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検索結果1117件中
561-580件
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一ノ沢から常念岳・蝶ヶ岳へ
- 2泊3日
- 13時間15分
- 15.7km
一ノ沢から常念岳・蝶ヶ岳へ
- 2泊3日
- 13時間15分
- 15.7km
松本・安曇野方面から北アルプスを眺めた際、目の前にぐっとせり上がる山群は前山と呼ばれ、その代表格が常念岳・蝶ヶ岳です。常念岳の名は常念坊伝説から、蝶ヶ岳は春先の雪形がその由来だとか。ともに麓の人々から、古くから親しまれた山々です。 一ノ沢登山口までタクシーが入りますが、マイカーはその手前、徒歩20分ほどの駐車場に車を置くことになります。しばらくは針葉樹の多い道を一ノ沢に沿って登って行きます。立派な鳥居が立つ山ノ神や古池を通ります。時には流れの脇を通るような道のりが続き、休憩ポイントとなる王滝ベンチ、烏帽子沢と歩いて行きます。胸突八丁では沢筋から大きく高巻きます。丸太の階段もあり、足元注意の場所です。再び沢筋に戻り、右岸へ移ると最終水場。この付近も休憩ポイントです。ここからは登りが続き、第三ベンチまでくればあと300mで常念乗越です。常念乗越の梓川側へわずかに下った位置に常念小屋が建っています。 乗越からはジグザグの登りが続き、前常念岳から三股へ向かう道を分けると、傾斜も緩くなり祠の建つ常念岳山頂はすぐです。 山頂からは浮石に気をつけての下り。2592m峰の直下となる斜面はニッコウキスゲが見事に咲き誇るお花畑です。再び樹林帯に入り、登り返すと展望が開けます。 蝶槍を越えると、穏やかな見晴らしの良い稜線歩きとなります。左手に三角点のある旧蝶ヶ岳山頂を過ごし、横尾方面分岐を分け、ひと登りで展望盤の設置された瞑想の丘。蝶ヶ岳ヒュッテはもう目と鼻の先です。蝶ヶ岳山頂は小屋よりわずか先のピークです。 蝶ヶ岳から三股へは、テント場の横を抜けるように下って行きます。お花畑を過ぎて稜線をたどると大滝山方面との分岐があり、ここで左手に折れます。標高2500m付近に最終ベンチがあります。展望のない樹林帯に入り、わずかに登ったところで、まめうち平に到着します。明るい広場のようになっており、休憩にピッタリです。 ここからは、しばらく尾根上を下ります。木製のステップが整備され歩きやすい道です。尾根から離れ、しばらくは斜面をトラバースするように進みます。ゴジラに似ている木などを楽しみながらさらに下ります。力水の水場を過ぎてまもなく吊橋となり左岸に渡って下流側に向かうと三股はすぐです。ここから三股駐車場まではのんびり20分ほどです。松本・安曇野方面から北アルプスを眺めた際、目の前にぐっとせり上がる山群は前山と呼ばれ、その代表格が常念岳・蝶ヶ岳です。常念岳の名は常念坊伝説から、蝶ヶ岳は春先の雪形がその由来だとか。ともに麓の人々から、古くから親しまれた山々です。 一ノ沢登山口までタクシーが入りますが、マイカーはその手前、徒歩20分ほどの駐車場に車を置くことになります。しばらくは針葉樹の多い道を一ノ沢に沿って登って行きます。立派な鳥居が立つ山ノ神や古池を通ります。時には流れの脇を通るような道のりが続き、休憩ポイントとなる王滝ベンチ、烏帽子沢と歩いて行きます。胸突八丁では沢筋から大きく高巻きます。丸太の階段もあり、足元注意の場所です。再び沢筋に戻り、右岸へ移ると最終水場。この付近も休憩ポイントです。ここからは登りが続き、第三ベンチまでくればあと300mで常念乗越です。常念乗越の梓川側へわずかに下った位置に常念小屋が建っています。 乗越からはジグザグの登りが続き、前常念岳から三股へ向かう道を分けると、傾斜も緩くなり祠の建つ常念岳山頂はすぐです。 山頂からは浮石に気をつけての下り。2592m峰の直下となる斜面はニッコウキスゲが見事に咲き誇るお花畑です。再び樹林帯に入り、登り返すと展望が開けます。 蝶槍を越えると、穏やかな見晴らしの良い稜線歩きとなります。左手に三角点のある旧蝶ヶ岳山頂を過ごし、横尾方面分岐を分け、ひと登りで展望盤の設置された瞑想の丘。蝶ヶ岳ヒュッテはもう目と鼻の先です。蝶ヶ岳山頂は小屋よりわずか先のピークです。 蝶ヶ岳から三股へは、テント場の横を抜けるように下って行きます。お花畑を過ぎて稜線をたどると大滝山方面との分岐があり、ここで左手に折れます。標高2500m付近に最終ベンチがあります。展望のない樹林帯に入り、わずかに登ったところで、まめうち平に到着します。明るい広場のようになっており、休憩にピッタリです。 ここからは、しばらく尾根上を下ります。木製のステップが整備され歩きやすい道です。尾根から離れ、しばらくは斜面をトラバースするように進みます。ゴジラに似ている木などを楽しみながらさらに下ります。力水の水場を過ぎてまもなく吊橋となり左岸に渡って下流側に向かうと三股はすぐです。ここから三股駐車場まではのんびり20分ほどです。 -
燕岳から常念岳・蝶ヶ岳・上高地へ
- 3泊4日
- 22時間5分
- 32.2km
燕岳から常念岳・蝶ヶ岳・上高地へ
- 3泊4日
- 22時間5分
- 32.2km
燕岳から蝶ヶ岳まで縦走し、槍ヶ岳や穂高岳、さらには裏銀座の山々から笠ヶ岳までのパノラマを眺めながらの縦走となります。 燕岳登山口から合戦尾根を登ります。登りが続く尾根ですが、第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、そして富士見ベンチと休憩ポイントがそろっています。合戦小屋はスイカが名物。飲食のみで宿泊はできません。燕山荘に着いたら燕岳を往復しましょう。 燕山荘からは、稜線を行きます。大下りで大きく下った後、登り返し。切通岩にはクサリがあります。その先の分岐で大天井岳山頂を目指します。大天井岳からは槍ヶ岳方面の表銀座コースを分け、常念岳方面へ。広くて明るい山稜です。二俣小屋跡の石積みを過ぎて東天井岳の山頂を巻いて行きます。道が大きく左手下に折れる手前、道標が建つあたりは好展望の休憩ポイントです。この近くには比較的遅くまで雪渓が残ります。長い下りの後、横通岳へゆるやかに登り返します。横通岳は、その名の通り山頂を巻き、小屋のある常念乗越へと下ります。 常念小屋から常念岳へは、ジグザグの登りが続きます。前常念岳を経て三股へ向かう道を分けると、傾斜は穏やかになり、まもなく山頂です。祠のある山頂そのものは狭いのですが、一段蝶ヶ岳よりに下がると、休憩できるスペースがあります。 常念岳山頂からは浮石に注意しながら一気に下ります。まもなく樹林帯の道となりますが、2592m峰に登ると、ニッコウキスゲが豊かに咲くお花畑となります。ゆっくりと休憩する登山者も多く見られます。ここから再び下りとなります。樹林帯の中を登り返し、蝶槍のピーク手前は少し岩の多い道になります。ここまで来ると再び展望の良い稜線の道となります。旧蝶ヶ岳の三角点もすぐです。穏やかに下ると、横尾方面分岐。ここから瞑想の丘と名付けられた展望盤のある高台まではゆったりとした登りになります。蝶ヶ岳ヒュッテを越えてわずかに登った地点に蝶ヶ岳山頂があります。 下りは長塀尾根を行きます。槍・穂高の展望を満喫しながら歩き始めますが、花が多く咲く船窪状の地点まで来るともう展望はなく、ずっと樹林帯となります。樹林に囲まれた妖精ノ池はほっと出来るオアシスです。「蝶ヶ岳から1.8キロ」の道標のある長塀山は、尾根上の小さなピークで、ここからは長い下りですが、徐々に傾斜がきつくなり、短い木製ハシゴなども現れます。背の高い樹林と笹の中を下ってゆくと、飽きる頃に徳沢となります。あとはなだらかな道を歩き、賑やかな上高地バスターミナルへと向かいます。燕岳から蝶ヶ岳まで縦走し、槍ヶ岳や穂高岳、さらには裏銀座の山々から笠ヶ岳までのパノラマを眺めながらの縦走となります。 燕岳登山口から合戦尾根を登ります。登りが続く尾根ですが、第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、そして富士見ベンチと休憩ポイントがそろっています。合戦小屋はスイカが名物。飲食のみで宿泊はできません。燕山荘に着いたら燕岳を往復しましょう。 燕山荘からは、稜線を行きます。大下りで大きく下った後、登り返し。切通岩にはクサリがあります。その先の分岐で大天井岳山頂を目指します。大天井岳からは槍ヶ岳方面の表銀座コースを分け、常念岳方面へ。広くて明るい山稜です。二俣小屋跡の石積みを過ぎて東天井岳の山頂を巻いて行きます。道が大きく左手下に折れる手前、道標が建つあたりは好展望の休憩ポイントです。この近くには比較的遅くまで雪渓が残ります。長い下りの後、横通岳へゆるやかに登り返します。横通岳は、その名の通り山頂を巻き、小屋のある常念乗越へと下ります。 常念小屋から常念岳へは、ジグザグの登りが続きます。前常念岳を経て三股へ向かう道を分けると、傾斜は穏やかになり、まもなく山頂です。祠のある山頂そのものは狭いのですが、一段蝶ヶ岳よりに下がると、休憩できるスペースがあります。 常念岳山頂からは浮石に注意しながら一気に下ります。まもなく樹林帯の道となりますが、2592m峰に登ると、ニッコウキスゲが豊かに咲くお花畑となります。ゆっくりと休憩する登山者も多く見られます。ここから再び下りとなります。樹林帯の中を登り返し、蝶槍のピーク手前は少し岩の多い道になります。ここまで来ると再び展望の良い稜線の道となります。旧蝶ヶ岳の三角点もすぐです。穏やかに下ると、横尾方面分岐。ここから瞑想の丘と名付けられた展望盤のある高台まではゆったりとした登りになります。蝶ヶ岳ヒュッテを越えてわずかに登った地点に蝶ヶ岳山頂があります。 下りは長塀尾根を行きます。槍・穂高の展望を満喫しながら歩き始めますが、花が多く咲く船窪状の地点まで来るともう展望はなく、ずっと樹林帯となります。樹林に囲まれた妖精ノ池はほっと出来るオアシスです。「蝶ヶ岳から1.8キロ」の道標のある長塀山は、尾根上の小さなピークで、ここからは長い下りですが、徐々に傾斜がきつくなり、短い木製ハシゴなども現れます。背の高い樹林と笹の中を下ってゆくと、飽きる頃に徳沢となります。あとはなだらかな道を歩き、賑やかな上高地バスターミナルへと向かいます。 -
新穂高温泉から鏡平・笠ヶ岳へ
- 1泊2日
- 17時間5分
- 28.5km
新穂高温泉から鏡平・笠ヶ岳へ
- 1泊2日
- 17時間5分
- 28.5km
笠ヶ岳は見事なまでの笠形で、北アルプスのなかでもかなり目立つ存在です。また、岐阜県の最高峰になります。笠新道は急な登りなので、本書では下りに利用するコースとして紹介します。 新穂高温泉から蒲田川左俣林道を進みます。風穴を過ぎ、中崎橋で右岸に渡り、しばらく行くと左手に笠新道登山口が現れます。さらに10分ほど歩くとブナ林の中にわさび平小屋が現れます。なおも林道を進み、小池新道分岐で小池新道へと入ります。良く整備された登山道です。秩父沢出合は開放的で休憩するのに良い場所。その先の秩父小沢は流れが心地よく、喉を潤したくなります。チボ岩・イタドリヶ原をぬけて徐々に高度を稼ぎます。シシウドヶ原にはベンチがあり、多くの登山者が休憩しています。ここから道は山腹を巻くように進みます。さらに沢に沿って登り、鏡平となります。鏡平山荘はかき氷が名物で居心地の良い山小屋です。 弓折岳へは小屋の前にかかる橋を渡り、尾根道を登ります。途中から山腹をトラバースするように登り、弓折分岐に出ます。 ここで双六小屋方面と分かれます。弓折岳の山頂は登山道から1分ほどの場所。弓折岳からは足元に注意しながら大ノマ乗越まで一気に下ります。ここから大ノマ岳までは長い登りとなり、大ノマ岳山頂をわずかに巻きます。秩父平までは下りになりますが、一部切り立った斜面の上を通過するので、足元には注意です。 秩父平は広々としたカールです。シナノキンバイなどの花も多く咲くお花畑で、視線を上げると不思議な形の秩父岩が並んでいます。カール上部は遅くまで残雪があります。 秩父平からの坂を登り切ると、しばらくはハイマツの中にのびる平坦で快適な道です。抜戸岳山頂への分岐を過ぎるとすぐに笠新道分岐が現れます。抜戸岩の間を抜けて下りきると、最後の登り。テント場からもうひと登りして遅くまで残る雪渓を横断すれば、笠ヶ岳山荘はすぐ。笠ヶ岳山頂は山荘から往復で25分ほどです。 帰路は笠新道を利用します。いったん笠新道分岐まで戻り、稜線を越えます。抜戸岳山頂にも寄っておきましょう。杓子平までは急な下りですが、花も多く咲く杓子平は平坦です。さらに下りが続き、やがて針葉樹の森となってブナ林に変化すれば、ようやく笠新道も終わり近くになります。蒲田川左俣林道の登山口に出たら、新穂高温泉を目指して歩きます。笠ヶ岳は見事なまでの笠形で、北アルプスのなかでもかなり目立つ存在です。また、岐阜県の最高峰になります。笠新道は急な登りなので、本書では下りに利用するコースとして紹介します。 新穂高温泉から蒲田川左俣林道を進みます。風穴を過ぎ、中崎橋で右岸に渡り、しばらく行くと左手に笠新道登山口が現れます。さらに10分ほど歩くとブナ林の中にわさび平小屋が現れます。なおも林道を進み、小池新道分岐で小池新道へと入ります。良く整備された登山道です。秩父沢出合は開放的で休憩するのに良い場所。その先の秩父小沢は流れが心地よく、喉を潤したくなります。チボ岩・イタドリヶ原をぬけて徐々に高度を稼ぎます。シシウドヶ原にはベンチがあり、多くの登山者が休憩しています。ここから道は山腹を巻くように進みます。さらに沢に沿って登り、鏡平となります。鏡平山荘はかき氷が名物で居心地の良い山小屋です。 弓折岳へは小屋の前にかかる橋を渡り、尾根道を登ります。途中から山腹をトラバースするように登り、弓折分岐に出ます。 ここで双六小屋方面と分かれます。弓折岳の山頂は登山道から1分ほどの場所。弓折岳からは足元に注意しながら大ノマ乗越まで一気に下ります。ここから大ノマ岳までは長い登りとなり、大ノマ岳山頂をわずかに巻きます。秩父平までは下りになりますが、一部切り立った斜面の上を通過するので、足元には注意です。 秩父平は広々としたカールです。シナノキンバイなどの花も多く咲くお花畑で、視線を上げると不思議な形の秩父岩が並んでいます。カール上部は遅くまで残雪があります。 秩父平からの坂を登り切ると、しばらくはハイマツの中にのびる平坦で快適な道です。抜戸岳山頂への分岐を過ぎるとすぐに笠新道分岐が現れます。抜戸岩の間を抜けて下りきると、最後の登り。テント場からもうひと登りして遅くまで残る雪渓を横断すれば、笠ヶ岳山荘はすぐ。笠ヶ岳山頂は山荘から往復で25分ほどです。 帰路は笠新道を利用します。いったん笠新道分岐まで戻り、稜線を越えます。抜戸岳山頂にも寄っておきましょう。杓子平までは急な下りですが、花も多く咲く杓子平は平坦です。さらに下りが続き、やがて針葉樹の森となってブナ林に変化すれば、ようやく笠新道も終わり近くになります。蒲田川左俣林道の登山口に出たら、新穂高温泉を目指して歩きます。 -
新穂高温泉から双六岳・三俣蓮華岳へ
- 3泊4日
- 16時間45分
- 32.6km
新穂高温泉から双六岳・三俣蓮華岳へ
- 3泊4日
- 16時間45分
- 32.6km
起点は岐阜県側の北アルプスの玄関口である新穂高温泉。まずは蒲田川左俣に沿ってのびる林道をたどります。まもなくゲートがあり、ここから先は一般車通行禁止。ゲート脇に登山届のポストがあります。左手の穴毛谷の砂防ダム群を眺めたり風穴でクールダウンしながら、林道を歩きます。右岸に移り笠ヶ岳へ向かう笠新道を分けてまもなく、ブナ林に囲まれたわさび平小屋です。ここに宿泊してスタートするのも良いでしょう。 さらに林道をたどり、蒲田川を渡る手前が小池新道分岐です。ここからよく整備された登山道が始まります。 流れが聞こえるようになると、堅固な橋のかかる秩父沢出合はすぐです。遅くまで雪渓の残る沢ですが、明るい河原は休憩ポイントです。さらに進んで、秩父小沢を横断します。最後の水場です。灌木の多い斜面をたどり、チボ岩、イタドリヶ原を越え、やがてベンチのあるシシウドヶ原です。ここからトラバース気味に進み、熊の踊り場を過ぎてひと登りで鏡平、鏡池の横に出ます。池に映える槍穂高を楽しんだら、鏡平山荘へ。山荘の名物かき氷がたまりません。 鏡平山荘から斜上して尾根に出ると、弓折岳分岐です。ここから弓折岳は笠ヶ岳方面へ向かい往復15分ほどです。ここからはほぼ尾根上の道です。遅くまで残る残雪を過ぎるとお花畑ベンチ。シナノキンバイなどのお花畑が広がります。尾根から離れ、少しずつ下ると、鷲羽岳を背景に双六小屋が近づきます。夏期には富山大学の診療所も開設され、この地域の中核となる小屋です。 双六小屋からは、西鎌尾根経由で槍ヶ岳へ続く道が分かれます。双六岳へは小屋の前からハイマツの斜面を一気に登ります。ひと段落するのが巻道ルート分岐。そのすぐ先が中道分岐です。手入れの良い道をもうひと頑張りで一気に登ります。残雪が多い時期は、中道を途中まで進み、稜線に登るルートとなります。 頑張って登った稜線は実に広々としています。点々と植物が生え、線状構造土が見られます。振り返ると槍ヶ岳から穂高連峰の稜線が、柔らかな曲線描く稜線上に浮かぶ絶景です。双六岳山頂から稜線伝いに三俣蓮華岳まで足をのばせば、眼下に黒部源流や三俣山荘、正面に鷲羽岳、水晶岳、さらには雲ノ平から薬師岳と山並みがどこまでも続いて見えます。北アルプスの奥地にいることが実感できるでしょう。山頂からはガレた道を下り巻道ルートへ進んで双六小屋へ戻り、新穂高温泉までは往路をたどります。起点は岐阜県側の北アルプスの玄関口である新穂高温泉。まずは蒲田川左俣に沿ってのびる林道をたどります。まもなくゲートがあり、ここから先は一般車通行禁止。ゲート脇に登山届のポストがあります。左手の穴毛谷の砂防ダム群を眺めたり風穴でクールダウンしながら、林道を歩きます。右岸に移り笠ヶ岳へ向かう笠新道を分けてまもなく、ブナ林に囲まれたわさび平小屋です。ここに宿泊してスタートするのも良いでしょう。 さらに林道をたどり、蒲田川を渡る手前が小池新道分岐です。ここからよく整備された登山道が始まります。 流れが聞こえるようになると、堅固な橋のかかる秩父沢出合はすぐです。遅くまで雪渓の残る沢ですが、明るい河原は休憩ポイントです。さらに進んで、秩父小沢を横断します。最後の水場です。灌木の多い斜面をたどり、チボ岩、イタドリヶ原を越え、やがてベンチのあるシシウドヶ原です。ここからトラバース気味に進み、熊の踊り場を過ぎてひと登りで鏡平、鏡池の横に出ます。池に映える槍穂高を楽しんだら、鏡平山荘へ。山荘の名物かき氷がたまりません。 鏡平山荘から斜上して尾根に出ると、弓折岳分岐です。ここから弓折岳は笠ヶ岳方面へ向かい往復15分ほどです。ここからはほぼ尾根上の道です。遅くまで残る残雪を過ぎるとお花畑ベンチ。シナノキンバイなどのお花畑が広がります。尾根から離れ、少しずつ下ると、鷲羽岳を背景に双六小屋が近づきます。夏期には富山大学の診療所も開設され、この地域の中核となる小屋です。 双六小屋からは、西鎌尾根経由で槍ヶ岳へ続く道が分かれます。双六岳へは小屋の前からハイマツの斜面を一気に登ります。ひと段落するのが巻道ルート分岐。そのすぐ先が中道分岐です。手入れの良い道をもうひと頑張りで一気に登ります。残雪が多い時期は、中道を途中まで進み、稜線に登るルートとなります。 頑張って登った稜線は実に広々としています。点々と植物が生え、線状構造土が見られます。振り返ると槍ヶ岳から穂高連峰の稜線が、柔らかな曲線描く稜線上に浮かぶ絶景です。双六岳山頂から稜線伝いに三俣蓮華岳まで足をのばせば、眼下に黒部源流や三俣山荘、正面に鷲羽岳、水晶岳、さらには雲ノ平から薬師岳と山並みがどこまでも続いて見えます。北アルプスの奥地にいることが実感できるでしょう。山頂からはガレた道を下り巻道ルートへ進んで双六小屋へ戻り、新穂高温泉までは往路をたどります。 -
土小屋から石鎚山頂へ(土小屋コース)
- 日帰り
- 3時間50分
- 8.5km
土小屋から石鎚山頂へ(土小屋コース)
- 日帰り
- 3時間50分
- 8.5km
土小屋は石鎚の登山口としては最高地点で、もっともポピュラーな登山基地です。この土小屋は南に延びる尾根の岩黒山・丸滝山・筒上山、手箱山にも足を延ばすこともでき、宿泊施設・レストラン・トイレなど充実した設備があります。 この土小屋コースは道中に道標が多くあり迷うことはありません。土小屋遥拝殿の下にあるルート説明の掲示板を見てこれから歩くルート確認をしておきましょう。 頂上との標高差500m程度と比較的なだらかな登山道を鶴ノ子ノ頭を含む山頂へ延びる尾根を南に北にかわしながらトラバースして進みます。道中4か所ルンゼ(沢筋)がありますが、これらは5月中旬頃まで雪渓が残り木道が雪の重圧で破壊される事もあるので歩行時には注意と、アイゼンの準備をお忘れなく。この土小屋ルートは南斜面に石鎚五葉松やモミ、ツガの針葉樹が多く、北斜面は秋に紅葉を見せてくれるブナ・カエデなどの落葉広葉樹が広がります。足元にはショウジョウバカマ、ヤマシャクヤク、アケボノツツジ、イシヅチザクラ、シコクフウロ、リンドウと季節ごとに高山植物が咲き誇ります。ベンチ3から直接岩峰の南尖峰へ登り詰めるいわゆる東稜ルートは近年技量不足の登山者が付けたと思われるロープなどの残置のせいかオーバーユースとなり山体崩壊が顕著になってきました。自然保護の見地からこのルートの使用は勧められません。現在は東稜の目印、ロープは毎年春に除去しています。二ノ鎖付近は平成25年に大規模に改装され緊急避難用の石鎚山公衆トイレ休憩所が設置されました。ここが最後のトイレなので利用してから頂上に向かいましょう。 二ノ鎖下の鳥居をくぐった辺りからは傾斜が増し、厳しい登山を強いられます。鎖場は行場でもあり、岩登りの経験が無ければ鎖場を迂回しましょう。ここから上部はすれ違い可能の鉄の階段が迂回路として設置されています。おおよそ25分から30分の登りで石鎚山(弥山)の頂上に到達します。 石鎚山というのは固有のピークを指すのではなく、南尖峰・天狗岳・弥山の主に3つのピークを合わせた岩峰群を指します。登山者の多くは弥山で下山しますが、最高峰の天狗岳に行くには鎖場同様ある程度の岩登りの経験が必要です。山体崩壊を防ぐ植生保護のためにペンキでルートが示されており、この天狗岳への道は行場の場所でもあるので軽はずみに歩きやすいからと言って脇道にそれることは避けましょう。 下山は往路を戻ります。土小屋は石鎚の登山口としては最高地点で、もっともポピュラーな登山基地です。この土小屋は南に延びる尾根の岩黒山・丸滝山・筒上山、手箱山にも足を延ばすこともでき、宿泊施設・レストラン・トイレなど充実した設備があります。 この土小屋コースは道中に道標が多くあり迷うことはありません。土小屋遥拝殿の下にあるルート説明の掲示板を見てこれから歩くルート確認をしておきましょう。 頂上との標高差500m程度と比較的なだらかな登山道を鶴ノ子ノ頭を含む山頂へ延びる尾根を南に北にかわしながらトラバースして進みます。道中4か所ルンゼ(沢筋)がありますが、これらは5月中旬頃まで雪渓が残り木道が雪の重圧で破壊される事もあるので歩行時には注意と、アイゼンの準備をお忘れなく。この土小屋ルートは南斜面に石鎚五葉松やモミ、ツガの針葉樹が多く、北斜面は秋に紅葉を見せてくれるブナ・カエデなどの落葉広葉樹が広がります。足元にはショウジョウバカマ、ヤマシャクヤク、アケボノツツジ、イシヅチザクラ、シコクフウロ、リンドウと季節ごとに高山植物が咲き誇ります。ベンチ3から直接岩峰の南尖峰へ登り詰めるいわゆる東稜ルートは近年技量不足の登山者が付けたと思われるロープなどの残置のせいかオーバーユースとなり山体崩壊が顕著になってきました。自然保護の見地からこのルートの使用は勧められません。現在は東稜の目印、ロープは毎年春に除去しています。二ノ鎖付近は平成25年に大規模に改装され緊急避難用の石鎚山公衆トイレ休憩所が設置されました。ここが最後のトイレなので利用してから頂上に向かいましょう。 二ノ鎖下の鳥居をくぐった辺りからは傾斜が増し、厳しい登山を強いられます。鎖場は行場でもあり、岩登りの経験が無ければ鎖場を迂回しましょう。ここから上部はすれ違い可能の鉄の階段が迂回路として設置されています。おおよそ25分から30分の登りで石鎚山(弥山)の頂上に到達します。 石鎚山というのは固有のピークを指すのではなく、南尖峰・天狗岳・弥山の主に3つのピークを合わせた岩峰群を指します。登山者の多くは弥山で下山しますが、最高峰の天狗岳に行くには鎖場同様ある程度の岩登りの経験が必要です。山体崩壊を防ぐ植生保護のためにペンキでルートが示されており、この天狗岳への道は行場の場所でもあるので軽はずみに歩きやすいからと言って脇道にそれることは避けましょう。 下山は往路を戻ります。 -
成就から石鎚山頂へ(石鎚表参道)
- 日帰り
- 5時間30分
- 8.5km
成就から石鎚山頂へ(石鎚表参道)
- 日帰り
- 5時間30分
- 8.5km
成就ルートは信仰の歴史とともに開けてきた表参道です。登り方としてロープウェイを利用するのが最も一般的です。ロープウェイは50人乗りで山麓下谷駅が朝8時頃からの運行が多いですが、季節毎に運行時間が変わります。基本的には毎00分・20分・40分と1時間に3便設定されていて、乗客が多い時には臨時便も出ます。山頂成就駅は喫茶・トイレ設備がありスキーと登山の基点で、スキー場は冬だけでなく一年を通してイベントがありカブトムシ観察会や夜の天文観測会なども開かれ手軽に自然との触れ合える場所でもあります。ロープウェイの最終運行時間を確認したあと登山開始です。駅を出て奥前神寺横を通りジグザグした幅の広い道を20分ほど歩くと石鎚神社中宮成就社です。開山の祖「役行者」が石鎚登頂からの帰りにこの地において「我願い成就せり」と登頂を喜んだという由来でこの地を成就と呼ぶようになりました。別の字で「常住」とも書き、ここには常時人が居て参拝する人をもてなしてくれるという意味もあります。この成就で登山の準備を再確認して、神門をくぐり歩き始めます。最初は下り道で八丁坂鞍部までは20分ほど。ここからこのルートの登りが始まり、階段と急登が続きます。1時間も歩けば前社森の試しの鎖があり、捲き道の奥には前社森休憩所があります。多くの登山者はじめ信者さんのノドを潤した茶屋であり「あめゆ」は名物。小屋のおじさんにひと言かけて休憩させてもらいましょう。途中お地蔵さんならぬ三十六王子社の石柱が設置されここが修験道の山だと改めて感じさせます。古森王子社、早鷹王子社を抜けると眼前に石鎚の山塊が迫る夜明峠に到達します。この成就コースで避けられないのは鎖禅定です。言うまでもなく修験道のこの山に行場は付き物で、前社森に懸る「試しの鎖」、その上の一ノ鎖、土小屋コースとの合流点の二ノ鎖、弥山最頂部につながる三ノ鎖、この四ヶ所の鎖は登山者の登攀欲をそそられます。しかし、ここ数年は毎年滑落・墜落事故が絶えず、軽はずみな気持ちで登ることは差し控えて下さい。11月から5月の冬期及び残雪期は路面の凍結がありそれ相応の装備・経験が必須です。また二ノ鎖からは土小屋コースと合流しますが下山時にルート間違いが稀に発生しているので注意して下さい。下りは八丁坂鞍部まで急降下ですが、成就への登り返しを忘れないように。比較的土小屋コースの方が簡単に登ることができますが、都市部からの交通の便を考えれば、このルートの登山者が多いのもうなずけます。成就ルートは信仰の歴史とともに開けてきた表参道です。登り方としてロープウェイを利用するのが最も一般的です。ロープウェイは50人乗りで山麓下谷駅が朝8時頃からの運行が多いですが、季節毎に運行時間が変わります。基本的には毎00分・20分・40分と1時間に3便設定されていて、乗客が多い時には臨時便も出ます。山頂成就駅は喫茶・トイレ設備がありスキーと登山の基点で、スキー場は冬だけでなく一年を通してイベントがありカブトムシ観察会や夜の天文観測会なども開かれ手軽に自然との触れ合える場所でもあります。ロープウェイの最終運行時間を確認したあと登山開始です。駅を出て奥前神寺横を通りジグザグした幅の広い道を20分ほど歩くと石鎚神社中宮成就社です。開山の祖「役行者」が石鎚登頂からの帰りにこの地において「我願い成就せり」と登頂を喜んだという由来でこの地を成就と呼ぶようになりました。別の字で「常住」とも書き、ここには常時人が居て参拝する人をもてなしてくれるという意味もあります。この成就で登山の準備を再確認して、神門をくぐり歩き始めます。最初は下り道で八丁坂鞍部までは20分ほど。ここからこのルートの登りが始まり、階段と急登が続きます。1時間も歩けば前社森の試しの鎖があり、捲き道の奥には前社森休憩所があります。多くの登山者はじめ信者さんのノドを潤した茶屋であり「あめゆ」は名物。小屋のおじさんにひと言かけて休憩させてもらいましょう。途中お地蔵さんならぬ三十六王子社の石柱が設置されここが修験道の山だと改めて感じさせます。古森王子社、早鷹王子社を抜けると眼前に石鎚の山塊が迫る夜明峠に到達します。この成就コースで避けられないのは鎖禅定です。言うまでもなく修験道のこの山に行場は付き物で、前社森に懸る「試しの鎖」、その上の一ノ鎖、土小屋コースとの合流点の二ノ鎖、弥山最頂部につながる三ノ鎖、この四ヶ所の鎖は登山者の登攀欲をそそられます。しかし、ここ数年は毎年滑落・墜落事故が絶えず、軽はずみな気持ちで登ることは差し控えて下さい。11月から5月の冬期及び残雪期は路面の凍結がありそれ相応の装備・経験が必須です。また二ノ鎖からは土小屋コースと合流しますが下山時にルート間違いが稀に発生しているので注意して下さい。下りは八丁坂鞍部まで急降下ですが、成就への登り返しを忘れないように。比較的土小屋コースの方が簡単に登ることができますが、都市部からの交通の便を考えれば、このルートの登山者が多いのもうなずけます。 -
保井野から堂ヶ森を経て石鎚山頂へ
- 1泊2日
- 7時間45分
- 13.9km
保井野から堂ヶ森を経て石鎚山頂へ
- 1泊2日
- 7時間45分
- 13.9km
石鎚山系の縦走ルートの代表と言えば保井野~堂ヶ森~二ノ森~西ノ冠岳~弥山がまず挙がります。西条市丹原町保井野にある保井野集落はかつて林業や鉱山で賑わった集落ですが今では空き家も目立ちます。登山口はかつての牧場の施設で、登山愛好家や地元の方々の協力もあって10台ほどの駐車場・トイレが整備されています。登山道自体は道標もあり迷うようなことはありません。堂ヶ森には愛大堂ヶ森避難小屋があり、そこを目指して初日の行動を起こします。保井野登山口から牧場跡を牧柵沿いに登り、途中相名峠・青滝山方面への分岐がありますがそちらのルートには入らないように。沢を横切りヒノキ林をぬけ徐々に高度をあげて道がジグザグになると最初の通過ポイントの「空池」に達します。ここから保井野の別れまでが四国の三大急登のひとつです。6月にはシャクナゲが咲き誇り、シャクナゲ尾根とも呼ばれます。1時間ほど進むと梅ヶ市方面からの登山道と合流し、ここからは展望の開けた道となります。登り切ると堂ヶ森の南側の肩となり、巨大な反射板の設置された堂ヶ森の山頂へ10分ほどで往復できます。途中お不動様を横に見、南斜面を二ノ森方面へ数分進み鞍部に下ります。そこからは避難小屋までは目と鼻の先です。道中にある水場は涸れていることもあるので注意して下さい。小屋近くにもありますがこちらも涸れていることがあるので携行する水には余裕を持ちましょう。ここでは10人ほどの収容能力のある愛大堂ヶ森避難小屋に泊まるか、またはその周辺の広場にテントを張ることとなります。小屋の利用には一人当たり1000円ほどの負担が必要です。ここはエコトイレなので使用後は撹拌作業を忘れずに。 翌朝は石鎚へ続く稜線をトレースします。五代の分れを通るのも鞍瀬の頭を越えるのもタイムに差は無く、二ノ森には2時間もすれば到達です。この稜線は東西に延び南北ともに眺めがよく心地よく歩くことができます。西ノ冠岳までに高瀑への分岐がありますがこのルートは熟達者向きとなっています。西冠のコルに立つ錆びた道標を横目に西ノ冠岳南面をトラバースしますが、所々崩れもあり歩行には注意が必要です。面河乗越手前になると石鎚が今まで見たことのないような形となり迫ってきます。面河乗越で面河ルート(裏参道)と合流して三ノ鎖下へとつながります。堂ヶ森から石鎚山までのルートの稜線上では石鎚の成就コース(表参道)や土小屋コースにはない高山植物が目を楽しませてくれます。そのまま石鎚の弥山に登り、その後は土小屋コースをとり土小屋に下山します。石鎚山系の縦走ルートの代表と言えば保井野~堂ヶ森~二ノ森~西ノ冠岳~弥山がまず挙がります。西条市丹原町保井野にある保井野集落はかつて林業や鉱山で賑わった集落ですが今では空き家も目立ちます。登山口はかつての牧場の施設で、登山愛好家や地元の方々の協力もあって10台ほどの駐車場・トイレが整備されています。登山道自体は道標もあり迷うようなことはありません。堂ヶ森には愛大堂ヶ森避難小屋があり、そこを目指して初日の行動を起こします。保井野登山口から牧場跡を牧柵沿いに登り、途中相名峠・青滝山方面への分岐がありますがそちらのルートには入らないように。沢を横切りヒノキ林をぬけ徐々に高度をあげて道がジグザグになると最初の通過ポイントの「空池」に達します。ここから保井野の別れまでが四国の三大急登のひとつです。6月にはシャクナゲが咲き誇り、シャクナゲ尾根とも呼ばれます。1時間ほど進むと梅ヶ市方面からの登山道と合流し、ここからは展望の開けた道となります。登り切ると堂ヶ森の南側の肩となり、巨大な反射板の設置された堂ヶ森の山頂へ10分ほどで往復できます。途中お不動様を横に見、南斜面を二ノ森方面へ数分進み鞍部に下ります。そこからは避難小屋までは目と鼻の先です。道中にある水場は涸れていることもあるので注意して下さい。小屋近くにもありますがこちらも涸れていることがあるので携行する水には余裕を持ちましょう。ここでは10人ほどの収容能力のある愛大堂ヶ森避難小屋に泊まるか、またはその周辺の広場にテントを張ることとなります。小屋の利用には一人当たり1000円ほどの負担が必要です。ここはエコトイレなので使用後は撹拌作業を忘れずに。 翌朝は石鎚へ続く稜線をトレースします。五代の分れを通るのも鞍瀬の頭を越えるのもタイムに差は無く、二ノ森には2時間もすれば到達です。この稜線は東西に延び南北ともに眺めがよく心地よく歩くことができます。西ノ冠岳までに高瀑への分岐がありますがこのルートは熟達者向きとなっています。西冠のコルに立つ錆びた道標を横目に西ノ冠岳南面をトラバースしますが、所々崩れもあり歩行には注意が必要です。面河乗越手前になると石鎚が今まで見たことのないような形となり迫ってきます。面河乗越で面河ルート(裏参道)と合流して三ノ鎖下へとつながります。堂ヶ森から石鎚山までのルートの稜線上では石鎚の成就コース(表参道)や土小屋コースにはない高山植物が目を楽しませてくれます。そのまま石鎚の弥山に登り、その後は土小屋コースをとり土小屋に下山します。 -
面河から石鎚山頂へ(石鎚裏参道)
- 1泊2日
- 9時間10分
- 18.4km
面河から石鎚山頂へ(石鎚裏参道)
- 1泊2日
- 9時間10分
- 18.4km
裏参道となる面河コースは文字通り古くからの登拝路であり石鎚スカイラインが開通するまでは久万・面河からのメインルートとして使われていました。距離があり、体力勝負の急登ありと敬遠されがちなルートですが、石鎚本来の太古からの自然が残されており、登山口に至る面河渓谷は四国で有数の紅葉の名勝地です。 面河バス停から歩き始め、1500万年前の天狗岳火砕流の堆積物が侵食されてできた渓谷は白い河原に変わります。そこが渓泉亭・面河茶屋で登山起点となります。ここから面河渓を遡り、巨大な亀腹岩から鶴ヶ背橋、蓬莱渓、紅葉河原、下熊渕、上熊渕を過ぎると面河登山口に到着します。鳥居をくぐり抜け石段を登り始めるとツガとカエデの森の中を進むジグザグの登りが霧ヶ迫へと続きます。ここが登山道中の最初の水場です。この水場から道が斜面に直登しており倒木もあり近年道迷いがここで多く発生しています。周囲を確認して登りましょう。原生林を尾根沿いに進み、石鎚の南尖峰・幕岩がここから木立の間から見え、石鎚の懐深い場所を歩いていることを実感させられます。面河山近くになるとブナの林立する尾根となり、やがて通年利用できる収容人数10名ほどの愛大石鎚小屋に到着します。バイオトイレもあるので一息入れるのにいい場所です。テントを張ることのできるテラスもあります。この辺りから御来光の滝のルートに下ったり、面河渓谷の最奥部に入ることもできますが、それらは熟達者向けのルートなので安易に入らないように。 石鎚弥山へは西ノ冠岳からの沢筋が何本か続きます。この広大なササの斜面が高知へと流れる仁淀川の源流になります。全長124kmのこの川は近年「仁淀ブルー」の名で有名となり水質は2010年全国一になりました。所々近年の豪雨による崩壊がありロープが所々張られていますが結びや材質に問題があるのでそれに頼って登らないようにして下さい。シコクシラベの林に入ると面河乗越も近くなり合流点手前にはシラベの水場があり、ここから45分も歩けば石鎚弥山に立つことができます。 帰りは往路を戻りますが、石鎚山頂頂上山荘もしくは愛大小屋に泊まり、夜空一面に広がる星を楽しむのもおすすめです。 面河渓は昭和8年に国指定の史跡名勝天然記念物、昭和30年に石鎚国定公園に指定されています。秋の紅葉時期に関門の山岳博物館から虎ヶ滝の遊歩道の散策がオススメです。ここには深く切れた渓谷、紅葉を映えさせる白い河原、清冽な青い水はまさに石鎚を代表する景色があります。裏参道となる面河コースは文字通り古くからの登拝路であり石鎚スカイラインが開通するまでは久万・面河からのメインルートとして使われていました。距離があり、体力勝負の急登ありと敬遠されがちなルートですが、石鎚本来の太古からの自然が残されており、登山口に至る面河渓谷は四国で有数の紅葉の名勝地です。 面河バス停から歩き始め、1500万年前の天狗岳火砕流の堆積物が侵食されてできた渓谷は白い河原に変わります。そこが渓泉亭・面河茶屋で登山起点となります。ここから面河渓を遡り、巨大な亀腹岩から鶴ヶ背橋、蓬莱渓、紅葉河原、下熊渕、上熊渕を過ぎると面河登山口に到着します。鳥居をくぐり抜け石段を登り始めるとツガとカエデの森の中を進むジグザグの登りが霧ヶ迫へと続きます。ここが登山道中の最初の水場です。この水場から道が斜面に直登しており倒木もあり近年道迷いがここで多く発生しています。周囲を確認して登りましょう。原生林を尾根沿いに進み、石鎚の南尖峰・幕岩がここから木立の間から見え、石鎚の懐深い場所を歩いていることを実感させられます。面河山近くになるとブナの林立する尾根となり、やがて通年利用できる収容人数10名ほどの愛大石鎚小屋に到着します。バイオトイレもあるので一息入れるのにいい場所です。テントを張ることのできるテラスもあります。この辺りから御来光の滝のルートに下ったり、面河渓谷の最奥部に入ることもできますが、それらは熟達者向けのルートなので安易に入らないように。 石鎚弥山へは西ノ冠岳からの沢筋が何本か続きます。この広大なササの斜面が高知へと流れる仁淀川の源流になります。全長124kmのこの川は近年「仁淀ブルー」の名で有名となり水質は2010年全国一になりました。所々近年の豪雨による崩壊がありロープが所々張られていますが結びや材質に問題があるのでそれに頼って登らないようにして下さい。シコクシラベの林に入ると面河乗越も近くなり合流点手前にはシラベの水場があり、ここから45分も歩けば石鎚弥山に立つことができます。 帰りは往路を戻りますが、石鎚山頂頂上山荘もしくは愛大小屋に泊まり、夜空一面に広がる星を楽しむのもおすすめです。 面河渓は昭和8年に国指定の史跡名勝天然記念物、昭和30年に石鎚国定公園に指定されています。秋の紅葉時期に関門の山岳博物館から虎ヶ滝の遊歩道の散策がオススメです。ここには深く切れた渓谷、紅葉を映えさせる白い河原、清冽な青い水はまさに石鎚を代表する景色があります。 -
土小屋から岩黒山・筒上山・手箱山
- 日帰り
- 6時間5分
- 11.9km
土小屋から岩黒山・筒上山・手箱山
- 日帰り
- 6時間5分
- 11.9km
土小屋から石鎚スカイラインを少し南下すると登山口があります。そこから1時間足らずで岩黒山の山頂に到着です。ルートは整備されています。山頂を経由して丸滝の修験道道場に出て筒上・手箱方面に進みます。筒上山、手箱山は信仰の山であり信者のグループが設置した桟道があるので、トラバース道も歩きやすいです。丸滝の分岐から1時間ほどで手箱越に到着すると、大峰宗覚心寺派の道場が現れます。道場の左側には仁淀川町の安居渓谷登山口へ下る道と、手箱山への道との分岐となりここを右へ石垣の坂を登ると鳥居があり、筒上山に続く鎖道があります。岩場を注意して登っていくと360度の眺望が得られる筒上山の山頂です。南峰に大山衹神社が、北峰に権現者が祀られています。 手箱越から東へ尾根を忠実に辿ると手箱山に至ります。そこから案内板は無いですが名野川分岐から番所跡を通過して、標識のある峠に出たあと、大瀧の大瀧登山口へと下ります。土小屋から石鎚スカイラインを少し南下すると登山口があります。そこから1時間足らずで岩黒山の山頂に到着です。ルートは整備されています。山頂を経由して丸滝の修験道道場に出て筒上・手箱方面に進みます。筒上山、手箱山は信仰の山であり信者のグループが設置した桟道があるので、トラバース道も歩きやすいです。丸滝の分岐から1時間ほどで手箱越に到着すると、大峰宗覚心寺派の道場が現れます。道場の左側には仁淀川町の安居渓谷登山口へ下る道と、手箱山への道との分岐となりここを右へ石垣の坂を登ると鳥居があり、筒上山に続く鎖道があります。岩場を注意して登っていくと360度の眺望が得られる筒上山の山頂です。南峰に大山衹神社が、北峰に権現者が祀られています。 手箱越から東へ尾根を忠実に辿ると手箱山に至ります。そこから案内板は無いですが名野川分岐から番所跡を通過して、標識のある峠に出たあと、大瀧の大瀧登山口へと下ります。 -
西之川から瓶ヶ森へ
- 1泊2日
- 8時間30分
- 13.4km
西之川から瓶ヶ森へ
- 1泊2日
- 8時間30分
- 13.4km
西之川集落は石鎚山登山ロープウェイ駅の下谷集落を5分ほど自動車で過ぎたあたりの集落で、石鎚方面、土小屋方面、東之川方面の登山の起点となります。西之川集落も通り過ぎて対岸の名古瀬の家屋を見ながら舗装の途切れた西之川林道を名古瀬谷沿いに谷を渡りヘアピンを曲がると名古瀬登山口となります。およそ西之川から徒歩で1時間ほどで到着です。「十郎あれ」という名称のついた登山道を常住を目指して歩きます。この区間は道の崩壊、ザレ場がありロープも張ってあります。ジグザグの急登を登り詰めると常住という(石中寺常住別院があった)場所に出ます。今では更地となった所の傍に安置されていたお不動様が迎えてくれます。常住で一息入れてトラバース気味に道が延び、所々橋がかけられた子持権現方面への分岐を過ぎるとその上には石垣の組まれた広場が現れます。ここが鳥越です。ここで休憩を十分にとり釜床谷を山の名前の由来となった瓶壷を目指して急勾配を進みます。この急坂は四国の三大急登にも数えられ、近年の大雨で一時は通行止めにもなるほど道が荒れていましたが、どうにか復旧しロープやハシゴが掛けられ、通れるようになりました。1時間半登行し、ようやく氷見二千石原の末端にたどり着きます。清冽な水をたたえた岩の窪地=瓶壷が待ってくれています。かつての行者が山頂を目指してようやくここにたどり着きこの瓶壷を見た時どれだけ水の大切さ有難さを思い知った事か往時に思いを馳せずにはいられません。 ノドを潤した後はこの氷見二千石原の笹に覆われた男山をまず目指します。瓶ヶ森林道の登山口方向に歩くと道標があり、そこから男山を目指して歩きます。途中大きな岩の上にテラスがあり、そこから眺める石鎚は登山案内書の表紙を飾るほど雄大な景色を眺めることができます。そこから10分ほどで頂上、石中寺の奥之院とその裏にお不動様が待つ瓶ヶ森男山となります。南面の崖に感嘆しつつ高知愛媛県境となる尾根を女山へ。ここは瓶ヶ森最高峰1897mで女山女人不動尊が鎮座し、石鎚山のお山開きと同じ7月1日から10日にかけて祭事が催されます。この女山は眺望が360度あり、四国の大きさが体感できます。下山するには下方に最近整備されたエコトイレも設置された瓶ヶ森避難小屋を目指します。テントを張る場合はその案内板に書かれた眺望の良い瓶ヶ森キャンプ場が便利です。分岐に東之川と書かれているのでその方向に進むと30分ほどで台ヶ森鞍部を通ります。この台ヶ森はアケボノツツジが5月には咲き誇る背景の石鎚が映える場所です。どんどん下ると主な分岐が二か所あります。単調な植林帯を過ぎると東之川集落に架かる橋を渡ります。ここも数台の駐車可能な広場と公衆トイレがあります。アスファルト道を30分ほど歩き歴史的遺構の大宮橋を渡るとゴールの西之川です。西之川集落は石鎚山登山ロープウェイ駅の下谷集落を5分ほど自動車で過ぎたあたりの集落で、石鎚方面、土小屋方面、東之川方面の登山の起点となります。西之川集落も通り過ぎて対岸の名古瀬の家屋を見ながら舗装の途切れた西之川林道を名古瀬谷沿いに谷を渡りヘアピンを曲がると名古瀬登山口となります。およそ西之川から徒歩で1時間ほどで到着です。「十郎あれ」という名称のついた登山道を常住を目指して歩きます。この区間は道の崩壊、ザレ場がありロープも張ってあります。ジグザグの急登を登り詰めると常住という(石中寺常住別院があった)場所に出ます。今では更地となった所の傍に安置されていたお不動様が迎えてくれます。常住で一息入れてトラバース気味に道が延び、所々橋がかけられた子持権現方面への分岐を過ぎるとその上には石垣の組まれた広場が現れます。ここが鳥越です。ここで休憩を十分にとり釜床谷を山の名前の由来となった瓶壷を目指して急勾配を進みます。この急坂は四国の三大急登にも数えられ、近年の大雨で一時は通行止めにもなるほど道が荒れていましたが、どうにか復旧しロープやハシゴが掛けられ、通れるようになりました。1時間半登行し、ようやく氷見二千石原の末端にたどり着きます。清冽な水をたたえた岩の窪地=瓶壷が待ってくれています。かつての行者が山頂を目指してようやくここにたどり着きこの瓶壷を見た時どれだけ水の大切さ有難さを思い知った事か往時に思いを馳せずにはいられません。 ノドを潤した後はこの氷見二千石原の笹に覆われた男山をまず目指します。瓶ヶ森林道の登山口方向に歩くと道標があり、そこから男山を目指して歩きます。途中大きな岩の上にテラスがあり、そこから眺める石鎚は登山案内書の表紙を飾るほど雄大な景色を眺めることができます。そこから10分ほどで頂上、石中寺の奥之院とその裏にお不動様が待つ瓶ヶ森男山となります。南面の崖に感嘆しつつ高知愛媛県境となる尾根を女山へ。ここは瓶ヶ森最高峰1897mで女山女人不動尊が鎮座し、石鎚山のお山開きと同じ7月1日から10日にかけて祭事が催されます。この女山は眺望が360度あり、四国の大きさが体感できます。下山するには下方に最近整備されたエコトイレも設置された瓶ヶ森避難小屋を目指します。テントを張る場合はその案内板に書かれた眺望の良い瓶ヶ森キャンプ場が便利です。分岐に東之川と書かれているのでその方向に進むと30分ほどで台ヶ森鞍部を通ります。この台ヶ森はアケボノツツジが5月には咲き誇る背景の石鎚が映える場所です。どんどん下ると主な分岐が二か所あります。単調な植林帯を過ぎると東之川集落に架かる橋を渡ります。ここも数台の駐車可能な広場と公衆トイレがあります。アスファルト道を30分ほど歩き歴史的遺構の大宮橋を渡るとゴールの西之川です。 -
土小屋から瓶ヶ森を経て伊予富士へ
- 日帰り
- 9時間35分
- 17.6km
土小屋から瓶ヶ森を経て伊予富士へ
- 日帰り
- 9時間35分
- 17.6km
土小屋の岩黒山荘にその建物に入るように一つの車道があり、そこに縦走路の始まりがあります。縦走路に入ると岩黒山のトラバースが始まり、毎年2回ほど県内外の登山者のボランティア活動で縦走路の笹刈り作業を行っており歩き易く保全されています。20分も進めば瓶ヶ森林道に出ます。ここが名野川越です。自動車、バイク、自転車の往来が多く注意が必要な場所です。先へ進むとよさこい峠(予佐越峠)に土小屋から1時間足らずで到着します。車道を下ればいの町の越裏門集落に下ることができます。トイレ裏に登山道が延び、30分も登ればちょっとした広場に出て1503.1mの三角点が確認できる伊吹山の頂上となります。林道と交差しつつ今度はシラサ峠(白笹峠)に出て2021年4月に改装した山荘しらさに到着します。雲上のカフェで休憩もでき、宿泊も可能です。西に石鎚山を眺めながら瓶ヶ森林道の上部を歩き子持権現の東壁の真下を横切り再び林道に戻り瓶ヶ森登山口に着きます。峠から1時間20分ほどです。トイレもあるので休憩に適しますが、指定キャンプ場ではないのでテント等張るのは厳禁です。 瓶ヶ森は男山を40分ほどで登り、春にはイシヅチサクラなどが咲く尾根を女山に向かい、頂上をきわめたら少し引き返して瓶ヶ森の東側を下っていきます。コル(鞍部)に吉野川源流の碑があり西黒森への縦走路に接続します。この山は瓶ヶ森林道ができる前は登るのが難しい山でどこから登るにも遠い深山でしたが、林業が盛んだった昭和の時代に長大な林道ができ難易度が大きく下がりました。 縦走路から少し北にはずれて山頂がある西黒森は、その最頂部への急登が登山者の体力を奪います。ここは訪れる人も少なく静かな山頂を楽しめます。頂上ピストンの後、いったん林道に出て神鳴池の看板を見て、歩き続けると次に続くジネンゴノ頭(自念子の頭)を通ります。この縦走路のピークはどこも眺望がよく、コマーシャルのロケ地になったこともあるほどです。瓶ヶ森林道は別名UFO(雄峰)ラインと呼び、ロケ地巡りのバイク・車がこの辺りでよく休憩をしています。東黒森を過ぎると富士山型の山が前方に出張ってきます。これが300名山の伊予富士です。360度の展望があり、東に寒風山や200名山の笹ヶ峰を眺めることができます。土小屋を出て9時間ほどの時間が経ち一日の行動としては長めです。日が暮れるのが早い秋は下山のことを考えて早出に努めましょう。縦走は桑瀬峠から旧寒風山トンネル南口に下ります。ここは休日にはカフェが開き30台ほどの駐車場、トイレ、休憩舎などがある登山基地です。土小屋の岩黒山荘にその建物に入るように一つの車道があり、そこに縦走路の始まりがあります。縦走路に入ると岩黒山のトラバースが始まり、毎年2回ほど県内外の登山者のボランティア活動で縦走路の笹刈り作業を行っており歩き易く保全されています。20分も進めば瓶ヶ森林道に出ます。ここが名野川越です。自動車、バイク、自転車の往来が多く注意が必要な場所です。先へ進むとよさこい峠(予佐越峠)に土小屋から1時間足らずで到着します。車道を下ればいの町の越裏門集落に下ることができます。トイレ裏に登山道が延び、30分も登ればちょっとした広場に出て1503.1mの三角点が確認できる伊吹山の頂上となります。林道と交差しつつ今度はシラサ峠(白笹峠)に出て2021年4月に改装した山荘しらさに到着します。雲上のカフェで休憩もでき、宿泊も可能です。西に石鎚山を眺めながら瓶ヶ森林道の上部を歩き子持権現の東壁の真下を横切り再び林道に戻り瓶ヶ森登山口に着きます。峠から1時間20分ほどです。トイレもあるので休憩に適しますが、指定キャンプ場ではないのでテント等張るのは厳禁です。 瓶ヶ森は男山を40分ほどで登り、春にはイシヅチサクラなどが咲く尾根を女山に向かい、頂上をきわめたら少し引き返して瓶ヶ森の東側を下っていきます。コル(鞍部)に吉野川源流の碑があり西黒森への縦走路に接続します。この山は瓶ヶ森林道ができる前は登るのが難しい山でどこから登るにも遠い深山でしたが、林業が盛んだった昭和の時代に長大な林道ができ難易度が大きく下がりました。 縦走路から少し北にはずれて山頂がある西黒森は、その最頂部への急登が登山者の体力を奪います。ここは訪れる人も少なく静かな山頂を楽しめます。頂上ピストンの後、いったん林道に出て神鳴池の看板を見て、歩き続けると次に続くジネンゴノ頭(自念子の頭)を通ります。この縦走路のピークはどこも眺望がよく、コマーシャルのロケ地になったこともあるほどです。瓶ヶ森林道は別名UFO(雄峰)ラインと呼び、ロケ地巡りのバイク・車がこの辺りでよく休憩をしています。東黒森を過ぎると富士山型の山が前方に出張ってきます。これが300名山の伊予富士です。360度の展望があり、東に寒風山や200名山の笹ヶ峰を眺めることができます。土小屋を出て9時間ほどの時間が経ち一日の行動としては長めです。日が暮れるのが早い秋は下山のことを考えて早出に努めましょう。縦走は桑瀬峠から旧寒風山トンネル南口に下ります。ここは休日にはカフェが開き30台ほどの駐車場、トイレ、休憩舎などがある登山基地です。 -
寒風山から笹ヶ峰を経て平家平、三ツ森山へ
- 1泊2日
- 14時間40分
- 22.6km
寒風山から笹ヶ峰を経て平家平、三ツ森山へ
- 1泊2日
- 14時間40分
- 22.6km
登山基地の旧寒風山トンネル南口のカフェの左側に桑瀬峠に向かう登山口があり、ここから急登を登り桑瀬峠に出て進路を東へ。途中にステンレスのハシゴが数か所設置されており、歩くには容易ですが急登と緩斜面の繰り返す登山道が続きます。 中腹はブナの林が続き山頂間近では森林限界が過ぎコメツツジなどの低木、笹原が頂部を占めるようになります。その森林限界を越せばすぐに寒風山です。ステンレスの頂上標が立っており、アップダウンの続く尾根道が続き笹ヶ峰に到達します。ここは一等三角点が配置された日本200名山であると同時に、お不動様が祀られている信仰の山でもあります。また眺望も抜群で、北面には大きな宿泊施設の丸山荘があり、頂上から視認できます。宿泊、キャンプ地としてはこの丸山荘がこのルート上では最後になり、そこまで下るのに頂上からおよそ35分ほどかかります。秋には紅葉が綺麗で、ちち山に向かう際に通る鞍部は紅葉谷分岐と呼ばれ、そこを抜けると新居浜市と西条市を分ける尾根になります。 紅葉谷分岐からちち山へは25分ほどで到着します。ちち山は新居浜市最高峰であり笹ヶ峰と双耳峰を成します。南面を貫くトラバース道は笹が茂り、浮石等足元が悪いため廃道となりました。ちち山の分れで北に赤石山系、東に四国の中央脊梁の山脈とに分離します。そこを右にとり徐々に高度を下げ一ノ谷越へ。そこから平家平方面に向かうと冠山を通過します。冠とは安徳帝がここに逃れてきた折に、帝(天皇)が頭に載せるカンムリに高知側からは見えるとの由来から名が付いたと言われています。山頂は見通しが悪いですが南に数十歩行けば大岩の上に立つことができ眺望も開けます。 2021年にガイド協会有志による再整備された笹尾根のパノラマコースを50分ほど進めば平家平です。広い山頂で休憩にも適しています。この平家平も登山口が数か所あり、高知国体が行われた際の縦走競技のルートにも採用されました。 巡視路分岐、三森峠を経てアケボノツツジで有名な三ツ森山に向かいます。県境の尾根を北に進み、間もなくあえぐほどの急登になりシャクナゲやツツジ、ブナの坂を登ること50分で峠から山頂に達します。そこから東に3時間ほどで大座礼山の県境分岐へ。この間に鉄塔広場から愛媛側の筏津に下りるルートもあります。県境分岐からブナの巨木で有名な大座礼山に行くことができ、県境の尾根に戻り太田尾越に下ることもできます。今回は井野川越経由で林道大座礼線に出てゴールである駐車場登山口に下りましょう。登山基地の旧寒風山トンネル南口のカフェの左側に桑瀬峠に向かう登山口があり、ここから急登を登り桑瀬峠に出て進路を東へ。途中にステンレスのハシゴが数か所設置されており、歩くには容易ですが急登と緩斜面の繰り返す登山道が続きます。 中腹はブナの林が続き山頂間近では森林限界が過ぎコメツツジなどの低木、笹原が頂部を占めるようになります。その森林限界を越せばすぐに寒風山です。ステンレスの頂上標が立っており、アップダウンの続く尾根道が続き笹ヶ峰に到達します。ここは一等三角点が配置された日本200名山であると同時に、お不動様が祀られている信仰の山でもあります。また眺望も抜群で、北面には大きな宿泊施設の丸山荘があり、頂上から視認できます。宿泊、キャンプ地としてはこの丸山荘がこのルート上では最後になり、そこまで下るのに頂上からおよそ35分ほどかかります。秋には紅葉が綺麗で、ちち山に向かう際に通る鞍部は紅葉谷分岐と呼ばれ、そこを抜けると新居浜市と西条市を分ける尾根になります。 紅葉谷分岐からちち山へは25分ほどで到着します。ちち山は新居浜市最高峰であり笹ヶ峰と双耳峰を成します。南面を貫くトラバース道は笹が茂り、浮石等足元が悪いため廃道となりました。ちち山の分れで北に赤石山系、東に四国の中央脊梁の山脈とに分離します。そこを右にとり徐々に高度を下げ一ノ谷越へ。そこから平家平方面に向かうと冠山を通過します。冠とは安徳帝がここに逃れてきた折に、帝(天皇)が頭に載せるカンムリに高知側からは見えるとの由来から名が付いたと言われています。山頂は見通しが悪いですが南に数十歩行けば大岩の上に立つことができ眺望も開けます。 2021年にガイド協会有志による再整備された笹尾根のパノラマコースを50分ほど進めば平家平です。広い山頂で休憩にも適しています。この平家平も登山口が数か所あり、高知国体が行われた際の縦走競技のルートにも採用されました。 巡視路分岐、三森峠を経てアケボノツツジで有名な三ツ森山に向かいます。県境の尾根を北に進み、間もなくあえぐほどの急登になりシャクナゲやツツジ、ブナの坂を登ること50分で峠から山頂に達します。そこから東に3時間ほどで大座礼山の県境分岐へ。この間に鉄塔広場から愛媛側の筏津に下りるルートもあります。県境分岐からブナの巨木で有名な大座礼山に行くことができ、県境の尾根に戻り太田尾越に下ることもできます。今回は井野川越経由で林道大座礼線に出てゴールである駐車場登山口に下りましょう。 -
日浦から銅山越を経て西赤石、東赤石山へ
- 1泊2日
- 8時間35分
- 13.9km
日浦から銅山越を経て西赤石、東赤石山へ
- 1泊2日
- 8時間35分
- 13.9km
西赤石や東赤石へのルートは笹原の平坦なルートや、切り立った岩稜帯を歩くルート、産業遺産の中を巡るルートなどコンパクトながら多様性のあるルートが集まり、どのルートも高山植物があり目を楽しませてくれます。ここでは人気のある新居浜市別子山の日浦から銅山越を経て赤石山系を縦走するルートを紹介します。新居浜市の国道11号から県道47号新居浜別子山線、もしくは四国中央市の国道319号を嶺南地区に向かい、それから銅山川沿い県道47号を新居浜市別子山日浦の登山口の駐車場を目指します。小足谷川沿いに銅山越に向かうと川沿いには多くの産業遺跡群があり往時の鉱山街の繁栄が偲ばれます。日浦登山口から40分ほど歩くとバイオトイレ(冬期閉鎖)があり、その先に鉱山の試掘穴から湧くダイヤモンド水と呼ばれる泉がある広場に出ます。目出度町との分岐を鉄のパイプでできた橋を渡り、坂道を進むと別子銅山開山の産業遺構「歓喜坑・歓東坑」です。ここには急な天候の悪化時にはありがたい屋根付きの休憩所が設置されています。その先を登ると峰地蔵のある峠の銅山越に着きます。ここから東へ1時間10分ほどアップダウンを繰り返すと西赤石山頂上に到達します。春はアケボノツツジが咲き誇り、足元はツガザクラ、アカモノの群落も見ることができ、秋には赤みを帯びた岩も映えるほど美しい紅葉が楽しめます。ここから物住頭を経て稜線を進むと岩稜帯の広がる前赤石山にさしかかります。ここからは起立した岩をぬって歩くため気を抜けません。この岩稜帯は季節には花に飾られた斜面が続きますが、岩稜には目印が無いため迷いやすいのでルートファインディングは慎重に行いましょう。八巻山への分岐がある石室越を右へ下ると赤石山荘で、山荘は完全に閉鎖され、3畳ほどの避難スペースが設置されています。東赤石山へは赤石越分岐のトラバース道を使い稜線へ、赤石越から東赤石山へは10分ほどで到着します。 下山は、赤石山荘経由で下る瀬場本谷ルートを使用しましょう。このルートは沢を数回渡ります。所々渓谷が深く切れ込み木製の桟道が架けられていますが、朽ちている場合があり歩行には注意が必要です。ここを過ぎると瀬場分岐を通り筏津登山口に下山できます。駐車場はトイレも整備されており、対岸の筏津坑跡にあります。西赤石や東赤石へのルートは笹原の平坦なルートや、切り立った岩稜帯を歩くルート、産業遺産の中を巡るルートなどコンパクトながら多様性のあるルートが集まり、どのルートも高山植物があり目を楽しませてくれます。ここでは人気のある新居浜市別子山の日浦から銅山越を経て赤石山系を縦走するルートを紹介します。新居浜市の国道11号から県道47号新居浜別子山線、もしくは四国中央市の国道319号を嶺南地区に向かい、それから銅山川沿い県道47号を新居浜市別子山日浦の登山口の駐車場を目指します。小足谷川沿いに銅山越に向かうと川沿いには多くの産業遺跡群があり往時の鉱山街の繁栄が偲ばれます。日浦登山口から40分ほど歩くとバイオトイレ(冬期閉鎖)があり、その先に鉱山の試掘穴から湧くダイヤモンド水と呼ばれる泉がある広場に出ます。目出度町との分岐を鉄のパイプでできた橋を渡り、坂道を進むと別子銅山開山の産業遺構「歓喜坑・歓東坑」です。ここには急な天候の悪化時にはありがたい屋根付きの休憩所が設置されています。その先を登ると峰地蔵のある峠の銅山越に着きます。ここから東へ1時間10分ほどアップダウンを繰り返すと西赤石山頂上に到達します。春はアケボノツツジが咲き誇り、足元はツガザクラ、アカモノの群落も見ることができ、秋には赤みを帯びた岩も映えるほど美しい紅葉が楽しめます。ここから物住頭を経て稜線を進むと岩稜帯の広がる前赤石山にさしかかります。ここからは起立した岩をぬって歩くため気を抜けません。この岩稜帯は季節には花に飾られた斜面が続きますが、岩稜には目印が無いため迷いやすいのでルートファインディングは慎重に行いましょう。八巻山への分岐がある石室越を右へ下ると赤石山荘で、山荘は完全に閉鎖され、3畳ほどの避難スペースが設置されています。東赤石山へは赤石越分岐のトラバース道を使い稜線へ、赤石越から東赤石山へは10分ほどで到着します。 下山は、赤石山荘経由で下る瀬場本谷ルートを使用しましょう。このルートは沢を数回渡ります。所々渓谷が深く切れ込み木製の桟道が架けられていますが、朽ちている場合があり歩行には注意が必要です。ここを過ぎると瀬場分岐を通り筏津登山口に下山できます。駐車場はトイレも整備されており、対岸の筏津坑跡にあります。 -
肉淵から東赤石へ
- 日帰り
- 9時間30分
- 10.9km
肉淵から東赤石へ
- 日帰り
- 9時間30分
- 10.9km
銅山川沿いの県道6号の別子山から四国中央方面に向かう途中に肉淵バス停があります。この道路ののり面に二ツ岳登山口と書かれた案内板があります。この林道である別子山土居線を車で15分ほどで肉淵林道登山口に到着します。鉄の階段がある登山口から1時間20分ほど歩けば峨蔵越へに立ちます。 道中には水の補給に適した沢が数か所あるので縦走するときには峨蔵越までに給水を終えておくことが望ましいでしょう。この峠から二ツ岳へと四国でも有数の傾斜を誇る稜線を登ることとなります。ルートはアップダウンが激しく二ツ岳の半ばには鯛の頭と呼ばれる岩峰がそびえています。そこから1時間半ほどの急登に木の根っこにつかまりながら進めば二ッ岳山頂です。山頂の南峰からは縦走するルート上のエビラ山、黒岳が望むことができ、ここからは熟達者のみが踏み込める縦走路となります。水の補給もままならない稜線・ブッシュ歩きが続き、所々に目印である赤テープや登山道の表示があるので見落とさないように注意して下さい。時折間違ったテープもあるのでルートファインディング能力が必要となります。 エビラ山は漢字で箙と書き、矢を入れて肩や腰に掛け携帯する容器のことを意味し、登山口の肉渕もカモシカの肉をさばいた所を表しており、古くから猟師が入っていた山域であることがわかります。岩稜とブッシュ帯を抜け黒岳、保土野越とつづき、最後のピークの権現山に達します。その先には地質学でも貴重な存在である権現様を祀った岩峰があり、そこからの眺めも抜群です。なおその直下が権現越ですが、もし床鍋へ下る場合は鉄塔管理道ルートの下りがルートが分かりやすいのですが、所々で崩落があり注意が必要です。ジグザグ道を下り鉄塔No.24から谷へ下り始めます。巡視路分岐まで歩くと旧来の登山道と交わりそこからはゴールの床鍋へは約1時間ほどで下ることができます。 東赤石は花の百名山でもありますが、西赤石の賑やかな登山路に比べ東赤石以東二ツ岳を含む山塊は比較的静かな山歩きを楽しむ事ができます。 地図には描ききれませんが、峨蔵越、小箱越と東に進むと宇摩富士と称される赤星山と豊受山があり、そちらへの縦走も面白いです。銅山川沿いの県道6号の別子山から四国中央方面に向かう途中に肉淵バス停があります。この道路ののり面に二ツ岳登山口と書かれた案内板があります。この林道である別子山土居線を車で15分ほどで肉淵林道登山口に到着します。鉄の階段がある登山口から1時間20分ほど歩けば峨蔵越へに立ちます。 道中には水の補給に適した沢が数か所あるので縦走するときには峨蔵越までに給水を終えておくことが望ましいでしょう。この峠から二ツ岳へと四国でも有数の傾斜を誇る稜線を登ることとなります。ルートはアップダウンが激しく二ツ岳の半ばには鯛の頭と呼ばれる岩峰がそびえています。そこから1時間半ほどの急登に木の根っこにつかまりながら進めば二ッ岳山頂です。山頂の南峰からは縦走するルート上のエビラ山、黒岳が望むことができ、ここからは熟達者のみが踏み込める縦走路となります。水の補給もままならない稜線・ブッシュ歩きが続き、所々に目印である赤テープや登山道の表示があるので見落とさないように注意して下さい。時折間違ったテープもあるのでルートファインディング能力が必要となります。 エビラ山は漢字で箙と書き、矢を入れて肩や腰に掛け携帯する容器のことを意味し、登山口の肉渕もカモシカの肉をさばいた所を表しており、古くから猟師が入っていた山域であることがわかります。岩稜とブッシュ帯を抜け黒岳、保土野越とつづき、最後のピークの権現山に達します。その先には地質学でも貴重な存在である権現様を祀った岩峰があり、そこからの眺めも抜群です。なおその直下が権現越ですが、もし床鍋へ下る場合は鉄塔管理道ルートの下りがルートが分かりやすいのですが、所々で崩落があり注意が必要です。ジグザグ道を下り鉄塔No.24から谷へ下り始めます。巡視路分岐まで歩くと旧来の登山道と交わりそこからはゴールの床鍋へは約1時間ほどで下ることができます。 東赤石は花の百名山でもありますが、西赤石の賑やかな登山路に比べ東赤石以東二ツ岳を含む山塊は比較的静かな山歩きを楽しむ事ができます。 地図には描ききれませんが、峨蔵越、小箱越と東に進むと宇摩富士と称される赤星山と豊受山があり、そちらへの縦走も面白いです。 -
見ノ越から剣山頂へ
- 日帰り
- 2時間5分
- 4.1km
見ノ越から剣山頂へ
- 日帰り
- 2時間5分
- 4.1km
四国の山で一番奥深い山と言われている西日本第二の高峰剣山へは、高速道路=徳島道美馬ICもしくは脇町ICからつるぎ町貞光か、美馬市穴吹から国道をたどって登山基地である見ノ越に行くことができます。見ノ越にはJR徳島線の貞光駅・国道沿いの道の駅貞光から季節運行でバス便が運行されていますがバス便は極端に少ないので十分調べて利用して下さい。狭い道ですが自家用車の利用するのも一案でしょう。今回は登山初心者が楽しめるリフトを利用するルートを紹介します。まず見ノ越の二階建ての駐車場の隣にリフトの券売所があるのでそこで乗車券を準備し、一人掛けのリフトにザックを膝に置くようにして乗り込みましょう。15分ほど空中の散歩です。足元に咲く花々も楽しみつつ西島駅へ。ここからは西に延びる剣山系の丸石・三嶺などの眺望に感嘆することでしょう。西島駅は何本かのルートの起点となっており大剱神社に向かうにはその先の赤い鳥居くぐります。緩く登る道を30分進めば剣山の名前の由来の一つとされる大剣岩をご神体とする大剱神社に到着します。この神社の90m下に日本名水百選の剣山御神水の泉が湧いているので訪ねてみるのも良いでしょう。 大剱神社付近からは森林限界付近を歩きながらもう一つの神社である宝蔵石神社を目指します。山頂へはここを経由して剣山頂上ヒュッテ横の階段を上ってみると、ほどなく平家の馬場と呼ばれる頂上台地に出て一等三角点のある剣山山頂は目と鼻の先となります。この辺りからは四国の名だたる山が一望でき、天気が良ければ中国最高峰の伯耆大山も見ることができます。頂上一帯は笹原と登山道の保護のため木道が設置されています。ここへ至るどのルートも比較的短時間に登ることができ、8月には北面の行場に咲き誇るキレンゲショウマにも出会えます。 剣山頂上ヒュッテは四国で二番目に高いところにあるお宿で、宿泊はここに一泊することをお勧めします。ヒュッテでの食事は地元の食材が多く、献立に定評があります。季節毎のイベントもあるので何度でも訪れたくなる場所です。食事後は夕焼けや、夜全天に広がる星空を楽しむのも忘れずに。帰りは刀掛けの松のいわゆる尾根ルートを西島駅に向かいリフトで下るもいいですが、ブナや巨大なヒノキがある天然林を剣神社に下るのもお勧めします。鳥居をくぐり長い階段を下りれば見ノ越駐車場に着きます。 最近、剣山山頂南面にツキノワグマの目撃が多く報告されています。適切な対応を。四国の山で一番奥深い山と言われている西日本第二の高峰剣山へは、高速道路=徳島道美馬ICもしくは脇町ICからつるぎ町貞光か、美馬市穴吹から国道をたどって登山基地である見ノ越に行くことができます。見ノ越にはJR徳島線の貞光駅・国道沿いの道の駅貞光から季節運行でバス便が運行されていますがバス便は極端に少ないので十分調べて利用して下さい。狭い道ですが自家用車の利用するのも一案でしょう。今回は登山初心者が楽しめるリフトを利用するルートを紹介します。まず見ノ越の二階建ての駐車場の隣にリフトの券売所があるのでそこで乗車券を準備し、一人掛けのリフトにザックを膝に置くようにして乗り込みましょう。15分ほど空中の散歩です。足元に咲く花々も楽しみつつ西島駅へ。ここからは西に延びる剣山系の丸石・三嶺などの眺望に感嘆することでしょう。西島駅は何本かのルートの起点となっており大剱神社に向かうにはその先の赤い鳥居くぐります。緩く登る道を30分進めば剣山の名前の由来の一つとされる大剣岩をご神体とする大剱神社に到着します。この神社の90m下に日本名水百選の剣山御神水の泉が湧いているので訪ねてみるのも良いでしょう。 大剱神社付近からは森林限界付近を歩きながらもう一つの神社である宝蔵石神社を目指します。山頂へはここを経由して剣山頂上ヒュッテ横の階段を上ってみると、ほどなく平家の馬場と呼ばれる頂上台地に出て一等三角点のある剣山山頂は目と鼻の先となります。この辺りからは四国の名だたる山が一望でき、天気が良ければ中国最高峰の伯耆大山も見ることができます。頂上一帯は笹原と登山道の保護のため木道が設置されています。ここへ至るどのルートも比較的短時間に登ることができ、8月には北面の行場に咲き誇るキレンゲショウマにも出会えます。 剣山頂上ヒュッテは四国で二番目に高いところにあるお宿で、宿泊はここに一泊することをお勧めします。ヒュッテでの食事は地元の食材が多く、献立に定評があります。季節毎のイベントもあるので何度でも訪れたくなる場所です。食事後は夕焼けや、夜全天に広がる星空を楽しむのも忘れずに。帰りは刀掛けの松のいわゆる尾根ルートを西島駅に向かいリフトで下るもいいですが、ブナや巨大なヒノキがある天然林を剣神社に下るのもお勧めします。鳥居をくぐり長い階段を下りれば見ノ越駐車場に着きます。 最近、剣山山頂南面にツキノワグマの目撃が多く報告されています。適切な対応を。 -
垢離取から剣山を経て三嶺へ
- 1泊2日
- 14時間30分
- 23.2km
垢離取から剣山を経て三嶺へ
- 1泊2日
- 14時間30分
- 23.2km
垢離取とは読んで字のごとく垢を取る場所で、修験道の山に入るときにはここで俗世のアカにまみれた心・身を清めてから入山するのが古の風習であったと言われています。この縦走もそういった山への畏敬の念があってからこそ成し遂げられるのではないでしょうか。国道438号の大カーブの垢離取から穴吹川に掛けられた垢離取橋を渡り龍光寺の鉄門へ進みます。ここに駐車場もあります。鉄門横から舗装路を登り切ってお寺の裏の擁壁の左に登山道があり、ここが縦走路の始まりとなります。垢離取の標高760mから歩けば1100mの高度差を一挙に一ノ森へ登ることになります。途中追分の分岐を過ぎブナの大木のうっそうとした自然林を登っていきます。一ノ森ヒュッテ付近を通る頃には周囲には白骨樹が立つ笹原が広がります。まずは一つ目のピークである一ノ森に立ちます。ここから西に向きを変え剣山に続く稜線を歩きます。木道に囲まれた剣山のピークを通り過ぎ急坂を下り次郎笈峠へ。鞍部を過ぎて今度は急坂を登り切れば次郎笈ピークです。四国第三峰の次郎笈からはこれから進む稜線がよく見えます。直下のトラバース分岐を剣山方面に2~3分進めば水場がありますが、涸れていることもあるので水の携行には注意しましょう。 丸石を過ぎブナ、ミズナラの天然林を抜け丸石避難小屋へ到着します。ここまで実働7時間強になります。徳島の山にはほどよい距離で無人小屋が整備されていますが指定された幕営地がこの先にないためここに泊まるのが賢明でしょう。二日目は高ノ瀬、中東山・石立山の分岐を越え平和丸を過ぎれば白髪避難小屋が近くなります。この小屋の20m下で水の補給をして白髪山分岐で三嶺方向にかじを切ります。途中分岐のあるカヤハゲ(東熊山)を通ります。この分岐を過ぎればこのルートでの最大傾斜の三嶺の登りにかかります、鎖場などもありますがさほど難しくはありません。そこをしのげばほどなく200名山の三嶺が迎えてくれます。笹原が広がり、少し下った池をたたえた台地には三嶺ヒュッテもあり、風景も相まってここが四国で一番の人気を誇るにふさわしい山というのもうなずけます。水場は離れていますがこの日の宿としてもいいでしょう。ゴールは大駐車場が整備された名頃の新登山口に下山します。このルートは、エスケープルートも多く取れるので、実力に合わせた計画をして避難小屋を利用した稜線歩きを楽しめます。垢離取とは読んで字のごとく垢を取る場所で、修験道の山に入るときにはここで俗世のアカにまみれた心・身を清めてから入山するのが古の風習であったと言われています。この縦走もそういった山への畏敬の念があってからこそ成し遂げられるのではないでしょうか。国道438号の大カーブの垢離取から穴吹川に掛けられた垢離取橋を渡り龍光寺の鉄門へ進みます。ここに駐車場もあります。鉄門横から舗装路を登り切ってお寺の裏の擁壁の左に登山道があり、ここが縦走路の始まりとなります。垢離取の標高760mから歩けば1100mの高度差を一挙に一ノ森へ登ることになります。途中追分の分岐を過ぎブナの大木のうっそうとした自然林を登っていきます。一ノ森ヒュッテ付近を通る頃には周囲には白骨樹が立つ笹原が広がります。まずは一つ目のピークである一ノ森に立ちます。ここから西に向きを変え剣山に続く稜線を歩きます。木道に囲まれた剣山のピークを通り過ぎ急坂を下り次郎笈峠へ。鞍部を過ぎて今度は急坂を登り切れば次郎笈ピークです。四国第三峰の次郎笈からはこれから進む稜線がよく見えます。直下のトラバース分岐を剣山方面に2~3分進めば水場がありますが、涸れていることもあるので水の携行には注意しましょう。 丸石を過ぎブナ、ミズナラの天然林を抜け丸石避難小屋へ到着します。ここまで実働7時間強になります。徳島の山にはほどよい距離で無人小屋が整備されていますが指定された幕営地がこの先にないためここに泊まるのが賢明でしょう。二日目は高ノ瀬、中東山・石立山の分岐を越え平和丸を過ぎれば白髪避難小屋が近くなります。この小屋の20m下で水の補給をして白髪山分岐で三嶺方向にかじを切ります。途中分岐のあるカヤハゲ(東熊山)を通ります。この分岐を過ぎればこのルートでの最大傾斜の三嶺の登りにかかります、鎖場などもありますがさほど難しくはありません。そこをしのげばほどなく200名山の三嶺が迎えてくれます。笹原が広がり、少し下った池をたたえた台地には三嶺ヒュッテもあり、風景も相まってここが四国で一番の人気を誇るにふさわしい山というのもうなずけます。水場は離れていますがこの日の宿としてもいいでしょう。ゴールは大駐車場が整備された名頃の新登山口に下山します。このルートは、エスケープルートも多く取れるので、実力に合わせた計画をして避難小屋を利用した稜線歩きを楽しめます。 -
名頃新登山口から三嶺を経て矢筈峠へ
- 1泊2日
- 10時間40分
- 18.6km
名頃新登山口から三嶺を経て矢筈峠へ
- 1泊2日
- 10時間40分
- 18.6km
このルートの醍醐味は何といっても三嶺から天狗塚の笹原を空中散歩するかのごとく絶景の中を歩けることです。三嶺山頂は四国随一360度展望が楽しめます。国道439号(=通称439街道)の案山子の里である名頃の集落の対岸には50台収容可能な駐車場があります。水洗トイレなどが完備される立派な駐車場です。ここが名頃新登山口で道標に従って尾根を忠実にたどります。このルートの一つの見どころであるブナ・ミズナラ林の静かな登山道が迎えてくれます。防獣ネットのあるダケモミの丘を過ぎると少し平坦になり三嶺の東尾根を詰めていきます。勾配が急になり始めどんどん進んでいくと灌木帯になり、水場・大岩を過ぎ、乗越の階段を登れば神秘的な頂上台地の池のほとりに出ます。この台地には三嶺ヒュッテがあり入山が遅ければここで宿とするのも一案です。三嶺の山頂はその先の三角の形をした場所になります。季節には多くの高山植物が足元を飾り、笹の広がる風景と遠望に疲れを忘れるほどです。青ザレ、大タオと稜線の笹をかき分け進み、西熊山を越えれば下方に小屋が見えてきます、高知県が設置したお亀岩避難小屋です。縦走する登山者にはうれしいタイミングで現れる休息地であり宿泊場所です。水場は小屋の下か、徳島側の幕営地にあります。西に進み天狗峠がジャンクションポイントになりますが、少し時間を取って天狗塚に足を延ばしても良いでしょう。これから南下して綱附森を目指します。稜線は笹が再び生い茂り歩行に難がありますが、山頂は展望が開けた心地よい場所です。春にはこの稜線はツルギミツバツツジの花が咲き誇ります。まさに桃源郷を彷彿させるルートです。笹の高原のアップダウンを繰り返せば2時間ほどで矢筈峠(アリラン峠)に到着します。登山には自家用車が最適ですが、縦走するにはこの峠にも駐車可能な広場もあるのであらかじめ回送しておきましょう。ここもトイレが設置され登山起点となるところです。土佐矢筈山、小桧曽山を経由して京柱峠にも歩を進めることができます。 この近辺では熊の目撃情報があります。絶滅が確実視されている四国のツキノワグマですが、遭遇したら慌てず落ち着いて対処・退避しましょう。決して荷物を置いて逃げ出すことの無いように。登山は人間がその地域のゲストだということを忘れずに。このルートの醍醐味は何といっても三嶺から天狗塚の笹原を空中散歩するかのごとく絶景の中を歩けることです。三嶺山頂は四国随一360度展望が楽しめます。国道439号(=通称439街道)の案山子の里である名頃の集落の対岸には50台収容可能な駐車場があります。水洗トイレなどが完備される立派な駐車場です。ここが名頃新登山口で道標に従って尾根を忠実にたどります。このルートの一つの見どころであるブナ・ミズナラ林の静かな登山道が迎えてくれます。防獣ネットのあるダケモミの丘を過ぎると少し平坦になり三嶺の東尾根を詰めていきます。勾配が急になり始めどんどん進んでいくと灌木帯になり、水場・大岩を過ぎ、乗越の階段を登れば神秘的な頂上台地の池のほとりに出ます。この台地には三嶺ヒュッテがあり入山が遅ければここで宿とするのも一案です。三嶺の山頂はその先の三角の形をした場所になります。季節には多くの高山植物が足元を飾り、笹の広がる風景と遠望に疲れを忘れるほどです。青ザレ、大タオと稜線の笹をかき分け進み、西熊山を越えれば下方に小屋が見えてきます、高知県が設置したお亀岩避難小屋です。縦走する登山者にはうれしいタイミングで現れる休息地であり宿泊場所です。水場は小屋の下か、徳島側の幕営地にあります。西に進み天狗峠がジャンクションポイントになりますが、少し時間を取って天狗塚に足を延ばしても良いでしょう。これから南下して綱附森を目指します。稜線は笹が再び生い茂り歩行に難がありますが、山頂は展望が開けた心地よい場所です。春にはこの稜線はツルギミツバツツジの花が咲き誇ります。まさに桃源郷を彷彿させるルートです。笹の高原のアップダウンを繰り返せば2時間ほどで矢筈峠(アリラン峠)に到着します。登山には自家用車が最適ですが、縦走するにはこの峠にも駐車可能な広場もあるのであらかじめ回送しておきましょう。ここもトイレが設置され登山起点となるところです。土佐矢筈山、小桧曽山を経由して京柱峠にも歩を進めることができます。 この近辺では熊の目撃情報があります。絶滅が確実視されている四国のツキノワグマですが、遭遇したら慌てず落ち着いて対処・退避しましょう。決して荷物を置いて逃げ出すことの無いように。登山は人間がその地域のゲストだということを忘れずに。 -
別府峡谷から石立山へ
- 日帰り
- 5時間50分
- 6km
別府峡谷から石立山へ
- 日帰り
- 5時間50分
- 6km
四国の中で最難関の一般ルートはどこかと尋ねられたら、このルートを挙げてみてもいいのではないでしょうか。そういったルートも四国本島内で一番紅葉が綺麗だと言われる場所でもあります。高知別府峡とその東隣の剣山スーパー林道が通る高の瀬峡は、深く切れ込む渓谷の石灰岩の白さと笹の緑は紅葉の赤を際立たせます。その紅葉時期にここを訪れることをお奨めします。登山基地となる別府峡は駐車場・公衆トイレも整備され、シーズンは売店も営業し地元の料理を楽しむ事もできるので下山後は利用してみましょう。 別府峡登山口は峡谷を渡る吊り橋から。いきなりの急坂で息を弾ませることとなります、残念ながら頂上まで急坂は登り下りともにこの調子で続きます。登山口から竜頭谷へは40分ほどで着きますが谷への下りはザレ場となり、少々神経を使います。ルートが消えかかっていることもありテープを注意して見落とさないようにしましょう。そして尾根を根気よく登ることとなります。登りのルート半ばに石灰岩の露頭・岩場があり左右に転落しないように注意しましょう。数年前までは山頂に近づけばササが生い茂り、山に緑色を添えていたのですが、ニホンジカの食害による裸地化が進み茶色の地肌が目立つようになってきました。 山頂は二つに分かれており剣山系に縦走できる尾根との接続点である西峰に近づくとようやく傾斜が緩くなります。その先20分も歩けば石立山最高峰の東峰に立つことができます。山系の特徴である石灰岩の捨身嶽は西峰を北に数分で行けますが、左右に切れ込んだ谷が恐怖感をあおります。石灰岩のザレ場にもなっており、転落事故もあった危険個所になっています。自信が無ければチャレンジしないことが肝要です。東峰山頂は防獣ネットが設置されています。視界を邪魔するのですが、北に綱附森、天狗塚、三嶺、丸石、次郎笈と剣山の山脈が並び、南は室戸岬につながる山塊と太平洋が望まれます。 展望を楽しんだ後は徳島高知県境の尾根を南に下り、崩壊激しい元造林小屋を横目に見ながら1時間ほど歩いて滑りやすい石灰岩の尾根と別れます。スギ・ヒノキ林の中を下りますが、その急な坂道は疲労を高めます。尾根分岐から40分ほどで水場に出ます。その沢を渡り、皆伐した斜面になればあと30分ほどで日和田登山口に到着します。この石立山山塊もクマの生息域とされています。四国の中で最難関の一般ルートはどこかと尋ねられたら、このルートを挙げてみてもいいのではないでしょうか。そういったルートも四国本島内で一番紅葉が綺麗だと言われる場所でもあります。高知別府峡とその東隣の剣山スーパー林道が通る高の瀬峡は、深く切れ込む渓谷の石灰岩の白さと笹の緑は紅葉の赤を際立たせます。その紅葉時期にここを訪れることをお奨めします。登山基地となる別府峡は駐車場・公衆トイレも整備され、シーズンは売店も営業し地元の料理を楽しむ事もできるので下山後は利用してみましょう。 別府峡登山口は峡谷を渡る吊り橋から。いきなりの急坂で息を弾ませることとなります、残念ながら頂上まで急坂は登り下りともにこの調子で続きます。登山口から竜頭谷へは40分ほどで着きますが谷への下りはザレ場となり、少々神経を使います。ルートが消えかかっていることもありテープを注意して見落とさないようにしましょう。そして尾根を根気よく登ることとなります。登りのルート半ばに石灰岩の露頭・岩場があり左右に転落しないように注意しましょう。数年前までは山頂に近づけばササが生い茂り、山に緑色を添えていたのですが、ニホンジカの食害による裸地化が進み茶色の地肌が目立つようになってきました。 山頂は二つに分かれており剣山系に縦走できる尾根との接続点である西峰に近づくとようやく傾斜が緩くなります。その先20分も歩けば石立山最高峰の東峰に立つことができます。山系の特徴である石灰岩の捨身嶽は西峰を北に数分で行けますが、左右に切れ込んだ谷が恐怖感をあおります。石灰岩のザレ場にもなっており、転落事故もあった危険個所になっています。自信が無ければチャレンジしないことが肝要です。東峰山頂は防獣ネットが設置されています。視界を邪魔するのですが、北に綱附森、天狗塚、三嶺、丸石、次郎笈と剣山の山脈が並び、南は室戸岬につながる山塊と太平洋が望まれます。 展望を楽しんだ後は徳島高知県境の尾根を南に下り、崩壊激しい元造林小屋を横目に見ながら1時間ほど歩いて滑りやすい石灰岩の尾根と別れます。スギ・ヒノキ林の中を下りますが、その急な坂道は疲労を高めます。尾根分岐から40分ほどで水場に出ます。その沢を渡り、皆伐した斜面になればあと30分ほどで日和田登山口に到着します。この石立山山塊もクマの生息域とされています。 -
落合峠から寒峰へ
- 日帰り
- 5時間15分
- 9.2km
落合峠から寒峰へ
- 日帰り
- 5時間15分
- 9.2km
祖谷地方と吉野川方面を結ぶ落合峠は時にカモシカが歩いているような静かな峠です。四国山地の中央脊梁の北側に位置し、黒笠山や矢筈山を有するいわゆる祖谷山系と呼ばれる山塊に寒峰はあります。この寒峰に異常なまで登山者が多くなるのは残雪まだ残る3月中旬頃から4月にかけての初春です。日本の三瑞草であるフクジュソウ(福寿草)の観草登山が盛んになります。その一つ登山口である落合峠は祖谷街道である国道439号を三好市落合からか、吉野川沿いの国道192号を東みよし町西庄から県道44号を上ります。深淵地区を過ぎ、高度を稼いでいくと国土交通省が設置した雨量計施設のある場所が落合峠です。この峠にも小さいながら避難小屋といえる建物がありトイレも設置されています。 この登山起点からは東に矢筈山・黒笠山に延びる稜線と西に寒峰へと延びる尾根があります。この峠を西に緩やかに続く斜面を登っていくと落禿を通ります。この辺りには鎖を掛けた急坂があり笹が深く少し歩道は整備がなされていませんが踏み跡がしっかりしているので苦労なく歩けます。前烏帽子山は展望が良好で烏帽子山の分岐にもなっています。ここからアップダウンを繰り返し奥ノ井への分岐を過ぎればすぐに寒峰頂上です。ここは南に剣山系、北側の風景は西から愛媛の石鎚山系・赤石山系、阿讃山脈の展望が開けます。このピークは東側にある矢筈山も同様に、四国の高峰を一挙に見たいというのならこの山域をお勧めします。 フクジュソウの群落を目当てに急勾配を下り栗枝渡の住吉神社へ進みます。フクジュソウは途中の谷あいの残雪がある所に多く、雪の間に鮮やかな黄色い花の大群落を見ることができます。ただし登山道を離れる場合は節度ある行動をして自然破壊にならないよう努めることを忘れずに。この沢筋で転落事故も発生しています。住吉神社付近にも多くのフクジュソウを見ることができますので観草だけが目的であれば、山の中に入らずともこの周辺を散策するのもよいでしょう。なお、この住吉神社を起点に寒峰を周回するルートも取れます。この場合は寒峰を過ぎて奥ノ井分岐を南に下るのですが道中のヒノキ林は残雪期には迷うことがあるのでルートファインディングは慎重に。最も人出が見込まれるフクジュソウのシーズンは雪が多少なりともあります。アイゼンの準備はお忘れなく。 車を回送する場合は林道登山口、住吉神社登山口ともに駐車できますが、交通の障害にならないようにしましょう。祖谷地方と吉野川方面を結ぶ落合峠は時にカモシカが歩いているような静かな峠です。四国山地の中央脊梁の北側に位置し、黒笠山や矢筈山を有するいわゆる祖谷山系と呼ばれる山塊に寒峰はあります。この寒峰に異常なまで登山者が多くなるのは残雪まだ残る3月中旬頃から4月にかけての初春です。日本の三瑞草であるフクジュソウ(福寿草)の観草登山が盛んになります。その一つ登山口である落合峠は祖谷街道である国道439号を三好市落合からか、吉野川沿いの国道192号を東みよし町西庄から県道44号を上ります。深淵地区を過ぎ、高度を稼いでいくと国土交通省が設置した雨量計施設のある場所が落合峠です。この峠にも小さいながら避難小屋といえる建物がありトイレも設置されています。 この登山起点からは東に矢筈山・黒笠山に延びる稜線と西に寒峰へと延びる尾根があります。この峠を西に緩やかに続く斜面を登っていくと落禿を通ります。この辺りには鎖を掛けた急坂があり笹が深く少し歩道は整備がなされていませんが踏み跡がしっかりしているので苦労なく歩けます。前烏帽子山は展望が良好で烏帽子山の分岐にもなっています。ここからアップダウンを繰り返し奥ノ井への分岐を過ぎればすぐに寒峰頂上です。ここは南に剣山系、北側の風景は西から愛媛の石鎚山系・赤石山系、阿讃山脈の展望が開けます。このピークは東側にある矢筈山も同様に、四国の高峰を一挙に見たいというのならこの山域をお勧めします。 フクジュソウの群落を目当てに急勾配を下り栗枝渡の住吉神社へ進みます。フクジュソウは途中の谷あいの残雪がある所に多く、雪の間に鮮やかな黄色い花の大群落を見ることができます。ただし登山道を離れる場合は節度ある行動をして自然破壊にならないよう努めることを忘れずに。この沢筋で転落事故も発生しています。住吉神社付近にも多くのフクジュソウを見ることができますので観草だけが目的であれば、山の中に入らずともこの周辺を散策するのもよいでしょう。なお、この住吉神社を起点に寒峰を周回するルートも取れます。この場合は寒峰を過ぎて奥ノ井分岐を南に下るのですが道中のヒノキ林は残雪期には迷うことがあるのでルートファインディングは慎重に。最も人出が見込まれるフクジュソウのシーズンは雪が多少なりともあります。アイゼンの準備はお忘れなく。 車を回送する場合は林道登山口、住吉神社登山口ともに駐車できますが、交通の障害にならないようにしましょう。 -
中尾山高原から丸笹山へ
- 日帰り
- 4時間10分
- 8.3km
中尾山高原から丸笹山へ
- 日帰り
- 4時間10分
- 8.3km
穴吹川の上流に位置する中尾山高原は、剣山の北東、丸笹山・赤帽子山から連なる標高1,000mの高原で大森ノ池を中心としたアウトドア施設があります。ここを起点としたミニ縦走も楽しめます。その縦走の始まりはこの施設内から歩き始めますが注意しないといけないのは、グラススキー場の芝の中を通らないことです。幸いゲレンデ沿いに整備された遊歩道がありますので標識に従ってください。ログハウス横から中尾山の頂上には50分ほどで展望はあまりありませんが休憩するには都合のよい中尾山南峰の頂上に登れます。頂上へは北の樹林の中へ5分ほどヤブの中を移動しなければなりません。 赤帽子山へは忠実に目印のテープに従い、広葉樹林帯を抜け笹原を登ると360度展望の利くピークに出ます。三角点と頂上は少し離れていますが、そこは笹の高原を行くさわやかな歩行時間を提供してくれるでしょう。先へ進みアップダウンを繰り返すと鞍部に出ます。そこに標識があり40分ほど下れば国道438号に直接下りることができる道の分岐あります。中尾山と赤帽子山のミニ縦走であればここで下りればよいでしょう。 丸笹方向へはその分岐を西に向かいます。ほどなくして平坦部に出て、丸笹山ピークには源流への分岐から20分ほどで到着します。山頂から直接ゴールのラ・フォーレつるぎ山に下りるのも良いですが一度源流への分岐に戻り貞光川の源流を経由して、そこでノドを潤して下山するのもよいでしょう。このルートは苔の美しさで知られています。源流の水は清らかに涸れることなく苔の覆う谷間を流れ、つるぎ町の貞光川に注がれています。 下山すればそこは夫婦池という所で、宿泊施設でもあるラ・フォーレつるぎ山は冬期以外の期間は日帰りの温泉を利用できます。おしゃれなレストランでは食事を摂ることもでき、薪ストーブの燃えるラウンジは登山以外でも楽しめる癒しの場所となってまいます。ここは西に続くある塔ノ丸の登山の拠点にもなります。積雪期は塔ノ丸、丸笹山、赤帽子山は初心者の雪山経験・トレーニングにもってこいの山になります。丸笹山は徳島県の県民の森に指定されていて、花の百名山にも選ばれ、4月〜6月にはワチガイソウが出迎えてくれます。穴吹川の上流に位置する中尾山高原は、剣山の北東、丸笹山・赤帽子山から連なる標高1,000mの高原で大森ノ池を中心としたアウトドア施設があります。ここを起点としたミニ縦走も楽しめます。その縦走の始まりはこの施設内から歩き始めますが注意しないといけないのは、グラススキー場の芝の中を通らないことです。幸いゲレンデ沿いに整備された遊歩道がありますので標識に従ってください。ログハウス横から中尾山の頂上には50分ほどで展望はあまりありませんが休憩するには都合のよい中尾山南峰の頂上に登れます。頂上へは北の樹林の中へ5分ほどヤブの中を移動しなければなりません。 赤帽子山へは忠実に目印のテープに従い、広葉樹林帯を抜け笹原を登ると360度展望の利くピークに出ます。三角点と頂上は少し離れていますが、そこは笹の高原を行くさわやかな歩行時間を提供してくれるでしょう。先へ進みアップダウンを繰り返すと鞍部に出ます。そこに標識があり40分ほど下れば国道438号に直接下りることができる道の分岐あります。中尾山と赤帽子山のミニ縦走であればここで下りればよいでしょう。 丸笹方向へはその分岐を西に向かいます。ほどなくして平坦部に出て、丸笹山ピークには源流への分岐から20分ほどで到着します。山頂から直接ゴールのラ・フォーレつるぎ山に下りるのも良いですが一度源流への分岐に戻り貞光川の源流を経由して、そこでノドを潤して下山するのもよいでしょう。このルートは苔の美しさで知られています。源流の水は清らかに涸れることなく苔の覆う谷間を流れ、つるぎ町の貞光川に注がれています。 下山すればそこは夫婦池という所で、宿泊施設でもあるラ・フォーレつるぎ山は冬期以外の期間は日帰りの温泉を利用できます。おしゃれなレストランでは食事を摂ることもでき、薪ストーブの燃えるラウンジは登山以外でも楽しめる癒しの場所となってまいます。ここは西に続くある塔ノ丸の登山の拠点にもなります。積雪期は塔ノ丸、丸笹山、赤帽子山は初心者の雪山経験・トレーニングにもってこいの山になります。丸笹山は徳島県の県民の森に指定されていて、花の百名山にも選ばれ、4月〜6月にはワチガイソウが出迎えてくれます。