【2泊3日】の登山コースガイド

2泊3日

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岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要
岩場やクサリ場などがあって、中級以上の技術と経験が必要
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検索結果42件中  21-40件
  • 一ノ沢から常念岳・蝶ヶ岳へ

    一ノ沢から常念岳・蝶ヶ岳へ

    松本・安曇野方面から北アルプスを眺めた際、目の前にぐっとせり上がる山群は前山と呼ばれ、その代表格が常念岳・蝶ヶ岳です。常念岳の名は常念坊伝説から、蝶ヶ岳は春先の雪形がその由来だとか。ともに麓の人々から、古くから親しまれた山々です。 一ノ沢登山口までタクシーが入りますが、マイカーはその手前、徒歩20分ほどの駐車場に車を置くことになります。しばらくは針葉樹の多い道を一ノ沢に沿って登って行きます。立派な鳥居が立つ山ノ神や古池を通ります。時には流れの脇を通るような道のりが続き、休憩ポイントとなる王滝ベンチ、烏帽子沢と歩いて行きます。胸突八丁では沢筋から大きく高巻きます。丸太の階段もあり、足元注意の場所です。再び沢筋に戻り、右岸へ移ると最終水場。この付近も休憩ポイントです。ここからは登りが続き、第三ベンチまでくればあと300mで常念乗越です。常念乗越の梓川側へわずかに下った位置に常念小屋が建っています。 乗越からはジグザグの登りが続き、前常念岳から三股へ向かう道を分けると、傾斜も緩くなり祠の建つ常念岳山頂はすぐです。 山頂からは浮石に気をつけての下り。2592m峰の直下となる斜面はニッコウキスゲが見事に咲き誇るお花畑です。再び樹林帯に入り、登り返すと展望が開けます。 蝶槍を越えると、穏やかな見晴らしの良い稜線歩きとなります。左手に三角点のある旧蝶ヶ岳山頂を過ごし、横尾方面分岐を分け、ひと登りで展望盤の設置された瞑想の丘。蝶ヶ岳ヒュッテはもう目と鼻の先です。蝶ヶ岳山頂は小屋よりわずか先のピークです。 蝶ヶ岳から三股へは、テント場の横を抜けるように下って行きます。お花畑を過ぎて稜線をたどると大滝山方面との分岐があり、ここで左手に折れます。標高2500m付近に最終ベンチがあります。展望のない樹林帯に入り、わずかに登ったところで、まめうち平に到着します。明るい広場のようになっており、休憩にピッタリです。 ここからは、しばらく尾根上を下ります。木製のステップが整備され歩きやすい道です。尾根から離れ、しばらくは斜面をトラバースするように進みます。ゴジラに似ている木などを楽しみながらさらに下ります。力水の水場を過ぎてまもなく吊橋となり左岸に渡って下流側に向かうと三股はすぐです。ここから三股駐車場まではのんびり20分ほどです。
    松本・安曇野方面から北アルプスを眺めた際、目の前にぐっとせり上がる山群は前山と呼ばれ、その代表格が常念岳・蝶ヶ岳です。常念岳の名は常念坊伝説から、蝶ヶ岳は春先の雪形がその由来だとか。ともに麓の人々から、古くから親しまれた山々です。 一ノ沢登山口までタクシーが入りますが、マイカーはその手前、徒歩20分ほどの駐車場に車を置くことになります。しばらくは針葉樹の多い道を一ノ沢に沿って登って行きます。立派な鳥居が立つ山ノ神や古池を通ります。時には流れの脇を通るような道のりが続き、休憩ポイントとなる王滝ベンチ、烏帽子沢と歩いて行きます。胸突八丁では沢筋から大きく高巻きます。丸太の階段もあり、足元注意の場所です。再び沢筋に戻り、右岸へ移ると最終水場。この付近も休憩ポイントです。ここからは登りが続き、第三ベンチまでくればあと300mで常念乗越です。常念乗越の梓川側へわずかに下った位置に常念小屋が建っています。 乗越からはジグザグの登りが続き、前常念岳から三股へ向かう道を分けると、傾斜も緩くなり祠の建つ常念岳山頂はすぐです。 山頂からは浮石に気をつけての下り。2592m峰の直下となる斜面はニッコウキスゲが見事に咲き誇るお花畑です。再び樹林帯に入り、登り返すと展望が開けます。 蝶槍を越えると、穏やかな見晴らしの良い稜線歩きとなります。左手に三角点のある旧蝶ヶ岳山頂を過ごし、横尾方面分岐を分け、ひと登りで展望盤の設置された瞑想の丘。蝶ヶ岳ヒュッテはもう目と鼻の先です。蝶ヶ岳山頂は小屋よりわずか先のピークです。 蝶ヶ岳から三股へは、テント場の横を抜けるように下って行きます。お花畑を過ぎて稜線をたどると大滝山方面との分岐があり、ここで左手に折れます。標高2500m付近に最終ベンチがあります。展望のない樹林帯に入り、わずかに登ったところで、まめうち平に到着します。明るい広場のようになっており、休憩にピッタリです。 ここからは、しばらく尾根上を下ります。木製のステップが整備され歩きやすい道です。尾根から離れ、しばらくは斜面をトラバースするように進みます。ゴジラに似ている木などを楽しみながらさらに下ります。力水の水場を過ぎてまもなく吊橋となり左岸に渡って下流側に向かうと三股はすぐです。ここから三股駐車場まではのんびり20分ほどです。
  • 広河原から北岳、間ノ岳、農鳥岳を経て大門沢へ

    広河原から北岳、間ノ岳、農鳥岳を経て大門沢へ

    広河原から北岳については大樺沢から北岳へ(コースガイド)または広河原から白根御池を経て北岳へ(コースガイド)を参照してください。 北岳山頂から南へ痩せた岩稜を下っていきます。吊尾根分岐から北岳山荘までの間には高山植物が多く繁っているので楽しみながら進みましょう。ハイマツ帯に入り平坦になると北岳山荘に着きます。なお、少し遠回りとなりますが、吊尾根分岐から一度八本歯のコル分岐まで東に降りた後、北岳山荘へトラバースルートを進むと高山植物(シーズンには固有種であるキタダケソウも)をよりしっかり観察できます。 北岳山荘から南西に緩やかに登ると中白根山に着きます。標高は3055mとここも3000m峰です。振り返れば北岳が凛とした姿を見せてくれます。さらに広い尾根をたどっていくと間ノ岳です。 間ノ岳山頂は広く荒天時には迷いやすいので注意しましょう。南東へ主稜線の岩道をペンキ印に導かれながら下り、三国平からの巻道を合わせて小ピークを巻けば農鳥小屋に着きます。 農鳥小屋から西農鳥岳へ、次第に急坂になっていく登山道をジグザグに登ります。大きな岩稜を右から巻いて急登すると、西農鳥岳の山頂に出ます。標高は200名山の農鳥岳より高い3051mです。ここからいくつかの岩頭の右側を巻いていくと平坦な農鳥岳山頂に着きます。 農鳥岳から広い尾根道を辿って下ります。やがて稜線の東側を巻くように進んでいくと大門沢下降点です。ここには鐘を吊した鉄製の遭難碑があります。広く平らになっているので、ガスの時には注意しましょう。大門沢には、はじめハイマツ帯を大きく蛇行しながら下っていきます。やがてお花畑を過ぎ針葉樹林の中に入ります。右手にガレ沢が近づき、左手に沢の音を聞きながら進めば大門沢小屋に着きます。ここのキャンプ指定地からは、富士山を望むことができます。 大門沢小屋を出てすぐに丸木橋で左岸に渡りますが、間もなく右岸に戻り樹林の中に入っていきます。小尾根を巻き八丁坂と呼ばれる道をジグザグに下りきって大古森沢を渡ります。さらに小古森沢を通過すると、最初の吊橋となります。これを渡ると発電所の取水口があります。沢沿いの登山道を下り、吊橋を2度渡ると間もなく大門沢登山道入口となります。 ここから車道歩きとなり30分ほどで広河内橋となります。さらに早川沿いの県道を30分ほど進めば奈良田バス停に到着します。
    広河原から北岳については大樺沢から北岳へ(コースガイド)または広河原から白根御池を経て北岳へ(コースガイド)を参照してください。 北岳山頂から南へ痩せた岩稜を下っていきます。吊尾根分岐から北岳山荘までの間には高山植物が多く繁っているので楽しみながら進みましょう。ハイマツ帯に入り平坦になると北岳山荘に着きます。なお、少し遠回りとなりますが、吊尾根分岐から一度八本歯のコル分岐まで東に降りた後、北岳山荘へトラバースルートを進むと高山植物(シーズンには固有種であるキタダケソウも)をよりしっかり観察できます。 北岳山荘から南西に緩やかに登ると中白根山に着きます。標高は3055mとここも3000m峰です。振り返れば北岳が凛とした姿を見せてくれます。さらに広い尾根をたどっていくと間ノ岳です。 間ノ岳山頂は広く荒天時には迷いやすいので注意しましょう。南東へ主稜線の岩道をペンキ印に導かれながら下り、三国平からの巻道を合わせて小ピークを巻けば農鳥小屋に着きます。 農鳥小屋から西農鳥岳へ、次第に急坂になっていく登山道をジグザグに登ります。大きな岩稜を右から巻いて急登すると、西農鳥岳の山頂に出ます。標高は200名山の農鳥岳より高い3051mです。ここからいくつかの岩頭の右側を巻いていくと平坦な農鳥岳山頂に着きます。 農鳥岳から広い尾根道を辿って下ります。やがて稜線の東側を巻くように進んでいくと大門沢下降点です。ここには鐘を吊した鉄製の遭難碑があります。広く平らになっているので、ガスの時には注意しましょう。大門沢には、はじめハイマツ帯を大きく蛇行しながら下っていきます。やがてお花畑を過ぎ針葉樹林の中に入ります。右手にガレ沢が近づき、左手に沢の音を聞きながら進めば大門沢小屋に着きます。ここのキャンプ指定地からは、富士山を望むことができます。 大門沢小屋を出てすぐに丸木橋で左岸に渡りますが、間もなく右岸に戻り樹林の中に入っていきます。小尾根を巻き八丁坂と呼ばれる道をジグザグに下りきって大古森沢を渡ります。さらに小古森沢を通過すると、最初の吊橋となります。これを渡ると発電所の取水口があります。沢沿いの登山道を下り、吊橋を2度渡ると間もなく大門沢登山道入口となります。 ここから車道歩きとなり30分ほどで広河内橋となります。さらに早川沿いの県道を30分ほど進めば奈良田バス停に到着します。
  • 白馬岳から鑓温泉

    白馬岳から鑓温泉

    白馬岳から下山する人の大半は、白馬大池から栂池のコースか、この鑓温泉経由で猿倉に下るコースに二分されます。白馬鑓温泉を経由する本コースは何といっても、下山後の温泉が魅力。 唐松岳への縦走路を、祖母谷への道を右に見て丸山の頂上に立ちます。剱、立山連峰が真正面で眼下は黒部峡谷です。 丸山を下って杓子岳の鞍郡に出るには、いったん大きくジグザグに下り、また登り返します。このあたりから鑓ヶ岳にかけては、コマクサをはじめ高山植物の豊富なところです。杓子岳は山頂を通る道もありますが、普通は山腹を巻いて鑓ヶ岳の鞍部に出ます。小鑓への登りはちょっときつそうであるものの、実際はそれほどでもありません。このあたりは、時期が早ければチョウノスケソウなど豊富な花々が咲き乱れるエリアです。 小鑓から鑓ヶ岳の頂上へは広い尾根道を進みます。鑓ヶ岳山頂では、360度の展望を楽しむことができます。南に五竜岳、鹿島槍への縦走路が続き、鑓温泉への道も眼下に見られます。 砕石道の急斜面を足元に気を付けて下っていくと、鑓温泉への分岐点に着きます。ここからは信州側の急斜面を一気に下ることになりますが、途中、雪田を横切る時期もあります。やがて大出原のお花畑に着くが、クルマユリとハクサンフウロ、ミヤマキンポウゲなどの大群落は、北アルプス全山でも有数のものです。 お花畑の下部からジグザグ道を下っていきます。途中、露岩帯に針金や鎖場があるので、慎重に下りましょう。雪渓の残る谷に沿って行くようになると、温泉小屋が見えてきます。鑓温泉は標高2100mの高所温泉として知られる山のいで湯です。ぜひ、一浴していきましょう。一泊すれば山旅の楽しい思い出になること間違いありません。 温泉は小屋のすぐ裏の岩の裂け目から噴き出しています。小屋の下に露天風呂があり、その下がテント場です。下山路はテント場を横切り、湯に洗われ苔むした草付きの斜面を下り、いくつかの雪渓をトラバースして越えて行きます。必ず指導標や紅ガラに従って歩くこと。 小日向のコルまではゆるい登り下りの道で、コルを越すと、湿性の草原があります。ニッコウキスゲ等が咲き乱れ、白馬岳が一段と高くそびえています。あとは坦々とした山道を折り返しながら下り、やがて一直線の道になりヒザが笑いだすころ、周りの木々がだんだんと大きくなり、猿倉はもうすぐです。
    白馬岳から下山する人の大半は、白馬大池から栂池のコースか、この鑓温泉経由で猿倉に下るコースに二分されます。白馬鑓温泉を経由する本コースは何といっても、下山後の温泉が魅力。 唐松岳への縦走路を、祖母谷への道を右に見て丸山の頂上に立ちます。剱、立山連峰が真正面で眼下は黒部峡谷です。 丸山を下って杓子岳の鞍郡に出るには、いったん大きくジグザグに下り、また登り返します。このあたりから鑓ヶ岳にかけては、コマクサをはじめ高山植物の豊富なところです。杓子岳は山頂を通る道もありますが、普通は山腹を巻いて鑓ヶ岳の鞍部に出ます。小鑓への登りはちょっときつそうであるものの、実際はそれほどでもありません。このあたりは、時期が早ければチョウノスケソウなど豊富な花々が咲き乱れるエリアです。 小鑓から鑓ヶ岳の頂上へは広い尾根道を進みます。鑓ヶ岳山頂では、360度の展望を楽しむことができます。南に五竜岳、鹿島槍への縦走路が続き、鑓温泉への道も眼下に見られます。 砕石道の急斜面を足元に気を付けて下っていくと、鑓温泉への分岐点に着きます。ここからは信州側の急斜面を一気に下ることになりますが、途中、雪田を横切る時期もあります。やがて大出原のお花畑に着くが、クルマユリとハクサンフウロ、ミヤマキンポウゲなどの大群落は、北アルプス全山でも有数のものです。 お花畑の下部からジグザグ道を下っていきます。途中、露岩帯に針金や鎖場があるので、慎重に下りましょう。雪渓の残る谷に沿って行くようになると、温泉小屋が見えてきます。鑓温泉は標高2100mの高所温泉として知られる山のいで湯です。ぜひ、一浴していきましょう。一泊すれば山旅の楽しい思い出になること間違いありません。 温泉は小屋のすぐ裏の岩の裂け目から噴き出しています。小屋の下に露天風呂があり、その下がテント場です。下山路はテント場を横切り、湯に洗われ苔むした草付きの斜面を下り、いくつかの雪渓をトラバースして越えて行きます。必ず指導標や紅ガラに従って歩くこと。 小日向のコルまではゆるい登り下りの道で、コルを越すと、湿性の草原があります。ニッコウキスゲ等が咲き乱れ、白馬岳が一段と高くそびえています。あとは坦々とした山道を折り返しながら下り、やがて一直線の道になりヒザが笑いだすころ、周りの木々がだんだんと大きくなり、猿倉はもうすぐです。
  • 白馬岳から唐松岳

    白馬岳から唐松岳

    白馬岳から唐松岳への縦走は、前半の天狗山荘まではなだらかなコースですが、後半には天狗ノ大下りや、岩場に鎖場や梯子などがある不帰キレットといった難路がある長丁場です。山の経験豊富なリーダーに従って歩きましょう。時間に余裕があれば、高山植物の豊富な楽しいコースでもあるので、天狗山荘で一泊するのもおすすめです。 白馬岳から杓子岳へは、丸山から大きな斜面をジグザグに下り、杓子岳の鞍部からは、またお花畑の中を登り詰めます。杓子岳は、山腹を巻くのが普通ですが、山頂へは鞍部から稜線伝いに岩屑の歩きにくい道を登って行きます。山頂は南北に伸び、信州側は絶壁になっています。 稜線を南に行き、途中から斜面を斜めに下ると、トラバース道と合流し、鑓ヶ岳の鞍部に出ます。鑓ヶ岳の登りは、最初はきつい登りですが、見かけほどには時間もかからず、小鑓の頭を通り、鑓ヶ岳の山頂へなだらかな登りが続きます。 山頂から岩屑のザクザクした道を下ると、鑓温泉への分岐点につきます。そこから平らな稜線を少し行くと、左に斜めに下るようになり、雪渓が残る時もあります。下りきったところが天狗平で、ほどなく天狗山荘に到着です。小屋の前には雪解けの冷たい水が流れ、高山植物の豊富なところで、山頂の小屋が混み合うシーズンでも、比較的ゆったりと過ごすことができます。 小屋の前から少し登れば稜線に出ます。天狗ノ頭から天狗ノ大下りまでは、丘の上を行くような稜線漫歩。高山植物や右手の剱岳を見ながらのんびり歩きましょう。 やがて、「天狗ノ大下り」と呼ばれる標高差300mの急な下りになりますが、近年は登山者が多く、シーズン中には、ここで渋滞による時間を取られることがあるので注意。下り口から岩を伝い、すぐ右下に下ります。クサリが取り付けてあり、ペンキマークでルートも指示されているので、焦らずゆっくり下っていきましょう。 不帰の一峰は稜線伝いに登ります。目前に、このコースの核心部である二峰の岩壁が垂直にそそり立っています。どこを登るのか、不安になりますが、取り付いてみると、足場や手掛かりはしっかりして、悪いところにはクサリが付けられています。落ちついて高度を上げれば、やがてアングルの橋を渡り、信州側に回り込みます。そして、岩壁をへつるようにして細いバンド状のところを行きますが、路肩の踏み抜きには十分に注意しましょう。また、ここでは対向者と行き交うことはできないので、十分先を確かめて行動したいところ。道は右に回り込んで岩場の中をマーキングに従って二峰の頂上に出ます。頂上は広いので、ここで一息つきましょう。 北峰から南峰へは、水平に近い道を越中側に巻き、少し登りjます。再び稜線を伝い、ハイマツの間を抜けると、三峰に到着です。唐松岳の頂上へもうひと登りです。 唐松岳の山頂からは、今来た不帰キレットの縦走路がよく見えます。また、ここからの五竜岳の威容は、堂々として、印象的です。直下には、唐松岳頂上山荘も見え、尾根を15分ほど下ればたど山荘につきます。
    白馬岳から唐松岳への縦走は、前半の天狗山荘まではなだらかなコースですが、後半には天狗ノ大下りや、岩場に鎖場や梯子などがある不帰キレットといった難路がある長丁場です。山の経験豊富なリーダーに従って歩きましょう。時間に余裕があれば、高山植物の豊富な楽しいコースでもあるので、天狗山荘で一泊するのもおすすめです。 白馬岳から杓子岳へは、丸山から大きな斜面をジグザグに下り、杓子岳の鞍部からは、またお花畑の中を登り詰めます。杓子岳は、山腹を巻くのが普通ですが、山頂へは鞍部から稜線伝いに岩屑の歩きにくい道を登って行きます。山頂は南北に伸び、信州側は絶壁になっています。 稜線を南に行き、途中から斜面を斜めに下ると、トラバース道と合流し、鑓ヶ岳の鞍部に出ます。鑓ヶ岳の登りは、最初はきつい登りですが、見かけほどには時間もかからず、小鑓の頭を通り、鑓ヶ岳の山頂へなだらかな登りが続きます。 山頂から岩屑のザクザクした道を下ると、鑓温泉への分岐点につきます。そこから平らな稜線を少し行くと、左に斜めに下るようになり、雪渓が残る時もあります。下りきったところが天狗平で、ほどなく天狗山荘に到着です。小屋の前には雪解けの冷たい水が流れ、高山植物の豊富なところで、山頂の小屋が混み合うシーズンでも、比較的ゆったりと過ごすことができます。 小屋の前から少し登れば稜線に出ます。天狗ノ頭から天狗ノ大下りまでは、丘の上を行くような稜線漫歩。高山植物や右手の剱岳を見ながらのんびり歩きましょう。 やがて、「天狗ノ大下り」と呼ばれる標高差300mの急な下りになりますが、近年は登山者が多く、シーズン中には、ここで渋滞による時間を取られることがあるので注意。下り口から岩を伝い、すぐ右下に下ります。クサリが取り付けてあり、ペンキマークでルートも指示されているので、焦らずゆっくり下っていきましょう。 不帰の一峰は稜線伝いに登ります。目前に、このコースの核心部である二峰の岩壁が垂直にそそり立っています。どこを登るのか、不安になりますが、取り付いてみると、足場や手掛かりはしっかりして、悪いところにはクサリが付けられています。落ちついて高度を上げれば、やがてアングルの橋を渡り、信州側に回り込みます。そして、岩壁をへつるようにして細いバンド状のところを行きますが、路肩の踏み抜きには十分に注意しましょう。また、ここでは対向者と行き交うことはできないので、十分先を確かめて行動したいところ。道は右に回り込んで岩場の中をマーキングに従って二峰の頂上に出ます。頂上は広いので、ここで一息つきましょう。 北峰から南峰へは、水平に近い道を越中側に巻き、少し登りjます。再び稜線を伝い、ハイマツの間を抜けると、三峰に到着です。唐松岳の頂上へもうひと登りです。 唐松岳の山頂からは、今来た不帰キレットの縦走路がよく見えます。また、ここからの五竜岳の威容は、堂々として、印象的です。直下には、唐松岳頂上山荘も見え、尾根を15分ほど下ればたど山荘につきます。
  • 白馬岳から朝日岳

    白馬岳から朝日岳

    白馬岳から朝日岳への縦走は、静かに花や山旅を楽しみながら歩く、魅力あるコースのひとつ。しかし、距離のあるコースなので、体調は万全を期して行きましょう。 白馬山頂で展望を楽しんだら、三国境に向かって出発します。馬ノ背と呼ばれる狭い尾根道を越えてザラ道を下ると、三国境に到着です。左側のガレた斜面は、コマクサの群生地になっています。もちろん、立ち入ることはできません。前方には、これから向かう雪倉、朝日と続く雄大な山並みが広がっています。 登山者の大部分が白馬大池方面に向かうのを見送って、左のザクザクの斜面をトラバース気味に下ります。やがて、ハイマツ帯の広い尾根を鉢ヶ岳の鞍郡に向かいますが、途中鉱山道への分岐を右に見ます。このあたりから、主稜線にはまったく見られないミヤママツムシソウの紫色の大きな花が、たくさん見られるようになります。 鉢ヶ岳の東斜面の巻き道を行きますが、この斜面も大きなお花畑です。振り返ると、小蓮華山に向かう稜線を歩く人影が、豆粒のように見えます。小さな沢を渡り、ザラ道のゆるい斜面を下ると、ブロック囲いの、小さな雪倉岳避難小屋に到着です。 雪倉岳は、ここからジグザグに尾根道を登ることになりますが、下から見上げたほどのこともなく、山頂に着くことができます。広い、ゆったりとした山頂で、振り返れば、白馬岳や旭岳が印象的です。また目前には、朝日岳が大きく広がっています。 山頂からはゆるい下りのザラ道の斜面を行きます。ガスで視界の悪い時は、慎重にルートを見定めましょう。道は稜線の右側に入り、滑りやすい岩尾根を下ると広いコルに出ます。ここから左に急なジグザグ道を一気に下ったところがツバメ平で、小さな沢が流れています。 縦走路は赤男山の巻き道に入ります。燕岩の不気味な岩崩れの下を横切り樹林帯を抜けると、水量豊富な沢に出ます。小桜ヶ原の入口で、木道ができています。小桜ヶ原の湿原には、ハクサンコザクラ、チングルマが咲き乱れ、ニホンカモシカを見ることもできます。 木道をしばらく歩くと、水平道の分岐に到着するので、朝日岳へは、樹林帯の中を直登します。しばらく登ると、コバイケイソウの群生する草原に出ます。再び道は樹林帯に入りますが、すぐ明るい尾根に飛び出ます。チングルマやニッコウキスゲの咲き乱れる草原をのんびり歩き、朝日岳の山頂に到着です。山頂は、ハイマツが点在し花が咲く、丘のような広いところなのでしばし休憩していきましょう。朝日小屋へは、西に稜線を40分ほどです。
    白馬岳から朝日岳への縦走は、静かに花や山旅を楽しみながら歩く、魅力あるコースのひとつ。しかし、距離のあるコースなので、体調は万全を期して行きましょう。 白馬山頂で展望を楽しんだら、三国境に向かって出発します。馬ノ背と呼ばれる狭い尾根道を越えてザラ道を下ると、三国境に到着です。左側のガレた斜面は、コマクサの群生地になっています。もちろん、立ち入ることはできません。前方には、これから向かう雪倉、朝日と続く雄大な山並みが広がっています。 登山者の大部分が白馬大池方面に向かうのを見送って、左のザクザクの斜面をトラバース気味に下ります。やがて、ハイマツ帯の広い尾根を鉢ヶ岳の鞍郡に向かいますが、途中鉱山道への分岐を右に見ます。このあたりから、主稜線にはまったく見られないミヤママツムシソウの紫色の大きな花が、たくさん見られるようになります。 鉢ヶ岳の東斜面の巻き道を行きますが、この斜面も大きなお花畑です。振り返ると、小蓮華山に向かう稜線を歩く人影が、豆粒のように見えます。小さな沢を渡り、ザラ道のゆるい斜面を下ると、ブロック囲いの、小さな雪倉岳避難小屋に到着です。 雪倉岳は、ここからジグザグに尾根道を登ることになりますが、下から見上げたほどのこともなく、山頂に着くことができます。広い、ゆったりとした山頂で、振り返れば、白馬岳や旭岳が印象的です。また目前には、朝日岳が大きく広がっています。 山頂からはゆるい下りのザラ道の斜面を行きます。ガスで視界の悪い時は、慎重にルートを見定めましょう。道は稜線の右側に入り、滑りやすい岩尾根を下ると広いコルに出ます。ここから左に急なジグザグ道を一気に下ったところがツバメ平で、小さな沢が流れています。 縦走路は赤男山の巻き道に入ります。燕岩の不気味な岩崩れの下を横切り樹林帯を抜けると、水量豊富な沢に出ます。小桜ヶ原の入口で、木道ができています。小桜ヶ原の湿原には、ハクサンコザクラ、チングルマが咲き乱れ、ニホンカモシカを見ることもできます。 木道をしばらく歩くと、水平道の分岐に到着するので、朝日岳へは、樹林帯の中を直登します。しばらく登ると、コバイケイソウの群生する草原に出ます。再び道は樹林帯に入りますが、すぐ明るい尾根に飛び出ます。チングルマやニッコウキスゲの咲き乱れる草原をのんびり歩き、朝日岳の山頂に到着です。山頂は、ハイマツが点在し花が咲く、丘のような広いところなのでしばし休憩していきましょう。朝日小屋へは、西に稜線を40分ほどです。
  • 蓮華温泉から朝日岳

    蓮華温泉から朝日岳

    このコースは、蓮華温泉から、瀬戸川、白高地沢へいったん下り、そこからカモシカ坂を急登し、五輪尾根を朝日岳をめざして登る健脚向きのコースです。近年、花巡りの山旅を楽しめるコースとして人気がありますが、計画不十分なまま安易に登るのは禁物です。またこのコースは、途中見るべきものも多く、ついついのんびりと登ってしまうコースでもあります。山行を楽しむためには、なるべくならば蓮華温泉に一泊し、朝はできるだけ早立ちしましょう。 蓮華温泉ロッジの前からブナやトチの樹林帯を下り、キャンプ場を左に見て、蓮華ノ森自然歩道の周遊道に出ます。鉱山道を左に分けて右に進むと、大きな湿原となり、整備された木道に出ます。ここは兵馬ノ平と呼ばれ、ヒオウギアヤメなどが咲き、小川も流れています。雪倉岳や朝日岳の展望の良いところです。 瀬戸川へは、木道や、滑りやすい樹林の中の急坂を下って行きます。立派な鉄橋を渡り、白高地沢に沿った道を行けば、左にヒョウタン池を見て白高地沢の鉄橋を左岸に渡ります。やがて、カモシカ坂の急登になります。以前は滑りやすい急坂でしたが、木道の整備により歩きやすくなりました。しかし、木道が濡れているときなどはスリップに十分注意が必要です。 高度を上げて行くと、視界が開け、緩斜面になり、草原に出ます。ここがカモシカ原で、きれいなお花畑が広がっています。低樹林帯の中にある花園三角点を過ぎて広い草原に出ると、ベンチが作られていて近くに水場があります。やがて道は稜線状を行くようになります。青ザクと呼ばれるザク道を登りきると、再び樹林帯に入り、山腹をトラバースしながら白高地に入って行きます。清水が縦横に流れ、道はぬかるんだ幾筋もの踏跡をたどるように行きます。ぬかるみにはうんざりしますが、チングルマやハクサンコザクラなどの花が咲き乱れる中を行くので、元気づけられることでしょう。 さらに南面の緩斜面の草地をトラバースしながらどんどん登って行きますが、早い時期ならば、雪渓をいくつも横断することになるので慎重に。やがて朝日岳の鞍部(吹上のコル)に出ます。ここは栂海新道の分岐点にもなっています。 反対側の斜面の下に朝日池を見ながら、広い斜面をジグザグに登って行くと、左手に雪渓がある場所に出ます。その横を回るとまもなく、朝日岳の頂上です。 旭岳の頂上には、展望指示盤がはめ込まれた台石が立っています。周辺にはハイマツが点在し、ミヤママツムシソウやタカネシオガマなどが咲きます。また、ライチョウの遊ぶ姿もよく見られるスポットです。西に延びる尾根を、道標に従い40分あまりで朝日小屋に到着します。
    このコースは、蓮華温泉から、瀬戸川、白高地沢へいったん下り、そこからカモシカ坂を急登し、五輪尾根を朝日岳をめざして登る健脚向きのコースです。近年、花巡りの山旅を楽しめるコースとして人気がありますが、計画不十分なまま安易に登るのは禁物です。またこのコースは、途中見るべきものも多く、ついついのんびりと登ってしまうコースでもあります。山行を楽しむためには、なるべくならば蓮華温泉に一泊し、朝はできるだけ早立ちしましょう。 蓮華温泉ロッジの前からブナやトチの樹林帯を下り、キャンプ場を左に見て、蓮華ノ森自然歩道の周遊道に出ます。鉱山道を左に分けて右に進むと、大きな湿原となり、整備された木道に出ます。ここは兵馬ノ平と呼ばれ、ヒオウギアヤメなどが咲き、小川も流れています。雪倉岳や朝日岳の展望の良いところです。 瀬戸川へは、木道や、滑りやすい樹林の中の急坂を下って行きます。立派な鉄橋を渡り、白高地沢に沿った道を行けば、左にヒョウタン池を見て白高地沢の鉄橋を左岸に渡ります。やがて、カモシカ坂の急登になります。以前は滑りやすい急坂でしたが、木道の整備により歩きやすくなりました。しかし、木道が濡れているときなどはスリップに十分注意が必要です。 高度を上げて行くと、視界が開け、緩斜面になり、草原に出ます。ここがカモシカ原で、きれいなお花畑が広がっています。低樹林帯の中にある花園三角点を過ぎて広い草原に出ると、ベンチが作られていて近くに水場があります。やがて道は稜線状を行くようになります。青ザクと呼ばれるザク道を登りきると、再び樹林帯に入り、山腹をトラバースしながら白高地に入って行きます。清水が縦横に流れ、道はぬかるんだ幾筋もの踏跡をたどるように行きます。ぬかるみにはうんざりしますが、チングルマやハクサンコザクラなどの花が咲き乱れる中を行くので、元気づけられることでしょう。 さらに南面の緩斜面の草地をトラバースしながらどんどん登って行きますが、早い時期ならば、雪渓をいくつも横断することになるので慎重に。やがて朝日岳の鞍部(吹上のコル)に出ます。ここは栂海新道の分岐点にもなっています。 反対側の斜面の下に朝日池を見ながら、広い斜面をジグザグに登って行くと、左手に雪渓がある場所に出ます。その横を回るとまもなく、朝日岳の頂上です。 旭岳の頂上には、展望指示盤がはめ込まれた台石が立っています。周辺にはハイマツが点在し、ミヤママツムシソウやタカネシオガマなどが咲きます。また、ライチョウの遊ぶ姿もよく見られるスポットです。西に延びる尾根を、道標に従い40分あまりで朝日小屋に到着します。
  • 谷川岳から平標山へ

    谷川岳から平標山へ

    谷川岳と平標山を結ぶコースは、本州の脊梁山脈をなす谷川連峰の主脈をまっすぐ東西に踏み越える、上信越国境の山を代表する縦走路です。登山者は少なく、自然を強く感じることができます。その分、山慣れした登山者向きです。 コース途中にいくつか避難小屋があり、1泊2日の日程で歩くことが一般的ですが、寝袋とマット、食料などで荷物が重くなります。この場合水場がある大障子避難小屋を利用することが多く、週末には混雑することが多いようです。縦走路の起点になる谷川岳と、平標山に営業小屋があるのでこのふたつの山小屋を利用し、軽い装備で歩ける日程を紹介します。それでも縦走日のコースタイムが10時間を超え、トータルの登高差も大きく、エスケープルートもきつい、全体としてハードなコースです。そのぶん完歩の喜びは大きいでしょう。7月上旬から10月下旬までが適期です。 1日目は谷川岳肩ノ小屋まで。天神尾根から谷川岳へ(コースガイド)参照。 2日目はできるだけ早く谷川岳肩ノ小屋を出発し、小屋から西に向かう尾根を下ります。中ゴー尾根への分岐を過ぎると足場の悪い岩場が連続します。岩尾根を直登し、ザレたコースを巻くこの部分は、霧が出るとコースがわかりにくいので注意してください。初心者はここで時間がかかることもあります。オジカ沢ノ頭から少し下ったオジカ沢ノ頭避難小屋からアップダウンを繰り返すと大障子避難小屋です。水場は小屋横から下ります。 アップダウンを繰り返しながら大障子ノ頭の岩場を越え、万太郎山にとりつくと、勾配は急にきつくなります。吾策新道への分岐を過ぎると、万太郎山です。吾策新道はエスケープルートとして使うと、足場が悪く長くきついことを覚悟しておく必要があります。 万太郎山からしばらく尾根を歩きますが、やがて大きく下ります。毛渡乗越が最低鞍部。ここから川古温泉に下る道は、渡渉があり悪天時は歩けません。毛渡乗越からエビス大黒ノ頭を越え、仙ノ倉山へいたる長い登りは、かなりこたえます。展望のすばらしい仙ノ倉山山頂からまた大きく下り、鞍部からは平標山へは木道と木の階段の登りが続き、登山道脇には6月初旬ハクサンイチゲなどの高山植物が咲き乱れます。振り返ると谷川岳から歩いてきた山々、正面には苗場山などが見えます。山頂から南の広い尾根を下ると、平標山ノ家に到着します。 3日目は、尾根から外れ、樹林の中を下り林道を下り、平標登山口バス停に出ます。元橋から平標山へ(コースガイド)参照。
    谷川岳と平標山を結ぶコースは、本州の脊梁山脈をなす谷川連峰の主脈をまっすぐ東西に踏み越える、上信越国境の山を代表する縦走路です。登山者は少なく、自然を強く感じることができます。その分、山慣れした登山者向きです。 コース途中にいくつか避難小屋があり、1泊2日の日程で歩くことが一般的ですが、寝袋とマット、食料などで荷物が重くなります。この場合水場がある大障子避難小屋を利用することが多く、週末には混雑することが多いようです。縦走路の起点になる谷川岳と、平標山に営業小屋があるのでこのふたつの山小屋を利用し、軽い装備で歩ける日程を紹介します。それでも縦走日のコースタイムが10時間を超え、トータルの登高差も大きく、エスケープルートもきつい、全体としてハードなコースです。そのぶん完歩の喜びは大きいでしょう。7月上旬から10月下旬までが適期です。 1日目は谷川岳肩ノ小屋まで。天神尾根から谷川岳へ(コースガイド)参照。 2日目はできるだけ早く谷川岳肩ノ小屋を出発し、小屋から西に向かう尾根を下ります。中ゴー尾根への分岐を過ぎると足場の悪い岩場が連続します。岩尾根を直登し、ザレたコースを巻くこの部分は、霧が出るとコースがわかりにくいので注意してください。初心者はここで時間がかかることもあります。オジカ沢ノ頭から少し下ったオジカ沢ノ頭避難小屋からアップダウンを繰り返すと大障子避難小屋です。水場は小屋横から下ります。 アップダウンを繰り返しながら大障子ノ頭の岩場を越え、万太郎山にとりつくと、勾配は急にきつくなります。吾策新道への分岐を過ぎると、万太郎山です。吾策新道はエスケープルートとして使うと、足場が悪く長くきついことを覚悟しておく必要があります。 万太郎山からしばらく尾根を歩きますが、やがて大きく下ります。毛渡乗越が最低鞍部。ここから川古温泉に下る道は、渡渉があり悪天時は歩けません。毛渡乗越からエビス大黒ノ頭を越え、仙ノ倉山へいたる長い登りは、かなりこたえます。展望のすばらしい仙ノ倉山山頂からまた大きく下り、鞍部からは平標山へは木道と木の階段の登りが続き、登山道脇には6月初旬ハクサンイチゲなどの高山植物が咲き乱れます。振り返ると谷川岳から歩いてきた山々、正面には苗場山などが見えます。山頂から南の広い尾根を下ると、平標山ノ家に到着します。 3日目は、尾根から外れ、樹林の中を下り林道を下り、平標登山口バス停に出ます。元橋から平標山へ(コースガイド)参照。
  • 和田小屋から苗場山(祓川コース)と赤湯温泉

    和田小屋から苗場山(祓川コース)と赤湯温泉

    和田小屋から歩き始める祓川コースは、首都圏からのアプローチが短く、登高差も比較的少ないために人気があります。日帰り登山も可能ですが、山麓には和田小屋と赤湯温泉、山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、宿泊することもできるため、ゆっくり宿泊するコースを紹介します。日本海側気候の影響を強く受ける豪雪地で7月に入っても残雪があります。山小屋は10月下旬に閉まります。アプローチは縦走であればタクシーになります。 1日目、和田小屋の少し手前から歩き始め、和田小屋からはスキー場のゲレンデをまっすぐ登ります。(夏期の土休日には和田小屋から登山リフトが運行。要確認)深いブナの森に入り、木の根が露出したり、木の階段が整備されていたり、岩場だったりで、変化に富んだ登山道を登ります。六合目を越えダケカンバの林に入り、急に視界が開けると、小さな湿原の下ノ芝です。さらに登るとベンチがある中ノ芝、上ノ芝と湿原が続きます。小松原湿原への分岐あたりから、斜面をトラバースするようになり、展望が広がり、勾配が緩やかになります。神楽ヶ峰へは登山道から右に数m登ります。 ここからは正面に苗場山の山頂部を大きく見ながら富士見坂を下ります。途中に雷清水があります。少し下った「お花畑」と呼ばれる鞍部から登り返し、最後に雲尾坂の急坂を登ると山頂湿原に出ます。広々とした木道を道標に従い歩くと、展望のない苗場山山頂に到着。山頂から苗場山頂ヒュッテまで、しばらくぬかるんだ小道です。 2日目、広い山頂湿原の木道を南に向かいます。山頂湿原の端から唐突に、足場が悪く、登山者が少ない厳しいクサリ場の下りになります。さらに草地や笹原を下ると、尾根が細くなりシラビソ廊下に入って行きます。登山道横にはオオシラビソやコメツガが生え、左右は深く切れ落ちた廊下のような細い尾根歩きです。足場の悪い急坂を下り、深穴岩の横を通ると、平坦で美しいブナ林のフクベノ平にでます。桂沢沿いにトチノキの巨木の下を通り下って、サゴイ沢を橋で渡ります。足場の悪い急坂を登り、赤倉山の分岐に出て、ここからまた下ると、今度は清津川を渡る橋があります。橋を渡ってすぐに大石がごろごろある河原を歩くと、ランプの宿の赤湯温泉に到着します。日帰り入浴もできますが、ご飯もおいしい赤湯温泉に一泊しましょう。 3日目、赤湯温泉からすぐの鉄橋を渡ると、いきなり滑りやすく足場の悪い急登です。勾配が緩やかになりしばらく進むと、見返りの松です。アップダウンを繰り返し、到着した鷹ノ巣峠からはまた急な下り。棒沢橋を渡ると、林道に出るので、後は小日橋の先まで、延々と林道を歩きます。
    和田小屋から歩き始める祓川コースは、首都圏からのアプローチが短く、登高差も比較的少ないために人気があります。日帰り登山も可能ですが、山麓には和田小屋と赤湯温泉、山頂には苗場山頂ヒュッテがあり、宿泊することもできるため、ゆっくり宿泊するコースを紹介します。日本海側気候の影響を強く受ける豪雪地で7月に入っても残雪があります。山小屋は10月下旬に閉まります。アプローチは縦走であればタクシーになります。 1日目、和田小屋の少し手前から歩き始め、和田小屋からはスキー場のゲレンデをまっすぐ登ります。(夏期の土休日には和田小屋から登山リフトが運行。要確認)深いブナの森に入り、木の根が露出したり、木の階段が整備されていたり、岩場だったりで、変化に富んだ登山道を登ります。六合目を越えダケカンバの林に入り、急に視界が開けると、小さな湿原の下ノ芝です。さらに登るとベンチがある中ノ芝、上ノ芝と湿原が続きます。小松原湿原への分岐あたりから、斜面をトラバースするようになり、展望が広がり、勾配が緩やかになります。神楽ヶ峰へは登山道から右に数m登ります。 ここからは正面に苗場山の山頂部を大きく見ながら富士見坂を下ります。途中に雷清水があります。少し下った「お花畑」と呼ばれる鞍部から登り返し、最後に雲尾坂の急坂を登ると山頂湿原に出ます。広々とした木道を道標に従い歩くと、展望のない苗場山山頂に到着。山頂から苗場山頂ヒュッテまで、しばらくぬかるんだ小道です。 2日目、広い山頂湿原の木道を南に向かいます。山頂湿原の端から唐突に、足場が悪く、登山者が少ない厳しいクサリ場の下りになります。さらに草地や笹原を下ると、尾根が細くなりシラビソ廊下に入って行きます。登山道横にはオオシラビソやコメツガが生え、左右は深く切れ落ちた廊下のような細い尾根歩きです。足場の悪い急坂を下り、深穴岩の横を通ると、平坦で美しいブナ林のフクベノ平にでます。桂沢沿いにトチノキの巨木の下を通り下って、サゴイ沢を橋で渡ります。足場の悪い急坂を登り、赤倉山の分岐に出て、ここからまた下ると、今度は清津川を渡る橋があります。橋を渡ってすぐに大石がごろごろある河原を歩くと、ランプの宿の赤湯温泉に到着します。日帰り入浴もできますが、ご飯もおいしい赤湯温泉に一泊しましょう。 3日目、赤湯温泉からすぐの鉄橋を渡ると、いきなり滑りやすく足場の悪い急登です。勾配が緩やかになりしばらく進むと、見返りの松です。アップダウンを繰り返し、到着した鷹ノ巣峠からはまた急な下り。棒沢橋を渡ると、林道に出るので、後は小日橋の先まで、延々と林道を歩きます。
  • 鳥倉登山口から塩見岳へ

    鳥倉登山口から塩見岳へ

    塩見岳はアルペン的なその凛とした姿から、多くの登山者を魅了して止まない山です。しかし鳥倉登山口から三伏峠まではガレ場や桟道の多いトラバース、塩見小屋から上部では岩稜帯の急登があり、危険度の高い山である事を念頭に入山してください。 鳥倉登山口の広場で登山バスを下車し、手入れされた植林帯を登って行きます。登山道には三伏峠までの距離を示した1/10毎の標識があるので、以降のペース配分の参考になります。尾根筋を歩いた後、右方向にトラバースしながら登って行きます。豊口山間のコルからは北斜面の美しい針葉樹林のトラバース道になり、第2のコルに到着します。再び北面のトラバースを続けて行くと道幅が狭くなり、また桟道も数多く出てくるので、注意して歩きます。塩川ルート分岐を過ぎると、左手はるか遠くに仙丈ヶ岳が見えるポイントに着きます。三伏峠で荷物を降ろし、三伏山に登って明日の塩見岳へのルートの確認と、小河内岳へのルートにあるお花畑を散策しましょう。お花畑はボランティアの設置した防鹿柵によって、植生が復活しつつあります。なお三伏峠側からの塩見岳は早朝は逆光になるので、写真撮影は昼前から夕方までがお勧めです。 三伏山から、灌木帯の尾根筋を下ります。本谷山はハイマツに囲まれた小さな山頂で、やや傾いた塩見岳を確認することができます。立ち枯れの森を通り抜け、しばらく下って、苔と深い針葉樹の美しい森を通りなだらかな道を行くと、権右衛門沢の源頭です。荒れた樹林帯の道を登り塩見新道の分岐を過ぎ森林限界に出れば、塩見岳が天狗岩と共に双耳峰の様に、登山者を圧するが如くそびえています。岩場を注意して登り、肩に出て左の窪地に下ると塩見小屋です。この先は岩稜帯のクサリ場で両手を使うので、ストックは置いて行きます。再び登山道に戻ると天狗岩への急登が眼前に迫ります。一歩ずつゆっくり天狗岩に登り、最後は岩場をトラバースして塩見岳本峰とのコルに降ります。この先は完全な岩場登りになり、場所によってはザレているのでさらに注意が必要で、山頂部までクサリ場の連続です。右に左にジグザグに岩場を登りきり、やや平坦になれば塩見岳西峰はすぐです。ここから東峰とその左に見える富士山の姿、そして西に広がる伊那谷への空間の広がりは、全ての疲れを忘れさせてくれるでしょう。三角点は西峰にありますが、標高の高い東峰からは美しい三角形の山頂を持つ蝙蝠岳を見る事ができます。 鳥倉登山口へは同じ道を戻ります。時間に余裕があれば塩見岳の最高のビューポイント、烏帽子岳を往復するのも良いでしょう。
    塩見岳はアルペン的なその凛とした姿から、多くの登山者を魅了して止まない山です。しかし鳥倉登山口から三伏峠まではガレ場や桟道の多いトラバース、塩見小屋から上部では岩稜帯の急登があり、危険度の高い山である事を念頭に入山してください。 鳥倉登山口の広場で登山バスを下車し、手入れされた植林帯を登って行きます。登山道には三伏峠までの距離を示した1/10毎の標識があるので、以降のペース配分の参考になります。尾根筋を歩いた後、右方向にトラバースしながら登って行きます。豊口山間のコルからは北斜面の美しい針葉樹林のトラバース道になり、第2のコルに到着します。再び北面のトラバースを続けて行くと道幅が狭くなり、また桟道も数多く出てくるので、注意して歩きます。塩川ルート分岐を過ぎると、左手はるか遠くに仙丈ヶ岳が見えるポイントに着きます。三伏峠で荷物を降ろし、三伏山に登って明日の塩見岳へのルートの確認と、小河内岳へのルートにあるお花畑を散策しましょう。お花畑はボランティアの設置した防鹿柵によって、植生が復活しつつあります。なお三伏峠側からの塩見岳は早朝は逆光になるので、写真撮影は昼前から夕方までがお勧めです。 三伏山から、灌木帯の尾根筋を下ります。本谷山はハイマツに囲まれた小さな山頂で、やや傾いた塩見岳を確認することができます。立ち枯れの森を通り抜け、しばらく下って、苔と深い針葉樹の美しい森を通りなだらかな道を行くと、権右衛門沢の源頭です。荒れた樹林帯の道を登り塩見新道の分岐を過ぎ森林限界に出れば、塩見岳が天狗岩と共に双耳峰の様に、登山者を圧するが如くそびえています。岩場を注意して登り、肩に出て左の窪地に下ると塩見小屋です。この先は岩稜帯のクサリ場で両手を使うので、ストックは置いて行きます。再び登山道に戻ると天狗岩への急登が眼前に迫ります。一歩ずつゆっくり天狗岩に登り、最後は岩場をトラバースして塩見岳本峰とのコルに降ります。この先は完全な岩場登りになり、場所によってはザレているのでさらに注意が必要で、山頂部までクサリ場の連続です。右に左にジグザグに岩場を登りきり、やや平坦になれば塩見岳西峰はすぐです。ここから東峰とその左に見える富士山の姿、そして西に広がる伊那谷への空間の広がりは、全ての疲れを忘れさせてくれるでしょう。三角点は西峰にありますが、標高の高い東峰からは美しい三角形の山頂を持つ蝙蝠岳を見る事ができます。 鳥倉登山口へは同じ道を戻ります。時間に余裕があれば塩見岳の最高のビューポイント、烏帽子岳を往復するのも良いでしょう。
  • 鳥倉登山口から塩見岳・蝙蝠岳縦走

    鳥倉登山口から塩見岳・蝙蝠岳縦走

    蝙蝠尾根は白峰南嶺とともに南アルプス南部で最も入山者が少なく、自然が残っている尾根です。塩見岳登頂の後、長大な蝙蝠尾根を下り展望と森林浴を楽しみますが、行動時間が長くまたルートの不明瞭な箇所も多く、上級者のみ縦走可能なコースです。 このコースの重要なポイントは宿泊地の選定にあります。小屋泊であれば、1日目に鳥倉登山口から早朝に入山し三伏峠を越えて塩見小屋泊、2日目に二軒小屋経由で椹島まで下ります。なお、日没後の蝙蝠尾根はルートが不明瞭で非常に危険ですので、必ず塩見小屋泊にして下さい。二軒小屋から椹島まで3時間強かかります。 塩見岳東峰から高山植物の豊かな道を急降下の後は、ハイマツ帯や部分的にやせた尾根の下りになります。北俣岳の分岐を過ぎるとトレースが急に不明瞭になります。北俣岳通過は本コース第一の核心部で、切り立った岩稜帯の、乗越えやトラバースがあります。山頂から、北は白峰三山、西は塩見岳、南は荒川三山、東は白峰南嶺の稜線と富士山が見えます。ここからは正面に優美な蝙蝠岳を観る尾根筋の至幸の展望コースが始まります。ただしガスが出た場合は非常に難しくなるので、踏み跡を外さないように。一度樹林帯に入り小さな肩をいくつも越え蝙蝠岳の山頂に着きます。蝙蝠岳山頂からの石畳の様な下りは、ガスが出た場合第二の核心部になります。トレースは全くついていませんので、磁石で正確な方向を定め、尾根筋から外れない様にして下ります。丁度森林限界にある四郎作ノ頭からは灌木帯。樹林帯に入った2600mあたりは、倒木と幼木が混じる密林帯のトラバースで、ルートファインディングに注力してください。以降美しい森が随所に現れます。徳右衛門岳は展望はありませんが平坦な山頂で幕営可能です。登山道をさらに下った脇に水場への下降点があります。南アルプス南部で最高に美味しい水のひとつですが涸れていることがあります。さらに美しいツガの森、苔とシラビソの森を抜けると、中電施設の手前からは岩のやせ尾根になり、注意が必要です。施設から先は両側が切り立ったシャクナゲの尾根道、最後の西側への降下点からは岩の多い歩きにくい道です。林道に降り、トンネルを抜けて左にコバルトブルーの田代湖を見ながら回り込むと二軒小屋ロッヂ(休業中)に到着します。二軒小屋から椹島まではトラックが行き交う中の、3時間強の林道歩きです。
    蝙蝠尾根は白峰南嶺とともに南アルプス南部で最も入山者が少なく、自然が残っている尾根です。塩見岳登頂の後、長大な蝙蝠尾根を下り展望と森林浴を楽しみますが、行動時間が長くまたルートの不明瞭な箇所も多く、上級者のみ縦走可能なコースです。 このコースの重要なポイントは宿泊地の選定にあります。小屋泊であれば、1日目に鳥倉登山口から早朝に入山し三伏峠を越えて塩見小屋泊、2日目に二軒小屋経由で椹島まで下ります。なお、日没後の蝙蝠尾根はルートが不明瞭で非常に危険ですので、必ず塩見小屋泊にして下さい。二軒小屋から椹島まで3時間強かかります。 塩見岳東峰から高山植物の豊かな道を急降下の後は、ハイマツ帯や部分的にやせた尾根の下りになります。北俣岳の分岐を過ぎるとトレースが急に不明瞭になります。北俣岳通過は本コース第一の核心部で、切り立った岩稜帯の、乗越えやトラバースがあります。山頂から、北は白峰三山、西は塩見岳、南は荒川三山、東は白峰南嶺の稜線と富士山が見えます。ここからは正面に優美な蝙蝠岳を観る尾根筋の至幸の展望コースが始まります。ただしガスが出た場合は非常に難しくなるので、踏み跡を外さないように。一度樹林帯に入り小さな肩をいくつも越え蝙蝠岳の山頂に着きます。蝙蝠岳山頂からの石畳の様な下りは、ガスが出た場合第二の核心部になります。トレースは全くついていませんので、磁石で正確な方向を定め、尾根筋から外れない様にして下ります。丁度森林限界にある四郎作ノ頭からは灌木帯。樹林帯に入った2600mあたりは、倒木と幼木が混じる密林帯のトラバースで、ルートファインディングに注力してください。以降美しい森が随所に現れます。徳右衛門岳は展望はありませんが平坦な山頂で幕営可能です。登山道をさらに下った脇に水場への下降点があります。南アルプス南部で最高に美味しい水のひとつですが涸れていることがあります。さらに美しいツガの森、苔とシラビソの森を抜けると、中電施設の手前からは岩のやせ尾根になり、注意が必要です。施設から先は両側が切り立ったシャクナゲの尾根道、最後の西側への降下点からは岩の多い歩きにくい道です。林道に降り、トンネルを抜けて左にコバルトブルーの田代湖を見ながら回り込むと二軒小屋ロッヂ(休業中)に到着します。二軒小屋から椹島まではトラックが行き交う中の、3時間強の林道歩きです。
  • 椹島から荒川岳・小河内岳縦走

    椹島から荒川岳・小河内岳縦走

    荒川東岳は大井川西俣の支流である悪沢の源頭である事から悪沢岳とも呼ばれ、百名山の著者深田久弥がその呼び名にこだわりました。荒涼とした大岩の間を縫う山頂部の縦走では、その名を実感できます。荒川前岳から三伏峠間は南アルプス南部主脈の中では最も登山者が少ない静かな山旅になります。そして小河内岳からの荒川三山、加えて烏帽子岳からの塩見岳の眺望は、長い縦走のフィナーレを飾るにふさわしい感動を登山者に与えてくれるでしょう。 椹島から二軒小屋への林道を歩き、滝見橋の先の立派な吊橋を渡ります。岩の多い急登の後は千枚小屋までは緩い長い尾根登りが続きます。岩頭見晴も岩場になっているので、注意してください。途中、木馬道跡といってかつての木材搬出時の道の通過は、ルートから外れない様に注意してください。展望ポイントは、岩頭見晴、見晴台の2箇所のみです。駒鳥池はシラビソに囲まれた静かな佇まいで、南アルプスの奥深さを実感する事ができるでしょう。千枚小屋は、笊ヶ岳と富士山を遠望できるお花畑の中にある食事の美味しい小屋です。 千枚小屋から前岳カール下端までが本コースの核心部です。千枚岳から丸山とのコル間、荒川東岳から中岳とのコル間、前岳からのカールの下り、この全ての箇所において細心の注意で下る必要があります。また、前岳山頂部は崩壊が急速に進行していますので、地面のヒビ割れは絶対に乗り越えないでください。一方、楽しみとしては、南アルプスのほとんど全ての山を確認できる大展望があります。千枚岳からは赤石岳、聖岳、上河内岳のきれいに並んだ姿を、前岳までは姿を変える赤石岳を常に見ながらの縦走になります。目を北に転ずれば、塩見岳を中心に北部の山々の遠望があります。さらに美しい高山植物も特筆に値します。特に丸山のトラバース道は百花繚乱で、高山植物の種類の多さは特筆に値します。もし時間に余裕があれば荒川小屋方向にあるお花畑に立ち寄って見学することをお勧めします。 前岳カールの下端から高山裏避難小屋を通り、小河内岳の取り付きまでは樹林帯の中を歩きますが、所々に現れる小さなお花畑は登山者に安らぎを与えてくれます。なお三伏峠までは西側の急激に進行中の崩壊地の縁を歩く箇所があり、滑落に注意してください。特に前小河内岳が危険です。三伏峠からは鳥倉登山口に下ります。 ※中岳避難小屋、高山裏避難小屋、小河内岳避難小屋の何れかを、体力と見物時間を加味し判断して宿泊します。夏期は全ての避難小屋に管理人が入り、寝具の利用とレトルト等の軽食をとる事が可能です。
    荒川東岳は大井川西俣の支流である悪沢の源頭である事から悪沢岳とも呼ばれ、百名山の著者深田久弥がその呼び名にこだわりました。荒涼とした大岩の間を縫う山頂部の縦走では、その名を実感できます。荒川前岳から三伏峠間は南アルプス南部主脈の中では最も登山者が少ない静かな山旅になります。そして小河内岳からの荒川三山、加えて烏帽子岳からの塩見岳の眺望は、長い縦走のフィナーレを飾るにふさわしい感動を登山者に与えてくれるでしょう。 椹島から二軒小屋への林道を歩き、滝見橋の先の立派な吊橋を渡ります。岩の多い急登の後は千枚小屋までは緩い長い尾根登りが続きます。岩頭見晴も岩場になっているので、注意してください。途中、木馬道跡といってかつての木材搬出時の道の通過は、ルートから外れない様に注意してください。展望ポイントは、岩頭見晴、見晴台の2箇所のみです。駒鳥池はシラビソに囲まれた静かな佇まいで、南アルプスの奥深さを実感する事ができるでしょう。千枚小屋は、笊ヶ岳と富士山を遠望できるお花畑の中にある食事の美味しい小屋です。 千枚小屋から前岳カール下端までが本コースの核心部です。千枚岳から丸山とのコル間、荒川東岳から中岳とのコル間、前岳からのカールの下り、この全ての箇所において細心の注意で下る必要があります。また、前岳山頂部は崩壊が急速に進行していますので、地面のヒビ割れは絶対に乗り越えないでください。一方、楽しみとしては、南アルプスのほとんど全ての山を確認できる大展望があります。千枚岳からは赤石岳、聖岳、上河内岳のきれいに並んだ姿を、前岳までは姿を変える赤石岳を常に見ながらの縦走になります。目を北に転ずれば、塩見岳を中心に北部の山々の遠望があります。さらに美しい高山植物も特筆に値します。特に丸山のトラバース道は百花繚乱で、高山植物の種類の多さは特筆に値します。もし時間に余裕があれば荒川小屋方向にあるお花畑に立ち寄って見学することをお勧めします。 前岳カールの下端から高山裏避難小屋を通り、小河内岳の取り付きまでは樹林帯の中を歩きますが、所々に現れる小さなお花畑は登山者に安らぎを与えてくれます。なお三伏峠までは西側の急激に進行中の崩壊地の縁を歩く箇所があり、滑落に注意してください。特に前小河内岳が危険です。三伏峠からは鳥倉登山口に下ります。 ※中岳避難小屋、高山裏避難小屋、小河内岳避難小屋の何れかを、体力と見物時間を加味し判断して宿泊します。夏期は全ての避難小屋に管理人が入り、寝具の利用とレトルト等の軽食をとる事が可能です。
  • 白峰南嶺縦走

    白峰南嶺縦走

    白峰南嶺の北部山域は、本地図掲載の山域では大無間山と双璧をなす最難度のエリアです。特にクジラの背中の様なだだっ広い岩稜帯の稜線、また灌木帯あるいは樹林帯でのヤブこぎをしながらのルートファインディングは上級者にのみ可能な山行形態です。水を担いでの縦走はさらにハードな山行を強いますが、全行程を踏破した時の充実感は何物にも代えがたく、自分がステップアップした実感に浸る事ができるでしょう。コースどりは、ルートを見下ろし、またヤブこぎで体重を使える南下がやや有利です。 奈良田温泉からスタートし、大門沢小屋で転付峠までの2日分の水を確保します。ルートは大門沢下降点から広河内岳までは明瞭です。広河内岳から笹山までは南アルプスの大展望を満喫する空中散歩ですが、ガスが出た場合難しく、また踏み跡が消えたり複数に分かれたりする所があり、常に地形図とコンパスでルートを確認しながら縦走して下さい。2772m地点から大籠岳間は、県境がカーブしているのに対し、やや直線的に大籠岳を目指して歩きます。大籠岳南の赤岩の丘は複数ルートがある中で、稜線付近が一番分かり易いでしょう。基本は、切り立った東側の稜線の縁からやや離れて大井川側をハイマツ帯を避けながら歩く事です。長い時間のハイマツ帯の通過は白河内岳と笹山間の猛烈な2箇所以外はありません。 笹山ではルートを稜線の東側から西側に切り替えます。笹山から露地を抜けて樹林帯まではハイマツと灌木をこぐ、次に難しい区間です。露地では稜線の反対側へ灌木帯を横断します。2泊目は国立公園内を避け、また翌日の行程を考え、樹林帯の窪地に幕営します。 奈良田越の標柱で右にUターン気味に曲がり、林道跡に出て左折します。以降徳右衛門岳と荒川東岳を遠望しながら、美しい森を抜ける林道を歩きます。西別当代山の手前、林道崩落箇所は山側に逃げます。乗越の右の先に南アルプス主脈の展望箇所があります。 転付峠から笹をかき分け下降します。道は沢の出合までは明瞭です。内河内川に沿って最初は右岸、途中で左岸に渡るのがポイントです。保利沢小屋からも左岸を行き、旧道崩壊地点の前でロープに従って右岸に橋を渡り、沢から離れトラバース気味に尾根の肩に登ります。ここから下の沢筋までは猛烈に急です。田代川第2発電所入口から伝付峠入口バス停までは足に負担の多い単調な舗装道です。(※転付峠からの下山路は台風被害で非常に危険です。更に縦走を続けるか、二軒小屋への下山をお勧めします。)
    白峰南嶺の北部山域は、本地図掲載の山域では大無間山と双璧をなす最難度のエリアです。特にクジラの背中の様なだだっ広い岩稜帯の稜線、また灌木帯あるいは樹林帯でのヤブこぎをしながらのルートファインディングは上級者にのみ可能な山行形態です。水を担いでの縦走はさらにハードな山行を強いますが、全行程を踏破した時の充実感は何物にも代えがたく、自分がステップアップした実感に浸る事ができるでしょう。コースどりは、ルートを見下ろし、またヤブこぎで体重を使える南下がやや有利です。 奈良田温泉からスタートし、大門沢小屋で転付峠までの2日分の水を確保します。ルートは大門沢下降点から広河内岳までは明瞭です。広河内岳から笹山までは南アルプスの大展望を満喫する空中散歩ですが、ガスが出た場合難しく、また踏み跡が消えたり複数に分かれたりする所があり、常に地形図とコンパスでルートを確認しながら縦走して下さい。2772m地点から大籠岳間は、県境がカーブしているのに対し、やや直線的に大籠岳を目指して歩きます。大籠岳南の赤岩の丘は複数ルートがある中で、稜線付近が一番分かり易いでしょう。基本は、切り立った東側の稜線の縁からやや離れて大井川側をハイマツ帯を避けながら歩く事です。長い時間のハイマツ帯の通過は白河内岳と笹山間の猛烈な2箇所以外はありません。 笹山ではルートを稜線の東側から西側に切り替えます。笹山から露地を抜けて樹林帯まではハイマツと灌木をこぐ、次に難しい区間です。露地では稜線の反対側へ灌木帯を横断します。2泊目は国立公園内を避け、また翌日の行程を考え、樹林帯の窪地に幕営します。 奈良田越の標柱で右にUターン気味に曲がり、林道跡に出て左折します。以降徳右衛門岳と荒川東岳を遠望しながら、美しい森を抜ける林道を歩きます。西別当代山の手前、林道崩落箇所は山側に逃げます。乗越の右の先に南アルプス主脈の展望箇所があります。 転付峠から笹をかき分け下降します。道は沢の出合までは明瞭です。内河内川に沿って最初は右岸、途中で左岸に渡るのがポイントです。保利沢小屋からも左岸を行き、旧道崩壊地点の前でロープに従って右岸に橋を渡り、沢から離れトラバース気味に尾根の肩に登ります。ここから下の沢筋までは猛烈に急です。田代川第2発電所入口から伝付峠入口バス停までは足に負担の多い単調な舗装道です。(※転付峠からの下山路は台風被害で非常に危険です。更に縦走を続けるか、二軒小屋への下山をお勧めします。)
  • 椹島から笊ヶ岳へ

    椹島から笊ヶ岳へ

    笊ヶ岳は200名山で人気ですが、その標高に比して行動時間が非常に長く、人を寄せつけない厳しい山です。山頂からの展望は南アルプス南部随一で、鳳凰三山を含み、北岳から光岳まで南アルプス主脈のほとんど全ての山と深南部の山々、さらに富士山が望めるため、眺望を求めて多くの登山者が訪れています。登頂ルートは東西南北4方向あります。その中で二軒小屋・転付峠から縦走する北ルートが、行動時間はやや長くなるものの体力的には最も楽です。本項では、登山者が最も多い椹島コースを紹介します。 本コースは明瞭に3つのパートに分ける事ができます。第1のパートは椹島から標柱までで、肩までは尾根筋の一直線の急登、肩からはゆったりした幅広い尾根歩きです。踏み跡が薄く灌木も無くどこでも歩けてしまうので、下りの時は要注意です。第2のパートは標柱から上倉沢までのトラバース道です。最初は快適な道ですが、上倉沢まで6本の沢と2本の涸沢を横断します。特に2本目の沢からは、尾根を越えて荒れた沢に降り、横断後急登で次の肩を目指すという登り方を何度も繰り返します。部分的に旧登山道が崩壊して、新たな道が設定されている所もあるので、注意してください。トラバースが終わり草原を抜けて上倉沢の右岸に出ます。幅広い沢の横断先の目標は左岸下流の斜面にある大岩と、崩壊地上の草地です。この上倉沢を初めて下山で通過する場合はさらに難しく、上流側右岸脇の涸沢の中に生えたカラマツの木を目標にします。第3のパートは針葉樹林の登りで、左岸草地から樹林帯を抜け、荒れた涸沢に出てそのまましばらく登り、右岸から再び樹林帯に戻り、ジグザグに登って椹島下降点のある稜線に出ます。稜線から山頂まではルートは明瞭ですが、一箇所、右にやせた尾根に登る箇所を見落とさないでください。 樹林帯を抜け、シャクナゲをかき分ければ、待望の笊ヶ岳山頂です。西の真正面に大きな赤石岳、南は白根南嶺の山々、東は小笊のうえにピョコンと鎮座した富士山、北は荒川三山と南アルプス北部の山々と、360度の大パノラマを楽しんでください。小笊へは往復45分のヤブこぎです。 ※下山は同じ道を戻りますが、前述の様に上倉沢の横断には注意してください。長い距離、そして暗い時間帯に歩く日帰り登山は、道迷いと滑落の危険があるため、幕営山行をお勧めします。
    笊ヶ岳は200名山で人気ですが、その標高に比して行動時間が非常に長く、人を寄せつけない厳しい山です。山頂からの展望は南アルプス南部随一で、鳳凰三山を含み、北岳から光岳まで南アルプス主脈のほとんど全ての山と深南部の山々、さらに富士山が望めるため、眺望を求めて多くの登山者が訪れています。登頂ルートは東西南北4方向あります。その中で二軒小屋・転付峠から縦走する北ルートが、行動時間はやや長くなるものの体力的には最も楽です。本項では、登山者が最も多い椹島コースを紹介します。 本コースは明瞭に3つのパートに分ける事ができます。第1のパートは椹島から標柱までで、肩までは尾根筋の一直線の急登、肩からはゆったりした幅広い尾根歩きです。踏み跡が薄く灌木も無くどこでも歩けてしまうので、下りの時は要注意です。第2のパートは標柱から上倉沢までのトラバース道です。最初は快適な道ですが、上倉沢まで6本の沢と2本の涸沢を横断します。特に2本目の沢からは、尾根を越えて荒れた沢に降り、横断後急登で次の肩を目指すという登り方を何度も繰り返します。部分的に旧登山道が崩壊して、新たな道が設定されている所もあるので、注意してください。トラバースが終わり草原を抜けて上倉沢の右岸に出ます。幅広い沢の横断先の目標は左岸下流の斜面にある大岩と、崩壊地上の草地です。この上倉沢を初めて下山で通過する場合はさらに難しく、上流側右岸脇の涸沢の中に生えたカラマツの木を目標にします。第3のパートは針葉樹林の登りで、左岸草地から樹林帯を抜け、荒れた涸沢に出てそのまましばらく登り、右岸から再び樹林帯に戻り、ジグザグに登って椹島下降点のある稜線に出ます。稜線から山頂まではルートは明瞭ですが、一箇所、右にやせた尾根に登る箇所を見落とさないでください。 樹林帯を抜け、シャクナゲをかき分ければ、待望の笊ヶ岳山頂です。西の真正面に大きな赤石岳、南は白根南嶺の山々、東は小笊のうえにピョコンと鎮座した富士山、北は荒川三山と南アルプス北部の山々と、360度の大パノラマを楽しんでください。小笊へは往復45分のヤブこぎです。 ※下山は同じ道を戻りますが、前述の様に上倉沢の横断には注意してください。長い距離、そして暗い時間帯に歩く日帰り登山は、道迷いと滑落の危険があるため、幕営山行をお勧めします。
  • 平取から幌尻岳へ(振内コース)

    平取から幌尻岳へ(振内コース)

    幌尻岳は標高2052mの日高山脈襟裳十勝国立公園の最高峰です。北カール、東カール、七ッ沼カールを抱え、アイヌ語で大きい山「ポロ・シリ」を意味します。 1日目は平取町とよぬか山荘より専用シャトルバス(要予約、7/1〜9/30の期間、1日3便)を利用し林道第2ゲートへ向かいます。ゲートからは北海道電力の取水施設まで約7.5kmの林道歩きです。取水施設から幌尻山荘までは額平川の沢沿いに十数回渡渉を繰り返しながら進みます。しっかりとした沢登り用の装備を整えましょう。なお沢の増水時には渡渉が困難になり非常に危険です。時に引き返す勇気を持ちましょう。左岸に五ノ沢の落ち込みが見えてきたら、幌尻山荘は近いです。幌尻山荘は夏期のみ管理人が滞在する予約制の山小屋です。 2日目は山荘から幌尻岳山頂を目指します。いきなり急斜面のジグザグ登りが続きます。飽きるほどのターンを繰り返すことになりますが、1497mからは展望も開けて、ヌカビラ岳から北戸蔦別岳の山々が見えてきます。しばらく稜線を進むと命の水の案内があります。踏み跡を少し下ると命の水が湧き出しているので水を補給します。 稜線を進むとハイマツ帯に植生も変わり、登り切ると北カール越しに幌尻岳の山が眼前に広がります。北カールにはヒグマがいることがあるので注意しましょう。エゾウサギギク、ツガザクラ類、エゾヒメクワガタなど高山植物が咲く登山道を進み、新冠コース分岐と合流し山頂を目指します。幌尻岳山頂は礫地となっており、遮るもののない360度の大展望を満喫することが出来ます。日高山脈主峰からは遠くに大雪山、十勝岳などを望むことが出来ます。 帰りは往路を下り幌尻山荘に戻ります。なお幌尻岳山頂より戸蔦別岳を経由し1881mから六ノ沢に下り幌尻山荘に周回するコースもありますが、不明瞭な道、ヒグマも多いので経験者向きのコースです。
    幌尻岳は標高2052mの日高山脈襟裳十勝国立公園の最高峰です。北カール、東カール、七ッ沼カールを抱え、アイヌ語で大きい山「ポロ・シリ」を意味します。 1日目は平取町とよぬか山荘より専用シャトルバス(要予約、7/1〜9/30の期間、1日3便)を利用し林道第2ゲートへ向かいます。ゲートからは北海道電力の取水施設まで約7.5kmの林道歩きです。取水施設から幌尻山荘までは額平川の沢沿いに十数回渡渉を繰り返しながら進みます。しっかりとした沢登り用の装備を整えましょう。なお沢の増水時には渡渉が困難になり非常に危険です。時に引き返す勇気を持ちましょう。左岸に五ノ沢の落ち込みが見えてきたら、幌尻山荘は近いです。幌尻山荘は夏期のみ管理人が滞在する予約制の山小屋です。 2日目は山荘から幌尻岳山頂を目指します。いきなり急斜面のジグザグ登りが続きます。飽きるほどのターンを繰り返すことになりますが、1497mからは展望も開けて、ヌカビラ岳から北戸蔦別岳の山々が見えてきます。しばらく稜線を進むと命の水の案内があります。踏み跡を少し下ると命の水が湧き出しているので水を補給します。 稜線を進むとハイマツ帯に植生も変わり、登り切ると北カール越しに幌尻岳の山が眼前に広がります。北カールにはヒグマがいることがあるので注意しましょう。エゾウサギギク、ツガザクラ類、エゾヒメクワガタなど高山植物が咲く登山道を進み、新冠コース分岐と合流し山頂を目指します。幌尻岳山頂は礫地となっており、遮るもののない360度の大展望を満喫することが出来ます。日高山脈主峰からは遠くに大雪山、十勝岳などを望むことが出来ます。 帰りは往路を下り幌尻山荘に戻ります。なお幌尻岳山頂より戸蔦別岳を経由し1881mから六ノ沢に下り幌尻山荘に周回するコースもありますが、不明瞭な道、ヒグマも多いので経験者向きのコースです。
  • 幌尻岳(新冠コース)

    幌尻岳(新冠コース)

    林道ゲートからイドンナップ山荘まで約40km、イドンナップ山荘からは19kmの林道を歩きます。長い林道を歩き、奥新冠ダムを通過すると新冠ポロシリ山荘に到着します。 2日目は山荘から出発し川沿いの登山道を進みます。標高960mの渡渉は川幅5m程度で岩上を歩いて越えられますが、増水時は渡渉できません。樹林帯の登山道を標高を上げていきます。1620mの水場は湧き水が出ていますが、早い時期は沢が雪渓で埋まっているのでトラバース時の滑落には注意してください。また上部登山道からの落石もあるので、休憩は早めに済ませ登山道を進んでいきます。 次第に樹林帯が開け高山植物が咲くお花畑になります。振り返れば登ってきた沢筋から幌尻湖が見えます。岩場を通過しハイマツの道を登ると大岩が現れ、やがて新冠コース分岐にて振内方面からの道と合流します。北カールを見ながら登ると幌尻岳の山頂です。 帰路はお花畑付近の岩場と水場の滑落に注意しながら新冠ポロシリ山荘に戻り、ゆっくり疲れを取りましょう。
    林道ゲートからイドンナップ山荘まで約40km、イドンナップ山荘からは19kmの林道を歩きます。長い林道を歩き、奥新冠ダムを通過すると新冠ポロシリ山荘に到着します。 2日目は山荘から出発し川沿いの登山道を進みます。標高960mの渡渉は川幅5m程度で岩上を歩いて越えられますが、増水時は渡渉できません。樹林帯の登山道を標高を上げていきます。1620mの水場は湧き水が出ていますが、早い時期は沢が雪渓で埋まっているのでトラバース時の滑落には注意してください。また上部登山道からの落石もあるので、休憩は早めに済ませ登山道を進んでいきます。 次第に樹林帯が開け高山植物が咲くお花畑になります。振り返れば登ってきた沢筋から幌尻湖が見えます。岩場を通過しハイマツの道を登ると大岩が現れ、やがて新冠コース分岐にて振内方面からの道と合流します。北カールを見ながら登ると幌尻岳の山頂です。 帰路はお花畑付近の岩場と水場の滑落に注意しながら新冠ポロシリ山荘に戻り、ゆっくり疲れを取りましょう。
  • 幌尻岳(チロロ林道コース)

    幌尻岳(チロロ林道コース)

    チロロ林道終点のゲートから出発します。二岐沢沿いの林道を歩き北海道電力の取水ダムへ。そこから川沿いの登山道を進み二ノ沢を登っていきます。沢から尾根の登山道を登ると標高1390mでトッタの泉に着きます。岩の隙間から湧き水が出ています。そのまま樹林帯の登山道を進み、ハイマツが出てくるとカンラン岩の稜線になり、視界が開けてヌカビラ岳の山頂に到着です。雄大な北カールを抱いた幌尻岳が見えます。景色を後にして稜線を進み、北戸蔦別岳手前のコルでテント泊します。 2日目は北戸蔦別岳を経由して稜線を進みます。左手に戸蔦別川A,Bカールを見ながら高山植物咲く登山道を進み戸蔦別岳山頂へ。山頂からの七ッ沼カールを抱く幌尻岳の姿は雄大です。ハイマツの中の登山道を進みます。七ッ沼カールに降りる際は幌尻岳側の道は急で危険なので戸蔦別岳側の道が歩きやすいです。稜線を進み幌尻岳の肩に登り切ります。縦走路を進むと幌尻岳の山頂です。同ルートをテントまで戻りゆっくり体を休めましょう。
    チロロ林道終点のゲートから出発します。二岐沢沿いの林道を歩き北海道電力の取水ダムへ。そこから川沿いの登山道を進み二ノ沢を登っていきます。沢から尾根の登山道を登ると標高1390mでトッタの泉に着きます。岩の隙間から湧き水が出ています。そのまま樹林帯の登山道を進み、ハイマツが出てくるとカンラン岩の稜線になり、視界が開けてヌカビラ岳の山頂に到着です。雄大な北カールを抱いた幌尻岳が見えます。景色を後にして稜線を進み、北戸蔦別岳手前のコルでテント泊します。 2日目は北戸蔦別岳を経由して稜線を進みます。左手に戸蔦別川A,Bカールを見ながら高山植物咲く登山道を進み戸蔦別岳山頂へ。山頂からの七ッ沼カールを抱く幌尻岳の姿は雄大です。ハイマツの中の登山道を進みます。七ッ沼カールに降りる際は幌尻岳側の道は急で危険なので戸蔦別岳側の道が歩きやすいです。稜線を進み幌尻岳の肩に登り切ります。縦走路を進むと幌尻岳の山頂です。同ルートをテントまで戻りゆっくり体を休めましょう。
  • カムイエクウチカウシ山

    カムイエクウチカウシ山

    カムイエクウチカウシ山は日高山脈中心部に鎮座し、標高1979mの第二の高峰です。アイヌ語で「熊が転げる山」の意味でカールを抱く山頂からは急峻な姿が魅力的です。 道道静内札内川線終点の幌尻ゲートより出発します。七ノ沢出合から沢装備に変えて渡渉を繰り返しながら進みます。八ノ沢出合にてこの日はビバークします。 2日目は八ノ沢を登っていきます。標高1000mの三股は8月上旬まで雪渓で覆われているので通過は細心の注意をします。高巻きやへつりを繰り返し標高をあげます。八ノ沢カール手前でお花畑に入ります。慰霊碑のあるカール中心から左手稜線の最低コルまで登山道を進みます。岩稜とハイマツの稜線を登るとカムイエクウチカウシ山山頂で日高山脈の荒々しい山並みが見渡せます。帰路は滑落、道迷いに注意して八ノ沢のテント場に戻ります。
    カムイエクウチカウシ山は日高山脈中心部に鎮座し、標高1979mの第二の高峰です。アイヌ語で「熊が転げる山」の意味でカールを抱く山頂からは急峻な姿が魅力的です。 道道静内札内川線終点の幌尻ゲートより出発します。七ノ沢出合から沢装備に変えて渡渉を繰り返しながら進みます。八ノ沢出合にてこの日はビバークします。 2日目は八ノ沢を登っていきます。標高1000mの三股は8月上旬まで雪渓で覆われているので通過は細心の注意をします。高巻きやへつりを繰り返し標高をあげます。八ノ沢カール手前でお花畑に入ります。慰霊碑のあるカール中心から左手稜線の最低コルまで登山道を進みます。岩稜とハイマツの稜線を登るとカムイエクウチカウシ山山頂で日高山脈の荒々しい山並みが見渡せます。帰路は滑落、道迷いに注意して八ノ沢のテント場に戻ります。
  • ペテガリ岳

    ペテガリ岳

    ペテガリ岳は日高山脈中南部に位置する標高1736mの山です。アイヌ語で「回遊する川」を意味するペテガリ川の水源に由来します。厳冬期は人を寄せ付けず、かつては遥かなる山と呼ばれていました。 1日目は神威山荘手前の林道分岐先に駐車し登山スタートです。事前に北海道森林管理局ホームページで林道の開通状況を確認しましょう。 ニシュオマナイ川は増水時渡渉困難になるので天候の急変に要注意。沢沿いの道なので沢靴を推奨します。踏み跡どおりに尾根を越えると開けた林道に合流し、林道をペテガリ山荘へ進みます。翌日に備えてゆっくり休みましょう。 2日目は沢沿いの道から尾根道を進みます。アップダウンを繰り返し最後の標高差500mの急登を登り切るとペテガリ岳山頂で日高山脈中部の大展望が味わえます。帰路は往路を戻ります。 3日目は、往路を尾根越えして下山します。
    ペテガリ岳は日高山脈中南部に位置する標高1736mの山です。アイヌ語で「回遊する川」を意味するペテガリ川の水源に由来します。厳冬期は人を寄せ付けず、かつては遥かなる山と呼ばれていました。 1日目は神威山荘手前の林道分岐先に駐車し登山スタートです。事前に北海道森林管理局ホームページで林道の開通状況を確認しましょう。 ニシュオマナイ川は増水時渡渉困難になるので天候の急変に要注意。沢沿いの道なので沢靴を推奨します。踏み跡どおりに尾根を越えると開けた林道に合流し、林道をペテガリ山荘へ進みます。翌日に備えてゆっくり休みましょう。 2日目は沢沿いの道から尾根道を進みます。アップダウンを繰り返し最後の標高差500mの急登を登り切るとペテガリ岳山頂で日高山脈中部の大展望が味わえます。帰路は往路を戻ります。 3日目は、往路を尾根越えして下山します。
  • 障子ヶ岳から以東岳を繋ぐ周回コース

    障子ヶ岳から以東岳を繋ぐ周回コース

    大井沢口の南俣沢出合から林道を30分ほど行くと障子ヶ岳登山口があります。出合吹沢を渡ると急な登りが始まります。水場を過ぎ鞍部からひと登りすると稜線上に出て、紫ナデから障子ヶ岳山頂まで見晴らしの良い尾根歩きが続きます。1300m前後の尾根ですが、季節風をまともに受ける地形のため、低いながら主稜線さながらの景観が広がります。雪崩により削り取られた迫力ある岩壁を眺めながら山頂を目指します。障子ヶ岳山頂からは出合川の深い谷とどっしりとした以東岳を望めます。急なヤセ尾根を下りアップダウンを繰り返すと粟畑に達し、天狗角力取山避難小屋はもうすぐです。 天狗が相撲を取ったという天狗角力取場を過ぎ縦走路から右にそれると、天狗角力取山です。ここから一気に標高差約650mを下ります。出合川渡渉点近くの左岸には湧き水があります。膝丈ほどの渡渉になりますが、増水時は渡ることができないので、時期や天候を判断しなくてはなりません。渡渉後、尾根道に取り付くまでは不明瞭ですが、テープを頼りに探します。樹林帯の急坂を登ると明光山です。灌木帯に変わり徐々に展望が開けてきます。奇峰・エズラ峰と小さな滝が連続するオツボ沢の美しい景色を眺めながらササ原の中を高度を上げ、草原に出ればオツボ峰はもうすぐです。 明光山からオツボ峰にかけては、昔大井沢の狩人たちが切り拓いた道です。近年は廃道状態になっていましたが西川山岳会の有志が中心となり数年かけて復活させました。通行に際しては自己責任となります。 一等三角点のある以東岳からの下りは、裸地化と浸食が激しく、視界不良時にはルートを見失わないように注意します。中先峰を過ぎ登り返すとまもなく狐穴避難小屋に着きます。かつて水の湧く草原の中に狐の住み穴があったそうです。 小屋前の木道を通り、高松峰分岐に向かいます。振り返ると、狐穴避難小屋と以東岳が額縁に入るような景色を眺められます。砂礫と岩、ハイマツの気持ちの良い尾根を緩やかに下っていきます。高松峰からコバラメキまでは、岩場や足場の悪い急斜面でロープが設置してある箇所があります。テラス状の大岩を乗り越えると、灌木帯になり、ブナ林の中を登り返すと二ッ石山です。湯沢峰、ウツノシマ峰を過ぎ、やや急な坂を登り切ると天狗角力取山分岐に着きます。粟畑からは尾根筋を下り、その後竜ヶ岳の北側を巻くように進むと焼峰に至ります。最後は緩やかなカラマツ林を抜けて一段下って進んでいくと南俣沢出合に到着です。 二ッ石山を通るルートには二つの特徴があります。ひとつ目は景観の良さです。登山道の南東側は切れ落ちているため見通しがよく、特にオバラメキ付近では迫力ある岩壁を眺めることができます。二つ目は、比較的風が弱いことです。主稜線上で爆風が吹き付ける時など、エスケープルートして利用できます。
    大井沢口の南俣沢出合から林道を30分ほど行くと障子ヶ岳登山口があります。出合吹沢を渡ると急な登りが始まります。水場を過ぎ鞍部からひと登りすると稜線上に出て、紫ナデから障子ヶ岳山頂まで見晴らしの良い尾根歩きが続きます。1300m前後の尾根ですが、季節風をまともに受ける地形のため、低いながら主稜線さながらの景観が広がります。雪崩により削り取られた迫力ある岩壁を眺めながら山頂を目指します。障子ヶ岳山頂からは出合川の深い谷とどっしりとした以東岳を望めます。急なヤセ尾根を下りアップダウンを繰り返すと粟畑に達し、天狗角力取山避難小屋はもうすぐです。 天狗が相撲を取ったという天狗角力取場を過ぎ縦走路から右にそれると、天狗角力取山です。ここから一気に標高差約650mを下ります。出合川渡渉点近くの左岸には湧き水があります。膝丈ほどの渡渉になりますが、増水時は渡ることができないので、時期や天候を判断しなくてはなりません。渡渉後、尾根道に取り付くまでは不明瞭ですが、テープを頼りに探します。樹林帯の急坂を登ると明光山です。灌木帯に変わり徐々に展望が開けてきます。奇峰・エズラ峰と小さな滝が連続するオツボ沢の美しい景色を眺めながらササ原の中を高度を上げ、草原に出ればオツボ峰はもうすぐです。 明光山からオツボ峰にかけては、昔大井沢の狩人たちが切り拓いた道です。近年は廃道状態になっていましたが西川山岳会の有志が中心となり数年かけて復活させました。通行に際しては自己責任となります。 一等三角点のある以東岳からの下りは、裸地化と浸食が激しく、視界不良時にはルートを見失わないように注意します。中先峰を過ぎ登り返すとまもなく狐穴避難小屋に着きます。かつて水の湧く草原の中に狐の住み穴があったそうです。 小屋前の木道を通り、高松峰分岐に向かいます。振り返ると、狐穴避難小屋と以東岳が額縁に入るような景色を眺められます。砂礫と岩、ハイマツの気持ちの良い尾根を緩やかに下っていきます。高松峰からコバラメキまでは、岩場や足場の悪い急斜面でロープが設置してある箇所があります。テラス状の大岩を乗り越えると、灌木帯になり、ブナ林の中を登り返すと二ッ石山です。湯沢峰、ウツノシマ峰を過ぎ、やや急な坂を登り切ると天狗角力取山分岐に着きます。粟畑からは尾根筋を下り、その後竜ヶ岳の北側を巻くように進むと焼峰に至ります。最後は緩やかなカラマツ林を抜けて一段下って進んでいくと南俣沢出合に到着です。 二ッ石山を通るルートには二つの特徴があります。ひとつ目は景観の良さです。登山道の南東側は切れ落ちているため見通しがよく、特にオバラメキ付近では迫力ある岩壁を眺めることができます。二つ目は、比較的風が弱いことです。主稜線上で爆風が吹き付ける時など、エスケープルートして利用できます。
  • 以東岳から大朝日岳への主稜線大縦走

    以東岳から大朝日岳への主稜線大縦走

    大鳥集落から泡滝ダム登山口までは約10㎞の林道なので、マイカーかタクシー、夏期運行バスを利用しての入山します。駐車場と仮設トイレが設置してある登山口から大鳥川沿いに進み、ジミヤチ水場を過ぎると間もなく冷水沢吊橋に着きます。次の七ツ滝沢吊橋を渡ると少しずつ高度を上げていき、水が湧き流れている斜面を何度も横切る七曲りをジグザグと登り上げると大鳥池に到着です。水が豊富で清潔感ある大鳥避難小屋(タキタロウ山荘)に宿泊し、管理人から大鳥池に住む怪魚・タキタロウ伝説の話を聞くのも一興です。 大鳥池の堰き止め口を渡り湖畔を少し行くと直登コースとの分岐です。直登コースへは、やや足場の不安定な湖畔を通過した後東沢を渡るので、荒天時には通行困難な場合もあります。ここでは分岐からオツボ峰コースを辿ります。ブナ林の急な登りを終えると灌木帯に入り、展望が良くなります。振り返ると、眼下には熊の毛皮を広げたような形の大鳥池が見えます。三角峰あたりから草原地帯になり、ヒメサユリなどの高山植物が楽しめます。オツボ峰まではヒナウスユキソウやハクサンイチゲ、晩夏にはタカネマツムシソウがたくさん咲きます。明光山方面との分岐を過ぎ、大きな花崗岩が直立しているような箇所もある尾根を進むと、一等三角点のある以東岳山頂に着きます。以東岳からは脈々と続く主稜線の先に大朝日岳の尖がりが見えます。以東岳はガスがかかりやすい山なので、このような景色が眺められたら幸運を噛みしめましょう。直登コースを5分ほど下ると以東岳避難小屋があるので休憩等で利用できます。 以東岳からはザレた崩落斜面を下っていくので、視界不良時は登山道を外れないように細心の注意を払って進みます。いくつかの峰を超えると狐穴避難小屋に到着します。水が豊富な山上のオアシスで休憩してから三方境に向かいます。三方境は、視界不良時には天狗方面の分岐で方向を間違わないように注意します。北寒江山、寒江山、南寒江山、さらにもう一つ峰を超えると竜門山避難小屋です。この区間は風を遮る場所がなく、強風にさらされて歩行困難になることがあります。一方寒江山周辺は花の山で、6月のヒナウスユキソウ、8月のタカネマムシソウの群生が見事です。また特別保護区域の岩井又沢源流域を扇状に眺めることができるのも魅力です。 竜門山、西朝日岳、中岳を超えると大朝日岳に至ります。大朝日岳山頂からは、大縦走の下山口を多様に選択することができます。ここでは比較的足場がよい古寺山を経由して古寺案内センターへと下るルートを選びます。(日暮沢登山口から大朝日岳へ(コースガイド)、古寺案内センターから大朝日岳へ(コースガイド)を参照) その他、大鳥集落の宿に前泊して送迎車で入山する方法もあります。1泊目は以東岳避難小屋か狐穴避難小屋、2泊目に大朝日岳山頂避難小屋を利用すれば、祝瓶山方面や長井葉山方面へ大縦走することも可能です。
    大鳥集落から泡滝ダム登山口までは約10㎞の林道なので、マイカーかタクシー、夏期運行バスを利用しての入山します。駐車場と仮設トイレが設置してある登山口から大鳥川沿いに進み、ジミヤチ水場を過ぎると間もなく冷水沢吊橋に着きます。次の七ツ滝沢吊橋を渡ると少しずつ高度を上げていき、水が湧き流れている斜面を何度も横切る七曲りをジグザグと登り上げると大鳥池に到着です。水が豊富で清潔感ある大鳥避難小屋(タキタロウ山荘)に宿泊し、管理人から大鳥池に住む怪魚・タキタロウ伝説の話を聞くのも一興です。 大鳥池の堰き止め口を渡り湖畔を少し行くと直登コースとの分岐です。直登コースへは、やや足場の不安定な湖畔を通過した後東沢を渡るので、荒天時には通行困難な場合もあります。ここでは分岐からオツボ峰コースを辿ります。ブナ林の急な登りを終えると灌木帯に入り、展望が良くなります。振り返ると、眼下には熊の毛皮を広げたような形の大鳥池が見えます。三角峰あたりから草原地帯になり、ヒメサユリなどの高山植物が楽しめます。オツボ峰まではヒナウスユキソウやハクサンイチゲ、晩夏にはタカネマツムシソウがたくさん咲きます。明光山方面との分岐を過ぎ、大きな花崗岩が直立しているような箇所もある尾根を進むと、一等三角点のある以東岳山頂に着きます。以東岳からは脈々と続く主稜線の先に大朝日岳の尖がりが見えます。以東岳はガスがかかりやすい山なので、このような景色が眺められたら幸運を噛みしめましょう。直登コースを5分ほど下ると以東岳避難小屋があるので休憩等で利用できます。 以東岳からはザレた崩落斜面を下っていくので、視界不良時は登山道を外れないように細心の注意を払って進みます。いくつかの峰を超えると狐穴避難小屋に到着します。水が豊富な山上のオアシスで休憩してから三方境に向かいます。三方境は、視界不良時には天狗方面の分岐で方向を間違わないように注意します。北寒江山、寒江山、南寒江山、さらにもう一つ峰を超えると竜門山避難小屋です。この区間は風を遮る場所がなく、強風にさらされて歩行困難になることがあります。一方寒江山周辺は花の山で、6月のヒナウスユキソウ、8月のタカネマムシソウの群生が見事です。また特別保護区域の岩井又沢源流域を扇状に眺めることができるのも魅力です。 竜門山、西朝日岳、中岳を超えると大朝日岳に至ります。大朝日岳山頂からは、大縦走の下山口を多様に選択することができます。ここでは比較的足場がよい古寺山を経由して古寺案内センターへと下るルートを選びます。(日暮沢登山口から大朝日岳へ(コースガイド)、古寺案内センターから大朝日岳へ(コースガイド)を参照) その他、大鳥集落の宿に前泊して送迎車で入山する方法もあります。1泊目は以東岳避難小屋か狐穴避難小屋、2泊目に大朝日岳山頂避難小屋を利用すれば、祝瓶山方面や長井葉山方面へ大縦走することも可能です。