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検索結果171件中  81-100件
  • 裏剱 仙人新道・水平歩道

    裏剱 仙人新道・水平歩道

    室堂ターミナルを出発し、雷鳥沢・雷鳥坂をへて、剱御前小舎へ進みます。そこから剱沢を下ります。剱澤小屋を越えまもまなく日本三大雪渓のひとつにも数えらる大雪渓に出ます。アイゼンを装着しゆっくり下ります。雪渓上のクレパスやシュルンド等には注意して歩きましょう。特にスノーブリッジや氷化し薄雪部分には十分に注意してください。 長次郎出合周辺で左岸へ渡り、ペンキを頼りに真砂沢ロッジへ下ります。滝や激流のへの転落に注意しましょう。真砂沢ロッジを過ぎまもなく、ハシゴ谷乗越・内蔵助平方面への分岐に至ります。さらに本流を下ります。細かなアップダウンを繰り返しハシゴや鎖場を通過して進むと、広い河原に出ます。増水時は要注意です。程なく、二岐吊橋へ至ります。大きな近藤岩を眺め一息入れましょう。 いよいよ仙人新道の急な登りが始まります。長い登りですが慌てずゆっくり登りましょう。木々の視界が開けると、氷河に認定された三ノ窓雪渓が望めます。急坂を上りきると仙人峠の分岐です。右の仙人池方面へ進みます。左に行けば池の平です。分岐後、木道を進むと程なく赤い屋根の仙人池ヒュッテへ着きます。ヒュッテ横には「仙人池」が横たわり、秘境の絶景を楽しむ事が出来るでしょう。特に紅葉シーズンがお勧めです。 翌朝 仙人谷へ下ります。急な下りのため滑落に注意しましょう。右手奥に湯煙が見えてくると仙人温泉も近いです。仙人温泉小屋(休業中、2025年は要確認)を過ぎ雲切新道へ進みます。一旦登り尾根を越えます。そこから雲切新道の長い急下りが始まります。 多数のロープやハシゴをへて仙人谷ダムへ至ります。関電人見平宿舎を通過し、阿曽原峠の急斜面を登り進みます。まもなく登山道は水平となりその後下り始めると阿曽原温泉小屋も近いです。かつてのダム建設時、トンネル掘削の際、高温の岩盤に行き当たり工事が難航したポイントです。小説「高熱隧道」で有名です。今でも湯が湧き阿曽原温泉小屋にはその湯を引いた露天風呂があり、登山の疲れを癒してくれます。 そこからは水平に伸びる、水平歩道が始まります。鋭く切り立った黒部峡谷の断崖絶壁に『コ』の字型にくり抜き作られた道を進みます。狭い個所では幅70㎝程度しかないので、慎重に歩きましょう。途中、トンネルが3本あります。志合谷トンネルは150mと長くヘッドライトが必要です。トンネルを越えると、およそ2時間少々で欅平へとたどり着くことが出来ます。
    室堂ターミナルを出発し、雷鳥沢・雷鳥坂をへて、剱御前小舎へ進みます。そこから剱沢を下ります。剱澤小屋を越えまもまなく日本三大雪渓のひとつにも数えらる大雪渓に出ます。アイゼンを装着しゆっくり下ります。雪渓上のクレパスやシュルンド等には注意して歩きましょう。特にスノーブリッジや氷化し薄雪部分には十分に注意してください。 長次郎出合周辺で左岸へ渡り、ペンキを頼りに真砂沢ロッジへ下ります。滝や激流のへの転落に注意しましょう。真砂沢ロッジを過ぎまもなく、ハシゴ谷乗越・内蔵助平方面への分岐に至ります。さらに本流を下ります。細かなアップダウンを繰り返しハシゴや鎖場を通過して進むと、広い河原に出ます。増水時は要注意です。程なく、二岐吊橋へ至ります。大きな近藤岩を眺め一息入れましょう。 いよいよ仙人新道の急な登りが始まります。長い登りですが慌てずゆっくり登りましょう。木々の視界が開けると、氷河に認定された三ノ窓雪渓が望めます。急坂を上りきると仙人峠の分岐です。右の仙人池方面へ進みます。左に行けば池の平です。分岐後、木道を進むと程なく赤い屋根の仙人池ヒュッテへ着きます。ヒュッテ横には「仙人池」が横たわり、秘境の絶景を楽しむ事が出来るでしょう。特に紅葉シーズンがお勧めです。 翌朝 仙人谷へ下ります。急な下りのため滑落に注意しましょう。右手奥に湯煙が見えてくると仙人温泉も近いです。仙人温泉小屋(休業中、2025年は要確認)を過ぎ雲切新道へ進みます。一旦登り尾根を越えます。そこから雲切新道の長い急下りが始まります。 多数のロープやハシゴをへて仙人谷ダムへ至ります。関電人見平宿舎を通過し、阿曽原峠の急斜面を登り進みます。まもなく登山道は水平となりその後下り始めると阿曽原温泉小屋も近いです。かつてのダム建設時、トンネル掘削の際、高温の岩盤に行き当たり工事が難航したポイントです。小説「高熱隧道」で有名です。今でも湯が湧き阿曽原温泉小屋にはその湯を引いた露天風呂があり、登山の疲れを癒してくれます。 そこからは水平に伸びる、水平歩道が始まります。鋭く切り立った黒部峡谷の断崖絶壁に『コ』の字型にくり抜き作られた道を進みます。狭い個所では幅70㎝程度しかないので、慎重に歩きましょう。途中、トンネルが3本あります。志合谷トンネルは150mと長くヘッドライトが必要です。トンネルを越えると、およそ2時間少々で欅平へとたどり着くことが出来ます。
  • 黒部ダムをスタートし、下ノ廊下をへて欅平へ

    黒部ダムをスタートし、下ノ廊下をへて欅平へ

    “黒部の太陽”の舞台、黒部ダムからスタートします。黒部ダムは堰堤の高さと長さが日本一位で、黒部峡谷の深さを感じられます。 黒部ダム駅の階段を下り登山者専用「カレ谷出口」を出るとダム下部に出ます。ここから先は旧日電歩道を歩きます。旧日電歩道は戦前から続く水力発電の調査の為の目的で作られた道です。車道を下り、橋を渡ります。対岸に渡ると峡谷を流れる黒部川に沿って歩きます。そのまま進み内蔵助谷出合に着きます。ここは水量豊で、丸木橋があります。雨天後は注意です。間も無くするとV字峡の壁面を通る細い道があるのが見えてきます。ここからは先は気が抜けないポイントが続きます。断崖絶壁の岩壁をコの字型にくり抜いた登山道にはワイヤーロープや丸木の足場、木のハシゴが設置されています。山側からの落石もあるので注意です。 水平歩道を白滝峡へ向かいます。途中、ナメ滝、別山岩屋を通ります。岩肌を流れるナメ滝は緊張の糸を緩めてくれます。新越沢合流点近くには水が滝のように流れる所があるので要注意です。 この辺りからは段々と高度を上げていき高度感のある肩幅ほどの道が幾度となく続きます。川を渡る箇所があり増水時は注意してください。ロープがかかった壁を登ると黒部別山谷です。この先も肩幅ほどの細く高度のある道が続きます。ほどなくすると白竜峡に到着します。白滝峡を過ぎると今までの緊張の連続が終わり、歩きやすい道を十字峡へと向かいます。十字峡広場近くには下に降りる道があるが岩場は滑りやすいの注意です。 吊り橋を渡り、半月峡をへてS字峡です。途中、黒四発電所の建物が対岸に見えると東谷吊橋は直ぐそばです。スリル満点の吊橋を渡りきると暗闇のトンネルがあるのでヘッドライトを点けて進みます。トンネルを抜け仙人谷ダムまでは車道を歩きます。再びダムを渡り案内板の指示に従ってトンネルを抜けます。 人見平からは樹林帯の急坂です。権現峠を越えるとようやく阿曽原温泉小屋到着です。10分ほど下った場所に温泉があり男女交代で時間が決まっています。天然温泉は1日の疲れを癒してくれます。小屋を出発し阿曽原谷の川を渡り、急坂を高く巻いて登り水平歩道に合流。この先は単調な道を進み折尾ノ大滝に到着。そのまま進むと折尾谷の明るいトンネルに着くが、早い時期は残雪もあるので注意。さらに進むと大太鼓展望台です。奥鐘山の西壁が見え遠く欅平駅まで望めます。谷側に進むと志合谷でヘッドランプが必要な暗いトンネルを進みます。長さは150mで中には水が流れているので足回りの防水対策が必要です。トンネルを出て坂を登りきると水平歩道に戻ります。この後、岩をくり抜いたトンネルをくぐり、送電線の鉄塔が見えるとコースも終わりです。最後にシジミ坂と呼ばれる急坂を下ってようやく欅平に到着です。
    “黒部の太陽”の舞台、黒部ダムからスタートします。黒部ダムは堰堤の高さと長さが日本一位で、黒部峡谷の深さを感じられます。 黒部ダム駅の階段を下り登山者専用「カレ谷出口」を出るとダム下部に出ます。ここから先は旧日電歩道を歩きます。旧日電歩道は戦前から続く水力発電の調査の為の目的で作られた道です。車道を下り、橋を渡ります。対岸に渡ると峡谷を流れる黒部川に沿って歩きます。そのまま進み内蔵助谷出合に着きます。ここは水量豊で、丸木橋があります。雨天後は注意です。間も無くするとV字峡の壁面を通る細い道があるのが見えてきます。ここからは先は気が抜けないポイントが続きます。断崖絶壁の岩壁をコの字型にくり抜いた登山道にはワイヤーロープや丸木の足場、木のハシゴが設置されています。山側からの落石もあるので注意です。 水平歩道を白滝峡へ向かいます。途中、ナメ滝、別山岩屋を通ります。岩肌を流れるナメ滝は緊張の糸を緩めてくれます。新越沢合流点近くには水が滝のように流れる所があるので要注意です。 この辺りからは段々と高度を上げていき高度感のある肩幅ほどの道が幾度となく続きます。川を渡る箇所があり増水時は注意してください。ロープがかかった壁を登ると黒部別山谷です。この先も肩幅ほどの細く高度のある道が続きます。ほどなくすると白竜峡に到着します。白滝峡を過ぎると今までの緊張の連続が終わり、歩きやすい道を十字峡へと向かいます。十字峡広場近くには下に降りる道があるが岩場は滑りやすいの注意です。 吊り橋を渡り、半月峡をへてS字峡です。途中、黒四発電所の建物が対岸に見えると東谷吊橋は直ぐそばです。スリル満点の吊橋を渡りきると暗闇のトンネルがあるのでヘッドライトを点けて進みます。トンネルを抜け仙人谷ダムまでは車道を歩きます。再びダムを渡り案内板の指示に従ってトンネルを抜けます。 人見平からは樹林帯の急坂です。権現峠を越えるとようやく阿曽原温泉小屋到着です。10分ほど下った場所に温泉があり男女交代で時間が決まっています。天然温泉は1日の疲れを癒してくれます。小屋を出発し阿曽原谷の川を渡り、急坂を高く巻いて登り水平歩道に合流。この先は単調な道を進み折尾ノ大滝に到着。そのまま進むと折尾谷の明るいトンネルに着くが、早い時期は残雪もあるので注意。さらに進むと大太鼓展望台です。奥鐘山の西壁が見え遠く欅平駅まで望めます。谷側に進むと志合谷でヘッドランプが必要な暗いトンネルを進みます。長さは150mで中には水が流れているので足回りの防水対策が必要です。トンネルを出て坂を登りきると水平歩道に戻ります。この後、岩をくり抜いたトンネルをくぐり、送電線の鉄塔が見えるとコースも終わりです。最後にシジミ坂と呼ばれる急坂を下ってようやく欅平に到着です。
  • 雲ノ平・高天原温泉

    雲ノ平・高天原温泉

    秘境へのスタートは折立から太郎坂を急登します。風の抜けない樹林帯なので小休止をしながら登って行きましょう。ぐんぐん標高をあげると三角点があり、近くには一休みできるべンチがあります。ここからは眺望も開け遠くには薬師岳も見えます。ベンチを過ぎると草原広がる緩やかな尾根歩きに変わり、周辺にはコバイケイソウ・イワイチョウ・ニッコウキスゲと高山植物が咲き誇り歩きやすい木道へと変わります。緩やかな太郎兵衛平を進むと太郎平小屋到着です。 太郎平小屋から分岐があり薬師沢方面へと進みます。木道を歩き、小屋に別れを告げ樹林帯の急坂を下ります。左俣出合までは渡渉箇所が3箇所有り増水時は要注意です。緩やかに下り樹林帯、湿原と進むとカッパが棲でいるといわれているカベッケヶ原に着きます。ベンチがあるので小休止。木道を進み薬師沢小屋に到着です。薬師沢小屋にはキンキンに冷えた水があるので給水しましょう。 吊橋を渡り、ハシゴを降りると薬師沢出合分岐があり雲ノ平方面へ向かいます。木の根・苔むした岩のゴロゴロした急登を登ります。滑りやすいので注意です。約2時間30分登るとようやく急登も終わり樹林の木道歩きに変わります。木道を進みアラスカ庭園まで来ると視界は開け日本最後の秘境と呼ばれる庭園歩きが始まります。数々の庭園を経由して雲ノ平山荘に到着です。雲ノ平山荘周辺にはアラスカ庭園・ギリシャ庭園・スイス庭園・祖父庭園・日本庭園と5つの庭園があり時間があればゆっくり回るのもオススメです。 雲ノ平山荘を離れ高天原方面へ進みます。緩やかな開けた道を進み樹林帯に変わると急な下りになります。ハシゴ・ガイドロープ箇所があるので注意です。木道が現れると高天原峠も近いです。高天原峠を過ぎると湿原・草原と緩やかになり丸木橋を過ぎると高天原山荘に到着です。高天原山荘から温泉までは約1km・往復50分です。乳白色の温泉は長旅の疲れを癒してくれます。 高天原峠まで折り返し、大東新道に向かいます。ここからは急坂を下って行きます。D沢の渡渉を過ぎ山腹を横切り下ります。C沢・B沢の渡渉は足場が崩れやいので要注意です。A沢まで下ると黒部川沿いに進みます。黒部川の右岸沿いを薬師沢小屋まで歩きます。途中ハシゴ・高巻き箇所があり増水時には注意です。薬師沢小屋からは往路をたどり、太郎兵衛平をへて折立まで戻ります。
    秘境へのスタートは折立から太郎坂を急登します。風の抜けない樹林帯なので小休止をしながら登って行きましょう。ぐんぐん標高をあげると三角点があり、近くには一休みできるべンチがあります。ここからは眺望も開け遠くには薬師岳も見えます。ベンチを過ぎると草原広がる緩やかな尾根歩きに変わり、周辺にはコバイケイソウ・イワイチョウ・ニッコウキスゲと高山植物が咲き誇り歩きやすい木道へと変わります。緩やかな太郎兵衛平を進むと太郎平小屋到着です。 太郎平小屋から分岐があり薬師沢方面へと進みます。木道を歩き、小屋に別れを告げ樹林帯の急坂を下ります。左俣出合までは渡渉箇所が3箇所有り増水時は要注意です。緩やかに下り樹林帯、湿原と進むとカッパが棲でいるといわれているカベッケヶ原に着きます。ベンチがあるので小休止。木道を進み薬師沢小屋に到着です。薬師沢小屋にはキンキンに冷えた水があるので給水しましょう。 吊橋を渡り、ハシゴを降りると薬師沢出合分岐があり雲ノ平方面へ向かいます。木の根・苔むした岩のゴロゴロした急登を登ります。滑りやすいので注意です。約2時間30分登るとようやく急登も終わり樹林の木道歩きに変わります。木道を進みアラスカ庭園まで来ると視界は開け日本最後の秘境と呼ばれる庭園歩きが始まります。数々の庭園を経由して雲ノ平山荘に到着です。雲ノ平山荘周辺にはアラスカ庭園・ギリシャ庭園・スイス庭園・祖父庭園・日本庭園と5つの庭園があり時間があればゆっくり回るのもオススメです。 雲ノ平山荘を離れ高天原方面へ進みます。緩やかな開けた道を進み樹林帯に変わると急な下りになります。ハシゴ・ガイドロープ箇所があるので注意です。木道が現れると高天原峠も近いです。高天原峠を過ぎると湿原・草原と緩やかになり丸木橋を過ぎると高天原山荘に到着です。高天原山荘から温泉までは約1km・往復50分です。乳白色の温泉は長旅の疲れを癒してくれます。 高天原峠まで折り返し、大東新道に向かいます。ここからは急坂を下って行きます。D沢の渡渉を過ぎ山腹を横切り下ります。C沢・B沢の渡渉は足場が崩れやいので要注意です。A沢まで下ると黒部川沿いに進みます。黒部川の右岸沿いを薬師沢小屋まで歩きます。途中ハシゴ・高巻き箇所があり増水時には注意です。薬師沢小屋からは往路をたどり、太郎兵衛平をへて折立まで戻ります。
  • 室堂平から薬師岳縦走

    室堂平から薬師岳縦走

    室堂ターミナルに到着したら屋上に上がります。バスターミナル屋上からは立山連峰のパノラマが間近に見え展望抜群です。立山連峰を眺めながら室堂平をスタートします。立山連峰の右側にそびえる三角形の山が浄土山です。立山信仰では極楽浄土の山として信仰されています。石畳の道を一ノ越方面へと進みます。室堂山荘横から浄土山への分岐があり、浄土山方面へ右折します。石畳の階段を上がり展望台手前に浄土山登山口の標識があり、ここからは本格的な登山道が始まります。歩きにくい岩場を進むとやがて急登が始まります。岩場を登りきると軍人霊碑があり、その先が浄土山の山頂です。さらに稜線を南へ進むと木製の櫓があり五色ヶ原方面への分岐があります。ガレ場・岩場を下り、登り返すと鬼岳東面です。遅い時期まで残る残雪をトラバースし下り終えると木道が現れます。木道脇にはチングルマ、コバイケイソウ、クルマユリ、ハクサンフウロなどが一面に咲き、眼下にはエメラルドグリーン色の黒部湖が見え疲れを癒してくれます。 再び登り獅子岳山頂に到着。展望はよく足元には五色ヶ原が広がり、中央部には可愛らしい五色ヶ原山荘が見え、その奥には薬師岳まで続く稜線が見えます。ザラ峠までは急なガレ場・鎖場・ハシゴと下っていきます。ザラ峠の西の斜面は今もなお崩落しており浸食カルデラを登山道の横から見ることができます。ザラ峠を過ぎ木道に出るともう一息。周辺に池塘・五色に彩られた高山植物を眺めながらテント場への分岐を直進すると、まもなく五色ヶ原山荘に到着です。 翌朝、薬師岳方面へ向かいます。鳶山を越えハイマツ帯・木道を過ぎると越中沢乗越。ここから岩場の登りが始まり、登りきると越中沢岳山頂です。展望がよく北アルプスを一望することができます。 急坂を下り岩場を横切り登り返すとスゴノ頭。アップダウンを繰り返しスゴ乗越小屋に到着です。冷たく美味しい水があります。 翌朝、スゴ乗越小屋を出発し樹林帯を緩やかに登ると間山池がありさらに進むと間山山頂です。間山山頂付近は踏み跡がいくつもあるので迷わないよう注意が必要です。 ここからは緩やかな登りが続き次第に岩場のきつい登りになります。転倒・細尾根に注意。岩場を登りきると北薬師岳山頂です。岩綾線を下り登り返すとようやく薬師岳山頂に到着です。薬師岳山頂には立派な祠があり薬師如来が祀られています。山頂からは国の特別天然記念物に指定されているカール群が東面に眺望できます。 さらに稜線を進みます。避難小屋を過ぎるとザレ場のジグザグ道を下り薬師岳山荘に到着です。山荘からは薬師峠を下り太郎平小屋の分岐を折立方面へと下ります。太郎平小屋から折立までは標高約1,000mの長い下りとなります。
    室堂ターミナルに到着したら屋上に上がります。バスターミナル屋上からは立山連峰のパノラマが間近に見え展望抜群です。立山連峰を眺めながら室堂平をスタートします。立山連峰の右側にそびえる三角形の山が浄土山です。立山信仰では極楽浄土の山として信仰されています。石畳の道を一ノ越方面へと進みます。室堂山荘横から浄土山への分岐があり、浄土山方面へ右折します。石畳の階段を上がり展望台手前に浄土山登山口の標識があり、ここからは本格的な登山道が始まります。歩きにくい岩場を進むとやがて急登が始まります。岩場を登りきると軍人霊碑があり、その先が浄土山の山頂です。さらに稜線を南へ進むと木製の櫓があり五色ヶ原方面への分岐があります。ガレ場・岩場を下り、登り返すと鬼岳東面です。遅い時期まで残る残雪をトラバースし下り終えると木道が現れます。木道脇にはチングルマ、コバイケイソウ、クルマユリ、ハクサンフウロなどが一面に咲き、眼下にはエメラルドグリーン色の黒部湖が見え疲れを癒してくれます。 再び登り獅子岳山頂に到着。展望はよく足元には五色ヶ原が広がり、中央部には可愛らしい五色ヶ原山荘が見え、その奥には薬師岳まで続く稜線が見えます。ザラ峠までは急なガレ場・鎖場・ハシゴと下っていきます。ザラ峠の西の斜面は今もなお崩落しており浸食カルデラを登山道の横から見ることができます。ザラ峠を過ぎ木道に出るともう一息。周辺に池塘・五色に彩られた高山植物を眺めながらテント場への分岐を直進すると、まもなく五色ヶ原山荘に到着です。 翌朝、薬師岳方面へ向かいます。鳶山を越えハイマツ帯・木道を過ぎると越中沢乗越。ここから岩場の登りが始まり、登りきると越中沢岳山頂です。展望がよく北アルプスを一望することができます。 急坂を下り岩場を横切り登り返すとスゴノ頭。アップダウンを繰り返しスゴ乗越小屋に到着です。冷たく美味しい水があります。 翌朝、スゴ乗越小屋を出発し樹林帯を緩やかに登ると間山池がありさらに進むと間山山頂です。間山山頂付近は踏み跡がいくつもあるので迷わないよう注意が必要です。 ここからは緩やかな登りが続き次第に岩場のきつい登りになります。転倒・細尾根に注意。岩場を登りきると北薬師岳山頂です。岩綾線を下り登り返すとようやく薬師岳山頂に到着です。薬師岳山頂には立派な祠があり薬師如来が祀られています。山頂からは国の特別天然記念物に指定されているカール群が東面に眺望できます。 さらに稜線を進みます。避難小屋を過ぎるとザレ場のジグザグ道を下り薬師岳山荘に到着です。山荘からは薬師峠を下り太郎平小屋の分岐を折立方面へと下ります。太郎平小屋から折立までは標高約1,000mの長い下りとなります。
  • 黒部湖から読売新道をへて有峰湖へ

    黒部湖から読売新道をへて有峰湖へ

    観光客で賑わう黒部ダムを抜け舗装された道をロッジくろよん方面へ向かいます。ロッジを過ぎると黒部湖を左手に水平道を進みます。御前谷、中ノ谷出合は河原に橋が掛かっており増水時は要注意です。平ノ小屋の近くから平ノ渡船が出ているので時間、運行状況は事前に確認をしておきましょう。対岸に着くと針ノ木の分岐を右折し黒部川上流方面へ進みます。奥黒部ヒュッテまでは丸太橋・丸太ハシゴが連続しアップダウンが続きます。丸太橋を渡り水平な登山道に出ると奥黒部ヒュッテは近いです。 奥黒部ヒュッテから水晶小屋までは小屋・水場もないロングコースの始まりです。読売新道は標高差約1400mでエスケープルートも無いので、早朝に出発し万全の体調で望みましょう。視界のきかない樹林の中をひたすら急登します。8/8の標識があり8/2(標高2050m)地点には鎖場がありまだまだ急登です。やがて視界は開け、花崗岩の岩肌の稜線が現れ、360度パノラマの稜線歩きが始まります。眼下に黒部湖を眺め、ガレ場を登りきると赤褐色をした赤牛岳山頂です。平坦で歩きやすい道を進み温泉沢ノ頭に到着。ここから水晶岳までは巨岩の登りです。水晶岳は名前の通り下ノ本型花崗岩に水晶の結晶が見られ、この山だけが黒っぽい岩塊に見える事から「黒岳」とも呼ばれています。 水晶小屋までは岩のゴロゴロした岩峰を下ります。水晶小屋を過ぎると歩きやすい道に変わりワリモ北分岐に着きます。ここからワリモ岳、鷲羽岳と登ります。鷲羽岳山頂からは南東斜面に美しい火口地形の鷲羽池を見ることができます。 三俣山荘までは鷲羽乗越を越えザレた急坂を下ります。三俣山荘から祖父岳方面に30分下った場所に黒部源流がありここから黒部川の最初の一滴が始まり、黒部湖へと注がれていきます。 三俣山荘を後に三俣峠分岐を三俣蓮華へ登りつめると山頂です。三俣蓮華岳は富山県・岐阜県・長野県の3県を分ける山で、山頂からは圧倒的な存在感の槍ヶ岳が眺望できます。三俣蓮華岳から黒部五郎岳方面にトラバースし、巻道分岐点を黒部五郎小舎へ進みます。遅くまで残雪が残る場所があるので注意です。オオシラビソの急坂を下りきれば黒部五郎小舍に到着です。黒部乗越から壮大な黒部五郎カールの中心に向けて進みます。 雷岩を過ぎるとカール壁の急登です。肩の分岐を黒部五郎岳へ進み山頂です。黒部五郎岳の名の由来は黒部源流域の岩場を抱え込む姿から「ゴーロ→五郎」、と呼ばれるようになったと言われており、その名の通り大きな岩が転がっています。 肩の分岐まで折り返し急坂を下り、北ノ俣岳方面へ向かいます。北ノ俣分岐を太郎平小屋に進み折立・有峰湖方面へと下ります。
    観光客で賑わう黒部ダムを抜け舗装された道をロッジくろよん方面へ向かいます。ロッジを過ぎると黒部湖を左手に水平道を進みます。御前谷、中ノ谷出合は河原に橋が掛かっており増水時は要注意です。平ノ小屋の近くから平ノ渡船が出ているので時間、運行状況は事前に確認をしておきましょう。対岸に着くと針ノ木の分岐を右折し黒部川上流方面へ進みます。奥黒部ヒュッテまでは丸太橋・丸太ハシゴが連続しアップダウンが続きます。丸太橋を渡り水平な登山道に出ると奥黒部ヒュッテは近いです。 奥黒部ヒュッテから水晶小屋までは小屋・水場もないロングコースの始まりです。読売新道は標高差約1400mでエスケープルートも無いので、早朝に出発し万全の体調で望みましょう。視界のきかない樹林の中をひたすら急登します。8/8の標識があり8/2(標高2050m)地点には鎖場がありまだまだ急登です。やがて視界は開け、花崗岩の岩肌の稜線が現れ、360度パノラマの稜線歩きが始まります。眼下に黒部湖を眺め、ガレ場を登りきると赤褐色をした赤牛岳山頂です。平坦で歩きやすい道を進み温泉沢ノ頭に到着。ここから水晶岳までは巨岩の登りです。水晶岳は名前の通り下ノ本型花崗岩に水晶の結晶が見られ、この山だけが黒っぽい岩塊に見える事から「黒岳」とも呼ばれています。 水晶小屋までは岩のゴロゴロした岩峰を下ります。水晶小屋を過ぎると歩きやすい道に変わりワリモ北分岐に着きます。ここからワリモ岳、鷲羽岳と登ります。鷲羽岳山頂からは南東斜面に美しい火口地形の鷲羽池を見ることができます。 三俣山荘までは鷲羽乗越を越えザレた急坂を下ります。三俣山荘から祖父岳方面に30分下った場所に黒部源流がありここから黒部川の最初の一滴が始まり、黒部湖へと注がれていきます。 三俣山荘を後に三俣峠分岐を三俣蓮華へ登りつめると山頂です。三俣蓮華岳は富山県・岐阜県・長野県の3県を分ける山で、山頂からは圧倒的な存在感の槍ヶ岳が眺望できます。三俣蓮華岳から黒部五郎岳方面にトラバースし、巻道分岐点を黒部五郎小舎へ進みます。遅くまで残雪が残る場所があるので注意です。オオシラビソの急坂を下りきれば黒部五郎小舍に到着です。黒部乗越から壮大な黒部五郎カールの中心に向けて進みます。 雷岩を過ぎるとカール壁の急登です。肩の分岐を黒部五郎岳へ進み山頂です。黒部五郎岳の名の由来は黒部源流域の岩場を抱え込む姿から「ゴーロ→五郎」、と呼ばれるようになったと言われており、その名の通り大きな岩が転がっています。 肩の分岐まで折り返し急坂を下り、北ノ俣岳方面へ向かいます。北ノ俣分岐を太郎平小屋に進み折立・有峰湖方面へと下ります。
  • 馬場島から猫又山・赤谷山一周

    馬場島から猫又山・赤谷山一周

    馬場島荘横を通り、ゲートを過ぎると左手側に登山道が始まります。赤ペンキ矢印の書かれた岩があるが草が伸びると全く見えないので注意です。河原から樹林帯に入るとすぐ足場の悪い急登が始まります。木にロープがかけられた急斜面を登り高度を上げて行きます。木の根が道や岩に張りだしているので足元に注意しましょう。標高 約1200m付近まで登るとブナ・ダケカンバ・立山杉の間からはときおり、大日岳・奥大日岳が展望できます。この辺りには直径2mを超える立山杉があります。風の通る場所をみつけ小休止。まだまだ続く急斜面を木の根、岩を掴みながらグングン登って行きます。 急登が終わり大猫平の手前でようやく展望が開け、剱岳、早月尾根を見ることができます。大猫平は湿原で池塘があり周辺には遅くまで残る残雪もあります。雪解けの場所からはニッコウキスゲ・チングルマ・イワイチョウなどが咲き天上の庭園です。 大猫平から稜線までは急斜面でヤブをかき分け進みます。すると赤い口紅の石仏が突如現れます。大猫山の山頂の標識はなく石仏を過ぎた辺りが大猫山の山頂です。石仏周辺からは鋸の刃の様な北方稜線、なだらかに山頂まで伸びる早月尾根と剱岳の全容が見え、鹿島槍ヶ岳や五竜岳の展望がよく、草原の奥には釜谷山・猫又山・赤谷山が正面に見えます。 東芦見尾根は小さなアップダウンを繰り返し足場の狭い岩の横を通り進みます。途中、ハクサンフウロ、タテヤマリンドウ、ミヤマトリカブト、ハクサンコザクラなどの高山植物が色鮮やかに咲いています。三角点を過ぎ分岐を猫又方面に進むと猫又山に到着です。山頂には石仏があり安全登山を見守ってくれています。展望はよく三角に天を衝く剱岳、白馬岳から朝日岳に続く稜線、後立山連峰が展望できます。 ブナクラ峠への分岐まで戻り赤谷山方面へ進みます。ゴロゴロ岩の急斜面を赤ペンキを頼りに下ります。少しすると深いヤブ漕ぎが始まります。道迷い・足元スリップに注意です。ブナクラ乗越には石仏があり赤谷山への急斜面が始まります。刈り上げたササの中の登山道を登って行くと、小ピークに到着します。そのまま草原地帯を歩くと池塘を目にします。この周辺は遅くまで残雪があり、雪渓の急斜面のトラバースや沢越えがあるので気が抜けません。稜線を登り詰めると、赤谷山山頂に到着します。北方稜線伝いのダイナミックな剱岳が出迎えてくれます。 下山は ブナクラ乗越まで戻りブナクラ谷へ。沢沿いの下りが始りすぐ急斜面の岩場に出ます。スリップ、転倒に注意です。また、途中3箇所の渡渉箇所が有り、道迷いに注意です。沢沿いを下りきると工事車両の道に出ます。ゲートを通り馬場島荘へ到着です。
    馬場島荘横を通り、ゲートを過ぎると左手側に登山道が始まります。赤ペンキ矢印の書かれた岩があるが草が伸びると全く見えないので注意です。河原から樹林帯に入るとすぐ足場の悪い急登が始まります。木にロープがかけられた急斜面を登り高度を上げて行きます。木の根が道や岩に張りだしているので足元に注意しましょう。標高 約1200m付近まで登るとブナ・ダケカンバ・立山杉の間からはときおり、大日岳・奥大日岳が展望できます。この辺りには直径2mを超える立山杉があります。風の通る場所をみつけ小休止。まだまだ続く急斜面を木の根、岩を掴みながらグングン登って行きます。 急登が終わり大猫平の手前でようやく展望が開け、剱岳、早月尾根を見ることができます。大猫平は湿原で池塘があり周辺には遅くまで残る残雪もあります。雪解けの場所からはニッコウキスゲ・チングルマ・イワイチョウなどが咲き天上の庭園です。 大猫平から稜線までは急斜面でヤブをかき分け進みます。すると赤い口紅の石仏が突如現れます。大猫山の山頂の標識はなく石仏を過ぎた辺りが大猫山の山頂です。石仏周辺からは鋸の刃の様な北方稜線、なだらかに山頂まで伸びる早月尾根と剱岳の全容が見え、鹿島槍ヶ岳や五竜岳の展望がよく、草原の奥には釜谷山・猫又山・赤谷山が正面に見えます。 東芦見尾根は小さなアップダウンを繰り返し足場の狭い岩の横を通り進みます。途中、ハクサンフウロ、タテヤマリンドウ、ミヤマトリカブト、ハクサンコザクラなどの高山植物が色鮮やかに咲いています。三角点を過ぎ分岐を猫又方面に進むと猫又山に到着です。山頂には石仏があり安全登山を見守ってくれています。展望はよく三角に天を衝く剱岳、白馬岳から朝日岳に続く稜線、後立山連峰が展望できます。 ブナクラ峠への分岐まで戻り赤谷山方面へ進みます。ゴロゴロ岩の急斜面を赤ペンキを頼りに下ります。少しすると深いヤブ漕ぎが始まります。道迷い・足元スリップに注意です。ブナクラ乗越には石仏があり赤谷山への急斜面が始まります。刈り上げたササの中の登山道を登って行くと、小ピークに到着します。そのまま草原地帯を歩くと池塘を目にします。この周辺は遅くまで残雪があり、雪渓の急斜面のトラバースや沢越えがあるので気が抜けません。稜線を登り詰めると、赤谷山山頂に到着します。北方稜線伝いのダイナミックな剱岳が出迎えてくれます。 下山は ブナクラ乗越まで戻りブナクラ谷へ。沢沿いの下りが始りすぐ急斜面の岩場に出ます。スリップ、転倒に注意です。また、途中3箇所の渡渉箇所が有り、道迷いに注意です。沢沿いを下りきると工事車両の道に出ます。ゲートを通り馬場島荘へ到着です。
  • 島々から徳本峠へ

    島々から徳本峠へ

    徳本峠は上高地の南東側に位置する峠で、上高地に車道が通じた昭和8年以前は島々谷をさかのぼりこの峠を越えるのが上高地への登路でした。途中まで森林軌道が走った時代もありました。また、戦国時代の武将、三木秀綱の奥方が飛騨側よりこの峠を越えて島々へ向かう途中で村人に討たれたという悲話の舞台でもあります。 島々から島々谷川に沿って進みます。獣害を防ぐためのゲートを抜けて林道を行きます。林道上も落石多数なのでヘルメットがおすすめです。右岸から左岸に渡り、対岸に島々谷発電所を眺めます。再び右岸に渡ると山ノ神が祀られています。再び左岸に移動すると、しばらくは流れから離れて進みます。眼下に巨大な砂防ダムを見下ろし、ゲートを通過すると林道はゆったりと下り気味になり、再び右岸へと移動します。林道をふさぐ土砂をこえるとまもなく戦国落人悲話と題された看板と折口信夫の石碑が現れます。すぐに道はふた手に分かれますが、「徳本峠上高地方面」の道標に従い橋を渡らずに進めばすぐに二俣。公衆トイレは使用不可。ここからいよいよ登山道となり、島々谷南沢に沿って行きます。この先、老朽化した橋は滑りやすく、鎖のあるトラバースも多数です。 秀綱夫人遭難の慰霊碑を過ぎてまもなく左岸へ渡ります。谷幅が狭くなると右岸へ渡り返します。ここからしばらく右岸をたどると石を積み上げた炭焼窯跡が現れます。白炭を焼いていた窯です。さらに進むと「徳本峠まで7.1キロ」という中間地点で、ベンチがあります。 沢を渡り返しながら進み、谷幅が狭くなったあたりで桟道を行くと、まもなく古い石積みが現れます。「花木の石灰窯跡」で、かつて石灰を運ぶためにここから牛が通れるように道が整備されたとのことです。 しばらく右岸を進み、ワサビ沢の橋、岩魚留橋を渡ると、趣きある岩魚留小屋(休業工事中、2025年は要確認)の正面に出ます。小屋脇の巨大なカツラの木が印象的です。 湿って滑りやすい橋にでて数回流れを渡り返し、本谷を離れてダケカンバの多い森をトラバース気味に進みます。峠沢を越えると力水で、ここが最終水場です。ここからジグザグの登山道を登り返し、ようやく小屋の立つ徳本峠。歴史ある徳本峠小屋は美しいたたずまいですが定員が少ないので、予約制になっています。峠からわずかに霞沢岳方面へ進むと、穂高連峰と明神岳の大展望が開けます。 二日目は上高地へとゆっくり下り、明神分岐を経由して上高地バスターミナルに到着です。
    徳本峠は上高地の南東側に位置する峠で、上高地に車道が通じた昭和8年以前は島々谷をさかのぼりこの峠を越えるのが上高地への登路でした。途中まで森林軌道が走った時代もありました。また、戦国時代の武将、三木秀綱の奥方が飛騨側よりこの峠を越えて島々へ向かう途中で村人に討たれたという悲話の舞台でもあります。 島々から島々谷川に沿って進みます。獣害を防ぐためのゲートを抜けて林道を行きます。林道上も落石多数なのでヘルメットがおすすめです。右岸から左岸に渡り、対岸に島々谷発電所を眺めます。再び右岸に渡ると山ノ神が祀られています。再び左岸に移動すると、しばらくは流れから離れて進みます。眼下に巨大な砂防ダムを見下ろし、ゲートを通過すると林道はゆったりと下り気味になり、再び右岸へと移動します。林道をふさぐ土砂をこえるとまもなく戦国落人悲話と題された看板と折口信夫の石碑が現れます。すぐに道はふた手に分かれますが、「徳本峠上高地方面」の道標に従い橋を渡らずに進めばすぐに二俣。公衆トイレは使用不可。ここからいよいよ登山道となり、島々谷南沢に沿って行きます。この先、老朽化した橋は滑りやすく、鎖のあるトラバースも多数です。 秀綱夫人遭難の慰霊碑を過ぎてまもなく左岸へ渡ります。谷幅が狭くなると右岸へ渡り返します。ここからしばらく右岸をたどると石を積み上げた炭焼窯跡が現れます。白炭を焼いていた窯です。さらに進むと「徳本峠まで7.1キロ」という中間地点で、ベンチがあります。 沢を渡り返しながら進み、谷幅が狭くなったあたりで桟道を行くと、まもなく古い石積みが現れます。「花木の石灰窯跡」で、かつて石灰を運ぶためにここから牛が通れるように道が整備されたとのことです。 しばらく右岸を進み、ワサビ沢の橋、岩魚留橋を渡ると、趣きある岩魚留小屋(休業工事中、2025年は要確認)の正面に出ます。小屋脇の巨大なカツラの木が印象的です。 湿って滑りやすい橋にでて数回流れを渡り返し、本谷を離れてダケカンバの多い森をトラバース気味に進みます。峠沢を越えると力水で、ここが最終水場です。ここからジグザグの登山道を登り返し、ようやく小屋の立つ徳本峠。歴史ある徳本峠小屋は美しいたたずまいですが定員が少ないので、予約制になっています。峠からわずかに霞沢岳方面へ進むと、穂高連峰と明神岳の大展望が開けます。 二日目は上高地へとゆっくり下り、明神分岐を経由して上高地バスターミナルに到着です。
  • 上高地から涸沢・奥穂高岳へ

    上高地から涸沢・奥穂高岳へ

    穂高連峰は日本を代表する峰々で、登山者憧れの対象となっています。なかでも奥穂高岳は堂々たる容姿を持ち、国内第3位の標高を誇っています。 上高地バスターミナルで登山届を提出。河童橋の脇を抜けて小梨平、明神分岐、徳沢、横尾と梓川に沿ったなだらかな道、通称上高地街道を歩きます。高低差の少ない快適な道は、ほとんどが深い樹林に囲まれていますが、時折姿を現す明神岳の迫力にアルプスの懐に入る期待感が膨らんでゆきます。 横尾からは、いよいよ穂高への登路が始まります。がっしりとした横尾大橋を渡り、針葉樹林帯の道を歩きます。木の間越しに迫力ある屏風岩が望めます。やがて、瀬音が近づくと本谷橋です。本谷橋を渡った河原が休憩するポイントです。ここからしばらく急な登りです。少しずつ傾斜が穏やかになり、樹間から涸沢ヒュッテの一部が望めるようになると、まもなくSガレです。 ここから涸沢まではまだ距離がありますが、ひとふんばりで涸沢小屋と涸沢ヒュッテの分岐です。残雪の多い年の場合、夏でも涸沢の手前から雪渓が残っていることがあります。 穂高岳の懐にグッと食い込んだ涸沢は、氷河がスプーンでえぐったように侵食してできたカールで、周囲をぐるりととり囲む前穂高から奥穂高そして北穂高の山々の眺めが圧倒的スケールです。 涸沢からザイテングラートを経由して奥穂高岳に向かうには、涸沢小屋前を抜けてゆくコースと涸沢ヒュッテ側からカール内を横切るパノラマコースの2コースあり、どちらの道もカール中間で合流します。合流後は、岩屑の敷いたような道をトラバース気味に、ザイテングラート取付点へ向かいます。 岩尾根であるザイテングラートに取り付くと、まもなくトラバース気味のクサリ場と、さらに短いハシゴが続きます。そこからも岩稜が続きます。ペンキマークの指示するコースを、三点支持でバランスよく登りましょう。 「ホタカ小屋20分」というペンキ印と雄大な景色に励まされ、稜線手前から左に巻くように進めば、穂高岳山荘のテラスへと飛び出します。 山荘前から、すぐに急なハシゴとクサリが続きます。危険箇所ながら先行者、対向者も多いので、譲れるところで譲り合い、慎重かつスムーズに移動しましょう。浮石にも気をつけ稜線沿いを進めば、やがて穂高の主峰、奥穂高岳山頂となります。穂高神社の山宮と、この山域の開拓者である今田重太郎が積み上げたケルンがあります。帰路は往路を戻ります。
    穂高連峰は日本を代表する峰々で、登山者憧れの対象となっています。なかでも奥穂高岳は堂々たる容姿を持ち、国内第3位の標高を誇っています。 上高地バスターミナルで登山届を提出。河童橋の脇を抜けて小梨平、明神分岐、徳沢、横尾と梓川に沿ったなだらかな道、通称上高地街道を歩きます。高低差の少ない快適な道は、ほとんどが深い樹林に囲まれていますが、時折姿を現す明神岳の迫力にアルプスの懐に入る期待感が膨らんでゆきます。 横尾からは、いよいよ穂高への登路が始まります。がっしりとした横尾大橋を渡り、針葉樹林帯の道を歩きます。木の間越しに迫力ある屏風岩が望めます。やがて、瀬音が近づくと本谷橋です。本谷橋を渡った河原が休憩するポイントです。ここからしばらく急な登りです。少しずつ傾斜が穏やかになり、樹間から涸沢ヒュッテの一部が望めるようになると、まもなくSガレです。 ここから涸沢まではまだ距離がありますが、ひとふんばりで涸沢小屋と涸沢ヒュッテの分岐です。残雪の多い年の場合、夏でも涸沢の手前から雪渓が残っていることがあります。 穂高岳の懐にグッと食い込んだ涸沢は、氷河がスプーンでえぐったように侵食してできたカールで、周囲をぐるりととり囲む前穂高から奥穂高そして北穂高の山々の眺めが圧倒的スケールです。 涸沢からザイテングラートを経由して奥穂高岳に向かうには、涸沢小屋前を抜けてゆくコースと涸沢ヒュッテ側からカール内を横切るパノラマコースの2コースあり、どちらの道もカール中間で合流します。合流後は、岩屑の敷いたような道をトラバース気味に、ザイテングラート取付点へ向かいます。 岩尾根であるザイテングラートに取り付くと、まもなくトラバース気味のクサリ場と、さらに短いハシゴが続きます。そこからも岩稜が続きます。ペンキマークの指示するコースを、三点支持でバランスよく登りましょう。 「ホタカ小屋20分」というペンキ印と雄大な景色に励まされ、稜線手前から左に巻くように進めば、穂高岳山荘のテラスへと飛び出します。 山荘前から、すぐに急なハシゴとクサリが続きます。危険箇所ながら先行者、対向者も多いので、譲れるところで譲り合い、慎重かつスムーズに移動しましょう。浮石にも気をつけ稜線沿いを進めば、やがて穂高の主峰、奥穂高岳山頂となります。穂高神社の山宮と、この山域の開拓者である今田重太郎が積み上げたケルンがあります。帰路は往路を戻ります。
  • 上高地から岳沢・奥穂高岳へ

    上高地から岳沢・奥穂高岳へ

    上高地から前穂高岳へ一気に登りつめる重太郎新道は、急峻で狭く標高差もある上に、ハシゴやクサリが多い気の抜けない高度感のある豪快な岩稜コースです。事故も多いので気を引き締めて、しっかりとした装備と計画で歩きましょう。 上高地バスターミナルからスタートして河童橋を渡り、「穂高岳沢登山路」の道標から針葉樹の樹林の中を登って行きます。岳沢小屋までは番号が記された案内があり、目安となります。7番の先に岳沢名所天然クーラーという風穴があり、一服の涼を楽しめます。 展望の開ける6番見晴台付近で背の高い針葉樹林から離れ、灌木帯やガレ場の登りになります。5番が中間地点。1900mの西穂高展望所(4番)や胸突き八丁(2番)など順調に高度を稼ぎ、岳沢小屋に至ります。上高地を眼下に収める美景の地です。この小屋は定員が少ないので要予約です。 岳沢小屋を後にすると、いよいよ北アルプス屈指とも言える急峻な重太郎新道となります。ダケカンバの生える岩混じりの急斜面につけられた道に、さっそく鉄製や木製のハシゴが現れます。三点支持での登りが続きますが、まもなくカモシカの立場で、尾根上の眺めの良い休憩ポイントです。 大展望にひと息ついたら、再びハシゴやクサリの急登。岳沢パノラマから振り返ると、眼下に岳沢小屋の赤い屋根と岳沢の谷が望めます。見上げると、前穂高岳までの急斜面がせり上がっています。あらためて、この道の急峻さを感じる場所です。 ペンキの○印をはずさないように、尾根の南東側につけられた登山道を浮石、落石に気を配りながら登ります。石畳状の雷鳥広場の先でわずかにハシゴで下りますが、まだまだ急な登りです。一枚岩のクサリを登り、斜面の反対側に出るとようやく紀美子平です。ここで荷物をデポして前穂高岳山頂を往復しましょう。途中のトラバース気味の場所は足元要注意。長細い山頂からは、奥又白池と徳沢、常念岳を背景とする北尾根、そして奥穂高、槍ヶ岳、涸沢のカールなど、位置により変化する大絶景を楽しめます。 紀美子平に戻ったら吊尾根です。登りながらのトラバース。ところどころ岩壁沿いの狭い幅の道なので、慎重に。最低コルから先には長いクサリ場があり事故も多いので要注意です。南稜ノ頭の道標までくれば奥穂高岳は指呼の距離。ひと踏ん張りで奥穂高岳の山頂です。帰路は岩稜地帯を進み、穂高岳山荘手前のハシゴ場を慎重に下り、穂高岳山荘前から涸沢を経て、上高地バスターミナルへ下山します。
    上高地から前穂高岳へ一気に登りつめる重太郎新道は、急峻で狭く標高差もある上に、ハシゴやクサリが多い気の抜けない高度感のある豪快な岩稜コースです。事故も多いので気を引き締めて、しっかりとした装備と計画で歩きましょう。 上高地バスターミナルからスタートして河童橋を渡り、「穂高岳沢登山路」の道標から針葉樹の樹林の中を登って行きます。岳沢小屋までは番号が記された案内があり、目安となります。7番の先に岳沢名所天然クーラーという風穴があり、一服の涼を楽しめます。 展望の開ける6番見晴台付近で背の高い針葉樹林から離れ、灌木帯やガレ場の登りになります。5番が中間地点。1900mの西穂高展望所(4番)や胸突き八丁(2番)など順調に高度を稼ぎ、岳沢小屋に至ります。上高地を眼下に収める美景の地です。この小屋は定員が少ないので要予約です。 岳沢小屋を後にすると、いよいよ北アルプス屈指とも言える急峻な重太郎新道となります。ダケカンバの生える岩混じりの急斜面につけられた道に、さっそく鉄製や木製のハシゴが現れます。三点支持での登りが続きますが、まもなくカモシカの立場で、尾根上の眺めの良い休憩ポイントです。 大展望にひと息ついたら、再びハシゴやクサリの急登。岳沢パノラマから振り返ると、眼下に岳沢小屋の赤い屋根と岳沢の谷が望めます。見上げると、前穂高岳までの急斜面がせり上がっています。あらためて、この道の急峻さを感じる場所です。 ペンキの○印をはずさないように、尾根の南東側につけられた登山道を浮石、落石に気を配りながら登ります。石畳状の雷鳥広場の先でわずかにハシゴで下りますが、まだまだ急な登りです。一枚岩のクサリを登り、斜面の反対側に出るとようやく紀美子平です。ここで荷物をデポして前穂高岳山頂を往復しましょう。途中のトラバース気味の場所は足元要注意。長細い山頂からは、奥又白池と徳沢、常念岳を背景とする北尾根、そして奥穂高、槍ヶ岳、涸沢のカールなど、位置により変化する大絶景を楽しめます。 紀美子平に戻ったら吊尾根です。登りながらのトラバース。ところどころ岩壁沿いの狭い幅の道なので、慎重に。最低コルから先には長いクサリ場があり事故も多いので要注意です。南稜ノ頭の道標までくれば奥穂高岳は指呼の距離。ひと踏ん張りで奥穂高岳の山頂です。帰路は岩稜地帯を進み、穂高岳山荘手前のハシゴ場を慎重に下り、穂高岳山荘前から涸沢を経て、上高地バスターミナルへ下山します。
  • 涸沢から北穂高岳・涸沢岳周遊

    涸沢から北穂高岳・涸沢岳周遊

    涸沢をベースに、北穂高岳から涸沢岳を周遊します。気の抜けるコースではなく、なかでも北穂高岳から涸沢岳間は難所の連続です。 涸沢小屋脇から北穂沢のガレ場を登ります。ガレ場横の石段から一気に高度を稼ぎます。振り返ると涸沢のテント村も涸沢ヒュッテもあっという間に小さくなります。途中で小さな岩場があるので、ペンキの印から外れないように三点支持でバランスよく登りましょう。登山道周囲はお花畑になっており、ハクサンイチゲやシナノキンバイ、晩夏にはトリカブトやアザミなどが咲き誇ります。 北穂沢に沿っていた登山道は、次に左側の尾根、南稜へ向かいます。 南稜取付は、まず長めのクサリ場を登ります。ホールドやスタンスはしっかりしていますが、少々長いので慎重に登りましょう。長いハシゴを抜けて南稜の尾根上に出ます。この付近で登山者の待機をすることがありますが、落ちついて譲りあいましょう。 南稜は急な岩尾根で、クサリ場もありますので、慎重にペンキマークをたどって登ります。クサリ場を抜けて傾斜が緩やかになるとテント場です。この先の北穂分岐で涸沢岳方面からの道をあわせます。松涛岩のコルを経て北穂高岳山頂(北峰)まではひと登り。頂上を越えたところに、北穂高小屋があります。 北穂高岳から涸沢岳までは危険な岩場の連続です。飛騨側の滝谷は鳥もとまらぬと形容されるほどすっぱり落ち込んでいます。もと来た北穂分岐で体力、時間、天候を考慮して、不安要素があれば涸沢へ下りましょう。涸沢岳へはまずは稜線に戻り、岩場の下りとなります。ペンキ印を頼りに滝谷ドームを涸沢側から巻き、次に滝谷側のクサリ場を下ります。その後滝谷側の奥壁バンドと呼ばれる高度感のある場所を通過。やがて赤錆看板のある最低コルで、ひと息入れられる場所です。 さらに、緊張感のあるクサリとハシゴが断続的に連続し、落石、浮石に十二分の注意が必要です。長いクサリを抜けてようやく涸沢岳山頂。西尾根に入らないよう気をつけましょう。涸沢岳から一気に下ると穂高岳山荘の建つ白出のコル。ここからザイテングラートを涸沢に下ります。傾斜のある岩稜なので、最後まで気を抜くことのないように。ザイテングラート取付点を離れて涸沢に到着です。
    涸沢をベースに、北穂高岳から涸沢岳を周遊します。気の抜けるコースではなく、なかでも北穂高岳から涸沢岳間は難所の連続です。 涸沢小屋脇から北穂沢のガレ場を登ります。ガレ場横の石段から一気に高度を稼ぎます。振り返ると涸沢のテント村も涸沢ヒュッテもあっという間に小さくなります。途中で小さな岩場があるので、ペンキの印から外れないように三点支持でバランスよく登りましょう。登山道周囲はお花畑になっており、ハクサンイチゲやシナノキンバイ、晩夏にはトリカブトやアザミなどが咲き誇ります。 北穂沢に沿っていた登山道は、次に左側の尾根、南稜へ向かいます。 南稜取付は、まず長めのクサリ場を登ります。ホールドやスタンスはしっかりしていますが、少々長いので慎重に登りましょう。長いハシゴを抜けて南稜の尾根上に出ます。この付近で登山者の待機をすることがありますが、落ちついて譲りあいましょう。 南稜は急な岩尾根で、クサリ場もありますので、慎重にペンキマークをたどって登ります。クサリ場を抜けて傾斜が緩やかになるとテント場です。この先の北穂分岐で涸沢岳方面からの道をあわせます。松涛岩のコルを経て北穂高岳山頂(北峰)まではひと登り。頂上を越えたところに、北穂高小屋があります。 北穂高岳から涸沢岳までは危険な岩場の連続です。飛騨側の滝谷は鳥もとまらぬと形容されるほどすっぱり落ち込んでいます。もと来た北穂分岐で体力、時間、天候を考慮して、不安要素があれば涸沢へ下りましょう。涸沢岳へはまずは稜線に戻り、岩場の下りとなります。ペンキ印を頼りに滝谷ドームを涸沢側から巻き、次に滝谷側のクサリ場を下ります。その後滝谷側の奥壁バンドと呼ばれる高度感のある場所を通過。やがて赤錆看板のある最低コルで、ひと息入れられる場所です。 さらに、緊張感のあるクサリとハシゴが断続的に連続し、落石、浮石に十二分の注意が必要です。長いクサリを抜けてようやく涸沢岳山頂。西尾根に入らないよう気をつけましょう。涸沢岳から一気に下ると穂高岳山荘の建つ白出のコル。ここからザイテングラートを涸沢に下ります。傾斜のある岩稜なので、最後まで気を抜くことのないように。ザイテングラート取付点を離れて涸沢に到着です。
  • 新穂高温泉から槍平・槍ヶ岳へ

    新穂高温泉から槍平・槍ヶ岳へ

    ここ数年、岐阜県側の北アルプスの玄関口新穂高温泉は大きく変化してきています。以前、新穂高温泉には村営食堂や登山者用の無料公衆浴場がありましたが、いずれもが姿を消してしまいました。 新穂高ロープウェイでバスを降り、ロープウェイ駅前を通る舗装路をそのまま進みます。すぐに登山届ポストがあります。道はやがて蒲田川右俣林道となり、ゲートから先は一般車通行止めとなります。未舗装の林道をわずかに進んで、右手に出てくるショートカットコース(夏道)は山慣れた人向けです。林道コースもショートカットコースも、穂高平小屋前で合流します。小屋の開設時期は短かいので注意が必要です。宿泊はテントのみです。小屋前の広場は休憩にも良い場所です。 しばらくは林道歩きが続きます。やがて、かつて白出小屋のあった白出沢出合に出ます。ここから奥穂高岳に登る道があります。その先でいよいよ林道は終点となり、登山道となります。白出沢を渡り針葉樹の樹林にのびる道を進み、ガレ場となったチビ谷を横断すれば滝谷避難小屋の建つ滝谷出合です。仮橋で渡れますが、増水時や大雨後は渡渉不可です。 対岸に渡ると右の岩壁に藤木九三のレリーフが埋め込まれています。さらに樹林を登って行き、木道が現れると槍平で、槍平小屋はすぐそこ。宿泊には予約をしましょう。小屋の前からは南岳へ登る南岳新道が、またテント場からは奥丸山へ向かう道を分かれます。 飛騨沢に沿った登山道は、まだまだ緩やかな登りです。最終水場を過ぎて枝振りの良いダケカンバを過ぎると、樹木が少なくなってきます。千丈分岐点で西鎌尾根の千丈乗越へ向かう道と分かれますが、ここには槍平小屋の好意で救急箱が設置されています。 ここから槍ヶ岳と大喰岳の間に広がる飛騨沢の谷を大きくジグザグを切りながら高度を稼いで行きます。大展望を満喫しながらも、苦しい登りとなります。 やがて稜線に出ると飛騨乗越。この付近はしばしば強風が吹き上がってきます。槍ヶ岳方面へ向かうとすぐにテント場となり、槍ヶ岳山荘はもうすぐです。槍ヶ岳山荘から槍ヶ岳山頂までは、上高地から槍ヶ岳へ(コースガイド)を参考にしてください。下山は往路をたどります。
    ここ数年、岐阜県側の北アルプスの玄関口新穂高温泉は大きく変化してきています。以前、新穂高温泉には村営食堂や登山者用の無料公衆浴場がありましたが、いずれもが姿を消してしまいました。 新穂高ロープウェイでバスを降り、ロープウェイ駅前を通る舗装路をそのまま進みます。すぐに登山届ポストがあります。道はやがて蒲田川右俣林道となり、ゲートから先は一般車通行止めとなります。未舗装の林道をわずかに進んで、右手に出てくるショートカットコース(夏道)は山慣れた人向けです。林道コースもショートカットコースも、穂高平小屋前で合流します。小屋の開設時期は短かいので注意が必要です。宿泊はテントのみです。小屋前の広場は休憩にも良い場所です。 しばらくは林道歩きが続きます。やがて、かつて白出小屋のあった白出沢出合に出ます。ここから奥穂高岳に登る道があります。その先でいよいよ林道は終点となり、登山道となります。白出沢を渡り針葉樹の樹林にのびる道を進み、ガレ場となったチビ谷を横断すれば滝谷避難小屋の建つ滝谷出合です。仮橋で渡れますが、増水時や大雨後は渡渉不可です。 対岸に渡ると右の岩壁に藤木九三のレリーフが埋め込まれています。さらに樹林を登って行き、木道が現れると槍平で、槍平小屋はすぐそこ。宿泊には予約をしましょう。小屋の前からは南岳へ登る南岳新道が、またテント場からは奥丸山へ向かう道を分かれます。 飛騨沢に沿った登山道は、まだまだ緩やかな登りです。最終水場を過ぎて枝振りの良いダケカンバを過ぎると、樹木が少なくなってきます。千丈分岐点で西鎌尾根の千丈乗越へ向かう道と分かれますが、ここには槍平小屋の好意で救急箱が設置されています。 ここから槍ヶ岳と大喰岳の間に広がる飛騨沢の谷を大きくジグザグを切りながら高度を稼いで行きます。大展望を満喫しながらも、苦しい登りとなります。 やがて稜線に出ると飛騨乗越。この付近はしばしば強風が吹き上がってきます。槍ヶ岳方面へ向かうとすぐにテント場となり、槍ヶ岳山荘はもうすぐです。槍ヶ岳山荘から槍ヶ岳山頂までは、上高地から槍ヶ岳へ(コースガイド)を参考にしてください。下山は往路をたどります。
  • 燕岳から大天井岳・槍ヶ岳へ(表銀座コース)

    燕岳から大天井岳・槍ヶ岳へ(表銀座コース)

    表銀座縦走の起点燕岳登山口から急登ながら人気の合戦尾根をたどります。まずは樹林帯の登りが続きます。第一ベンチの裏手を下ると水場があります。荷揚げ用ケーブル下をくぐるとすぐに第二ベンチで、ここから少し傾斜が穏やかになり、適宜休憩をとりながら、長い登りを進みましょう。合戦小屋は売店のみの小屋で宿泊はできません。さらに登って稜線に出ると合戦ノ頭です。ここで展望が開けます。しばらく尾根沿いに進み、山腹をトラバースして燕山荘の真正面に出ます。手続きを済ませたら燕岳を往復しましょう。メガネ岩やイルカ岩など奇岩も多く楽しめます。 燕山荘からは稜線をたどります。蛙岩を通過し、大下りで標高を下げますが、ほぼ同じだけ登り返します。花と展望を楽しみながらの快適な道ですが、切通岩にはクサリ場があります。大天井岳から槍ヶ岳にかけての東鎌尾根を開削した小林喜作のレリーフがあります。 鞍部から登りかえすとすぐ大天井岳山頂への道と巻き道の分岐です。巻き道はクサリ場の連続なので、大天井岳山頂方面を目指します。山腹を斜上するように登り切ると、大天荘前の広場です。ここから山頂まで往復20分ほどです。次に常念岳方面への道を分け、大天井ヒュッテ目指して下ります。大天井ヒュッテから登る牛首展望台も絶景ポイントです。 さらに西岳へ向かいます。途中右手に貧乏沢へ下る踏み跡がありますが、これは北鎌尾根へ向かうもので、一般路ではありません。赤岩岳は山頂を巻きます。また、西岳山頂も巻きますが、ヒュッテ西岳手前の分岐から往復15分ほどで山頂へ登れます。 ヒュッテ西岳からの道のりは東鎌尾根上の道となります。ここまでの様相と一変して厳しい道となりますので慎重に歩きます。まずは急な下りです。いったん下りわずかに登り返し再び下ると水俣乗越となります。西岳からここまでに長いハシゴ場やクサリ場があります。水俣乗越で槍沢へ下る道を分けると、いよいよ険しい登りです。クサリ場やハシゴ、さらにヤセ尾根と気が抜けません。垂直に近い連続ハシゴもあります。ヒュッテ大槍でほっと一息つけますが、さらに尾根をたどると、2022年に付け替えられた鎖場の尾根となります。槍の穂先を回り込み、槍ヶ岳山荘に到着です。ここから槍ヶ岳山頂までは、ハシゴ、クサリの連続する登りとなります。慎重に三点支持で往復しましょう。 下山は槍沢から上高地バスターミナルまで下ります。
    表銀座縦走の起点燕岳登山口から急登ながら人気の合戦尾根をたどります。まずは樹林帯の登りが続きます。第一ベンチの裏手を下ると水場があります。荷揚げ用ケーブル下をくぐるとすぐに第二ベンチで、ここから少し傾斜が穏やかになり、適宜休憩をとりながら、長い登りを進みましょう。合戦小屋は売店のみの小屋で宿泊はできません。さらに登って稜線に出ると合戦ノ頭です。ここで展望が開けます。しばらく尾根沿いに進み、山腹をトラバースして燕山荘の真正面に出ます。手続きを済ませたら燕岳を往復しましょう。メガネ岩やイルカ岩など奇岩も多く楽しめます。 燕山荘からは稜線をたどります。蛙岩を通過し、大下りで標高を下げますが、ほぼ同じだけ登り返します。花と展望を楽しみながらの快適な道ですが、切通岩にはクサリ場があります。大天井岳から槍ヶ岳にかけての東鎌尾根を開削した小林喜作のレリーフがあります。 鞍部から登りかえすとすぐ大天井岳山頂への道と巻き道の分岐です。巻き道はクサリ場の連続なので、大天井岳山頂方面を目指します。山腹を斜上するように登り切ると、大天荘前の広場です。ここから山頂まで往復20分ほどです。次に常念岳方面への道を分け、大天井ヒュッテ目指して下ります。大天井ヒュッテから登る牛首展望台も絶景ポイントです。 さらに西岳へ向かいます。途中右手に貧乏沢へ下る踏み跡がありますが、これは北鎌尾根へ向かうもので、一般路ではありません。赤岩岳は山頂を巻きます。また、西岳山頂も巻きますが、ヒュッテ西岳手前の分岐から往復15分ほどで山頂へ登れます。 ヒュッテ西岳からの道のりは東鎌尾根上の道となります。ここまでの様相と一変して厳しい道となりますので慎重に歩きます。まずは急な下りです。いったん下りわずかに登り返し再び下ると水俣乗越となります。西岳からここまでに長いハシゴ場やクサリ場があります。水俣乗越で槍沢へ下る道を分けると、いよいよ険しい登りです。クサリ場やハシゴ、さらにヤセ尾根と気が抜けません。垂直に近い連続ハシゴもあります。ヒュッテ大槍でほっと一息つけますが、さらに尾根をたどると、2022年に付け替えられた鎖場の尾根となります。槍の穂先を回り込み、槍ヶ岳山荘に到着です。ここから槍ヶ岳山頂までは、ハシゴ、クサリの連続する登りとなります。慎重に三点支持で往復しましょう。 下山は槍沢から上高地バスターミナルまで下ります。
  • 高瀬ダムから野口五郎岳・槍ヶ岳へ(裏銀座コース)

    高瀬ダムから野口五郎岳・槍ヶ岳へ(裏銀座コース)

    裏銀座コースは、槍ヶ岳が徐々に近づく展望と個性豊かな小屋が楽しみな伝統的な槍ヶ岳登山コースです。タクシー終点の高瀬ダム上を渡り、トンネルを抜け不動沢の吊橋を渡ります。キャンプ場があります。さらに濁沢を右岸に渡り、わずかに上流側に進むとブナ立尾根の取付で、水場があります。ここからブナ立尾根は急ですが、整備された良い道です。烏帽子小屋までの要所に12番から0番まで番号があり、歩く目安になります。登り切った烏帽子小屋に着いたら、花崗岩の岩塔、烏帽子岳を往復しましょう。山頂直下はクサリ場なので慎重に。 烏帽子小屋からはテント場の横を通り三ッ岳を目指します。コマクサの咲く斜面を登り切ると三ッ岳です。ピークを巻いて進んだ鞍部からは野口五郎岳の堂々とした姿を望めます。ここで稜線コースとお花畑コースに分かれます。稜線コースは三ッ岳西峰を通ります。野口五郎岳手前に家族的な野口五郎小屋があります。 野口五郎岳山頂で大展望を満喫したら、ザレた斜面を下ります。真砂分岐で湯股へ下る竹村新道を分け、時に大石の転がる道を徐々に下り東沢乗越となります。ここから水晶小屋まではやせ尾根やザレた部分もあるので足元に注意です。水晶小屋から水晶岳は往復約1時間10分ほど。水晶小屋から下り、ワリモ北分岐で岩苔乗越への道を分けます。ここから三俣山荘へは稜線コースと源流コースに分かれます。強風時は源流コースがベターです。 ワリモ北分岐からなお稜線を進むと、ワリモ岳山頂。山名標柱の裏を登ると、大岩が多く眺めの良い山頂です。いったん標柱まで戻り、鷲羽岳方面へ進むとすぐにロープのあるトラバース。ここを慎重に通過して下り、鷲羽岳へ登り返します。鷲羽岳山頂からは眼下に鷲羽池、彼方に槍ヶ岳の絶景が楽しめます。ザレた道を細かいジグザグで下り、伊藤新道分岐を過ぎれば、まもなく三俣山荘です。 三俣山荘からはテント場を抜け三俣蓮華岳方面へ。山頂直下の分岐で巻き道を分けます。三俣蓮華岳山頂で黒部五郎岳への道を分け、丸山を通って、中道分岐へ。ここから登り返して双六岳山頂です。槍・穂高の展望を楽しみながら広々とした稜線を進み一気に下ります。中道・巻道が合流し、下りきると双六小屋です。 双六小屋から新穂高・笠ヶ岳方面への道を分け、樅沢岳へ登ります。いよいよ西鎌尾根です。左俣乗越から千丈乗越まではクサリ場が連続し、気を使うトラバースもあります。小屋の建つ槍ヶ岳の肩までジグザグ登ります。槍ヶ岳山頂まで気を引き締めて往復して、槍沢から上高地バスターミナルへ下山します。
    裏銀座コースは、槍ヶ岳が徐々に近づく展望と個性豊かな小屋が楽しみな伝統的な槍ヶ岳登山コースです。タクシー終点の高瀬ダム上を渡り、トンネルを抜け不動沢の吊橋を渡ります。キャンプ場があります。さらに濁沢を右岸に渡り、わずかに上流側に進むとブナ立尾根の取付で、水場があります。ここからブナ立尾根は急ですが、整備された良い道です。烏帽子小屋までの要所に12番から0番まで番号があり、歩く目安になります。登り切った烏帽子小屋に着いたら、花崗岩の岩塔、烏帽子岳を往復しましょう。山頂直下はクサリ場なので慎重に。 烏帽子小屋からはテント場の横を通り三ッ岳を目指します。コマクサの咲く斜面を登り切ると三ッ岳です。ピークを巻いて進んだ鞍部からは野口五郎岳の堂々とした姿を望めます。ここで稜線コースとお花畑コースに分かれます。稜線コースは三ッ岳西峰を通ります。野口五郎岳手前に家族的な野口五郎小屋があります。 野口五郎岳山頂で大展望を満喫したら、ザレた斜面を下ります。真砂分岐で湯股へ下る竹村新道を分け、時に大石の転がる道を徐々に下り東沢乗越となります。ここから水晶小屋まではやせ尾根やザレた部分もあるので足元に注意です。水晶小屋から水晶岳は往復約1時間10分ほど。水晶小屋から下り、ワリモ北分岐で岩苔乗越への道を分けます。ここから三俣山荘へは稜線コースと源流コースに分かれます。強風時は源流コースがベターです。 ワリモ北分岐からなお稜線を進むと、ワリモ岳山頂。山名標柱の裏を登ると、大岩が多く眺めの良い山頂です。いったん標柱まで戻り、鷲羽岳方面へ進むとすぐにロープのあるトラバース。ここを慎重に通過して下り、鷲羽岳へ登り返します。鷲羽岳山頂からは眼下に鷲羽池、彼方に槍ヶ岳の絶景が楽しめます。ザレた道を細かいジグザグで下り、伊藤新道分岐を過ぎれば、まもなく三俣山荘です。 三俣山荘からはテント場を抜け三俣蓮華岳方面へ。山頂直下の分岐で巻き道を分けます。三俣蓮華岳山頂で黒部五郎岳への道を分け、丸山を通って、中道分岐へ。ここから登り返して双六岳山頂です。槍・穂高の展望を楽しみながら広々とした稜線を進み一気に下ります。中道・巻道が合流し、下りきると双六小屋です。 双六小屋から新穂高・笠ヶ岳方面への道を分け、樅沢岳へ登ります。いよいよ西鎌尾根です。左俣乗越から千丈乗越まではクサリ場が連続し、気を使うトラバースもあります。小屋の建つ槍ヶ岳の肩までジグザグ登ります。槍ヶ岳山頂まで気を引き締めて往復して、槍沢から上高地バスターミナルへ下山します。
  • 南岳新道から槍ヶ岳へ

    南岳新道から槍ヶ岳へ

    南岳は北側の中岳付近から眺めれば穏やかな山容ですが、南の北穂高岳から見ると大キレットから一気に高度を下げるダイナミックな山です。ここで紹介する南岳新道は、槍平から南岳を結ぶ標高差1000m以上の急峻な道で、急坂連続なので健脚者向けです。 新穂高温泉から槍平小屋までは、新穂高温泉から槍平・槍ヶ岳へ(コースガイド)を参考にしてください。槍平小屋前から南岳新道へはテラスと乾燥室の小屋間を抜けて入って行きます。しばらくは平坦な道を進みますが、やがて南沢沿いの道になりペンキ印を目印にして進みます。水が涸れガレている沢には大きな石にペンキで「南沢」と書かれています。この沢には遅くまで雪渓が残るので、その場合は目印の旗を見失わないように歩きましょう。右側(左岸A)の樹林帯への取付点に注意しながら歩きます。大きな石から約70mほど沢を登るとピンクのテープがある取付点。視界の悪い日など、沢筋を登りすぎないように十分注意です。 樹林帯に入ると南岳西尾根の登りになります。途中、クサリ場や桟道、ハシゴなどが一部老朽化しているので慎重に。ひたすら登りが続きおよそ2500mで森林限界を抜け、ハイマツの尾根を登ります。まもなく2631mの小ピークです。シーズン中は救急箱が置かれています。使用時には槍平小屋に連絡をお忘れなく。 再び登りは続き、2700m付近で狭い稜線上の木道を通過。さらにハシゴで下ります。その先では遅くまで雪渓が残るので要注意。「南岳小屋40分」と書かれた岩から先にも丸太の桟道などがあり、気は抜けません。南岳小屋の横に飛び出してやっとひと息です。近くの獅子鼻展望台や常念平まで足をのばして大キレット越しに北穂高岳の絶景を楽しみましょう。 展望を満喫したら南岳方面へ。のんびりとした山頂を越えてまもなく右手に天狗原方面へ下る道を分けます。ここから中岳方面を目指すと、一箇所岩肌をトラバース気味の場所があるので慎重に。やがて大きな雪渓の横から中岳への登りとなります。水場がありますが残雪の量によっては涸れることもあります。中岳山頂からの下りにはハシゴの場所もあり、落石、浮石に気をつけて歩きましょう。 大喰岳は広い山頂で遅くまで雪渓が残ります。ここから飛騨乗越まで下れば、槍ヶ岳山荘までひとふんばりです。 槍ヶ岳を往復して、飛騨乗越から新穂高温泉へ下山します。
    南岳は北側の中岳付近から眺めれば穏やかな山容ですが、南の北穂高岳から見ると大キレットから一気に高度を下げるダイナミックな山です。ここで紹介する南岳新道は、槍平から南岳を結ぶ標高差1000m以上の急峻な道で、急坂連続なので健脚者向けです。 新穂高温泉から槍平小屋までは、新穂高温泉から槍平・槍ヶ岳へ(コースガイド)を参考にしてください。槍平小屋前から南岳新道へはテラスと乾燥室の小屋間を抜けて入って行きます。しばらくは平坦な道を進みますが、やがて南沢沿いの道になりペンキ印を目印にして進みます。水が涸れガレている沢には大きな石にペンキで「南沢」と書かれています。この沢には遅くまで雪渓が残るので、その場合は目印の旗を見失わないように歩きましょう。右側(左岸A)の樹林帯への取付点に注意しながら歩きます。大きな石から約70mほど沢を登るとピンクのテープがある取付点。視界の悪い日など、沢筋を登りすぎないように十分注意です。 樹林帯に入ると南岳西尾根の登りになります。途中、クサリ場や桟道、ハシゴなどが一部老朽化しているので慎重に。ひたすら登りが続きおよそ2500mで森林限界を抜け、ハイマツの尾根を登ります。まもなく2631mの小ピークです。シーズン中は救急箱が置かれています。使用時には槍平小屋に連絡をお忘れなく。 再び登りは続き、2700m付近で狭い稜線上の木道を通過。さらにハシゴで下ります。その先では遅くまで雪渓が残るので要注意。「南岳小屋40分」と書かれた岩から先にも丸太の桟道などがあり、気は抜けません。南岳小屋の横に飛び出してやっとひと息です。近くの獅子鼻展望台や常念平まで足をのばして大キレット越しに北穂高岳の絶景を楽しみましょう。 展望を満喫したら南岳方面へ。のんびりとした山頂を越えてまもなく右手に天狗原方面へ下る道を分けます。ここから中岳方面を目指すと、一箇所岩肌をトラバース気味の場所があるので慎重に。やがて大きな雪渓の横から中岳への登りとなります。水場がありますが残雪の量によっては涸れることもあります。中岳山頂からの下りにはハシゴの場所もあり、落石、浮石に気をつけて歩きましょう。 大喰岳は広い山頂で遅くまで雪渓が残ります。ここから飛騨乗越まで下れば、槍ヶ岳山荘までひとふんばりです。 槍ヶ岳を往復して、飛騨乗越から新穂高温泉へ下山します。
  • 新穂高温泉から鏡平・笠ヶ岳へ

    新穂高温泉から鏡平・笠ヶ岳へ

    笠ヶ岳は見事なまでの笠形で、北アルプスのなかでもかなり目立つ存在です。また、岐阜県の最高峰になります。笠新道は急な登りなので、本書では下りに利用するコースとして紹介します。 新穂高温泉から蒲田川左俣林道を進みます。風穴を過ぎ、中崎橋で右岸に渡り、しばらく行くと左手に笠新道登山口が現れます。さらに10分ほど歩くとブナ林の中にわさび平小屋が現れます。なおも林道を進み、小池新道分岐で小池新道へと入ります。良く整備された登山道です。秩父沢出合は開放的で休憩するのに良い場所。その先の秩父小沢は流れが心地よく、喉を潤したくなります。チボ岩・イタドリヶ原をぬけて徐々に高度を稼ぎます。シシウドヶ原にはベンチがあり、多くの登山者が休憩しています。ここから道は山腹を巻くように進みます。さらに沢に沿って登り、鏡平となります。鏡平山荘はかき氷が名物で居心地の良い山小屋です。 弓折岳へは小屋の前にかかる橋を渡り、尾根道を登ります。途中から山腹をトラバースするように登り、弓折分岐に出ます。 ここで双六小屋方面と分かれます。弓折岳の山頂は登山道から1分ほどの場所。弓折岳からは足元に注意しながら大ノマ乗越まで一気に下ります。ここから大ノマ岳までは長い登りとなり、大ノマ岳山頂をわずかに巻きます。秩父平までは下りになりますが、一部切り立った斜面の上を通過するので、足元には注意です。 秩父平は広々としたカールです。シナノキンバイなどの花も多く咲くお花畑で、視線を上げると不思議な形の秩父岩が並んでいます。カール上部は遅くまで残雪があります。 秩父平からの坂を登り切ると、しばらくはハイマツの中にのびる平坦で快適な道です。抜戸岳山頂への分岐を過ぎるとすぐに笠新道分岐が現れます。抜戸岩の間を抜けて下りきると、最後の登り。テント場からもうひと登りして遅くまで残る雪渓を横断すれば、笠ヶ岳山荘はすぐ。笠ヶ岳山頂は山荘から往復で25分ほどです。 帰路は笠新道を利用します。いったん笠新道分岐まで戻り、稜線を越えます。抜戸岳山頂にも寄っておきましょう。杓子平までは急な下りですが、花も多く咲く杓子平は平坦です。さらに下りが続き、やがて針葉樹の森となってブナ林に変化すれば、ようやく笠新道も終わり近くになります。蒲田川左俣林道の登山口に出たら、新穂高温泉を目指して歩きます。
    笠ヶ岳は見事なまでの笠形で、北アルプスのなかでもかなり目立つ存在です。また、岐阜県の最高峰になります。笠新道は急な登りなので、本書では下りに利用するコースとして紹介します。 新穂高温泉から蒲田川左俣林道を進みます。風穴を過ぎ、中崎橋で右岸に渡り、しばらく行くと左手に笠新道登山口が現れます。さらに10分ほど歩くとブナ林の中にわさび平小屋が現れます。なおも林道を進み、小池新道分岐で小池新道へと入ります。良く整備された登山道です。秩父沢出合は開放的で休憩するのに良い場所。その先の秩父小沢は流れが心地よく、喉を潤したくなります。チボ岩・イタドリヶ原をぬけて徐々に高度を稼ぎます。シシウドヶ原にはベンチがあり、多くの登山者が休憩しています。ここから道は山腹を巻くように進みます。さらに沢に沿って登り、鏡平となります。鏡平山荘はかき氷が名物で居心地の良い山小屋です。 弓折岳へは小屋の前にかかる橋を渡り、尾根道を登ります。途中から山腹をトラバースするように登り、弓折分岐に出ます。 ここで双六小屋方面と分かれます。弓折岳の山頂は登山道から1分ほどの場所。弓折岳からは足元に注意しながら大ノマ乗越まで一気に下ります。ここから大ノマ岳までは長い登りとなり、大ノマ岳山頂をわずかに巻きます。秩父平までは下りになりますが、一部切り立った斜面の上を通過するので、足元には注意です。 秩父平は広々としたカールです。シナノキンバイなどの花も多く咲くお花畑で、視線を上げると不思議な形の秩父岩が並んでいます。カール上部は遅くまで残雪があります。 秩父平からの坂を登り切ると、しばらくはハイマツの中にのびる平坦で快適な道です。抜戸岳山頂への分岐を過ぎるとすぐに笠新道分岐が現れます。抜戸岩の間を抜けて下りきると、最後の登り。テント場からもうひと登りして遅くまで残る雪渓を横断すれば、笠ヶ岳山荘はすぐ。笠ヶ岳山頂は山荘から往復で25分ほどです。 帰路は笠新道を利用します。いったん笠新道分岐まで戻り、稜線を越えます。抜戸岳山頂にも寄っておきましょう。杓子平までは急な下りですが、花も多く咲く杓子平は平坦です。さらに下りが続き、やがて針葉樹の森となってブナ林に変化すれば、ようやく笠新道も終わり近くになります。蒲田川左俣林道の登山口に出たら、新穂高温泉を目指して歩きます。
  • 新穂高温泉から双六岳・三俣蓮華岳へ

    新穂高温泉から双六岳・三俣蓮華岳へ

    起点は岐阜県側の北アルプスの玄関口である新穂高温泉。まずは蒲田川左俣に沿ってのびる林道をたどります。まもなくゲートがあり、ここから先は一般車通行禁止。ゲート脇に登山届のポストがあります。左手の穴毛谷の砂防ダム群を眺めたり風穴でクールダウンしながら、林道を歩きます。右岸に移り笠ヶ岳へ向かう笠新道を分けてまもなく、ブナ林に囲まれたわさび平小屋です。ここに宿泊してスタートするのも良いでしょう。 さらに林道をたどり、蒲田川を渡る手前が小池新道分岐です。ここからよく整備された登山道が始まります。 流れが聞こえるようになると、堅固な橋のかかる秩父沢出合はすぐです。遅くまで雪渓の残る沢ですが、明るい河原は休憩ポイントです。さらに進んで、秩父小沢を横断します。最後の水場です。灌木の多い斜面をたどり、チボ岩、イタドリヶ原を越え、やがてベンチのあるシシウドヶ原です。ここからトラバース気味に進み、熊の踊り場を過ぎてひと登りで鏡平、鏡池の横に出ます。池に映える槍穂高を楽しんだら、鏡平山荘へ。山荘の名物かき氷がたまりません。 鏡平山荘から斜上して尾根に出ると、弓折岳分岐です。ここから弓折岳は笠ヶ岳方面へ向かい往復15分ほどです。ここからはほぼ尾根上の道です。遅くまで残る残雪を過ぎるとお花畑ベンチ。シナノキンバイなどのお花畑が広がります。尾根から離れ、少しずつ下ると、鷲羽岳を背景に双六小屋が近づきます。夏期には富山大学の診療所も開設され、この地域の中核となる小屋です。 双六小屋からは、西鎌尾根経由で槍ヶ岳へ続く道が分かれます。双六岳へは小屋の前からハイマツの斜面を一気に登ります。ひと段落するのが巻道ルート分岐。そのすぐ先が中道分岐です。手入れの良い道をもうひと頑張りで一気に登ります。残雪が多い時期は、中道を途中まで進み、稜線に登るルートとなります。 頑張って登った稜線は実に広々としています。点々と植物が生え、線状構造土が見られます。振り返ると槍ヶ岳から穂高連峰の稜線が、柔らかな曲線描く稜線上に浮かぶ絶景です。双六岳山頂から稜線伝いに三俣蓮華岳まで足をのばせば、眼下に黒部源流や三俣山荘、正面に鷲羽岳、水晶岳、さらには雲ノ平から薬師岳と山並みがどこまでも続いて見えます。北アルプスの奥地にいることが実感できるでしょう。山頂からはガレた道を下り巻道ルートへ進んで双六小屋へ戻り、新穂高温泉までは往路をたどります。
    起点は岐阜県側の北アルプスの玄関口である新穂高温泉。まずは蒲田川左俣に沿ってのびる林道をたどります。まもなくゲートがあり、ここから先は一般車通行禁止。ゲート脇に登山届のポストがあります。左手の穴毛谷の砂防ダム群を眺めたり風穴でクールダウンしながら、林道を歩きます。右岸に移り笠ヶ岳へ向かう笠新道を分けてまもなく、ブナ林に囲まれたわさび平小屋です。ここに宿泊してスタートするのも良いでしょう。 さらに林道をたどり、蒲田川を渡る手前が小池新道分岐です。ここからよく整備された登山道が始まります。 流れが聞こえるようになると、堅固な橋のかかる秩父沢出合はすぐです。遅くまで雪渓の残る沢ですが、明るい河原は休憩ポイントです。さらに進んで、秩父小沢を横断します。最後の水場です。灌木の多い斜面をたどり、チボ岩、イタドリヶ原を越え、やがてベンチのあるシシウドヶ原です。ここからトラバース気味に進み、熊の踊り場を過ぎてひと登りで鏡平、鏡池の横に出ます。池に映える槍穂高を楽しんだら、鏡平山荘へ。山荘の名物かき氷がたまりません。 鏡平山荘から斜上して尾根に出ると、弓折岳分岐です。ここから弓折岳は笠ヶ岳方面へ向かい往復15分ほどです。ここからはほぼ尾根上の道です。遅くまで残る残雪を過ぎるとお花畑ベンチ。シナノキンバイなどのお花畑が広がります。尾根から離れ、少しずつ下ると、鷲羽岳を背景に双六小屋が近づきます。夏期には富山大学の診療所も開設され、この地域の中核となる小屋です。 双六小屋からは、西鎌尾根経由で槍ヶ岳へ続く道が分かれます。双六岳へは小屋の前からハイマツの斜面を一気に登ります。ひと段落するのが巻道ルート分岐。そのすぐ先が中道分岐です。手入れの良い道をもうひと頑張りで一気に登ります。残雪が多い時期は、中道を途中まで進み、稜線に登るルートとなります。 頑張って登った稜線は実に広々としています。点々と植物が生え、線状構造土が見られます。振り返ると槍ヶ岳から穂高連峰の稜線が、柔らかな曲線描く稜線上に浮かぶ絶景です。双六岳山頂から稜線伝いに三俣蓮華岳まで足をのばせば、眼下に黒部源流や三俣山荘、正面に鷲羽岳、水晶岳、さらには雲ノ平から薬師岳と山並みがどこまでも続いて見えます。北アルプスの奥地にいることが実感できるでしょう。山頂からはガレた道を下り巻道ルートへ進んで双六小屋へ戻り、新穂高温泉までは往路をたどります。
  • 面河から石鎚山頂へ(石鎚裏参道)

    面河から石鎚山頂へ(石鎚裏参道)

    裏参道となる面河コースは文字通り古くからの登拝路であり石鎚スカイラインが開通するまでは久万・面河からのメインルートとして使われていました。距離があり、体力勝負の急登ありと敬遠されがちなルートですが、石鎚本来の太古からの自然が残されており、登山口に至る面河渓谷は四国で有数の紅葉の名勝地です。 面河バス停から歩き始め、1500万年前の天狗岳火砕流の堆積物が侵食されてできた渓谷は白い河原に変わります。そこが渓泉亭・面河茶屋で登山起点となります。ここから面河渓を遡り、巨大な亀腹岩から鶴ヶ背橋、蓬莱渓、紅葉河原、下熊渕、上熊渕を過ぎると面河登山口に到着します。鳥居をくぐり抜け石段を登り始めるとツガとカエデの森の中を進むジグザグの登りが霧ヶ迫へと続きます。ここが登山道中の最初の水場です。この水場から道が斜面に直登しており倒木もあり近年道迷いがここで多く発生しています。周囲を確認して登りましょう。原生林を尾根沿いに進み、石鎚の南尖峰・幕岩がここから木立の間から見え、石鎚の懐深い場所を歩いていることを実感させられます。面河山近くになるとブナの林立する尾根となり、やがて通年利用できる収容人数10名ほどの愛大石鎚小屋に到着します。バイオトイレもあるので一息入れるのにいい場所です。テントを張ることのできるテラスもあります。この辺りから御来光の滝のルートに下ったり、面河渓谷の最奥部に入ることもできますが、それらは熟達者向けのルートなので安易に入らないように。 石鎚弥山へは西ノ冠岳からの沢筋が何本か続きます。この広大なササの斜面が高知へと流れる仁淀川の源流になります。全長124kmのこの川は近年「仁淀ブルー」の名で有名となり水質は2010年全国一になりました。所々近年の豪雨による崩壊がありロープが所々張られていますが結びや材質に問題があるのでそれに頼って登らないようにして下さい。シコクシラベの林に入ると面河乗越も近くなり合流点手前にはシラベの水場があり、ここから45分も歩けば石鎚弥山に立つことができます。 帰りは往路を戻りますが、石鎚山頂頂上山荘もしくは愛大小屋に泊まり、夜空一面に広がる星を楽しむのもおすすめです。 面河渓は昭和8年に国指定の史跡名勝天然記念物、昭和30年に石鎚国定公園に指定されています。秋の紅葉時期に関門の山岳博物館から虎ヶ滝の遊歩道の散策がオススメです。ここには深く切れた渓谷、紅葉を映えさせる白い河原、清冽な青い水はまさに石鎚を代表する景色があります。
    裏参道となる面河コースは文字通り古くからの登拝路であり石鎚スカイラインが開通するまでは久万・面河からのメインルートとして使われていました。距離があり、体力勝負の急登ありと敬遠されがちなルートですが、石鎚本来の太古からの自然が残されており、登山口に至る面河渓谷は四国で有数の紅葉の名勝地です。 面河バス停から歩き始め、1500万年前の天狗岳火砕流の堆積物が侵食されてできた渓谷は白い河原に変わります。そこが渓泉亭・面河茶屋で登山起点となります。ここから面河渓を遡り、巨大な亀腹岩から鶴ヶ背橋、蓬莱渓、紅葉河原、下熊渕、上熊渕を過ぎると面河登山口に到着します。鳥居をくぐり抜け石段を登り始めるとツガとカエデの森の中を進むジグザグの登りが霧ヶ迫へと続きます。ここが登山道中の最初の水場です。この水場から道が斜面に直登しており倒木もあり近年道迷いがここで多く発生しています。周囲を確認して登りましょう。原生林を尾根沿いに進み、石鎚の南尖峰・幕岩がここから木立の間から見え、石鎚の懐深い場所を歩いていることを実感させられます。面河山近くになるとブナの林立する尾根となり、やがて通年利用できる収容人数10名ほどの愛大石鎚小屋に到着します。バイオトイレもあるので一息入れるのにいい場所です。テントを張ることのできるテラスもあります。この辺りから御来光の滝のルートに下ったり、面河渓谷の最奥部に入ることもできますが、それらは熟達者向けのルートなので安易に入らないように。 石鎚弥山へは西ノ冠岳からの沢筋が何本か続きます。この広大なササの斜面が高知へと流れる仁淀川の源流になります。全長124kmのこの川は近年「仁淀ブルー」の名で有名となり水質は2010年全国一になりました。所々近年の豪雨による崩壊がありロープが所々張られていますが結びや材質に問題があるのでそれに頼って登らないようにして下さい。シコクシラベの林に入ると面河乗越も近くなり合流点手前にはシラベの水場があり、ここから45分も歩けば石鎚弥山に立つことができます。 帰りは往路を戻りますが、石鎚山頂頂上山荘もしくは愛大小屋に泊まり、夜空一面に広がる星を楽しむのもおすすめです。 面河渓は昭和8年に国指定の史跡名勝天然記念物、昭和30年に石鎚国定公園に指定されています。秋の紅葉時期に関門の山岳博物館から虎ヶ滝の遊歩道の散策がオススメです。ここには深く切れた渓谷、紅葉を映えさせる白い河原、清冽な青い水はまさに石鎚を代表する景色があります。
  • 寒風山から笹ヶ峰を経て平家平、三ツ森山へ

    寒風山から笹ヶ峰を経て平家平、三ツ森山へ

    登山基地の旧寒風山トンネル南口のカフェの左側に桑瀬峠に向かう登山口があり、ここから急登を登り桑瀬峠に出て進路を東へ。途中にステンレスのハシゴが数か所設置されており、歩くには容易ですが急登と緩斜面の繰り返す登山道が続きます。 中腹はブナの林が続き山頂間近では森林限界が過ぎコメツツジなどの低木、笹原が頂部を占めるようになります。その森林限界を越せばすぐに寒風山です。ステンレスの頂上標が立っており、アップダウンの続く尾根道が続き笹ヶ峰に到達します。ここは一等三角点が配置された日本200名山であると同時に、お不動様が祀られている信仰の山でもあります。また眺望も抜群で、北面には大きな宿泊施設の丸山荘があり、頂上から視認できます。宿泊、キャンプ地としてはこの丸山荘がこのルート上では最後になり、そこまで下るのに頂上からおよそ35分ほどかかります。秋には紅葉が綺麗で、ちち山に向かう際に通る鞍部は紅葉谷分岐と呼ばれ、そこを抜けると新居浜市と西条市を分ける尾根になります。 紅葉谷分岐からちち山へは25分ほどで到着します。ちち山は新居浜市最高峰であり笹ヶ峰と双耳峰を成します。南面を貫くトラバース道は笹が茂り、浮石等足元が悪いため廃道となりました。ちち山の分れで北に赤石山系、東に四国の中央脊梁の山脈とに分離します。そこを右にとり徐々に高度を下げ一ノ谷越へ。そこから平家平方面に向かうと冠山を通過します。冠とは安徳帝がここに逃れてきた折に、帝(天皇)が頭に載せるカンムリに高知側からは見えるとの由来から名が付いたと言われています。山頂は見通しが悪いですが南に数十歩行けば大岩の上に立つことができ眺望も開けます。 2021年にガイド協会有志による再整備された笹尾根のパノラマコースを50分ほど進めば平家平です。広い山頂で休憩にも適しています。この平家平も登山口が数か所あり、高知国体が行われた際の縦走競技のルートにも採用されました。 巡視路分岐、三森峠を経てアケボノツツジで有名な三ツ森山に向かいます。県境の尾根を北に進み、間もなくあえぐほどの急登になりシャクナゲやツツジ、ブナの坂を登ること50分で峠から山頂に達します。そこから東に3時間ほどで大座礼山の県境分岐へ。この間に鉄塔広場から愛媛側の筏津に下りるルートもあります。県境分岐からブナの巨木で有名な大座礼山に行くことができ、県境の尾根に戻り太田尾越に下ることもできます。今回は井野川越経由で林道大座礼線に出てゴールである駐車場登山口に下りましょう。
    登山基地の旧寒風山トンネル南口のカフェの左側に桑瀬峠に向かう登山口があり、ここから急登を登り桑瀬峠に出て進路を東へ。途中にステンレスのハシゴが数か所設置されており、歩くには容易ですが急登と緩斜面の繰り返す登山道が続きます。 中腹はブナの林が続き山頂間近では森林限界が過ぎコメツツジなどの低木、笹原が頂部を占めるようになります。その森林限界を越せばすぐに寒風山です。ステンレスの頂上標が立っており、アップダウンの続く尾根道が続き笹ヶ峰に到達します。ここは一等三角点が配置された日本200名山であると同時に、お不動様が祀られている信仰の山でもあります。また眺望も抜群で、北面には大きな宿泊施設の丸山荘があり、頂上から視認できます。宿泊、キャンプ地としてはこの丸山荘がこのルート上では最後になり、そこまで下るのに頂上からおよそ35分ほどかかります。秋には紅葉が綺麗で、ちち山に向かう際に通る鞍部は紅葉谷分岐と呼ばれ、そこを抜けると新居浜市と西条市を分ける尾根になります。 紅葉谷分岐からちち山へは25分ほどで到着します。ちち山は新居浜市最高峰であり笹ヶ峰と双耳峰を成します。南面を貫くトラバース道は笹が茂り、浮石等足元が悪いため廃道となりました。ちち山の分れで北に赤石山系、東に四国の中央脊梁の山脈とに分離します。そこを右にとり徐々に高度を下げ一ノ谷越へ。そこから平家平方面に向かうと冠山を通過します。冠とは安徳帝がここに逃れてきた折に、帝(天皇)が頭に載せるカンムリに高知側からは見えるとの由来から名が付いたと言われています。山頂は見通しが悪いですが南に数十歩行けば大岩の上に立つことができ眺望も開けます。 2021年にガイド協会有志による再整備された笹尾根のパノラマコースを50分ほど進めば平家平です。広い山頂で休憩にも適しています。この平家平も登山口が数か所あり、高知国体が行われた際の縦走競技のルートにも採用されました。 巡視路分岐、三森峠を経てアケボノツツジで有名な三ツ森山に向かいます。県境の尾根を北に進み、間もなくあえぐほどの急登になりシャクナゲやツツジ、ブナの坂を登ること50分で峠から山頂に達します。そこから東に3時間ほどで大座礼山の県境分岐へ。この間に鉄塔広場から愛媛側の筏津に下りるルートもあります。県境分岐からブナの巨木で有名な大座礼山に行くことができ、県境の尾根に戻り太田尾越に下ることもできます。今回は井野川越経由で林道大座礼線に出てゴールである駐車場登山口に下りましょう。
  • 肉淵から東赤石へ

    肉淵から東赤石へ

    銅山川沿いの県道6号の別子山から四国中央方面に向かう途中に肉淵バス停があります。この道路ののり面に二ツ岳登山口と書かれた案内板があります。この林道である別子山土居線を車で15分ほどで肉淵林道登山口に到着します。鉄の階段がある登山口から1時間20分ほど歩けば峨蔵越へに立ちます。 道中には水の補給に適した沢が数か所あるので縦走するときには峨蔵越までに給水を終えておくことが望ましいでしょう。この峠から二ツ岳へと四国でも有数の傾斜を誇る稜線を登ることとなります。ルートはアップダウンが激しく二ツ岳の半ばには鯛の頭と呼ばれる岩峰がそびえています。そこから1時間半ほどの急登に木の根っこにつかまりながら進めば二ッ岳山頂です。山頂の南峰からは縦走するルート上のエビラ山、黒岳が望むことができ、ここからは熟達者のみが踏み込める縦走路となります。水の補給もままならない稜線・ブッシュ歩きが続き、所々に目印である赤テープや登山道の表示があるので見落とさないように注意して下さい。時折間違ったテープもあるのでルートファインディング能力が必要となります。 エビラ山は漢字で箙と書き、矢を入れて肩や腰に掛け携帯する容器のことを意味し、登山口の肉渕もカモシカの肉をさばいた所を表しており、古くから猟師が入っていた山域であることがわかります。岩稜とブッシュ帯を抜け黒岳、保土野越とつづき、最後のピークの権現山に達します。その先には地質学でも貴重な存在である権現様を祀った岩峰があり、そこからの眺めも抜群です。なおその直下が権現越ですが、もし床鍋へ下る場合は鉄塔管理道ルートの下りがルートが分かりやすいのですが、所々で崩落があり注意が必要です。ジグザグ道を下り鉄塔No.24から谷へ下り始めます。巡視路分岐まで歩くと旧来の登山道と交わりそこからはゴールの床鍋へは約1時間ほどで下ることができます。 東赤石は花の百名山でもありますが、西赤石の賑やかな登山路に比べ東赤石以東二ツ岳を含む山塊は比較的静かな山歩きを楽しむ事ができます。 地図には描ききれませんが、峨蔵越、小箱越と東に進むと宇摩富士と称される赤星山と豊受山があり、そちらへの縦走も面白いです。
    銅山川沿いの県道6号の別子山から四国中央方面に向かう途中に肉淵バス停があります。この道路ののり面に二ツ岳登山口と書かれた案内板があります。この林道である別子山土居線を車で15分ほどで肉淵林道登山口に到着します。鉄の階段がある登山口から1時間20分ほど歩けば峨蔵越へに立ちます。 道中には水の補給に適した沢が数か所あるので縦走するときには峨蔵越までに給水を終えておくことが望ましいでしょう。この峠から二ツ岳へと四国でも有数の傾斜を誇る稜線を登ることとなります。ルートはアップダウンが激しく二ツ岳の半ばには鯛の頭と呼ばれる岩峰がそびえています。そこから1時間半ほどの急登に木の根っこにつかまりながら進めば二ッ岳山頂です。山頂の南峰からは縦走するルート上のエビラ山、黒岳が望むことができ、ここからは熟達者のみが踏み込める縦走路となります。水の補給もままならない稜線・ブッシュ歩きが続き、所々に目印である赤テープや登山道の表示があるので見落とさないように注意して下さい。時折間違ったテープもあるのでルートファインディング能力が必要となります。 エビラ山は漢字で箙と書き、矢を入れて肩や腰に掛け携帯する容器のことを意味し、登山口の肉渕もカモシカの肉をさばいた所を表しており、古くから猟師が入っていた山域であることがわかります。岩稜とブッシュ帯を抜け黒岳、保土野越とつづき、最後のピークの権現山に達します。その先には地質学でも貴重な存在である権現様を祀った岩峰があり、そこからの眺めも抜群です。なおその直下が権現越ですが、もし床鍋へ下る場合は鉄塔管理道ルートの下りがルートが分かりやすいのですが、所々で崩落があり注意が必要です。ジグザグ道を下り鉄塔No.24から谷へ下り始めます。巡視路分岐まで歩くと旧来の登山道と交わりそこからはゴールの床鍋へは約1時間ほどで下ることができます。 東赤石は花の百名山でもありますが、西赤石の賑やかな登山路に比べ東赤石以東二ツ岳を含む山塊は比較的静かな山歩きを楽しむ事ができます。 地図には描ききれませんが、峨蔵越、小箱越と東に進むと宇摩富士と称される赤星山と豊受山があり、そちらへの縦走も面白いです。
  • 垢離取から剣山を経て三嶺へ

    垢離取から剣山を経て三嶺へ

    垢離取とは読んで字のごとく垢を取る場所で、修験道の山に入るときにはここで俗世のアカにまみれた心・身を清めてから入山するのが古の風習であったと言われています。この縦走もそういった山への畏敬の念があってからこそ成し遂げられるのではないでしょうか。国道438号の大カーブの垢離取から穴吹川に掛けられた垢離取橋を渡り龍光寺の鉄門へ進みます。ここに駐車場もあります。鉄門横から舗装路を登り切ってお寺の裏の擁壁の左に登山道があり、ここが縦走路の始まりとなります。垢離取の標高760mから歩けば1100mの高度差を一挙に一ノ森へ登ることになります。途中追分の分岐を過ぎブナの大木のうっそうとした自然林を登っていきます。一ノ森ヒュッテ付近を通る頃には周囲には白骨樹が立つ笹原が広がります。まずは一つ目のピークである一ノ森に立ちます。ここから西に向きを変え剣山に続く稜線を歩きます。木道に囲まれた剣山のピークを通り過ぎ急坂を下り次郎笈峠へ。鞍部を過ぎて今度は急坂を登り切れば次郎笈ピークです。四国第三峰の次郎笈からはこれから進む稜線がよく見えます。直下のトラバース分岐を剣山方面に2~3分進めば水場がありますが、涸れていることもあるので水の携行には注意しましょう。 丸石を過ぎブナ、ミズナラの天然林を抜け丸石避難小屋へ到着します。ここまで実働7時間強になります。徳島の山にはほどよい距離で無人小屋が整備されていますが指定された幕営地がこの先にないためここに泊まるのが賢明でしょう。二日目は高ノ瀬、中東山・石立山の分岐を越え平和丸を過ぎれば白髪避難小屋が近くなります。この小屋の20m下で水の補給をして白髪山分岐で三嶺方向にかじを切ります。途中分岐のあるカヤハゲ(東熊山)を通ります。この分岐を過ぎればこのルートでの最大傾斜の三嶺の登りにかかります、鎖場などもありますがさほど難しくはありません。そこをしのげばほどなく200名山の三嶺が迎えてくれます。笹原が広がり、少し下った池をたたえた台地には三嶺ヒュッテもあり、風景も相まってここが四国で一番の人気を誇るにふさわしい山というのもうなずけます。水場は離れていますがこの日の宿としてもいいでしょう。ゴールは大駐車場が整備された名頃の新登山口に下山します。このルートは、エスケープルートも多く取れるので、実力に合わせた計画をして避難小屋を利用した稜線歩きを楽しめます。
    垢離取とは読んで字のごとく垢を取る場所で、修験道の山に入るときにはここで俗世のアカにまみれた心・身を清めてから入山するのが古の風習であったと言われています。この縦走もそういった山への畏敬の念があってからこそ成し遂げられるのではないでしょうか。国道438号の大カーブの垢離取から穴吹川に掛けられた垢離取橋を渡り龍光寺の鉄門へ進みます。ここに駐車場もあります。鉄門横から舗装路を登り切ってお寺の裏の擁壁の左に登山道があり、ここが縦走路の始まりとなります。垢離取の標高760mから歩けば1100mの高度差を一挙に一ノ森へ登ることになります。途中追分の分岐を過ぎブナの大木のうっそうとした自然林を登っていきます。一ノ森ヒュッテ付近を通る頃には周囲には白骨樹が立つ笹原が広がります。まずは一つ目のピークである一ノ森に立ちます。ここから西に向きを変え剣山に続く稜線を歩きます。木道に囲まれた剣山のピークを通り過ぎ急坂を下り次郎笈峠へ。鞍部を過ぎて今度は急坂を登り切れば次郎笈ピークです。四国第三峰の次郎笈からはこれから進む稜線がよく見えます。直下のトラバース分岐を剣山方面に2~3分進めば水場がありますが、涸れていることもあるので水の携行には注意しましょう。 丸石を過ぎブナ、ミズナラの天然林を抜け丸石避難小屋へ到着します。ここまで実働7時間強になります。徳島の山にはほどよい距離で無人小屋が整備されていますが指定された幕営地がこの先にないためここに泊まるのが賢明でしょう。二日目は高ノ瀬、中東山・石立山の分岐を越え平和丸を過ぎれば白髪避難小屋が近くなります。この小屋の20m下で水の補給をして白髪山分岐で三嶺方向にかじを切ります。途中分岐のあるカヤハゲ(東熊山)を通ります。この分岐を過ぎればこのルートでの最大傾斜の三嶺の登りにかかります、鎖場などもありますがさほど難しくはありません。そこをしのげばほどなく200名山の三嶺が迎えてくれます。笹原が広がり、少し下った池をたたえた台地には三嶺ヒュッテもあり、風景も相まってここが四国で一番の人気を誇るにふさわしい山というのもうなずけます。水場は離れていますがこの日の宿としてもいいでしょう。ゴールは大駐車場が整備された名頃の新登山口に下山します。このルートは、エスケープルートも多く取れるので、実力に合わせた計画をして避難小屋を利用した稜線歩きを楽しめます。