登山初心者におすすめの登山シーズンと年間スケジュール例 無理なく安全に楽しむ時期とは?

登山を始めたいけれど、いつから、どんな山に登ればいいか迷っていませんか?

登山は季節によって山の姿が大きく変わり、適した時期も異なります。初心者が無理なくステップアップするためには、年間を通じた登山計画を立てるのが効果的です。

この記事では、春から秋にかけての登山初心者向けおすすめシーズンと、時期別の登山スケジュール例を紹介します。

2025年5月7日 更新

年間計画を立てるメリットとは?

登山を安全に、そして継続して楽しむには、季節の変化に合わせて「無理なく登ること」がポイントです。登山道の状況や気象条件は季節によって大きく変わります。たとえば春は雪解け水で道がぬかるみやすく、夏は暑さや雷、秋は落ち葉で滑りやすくなるなど、時期ごとの注意点を押さえておく必要があります。

年間計画を立てて段階的に経験を積んでいけば、登山装備の使い方にも慣れ、徐々に体力もついてきます。そして何より、夏には日本アルプスのような憧れの山にもチャレンジできるようになります。一歩一歩の積み重ねが、大きな達成感へとつながっていくのです。

4月〜6月|春の低山で登山の基本を学ぶ


大菩薩嶺

登山初心者にとって、春はまさに登山デビューにぴったりの季節。暖かくなってきた4月からは、標高500~1000m前後の低山ハイキングからスタートして、基礎体力づくりと装備の確認をしていきましょう。

この時期の目標は、「登山装備に慣れる」「体力をつける」こと。実際に山に登る前に、ウォーキングや軽いジョギングなどで脚力と持久力を養っておくのもおすすめです。ザックの背負い心地や登山靴のフィット感なども、実践の中で確認しましょう。

6月に入ると梅雨が始まりますが、この時期はレインウェアやレイヤリング(重ね着)の練習に最適。雨の日登山の装備に慣れておくことで、夏山登山の準備にもなります。

4月〜6月におすすめの山「大菩薩嶺(山梨県)」

都心からのアクセスが良く、日帰り登山にも最適な大菩薩嶺は、春からの登山デビューにぴったりの一座。標高2,057mながら登山道は比較的なだらかで、登山初心者でも無理なく歩けるルートが複数用意されています。

新緑の季節には美しい樹林帯や開けた稜線からの展望が楽しめ、天気が良ければ富士山も望める絶景ポイントも。登山に慣れてきたら、ルートを変えて少しレベルアップしたコースにも挑戦できます。四季折々の景色と達成感を味わえる、登山初心者におすすめの山です。

6月下旬〜7月|標高2000m級の山で夏山に向けた準備を


八ヶ岳

梅雨明け後の6月後半から7月にかけては、標高2000m前後の山への挑戦がおすすめです。ここではこれまでに培った体力や装備の知識を活かしつつ、長めの行程や標高差に慣れていくことが目標になります。

登山時間も長くなり、ペース配分や休憩の取り方が重要になってきます。また、標高が高くなると天候の変化も激しくなるため、防寒具や雨具を含めた装備の見直しも忘れずに。ここでしっかりと「夏山の基本」を身につけておくことで、いよいよ次のステップ、アルプス登山へとつなげていくことができます。

6月下旬〜7月におすすめの山「八ヶ岳(長野・山梨)」

八ヶ岳は、初心者から経験者まで幅広く楽しめる日本百名山の一つ。主峰・赤岳(標高2,899m)は本格的な登山の雰囲気が味わえる山として知られていますが、周辺には初心者向けのルートも多く、6月下旬〜7月のステップアップにぴったりの山域です。

特に美濃戸口からの登山ルートは人気で、整備された登山道と充実した山小屋環境が魅力。天候が安定するこの時期には、清涼感のある森や高山植物を楽しみながら、岩場や鎖場といった変化のある地形にもチャレンジできます。「次の一歩」に挑戦したい登山初心者におすすめのフィールドです。

8月〜9月|アルプスの稜線で感動の頂へ


甲斐駒ヶ岳

いよいよ夏本番。8月から9月は、登山初心者がこれまでのステップを経て、日本アルプスの山々に挑戦するのにぴったりの時期です。標高2500m以上の高山では、空に近い稜線から絶景を望むことができます。

ただし、アルプス登山では行動時間が長く、天候の急変にも対応する必要があるため、事前準備と計画がこれまで以上に重要になります。山小屋の予約や早出早着の行動、天気図の確認、そして地図でのルート把握など、登山者としての総合力が求められるシーズンです。

装備も万全に整え、いよいよ憧れの山頂へ。目の前に広がる絶景と、自分の足でたどり着いた喜びが、きっと忘れられない経験になるはずです。

8月〜9月におすすめの山「甲斐駒ヶ岳(山梨・長野)」

甲斐駒ヶ岳は、白く輝く花崗岩の山肌が美しい、南アルプスを代表する百名山。標高2,967mと高く、本格的な高山登山を体験できる人気の山です。

黒戸尾根ルートは国内屈指のロングルートとして知られていますが、初心者が目指すなら北沢峠からのルートがおすすめ。比較的登りやすく、無理なくアルプスの稜線歩きが楽しめます。8月〜9月の好天が続く季節は、空気が澄み、山頂からのパノラマビューも絶景。これまで積み重ねてきた登山経験を生かして、次のステップに進みたい人にぴったりの一座です。

どの山に登ろうか迷ったら、この一冊を手に

「自分に合った山がわからない」「登山の計画ってどう立てればいいの?」そんな不安を感じている方には、書籍『山と高原地図ではじめる 山登り入門ガイド』がおすすめです。

この一冊には、登山初心者にぴったりの山とモデルコース、ルート選びのポイント、安全に歩くためのコツ、必要な装備やマナーまでがわかりやすくまとめられています。地図と情報がひとつにまとまっているので、これから登山を始めたい方にとって心強いパートナーになるはずです。

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登山はシーズンごとの計画でより楽しく、安全に

登山を無理なく楽しむためには、シーズンごとの計画が何より大切です。春は歩きやすい低山から始めて、夏には高山へとステップアップする、そんな過程のひとつひとつが、登山ならではの魅力です。

気候や装備、コース選びをその都度見直しながら、自分のペースで経験を積んでいけば、きっと季節ごとの山の表情を楽しめるようになります。自然と向き合いながら少しずつ前に進む山歩きは、達成感とともに、自分自身の成長も感じられるはずです。

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