【上級者向け】の登山コースガイド

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検索結果171件中  21-40件
  • 大雲取・小雲取越え

    大雲取・小雲取越え

    【1日目】 大雲取・小雲取越えは、流れる雲に手が届くほど高いところを行くという意味が語源とされています。 大門坂駐車場前バス停下車。県道を北にとってすぐ、大門坂に入り、大雲取越えをスタートします。樹齢800年と言われる夫婦杉に迎えられ、老杉の間の石畳道を登っていきます。土産物店が建ち並ぶ参道を熊野那智大社へ。隣の青岸渡寺の鐘楼横から再び石畳道に入り、那智高原に向かいます。 しばらくして視界の開けた那智高原に到着。那智高原を縦断、舟見峠の登りにかかります。杉木立の間、尾根沿いの石畳道が続き、舟見茶屋跡へ。傍らの休憩舎からは妙法山、那智高原、遠く熊野灘の眺望が開けています。舟見峠を後に八丁坂を下って行くと色川辻に出ます。林道を横切った後、再び林道と合流、地蔵茶屋跡へ。広々とした地蔵茶屋跡には、地蔵堂と隣に休憩舎が建てられています。 ひと休みした後、石倉峠、続いて越前峠に登ります。越前峠を後に胴切坂と呼ばれる、まさに横腹が痛くなるような急坂の石畳道を延々と下っていきます。苔むした石畳がより一層荘厳さを漂わせています。やがて旅籠が軒を並べたという、楠の久保・中根の旅籠跡へ。中根には熊野の神々が腰をかけて談笑したと伝えられる円座石があります。民家の庭先を通り抜け小口へと下ります。 【2日目】 小口集落の中ほどにある民家から小口トンネルの上部を通る峠を越えて、小和瀬の集落へ。かつての渡し場のあった小和瀬橋を渡り、小雲取越えをスタートします。 堂ノ坂で呼ばれる杉木立の石畳道を緩やかに登っていきます。桜茶屋跡から桜峠を越えると、緩やかな起伏が続きます。杉・檜がうっそうと茂る石堂茶屋跡を経て、賽の河原地蔵へ。なおも緩やかな起伏が続き林道を横切ると、すぐ先が百間ぐらとなります。果無、大塔山系の山々が重畳と波打っています。 万歳道を右に分けたのち、疎林帯の道を緩やかに高度を下げていきます。やがて樹林のすき間越しに熊野川が見え、車道に下ります。国道を北へ100m余り、請川バス停へ。さらに熊野川を右に眺めながら北に進むと、本宮大社前バス停に到着します。
    【1日目】 大雲取・小雲取越えは、流れる雲に手が届くほど高いところを行くという意味が語源とされています。 大門坂駐車場前バス停下車。県道を北にとってすぐ、大門坂に入り、大雲取越えをスタートします。樹齢800年と言われる夫婦杉に迎えられ、老杉の間の石畳道を登っていきます。土産物店が建ち並ぶ参道を熊野那智大社へ。隣の青岸渡寺の鐘楼横から再び石畳道に入り、那智高原に向かいます。 しばらくして視界の開けた那智高原に到着。那智高原を縦断、舟見峠の登りにかかります。杉木立の間、尾根沿いの石畳道が続き、舟見茶屋跡へ。傍らの休憩舎からは妙法山、那智高原、遠く熊野灘の眺望が開けています。舟見峠を後に八丁坂を下って行くと色川辻に出ます。林道を横切った後、再び林道と合流、地蔵茶屋跡へ。広々とした地蔵茶屋跡には、地蔵堂と隣に休憩舎が建てられています。 ひと休みした後、石倉峠、続いて越前峠に登ります。越前峠を後に胴切坂と呼ばれる、まさに横腹が痛くなるような急坂の石畳道を延々と下っていきます。苔むした石畳がより一層荘厳さを漂わせています。やがて旅籠が軒を並べたという、楠の久保・中根の旅籠跡へ。中根には熊野の神々が腰をかけて談笑したと伝えられる円座石があります。民家の庭先を通り抜け小口へと下ります。 【2日目】 小口集落の中ほどにある民家から小口トンネルの上部を通る峠を越えて、小和瀬の集落へ。かつての渡し場のあった小和瀬橋を渡り、小雲取越えをスタートします。 堂ノ坂で呼ばれる杉木立の石畳道を緩やかに登っていきます。桜茶屋跡から桜峠を越えると、緩やかな起伏が続きます。杉・檜がうっそうと茂る石堂茶屋跡を経て、賽の河原地蔵へ。なおも緩やかな起伏が続き林道を横切ると、すぐ先が百間ぐらとなります。果無、大塔山系の山々が重畳と波打っています。 万歳道を右に分けたのち、疎林帯の道を緩やかに高度を下げていきます。やがて樹林のすき間越しに熊野川が見え、車道に下ります。国道を北へ100m余り、請川バス停へ。さらに熊野川を右に眺めながら北に進むと、本宮大社前バス停に到着します。
  • 三本杉から大休峠を経て船上山へ

    三本杉から大休峠を経て船上山へ

    三本杉上バス停で下車し、県道を歩きます。野井倉橋を渡って左折し、加勢蛇川沿いに舗装された道をさかのぼり、しばらく歩くと一向平キャンプ場に到着。大きな駐車場、トイレ、休憩舎等が整備されています。標識に従い大山滝に向かうが、吊り橋への下りはかなり急なので注意しましょう。吊り橋を渡って山道に入ると、やがて大山山系第一の大山滝に到着です。登山道から左に少し下ると展望デッキがあります。 大山滝を後に緩い傾斜のヒノキ林を進むと、少しで大休口の道標です。(ここを左に行けば地獄谷)道標に従って進み、ジグザグ道を徐々に高度を上げていくと、ヒノキ林からブナ、ミズナラの樹林帯に変わります。やがて山腹を這う緩やかな道となり、名前ばかりの水場を過ぎると、避難小屋のある大休峠です。ここは十字路になっており、左に道をとれば野田ヶ山を経てユートピア避難小屋に、まっすぐ進めば緩い傾斜で川床に向かって下ることになります。矢筈ヶ山へは小屋の入口側の斜面に取りつきます。道は最初急登で苦しいが、30分ほどで稜線に出て、あとは緩い傾斜で矢筈ヶ山頂上です。ここは1等三角点だけあって360度の大パノラマが展開します。 目の前の小矢筈との鞍部に下ります。矢筈ヶ山から見たときはどこを登るのかと思えた小矢筈も、取りついてみればそれほど難しくはないものの、切り立った稜線は足元が大きく切れ落ちており、注意して通過します。前方に甲ヶ山の特異な山容を見て、慎重に小矢筈を下ると、しばらくはあまり起伏のない道が続きます。甲ヶ山へは基部を東側に回り込むように進み、最初の灌木帯を過ぎると、3mほどですが、足場の乏しい岩場のトラバースがあるので慎重に通過、階段状の岩場に取りつきます。 甲ヶ山山頂で大山主峰を満喫した後は、ゴジラの背と呼ばれる岩稜帯を慎重に通過し、尾根筋を下ると勝田ヶ山に至りますが、頂上の標識もなく、わからず通り過ぎてしまいそうです。ブナ、ミズナラの大木が鬱蒼と茂る樹林帯を下り、なだらかな台地を進むと、やがてブナ 林の向こうに朱色の屋根の船上神社が見えてきます。神社の裏から正面に回り鳥居をくぐると、よく整備された広い道となり、わずかで行宮碑の立つ船上山頂上、休憩舎です。この先、道は急になるので注意して下ります。右手に屏風岩下部に続く横手道を見送り、赤土の道をなおも下ると車道に出て、車道を横断し、樹林の道に入ります。右方向に進み、広々とした茶園原に出るのがよいでしょう。 振り返って見上げる船上山の岩場は、その名の屏風のように眼前に迫り絶景です。まっすぐ下り、石積みのダムを右手に見て鳥居をくぐれば船上山少年自然の家です。ここからJR赤碕駅までは定期バスが出ています。 屏風岩基部の横手道をたどれば、雄滝、雌滝、鱒返しの滝を巡ることができ、休日にはハイキングコースとしてにぎわう場所です。
    三本杉上バス停で下車し、県道を歩きます。野井倉橋を渡って左折し、加勢蛇川沿いに舗装された道をさかのぼり、しばらく歩くと一向平キャンプ場に到着。大きな駐車場、トイレ、休憩舎等が整備されています。標識に従い大山滝に向かうが、吊り橋への下りはかなり急なので注意しましょう。吊り橋を渡って山道に入ると、やがて大山山系第一の大山滝に到着です。登山道から左に少し下ると展望デッキがあります。 大山滝を後に緩い傾斜のヒノキ林を進むと、少しで大休口の道標です。(ここを左に行けば地獄谷)道標に従って進み、ジグザグ道を徐々に高度を上げていくと、ヒノキ林からブナ、ミズナラの樹林帯に変わります。やがて山腹を這う緩やかな道となり、名前ばかりの水場を過ぎると、避難小屋のある大休峠です。ここは十字路になっており、左に道をとれば野田ヶ山を経てユートピア避難小屋に、まっすぐ進めば緩い傾斜で川床に向かって下ることになります。矢筈ヶ山へは小屋の入口側の斜面に取りつきます。道は最初急登で苦しいが、30分ほどで稜線に出て、あとは緩い傾斜で矢筈ヶ山頂上です。ここは1等三角点だけあって360度の大パノラマが展開します。 目の前の小矢筈との鞍部に下ります。矢筈ヶ山から見たときはどこを登るのかと思えた小矢筈も、取りついてみればそれほど難しくはないものの、切り立った稜線は足元が大きく切れ落ちており、注意して通過します。前方に甲ヶ山の特異な山容を見て、慎重に小矢筈を下ると、しばらくはあまり起伏のない道が続きます。甲ヶ山へは基部を東側に回り込むように進み、最初の灌木帯を過ぎると、3mほどですが、足場の乏しい岩場のトラバースがあるので慎重に通過、階段状の岩場に取りつきます。 甲ヶ山山頂で大山主峰を満喫した後は、ゴジラの背と呼ばれる岩稜帯を慎重に通過し、尾根筋を下ると勝田ヶ山に至りますが、頂上の標識もなく、わからず通り過ぎてしまいそうです。ブナ、ミズナラの大木が鬱蒼と茂る樹林帯を下り、なだらかな台地を進むと、やがてブナ 林の向こうに朱色の屋根の船上神社が見えてきます。神社の裏から正面に回り鳥居をくぐると、よく整備された広い道となり、わずかで行宮碑の立つ船上山頂上、休憩舎です。この先、道は急になるので注意して下ります。右手に屏風岩下部に続く横手道を見送り、赤土の道をなおも下ると車道に出て、車道を横断し、樹林の道に入ります。右方向に進み、広々とした茶園原に出るのがよいでしょう。 振り返って見上げる船上山の岩場は、その名の屏風のように眼前に迫り絶景です。まっすぐ下り、石積みのダムを右手に見て鳥居をくぐれば船上山少年自然の家です。ここからJR赤碕駅までは定期バスが出ています。 屏風岩基部の横手道をたどれば、雄滝、雌滝、鱒返しの滝を巡ることができ、休日にはハイキングコースとしてにぎわう場所です。
  • 淀川登山口から楠川へ

    淀川登山口から楠川へ

    淀川登山口は元々は尾之間集落より始まる尾之間歩道の延長上にあたります。安房集落より山へと続く車道、屋久島公園安房線ができてからは宮之浦岳への最短登山口としてたくさんの方に利用されるようになりました。 安房の集落から車で約55分程で淀川登山口に到着します。バスを利用する方は淀川登山口の手前「紀元杉バス停」から50分程歩いて登山口まで行く事になります。淀川登山口には休憩所とトイレがありますが宿泊は禁止されており、水場や自動販売機はありません。また尾之間集落方面に続く登山道の入口もありますので、宮之浦岳方面に向かう方は間違わないように注意しましょう。 淀川登山口から尾根を歩き始めます。10分程歩くと左手に淀川大杉が見えてきます。看板もないため見逃しやすいですが、非常に迫力のある屋久杉です。ここから淀川小屋までの道はモミ、ツガなどの巨木の森です。非常に美しい森なので足元に気を付けながら是非じっくり眺めてください。小屋の手前は急な下り坂になっていますが、下りきると世界遺産登録エリアに入る看板が出てきます。ここまできたら淀川小屋までもうすぐです。小屋は40人ほどが宿泊可能で、トイレ、携帯トイレブース、水場もあります。ここからしばらくは水場がないのでしっかり水を補給しておきましょう。 小屋を出発し、淀川にかかる橋を渡ると本格的な登山が始まり、急な登りが続きます。尾根上にたどりつくと傾斜も緩やかになりはじめ、周りの木々も徐々に背の低いものが増えてきます。そこをしばらく歩くと左側に高盤岳トーフ岩の展望所、少し先の右側には黒味岳をきれいに眺める事ができる展望所があります。ここから急坂を下ると小花之江河、さらに10分ほど歩くと花之江河に至ります。花之江河は島の東南部の集落から始まる各登山道(花之江河登山道・尾之間歩道・湯泊歩道・栗生歩道)の合流ポイントです。ここから宮之浦岳への登山道が一本に集約されます。花之江河登山道へ少し進むと携帯トイレブースが設置されています。ここは天候によっては道を間違える方が多いのでしっかり案内板を確認しましょう。 花之江河から20分程歩いたら黒味岳分れです。黒味岳へは往復1時間半程かかるので時間、脚力に余裕のある方は屋久島で6番目に高い山に挑戦してみてください。山頂からは宮之浦岳の主稜線を眺める事ができます。 黒味岳分れに戻り黒味岳東斜面をトラバースします。ロープがかかる道を進み、小さい沢を渡ると投石平の広場に到着です。晴天時は宮之浦岳、永田岳を眺める事ができ、気持ち良い風が通るよい休憩ポイントになりますが、悪天候時は風が強く、霧がかかると道迷いしやすい所なので注意して下さい。また、ここから数分歩くと投石岩屋なので雨天時はここで休憩した方が雨を凌ぐ事ができます。ここも道迷いに注意です。ここから投石岳の急坂を15分程登ると森林限界の世界に入ります。ここからは投石岳・安房岳・翁岳の中腹をトラバースします。6月上旬はヤクシマシャクナゲが咲き乱れ、天空のお花畑になります。宮之浦岳残り1km地点の水場が山頂までの最後の水場になります。また残り1km付近に携帯トイレブースが設置されています。新高塚小屋までは携帯トイレブースもないので注意して下さい。 ここから宮之浦岳山頂までの最後の急坂の始まりです。500m進むと栗生岳山頂。さらに急坂を登り続けると宮之浦岳山頂が見えてきます。山頂は双耳峰となっていて西峰が山頂となってます。宮之浦岳山頂は九州の最高峰です。天候に恵まれると太平洋、東シナ海だけでなく、九州南部の開聞岳、種子島、口之永良部島を見渡す事ができます。 山頂からわずかに永田岳方面に降りると大きな岩があり裏側に周り込むと祠(天正14年建立 一品宝壽大権現)があります。ここから宮之浦岳の北斜面の急坂を下ると焼野三叉路で、永田岳と新高塚小屋方面の分岐点です。ここを右に進みます。ここから平石を経て、平石岩屋までは多少のアップダウンはあるものの、屋久島の天上世界を存分に楽しむことができます。平石岩屋の岩を登ると宮之浦岳、永田岳を一望できる最高の休憩場所です。ここから急坂を下ると徐々に森林限界の世界から森の世界へと変わっていきます。 低木の森をしばらく歩くと宮之浦渓谷の開けた景色が広がり巨大な岩、ビャクシン岳(坊主岩)が目の前に突然現れます。ここから尾根を東側に乗り超えると第二展望台です。今度は屋久島一番の流域面積を誇る安房川の谷を見渡せます。さらに高度を下げると第一展望台を経て新高塚小屋に到着します。この小屋は40人ほどが宿泊できる小屋となっており、水場、トイレ、携帯トイレブースも設置されています。屋久島の避難小屋では一番混雑する小屋なので譲り合って利用しましょう。ここからさらに2kmほど下ると高塚小屋もありますが、宿泊者数が17名となってます。 高塚小屋~楠川分れまでは荒川登山口から縄文杉へ(コースガイド)を参照して下さい。 楠川分れから白谷雲水峡の辻峠までは高度差が約300mあり徐々に傾斜がきつくなっていきます。白谷雲水峡内には渡渉点があるので、楠川分れに着いた時点で白谷側から水が流れてきていたら渡渉できない可能性もあります。その時は無理をせずに荒川口の方へ下山しましょう。 白谷雲水峡の楠川歩道をそのまま下り続けると屋久島の北東に位置する楠川集落まで下山できます。江戸時代に平木(屋久杉の瓦)を運ぶ道として利用された道です。途中、白谷広場駐車場から続く林道分岐点に出ますが、ここを横切りそのまま登山道を下山します。白谷内とは違い登山者がほとんどいなくなりますが、登山道はしっかり整備されています。しばらく下ると三本杉です。ここから徐々に谷に降りていきますが、足元が滑りやすくなるので注意しましょう。杉の人工林に出ると楠川歩道入口までもうすぐです。入口を過ぎるとより整備された林道に出ます。ここまでは車が入ってこれます。ここからタクシーを利用すると楠川集落まで10分程です。
    淀川登山口は元々は尾之間集落より始まる尾之間歩道の延長上にあたります。安房集落より山へと続く車道、屋久島公園安房線ができてからは宮之浦岳への最短登山口としてたくさんの方に利用されるようになりました。 安房の集落から車で約55分程で淀川登山口に到着します。バスを利用する方は淀川登山口の手前「紀元杉バス停」から50分程歩いて登山口まで行く事になります。淀川登山口には休憩所とトイレがありますが宿泊は禁止されており、水場や自動販売機はありません。また尾之間集落方面に続く登山道の入口もありますので、宮之浦岳方面に向かう方は間違わないように注意しましょう。 淀川登山口から尾根を歩き始めます。10分程歩くと左手に淀川大杉が見えてきます。看板もないため見逃しやすいですが、非常に迫力のある屋久杉です。ここから淀川小屋までの道はモミ、ツガなどの巨木の森です。非常に美しい森なので足元に気を付けながら是非じっくり眺めてください。小屋の手前は急な下り坂になっていますが、下りきると世界遺産登録エリアに入る看板が出てきます。ここまできたら淀川小屋までもうすぐです。小屋は40人ほどが宿泊可能で、トイレ、携帯トイレブース、水場もあります。ここからしばらくは水場がないのでしっかり水を補給しておきましょう。 小屋を出発し、淀川にかかる橋を渡ると本格的な登山が始まり、急な登りが続きます。尾根上にたどりつくと傾斜も緩やかになりはじめ、周りの木々も徐々に背の低いものが増えてきます。そこをしばらく歩くと左側に高盤岳トーフ岩の展望所、少し先の右側には黒味岳をきれいに眺める事ができる展望所があります。ここから急坂を下ると小花之江河、さらに10分ほど歩くと花之江河に至ります。花之江河は島の東南部の集落から始まる各登山道(花之江河登山道・尾之間歩道・湯泊歩道・栗生歩道)の合流ポイントです。ここから宮之浦岳への登山道が一本に集約されます。花之江河登山道へ少し進むと携帯トイレブースが設置されています。ここは天候によっては道を間違える方が多いのでしっかり案内板を確認しましょう。 花之江河から20分程歩いたら黒味岳分れです。黒味岳へは往復1時間半程かかるので時間、脚力に余裕のある方は屋久島で6番目に高い山に挑戦してみてください。山頂からは宮之浦岳の主稜線を眺める事ができます。 黒味岳分れに戻り黒味岳東斜面をトラバースします。ロープがかかる道を進み、小さい沢を渡ると投石平の広場に到着です。晴天時は宮之浦岳、永田岳を眺める事ができ、気持ち良い風が通るよい休憩ポイントになりますが、悪天候時は風が強く、霧がかかると道迷いしやすい所なので注意して下さい。また、ここから数分歩くと投石岩屋なので雨天時はここで休憩した方が雨を凌ぐ事ができます。ここも道迷いに注意です。ここから投石岳の急坂を15分程登ると森林限界の世界に入ります。ここからは投石岳・安房岳・翁岳の中腹をトラバースします。6月上旬はヤクシマシャクナゲが咲き乱れ、天空のお花畑になります。宮之浦岳残り1km地点の水場が山頂までの最後の水場になります。また残り1km付近に携帯トイレブースが設置されています。新高塚小屋までは携帯トイレブースもないので注意して下さい。 ここから宮之浦岳山頂までの最後の急坂の始まりです。500m進むと栗生岳山頂。さらに急坂を登り続けると宮之浦岳山頂が見えてきます。山頂は双耳峰となっていて西峰が山頂となってます。宮之浦岳山頂は九州の最高峰です。天候に恵まれると太平洋、東シナ海だけでなく、九州南部の開聞岳、種子島、口之永良部島を見渡す事ができます。 山頂からわずかに永田岳方面に降りると大きな岩があり裏側に周り込むと祠(天正14年建立 一品宝壽大権現)があります。ここから宮之浦岳の北斜面の急坂を下ると焼野三叉路で、永田岳と新高塚小屋方面の分岐点です。ここを右に進みます。ここから平石を経て、平石岩屋までは多少のアップダウンはあるものの、屋久島の天上世界を存分に楽しむことができます。平石岩屋の岩を登ると宮之浦岳、永田岳を一望できる最高の休憩場所です。ここから急坂を下ると徐々に森林限界の世界から森の世界へと変わっていきます。 低木の森をしばらく歩くと宮之浦渓谷の開けた景色が広がり巨大な岩、ビャクシン岳(坊主岩)が目の前に突然現れます。ここから尾根を東側に乗り超えると第二展望台です。今度は屋久島一番の流域面積を誇る安房川の谷を見渡せます。さらに高度を下げると第一展望台を経て新高塚小屋に到着します。この小屋は40人ほどが宿泊できる小屋となっており、水場、トイレ、携帯トイレブースも設置されています。屋久島の避難小屋では一番混雑する小屋なので譲り合って利用しましょう。ここからさらに2kmほど下ると高塚小屋もありますが、宿泊者数が17名となってます。 高塚小屋~楠川分れまでは荒川登山口から縄文杉へ(コースガイド)を参照して下さい。 楠川分れから白谷雲水峡の辻峠までは高度差が約300mあり徐々に傾斜がきつくなっていきます。白谷雲水峡内には渡渉点があるので、楠川分れに着いた時点で白谷側から水が流れてきていたら渡渉できない可能性もあります。その時は無理をせずに荒川口の方へ下山しましょう。 白谷雲水峡の楠川歩道をそのまま下り続けると屋久島の北東に位置する楠川集落まで下山できます。江戸時代に平木(屋久杉の瓦)を運ぶ道として利用された道です。途中、白谷広場駐車場から続く林道分岐点に出ますが、ここを横切りそのまま登山道を下山します。白谷内とは違い登山者がほとんどいなくなりますが、登山道はしっかり整備されています。しばらく下ると三本杉です。ここから徐々に谷に降りていきますが、足元が滑りやすくなるので注意しましょう。杉の人工林に出ると楠川歩道入口までもうすぐです。入口を過ぎるとより整備された林道に出ます。ここまでは車が入ってこれます。ここからタクシーを利用すると楠川集落まで10分程です。
  • 淀川登山口から花山歩道へ

    淀川登山口から花山歩道へ

    淀川登山口〜焼野三叉路までは淀川登山口から楠川へ(コースガイド)を参照して下さい。 宮之浦岳から焼野三叉路まで下りると右が新高塚小屋への登山道になり、左が永田岳への登山道になります。焼野三叉路から永田岳手前の鞍部までは、登山道が陥没している箇所が多数あるので踏み外しに注意が必要です。鞍部から永田岳山頂までは急登が続くので焦らず登ります。鞍部から30分ほどで永田岳山頂と鹿之沢小屋の分岐に着きます。右に山頂、左が鹿之沢への登山道です。右に細い道を15mほど歩き、左の岩場に取り付くとロープがあり登って右にいくと永田岳山頂です。永田集落方向の展望が素晴らしいです。 永田岳から鹿之沢小屋までは急な下りが続くので注意が必要です。また登山道が陥没している箇所も多数あります。ローソク岩展望台を過ぎてしばらくすると、森林限界のエリアからシャクナゲの森に入っていきます。沢の音が聞こえはじめると、鹿之沢小屋に到着です。鹿之沢小屋は花山歩道側の沢が良い水場で水量豊富です。花山歩道は水場が花山広場以外ないので鹿之沢小屋で多めに汲んでおいてください。トイレが3、4分離れているので夜は道迷いに注意です。また、積雪時は小屋の扉が雪に埋まり内側から扉が開かなくなる可能性もあります。 トイレを通過していくと、永田歩道に下っていく道になります。花山歩道へは鹿之沢小屋の裏手に続く道を進みます。はじめの5分はいくつか沢を徒渉するので増水時は注意が必要です。急登を標高1640m付近まで登りきると尾根歩きのはじまりです。ここからが原生自然環境保全地域になります。快適な尾根の森歩きで下っていくと標高1480m付近の露岩の展望台からの風景が気持ちよいです。 途中滑りやすい急坂を下っていくと、標高1330m付近に大きなハリギリがあります。ここからなだらかな巨木の森歩きがつづき、花山広場に到着します。右に降りると水場があります。花山広場周辺は迷いやすいので注意が必要です。 花山広場から登山口までは急な下りと数箇所トラバースがあり、根や落ち葉が滑るので注意が必要です。また5~9月はヤマビルに注意が必要です。花山歩道入口から県道(大川林道入口)までは未舗装の林道なので、送迎可能なタクシー会社が少ないため早めの予約が必要です。歩くと約2時間かかるので、歩く場合には時間に余裕を持って大川の滝バス停を目指しましょう。
    淀川登山口〜焼野三叉路までは淀川登山口から楠川へ(コースガイド)を参照して下さい。 宮之浦岳から焼野三叉路まで下りると右が新高塚小屋への登山道になり、左が永田岳への登山道になります。焼野三叉路から永田岳手前の鞍部までは、登山道が陥没している箇所が多数あるので踏み外しに注意が必要です。鞍部から永田岳山頂までは急登が続くので焦らず登ります。鞍部から30分ほどで永田岳山頂と鹿之沢小屋の分岐に着きます。右に山頂、左が鹿之沢への登山道です。右に細い道を15mほど歩き、左の岩場に取り付くとロープがあり登って右にいくと永田岳山頂です。永田集落方向の展望が素晴らしいです。 永田岳から鹿之沢小屋までは急な下りが続くので注意が必要です。また登山道が陥没している箇所も多数あります。ローソク岩展望台を過ぎてしばらくすると、森林限界のエリアからシャクナゲの森に入っていきます。沢の音が聞こえはじめると、鹿之沢小屋に到着です。鹿之沢小屋は花山歩道側の沢が良い水場で水量豊富です。花山歩道は水場が花山広場以外ないので鹿之沢小屋で多めに汲んでおいてください。トイレが3、4分離れているので夜は道迷いに注意です。また、積雪時は小屋の扉が雪に埋まり内側から扉が開かなくなる可能性もあります。 トイレを通過していくと、永田歩道に下っていく道になります。花山歩道へは鹿之沢小屋の裏手に続く道を進みます。はじめの5分はいくつか沢を徒渉するので増水時は注意が必要です。急登を標高1640m付近まで登りきると尾根歩きのはじまりです。ここからが原生自然環境保全地域になります。快適な尾根の森歩きで下っていくと標高1480m付近の露岩の展望台からの風景が気持ちよいです。 途中滑りやすい急坂を下っていくと、標高1330m付近に大きなハリギリがあります。ここからなだらかな巨木の森歩きがつづき、花山広場に到着します。右に降りると水場があります。花山広場周辺は迷いやすいので注意が必要です。 花山広場から登山口までは急な下りと数箇所トラバースがあり、根や落ち葉が滑るので注意が必要です。また5~9月はヤマビルに注意が必要です。花山歩道入口から県道(大川林道入口)までは未舗装の林道なので、送迎可能なタクシー会社が少ないため早めの予約が必要です。歩くと約2時間かかるので、歩く場合には時間に余裕を持って大川の滝バス停を目指しましょう。
  • 淀川登山口からヤクスギランドへ

    淀川登山口からヤクスギランドへ

    淀川登山口~花之江河までは淀川登山口から楠川へ(コースガイド)を参照して下さい。 花之江河からは宮之浦岳への登山道を左に見て、右側の花之江河歩道に入ります。1日歩いても人に出会う事も少なく、途中ビャクシン沢の渡渉点もありますので熟練者向けの登山道です。 さて花之江河から70m程進むと右側に携帯トイレブースがあり、さらに進むと開けた所に出ます。ここは旧花之江河小屋の跡地です。ここから少し進むと丸太の一本橋があります。近年の整備によりロープの手すりが設置されたので歩きやすくなりましたが、寒い日は凍結や霜がおり非常に滑りやすいので注意して下さい。ここから比較的平坦な道を進むと水場に出ます。ここから石塚小屋までは5分程ですが、小屋には水場がないため、石塚小屋に宿泊する方はここで水を汲みましょう。ここから小屋までの間には過去に石塚、小杉谷へ至る石塚歩道がありましたが、現在は廃道の為踏み込まないようにして下さい。 石塚小屋は収容人数15名ほどの小さな避難小屋です。小屋の裏側に常設トイレ、小屋よりヤクスギランド方面に向かう側には携帯トイレブースも設置されています。 小屋より先は徐々に高度をさげ湿地帯を通過します。ここは道を見失いやすい場所なのでしっかりピンクテープを確認しながら歩きます。湿地帯を越え急坂を登り切ると正面に巨岩が現れます。この巨岩がみはらし台です。登山道脇にある「みはらし台」看板横のロープを使って岩の上に登ってみましょう。ここからは宮之浦岳、翁岳、黒味岳などの屋久島の主稜を望む事ができ、さらによく見ると黒味岳の横には高盤岳のトーフ岩も見る事ができます。このみはらし台より先はなだらかな下り道が続きます。この辺りの森がヤクスギ、ツガ、モミ、または広葉樹のハリギリ、ヤマグルマなどの巨木が広がる美しい森です。 このエリアを進むとビャクシン沢渡渉点に出ます。この沢は通常の水位だと川の中ほどの露岩に座る事が休憩するには最高の場所ですが、雨が強いと渡渉できなくなります。この判断は非常に難しく、渡渉できなくて石塚小屋まで戻るにもかなり距離がありますので、雨天時は小屋出発前に天気予報や今までの降水量のチェックは必ず行いましょう。ビャクシン沢より40分程進むと大和杉に到着です。 大和杉~ヤクスギランドまではヤクスギランドから大和杉へ(コースガイド)を参照して下さい。
    淀川登山口~花之江河までは淀川登山口から楠川へ(コースガイド)を参照して下さい。 花之江河からは宮之浦岳への登山道を左に見て、右側の花之江河歩道に入ります。1日歩いても人に出会う事も少なく、途中ビャクシン沢の渡渉点もありますので熟練者向けの登山道です。 さて花之江河から70m程進むと右側に携帯トイレブースがあり、さらに進むと開けた所に出ます。ここは旧花之江河小屋の跡地です。ここから少し進むと丸太の一本橋があります。近年の整備によりロープの手すりが設置されたので歩きやすくなりましたが、寒い日は凍結や霜がおり非常に滑りやすいので注意して下さい。ここから比較的平坦な道を進むと水場に出ます。ここから石塚小屋までは5分程ですが、小屋には水場がないため、石塚小屋に宿泊する方はここで水を汲みましょう。ここから小屋までの間には過去に石塚、小杉谷へ至る石塚歩道がありましたが、現在は廃道の為踏み込まないようにして下さい。 石塚小屋は収容人数15名ほどの小さな避難小屋です。小屋の裏側に常設トイレ、小屋よりヤクスギランド方面に向かう側には携帯トイレブースも設置されています。 小屋より先は徐々に高度をさげ湿地帯を通過します。ここは道を見失いやすい場所なのでしっかりピンクテープを確認しながら歩きます。湿地帯を越え急坂を登り切ると正面に巨岩が現れます。この巨岩がみはらし台です。登山道脇にある「みはらし台」看板横のロープを使って岩の上に登ってみましょう。ここからは宮之浦岳、翁岳、黒味岳などの屋久島の主稜を望む事ができ、さらによく見ると黒味岳の横には高盤岳のトーフ岩も見る事ができます。このみはらし台より先はなだらかな下り道が続きます。この辺りの森がヤクスギ、ツガ、モミ、または広葉樹のハリギリ、ヤマグルマなどの巨木が広がる美しい森です。 このエリアを進むとビャクシン沢渡渉点に出ます。この沢は通常の水位だと川の中ほどの露岩に座る事が休憩するには最高の場所ですが、雨が強いと渡渉できなくなります。この判断は非常に難しく、渡渉できなくて石塚小屋まで戻るにもかなり距離がありますので、雨天時は小屋出発前に天気予報や今までの降水量のチェックは必ず行いましょう。ビャクシン沢より40分程進むと大和杉に到着です。 大和杉~ヤクスギランドまではヤクスギランドから大和杉へ(コースガイド)を参照して下さい。
  • 永田集落から永田歩道へ

    永田集落から永田歩道へ

    永田バス停から永田川の左岸を上流に歩いて行くと、横河渓谷の入口に到着です。横河渓谷入口には車が10台程度駐車可能です。横河渓谷入口からところどころ未舗装の林道を登っていくと永田歩道入口に着きます。ウラジロが茂る入口を登り始めるとしばらくは杉の植林地が続きます。登山道が不明瞭なため道迷いに注意が必要です。5月~9月まではヤマビルが出ます。 尾根に出ると道が分かりやすくなり急登がはじまります。時折やせ尾根があるため注意が必要です。標高840m付近まで登ると左に水呑沢が近づいている場所で水を汲む事ができます。照葉樹林の森が続く急登を登っていくと1200m付近に岳の辻の看板が出てきます。ここからは穏やかな尾根歩きがはじまります。尾根を右に巻きはじめた標高1240m付近、左手に分かりにくいですが倒木上に更新した七本杉を見る事ができます。雨が多い屋久島では、倒木上でも水に困る事なく樹木が育ち、また生きている樹木にも様々な樹木が着生という生き方をしています。 尾根を巻き鞍部に出ると標高1230m付近にしっかりとした水場が出てきます。気持ちのよい尾根歩きが続き標高1330m付近、右に姥ヶ岩屋があり、雨宿りや緊急時のビバークに利用できます。 尾根沿いに登りがはじまり標高1400m付近右手に、ねじれた木肌が特徴の左捲大桧を見る事ができます。左捲大桧を過ぎ尾根を登りきると桃平広場(標高1460m)に到着です。 巨岩が美しい涸れ沢を横断していくと、尾根沿いに大きなヤマグルマが多くでてきます。下りがはじまると七ツ渡シと呼ばれる渡渉点エリアが現れます。1つ目は岩を伝い10mほどの沢を渡り、次はしばらく進むとナメラの渡渉点が現れます。屋久島のなかでも美しい沢の代表格です。この2つの渡渉点は増水時渡れなくなります。 七ツ渡シを過ぎ、沢沿いの岩場のトラバースを過ぎると鹿之沢小屋はもうすぐです。トイレの横を過ぎて小さな沢を渡ると鹿之沢小屋に着きます。鹿之沢小屋から永田岳までは淀川登山口から花山歩道へ(コースガイド)を参照して下さい。 永田岳からは、往路を引き返します。永田歩道の下りは、岳の辻から下の登山道で落ち葉でスリップしやすい箇所やトラバースする箇所があるため雨天時は特に注意が必要です。
    永田バス停から永田川の左岸を上流に歩いて行くと、横河渓谷の入口に到着です。横河渓谷入口には車が10台程度駐車可能です。横河渓谷入口からところどころ未舗装の林道を登っていくと永田歩道入口に着きます。ウラジロが茂る入口を登り始めるとしばらくは杉の植林地が続きます。登山道が不明瞭なため道迷いに注意が必要です。5月~9月まではヤマビルが出ます。 尾根に出ると道が分かりやすくなり急登がはじまります。時折やせ尾根があるため注意が必要です。標高840m付近まで登ると左に水呑沢が近づいている場所で水を汲む事ができます。照葉樹林の森が続く急登を登っていくと1200m付近に岳の辻の看板が出てきます。ここからは穏やかな尾根歩きがはじまります。尾根を右に巻きはじめた標高1240m付近、左手に分かりにくいですが倒木上に更新した七本杉を見る事ができます。雨が多い屋久島では、倒木上でも水に困る事なく樹木が育ち、また生きている樹木にも様々な樹木が着生という生き方をしています。 尾根を巻き鞍部に出ると標高1230m付近にしっかりとした水場が出てきます。気持ちのよい尾根歩きが続き標高1330m付近、右に姥ヶ岩屋があり、雨宿りや緊急時のビバークに利用できます。 尾根沿いに登りがはじまり標高1400m付近右手に、ねじれた木肌が特徴の左捲大桧を見る事ができます。左捲大桧を過ぎ尾根を登りきると桃平広場(標高1460m)に到着です。 巨岩が美しい涸れ沢を横断していくと、尾根沿いに大きなヤマグルマが多くでてきます。下りがはじまると七ツ渡シと呼ばれる渡渉点エリアが現れます。1つ目は岩を伝い10mほどの沢を渡り、次はしばらく進むとナメラの渡渉点が現れます。屋久島のなかでも美しい沢の代表格です。この2つの渡渉点は増水時渡れなくなります。 七ツ渡シを過ぎ、沢沿いの岩場のトラバースを過ぎると鹿之沢小屋はもうすぐです。トイレの横を過ぎて小さな沢を渡ると鹿之沢小屋に着きます。鹿之沢小屋から永田岳までは淀川登山口から花山歩道へ(コースガイド)を参照して下さい。 永田岳からは、往路を引き返します。永田歩道の下りは、岳の辻から下の登山道で落ち葉でスリップしやすい箇所やトラバースする箇所があるため雨天時は特に注意が必要です。
  • 越後三山縦走

    越後三山縦走

    越後三山とは八海山、中ノ岳、越後駒ヶ岳の総称で、魚沼三山とも呼ばれています。標高こそ中級山岳並みですが、豪雪に磨かれた水無川、佐梨川に峻険な谷を張りめぐらし、馬蹄型に広がる豪快な山容の三山縦走は、八海山、中ノ岳間の比高も高く険しいため、第一級の健脚向きコースです。急登に汗し、岩峰に肝を冷し、花々に心なぐさめられて黙々とたどるコースですが、それだけに縦走を終えての感慨はひとしお強く心を打つことでしょう。 なお八海山スキー場がオープンしてロープウェイが架設され、この長丁場のコースも時間的にやや短縮できるようになりましたが、山の厳しさは依然として変わりなく、安易な計画で登ることがないように注意して下さい。三山縦走は、越後駒ヶ岳を起点とするのが一般的です。 枝折峠〜越後駒ヶ岳までは枝折峠から越後駒ヶ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 【越後駒ヶ岳から中ノ岳まで】 山頂からしばらく稜線を下ると十合目の石標があります。ここが水無川渓谷へ下るグシガハナコースとの合流点です。チシマザサとダケカンバの中を通り出た平坦地が諏訪平になります。ササとシャクナゲを過ぎると急な下りになり天狗平に到着します。このあたりは風が強くハイマツと低灌木の気持ちのよいところで、ここが最低鞍部です。右を見れば北沢源頭のスラブに圧倒されることでしょう。 天狗平をあとにして中ノ岳をめざし、ヤセ尾根のアップダウンを繰り返します。北ノ又川には残雪が多く9月いっぱいは残っています。ヒノキ、ゴヨウマツ、シャクナゲなどが風雪に耐え曲りくねっている中を進んだ先が檜廊下です。奥只見湖、荒沢岳の眺めが良いが北ノ又側がスッパリと切れ落ちているので足元には十分注意して下さい。小さいピークを幾つか越え歩を進めると、ようやく中ノ岳への最後の登りとなります。避難小屋の前は広くテント場もあり、水は小屋の西側のポリタンクに貯めてある天水が利用できます。 中ノ岳山頂は小屋の南側へ少し行ったところにあり白御影石の方位盤と3等三角点があります。越後三山の最高峰からの展望は素晴しいの一言に尽きます。荒沢岳、平ヶ岳、燧ヶ岳、越後駒ヶ岳、尾瀬周辺の山々も一望です。中ノ岳の南峰から少し下ると兎岳を経て丹後山への縦走路と十字峡への分岐点があり、天候の急変や体調不良の時は十字峡へのルートがエスケープルートとなります。 【中ノ岳から千本檜小屋まで】 中ノ岳の小屋をあとにしてお花畑の中を下ります。ガレ場を過ぎると両側にベニバナイチゴの群生地が広がります。灌木の中の小沢を下ると草原に出ます。祓川には雪渓が遅くまで残り、周辺の草原には花々が咲き誇ります。キャンプ地には最高の場所ですが、大雨が降ると一気に水が出るので沢筋にはテントを張るのは厳禁です。最後の水場なので十分水を用意し、御月山へ向かいます。100mほど登ると御月山のピークです。ここから八海山までの縦走路は高度差の大きいヤセ尾根の稜線で天候と体力勝負。長いクサリを慎重に下り、しばらくは灌木とネマガリタケの中を進みます。 出雲先を過ぎ長いクサリ場を終え、ヤセ尾根の岩稜に出ます。右下に水無渓谷、左下に黒又沢がスッパリと切れ落ち身体ごと吸い込まれそうです。オカメノゾキまでヤセ尾根の岩稜が続きます。足元に注意を払いアップダウンを繰り返すと、ようやく最低鞍部のオカメノゾキです(オカメノゾキとはオカメノ沢を望む付近一帯の事を指します)。右下は水無渓谷の核心部で、デトノアイソメの雪渓や幣ノ滝、谷の対岸にはグシガハナの稜線が越後駒ヶ岳へと続き、左下は黒又沢を経て十字峡が望めます。 オカメノゾキから入道岳へは約600mの高度を登らなければなりません。ヤセ尾根の岩稜がしばらく続き荒山に到着です。荒山からは登りの連続で高度を上げていきます。いくつかのクサリ場を過ぎ、2〜3のピークを越え、岩稜を登りきると五龍岳です。ここで阿寺コースと合流します。五竜岳から入道岳の間には右下に東不動沢、西不動沢がつき上げます。低灌木の中を登りガレ場を過ぎると入道岳の山頂です。展望は素晴らしく、長くきつかった越後駒ヶ岳から中ノ岳への稜線、中ノ岳から五竜岳へと続くヤセ尾根の高低差、縦走の感慨を胸に千本檜小屋へ向かいましょう。 大日岳〜八海山スキー場までは八海山(大崎口コース)(コースガイド)を参照して下さい。
    越後三山とは八海山、中ノ岳、越後駒ヶ岳の総称で、魚沼三山とも呼ばれています。標高こそ中級山岳並みですが、豪雪に磨かれた水無川、佐梨川に峻険な谷を張りめぐらし、馬蹄型に広がる豪快な山容の三山縦走は、八海山、中ノ岳間の比高も高く険しいため、第一級の健脚向きコースです。急登に汗し、岩峰に肝を冷し、花々に心なぐさめられて黙々とたどるコースですが、それだけに縦走を終えての感慨はひとしお強く心を打つことでしょう。 なお八海山スキー場がオープンしてロープウェイが架設され、この長丁場のコースも時間的にやや短縮できるようになりましたが、山の厳しさは依然として変わりなく、安易な計画で登ることがないように注意して下さい。三山縦走は、越後駒ヶ岳を起点とするのが一般的です。 枝折峠〜越後駒ヶ岳までは枝折峠から越後駒ヶ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 【越後駒ヶ岳から中ノ岳まで】 山頂からしばらく稜線を下ると十合目の石標があります。ここが水無川渓谷へ下るグシガハナコースとの合流点です。チシマザサとダケカンバの中を通り出た平坦地が諏訪平になります。ササとシャクナゲを過ぎると急な下りになり天狗平に到着します。このあたりは風が強くハイマツと低灌木の気持ちのよいところで、ここが最低鞍部です。右を見れば北沢源頭のスラブに圧倒されることでしょう。 天狗平をあとにして中ノ岳をめざし、ヤセ尾根のアップダウンを繰り返します。北ノ又川には残雪が多く9月いっぱいは残っています。ヒノキ、ゴヨウマツ、シャクナゲなどが風雪に耐え曲りくねっている中を進んだ先が檜廊下です。奥只見湖、荒沢岳の眺めが良いが北ノ又側がスッパリと切れ落ちているので足元には十分注意して下さい。小さいピークを幾つか越え歩を進めると、ようやく中ノ岳への最後の登りとなります。避難小屋の前は広くテント場もあり、水は小屋の西側のポリタンクに貯めてある天水が利用できます。 中ノ岳山頂は小屋の南側へ少し行ったところにあり白御影石の方位盤と3等三角点があります。越後三山の最高峰からの展望は素晴しいの一言に尽きます。荒沢岳、平ヶ岳、燧ヶ岳、越後駒ヶ岳、尾瀬周辺の山々も一望です。中ノ岳の南峰から少し下ると兎岳を経て丹後山への縦走路と十字峡への分岐点があり、天候の急変や体調不良の時は十字峡へのルートがエスケープルートとなります。 【中ノ岳から千本檜小屋まで】 中ノ岳の小屋をあとにしてお花畑の中を下ります。ガレ場を過ぎると両側にベニバナイチゴの群生地が広がります。灌木の中の小沢を下ると草原に出ます。祓川には雪渓が遅くまで残り、周辺の草原には花々が咲き誇ります。キャンプ地には最高の場所ですが、大雨が降ると一気に水が出るので沢筋にはテントを張るのは厳禁です。最後の水場なので十分水を用意し、御月山へ向かいます。100mほど登ると御月山のピークです。ここから八海山までの縦走路は高度差の大きいヤセ尾根の稜線で天候と体力勝負。長いクサリを慎重に下り、しばらくは灌木とネマガリタケの中を進みます。 出雲先を過ぎ長いクサリ場を終え、ヤセ尾根の岩稜に出ます。右下に水無渓谷、左下に黒又沢がスッパリと切れ落ち身体ごと吸い込まれそうです。オカメノゾキまでヤセ尾根の岩稜が続きます。足元に注意を払いアップダウンを繰り返すと、ようやく最低鞍部のオカメノゾキです(オカメノゾキとはオカメノ沢を望む付近一帯の事を指します)。右下は水無渓谷の核心部で、デトノアイソメの雪渓や幣ノ滝、谷の対岸にはグシガハナの稜線が越後駒ヶ岳へと続き、左下は黒又沢を経て十字峡が望めます。 オカメノゾキから入道岳へは約600mの高度を登らなければなりません。ヤセ尾根の岩稜がしばらく続き荒山に到着です。荒山からは登りの連続で高度を上げていきます。いくつかのクサリ場を過ぎ、2〜3のピークを越え、岩稜を登りきると五龍岳です。ここで阿寺コースと合流します。五竜岳から入道岳の間には右下に東不動沢、西不動沢がつき上げます。低灌木の中を登りガレ場を過ぎると入道岳の山頂です。展望は素晴らしく、長くきつかった越後駒ヶ岳から中ノ岳への稜線、中ノ岳から五竜岳へと続くヤセ尾根の高低差、縦走の感慨を胸に千本檜小屋へ向かいましょう。 大日岳〜八海山スキー場までは八海山(大崎口コース)(コースガイド)を参照して下さい。
  • 八海山(屏風道コース)下山(新開道コース)

    八海山(屏風道コース)下山(新開道コース)

    山口バス停で下車後、右に阿寺山コースを見て八海神社里宮のある大木の杉林を抜けます。ゆるい坂の車道を行くと日本大学八海山セミナーハウスが左横に見えます。さらに車道を進むと二合目へ。登山カードポストの脇から屏風沢へと下りて屏風道が始まります。 稲荷大明神と小祠がある所が大岩で三合目です。ここから涸れ沢を何箇所か横切って進むと生金沢に出ます。雑木林の小尾根を行くと四合目の看板がある広場に到着です。左へ進むと五合目へ向かう登山道です。ここから頂上まで水場はありません。息もつかせぬ急坂が八合目上まで続きます。清滝をあとに尾根を少し登ると鳥居があり稲荷様を左に見て尾根に取り付きましょう。クサリを手掛りに木の根などを足掛りに、つま先上がりの急坂を慎重に行くと、ようやく六合目です。 岩稜はさらに厳しくなり、大きな松が現れ右に行くと少し広い場所へ。ノゾキの松で七合目であり摩利支天が祀られています。尾根を少し行きトラバースしながら沢に到着します。30mほど沢を登り右へトラバースして尾根を行くと八合目です。八ッ峰の岩峰群が右手に見えます。八合目を過ぎ大岩の下に行けば、長いクサリが縦と横についています。小ピークに着くと前方に千本檜小屋が見え、よく整備された道が続きます。ゆるやかな坂を、八ッ峰を眺めながら進むと小屋に着き、九合目の千本檜小屋です。 屏風道は八海山のコースの中では最短で、危険な反面眺めの良いコースですが、下山は厳禁です。 八ツ峰を下るとすぐに三山縦走路と新開道への分岐が現れます。この分岐を下ります。足場が悪く急こう配です。アルミ梯子が架かっていますが垂直の岩場が滑りやすいので気をつけること。100mほどおりると八ツ峰迂回路と新開道の分岐が現れます。トラバースして下りますが、ここも岩が滑り易く足場が悪いうえに垂直に5m位急落しているところがあり非常に危険です。ここを抜けると尾根にでます。少し降りた平らなところが九合目です。 ここから緩やかな下りが続き少し登り返した所が七合目のカッパン倉です。さらに下ると稲荷清水の四合目到着です。三合目からはさらに緩やかな傾斜を経て二合目屏風道の登山口へ出ます。その後は往路を山口バス停まで戻ります。
    山口バス停で下車後、右に阿寺山コースを見て八海神社里宮のある大木の杉林を抜けます。ゆるい坂の車道を行くと日本大学八海山セミナーハウスが左横に見えます。さらに車道を進むと二合目へ。登山カードポストの脇から屏風沢へと下りて屏風道が始まります。 稲荷大明神と小祠がある所が大岩で三合目です。ここから涸れ沢を何箇所か横切って進むと生金沢に出ます。雑木林の小尾根を行くと四合目の看板がある広場に到着です。左へ進むと五合目へ向かう登山道です。ここから頂上まで水場はありません。息もつかせぬ急坂が八合目上まで続きます。清滝をあとに尾根を少し登ると鳥居があり稲荷様を左に見て尾根に取り付きましょう。クサリを手掛りに木の根などを足掛りに、つま先上がりの急坂を慎重に行くと、ようやく六合目です。 岩稜はさらに厳しくなり、大きな松が現れ右に行くと少し広い場所へ。ノゾキの松で七合目であり摩利支天が祀られています。尾根を少し行きトラバースしながら沢に到着します。30mほど沢を登り右へトラバースして尾根を行くと八合目です。八ッ峰の岩峰群が右手に見えます。八合目を過ぎ大岩の下に行けば、長いクサリが縦と横についています。小ピークに着くと前方に千本檜小屋が見え、よく整備された道が続きます。ゆるやかな坂を、八ッ峰を眺めながら進むと小屋に着き、九合目の千本檜小屋です。 屏風道は八海山のコースの中では最短で、危険な反面眺めの良いコースですが、下山は厳禁です。 八ツ峰を下るとすぐに三山縦走路と新開道への分岐が現れます。この分岐を下ります。足場が悪く急こう配です。アルミ梯子が架かっていますが垂直の岩場が滑りやすいので気をつけること。100mほどおりると八ツ峰迂回路と新開道の分岐が現れます。トラバースして下りますが、ここも岩が滑り易く足場が悪いうえに垂直に5m位急落しているところがあり非常に危険です。ここを抜けると尾根にでます。少し降りた平らなところが九合目です。 ここから緩やかな下りが続き少し登り返した所が七合目のカッパン倉です。さらに下ると稲荷清水の四合目到着です。三合目からはさらに緩やかな傾斜を経て二合目屏風道の登山口へ出ます。その後は往路を山口バス停まで戻ります。
  • 銀山平から荒沢岳へ

    銀山平から荒沢岳へ

    登山口までのアプローチは、小出駅より車でシルバーラインのトンネルに入り、17号明神トンネルの途中で右折して銀山平に出るルートと、トンネルには入らず大湯を経て枝折峠を越えて銀山平に下るルートの2つが存在します。シルバーラインを利用する方が一般的で便利ですが、枝折峠を経ていくルートは残雪期と紅葉の頃が美しく、ぜひ通ってみたいルートです。 銀山平の船着場から石抱橋へ延びている国道を20分ほど歩くと、登山口となる村杉です。駐車場と公衆トイレがあり、その脇から登山口に入り前山を目指して雑木林の中を進むとまもなく小ピークが現れ、前山に到着します。眼下に奥只見湖の湖面を見ながら、山の静けさを楽しみましょう。この先からはブナ林を見ながらの尾根歩きです。春にはタムシバの白い花、シャクナゲの淡いピンクの花、足元にはイワウチワ、イワカガミの可憐な花、夏にはクルマユリを何輪か見ることができ、汗ばんだ体にひとときの清涼感を添えてくれます。3つほどのピークを越してコルに下ると、前嵓の基部です。 前嵓はこの山のルート最大の難所。クサリ、鉄製の階段はあるが慎重に行動して下さい。前嵓に取り付いてすぐにクサリ場が始まります。いくつかのクサリ場を通過して尾根に出ると、目の前に前嵓特有の鋸歯状の大岩壁が現れます。登山道はこの大岩壁の基部へ30m下ってからトラバースします。クサリがあるのでルートはわかりますが、足元に注意して下さい。トラバースが終わると、尾根へ向かって急な登りとなります。岩場にはクサリがあり足場も悪くないので、見た感じほど難しくはありません。草付きの岩登りを終えると尾根に出ます。 ここから山頂まではコメツガ、ハイマツ、また所々にシャクナゲの混生した灌木の尾根道です。東側は中荒沢が、西側は蛇子沢が深く切れ落ち込んで高度感が湧いてきます。灌木は低くなり、急登の岩場を過ぎて主稜となります。西へ進み岩峰をふたつ越すと荒沢岳山頂。山頂は狭いながら素晴らしい展望です。北を見れば越後駒ヶ岳、浅草岳、遠く飯豊連峰を望むことができます。東には会津の山々が広がり、南には平ヶ岳、燧ヶ岳、西には丹後山、巻機山などの上越国境の山脈が目に入ってきます。 下山は同じルートを登山口まで下りますが、登り同様かそれ以上に前嵓のクサリ場、岩場では慎重に足を運ぶことを念頭に。下山後に汗を流すなら、登山口から車で5分くらいの所に白銀の湯があります。
    登山口までのアプローチは、小出駅より車でシルバーラインのトンネルに入り、17号明神トンネルの途中で右折して銀山平に出るルートと、トンネルには入らず大湯を経て枝折峠を越えて銀山平に下るルートの2つが存在します。シルバーラインを利用する方が一般的で便利ですが、枝折峠を経ていくルートは残雪期と紅葉の頃が美しく、ぜひ通ってみたいルートです。 銀山平の船着場から石抱橋へ延びている国道を20分ほど歩くと、登山口となる村杉です。駐車場と公衆トイレがあり、その脇から登山口に入り前山を目指して雑木林の中を進むとまもなく小ピークが現れ、前山に到着します。眼下に奥只見湖の湖面を見ながら、山の静けさを楽しみましょう。この先からはブナ林を見ながらの尾根歩きです。春にはタムシバの白い花、シャクナゲの淡いピンクの花、足元にはイワウチワ、イワカガミの可憐な花、夏にはクルマユリを何輪か見ることができ、汗ばんだ体にひとときの清涼感を添えてくれます。3つほどのピークを越してコルに下ると、前嵓の基部です。 前嵓はこの山のルート最大の難所。クサリ、鉄製の階段はあるが慎重に行動して下さい。前嵓に取り付いてすぐにクサリ場が始まります。いくつかのクサリ場を通過して尾根に出ると、目の前に前嵓特有の鋸歯状の大岩壁が現れます。登山道はこの大岩壁の基部へ30m下ってからトラバースします。クサリがあるのでルートはわかりますが、足元に注意して下さい。トラバースが終わると、尾根へ向かって急な登りとなります。岩場にはクサリがあり足場も悪くないので、見た感じほど難しくはありません。草付きの岩登りを終えると尾根に出ます。 ここから山頂まではコメツガ、ハイマツ、また所々にシャクナゲの混生した灌木の尾根道です。東側は中荒沢が、西側は蛇子沢が深く切れ落ち込んで高度感が湧いてきます。灌木は低くなり、急登の岩場を過ぎて主稜となります。西へ進み岩峰をふたつ越すと荒沢岳山頂。山頂は狭いながら素晴らしい展望です。北を見れば越後駒ヶ岳、浅草岳、遠く飯豊連峰を望むことができます。東には会津の山々が広がり、南には平ヶ岳、燧ヶ岳、西には丹後山、巻機山などの上越国境の山脈が目に入ってきます。 下山は同じルートを登山口まで下りますが、登り同様かそれ以上に前嵓のクサリ場、岩場では慎重に足を運ぶことを念頭に。下山後に汗を流すなら、登山口から車で5分くらいの所に白銀の湯があります。
  • 伊那スキーリゾートから木曽駒ヶ岳へ

    伊那スキーリゾートから木曽駒ヶ岳へ

    歴史があるばかりでなく、かの有名なウォルター・ウェストンが上松から駒ヶ岳登山をした時に下ったのがこのルートとされています。権現づるねと呼ばれるこのルートは長く、権現山から先は近年手入れが行き届かない箇所があり、上級者向けです。 登山口は常輪寺からの古道もありますが、ここではスキー場からスタートします。マイカーもしくはタクシーで伊那スキーリゾートの駐車場まで入り登山開始です。スキー場の横をリフト終点まで登ると林道が二手に分かれ上へ進むと権現山登山道入口があります。沢沿いに登ると急登に差し掛かります。権現山までは地元の方々が整備してくれていますが、滑りやすい急坂のため足元に注意しましょう。やがて常輪寺からの道と合流すると権現山までもう一登りです。権現山の山頂からは伊那谷が見渡せ、その向こうに南アルプスが望めます。 権現山からは笹薮となり一部不明瞭な箇所も出てきますので注意しましょう。笹をかき分けつつ登り「板沢の頭」の看板を過ぎると五合目見晴台です。ここから尾根が不明瞭となり、辻山と呼ばれるあたりで右にルートを取りますが、地図を出してよく確認してから進みましょう。 湿地帯を過ぎると急登に差し掛かります。展望のないシラビソ林のきつい坂を登りきるとそこは八丁立です。やがて樹高が低くなり、長尾根ノ頭を過ぎたころハイマツが混じり始め森林限界が近づくと急に視界がひらけます。将棊ノ頭(将棊頭山とは別)を超えて下れば本日の宿泊地、西駒山荘に到着です。 翌日は馬ノ背から木曽駒ヶ岳へ。駒ヶ岳から中岳を超えて宝剣山荘と天狗荘が並んで建っている広い場所が賽の河原といわれるところです。宝剣山荘の前から濃ヶ池方面へと下る道があり、西駒山荘へ戻ることもできます。ただし、遅い時期(8月上旬)まで雪渓が残ることが多いので注意が必要です。 乗越浄土からは千畳敷へ下り、ロープウェイとバスを利用してJR駒ケ根駅方面へと下山します。
    歴史があるばかりでなく、かの有名なウォルター・ウェストンが上松から駒ヶ岳登山をした時に下ったのがこのルートとされています。権現づるねと呼ばれるこのルートは長く、権現山から先は近年手入れが行き届かない箇所があり、上級者向けです。 登山口は常輪寺からの古道もありますが、ここではスキー場からスタートします。マイカーもしくはタクシーで伊那スキーリゾートの駐車場まで入り登山開始です。スキー場の横をリフト終点まで登ると林道が二手に分かれ上へ進むと権現山登山道入口があります。沢沿いに登ると急登に差し掛かります。権現山までは地元の方々が整備してくれていますが、滑りやすい急坂のため足元に注意しましょう。やがて常輪寺からの道と合流すると権現山までもう一登りです。権現山の山頂からは伊那谷が見渡せ、その向こうに南アルプスが望めます。 権現山からは笹薮となり一部不明瞭な箇所も出てきますので注意しましょう。笹をかき分けつつ登り「板沢の頭」の看板を過ぎると五合目見晴台です。ここから尾根が不明瞭となり、辻山と呼ばれるあたりで右にルートを取りますが、地図を出してよく確認してから進みましょう。 湿地帯を過ぎると急登に差し掛かります。展望のないシラビソ林のきつい坂を登りきるとそこは八丁立です。やがて樹高が低くなり、長尾根ノ頭を過ぎたころハイマツが混じり始め森林限界が近づくと急に視界がひらけます。将棊ノ頭(将棊頭山とは別)を超えて下れば本日の宿泊地、西駒山荘に到着です。 翌日は馬ノ背から木曽駒ヶ岳へ。駒ヶ岳から中岳を超えて宝剣山荘と天狗荘が並んで建っている広い場所が賽の河原といわれるところです。宝剣山荘の前から濃ヶ池方面へと下る道があり、西駒山荘へ戻ることもできます。ただし、遅い時期(8月上旬)まで雪渓が残ることが多いので注意が必要です。 乗越浄土からは千畳敷へ下り、ロープウェイとバスを利用してJR駒ケ根駅方面へと下山します。
  • 菅の台バスセンターから空木岳へ

    菅の台バスセンターから空木岳へ

    空木岳は深田久弥の日本百名山のひとつとして人気の山ですが、木曽駒ヶ岳から縦走するにしても、またここで紹介する菅の台から登るルートにしても、長く険しいアプローチが必要です。 駒ヶ岳ロープウェイへのバス発着所である菅の台バスセンターはおよそ標高850mで、ここから空木岳へは標高差約2000mの長い登りです。以前は林道終点までマイカーやタクシーで入ることができましたが、ここ最近は崩落や落石のために通行止めの期間が多いので、菅の台からスタートしましょう。 駒ヶ根高原スキー場を目指して歩き始めます。スキー場横の段々の駐車場を登りきった所から山道に入ります。ゲレンデ横のヒノキ林を登りやがてスキー場と分かれ、林道を2度横切ります。3度目に林道と出会うとそこが林道終点です。林道終点からは遊歩道として整備された道を右に左に折り返しながら進み、タカウチ場で池山山頂への道と分岐します。山頂を経由して行くこともできますが、先は長いので左に道を取ります。 緩やかな道を登って行くと池山小屋との分岐の水場に到着。この先水場は無いので多めに補給しましょう。ここからも遊歩道経由で登ることができますが、真っ直ぐに登る道を行きます。左に見上げる尾根と並行しながら高度を上げ、明るい尾根に出たところが尻無と呼ばれる場所です。緩やかに登っていき、マセナギを通過して大きなダケカンバのあるところから正面の尾根を左にまきます。再び尾根に出てからが遭難事故多発地帯に差し掛かります。 「大地獄」「小地獄」と呼ばれるやせ尾根の岩場を鎖やハシゴを頼りながら慎重に進みます。鎖が終わりアルミの階段を過ぎたら小さなコルがあり、ここも左にトラバースする道です。滑りやすい足元に注意しながら進み「迷尾根」の看板を過ぎ再び尾根に戻ります。少し緩やかになった道は地元の人が散歩道と呼ぶところです。まだまだ長い登りが続きます。周囲の木々がツガなどから灌木へと変化し、樹高が低くなってくるとまもなく空木平への道と分岐します。 森林限界をむかえ視界が広がります。宝剣岳や木曽駒ヶ岳も見え、正面に目指す空木岳がそびえて長い登りももう少しです。花崗岩の砂礫の道を進むと、駒石と呼ばれる巨石が現れます。麓の街からも見える大きな岩です。 見えているのになかなか近づかないようで疲れてきたころ、ようやく本日の宿泊地の駒峰ヒュッテに到着です。受付を済ませたら荷物を置いて空木岳を往復すると良いでしょう。 翌日は往路を辿りますが、先にも記したように事故の多いルートなので慎重に下山してください。
    空木岳は深田久弥の日本百名山のひとつとして人気の山ですが、木曽駒ヶ岳から縦走するにしても、またここで紹介する菅の台から登るルートにしても、長く険しいアプローチが必要です。 駒ヶ岳ロープウェイへのバス発着所である菅の台バスセンターはおよそ標高850mで、ここから空木岳へは標高差約2000mの長い登りです。以前は林道終点までマイカーやタクシーで入ることができましたが、ここ最近は崩落や落石のために通行止めの期間が多いので、菅の台からスタートしましょう。 駒ヶ根高原スキー場を目指して歩き始めます。スキー場横の段々の駐車場を登りきった所から山道に入ります。ゲレンデ横のヒノキ林を登りやがてスキー場と分かれ、林道を2度横切ります。3度目に林道と出会うとそこが林道終点です。林道終点からは遊歩道として整備された道を右に左に折り返しながら進み、タカウチ場で池山山頂への道と分岐します。山頂を経由して行くこともできますが、先は長いので左に道を取ります。 緩やかな道を登って行くと池山小屋との分岐の水場に到着。この先水場は無いので多めに補給しましょう。ここからも遊歩道経由で登ることができますが、真っ直ぐに登る道を行きます。左に見上げる尾根と並行しながら高度を上げ、明るい尾根に出たところが尻無と呼ばれる場所です。緩やかに登っていき、マセナギを通過して大きなダケカンバのあるところから正面の尾根を左にまきます。再び尾根に出てからが遭難事故多発地帯に差し掛かります。 「大地獄」「小地獄」と呼ばれるやせ尾根の岩場を鎖やハシゴを頼りながら慎重に進みます。鎖が終わりアルミの階段を過ぎたら小さなコルがあり、ここも左にトラバースする道です。滑りやすい足元に注意しながら進み「迷尾根」の看板を過ぎ再び尾根に戻ります。少し緩やかになった道は地元の人が散歩道と呼ぶところです。まだまだ長い登りが続きます。周囲の木々がツガなどから灌木へと変化し、樹高が低くなってくるとまもなく空木平への道と分岐します。 森林限界をむかえ視界が広がります。宝剣岳や木曽駒ヶ岳も見え、正面に目指す空木岳がそびえて長い登りももう少しです。花崗岩の砂礫の道を進むと、駒石と呼ばれる巨石が現れます。麓の街からも見える大きな岩です。 見えているのになかなか近づかないようで疲れてきたころ、ようやく本日の宿泊地の駒峰ヒュッテに到着です。受付を済ませたら荷物を置いて空木岳を往復すると良いでしょう。 翌日は往路を辿りますが、先にも記したように事故の多いルートなので慎重に下山してください。
  • 伊奈川ダム登山口から空木岳、南駒ヶ岳、越百山へ

    伊奈川ダム登山口から空木岳、南駒ヶ岳、越百山へ

    この項では木曽側、伊奈川渓谷からのコースを紹介します。伊奈川ダム上の駐車場(登山口)から今朝沢橋を渡り左に折れ、伊奈川左岸の林道を行きます。金沢土場で右の林道に入り、うさぎ平から山道に入ると、いきなりの急登です。崩落箇所を過ぎ、尾根から外れトラバースとなり、少し下ると六合目です。吊橋を渡り東川岳から張り出した尾根に取り付きます。増水時この吊橋が流された事もあるので事前に情報の収集を心がけましょう。 鬱蒼とした林の中をひたすら登ります。七合目を過ぎると仙人の泉があるので、ここでのどを潤します。似たような景色の中を登るとようやく八合目です。ここから尾根の北側を巻き、御岳見晴台となります。尾根に戻り今度は南面に入り、山ひだをひとつひとつ縫うように進みます。梢越しに空木岳や南駒を眺めながら行くとやがて、木曽義仲の力水に。10分も歩くと山荘のある木曽殿越に飛び出します。 二日目、朝一番の急登はこたえますが、綺麗な花々に励まされながら第一ピークまで登ります。アルペン的な岩場を越えると花崗岩が立ち並ぶ空木岳山頂です。山頂を後に砂混じりの道を下り尾根沿いに進むと赤梛岳に出ます。眼下に摺鉢窪避難小屋(2022年9月現在、摺鉢窪カール内で大規模なクラックが発見されたため、当面の間立入禁止。避難小屋も使用不可。)が見え、見上げると目指す南駒ヶ岳が累々たる花崗岩をまとい、どっしりと構えています。赤梛岳と仙涯嶺を従えて胸を張る姿は雄々しく根強いファンも多いです。赤梛岳から下れば摺鉢窪へ下る鞍部です。カールの中は訪れる人が少ない分だけ高山植物は豊富になります。鞍部からごつごつした岩の間を登ると南駒ヶ岳頂上です。山頂から北沢尾根を下りニワトリ小屋沢に出る道が分岐しているが不明瞭な箇所があり熟達者向きの難路です。岩混じりの主稜線を南下し、ハイマツ帯を足元に注意しながら下ります。仙涯嶺の前後は岩場とクサリ場が続き、気が抜けません。岩場が終わり、広い尾根を下り登り返すと越百山です。西に張り出した尾根を下りハイマツがシラビソの林に変わるとほどなく越百小屋へ。静かな林の中に避難小屋が併設されています。 三日目、小屋の前から少し登り山腹を巻くように続く道を辿ります。やがてはっきりした下りとなり、ほどなく上の水場へ。七合目の御嶽山見晴台を過ぎると明瞭な尾根に出ます。遠見尾根を過ぎオコジョ平、上のコルと下ります。シャクナゲ尾根を下りやがて大きな檜が目立つようになると下のコルです。尾根を外れササの中をジグザグに下ると下の水場に到着します。沢音が近くなりやがて福栃橋となり、今朝沢沿いに林道を下り駐車場(登山口)まで戻ります。
    この項では木曽側、伊奈川渓谷からのコースを紹介します。伊奈川ダム上の駐車場(登山口)から今朝沢橋を渡り左に折れ、伊奈川左岸の林道を行きます。金沢土場で右の林道に入り、うさぎ平から山道に入ると、いきなりの急登です。崩落箇所を過ぎ、尾根から外れトラバースとなり、少し下ると六合目です。吊橋を渡り東川岳から張り出した尾根に取り付きます。増水時この吊橋が流された事もあるので事前に情報の収集を心がけましょう。 鬱蒼とした林の中をひたすら登ります。七合目を過ぎると仙人の泉があるので、ここでのどを潤します。似たような景色の中を登るとようやく八合目です。ここから尾根の北側を巻き、御岳見晴台となります。尾根に戻り今度は南面に入り、山ひだをひとつひとつ縫うように進みます。梢越しに空木岳や南駒を眺めながら行くとやがて、木曽義仲の力水に。10分も歩くと山荘のある木曽殿越に飛び出します。 二日目、朝一番の急登はこたえますが、綺麗な花々に励まされながら第一ピークまで登ります。アルペン的な岩場を越えると花崗岩が立ち並ぶ空木岳山頂です。山頂を後に砂混じりの道を下り尾根沿いに進むと赤梛岳に出ます。眼下に摺鉢窪避難小屋(2022年9月現在、摺鉢窪カール内で大規模なクラックが発見されたため、当面の間立入禁止。避難小屋も使用不可。)が見え、見上げると目指す南駒ヶ岳が累々たる花崗岩をまとい、どっしりと構えています。赤梛岳と仙涯嶺を従えて胸を張る姿は雄々しく根強いファンも多いです。赤梛岳から下れば摺鉢窪へ下る鞍部です。カールの中は訪れる人が少ない分だけ高山植物は豊富になります。鞍部からごつごつした岩の間を登ると南駒ヶ岳頂上です。山頂から北沢尾根を下りニワトリ小屋沢に出る道が分岐しているが不明瞭な箇所があり熟達者向きの難路です。岩混じりの主稜線を南下し、ハイマツ帯を足元に注意しながら下ります。仙涯嶺の前後は岩場とクサリ場が続き、気が抜けません。岩場が終わり、広い尾根を下り登り返すと越百山です。西に張り出した尾根を下りハイマツがシラビソの林に変わるとほどなく越百小屋へ。静かな林の中に避難小屋が併設されています。 三日目、小屋の前から少し登り山腹を巻くように続く道を辿ります。やがてはっきりした下りとなり、ほどなく上の水場へ。七合目の御嶽山見晴台を過ぎると明瞭な尾根に出ます。遠見尾根を過ぎオコジョ平、上のコルと下ります。シャクナゲ尾根を下りやがて大きな檜が目立つようになると下のコルです。尾根を外れササの中をジグザグに下ると下の水場に到着します。沢音が近くなりやがて福栃橋となり、今朝沢沿いに林道を下り駐車場(登山口)まで戻ります。
  • しらび平から駒ヶ岳・空木岳を経て菅の台バスセンターへ

    しらび平から駒ヶ岳・空木岳を経て菅の台バスセンターへ

    一日目は駒ケ根駅か、菅の台バスセンターから、しらび平行きのバスに。ロープウェイ乗り場はシーズンになると大変な混雑で2〜3時間待ちになる事もあります。ロープウェイの下を通っていた中御所登山道は通行止めとなっているので入り込まないように。 千畳敷では登山相談所に立ち寄り、計画書を提出し山の状況を確認しましょう。千畳敷遊歩道を行き剣ヶ池へ下る遊歩道と分かれジグザグに登り右手にオットセイ岩を見て急な岩場を過ぎると乗越浄土に出ます。 宝剣山荘に宿泊予約をし、余分な荷物を預けたら木曽駒ヶ岳を往復しましょう。天狗荘の裏を通り中岳を経て頂上山荘へ下ります。中央アルプス山域で、幕営地はここ一箇所のみ。ここ以外は避難小屋を利用するか営業小屋泊となるので注意が必要です。 木曽駒ヶ岳山頂で展望を楽しんだら、帰路は中岳の巻き道を使って宝剣山荘まで戻りますが、巻き道は初心者向きでないので、十分注意して通過しましょう。 二日目、クサリをたよりに宝剣岳頂上に達し南稜を下ります。過去にこの下りは転落事故も起きているので慎重に行動しましょう。極楽平からゆるやかな稜線を行き、島田娘から大きく下り登り返すと濁沢大峰となります。大峰から檜尾岳にかけてはクサリ場もあり注意です。灌木の間を抜けひと登りすると檜尾岳へ。東に張り出した尾根に檜尾小屋(2022年から7月〜10月管理人ありの宿泊施設として営業。要予約。上記期間外は避難スペース有)が見えます。小屋から5分ほど下ったところに水場があります。熊沢岳までは標高差は無いがアップダウンを繰り返します。左手に池ノ平カールを見て巨岩の立ち並ぶ熊沢岳を過ぎゆるやかな稜線を下ると東川岳です。急坂を一気に下ると木曽殿山荘(要予約)に到着します。 三日目、山荘を出るといきなり急登が始まり、巨岩とハイマツの間を行くと花崗岩の点在する空木岳山頂へ。360度の展望を楽しんだら駒峰ヒュッテめがけて下ります。 空木平への道を分け小屋の左手を抜け駒石へ向けて下りましょう。空木平からの道と合流し樹林帯を進みます。ヨナ沢の頭を過ぎると尾根の南側を巻き「迷い尾根の頭」の看板に出ます。ここから「大地獄」「小地獄」の難所が始まります。事故の多いところだけに慎重に下りましょう。樹種が針葉樹から落葉樹に変わると池山小屋分岐の水場に出ます。 カラマツ林を下り林道へ。トイレと林道はマイカー規制があり。登山道は林道を二度横切りスキー場の横で車道に出て左にそのまま進めば駒ヶ池となり、左に折れると菅の台バスセンターです。
    一日目は駒ケ根駅か、菅の台バスセンターから、しらび平行きのバスに。ロープウェイ乗り場はシーズンになると大変な混雑で2〜3時間待ちになる事もあります。ロープウェイの下を通っていた中御所登山道は通行止めとなっているので入り込まないように。 千畳敷では登山相談所に立ち寄り、計画書を提出し山の状況を確認しましょう。千畳敷遊歩道を行き剣ヶ池へ下る遊歩道と分かれジグザグに登り右手にオットセイ岩を見て急な岩場を過ぎると乗越浄土に出ます。 宝剣山荘に宿泊予約をし、余分な荷物を預けたら木曽駒ヶ岳を往復しましょう。天狗荘の裏を通り中岳を経て頂上山荘へ下ります。中央アルプス山域で、幕営地はここ一箇所のみ。ここ以外は避難小屋を利用するか営業小屋泊となるので注意が必要です。 木曽駒ヶ岳山頂で展望を楽しんだら、帰路は中岳の巻き道を使って宝剣山荘まで戻りますが、巻き道は初心者向きでないので、十分注意して通過しましょう。 二日目、クサリをたよりに宝剣岳頂上に達し南稜を下ります。過去にこの下りは転落事故も起きているので慎重に行動しましょう。極楽平からゆるやかな稜線を行き、島田娘から大きく下り登り返すと濁沢大峰となります。大峰から檜尾岳にかけてはクサリ場もあり注意です。灌木の間を抜けひと登りすると檜尾岳へ。東に張り出した尾根に檜尾小屋(2022年から7月〜10月管理人ありの宿泊施設として営業。要予約。上記期間外は避難スペース有)が見えます。小屋から5分ほど下ったところに水場があります。熊沢岳までは標高差は無いがアップダウンを繰り返します。左手に池ノ平カールを見て巨岩の立ち並ぶ熊沢岳を過ぎゆるやかな稜線を下ると東川岳です。急坂を一気に下ると木曽殿山荘(要予約)に到着します。 三日目、山荘を出るといきなり急登が始まり、巨岩とハイマツの間を行くと花崗岩の点在する空木岳山頂へ。360度の展望を楽しんだら駒峰ヒュッテめがけて下ります。 空木平への道を分け小屋の左手を抜け駒石へ向けて下りましょう。空木平からの道と合流し樹林帯を進みます。ヨナ沢の頭を過ぎると尾根の南側を巻き「迷い尾根の頭」の看板に出ます。ここから「大地獄」「小地獄」の難所が始まります。事故の多いところだけに慎重に下りましょう。樹種が針葉樹から落葉樹に変わると池山小屋分岐の水場に出ます。 カラマツ林を下り林道へ。トイレと林道はマイカー規制があり。登山道は林道を二度横切りスキー場の横で車道に出て左にそのまま進めば駒ヶ池となり、左に折れると菅の台バスセンターです。
  • 伊奈川渓谷から越百山へ

    伊奈川渓谷から越百山へ

    中央アルプスの南に位置する越百山は、百名山を踏破し次への区切りにと登る人たちが増え、隠れた名山となっています。 これまでは木曽側から、飯島町からとそれぞれの良さを持つ対照的な登山道がふたつありました。しかし、近年飯島町からの登山道は整備困難となり、通行止め措置がとられたため、現在は木曽側からの登山道のみとなっています。 国道19号から伊奈川渓谷に入り、伊奈川ダムを越え、今朝沢との合流点に駐車場があります。今朝沢橋を渡り左に空木岳方面、右に越百山方面への標識に導かれ、林道を歩き出しましょう。単調な林道を行き、福栃橋を渡ったところが登山道入口となっています。 福トチ沢沿いに入りすぐの堰堤から、シャクナゲ尾根の斜面を下のコルめがけて登ります。さすがにここは木曽であり、百年を越える木曽檜と広葉樹の混交林が続きます。登山道沿いに細い水がパイプから出ているところを過ぎると、すぐに下のコルに出ます。シャクナゲ尾根の名称が付いていますが、登山道沿いはまばらに見られるだけで意外と少なく、樹木の生長にともない衰退してしまったのではないかと思われます。 はっきりとした尾根道をたどると、ほどなく上のコルに出ますが、標識の字が消えてしまい判別できません。途中展望台の案内板がありますが、ここも樹木の威勢がよく、見通しはききません。 眺望のきかない尾根道が続き、御嶽山見晴台を過ぎるとすぐ上に水場分岐の案内板があり、横を行くと水場は意外と近くにあります。このような標高で水場があるのは助かります。 ここからこのコース一番の急登が始まり、シラビソの根をまたぎ右に左にとジグザグに高度をかせぎます。 「福栃山の横巻き」の看板から尾根を巻くように登り、少し下ると越百小屋の横に出ます。眼前に丸みを帯びた越百山が迫り、左に目をやると南駒ヶ岳と仙涯嶺がそびえます。小屋からシラビソの林をしばらく行くと、やがて森林限界を越え、ハイマツ帯に。視界が開け、足元には赤と黄色の越百小屋が、振り返ると御嶽山、乗鞍岳が、そして遠くには北アルプスまで一望できます。ひと登りで白砂とハイマツの越百山頂上です。 復路は往路を引き返します。
    中央アルプスの南に位置する越百山は、百名山を踏破し次への区切りにと登る人たちが増え、隠れた名山となっています。 これまでは木曽側から、飯島町からとそれぞれの良さを持つ対照的な登山道がふたつありました。しかし、近年飯島町からの登山道は整備困難となり、通行止め措置がとられたため、現在は木曽側からの登山道のみとなっています。 国道19号から伊奈川渓谷に入り、伊奈川ダムを越え、今朝沢との合流点に駐車場があります。今朝沢橋を渡り左に空木岳方面、右に越百山方面への標識に導かれ、林道を歩き出しましょう。単調な林道を行き、福栃橋を渡ったところが登山道入口となっています。 福トチ沢沿いに入りすぐの堰堤から、シャクナゲ尾根の斜面を下のコルめがけて登ります。さすがにここは木曽であり、百年を越える木曽檜と広葉樹の混交林が続きます。登山道沿いに細い水がパイプから出ているところを過ぎると、すぐに下のコルに出ます。シャクナゲ尾根の名称が付いていますが、登山道沿いはまばらに見られるだけで意外と少なく、樹木の生長にともない衰退してしまったのではないかと思われます。 はっきりとした尾根道をたどると、ほどなく上のコルに出ますが、標識の字が消えてしまい判別できません。途中展望台の案内板がありますが、ここも樹木の威勢がよく、見通しはききません。 眺望のきかない尾根道が続き、御嶽山見晴台を過ぎるとすぐ上に水場分岐の案内板があり、横を行くと水場は意外と近くにあります。このような標高で水場があるのは助かります。 ここからこのコース一番の急登が始まり、シラビソの根をまたぎ右に左にとジグザグに高度をかせぎます。 「福栃山の横巻き」の看板から尾根を巻くように登り、少し下ると越百小屋の横に出ます。眼前に丸みを帯びた越百山が迫り、左に目をやると南駒ヶ岳と仙涯嶺がそびえます。小屋からシラビソの林をしばらく行くと、やがて森林限界を越え、ハイマツ帯に。視界が開け、足元には赤と黄色の越百小屋が、振り返ると御嶽山、乗鞍岳が、そして遠くには北アルプスまで一望できます。ひと登りで白砂とハイマツの越百山頂上です。 復路は往路を引き返します。
  • 摺古木自然園から安平路山へ

    摺古木自然園から安平路山へ

    タクシーかマイカーでの入山となります。飯田駅もしくは南木曽駅から大平宿までは問題無いですが、東沢林道は路面が悪く車高のある四輪駆動車が無難です。登山口の大平宿は昭和45年に集団離村し無人となりました。その後地元飯田山岳会などが中心となり「大平宿を残す会」を発足し集落をそのまま保存する運動を起こし、現在も会が維持管理しています。会に申し込めば利用することも可能です。 東沢林道に入り黒川沿いに進みましょう。間もなく舗装も途切れカラマツ林を行き、入沢橋を渡ると飯田市水源取入口です。林道はここからまだまだ長く続きます。林道終点には摺古木自然園休憩舎があり、ここで前泊すると日帰りが出来ます。登山道に入りすぐに急な登りです。次第に傾斜もゆるくなり風穴山を巻くように続きます。小沢を幾つか渡り、アザミ岳を眺めながら登ると分岐へ。右は摺古木山へ直接登る道、分岐を左に進み摺古木展望台へ向かいます。 左に巻きながら登ります。早朝などは朝露で濡れてしまうので、雨具を着用しましょう。高層湿原となっている山稜を行くと2135mのピークとなり、樹林の中では数少ない展望地です。東へ進みシャクナゲのピークを越えササの中を登ると摺古木山です。樹林の山頂ですが1等三角点があります。 山頂を後に急な下りを白ビソ山へ。ササ原と樹林が続く平坦な尾根を進みます。似たようなところが多く白ビソ山頂も案内板に注意していないといつのまにか通り過ぎてしまいます。ササの海に切り開かれた道は整備が進み、実に歩きやすくなりました。 白ビソ山からゆるやかに下り開けたところに安平路避難小屋があります。しっかりとしたログキャビンで快適な小屋です。水場は安平路山へ向かい10分ほどの伊那側に。水場から急な坂を登り尾根に出て左に曲がると、樹林に囲まれた安平路山頂です。 帰路は往路を引き返します。
    タクシーかマイカーでの入山となります。飯田駅もしくは南木曽駅から大平宿までは問題無いですが、東沢林道は路面が悪く車高のある四輪駆動車が無難です。登山口の大平宿は昭和45年に集団離村し無人となりました。その後地元飯田山岳会などが中心となり「大平宿を残す会」を発足し集落をそのまま保存する運動を起こし、現在も会が維持管理しています。会に申し込めば利用することも可能です。 東沢林道に入り黒川沿いに進みましょう。間もなく舗装も途切れカラマツ林を行き、入沢橋を渡ると飯田市水源取入口です。林道はここからまだまだ長く続きます。林道終点には摺古木自然園休憩舎があり、ここで前泊すると日帰りが出来ます。登山道に入りすぐに急な登りです。次第に傾斜もゆるくなり風穴山を巻くように続きます。小沢を幾つか渡り、アザミ岳を眺めながら登ると分岐へ。右は摺古木山へ直接登る道、分岐を左に進み摺古木展望台へ向かいます。 左に巻きながら登ります。早朝などは朝露で濡れてしまうので、雨具を着用しましょう。高層湿原となっている山稜を行くと2135mのピークとなり、樹林の中では数少ない展望地です。東へ進みシャクナゲのピークを越えササの中を登ると摺古木山です。樹林の山頂ですが1等三角点があります。 山頂を後に急な下りを白ビソ山へ。ササ原と樹林が続く平坦な尾根を進みます。似たようなところが多く白ビソ山頂も案内板に注意していないといつのまにか通り過ぎてしまいます。ササの海に切り開かれた道は整備が進み、実に歩きやすくなりました。 白ビソ山からゆるやかに下り開けたところに安平路避難小屋があります。しっかりとしたログキャビンで快適な小屋です。水場は安平路山へ向かい10分ほどの伊那側に。水場から急な坂を登り尾根に出て左に曲がると、樹林に囲まれた安平路山頂です。 帰路は往路を引き返します。
  • 鴛泊から沓形へ

    鴛泊から沓形へ

    利尻山では携帯トイレが必須アイテムです。携帯トイレブースが登山道の各所に設置されているので宿泊施設等で事前に購入しておきましょう。鴛泊コースの登山口は標高220mの北麓野営場。山頂までの標高差は1500m。長丁場となるので早朝の出発がお勧めです。自然休養林北麓野営場には入山届、水洗トイレ、携帯トイレの回収ボックスもあります。10分ほどで日本名水百選にも選ばれている湧き水「甘露泉水」があります。利尻山では最後の水場となるのでここで十分補給しましょう。3合目の甘露泉を出発しエゾマツ・トドマツの原生林の森を抜け6合目の第1見晴台、第2見晴台と標高を上げていくと約4時間で8合目の長官山に到着。ここで初めて利尻の山頂が現れます。尾根の左右に海に見えるという利尻ならでは景色を堪能できます。なだらかな尾根を15分ほど行くと避難小屋、そして9合目付近から利尻山固有種のリシリヒナゲシやボタンキンバイなどの高山植物が現れはじめます。9合目から山頂までは火山性のスコリアの急登が続きローソク岩が見えると山頂はもうすぐです。 1721mの本峰は登山道が崩落しているため、また植生回復のために立入禁止となっているので1719mの北峰を山頂としています。山頂からの展望は素晴らしく、360度広がる海、また天気が良ければサハリンやモネロン島、天売・焼尻島なども見える絶景です。また山頂の東西に広がるお花畑も季節の花が咲き誇ります。 下山は沓形ルートへ。利尻山最大の難所である親不知子不知に残雪が残っている場合や悪天候の時はそのまま鴛泊コースを下山しましょう。(※積雪状況はその年によって違いますので残雪の状況を予め調べることが重要です)親不知子不知は急斜面のガレ場のトラバースです。通過の際は間隔を空けて歩き上部からの落石には十分注意して通行して下さい。親不知子不知トラバースが終わり長浜稜へ出ると利尻山頂、ローソク岩、西壁や仙法志稜、仙法志ローソク岩、P1、P2、バットレスなどの冬季バリエーションルートの大迫力の絶景とお花畑を見ながら三眺山まで下ります。三眺山は鴛泊、沓形、仙法志の3つの街を眺めることが出来ることに由来する最高の休憩ポイントです。午後の日に照らされる北峰の祠やローソク岩、鴛泊コースを下山する登山者も見えるでしょう。 三眺山からおよそ2時間でこの登山のゴールとなる沓形コース登山口の見返台園地に到着します。携帯トイレは登山口の回収ボックスへ、下山届けは登山口に設置してあるポストに投函して下さい。
    利尻山では携帯トイレが必須アイテムです。携帯トイレブースが登山道の各所に設置されているので宿泊施設等で事前に購入しておきましょう。鴛泊コースの登山口は標高220mの北麓野営場。山頂までの標高差は1500m。長丁場となるので早朝の出発がお勧めです。自然休養林北麓野営場には入山届、水洗トイレ、携帯トイレの回収ボックスもあります。10分ほどで日本名水百選にも選ばれている湧き水「甘露泉水」があります。利尻山では最後の水場となるのでここで十分補給しましょう。3合目の甘露泉を出発しエゾマツ・トドマツの原生林の森を抜け6合目の第1見晴台、第2見晴台と標高を上げていくと約4時間で8合目の長官山に到着。ここで初めて利尻の山頂が現れます。尾根の左右に海に見えるという利尻ならでは景色を堪能できます。なだらかな尾根を15分ほど行くと避難小屋、そして9合目付近から利尻山固有種のリシリヒナゲシやボタンキンバイなどの高山植物が現れはじめます。9合目から山頂までは火山性のスコリアの急登が続きローソク岩が見えると山頂はもうすぐです。 1721mの本峰は登山道が崩落しているため、また植生回復のために立入禁止となっているので1719mの北峰を山頂としています。山頂からの展望は素晴らしく、360度広がる海、また天気が良ければサハリンやモネロン島、天売・焼尻島なども見える絶景です。また山頂の東西に広がるお花畑も季節の花が咲き誇ります。 下山は沓形ルートへ。利尻山最大の難所である親不知子不知に残雪が残っている場合や悪天候の時はそのまま鴛泊コースを下山しましょう。(※積雪状況はその年によって違いますので残雪の状況を予め調べることが重要です)親不知子不知は急斜面のガレ場のトラバースです。通過の際は間隔を空けて歩き上部からの落石には十分注意して通行して下さい。親不知子不知トラバースが終わり長浜稜へ出ると利尻山頂、ローソク岩、西壁や仙法志稜、仙法志ローソク岩、P1、P2、バットレスなどの冬季バリエーションルートの大迫力の絶景とお花畑を見ながら三眺山まで下ります。三眺山は鴛泊、沓形、仙法志の3つの街を眺めることが出来ることに由来する最高の休憩ポイントです。午後の日に照らされる北峰の祠やローソク岩、鴛泊コースを下山する登山者も見えるでしょう。 三眺山からおよそ2時間でこの登山のゴールとなる沓形コース登山口の見返台園地に到着します。携帯トイレは登山口の回収ボックスへ、下山届けは登山口に設置してあるポストに投函して下さい。
  • 羅臼温泉から羅臼岳へ

    羅臼温泉から羅臼岳へ

    羅臼岳の登山道は市街地が近かった羅臼温泉からのほうが歴史が古いですが、斜里町ウトロが知床観光の中心になると岩尾別コースのほうがメインとなりました。8月まで急傾斜地に雪渓が残ることもあり、シーズン中の利用者は岩尾別コースに比べて少ないため、静かで奥深い知床の自然の中に入っていくことができるともいえるでしょう。 登山口にあたる羅臼温泉野営場が混み合っている場合は、羅臼ビジターセンターに駐車することでスムーズに入山できます。野営場を通り抜けて少し下った場所に入林届があります。 木がくれの滝まで川沿いの道を進み、それ以降は尾根の斜面を回り込むように登りとなります。ミズナラやトドマツの樹林帯は里見台をすぎるとダケカンバなどに変わっていき、第一の壁、第二の壁も急傾斜地を横断するように登山道が付いていますが、高度を稼ぐことなく緩やかな登りが続き、その後スズラン峠で一度下りになります。 泊場までは川の脇の岩場を登っていきますが渡渉点まで石へのペイントが頼りになります。渡渉自体は流れから頭を出している石を辿ります。泊場は火山活動で湧き出る冷泉の白い沈殿物と濃い緑のコケが生み出す独特のコントラストが目を引きます。登山道は沢型に沿って付いていますが、一段上がる場所は7月中旬まで雪が残りコースが不明瞭になります。 狭く低木のかぶった沢型から抜けると屏風岩が目の前に現れます。ここからお花畑分岐上部までの雪渓は遅くまで残り、8月上旬まで急傾斜の雪渓を行動できる装備や技術が必要になります。お花畑分岐から岩清水に向かっていくルートは急傾斜のザレ場となっていますが、羅臼平に向かっていくルートは雪渓が遅くまで残るためチングルマやエゾツガザクラ、アオノツガザクラの群落が遅い時期まで楽しめます。岩清水または羅臼平で岩尾別コースと合流となり山頂部に到着です。 下山時は屏風岩から泊場方向への登山コースを見失わないことが重要です。特に雪渓が残っている時は滑落とともに降りすぎなど道迷いに注意が必要です。 羅臼温泉コースは知床連山の主稜線に日が暮れ、谷あいを通ることから早々に足元が暗くなってしまいます。長い行動時間と日の入りの時間も計画に入れて、ヘッドランプなどの装備もお忘れなく。また、岩尾別コースと組み合わせて横断登山とするなら、日の昇る羅臼温泉側から入山して日の入りとなる岩尾別温泉に下山するようにすれば日照時間を有効に行動に当てることができます。
    羅臼岳の登山道は市街地が近かった羅臼温泉からのほうが歴史が古いですが、斜里町ウトロが知床観光の中心になると岩尾別コースのほうがメインとなりました。8月まで急傾斜地に雪渓が残ることもあり、シーズン中の利用者は岩尾別コースに比べて少ないため、静かで奥深い知床の自然の中に入っていくことができるともいえるでしょう。 登山口にあたる羅臼温泉野営場が混み合っている場合は、羅臼ビジターセンターに駐車することでスムーズに入山できます。野営場を通り抜けて少し下った場所に入林届があります。 木がくれの滝まで川沿いの道を進み、それ以降は尾根の斜面を回り込むように登りとなります。ミズナラやトドマツの樹林帯は里見台をすぎるとダケカンバなどに変わっていき、第一の壁、第二の壁も急傾斜地を横断するように登山道が付いていますが、高度を稼ぐことなく緩やかな登りが続き、その後スズラン峠で一度下りになります。 泊場までは川の脇の岩場を登っていきますが渡渉点まで石へのペイントが頼りになります。渡渉自体は流れから頭を出している石を辿ります。泊場は火山活動で湧き出る冷泉の白い沈殿物と濃い緑のコケが生み出す独特のコントラストが目を引きます。登山道は沢型に沿って付いていますが、一段上がる場所は7月中旬まで雪が残りコースが不明瞭になります。 狭く低木のかぶった沢型から抜けると屏風岩が目の前に現れます。ここからお花畑分岐上部までの雪渓は遅くまで残り、8月上旬まで急傾斜の雪渓を行動できる装備や技術が必要になります。お花畑分岐から岩清水に向かっていくルートは急傾斜のザレ場となっていますが、羅臼平に向かっていくルートは雪渓が遅くまで残るためチングルマやエゾツガザクラ、アオノツガザクラの群落が遅い時期まで楽しめます。岩清水または羅臼平で岩尾別コースと合流となり山頂部に到着です。 下山時は屏風岩から泊場方向への登山コースを見失わないことが重要です。特に雪渓が残っている時は滑落とともに降りすぎなど道迷いに注意が必要です。 羅臼温泉コースは知床連山の主稜線に日が暮れ、谷あいを通ることから早々に足元が暗くなってしまいます。長い行動時間と日の入りの時間も計画に入れて、ヘッドランプなどの装備もお忘れなく。また、岩尾別コースと組み合わせて横断登山とするなら、日の昇る羅臼温泉側から入山して日の入りとなる岩尾別温泉に下山するようにすれば日照時間を有効に行動に当てることができます。
  • カムイワッカ登山口から硫黄山へ

    カムイワッカ登山口から硫黄山へ

    登山口にはカムイワッカ湯の滝から道道知床公園線を徒歩で向かうことになりますが、この区間の通行には道路管理者の北海道に届け出が必要です。落石のため通行止めの区間を登山者のみ徒歩での通行を認めてもらっていますから、入山する前に届出をお願いします。 ゲートの横を通りオホーツク海を望むカーブを回ったところが硫黄山登山口です。入林届はありませんが、ヒグマとの遭遇情報が掲示されているので確認してください。 周囲の森林に比べ発達していない広葉樹の森から尾根に抜けると早くも足元にシラタマノキを見ながらハイマツをくぐるようになります。石垣のある採掘地跡からは湯気をあげるカムイワッカ湯の滝を見下ろすことができます。 岩の積み重なる荒涼とした新噴火口の最上部からハイマツのトンネルを登りきり、硫黄川に降りて沢出合になります。沢出合からは硫黄川の中となりますが、7月上旬は大部分が雪渓となっています。雪渓がなくなれば降雨時以外は水の流れはなく、渡渉もありません。 標高1100mの二股にある第一の滝は股の間に、次の第二の滝は右岸(下流から滝を見て左側)に高巻き道があります。沢の中はガレ場になっていきますが、雪渓の時期は雪面に落石が多く見られます。急傾斜の白いザレ場を登ると尾根大岩です。ガイドロープに沿って登っていくと足元にメアカンキンバイなどが姿を見せてくれます。 ウブシノッタ川への崩落地形を見下ろす場所が硫黄山山頂と縦走路への分岐点、硫黄分岐になります。崩落部分は急傾斜で、7月まで残雪が残ります。ここからは木杭とペイントに沿って山頂に向かいます。岩の積み重なりに土壌が乗って植物が生えているため崩れやすくなっています。滑落にも十分注意が必要です。簡単なクライミングで登ると硫黄山山頂部分は意外なほどなだらかでお花畑も広がっています。硫黄山は主稜線から外れて位置しているので知床連山を斜めに見ることができ、連なりの先に遠音別岳や斜里岳、阿寒の山々とオホーツク海が一望できます。 下山時は硫黄分岐からウブシノッタ川に迷い込まないこと。往路を確実に硫黄山登山口まで戻りましょう。また、沢出合から下流に降りすぎないように注意。下りすぎ防止ロープも張ってありますが雪渓が残る時期は特に注意が必要です。 8月はマイカー規制によりシャトルバス運行になっているので、通行方法など事前に確認をしてください。
    登山口にはカムイワッカ湯の滝から道道知床公園線を徒歩で向かうことになりますが、この区間の通行には道路管理者の北海道に届け出が必要です。落石のため通行止めの区間を登山者のみ徒歩での通行を認めてもらっていますから、入山する前に届出をお願いします。 ゲートの横を通りオホーツク海を望むカーブを回ったところが硫黄山登山口です。入林届はありませんが、ヒグマとの遭遇情報が掲示されているので確認してください。 周囲の森林に比べ発達していない広葉樹の森から尾根に抜けると早くも足元にシラタマノキを見ながらハイマツをくぐるようになります。石垣のある採掘地跡からは湯気をあげるカムイワッカ湯の滝を見下ろすことができます。 岩の積み重なる荒涼とした新噴火口の最上部からハイマツのトンネルを登りきり、硫黄川に降りて沢出合になります。沢出合からは硫黄川の中となりますが、7月上旬は大部分が雪渓となっています。雪渓がなくなれば降雨時以外は水の流れはなく、渡渉もありません。 標高1100mの二股にある第一の滝は股の間に、次の第二の滝は右岸(下流から滝を見て左側)に高巻き道があります。沢の中はガレ場になっていきますが、雪渓の時期は雪面に落石が多く見られます。急傾斜の白いザレ場を登ると尾根大岩です。ガイドロープに沿って登っていくと足元にメアカンキンバイなどが姿を見せてくれます。 ウブシノッタ川への崩落地形を見下ろす場所が硫黄山山頂と縦走路への分岐点、硫黄分岐になります。崩落部分は急傾斜で、7月まで残雪が残ります。ここからは木杭とペイントに沿って山頂に向かいます。岩の積み重なりに土壌が乗って植物が生えているため崩れやすくなっています。滑落にも十分注意が必要です。簡単なクライミングで登ると硫黄山山頂部分は意外なほどなだらかでお花畑も広がっています。硫黄山は主稜線から外れて位置しているので知床連山を斜めに見ることができ、連なりの先に遠音別岳や斜里岳、阿寒の山々とオホーツク海が一望できます。 下山時は硫黄分岐からウブシノッタ川に迷い込まないこと。往路を確実に硫黄山登山口まで戻りましょう。また、沢出合から下流に降りすぎないように注意。下りすぎ防止ロープも張ってありますが雪渓が残る時期は特に注意が必要です。 8月はマイカー規制によりシャトルバス運行になっているので、通行方法など事前に確認をしてください。
  • 知床連山縦走

    知床連山縦走

    縦走路は羅臼岳と硫黄山を結んでいますが、利用が多いのは羅臼岳側からの縦走です。テントサイト(野営指定地)は羅臼平、三ツ峰、二ツ池、第一火口の4箇所で1泊2日から2泊3日の行程です。それぞれフードロッカー(食料保管庫)が設置されています。 羅臼温泉登山口~羅臼平までは羅臼温泉から羅臼岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 羅臼平の広場がテントサイトにもなっています。水場はないので、羅臼岳アタック時に岩清水で滴りを集めるか、銀冷水などから荷上げします。 雪田やタカネトウウチソウの道を抜けて三ツ峰キャンプ指定地に到着。二重稜線の中にあるサイトは風の影響を受けず快適です。二つの広場に挟まれた水場は雪融けや雨水が集められたもので7月下旬にはなくなってきます。南西斜面の雪田お花畑をぬけて黒いザレの道を登るとサシルイ岳の肩に着きます。7月中旬まで残る雪渓を下り、背の高いハイマツの通路を抜けてミクリ沼に出ますが、融雪や雨天時は道が水路になるので注意しましょう。 オッカバケ岳を登りきるとお花畑を前景に、硫黄山を背景に二ツ池が現れます。この風景を見るためだけに訪れる価値はあるでしょう。途中にロックガーデンを挟み、ハイマツの根や枝を渡る道を下れば二ツ池です。テントサイトのある地の池は滅多に涸れることはありませんが、天の池は早ければ7月には干上がることがあります。 ここまで二重稜線を辿ってきた縦走路は、南岳分岐から地形が変わります。古硫黄山の山体崩壊の外周部の底に硫黄平を見ながら巡る登山道はハイマツがかぶっている箇所が多いもののガンコウランやウラシマツツジなどの群落も多く、風衝地ではメアカンキンバイやシレトコスミレなどの姿を見るようになってきます。 知円別分岐で風景は一変します。ウブシノッタ川源頭部の草木のない黄色の崩落地形と白く変質した岩場の中の廊下が海や空の青に鮮やかです。落石だらけの斜面をトラバースをして中の廊下の痩せた尾根を渡り、コケシ岩の間をすり抜けます。第2前衛峰へはザレ場を降りてから7月上旬まで雪が残る急な上りとなります。前衛峰から硫黄山を横に見ながら岩場を下りて第一火口分岐へ。第一火口キャンプ指定地へは9月まで残る雪渓を降りてたどり着きます。 硫黄山へは第一火口分岐から火口のあるコルに一度降りてから崩落地形をトラバースして硫黄分岐から向かいます。硫黄分岐でカムイワッカ登山口からのコースに合流します。下山後の硫黄山登山口からカムイワッカ湯の滝の間の道道知床公園線の通行には事前に届け出が必要です。詳しくはカムイワッカ登山口から硫黄山へ(コースガイド)を参照してください。
    縦走路は羅臼岳と硫黄山を結んでいますが、利用が多いのは羅臼岳側からの縦走です。テントサイト(野営指定地)は羅臼平、三ツ峰、二ツ池、第一火口の4箇所で1泊2日から2泊3日の行程です。それぞれフードロッカー(食料保管庫)が設置されています。 羅臼温泉登山口~羅臼平までは羅臼温泉から羅臼岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 羅臼平の広場がテントサイトにもなっています。水場はないので、羅臼岳アタック時に岩清水で滴りを集めるか、銀冷水などから荷上げします。 雪田やタカネトウウチソウの道を抜けて三ツ峰キャンプ指定地に到着。二重稜線の中にあるサイトは風の影響を受けず快適です。二つの広場に挟まれた水場は雪融けや雨水が集められたもので7月下旬にはなくなってきます。南西斜面の雪田お花畑をぬけて黒いザレの道を登るとサシルイ岳の肩に着きます。7月中旬まで残る雪渓を下り、背の高いハイマツの通路を抜けてミクリ沼に出ますが、融雪や雨天時は道が水路になるので注意しましょう。 オッカバケ岳を登りきるとお花畑を前景に、硫黄山を背景に二ツ池が現れます。この風景を見るためだけに訪れる価値はあるでしょう。途中にロックガーデンを挟み、ハイマツの根や枝を渡る道を下れば二ツ池です。テントサイトのある地の池は滅多に涸れることはありませんが、天の池は早ければ7月には干上がることがあります。 ここまで二重稜線を辿ってきた縦走路は、南岳分岐から地形が変わります。古硫黄山の山体崩壊の外周部の底に硫黄平を見ながら巡る登山道はハイマツがかぶっている箇所が多いもののガンコウランやウラシマツツジなどの群落も多く、風衝地ではメアカンキンバイやシレトコスミレなどの姿を見るようになってきます。 知円別分岐で風景は一変します。ウブシノッタ川源頭部の草木のない黄色の崩落地形と白く変質した岩場の中の廊下が海や空の青に鮮やかです。落石だらけの斜面をトラバースをして中の廊下の痩せた尾根を渡り、コケシ岩の間をすり抜けます。第2前衛峰へはザレ場を降りてから7月上旬まで雪が残る急な上りとなります。前衛峰から硫黄山を横に見ながら岩場を下りて第一火口分岐へ。第一火口キャンプ指定地へは9月まで残る雪渓を降りてたどり着きます。 硫黄山へは第一火口分岐から火口のあるコルに一度降りてから崩落地形をトラバースして硫黄分岐から向かいます。硫黄分岐でカムイワッカ登山口からのコースに合流します。下山後の硫黄山登山口からカムイワッカ湯の滝の間の道道知床公園線の通行には事前に届け出が必要です。詳しくはカムイワッカ登山口から硫黄山へ(コースガイド)を参照してください。
  • 清岳荘登山口から斜里岳へ

    清岳荘登山口から斜里岳へ

    清里コースの入口の清岳荘は鉄筋コンクリート造りで水洗トイレも完備されています。沢の水量などを掲示物で確認しましょう。入林届のある登山口から自然観察林を通り林道に降り、そのまま進むと歴代の清岳荘が建っていた跡地に出ます。ここから登山道となり数分で最初の渡渉点。川底や石が赤くなっているのは鉄分が多いためで、藻やコケなどが生えずらくなっています。そのため、流れで洗われている所のほうが滑りません。仙人洞付近は7月上旬までスノーブリッジが残ることが多い場所です。下二股からは旧道を登りに、新道を下山時に使いましょう。 ここまでは河原の渡渉でしたが、旧道は滝の横を登っていくイメージとなります。下二股からすぐに水蓮ノ滝。ここから急な高巻で三重ノ滝手前から沢に戻ります。もっとも美しい羽衣ノ滝は右岸(下流から見上げて左側)がルートなので標識テープを見逃さないように。滝の上に出てからは簡単なクライミングで岩場を通過していきます。見上石の急登は土砂の崩れに注意。万丈ノ滝のロープを使用する際は安全確認を忘れずに。イワブキやキバナコマノツメを楽しみながら流れの脇を進むと見晴ノ滝が見えてきます。5mほどクライミングしてから振り返れば平野部の展望が広がり、まさに見晴ノ滝です。七重ノ滝を登り竜神ノ滝を見て、いよいよクライマックスの霊華ノ滝を登っていきます。右岸の水の流れのきわを階段状に登りましょう。滝らしいコースもここで終わり、道と沢歩きが交互に出てきて、流れも細くなって上二股に到着となります。 上二股の広場には携帯トイレブーステントがあります。使用済みの携帯トイレは清岳荘で協力金100円で回収してもらいましょう。 小川はすぐに終わり胸突八丁への急な登りが続きますが、振り返ると西別岳や摩周湖が遠望できるようになります。ガレ場を馬の背に登れば、海別岳の向こうに知床連山を見通すことができるようになり、斜里岳山頂も目前に迫っています。 斜里岳神社を過ぎた細いガレ場には季節替わりで貴重な高山植物が咲いていきます。ザレている急な登山道を登り切れば斜里岳山頂に到着大展望が広がります。 清里コースの下山は上二股まで戻ってから新道に入ります。事故防止のために旧道は下らないこと。ダケカンバやナナカマドの林を登り下りしていきます。林を抜けハイマツの尾根に登ると熊見峠までハイマツの稜線の中を縦走路のように道が伸びています。ハイマツで見通しがきかない熊見峠から下二股までは急な下りが続きます。掘れてしまった箇所が泥で滑りやすくなっていますが、整備が進められ歩きやすくなってきています。下二股からは再び渡渉を繰り返して清岳荘まで下山します。
    清里コースの入口の清岳荘は鉄筋コンクリート造りで水洗トイレも完備されています。沢の水量などを掲示物で確認しましょう。入林届のある登山口から自然観察林を通り林道に降り、そのまま進むと歴代の清岳荘が建っていた跡地に出ます。ここから登山道となり数分で最初の渡渉点。川底や石が赤くなっているのは鉄分が多いためで、藻やコケなどが生えずらくなっています。そのため、流れで洗われている所のほうが滑りません。仙人洞付近は7月上旬までスノーブリッジが残ることが多い場所です。下二股からは旧道を登りに、新道を下山時に使いましょう。 ここまでは河原の渡渉でしたが、旧道は滝の横を登っていくイメージとなります。下二股からすぐに水蓮ノ滝。ここから急な高巻で三重ノ滝手前から沢に戻ります。もっとも美しい羽衣ノ滝は右岸(下流から見上げて左側)がルートなので標識テープを見逃さないように。滝の上に出てからは簡単なクライミングで岩場を通過していきます。見上石の急登は土砂の崩れに注意。万丈ノ滝のロープを使用する際は安全確認を忘れずに。イワブキやキバナコマノツメを楽しみながら流れの脇を進むと見晴ノ滝が見えてきます。5mほどクライミングしてから振り返れば平野部の展望が広がり、まさに見晴ノ滝です。七重ノ滝を登り竜神ノ滝を見て、いよいよクライマックスの霊華ノ滝を登っていきます。右岸の水の流れのきわを階段状に登りましょう。滝らしいコースもここで終わり、道と沢歩きが交互に出てきて、流れも細くなって上二股に到着となります。 上二股の広場には携帯トイレブーステントがあります。使用済みの携帯トイレは清岳荘で協力金100円で回収してもらいましょう。 小川はすぐに終わり胸突八丁への急な登りが続きますが、振り返ると西別岳や摩周湖が遠望できるようになります。ガレ場を馬の背に登れば、海別岳の向こうに知床連山を見通すことができるようになり、斜里岳山頂も目前に迫っています。 斜里岳神社を過ぎた細いガレ場には季節替わりで貴重な高山植物が咲いていきます。ザレている急な登山道を登り切れば斜里岳山頂に到着大展望が広がります。 清里コースの下山は上二股まで戻ってから新道に入ります。事故防止のために旧道は下らないこと。ダケカンバやナナカマドの林を登り下りしていきます。林を抜けハイマツの尾根に登ると熊見峠までハイマツの稜線の中を縦走路のように道が伸びています。ハイマツで見通しがきかない熊見峠から下二股までは急な下りが続きます。掘れてしまった箇所が泥で滑りやすくなっていますが、整備が進められ歩きやすくなってきています。下二股からは再び渡渉を繰り返して清岳荘まで下山します。