五の沼へ。ミズバショウが目立ちますがモウセンゴケも観察できます。沼を回り込むように進むと、開けたササ原の向こうに羅臼湖と知西別岳が望めるようになります。スゲ類の中の木道を進み羅臼湖畔の展望台に立ちましょう。知西別岳や天頂山に囲まれた静かな空間は季節によってカエルやカモ類の鳴き声で賑やかになります。 復路は同じ道を羅臼湖入口バス停まで戻ります。 -
清岳荘登山口から斜里岳へ
- 日帰り
- 7時間20分
- 9.3km
清岳荘登山口から斜里岳へ
- 日帰り
- 7時間20分
- 9.3km
清里コースの入口の清岳荘は鉄筋コンクリート造りで水洗トイレも完備されています。沢の水量などを掲示物で確認しましょう。入林届のある登山口から自然観察林を通り林道に降り、そのまま進むと歴代の清岳荘が建っていた跡地に出ます。ここから登山道となり数分で最初の渡渉点。川底や石が赤くなっているのは鉄分が多いためで、藻やコケなどが生えずらくなっています。そのため、流れで洗われている所のほうが滑りません。仙人洞付近は7月上旬までスノーブリッジが残ることが多い場所です。下二股からは旧道を登りに、新道を下山時に使いましょう。 ここまでは河原の渡渉でしたが、旧道は滝の横を登っていくイメージとなります。下二股からすぐに水蓮ノ滝。ここから急な高巻で三重ノ滝手前から沢に戻ります。もっとも美しい羽衣ノ滝は右岸(下流から見上げて左側)がルートなので標識テープを見逃さないように。滝の上に出てからは簡単なクライミングで岩場を通過していきます。見上石の急登は土砂の崩れに注意。万丈ノ滝のロープを使用する際は安全確認を忘れずに。イワブキやキバナコマノツメを楽しみながら流れの脇を進むと見晴ノ滝が見えてきます。5mほどクライミングしてから振り返れば平野部の展望が広がり、まさに見晴ノ滝です。七重ノ滝を登り竜神ノ滝を見て、いよいよクライマックスの霊華ノ滝を登っていきます。右岸の水の流れのきわを階段状に登りましょう。滝らしいコースもここで終わり、道と沢歩きが交互に出てきて、流れも細くなって上二股に到着となります。 上二股の広場には携帯トイレブーステントがあります。使用済みの携帯トイレは清岳荘で協力金100円で回収してもらいましょう。 小川はすぐに終わり胸突八丁への急な登りが続きますが、振り返ると西別岳や摩周湖が遠望できるようになります。ガレ場を馬の背に登れば、海別岳の向こうに知床連山を見通すことができるようになり、斜里岳山頂も目前に迫っています。 斜里岳神社を過ぎた細いガレ場には季節替わりで貴重な高山植物が咲いていきます。ザレている急な登山道を登り切れば斜里岳山頂に到着大展望が広がります。 清里コースの下山は上二股まで戻ってから新道に入ります。事故防止のために旧道は下らないこと。ダケカンバやナナカマドの林を登り下りしていきます。林を抜けハイマツの尾根に登ると熊見峠までハイマツの稜線の中を縦走路のように道が伸びています。ハイマツで見通しがきかない熊見峠から下二股までは急な下りが続きます。掘れてしまった箇所が泥で滑りやすくなっていますが、整備が進められ歩きやすくなってきています。下二股からは再び渡渉を繰り返して清岳荘まで下山します。清里コースの入口の清岳荘は鉄筋コンクリート造りで水洗トイレも完備されています。沢の水量などを掲示物で確認しましょう。入林届のある登山口から自然観察林を通り林道に降り、そのまま進むと歴代の清岳荘が建っていた跡地に出ます。ここから登山道となり数分で最初の渡渉点。川底や石が赤くなっているのは鉄分が多いためで、藻やコケなどが生えずらくなっています。そのため、流れで洗われている所のほうが滑りません。仙人洞付近は7月上旬までスノーブリッジが残ることが多い場所です。下二股からは旧道を登りに、新道を下山時に使いましょう。 ここまでは河原の渡渉でしたが、旧道は滝の横を登っていくイメージとなります。下二股からすぐに水蓮ノ滝。ここから急な高巻で三重ノ滝手前から沢に戻ります。もっとも美しい羽衣ノ滝は右岸(下流から見上げて左側)がルートなので標識テープを見逃さないように。滝の上に出てからは簡単なクライミングで岩場を通過していきます。見上石の急登は土砂の崩れに注意。万丈ノ滝のロープを使用する際は安全確認を忘れずに。イワブキやキバナコマノツメを楽しみながら流れの脇を進むと見晴ノ滝が見えてきます。5mほどクライミングしてから振り返れば平野部の展望が広がり、まさに見晴ノ滝です。七重ノ滝を登り竜神ノ滝を見て、いよいよクライマックスの霊華ノ滝を登っていきます。右岸の水の流れのきわを階段状に登りましょう。滝らしいコースもここで終わり、道と沢歩きが交互に出てきて、流れも細くなって上二股に到着となります。 上二股の広場には携帯トイレブーステントがあります。使用済みの携帯トイレは清岳荘で協力金100円で回収してもらいましょう。 小川はすぐに終わり胸突八丁への急な登りが続きますが、振り返ると西別岳や摩周湖が遠望できるようになります。ガレ場を馬の背に登れば、海別岳の向こうに知床連山を見通すことができるようになり、斜里岳山頂も目前に迫っています。 斜里岳神社を過ぎた細いガレ場には季節替わりで貴重な高山植物が咲いていきます。ザレている急な登山道を登り切れば斜里岳山頂に到着大展望が広がります。 清里コースの下山は上二股まで戻ってから新道に入ります。事故防止のために旧道は下らないこと。ダケカンバやナナカマドの林を登り下りしていきます。林を抜けハイマツの尾根に登ると熊見峠までハイマツの稜線の中を縦走路のように道が伸びています。ハイマツで見通しがきかない熊見峠から下二股までは急な下りが続きます。掘れてしまった箇所が泥で滑りやすくなっていますが、整備が進められ歩きやすくなってきています。下二股からは再び渡渉を繰り返して清岳荘まで下山します。 -
三井登山口から斜里岳へ
- 日帰り
- 6時間40分
- 8.6km
三井登山口から斜里岳へ
- 日帰り
- 6時間40分
- 8.6km
多くの登山者が登る清里コースに比べて、登山者が少ないのでストックなどによる道の荒れもまだ顕著になっておらず、道脇にコケやお花が並ぶ昔ながらの幅の狭い登山道になっています。登山口までの林道にはエゾシカが農地に侵入するのを防ぐための防鹿柵がありますから、農業被害を防ぐためにゲートは確実に開閉してください。また、農作物の病気などを防ぐために周囲の畑や牧草地への立ち入りは厳禁です。 林道脇に駐車場と入林届があります。三井登山口からすぐに玉石沢の中を歩きます。沢とはいいますが、融雪時やよほどの大雨の後でなければ普段は水が流れることはありません。標識テープやペイントがたくさん設置されている沢出合から森の中に入ります。アカエゾマツやトドマツの巨木の森は徐々に傾斜が増していきます。木々の背が低くなってくると、尾根の上を歩いていることもわかるようになり、背後に斜里平野も見えてきます。ナナカマドやダケカンバの登山道は途中には休めるような広場はないので、ガマ岩はちょうど良い休憩ポイントです。 ハイマツも出てきて山頂も見えるようになり高くまで登ったことを感じますが、ここで再びダケカンバが現れます。積雪でねじ伏せられたダケカンバの下をくぐりぬけた先には急な斜面が現れますが、ここはロープを補助に登りきり、ハイマツの尾根に上がります。展望は一気に開け斜里平野からオホーツク海が一望できます。 ハイマツとコケモモに覆われた痩せた岩稜は切れ落ちた箇所もあるので滑落には注意が必要です。天狗岩にはトラバースするためにワイヤーがかかりますが、難しくはないので慎重に渡りましょう。 斜里岳は太平洋側の根釧原野とオホーツク海側の斜里平野の境目に位置するために、天気の境目でもあります。三井コースの尾根の上に立っていると、南からの温かい湿った空気とオホーツクからの冷たい風のせめぎ合いを感じるときがあります。 山頂直下は転石が多いので落石に注意が必要ですが、北壁の上に立つことになるので斜里岳でもっとも高度感のある場所です。慎重に進みましょう。低木のかぶっている登山道をくぐりぬけると、清里コースを登ってきた多くの登山者で賑やかな斜里岳山頂に到着です。 下山は、三井コースを三井登山口まで引き返します。多くの登山者が登る清里コースに比べて、登山者が少ないのでストックなどによる道の荒れもまだ顕著になっておらず、道脇にコケやお花が並ぶ昔ながらの幅の狭い登山道になっています。登山口までの林道にはエゾシカが農地に侵入するのを防ぐための防鹿柵がありますから、農業被害を防ぐためにゲートは確実に開閉してください。また、農作物の病気などを防ぐために周囲の畑や牧草地への立ち入りは厳禁です。 林道脇に駐車場と入林届があります。三井登山口からすぐに玉石沢の中を歩きます。沢とはいいますが、融雪時やよほどの大雨の後でなければ普段は水が流れることはありません。標識テープやペイントがたくさん設置されている沢出合から森の中に入ります。アカエゾマツやトドマツの巨木の森は徐々に傾斜が増していきます。木々の背が低くなってくると、尾根の上を歩いていることもわかるようになり、背後に斜里平野も見えてきます。ナナカマドやダケカンバの登山道は途中には休めるような広場はないので、ガマ岩はちょうど良い休憩ポイントです。 ハイマツも出てきて山頂も見えるようになり高くまで登ったことを感じますが、ここで再びダケカンバが現れます。積雪でねじ伏せられたダケカンバの下をくぐりぬけた先には急な斜面が現れますが、ここはロープを補助に登りきり、ハイマツの尾根に上がります。展望は一気に開け斜里平野からオホーツク海が一望できます。 ハイマツとコケモモに覆われた痩せた岩稜は切れ落ちた箇所もあるので滑落には注意が必要です。天狗岩にはトラバースするためにワイヤーがかかりますが、難しくはないので慎重に渡りましょう。 斜里岳は太平洋側の根釧原野とオホーツク海側の斜里平野の境目に位置するために、天気の境目でもあります。三井コースの尾根の上に立っていると、南からの温かい湿った空気とオホーツクからの冷たい風のせめぎ合いを感じるときがあります。 山頂直下は転石が多いので落石に注意が必要ですが、北壁の上に立つことになるので斜里岳でもっとも高度感のある場所です。慎重に進みましょう。低木のかぶっている登山道をくぐりぬけると、清里コースを登ってきた多くの登山者で賑やかな斜里岳山頂に到着です。 下山は、三井コースを三井登山口まで引き返します。 -
雄阿寒岳登山口から雄阿寒岳へ
- 日帰り
- 5時間50分
- 10.8km
雄阿寒岳登山口から雄阿寒岳へ
- 日帰り
- 5時間50分
- 10.8km
日本百名山では雄阿寒岳と雌阿寒岳の二つで「阿寒岳」という章を立てて記した深田久弥は、噴火活動中だったため雌阿寒岳に登ることはできず雄阿寒岳だけ登っています。 阿寒湖畔の雄阿寒岳登山口は水門施設を渡った所に入林届けがあります。阿寒湖畔からはじまり太郎湖、次郎湖の湖面をながめながらの登山道は、火山礫の積み重なりを苔や土壌が覆った針葉樹の森で、林床部も稚樹や地衣類が賑やかです。次郎湖までは季節によりハクサンシャクナゲやゴゼンタチバナを楽しみながらハイキングにも良いでしょう。 一合目からはいよいよ傾斜が出てきます。基本的には地形に合わせて道自体の傾斜はきつくはないですが、段差などが大きい箇所があります。注意して登りましょう。針葉樹の森の中を高度を上げていきますが、合目の刻み方が独特です。不均等なのでペース配分は合目の標識に頼らずに高度や時間などを各自で確認しながら行動したほうが良いでしょう。 急傾斜を登りきりハイマツも出てきた五合目で阿寒湖温泉や雌阿寒岳への展望がようやく開けます。 ダケカンバなどがかぶった登山道で一度下りになりますが、すぐにゆるやかな登りに転じ山体の上部の平坦面に出ます。ハイマツを縫って進むと八合目の気象観測所跡は広場になっています。 岩場状の地形を交えて下り九合目から登り返して、雄阿寒岳山頂となります。見下ろすと深い森に囲まれて一般には通行止めで人が訪れることのないペンケトーとパンケトーが眼下に見えます。元は一つの巨大な湖だったその真ん中に雄阿寒岳が噴火、隆起して阿寒湖とペンケトー、パンケトーに分けたことがわかるでしょう。 下山は同じ道を雄阿寒岳登山口まで戻ります。日本百名山では雄阿寒岳と雌阿寒岳の二つで「阿寒岳」という章を立てて記した深田久弥は、噴火活動中だったため雌阿寒岳に登ることはできず雄阿寒岳だけ登っています。 阿寒湖畔の雄阿寒岳登山口は水門施設を渡った所に入林届けがあります。阿寒湖畔からはじまり太郎湖、次郎湖の湖面をながめながらの登山道は、火山礫の積み重なりを苔や土壌が覆った針葉樹の森で、林床部も稚樹や地衣類が賑やかです。次郎湖までは季節によりハクサンシャクナゲやゴゼンタチバナを楽しみながらハイキングにも良いでしょう。 一合目からはいよいよ傾斜が出てきます。基本的には地形に合わせて道自体の傾斜はきつくはないですが、段差などが大きい箇所があります。注意して登りましょう。針葉樹の森の中を高度を上げていきますが、合目の刻み方が独特です。不均等なのでペース配分は合目の標識に頼らずに高度や時間などを各自で確認しながら行動したほうが良いでしょう。 急傾斜を登りきりハイマツも出てきた五合目で阿寒湖温泉や雌阿寒岳への展望がようやく開けます。 ダケカンバなどがかぶった登山道で一度下りになりますが、すぐにゆるやかな登りに転じ山体の上部の平坦面に出ます。ハイマツを縫って進むと八合目の気象観測所跡は広場になっています。 岩場状の地形を交えて下り九合目から登り返して、雄阿寒岳山頂となります。見下ろすと深い森に囲まれて一般には通行止めで人が訪れることのないペンケトーとパンケトーが眼下に見えます。元は一つの巨大な湖だったその真ん中に雄阿寒岳が噴火、隆起して阿寒湖とペンケトー、パンケトーに分けたことがわかるでしょう。 下山は同じ道を雄阿寒岳登山口まで戻ります。 -
雌阿寒温泉から雌阿寒岳へ
- 日帰り
- 3時間40分
- 5.9km
雌阿寒温泉から雌阿寒岳へ
- 日帰り
- 3時間40分
- 5.9km
傾斜や距離などのバランスがとれていて登りやすく、登山口近くに日帰り入浴もできる宿泊施設や水洗トイレのある公設駐車場があることも利用者の多い理由です。 車を利用する場合は登山口付近は見通しが悪いので駐停車せずに野中温泉の先の公設駐車場に向かい、トイレを済ませてから雌阿寒温泉登山口に向かいましょう。登山はアカエゾマツの純林からスタートします。入林届けのポストの周りには火山活動に関する諸注意の看板があるので、しっかりと確認してください。 きつい傾斜は一合目まで。二合目前後は林床部の苔が美しい針葉樹の森で、マツの根が階段状になっています。針葉樹の稚樹やゴゼンタチバナを楽しみながら進みます。ここまでは林内で日差しも風あたりも弱いですが、三合目からはハイマツ帯で、常に頭上が開いているので紫外線対策をしておきましょう。ハイマツの中の登山道は途中から水平となり展望が開けて大雪山系なども見えてきます。火砕流が流れた谷に降りて再び登り返すと、五合目までは展望のある岩場とハイマツのトンネルくぐりが繰り返されます。岩場ではメアカンキンバイやメアカンフスマ、イワブクロなどが咲き、登るにつれてオンネトーの湖面が広くなってくるのが見えて気分も盛り上がってきます。 六合目でハイマツ帯もほぼ終わりガンコウランなどの低矮小木群落に。七合目と八合目の間の岩の上の電気スタンドのようなものは火山活動で避難が必要な際に鳴らされるサイレンです。八合目までしか聞こえないため山頂には長居しないように等、登山口の看板に記されています。八合目前後はメアカンフスマなどの群生地ですが、登山道を外れたり写真撮影のために踏み込むなどで、随分とその数を失っています。 アマツバメが飛びまわる九合目からはいよいよ火口縁です。この先は風を遮るものがないので防風対策を。噴気の音にポンマチネシリ火口をのぞきこめばその底に赤沼が見えます。山頂までは火口の際ギリギリを進むので規制ロープを守り滑落しないように進みます。強風の時は風に体があおられて、山頂を目の前に諦めざるを得ないこともあります。なだらかな雌阿寒岳山頂からは噴気を上げる中マチネシリ火口と剣ヶ峰、阿寒湖と雄阿寒岳、遠く斜里岳や知床連山の姿も見られます。 復路は同じ道を雌阿寒温泉登山口まで下山します。傾斜や距離などのバランスがとれていて登りやすく、登山口近くに日帰り入浴もできる宿泊施設や水洗トイレのある公設駐車場があることも利用者の多い理由です。 車を利用する場合は登山口付近は見通しが悪いので駐停車せずに野中温泉の先の公設駐車場に向かい、トイレを済ませてから雌阿寒温泉登山口に向かいましょう。登山はアカエゾマツの純林からスタートします。入林届けのポストの周りには火山活動に関する諸注意の看板があるので、しっかりと確認してください。 きつい傾斜は一合目まで。二合目前後は林床部の苔が美しい針葉樹の森で、マツの根が階段状になっています。針葉樹の稚樹やゴゼンタチバナを楽しみながら進みます。ここまでは林内で日差しも風あたりも弱いですが、三合目からはハイマツ帯で、常に頭上が開いているので紫外線対策をしておきましょう。ハイマツの中の登山道は途中から水平となり展望が開けて大雪山系なども見えてきます。火砕流が流れた谷に降りて再び登り返すと、五合目までは展望のある岩場とハイマツのトンネルくぐりが繰り返されます。岩場ではメアカンキンバイやメアカンフスマ、イワブクロなどが咲き、登るにつれてオンネトーの湖面が広くなってくるのが見えて気分も盛り上がってきます。 六合目でハイマツ帯もほぼ終わりガンコウランなどの低矮小木群落に。七合目と八合目の間の岩の上の電気スタンドのようなものは火山活動で避難が必要な際に鳴らされるサイレンです。八合目までしか聞こえないため山頂には長居しないように等、登山口の看板に記されています。八合目前後はメアカンフスマなどの群生地ですが、登山道を外れたり写真撮影のために踏み込むなどで、随分とその数を失っています。 アマツバメが飛びまわる九合目からはいよいよ火口縁です。この先は風を遮るものがないので防風対策を。噴気の音にポンマチネシリ火口をのぞきこめばその底に赤沼が見えます。山頂までは火口の際ギリギリを進むので規制ロープを守り滑落しないように進みます。強風の時は風に体があおられて、山頂を目の前に諦めざるを得ないこともあります。なだらかな雌阿寒岳山頂からは噴気を上げる中マチネシリ火口と剣ヶ峰、阿寒湖と雄阿寒岳、遠く斜里岳や知床連山の姿も見られます。 復路は同じ道を雌阿寒温泉登山口まで下山します。 -
雌阿寒温泉から雌阿寒岳をへてオンネトーへ
- 日帰り
- 5時間30分
- 8.2km
雌阿寒温泉から雌阿寒岳をへてオンネトーへ
- 日帰り
- 5時間30分
- 8.2km
雌阿寒温泉登山口~雌阿寒岳までは雌阿寒温泉から雌阿寒岳へ(コースガイド)を参照してください。 雌阿寒岳の山頂からオンネトーコースに下りはじめると火口の中にきらめく丸い青沼の美しい姿に足を止めることになります。青沼と噴気、その背後に阿寒富士という構図を楽しみながら阿寒湖畔コースとの分岐を過ぎると、登山道は火口縁を外れて傾斜のきつい斜面を下りていきます。風向きによっては噴気が流れてきて喉に刺激を感じることもあるので注意。 八合目の分岐から阿寒富士へ進むと、砂礫と背の低いハイマツのコルに到着、足元が黒くザラザラとした細かい軽石(スコリア)に変わったら阿寒富士の登り口で、そこから急傾斜をジグザグに登っていきます。傾斜が緩くなるとすぐに阿寒富士山頂となり、ポンマチネシリ火口を望む景色は雌阿寒岳が火山であることを見せつけてくれます。同じ道をコルまで下りてからオンネトーコースに戻るには八合目の分岐点のほか、七合目にも分岐点があるので行きと帰りで使い分けができます。メアカンキンバイやメアカンフスマ、オンタデなどの他、コマクサも目にしますが、写真を撮るために登山道を外れて砂礫の斜面を崩して登っている足跡が目立ちます。土壌が崩れることで植物の根が露出するなどして環境が破壊されてしまうので、道を外れることのないように。 六合目のハイマツのトンネルをくぐり抜けると針葉樹林帯に入ります。同じような森ですが雌阿寒温泉コースに比べて傾斜はきつめで、大きな段差も多く四合目や三合目の標柱がある場所などでは転落に注意が必要です。火山の観測設備やケーブルなどが登山道沿線にあります。登山道の崩れや倒木で迂回路が設けられている箇所もありますが迷うことはありません。 二合目になると傾斜は緩くなります。一合目の半壊していた木製階段は撤去されましたが、土の道は滑りやすいので注意が必要です。小川を渡ると遊歩道となりオンネトー登山口に抜けます。「オンネトー」はアイヌ語でonne・to(老いている、親である・沼)の意味で、別名「五色沼」と呼ばれ、天気や見る角度で湖面の色を変えます。入林届けのポストは遊歩道の入口にあります。オンネトー野営場休憩舎のUPIオンネトーではトイレやコインシャワーが利用できるほか、アウトドア用品のレンタルなどもできます。 雌阿寒温泉登山口方面に戻るには、野営場を抜けてオンネトー東岸を回るハイキングコースを歩くか、展望施設がある西岸の車道を使いましょう。雌阿寒温泉登山口~雌阿寒岳までは雌阿寒温泉から雌阿寒岳へ(コースガイド)を参照してください。 雌阿寒岳の山頂からオンネトーコースに下りはじめると火口の中にきらめく丸い青沼の美しい姿に足を止めることになります。青沼と噴気、その背後に阿寒富士という構図を楽しみながら阿寒湖畔コースとの分岐を過ぎると、登山道は火口縁を外れて傾斜のきつい斜面を下りていきます。風向きによっては噴気が流れてきて喉に刺激を感じることもあるので注意。 八合目の分岐から阿寒富士へ進むと、砂礫と背の低いハイマツのコルに到着、足元が黒くザラザラとした細かい軽石(スコリア)に変わったら阿寒富士の登り口で、そこから急傾斜をジグザグに登っていきます。傾斜が緩くなるとすぐに阿寒富士山頂となり、ポンマチネシリ火口を望む景色は雌阿寒岳が火山であることを見せつけてくれます。同じ道をコルまで下りてからオンネトーコースに戻るには八合目の分岐点のほか、七合目にも分岐点があるので行きと帰りで使い分けができます。メアカンキンバイやメアカンフスマ、オンタデなどの他、コマクサも目にしますが、写真を撮るために登山道を外れて砂礫の斜面を崩して登っている足跡が目立ちます。土壌が崩れることで植物の根が露出するなどして環境が破壊されてしまうので、道を外れることのないように。 六合目のハイマツのトンネルをくぐり抜けると針葉樹林帯に入ります。同じような森ですが雌阿寒温泉コースに比べて傾斜はきつめで、大きな段差も多く四合目や三合目の標柱がある場所などでは転落に注意が必要です。火山の観測設備やケーブルなどが登山道沿線にあります。登山道の崩れや倒木で迂回路が設けられている箇所もありますが迷うことはありません。 二合目になると傾斜は緩くなります。一合目の半壊していた木製階段は撤去されましたが、土の道は滑りやすいので注意が必要です。小川を渡ると遊歩道となりオンネトー登山口に抜けます。「オンネトー」はアイヌ語でonne・to(老いている、親である・沼)の意味で、別名「五色沼」と呼ばれ、天気や見る角度で湖面の色を変えます。入林届けのポストは遊歩道の入口にあります。オンネトー野営場休憩舎のUPIオンネトーではトイレやコインシャワーが利用できるほか、アウトドア用品のレンタルなどもできます。 雌阿寒温泉登山口方面に戻るには、野営場を抜けてオンネトー東岸を回るハイキングコースを歩くか、展望施設がある西岸の車道を使いましょう。 -
川入口から飯豊山へ
- 1泊2日
- 16時間0分
- 20.9km
川入口から飯豊山へ
- 1泊2日
- 16時間0分
- 20.9km
車道は御沢野営場から大白布沢沿いに伸びていますが、橋を渡った右手、大杉がある御沢小屋跡から登山道に入ります。車道を直進するのは大滝遊歩道ですが、2022年8月豪雨により橋は流失し、登山道も荒れています。迷い込みに注意して下さい。 下十五里、中十五里、上十五里と巨杉が目印になる広場が設置されており、休憩場所には事欠きません。 横峰小屋跡のすぐ先で、小白布作業道を合わせます。林道飯豊桧枝岐線の途中から林道に入るのですが、入口で施錠されています。歩道は登山道として認められておらず、緊急時のみの使用となります。なお途中の水場は涸れていることもあります。 横峰小屋跡から尾根を忠実に登る道は廃道になっています。巻道の途中にある地蔵水場には、道脇に冷たい清水が湧いています。 地蔵山と三国岳の鞍部から僅かに登ると両手を使った三点支持が必要になります。「天狗ノ橇乗場」と呼ばれるタカツコ沢と七森沢の露出した岸壁に挟まれた岩稜です。両側は鋭く落ち込んでいます。コースを外さないように慎重に通過します。 1610mの岩に「水」のマークがありますが、足場が悪く渇水時には細くなるためお勧めしません。下りの時に迷い込まないで下さい。 正面の護摩壇を東から登ると弥平四郎口からの登山道と合流します。山頂を占めている小屋脇から大日岳の眺めが素敵です。 三国小屋と本山小屋のトイレは天水利用の水洗トイレです。自分が使用する水を持参しましょう。駒返しの梯子は一部が欠損しているので注意しましょう。七森は西から巻きます。簡単な岩場もあるので足元に注意しましょう。初夏には種蒔山東側の残雪で滑落する登山者もいます。 大日杉小屋から登ってくる登山道が合流し、広い砂礫地になると切合小屋に到着します。この先からは本格的なお花畑となっていきます。草履塚登りの残雪が消えると水が取れることもあります。新しい履物に履き替えたこの先は、神聖な飯豊山神社の境内です。 鞍部には石垣の中に姥権現が鎮座しており、女人禁制の時代を物語っています。信仰登山時代に肝試しをした御秘所も現在は鎖が設置されています。御前坂は騙されやすい二段構えの登りです。視界がない時、どこが登山道なのかわかりにくいが、緑の紐が地面に張ってあるので参考にして登降するのがよいでしょう。 高い石垣の一ノ王子の先で東側に26m下ると清水があるので、本山小屋に泊まる場合はここで汲んで行きましょう。初夏には水場が残雪に埋まっていることが多いので注意してください。 飯豊山神社と併設されている本山小屋で、管理人に宿泊の申し出をし、ザックを置いたら三角点まで出かけてみましょう。一等三角点の名前に恥じることない素晴らしい展望が待っています。 下山は往路を引き返します。車道は御沢野営場から大白布沢沿いに伸びていますが、橋を渡った右手、大杉がある御沢小屋跡から登山道に入ります。車道を直進するのは大滝遊歩道ですが、2022年8月豪雨により橋は流失し、登山道も荒れています。迷い込みに注意して下さい。 下十五里、中十五里、上十五里と巨杉が目印になる広場が設置されており、休憩場所には事欠きません。 横峰小屋跡のすぐ先で、小白布作業道を合わせます。林道飯豊桧枝岐線の途中から林道に入るのですが、入口で施錠されています。歩道は登山道として認められておらず、緊急時のみの使用となります。なお途中の水場は涸れていることもあります。 横峰小屋跡から尾根を忠実に登る道は廃道になっています。巻道の途中にある地蔵水場には、道脇に冷たい清水が湧いています。 地蔵山と三国岳の鞍部から僅かに登ると両手を使った三点支持が必要になります。「天狗ノ橇乗場」と呼ばれるタカツコ沢と七森沢の露出した岸壁に挟まれた岩稜です。両側は鋭く落ち込んでいます。コースを外さないように慎重に通過します。 1610mの岩に「水」のマークがありますが、足場が悪く渇水時には細くなるためお勧めしません。下りの時に迷い込まないで下さい。 正面の護摩壇を東から登ると弥平四郎口からの登山道と合流します。山頂を占めている小屋脇から大日岳の眺めが素敵です。 三国小屋と本山小屋のトイレは天水利用の水洗トイレです。自分が使用する水を持参しましょう。駒返しの梯子は一部が欠損しているので注意しましょう。七森は西から巻きます。簡単な岩場もあるので足元に注意しましょう。初夏には種蒔山東側の残雪で滑落する登山者もいます。 大日杉小屋から登ってくる登山道が合流し、広い砂礫地になると切合小屋に到着します。この先からは本格的なお花畑となっていきます。草履塚登りの残雪が消えると水が取れることもあります。新しい履物に履き替えたこの先は、神聖な飯豊山神社の境内です。 鞍部には石垣の中に姥権現が鎮座しており、女人禁制の時代を物語っています。信仰登山時代に肝試しをした御秘所も現在は鎖が設置されています。御前坂は騙されやすい二段構えの登りです。視界がない時、どこが登山道なのかわかりにくいが、緑の紐が地面に張ってあるので参考にして登降するのがよいでしょう。 高い石垣の一ノ王子の先で東側に26m下ると清水があるので、本山小屋に泊まる場合はここで汲んで行きましょう。初夏には水場が残雪に埋まっていることが多いので注意してください。 飯豊山神社と併設されている本山小屋で、管理人に宿泊の申し出をし、ザックを置いたら三角点まで出かけてみましょう。一等三角点の名前に恥じることない素晴らしい展望が待っています。 下山は往路を引き返します。 -
弥平四郎口から三国岳へ(松平峠コース・上ノ越コース)
- 日帰り
- 7時間40分
- 11.2km
弥平四郎口から三国岳へ(松平峠コース・上ノ越コース)
- 日帰り
- 7時間40分
- 11.2km
弥平四郎集落先で、山菜や茸の時期にゲートが閉じられていることもありますが、申し出れば開けてくれます。林道終点には広い駐車場が完備されており、移動式トイレも設置されています。 駐車場から車道を若干戻ると、弥平四郎登山口に大きな看板があります。ここから祓川に降りて橋を渡り、対岸の尾根末端に取り付きます。 河岸段丘に上がると、ブナ林の中に通年無人の祓川山荘があります。 ブナ林を快適に登って行きます。崩れている場所には巻道が設けられています。登る時、下だけを見てると迷う所があるので、確認しながら登っていきます。登山道が小沢を横切っている「十森」の水場でひと休みします。途中で当てにできる水場はここだけですし、三国小屋にも良い水場はないので留意しましょう。 林の中からトンネルを抜けるようにして松平峠に出ます。これから上の尾根道は裸地化しており、夏は日差しが照りつけます。栂峰や吾妻連峰が見えてきますが、双耳峰の磐梯山が分かりやすいです。 猪鼻は水場に下る踏み跡も藪に覆われ、標識もなくなりました。当てにしないでください。 疣岩山手前の疣岩分岐で上ノ越コースと合流します。疣岩山西側を横切って木立の中を進むと分岐があります。左に進むと小さな湿地「獅子沼」で踏み跡がなくなります。下山時には注意しましょう。 疣岩山々頂で大日岳から三国岳まで見渡せる展望を楽しみます。鞍部に下って登り返します。右手から登ってくる尾根の合流点に朽ちた道標が立っています。 小屋が近づくと、タカツコ沢源頭スラブ状岸壁の剣ヶ峰岩稜を登ってくる登山者達がシルエットになって、飯豊らしからぬ幻想的な風景を見せてくれます。三国岳山頂に立つ三国小屋で、川入口から登ってくる登山道と合流します。 下りは、疣岩分岐から県境尾根を下ります。巻岩山は山頂を知らずに通り過ぎ、道は一気に下り始めます。この登山道は比較的新しく整備されたものです。1297m峰からはキタゴヨウに替わって、ブナの大木が出てきます。 上ノ越から足元に注意して下ると、素晴らしいブナ達に吸い込まれます。振り返ればブナ林というよりも「ブナの森」と呼びたくなる神々しさが溢れています。ここを歩くだけでこの尾根を下る価値があります。 1082m峰を過ぎれば、後はナラの生える急坂を一気に下ります。最後に細い流れの小沢を渡れば、大きな看板の脇から弥平四郎登山口の駐車場に躍り出ます。弥平四郎集落先で、山菜や茸の時期にゲートが閉じられていることもありますが、申し出れば開けてくれます。林道終点には広い駐車場が完備されており、移動式トイレも設置されています。 駐車場から車道を若干戻ると、弥平四郎登山口に大きな看板があります。ここから祓川に降りて橋を渡り、対岸の尾根末端に取り付きます。 河岸段丘に上がると、ブナ林の中に通年無人の祓川山荘があります。 ブナ林を快適に登って行きます。崩れている場所には巻道が設けられています。登る時、下だけを見てると迷う所があるので、確認しながら登っていきます。登山道が小沢を横切っている「十森」の水場でひと休みします。途中で当てにできる水場はここだけですし、三国小屋にも良い水場はないので留意しましょう。 林の中からトンネルを抜けるようにして松平峠に出ます。これから上の尾根道は裸地化しており、夏は日差しが照りつけます。栂峰や吾妻連峰が見えてきますが、双耳峰の磐梯山が分かりやすいです。 猪鼻は水場に下る踏み跡も藪に覆われ、標識もなくなりました。当てにしないでください。 疣岩山手前の疣岩分岐で上ノ越コースと合流します。疣岩山西側を横切って木立の中を進むと分岐があります。左に進むと小さな湿地「獅子沼」で踏み跡がなくなります。下山時には注意しましょう。 疣岩山々頂で大日岳から三国岳まで見渡せる展望を楽しみます。鞍部に下って登り返します。右手から登ってくる尾根の合流点に朽ちた道標が立っています。 小屋が近づくと、タカツコ沢源頭スラブ状岸壁の剣ヶ峰岩稜を登ってくる登山者達がシルエットになって、飯豊らしからぬ幻想的な風景を見せてくれます。三国岳山頂に立つ三国小屋で、川入口から登ってくる登山道と合流します。 下りは、疣岩分岐から県境尾根を下ります。巻岩山は山頂を知らずに通り過ぎ、道は一気に下り始めます。この登山道は比較的新しく整備されたものです。1297m峰からはキタゴヨウに替わって、ブナの大木が出てきます。 上ノ越から足元に注意して下ると、素晴らしいブナ達に吸い込まれます。振り返ればブナ林というよりも「ブナの森」と呼びたくなる神々しさが溢れています。ここを歩くだけでこの尾根を下る価値があります。 1082m峰を過ぎれば、後はナラの生える急坂を一気に下ります。最後に細い流れの小沢を渡れば、大きな看板の脇から弥平四郎登山口の駐車場に躍り出ます。 -
弥平四郎口から三国岳へ(鏡山コース)
- 1泊2日
- 12時間40分
- 18.7km
弥平四郎口から三国岳へ(鏡山コース)
- 1泊2日
- 12時間40分
- 18.7km
四ッ沢コースは、弥平四郎集落端の橋を渡ってすぐに左折します。車は砂防ダムまで入れますが、狭い簡易舗装の車道は手入れされておらず、駐車スペースも2台程度しかありません。 登山口から杉林を抜け、小沢を何度か渡って四ッ沢を遡ります。三重滝沢が合流する所で、飛び石を伝って左側の本流に入りますが、踏み跡が判然しないので注意が必要です。対岸に渡り廊下状の右岸を進むと登山道が出てきます。 尾根に取り付いてさえしまえば、迷うことのない良い登山道になります。988m峰を東から巻いて、ブナに包まれた広場のような笹畑で弥生コースを合せます。 広くしっかりした登山道を進むと、「水場」の標識があります。登山道に近くて良い水場です。ここが最後の水場になります。 七森峰手前で県境尾根に出て、さらにブナ林を味わいながら登り、最後の急登で一汗かけば、綺麗に刈り払われた広い山頂に到着します。鏡山山頂は大日岳から飯豊山にかけての雄大な眺望が広がる一級の展望地です。 この先の登山道もしっかり手入れされており、さほど気にならない起伏を越えて行きます。 弥平四郎集落は川入集落と同じく木地の里であり、以前は七森や中ノ越などから県境尾根を越えて、大日岳から伸びる峰々で熊狩を行っていました。今も登山道脇にはクマがキタゴヨウの皮を剥いでかじったり、昆虫を探して倒木をあさった跡が散見される野性味あふれるコースです。 上ノ越で祓川から登ってくる登山道を合わせ、巻岩山や疣岩山を経て三国岳に向かいます。下山は往路を戻ります。 弥生集落から鏡山に登る場合、かつては林道終点から標高差僅か180mで笹畑まで登れましたが、林道が荒れてしまい、現在は弥平四郎から登るのが一般的になってしまいました。また、2022年8月の豪雨被害により徒歩含め通行禁止となっています。 弥生コースは弥平四郎集落に向かう途中から左折し、久良谷川沿いの車道を遡ります。弥生集落は地図から外れているので、予め国土地理院地形図等で確認をしておいて下さい。 人家を過ぎ沢沿いの車道を1.7km進んだ所に広い駐車場があり、ここで車両通行止めとなります。 林道終点から正面の尾根に取り付きますが、左の沢に入る踏み跡もあるので注意をしてください。快適なブナに包まれた登山道を登れば、笹畑で四ッ沢コースと合流します。四ッ沢コースは、弥平四郎集落端の橋を渡ってすぐに左折します。車は砂防ダムまで入れますが、狭い簡易舗装の車道は手入れされておらず、駐車スペースも2台程度しかありません。 登山口から杉林を抜け、小沢を何度か渡って四ッ沢を遡ります。三重滝沢が合流する所で、飛び石を伝って左側の本流に入りますが、踏み跡が判然しないので注意が必要です。対岸に渡り廊下状の右岸を進むと登山道が出てきます。 尾根に取り付いてさえしまえば、迷うことのない良い登山道になります。988m峰を東から巻いて、ブナに包まれた広場のような笹畑で弥生コースを合せます。 広くしっかりした登山道を進むと、「水場」の標識があります。登山道に近くて良い水場です。ここが最後の水場になります。 七森峰手前で県境尾根に出て、さらにブナ林を味わいながら登り、最後の急登で一汗かけば、綺麗に刈り払われた広い山頂に到着します。鏡山山頂は大日岳から飯豊山にかけての雄大な眺望が広がる一級の展望地です。 この先の登山道もしっかり手入れされており、さほど気にならない起伏を越えて行きます。 弥平四郎集落は川入集落と同じく木地の里であり、以前は七森や中ノ越などから県境尾根を越えて、大日岳から伸びる峰々で熊狩を行っていました。今も登山道脇にはクマがキタゴヨウの皮を剥いでかじったり、昆虫を探して倒木をあさった跡が散見される野性味あふれるコースです。 上ノ越で祓川から登ってくる登山道を合わせ、巻岩山や疣岩山を経て三国岳に向かいます。下山は往路を戻ります。 弥生集落から鏡山に登る場合、かつては林道終点から標高差僅か180mで笹畑まで登れましたが、林道が荒れてしまい、現在は弥平四郎から登るのが一般的になってしまいました。また、2022年8月の豪雨被害により徒歩含め通行禁止となっています。 弥生コースは弥平四郎集落に向かう途中から左折し、久良谷川沿いの車道を遡ります。弥生集落は地図から外れているので、予め国土地理院地形図等で確認をしておいて下さい。 人家を過ぎ沢沿いの車道を1.7km進んだ所に広い駐車場があり、ここで車両通行止めとなります。 林道終点から正面の尾根に取り付きますが、左の沢に入る踏み跡もあるので注意をしてください。快適なブナに包まれた登山道を登れば、笹畑で四ッ沢コースと合流します。 -
中津川口から大日杉・切合小屋へ
- 1泊2日
- 12時間20分
- 14.8km
中津川口から大日杉・切合小屋へ
- 1泊2日
- 12時間20分
- 14.8km
大日杉小屋前の広場で、登山道の方向を確認します。ザンゲ坂は、鎖が下がっている溝状の急登であり、慎重に進む必要があります。清涼で美味しい長之助清水は、歩道が崩落してしまったため、上からロープを使った巻道が作られています。これを利用して進みましょう。 御田は、杉の巨木が目印となる場所です。この周辺には藪に隠れた湿地があり、「小さな貝を米粒に見立てた」ことが地名の由来となっています。 ブナの木々に包まれながら順調に高度を上げ、地蔵岳に到着します。地蔵岳の標柱付近は窪んだ広場になっており、一段登ったところに山頂の三角点があります。ここからは目の前に飯豊山が聳え立ち、雄大な景色を堪能できます。地蔵岳から切合小屋への標高差は約200mですが、累積標高差は550mにも達するため、少し疲れを感じるかもしれません。 目洗清水は、標柱から急斜面を下り、湿地から藪を少し登り返したところに湧いています。残雪がある場合は滑落に注意が必要です。標柱のすぐ先には右手に草地が広がり、翼を広げたような飯豊山を仰ぎながら進むことができます。 灌木からダケカンバに変わると、雰囲気が一変し、小さな祠のある御坪に到着します。周辺は庭園のような美しい光景に包まれ、静かな時間が流れています。 御沢分れを直進して下ると、雪渓コースに入ります。晩夏には、下流で飯豊山の穴堰取水口を見ることができます。御沢雪渓は概ね7月中旬まで通行できますが、雪渓は浅いため年による変化が大きいので、事前に情報を確認しておくことをおすすめします。 下部は平坦な雪渓歩きが続きますが、切合小屋直前の源頭部では雪壁がそそり立ち、アイゼンやピッケルが必要となります。また、雪渓を下山する際は、御沢分れに上がる部分が分かりにくいため、注意が必要です。 御沢分れから左折してダケカンバの尾根道を登るのが一般的です。尾根筋にはダケカンバに混じって高山植物が見られ、春から夏にかけての美しい風景を楽しむことができます。 1 610m付近では、右手の小沢に下り、清涼な水が流れる美しい水場を横断します。ここでは高山植物も迎えてくれ、リフレッシュできる場所です。 登山道は種蒔山を北から巻いて進みますが、稜線直前の小沢は8月中旬まで急峻な残雪に覆われていることが多く、滑落事故が多発しています。もし通過する必要がある場合は、残雪手前から踏み跡をたどって残雪を巻くか、稜線の登山道まで直上する方法がありますが、標識がなく踏み跡も不確かなので注意が必要です。特に初めて下山する場合、ルートの確認が難しくなることがあります。 稜線に出ると、大日岳が姿を現し、川入からの登山道と合流して切合小屋に到着します。下山は往路を戻る形となりますが、慎重に進んでください。大日杉小屋前の広場で、登山道の方向を確認します。ザンゲ坂は、鎖が下がっている溝状の急登であり、慎重に進む必要があります。清涼で美味しい長之助清水は、歩道が崩落してしまったため、上からロープを使った巻道が作られています。これを利用して進みましょう。 御田は、杉の巨木が目印となる場所です。この周辺には藪に隠れた湿地があり、「小さな貝を米粒に見立てた」ことが地名の由来となっています。 ブナの木々に包まれながら順調に高度を上げ、地蔵岳に到着します。地蔵岳の標柱付近は窪んだ広場になっており、一段登ったところに山頂の三角点があります。ここからは目の前に飯豊山が聳え立ち、雄大な景色を堪能できます。地蔵岳から切合小屋への標高差は約200mですが、累積標高差は550mにも達するため、少し疲れを感じるかもしれません。 目洗清水は、標柱から急斜面を下り、湿地から藪を少し登り返したところに湧いています。残雪がある場合は滑落に注意が必要です。標柱のすぐ先には右手に草地が広がり、翼を広げたような飯豊山を仰ぎながら進むことができます。 灌木からダケカンバに変わると、雰囲気が一変し、小さな祠のある御坪に到着します。周辺は庭園のような美しい光景に包まれ、静かな時間が流れています。 御沢分れを直進して下ると、雪渓コースに入ります。晩夏には、下流で飯豊山の穴堰取水口を見ることができます。御沢雪渓は概ね7月中旬まで通行できますが、雪渓は浅いため年による変化が大きいので、事前に情報を確認しておくことをおすすめします。 下部は平坦な雪渓歩きが続きますが、切合小屋直前の源頭部では雪壁がそそり立ち、アイゼンやピッケルが必要となります。また、雪渓を下山する際は、御沢分れに上がる部分が分かりにくいため、注意が必要です。 御沢分れから左折してダケカンバの尾根道を登るのが一般的です。尾根筋にはダケカンバに混じって高山植物が見られ、春から夏にかけての美しい風景を楽しむことができます。 1 610m付近では、右手の小沢に下り、清涼な水が流れる美しい水場を横断します。ここでは高山植物も迎えてくれ、リフレッシュできる場所です。 登山道は種蒔山を北から巻いて進みますが、稜線直前の小沢は8月中旬まで急峻な残雪に覆われていることが多く、滑落事故が多発しています。もし通過する必要がある場合は、残雪手前から踏み跡をたどって残雪を巻くか、稜線の登山道まで直上する方法がありますが、標識がなく踏み跡も不確かなので注意が必要です。特に初めて下山する場合、ルートの確認が難しくなることがあります。 稜線に出ると、大日岳が姿を現し、川入からの登山道と合流して切合小屋に到着します。下山は往路を戻る形となりますが、慎重に進んでください。 -
飯豊トンネルから地蔵山をへて三国小屋へ
- 1泊2日
- 10時間5分
- 11.9km
飯豊トンネルから地蔵山をへて三国小屋へ
- 1泊2日
- 10時間5分
- 11.9km
飯豊トンネル脇から地蔵山までのコースを紹介します。トンネル脇には広い残土置き場がありますが、ここは駐車場ではなく、登山届箱のあるわずか数台のスペースに車を停めます。道路向い側の小沢が登山道入口です。 尾根道が斜面を絡むようになると、川入切合です。標高差にしてわずか200m足らず、峠ですが川入側の踏み跡は消えています。 コース一番の登りを終えると、五段山で大日杉からの登山道を合わせます。飯豊連峰では標柱の殆どがクマに齧られていますが、ここの標柱に至っては根本から食いちぎられてしまいました。 下りきった鞍部から北に踏み跡を下ると、崩壊地に水が滲み出ていますが、目印になる道標はありません。登りに差し掛かると、船窪状の細長い池があり、その先は深く掘れこんでいます。 ほぼ登りきった池塘に「牛ヶ岩山」の標識があります。展望はありませんが坪庭のように綺麗です。この先はしばらく池塘が点在します。下りきった鞍部にある池塘がオ豊ノ池です。 御前山は大した起伏でもないので、足元の標識に気づかなければ、知らずに通過してしまいます。最後はわずかに登って地蔵山になりますが、山頂には小さな池と小さな地蔵尊があるだけです。 以前は一段下った標柱のある広場が川入口登山道との合流点でした。血ノ池は旧道と共に藪に覆われています。広場からそのまま西に下ると、川入から登ってきた登山道と合流し、三国岳へと道は続きます。下山は往路を戻ります。 このコースには、さらに2本の登山道が繋がっています。五段山コースは比較的新しく拓かれた登山道であり、大日杉小屋を起点として白川源頭を周回できるのが魅力です。 小屋前の広場から南に進み、すぐに左手の川原に下ります。吊橋は放置されているので、膝下まで水に浸かって川を渡ります。道脇の清水を過ぎて、沢に下る直前、小屋の水源地から尾根に取り付きます。杉林を抜けてナラとブナが混在する山道を登って行くと、コブ山を過ぎた所に樹間から三国岳や飯豊山が見えます。ミズナラが根を張っている岩を過ぎ、一汗流せば傾斜が緩くなって五段山に到着します。 谷地平は以前素晴らしいブナ林でしたが、今は池と湿原が広がっているだけです。広河原からの西沢林道は閉鎖されており、五枚沢からの林道は通行止めになることが多く、飯豊トンネル北側からの林道もチェーンが張られており、登山口までのアクセスはよくありません。 登山口には役目を終えたような鉄製の登山届施設と道標が立っています。登山口からわずか数分で県境尾根となり、月夜岳まで登ってしまえば、ゆったりとブナ林の中を下って川入切合に到着します。飯豊トンネル脇から地蔵山までのコースを紹介します。トンネル脇には広い残土置き場がありますが、ここは駐車場ではなく、登山届箱のあるわずか数台のスペースに車を停めます。道路向い側の小沢が登山道入口です。 尾根道が斜面を絡むようになると、川入切合です。標高差にしてわずか200m足らず、峠ですが川入側の踏み跡は消えています。 コース一番の登りを終えると、五段山で大日杉からの登山道を合わせます。飯豊連峰では標柱の殆どがクマに齧られていますが、ここの標柱に至っては根本から食いちぎられてしまいました。 下りきった鞍部から北に踏み跡を下ると、崩壊地に水が滲み出ていますが、目印になる道標はありません。登りに差し掛かると、船窪状の細長い池があり、その先は深く掘れこんでいます。 ほぼ登りきった池塘に「牛ヶ岩山」の標識があります。展望はありませんが坪庭のように綺麗です。この先はしばらく池塘が点在します。下りきった鞍部にある池塘がオ豊ノ池です。 御前山は大した起伏でもないので、足元の標識に気づかなければ、知らずに通過してしまいます。最後はわずかに登って地蔵山になりますが、山頂には小さな池と小さな地蔵尊があるだけです。 以前は一段下った標柱のある広場が川入口登山道との合流点でした。血ノ池は旧道と共に藪に覆われています。広場からそのまま西に下ると、川入から登ってきた登山道と合流し、三国岳へと道は続きます。下山は往路を戻ります。 このコースには、さらに2本の登山道が繋がっています。五段山コースは比較的新しく拓かれた登山道であり、大日杉小屋を起点として白川源頭を周回できるのが魅力です。 小屋前の広場から南に進み、すぐに左手の川原に下ります。吊橋は放置されているので、膝下まで水に浸かって川を渡ります。道脇の清水を過ぎて、沢に下る直前、小屋の水源地から尾根に取り付きます。杉林を抜けてナラとブナが混在する山道を登って行くと、コブ山を過ぎた所に樹間から三国岳や飯豊山が見えます。ミズナラが根を張っている岩を過ぎ、一汗流せば傾斜が緩くなって五段山に到着します。 谷地平は以前素晴らしいブナ林でしたが、今は池と湿原が広がっているだけです。広河原からの西沢林道は閉鎖されており、五枚沢からの林道は通行止めになることが多く、飯豊トンネル北側からの林道もチェーンが張られており、登山口までのアクセスはよくありません。 登山口には役目を終えたような鉄製の登山届施設と道標が立っています。登山口からわずか数分で県境尾根となり、月夜岳まで登ってしまえば、ゆったりとブナ林の中を下って川入切合に到着します。 -
実川口から大日岳・飯豊山へ
- 2泊3日
- 20時間20分
- 22.8km
実川口から大日岳・飯豊山へ
- 2泊3日
- 20時間20分
- 22.8km
湯ノ島小屋は林道から左手のブナ林の中にあり、裏に小沢が流れ、静寂に包まれた通年無人の避難小屋です。 林道終点の取水ダム脇を直進してアシ沢に降り立ち、飛び石で渡り対岸の尾根末端から這い上がりますが、増水した場合は渡れません。また釣り人の踏み跡に迷い込まないでください。アシ沢の渡渉箇所はこれまで何度か変更されています。過去の資料に惑わされないよう注意が必要です。 対岸にある河岸段丘のブナ林から、尾根伝いに高度を稼いで行きます。月心清水は分岐からほぼ水平に東に進んだ小沢です。水場分岐に小さな石仏があります。水場から急斜面を登ると、目の前に櫛ヶ峰が聳えています。数カ所にロープが設置されていますが、古くなっているので注意しましょう。 一服平の広場には大江勝広記念碑が設置されています。鏡山から飯豊山に至る展望を望み、登高意欲が湧き上がります。 尾根は急傾斜と緩傾斜を繰り返して登って行きますが、道傍には玉葱のように幾重にも皮で覆われたタマネギ岩があります。 主尾根直下の急斜面はお花畑になっており、古い針金も残っています。櫛ガ峰北の鞍部は「早川ノ突キ上ゲ」と呼ばれています。 風化した花崗岩の登山道が高山の雰囲気が漂わせます。遠望すると、複数の山頂を持ち雪崩に磨かれた烏帽子山が印象的です。 鞍部を牛ヶ首と呼んでいます。御西岳方面から大日岳を望んだ時、山頂から連なるオンベマツ尾根を牛に見立てたのでしょう。 東側に絡んで急な草の斜面を越えます。主尾根は庇のように東面に被さっており、両手を使って岩を登ると、足元の登山道に穴が空いており、千尋の谷の上を歩いている気分になります。惣十郎清水は残雪がなくなると使えなくなります。 大日岳の山頂の標柱から僅かに東に進んだ場所からは、雄大な主稜線を見下ろすことができます。 西大日岳方向の踏み跡は現在藪が密生しており、雪田周辺の草原はクマ達の遊び場になっています。 湖面に映る大日岳の姿で写真集を飾った文平ノ池に下る付近は、裸地化が進んでいます。登り返しの途中、残雪によりコースが変わる二つの道付近は、チングルマなどの咲くお花畑です。 御西小屋で振り返ると、牛首山を従えた荘厳な大日岳が聳えています。ここからは、連峰随一の牧歌的なお花畑を辿り、飯豊山に向かいましょう。下山は往路を湯ノ島小屋まで引き返します。湯ノ島小屋は林道から左手のブナ林の中にあり、裏に小沢が流れ、静寂に包まれた通年無人の避難小屋です。 林道終点の取水ダム脇を直進してアシ沢に降り立ち、飛び石で渡り対岸の尾根末端から這い上がりますが、増水した場合は渡れません。また釣り人の踏み跡に迷い込まないでください。アシ沢の渡渉箇所はこれまで何度か変更されています。過去の資料に惑わされないよう注意が必要です。 対岸にある河岸段丘のブナ林から、尾根伝いに高度を稼いで行きます。月心清水は分岐からほぼ水平に東に進んだ小沢です。水場分岐に小さな石仏があります。水場から急斜面を登ると、目の前に櫛ヶ峰が聳えています。数カ所にロープが設置されていますが、古くなっているので注意しましょう。 一服平の広場には大江勝広記念碑が設置されています。鏡山から飯豊山に至る展望を望み、登高意欲が湧き上がります。 尾根は急傾斜と緩傾斜を繰り返して登って行きますが、道傍には玉葱のように幾重にも皮で覆われたタマネギ岩があります。 主尾根直下の急斜面はお花畑になっており、古い針金も残っています。櫛ガ峰北の鞍部は「早川ノ突キ上ゲ」と呼ばれています。 風化した花崗岩の登山道が高山の雰囲気が漂わせます。遠望すると、複数の山頂を持ち雪崩に磨かれた烏帽子山が印象的です。 鞍部を牛ヶ首と呼んでいます。御西岳方面から大日岳を望んだ時、山頂から連なるオンベマツ尾根を牛に見立てたのでしょう。 東側に絡んで急な草の斜面を越えます。主尾根は庇のように東面に被さっており、両手を使って岩を登ると、足元の登山道に穴が空いており、千尋の谷の上を歩いている気分になります。惣十郎清水は残雪がなくなると使えなくなります。 大日岳の山頂の標柱から僅かに東に進んだ場所からは、雄大な主稜線を見下ろすことができます。 西大日岳方向の踏み跡は現在藪が密生しており、雪田周辺の草原はクマ達の遊び場になっています。 湖面に映る大日岳の姿で写真集を飾った文平ノ池に下る付近は、裸地化が進んでいます。登り返しの途中、残雪によりコースが変わる二つの道付近は、チングルマなどの咲くお花畑です。 御西小屋で振り返ると、牛首山を従えた荘厳な大日岳が聳えています。ここからは、連峰随一の牧歌的なお花畑を辿り、飯豊山に向かいましょう。下山は往路を湯ノ島小屋まで引き返します。 -
長者原口から大グラ尾根をへて飯豊山へ
- 1泊2日
- 18時間35分
- 20.3km
長者原口から大グラ尾根をへて飯豊山へ
- 1泊2日
- 18時間35分
- 20.3km
登山口の天狗平からブナ林の砂利道を歩き、温身平で石転ビ沢コースを分けます。林道終点の砂防ダム手前から登山道に入りますが、終点からも上がることができます。 落合手前に足場の悪い所があり慎重に下ります。桧山沢の吊橋は毎秋踏み板を繋ぐワイヤーを取り外し春に架橋されます。期間外はスノーブリッジを渡るか渡渉を余儀なくされます。 吊橋から休場ノ峰までは920mを一気に登り詰めます。途中の池ノ平を過ぎた所に長坂清水があります。右手の小沢に降りた所に湧いていますが、涸れることもあります。 コメツガが出てきても急登は続きます。飯豊連峰の針葉樹は痩せ尾根にキタゴヨウが連なっているのですが、大グラ尾根上部にだけはコメツガが生育しています。これは日本海から吹きつける季節風を、主稜が遮っているからだと言われています。 休場ノ峰に立つとそれまでと一変し、展望が広がり、目の前には累々と峰々が聳えています。切歯尾根の別称がある大グラ尾根の本領発揮です。 千本峰の道標は樹林の中にあります。千本峰から下る所は岩場になっており、短いですが後ろ向きの三点支持が必要です。1499m峰は西側から巻いて宝珠山の登りに取り掛かります。 宝珠山の肩に道標が倒れています。この付近から高山植物が姿を見せます。山頂は東側を通過します。初夏は残雪が道を覆うので滑落事故も発生しています。足元が切れた岩場もあり、雪が消えて伸びた草が曲がった灌木を隠して滑りやすくなっています。この尾根は体力だけでなく技術的にも上級コースなのです。 1830m峰山頂の岩稜は居心地が良く、飯豊山から北股岳に至る主稜の展望は疲れを忘れさせてくれます。 さらに幾つか峰を越えて、御前坂に取り付きます。下山の場合、1870m付近で右折せずに、そのままガレ場を下ったり、1830mで左折する所を真っ直ぐ大岩沢に下ってしまう登山者がいます。一人が間違うと踏み跡ができて次々に迷い込んでしまうので十分な注意が必要です。 1890m付近まで登ると乾性のお花畑になります。登山道から斜め上に枝道が幾つも出ているように見えますが、これは周氷河地形によく見られる構造土です。迷い込まないでください。 人の声が聞こえるようになればまもなく飯豊山頂です。早朝から歩き始めて相当に疲れているはずです。それでも大グラ尾根に挑む健脚者です。本山小屋泊も良いですが、御西小屋まで足を伸ばす登山者も少なくありません。ただし山小屋にはあまり遅くならないうちに着くようにしましょう。 下山は往路を戻ります。登山口の天狗平からブナ林の砂利道を歩き、温身平で石転ビ沢コースを分けます。林道終点の砂防ダム手前から登山道に入りますが、終点からも上がることができます。 落合手前に足場の悪い所があり慎重に下ります。桧山沢の吊橋は毎秋踏み板を繋ぐワイヤーを取り外し春に架橋されます。期間外はスノーブリッジを渡るか渡渉を余儀なくされます。 吊橋から休場ノ峰までは920mを一気に登り詰めます。途中の池ノ平を過ぎた所に長坂清水があります。右手の小沢に降りた所に湧いていますが、涸れることもあります。 コメツガが出てきても急登は続きます。飯豊連峰の針葉樹は痩せ尾根にキタゴヨウが連なっているのですが、大グラ尾根上部にだけはコメツガが生育しています。これは日本海から吹きつける季節風を、主稜が遮っているからだと言われています。 休場ノ峰に立つとそれまでと一変し、展望が広がり、目の前には累々と峰々が聳えています。切歯尾根の別称がある大グラ尾根の本領発揮です。 千本峰の道標は樹林の中にあります。千本峰から下る所は岩場になっており、短いですが後ろ向きの三点支持が必要です。1499m峰は西側から巻いて宝珠山の登りに取り掛かります。 宝珠山の肩に道標が倒れています。この付近から高山植物が姿を見せます。山頂は東側を通過します。初夏は残雪が道を覆うので滑落事故も発生しています。足元が切れた岩場もあり、雪が消えて伸びた草が曲がった灌木を隠して滑りやすくなっています。この尾根は体力だけでなく技術的にも上級コースなのです。 1830m峰山頂の岩稜は居心地が良く、飯豊山から北股岳に至る主稜の展望は疲れを忘れさせてくれます。 さらに幾つか峰を越えて、御前坂に取り付きます。下山の場合、1870m付近で右折せずに、そのままガレ場を下ったり、1830mで左折する所を真っ直ぐ大岩沢に下ってしまう登山者がいます。一人が間違うと踏み跡ができて次々に迷い込んでしまうので十分な注意が必要です。 1890m付近まで登ると乾性のお花畑になります。登山道から斜め上に枝道が幾つも出ているように見えますが、これは周氷河地形によく見られる構造土です。迷い込まないでください。 人の声が聞こえるようになればまもなく飯豊山頂です。早朝から歩き始めて相当に疲れているはずです。それでも大グラ尾根に挑む健脚者です。本山小屋泊も良いですが、御西小屋まで足を伸ばす登山者も少なくありません。ただし山小屋にはあまり遅くならないうちに着くようにしましょう。 下山は往路を戻ります。 -
長者原口から石転ビ沢をへて北股岳へ
- 1泊2日
- 14時間40分
- 17.1km
長者原口から石転ビ沢をへて北股岳へ
- 1泊2日
- 14時間40分
- 17.1km
天狗平から林道を進み、温身平の十字路で右折すると、目的地の梅花皮小屋と北股岳が遠望できます。 梶川出合直前は高巻きになっています。川沿いは落石のリスクがあります。雪渓の状態が悪い時はルート選定に苦慮します。 石転ビノ出合は梅花皮沢が門内沢と石転ビ沢に分かれる広々とした場所です。門内沢の奥に門内小屋、石転ビ沢の先には梅花皮小屋が望めます。 雪渓が安定していれば合流点の下流を横断して右岸の水場で休みます。雪渓が不安定になったら門内沢の雪渓を横断して石転ビ沢に入り、石転ビ沢を渡渉します。門内沢が露出したら渡渉して石転ビ沢に入ります。中途半端な状態の時は、ルート判断に苦慮する場所です。 右岸から入る小沢の先で、切り立った雪渓に上がるのに苦労することもあります。 ホン石転ビ沢対岸にある枝沢合流点の上流は落石が少ない所です。この先は傾斜がきつくなり落石も頻繁になるのでアイゼンを装着し、ヘルメットを被って出発します。 盛夏になると北股沢出合に清水が露出します。この清水も落石の確率が低い所です。ここから傾斜がきつくなります。誤って北股沢や北股岳に向かって登ってしまい遭難する事例が後を絶ちません。 黒滝から上部は漏斗状に雪渓が広がっており、上部で発生した落石はここに集中。北股沢出合に落下します。 黒滝から上は雪渓の状態でルートが変わります。雪渓が安定している時は直接中ノ島に向かいます。登山道に上がってから落石を起こさないように十分注意することが必要です。 雪渓が薄くなれば左岸沿いに登って小尾根の踏み跡を登り、大岩の上で小沢を横切り中ノ島の登山道に上がります。 中ノ島でも油断はできません。中ノ島上部の登山道には落石が開けた直径30cmほどの穴が点在していることもあります。 最上部で小沢を横断しますが、コース上の最大傾斜箇所であり、滑落事故が多発しています。アイゼンを再装着しピッケルを構えて慎重に通過します。 踏み跡を直上すると、突然梅花皮小屋が現れます。最後の残雪を踏みしめれば梅花皮小屋です。 梅花皮小屋付近は十文字鞍部と言われ、飯豊連峰で最も多彩な高山植物が咲き乱れ、水も豊富です。石転ビ沢を見下ろしながら、北股岳まで登りましょう。山頂には杁差岳から飯豊山まで、飯豊連峰の大展望が待っています。 帰路は同じ道を下山します。天狗平から林道を進み、温身平の十字路で右折すると、目的地の梅花皮小屋と北股岳が遠望できます。 梶川出合直前は高巻きになっています。川沿いは落石のリスクがあります。雪渓の状態が悪い時はルート選定に苦慮します。 石転ビノ出合は梅花皮沢が門内沢と石転ビ沢に分かれる広々とした場所です。門内沢の奥に門内小屋、石転ビ沢の先には梅花皮小屋が望めます。 雪渓が安定していれば合流点の下流を横断して右岸の水場で休みます。雪渓が不安定になったら門内沢の雪渓を横断して石転ビ沢に入り、石転ビ沢を渡渉します。門内沢が露出したら渡渉して石転ビ沢に入ります。中途半端な状態の時は、ルート判断に苦慮する場所です。 右岸から入る小沢の先で、切り立った雪渓に上がるのに苦労することもあります。 ホン石転ビ沢対岸にある枝沢合流点の上流は落石が少ない所です。この先は傾斜がきつくなり落石も頻繁になるのでアイゼンを装着し、ヘルメットを被って出発します。 盛夏になると北股沢出合に清水が露出します。この清水も落石の確率が低い所です。ここから傾斜がきつくなります。誤って北股沢や北股岳に向かって登ってしまい遭難する事例が後を絶ちません。 黒滝から上部は漏斗状に雪渓が広がっており、上部で発生した落石はここに集中。北股沢出合に落下します。 黒滝から上は雪渓の状態でルートが変わります。雪渓が安定している時は直接中ノ島に向かいます。登山道に上がってから落石を起こさないように十分注意することが必要です。 雪渓が薄くなれば左岸沿いに登って小尾根の踏み跡を登り、大岩の上で小沢を横切り中ノ島の登山道に上がります。 中ノ島でも油断はできません。中ノ島上部の登山道には落石が開けた直径30cmほどの穴が点在していることもあります。 最上部で小沢を横断しますが、コース上の最大傾斜箇所であり、滑落事故が多発しています。アイゼンを再装着しピッケルを構えて慎重に通過します。 踏み跡を直上すると、突然梅花皮小屋が現れます。最後の残雪を踏みしめれば梅花皮小屋です。 梅花皮小屋付近は十文字鞍部と言われ、飯豊連峰で最も多彩な高山植物が咲き乱れ、水も豊富です。石転ビ沢を見下ろしながら、北股岳まで登りましょう。山頂には杁差岳から飯豊山まで、飯豊連峰の大展望が待っています。 帰路は同じ道を下山します。 -
長者原口から梶川尾根をへて門内岳へ
- 1泊2日
- 13時間20分
- 13.4km
長者原口から梶川尾根をへて門内岳へ
- 1泊2日
- 13時間20分
- 13.4km
天狗平をスタートし、湯沢の橋を渡った所が梶川尾根の登山口です。いきなり両手を使った松尾根の急登が始まります。 湯沢峰で飯豊山から北股岳に連なる主稜と対面します。滝見場の標柱から南にわずか進むと、樹間から勇壮な梅花皮滝を見下ろし、眼前には石転ビ沢大雪渓がそびえています。 下山時は五郎清水の広場で登山道と水場道を確認して下さい。水場は2箇所あります。岩を越える奥の水場は、岩の亀裂から水が吹き出しています。体力に合せて水場を選んでください。 ダケカンバの間から眺める石転ビ沢は絵画のようです。振り返ると朝日連峰が励ましてくれます。 梶川峰で急登から開放され、なだらかな山稜は、本格的な高山植物のお花畑となっていきます。 標高1750mから1800mにかけて、土のうや椰子ネットの登山道保全施設が多数設置されています。足元の白いロープから踏み出さないように歩きましょう。 扇ノ地紙の広場から北に下っているのは廃道、正面の一段高い分岐は頂稜の縦走路です。南に伸びている道を進みます。 門内小屋周辺は二重山稜になっており、船窪の底に小さな池があります。門内小屋は残雪の縮小によって水場が変わって行きます。小屋の管理人が立てる小さな旗に従いましょう。残雪がなくなる頃に姿を現す門内清水は、最低鞍部から東側の主稜を越えて左に下った所にあります。 小屋の裏が祠のある門内岳です。ギルダ原に聳える北股岳を満喫したら扇ノ地紙に戻り、日本海と前衛山塊である二王子岳を見下ろしながら北に向かいます。地神北峰からは飯豊連峰北端の杁差岳に連なる主稜を見下ろします。下りたくなくなる雄大な眺めです。 丸森尾根最上部の登山道は、尾根の南側を通っているために、梶川尾根が邪魔をして全体として展望は良くありません。ガレ場のような石原に続いて、浸食が進んだ登山道が現れます。 丸森峰で高山帯が終わり、灌木帯の中に突入します。山麓から仰いだ時に、この灌木帯が丸く盛り上がっているので丸森峰の名があります。登山道が掘れ枝を掴んで下る所も少なくありません。 ブナが出てくると夫婦清水に到着します。水場は登山道からわずかに南に進んだ小沢です。 丸森尾根の問題箇所は、765m峰からの岩稜です。部分的には後ろ向きになって三点支持をしながら下ることになります。鎖やロープは設置していないので、慎重に下ってください。 最後は天狗平の登山届出箱の脇に降り立ちます。ちょうど天狗平ロッジの入口、飯豊山荘の正面です。天狗平をスタートし、湯沢の橋を渡った所が梶川尾根の登山口です。いきなり両手を使った松尾根の急登が始まります。 湯沢峰で飯豊山から北股岳に連なる主稜と対面します。滝見場の標柱から南にわずか進むと、樹間から勇壮な梅花皮滝を見下ろし、眼前には石転ビ沢大雪渓がそびえています。 下山時は五郎清水の広場で登山道と水場道を確認して下さい。水場は2箇所あります。岩を越える奥の水場は、岩の亀裂から水が吹き出しています。体力に合せて水場を選んでください。 ダケカンバの間から眺める石転ビ沢は絵画のようです。振り返ると朝日連峰が励ましてくれます。 梶川峰で急登から開放され、なだらかな山稜は、本格的な高山植物のお花畑となっていきます。 標高1750mから1800mにかけて、土のうや椰子ネットの登山道保全施設が多数設置されています。足元の白いロープから踏み出さないように歩きましょう。 扇ノ地紙の広場から北に下っているのは廃道、正面の一段高い分岐は頂稜の縦走路です。南に伸びている道を進みます。 門内小屋周辺は二重山稜になっており、船窪の底に小さな池があります。門内小屋は残雪の縮小によって水場が変わって行きます。小屋の管理人が立てる小さな旗に従いましょう。残雪がなくなる頃に姿を現す門内清水は、最低鞍部から東側の主稜を越えて左に下った所にあります。 小屋の裏が祠のある門内岳です。ギルダ原に聳える北股岳を満喫したら扇ノ地紙に戻り、日本海と前衛山塊である二王子岳を見下ろしながら北に向かいます。地神北峰からは飯豊連峰北端の杁差岳に連なる主稜を見下ろします。下りたくなくなる雄大な眺めです。 丸森尾根最上部の登山道は、尾根の南側を通っているために、梶川尾根が邪魔をして全体として展望は良くありません。ガレ場のような石原に続いて、浸食が進んだ登山道が現れます。 丸森峰で高山帯が終わり、灌木帯の中に突入します。山麓から仰いだ時に、この灌木帯が丸く盛り上がっているので丸森峰の名があります。登山道が掘れ枝を掴んで下る所も少なくありません。 ブナが出てくると夫婦清水に到着します。水場は登山道からわずかに南に進んだ小沢です。 丸森尾根の問題箇所は、765m峰からの岩稜です。部分的には後ろ向きになって三点支持をしながら下ることになります。鎖やロープは設置していないので、慎重に下ってください。 最後は天狗平の登山届出箱の脇に降り立ちます。ちょうど天狗平ロッジの入口、飯豊山荘の正面です。 -
大石口から権内尾根をへて朳差岳へ
- 1泊2日
- 15時間15分
- 22.2km
大石口から権内尾根をへて朳差岳へ
- 1泊2日
- 15時間15分
- 22.2km
東屋のある彫刻公園のゲートから林道歩きになります。飯豊山の林道では夏になるとイヨシロオビアブが発生するので留意してください。 林道終点から先は水場がありません。東俣第一橋を渡り、尾根に取り付き月夜平のブナ林からキタゴヨウの尾根を登ります。そのまま直登する踏み跡がありましたが、今は藪化して道標も設置されています。再度沢近くに降りて、第二橋を渡ると本格的な登りになります。 780m地点のブナの木に「水」と彫られていますが、沢に下っても水を得られたことはありません。 カモスノ頭で大石ダムから続く主尾根に出て、ここからは幾つもの起伏を越えながら進むことになります。 権内ノ峰に登ると行く手に前朳差岳が広がり、元気をくれます。千本峰の山頂から西へ下る刈払道がありますが、雨量観測施設に行く道です。 何度登ってもうんざりするのが前朳差岳です。標高差454mは仕方がないとしても、山頂まで何度も騙されてしまいます。前朳差岳から朳差岳が姿を現し、付近は高山帯の気分が漂います。長者平は池塘が点在する雲上の楽園です。道を外れた踏み跡の先に開拓期の名案内人で千代吉沢に名前を留める高橋千代吉碑があります。長者平から朳差岳の間は、頂稜を辿るように変わっています。 朳差岳の山頂には祠が設置されており、遮るもののない素晴らしい展望が広がっています。朳差小屋は山頂のすぐ下にあり、水場は残雪がなくなるとかなり降ることになります。 下山は往路と同じ道を戻ります。東屋のある彫刻公園のゲートから林道歩きになります。飯豊山の林道では夏になるとイヨシロオビアブが発生するので留意してください。 林道終点から先は水場がありません。東俣第一橋を渡り、尾根に取り付き月夜平のブナ林からキタゴヨウの尾根を登ります。そのまま直登する踏み跡がありましたが、今は藪化して道標も設置されています。再度沢近くに降りて、第二橋を渡ると本格的な登りになります。 780m地点のブナの木に「水」と彫られていますが、沢に下っても水を得られたことはありません。 カモスノ頭で大石ダムから続く主尾根に出て、ここからは幾つもの起伏を越えながら進むことになります。 権内ノ峰に登ると行く手に前朳差岳が広がり、元気をくれます。千本峰の山頂から西へ下る刈払道がありますが、雨量観測施設に行く道です。 何度登ってもうんざりするのが前朳差岳です。標高差454mは仕方がないとしても、山頂まで何度も騙されてしまいます。前朳差岳から朳差岳が姿を現し、付近は高山帯の気分が漂います。長者平は池塘が点在する雲上の楽園です。道を外れた踏み跡の先に開拓期の名案内人で千代吉沢に名前を留める高橋千代吉碑があります。長者平から朳差岳の間は、頂稜を辿るように変わっています。 朳差岳の山頂には祠が設置されており、遮るもののない素晴らしい展望が広がっています。朳差小屋は山頂のすぐ下にあり、水場は残雪がなくなるとかなり降ることになります。 下山は往路と同じ道を戻ります。 -
胎内口から大石山・朳差岳へ
- 1泊2日
- 14時間20分
- 18.1km
胎内口から大石山・朳差岳へ
- 1泊2日
- 14時間20分
- 18.1km
奥胎内ヒュッテ前に一般車両通行止めのゲートがあり、季節限定で登山口まで乗り合いタクシーが運行されています。 足ノ松沢を渡った広場が登山口です。ブナ林の御用平からいきなり急登になりますが長くは続きません。ロープのある岩場も問題はなく、姫子ノ峰に出ます。腰を下ろしてこれから登る大石山や地神山、頼母木小屋を仰いで汗を拭きます。 鞍部の岩場は足元が切れているので慎重に通過します。ひと汗かくと滝見場で眼下の足ノ松沢に滝を遠望し、すぐ上に英三ノ峰の標柱があります。大石山方面の展望が開けてきます。 ヒドノ峰付近の登山道は舟窪の底に戻されています。水場は分岐から北側に標高差49m下ります。遠いのでお勧めはしません。 水場分岐から木の根が剥き出しのブナ林となり、途中に腰を降ろせる広場があります。 樹林帯から抜け出しイチジ峰で大石山と地神山を見上げます。頼母木川を挟んだ胎内尾根の一ノ峰と二ッ峰は独特の形から、帽子になぞらえて恵比寿峰・大黒峰と呼称されていました。 西ノ峰まで来れば高山帯の様相になり、鉾立峰や二王子岳を眺めながら主稜線の分岐に到着します。 頼母木小屋方面に縦走をする場合でも、分岐に荷物を置いて朳差岳まで往復してくる登山者が珍しくありません。 分岐から飯豊連峰北端の朳差岳に向かいましょう。独立峰のような鉾立峰の急斜面を登って下り、やっと朳差岳の基部に着きます。愚痴を言いたくなりますが、朳差岳を遠望した時、不動明王が携えている鉾のようなこの峰なしでは物足りません。 急坂をほぼ登りきった登山道の傍らに、飯豊連峰を紹介した藤島玄翁の記念碑があります。北飯豊には宗教登山の歴史を感じさせる南飯豊と違う、懐かしさがあります。 朳差小屋は山頂を背景にして、ハクサンイチゲやニッコウキスゲの咲き競う中に建っており、お花畑は種類を替えながら季節を教えてくれます。小屋から朳差岳山頂までは僅かの距離です。小屋は通年無人ですが、清潔な2階建てです。昔ながらのトイレも含めてボランティアの登山者が手入れをしています。 地神山へ高まっていく山並みの脇に飯豊山が顔を覗かせています。朳差小屋と御西小屋からの眺めは、筆者が大好きな光景です。 水場は、小屋とトイレの間から南東に下ります。融雪水がなくなると標高差78m下った小沢の水溜りを利用します。水溜りの底から水が湧いているので、筆者はそのまま飲用しています。 下山は同じ道を引き返します。奥胎内ヒュッテ前に一般車両通行止めのゲートがあり、季節限定で登山口まで乗り合いタクシーが運行されています。 足ノ松沢を渡った広場が登山口です。ブナ林の御用平からいきなり急登になりますが長くは続きません。ロープのある岩場も問題はなく、姫子ノ峰に出ます。腰を下ろしてこれから登る大石山や地神山、頼母木小屋を仰いで汗を拭きます。 鞍部の岩場は足元が切れているので慎重に通過します。ひと汗かくと滝見場で眼下の足ノ松沢に滝を遠望し、すぐ上に英三ノ峰の標柱があります。大石山方面の展望が開けてきます。 ヒドノ峰付近の登山道は舟窪の底に戻されています。水場は分岐から北側に標高差49m下ります。遠いのでお勧めはしません。 水場分岐から木の根が剥き出しのブナ林となり、途中に腰を降ろせる広場があります。 樹林帯から抜け出しイチジ峰で大石山と地神山を見上げます。頼母木川を挟んだ胎内尾根の一ノ峰と二ッ峰は独特の形から、帽子になぞらえて恵比寿峰・大黒峰と呼称されていました。 西ノ峰まで来れば高山帯の様相になり、鉾立峰や二王子岳を眺めながら主稜線の分岐に到着します。 頼母木小屋方面に縦走をする場合でも、分岐に荷物を置いて朳差岳まで往復してくる登山者が珍しくありません。 分岐から飯豊連峰北端の朳差岳に向かいましょう。独立峰のような鉾立峰の急斜面を登って下り、やっと朳差岳の基部に着きます。愚痴を言いたくなりますが、朳差岳を遠望した時、不動明王が携えている鉾のようなこの峰なしでは物足りません。 急坂をほぼ登りきった登山道の傍らに、飯豊連峰を紹介した藤島玄翁の記念碑があります。北飯豊には宗教登山の歴史を感じさせる南飯豊と違う、懐かしさがあります。 朳差小屋は山頂を背景にして、ハクサンイチゲやニッコウキスゲの咲き競う中に建っており、お花畑は種類を替えながら季節を教えてくれます。小屋から朳差岳山頂までは僅かの距離です。小屋は通年無人ですが、清潔な2階建てです。昔ながらのトイレも含めてボランティアの登山者が手入れをしています。 地神山へ高まっていく山並みの脇に飯豊山が顔を覗かせています。朳差小屋と御西小屋からの眺めは、筆者が大好きな光景です。 水場は、小屋とトイレの間から南東に下ります。融雪水がなくなると標高差78m下った小沢の水溜りを利用します。水溜りの底から水が湧いているので、筆者はそのまま飲用しています。 下山は同じ道を引き返します。 -
二王子神社から二王子岳へ
- 日帰り
- 6時間40分
- 10.4km
二王子神社から二王子岳へ
- 日帰り
- 6時間40分
- 10.4km
広い駐車場から巨杉が聳える二王子神社の境内に入ると、立派な社殿に圧倒されます。広場には炊事場やここが最終地になるトイレが整備されています。 炊事場脇で登山届を投函し沢沿いにスギの木立を進みます。登りにさし掛かると、スギの木に一合目と表示されています。 沢音の聞こえる涸れ沢沿いに登ると二つに割れた神子石があります。女人禁制だった頃の記念碑的存在です。そのすぐ上の登山道沿いの水場が二合目です。 尾根上に出ると道は二手に分かれます。左の道は大きなスギに囲まれた小さな祠を経て登山道に合流する参拝路です。 合流点が三合目です。近くにある一王子小屋は通年無人の避難小屋であり、2階は物置になっています。2分ほど北東に進むと良い水場もあります。 四合目の標識は細いブナに取り付けられています。二王子岳のブナはどれも細く二次林と思われます。 五合目・定高山の三角点には電柱のようなパンザが立っています。このパンザに加えて、冬には長い竹竿があちこちに立てられます。広い尾根は山スキーに適しており、視界のない冬山の目印になっています。 六合目から高木がなくなり、七合目で両手を使う油コボシを通過しますが、名前ほどのことはありません。 八合目の標識を過ぎると、高山植物の咲くお花畑になり、登山道沿いの美味しい清水が嬉しいです。 三王子神社は登山道北側に派生する道の先に見える祠のことです。傾斜は緩くなり高山的な雰囲気も漂って琵琶沼に着きます。 ひと登りで、立派な土台の上に二王子神社奥ノ院の祠があり、隣には雨量観測施設が建っています。 分岐からいったん下って灌木の中を登った二本木山々頂まで登山道が伸びていますが、山頂からの展望はそれほど良くはありません。 分岐に戻り、なだらかな道を進めばカマボコ型の二王子小屋になります。小屋の後ろが、鳥居のような青春の鐘のある二王子岳山頂です。 山頂から眺める飯豊連峰の大展望は、遅くまで残雪を配した荒々しい東斜面を眺める倉手山とは対照的に、たおやかに横たわっています。青春の鐘の脇には展望図も配されているので、遠望する峰々を指呼するのも楽しいと思います。 下山は往路と同じ道をたどります。広い駐車場から巨杉が聳える二王子神社の境内に入ると、立派な社殿に圧倒されます。広場には炊事場やここが最終地になるトイレが整備されています。 炊事場脇で登山届を投函し沢沿いにスギの木立を進みます。登りにさし掛かると、スギの木に一合目と表示されています。 沢音の聞こえる涸れ沢沿いに登ると二つに割れた神子石があります。女人禁制だった頃の記念碑的存在です。そのすぐ上の登山道沿いの水場が二合目です。 尾根上に出ると道は二手に分かれます。左の道は大きなスギに囲まれた小さな祠を経て登山道に合流する参拝路です。 合流点が三合目です。近くにある一王子小屋は通年無人の避難小屋であり、2階は物置になっています。2分ほど北東に進むと良い水場もあります。 四合目の標識は細いブナに取り付けられています。二王子岳のブナはどれも細く二次林と思われます。 五合目・定高山の三角点には電柱のようなパンザが立っています。このパンザに加えて、冬には長い竹竿があちこちに立てられます。広い尾根は山スキーに適しており、視界のない冬山の目印になっています。 六合目から高木がなくなり、七合目で両手を使う油コボシを通過しますが、名前ほどのことはありません。 八合目の標識を過ぎると、高山植物の咲くお花畑になり、登山道沿いの美味しい清水が嬉しいです。 三王子神社は登山道北側に派生する道の先に見える祠のことです。傾斜は緩くなり高山的な雰囲気も漂って琵琶沼に着きます。 ひと登りで、立派な土台の上に二王子神社奥ノ院の祠があり、隣には雨量観測施設が建っています。 分岐からいったん下って灌木の中を登った二本木山々頂まで登山道が伸びていますが、山頂からの展望はそれほど良くはありません。 分岐に戻り、なだらかな道を進めばカマボコ型の二王子小屋になります。小屋の後ろが、鳥居のような青春の鐘のある二王子岳山頂です。 山頂から眺める飯豊連峰の大展望は、遅くまで残雪を配した荒々しい東斜面を眺める倉手山とは対照的に、たおやかに横たわっています。青春の鐘の脇には展望図も配されているので、遠望する峰々を指呼するのも楽しいと思います。 下山は往路と同じ道をたどります。 -
三国岳・飯豊山・大日岳・北股岳・朳差岳をつなぐ
- 3泊4日
- 31時間40分
- 45.1km
三国岳・飯豊山・大日岳・北股岳・朳差岳をつなぐ
- 3泊4日
- 31時間40分
- 45.1km
ほぼ南北に伸びる飯豊連峰の主稜線は、東北地方屈指の縦走路です。この主稜線上のピークを繋ぐ“飯豊全山縦走”に挑戦する登山者が最近増えているようですが、ここでは歴史ある南端の登山口川入から北端の登山口大石ダムまで、3泊4日で辿るコースを紹介します。重装備を担いで4日間歩き通す体力と、岩場や残雪に対する歩行技術、読図力などが必要になってくる経験者向けの行程です。 1日目。川入地区の御沢野営場から出発。杉の大木が並ぶ御沢小屋跡からは、名前通りの長坂を辛抱強く登っていきます。地蔵山分岐手前にある地蔵水場は、急坂を登ってきた登山者へのありがたいご褒美。池塘がある湿地帯を通ると、連峰一の岩稜帯剣ヶ峰が待ち構えていますが、慎重に登っていけば難しくはないでしょう。岩場を越え5分ほどで三国小屋に到着します。飯豊本山や大日岳の展望が見られ、これからの登山に胸躍らされます。 三国小屋から七森の間にも岩稜帯があり注意が必要です。この先の御秘所も含め、岩稜帯では取り付く前に必ずストックを収納することが原則です。種蒔山を通り、お花畑を眺めながら下っていくと、切合小屋に到着します。1泊目は出発時間や体調に合わせて三国小屋か切合小屋を選びましょう。 2日目。切合小屋を出発し、残雪とその消え際から生えてくる高山植物を楽しみながら窪地状斜面を登り詰めると、草履塚のピークに出ます。綺麗なおべべを着せてもらった姥権現まで下り、両側が切れ落ちた高度感ある御秘所を越え、急登の御前坂を登り詰めると本山小屋が現れてきます。ここから飯豊山は20分弱で到着です。 山頂からは吾妻連峰、蔵王連峰、朝日連峰など、360度の展望を堪能できます。周辺では固有種のイイデリンドウがたくさん咲いており、マルバコゴメグサやタカネツメクサ、イワウメなども見られます。 飯豊山から駒形山に下りる途中で左に曲がらず、そのまま下に続いている構造土を登山道と間違えて迷い込んでいる登山者が多いので注意してください。 草月平はニッコウキスゲやタカネマツムシソウなどを楽しめるお花畑です。池塘の点在する草原を通り抜けると御西小屋に到着。ここは最高峰大日岳に向かう分岐点であり、日没や日の出のときに小屋から眺める牛首山を伴った大日岳の姿は圧倒的に荘厳です。 小屋の軒先に荷物を置かせてもらい、サブザックで大日岳をピストンします。チングルマの咲く道を下り、右下に文平ノ池を見ます。その後はぐいぐいと高度を上げて山頂に至ります。大日岳は主稜から少し離れた最高峰であり、飯豊連峰を鳥瞰しているような素晴らしい眺めです。 御西小屋に戻り荷物を整理して梅花皮小屋へと向かいます。1時間ほどで天狗ノ庭に辿り着きます。ここは登山者の踏圧と幕営により、表土が剥ぎ取られて裸地化し、池塘の点在する広大な湿原が失われた場所です。この荒廃を回復するため登山道を頂稜に移して踏圧を回避し、2007年からボランティアによる植生回復作業が幾度となく実施されています。 天狗ノ庭から烏帽子岳の間は、東側の急な斜面に夏まで雪庇の名残の雪渓が次々と現れます。登山道が残雪で遮断されてルートが分からなくなることもあります。残雪を巻く際、ストックだけで通過する登山者をよく見かけますが、この区間は石転ビ沢と同様に重大な滑落事故が多いのです。筆者は必ずピッケルを持参し、ルート工作や滑落に備えています。 ここより梅花皮岳にかけては、雪庇崩壊で削られた斜面にハクサンコザクラやミヤマダイモンジソウなどのお花畑が広がっています。何が見られるかはその時期のお楽しみです。 梅花皮岳の先は東面が崩れているので足元に注意をします。この区間ではクロユリやハクセンナズナなどの珍しい花に遭えるかもしれません。20分ほど下ると鞍部に建つ梅花皮小屋に到着します。水場も優れ、水洗トイレの評判も良い快適な小屋です。2泊目は状況によって御西小屋か梅花皮小屋泊かを選択します。 3日目。梅花皮小屋を出発し急坂を登り終えると、連峰北部の最高峰北股岳山頂です。振り返ると南には今まで辿ってきた稜線が続いており、北に見える杁差岳もだいぶ近くになってきました。 北股岳からは快適な稜線歩き。ギルダ原には乾性のお花畑が広がります。門内小屋を過ぎ、梶川尾根と合流する場所が扇ノ地紙です。地名は、扇を開いたような雪形が残ることに由来します。この先の地神山と読み方は同じですが、漢字が違う所が面白いですね。 北峰の次は頼母木山。ここから小国町の民宿奥川入の先まで伸びる長大な西俣尾根には、かつて登山道がありました。今でも残雪期にはよく登られています。イイデリンドウはこの辺りが北限となっています。頼母木山から下りていくと頼母木小屋に到着します。ここは管理棟のすぐ脇に水場があり、楽に水をいつでも利用できることがとてもありがたいです。 小屋からなだらかな山稜を辿っていき、大石山分岐へ。この一帯は6月初旬には一面のハクサンイチゲの花畑になります。ここから朳差岳をピストンして足ノ松尾根を降りる人が多いですが、全山縦走の場合はやはり大石ダムまで下ることが満足感を高めてくれるようです。 登り返して独立峰のように起立している鉾立峰で一休み。急坂を下って更に登り返し、左手に藤島玄のレリーフを見つけたら程なく朳差小屋に到着です。朳差小屋は水場まで10分ほど下りていかなければならず少し不便。しかし、頼母木小屋同様、小屋から日本海に沈む夕日を直接見られることは大きな魅力で、静かな雰囲気を味わいたい人に人気がある場所でもあります。3泊目は頼母木小屋か朳差小屋を選択します。 4日目。朳差岳では歩いてきた飯豊稜線の最後の展望を楽しみましょう。ここから権内尾根を下山します。池塘帯の美しい長者平を通り終えると、あとはあまり足場の良くない急坂を慎重に下っていくことになります。東に大境山、北に光兎山、西に日本海の海岸線と、今までとはがらりと違った展望が得られます。東俣川まで下り、吊橋を二つ超えると林道終点に辿り着きます。あとは1時間程で東俣彫刻公園のゲートにゴールします。ほぼ南北に伸びる飯豊連峰の主稜線は、東北地方屈指の縦走路です。この主稜線上のピークを繋ぐ“飯豊全山縦走”に挑戦する登山者が最近増えているようですが、ここでは歴史ある南端の登山口川入から北端の登山口大石ダムまで、3泊4日で辿るコースを紹介します。重装備を担いで4日間歩き通す体力と、岩場や残雪に対する歩行技術、読図力などが必要になってくる経験者向けの行程です。 1日目。川入地区の御沢野営場から出発。杉の大木が並ぶ御沢小屋跡からは、名前通りの長坂を辛抱強く登っていきます。地蔵山分岐手前にある地蔵水場は、急坂を登ってきた登山者へのありがたいご褒美。池塘がある湿地帯を通ると、連峰一の岩稜帯剣ヶ峰が待ち構えていますが、慎重に登っていけば難しくはないでしょう。岩場を越え5分ほどで三国小屋に到着します。飯豊本山や大日岳の展望が見られ、これからの登山に胸躍らされます。 三国小屋から七森の間にも岩稜帯があり注意が必要です。この先の御秘所も含め、岩稜帯では取り付く前に必ずストックを収納することが原則です。種蒔山を通り、お花畑を眺めながら下っていくと、切合小屋に到着します。1泊目は出発時間や体調に合わせて三国小屋か切合小屋を選びましょう。 2日目。切合小屋を出発し、残雪とその消え際から生えてくる高山植物を楽しみながら窪地状斜面を登り詰めると、草履塚のピークに出ます。綺麗なおべべを着せてもらった姥権現まで下り、両側が切れ落ちた高度感ある御秘所を越え、急登の御前坂を登り詰めると本山小屋が現れてきます。ここから飯豊山は20分弱で到着です。 山頂からは吾妻連峰、蔵王連峰、朝日連峰など、360度の展望を堪能できます。周辺では固有種のイイデリンドウがたくさん咲いており、マルバコゴメグサやタカネツメクサ、イワウメなども見られます。 飯豊山から駒形山に下りる途中で左に曲がらず、そのまま下に続いている構造土を登山道と間違えて迷い込んでいる登山者が多いので注意してください。 草月平はニッコウキスゲやタカネマツムシソウなどを楽しめるお花畑です。池塘の点在する草原を通り抜けると御西小屋に到着。ここは最高峰大日岳に向かう分岐点であり、日没や日の出のときに小屋から眺める牛首山を伴った大日岳の姿は圧倒的に荘厳です。 小屋の軒先に荷物を置かせてもらい、サブザックで大日岳をピストンします。チングルマの咲く道を下り、右下に文平ノ池を見ます。その後はぐいぐいと高度を上げて山頂に至ります。大日岳は主稜から少し離れた最高峰であり、飯豊連峰を鳥瞰しているような素晴らしい眺めです。 御西小屋に戻り荷物を整理して梅花皮小屋へと向かいます。1時間ほどで天狗ノ庭に辿り着きます。ここは登山者の踏圧と幕営により、表土が剥ぎ取られて裸地化し、池塘の点在する広大な湿原が失われた場所です。この荒廃を回復するため登山道を頂稜に移して踏圧を回避し、2007年からボランティアによる植生回復作業が幾度となく実施されています。 天狗ノ庭から烏帽子岳の間は、東側の急な斜面に夏まで雪庇の名残の雪渓が次々と現れます。登山道が残雪で遮断されてルートが分からなくなることもあります。残雪を巻く際、ストックだけで通過する登山者をよく見かけますが、この区間は石転ビ沢と同様に重大な滑落事故が多いのです。筆者は必ずピッケルを持参し、ルート工作や滑落に備えています。 ここより梅花皮岳にかけては、雪庇崩壊で削られた斜面にハクサンコザクラやミヤマダイモンジソウなどのお花畑が広がっています。何が見られるかはその時期のお楽しみです。 梅花皮岳の先は東面が崩れているので足元に注意をします。この区間ではクロユリやハクセンナズナなどの珍しい花に遭えるかもしれません。20分ほど下ると鞍部に建つ梅花皮小屋に到着します。水場も優れ、水洗トイレの評判も良い快適な小屋です。2泊目は状況によって御西小屋か梅花皮小屋泊かを選択します。 3日目。梅花皮小屋を出発し急坂を登り終えると、連峰北部の最高峰北股岳山頂です。振り返ると南には今まで辿ってきた稜線が続いており、北に見える杁差岳もだいぶ近くになってきました。 北股岳からは快適な稜線歩き。ギルダ原には乾性のお花畑が広がります。門内小屋を過ぎ、梶川尾根と合流する場所が扇ノ地紙です。地名は、扇を開いたような雪形が残ることに由来します。この先の地神山と読み方は同じですが、漢字が違う所が面白いですね。 北峰の次は頼母木山。ここから小国町の民宿奥川入の先まで伸びる長大な西俣尾根には、かつて登山道がありました。今でも残雪期にはよく登られています。イイデリンドウはこの辺りが北限となっています。頼母木山から下りていくと頼母木小屋に到着します。ここは管理棟のすぐ脇に水場があり、楽に水をいつでも利用できることがとてもありがたいです。 小屋からなだらかな山稜を辿っていき、大石山分岐へ。この一帯は6月初旬には一面のハクサンイチゲの花畑になります。ここから朳差岳をピストンして足ノ松尾根を降りる人が多いですが、全山縦走の場合はやはり大石ダムまで下ることが満足感を高めてくれるようです。 登り返して独立峰のように起立している鉾立峰で一休み。急坂を下って更に登り返し、左手に藤島玄のレリーフを見つけたら程なく朳差小屋に到着です。朳差小屋は水場まで10分ほど下りていかなければならず少し不便。しかし、頼母木小屋同様、小屋から日本海に沈む夕日を直接見られることは大きな魅力で、静かな雰囲気を味わいたい人に人気がある場所でもあります。3泊目は頼母木小屋か朳差小屋を選択します。 4日目。朳差岳では歩いてきた飯豊稜線の最後の展望を楽しみましょう。ここから権内尾根を下山します。池塘帯の美しい長者平を通り終えると、あとはあまり足場の良くない急坂を慎重に下っていくことになります。東に大境山、北に光兎山、西に日本海の海岸線と、今までとはがらりと違った展望が得られます。東俣川まで下り、吊橋を二つ超えると林道終点に辿り着きます。あとは1時間程で東俣彫刻公園のゲートにゴールします。