【長野県】の登山コースガイド

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検索結果155件中  101-120件
  • 高瀬ダムから野口五郎岳・槍ヶ岳へ(裏銀座コース)

    高瀬ダムから野口五郎岳・槍ヶ岳へ(裏銀座コース)

    裏銀座コースは、槍ヶ岳が徐々に近づく展望と個性豊かな小屋が楽しみな伝統的な槍ヶ岳登山コースです。タクシー終点の高瀬ダム上を渡り、トンネルを抜け不動沢の吊橋を渡ります。キャンプ場があります。さらに濁沢を右岸に渡り、わずかに上流側に進むとブナ立尾根の取付で、水場があります。ここからブナ立尾根は急ですが、整備された良い道です。烏帽子小屋までの要所に12番から0番まで番号があり、歩く目安になります。登り切った烏帽子小屋に着いたら、花崗岩の岩塔、烏帽子岳を往復しましょう。山頂直下はクサリ場なので慎重に。 烏帽子小屋からはテント場の横を通り三ッ岳を目指します。コマクサの咲く斜面を登り切ると三ッ岳です。ピークを巻いて進んだ鞍部からは野口五郎岳の堂々とした姿を望めます。ここで稜線コースとお花畑コースに分かれます。稜線コースは三ッ岳西峰を通ります。野口五郎岳手前に家族的な野口五郎小屋があります。 野口五郎岳山頂で大展望を満喫したら、ザレた斜面を下ります。真砂分岐で湯股へ下る竹村新道を分け、時に大石の転がる道を徐々に下り東沢乗越となります。ここから水晶小屋まではやせ尾根やザレた部分もあるので足元に注意です。水晶小屋から水晶岳は往復約1時間10分ほど。水晶小屋から下り、ワリモ北分岐で岩苔乗越への道を分けます。ここから三俣山荘へは稜線コースと源流コースに分かれます。強風時は源流コースがベターです。 ワリモ北分岐からなお稜線を進むと、ワリモ岳山頂。山名標柱の裏を登ると、大岩が多く眺めの良い山頂です。いったん標柱まで戻り、鷲羽岳方面へ進むとすぐにロープのあるトラバース。ここを慎重に通過して下り、鷲羽岳へ登り返します。鷲羽岳山頂からは眼下に鷲羽池、彼方に槍ヶ岳の絶景が楽しめます。ザレた道を細かいジグザグで下り、伊藤新道分岐を過ぎれば、まもなく三俣山荘です。 三俣山荘からはテント場を抜け三俣蓮華岳方面へ。山頂直下の分岐で巻き道を分けます。三俣蓮華岳山頂で黒部五郎岳への道を分け、丸山を通って、中道分岐へ。ここから登り返して双六岳山頂です。槍・穂高の展望を楽しみながら広々とした稜線を進み一気に下ります。中道・巻道が合流し、下りきると双六小屋です。 双六小屋から新穂高・笠ヶ岳方面への道を分け、樅沢岳へ登ります。いよいよ西鎌尾根です。左俣乗越から千丈乗越まではクサリ場が連続し、気を使うトラバースもあります。小屋の建つ槍ヶ岳の肩までジグザグ登ります。槍ヶ岳山頂まで気を引き締めて往復して、槍沢から上高地バスターミナルへ下山します。
    裏銀座コースは、槍ヶ岳が徐々に近づく展望と個性豊かな小屋が楽しみな伝統的な槍ヶ岳登山コースです。タクシー終点の高瀬ダム上を渡り、トンネルを抜け不動沢の吊橋を渡ります。キャンプ場があります。さらに濁沢を右岸に渡り、わずかに上流側に進むとブナ立尾根の取付で、水場があります。ここからブナ立尾根は急ですが、整備された良い道です。烏帽子小屋までの要所に12番から0番まで番号があり、歩く目安になります。登り切った烏帽子小屋に着いたら、花崗岩の岩塔、烏帽子岳を往復しましょう。山頂直下はクサリ場なので慎重に。 烏帽子小屋からはテント場の横を通り三ッ岳を目指します。コマクサの咲く斜面を登り切ると三ッ岳です。ピークを巻いて進んだ鞍部からは野口五郎岳の堂々とした姿を望めます。ここで稜線コースとお花畑コースに分かれます。稜線コースは三ッ岳西峰を通ります。野口五郎岳手前に家族的な野口五郎小屋があります。 野口五郎岳山頂で大展望を満喫したら、ザレた斜面を下ります。真砂分岐で湯股へ下る竹村新道を分け、時に大石の転がる道を徐々に下り東沢乗越となります。ここから水晶小屋まではやせ尾根やザレた部分もあるので足元に注意です。水晶小屋から水晶岳は往復約1時間10分ほど。水晶小屋から下り、ワリモ北分岐で岩苔乗越への道を分けます。ここから三俣山荘へは稜線コースと源流コースに分かれます。強風時は源流コースがベターです。 ワリモ北分岐からなお稜線を進むと、ワリモ岳山頂。山名標柱の裏を登ると、大岩が多く眺めの良い山頂です。いったん標柱まで戻り、鷲羽岳方面へ進むとすぐにロープのあるトラバース。ここを慎重に通過して下り、鷲羽岳へ登り返します。鷲羽岳山頂からは眼下に鷲羽池、彼方に槍ヶ岳の絶景が楽しめます。ザレた道を細かいジグザグで下り、伊藤新道分岐を過ぎれば、まもなく三俣山荘です。 三俣山荘からはテント場を抜け三俣蓮華岳方面へ。山頂直下の分岐で巻き道を分けます。三俣蓮華岳山頂で黒部五郎岳への道を分け、丸山を通って、中道分岐へ。ここから登り返して双六岳山頂です。槍・穂高の展望を楽しみながら広々とした稜線を進み一気に下ります。中道・巻道が合流し、下りきると双六小屋です。 双六小屋から新穂高・笠ヶ岳方面への道を分け、樅沢岳へ登ります。いよいよ西鎌尾根です。左俣乗越から千丈乗越まではクサリ場が連続し、気を使うトラバースもあります。小屋の建つ槍ヶ岳の肩までジグザグ登ります。槍ヶ岳山頂まで気を引き締めて往復して、槍沢から上高地バスターミナルへ下山します。
  • 南岳新道から槍ヶ岳へ

    南岳新道から槍ヶ岳へ

    南岳は北側の中岳付近から眺めれば穏やかな山容ですが、南の北穂高岳から見ると大キレットから一気に高度を下げるダイナミックな山です。ここで紹介する南岳新道は、槍平から南岳を結ぶ標高差1000m以上の急峻な道で、急坂連続なので健脚者向けです。 新穂高温泉から槍平小屋までは、新穂高温泉から槍平・槍ヶ岳へ(コースガイド)を参考にしてください。槍平小屋前から南岳新道へはテラスと乾燥室の小屋間を抜けて入って行きます。しばらくは平坦な道を進みますが、やがて南沢沿いの道になりペンキ印を目印にして進みます。水が涸れガレている沢には大きな石にペンキで「南沢」と書かれています。この沢には遅くまで雪渓が残るので、その場合は目印の旗を見失わないように歩きましょう。右側(左岸A)の樹林帯への取付点に注意しながら歩きます。大きな石から約70mほど沢を登るとピンクのテープがある取付点。視界の悪い日など、沢筋を登りすぎないように十分注意です。 樹林帯に入ると南岳西尾根の登りになります。途中、クサリ場や桟道、ハシゴなどが一部老朽化しているので慎重に。ひたすら登りが続きおよそ2500mで森林限界を抜け、ハイマツの尾根を登ります。まもなく2631mの小ピークです。シーズン中は救急箱が置かれています。使用時には槍平小屋に連絡をお忘れなく。 再び登りは続き、2700m付近で狭い稜線上の木道を通過。さらにハシゴで下ります。その先では遅くまで雪渓が残るので要注意。「南岳小屋40分」と書かれた岩から先にも丸太の桟道などがあり、気は抜けません。南岳小屋の横に飛び出してやっとひと息です。近くの獅子鼻展望台や常念平まで足をのばして大キレット越しに北穂高岳の絶景を楽しみましょう。 展望を満喫したら南岳方面へ。のんびりとした山頂を越えてまもなく右手に天狗原方面へ下る道を分けます。ここから中岳方面を目指すと、一箇所岩肌をトラバース気味の場所があるので慎重に。やがて大きな雪渓の横から中岳への登りとなります。水場がありますが残雪の量によっては涸れることもあります。中岳山頂からの下りにはハシゴの場所もあり、落石、浮石に気をつけて歩きましょう。 大喰岳は広い山頂で遅くまで雪渓が残ります。ここから飛騨乗越まで下れば、槍ヶ岳山荘までひとふんばりです。 槍ヶ岳を往復して、飛騨乗越から新穂高温泉へ下山します。
    南岳は北側の中岳付近から眺めれば穏やかな山容ですが、南の北穂高岳から見ると大キレットから一気に高度を下げるダイナミックな山です。ここで紹介する南岳新道は、槍平から南岳を結ぶ標高差1000m以上の急峻な道で、急坂連続なので健脚者向けです。 新穂高温泉から槍平小屋までは、新穂高温泉から槍平・槍ヶ岳へ(コースガイド)を参考にしてください。槍平小屋前から南岳新道へはテラスと乾燥室の小屋間を抜けて入って行きます。しばらくは平坦な道を進みますが、やがて南沢沿いの道になりペンキ印を目印にして進みます。水が涸れガレている沢には大きな石にペンキで「南沢」と書かれています。この沢には遅くまで雪渓が残るので、その場合は目印の旗を見失わないように歩きましょう。右側(左岸A)の樹林帯への取付点に注意しながら歩きます。大きな石から約70mほど沢を登るとピンクのテープがある取付点。視界の悪い日など、沢筋を登りすぎないように十分注意です。 樹林帯に入ると南岳西尾根の登りになります。途中、クサリ場や桟道、ハシゴなどが一部老朽化しているので慎重に。ひたすら登りが続きおよそ2500mで森林限界を抜け、ハイマツの尾根を登ります。まもなく2631mの小ピークです。シーズン中は救急箱が置かれています。使用時には槍平小屋に連絡をお忘れなく。 再び登りは続き、2700m付近で狭い稜線上の木道を通過。さらにハシゴで下ります。その先では遅くまで雪渓が残るので要注意。「南岳小屋40分」と書かれた岩から先にも丸太の桟道などがあり、気は抜けません。南岳小屋の横に飛び出してやっとひと息です。近くの獅子鼻展望台や常念平まで足をのばして大キレット越しに北穂高岳の絶景を楽しみましょう。 展望を満喫したら南岳方面へ。のんびりとした山頂を越えてまもなく右手に天狗原方面へ下る道を分けます。ここから中岳方面を目指すと、一箇所岩肌をトラバース気味の場所があるので慎重に。やがて大きな雪渓の横から中岳への登りとなります。水場がありますが残雪の量によっては涸れることもあります。中岳山頂からの下りにはハシゴの場所もあり、落石、浮石に気をつけて歩きましょう。 大喰岳は広い山頂で遅くまで雪渓が残ります。ここから飛騨乗越まで下れば、槍ヶ岳山荘までひとふんばりです。 槍ヶ岳を往復して、飛騨乗越から新穂高温泉へ下山します。
  • 一ノ沢から常念岳・蝶ヶ岳へ

    一ノ沢から常念岳・蝶ヶ岳へ

    松本・安曇野方面から北アルプスを眺めた際、目の前にぐっとせり上がる山群は前山と呼ばれ、その代表格が常念岳・蝶ヶ岳です。常念岳の名は常念坊伝説から、蝶ヶ岳は春先の雪形がその由来だとか。ともに麓の人々から、古くから親しまれた山々です。 一ノ沢登山口までタクシーが入りますが、マイカーはその手前、徒歩20分ほどの駐車場に車を置くことになります。しばらくは針葉樹の多い道を一ノ沢に沿って登って行きます。立派な鳥居が立つ山ノ神や古池を通ります。時には流れの脇を通るような道のりが続き、休憩ポイントとなる王滝ベンチ、烏帽子沢と歩いて行きます。胸突八丁では沢筋から大きく高巻きます。丸太の階段もあり、足元注意の場所です。再び沢筋に戻り、右岸へ移ると最終水場。この付近も休憩ポイントです。ここからは登りが続き、第三ベンチまでくればあと300mで常念乗越です。常念乗越の梓川側へわずかに下った位置に常念小屋が建っています。 乗越からはジグザグの登りが続き、前常念岳から三股へ向かう道を分けると、傾斜も緩くなり祠の建つ常念岳山頂はすぐです。 山頂からは浮石に気をつけての下り。2592m峰の直下となる斜面はニッコウキスゲが見事に咲き誇るお花畑です。再び樹林帯に入り、登り返すと展望が開けます。 蝶槍を越えると、穏やかな見晴らしの良い稜線歩きとなります。左手に三角点のある旧蝶ヶ岳山頂を過ごし、横尾方面分岐を分け、ひと登りで展望盤の設置された瞑想の丘。蝶ヶ岳ヒュッテはもう目と鼻の先です。蝶ヶ岳山頂は小屋よりわずか先のピークです。 蝶ヶ岳から三股へは、テント場の横を抜けるように下って行きます。お花畑を過ぎて稜線をたどると大滝山方面との分岐があり、ここで左手に折れます。標高2500m付近に最終ベンチがあります。展望のない樹林帯に入り、わずかに登ったところで、まめうち平に到着します。明るい広場のようになっており、休憩にピッタリです。 ここからは、しばらく尾根上を下ります。木製のステップが整備され歩きやすい道です。尾根から離れ、しばらくは斜面をトラバースするように進みます。ゴジラに似ている木などを楽しみながらさらに下ります。力水の水場を過ぎてまもなく吊橋となり左岸に渡って下流側に向かうと三股はすぐです。ここから三股駐車場まではのんびり20分ほどです。
    松本・安曇野方面から北アルプスを眺めた際、目の前にぐっとせり上がる山群は前山と呼ばれ、その代表格が常念岳・蝶ヶ岳です。常念岳の名は常念坊伝説から、蝶ヶ岳は春先の雪形がその由来だとか。ともに麓の人々から、古くから親しまれた山々です。 一ノ沢登山口までタクシーが入りますが、マイカーはその手前、徒歩20分ほどの駐車場に車を置くことになります。しばらくは針葉樹の多い道を一ノ沢に沿って登って行きます。立派な鳥居が立つ山ノ神や古池を通ります。時には流れの脇を通るような道のりが続き、休憩ポイントとなる王滝ベンチ、烏帽子沢と歩いて行きます。胸突八丁では沢筋から大きく高巻きます。丸太の階段もあり、足元注意の場所です。再び沢筋に戻り、右岸へ移ると最終水場。この付近も休憩ポイントです。ここからは登りが続き、第三ベンチまでくればあと300mで常念乗越です。常念乗越の梓川側へわずかに下った位置に常念小屋が建っています。 乗越からはジグザグの登りが続き、前常念岳から三股へ向かう道を分けると、傾斜も緩くなり祠の建つ常念岳山頂はすぐです。 山頂からは浮石に気をつけての下り。2592m峰の直下となる斜面はニッコウキスゲが見事に咲き誇るお花畑です。再び樹林帯に入り、登り返すと展望が開けます。 蝶槍を越えると、穏やかな見晴らしの良い稜線歩きとなります。左手に三角点のある旧蝶ヶ岳山頂を過ごし、横尾方面分岐を分け、ひと登りで展望盤の設置された瞑想の丘。蝶ヶ岳ヒュッテはもう目と鼻の先です。蝶ヶ岳山頂は小屋よりわずか先のピークです。 蝶ヶ岳から三股へは、テント場の横を抜けるように下って行きます。お花畑を過ぎて稜線をたどると大滝山方面との分岐があり、ここで左手に折れます。標高2500m付近に最終ベンチがあります。展望のない樹林帯に入り、わずかに登ったところで、まめうち平に到着します。明るい広場のようになっており、休憩にピッタリです。 ここからは、しばらく尾根上を下ります。木製のステップが整備され歩きやすい道です。尾根から離れ、しばらくは斜面をトラバースするように進みます。ゴジラに似ている木などを楽しみながらさらに下ります。力水の水場を過ぎてまもなく吊橋となり左岸に渡って下流側に向かうと三股はすぐです。ここから三股駐車場まではのんびり20分ほどです。
  • 燕岳から常念岳・蝶ヶ岳・上高地へ

    燕岳から常念岳・蝶ヶ岳・上高地へ

    燕岳から蝶ヶ岳まで縦走し、槍ヶ岳や穂高岳、さらには裏銀座の山々から笠ヶ岳までのパノラマを眺めながらの縦走となります。 燕岳登山口から合戦尾根を登ります。登りが続く尾根ですが、第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、そして富士見ベンチと休憩ポイントがそろっています。合戦小屋はスイカが名物。飲食のみで宿泊はできません。燕山荘に着いたら燕岳を往復しましょう。 燕山荘からは、稜線を行きます。大下りで大きく下った後、登り返し。切通岩にはクサリがあります。その先の分岐で大天井岳山頂を目指します。大天井岳からは槍ヶ岳方面の表銀座コースを分け、常念岳方面へ。広くて明るい山稜です。二俣小屋跡の石積みを過ぎて東天井岳の山頂を巻いて行きます。道が大きく左手下に折れる手前、道標が建つあたりは好展望の休憩ポイントです。この近くには比較的遅くまで雪渓が残ります。長い下りの後、横通岳へゆるやかに登り返します。横通岳は、その名の通り山頂を巻き、小屋のある常念乗越へと下ります。 常念小屋から常念岳へは、ジグザグの登りが続きます。前常念岳を経て三股へ向かう道を分けると、傾斜は穏やかになり、まもなく山頂です。祠のある山頂そのものは狭いのですが、一段蝶ヶ岳よりに下がると、休憩できるスペースがあります。 常念岳山頂からは浮石に注意しながら一気に下ります。まもなく樹林帯の道となりますが、2592m峰に登ると、ニッコウキスゲが豊かに咲くお花畑となります。ゆっくりと休憩する登山者も多く見られます。ここから再び下りとなります。樹林帯の中を登り返し、蝶槍のピーク手前は少し岩の多い道になります。ここまで来ると再び展望の良い稜線の道となります。旧蝶ヶ岳の三角点もすぐです。穏やかに下ると、横尾方面分岐。ここから瞑想の丘と名付けられた展望盤のある高台まではゆったりとした登りになります。蝶ヶ岳ヒュッテを越えてわずかに登った地点に蝶ヶ岳山頂があります。 下りは長塀尾根を行きます。槍・穂高の展望を満喫しながら歩き始めますが、花が多く咲く船窪状の地点まで来るともう展望はなく、ずっと樹林帯となります。樹林に囲まれた妖精ノ池はほっと出来るオアシスです。「蝶ヶ岳から1.8キロ」の道標のある長塀山は、尾根上の小さなピークで、ここからは長い下りですが、徐々に傾斜がきつくなり、短い木製ハシゴなども現れます。背の高い樹林と笹の中を下ってゆくと、飽きる頃に徳沢となります。あとはなだらかな道を歩き、賑やかな上高地バスターミナルへと向かいます。
    燕岳から蝶ヶ岳まで縦走し、槍ヶ岳や穂高岳、さらには裏銀座の山々から笠ヶ岳までのパノラマを眺めながらの縦走となります。 燕岳登山口から合戦尾根を登ります。登りが続く尾根ですが、第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、そして富士見ベンチと休憩ポイントがそろっています。合戦小屋はスイカが名物。飲食のみで宿泊はできません。燕山荘に着いたら燕岳を往復しましょう。 燕山荘からは、稜線を行きます。大下りで大きく下った後、登り返し。切通岩にはクサリがあります。その先の分岐で大天井岳山頂を目指します。大天井岳からは槍ヶ岳方面の表銀座コースを分け、常念岳方面へ。広くて明るい山稜です。二俣小屋跡の石積みを過ぎて東天井岳の山頂を巻いて行きます。道が大きく左手下に折れる手前、道標が建つあたりは好展望の休憩ポイントです。この近くには比較的遅くまで雪渓が残ります。長い下りの後、横通岳へゆるやかに登り返します。横通岳は、その名の通り山頂を巻き、小屋のある常念乗越へと下ります。 常念小屋から常念岳へは、ジグザグの登りが続きます。前常念岳を経て三股へ向かう道を分けると、傾斜は穏やかになり、まもなく山頂です。祠のある山頂そのものは狭いのですが、一段蝶ヶ岳よりに下がると、休憩できるスペースがあります。 常念岳山頂からは浮石に注意しながら一気に下ります。まもなく樹林帯の道となりますが、2592m峰に登ると、ニッコウキスゲが豊かに咲くお花畑となります。ゆっくりと休憩する登山者も多く見られます。ここから再び下りとなります。樹林帯の中を登り返し、蝶槍のピーク手前は少し岩の多い道になります。ここまで来ると再び展望の良い稜線の道となります。旧蝶ヶ岳の三角点もすぐです。穏やかに下ると、横尾方面分岐。ここから瞑想の丘と名付けられた展望盤のある高台まではゆったりとした登りになります。蝶ヶ岳ヒュッテを越えてわずかに登った地点に蝶ヶ岳山頂があります。 下りは長塀尾根を行きます。槍・穂高の展望を満喫しながら歩き始めますが、花が多く咲く船窪状の地点まで来るともう展望はなく、ずっと樹林帯となります。樹林に囲まれた妖精ノ池はほっと出来るオアシスです。「蝶ヶ岳から1.8キロ」の道標のある長塀山は、尾根上の小さなピークで、ここからは長い下りですが、徐々に傾斜がきつくなり、短い木製ハシゴなども現れます。背の高い樹林と笹の中を下ってゆくと、飽きる頃に徳沢となります。あとはなだらかな道を歩き、賑やかな上高地バスターミナルへと向かいます。
  • 新穂高温泉から双六岳・三俣蓮華岳へ

    新穂高温泉から双六岳・三俣蓮華岳へ

    起点は岐阜県側の北アルプスの玄関口である新穂高温泉。まずは蒲田川左俣に沿ってのびる林道をたどります。まもなくゲートがあり、ここから先は一般車通行禁止。ゲート脇に登山届のポストがあります。左手の穴毛谷の砂防ダム群を眺めたり風穴でクールダウンしながら、林道を歩きます。右岸に移り笠ヶ岳へ向かう笠新道を分けてまもなく、ブナ林に囲まれたわさび平小屋です。ここに宿泊してスタートするのも良いでしょう。 さらに林道をたどり、蒲田川を渡る手前が小池新道分岐です。ここからよく整備された登山道が始まります。 流れが聞こえるようになると、堅固な橋のかかる秩父沢出合はすぐです。遅くまで雪渓の残る沢ですが、明るい河原は休憩ポイントです。さらに進んで、秩父小沢を横断します。最後の水場です。灌木の多い斜面をたどり、チボ岩、イタドリヶ原を越え、やがてベンチのあるシシウドヶ原です。ここからトラバース気味に進み、熊の踊り場を過ぎてひと登りで鏡平、鏡池の横に出ます。池に映える槍穂高を楽しんだら、鏡平山荘へ。山荘の名物かき氷がたまりません。 鏡平山荘から斜上して尾根に出ると、弓折岳分岐です。ここから弓折岳は笠ヶ岳方面へ向かい往復15分ほどです。ここからはほぼ尾根上の道です。遅くまで残る残雪を過ぎるとお花畑ベンチ。シナノキンバイなどのお花畑が広がります。尾根から離れ、少しずつ下ると、鷲羽岳を背景に双六小屋が近づきます。夏期には富山大学の診療所も開設され、この地域の中核となる小屋です。 双六小屋からは、西鎌尾根経由で槍ヶ岳へ続く道が分かれます。双六岳へは小屋の前からハイマツの斜面を一気に登ります。ひと段落するのが巻道ルート分岐。そのすぐ先が中道分岐です。手入れの良い道をもうひと頑張りで一気に登ります。残雪が多い時期は、中道を途中まで進み、稜線に登るルートとなります。 頑張って登った稜線は実に広々としています。点々と植物が生え、線状構造土が見られます。振り返ると槍ヶ岳から穂高連峰の稜線が、柔らかな曲線描く稜線上に浮かぶ絶景です。双六岳山頂から稜線伝いに三俣蓮華岳まで足をのばせば、眼下に黒部源流や三俣山荘、正面に鷲羽岳、水晶岳、さらには雲ノ平から薬師岳と山並みがどこまでも続いて見えます。北アルプスの奥地にいることが実感できるでしょう。山頂からはガレた道を下り巻道ルートへ進んで双六小屋へ戻り、新穂高温泉までは往路をたどります。
    起点は岐阜県側の北アルプスの玄関口である新穂高温泉。まずは蒲田川左俣に沿ってのびる林道をたどります。まもなくゲートがあり、ここから先は一般車通行禁止。ゲート脇に登山届のポストがあります。左手の穴毛谷の砂防ダム群を眺めたり風穴でクールダウンしながら、林道を歩きます。右岸に移り笠ヶ岳へ向かう笠新道を分けてまもなく、ブナ林に囲まれたわさび平小屋です。ここに宿泊してスタートするのも良いでしょう。 さらに林道をたどり、蒲田川を渡る手前が小池新道分岐です。ここからよく整備された登山道が始まります。 流れが聞こえるようになると、堅固な橋のかかる秩父沢出合はすぐです。遅くまで雪渓の残る沢ですが、明るい河原は休憩ポイントです。さらに進んで、秩父小沢を横断します。最後の水場です。灌木の多い斜面をたどり、チボ岩、イタドリヶ原を越え、やがてベンチのあるシシウドヶ原です。ここからトラバース気味に進み、熊の踊り場を過ぎてひと登りで鏡平、鏡池の横に出ます。池に映える槍穂高を楽しんだら、鏡平山荘へ。山荘の名物かき氷がたまりません。 鏡平山荘から斜上して尾根に出ると、弓折岳分岐です。ここから弓折岳は笠ヶ岳方面へ向かい往復15分ほどです。ここからはほぼ尾根上の道です。遅くまで残る残雪を過ぎるとお花畑ベンチ。シナノキンバイなどのお花畑が広がります。尾根から離れ、少しずつ下ると、鷲羽岳を背景に双六小屋が近づきます。夏期には富山大学の診療所も開設され、この地域の中核となる小屋です。 双六小屋からは、西鎌尾根経由で槍ヶ岳へ続く道が分かれます。双六岳へは小屋の前からハイマツの斜面を一気に登ります。ひと段落するのが巻道ルート分岐。そのすぐ先が中道分岐です。手入れの良い道をもうひと頑張りで一気に登ります。残雪が多い時期は、中道を途中まで進み、稜線に登るルートとなります。 頑張って登った稜線は実に広々としています。点々と植物が生え、線状構造土が見られます。振り返ると槍ヶ岳から穂高連峰の稜線が、柔らかな曲線描く稜線上に浮かぶ絶景です。双六岳山頂から稜線伝いに三俣蓮華岳まで足をのばせば、眼下に黒部源流や三俣山荘、正面に鷲羽岳、水晶岳、さらには雲ノ平から薬師岳と山並みがどこまでも続いて見えます。北アルプスの奥地にいることが実感できるでしょう。山頂からはガレた道を下り巻道ルートへ進んで双六小屋へ戻り、新穂高温泉までは往路をたどります。
  • 奥社から戸隠山へ

    奥社から戸隠山へ

    戸隠高原から見る戸隠山は、荒々しい岩峰の連なりです。北信五岳のひとつで、一般登山道にはなっていますが、鎖場や岩稜のナイフリッジなど、危険個所も数多い為、熟練者向けの登山道です。 登山道は戸隠奥社入口から始まります。大きな鳥居をくぐり、奥社に向かって真っ直ぐの参道が続きます。赤く大きな門が随神門で、その先は立派な杉並木に変わります。厳かな雰囲気の中を進み石の階段を登ると戸隠神社奥社に到着です。 社務所の下側を通り、尾根へ取り付くと、すぐに急登が始まります。尾根上をしばらく登ると、岩壁の基部が横に長く掘られたようになっている五十間長屋に突き当たり、左へ進むと百間長屋です。更にトラバースし左側の尾根に登ります。小さな祠のある西窟の下を通過すると最初の鎖場です。連続する岩稜と、鎖場をこなし、胸突岩を登り切るといよいよ蟻の塔渡りです。蟻の塔渡りはいわゆるナイフリッジで、両側が300mほど切れ落ちている幅50cm程度の岩稜が20mほど続きます。とても高度感がありますが、頼りにする鎖や手すりはありません。右側の巻き道を使うことも可能ですが、こちらも足場が良いというわけではないので、どちらにしても慎重な行動が求められます。蟻の塔渡りを越えると、次は更に幅の狭い剣の刃渡りです。距離は5mほどと短いですが、傾斜もあり、巻き道もありません。狭い岩稜を越え、最後の鎖場を登ると八方睨に出ます。ここからの眺めは素晴らしく、周囲の山々を見渡せます。八方睨から一旦下って、登り返すと戸隠山山頂です。戸隠山と書かれた標柱の向こう側に高妻山が見えています。ここから先も一不動の分岐までは、稜線歩きが続きます。樹林帯に入ったり、崖の縁を通過したりを繰り返しながら三角点のある九頭龍山を目指します。崖の縁を通過する際は景色も良いのですが、足元には注意しましょう。九頭龍山を過ぎると、屏風岩を西側から巻きながら急な登りを登ります。見通しがきかない緩やかなピークを越え、急な下りを下り切ったところにあるのが一不動避難小屋です。高妻山方面と戸隠牧場方面との分岐もすぐ近くです。 分岐を右に進み、稜線から下り始めます。笹の間を下っていくと沢状の地形となり、氷清水の水場に着きます。そのまま沢をもう少し下ると不動滝の上に出ます。滝の落ち口の右岸を鎖を頼りに一段降りてから、帯岩をトラバースします。その後急な斜面を下ると、今度は滑滝に出ます。ここも鎖を頼りに下りましょう。さらに大洞沢を右へ左へと渡りながら下山していくと次第に傾斜が緩くなってきます。最後に右岸に渡り、林の中を進むと戸隠牧場です。牧柵に沿って歩き、キャンプ場を通過し橋を渡れば、戸隠キャンプ場バス停、登山者用駐車場に到着します。
    戸隠高原から見る戸隠山は、荒々しい岩峰の連なりです。北信五岳のひとつで、一般登山道にはなっていますが、鎖場や岩稜のナイフリッジなど、危険個所も数多い為、熟練者向けの登山道です。 登山道は戸隠奥社入口から始まります。大きな鳥居をくぐり、奥社に向かって真っ直ぐの参道が続きます。赤く大きな門が随神門で、その先は立派な杉並木に変わります。厳かな雰囲気の中を進み石の階段を登ると戸隠神社奥社に到着です。 社務所の下側を通り、尾根へ取り付くと、すぐに急登が始まります。尾根上をしばらく登ると、岩壁の基部が横に長く掘られたようになっている五十間長屋に突き当たり、左へ進むと百間長屋です。更にトラバースし左側の尾根に登ります。小さな祠のある西窟の下を通過すると最初の鎖場です。連続する岩稜と、鎖場をこなし、胸突岩を登り切るといよいよ蟻の塔渡りです。蟻の塔渡りはいわゆるナイフリッジで、両側が300mほど切れ落ちている幅50cm程度の岩稜が20mほど続きます。とても高度感がありますが、頼りにする鎖や手すりはありません。右側の巻き道を使うことも可能ですが、こちらも足場が良いというわけではないので、どちらにしても慎重な行動が求められます。蟻の塔渡りを越えると、次は更に幅の狭い剣の刃渡りです。距離は5mほどと短いですが、傾斜もあり、巻き道もありません。狭い岩稜を越え、最後の鎖場を登ると八方睨に出ます。ここからの眺めは素晴らしく、周囲の山々を見渡せます。八方睨から一旦下って、登り返すと戸隠山山頂です。戸隠山と書かれた標柱の向こう側に高妻山が見えています。ここから先も一不動の分岐までは、稜線歩きが続きます。樹林帯に入ったり、崖の縁を通過したりを繰り返しながら三角点のある九頭龍山を目指します。崖の縁を通過する際は景色も良いのですが、足元には注意しましょう。九頭龍山を過ぎると、屏風岩を西側から巻きながら急な登りを登ります。見通しがきかない緩やかなピークを越え、急な下りを下り切ったところにあるのが一不動避難小屋です。高妻山方面と戸隠牧場方面との分岐もすぐ近くです。 分岐を右に進み、稜線から下り始めます。笹の間を下っていくと沢状の地形となり、氷清水の水場に着きます。そのまま沢をもう少し下ると不動滝の上に出ます。滝の落ち口の右岸を鎖を頼りに一段降りてから、帯岩をトラバースします。その後急な斜面を下ると、今度は滑滝に出ます。ここも鎖を頼りに下りましょう。さらに大洞沢を右へ左へと渡りながら下山していくと次第に傾斜が緩くなってきます。最後に右岸に渡り、林の中を進むと戸隠牧場です。牧柵に沿って歩き、キャンプ場を通過し橋を渡れば、戸隠キャンプ場バス停、登山者用駐車場に到着します。
  • 戸隠牧場から高妻山へ

    戸隠牧場から高妻山へ

    高妻山は戸隠連峰の最高峰で、端整な三角錐は戸隠富士とも呼ばれ、古くから信仰登山の対象となってきた山です。 高妻山への登山口は戸隠キャンプ場です。標識に従って舗装路を進み、キャンプ場を抜けると牧場事務所に着きます。牧柵に沿って歩き、牧場を抜け樹林帯に入ります。緩い傾斜の樹林帯を進むと、大洞沢を渡ります。その後も沢を何度か渡り返しながら登っていくと次第に傾斜が増してきます。滑滝は鎖が設置されている左岸を直登します。沢を右岸に渡り、急な斜面を登っていくと帯岩の左端に出ます。足場も切られていますが、濡れていると滑りやすいので、鎖を頼りに一枚岩の帯岩をトラバースし、不動滝の落ち口に上がります。不動滝を越え、さらに沢状地形の中を登っていくと、氷清水の水場に着きます。その後しばらく枯れた沢の中を進み、ササ原の急登を登り切ると高妻山へ続く主稜線で、一不動避難小屋があります。 高妻山へは分岐を右へ進みます。一不動から先の稜線上の各ピークには、高妻山頂の十阿弥陀まで順番に石祠が祀られています。二釈迦から先、東側が絶壁沿いの道になります。季節によって違う花が咲き、左に高妻山、右側に飯縄山が見えています。またこの辺りでは、高妻山が隆起してできた証拠となる貝の化石も見つかります。三文殊、四普賢を越え、少々急な斜面を登りきると五地蔵に到着です。そのすぐ先が五地蔵山頂で、妙高山、黒姫山方面の展望が楽しめます。続けて六弥勒で、ここが弥勒新道との分岐です。右側に妙高連峰を見ながら進むと、次のピークが七薬師。この辺りはオオシラビソの林となっています。2053mのピークが八観音で、高妻山への最後の登りの直前にある小ピークが九勢至です。 ここから山頂まで標高差300mの登りは、急傾斜を直登します。落石の危険もあるので注意が必要です。急な登りを終えると頂上へ続く稜線に出ます。大きな岩が折り重なっている場所は少々歩きにくいですが、十阿弥陀の石祠と大きな銅鏡を過ぎれば、山頂はもうすぐです。高妻山山頂からは北アルプスを始め、雨飾山、妙高連峰など、360度の大展望が楽しめます。 下山は六弥勒まで往路を戻ります。復路もアップダウンがあるので余力を残しておきましょう。六弥勒の分岐を左へ進み弥勒新道に入ります。飯縄山を正面に見ながら、戸隠牧場を目指します。全体的に急傾斜の下りが長く続き、鎖が設置されている場所もあります。ダケカンバ林からブナ林に変わるとコース終盤です。尾根を末端まで下り、沢を渡って戸隠牧場を抜け、戸隠キャンプ場に戻ります。
    高妻山は戸隠連峰の最高峰で、端整な三角錐は戸隠富士とも呼ばれ、古くから信仰登山の対象となってきた山です。 高妻山への登山口は戸隠キャンプ場です。標識に従って舗装路を進み、キャンプ場を抜けると牧場事務所に着きます。牧柵に沿って歩き、牧場を抜け樹林帯に入ります。緩い傾斜の樹林帯を進むと、大洞沢を渡ります。その後も沢を何度か渡り返しながら登っていくと次第に傾斜が増してきます。滑滝は鎖が設置されている左岸を直登します。沢を右岸に渡り、急な斜面を登っていくと帯岩の左端に出ます。足場も切られていますが、濡れていると滑りやすいので、鎖を頼りに一枚岩の帯岩をトラバースし、不動滝の落ち口に上がります。不動滝を越え、さらに沢状地形の中を登っていくと、氷清水の水場に着きます。その後しばらく枯れた沢の中を進み、ササ原の急登を登り切ると高妻山へ続く主稜線で、一不動避難小屋があります。 高妻山へは分岐を右へ進みます。一不動から先の稜線上の各ピークには、高妻山頂の十阿弥陀まで順番に石祠が祀られています。二釈迦から先、東側が絶壁沿いの道になります。季節によって違う花が咲き、左に高妻山、右側に飯縄山が見えています。またこの辺りでは、高妻山が隆起してできた証拠となる貝の化石も見つかります。三文殊、四普賢を越え、少々急な斜面を登りきると五地蔵に到着です。そのすぐ先が五地蔵山頂で、妙高山、黒姫山方面の展望が楽しめます。続けて六弥勒で、ここが弥勒新道との分岐です。右側に妙高連峰を見ながら進むと、次のピークが七薬師。この辺りはオオシラビソの林となっています。2053mのピークが八観音で、高妻山への最後の登りの直前にある小ピークが九勢至です。 ここから山頂まで標高差300mの登りは、急傾斜を直登します。落石の危険もあるので注意が必要です。急な登りを終えると頂上へ続く稜線に出ます。大きな岩が折り重なっている場所は少々歩きにくいですが、十阿弥陀の石祠と大きな銅鏡を過ぎれば、山頂はもうすぐです。高妻山山頂からは北アルプスを始め、雨飾山、妙高連峰など、360度の大展望が楽しめます。 下山は六弥勒まで往路を戻ります。復路もアップダウンがあるので余力を残しておきましょう。六弥勒の分岐を左へ進み弥勒新道に入ります。飯縄山を正面に見ながら、戸隠牧場を目指します。全体的に急傾斜の下りが長く続き、鎖が設置されている場所もあります。ダケカンバ林からブナ林に変わるとコース終盤です。尾根を末端まで下り、沢を渡って戸隠牧場を抜け、戸隠キャンプ場に戻ります。
  • 戸隠から黒姫山へ

    戸隠から黒姫山へ

    案内看板が設置されている大橋登山口を出発し、緩やかな傾斜のカラマツ林を進むと種池への分岐があり、その後古池へ出ます。池の対岸に黒姫山が正面に見えていて、その姿が池に映っています。木道が設置された池の西側を周り、山頂へ続く道へ取りつきます。斜面を横切るように進み小沢を渡ると、その後傾斜が徐々に増していきます。急登を終え、ブナ林の中を緩やかに登っていくと、新道分岐に出ます。大橋から林道経由の道と、大ダルミからの西登山道も合流する場所です。 分岐からは新道を登ります。しばらくは広く緩やかな尾根道で、傾斜がきつくなってきたところで「しなの木」に到着です。その後の急登を登ると外輪山の稜線に出ます。オオシラビソが茂る尾根道を進み、視界が開けた場所が「しらたま平」です。隣の高妻山や戸隠山、北アルプスまで、西側の山々の眺めが素晴らしい場所です。気持ちの良い稜線歩きを楽しみながら、アップダウンを2度ほど繰り返すと、峰ノ大池方面との分岐です。ここから最後のひと登りで石祠がある黒姫山山頂へ到着します。山頂からの展望は、北側こそ視界が遮られているものの、眼下に広がる戸隠高原や野尻湖、間近の飯縄山など、十分に楽しむことができます。 山頂でひと休みしたら、峰ノ大池との分岐まで戻ります。分岐を右に進み火口原へ急坂を下ります。道が平らになると峰ノ大池と七ツ池との分岐です。右が七ツ池を経由して黒姫乗越へ続く道です。分岐から少し進むと、広々とした笹原が広がっています。小さな池が点在しているこの場所が七ツ池です。水量はそれほど多くないので時期によっては涸れていることもあります。御巣鷹山と外輪山に挟まれた笹原を進むと、再びオオシラビソやコメツガの針葉樹林帯に入ります。緩やかに登った後は薄暗い平らな道になり、外輪山の斜面に沿って歩くと黒姫乗越に到着です。ここで山頂から稜線伝いに下ってくる道と合流します。 黒姫乗越からは、小泉山道へ進みます。越見尾根の急坂を下ると道は右方向に向きを変え山腹を巻くようになります。沢をいくつも横切って行くので引き続き少々歩きにくい区間です。トラバースが終わり少し下ると、ケルンがある姫見台に到着します。振り返ると黒姫山の外輪山が見える場所です。黒姫スノーパークの旧ゲレンデに出て、急な斜面をジグザグに下ります。途中からは現在も使われているコースに入り、野尻湖と斑尾山を正面に見ながら更に下ります。グリーンシーズンはコース下部がコスモス園として営業しているので、最後はお花畑の脇を通りコスモプラザに到着します。
    案内看板が設置されている大橋登山口を出発し、緩やかな傾斜のカラマツ林を進むと種池への分岐があり、その後古池へ出ます。池の対岸に黒姫山が正面に見えていて、その姿が池に映っています。木道が設置された池の西側を周り、山頂へ続く道へ取りつきます。斜面を横切るように進み小沢を渡ると、その後傾斜が徐々に増していきます。急登を終え、ブナ林の中を緩やかに登っていくと、新道分岐に出ます。大橋から林道経由の道と、大ダルミからの西登山道も合流する場所です。 分岐からは新道を登ります。しばらくは広く緩やかな尾根道で、傾斜がきつくなってきたところで「しなの木」に到着です。その後の急登を登ると外輪山の稜線に出ます。オオシラビソが茂る尾根道を進み、視界が開けた場所が「しらたま平」です。隣の高妻山や戸隠山、北アルプスまで、西側の山々の眺めが素晴らしい場所です。気持ちの良い稜線歩きを楽しみながら、アップダウンを2度ほど繰り返すと、峰ノ大池方面との分岐です。ここから最後のひと登りで石祠がある黒姫山山頂へ到着します。山頂からの展望は、北側こそ視界が遮られているものの、眼下に広がる戸隠高原や野尻湖、間近の飯縄山など、十分に楽しむことができます。 山頂でひと休みしたら、峰ノ大池との分岐まで戻ります。分岐を右に進み火口原へ急坂を下ります。道が平らになると峰ノ大池と七ツ池との分岐です。右が七ツ池を経由して黒姫乗越へ続く道です。分岐から少し進むと、広々とした笹原が広がっています。小さな池が点在しているこの場所が七ツ池です。水量はそれほど多くないので時期によっては涸れていることもあります。御巣鷹山と外輪山に挟まれた笹原を進むと、再びオオシラビソやコメツガの針葉樹林帯に入ります。緩やかに登った後は薄暗い平らな道になり、外輪山の斜面に沿って歩くと黒姫乗越に到着です。ここで山頂から稜線伝いに下ってくる道と合流します。 黒姫乗越からは、小泉山道へ進みます。越見尾根の急坂を下ると道は右方向に向きを変え山腹を巻くようになります。沢をいくつも横切って行くので引き続き少々歩きにくい区間です。トラバースが終わり少し下ると、ケルンがある姫見台に到着します。振り返ると黒姫山の外輪山が見える場所です。黒姫スノーパークの旧ゲレンデに出て、急な斜面をジグザグに下ります。途中からは現在も使われているコースに入り、野尻湖と斑尾山を正面に見ながら更に下ります。グリーンシーズンはコース下部がコスモス園として営業しているので、最後はお花畑の脇を通りコスモプラザに到着します。
  • 南登山道から飯縄山へ

    南登山道から飯縄山へ

    南登山道は、戸隠バードライン沿いにある飯綱登山口バス停から始まります。車の場合は、トイレもある一の鳥居苑地の駐車場を利用すると良いでしょう。別荘地を抜ける舗装された真っ直ぐな道を進むと、まず木製の鳥居があります。その後、左側にある石の鳥居から登山道となります。カラマツ林の中に緩やかに続く道を進み、林道を横切ると3つ目の鳥居をくぐります。周囲がミズナラなどの雑木林に変わると、第一不動明王の石仏が道の脇に置かれています。この先登山道沿いには、第十三虚空蔵菩薩まで十三体の石仏が次々に出てきます。標高を上げると尾根が狭まり、第九勢至菩薩を過ぎる辺りから傾斜がきつくなり始めます。第十一阿閦如来が置かれている駒つなぎの場は広場になっているので、休憩には最適です。 道はここから尾根を離れ、斜面を右にトラバースしていきます。その後は、急斜面の九十九折りとなり、2mほどの鎖が設置された岩を越えると富士見の水場です。九十九折りが終わると尾根に戻ります。すぐに天狗の硯岩と呼ばれる平らな岩があり、ここからは長野市街を見渡すことができます。第十三虚空蔵菩薩を過ぎると、周囲は背の低い笹原となり展望が開け、やがて西登山道と合流します。分岐を過ぎ最後の急登を登り切ると、飯縄大明神のあるピークに出ます。東側の一段下がった場所にある白い建物が神社の社です。このピークからの展望も素晴らしく、北アルプス方面、戸隠連峰が一望できます。ここから広い尾根を緩やかに下って、登り返したところが飯縄山山頂です。白い大きな標柱と方位盤が設置されています。 下山は、西登山道と南登山道の分岐まで戻ります。南登山道同様に西登山道の上部は笹原で、見通しの良い尾根道を下ります。正面に戸隠連峰を見ながら歩けるのが魅力です。標高を下げると樹林帯に入り、展望がなくなります。少々斜度があり、石がゴロゴロとしている場所を過ぎると次第に傾斜が緩くなり、萱ノ宮の祠と鳥居があります。ここから先は緩やかな尾根道となり、道幅も広がり、とても歩きやすくなります。林道を横切り、カラマツ林の中を更に高度を下げていくと、右に直角に曲がる林道への近道があります。そのまま直進しても林道にでますが、チビッコ忍者村方面へ行く場合は、この道を使うと良いでしょう。舗装された林道を右に進むと、チビッコ忍者村があり、その先に神告温泉があります。更に道を進めば戸隠神社中社に到着します。
    南登山道は、戸隠バードライン沿いにある飯綱登山口バス停から始まります。車の場合は、トイレもある一の鳥居苑地の駐車場を利用すると良いでしょう。別荘地を抜ける舗装された真っ直ぐな道を進むと、まず木製の鳥居があります。その後、左側にある石の鳥居から登山道となります。カラマツ林の中に緩やかに続く道を進み、林道を横切ると3つ目の鳥居をくぐります。周囲がミズナラなどの雑木林に変わると、第一不動明王の石仏が道の脇に置かれています。この先登山道沿いには、第十三虚空蔵菩薩まで十三体の石仏が次々に出てきます。標高を上げると尾根が狭まり、第九勢至菩薩を過ぎる辺りから傾斜がきつくなり始めます。第十一阿閦如来が置かれている駒つなぎの場は広場になっているので、休憩には最適です。 道はここから尾根を離れ、斜面を右にトラバースしていきます。その後は、急斜面の九十九折りとなり、2mほどの鎖が設置された岩を越えると富士見の水場です。九十九折りが終わると尾根に戻ります。すぐに天狗の硯岩と呼ばれる平らな岩があり、ここからは長野市街を見渡すことができます。第十三虚空蔵菩薩を過ぎると、周囲は背の低い笹原となり展望が開け、やがて西登山道と合流します。分岐を過ぎ最後の急登を登り切ると、飯縄大明神のあるピークに出ます。東側の一段下がった場所にある白い建物が神社の社です。このピークからの展望も素晴らしく、北アルプス方面、戸隠連峰が一望できます。ここから広い尾根を緩やかに下って、登り返したところが飯縄山山頂です。白い大きな標柱と方位盤が設置されています。 下山は、西登山道と南登山道の分岐まで戻ります。南登山道同様に西登山道の上部は笹原で、見通しの良い尾根道を下ります。正面に戸隠連峰を見ながら歩けるのが魅力です。標高を下げると樹林帯に入り、展望がなくなります。少々斜度があり、石がゴロゴロとしている場所を過ぎると次第に傾斜が緩くなり、萱ノ宮の祠と鳥居があります。ここから先は緩やかな尾根道となり、道幅も広がり、とても歩きやすくなります。林道を横切り、カラマツ林の中を更に高度を下げていくと、右に直角に曲がる林道への近道があります。そのまま直進しても林道にでますが、チビッコ忍者村方面へ行く場合は、この道を使うと良いでしょう。舗装された林道を右に進むと、チビッコ忍者村があり、その先に神告温泉があります。更に道を進めば戸隠神社中社に到着します。
  • 小谷温泉から雨飾山へ

    小谷温泉から雨飾山へ

    「あまかざり」という山名だけでも旅心をくすぐられ、花、紅葉ともに素晴らしく、どこから見ても美しい山容の人気の山です。 小谷登山口がある雨飾高原キャンプ場から出発です。駐車場の奥にあるトイレと休憩舎の左側から登山道が始まります。しばらくは大海川沿いの木道を歩きます。湿地帯を歩き終えて尾根へ取り付くとすぐに急登が始まります。徐々に山腹を巻くようになると立派なブナに囲まれたブナ平に到着します。その後、携帯トイレブースが設置されている平坦地を通り、急斜面を下っていくと荒菅沢です。荒菅沢には遅くまで雪渓が残ります。雪渓が残っている場合、対岸の道を見失わないようにしましょう。ここから見上げる布団菱の岩壁と雨飾山は迫力があります。 荒菅沢を渡ると笹平までの急登が始まります。樹林帯の中の急坂を登っていくと、徐々に展望が開けてきて、先ほど見上げていた布団菱の岩壁が左側に見えてきます。引き続き急坂で、一部木のはしごが設置された岩の尾根を登っていくと、ようやく笹平に到着です。ここは金山や鋸岳へ続く縦走路との分岐になっています。名前の通り台地状の平坦な笹原になっていて、所々に花も咲いています。 山頂を目の前に見ながら緩やかに下っていくと雨飾温泉への分岐があります。お花畑を通過し、左側に荒菅沢を見下ろしながら進みます。山頂への最後の急登を登り切ると、双耳峰の鞍部に出ます。右に行くと四体の石仏と石祠がある北峰で、左へ行くと三角点と山頂の標柱がある雨飾山南峰です。どちらからも展望は素晴らしく、北アルプスをはじめ、火打山や焼山、高妻山など、周囲の山々が一望できます。 山頂からは新潟県側の雨飾温泉へ下山します。まずは山頂直下の雨飾温泉への分岐まで戻ります。左に進むと、すぐに急な下りが始まります。海谷山塊の鋸岳、鬼ヶ面山、駒ヶ岳の連なりを正面に見ながら、急坂を標高差300mほど下ります。一旦傾斜が緩むと、中の池に到着です。ここから道はトラバースし、尾根に出ます。再び急坂の下りとなります。はしごやロープが設置されている箇所や、尾根の西側が崖になっている所もあるので、慎重に下りましょう。難所のぞきで道は右に折れ、尾根上を離れるとコース終盤です。しばらくブナ林の中を下っていくと、山の中の一軒宿の雨飾温泉に到着します。とても趣がある温泉宿ですので、ぜひ立ち寄って汗を流すと良いでしょう。
    「あまかざり」という山名だけでも旅心をくすぐられ、花、紅葉ともに素晴らしく、どこから見ても美しい山容の人気の山です。 小谷登山口がある雨飾高原キャンプ場から出発です。駐車場の奥にあるトイレと休憩舎の左側から登山道が始まります。しばらくは大海川沿いの木道を歩きます。湿地帯を歩き終えて尾根へ取り付くとすぐに急登が始まります。徐々に山腹を巻くようになると立派なブナに囲まれたブナ平に到着します。その後、携帯トイレブースが設置されている平坦地を通り、急斜面を下っていくと荒菅沢です。荒菅沢には遅くまで雪渓が残ります。雪渓が残っている場合、対岸の道を見失わないようにしましょう。ここから見上げる布団菱の岩壁と雨飾山は迫力があります。 荒菅沢を渡ると笹平までの急登が始まります。樹林帯の中の急坂を登っていくと、徐々に展望が開けてきて、先ほど見上げていた布団菱の岩壁が左側に見えてきます。引き続き急坂で、一部木のはしごが設置された岩の尾根を登っていくと、ようやく笹平に到着です。ここは金山や鋸岳へ続く縦走路との分岐になっています。名前の通り台地状の平坦な笹原になっていて、所々に花も咲いています。 山頂を目の前に見ながら緩やかに下っていくと雨飾温泉への分岐があります。お花畑を通過し、左側に荒菅沢を見下ろしながら進みます。山頂への最後の急登を登り切ると、双耳峰の鞍部に出ます。右に行くと四体の石仏と石祠がある北峰で、左へ行くと三角点と山頂の標柱がある雨飾山南峰です。どちらからも展望は素晴らしく、北アルプスをはじめ、火打山や焼山、高妻山など、周囲の山々が一望できます。 山頂からは新潟県側の雨飾温泉へ下山します。まずは山頂直下の雨飾温泉への分岐まで戻ります。左に進むと、すぐに急な下りが始まります。海谷山塊の鋸岳、鬼ヶ面山、駒ヶ岳の連なりを正面に見ながら、急坂を標高差300mほど下ります。一旦傾斜が緩むと、中の池に到着です。ここから道はトラバースし、尾根に出ます。再び急坂の下りとなります。はしごやロープが設置されている箇所や、尾根の西側が崖になっている所もあるので、慎重に下りましょう。難所のぞきで道は右に折れ、尾根上を離れるとコース終盤です。しばらくブナ林の中を下っていくと、山の中の一軒宿の雨飾温泉に到着します。とても趣がある温泉宿ですので、ぜひ立ち寄って汗を流すと良いでしょう。
  • 天狗原山・金山

    天狗原山・金山

    金山登山口は、妙高小谷林道脇にあります。道路脇に標柱がありますが見逃さないようにしましょう。登山口よりブナタテ尾根へ取り付き、ブナ林の中の急坂を登ります。九十九折りの道を登り切ると、道は一旦平坦になります。その先をもう一段登ると水場がありますが、この水場は涸れてしまうこともあります。その後は尾根上の道になり、左手に雨飾山が見え隠れしています。やがて目の前に右側が切れ落ちた岩壁が現れると、笹ヶ峰方面や高妻山が見える、見晴らしの良い場所へ出ます。 この岩壁を左から巻いてしばらくすると、狭い沢の中に入ります。沢の中の道は薄暗く、滑りやすい状態です。一度平らになりますが、再び沢地形の中を登ります。沢を抜けて、オオシラビソの林をひと登りすると、前方にガレ場が見えてきます。ガレ場の道は傾斜がきつく、足場も悪いので、ロープが設置されています。周辺には、シナノナデシコ、イワオウギ、トリカブトなどの花が咲いています。足元に注意しながらガレ場を左から登ります。上部からは北アルプス方面の展望が素晴らしいです。ガレ場の上に出ると再び平坦になり、オオシラビソやダケカンバの隙間から天狗原山が見えるようになります。ここから天狗原山への最後の登りです。チシマザサや灌木で、しばらく視界がきかなくなりますが、山頂手前の稜線に出ると、一気に周囲が開けます。お花畑が広がり、右前方には焼山、火打山、妙高山の連なりが良く見えます。稜線を緩やかに登っていくと、道の脇に置かれたかわいいお地蔵様がお花に囲まれています。 天狗原山のピークを通る道はないので、右側の巻き道を進みます。金山との鞍部への下りは急坂で、足元も不安定です。鞍部から涸れ沢を登ったところが神の田圃です。ここにもお花畑が一面に広がっています。 金山山頂へはもうひと登り。道は右方向へ向きを変え、稜線東側の草原を横切っていきます。チングルマの群生と妙高連峰の景色を楽しみながら歩いていけば、笹原に囲まれた金山山頂に到着します。 花と景色を堪能したら、帰りは往路を引き返しましょう。天狗原山、金山は、特に積雪量が多いエリアで雪融けも遅い為、8月中旬になってもお花畑を楽しむことができます。登山口までのアプローチが不便なこともあって、周囲の百名山と比べると登山数は少なめではありますが、貴重な植物を踏み荒らさないように心がけてください。
    金山登山口は、妙高小谷林道脇にあります。道路脇に標柱がありますが見逃さないようにしましょう。登山口よりブナタテ尾根へ取り付き、ブナ林の中の急坂を登ります。九十九折りの道を登り切ると、道は一旦平坦になります。その先をもう一段登ると水場がありますが、この水場は涸れてしまうこともあります。その後は尾根上の道になり、左手に雨飾山が見え隠れしています。やがて目の前に右側が切れ落ちた岩壁が現れると、笹ヶ峰方面や高妻山が見える、見晴らしの良い場所へ出ます。 この岩壁を左から巻いてしばらくすると、狭い沢の中に入ります。沢の中の道は薄暗く、滑りやすい状態です。一度平らになりますが、再び沢地形の中を登ります。沢を抜けて、オオシラビソの林をひと登りすると、前方にガレ場が見えてきます。ガレ場の道は傾斜がきつく、足場も悪いので、ロープが設置されています。周辺には、シナノナデシコ、イワオウギ、トリカブトなどの花が咲いています。足元に注意しながらガレ場を左から登ります。上部からは北アルプス方面の展望が素晴らしいです。ガレ場の上に出ると再び平坦になり、オオシラビソやダケカンバの隙間から天狗原山が見えるようになります。ここから天狗原山への最後の登りです。チシマザサや灌木で、しばらく視界がきかなくなりますが、山頂手前の稜線に出ると、一気に周囲が開けます。お花畑が広がり、右前方には焼山、火打山、妙高山の連なりが良く見えます。稜線を緩やかに登っていくと、道の脇に置かれたかわいいお地蔵様がお花に囲まれています。 天狗原山のピークを通る道はないので、右側の巻き道を進みます。金山との鞍部への下りは急坂で、足元も不安定です。鞍部から涸れ沢を登ったところが神の田圃です。ここにもお花畑が一面に広がっています。 金山山頂へはもうひと登り。道は右方向へ向きを変え、稜線東側の草原を横切っていきます。チングルマの群生と妙高連峰の景色を楽しみながら歩いていけば、笹原に囲まれた金山山頂に到着します。 花と景色を堪能したら、帰りは往路を引き返しましょう。天狗原山、金山は、特に積雪量が多いエリアで雪融けも遅い為、8月中旬になってもお花畑を楽しむことができます。登山口までのアプローチが不便なこともあって、周囲の百名山と比べると登山数は少なめではありますが、貴重な植物を踏み荒らさないように心がけてください。
  • 斑尾山

    斑尾山

    大池からの登山口は、日帰り温泉施設「まだらおの湯」の脇からスタートします。遊具やマレットゴルフのコースがある脇を通り抜け、林道を歩きます。標柱のあるT字路を右へ進みます。別荘地を抜けると、次第に道幅が狭くなり、カラマツ林の中を緩やかに登っていきます。斑尾高原方面からの林道を横切って、木の階段がある登山道へ入ります。引き続き緩い傾斜の道を登っていくと、今度は舗装された林道に出ますので、これを左へ進みます。300mほど歩くと、斑尾山まで1,5kmの道標のある登山道入口があります。 ここで林道を外れて右へ進み登山道へ入ると、急坂になります。右側は、スギ林、左側はミズナラなどの雑木林です。一旦平らになった辺りからダケカンバが多くなり、傾斜も落ち着いてきます。ブナが増えてくると、山頂へと続く主稜線に出ます。最後はブナに囲まれた稜線を緩やかに登っていくと、斑尾山山頂です。石祠には十三体の薬師仏が祀られています。残念ながら山頂は展望がないので、天気の良い日は、西側のピークの大明神岳まで足を伸ばしてみましょう。ここからは野尻湖をはじめ、妙高山、黒姫山、飯縄山が良く見えます。 大明神岳を往復して再び斑尾山山頂へ戻ったら、左へ進みます。斑尾山の山頂は、長野、新潟の県境を歩くロングトレイル、「信越トレイル」の西側の起点になっていることもあって、万坂峠への下山ルートは信越トレイルのルートと同様になります。山頂から少し下って登り返すと、案内看板が置かれている北山頂です。ここは斑尾高原スキー場側とタングラムスキーサーカス側への分岐点で、万坂峠へは左の道を下ります。尾根上のブナ林が開けた場所からの展望も素晴らしいです。稜線上の小ピークから少し下ると、タングラムスキーサーカスの第2リフト終点に出ます。ここで道はさらにふたつに分かれます。左はタングラムスキーサーカスへ、右が県境に沿った万坂峠への道です。右へ進むと一度ブナ林に入りますが、すぐに斑尾高原スキー場のコースに出ます。コース内に付けられた九十九折りの道を下っていくと、次第に傾斜が緩くなっていきます。スキー場の案内看板がある場所で、コースが二股に分かれますが、万坂峠への道は右側のコースです。そのまま迂回コースを進み県道に出ると、そこが万坂峠です。スキー場のコースは敬遠されがちですが、ブナ林とダケカンバやシラカンバの林に挟まれたコースは、気持ち良く歩くことができます。時間があれば、続けて沼の原湿原を回るのもお勧めです。
    大池からの登山口は、日帰り温泉施設「まだらおの湯」の脇からスタートします。遊具やマレットゴルフのコースがある脇を通り抜け、林道を歩きます。標柱のあるT字路を右へ進みます。別荘地を抜けると、次第に道幅が狭くなり、カラマツ林の中を緩やかに登っていきます。斑尾高原方面からの林道を横切って、木の階段がある登山道へ入ります。引き続き緩い傾斜の道を登っていくと、今度は舗装された林道に出ますので、これを左へ進みます。300mほど歩くと、斑尾山まで1,5kmの道標のある登山道入口があります。 ここで林道を外れて右へ進み登山道へ入ると、急坂になります。右側は、スギ林、左側はミズナラなどの雑木林です。一旦平らになった辺りからダケカンバが多くなり、傾斜も落ち着いてきます。ブナが増えてくると、山頂へと続く主稜線に出ます。最後はブナに囲まれた稜線を緩やかに登っていくと、斑尾山山頂です。石祠には十三体の薬師仏が祀られています。残念ながら山頂は展望がないので、天気の良い日は、西側のピークの大明神岳まで足を伸ばしてみましょう。ここからは野尻湖をはじめ、妙高山、黒姫山、飯縄山が良く見えます。 大明神岳を往復して再び斑尾山山頂へ戻ったら、左へ進みます。斑尾山の山頂は、長野、新潟の県境を歩くロングトレイル、「信越トレイル」の西側の起点になっていることもあって、万坂峠への下山ルートは信越トレイルのルートと同様になります。山頂から少し下って登り返すと、案内看板が置かれている北山頂です。ここは斑尾高原スキー場側とタングラムスキーサーカス側への分岐点で、万坂峠へは左の道を下ります。尾根上のブナ林が開けた場所からの展望も素晴らしいです。稜線上の小ピークから少し下ると、タングラムスキーサーカスの第2リフト終点に出ます。ここで道はさらにふたつに分かれます。左はタングラムスキーサーカスへ、右が県境に沿った万坂峠への道です。右へ進むと一度ブナ林に入りますが、すぐに斑尾高原スキー場のコースに出ます。コース内に付けられた九十九折りの道を下っていくと、次第に傾斜が緩くなっていきます。スキー場の案内看板がある場所で、コースが二股に分かれますが、万坂峠への道は右側のコースです。そのまま迂回コースを進み県道に出ると、そこが万坂峠です。スキー場のコースは敬遠されがちですが、ブナ林とダケカンバやシラカンバの林に挟まれたコースは、気持ち良く歩くことができます。時間があれば、続けて沼の原湿原を回るのもお勧めです。
  • 袴岳

    袴岳

    起点となる赤池の駐車場から未舗装の道を少しだけ市道方向に戻ると、右側に登山道入口があります。雑木林の中の階段を登り、斜面を巻くように進んで分岐を右に折れると、スギ林の平らな場所に出ます。その後は斜面をトラバースする平坦な道を歩いていくと袴池に着きます。小さな池ですが、モリアオガエルが生息していて、6月の産卵時期にはたくさんの卵塊を見ることができます。 袴池から少し進むと袴岳山頂と万坂峠との分岐です。右に進み、斜面を登り切ると右側が切れ落ちていて、上越方面が開けています。きれいなブナ林の中を登っていくとベンチがある袴岳山頂に到着します。西側が開けていて、真正面に雄大な妙高山が望めます。 山頂から柏ヶ峠へ急坂を下り、峠で右へ折れ、山腹を巻いていきます。沢沿いを緩やかに下り、スギ林を通過すると林道に出るので、道なりに進めば赤池に戻ります。
    起点となる赤池の駐車場から未舗装の道を少しだけ市道方向に戻ると、右側に登山道入口があります。雑木林の中の階段を登り、斜面を巻くように進んで分岐を右に折れると、スギ林の平らな場所に出ます。その後は斜面をトラバースする平坦な道を歩いていくと袴池に着きます。小さな池ですが、モリアオガエルが生息していて、6月の産卵時期にはたくさんの卵塊を見ることができます。 袴池から少し進むと袴岳山頂と万坂峠との分岐です。右に進み、斜面を登り切ると右側が切れ落ちていて、上越方面が開けています。きれいなブナ林の中を登っていくとベンチがある袴岳山頂に到着します。西側が開けていて、真正面に雄大な妙高山が望めます。 山頂から柏ヶ峠へ急坂を下り、峠で右へ折れ、山腹を巻いていきます。沢沿いを緩やかに下り、スギ林を通過すると林道に出るので、道なりに進めば赤池に戻ります。
  • 虫倉山

    虫倉山

    不動滝の登山口からスギ林の中を登り出し、しばらく進むとハコネサンショウウオの生息地となっている沢を渡ります。沢から離れて斜面にジグザグに付けられた道を登り、天神城コースが左から合流すると、山頂へと続く尾根に出ます。尾根には東屋があり北アルプスの眺めが良いのでひと休みしましょう。稜線のゆるやかなアップダウンを繰り返し、途中の分岐を直進して虫倉山山頂へ向かいます。虫倉山山頂からは、北アルプスをはじめ、戸隠連峰、妙高連峰、富士山まで、大展望が楽しめます。下山ルートの猿すべりコースには急傾斜の細い尾根や、鎖や木の根などを掴みながら下る箇所もあります。 初級者には不動滝コースの往復がお勧めです。猿すべりコースは近年事故も多く上級者向け。下りに自信がない人は紹介したルートと逆回りで、猿すべりコースを登り、不動滝コースで下山が安全です。
    不動滝の登山口からスギ林の中を登り出し、しばらく進むとハコネサンショウウオの生息地となっている沢を渡ります。沢から離れて斜面にジグザグに付けられた道を登り、天神城コースが左から合流すると、山頂へと続く尾根に出ます。尾根には東屋があり北アルプスの眺めが良いのでひと休みしましょう。稜線のゆるやかなアップダウンを繰り返し、途中の分岐を直進して虫倉山山頂へ向かいます。虫倉山山頂からは、北アルプスをはじめ、戸隠連峰、妙高連峰、富士山まで、大展望が楽しめます。下山ルートの猿すべりコースには急傾斜の細い尾根や、鎖や木の根などを掴みながら下る箇所もあります。 初級者には不動滝コースの往復がお勧めです。猿すべりコースは近年事故も多く上級者向け。下りに自信がない人は紹介したルートと逆回りで、猿すべりコースを登り、不動滝コースで下山が安全です。
  • 信越トレイル縦走(関田山脈エリア)

    信越トレイル縦走(関田山脈エリア)

    NPO法人信越トレイルクラブにより、コース全体をセクション1から10までの10区間に分けられていてます。各セクションごとに日帰りで歩いても良いし、麓の宿やキャンプサイトを利用してのスルーハイクも魅力的です。アプローチできる峠はたくさんあるので、それぞれのペースや楽しみ方に合わせて計画すると良いでしょう。 セクション1は斑尾山からスタートです。いずれかのアプローチトレイルから斑尾山に登り、山頂からメインルートが始まります。万坂峠へのコース案内は、斑尾山(コースガイド)を参考にしてください。万坂峠で県道を横切り、袴湿原を通って袴岳を目指します。赤池までのコース案内は、袴岳(コースガイド)を参考にしてください。 セクション2は、湖沼と湿原を巡る、良く整備されたトレイルです。赤池から沼の原湿原、希望湖を経由して、毛無山へ登ります。山頂付近の展望スポットからは飯山の街が良く見えます。毛無山から涌井新池へ下り、農道に入ります。最後は舗装路を歩いて涌井集落に到着です。 セクション3は、山村風景が残る涌井集落から始まります。昔の流通の要だった富倉峠、大将陣跡などの史跡を通り、ソブの池に出ます。しばらく林道を歩いてから、ギフチョウが生息する黒岩山へ登ります。桂池、中古池、北古池湿原を過ぎて林道の突き当たりから山道に入ると、しばらくは平坦な道です。沢をいくつか越えながらアップダウンを繰り返すと、仏ヶ峰登山口に到着です。 セクション4からは、信越国境の尾根を忠実に辿ります。コース全体がブナ林に囲まれていて、信越トレイルの中心となる区間です。戸狩温泉スキー場上部の仏ヶ峰登山口から、まずは県境の尾根へ登ります。仏ヶ峰、小沢峠を経由し、さらにアップダウンを繰り返すと関田山脈の主峰である鍋倉山に着きます。黒倉山を越えて緩やかに下っていけば関田峠に到着です。 セクション5からは信越トレイル北部エリアで、これまでよりも自然が色濃く残っている区間へ入っていきます。関田峠から牧峠までは比較的緩やかな地形が続き歩きやすく、その後の宇津ノ俣峠までは、急な登り下りの連続となります。幻の池を通り、目の前に菱ヶ岳が見えたら伏野峠に到着です。 セクション6は、伏野峠から天水山を越えて長野側の栄村へと続くコースです。まずは菱ヶ岳を見ながら急坂を登ります。最初のピークから野々海峠まで細かくアップダウンを繰り返します。長野県最北地点を経由し、深坂峠へと出ます。新潟側は崖が続き、急坂を登って三方岳を越えると、次のピークが天水山です。その後は森宮野原駅へと続く道を下り、一旦麓の集落へ出ます。2021年秋に苗場山までのセクション7~10が延伸されました。
    NPO法人信越トレイルクラブにより、コース全体をセクション1から10までの10区間に分けられていてます。各セクションごとに日帰りで歩いても良いし、麓の宿やキャンプサイトを利用してのスルーハイクも魅力的です。アプローチできる峠はたくさんあるので、それぞれのペースや楽しみ方に合わせて計画すると良いでしょう。 セクション1は斑尾山からスタートです。いずれかのアプローチトレイルから斑尾山に登り、山頂からメインルートが始まります。万坂峠へのコース案内は、斑尾山(コースガイド)を参考にしてください。万坂峠で県道を横切り、袴湿原を通って袴岳を目指します。赤池までのコース案内は、袴岳(コースガイド)を参考にしてください。 セクション2は、湖沼と湿原を巡る、良く整備されたトレイルです。赤池から沼の原湿原、希望湖を経由して、毛無山へ登ります。山頂付近の展望スポットからは飯山の街が良く見えます。毛無山から涌井新池へ下り、農道に入ります。最後は舗装路を歩いて涌井集落に到着です。 セクション3は、山村風景が残る涌井集落から始まります。昔の流通の要だった富倉峠、大将陣跡などの史跡を通り、ソブの池に出ます。しばらく林道を歩いてから、ギフチョウが生息する黒岩山へ登ります。桂池、中古池、北古池湿原を過ぎて林道の突き当たりから山道に入ると、しばらくは平坦な道です。沢をいくつか越えながらアップダウンを繰り返すと、仏ヶ峰登山口に到着です。 セクション4からは、信越国境の尾根を忠実に辿ります。コース全体がブナ林に囲まれていて、信越トレイルの中心となる区間です。戸狩温泉スキー場上部の仏ヶ峰登山口から、まずは県境の尾根へ登ります。仏ヶ峰、小沢峠を経由し、さらにアップダウンを繰り返すと関田山脈の主峰である鍋倉山に着きます。黒倉山を越えて緩やかに下っていけば関田峠に到着です。 セクション5からは信越トレイル北部エリアで、これまでよりも自然が色濃く残っている区間へ入っていきます。関田峠から牧峠までは比較的緩やかな地形が続き歩きやすく、その後の宇津ノ俣峠までは、急な登り下りの連続となります。幻の池を通り、目の前に菱ヶ岳が見えたら伏野峠に到着です。 セクション6は、伏野峠から天水山を越えて長野側の栄村へと続くコースです。まずは菱ヶ岳を見ながら急坂を登ります。最初のピークから野々海峠まで細かくアップダウンを繰り返します。長野県最北地点を経由し、深坂峠へと出ます。新潟側は崖が続き、急坂を登って三方岳を越えると、次のピークが天水山です。その後は森宮野原駅へと続く道を下り、一旦麓の集落へ出ます。2021年秋に苗場山までのセクション7~10が延伸されました。
  • 北岳、間ノ岳から塩見岳へ

    北岳、間ノ岳から塩見岳へ

    広河原から北岳を経て間ノ岳までは、広河原から北岳、間ノ岳、農鳥岳を経て大門沢へ(コースガイド)を参照してください。 間ノ岳から西へ、岩礫の登山道を下っていきます。最低鞍部で仙丈ヶ岳からの道を合わせ、左に少し登ると三峰岳山頂です。目前の北岳から間ノ岳と長大な仙塩尾根を望むことができます。頂上は太い標柱やケルンもありますが、広くはありません。三峰岳の岩稜を下り、ハイマツが広がる三国平では農鳥小屋方面へ間ノ岳山腹をトラバースするコースを分けます。さらに下り、井川越を経てお花畑のなかにある熊の平小屋に着きます。 熊の平から樹林帯を進んで一度稜線上に出ますが、すぐに稜線直下東側の樹林帯を南下します。安倍荒倉岳も山頂直下東側を巻いており、山頂方面を示す指導標でそれとわかる程度です。緩やかに登降を繰り返し、展望の利く小岩峰の竜尾見晴を経由して、小さな草原からハイマツ帯を上り詰めると北荒川岳山頂です。 山頂は広く平坦ですが、西側は南荒川の源頭が断崖となっていて稜線が侵食されつつありあります。稜線の東側につけられた登山道周辺にはマルバダケブキが群生しています。点在するダケカンバの斜面から再び稜線に出て、ハイマツ帯の雪投沢源頭部から岩道をひと登りすると北俣岳分岐です。さらに高山植物を楽しみながら南西に登っていくと塩見岳東峰に着きます。三角点は西峰に在りますが、いずれからも眺望は抜群です。北岳、間ノ岳、荒川三山をはじめ南アルプスの主な山々を楽しむことができます。 塩見岳西峰山頂から岩場をジグザグに下ったり、ザレた場所を注意深く進んでいきます。さらに天狗岩からの急坂を下りハイマツ帯までいけば塩見小屋はもうすぐです。 塩見小屋を出て間もなく塩見新道の分岐を右に送り、権右衛門沢の源頭部の針葉樹の中を進んでいきます。さらに明るい立ち枯れの林を抜けると、ハイマツに囲まれた小さな本谷山山頂に着きます。ここから南へ稜線上を下った鞍部からは、三伏小屋跡に向かうルートがありましたが、通行止めとなっています。灌木帯を登り、三伏山までくれば三伏峠小屋はすぐです。 三伏峠小屋は日本一高い峠と言われる三伏峠の上に建っています。ここから鳥倉登山口までは1/10毎に標識があるので目安となるでしょう。木製の桟道も多くあるので滑らないように注意して進みましょう。豊口山とのコルで南斜面に乗り越し、整備された樹林帯を下っていくと鳥倉(豊口)登山口となります。
    広河原から北岳を経て間ノ岳までは、広河原から北岳、間ノ岳、農鳥岳を経て大門沢へ(コースガイド)を参照してください。 間ノ岳から西へ、岩礫の登山道を下っていきます。最低鞍部で仙丈ヶ岳からの道を合わせ、左に少し登ると三峰岳山頂です。目前の北岳から間ノ岳と長大な仙塩尾根を望むことができます。頂上は太い標柱やケルンもありますが、広くはありません。三峰岳の岩稜を下り、ハイマツが広がる三国平では農鳥小屋方面へ間ノ岳山腹をトラバースするコースを分けます。さらに下り、井川越を経てお花畑のなかにある熊の平小屋に着きます。 熊の平から樹林帯を進んで一度稜線上に出ますが、すぐに稜線直下東側の樹林帯を南下します。安倍荒倉岳も山頂直下東側を巻いており、山頂方面を示す指導標でそれとわかる程度です。緩やかに登降を繰り返し、展望の利く小岩峰の竜尾見晴を経由して、小さな草原からハイマツ帯を上り詰めると北荒川岳山頂です。 山頂は広く平坦ですが、西側は南荒川の源頭が断崖となっていて稜線が侵食されつつありあります。稜線の東側につけられた登山道周辺にはマルバダケブキが群生しています。点在するダケカンバの斜面から再び稜線に出て、ハイマツ帯の雪投沢源頭部から岩道をひと登りすると北俣岳分岐です。さらに高山植物を楽しみながら南西に登っていくと塩見岳東峰に着きます。三角点は西峰に在りますが、いずれからも眺望は抜群です。北岳、間ノ岳、荒川三山をはじめ南アルプスの主な山々を楽しむことができます。 塩見岳西峰山頂から岩場をジグザグに下ったり、ザレた場所を注意深く進んでいきます。さらに天狗岩からの急坂を下りハイマツ帯までいけば塩見小屋はもうすぐです。 塩見小屋を出て間もなく塩見新道の分岐を右に送り、権右衛門沢の源頭部の針葉樹の中を進んでいきます。さらに明るい立ち枯れの林を抜けると、ハイマツに囲まれた小さな本谷山山頂に着きます。ここから南へ稜線上を下った鞍部からは、三伏小屋跡に向かうルートがありましたが、通行止めとなっています。灌木帯を登り、三伏山までくれば三伏峠小屋はすぐです。 三伏峠小屋は日本一高い峠と言われる三伏峠の上に建っています。ここから鳥倉登山口までは1/10毎に標識があるので目安となるでしょう。木製の桟道も多くあるので滑らないように注意して進みましょう。豊口山とのコルで南斜面に乗り越し、整備された樹林帯を下っていくと鳥倉(豊口)登山口となります。
  • 北沢峠から甲斐駒ヶ岳へ

    北沢峠から甲斐駒ヶ岳へ

    北沢峠バス停から林道を山梨県側に500mほど進み、指導標に従って左側に北沢へと下ります。まもなく左手の岩に、甲斐駒・仙丈ヶ岳の開拓に力を尽くした竹沢長衛のレリーフがあらわれ、その先に長衛小屋があります。河原はキャンプ指定地です。 キャンプ指定地上流部で北沢にかかる橋を渡って栗沢山への分岐を右に見送り、左へ北沢沿いに登っていくと仙水小屋に着きます。小屋前には水場があります。周辺はキャンプ指定地になっています。 さらに進んで樹林帯を抜け、ハイマツのある岩塊の中、V字型の地形の底付近の登山道を進むと仙水峠に着きます。峠には多くのケルンが積まれており、また摩利支天が大きく聳える姿を見ることができます。 仙水峠からは急坂が続きます。針葉樹林を経てハイマツやダケカンバの林を抜けると森林限界となり、展望が開けるとまもなく駒津峰の山頂です。小広い山頂は展望がきき休憩にも適しています。 駒津峰からハイマツ帯の中の稜線上の道を進んでいくと、やがて六方石と呼ばれる巨岩が現れます。六方石の右側を巻くと、頂上への直登コースと巻道コースとに分かれます。直登コースは岩場が主体なので初心者は避けたほうがよいでしょう。分岐を右に巻道コースを進みます。岩場を下り、さらに続く坂を下りきると砂地の斜面をトラバース気味に進むようになります。砂に足を取られて登りづらいところですが頑張りましょう。摩利支天分岐から左へ山頂を目指します。ザラ場を着実に登っていくとやがて黒戸尾根分岐を示す指導標に出会います。ここまでくれば山頂はすぐです。駒ヶ岳神社本社を左に見送れば甲斐駒ヶ岳山頂となります。山頂には威力不動尊の石祠と1等三角点が設置してあります。眺望は言うまでもありません。大いに満喫しましょう。 山頂から来た道を戻ります。時間があれば、摩利支天に行くのもいいでしょう。片道10分ほどで行くことができます。谷底からそそり立つ摩利支天を実感できます。頂上には鉄剣も奉納されており、往時盛んだった山岳信仰の様子が伺えます。 駒津峰まで戻り、双児山に向かいます。前方に見える北岳や仙丈ヶ岳を楽しみながら背の低いハイマツ帯の中を下っていきます。やがて樹林帯となり駒津峰と双児山との鞍部を過ぎて登り返せば双児山となります。南東側の展望が開けています。双児山山頂を後にするとまもなく樹林帯に入ります。ここから単調な下りを進みます。登山道がジグザグになれば北沢峠バス停はもうすぐです。
    北沢峠バス停から林道を山梨県側に500mほど進み、指導標に従って左側に北沢へと下ります。まもなく左手の岩に、甲斐駒・仙丈ヶ岳の開拓に力を尽くした竹沢長衛のレリーフがあらわれ、その先に長衛小屋があります。河原はキャンプ指定地です。 キャンプ指定地上流部で北沢にかかる橋を渡って栗沢山への分岐を右に見送り、左へ北沢沿いに登っていくと仙水小屋に着きます。小屋前には水場があります。周辺はキャンプ指定地になっています。 さらに進んで樹林帯を抜け、ハイマツのある岩塊の中、V字型の地形の底付近の登山道を進むと仙水峠に着きます。峠には多くのケルンが積まれており、また摩利支天が大きく聳える姿を見ることができます。 仙水峠からは急坂が続きます。針葉樹林を経てハイマツやダケカンバの林を抜けると森林限界となり、展望が開けるとまもなく駒津峰の山頂です。小広い山頂は展望がきき休憩にも適しています。 駒津峰からハイマツ帯の中の稜線上の道を進んでいくと、やがて六方石と呼ばれる巨岩が現れます。六方石の右側を巻くと、頂上への直登コースと巻道コースとに分かれます。直登コースは岩場が主体なので初心者は避けたほうがよいでしょう。分岐を右に巻道コースを進みます。岩場を下り、さらに続く坂を下りきると砂地の斜面をトラバース気味に進むようになります。砂に足を取られて登りづらいところですが頑張りましょう。摩利支天分岐から左へ山頂を目指します。ザラ場を着実に登っていくとやがて黒戸尾根分岐を示す指導標に出会います。ここまでくれば山頂はすぐです。駒ヶ岳神社本社を左に見送れば甲斐駒ヶ岳山頂となります。山頂には威力不動尊の石祠と1等三角点が設置してあります。眺望は言うまでもありません。大いに満喫しましょう。 山頂から来た道を戻ります。時間があれば、摩利支天に行くのもいいでしょう。片道10分ほどで行くことができます。谷底からそそり立つ摩利支天を実感できます。頂上には鉄剣も奉納されており、往時盛んだった山岳信仰の様子が伺えます。 駒津峰まで戻り、双児山に向かいます。前方に見える北岳や仙丈ヶ岳を楽しみながら背の低いハイマツ帯の中を下っていきます。やがて樹林帯となり駒津峰と双児山との鞍部を過ぎて登り返せば双児山となります。南東側の展望が開けています。双児山山頂を後にするとまもなく樹林帯に入ります。ここから単調な下りを進みます。登山道がジグザグになれば北沢峠バス停はもうすぐです。
  • 黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳へ

    黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳へ

    登山口の尾白川渓谷駐車場までは、マイカーか韮崎駅からタクシーで向かいます。竹宇駒ヶ岳神社の社殿の横から登山道に入り、尾白川に架かる吊橋を渡って、山腹に取りつき尾白川渓谷道を分け、十二曲りの急坂を登ると再び渓谷周遊路を分けます。ひと登りすると道は左へ山腹を巻くようにつけられていますが、尾根上に出たところから尾根をたどって登るようになります。 樹林帯の中の坂を登っていくと、笹ノ平分岐となり、横手駒ヶ岳神社からの道と合わせます。さらにクマザサの中を進むと、八丁登りと呼ばれる長い登りが続いています。平坦な前屏風ノ頭を越えると、刃渡りの岩場となります。ここは尾根が急に細くなり、道の両側が左右の谷に深く落ちこんでいます。鎖も張られていますが、注意して進みましょう。 一度樹林帯に入り、鎖場を超え、はしごを登り切ったところが刀利天狗です。ここには「黒砥山刀利天狗」の碑や祠が設置されています。ここから黒戸山北面を巻き終えると、鞍部の少し手前の五合目小屋跡に出ます。 鞍部からすぐ屏風岩の登りとなります。要所には梯子と鎖が付けられているので安心です。やがて樹林帯を抜けると七丈第一小屋に着きます。30mほど先に七丈第二小屋があり、キャンプ指定地はさらに一段上にあります。 キャンプ指定地の脇を抜け、ところどころに梯子や鎖の設置された道を登っていくと、次第にハイマツやダケカンバが目立つようになり、やがて八合目の石鳥居(倒壊)に着きます。この台地は、御来迎場としてかつて講中が日の出を拝する霊場でした。眺望は開けており、眼前には駒ヶ岳山頂の岩肌が白く輝いて見えます。ここからは、花崗岩のザレと鎖のついた岩場が連続しており、確実に進んでいくと2965.5mの東峰に着きます。ここは大己貴命を祀る駒ヶ岳神社本社の石祠が立っています。 さらに左から北沢峠からの道を合わせて少し登れば、1等三角点の設置された標高2967mの甲斐駒ヶ岳山頂に着きます。展望は申し分ありません。八ヶ岳、北アルプス、南アルプス、富士山、奥秩父など存分に楽しみましょう。ここにも石祠があり威力不動尊が祀られています。 甲斐駒ヶ岳山頂から北沢峠までは北沢峠から甲斐駒ヶ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。
    登山口の尾白川渓谷駐車場までは、マイカーか韮崎駅からタクシーで向かいます。竹宇駒ヶ岳神社の社殿の横から登山道に入り、尾白川に架かる吊橋を渡って、山腹に取りつき尾白川渓谷道を分け、十二曲りの急坂を登ると再び渓谷周遊路を分けます。ひと登りすると道は左へ山腹を巻くようにつけられていますが、尾根上に出たところから尾根をたどって登るようになります。 樹林帯の中の坂を登っていくと、笹ノ平分岐となり、横手駒ヶ岳神社からの道と合わせます。さらにクマザサの中を進むと、八丁登りと呼ばれる長い登りが続いています。平坦な前屏風ノ頭を越えると、刃渡りの岩場となります。ここは尾根が急に細くなり、道の両側が左右の谷に深く落ちこんでいます。鎖も張られていますが、注意して進みましょう。 一度樹林帯に入り、鎖場を超え、はしごを登り切ったところが刀利天狗です。ここには「黒砥山刀利天狗」の碑や祠が設置されています。ここから黒戸山北面を巻き終えると、鞍部の少し手前の五合目小屋跡に出ます。 鞍部からすぐ屏風岩の登りとなります。要所には梯子と鎖が付けられているので安心です。やがて樹林帯を抜けると七丈第一小屋に着きます。30mほど先に七丈第二小屋があり、キャンプ指定地はさらに一段上にあります。 キャンプ指定地の脇を抜け、ところどころに梯子や鎖の設置された道を登っていくと、次第にハイマツやダケカンバが目立つようになり、やがて八合目の石鳥居(倒壊)に着きます。この台地は、御来迎場としてかつて講中が日の出を拝する霊場でした。眺望は開けており、眼前には駒ヶ岳山頂の岩肌が白く輝いて見えます。ここからは、花崗岩のザレと鎖のついた岩場が連続しており、確実に進んでいくと2965.5mの東峰に着きます。ここは大己貴命を祀る駒ヶ岳神社本社の石祠が立っています。 さらに左から北沢峠からの道を合わせて少し登れば、1等三角点の設置された標高2967mの甲斐駒ヶ岳山頂に着きます。展望は申し分ありません。八ヶ岳、北アルプス、南アルプス、富士山、奥秩父など存分に楽しみましょう。ここにも石祠があり威力不動尊が祀られています。 甲斐駒ヶ岳山頂から北沢峠までは北沢峠から甲斐駒ヶ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。
  • 北沢峠から藪沢を経て仙丈ヶ岳へ

    北沢峠から藪沢を経て仙丈ヶ岳へ

    北沢峠バス停から林道を250mほど長野県側に進み、指導標に従って左の登山道を下っていくと再び林道と出会い、大平山荘に着きます。山荘の右を通り、そこから樹林帯の中を藪沢へと向かって進みます。まもなく、鋸岳榛の木展望台と記された場所からは甲斐駒ヶ岳北西の鋸岳が見事です。再び樹林帯に入り、やがてジグザグに切られた急坂を登るようになります。尾根を乗り越え、右に沢の音を聞きながら藪沢へと進みます。(大滝の展望台への道は通行できません。)藪沢沿いに左岸登っていくと丸木橋で左岸へと導かれます。振り返ると甲斐駒ケ岳がⅤ字谷の向こうに大きく聳えています。少しずつお花畑も見られるようになり、小仙丈ヶ岳コース5合目からの登山道と合わせた場所から沢を離れて右手斜面をひと登りすればダケカンバ林の中に馬の背ヒュッテが現れます。この周辺からは植生保護柵が張られ、以前見られたお花畑が回復しつつあります。馬の背ヒュッテからひと登りで馬ノ背との鞍部に出ます。時間があればここから北へ、馬ノ背まで足を延ばしてもいいでしょう。高山植物が多彩です。 馬ノ背との鞍部から南西に稜線上を登っていきます。ハイマツの向こうに大きなカール地形を抱えた仙丈ヶ岳が見えるようになり、点在するお花畑のなかの登山道を進みます。 稜線を外れ、藪沢カールを目指すようになり、藪沢源流部に着けば仙丈小屋はもうすぐです。源流部には水場もありますが、夏から秋を中心に枯れることもあるので、馬の背ヒュッテやその前の藪沢を遡行している段階で補給しておくと安心です。 仙丈小屋はカールの下端に位置しています。小屋から山頂へ向かって、カールの右寄りのガラ場を登ります。西側から地蔵尾根ルートを合わせるとひと登りで仙丈ヶ岳山頂に到着します。山頂部はやや狭いですが、眺望は一級品です。十分に堪能しましょう。 下山は小仙丈ヶ岳方面に進みます。藪沢カールを左側に見下ろしながら、やがて右側に小仙丈カールを眺めながら緩やかに下ります。仙丈小屋へのルートを分けハイマツ帯を下って、露岩帯を再び登ると小仙丈ヶ岳です。振り返れば小仙丈カールの向こうの仙丈ヶ岳が見事です。小仙丈ヶ岳から、尾根上をはじめジグザグに下り、やがて樹林帯の中の登山道を進めば、大滝ノ頭五合目となります。ここで薮沢小屋から馬ノ背に通じる登山道を左に見送ります。展望のない原生林のなかの登山道をひたすら下れば、北沢峠へと到着します。
    北沢峠バス停から林道を250mほど長野県側に進み、指導標に従って左の登山道を下っていくと再び林道と出会い、大平山荘に着きます。山荘の右を通り、そこから樹林帯の中を藪沢へと向かって進みます。まもなく、鋸岳榛の木展望台と記された場所からは甲斐駒ヶ岳北西の鋸岳が見事です。再び樹林帯に入り、やがてジグザグに切られた急坂を登るようになります。尾根を乗り越え、右に沢の音を聞きながら藪沢へと進みます。(大滝の展望台への道は通行できません。)藪沢沿いに左岸登っていくと丸木橋で左岸へと導かれます。振り返ると甲斐駒ケ岳がⅤ字谷の向こうに大きく聳えています。少しずつお花畑も見られるようになり、小仙丈ヶ岳コース5合目からの登山道と合わせた場所から沢を離れて右手斜面をひと登りすればダケカンバ林の中に馬の背ヒュッテが現れます。この周辺からは植生保護柵が張られ、以前見られたお花畑が回復しつつあります。馬の背ヒュッテからひと登りで馬ノ背との鞍部に出ます。時間があればここから北へ、馬ノ背まで足を延ばしてもいいでしょう。高山植物が多彩です。 馬ノ背との鞍部から南西に稜線上を登っていきます。ハイマツの向こうに大きなカール地形を抱えた仙丈ヶ岳が見えるようになり、点在するお花畑のなかの登山道を進みます。 稜線を外れ、藪沢カールを目指すようになり、藪沢源流部に着けば仙丈小屋はもうすぐです。源流部には水場もありますが、夏から秋を中心に枯れることもあるので、馬の背ヒュッテやその前の藪沢を遡行している段階で補給しておくと安心です。 仙丈小屋はカールの下端に位置しています。小屋から山頂へ向かって、カールの右寄りのガラ場を登ります。西側から地蔵尾根ルートを合わせるとひと登りで仙丈ヶ岳山頂に到着します。山頂部はやや狭いですが、眺望は一級品です。十分に堪能しましょう。 下山は小仙丈ヶ岳方面に進みます。藪沢カールを左側に見下ろしながら、やがて右側に小仙丈カールを眺めながら緩やかに下ります。仙丈小屋へのルートを分けハイマツ帯を下って、露岩帯を再び登ると小仙丈ヶ岳です。振り返れば小仙丈カールの向こうの仙丈ヶ岳が見事です。小仙丈ヶ岳から、尾根上をはじめジグザグに下り、やがて樹林帯の中の登山道を進めば、大滝ノ頭五合目となります。ここで薮沢小屋から馬ノ背に通じる登山道を左に見送ります。展望のない原生林のなかの登山道をひたすら下れば、北沢峠へと到着します。
  • 仙丈ヶ岳から間ノ岳を経て北岳へ

    仙丈ヶ岳から間ノ岳を経て北岳へ

    北沢峠から仙丈ヶ岳までは北沢峠から藪沢を経て仙丈ヶ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 仙丈ヶ岳から南へ仙塩尾根に入っていくと、歩く人の数は格段に少なくなります。大仙丈沢カールを左に見下ろしながら下り、尾根の西側の道を登り返すと大仙丈ヶ岳です。 さらに南へ進むと二重山稜となります。ハイマツ帯の尾根道を下っていきますが、ところどころ窪地がみられます。2676m峰を過ぎたあたりから樹林帯に入ります。マルバダケブキやバイケイソウの群落は地図上のフキノ平より北側にあります。次第に高度を下げると伊那荒倉岳に着きます。展望のきかない樹林の中の小さなピークです。ここを越えるとすぐに高望池です。池は干上がっており、長野側の往復5分ほどの所にある水場は夏を中心に枯れることがあるので注意しましょう。ここから2499m峰までの間は倒木が多くなっています。樹林帯の中の小ピークをいくつか乗り越し、小さく開けた露岩の独標2499mで展望が開けます。再び樹林帯に入りアップダウンを繰り返すと、横川岳に着きます。ここから登山道は南東方向に直角に曲がっており、これを下りきると仙塩尾根の最低鞍部である野呂川越です。 両俣小屋へは一度稜線から離れ、北東へ急坂を下って、野呂川右俣沢を下流に進むと着きます。 両俣小屋から野呂川越に戻り、南東に三峰岳を目指します。樹間に北岳などが見えてきます。独標2699mを超えると灌木帯となり、やがて尾根はやせてきて、途中5mほどの鎖場を超えていくと、砂礫地の急坂となります。 三峰岳直下で間ノ岳からの縦走路を合わせます。三峰岳山頂はすぐ上なので行っておきましょう。分岐に戻り、ガレているやせた岩稜を右手に農鳥岳を見ながら間ノ岳に向かって登っていきます。やがて着いた広い間ノ岳山頂からは南に赤石岳、聖岳、光岳、西に中央アルプス、さらに乗鞍岳、北アルプスの山々、北から東へは八ヶ岳、奥秩父山系と360°の展望が得られます。ここから北へ小さなアップダウンを繰り返して、中白根山を越えてさらに北上すれば北岳山荘に着きます。 北岳山荘から北岳への道は稜線上と稜線南東側のトラバース道の二つがあります。二つの道は吊り尾根分岐との中間地点で合流します。(トラバース道はここから稜線を通らず、再び山腹を巻いて八本歯のコル方面へ向かっていきます。シーズンにはこの道沿いにキタダケソウを見ることができます。)岩稜帯の尾根上を登り、八本歯のコルへと続く吊り尾根分岐を東へ分けてさらに北上すると標高3193mの北岳山頂です。ここからは広河原から白根御池を経て北岳へ(コースガイド)を参照してください。
    北沢峠から仙丈ヶ岳までは北沢峠から藪沢を経て仙丈ヶ岳へ(コースガイド)を参照して下さい。 仙丈ヶ岳から南へ仙塩尾根に入っていくと、歩く人の数は格段に少なくなります。大仙丈沢カールを左に見下ろしながら下り、尾根の西側の道を登り返すと大仙丈ヶ岳です。 さらに南へ進むと二重山稜となります。ハイマツ帯の尾根道を下っていきますが、ところどころ窪地がみられます。2676m峰を過ぎたあたりから樹林帯に入ります。マルバダケブキやバイケイソウの群落は地図上のフキノ平より北側にあります。次第に高度を下げると伊那荒倉岳に着きます。展望のきかない樹林の中の小さなピークです。ここを越えるとすぐに高望池です。池は干上がっており、長野側の往復5分ほどの所にある水場は夏を中心に枯れることがあるので注意しましょう。ここから2499m峰までの間は倒木が多くなっています。樹林帯の中の小ピークをいくつか乗り越し、小さく開けた露岩の独標2499mで展望が開けます。再び樹林帯に入りアップダウンを繰り返すと、横川岳に着きます。ここから登山道は南東方向に直角に曲がっており、これを下りきると仙塩尾根の最低鞍部である野呂川越です。 両俣小屋へは一度稜線から離れ、北東へ急坂を下って、野呂川右俣沢を下流に進むと着きます。 両俣小屋から野呂川越に戻り、南東に三峰岳を目指します。樹間に北岳などが見えてきます。独標2699mを超えると灌木帯となり、やがて尾根はやせてきて、途中5mほどの鎖場を超えていくと、砂礫地の急坂となります。 三峰岳直下で間ノ岳からの縦走路を合わせます。三峰岳山頂はすぐ上なので行っておきましょう。分岐に戻り、ガレているやせた岩稜を右手に農鳥岳を見ながら間ノ岳に向かって登っていきます。やがて着いた広い間ノ岳山頂からは南に赤石岳、聖岳、光岳、西に中央アルプス、さらに乗鞍岳、北アルプスの山々、北から東へは八ヶ岳、奥秩父山系と360°の展望が得られます。ここから北へ小さなアップダウンを繰り返して、中白根山を越えてさらに北上すれば北岳山荘に着きます。 北岳山荘から北岳への道は稜線上と稜線南東側のトラバース道の二つがあります。二つの道は吊り尾根分岐との中間地点で合流します。(トラバース道はここから稜線を通らず、再び山腹を巻いて八本歯のコル方面へ向かっていきます。シーズンにはこの道沿いにキタダケソウを見ることができます。)岩稜帯の尾根上を登り、八本歯のコルへと続く吊り尾根分岐を東へ分けてさらに北上すると標高3193mの北岳山頂です。ここからは広河原から白根御池を経て北岳へ(コースガイド)を参照してください。