【1泊2日】の登山コースガイド

1泊2日

登山コース検索

絞り込み条件
エリア
コース難易度
山行日数
歩行時間
歩行距離
テクニック度
岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける
岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要
岩場やクサリ場などがあって、中級以上の技術と経験が必要
150件
リセット
検索結果150件中  81-100件
  • 西之川から瓶ヶ森へ

    西之川から瓶ヶ森へ

    西之川集落は石鎚山登山ロープウェイ駅の下谷集落を5分ほど自動車で過ぎたあたりの集落で、石鎚方面、土小屋方面、東之川方面の登山の起点となります。西之川集落も通り過ぎて対岸の名古瀬の家屋を見ながら舗装の途切れた西之川林道を名古瀬谷沿いに谷を渡りヘアピンを曲がると名古瀬登山口となります。およそ西之川から徒歩で1時間ほどで到着です。「十郎あれ」という名称のついた登山道を常住を目指して歩きます。この区間は道の崩壊、ザレ場がありロープも張ってあります。ジグザグの急登を登り詰めると常住という(石中寺常住別院があった)場所に出ます。今では更地となった所の傍に安置されていたお不動様が迎えてくれます。常住で一息入れてトラバース気味に道が延び、所々橋がかけられた子持権現方面への分岐を過ぎるとその上には石垣の組まれた広場が現れます。ここが鳥越です。ここで休憩を十分にとり釜床谷を山の名前の由来となった瓶壷を目指して急勾配を進みます。この急坂は四国の三大急登にも数えられ、近年の大雨で一時は通行止めにもなるほど道が荒れていましたが、どうにか復旧しロープやハシゴが掛けられ、通れるようになりました。1時間半登行し、ようやく氷見二千石原の末端にたどり着きます。清冽な水をたたえた岩の窪地=瓶壷が待ってくれています。かつての行者が山頂を目指してようやくここにたどり着きこの瓶壷を見た時どれだけ水の大切さ有難さを思い知った事か往時に思いを馳せずにはいられません。 ノドを潤した後はこの氷見二千石原の笹に覆われた男山をまず目指します。瓶ヶ森林道の登山口方向に歩くと道標があり、そこから男山を目指して歩きます。途中大きな岩の上にテラスがあり、そこから眺める石鎚は登山案内書の表紙を飾るほど雄大な景色を眺めることができます。そこから10分ほどで頂上、石中寺の奥之院とその裏にお不動様が待つ瓶ヶ森男山となります。南面の崖に感嘆しつつ高知愛媛県境となる尾根を女山へ。ここは瓶ヶ森最高峰1897mで女山女人不動尊が鎮座し、石鎚山のお山開きと同じ7月1日から10日にかけて祭事が催されます。この女山は眺望が360度あり、四国の大きさが体感できます。下山するには下方に最近整備されたエコトイレも設置された瓶ヶ森避難小屋を目指します。テントを張る場合はその案内板に書かれた眺望の良い瓶ヶ森キャンプ場が便利です。分岐に東之川と書かれているのでその方向に進むと30分ほどで台ヶ森鞍部を通ります。この台ヶ森はアケボノツツジが5月には咲き誇る背景の石鎚が映える場所です。どんどん下ると主な分岐が二か所あります。単調な植林帯を過ぎると東之川集落に架かる橋を渡ります。ここも数台の駐車可能な広場と公衆トイレがあります。アスファルト道を30分ほど歩き歴史的遺構の大宮橋を渡るとゴールの西之川です。
    西之川集落は石鎚山登山ロープウェイ駅の下谷集落を5分ほど自動車で過ぎたあたりの集落で、石鎚方面、土小屋方面、東之川方面の登山の起点となります。西之川集落も通り過ぎて対岸の名古瀬の家屋を見ながら舗装の途切れた西之川林道を名古瀬谷沿いに谷を渡りヘアピンを曲がると名古瀬登山口となります。およそ西之川から徒歩で1時間ほどで到着です。「十郎あれ」という名称のついた登山道を常住を目指して歩きます。この区間は道の崩壊、ザレ場がありロープも張ってあります。ジグザグの急登を登り詰めると常住という(石中寺常住別院があった)場所に出ます。今では更地となった所の傍に安置されていたお不動様が迎えてくれます。常住で一息入れてトラバース気味に道が延び、所々橋がかけられた子持権現方面への分岐を過ぎるとその上には石垣の組まれた広場が現れます。ここが鳥越です。ここで休憩を十分にとり釜床谷を山の名前の由来となった瓶壷を目指して急勾配を進みます。この急坂は四国の三大急登にも数えられ、近年の大雨で一時は通行止めにもなるほど道が荒れていましたが、どうにか復旧しロープやハシゴが掛けられ、通れるようになりました。1時間半登行し、ようやく氷見二千石原の末端にたどり着きます。清冽な水をたたえた岩の窪地=瓶壷が待ってくれています。かつての行者が山頂を目指してようやくここにたどり着きこの瓶壷を見た時どれだけ水の大切さ有難さを思い知った事か往時に思いを馳せずにはいられません。 ノドを潤した後はこの氷見二千石原の笹に覆われた男山をまず目指します。瓶ヶ森林道の登山口方向に歩くと道標があり、そこから男山を目指して歩きます。途中大きな岩の上にテラスがあり、そこから眺める石鎚は登山案内書の表紙を飾るほど雄大な景色を眺めることができます。そこから10分ほどで頂上、石中寺の奥之院とその裏にお不動様が待つ瓶ヶ森男山となります。南面の崖に感嘆しつつ高知愛媛県境となる尾根を女山へ。ここは瓶ヶ森最高峰1897mで女山女人不動尊が鎮座し、石鎚山のお山開きと同じ7月1日から10日にかけて祭事が催されます。この女山は眺望が360度あり、四国の大きさが体感できます。下山するには下方に最近整備されたエコトイレも設置された瓶ヶ森避難小屋を目指します。テントを張る場合はその案内板に書かれた眺望の良い瓶ヶ森キャンプ場が便利です。分岐に東之川と書かれているのでその方向に進むと30分ほどで台ヶ森鞍部を通ります。この台ヶ森はアケボノツツジが5月には咲き誇る背景の石鎚が映える場所です。どんどん下ると主な分岐が二か所あります。単調な植林帯を過ぎると東之川集落に架かる橋を渡ります。ここも数台の駐車可能な広場と公衆トイレがあります。アスファルト道を30分ほど歩き歴史的遺構の大宮橋を渡るとゴールの西之川です。
  • 寒風山から笹ヶ峰を経て平家平、三ツ森山へ

    寒風山から笹ヶ峰を経て平家平、三ツ森山へ

    登山基地の旧寒風山トンネル南口のカフェの左側に桑瀬峠に向かう登山口があり、ここから急登を登り桑瀬峠に出て進路を東へ。途中にステンレスのハシゴが数か所設置されており、歩くには容易ですが急登と緩斜面の繰り返す登山道が続きます。 中腹はブナの林が続き山頂間近では森林限界が過ぎコメツツジなどの低木、笹原が頂部を占めるようになります。その森林限界を越せばすぐに寒風山です。ステンレスの頂上標が立っており、アップダウンの続く尾根道が続き笹ヶ峰に到達します。ここは一等三角点が配置された日本200名山であると同時に、お不動様が祀られている信仰の山でもあります。また眺望も抜群で、北面には大きな宿泊施設の丸山荘があり、頂上から視認できます。宿泊、キャンプ地としてはこの丸山荘がこのルート上では最後になり、そこまで下るのに頂上からおよそ35分ほどかかります。秋には紅葉が綺麗で、ちち山に向かう際に通る鞍部は紅葉谷分岐と呼ばれ、そこを抜けると新居浜市と西条市を分ける尾根になります。 紅葉谷分岐からちち山へは25分ほどで到着します。ちち山は新居浜市最高峰であり笹ヶ峰と双耳峰を成します。南面を貫くトラバース道は笹が茂り、浮石等足元が悪いため廃道となりました。ちち山の分れで北に赤石山系、東に四国の中央脊梁の山脈とに分離します。そこを右にとり徐々に高度を下げ一ノ谷越へ。そこから平家平方面に向かうと冠山を通過します。冠とは安徳帝がここに逃れてきた折に、帝(天皇)が頭に載せるカンムリに高知側からは見えるとの由来から名が付いたと言われています。山頂は見通しが悪いですが南に数十歩行けば大岩の上に立つことができ眺望も開けます。 2021年にガイド協会有志による再整備された笹尾根のパノラマコースを50分ほど進めば平家平です。広い山頂で休憩にも適しています。この平家平も登山口が数か所あり、高知国体が行われた際の縦走競技のルートにも採用されました。 巡視路分岐、三森峠を経てアケボノツツジで有名な三ツ森山に向かいます。県境の尾根を北に進み、間もなくあえぐほどの急登になりシャクナゲやツツジ、ブナの坂を登ること50分で峠から山頂に達します。そこから東に3時間ほどで大座礼山の県境分岐へ。この間に鉄塔広場から愛媛側の筏津に下りるルートもあります。県境分岐からブナの巨木で有名な大座礼山に行くことができ、県境の尾根に戻り太田尾越に下ることもできます。今回は井野川越経由で林道大座礼線に出てゴールである駐車場登山口に下りましょう。
    登山基地の旧寒風山トンネル南口のカフェの左側に桑瀬峠に向かう登山口があり、ここから急登を登り桑瀬峠に出て進路を東へ。途中にステンレスのハシゴが数か所設置されており、歩くには容易ですが急登と緩斜面の繰り返す登山道が続きます。 中腹はブナの林が続き山頂間近では森林限界が過ぎコメツツジなどの低木、笹原が頂部を占めるようになります。その森林限界を越せばすぐに寒風山です。ステンレスの頂上標が立っており、アップダウンの続く尾根道が続き笹ヶ峰に到達します。ここは一等三角点が配置された日本200名山であると同時に、お不動様が祀られている信仰の山でもあります。また眺望も抜群で、北面には大きな宿泊施設の丸山荘があり、頂上から視認できます。宿泊、キャンプ地としてはこの丸山荘がこのルート上では最後になり、そこまで下るのに頂上からおよそ35分ほどかかります。秋には紅葉が綺麗で、ちち山に向かう際に通る鞍部は紅葉谷分岐と呼ばれ、そこを抜けると新居浜市と西条市を分ける尾根になります。 紅葉谷分岐からちち山へは25分ほどで到着します。ちち山は新居浜市最高峰であり笹ヶ峰と双耳峰を成します。南面を貫くトラバース道は笹が茂り、浮石等足元が悪いため廃道となりました。ちち山の分れで北に赤石山系、東に四国の中央脊梁の山脈とに分離します。そこを右にとり徐々に高度を下げ一ノ谷越へ。そこから平家平方面に向かうと冠山を通過します。冠とは安徳帝がここに逃れてきた折に、帝(天皇)が頭に載せるカンムリに高知側からは見えるとの由来から名が付いたと言われています。山頂は見通しが悪いですが南に数十歩行けば大岩の上に立つことができ眺望も開けます。 2021年にガイド協会有志による再整備された笹尾根のパノラマコースを50分ほど進めば平家平です。広い山頂で休憩にも適しています。この平家平も登山口が数か所あり、高知国体が行われた際の縦走競技のルートにも採用されました。 巡視路分岐、三森峠を経てアケボノツツジで有名な三ツ森山に向かいます。県境の尾根を北に進み、間もなくあえぐほどの急登になりシャクナゲやツツジ、ブナの坂を登ること50分で峠から山頂に達します。そこから東に3時間ほどで大座礼山の県境分岐へ。この間に鉄塔広場から愛媛側の筏津に下りるルートもあります。県境分岐からブナの巨木で有名な大座礼山に行くことができ、県境の尾根に戻り太田尾越に下ることもできます。今回は井野川越経由で林道大座礼線に出てゴールである駐車場登山口に下りましょう。
  • 日浦から銅山越を経て西赤石、東赤石山へ

    日浦から銅山越を経て西赤石、東赤石山へ

    西赤石や東赤石へのルートは笹原の平坦なルートや、切り立った岩稜帯を歩くルート、産業遺産の中を巡るルートなどコンパクトながら多様性のあるルートが集まり、どのルートも高山植物があり目を楽しませてくれます。ここでは人気のある新居浜市別子山の日浦から銅山越を経て赤石山系を縦走するルートを紹介します。新居浜市の国道11号から県道47号新居浜別子山線、もしくは四国中央市の国道319号を嶺南地区に向かい、それから銅山川沿い県道47号を新居浜市別子山日浦の登山口の駐車場を目指します。小足谷川沿いに銅山越に向かうと川沿いには多くの産業遺跡群があり往時の鉱山街の繁栄が偲ばれます。日浦登山口から40分ほど歩くとバイオトイレ(冬期閉鎖)があり、その先に鉱山の試掘穴から湧くダイヤモンド水と呼ばれる泉がある広場に出ます。目出度町との分岐を鉄のパイプでできた橋を渡り、坂道を進むと別子銅山開山の産業遺構「歓喜坑・歓東坑」です。ここには急な天候の悪化時にはありがたい屋根付きの休憩所が設置されています。その先を登ると峰地蔵のある峠の銅山越に着きます。ここから東へ1時間10分ほどアップダウンを繰り返すと西赤石山頂上に到達します。春はアケボノツツジが咲き誇り、足元はツガザクラ、アカモノの群落も見ることができ、秋には赤みを帯びた岩も映えるほど美しい紅葉が楽しめます。ここから物住頭を経て稜線を進むと岩稜帯の広がる前赤石山にさしかかります。ここからは起立した岩をぬって歩くため気を抜けません。この岩稜帯は季節には花に飾られた斜面が続きますが、岩稜には目印が無いため迷いやすいのでルートファインディングは慎重に行いましょう。八巻山への分岐がある石室越を右へ下ると赤石山荘で、山荘は完全に閉鎖され、3畳ほどの避難スペースが設置されています。東赤石山へは赤石越分岐のトラバース道を使い稜線へ、赤石越から東赤石山へは10分ほどで到着します。 下山は、赤石山荘経由で下る瀬場本谷ルートを使用しましょう。このルートは沢を数回渡ります。所々渓谷が深く切れ込み木製の桟道が架けられていますが、朽ちている場合があり歩行には注意が必要です。ここを過ぎると瀬場分岐を通り筏津登山口に下山できます。駐車場はトイレも整備されており、対岸の筏津坑跡にあります。
    西赤石や東赤石へのルートは笹原の平坦なルートや、切り立った岩稜帯を歩くルート、産業遺産の中を巡るルートなどコンパクトながら多様性のあるルートが集まり、どのルートも高山植物があり目を楽しませてくれます。ここでは人気のある新居浜市別子山の日浦から銅山越を経て赤石山系を縦走するルートを紹介します。新居浜市の国道11号から県道47号新居浜別子山線、もしくは四国中央市の国道319号を嶺南地区に向かい、それから銅山川沿い県道47号を新居浜市別子山日浦の登山口の駐車場を目指します。小足谷川沿いに銅山越に向かうと川沿いには多くの産業遺跡群があり往時の鉱山街の繁栄が偲ばれます。日浦登山口から40分ほど歩くとバイオトイレ(冬期閉鎖)があり、その先に鉱山の試掘穴から湧くダイヤモンド水と呼ばれる泉がある広場に出ます。目出度町との分岐を鉄のパイプでできた橋を渡り、坂道を進むと別子銅山開山の産業遺構「歓喜坑・歓東坑」です。ここには急な天候の悪化時にはありがたい屋根付きの休憩所が設置されています。その先を登ると峰地蔵のある峠の銅山越に着きます。ここから東へ1時間10分ほどアップダウンを繰り返すと西赤石山頂上に到達します。春はアケボノツツジが咲き誇り、足元はツガザクラ、アカモノの群落も見ることができ、秋には赤みを帯びた岩も映えるほど美しい紅葉が楽しめます。ここから物住頭を経て稜線を進むと岩稜帯の広がる前赤石山にさしかかります。ここからは起立した岩をぬって歩くため気を抜けません。この岩稜帯は季節には花に飾られた斜面が続きますが、岩稜には目印が無いため迷いやすいのでルートファインディングは慎重に行いましょう。八巻山への分岐がある石室越を右へ下ると赤石山荘で、山荘は完全に閉鎖され、3畳ほどの避難スペースが設置されています。東赤石山へは赤石越分岐のトラバース道を使い稜線へ、赤石越から東赤石山へは10分ほどで到着します。 下山は、赤石山荘経由で下る瀬場本谷ルートを使用しましょう。このルートは沢を数回渡ります。所々渓谷が深く切れ込み木製の桟道が架けられていますが、朽ちている場合があり歩行には注意が必要です。ここを過ぎると瀬場分岐を通り筏津登山口に下山できます。駐車場はトイレも整備されており、対岸の筏津坑跡にあります。
  • 垢離取から剣山を経て三嶺へ

    垢離取から剣山を経て三嶺へ

    垢離取とは読んで字のごとく垢を取る場所で、修験道の山に入るときにはここで俗世のアカにまみれた心・身を清めてから入山するのが古の風習であったと言われています。この縦走もそういった山への畏敬の念があってからこそ成し遂げられるのではないでしょうか。国道438号の大カーブの垢離取から穴吹川に掛けられた垢離取橋を渡り龍光寺の鉄門へ進みます。ここに駐車場もあります。鉄門横から舗装路を登り切ってお寺の裏の擁壁の左に登山道があり、ここが縦走路の始まりとなります。垢離取の標高760mから歩けば1100mの高度差を一挙に一ノ森へ登ることになります。途中追分の分岐を過ぎブナの大木のうっそうとした自然林を登っていきます。一ノ森ヒュッテ付近を通る頃には周囲には白骨樹が立つ笹原が広がります。まずは一つ目のピークである一ノ森に立ちます。ここから西に向きを変え剣山に続く稜線を歩きます。木道に囲まれた剣山のピークを通り過ぎ急坂を下り次郎笈峠へ。鞍部を過ぎて今度は急坂を登り切れば次郎笈ピークです。四国第三峰の次郎笈からはこれから進む稜線がよく見えます。直下のトラバース分岐を剣山方面に2~3分進めば水場がありますが、涸れていることもあるので水の携行には注意しましょう。 丸石を過ぎブナ、ミズナラの天然林を抜け丸石避難小屋へ到着します。ここまで実働7時間強になります。徳島の山にはほどよい距離で無人小屋が整備されていますが指定された幕営地がこの先にないためここに泊まるのが賢明でしょう。二日目は高ノ瀬、中東山・石立山の分岐を越え平和丸を過ぎれば白髪避難小屋が近くなります。この小屋の20m下で水の補給をして白髪山分岐で三嶺方向にかじを切ります。途中分岐のあるカヤハゲ(東熊山)を通ります。この分岐を過ぎればこのルートでの最大傾斜の三嶺の登りにかかります、鎖場などもありますがさほど難しくはありません。そこをしのげばほどなく200名山の三嶺が迎えてくれます。笹原が広がり、少し下った池をたたえた台地には三嶺ヒュッテもあり、風景も相まってここが四国で一番の人気を誇るにふさわしい山というのもうなずけます。水場は離れていますがこの日の宿としてもいいでしょう。ゴールは大駐車場が整備された名頃の新登山口に下山します。このルートは、エスケープルートも多く取れるので、実力に合わせた計画をして避難小屋を利用した稜線歩きを楽しめます。
    垢離取とは読んで字のごとく垢を取る場所で、修験道の山に入るときにはここで俗世のアカにまみれた心・身を清めてから入山するのが古の風習であったと言われています。この縦走もそういった山への畏敬の念があってからこそ成し遂げられるのではないでしょうか。国道438号の大カーブの垢離取から穴吹川に掛けられた垢離取橋を渡り龍光寺の鉄門へ進みます。ここに駐車場もあります。鉄門横から舗装路を登り切ってお寺の裏の擁壁の左に登山道があり、ここが縦走路の始まりとなります。垢離取の標高760mから歩けば1100mの高度差を一挙に一ノ森へ登ることになります。途中追分の分岐を過ぎブナの大木のうっそうとした自然林を登っていきます。一ノ森ヒュッテ付近を通る頃には周囲には白骨樹が立つ笹原が広がります。まずは一つ目のピークである一ノ森に立ちます。ここから西に向きを変え剣山に続く稜線を歩きます。木道に囲まれた剣山のピークを通り過ぎ急坂を下り次郎笈峠へ。鞍部を過ぎて今度は急坂を登り切れば次郎笈ピークです。四国第三峰の次郎笈からはこれから進む稜線がよく見えます。直下のトラバース分岐を剣山方面に2~3分進めば水場がありますが、涸れていることもあるので水の携行には注意しましょう。 丸石を過ぎブナ、ミズナラの天然林を抜け丸石避難小屋へ到着します。ここまで実働7時間強になります。徳島の山にはほどよい距離で無人小屋が整備されていますが指定された幕営地がこの先にないためここに泊まるのが賢明でしょう。二日目は高ノ瀬、中東山・石立山の分岐を越え平和丸を過ぎれば白髪避難小屋が近くなります。この小屋の20m下で水の補給をして白髪山分岐で三嶺方向にかじを切ります。途中分岐のあるカヤハゲ(東熊山)を通ります。この分岐を過ぎればこのルートでの最大傾斜の三嶺の登りにかかります、鎖場などもありますがさほど難しくはありません。そこをしのげばほどなく200名山の三嶺が迎えてくれます。笹原が広がり、少し下った池をたたえた台地には三嶺ヒュッテもあり、風景も相まってここが四国で一番の人気を誇るにふさわしい山というのもうなずけます。水場は離れていますがこの日の宿としてもいいでしょう。ゴールは大駐車場が整備された名頃の新登山口に下山します。このルートは、エスケープルートも多く取れるので、実力に合わせた計画をして避難小屋を利用した稜線歩きを楽しめます。
  • 名頃新登山口から三嶺を経て矢筈峠へ

    名頃新登山口から三嶺を経て矢筈峠へ

    このルートの醍醐味は何といっても三嶺から天狗塚の笹原を空中散歩するかのごとく絶景の中を歩けることです。三嶺山頂は四国随一360度展望が楽しめます。国道439号(=通称439街道)の案山子の里である名頃の集落の対岸には50台収容可能な駐車場があります。水洗トイレなどが完備される立派な駐車場です。ここが名頃新登山口で道標に従って尾根を忠実にたどります。このルートの一つの見どころであるブナ・ミズナラ林の静かな登山道が迎えてくれます。防獣ネットのあるダケモミの丘を過ぎると少し平坦になり三嶺の東尾根を詰めていきます。勾配が急になり始めどんどん進んでいくと灌木帯になり、水場・大岩を過ぎ、乗越の階段を登れば神秘的な頂上台地の池のほとりに出ます。この台地には三嶺ヒュッテがあり入山が遅ければここで宿とするのも一案です。三嶺の山頂はその先の三角の形をした場所になります。季節には多くの高山植物が足元を飾り、笹の広がる風景と遠望に疲れを忘れるほどです。青ザレ、大タオと稜線の笹をかき分け進み、西熊山を越えれば下方に小屋が見えてきます、高知県が設置したお亀岩避難小屋です。縦走する登山者にはうれしいタイミングで現れる休息地であり宿泊場所です。水場は小屋の下か、徳島側の幕営地にあります。西に進み天狗峠がジャンクションポイントになりますが、少し時間を取って天狗塚に足を延ばしても良いでしょう。これから南下して綱附森を目指します。稜線は笹が再び生い茂り歩行に難がありますが、山頂は展望が開けた心地よい場所です。春にはこの稜線はツルギミツバツツジの花が咲き誇ります。まさに桃源郷を彷彿させるルートです。笹の高原のアップダウンを繰り返せば2時間ほどで矢筈峠(アリラン峠)に到着します。登山には自家用車が最適ですが、縦走するにはこの峠にも駐車可能な広場もあるのであらかじめ回送しておきましょう。ここもトイレが設置され登山起点となるところです。土佐矢筈山、小桧曽山を経由して京柱峠にも歩を進めることができます。 この近辺では熊の目撃情報があります。絶滅が確実視されている四国のツキノワグマですが、遭遇したら慌てず落ち着いて対処・退避しましょう。決して荷物を置いて逃げ出すことの無いように。登山は人間がその地域のゲストだということを忘れずに。
    このルートの醍醐味は何といっても三嶺から天狗塚の笹原を空中散歩するかのごとく絶景の中を歩けることです。三嶺山頂は四国随一360度展望が楽しめます。国道439号(=通称439街道)の案山子の里である名頃の集落の対岸には50台収容可能な駐車場があります。水洗トイレなどが完備される立派な駐車場です。ここが名頃新登山口で道標に従って尾根を忠実にたどります。このルートの一つの見どころであるブナ・ミズナラ林の静かな登山道が迎えてくれます。防獣ネットのあるダケモミの丘を過ぎると少し平坦になり三嶺の東尾根を詰めていきます。勾配が急になり始めどんどん進んでいくと灌木帯になり、水場・大岩を過ぎ、乗越の階段を登れば神秘的な頂上台地の池のほとりに出ます。この台地には三嶺ヒュッテがあり入山が遅ければここで宿とするのも一案です。三嶺の山頂はその先の三角の形をした場所になります。季節には多くの高山植物が足元を飾り、笹の広がる風景と遠望に疲れを忘れるほどです。青ザレ、大タオと稜線の笹をかき分け進み、西熊山を越えれば下方に小屋が見えてきます、高知県が設置したお亀岩避難小屋です。縦走する登山者にはうれしいタイミングで現れる休息地であり宿泊場所です。水場は小屋の下か、徳島側の幕営地にあります。西に進み天狗峠がジャンクションポイントになりますが、少し時間を取って天狗塚に足を延ばしても良いでしょう。これから南下して綱附森を目指します。稜線は笹が再び生い茂り歩行に難がありますが、山頂は展望が開けた心地よい場所です。春にはこの稜線はツルギミツバツツジの花が咲き誇ります。まさに桃源郷を彷彿させるルートです。笹の高原のアップダウンを繰り返せば2時間ほどで矢筈峠(アリラン峠)に到着します。登山には自家用車が最適ですが、縦走するにはこの峠にも駐車可能な広場もあるのであらかじめ回送しておきましょう。ここもトイレが設置され登山起点となるところです。土佐矢筈山、小桧曽山を経由して京柱峠にも歩を進めることができます。 この近辺では熊の目撃情報があります。絶滅が確実視されている四国のツキノワグマですが、遭遇したら慌てず落ち着いて対処・退避しましょう。決して荷物を置いて逃げ出すことの無いように。登山は人間がその地域のゲストだということを忘れずに。
  • 泉ヶ岳から船形山へ

    泉ヶ岳から船形山へ

    泉岳自然ふれあい館バス停から泉ヶ岳に直登するカモシカコースを登ります。駐車場にカモシカコースの案内標識があり、標識に従ってスキー場の中を進みます。 スキー場上部の標識を右に行き、岡沼の湿原を越えると岩と根の急な登りになりますが、道は広く整備されているので快適な登りが楽しめます。泉ヶ岳山頂は眺望がないものの、北泉ヶ岳方面に少し下ると船形山が遥か遠くに小さく見えます。泉ヶ岳から三叉路の分岐を右に取り、北泉ヶ岳へ進みます。 よく歩かれた締まった道から少し荒れ気味の登山道を下って行くと、桑沼方面への分岐に出ます。分岐を左に取り、ここからは延々と美しいブナ林の緩やかな起伏のある登山道の歩きになります。登山者が少なく一部ヤブで道が分かりづらくなっている所があるので、注意しながら進みましょう。やがて緩やかな登りになり、周囲が低木に変わってきて視界がきくようになると、三峰山はもうすぐです。三峰山は360度の展望が楽しめ、快適な尾根歩きです。 しかし後白髪山の分岐から蛇ヶ岳までと、蛇ヶ岳から千畳敷までの最初の区間のヤブがひどく漆がかなり混じっているので、夏場でも長袖の着用をおすすめします。千畳敷から船形山山頂までは状態の良い尾根歩きになります。着いた船形山山頂には船形山頂避難小屋があり、本コースではここに宿泊します。 2日目、山頂から少し下って御来光岩の分岐を左に取ります。ここからガレ場とえぐれた登山道の下りが続くので、慎重に進みましょう。緩やかな尾根を越え御宝前追分分岐を右に進みます。 ここからは時折薬師森が見える程度の展望のきかない長い下りが続きます。途中左手から沢の音が聞こえてくるとすぐに水場になります。ここの広場でひと息入れましょう。緩やかな登りに差しかかり登り切ったピークがクラエ山、さらに進んでクラビ分岐点を左に進みクラビコースの下りになります。こしかけ岩までの区間で唯一、船形山の展望が楽しめるビューポイントがあります。 左に沢の音を聞きながら下り、渡渉を3回ほど繰り返し、今度は右手に沢音を聞きながら進みます。ここからは切り立った崖路で、崩落箇所がいくつかあり崖下は100m以上の高度差がある非常に緊張を強いられる区間です。十分に注意して進みましょう。 つづら折れの下り道になり、渡渉して進みます。ここから林道までの区間も、道が細く崩落箇所もあるので、緊張感を保っていきましょう。林道の終点落合から御所山荘までは快適な林道歩きです。
    泉岳自然ふれあい館バス停から泉ヶ岳に直登するカモシカコースを登ります。駐車場にカモシカコースの案内標識があり、標識に従ってスキー場の中を進みます。 スキー場上部の標識を右に行き、岡沼の湿原を越えると岩と根の急な登りになりますが、道は広く整備されているので快適な登りが楽しめます。泉ヶ岳山頂は眺望がないものの、北泉ヶ岳方面に少し下ると船形山が遥か遠くに小さく見えます。泉ヶ岳から三叉路の分岐を右に取り、北泉ヶ岳へ進みます。 よく歩かれた締まった道から少し荒れ気味の登山道を下って行くと、桑沼方面への分岐に出ます。分岐を左に取り、ここからは延々と美しいブナ林の緩やかな起伏のある登山道の歩きになります。登山者が少なく一部ヤブで道が分かりづらくなっている所があるので、注意しながら進みましょう。やがて緩やかな登りになり、周囲が低木に変わってきて視界がきくようになると、三峰山はもうすぐです。三峰山は360度の展望が楽しめ、快適な尾根歩きです。 しかし後白髪山の分岐から蛇ヶ岳までと、蛇ヶ岳から千畳敷までの最初の区間のヤブがひどく漆がかなり混じっているので、夏場でも長袖の着用をおすすめします。千畳敷から船形山山頂までは状態の良い尾根歩きになります。着いた船形山山頂には船形山頂避難小屋があり、本コースではここに宿泊します。 2日目、山頂から少し下って御来光岩の分岐を左に取ります。ここからガレ場とえぐれた登山道の下りが続くので、慎重に進みましょう。緩やかな尾根を越え御宝前追分分岐を右に進みます。 ここからは時折薬師森が見える程度の展望のきかない長い下りが続きます。途中左手から沢の音が聞こえてくるとすぐに水場になります。ここの広場でひと息入れましょう。緩やかな登りに差しかかり登り切ったピークがクラエ山、さらに進んでクラビ分岐点を左に進みクラビコースの下りになります。こしかけ岩までの区間で唯一、船形山の展望が楽しめるビューポイントがあります。 左に沢の音を聞きながら下り、渡渉を3回ほど繰り返し、今度は右手に沢音を聞きながら進みます。ここからは切り立った崖路で、崩落箇所がいくつかあり崖下は100m以上の高度差がある非常に緊張を強いられる区間です。十分に注意して進みましょう。 つづら折れの下り道になり、渡渉して進みます。ここから林道までの区間も、道が細く崩落箇所もあるので、緊張感を保っていきましょう。林道の終点落合から御所山荘までは快適な林道歩きです。
  • 大樺沢から北岳へ

    大樺沢から北岳へ

    広河原インフォメーションセンター前の広河原バス停で下車し、上流へ少し歩いて大樺沢の雪渓と北岳を仰ぎ見ながら野呂川に架かる吊橋を渡ります。対岸には旧広河原山荘の跡地があり、その横手から大樺沢左岸を登ります。大樺沢支流の小さな沢を渡るとすぐに白根御池小屋分岐となり、大樺沢へは左のルートに進みます。崩壊地迂回のための仮設橋を渡って林の中を進むとやがて、草付きとなります。このあたりから上部は、年や時期にもよりますが、夏山シーズンにも雪渓が残る場所となります。右手にバットレスが大きく見えてくると大樺沢二俣です。二俣は眺めも良く、休憩に最適です。 二俣分岐点から右俣左岸の草つきを登り、さらに右側のダケカンバ林を進んでいくと、広々とした草原の斜面となります。夏にはシナノキンバイ、オヤマノエンドウなどが咲き誇るお花畑が広がる場所です。草原の斜面を登るとやがて草すべり上部となり、白根御池からのルートと合流します。草すべり最上部の急坂をジグザグに登りきると、小太郎尾根分岐です。ここで一気に展望が開けます。甲斐駒ヶ岳から早川尾根、鳳凰三山、さらに仙丈ヶ岳も一望できます。足元のイワウメ、キバナシャクナゲなども楽しみながら、岩稜の尾根上を北岳肩ノ小屋に向けて進みましょう。北岳肩ノ小屋は標高3010m、北岳頂上が間近に望める場所にあります。ここにはテント場もあります。肩ノ小屋からさらに岩のごつごつした急坂を登り、右から両俣からのコースを合わせたのち、最後の岩峰を右に巻けば北岳山頂です。 日本第二の標高を持つ山頂からは360度の展望が得られます。目の前の甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、間ノ岳から白根南嶺の山々、鳳凰三山、そしてもちろん富士山をはじめ、中央アルプス、北アルプスも遠望できます。大いに堪能しましょう 北岳山頂を後に南へ岩稜帯を下り、吊尾根分岐から指導標に従って南東に八本歯のコルを目指して下っていきます。北岳山荘への分岐を右に見送った後、いくつかハシゴが設置してあるガレ場を下っていくと八本歯のコルです。 ここで池山吊尾根へのコースを分け、北東へ左俣コースに入ります。やがて左手にバットレスを見上げながら岩の間の急坂を進むようになります。雪渓の上も歩けますが、落石も考えられるので、左岸の登山道を進みましょう。バットレス基部周辺でも落石に注意です。灌木やお花畑を見ながらさらに下れば、大樺沢二俣に戻ります。この二俣で白根御池への道を左に分け、ここからは来た道を戻ります。
    広河原インフォメーションセンター前の広河原バス停で下車し、上流へ少し歩いて大樺沢の雪渓と北岳を仰ぎ見ながら野呂川に架かる吊橋を渡ります。対岸には旧広河原山荘の跡地があり、その横手から大樺沢左岸を登ります。大樺沢支流の小さな沢を渡るとすぐに白根御池小屋分岐となり、大樺沢へは左のルートに進みます。崩壊地迂回のための仮設橋を渡って林の中を進むとやがて、草付きとなります。このあたりから上部は、年や時期にもよりますが、夏山シーズンにも雪渓が残る場所となります。右手にバットレスが大きく見えてくると大樺沢二俣です。二俣は眺めも良く、休憩に最適です。 二俣分岐点から右俣左岸の草つきを登り、さらに右側のダケカンバ林を進んでいくと、広々とした草原の斜面となります。夏にはシナノキンバイ、オヤマノエンドウなどが咲き誇るお花畑が広がる場所です。草原の斜面を登るとやがて草すべり上部となり、白根御池からのルートと合流します。草すべり最上部の急坂をジグザグに登りきると、小太郎尾根分岐です。ここで一気に展望が開けます。甲斐駒ヶ岳から早川尾根、鳳凰三山、さらに仙丈ヶ岳も一望できます。足元のイワウメ、キバナシャクナゲなども楽しみながら、岩稜の尾根上を北岳肩ノ小屋に向けて進みましょう。北岳肩ノ小屋は標高3010m、北岳頂上が間近に望める場所にあります。ここにはテント場もあります。肩ノ小屋からさらに岩のごつごつした急坂を登り、右から両俣からのコースを合わせたのち、最後の岩峰を右に巻けば北岳山頂です。 日本第二の標高を持つ山頂からは360度の展望が得られます。目の前の甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、間ノ岳から白根南嶺の山々、鳳凰三山、そしてもちろん富士山をはじめ、中央アルプス、北アルプスも遠望できます。大いに堪能しましょう 北岳山頂を後に南へ岩稜帯を下り、吊尾根分岐から指導標に従って南東に八本歯のコルを目指して下っていきます。北岳山荘への分岐を右に見送った後、いくつかハシゴが設置してあるガレ場を下っていくと八本歯のコルです。 ここで池山吊尾根へのコースを分け、北東へ左俣コースに入ります。やがて左手にバットレスを見上げながら岩の間の急坂を進むようになります。雪渓の上も歩けますが、落石も考えられるので、左岸の登山道を進みましょう。バットレス基部周辺でも落石に注意です。灌木やお花畑を見ながらさらに下れば、大樺沢二俣に戻ります。この二俣で白根御池への道を左に分け、ここからは来た道を戻ります。
  • 広河原から白根御池を経て北岳へ

    広河原から白根御池を経て北岳へ

    広河原インフォメーションセンター前にある広河原バス停で下車し、北沢峠への林道ゲートの脇を抜け、上流へ少し歩いて野呂川に架かる吊橋を渡ります。対岸には旧広河原山荘の跡地があり、山荘の左手から大樺沢左岸を登ります。大樺沢支流の小さな沢を渡るとすぐに白根御池小屋分岐です。ここを右に進み、右手に沢を見下ろしながら、沢から遠ざかった尾根上の登山道を延々と登ります。標高1880m付近の第一ベンチ、標高2160m付近の第二ベンチは休憩の目安となるでしょう。 第二ベンチを過ぎた標高2200m付近から道は山腹を巻くような形で南へ向かうようになります。崩壊地の上を通過し、沢を横切ってさらに南下すると白根御池小屋に到着です。雪崩での倒壊後2006年に新築された綺麗な小屋です。白根御池周辺はキャンプ指定地になっており、バットレスや八本歯の稜線を展望できます。 白根御池から小太郎尾根までの標高差約500mの区間は草スベリと言われており、急坂の連続です。草スベリ下部はバイケイソウやミヤマシシシウドなどの草本が主体です。グングンと標高を上げてダケカンバやミヤマハンノキなどの林を抜け、左から右俣コースと合わせるあたりは、大きなお花畑となっていて、シーズンにはシナノキンバイの大群落の中にハクサンイチゲ、コイワカガミ、イワウメ、キバナノコマノツメなどを見ることができます。さらにひと登りすれば、小太郎尾根分岐に出ます。ここで一気に展望が開けます。甲斐駒ヶ岳から早川尾根、鳳凰三山、さらに仙丈ヶ岳も一望できます。足元のイワウメ、キバナシャクナゲなども楽しみながら岩稜を進んでいくと北岳肩ノ小屋に到着します。北岳肩ノ小屋は標高3000m、北岳頂上が間近に望めます。キャンプ指定地は小屋から一段下がったところであります。肩ノ小屋からさらに岩のごつごつした急坂を登り、右から両俣からのコースを合わせます。稜線の西側斜面を登り、最後の岩峰の右側を巻くといよいよ北岳山頂です。山頂からの展望は申し分ありません。目の前の甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、間ノ岳から白根南嶺の山々、鳳凰三山、そしてもちろん富士山をはじめ、中央アルプス、北アルプスも遠望できます。 下山は、往路で使用した道を戻るか、小太郎尾根分岐下部から右俣コースを降りる、もしくは八本歯コル経由の左俣コースでもいいでしょう。詳しくは大樺沢から北岳へ(コースガイド)を参照して下さい。
    広河原インフォメーションセンター前にある広河原バス停で下車し、北沢峠への林道ゲートの脇を抜け、上流へ少し歩いて野呂川に架かる吊橋を渡ります。対岸には旧広河原山荘の跡地があり、山荘の左手から大樺沢左岸を登ります。大樺沢支流の小さな沢を渡るとすぐに白根御池小屋分岐です。ここを右に進み、右手に沢を見下ろしながら、沢から遠ざかった尾根上の登山道を延々と登ります。標高1880m付近の第一ベンチ、標高2160m付近の第二ベンチは休憩の目安となるでしょう。 第二ベンチを過ぎた標高2200m付近から道は山腹を巻くような形で南へ向かうようになります。崩壊地の上を通過し、沢を横切ってさらに南下すると白根御池小屋に到着です。雪崩での倒壊後2006年に新築された綺麗な小屋です。白根御池周辺はキャンプ指定地になっており、バットレスや八本歯の稜線を展望できます。 白根御池から小太郎尾根までの標高差約500mの区間は草スベリと言われており、急坂の連続です。草スベリ下部はバイケイソウやミヤマシシシウドなどの草本が主体です。グングンと標高を上げてダケカンバやミヤマハンノキなどの林を抜け、左から右俣コースと合わせるあたりは、大きなお花畑となっていて、シーズンにはシナノキンバイの大群落の中にハクサンイチゲ、コイワカガミ、イワウメ、キバナノコマノツメなどを見ることができます。さらにひと登りすれば、小太郎尾根分岐に出ます。ここで一気に展望が開けます。甲斐駒ヶ岳から早川尾根、鳳凰三山、さらに仙丈ヶ岳も一望できます。足元のイワウメ、キバナシャクナゲなども楽しみながら岩稜を進んでいくと北岳肩ノ小屋に到着します。北岳肩ノ小屋は標高3000m、北岳頂上が間近に望めます。キャンプ指定地は小屋から一段下がったところであります。肩ノ小屋からさらに岩のごつごつした急坂を登り、右から両俣からのコースを合わせます。稜線の西側斜面を登り、最後の岩峰の右側を巻くといよいよ北岳山頂です。山頂からの展望は申し分ありません。目の前の甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、間ノ岳から白根南嶺の山々、鳳凰三山、そしてもちろん富士山をはじめ、中央アルプス、北アルプスも遠望できます。 下山は、往路で使用した道を戻るか、小太郎尾根分岐下部から右俣コースを降りる、もしくは八本歯コル経由の左俣コースでもいいでしょう。詳しくは大樺沢から北岳へ(コースガイド)を参照して下さい。
  • 黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳へ

    黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳へ

    登山口の尾白川渓谷駐車場までは、マイカーか韮崎駅からタクシーで向かいます。竹宇駒ヶ岳神社の社殿の横から登山道に入り、尾白川に架かる吊橋を渡って、山腹に取りつき尾白川渓谷道を分け、十二曲りの急坂を登ると再び渓谷周遊路を分けます。ひと登りすると道は左へ山腹を巻くようにつけられていますが、尾根上に出たところから尾根をたどって登るようになります。 樹林帯の中の坂を登っていくと、笹ノ平分岐となり、横手駒ヶ岳神社からの道と合わせます。さらにクマザサの中を進むと、八丁登りと呼ばれる長い登りが続いています。平坦な前屏風ノ頭を越えると、刃渡りの岩場となります。ここは尾根が急に細くなり、道の両側が左右の谷に深く落ちこんでいます。鎖も張られていますが、注意して進みましょう。 一度樹林帯に入り、鎖場を超え、はしごを登り切ったところが刀利天狗です。ここには「黒砥山刀利天狗」の碑や祠が設置されています。ここから黒戸山北面を巻き終えると、鞍部の少し手前の五合目小屋跡に出ます。 鞍部からすぐ屏風岩の登りとなります。要所には梯子と鎖が付けられているので安心です。やがて樹林帯を抜けると七丈第一小屋に着きます。30mほど先に七丈第二小屋があり、キャンプ指定地はさらに一段上にあります。 キャンプ指定地の脇を抜け、ところどころに梯子や鎖の設置された道を登っていくと、次第にハイマツやダケカンバが目立つようになり、やがて八合目の石鳥居(倒壊)に着きます。この台地は、御来迎場としてかつて講中が日の出を拝する霊場でした。眺望は開けており、眼前には駒ヶ岳山頂の岩肌が白く輝いて見えます。ここからは、花崗岩のザレと鎖のついた岩場が連続しており、確実に進んでいくと2965.5mの東峰に着きます。ここは大己貴命を祀る駒ヶ岳神社本社の石祠が立っています。 さらに左から北沢峠からの道を合わせて少し登れば、1等三角点の設置された標高2967mの甲斐駒ヶ岳山頂に着きます。展望は申し分ありません。八ヶ岳、北アルプス、南アルプス、富士山、奥秩父など存分に楽しみましょう。ここにも石祠があり威力不動尊が祀られています。 甲斐駒ヶ岳山頂から北沢峠までは北沢峠から甲斐駒ヶ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。
    登山口の尾白川渓谷駐車場までは、マイカーか韮崎駅からタクシーで向かいます。竹宇駒ヶ岳神社の社殿の横から登山道に入り、尾白川に架かる吊橋を渡って、山腹に取りつき尾白川渓谷道を分け、十二曲りの急坂を登ると再び渓谷周遊路を分けます。ひと登りすると道は左へ山腹を巻くようにつけられていますが、尾根上に出たところから尾根をたどって登るようになります。 樹林帯の中の坂を登っていくと、笹ノ平分岐となり、横手駒ヶ岳神社からの道と合わせます。さらにクマザサの中を進むと、八丁登りと呼ばれる長い登りが続いています。平坦な前屏風ノ頭を越えると、刃渡りの岩場となります。ここは尾根が急に細くなり、道の両側が左右の谷に深く落ちこんでいます。鎖も張られていますが、注意して進みましょう。 一度樹林帯に入り、鎖場を超え、はしごを登り切ったところが刀利天狗です。ここには「黒砥山刀利天狗」の碑や祠が設置されています。ここから黒戸山北面を巻き終えると、鞍部の少し手前の五合目小屋跡に出ます。 鞍部からすぐ屏風岩の登りとなります。要所には梯子と鎖が付けられているので安心です。やがて樹林帯を抜けると七丈第一小屋に着きます。30mほど先に七丈第二小屋があり、キャンプ指定地はさらに一段上にあります。 キャンプ指定地の脇を抜け、ところどころに梯子や鎖の設置された道を登っていくと、次第にハイマツやダケカンバが目立つようになり、やがて八合目の石鳥居(倒壊)に着きます。この台地は、御来迎場としてかつて講中が日の出を拝する霊場でした。眺望は開けており、眼前には駒ヶ岳山頂の岩肌が白く輝いて見えます。ここからは、花崗岩のザレと鎖のついた岩場が連続しており、確実に進んでいくと2965.5mの東峰に着きます。ここは大己貴命を祀る駒ヶ岳神社本社の石祠が立っています。 さらに左から北沢峠からの道を合わせて少し登れば、1等三角点の設置された標高2967mの甲斐駒ヶ岳山頂に着きます。展望は申し分ありません。八ヶ岳、北アルプス、南アルプス、富士山、奥秩父など存分に楽しみましょう。ここにも石祠があり威力不動尊が祀られています。 甲斐駒ヶ岳山頂から北沢峠までは北沢峠から甲斐駒ヶ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。
  • 甲斐駒ヶ岳から鋸岳縦走

    甲斐駒ヶ岳から鋸岳縦走

    甲斐駒ヶ岳までは北沢峠から甲斐駒ヶ岳へ(コースガイド)を参照してください。 甲斐駒ヶ岳山頂から北西に六合目小屋を目指します。見通しの良い稜線上の登山道をグングン下っていきます。途中、標高2860m付近と標高2780m付近には岩場に針金がつけられていますが、さほど危険はありません。さらに下っていくと、標高2520m付近に何本かの石柱が立っている砂礫地に出ます。ここから南東に山腹を巻くように5分ほど下れば六合目小屋に到着します。六合目小屋は土間も広く、床がある部分は8~10名ほどのスペースがあります。水は砂礫地から南へトラバース気味に10分ほど下ったところにあります。砂礫地を過ぎるとすぐ左手に旧七丈ヶ滝コースを分けます。このコースは戸台から甲斐駒ヶ岳への信仰登山の由緒ある登路でしたが、南アルプス林道の開通や丹渓山荘の閉鎖に伴って次第に荒れて、廃道となっています。 三ツ頭まではいくつかの小ピークを越えながら進みます。登山道は基本的に稜線付近北東斜面側の樹林帯の中を行きます。三ツ頭ピークの北側を巻くように進むと、烏帽子岳へのルートを右に分け、中ノ川乗越へと進みます。中ノ川乗越への下りの一部はかなり急坂です。中ノ川乗越は熊の穴沢からのルートを合わせていて、南西にはごつごつした岩が一面に転がっています。ここから第二高点へは、右側の岩壁下に沿ってガレ沢を登ります。石が小さく崩れやすいのでなかなか標高が稼げません。ガレ場を過ぎて少し左に折れ、岩稜を登り切ったところが鋸岳の第二高点です。頂上には錆びた鉄剣が立つのみですが、眺望は見事です。 第二高点から北に進むと大ギャップとなり通行不能となるので、南西に延びる尾根上の道を標高差80mほど下ります。ダケカンバの中の草付から右側の岩壁を巻くように進み、大ギャップから落ち込んでくるガレ沢の底に入ります。ここを距離で15mほど下ると右にバンド(岩壁を横切る岩棚)が現れここを登ります。岩尾根を回り込むと鹿ノ窓からの岩溝に出ます。落石に注意しながら左にある草付の尾根や鎖も利用して、鹿ノ窓へと進みます。 鹿ノ窓をくぐり、山梨県側に出て、左手のナイフリッジを越えていくと小ギャップとなります。約15m鎖で下降すると小ギャップの底に着きます。反対側は約8mほど(鎖あり)ですが、ほぼ垂直の壁なので注意して登りましょう。ここから稜線上を気を抜かずに登れば鋸岳第一高点です。ここもまた好展望です。 ここからは戸台から鋸岳第一高点・第二高点へ(コースガイド)の往路を参照して下さい。
    甲斐駒ヶ岳までは北沢峠から甲斐駒ヶ岳へ(コースガイド)を参照してください。 甲斐駒ヶ岳山頂から北西に六合目小屋を目指します。見通しの良い稜線上の登山道をグングン下っていきます。途中、標高2860m付近と標高2780m付近には岩場に針金がつけられていますが、さほど危険はありません。さらに下っていくと、標高2520m付近に何本かの石柱が立っている砂礫地に出ます。ここから南東に山腹を巻くように5分ほど下れば六合目小屋に到着します。六合目小屋は土間も広く、床がある部分は8~10名ほどのスペースがあります。水は砂礫地から南へトラバース気味に10分ほど下ったところにあります。砂礫地を過ぎるとすぐ左手に旧七丈ヶ滝コースを分けます。このコースは戸台から甲斐駒ヶ岳への信仰登山の由緒ある登路でしたが、南アルプス林道の開通や丹渓山荘の閉鎖に伴って次第に荒れて、廃道となっています。 三ツ頭まではいくつかの小ピークを越えながら進みます。登山道は基本的に稜線付近北東斜面側の樹林帯の中を行きます。三ツ頭ピークの北側を巻くように進むと、烏帽子岳へのルートを右に分け、中ノ川乗越へと進みます。中ノ川乗越への下りの一部はかなり急坂です。中ノ川乗越は熊の穴沢からのルートを合わせていて、南西にはごつごつした岩が一面に転がっています。ここから第二高点へは、右側の岩壁下に沿ってガレ沢を登ります。石が小さく崩れやすいのでなかなか標高が稼げません。ガレ場を過ぎて少し左に折れ、岩稜を登り切ったところが鋸岳の第二高点です。頂上には錆びた鉄剣が立つのみですが、眺望は見事です。 第二高点から北に進むと大ギャップとなり通行不能となるので、南西に延びる尾根上の道を標高差80mほど下ります。ダケカンバの中の草付から右側の岩壁を巻くように進み、大ギャップから落ち込んでくるガレ沢の底に入ります。ここを距離で15mほど下ると右にバンド(岩壁を横切る岩棚)が現れここを登ります。岩尾根を回り込むと鹿ノ窓からの岩溝に出ます。落石に注意しながら左にある草付の尾根や鎖も利用して、鹿ノ窓へと進みます。 鹿ノ窓をくぐり、山梨県側に出て、左手のナイフリッジを越えていくと小ギャップとなります。約15m鎖で下降すると小ギャップの底に着きます。反対側は約8mほど(鎖あり)ですが、ほぼ垂直の壁なので注意して登りましょう。ここから稜線上を気を抜かずに登れば鋸岳第一高点です。ここもまた好展望です。 ここからは戸台から鋸岳第一高点・第二高点へ(コースガイド)の往路を参照して下さい。
  • 戸台から鋸岳第一高点・第二高点へ

    戸台から鋸岳第一高点・第二高点へ

    戸台川河原にある広い駐車場東側登山道脇にある指導所で登山届を提出し、ここから広い河原の中を進み、左岸にある三峰川発電所取水口の施設の通路を通ります。台風等の影響でルートが変わるので、周囲をよく見て歩きやすいところを探しながら進みましょう。 標高1320m付近で角兵衛沢と出会います。ここから戸台川を渡ります。その後、小尾根を越えるように登っていくと、一合目です。ここで道は二手に分かれますが、左へ横岳峠への道は廃道となっています。ここを右へ針葉樹林帯の中を進んでいきます。標高2200m付近で登山道から右に離れ、2~3分ほど進むと大岩下ノ岩小屋に着きます(テント3、4張可能、水あり)。 登山道に戻り、再びガレ場を登ります。コルに近くなると踏み跡が薄く、登りやすいところを選んでの登高となります。 やっと着いた標高2550m、角兵衛沢のコルは狭く、ここから南東へ尾根通しに鋸岳の第一高点を目指します。ダケカンバ、ハイマツなどの枝に捕まりながら、20分ほど進むと鋸岳第一高点に着きます。ここでは甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳はもちろん、中央アルプス、さらに遠く北アルプスの峰々を望むことができます。 第一高点から岩稜上を下っていくと小ギャップです。ここは8mほどの岩壁が垂直に切れています。設置されている鎖を頼りに慎重に下りましょう。小ギャップの底からは右手の小さな尾根通しの鎖を頼りに約15m程登り、ナイフエッジ状の岩を越えると鹿ノ窓です。鹿ノ窓にも長い鎖が設置されています。鹿ノ窓の岩溝から右手の草付きの尾根側を下ると、第三高点につながる岩尾根上にバンド(岩尾根を横切る岩棚)があり、ここを進むと大ギャップからのガレ沢に入ります。ここを距離で15mほど登り返し、第二高点から延びる南西稜に取りつきます。灌木帯の急登を登っていくと第二高点です。頂上には錆びた鉄剣が立っており、眺望もまた素晴らしく、核心部を終えた安堵感が広がることでしょう。 第二高点から幅広の岩稜を右へ回り込みながら、岩稜と岩稜の間のガラ場を下っていくと中ノ川乗越です(テント3張ほど可能、水なし)。ここからはガレの上をひたすら下ります。標高1850m付近からはカラマツなどの林がところどころ途切れながら続き、やがて林床にみごとな苔を持つ針葉樹林を過ごします。 戸台川を渡り、ここから10分ほど下ると角兵衛沢に出会います。戸台川沿いに来た道を進んで、戸台の駐車場に着きます。
    戸台川河原にある広い駐車場東側登山道脇にある指導所で登山届を提出し、ここから広い河原の中を進み、左岸にある三峰川発電所取水口の施設の通路を通ります。台風等の影響でルートが変わるので、周囲をよく見て歩きやすいところを探しながら進みましょう。 標高1320m付近で角兵衛沢と出会います。ここから戸台川を渡ります。その後、小尾根を越えるように登っていくと、一合目です。ここで道は二手に分かれますが、左へ横岳峠への道は廃道となっています。ここを右へ針葉樹林帯の中を進んでいきます。標高2200m付近で登山道から右に離れ、2~3分ほど進むと大岩下ノ岩小屋に着きます(テント3、4張可能、水あり)。 登山道に戻り、再びガレ場を登ります。コルに近くなると踏み跡が薄く、登りやすいところを選んでの登高となります。 やっと着いた標高2550m、角兵衛沢のコルは狭く、ここから南東へ尾根通しに鋸岳の第一高点を目指します。ダケカンバ、ハイマツなどの枝に捕まりながら、20分ほど進むと鋸岳第一高点に着きます。ここでは甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳はもちろん、中央アルプス、さらに遠く北アルプスの峰々を望むことができます。 第一高点から岩稜上を下っていくと小ギャップです。ここは8mほどの岩壁が垂直に切れています。設置されている鎖を頼りに慎重に下りましょう。小ギャップの底からは右手の小さな尾根通しの鎖を頼りに約15m程登り、ナイフエッジ状の岩を越えると鹿ノ窓です。鹿ノ窓にも長い鎖が設置されています。鹿ノ窓の岩溝から右手の草付きの尾根側を下ると、第三高点につながる岩尾根上にバンド(岩尾根を横切る岩棚)があり、ここを進むと大ギャップからのガレ沢に入ります。ここを距離で15mほど登り返し、第二高点から延びる南西稜に取りつきます。灌木帯の急登を登っていくと第二高点です。頂上には錆びた鉄剣が立っており、眺望もまた素晴らしく、核心部を終えた安堵感が広がることでしょう。 第二高点から幅広の岩稜を右へ回り込みながら、岩稜と岩稜の間のガラ場を下っていくと中ノ川乗越です(テント3張ほど可能、水なし)。ここからはガレの上をひたすら下ります。標高1850m付近からはカラマツなどの林がところどころ途切れながら続き、やがて林床にみごとな苔を持つ針葉樹林を過ごします。 戸台川を渡り、ここから10分ほど下ると角兵衛沢に出会います。戸台川沿いに来た道を進んで、戸台の駐車場に着きます。
  • 夜叉神峠から鳳凰三山を経て御座石鉱泉へ

    夜叉神峠から鳳凰三山を経て御座石鉱泉へ

    夜叉神峠登山口から幅広の登山道を夜叉神峠に向かいます。五本松といわれる巨木や炭焼き釜跡などがあるカラマツ林の中を1時間ほど登ると稜線に出ます。ここが本来の夜叉神峠ですが、さらに北へほんの少し登った小屋のある平地を普通夜叉神峠としています。ここから見る白根三山は実に見事です。 鳳凰三山へは北へ尾根上のカラマツ林を進んでいきます。大崖頭山西肩には鉄製の杖立峠表示があり、ここから尾根の西側を北上すると山火事跡である、明るいダケカンバの林となります。再び針葉樹林の中に入り、緩やかになった斜面を登っていくと苺平に着きます。さらに、辻山の北東斜面を巻きながら進んでいくと明るく開けた南御室小屋に到着します。この先の薬師岳小屋に水場はないのでここで十分に補給しておきましょう。 南御室小屋裏から登りはじめると道は二手に分かれるので左に進み、更に登って森林限界を超えるとまもなく砂払岳です。一気に広がった展望の良い山頂には、巨岩が立ち並んでいます。ここからザレ場を下ると、ハイマツとダケカンバ林の中の2017年に改装となった薬師岳小屋に着きます。 薬師岳小屋からハイマツの中をくぐり、白砂の道を一登りすれば、広い頂に幾つかの花崗岩の塔がある薬師岳山頂です。白根三山、八ヶ岳、富士山など、展望を満喫しましょう。 薬師岳山頂から白砂と花崗岩の気持ちの良い稜線を北へ進んで行くと、観音岳に到着します。ここは鳳凰三山の最高峰であり、正面の地蔵岳のオベリスクがいよいよ間近になっています。 観音岳を後にし、岩と砂の斜面を注意しながら下って行きます。鳳凰小屋への近道を右に過ごし、赤抜沢ノ頭山頂で白鳳峠から早川尾根へのルートを分けて、賽ノ河原へと下ると、ここには数多くの子授け地蔵が祀られています。 賽ノ河原から鳳凰小屋へと下ります。最初、砂礫の斜面、やがてダケカンバなどの樹林帯を下って行くと鳳凰小屋です。 鳳凰小屋から右に青木鉱泉に向かうルートを分け、御座石鉱泉に向かう尾根上の道を進みます。道ははじめドンドコ沢側に着いていますが、尾根筋を超えて北側を巻くように下ります。やがてコメツガ林の中、ササが目立つようになると平坦な燕頭山の山頂となります。展望は望めません。 燕頭山から急坂を下って旭岳頂上の石柱を見送り、やがて傾斜が緩やかになったところが西ノ平で、林道を横断します。再び東へ向かう急な坂を下っていくと御座石鉱泉に到着します。
    夜叉神峠登山口から幅広の登山道を夜叉神峠に向かいます。五本松といわれる巨木や炭焼き釜跡などがあるカラマツ林の中を1時間ほど登ると稜線に出ます。ここが本来の夜叉神峠ですが、さらに北へほんの少し登った小屋のある平地を普通夜叉神峠としています。ここから見る白根三山は実に見事です。 鳳凰三山へは北へ尾根上のカラマツ林を進んでいきます。大崖頭山西肩には鉄製の杖立峠表示があり、ここから尾根の西側を北上すると山火事跡である、明るいダケカンバの林となります。再び針葉樹林の中に入り、緩やかになった斜面を登っていくと苺平に着きます。さらに、辻山の北東斜面を巻きながら進んでいくと明るく開けた南御室小屋に到着します。この先の薬師岳小屋に水場はないのでここで十分に補給しておきましょう。 南御室小屋裏から登りはじめると道は二手に分かれるので左に進み、更に登って森林限界を超えるとまもなく砂払岳です。一気に広がった展望の良い山頂には、巨岩が立ち並んでいます。ここからザレ場を下ると、ハイマツとダケカンバ林の中の2017年に改装となった薬師岳小屋に着きます。 薬師岳小屋からハイマツの中をくぐり、白砂の道を一登りすれば、広い頂に幾つかの花崗岩の塔がある薬師岳山頂です。白根三山、八ヶ岳、富士山など、展望を満喫しましょう。 薬師岳山頂から白砂と花崗岩の気持ちの良い稜線を北へ進んで行くと、観音岳に到着します。ここは鳳凰三山の最高峰であり、正面の地蔵岳のオベリスクがいよいよ間近になっています。 観音岳を後にし、岩と砂の斜面を注意しながら下って行きます。鳳凰小屋への近道を右に過ごし、赤抜沢ノ頭山頂で白鳳峠から早川尾根へのルートを分けて、賽ノ河原へと下ると、ここには数多くの子授け地蔵が祀られています。 賽ノ河原から鳳凰小屋へと下ります。最初、砂礫の斜面、やがてダケカンバなどの樹林帯を下って行くと鳳凰小屋です。 鳳凰小屋から右に青木鉱泉に向かうルートを分け、御座石鉱泉に向かう尾根上の道を進みます。道ははじめドンドコ沢側に着いていますが、尾根筋を超えて北側を巻くように下ります。やがてコメツガ林の中、ササが目立つようになると平坦な燕頭山の山頂となります。展望は望めません。 燕頭山から急坂を下って旭岳頂上の石柱を見送り、やがて傾斜が緩やかになったところが西ノ平で、林道を横断します。再び東へ向かう急な坂を下っていくと御座石鉱泉に到着します。
  • 青木鉱泉から鳳凰三山へ

    青木鉱泉から鳳凰三山へ

    青木鉱泉本館前の庭から左へ指導標に導かれてドンドコ沢登山道に出ます。工事中の迂回路を経て、山腹を巻くように登り、一度ジグザグ道で標高を稼いだ後、再び山腹を巻くように進みます。指導標から5分ほどで南精進ヶ滝展望台に着きます。二段に分かれた落差70mほどの滝は岩を大きくえぐり、見ごたえがあります。(展望台を経ずに進むコースもあります。)急坂となった道を、グングン登っていくと、鳳凰ノ滝への指導標が2か所あります。鳳凰ノ滝は上部の指導標から左へ10分程度ですが、近づくのはさらに時間がかかります。登山道に戻り、尾根の南側に戻ると白糸ノ滝が見えてきます。ここから枝沢を渡り、針葉樹の中を進んでいくと五色ノ滝への分岐です。滝の近くまでは3~4分です。五色ノ滝分岐から急坂を登り、ザレ場をいくつか過ぎて林を抜けると、ドンドコ沢源流の河原歩きとなります。正面に地蔵岳のオベリスクも見えます。御座石鉱泉からのルートと合流するのは鳳凰小屋前です。 鳳凰小屋から地蔵岳へ向かいます。小屋からすぐ急坂の中の樹林帯を抜けると、歩きづらい白ザレの斜面となります。ここを登りきると子授け地蔵の並ぶ賽ノ河原です。下方には地蔵岳の表示板もあり、オベリスクが最も近くに眺められる場所です。ここからハイマツとダケカンバの中の道を登ると、素晴らしい眺めの赤抜沢ノ頭に着きます。南東に進路を変えて、岩尾根を進んでいきます。鳳凰小屋への分岐を左に見送り、ハイマツと白砂のコントラストが美しい稜線を登りきると観音岳山頂です。この鳳凰三山最高点もまた360度の展望を満喫できます。ハイマツ帯のなだらかな稜線上の道を右手に北岳を見ながら進みます。気持ちの良い稜線上の道をすこし登りかえすと薬師岳山頂です。広い山頂には、白砂の中に巨岩が積み増さなり、庭園のようにも見えます。相変わらず素晴らしい眺めです。なお、2017年に建て替えられた薬師岳小屋は砂払岳との鞍部にあります。 大パノラマを十分満喫したら、夜叉神峠に向かう縦走路を右手に分け、東へ、標高差1600mほどを一気に下る中道に入ります。ダケカンバ林を経て、針葉樹林をグングン下っていくと標高2390m程に御座石と名付けられた大岩があります。展望のない樹林帯の中の道なので一つの目安となるでしょう。長く単調な樹林帯の中の道を延々と下っていき、林道を横切りさらに尾根上のジグザグ道を下っていくと、ようやく中道登山道入口に着きます。ここから林道をたどって青木鉱泉に戻ります。
    青木鉱泉本館前の庭から左へ指導標に導かれてドンドコ沢登山道に出ます。工事中の迂回路を経て、山腹を巻くように登り、一度ジグザグ道で標高を稼いだ後、再び山腹を巻くように進みます。指導標から5分ほどで南精進ヶ滝展望台に着きます。二段に分かれた落差70mほどの滝は岩を大きくえぐり、見ごたえがあります。(展望台を経ずに進むコースもあります。)急坂となった道を、グングン登っていくと、鳳凰ノ滝への指導標が2か所あります。鳳凰ノ滝は上部の指導標から左へ10分程度ですが、近づくのはさらに時間がかかります。登山道に戻り、尾根の南側に戻ると白糸ノ滝が見えてきます。ここから枝沢を渡り、針葉樹の中を進んでいくと五色ノ滝への分岐です。滝の近くまでは3~4分です。五色ノ滝分岐から急坂を登り、ザレ場をいくつか過ぎて林を抜けると、ドンドコ沢源流の河原歩きとなります。正面に地蔵岳のオベリスクも見えます。御座石鉱泉からのルートと合流するのは鳳凰小屋前です。 鳳凰小屋から地蔵岳へ向かいます。小屋からすぐ急坂の中の樹林帯を抜けると、歩きづらい白ザレの斜面となります。ここを登りきると子授け地蔵の並ぶ賽ノ河原です。下方には地蔵岳の表示板もあり、オベリスクが最も近くに眺められる場所です。ここからハイマツとダケカンバの中の道を登ると、素晴らしい眺めの赤抜沢ノ頭に着きます。南東に進路を変えて、岩尾根を進んでいきます。鳳凰小屋への分岐を左に見送り、ハイマツと白砂のコントラストが美しい稜線を登りきると観音岳山頂です。この鳳凰三山最高点もまた360度の展望を満喫できます。ハイマツ帯のなだらかな稜線上の道を右手に北岳を見ながら進みます。気持ちの良い稜線上の道をすこし登りかえすと薬師岳山頂です。広い山頂には、白砂の中に巨岩が積み増さなり、庭園のようにも見えます。相変わらず素晴らしい眺めです。なお、2017年に建て替えられた薬師岳小屋は砂払岳との鞍部にあります。 大パノラマを十分満喫したら、夜叉神峠に向かう縦走路を右手に分け、東へ、標高差1600mほどを一気に下る中道に入ります。ダケカンバ林を経て、針葉樹林をグングン下っていくと標高2390m程に御座石と名付けられた大岩があります。展望のない樹林帯の中の道なので一つの目安となるでしょう。長く単調な樹林帯の中の道を延々と下っていき、林道を横切りさらに尾根上のジグザグ道を下っていくと、ようやく中道登山道入口に着きます。ここから林道をたどって青木鉱泉に戻ります。
  • 北沢峠から早川尾根縦走

    北沢峠から早川尾根縦走

    北沢峠バス停から林道を南東に500mほど進んで、指導標に従い北沢に下っていくと長衛小屋があります。小屋の手前左手には、甲斐駒、仙丈ヶ岳の開拓に尽力した竹沢長衛のレリーフがあります。長衛小屋前の北沢を渡って栗沢山への直登コースを右に見送り、樹林帯の中の仙水小屋を過ごしてゴーロ状の斜面の下部を進んでいくと、仙水峠に到着します。 仙水峠からは、摩利支天が眼前に迫ってきます。ここから南へ、甲斐駒を背に栗沢山への急坂をのぼります。低灌木帯からハイマツ帯に変わり、岩礫上の道を進めば、ようやく栗沢山の頂上です。ここは岩が積み重なっており、先程北沢で分岐した西尾根ルートと合流します。 栗沢山からしばらくは岩の上のルートを進みます。周囲の展望はよく、小ピークを数個乗り越し、ハイマツ、ダケカンバなどの気持ちの良い稜線を進んでいくとアサヨ峰山頂です。 山頂からの展望はすばらしく、甲斐駒、仙丈ヶ岳、北岳、更に遠く北アルプス、八ヶ岳、鳳凰三山そして富士山などを望めます。 山頂から東へハイマツの中の岩稜を進みます。小ピークを越えながら下って行き、ミヨシノ頭を越えて2553m岩峰から急下降して再び登り返し、さらに小さな登降を繰り返しながら2463.4m早川尾根ノ頭を過ぎれば、すぐに早川尾根小屋です。ここはキャンプ指定地にもなっており、水場もあります。 早川尾根小屋から、南南東へなだらかに下って行き、傾斜が急になるとまもなく広河原峠に到着です。時間がなければ、ここから南アルプス林道へ下ると良いでしょう。 広河原峠から、南東へ樹林帯の中を登っていきます。標高2510m付近には、登山道が崩壊したためできた迂回路があり、赤テープに導かれて進みます。これを過ぎればすぐに赤薙沢ノ頭に到着します。ここから緩やかに尾根を下ると白鳳峠です。 余裕があれば高嶺にピストンしましょう。ここも展望は素晴らしく、歩いてきた早川尾根がほぼ一望できます。 白鳳峠から広河原への道を下っていくとすぐに樹林帯が切れてゴーロ状の斜面となります。これを過ぎ、再び樹林帯に入れば、下って行くほど斜面は急になっていきます。鉄ハシゴなども設置されているので、焦らず着実に下って行きましょう。ようやく南アルプス林道に降り立てば、林道を15分ほどで広河原に到着します。
    北沢峠バス停から林道を南東に500mほど進んで、指導標に従い北沢に下っていくと長衛小屋があります。小屋の手前左手には、甲斐駒、仙丈ヶ岳の開拓に尽力した竹沢長衛のレリーフがあります。長衛小屋前の北沢を渡って栗沢山への直登コースを右に見送り、樹林帯の中の仙水小屋を過ごしてゴーロ状の斜面の下部を進んでいくと、仙水峠に到着します。 仙水峠からは、摩利支天が眼前に迫ってきます。ここから南へ、甲斐駒を背に栗沢山への急坂をのぼります。低灌木帯からハイマツ帯に変わり、岩礫上の道を進めば、ようやく栗沢山の頂上です。ここは岩が積み重なっており、先程北沢で分岐した西尾根ルートと合流します。 栗沢山からしばらくは岩の上のルートを進みます。周囲の展望はよく、小ピークを数個乗り越し、ハイマツ、ダケカンバなどの気持ちの良い稜線を進んでいくとアサヨ峰山頂です。 山頂からの展望はすばらしく、甲斐駒、仙丈ヶ岳、北岳、更に遠く北アルプス、八ヶ岳、鳳凰三山そして富士山などを望めます。 山頂から東へハイマツの中の岩稜を進みます。小ピークを越えながら下って行き、ミヨシノ頭を越えて2553m岩峰から急下降して再び登り返し、さらに小さな登降を繰り返しながら2463.4m早川尾根ノ頭を過ぎれば、すぐに早川尾根小屋です。ここはキャンプ指定地にもなっており、水場もあります。 早川尾根小屋から、南南東へなだらかに下って行き、傾斜が急になるとまもなく広河原峠に到着です。時間がなければ、ここから南アルプス林道へ下ると良いでしょう。 広河原峠から、南東へ樹林帯の中を登っていきます。標高2510m付近には、登山道が崩壊したためできた迂回路があり、赤テープに導かれて進みます。これを過ぎればすぐに赤薙沢ノ頭に到着します。ここから緩やかに尾根を下ると白鳳峠です。 余裕があれば高嶺にピストンしましょう。ここも展望は素晴らしく、歩いてきた早川尾根がほぼ一望できます。 白鳳峠から広河原への道を下っていくとすぐに樹林帯が切れてゴーロ状の斜面となります。これを過ぎ、再び樹林帯に入れば、下って行くほど斜面は急になっていきます。鉄ハシゴなども設置されているので、焦らず着実に下って行きましょう。ようやく南アルプス林道に降り立てば、林道を15分ほどで広河原に到着します。
  • 大雪渓から白馬岳

    大雪渓から白馬岳

    白馬大雪渓から白馬岳を目指すコースは白馬周辺でも最もポピュラーで、シーズンには大勢の登山者で賑わいます。簡単なコースとみなされがちですが、雪渓の登降には十分な注意が必要です。 猿倉山荘手前より登山道に入ると、10分ほどで工事用林道に出ます。途中、鑓温泉への道を左にみて長走沢の木橋を渡ると、前方に白馬岳から小蓮華山への稜線が見えます。やがて山道に入り、シラネアオイやキヌガサソウなどがみられるようになると白馬尻に到着です。水やトイレがあるので身仕度していきましょう。 小屋の前から灌木帯を少し登ると広い台地に出ると、ケルンが立っています。このあたりから、いよいよ大雪渓に取り付きますが、午後2時以降は大雪渓から白馬岳への入山が禁止されているので要注意。見上げれば、シーズンなら雪渓に登山者が長い列をなして登って行く様子を見ることができます。雪渓ではコース沿いに紅ガラの赤い筋が引かれているので、ガスで視界が悪い時などはこれを目印に歩きます。また、雪上の落石は音をたてずに転がるので、視界が悪い時にはとくに注意が必要です。止まっている岩でも自然に転がりだす時があるので、うっかり岩に腰掛けたりするのは禁物です。上方に常に気を配りながら、マイペースで登りましょう。 ゆるやかな斜面がだんだんきつくなり、ひと息入れるころ、上方に葱平が見えてきます。最後に胸を突くような急斜面を登りきって葱平に到着です。葱平の登りは慣れない雪渓で疲れた足にはきつい斜面ですが、近年は道が整備され歩きやすくなりました。とはいえ、もろい地質なので、人工落石には十分注意して進みましょう。8月初旬頃まで、道は葱平の上部で小雪渓をトラバースします。足場は切ってあるものの、急斜面なので、慎重にゆっくり歩きましょう。やがてお花畑の中を進みます。お花畑は最盛期にはシナノキンバイやミヤマキンポウゲで黄色いジュウタンを敷き詰めたような光景を見ることができます。 稜線に頂上宿舎が見えてくるころ、左手に赤い巨岩があるのですが、その岩肌についた擦痕は氷河の名残といわれています。このあたりは、のんびり花など愛でながら歩きたいところ。 やがて頂上宿舎に出ます。ここから白馬山荘を経て30分あまりで、白馬岳頂上です。360度の大展望を存分に楽しみましょう。
    白馬大雪渓から白馬岳を目指すコースは白馬周辺でも最もポピュラーで、シーズンには大勢の登山者で賑わいます。簡単なコースとみなされがちですが、雪渓の登降には十分な注意が必要です。 猿倉山荘手前より登山道に入ると、10分ほどで工事用林道に出ます。途中、鑓温泉への道を左にみて長走沢の木橋を渡ると、前方に白馬岳から小蓮華山への稜線が見えます。やがて山道に入り、シラネアオイやキヌガサソウなどがみられるようになると白馬尻に到着です。水やトイレがあるので身仕度していきましょう。 小屋の前から灌木帯を少し登ると広い台地に出ると、ケルンが立っています。このあたりから、いよいよ大雪渓に取り付きますが、午後2時以降は大雪渓から白馬岳への入山が禁止されているので要注意。見上げれば、シーズンなら雪渓に登山者が長い列をなして登って行く様子を見ることができます。雪渓ではコース沿いに紅ガラの赤い筋が引かれているので、ガスで視界が悪い時などはこれを目印に歩きます。また、雪上の落石は音をたてずに転がるので、視界が悪い時にはとくに注意が必要です。止まっている岩でも自然に転がりだす時があるので、うっかり岩に腰掛けたりするのは禁物です。上方に常に気を配りながら、マイペースで登りましょう。 ゆるやかな斜面がだんだんきつくなり、ひと息入れるころ、上方に葱平が見えてきます。最後に胸を突くような急斜面を登りきって葱平に到着です。葱平の登りは慣れない雪渓で疲れた足にはきつい斜面ですが、近年は道が整備され歩きやすくなりました。とはいえ、もろい地質なので、人工落石には十分注意して進みましょう。8月初旬頃まで、道は葱平の上部で小雪渓をトラバースします。足場は切ってあるものの、急斜面なので、慎重にゆっくり歩きましょう。やがてお花畑の中を進みます。お花畑は最盛期にはシナノキンバイやミヤマキンポウゲで黄色いジュウタンを敷き詰めたような光景を見ることができます。 稜線に頂上宿舎が見えてくるころ、左手に赤い巨岩があるのですが、その岩肌についた擦痕は氷河の名残といわれています。このあたりは、のんびり花など愛でながら歩きたいところ。 やがて頂上宿舎に出ます。ここから白馬山荘を経て30分あまりで、白馬岳頂上です。360度の大展望を存分に楽しみましょう。
  • 栂池自然園から白馬岳

    栂池自然園から白馬岳

    栂池高原からゴンドラリフトイヴと栂池ロープウェイを乗り継いで栂池自然園駅に着きます。天狗原への登山道は、自然園への案内板に従って舗装された道を登り、ビジターセンターの手前から指導標に従い登山道に入ります。なお、ビジターセンターは自然園の入園料を兼ねて有料です。 登山道は、すぐに階段状の急な斜面を登り始めます。ネマガリダケが両側に密生し、水はけの悪いドロの道をひたすら登ると、次第に視界が開けてきます。清水が湧き出る水場に着けば、天狗原は間近です。天狗原では木道を歩きます。湿原の池塘には、ワタスゲやヒオウギアヤメが咲いており見事です。 やがて風吹大池に行く木道を右に見送り、乗鞍岳への登りになります。安山岩の積み重なる急登ですが、シーズンの初め頃は雪渓になっており、ロープが張ってあります。斜面を登りきり、右側の雪渓を登り詰めると、乗鞍岳の広い台地に出ます。ペンキマークに従い進みますが、ガスで視界が悪い時には注意が必要です。大きなケルンのある場所が山頂で、ここからは自馬大池へ下りますが、ゴロゴロした岩の上を行くので慣れないと結構なアルバイトです。眼下に広がる白馬大池をゆっくり眺めながら、慎重に行きましょう。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。
    栂池高原からゴンドラリフトイヴと栂池ロープウェイを乗り継いで栂池自然園駅に着きます。天狗原への登山道は、自然園への案内板に従って舗装された道を登り、ビジターセンターの手前から指導標に従い登山道に入ります。なお、ビジターセンターは自然園の入園料を兼ねて有料です。 登山道は、すぐに階段状の急な斜面を登り始めます。ネマガリダケが両側に密生し、水はけの悪いドロの道をひたすら登ると、次第に視界が開けてきます。清水が湧き出る水場に着けば、天狗原は間近です。天狗原では木道を歩きます。湿原の池塘には、ワタスゲやヒオウギアヤメが咲いており見事です。 やがて風吹大池に行く木道を右に見送り、乗鞍岳への登りになります。安山岩の積み重なる急登ですが、シーズンの初め頃は雪渓になっており、ロープが張ってあります。斜面を登りきり、右側の雪渓を登り詰めると、乗鞍岳の広い台地に出ます。ペンキマークに従い進みますが、ガスで視界が悪い時には注意が必要です。大きなケルンのある場所が山頂で、ここからは自馬大池へ下りますが、ゴロゴロした岩の上を行くので慣れないと結構なアルバイトです。眼下に広がる白馬大池をゆっくり眺めながら、慎重に行きましょう。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。
  • 蓮華温泉から白馬岳

    蓮華温泉から白馬岳

    蓮華温泉には、JR大糸線平岩駅からバスで入ります。駐車場から少し下ると、蓮華温泉ロッジの新しい建物の前に出ます。その建物の前を通り、奥の水飲み場の裏側から登山道に入ります。 初めは平らな湿った道ですが、木橋の架かった小さな沢を渡ると、だんだんと勾配もきつくなり、コメツガ、オオシラビソなどの樹林帯の中、ジグザグを大きく繰り返して登って行くことになります。振り返れば、温泉ロッジを眼下に見ることができ、その右手のガレた源泉地帯に湯煙が立ちのぼる光景は、いかにも、秘境の温泉場といったところでしょうか。 やがて尾根の先を左側に乗越すように回り、樹林帯を進むと、天狗ノ庭はもうすぐです。 天狗ノ庭にはハクサンシャジンやタカネバラが多く群生しています。また風雪の厳しさを訴えるように、背の低い、しかし骨太の風情で、枝を真横に突き出しているカラマツの点在する風景には、感嘆せずにはいられません。鉢ヶ岳から雪倉岳、朝日岳へと続く大きな山並みが目の前に広がります。時間が許せば、ゆっくり休んでいきたいところです。 道はどんどん高度を上げ、ダケカンバの白い肌が目を楽しませてくれます。早い時期には雪渓を横切り、やがて大きな樹木もなくなり一直線に登るようになると、白馬大池の草原に飛び出します。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。
    蓮華温泉には、JR大糸線平岩駅からバスで入ります。駐車場から少し下ると、蓮華温泉ロッジの新しい建物の前に出ます。その建物の前を通り、奥の水飲み場の裏側から登山道に入ります。 初めは平らな湿った道ですが、木橋の架かった小さな沢を渡ると、だんだんと勾配もきつくなり、コメツガ、オオシラビソなどの樹林帯の中、ジグザグを大きく繰り返して登って行くことになります。振り返れば、温泉ロッジを眼下に見ることができ、その右手のガレた源泉地帯に湯煙が立ちのぼる光景は、いかにも、秘境の温泉場といったところでしょうか。 やがて尾根の先を左側に乗越すように回り、樹林帯を進むと、天狗ノ庭はもうすぐです。 天狗ノ庭にはハクサンシャジンやタカネバラが多く群生しています。また風雪の厳しさを訴えるように、背の低い、しかし骨太の風情で、枝を真横に突き出しているカラマツの点在する風景には、感嘆せずにはいられません。鉢ヶ岳から雪倉岳、朝日岳へと続く大きな山並みが目の前に広がります。時間が許せば、ゆっくり休んでいきたいところです。 道はどんどん高度を上げ、ダケカンバの白い肌が目を楽しませてくれます。早い時期には雪渓を横切り、やがて大きな樹木もなくなり一直線に登るようになると、白馬大池の草原に飛び出します。 白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで二番目に大きい山上湖で、池の北側には白馬大池山荘があります。小屋の前はキャンプ指定地で、周囲はハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマの大群生地。まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っています。白馬岳への道は、蓮華温泉の分岐を右に見てお花畑の中を登り、ハイマツ帯を抜けると、雷鳥坂の広い尾根に出ます。この辺りから、コマクサの可憐な姿がみられるようになります。 ザクザクとした広い斜面をゆっくり登り、やがて船越ノ頭に出ます。ここからは、小蓮華山、白馬岳へと続く縦走路で、山歩きの醍醐昧が十分味わうことができます。花や展望に心を奪われながら小登降をいくつか繰り返すと、小蓮華山に到着です。小蓮華山頂上には鉄剣が立てられ、地蔵が祀られていますが、頭が欠けています。 さらに同じような道を登ると三国境です。そこでは新潟、富山、長野の県境が接しています。ここから朝日岳への道が分岐しますが、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかです。白馬岳への道の右側斜面はコマクサの大群生地ですが、こういう場所には花を傷めないためにも絶対に立ち入らないこと。さらに馬ノ背と呼ばれるヤセ尾根を通り白馬岳をめざしますが、特に危険な箇所もなく、2932mの白馬岳頂上に至ります。
  • 鉱山道

    鉱山道

    鉱山道とは雪倉銀山の開発の際に開かれた、越後側から白馬岳への古くからの登路のことを指します。 大正時代に廃坑になると荒れてしまったものの、一般登山者が増加し始めると、新潟県で整備するようになりました。明治27年には、ウェストンがここから白馬岳に登った記録があります。今も変化に富んだ好ルートとして、静けさを求めるマニアに登られている道です。 ただし、登山者の絶対数が少なく、残雪期などは道がわかりにくくなる場所もあるので、山慣れない人の安易な入山は禁物です。ここでは下りコースとして紹介しますが、このルートは悪天時のエスケープには不適なので注意してください。 鉢ヶ岳の鞍部のザレた稜線から指導標に従って下りますが、踏跡もわかりにくいので慎重に進みます。斜面をジグザグに下り、さらに沢筋に沿うように下って行くと、塩谷精練所跡に出ます。 ここから道は急斜面を鉢ヶ沢に下りて行きます。ガレた沢を、対岸の踏跡めざして渡ります。このあたりは遅くまで高山植物が残り、楽しいところです。 雪倉上ノ沢を過ぎ、神ノ田圃では池塘の端を歩いていきます。さらに下ると樹林帯の広い道になります。秋にはナナカマドの紅葉が素晴らしく、また蓮華菱の岩壁も見事です。 展望台を右に見てトラバースの多い道になります。やがて沢状のゴロゴロしたところを行きますが、ペンキを頼りに進みます。瀬戸川には鉄パイプの橋があるが事前に確認しておきましょう。対岸に渡り、川筋に沿ってガレの中を行くと、まもなく自然遊歩道の木道に出ます。
    鉱山道とは雪倉銀山の開発の際に開かれた、越後側から白馬岳への古くからの登路のことを指します。 大正時代に廃坑になると荒れてしまったものの、一般登山者が増加し始めると、新潟県で整備するようになりました。明治27年には、ウェストンがここから白馬岳に登った記録があります。今も変化に富んだ好ルートとして、静けさを求めるマニアに登られている道です。 ただし、登山者の絶対数が少なく、残雪期などは道がわかりにくくなる場所もあるので、山慣れない人の安易な入山は禁物です。ここでは下りコースとして紹介しますが、このルートは悪天時のエスケープには不適なので注意してください。 鉢ヶ岳の鞍部のザレた稜線から指導標に従って下りますが、踏跡もわかりにくいので慎重に進みます。斜面をジグザグに下り、さらに沢筋に沿うように下って行くと、塩谷精練所跡に出ます。 ここから道は急斜面を鉢ヶ沢に下りて行きます。ガレた沢を、対岸の踏跡めざして渡ります。このあたりは遅くまで高山植物が残り、楽しいところです。 雪倉上ノ沢を過ぎ、神ノ田圃では池塘の端を歩いていきます。さらに下ると樹林帯の広い道になります。秋にはナナカマドの紅葉が素晴らしく、また蓮華菱の岩壁も見事です。 展望台を右に見てトラバースの多い道になります。やがて沢状のゴロゴロしたところを行きますが、ペンキを頼りに進みます。瀬戸川には鉄パイプの橋があるが事前に確認しておきましょう。対岸に渡り、川筋に沿ってガレの中を行くと、まもなく自然遊歩道の木道に出ます。
  • 白馬岳から欅平

    白馬岳から欅平

    白馬岳から黒部側の祖母谷温泉へ下るこのコースは、行程が長く、利用者も少ないですが、静かな山旅が楽しめる好コースです。 白馬山荘からほど近い稜線上に、清水岳への分岐の指導標があります。そこから下って、丸い岩山である旭岳の山腹の岩屑の道を行きます。鞍部には大きな雪田があり、紅ガラで指示されたとおりに進みます。雪田のあたりには、ハクサンコザクラやチングルマが咲き乱れています。 裏旭岳は、知らぬ間に通過して、ジグザグの道がハイマツ帯の中をどんどん下っていきます。小旭岳の南面を巻いて、やがてゆるやかな登りで清水平に入り、清水岳の広い山頂に着きます。途中小さなお花畑が散在し、また山頂付近に残雪がある時は、冷たい水も流れて、休憩にはうってつけの芭蕉です。剱、立山連峰や、遠く槍ヶ岳から後立山の鹿島槍、五竜岳、杓子岳へと続く山脈の眺めも素晴らしいです。 これから下る清水尾根のなだらかな尾根道は、池塘が点在し、秋ならナナカマドの真紅に燃えるような紅葉が、ことのほか美しいところ。また、清水尾根には、北アルプスではこのあたりだけで見られるミヤマハナシノブが咲いており、楽しい尾根道です。 視界の開けた清水尾根の稜線漫歩を楽しみながら下って行くと、やがて樹林帯に入ります。猫又峠で尾根の右側を行くようになると、まもなく不帰岳避難小屋。先に少し下ったところに水場もあります。 小屋から少し下るとクサリ場があり、樹林帯に入ると小さな水場があります。視界のきかない下りが続き、百貫山の鞍部に出て、いわゆる百貫ノ大下りになります。ジグザグの急坂をどんどん下り、やがて道は百貫山や名剣山の山腹を巻くように下っていきます。途中、1本のガラ沢と4本の沢をトラバースしますがが、残雪のある時は、慎重に通過するようにしましょう。 祖母谷の沢音がいちだんと大きく近づき、足場の悪い斜面をロープ伝いに下ったところが、名剣沢と祖母谷の出合いです。ここからダム工事用の車道となり、少し下ったところが、祖母谷温泉です。 祖母谷温泉は、内湯もあり、小屋の前に大きな露天風呂も造られています。川の中にも温泉が湧いているので、置いてあるスコップで穴を掘り、川の水を入れ、適当な湯加減にしてひと風呂浴びましょう。気分は格別ですが熱泉なので注意が必要です。時間が許すなら、ぜひ一泊していきましょう。 欅平へは、小屋の手前の鉄橋を渡り、対岸に造られている道路を行きます。名剣温泉をへて、40分ほどで黒部峡谷鉄道の欅平駅です。 なお、黒部峡谷鉄道は、シーズン中は混み合い、乗車時間を指定されて、待たされることもあります。そんな際にはビジターセンターを見学するのもよいでしょう。いずれにせよ、早い時間に駅まで下るのが無難です。
    白馬岳から黒部側の祖母谷温泉へ下るこのコースは、行程が長く、利用者も少ないですが、静かな山旅が楽しめる好コースです。 白馬山荘からほど近い稜線上に、清水岳への分岐の指導標があります。そこから下って、丸い岩山である旭岳の山腹の岩屑の道を行きます。鞍部には大きな雪田があり、紅ガラで指示されたとおりに進みます。雪田のあたりには、ハクサンコザクラやチングルマが咲き乱れています。 裏旭岳は、知らぬ間に通過して、ジグザグの道がハイマツ帯の中をどんどん下っていきます。小旭岳の南面を巻いて、やがてゆるやかな登りで清水平に入り、清水岳の広い山頂に着きます。途中小さなお花畑が散在し、また山頂付近に残雪がある時は、冷たい水も流れて、休憩にはうってつけの芭蕉です。剱、立山連峰や、遠く槍ヶ岳から後立山の鹿島槍、五竜岳、杓子岳へと続く山脈の眺めも素晴らしいです。 これから下る清水尾根のなだらかな尾根道は、池塘が点在し、秋ならナナカマドの真紅に燃えるような紅葉が、ことのほか美しいところ。また、清水尾根には、北アルプスではこのあたりだけで見られるミヤマハナシノブが咲いており、楽しい尾根道です。 視界の開けた清水尾根の稜線漫歩を楽しみながら下って行くと、やがて樹林帯に入ります。猫又峠で尾根の右側を行くようになると、まもなく不帰岳避難小屋。先に少し下ったところに水場もあります。 小屋から少し下るとクサリ場があり、樹林帯に入ると小さな水場があります。視界のきかない下りが続き、百貫山の鞍部に出て、いわゆる百貫ノ大下りになります。ジグザグの急坂をどんどん下り、やがて道は百貫山や名剣山の山腹を巻くように下っていきます。途中、1本のガラ沢と4本の沢をトラバースしますがが、残雪のある時は、慎重に通過するようにしましょう。 祖母谷の沢音がいちだんと大きく近づき、足場の悪い斜面をロープ伝いに下ったところが、名剣沢と祖母谷の出合いです。ここからダム工事用の車道となり、少し下ったところが、祖母谷温泉です。 祖母谷温泉は、内湯もあり、小屋の前に大きな露天風呂も造られています。川の中にも温泉が湧いているので、置いてあるスコップで穴を掘り、川の水を入れ、適当な湯加減にしてひと風呂浴びましょう。気分は格別ですが熱泉なので注意が必要です。時間が許すなら、ぜひ一泊していきましょう。 欅平へは、小屋の手前の鉄橋を渡り、対岸に造られている道路を行きます。名剣温泉をへて、40分ほどで黒部峡谷鉄道の欅平駅です。 なお、黒部峡谷鉄道は、シーズン中は混み合い、乗車時間を指定されて、待たされることもあります。そんな際にはビジターセンターを見学するのもよいでしょう。いずれにせよ、早い時間に駅まで下るのが無難です。
  • 唐松岳から八方尾根

    唐松岳から八方尾根

    唐松岳頂上山荘の南で五竜岳への縦走路と分かれ、八方尾根への下山道に入ります。尾根の南面をトラバースしていくことになりますが、この辺りはクロユリやシナノキンバイ等の高山植物の群生地です。 道は岩道で、途中崩れたところには板などが渡されています。岩道をしばらく行くと八方尾根の稜線に出ますが、残雪が多く、トラバース道が通行不能の時は、小屋の東から尾根(いわゆる冬期用登山道)を通ってここまで来ることになります。 道はすっかりなだらかな広い尾根を行くようになり、丸山の頂上に立ちます。丸山ケルンと呼ばれる大きなケルンがあります。周囲の展望が開け、白馬三山や不帰嶮の眺めの良いところで、ザックを下ろして休むのに良い場所です。このあたりはハイマツの中に道が何本もあり、丸山のピークの下でいずれも合流しています。 丸山のピークから下りは、左側は樹林帯、右側は上部が崩れたガラ場、下部が雪渓になっています。雪渓の下部まで下ることになりますが、この雪渓は「扇の雪渓」と呼ばれ、ここまでは八方ゴンドラ利用の日帰りハイカーが大勢遊びにくるので、賑わっていることが多いです。 道はダケカンバの林の中を行くのですが、その上部を上ノ樺、下部を下ノ樺と呼ばれています。樹林帯を抜けると、第3ケルンが稜線に立っており、北側の一段下に八方池があります。池の端には、白馬村飯森地区の鎮守の社の奥社があります。 池を一周して稜線に戻り、ザラ道を少し下ると、逗子開成高校の冬期遭難碑として建てられた大きなケルンがあるので、そこを左に折れて滑りやすい岩のゴロゴロした道をしばらく下ると、第2ケルンに到着です。ここには立派な水洗トイレがあり、その前を通って稜線を下るコースと、右に下りて雪田に沿って稜線の南面の中腹を行くコースに分かれます。しかしどちらも第1ケルンの八方池山荘で一緒になります。南面の中腹を行くコースは、湿原の中の整備された木道を行き、湿性帯の植物を見ながら歩くことができるのでおすすめです。 第1ケルンからは、グラートクワッドを利用して、黒菱平に下ることになりますが、草原の大斜面をジグザグに整備された道を歩くのも楽しいです。黒菱平からは、アルペンクワッドとゴンドラリフトアダムを乗り継いで八方に下ります。白馬駅には、タクシーか、旅館街の中を10分ほど歩いたところにあるバス停からバスに乗ってむかいましょう。
    唐松岳頂上山荘の南で五竜岳への縦走路と分かれ、八方尾根への下山道に入ります。尾根の南面をトラバースしていくことになりますが、この辺りはクロユリやシナノキンバイ等の高山植物の群生地です。 道は岩道で、途中崩れたところには板などが渡されています。岩道をしばらく行くと八方尾根の稜線に出ますが、残雪が多く、トラバース道が通行不能の時は、小屋の東から尾根(いわゆる冬期用登山道)を通ってここまで来ることになります。 道はすっかりなだらかな広い尾根を行くようになり、丸山の頂上に立ちます。丸山ケルンと呼ばれる大きなケルンがあります。周囲の展望が開け、白馬三山や不帰嶮の眺めの良いところで、ザックを下ろして休むのに良い場所です。このあたりはハイマツの中に道が何本もあり、丸山のピークの下でいずれも合流しています。 丸山のピークから下りは、左側は樹林帯、右側は上部が崩れたガラ場、下部が雪渓になっています。雪渓の下部まで下ることになりますが、この雪渓は「扇の雪渓」と呼ばれ、ここまでは八方ゴンドラ利用の日帰りハイカーが大勢遊びにくるので、賑わっていることが多いです。 道はダケカンバの林の中を行くのですが、その上部を上ノ樺、下部を下ノ樺と呼ばれています。樹林帯を抜けると、第3ケルンが稜線に立っており、北側の一段下に八方池があります。池の端には、白馬村飯森地区の鎮守の社の奥社があります。 池を一周して稜線に戻り、ザラ道を少し下ると、逗子開成高校の冬期遭難碑として建てられた大きなケルンがあるので、そこを左に折れて滑りやすい岩のゴロゴロした道をしばらく下ると、第2ケルンに到着です。ここには立派な水洗トイレがあり、その前を通って稜線を下るコースと、右に下りて雪田に沿って稜線の南面の中腹を行くコースに分かれます。しかしどちらも第1ケルンの八方池山荘で一緒になります。南面の中腹を行くコースは、湿原の中の整備された木道を行き、湿性帯の植物を見ながら歩くことができるのでおすすめです。 第1ケルンからは、グラートクワッドを利用して、黒菱平に下ることになりますが、草原の大斜面をジグザグに整備された道を歩くのも楽しいです。黒菱平からは、アルペンクワッドとゴンドラリフトアダムを乗り継いで八方に下ります。白馬駅には、タクシーか、旅館街の中を10分ほど歩いたところにあるバス停からバスに乗ってむかいましょう。