【上級者向け】の登山コースガイド
上級者向け
検索結果171件中
41-60件
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川入口から飯豊山へ
- 1泊2日
- 16時間0分
- 20.9km
川入口から飯豊山へ
- 1泊2日
- 16時間0分
- 20.9km
車道は御沢野営場から大白布沢沿いに伸びていますが、橋を渡った右手、大杉がある御沢小屋跡から登山道に入ります。車道を直進するのは大滝遊歩道ですが、2022年8月豪雨により橋は流失し、登山道も荒れています。迷い込みに注意して下さい。 下十五里、中十五里、上十五里と巨杉が目印になる広場が設置されており、休憩場所には事欠きません。 横峰小屋跡のすぐ先で、小白布作業道を合わせます。林道飯豊桧枝岐線の途中から林道に入るのですが、入口で施錠されています。歩道は登山道として認められておらず、緊急時のみの使用となります。なお途中の水場は涸れていることもあります。 横峰小屋跡から尾根を忠実に登る道は廃道になっています。巻道の途中にある地蔵水場には、道脇に冷たい清水が湧いています。 地蔵山と三国岳の鞍部から僅かに登ると両手を使った三点支持が必要になります。「天狗ノ橇乗場」と呼ばれるタカツコ沢と七森沢の露出した岸壁に挟まれた岩稜です。両側は鋭く落ち込んでいます。コースを外さないように慎重に通過します。 1610mの岩に「水」のマークがありますが、足場が悪く渇水時には細くなるためお勧めしません。下りの時に迷い込まないで下さい。 正面の護摩壇を東から登ると弥平四郎口からの登山道と合流します。山頂を占めている小屋脇から大日岳の眺めが素敵です。 三国小屋と本山小屋のトイレは天水利用の水洗トイレです。自分が使用する水を持参しましょう。駒返しの梯子は一部が欠損しているので注意しましょう。七森は西から巻きます。簡単な岩場もあるので足元に注意しましょう。初夏には種蒔山東側の残雪で滑落する登山者もいます。 大日杉小屋から登ってくる登山道が合流し、広い砂礫地になると切合小屋に到着します。この先からは本格的なお花畑となっていきます。草履塚登りの残雪が消えると水が取れることもあります。新しい履物に履き替えたこの先は、神聖な飯豊山神社の境内です。 鞍部には石垣の中に姥権現が鎮座しており、女人禁制の時代を物語っています。信仰登山時代に肝試しをした御秘所も現在は鎖が設置されています。御前坂は騙されやすい二段構えの登りです。視界がない時、どこが登山道なのかわかりにくいが、緑の紐が地面に張ってあるので参考にして登降するのがよいでしょう。 高い石垣の一ノ王子の先で東側に26m下ると清水があるので、本山小屋に泊まる場合はここで汲んで行きましょう。初夏には水場が残雪に埋まっていることが多いので注意してください。 飯豊山神社と併設されている本山小屋で、管理人に宿泊の申し出をし、ザックを置いたら三角点まで出かけてみましょう。一等三角点の名前に恥じることない素晴らしい展望が待っています。 下山は往路を引き返します。車道は御沢野営場から大白布沢沿いに伸びていますが、橋を渡った右手、大杉がある御沢小屋跡から登山道に入ります。車道を直進するのは大滝遊歩道ですが、2022年8月豪雨により橋は流失し、登山道も荒れています。迷い込みに注意して下さい。 下十五里、中十五里、上十五里と巨杉が目印になる広場が設置されており、休憩場所には事欠きません。 横峰小屋跡のすぐ先で、小白布作業道を合わせます。林道飯豊桧枝岐線の途中から林道に入るのですが、入口で施錠されています。歩道は登山道として認められておらず、緊急時のみの使用となります。なお途中の水場は涸れていることもあります。 横峰小屋跡から尾根を忠実に登る道は廃道になっています。巻道の途中にある地蔵水場には、道脇に冷たい清水が湧いています。 地蔵山と三国岳の鞍部から僅かに登ると両手を使った三点支持が必要になります。「天狗ノ橇乗場」と呼ばれるタカツコ沢と七森沢の露出した岸壁に挟まれた岩稜です。両側は鋭く落ち込んでいます。コースを外さないように慎重に通過します。 1610mの岩に「水」のマークがありますが、足場が悪く渇水時には細くなるためお勧めしません。下りの時に迷い込まないで下さい。 正面の護摩壇を東から登ると弥平四郎口からの登山道と合流します。山頂を占めている小屋脇から大日岳の眺めが素敵です。 三国小屋と本山小屋のトイレは天水利用の水洗トイレです。自分が使用する水を持参しましょう。駒返しの梯子は一部が欠損しているので注意しましょう。七森は西から巻きます。簡単な岩場もあるので足元に注意しましょう。初夏には種蒔山東側の残雪で滑落する登山者もいます。 大日杉小屋から登ってくる登山道が合流し、広い砂礫地になると切合小屋に到着します。この先からは本格的なお花畑となっていきます。草履塚登りの残雪が消えると水が取れることもあります。新しい履物に履き替えたこの先は、神聖な飯豊山神社の境内です。 鞍部には石垣の中に姥権現が鎮座しており、女人禁制の時代を物語っています。信仰登山時代に肝試しをした御秘所も現在は鎖が設置されています。御前坂は騙されやすい二段構えの登りです。視界がない時、どこが登山道なのかわかりにくいが、緑の紐が地面に張ってあるので参考にして登降するのがよいでしょう。 高い石垣の一ノ王子の先で東側に26m下ると清水があるので、本山小屋に泊まる場合はここで汲んで行きましょう。初夏には水場が残雪に埋まっていることが多いので注意してください。 飯豊山神社と併設されている本山小屋で、管理人に宿泊の申し出をし、ザックを置いたら三角点まで出かけてみましょう。一等三角点の名前に恥じることない素晴らしい展望が待っています。 下山は往路を引き返します。 -
中津川口から大日杉・切合小屋へ
- 1泊2日
- 12時間20分
- 14.8km
中津川口から大日杉・切合小屋へ
- 1泊2日
- 12時間20分
- 14.8km
大日杉小屋前の広場で、登山道の方向を確認します。ザンゲ坂は、鎖が下がっている溝状の急登であり、慎重に進む必要があります。清涼で美味しい長之助清水は、歩道が崩落してしまったため、上からロープを使った巻道が作られています。これを利用して進みましょう。 御田は、杉の巨木が目印となる場所です。この周辺には藪に隠れた湿地があり、「小さな貝を米粒に見立てた」ことが地名の由来となっています。 ブナの木々に包まれながら順調に高度を上げ、地蔵岳に到着します。地蔵岳の標柱付近は窪んだ広場になっており、一段登ったところに山頂の三角点があります。ここからは目の前に飯豊山が聳え立ち、雄大な景色を堪能できます。地蔵岳から切合小屋への標高差は約200mですが、累積標高差は550mにも達するため、少し疲れを感じるかもしれません。 目洗清水は、標柱から急斜面を下り、湿地から藪を少し登り返したところに湧いています。残雪がある場合は滑落に注意が必要です。標柱のすぐ先には右手に草地が広がり、翼を広げたような飯豊山を仰ぎながら進むことができます。 灌木からダケカンバに変わると、雰囲気が一変し、小さな祠のある御坪に到着します。周辺は庭園のような美しい光景に包まれ、静かな時間が流れています。 御沢分れを直進して下ると、雪渓コースに入ります。晩夏には、下流で飯豊山の穴堰取水口を見ることができます。御沢雪渓は概ね7月中旬まで通行できますが、雪渓は浅いため年による変化が大きいので、事前に情報を確認しておくことをおすすめします。 下部は平坦な雪渓歩きが続きますが、切合小屋直前の源頭部では雪壁がそそり立ち、アイゼンやピッケルが必要となります。また、雪渓を下山する際は、御沢分れに上がる部分が分かりにくいため、注意が必要です。 御沢分れから左折してダケカンバの尾根道を登るのが一般的です。尾根筋にはダケカンバに混じって高山植物が見られ、春から夏にかけての美しい風景を楽しむことができます。 1 610m付近では、右手の小沢に下り、清涼な水が流れる美しい水場を横断します。ここでは高山植物も迎えてくれ、リフレッシュできる場所です。 登山道は種蒔山を北から巻いて進みますが、稜線直前の小沢は8月中旬まで急峻な残雪に覆われていることが多く、滑落事故が多発しています。もし通過する必要がある場合は、残雪手前から踏み跡をたどって残雪を巻くか、稜線の登山道まで直上する方法がありますが、標識がなく踏み跡も不確かなので注意が必要です。特に初めて下山する場合、ルートの確認が難しくなることがあります。 稜線に出ると、大日岳が姿を現し、川入からの登山道と合流して切合小屋に到着します。下山は往路を戻る形となりますが、慎重に進んでください。大日杉小屋前の広場で、登山道の方向を確認します。ザンゲ坂は、鎖が下がっている溝状の急登であり、慎重に進む必要があります。清涼で美味しい長之助清水は、歩道が崩落してしまったため、上からロープを使った巻道が作られています。これを利用して進みましょう。 御田は、杉の巨木が目印となる場所です。この周辺には藪に隠れた湿地があり、「小さな貝を米粒に見立てた」ことが地名の由来となっています。 ブナの木々に包まれながら順調に高度を上げ、地蔵岳に到着します。地蔵岳の標柱付近は窪んだ広場になっており、一段登ったところに山頂の三角点があります。ここからは目の前に飯豊山が聳え立ち、雄大な景色を堪能できます。地蔵岳から切合小屋への標高差は約200mですが、累積標高差は550mにも達するため、少し疲れを感じるかもしれません。 目洗清水は、標柱から急斜面を下り、湿地から藪を少し登り返したところに湧いています。残雪がある場合は滑落に注意が必要です。標柱のすぐ先には右手に草地が広がり、翼を広げたような飯豊山を仰ぎながら進むことができます。 灌木からダケカンバに変わると、雰囲気が一変し、小さな祠のある御坪に到着します。周辺は庭園のような美しい光景に包まれ、静かな時間が流れています。 御沢分れを直進して下ると、雪渓コースに入ります。晩夏には、下流で飯豊山の穴堰取水口を見ることができます。御沢雪渓は概ね7月中旬まで通行できますが、雪渓は浅いため年による変化が大きいので、事前に情報を確認しておくことをおすすめします。 下部は平坦な雪渓歩きが続きますが、切合小屋直前の源頭部では雪壁がそそり立ち、アイゼンやピッケルが必要となります。また、雪渓を下山する際は、御沢分れに上がる部分が分かりにくいため、注意が必要です。 御沢分れから左折してダケカンバの尾根道を登るのが一般的です。尾根筋にはダケカンバに混じって高山植物が見られ、春から夏にかけての美しい風景を楽しむことができます。 1 610m付近では、右手の小沢に下り、清涼な水が流れる美しい水場を横断します。ここでは高山植物も迎えてくれ、リフレッシュできる場所です。 登山道は種蒔山を北から巻いて進みますが、稜線直前の小沢は8月中旬まで急峻な残雪に覆われていることが多く、滑落事故が多発しています。もし通過する必要がある場合は、残雪手前から踏み跡をたどって残雪を巻くか、稜線の登山道まで直上する方法がありますが、標識がなく踏み跡も不確かなので注意が必要です。特に初めて下山する場合、ルートの確認が難しくなることがあります。 稜線に出ると、大日岳が姿を現し、川入からの登山道と合流して切合小屋に到着します。下山は往路を戻る形となりますが、慎重に進んでください。 -
実川口から大日岳・飯豊山へ
- 2泊3日
- 20時間20分
- 22.8km
実川口から大日岳・飯豊山へ
- 2泊3日
- 20時間20分
- 22.8km
湯ノ島小屋は林道から左手のブナ林の中にあり、裏に小沢が流れ、静寂に包まれた通年無人の避難小屋です。 林道終点の取水ダム脇を直進してアシ沢に降り立ち、飛び石で渡り対岸の尾根末端から這い上がりますが、増水した場合は渡れません。また釣り人の踏み跡に迷い込まないでください。アシ沢の渡渉箇所はこれまで何度か変更されています。過去の資料に惑わされないよう注意が必要です。 対岸にある河岸段丘のブナ林から、尾根伝いに高度を稼いで行きます。月心清水は分岐からほぼ水平に東に進んだ小沢です。水場分岐に小さな石仏があります。水場から急斜面を登ると、目の前に櫛ヶ峰が聳えています。数カ所にロープが設置されていますが、古くなっているので注意しましょう。 一服平の広場には大江勝広記念碑が設置されています。鏡山から飯豊山に至る展望を望み、登高意欲が湧き上がります。 尾根は急傾斜と緩傾斜を繰り返して登って行きますが、道傍には玉葱のように幾重にも皮で覆われたタマネギ岩があります。 主尾根直下の急斜面はお花畑になっており、古い針金も残っています。櫛ガ峰北の鞍部は「早川ノ突キ上ゲ」と呼ばれています。 風化した花崗岩の登山道が高山の雰囲気が漂わせます。遠望すると、複数の山頂を持ち雪崩に磨かれた烏帽子山が印象的です。 鞍部を牛ヶ首と呼んでいます。御西岳方面から大日岳を望んだ時、山頂から連なるオンベマツ尾根を牛に見立てたのでしょう。 東側に絡んで急な草の斜面を越えます。主尾根は庇のように東面に被さっており、両手を使って岩を登ると、足元の登山道に穴が空いており、千尋の谷の上を歩いている気分になります。惣十郎清水は残雪がなくなると使えなくなります。 大日岳の山頂の標柱から僅かに東に進んだ場所からは、雄大な主稜線を見下ろすことができます。 西大日岳方向の踏み跡は現在藪が密生しており、雪田周辺の草原はクマ達の遊び場になっています。 湖面に映る大日岳の姿で写真集を飾った文平ノ池に下る付近は、裸地化が進んでいます。登り返しの途中、残雪によりコースが変わる二つの道付近は、チングルマなどの咲くお花畑です。 御西小屋で振り返ると、牛首山を従えた荘厳な大日岳が聳えています。ここからは、連峰随一の牧歌的なお花畑を辿り、飯豊山に向かいましょう。下山は往路を湯ノ島小屋まで引き返します。湯ノ島小屋は林道から左手のブナ林の中にあり、裏に小沢が流れ、静寂に包まれた通年無人の避難小屋です。 林道終点の取水ダム脇を直進してアシ沢に降り立ち、飛び石で渡り対岸の尾根末端から這い上がりますが、増水した場合は渡れません。また釣り人の踏み跡に迷い込まないでください。アシ沢の渡渉箇所はこれまで何度か変更されています。過去の資料に惑わされないよう注意が必要です。 対岸にある河岸段丘のブナ林から、尾根伝いに高度を稼いで行きます。月心清水は分岐からほぼ水平に東に進んだ小沢です。水場分岐に小さな石仏があります。水場から急斜面を登ると、目の前に櫛ヶ峰が聳えています。数カ所にロープが設置されていますが、古くなっているので注意しましょう。 一服平の広場には大江勝広記念碑が設置されています。鏡山から飯豊山に至る展望を望み、登高意欲が湧き上がります。 尾根は急傾斜と緩傾斜を繰り返して登って行きますが、道傍には玉葱のように幾重にも皮で覆われたタマネギ岩があります。 主尾根直下の急斜面はお花畑になっており、古い針金も残っています。櫛ガ峰北の鞍部は「早川ノ突キ上ゲ」と呼ばれています。 風化した花崗岩の登山道が高山の雰囲気が漂わせます。遠望すると、複数の山頂を持ち雪崩に磨かれた烏帽子山が印象的です。 鞍部を牛ヶ首と呼んでいます。御西岳方面から大日岳を望んだ時、山頂から連なるオンベマツ尾根を牛に見立てたのでしょう。 東側に絡んで急な草の斜面を越えます。主尾根は庇のように東面に被さっており、両手を使って岩を登ると、足元の登山道に穴が空いており、千尋の谷の上を歩いている気分になります。惣十郎清水は残雪がなくなると使えなくなります。 大日岳の山頂の標柱から僅かに東に進んだ場所からは、雄大な主稜線を見下ろすことができます。 西大日岳方向の踏み跡は現在藪が密生しており、雪田周辺の草原はクマ達の遊び場になっています。 湖面に映る大日岳の姿で写真集を飾った文平ノ池に下る付近は、裸地化が進んでいます。登り返しの途中、残雪によりコースが変わる二つの道付近は、チングルマなどの咲くお花畑です。 御西小屋で振り返ると、牛首山を従えた荘厳な大日岳が聳えています。ここからは、連峰随一の牧歌的なお花畑を辿り、飯豊山に向かいましょう。下山は往路を湯ノ島小屋まで引き返します。 -
長者原口から大グラ尾根をへて飯豊山へ
- 1泊2日
- 18時間35分
- 20.3km
長者原口から大グラ尾根をへて飯豊山へ
- 1泊2日
- 18時間35分
- 20.3km
登山口の天狗平からブナ林の砂利道を歩き、温身平で石転ビ沢コースを分けます。林道終点の砂防ダム手前から登山道に入りますが、終点からも上がることができます。 落合手前に足場の悪い所があり慎重に下ります。桧山沢の吊橋は毎秋踏み板を繋ぐワイヤーを取り外し春に架橋されます。期間外はスノーブリッジを渡るか渡渉を余儀なくされます。 吊橋から休場ノ峰までは920mを一気に登り詰めます。途中の池ノ平を過ぎた所に長坂清水があります。右手の小沢に降りた所に湧いていますが、涸れることもあります。 コメツガが出てきても急登は続きます。飯豊連峰の針葉樹は痩せ尾根にキタゴヨウが連なっているのですが、大グラ尾根上部にだけはコメツガが生育しています。これは日本海から吹きつける季節風を、主稜が遮っているからだと言われています。 休場ノ峰に立つとそれまでと一変し、展望が広がり、目の前には累々と峰々が聳えています。切歯尾根の別称がある大グラ尾根の本領発揮です。 千本峰の道標は樹林の中にあります。千本峰から下る所は岩場になっており、短いですが後ろ向きの三点支持が必要です。1499m峰は西側から巻いて宝珠山の登りに取り掛かります。 宝珠山の肩に道標が倒れています。この付近から高山植物が姿を見せます。山頂は東側を通過します。初夏は残雪が道を覆うので滑落事故も発生しています。足元が切れた岩場もあり、雪が消えて伸びた草が曲がった灌木を隠して滑りやすくなっています。この尾根は体力だけでなく技術的にも上級コースなのです。 1830m峰山頂の岩稜は居心地が良く、飯豊山から北股岳に至る主稜の展望は疲れを忘れさせてくれます。 さらに幾つか峰を越えて、御前坂に取り付きます。下山の場合、1870m付近で右折せずに、そのままガレ場を下ったり、1830mで左折する所を真っ直ぐ大岩沢に下ってしまう登山者がいます。一人が間違うと踏み跡ができて次々に迷い込んでしまうので十分な注意が必要です。 1890m付近まで登ると乾性のお花畑になります。登山道から斜め上に枝道が幾つも出ているように見えますが、これは周氷河地形によく見られる構造土です。迷い込まないでください。 人の声が聞こえるようになればまもなく飯豊山頂です。早朝から歩き始めて相当に疲れているはずです。それでも大グラ尾根に挑む健脚者です。本山小屋泊も良いですが、御西小屋まで足を伸ばす登山者も少なくありません。ただし山小屋にはあまり遅くならないうちに着くようにしましょう。 下山は往路を戻ります。登山口の天狗平からブナ林の砂利道を歩き、温身平で石転ビ沢コースを分けます。林道終点の砂防ダム手前から登山道に入りますが、終点からも上がることができます。 落合手前に足場の悪い所があり慎重に下ります。桧山沢の吊橋は毎秋踏み板を繋ぐワイヤーを取り外し春に架橋されます。期間外はスノーブリッジを渡るか渡渉を余儀なくされます。 吊橋から休場ノ峰までは920mを一気に登り詰めます。途中の池ノ平を過ぎた所に長坂清水があります。右手の小沢に降りた所に湧いていますが、涸れることもあります。 コメツガが出てきても急登は続きます。飯豊連峰の針葉樹は痩せ尾根にキタゴヨウが連なっているのですが、大グラ尾根上部にだけはコメツガが生育しています。これは日本海から吹きつける季節風を、主稜が遮っているからだと言われています。 休場ノ峰に立つとそれまでと一変し、展望が広がり、目の前には累々と峰々が聳えています。切歯尾根の別称がある大グラ尾根の本領発揮です。 千本峰の道標は樹林の中にあります。千本峰から下る所は岩場になっており、短いですが後ろ向きの三点支持が必要です。1499m峰は西側から巻いて宝珠山の登りに取り掛かります。 宝珠山の肩に道標が倒れています。この付近から高山植物が姿を見せます。山頂は東側を通過します。初夏は残雪が道を覆うので滑落事故も発生しています。足元が切れた岩場もあり、雪が消えて伸びた草が曲がった灌木を隠して滑りやすくなっています。この尾根は体力だけでなく技術的にも上級コースなのです。 1830m峰山頂の岩稜は居心地が良く、飯豊山から北股岳に至る主稜の展望は疲れを忘れさせてくれます。 さらに幾つか峰を越えて、御前坂に取り付きます。下山の場合、1870m付近で右折せずに、そのままガレ場を下ったり、1830mで左折する所を真っ直ぐ大岩沢に下ってしまう登山者がいます。一人が間違うと踏み跡ができて次々に迷い込んでしまうので十分な注意が必要です。 1890m付近まで登ると乾性のお花畑になります。登山道から斜め上に枝道が幾つも出ているように見えますが、これは周氷河地形によく見られる構造土です。迷い込まないでください。 人の声が聞こえるようになればまもなく飯豊山頂です。早朝から歩き始めて相当に疲れているはずです。それでも大グラ尾根に挑む健脚者です。本山小屋泊も良いですが、御西小屋まで足を伸ばす登山者も少なくありません。ただし山小屋にはあまり遅くならないうちに着くようにしましょう。 下山は往路を戻ります。 -
長者原口から石転ビ沢をへて北股岳へ
- 1泊2日
- 14時間40分
- 17.1km
長者原口から石転ビ沢をへて北股岳へ
- 1泊2日
- 14時間40分
- 17.1km
天狗平から林道を進み、温身平の十字路で右折すると、目的地の梅花皮小屋と北股岳が遠望できます。 梶川出合直前は高巻きになっています。川沿いは落石のリスクがあります。雪渓の状態が悪い時はルート選定に苦慮します。 石転ビノ出合は梅花皮沢が門内沢と石転ビ沢に分かれる広々とした場所です。門内沢の奥に門内小屋、石転ビ沢の先には梅花皮小屋が望めます。 雪渓が安定していれば合流点の下流を横断して右岸の水場で休みます。雪渓が不安定になったら門内沢の雪渓を横断して石転ビ沢に入り、石転ビ沢を渡渉します。門内沢が露出したら渡渉して石転ビ沢に入ります。中途半端な状態の時は、ルート判断に苦慮する場所です。 右岸から入る小沢の先で、切り立った雪渓に上がるのに苦労することもあります。 ホン石転ビ沢対岸にある枝沢合流点の上流は落石が少ない所です。この先は傾斜がきつくなり落石も頻繁になるのでアイゼンを装着し、ヘルメットを被って出発します。 盛夏になると北股沢出合に清水が露出します。この清水も落石の確率が低い所です。ここから傾斜がきつくなります。誤って北股沢や北股岳に向かって登ってしまい遭難する事例が後を絶ちません。 黒滝から上部は漏斗状に雪渓が広がっており、上部で発生した落石はここに集中。北股沢出合に落下します。 黒滝から上は雪渓の状態でルートが変わります。雪渓が安定している時は直接中ノ島に向かいます。登山道に上がってから落石を起こさないように十分注意することが必要です。 雪渓が薄くなれば左岸沿いに登って小尾根の踏み跡を登り、大岩の上で小沢を横切り中ノ島の登山道に上がります。 中ノ島でも油断はできません。中ノ島上部の登山道には落石が開けた直径30cmほどの穴が点在していることもあります。 最上部で小沢を横断しますが、コース上の最大傾斜箇所であり、滑落事故が多発しています。アイゼンを再装着しピッケルを構えて慎重に通過します。 踏み跡を直上すると、突然梅花皮小屋が現れます。最後の残雪を踏みしめれば梅花皮小屋です。 梅花皮小屋付近は十文字鞍部と言われ、飯豊連峰で最も多彩な高山植物が咲き乱れ、水も豊富です。石転ビ沢を見下ろしながら、北股岳まで登りましょう。山頂には杁差岳から飯豊山まで、飯豊連峰の大展望が待っています。 帰路は同じ道を下山します。天狗平から林道を進み、温身平の十字路で右折すると、目的地の梅花皮小屋と北股岳が遠望できます。 梶川出合直前は高巻きになっています。川沿いは落石のリスクがあります。雪渓の状態が悪い時はルート選定に苦慮します。 石転ビノ出合は梅花皮沢が門内沢と石転ビ沢に分かれる広々とした場所です。門内沢の奥に門内小屋、石転ビ沢の先には梅花皮小屋が望めます。 雪渓が安定していれば合流点の下流を横断して右岸の水場で休みます。雪渓が不安定になったら門内沢の雪渓を横断して石転ビ沢に入り、石転ビ沢を渡渉します。門内沢が露出したら渡渉して石転ビ沢に入ります。中途半端な状態の時は、ルート判断に苦慮する場所です。 右岸から入る小沢の先で、切り立った雪渓に上がるのに苦労することもあります。 ホン石転ビ沢対岸にある枝沢合流点の上流は落石が少ない所です。この先は傾斜がきつくなり落石も頻繁になるのでアイゼンを装着し、ヘルメットを被って出発します。 盛夏になると北股沢出合に清水が露出します。この清水も落石の確率が低い所です。ここから傾斜がきつくなります。誤って北股沢や北股岳に向かって登ってしまい遭難する事例が後を絶ちません。 黒滝から上部は漏斗状に雪渓が広がっており、上部で発生した落石はここに集中。北股沢出合に落下します。 黒滝から上は雪渓の状態でルートが変わります。雪渓が安定している時は直接中ノ島に向かいます。登山道に上がってから落石を起こさないように十分注意することが必要です。 雪渓が薄くなれば左岸沿いに登って小尾根の踏み跡を登り、大岩の上で小沢を横切り中ノ島の登山道に上がります。 中ノ島でも油断はできません。中ノ島上部の登山道には落石が開けた直径30cmほどの穴が点在していることもあります。 最上部で小沢を横断しますが、コース上の最大傾斜箇所であり、滑落事故が多発しています。アイゼンを再装着しピッケルを構えて慎重に通過します。 踏み跡を直上すると、突然梅花皮小屋が現れます。最後の残雪を踏みしめれば梅花皮小屋です。 梅花皮小屋付近は十文字鞍部と言われ、飯豊連峰で最も多彩な高山植物が咲き乱れ、水も豊富です。石転ビ沢を見下ろしながら、北股岳まで登りましょう。山頂には杁差岳から飯豊山まで、飯豊連峰の大展望が待っています。 帰路は同じ道を下山します。 -
長者原口から梶川尾根をへて門内岳へ
- 1泊2日
- 13時間20分
- 13.4km
長者原口から梶川尾根をへて門内岳へ
- 1泊2日
- 13時間20分
- 13.4km
天狗平をスタートし、湯沢の橋を渡った所が梶川尾根の登山口です。いきなり両手を使った松尾根の急登が始まります。 湯沢峰で飯豊山から北股岳に連なる主稜と対面します。滝見場の標柱から南にわずか進むと、樹間から勇壮な梅花皮滝を見下ろし、眼前には石転ビ沢大雪渓がそびえています。 下山時は五郎清水の広場で登山道と水場道を確認して下さい。水場は2箇所あります。岩を越える奥の水場は、岩の亀裂から水が吹き出しています。体力に合せて水場を選んでください。 ダケカンバの間から眺める石転ビ沢は絵画のようです。振り返ると朝日連峰が励ましてくれます。 梶川峰で急登から開放され、なだらかな山稜は、本格的な高山植物のお花畑となっていきます。 標高1750mから1800mにかけて、土のうや椰子ネットの登山道保全施設が多数設置されています。足元の白いロープから踏み出さないように歩きましょう。 扇ノ地紙の広場から北に下っているのは廃道、正面の一段高い分岐は頂稜の縦走路です。南に伸びている道を進みます。 門内小屋周辺は二重山稜になっており、船窪の底に小さな池があります。門内小屋は残雪の縮小によって水場が変わって行きます。小屋の管理人が立てる小さな旗に従いましょう。残雪がなくなる頃に姿を現す門内清水は、最低鞍部から東側の主稜を越えて左に下った所にあります。 小屋の裏が祠のある門内岳です。ギルダ原に聳える北股岳を満喫したら扇ノ地紙に戻り、日本海と前衛山塊である二王子岳を見下ろしながら北に向かいます。地神北峰からは飯豊連峰北端の杁差岳に連なる主稜を見下ろします。下りたくなくなる雄大な眺めです。 丸森尾根最上部の登山道は、尾根の南側を通っているために、梶川尾根が邪魔をして全体として展望は良くありません。ガレ場のような石原に続いて、浸食が進んだ登山道が現れます。 丸森峰で高山帯が終わり、灌木帯の中に突入します。山麓から仰いだ時に、この灌木帯が丸く盛り上がっているので丸森峰の名があります。登山道が掘れ枝を掴んで下る所も少なくありません。 ブナが出てくると夫婦清水に到着します。水場は登山道からわずかに南に進んだ小沢です。 丸森尾根の問題箇所は、765m峰からの岩稜です。部分的には後ろ向きになって三点支持をしながら下ることになります。鎖やロープは設置していないので、慎重に下ってください。 最後は天狗平の登山届出箱の脇に降り立ちます。ちょうど天狗平ロッジの入口、飯豊山荘の正面です。天狗平をスタートし、湯沢の橋を渡った所が梶川尾根の登山口です。いきなり両手を使った松尾根の急登が始まります。 湯沢峰で飯豊山から北股岳に連なる主稜と対面します。滝見場の標柱から南にわずか進むと、樹間から勇壮な梅花皮滝を見下ろし、眼前には石転ビ沢大雪渓がそびえています。 下山時は五郎清水の広場で登山道と水場道を確認して下さい。水場は2箇所あります。岩を越える奥の水場は、岩の亀裂から水が吹き出しています。体力に合せて水場を選んでください。 ダケカンバの間から眺める石転ビ沢は絵画のようです。振り返ると朝日連峰が励ましてくれます。 梶川峰で急登から開放され、なだらかな山稜は、本格的な高山植物のお花畑となっていきます。 標高1750mから1800mにかけて、土のうや椰子ネットの登山道保全施設が多数設置されています。足元の白いロープから踏み出さないように歩きましょう。 扇ノ地紙の広場から北に下っているのは廃道、正面の一段高い分岐は頂稜の縦走路です。南に伸びている道を進みます。 門内小屋周辺は二重山稜になっており、船窪の底に小さな池があります。門内小屋は残雪の縮小によって水場が変わって行きます。小屋の管理人が立てる小さな旗に従いましょう。残雪がなくなる頃に姿を現す門内清水は、最低鞍部から東側の主稜を越えて左に下った所にあります。 小屋の裏が祠のある門内岳です。ギルダ原に聳える北股岳を満喫したら扇ノ地紙に戻り、日本海と前衛山塊である二王子岳を見下ろしながら北に向かいます。地神北峰からは飯豊連峰北端の杁差岳に連なる主稜を見下ろします。下りたくなくなる雄大な眺めです。 丸森尾根最上部の登山道は、尾根の南側を通っているために、梶川尾根が邪魔をして全体として展望は良くありません。ガレ場のような石原に続いて、浸食が進んだ登山道が現れます。 丸森峰で高山帯が終わり、灌木帯の中に突入します。山麓から仰いだ時に、この灌木帯が丸く盛り上がっているので丸森峰の名があります。登山道が掘れ枝を掴んで下る所も少なくありません。 ブナが出てくると夫婦清水に到着します。水場は登山道からわずかに南に進んだ小沢です。 丸森尾根の問題箇所は、765m峰からの岩稜です。部分的には後ろ向きになって三点支持をしながら下ることになります。鎖やロープは設置していないので、慎重に下ってください。 最後は天狗平の登山届出箱の脇に降り立ちます。ちょうど天狗平ロッジの入口、飯豊山荘の正面です。 -
三国岳・飯豊山・大日岳・北股岳・朳差岳をつなぐ
- 3泊4日
- 31時間40分
- 45.1km
三国岳・飯豊山・大日岳・北股岳・朳差岳をつなぐ
- 3泊4日
- 31時間40分
- 45.1km
ほぼ南北に伸びる飯豊連峰の主稜線は、東北地方屈指の縦走路です。この主稜線上のピークを繋ぐ“飯豊全山縦走”に挑戦する登山者が最近増えているようですが、ここでは歴史ある南端の登山口川入から北端の登山口大石ダムまで、3泊4日で辿るコースを紹介します。重装備を担いで4日間歩き通す体力と、岩場や残雪に対する歩行技術、読図力などが必要になってくる経験者向けの行程です。 1日目。川入地区の御沢野営場から出発。杉の大木が並ぶ御沢小屋跡からは、名前通りの長坂を辛抱強く登っていきます。地蔵山分岐手前にある地蔵水場は、急坂を登ってきた登山者へのありがたいご褒美。池塘がある湿地帯を通ると、連峰一の岩稜帯剣ヶ峰が待ち構えていますが、慎重に登っていけば難しくはないでしょう。岩場を越え5分ほどで三国小屋に到着します。飯豊本山や大日岳の展望が見られ、これからの登山に胸躍らされます。 三国小屋から七森の間にも岩稜帯があり注意が必要です。この先の御秘所も含め、岩稜帯では取り付く前に必ずストックを収納することが原則です。種蒔山を通り、お花畑を眺めながら下っていくと、切合小屋に到着します。1泊目は出発時間や体調に合わせて三国小屋か切合小屋を選びましょう。 2日目。切合小屋を出発し、残雪とその消え際から生えてくる高山植物を楽しみながら窪地状斜面を登り詰めると、草履塚のピークに出ます。綺麗なおべべを着せてもらった姥権現まで下り、両側が切れ落ちた高度感ある御秘所を越え、急登の御前坂を登り詰めると本山小屋が現れてきます。ここから飯豊山は20分弱で到着です。 山頂からは吾妻連峰、蔵王連峰、朝日連峰など、360度の展望を堪能できます。周辺では固有種のイイデリンドウがたくさん咲いており、マルバコゴメグサやタカネツメクサ、イワウメなども見られます。 飯豊山から駒形山に下りる途中で左に曲がらず、そのまま下に続いている構造土を登山道と間違えて迷い込んでいる登山者が多いので注意してください。 草月平はニッコウキスゲやタカネマツムシソウなどを楽しめるお花畑です。池塘の点在する草原を通り抜けると御西小屋に到着。ここは最高峰大日岳に向かう分岐点であり、日没や日の出のときに小屋から眺める牛首山を伴った大日岳の姿は圧倒的に荘厳です。 小屋の軒先に荷物を置かせてもらい、サブザックで大日岳をピストンします。チングルマの咲く道を下り、右下に文平ノ池を見ます。その後はぐいぐいと高度を上げて山頂に至ります。大日岳は主稜から少し離れた最高峰であり、飯豊連峰を鳥瞰しているような素晴らしい眺めです。 御西小屋に戻り荷物を整理して梅花皮小屋へと向かいます。1時間ほどで天狗ノ庭に辿り着きます。ここは登山者の踏圧と幕営により、表土が剥ぎ取られて裸地化し、池塘の点在する広大な湿原が失われた場所です。この荒廃を回復するため登山道を頂稜に移して踏圧を回避し、2007年からボランティアによる植生回復作業が幾度となく実施されています。 天狗ノ庭から烏帽子岳の間は、東側の急な斜面に夏まで雪庇の名残の雪渓が次々と現れます。登山道が残雪で遮断されてルートが分からなくなることもあります。残雪を巻く際、ストックだけで通過する登山者をよく見かけますが、この区間は石転ビ沢と同様に重大な滑落事故が多いのです。筆者は必ずピッケルを持参し、ルート工作や滑落に備えています。 ここより梅花皮岳にかけては、雪庇崩壊で削られた斜面にハクサンコザクラやミヤマダイモンジソウなどのお花畑が広がっています。何が見られるかはその時期のお楽しみです。 梅花皮岳の先は東面が崩れているので足元に注意をします。この区間ではクロユリやハクセンナズナなどの珍しい花に遭えるかもしれません。20分ほど下ると鞍部に建つ梅花皮小屋に到着します。水場も優れ、水洗トイレの評判も良い快適な小屋です。2泊目は状況によって御西小屋か梅花皮小屋泊かを選択します。 3日目。梅花皮小屋を出発し急坂を登り終えると、連峰北部の最高峰北股岳山頂です。振り返ると南には今まで辿ってきた稜線が続いており、北に見える杁差岳もだいぶ近くになってきました。 北股岳からは快適な稜線歩き。ギルダ原には乾性のお花畑が広がります。門内小屋を過ぎ、梶川尾根と合流する場所が扇ノ地紙です。地名は、扇を開いたような雪形が残ることに由来します。この先の地神山と読み方は同じですが、漢字が違う所が面白いですね。 北峰の次は頼母木山。ここから小国町の民宿奥川入の先まで伸びる長大な西俣尾根には、かつて登山道がありました。今でも残雪期にはよく登られています。イイデリンドウはこの辺りが北限となっています。頼母木山から下りていくと頼母木小屋に到着します。ここは管理棟のすぐ脇に水場があり、楽に水をいつでも利用できることがとてもありがたいです。 小屋からなだらかな山稜を辿っていき、大石山分岐へ。この一帯は6月初旬には一面のハクサンイチゲの花畑になります。ここから朳差岳をピストンして足ノ松尾根を降りる人が多いですが、全山縦走の場合はやはり大石ダムまで下ることが満足感を高めてくれるようです。 登り返して独立峰のように起立している鉾立峰で一休み。急坂を下って更に登り返し、左手に藤島玄のレリーフを見つけたら程なく朳差小屋に到着です。朳差小屋は水場まで10分ほど下りていかなければならず少し不便。しかし、頼母木小屋同様、小屋から日本海に沈む夕日を直接見られることは大きな魅力で、静かな雰囲気を味わいたい人に人気がある場所でもあります。3泊目は頼母木小屋か朳差小屋を選択します。 4日目。朳差岳では歩いてきた飯豊稜線の最後の展望を楽しみましょう。ここから権内尾根を下山します。池塘帯の美しい長者平を通り終えると、あとはあまり足場の良くない急坂を慎重に下っていくことになります。東に大境山、北に光兎山、西に日本海の海岸線と、今までとはがらりと違った展望が得られます。東俣川まで下り、吊橋を二つ超えると林道終点に辿り着きます。あとは1時間程で東俣彫刻公園のゲートにゴールします。ほぼ南北に伸びる飯豊連峰の主稜線は、東北地方屈指の縦走路です。この主稜線上のピークを繋ぐ“飯豊全山縦走”に挑戦する登山者が最近増えているようですが、ここでは歴史ある南端の登山口川入から北端の登山口大石ダムまで、3泊4日で辿るコースを紹介します。重装備を担いで4日間歩き通す体力と、岩場や残雪に対する歩行技術、読図力などが必要になってくる経験者向けの行程です。 1日目。川入地区の御沢野営場から出発。杉の大木が並ぶ御沢小屋跡からは、名前通りの長坂を辛抱強く登っていきます。地蔵山分岐手前にある地蔵水場は、急坂を登ってきた登山者へのありがたいご褒美。池塘がある湿地帯を通ると、連峰一の岩稜帯剣ヶ峰が待ち構えていますが、慎重に登っていけば難しくはないでしょう。岩場を越え5分ほどで三国小屋に到着します。飯豊本山や大日岳の展望が見られ、これからの登山に胸躍らされます。 三国小屋から七森の間にも岩稜帯があり注意が必要です。この先の御秘所も含め、岩稜帯では取り付く前に必ずストックを収納することが原則です。種蒔山を通り、お花畑を眺めながら下っていくと、切合小屋に到着します。1泊目は出発時間や体調に合わせて三国小屋か切合小屋を選びましょう。 2日目。切合小屋を出発し、残雪とその消え際から生えてくる高山植物を楽しみながら窪地状斜面を登り詰めると、草履塚のピークに出ます。綺麗なおべべを着せてもらった姥権現まで下り、両側が切れ落ちた高度感ある御秘所を越え、急登の御前坂を登り詰めると本山小屋が現れてきます。ここから飯豊山は20分弱で到着です。 山頂からは吾妻連峰、蔵王連峰、朝日連峰など、360度の展望を堪能できます。周辺では固有種のイイデリンドウがたくさん咲いており、マルバコゴメグサやタカネツメクサ、イワウメなども見られます。 飯豊山から駒形山に下りる途中で左に曲がらず、そのまま下に続いている構造土を登山道と間違えて迷い込んでいる登山者が多いので注意してください。 草月平はニッコウキスゲやタカネマツムシソウなどを楽しめるお花畑です。池塘の点在する草原を通り抜けると御西小屋に到着。ここは最高峰大日岳に向かう分岐点であり、日没や日の出のときに小屋から眺める牛首山を伴った大日岳の姿は圧倒的に荘厳です。 小屋の軒先に荷物を置かせてもらい、サブザックで大日岳をピストンします。チングルマの咲く道を下り、右下に文平ノ池を見ます。その後はぐいぐいと高度を上げて山頂に至ります。大日岳は主稜から少し離れた最高峰であり、飯豊連峰を鳥瞰しているような素晴らしい眺めです。 御西小屋に戻り荷物を整理して梅花皮小屋へと向かいます。1時間ほどで天狗ノ庭に辿り着きます。ここは登山者の踏圧と幕営により、表土が剥ぎ取られて裸地化し、池塘の点在する広大な湿原が失われた場所です。この荒廃を回復するため登山道を頂稜に移して踏圧を回避し、2007年からボランティアによる植生回復作業が幾度となく実施されています。 天狗ノ庭から烏帽子岳の間は、東側の急な斜面に夏まで雪庇の名残の雪渓が次々と現れます。登山道が残雪で遮断されてルートが分からなくなることもあります。残雪を巻く際、ストックだけで通過する登山者をよく見かけますが、この区間は石転ビ沢と同様に重大な滑落事故が多いのです。筆者は必ずピッケルを持参し、ルート工作や滑落に備えています。 ここより梅花皮岳にかけては、雪庇崩壊で削られた斜面にハクサンコザクラやミヤマダイモンジソウなどのお花畑が広がっています。何が見られるかはその時期のお楽しみです。 梅花皮岳の先は東面が崩れているので足元に注意をします。この区間ではクロユリやハクセンナズナなどの珍しい花に遭えるかもしれません。20分ほど下ると鞍部に建つ梅花皮小屋に到着します。水場も優れ、水洗トイレの評判も良い快適な小屋です。2泊目は状況によって御西小屋か梅花皮小屋泊かを選択します。 3日目。梅花皮小屋を出発し急坂を登り終えると、連峰北部の最高峰北股岳山頂です。振り返ると南には今まで辿ってきた稜線が続いており、北に見える杁差岳もだいぶ近くになってきました。 北股岳からは快適な稜線歩き。ギルダ原には乾性のお花畑が広がります。門内小屋を過ぎ、梶川尾根と合流する場所が扇ノ地紙です。地名は、扇を開いたような雪形が残ることに由来します。この先の地神山と読み方は同じですが、漢字が違う所が面白いですね。 北峰の次は頼母木山。ここから小国町の民宿奥川入の先まで伸びる長大な西俣尾根には、かつて登山道がありました。今でも残雪期にはよく登られています。イイデリンドウはこの辺りが北限となっています。頼母木山から下りていくと頼母木小屋に到着します。ここは管理棟のすぐ脇に水場があり、楽に水をいつでも利用できることがとてもありがたいです。 小屋からなだらかな山稜を辿っていき、大石山分岐へ。この一帯は6月初旬には一面のハクサンイチゲの花畑になります。ここから朳差岳をピストンして足ノ松尾根を降りる人が多いですが、全山縦走の場合はやはり大石ダムまで下ることが満足感を高めてくれるようです。 登り返して独立峰のように起立している鉾立峰で一休み。急坂を下って更に登り返し、左手に藤島玄のレリーフを見つけたら程なく朳差小屋に到着です。朳差小屋は水場まで10分ほど下りていかなければならず少し不便。しかし、頼母木小屋同様、小屋から日本海に沈む夕日を直接見られることは大きな魅力で、静かな雰囲気を味わいたい人に人気がある場所でもあります。3泊目は頼母木小屋か朳差小屋を選択します。 4日目。朳差岳では歩いてきた飯豊稜線の最後の展望を楽しみましょう。ここから権内尾根を下山します。池塘帯の美しい長者平を通り終えると、あとはあまり足場の良くない急坂を慎重に下っていくことになります。東に大境山、北に光兎山、西に日本海の海岸線と、今までとはがらりと違った展望が得られます。東俣川まで下り、吊橋を二つ超えると林道終点に辿り着きます。あとは1時間程で東俣彫刻公園のゲートにゴールします。 -
唐松谷から雲取山へ
- 日帰り
- 10時間50分
- 25.2km
唐松谷から雲取山へ
- 日帰り
- 10時間50分
- 25.2km
鍾乳洞バス停(土・休日は東日原まで)から歩き始め、小川谷橋を渡って左の日原林道に入ります。八丁橋を渡った先で天祖山登山口を右に見てゲートを越えた後も延々と林道歩きが続きます。 八丁橋から1時間20分ほどで唐松谷林道入口に着きます。日原林道を離れて左手の山道を下り、日原川にかかる吊橋を渡った所が唐松谷の出合です。吊橋から20分ほどで右手に富田新道が分岐します。唐松谷左岸の山腹を巻く道は、滝場の露岩を縫うように進んだり、桟橋を渡ったりしながら2kmほど続きます。源流の様相となった唐松谷を右岸に渡った後は沢筋を離れて斜面を南西方向に登るようになります。カラマツ林の中の道を登り詰めて七ッ石山北西の鞍部に出た所がブナ坂で、鴨沢コースと石尾根縦走路が交差する十字路になっています。右折して石尾根の防火帯を雲取山に向かいます。(ブナ坂から雲取山、雲取山から鴨沢バス停への下山については鴨沢から雲取山へ(コースガイド)を参照してください。)鍾乳洞バス停(土・休日は東日原まで)から歩き始め、小川谷橋を渡って左の日原林道に入ります。八丁橋を渡った先で天祖山登山口を右に見てゲートを越えた後も延々と林道歩きが続きます。 八丁橋から1時間20分ほどで唐松谷林道入口に着きます。日原林道を離れて左手の山道を下り、日原川にかかる吊橋を渡った所が唐松谷の出合です。吊橋から20分ほどで右手に富田新道が分岐します。唐松谷左岸の山腹を巻く道は、滝場の露岩を縫うように進んだり、桟橋を渡ったりしながら2kmほど続きます。源流の様相となった唐松谷を右岸に渡った後は沢筋を離れて斜面を南西方向に登るようになります。カラマツ林の中の道を登り詰めて七ッ石山北西の鞍部に出た所がブナ坂で、鴨沢コースと石尾根縦走路が交差する十字路になっています。右折して石尾根の防火帯を雲取山に向かいます。(ブナ坂から雲取山、雲取山から鴨沢バス停への下山については鴨沢から雲取山へ(コースガイド)を参照してください。) -
廻目平から小川山へ
- 1泊2日
- 7時間20分
- 9.1km
廻目平から小川山へ
- 1泊2日
- 7時間20分
- 9.1km
奥秩父の西端にある金峰山や瑞牆山の賑やかさに比べると、小川山は深い原生林に覆われ、ちょうど奥秩父の東にある和名倉山と同様に静けさを保っています。登山口の金峰山荘周辺はフリークライミングのメッカであり、必然的に小川山への関心も高まって登山道も整備されています。山梨百名山にも挙げられています。 金峰山荘(金峰山荘までは廻目平から金峰山へ(コースガイド)を参照ください。)すぐ下の分岐から200mほど西股沢沿いに林道を進むと、道下にあるトイレを過ぎてすぐ、右側に小川山登山口の標識があります。 しばらく山腹の明瞭な道を登って行きます。やがて尾根がはっきりしてくると岩場に出ます。巨岩の間を縫うように登り、激しいアップダウンですが、ハシゴや固定ロープがあるので危険はありません。大きく切れ落ちた小突起を過ぎて登り返すと、唐沢ノ滝に向うカモシカコース分岐です。唐沢ノ滝への下降路は荒れているので要注意。尾根筋が明瞭になり、シャクナゲの中の急登となります。再び岩場に出ると、「展望台」と記された巨岩の下に着きます。岩頭によじ登ると、行く手に岩峰がそそり立ち、その右手奥に小川山山頂がゆったりした山容を見せています。 展望台の岩塊は左下を通り、しばらく露岩が断続する中、小さなコブをいくつも過ぎると樹林帯の長い登りとなります。やがて県境尾根に達すれば、小川山山頂へはまもなくです。小川山山頂はシャクナゲやコメツガが密生していて、展望は良くありません。三角点脇のわずかな平地に山梨百名山の標柱が建っています。 下山は来た道を少し戻って、県境尾根をたどります。次の2347m峰(シオサブ)を越えると次の露岩のコブは、実に展望が良いところです。樹林帯に入って2290mのコブに来ると、また展望が開けます。尾根が広くなり右に屈折します。瑞牆山への尾根分岐点は広いので、道を踏み違えないように。 八丁平の一角で富士見平への道を右に分けます。このまま尾根通しに10分ほど下って最低鞍部から、金峰山荘に周回することもできます。 富士見平へはコメツガの密生地を突き進み、天鳥川源頭の斜面を下っていきます。やがて右下に水沢が現れ、右岸に渡ります。すぐまた左岸に渡り返して山腹を巻いて進むと、まもなく富士見平からの瑞牆山コースに合流。富士見平小屋から瑞牆山荘に下れば、ここから韮崎駅行バスが利用できます。奥秩父の西端にある金峰山や瑞牆山の賑やかさに比べると、小川山は深い原生林に覆われ、ちょうど奥秩父の東にある和名倉山と同様に静けさを保っています。登山口の金峰山荘周辺はフリークライミングのメッカであり、必然的に小川山への関心も高まって登山道も整備されています。山梨百名山にも挙げられています。 金峰山荘(金峰山荘までは廻目平から金峰山へ(コースガイド)を参照ください。)すぐ下の分岐から200mほど西股沢沿いに林道を進むと、道下にあるトイレを過ぎてすぐ、右側に小川山登山口の標識があります。 しばらく山腹の明瞭な道を登って行きます。やがて尾根がはっきりしてくると岩場に出ます。巨岩の間を縫うように登り、激しいアップダウンですが、ハシゴや固定ロープがあるので危険はありません。大きく切れ落ちた小突起を過ぎて登り返すと、唐沢ノ滝に向うカモシカコース分岐です。唐沢ノ滝への下降路は荒れているので要注意。尾根筋が明瞭になり、シャクナゲの中の急登となります。再び岩場に出ると、「展望台」と記された巨岩の下に着きます。岩頭によじ登ると、行く手に岩峰がそそり立ち、その右手奥に小川山山頂がゆったりした山容を見せています。 展望台の岩塊は左下を通り、しばらく露岩が断続する中、小さなコブをいくつも過ぎると樹林帯の長い登りとなります。やがて県境尾根に達すれば、小川山山頂へはまもなくです。小川山山頂はシャクナゲやコメツガが密生していて、展望は良くありません。三角点脇のわずかな平地に山梨百名山の標柱が建っています。 下山は来た道を少し戻って、県境尾根をたどります。次の2347m峰(シオサブ)を越えると次の露岩のコブは、実に展望が良いところです。樹林帯に入って2290mのコブに来ると、また展望が開けます。尾根が広くなり右に屈折します。瑞牆山への尾根分岐点は広いので、道を踏み違えないように。 八丁平の一角で富士見平への道を右に分けます。このまま尾根通しに10分ほど下って最低鞍部から、金峰山荘に周回することもできます。 富士見平へはコメツガの密生地を突き進み、天鳥川源頭の斜面を下っていきます。やがて右下に水沢が現れ、右岸に渡ります。すぐまた左岸に渡り返して山腹を巻いて進むと、まもなく富士見平からの瑞牆山コースに合流。富士見平小屋から瑞牆山荘に下れば、ここから韮崎駅行バスが利用できます。 -
雁坂峠から甲武信ヶ岳・戸渡尾根へ
- 1泊2日
- 12時間5分
- 19.7km
雁坂峠から甲武信ヶ岳・戸渡尾根へ
- 1泊2日
- 12時間5分
- 19.7km
本コースは、数ある甲武信ヶ岳の登路のうち最も交通の便が良く、効率的に歩くことができると人気です。 西沢渓谷行のバスで道の駅みとみで下車。国道を少し戻って久渡沢に出て車道を行くと、鶏冠山大橋の下をくぐって雁坂トンネル料金所の東側に出ます。タクシーはここまで入れます。 登山コースは林道終点まで進みます。なおこの林道は私設につき一般車両は乗り入れ禁止。終点の沓切沢橋を渡って、従来の峠道に取り付きます。急坂を登ってなだらかに下るとナメラ沢の標識。やがてクッキリ沢を渡ると、すぐ久渡沢本流の川原に出ます。しばらく川原を歩いて、右岸の山道に入ります。沢筋を離れて樹林帯を登ると、やがて峠直下の急登になります。カヤトの斜面をジグザグに登り切ると、開けた雁坂峠に着きます。この峠は、日本三大峠のひとつに数えられています。 縦走路を北西に進み、草原から樹林に入れば雁坂嶺。小広く穏やかな山頂です。雁坂嶺からゆるやかな樹林帯を下ったあと、東破風山への急登にさしかかります。その頂上から岩だらけの尾根道を少し下り、登り返せば破風山(西破風山)。 破風山の頂稜にはシャクナゲが群生しています。山頂を過ぎた先、尾根が急に落ち込む地点に来ると、視界が開けて、木賊山・甲武信ヶ岳・三宝山・金峰山が一望できます。露岩が重なり合った尾根を下り切ると、避難小屋が建っている笹平。水場は南斜面を下ること20分のヌク沢源頭にあります。 笹平から木賊山へは長い登りで、賽ノ河原でひと息ついて、いくらか平らになった先で道が分かれます。左は木賊山を越える尾根通しの道、右は巻き道。甲武信ヶ岳にはその日のうちに往復するのも良いし、翌日でもかまわないでしょう。 甲武信小屋に宿泊した翌日、木賊山を越えて下山にかかります。すぐ鶏冠尾根への入口がありますが危険防止のため進入禁止の標識があります。さらに少し下ると、戸渡尾根分岐。戸渡尾根に入って山腹の左手を巻き気味に下ると、次第に尾根道らしくなります。しばらくはシラベやコメツガが密生して歩きにくい道が続きます。まもなく鶏冠尾根が一望できるようになると、道は樹林帯を急下降します。あたりはシャクナゲの群生地。やがて新道分岐です。右は徳ちゃん新道、左はヌク沢を渡る近丸新道です。近年は前者を通る人が多いようです。これを下りきると、西沢山荘の脇に出ます。 そこからは、西沢渓谷の遊歩道歩き。西沢渓谷入口バス停から山梨市駅または塩山駅行バスの便があるので、利用するとよいでしょう。本コースは、数ある甲武信ヶ岳の登路のうち最も交通の便が良く、効率的に歩くことができると人気です。 西沢渓谷行のバスで道の駅みとみで下車。国道を少し戻って久渡沢に出て車道を行くと、鶏冠山大橋の下をくぐって雁坂トンネル料金所の東側に出ます。タクシーはここまで入れます。 登山コースは林道終点まで進みます。なおこの林道は私設につき一般車両は乗り入れ禁止。終点の沓切沢橋を渡って、従来の峠道に取り付きます。急坂を登ってなだらかに下るとナメラ沢の標識。やがてクッキリ沢を渡ると、すぐ久渡沢本流の川原に出ます。しばらく川原を歩いて、右岸の山道に入ります。沢筋を離れて樹林帯を登ると、やがて峠直下の急登になります。カヤトの斜面をジグザグに登り切ると、開けた雁坂峠に着きます。この峠は、日本三大峠のひとつに数えられています。 縦走路を北西に進み、草原から樹林に入れば雁坂嶺。小広く穏やかな山頂です。雁坂嶺からゆるやかな樹林帯を下ったあと、東破風山への急登にさしかかります。その頂上から岩だらけの尾根道を少し下り、登り返せば破風山(西破風山)。 破風山の頂稜にはシャクナゲが群生しています。山頂を過ぎた先、尾根が急に落ち込む地点に来ると、視界が開けて、木賊山・甲武信ヶ岳・三宝山・金峰山が一望できます。露岩が重なり合った尾根を下り切ると、避難小屋が建っている笹平。水場は南斜面を下ること20分のヌク沢源頭にあります。 笹平から木賊山へは長い登りで、賽ノ河原でひと息ついて、いくらか平らになった先で道が分かれます。左は木賊山を越える尾根通しの道、右は巻き道。甲武信ヶ岳にはその日のうちに往復するのも良いし、翌日でもかまわないでしょう。 甲武信小屋に宿泊した翌日、木賊山を越えて下山にかかります。すぐ鶏冠尾根への入口がありますが危険防止のため進入禁止の標識があります。さらに少し下ると、戸渡尾根分岐。戸渡尾根に入って山腹の左手を巻き気味に下ると、次第に尾根道らしくなります。しばらくはシラベやコメツガが密生して歩きにくい道が続きます。まもなく鶏冠尾根が一望できるようになると、道は樹林帯を急下降します。あたりはシャクナゲの群生地。やがて新道分岐です。右は徳ちゃん新道、左はヌク沢を渡る近丸新道です。近年は前者を通る人が多いようです。これを下りきると、西沢山荘の脇に出ます。 そこからは、西沢渓谷の遊歩道歩き。西沢渓谷入口バス停から山梨市駅または塩山駅行バスの便があるので、利用するとよいでしょう。 -
天狗山から男山へ
- 日帰り
- 5時間50分
- 8.6km
天狗山から男山へ
- 日帰り
- 5時間50分
- 8.6km
信濃川上駅からタクシーで馬越峠に上がります。道路開発記念碑の横からの登りは最初から急で小ピークを越えると歩きやすくなります。登山道は明瞭で稜線に出て、岩尾根伝いにぐんぐん高度を上げ、山頂直下に至ります。最後は急登です。天狗山の山頂は狭いですが眺望は良く、男山が八ヶ岳を背にしてそそり立って見えます。 天狗山からは厳しい下降です。岩稜の左側を回り込んで下り、尾根筋に戻るとやせた岩尾根で、いくつか分岐を過ぎて雑木林の中のおだやかな道となり、垣越山を越えて左手に巨岩が並ぶ岩場に出ます。男山の東峰は南面を巻いて登り、ようやく男山山頂に着きます。男山は天狗山よりやや低いものの、展望はこちらの方が優れ、八ヶ岳の全山が裾野から余すところなく見えます。 下山は50mほど戻り、手挽坂の急坂を下ります。やがて広い林道に出て緩やかになり、舗装道路に出て男山登山口の標柱から少し上流側に進み、男橋を渡れば信濃川上駅はもうすぐです。信濃川上駅からタクシーで馬越峠に上がります。道路開発記念碑の横からの登りは最初から急で小ピークを越えると歩きやすくなります。登山道は明瞭で稜線に出て、岩尾根伝いにぐんぐん高度を上げ、山頂直下に至ります。最後は急登です。天狗山の山頂は狭いですが眺望は良く、男山が八ヶ岳を背にしてそそり立って見えます。 天狗山からは厳しい下降です。岩稜の左側を回り込んで下り、尾根筋に戻るとやせた岩尾根で、いくつか分岐を過ぎて雑木林の中のおだやかな道となり、垣越山を越えて左手に巨岩が並ぶ岩場に出ます。男山の東峰は南面を巻いて登り、ようやく男山山頂に着きます。男山は天狗山よりやや低いものの、展望はこちらの方が優れ、八ヶ岳の全山が裾野から余すところなく見えます。 下山は50mほど戻り、手挽坂の急坂を下ります。やがて広い林道に出て緩やかになり、舗装道路に出て男山登山口の標柱から少し上流側に進み、男橋を渡れば信濃川上駅はもうすぐです。 -
大倉から丹沢三峰へ
- 日帰り
- 9時間40分
- 18.8km
大倉から丹沢三峰へ
- 日帰り
- 9時間40分
- 18.8km
丹沢三峰は、丹沢山から北東にのびる約11kmの長い尾根で、瀬戸沢、太礼、円山木、本間ノ頭の各ピークを越えて歩く登山道です。大倉から1200mの標高差を塔ノ岳まで登り、さらに丹沢山から丹沢三峰を登降して宮ヶ瀬まで歩く長いコースなので健脚者向き。自信の無い方は、塔ノ岳か丹沢山泊りで歩くのがおすすめです。 丹沢山塊の代表的な登山基地である大倉へは、小田急線渋沢駅からバスが頻繁に出ています。大倉で身支度をすませ歩き出します。しばらくは車道を行き右カーブの坂を登りつめた先で左側の登山道に入ります。大倉尾根は塔ノ岳までの標高差が大きく、階段の多い手強い登山道です。少し登ると道は二分、ここは右に進みます。雑事場ノ平、見晴茶屋を過ぎ階段の急な登りが始まります。階段を登り切ると道は緩やかな登りになり一本松跡の先まで続きます。ベンチからはしばらく平坦な道ですが、また急な階段が駒止茶屋まで続きます。次の堀山の家までは平で気持ちの良い登山道です。堀山の家から天神尾根分岐までは階段が続き、露岩帯と長い階段を登り切れば花立山荘に到着。花立ピーク、金冷シを過ぎれば塔ノ岳はすぐそこです。 塔ノ岳からは、日高、竜ヶ馬場を通り丹沢山まで歩きます。丹沢山からは核心部の丹沢三峰へと進みます。三峰最後のピークである本間ノ頭まで4つの峰のアップダウンが続きます。途中の円山木ノ頭と本間ノ頭の登りは最も急です。丹沢山から宮ヶ瀬方面へ進むと右へ天王寺尾根や塩水橋への分岐がありますが、三峰に向かってまっすぐに進みます。ブナ等の森の中を瀬戸沢ノ頭、太礼ノ頭と越えて行きます。円山木ノ頭の登りは長い階段の急登で一汗かくことでしょう。本間ノ頭からは長い下りが始まります。下りが一段落してからは、登山道は稜線の南側を巻くようにして続き、クサリの張ってある難所の金冷シを通過してからは、今度は稜線の北側をトラバースします。 巻道が終わると青宇治橋からの道が右側から合わさり、さらに少し先で高畑山への直登と巻道に分かれます。巻道の方は道幅が狭いので注意が必要です。高畑山山頂はカラマツ林とテンニンソウが多く展望はありません。御殿森ノ頭を過ぎて下って行くと車道に出ます。車道を左へわずかに進めば三叉路で、さらに車道を渡ると左側に本厚木行きの三叉路バス停があります。丹沢三峰は、丹沢山から北東にのびる約11kmの長い尾根で、瀬戸沢、太礼、円山木、本間ノ頭の各ピークを越えて歩く登山道です。大倉から1200mの標高差を塔ノ岳まで登り、さらに丹沢山から丹沢三峰を登降して宮ヶ瀬まで歩く長いコースなので健脚者向き。自信の無い方は、塔ノ岳か丹沢山泊りで歩くのがおすすめです。 丹沢山塊の代表的な登山基地である大倉へは、小田急線渋沢駅からバスが頻繁に出ています。大倉で身支度をすませ歩き出します。しばらくは車道を行き右カーブの坂を登りつめた先で左側の登山道に入ります。大倉尾根は塔ノ岳までの標高差が大きく、階段の多い手強い登山道です。少し登ると道は二分、ここは右に進みます。雑事場ノ平、見晴茶屋を過ぎ階段の急な登りが始まります。階段を登り切ると道は緩やかな登りになり一本松跡の先まで続きます。ベンチからはしばらく平坦な道ですが、また急な階段が駒止茶屋まで続きます。次の堀山の家までは平で気持ちの良い登山道です。堀山の家から天神尾根分岐までは階段が続き、露岩帯と長い階段を登り切れば花立山荘に到着。花立ピーク、金冷シを過ぎれば塔ノ岳はすぐそこです。 塔ノ岳からは、日高、竜ヶ馬場を通り丹沢山まで歩きます。丹沢山からは核心部の丹沢三峰へと進みます。三峰最後のピークである本間ノ頭まで4つの峰のアップダウンが続きます。途中の円山木ノ頭と本間ノ頭の登りは最も急です。丹沢山から宮ヶ瀬方面へ進むと右へ天王寺尾根や塩水橋への分岐がありますが、三峰に向かってまっすぐに進みます。ブナ等の森の中を瀬戸沢ノ頭、太礼ノ頭と越えて行きます。円山木ノ頭の登りは長い階段の急登で一汗かくことでしょう。本間ノ頭からは長い下りが始まります。下りが一段落してからは、登山道は稜線の南側を巻くようにして続き、クサリの張ってある難所の金冷シを通過してからは、今度は稜線の北側をトラバースします。 巻道が終わると青宇治橋からの道が右側から合わさり、さらに少し先で高畑山への直登と巻道に分かれます。巻道の方は道幅が狭いので注意が必要です。高畑山山頂はカラマツ林とテンニンソウが多く展望はありません。御殿森ノ頭を過ぎて下って行くと車道に出ます。車道を左へわずかに進めば三叉路で、さらに車道を渡ると左側に本厚木行きの三叉路バス停があります。 -
丹沢主稜縦走(西丹沢ビジターセンターから大倉へ)
- 1泊2日
- 11時間45分
- 21.3km
丹沢主稜縦走(西丹沢ビジターセンターから大倉へ)
- 1泊2日
- 11時間45分
- 21.3km
丹沢主稜とは、丹沢を南北に通る丹沢主脈縦走路の最高峰である蛭ヶ岳から西丹沢の雄峰、檜洞丸の間を指します。ここでは、西丹沢からツツジ新道を登って檜洞丸で1泊、翌日は丹沢主稜核心部を歩いて蛭ヶ岳に至り、そこから縦走路を南下して大倉に下山する1泊2日のロングコースを紹介します。 出発地点の西丹沢ビジターセンターへは、小田急線新松田駅から富士急モビリティバスで1時間15分程。西丹沢ビジターセンターで身支度をし、登山届を出して出発します。河内川沿いの車道を上流に向かって進むと車道右側に檜洞丸への登山道入口が現れます。少し沢の中を歩きジグザグの道に取り付きます。所々桟道が架かっているので注意して歩きましょう。小尾根を回り込んでからは水平な道がゴーラ沢出合まで続きます。ゴーラ沢出合では、東沢の本流とゴーラ沢とを飛び石伝いに渡りますが、増水時には十分に注意しましょう。ここからはツツジ新道と呼ばれる急な尾根が始まります。いきなりコンクリートの階段とクサリのある登山道を登り、1時間弱で展望園地に到着です。この先は登山道の左側がガレている所が続くので注意して歩きましょう。ブナの大木の中を登って行けばやがて稜線に出ます。 ツツジ新道上部はその名の通りシロヤシオツツジやトウゴクミツバツツジが群生しています。稜線に出たら左折し、木道を渡ってひと登りすれば檜洞丸山頂に到着です。山頂から蛭ヶ岳方面へ少し降りた所に山小屋がありここに泊まります。 翌日は金山谷乗越までの長い下りで始まります。最低鞍部手前で左へ神ノ川広河原への道を分け、ガレの縁を通って桟道を渡ります。少し登って降りると、右側に数分で水場のある神ノ川乗越です。神ノ川乗越から臼ヶ岳へはブナやヒコサンヒメシャラの林の中を登ります。臼ヶ岳から下って登り返せばミカゲ沢ノ頭、ここからわずかに下りいよいよ蛭ヶ岳への急登です。ジグザグの登りで高度を稼ぐもののクサリが張ってある急斜面やガレ場が多いので慎重に。尾根の中段で西丹沢の展望が開け、ここからひと踏ん張りで待望の蛭ヶ岳山頂です。山頂からの展望は素晴らしく、深い熊木沢の谷や富士山の手前に行儀よく収まった檜洞丸が印象的です。 一休みして、途中の鬼ヶ岩の岩場を慎重に越えれば不動ノ峰までは快適な稜線歩きが続きます。不動ノ峰からは大きく下り丹沢山に登り返して竜ヶ馬場、塔ノ岳を通り、塔ノ岳山頂から大倉バス停までは、約2時間半の道のりです。丹沢主稜とは、丹沢を南北に通る丹沢主脈縦走路の最高峰である蛭ヶ岳から西丹沢の雄峰、檜洞丸の間を指します。ここでは、西丹沢からツツジ新道を登って檜洞丸で1泊、翌日は丹沢主稜核心部を歩いて蛭ヶ岳に至り、そこから縦走路を南下して大倉に下山する1泊2日のロングコースを紹介します。 出発地点の西丹沢ビジターセンターへは、小田急線新松田駅から富士急モビリティバスで1時間15分程。西丹沢ビジターセンターで身支度をし、登山届を出して出発します。河内川沿いの車道を上流に向かって進むと車道右側に檜洞丸への登山道入口が現れます。少し沢の中を歩きジグザグの道に取り付きます。所々桟道が架かっているので注意して歩きましょう。小尾根を回り込んでからは水平な道がゴーラ沢出合まで続きます。ゴーラ沢出合では、東沢の本流とゴーラ沢とを飛び石伝いに渡りますが、増水時には十分に注意しましょう。ここからはツツジ新道と呼ばれる急な尾根が始まります。いきなりコンクリートの階段とクサリのある登山道を登り、1時間弱で展望園地に到着です。この先は登山道の左側がガレている所が続くので注意して歩きましょう。ブナの大木の中を登って行けばやがて稜線に出ます。 ツツジ新道上部はその名の通りシロヤシオツツジやトウゴクミツバツツジが群生しています。稜線に出たら左折し、木道を渡ってひと登りすれば檜洞丸山頂に到着です。山頂から蛭ヶ岳方面へ少し降りた所に山小屋がありここに泊まります。 翌日は金山谷乗越までの長い下りで始まります。最低鞍部手前で左へ神ノ川広河原への道を分け、ガレの縁を通って桟道を渡ります。少し登って降りると、右側に数分で水場のある神ノ川乗越です。神ノ川乗越から臼ヶ岳へはブナやヒコサンヒメシャラの林の中を登ります。臼ヶ岳から下って登り返せばミカゲ沢ノ頭、ここからわずかに下りいよいよ蛭ヶ岳への急登です。ジグザグの登りで高度を稼ぐもののクサリが張ってある急斜面やガレ場が多いので慎重に。尾根の中段で西丹沢の展望が開け、ここからひと踏ん張りで待望の蛭ヶ岳山頂です。山頂からの展望は素晴らしく、深い熊木沢の谷や富士山の手前に行儀よく収まった檜洞丸が印象的です。 一休みして、途中の鬼ヶ岩の岩場を慎重に越えれば不動ノ峰までは快適な稜線歩きが続きます。不動ノ峰からは大きく下り丹沢山に登り返して竜ヶ馬場、塔ノ岳を通り、塔ノ岳山頂から大倉バス停までは、約2時間半の道のりです。 -
猿倉温泉から櫛ヶ峰へ
- 日帰り
- 10時間40分
- 23.2km
猿倉温泉から櫛ヶ峰へ
- 日帰り
- 10時間40分
- 23.2km
猿倉温泉バス停から猿倉温泉までおよそ300m余りの車道歩きになります。車道の両端は小さな湿原で、季節の花が咲き乱れます。 温泉の奥に休憩所とトイレがあります。休憩所の前にある登山口の看板を過ぎて、登山道を進むと、すぐに猿倉岳への分岐があります。通称山道コースと呼ばれ、道がV字状に雨水で削られ、ヤブがうるさく整備されていないため旧道をたどります。旧道は昔、観光用道路として作られたものですが、一度も車が走ることなく今日に至っています。もともと車が走るように作られた道なので急な登りはなく、沢、尾根を大きく回り込むように作られています。休憩所を後に、15分も歩くと猿倉神社です。 このあたりまでは道幅も広いですが、この先は樹林の中を歩くようになります。見返場で樹林が少し切れ、高田大岳、黒森の展望が得られますが、気づかないうちに通過しまた樹林の中となります。再度左手の樹林が切れると矢櫃湿原です。入口から湿原を見渡せますが、湿原は立入禁止なので中に入れません。さらに先へ進むと木製の矢櫃橋があり、道は南へ向けて緩やかな登りとなります。展望は全くありません。やがて左手に水がとうとうと流れ出る松次郎清水に出ます。南八甲田山中で一番の美味しい水なので、ぜひ汲んでおきましょう。水場から少しで乗鞍岳入口の分岐です。 入口には小さな湿原があり、高山植物が咲き疲れを癒してくれます。道は西へと進み、樹林が切れて展望が開けてきます。夏は強い日差しを遮るものが全くないため、熱中症には要注意。標柱に地獄峠の表示が現れると駒ヶ峯入口の広場はすぐです。ここにも小さな沢があるので水を得ることができます。櫛ヶ峯入口まではゆるく下り、櫛ヶ峯入口の標柱がある所からは、標識に従い西へ進みます。このあたりの左手の湿地は田型萢と言われ、湿地にある池塘を田圃の形に見たてたため、田型萢と言われるようになりました。 標識に従って西へ折れるとすぐに、湿原の中に木道が続きます。黄瀬萢といわれる広大な湿原でワタスゲの群落などは見事です。櫛ヶ峯の三角峰が徐々に大きくなり、田堰沢を渡ると、身丈ほどの樹林で遠望はありません。小沢を何回か渡り、視界が開けて森林限界になります。草つきの尾根を左手にずっと回ってから急登が始まります。最後のふんばりで登りきると、櫛ヶ峯の山頂です。裸地化した中に、三角点があります。北八甲田の山々や岩木山、十和田湖の輝きが手に取るような近さに見えます。遠くには岩手山や八幡平・秋田駒ヶ岳、早池峰山などが望めます。猿倉温泉から延々歩いて登った櫛ヶ峯の山頂からの展望は、充実感に満ちています。 展望を十分楽しんだら、足元が見えない道をひたすら下ります。猿倉温泉バス停から猿倉温泉までおよそ300m余りの車道歩きになります。車道の両端は小さな湿原で、季節の花が咲き乱れます。 温泉の奥に休憩所とトイレがあります。休憩所の前にある登山口の看板を過ぎて、登山道を進むと、すぐに猿倉岳への分岐があります。通称山道コースと呼ばれ、道がV字状に雨水で削られ、ヤブがうるさく整備されていないため旧道をたどります。旧道は昔、観光用道路として作られたものですが、一度も車が走ることなく今日に至っています。もともと車が走るように作られた道なので急な登りはなく、沢、尾根を大きく回り込むように作られています。休憩所を後に、15分も歩くと猿倉神社です。 このあたりまでは道幅も広いですが、この先は樹林の中を歩くようになります。見返場で樹林が少し切れ、高田大岳、黒森の展望が得られますが、気づかないうちに通過しまた樹林の中となります。再度左手の樹林が切れると矢櫃湿原です。入口から湿原を見渡せますが、湿原は立入禁止なので中に入れません。さらに先へ進むと木製の矢櫃橋があり、道は南へ向けて緩やかな登りとなります。展望は全くありません。やがて左手に水がとうとうと流れ出る松次郎清水に出ます。南八甲田山中で一番の美味しい水なので、ぜひ汲んでおきましょう。水場から少しで乗鞍岳入口の分岐です。 入口には小さな湿原があり、高山植物が咲き疲れを癒してくれます。道は西へと進み、樹林が切れて展望が開けてきます。夏は強い日差しを遮るものが全くないため、熱中症には要注意。標柱に地獄峠の表示が現れると駒ヶ峯入口の広場はすぐです。ここにも小さな沢があるので水を得ることができます。櫛ヶ峯入口まではゆるく下り、櫛ヶ峯入口の標柱がある所からは、標識に従い西へ進みます。このあたりの左手の湿地は田型萢と言われ、湿地にある池塘を田圃の形に見たてたため、田型萢と言われるようになりました。 標識に従って西へ折れるとすぐに、湿原の中に木道が続きます。黄瀬萢といわれる広大な湿原でワタスゲの群落などは見事です。櫛ヶ峯の三角峰が徐々に大きくなり、田堰沢を渡ると、身丈ほどの樹林で遠望はありません。小沢を何回か渡り、視界が開けて森林限界になります。草つきの尾根を左手にずっと回ってから急登が始まります。最後のふんばりで登りきると、櫛ヶ峯の山頂です。裸地化した中に、三角点があります。北八甲田の山々や岩木山、十和田湖の輝きが手に取るような近さに見えます。遠くには岩手山や八幡平・秋田駒ヶ岳、早池峰山などが望めます。猿倉温泉から延々歩いて登った櫛ヶ峯の山頂からの展望は、充実感に満ちています。 展望を十分楽しんだら、足元が見えない道をひたすら下ります。 -
浄土平から西吾妻山縦走
- 1泊2日
- 12時間30分
- 23.5km
浄土平から西吾妻山縦走
- 1泊2日
- 12時間30分
- 23.5km
本コースは、吾妻連峰を東から西に向けて縦走する歩きごたえのあるコースです。1泊2日で設定していますが、後半の歩行距離が長いので、2泊3日のプランにするとより余裕をもって山歩きを楽しめるでしょう。 磐梯吾妻スカイラインの浄土平から天文台の右側を通り、浄土平湿原の木道分岐の次の分岐で右に入り酸ヶ平へ。 一切経山山頂は広く平坦で、360度の展望です。北側からは神秘的な色あいの五色沼が見えます。沼を見ながら下りますが、ザレた道は滑りやすいのでゆっくり進みましょう。 樹間を出て、沼を間近に見ながら五色沼分岐を左へ登ると家形山に着きます。一切経山、五色沼が美しく望めます。ここから樹林帯となります。五色温泉・霧ノ平への道標分岐を左に行くと分岐(三叉路)があり、直進して東大巓方向に向かいます。 下っていき、なだらかになった所の分岐は堀田林道からの登山道、そしてすぐ先の分岐は姥湯からの登山道です。展望が良い兵子へは往復10分程です。 ニセ烏帽子山、烏帽子山と進んで行きます。烏帽子山は岩場で、昭元山、東大巓、中吾妻山、谷地平、猪苗代湖も見えます。大倉新道谷地平分岐から展望の良い木道になります。東大巓の山頂(三角点)は道標から左へ20mほどですが展望はありません。下った分岐で、右の弥兵衛平・滑川温泉に向かいます。 1日目は弥兵衛平小屋(明月荘)に泊まります。水場は滑川温泉コースへ下って10分ほどの木道のところにある金明水を利用します。 2日目は主稜分岐に戻り人形石方面に向かいます。藤十郎付近から、これまで歩いてきた東大巓と、その右奥に東吾妻山が見えます。。 いろは沼と呼ばれる池塘群を通り登って行くと、岩の台地となっている人形石に着きます。展望が良く、これまで歩いてきた東吾妻方面とこれから向かう西吾妻山も望めます。ここの分岐を右に行くと天元台高原スキー場のリフトがあるので、エスケープルートに利用できます。 西吾妻山方面に向かい、高原植物の群落がある大凹の湿地帯になります。途中に水場があるので、西吾妻小屋に泊まる場合はここで補給すると良いでしょう。ここから岩づたいの登りになります。木道になると湿原が広がり池塘群もあります。こちらもいろは沼です。岩の重なっている梵天岩はペンキ目印を右へ巻いて行きます。岩原の天狗岩に出て、道標を左へ西吾妻山に向かいます。 吾妻山の最高峰西吾妻山山頂は樹林に囲まれて展望はありません。山頂から下った分岐を右へ向かうと、左手100mほどのところ西吾妻小屋があります。若女平コースは分岐を左に入り、樹林になります。若女平からはダケカンバ林に変わり、緩やかになります。小和清水の水場はコースから右へ20mほどの所です。ブナ林の道を下り、さらに急な下りとなるので、滑らないよう注意して下さい。ようやく下りきると、藤右ェ門沢の橋を渡って、西吾妻スカイバレーに出ます。若女平登山口道標があります。ここから徒歩10分程で白布温泉に到着です。本コースは、吾妻連峰を東から西に向けて縦走する歩きごたえのあるコースです。1泊2日で設定していますが、後半の歩行距離が長いので、2泊3日のプランにするとより余裕をもって山歩きを楽しめるでしょう。 磐梯吾妻スカイラインの浄土平から天文台の右側を通り、浄土平湿原の木道分岐の次の分岐で右に入り酸ヶ平へ。 一切経山山頂は広く平坦で、360度の展望です。北側からは神秘的な色あいの五色沼が見えます。沼を見ながら下りますが、ザレた道は滑りやすいのでゆっくり進みましょう。 樹間を出て、沼を間近に見ながら五色沼分岐を左へ登ると家形山に着きます。一切経山、五色沼が美しく望めます。ここから樹林帯となります。五色温泉・霧ノ平への道標分岐を左に行くと分岐(三叉路)があり、直進して東大巓方向に向かいます。 下っていき、なだらかになった所の分岐は堀田林道からの登山道、そしてすぐ先の分岐は姥湯からの登山道です。展望が良い兵子へは往復10分程です。 ニセ烏帽子山、烏帽子山と進んで行きます。烏帽子山は岩場で、昭元山、東大巓、中吾妻山、谷地平、猪苗代湖も見えます。大倉新道谷地平分岐から展望の良い木道になります。東大巓の山頂(三角点)は道標から左へ20mほどですが展望はありません。下った分岐で、右の弥兵衛平・滑川温泉に向かいます。 1日目は弥兵衛平小屋(明月荘)に泊まります。水場は滑川温泉コースへ下って10分ほどの木道のところにある金明水を利用します。 2日目は主稜分岐に戻り人形石方面に向かいます。藤十郎付近から、これまで歩いてきた東大巓と、その右奥に東吾妻山が見えます。。 いろは沼と呼ばれる池塘群を通り登って行くと、岩の台地となっている人形石に着きます。展望が良く、これまで歩いてきた東吾妻方面とこれから向かう西吾妻山も望めます。ここの分岐を右に行くと天元台高原スキー場のリフトがあるので、エスケープルートに利用できます。 西吾妻山方面に向かい、高原植物の群落がある大凹の湿地帯になります。途中に水場があるので、西吾妻小屋に泊まる場合はここで補給すると良いでしょう。ここから岩づたいの登りになります。木道になると湿原が広がり池塘群もあります。こちらもいろは沼です。岩の重なっている梵天岩はペンキ目印を右へ巻いて行きます。岩原の天狗岩に出て、道標を左へ西吾妻山に向かいます。 吾妻山の最高峰西吾妻山山頂は樹林に囲まれて展望はありません。山頂から下った分岐を右へ向かうと、左手100mほどのところ西吾妻小屋があります。若女平コースは分岐を左に入り、樹林になります。若女平からはダケカンバ林に変わり、緩やかになります。小和清水の水場はコースから右へ20mほどの所です。ブナ林の道を下り、さらに急な下りとなるので、滑らないよう注意して下さい。ようやく下りきると、藤右ェ門沢の橋を渡って、西吾妻スカイバレーに出ます。若女平登山口道標があります。ここから徒歩10分程で白布温泉に到着です。 -
銚子ヶ滝から安達太良山へ
- 日帰り
- 8時間20分
- 16.9km
銚子ヶ滝から安達太良山へ
- 日帰り
- 8時間20分
- 16.9km
銚子ヶ滝登山道はJR磐梯熱海駅から石筵ふれあい牧場までバスに乗り、牧場から銚子ヶ滝登山口まで車道を3km歩きます。便数が少ないので、登山口までタクシーを利用した方が良いでしょう。銚子ヶ滝登山口から緩やかな登山道を行き、出てきた分岐を右が銚子ヶ滝、まっすぐが船明神山方面です。銚子ヶ滝までは往復20分なので時間に余裕があれば寄ってみましょう。 コースは下りとなり石筵川を渡って左岸に渡ります。水量が多い時は渡れません。急な登りのあと、なだらかな樹林を行きます。灌木帯になると視野が良くなり岩のガレ場の所からは、磐梯山、猪苗代湖、吾妻山の展望が良く望めます。 ようやく和尚山分岐に着きます。和尚山三角点へ行く場合は右へ行きます(往復20分)。分岐から左へ北側に出ると安達太良山本峰が望めます。和尚山からの下りは灌木帯でコースが分かりづらい所もあります。登り返してハイマツ帯になると展望が良くなり山頂広場に着きます。振り返ると和尚山が大きく見えます。 安達太良山山頂の乳首までは5分程です。展望も良く火山らしい荒々しさがあります。展望を楽しんだ後、主稜に戻って牛ノ背と呼ばれる主稜コースを行きます。船明神山への分岐を左へ。前方には船明神山と障子ヶ岩が見えます。右下は殺伐とした風景の広がる沼ノ平です。なだらかに下り登り返すと船明神山です。 大岩のところに祠があり、船大明神が祀られています。ここから俯瞰する沼ノ平火口の眺めは迫力満点です。ここから下りとなって岩伝いを左下に進みます。平坦部になったところで右へと進みます。小さな池の所から障子ヶ岩に登って行きます。左側をトラバースする所もありますが稜線に出ます。右下には沼ノ平が見えます。 樹林になると急な下りとなり、平坦になれば分岐。右手は湯の花採取場経由で胎内岩、鉄山方面です。ここをまっすぐに進み、下っていくと白糸の滝展望台に着きます。展望台は2箇所ありますが上部の方は木に隠れて良く見えません。下部の展望台からは、遠目ですがとても美しい滝が望めます。そしてすぐに沼尻登山口に出ます。ここから林道を4kmほど歩いて沼尻温泉を通って中の沢温泉バス停に着きます。銚子ヶ滝登山道はJR磐梯熱海駅から石筵ふれあい牧場までバスに乗り、牧場から銚子ヶ滝登山口まで車道を3km歩きます。便数が少ないので、登山口までタクシーを利用した方が良いでしょう。銚子ヶ滝登山口から緩やかな登山道を行き、出てきた分岐を右が銚子ヶ滝、まっすぐが船明神山方面です。銚子ヶ滝までは往復20分なので時間に余裕があれば寄ってみましょう。 コースは下りとなり石筵川を渡って左岸に渡ります。水量が多い時は渡れません。急な登りのあと、なだらかな樹林を行きます。灌木帯になると視野が良くなり岩のガレ場の所からは、磐梯山、猪苗代湖、吾妻山の展望が良く望めます。 ようやく和尚山分岐に着きます。和尚山三角点へ行く場合は右へ行きます(往復20分)。分岐から左へ北側に出ると安達太良山本峰が望めます。和尚山からの下りは灌木帯でコースが分かりづらい所もあります。登り返してハイマツ帯になると展望が良くなり山頂広場に着きます。振り返ると和尚山が大きく見えます。 安達太良山山頂の乳首までは5分程です。展望も良く火山らしい荒々しさがあります。展望を楽しんだ後、主稜に戻って牛ノ背と呼ばれる主稜コースを行きます。船明神山への分岐を左へ。前方には船明神山と障子ヶ岩が見えます。右下は殺伐とした風景の広がる沼ノ平です。なだらかに下り登り返すと船明神山です。 大岩のところに祠があり、船大明神が祀られています。ここから俯瞰する沼ノ平火口の眺めは迫力満点です。ここから下りとなって岩伝いを左下に進みます。平坦部になったところで右へと進みます。小さな池の所から障子ヶ岩に登って行きます。左側をトラバースする所もありますが稜線に出ます。右下には沼ノ平が見えます。 樹林になると急な下りとなり、平坦になれば分岐。右手は湯の花採取場経由で胎内岩、鉄山方面です。ここをまっすぐに進み、下っていくと白糸の滝展望台に着きます。展望台は2箇所ありますが上部の方は木に隠れて良く見えません。下部の展望台からは、遠目ですがとても美しい滝が望めます。そしてすぐに沼尻登山口に出ます。ここから林道を4kmほど歩いて沼尻温泉を通って中の沢温泉バス停に着きます。 -
日中ひざわ湖(日中ダム)から飯森山へ
- 日帰り
- 9時間10分
- 15km
日中ひざわ湖(日中ダム)から飯森山へ
- 日帰り
- 9時間10分
- 15km
飯森山は、飯豊連峰と吾妻連峰の中間にあり、飯森山のわずか2km北にある栂峰にはアオモリトドマツが生えているのに飯森山には見られず、植生分布を分ける場所に位置しています。また、かつて飯豊権現を鎮座していたと伝えられることから「めしもりやま」とも呼ばれ、飯豊山との関係も興味深い山です。 飯森山は、登山口からの標高差が約1100mもあり所要時間が往復9時間半ほどかかるため、早朝出発が基本です。前日、麓の熱塩温泉や日中温泉に泊まるのもよいでしょう。 アクセスはマイカーかタクシーが便利で、ダム管理所横の小広場の所に駐車場があります。ここから車道を5分ほどいくと左カーブの所に飯森山登山口があります。鳥居があり飯森山神社、大神が祀られている祠もあります。 登山口から樹林の中を登っていきます。見晴台までは急登です。見晴台の道標がある場所は、現在展望はなく樹林で見えません。ここからプレート道標のある薬師までは少し緩やかになります。 薬師からは地蔵、大倉の頭、鉢伏山へアップダウンを繰り返して登ります。登山道の周りはブナの美林が広がっています。地蔵から大倉の頭間は、東側が急斜面の所を通る箇所が多くあるので、足元に注意して下さい。 大倉の頭を過ぎて下って行き、高倉窪から登りとなってようやく鉢伏山の山頂に着きます。展望は抜群で、飯豊連峰の杁差岳まで見えます。磐梯山は遠く双耳峰を見せています。 ここからも下りになり、下った鞍部は湿地になっていて、少し右上をトラバースする所があります。滑らないよう注意しましょう。 長く感じる登りを終えると、ようやく飯森山山頂です。振り返れば鉢伏山が大きく見えています。緩やかなアップダウンで1等三角点がある山頂です。この先奥に、飯森山神社のある山頂があります。ナナカマドなどの灌木もありますが展望が良い山頂です。飯森山山頂部は緩やかなアップダウンで3つの小ピークがあります。飯森山神社の祠のところにある道標に沢コースとありますが、下山はできませんので絶対に下らないでください。 下りも長いですが、慌てずに同じコースを下りましょう。飯森山は、飯豊連峰と吾妻連峰の中間にあり、飯森山のわずか2km北にある栂峰にはアオモリトドマツが生えているのに飯森山には見られず、植生分布を分ける場所に位置しています。また、かつて飯豊権現を鎮座していたと伝えられることから「めしもりやま」とも呼ばれ、飯豊山との関係も興味深い山です。 飯森山は、登山口からの標高差が約1100mもあり所要時間が往復9時間半ほどかかるため、早朝出発が基本です。前日、麓の熱塩温泉や日中温泉に泊まるのもよいでしょう。 アクセスはマイカーかタクシーが便利で、ダム管理所横の小広場の所に駐車場があります。ここから車道を5分ほどいくと左カーブの所に飯森山登山口があります。鳥居があり飯森山神社、大神が祀られている祠もあります。 登山口から樹林の中を登っていきます。見晴台までは急登です。見晴台の道標がある場所は、現在展望はなく樹林で見えません。ここからプレート道標のある薬師までは少し緩やかになります。 薬師からは地蔵、大倉の頭、鉢伏山へアップダウンを繰り返して登ります。登山道の周りはブナの美林が広がっています。地蔵から大倉の頭間は、東側が急斜面の所を通る箇所が多くあるので、足元に注意して下さい。 大倉の頭を過ぎて下って行き、高倉窪から登りとなってようやく鉢伏山の山頂に着きます。展望は抜群で、飯豊連峰の杁差岳まで見えます。磐梯山は遠く双耳峰を見せています。 ここからも下りになり、下った鞍部は湿地になっていて、少し右上をトラバースする所があります。滑らないよう注意しましょう。 長く感じる登りを終えると、ようやく飯森山山頂です。振り返れば鉢伏山が大きく見えています。緩やかなアップダウンで1等三角点がある山頂です。この先奥に、飯森山神社のある山頂があります。ナナカマドなどの灌木もありますが展望が良い山頂です。飯森山山頂部は緩やかなアップダウンで3つの小ピークがあります。飯森山神社の祠のところにある道標に沢コースとありますが、下山はできませんので絶対に下らないでください。 下りも長いですが、慌てずに同じコースを下りましょう。 -
日光から女峰山へ
- 日帰り
- 11時間5分
- 19km
日光から女峰山へ
- 日帰り
- 11時間5分
- 19km
日帰りコースとしては日光連山では標高差・行動時間ともに最長とも言えるロングコースです。できれば女峰山山頂直下の唐沢避難小屋に宿泊して余裕を持った行程にするのがよいでしょう。西参道入口バス停で下車して、しばらく参道を行けば行者堂があるので、左奥へと進むと登山道が始まります。植林地の林道と合流して、再び登山道へと戻ると殺生禁断碑があります。赤土がむき出しになって滑りやすい区間もありますが、道のりはなだらかです。稚児ヶ墓を抜ける頃にはササが少しずつ登山道に覆いかぶさってきますが、道形はしっかりしています。森を抜けて開けたササ原に出れば水場はすぐそこです。ササ原から森へと入り込むといっそうササヤブが深くなります。登山道が傾斜を増し、ゴツゴツとした岩場を黄色い矢印のとおり進めば八風に到着します。すぐに開けた稜線に出ますがここが遥拝石。前方には前女峰や赤薙山への稜線が望めます。山頂が明瞭でない竜巻山を過ぎ、ガレ場を抜ければ唐沢避難小屋に到着します。残りは40分のガレ場の急登で女峰山山頂です。日帰りコースとしては日光連山では標高差・行動時間ともに最長とも言えるロングコースです。できれば女峰山山頂直下の唐沢避難小屋に宿泊して余裕を持った行程にするのがよいでしょう。西参道入口バス停で下車して、しばらく参道を行けば行者堂があるので、左奥へと進むと登山道が始まります。植林地の林道と合流して、再び登山道へと戻ると殺生禁断碑があります。赤土がむき出しになって滑りやすい区間もありますが、道のりはなだらかです。稚児ヶ墓を抜ける頃にはササが少しずつ登山道に覆いかぶさってきますが、道形はしっかりしています。森を抜けて開けたササ原に出れば水場はすぐそこです。ササ原から森へと入り込むといっそうササヤブが深くなります。登山道が傾斜を増し、ゴツゴツとした岩場を黄色い矢印のとおり進めば八風に到着します。すぐに開けた稜線に出ますがここが遥拝石。前方には前女峰や赤薙山への稜線が望めます。山頂が明瞭でない竜巻山を過ぎ、ガレ場を抜ければ唐沢避難小屋に到着します。残りは40分のガレ場の急登で女峰山山頂です。 -
社山から黒檜岳へ
- 日帰り
- 8時間30分
- 15.1km
社山から黒檜岳へ
- 日帰り
- 8時間30分
- 15.1km
このコースは全長15kmのロングコースで、道が不明瞭な区間も多く上級者向けなので、遅い時間帯や初心者だけでの入山は控えるようにしましょう。 中禅寺温泉から大鳥居で左折して、湖畔の道を阿世潟へと向かいます。この湖畔の道は何度訪れても美しく、特に阿世潟手前の白い砂浜から見る湖越しの男体山はひと目見ておきたい景色です。阿世潟から25分の上りで阿世潟峠に着いたら、社山への稜線はいきなり斜度を増して急登となります。 1550mピークの雨量計のある岩峰に着けば、社山への稜線がはっきりと見てとれます。この辺りからは中禅寺湖や男体山、太郎山などを見ながら歩く稜線なので、つらい急登も苦にはなりません。社山山頂からは南西側に足尾や皇海山などを望めます。 わずかな森区間を抜けるとすぐ先に稜線が見えますが、コースは右手のコメツガ林に入り込んで下るので、間違えないように注意しましょう。細いコメツガ林を目印のプレートを頼りに下りると、視界が開けて黒檜岳までの複雑な稜線が現れます。まずは快適な広い稜線をなだらかに登り、ササの濃い斜面を上ります。登り切ったら直角に左に折れて少し下れば、広々とした鞍部に出ます。シラカバ疎林のピンクリボンを目印に行きますが、濃霧時にはこのリボンを見失いやすいので要注意です。ここからひと登りすると1792mピークで、これから歩く稜線を望むことが出来ます。1816mピークへの稜線は南側の巻き道がいくつもありますが、心配であれば忠実に稜線を辿りましょう。1816mピークを過ぎるとなだらかな下りになり、ササの広場へと到着します。この先もササヤブが続きますが、大平山への稜線が派生する頃には苔むしたコメツガの深い森が始まります。黒檜岳への分岐標識が森の中でひっそりと立っているので、左へ折れて黒檜岳山頂を目指しましょう。これまでの苦労を考えれば山頂に立った満足感に満たされることでしょう。 先ほどの分岐に戻って千手ヶ浜への下山を始めます。1802mピークまでは歩きやすい道のりですが、その先は急激な下り坂です。途中、ゴヨウマツの巨木を過ぎれば尾根取付まではわずかで、さらに下れば水場があります。水場付近は足元が悪いので通行には注意しましょう。やがて傾斜が緩やかになれば黒檜岳登山口、その先の千手ヶ浜まではあと少しです。このコースは全長15kmのロングコースで、道が不明瞭な区間も多く上級者向けなので、遅い時間帯や初心者だけでの入山は控えるようにしましょう。 中禅寺温泉から大鳥居で左折して、湖畔の道を阿世潟へと向かいます。この湖畔の道は何度訪れても美しく、特に阿世潟手前の白い砂浜から見る湖越しの男体山はひと目見ておきたい景色です。阿世潟から25分の上りで阿世潟峠に着いたら、社山への稜線はいきなり斜度を増して急登となります。 1550mピークの雨量計のある岩峰に着けば、社山への稜線がはっきりと見てとれます。この辺りからは中禅寺湖や男体山、太郎山などを見ながら歩く稜線なので、つらい急登も苦にはなりません。社山山頂からは南西側に足尾や皇海山などを望めます。 わずかな森区間を抜けるとすぐ先に稜線が見えますが、コースは右手のコメツガ林に入り込んで下るので、間違えないように注意しましょう。細いコメツガ林を目印のプレートを頼りに下りると、視界が開けて黒檜岳までの複雑な稜線が現れます。まずは快適な広い稜線をなだらかに登り、ササの濃い斜面を上ります。登り切ったら直角に左に折れて少し下れば、広々とした鞍部に出ます。シラカバ疎林のピンクリボンを目印に行きますが、濃霧時にはこのリボンを見失いやすいので要注意です。ここからひと登りすると1792mピークで、これから歩く稜線を望むことが出来ます。1816mピークへの稜線は南側の巻き道がいくつもありますが、心配であれば忠実に稜線を辿りましょう。1816mピークを過ぎるとなだらかな下りになり、ササの広場へと到着します。この先もササヤブが続きますが、大平山への稜線が派生する頃には苔むしたコメツガの深い森が始まります。黒檜岳への分岐標識が森の中でひっそりと立っているので、左へ折れて黒檜岳山頂を目指しましょう。これまでの苦労を考えれば山頂に立った満足感に満たされることでしょう。 先ほどの分岐に戻って千手ヶ浜への下山を始めます。1802mピークまでは歩きやすい道のりですが、その先は急激な下り坂です。途中、ゴヨウマツの巨木を過ぎれば尾根取付まではわずかで、さらに下れば水場があります。水場付近は足元が悪いので通行には注意しましょう。やがて傾斜が緩やかになれば黒檜岳登山口、その先の千手ヶ浜まではあと少しです。 -
尾瀬沼(東岸)から燧ヶ岳へ
- 日帰り
- 8時間35分
- 13.1km
尾瀬沼(東岸)から燧ヶ岳へ
- 日帰り
- 8時間35分
- 13.1km
尾瀬沼山峠バス停から長蔵小屋までは沼山峠から尾瀬沼(東岸へ)(コースガイド)を参照して下さい。燧ヶ岳にはトイレがないので、尾瀬沼東岸でトイレを済ませましょう。大江湿原に戻り、最初の分岐を左へ15分ほど進めば長英新道分岐です。ぬかるみの多い針葉樹の道のりを進みますが、降雨時や濃霧時には道を外しやすい場所もあるので、赤布や赤ペンキを見失わないように注意しましょう。尾根に出ればぬかるみは少なくなりますが、傾斜がきつくなってきます。4合目から尾瀬沼が見えるようになりますが、この辺りが最もきつい登り区間なので、景色を楽しみながら歩きましょう。 途中、広場に着きますが、天気が良ければ谷間に俎嵓がそびえているのが分かります。ササに囲まれたの急な階段を登り切ればミノブチ岳で、ここからの眺めは尾瀬沼と点在する小湿原が手に取るようにわかります。 ミノブチ岳からは俎嵓が目前に見えます。ナデッ窪分岐を直進すれば、最後は大きな岩を乗り越えるようにして石祠の置かれた俎嵓に着きます。祠の横には「明治22年」と彫られたものもあり、約130年前の開山時のものであることがわかります。 俎嵓から東側の眺めは絶景で、遠くは飯豊山から磐梯山、日光連山などの山々が取り囲みます。ここでも十分な眺望が得られますが、最高峰の柴安嵓に向けていったん鞍部へと下りましょう。鞍部への下山路は間違えやすいので、確認しながら行きましょう。鞍部から柴安嵓は急登ですがわずかです。こちらの山頂からは尾瀬ヶ原と至仏山をはじめとした西側の雄大な景色を望むことができます。 双耳峰の雄大な景色を堪能したら俎嵓に戻り、御池方面へ下山を始めましょう。大きな岩がゴロゴロした急な下りを進めば木製階段となり、大きなガレ場をトラバースします。やがて大きな沢沿いを下りますが、ここは7月上旬頃まで大きな雪渓が残るので、季節や時間帯によってはアイゼンがあると安心でしょう。沢の下降から登山道への取り付き場所を間違う登山者が多いので、周りの赤テープや誘導表示を見落とさないように注意しましょう。 さらに下れば連続する木製階段が現れて熊沢田代に着きます。段差の大きい階段を慎重に下っていけば、2つの池溏とベンチがあるので休憩しましょう。ここから広沢田代へは再びゴロゴロした岩の道のりを下りますが、落石を起こさないように注意して進みましょう。広沢田代は尾瀬でもワタスゲの大群落で知られており、7月中旬には見ごろを迎えます。ここから御池までは約45分ですが、ぬかるみも多いので注意して下りましょう。尾瀬沼山峠バス停から長蔵小屋までは沼山峠から尾瀬沼(東岸へ)(コースガイド)を参照して下さい。燧ヶ岳にはトイレがないので、尾瀬沼東岸でトイレを済ませましょう。大江湿原に戻り、最初の分岐を左へ15分ほど進めば長英新道分岐です。ぬかるみの多い針葉樹の道のりを進みますが、降雨時や濃霧時には道を外しやすい場所もあるので、赤布や赤ペンキを見失わないように注意しましょう。尾根に出ればぬかるみは少なくなりますが、傾斜がきつくなってきます。4合目から尾瀬沼が見えるようになりますが、この辺りが最もきつい登り区間なので、景色を楽しみながら歩きましょう。 途中、広場に着きますが、天気が良ければ谷間に俎嵓がそびえているのが分かります。ササに囲まれたの急な階段を登り切ればミノブチ岳で、ここからの眺めは尾瀬沼と点在する小湿原が手に取るようにわかります。 ミノブチ岳からは俎嵓が目前に見えます。ナデッ窪分岐を直進すれば、最後は大きな岩を乗り越えるようにして石祠の置かれた俎嵓に着きます。祠の横には「明治22年」と彫られたものもあり、約130年前の開山時のものであることがわかります。 俎嵓から東側の眺めは絶景で、遠くは飯豊山から磐梯山、日光連山などの山々が取り囲みます。ここでも十分な眺望が得られますが、最高峰の柴安嵓に向けていったん鞍部へと下りましょう。鞍部への下山路は間違えやすいので、確認しながら行きましょう。鞍部から柴安嵓は急登ですがわずかです。こちらの山頂からは尾瀬ヶ原と至仏山をはじめとした西側の雄大な景色を望むことができます。 双耳峰の雄大な景色を堪能したら俎嵓に戻り、御池方面へ下山を始めましょう。大きな岩がゴロゴロした急な下りを進めば木製階段となり、大きなガレ場をトラバースします。やがて大きな沢沿いを下りますが、ここは7月上旬頃まで大きな雪渓が残るので、季節や時間帯によってはアイゼンがあると安心でしょう。沢の下降から登山道への取り付き場所を間違う登山者が多いので、周りの赤テープや誘導表示を見落とさないように注意しましょう。 さらに下れば連続する木製階段が現れて熊沢田代に着きます。段差の大きい階段を慎重に下っていけば、2つの池溏とベンチがあるので休憩しましょう。ここから広沢田代へは再びゴロゴロした岩の道のりを下りますが、落石を起こさないように注意して進みましょう。広沢田代は尾瀬でもワタスゲの大群落で知られており、7月中旬には見ごろを迎えます。ここから御池までは約45分ですが、ぬかるみも多いので注意して下りましょう。